説明

ゴルフアドレス調整システム

【課題】アドレス姿勢確認システムを提供する。
【解決手段】ゴルフアドレス姿勢確認システムは、位置情報を取得する測位装置を含む第1、第2測定部を備える。2つの測定点における位置情報に基づいて、2つの測定点を結ぶ直線を特定する制御部を備える。告知部を備える。第1測定部は使用者の一方の肩に取り付けられる。第2測定部は使用者の他方の肩に取り付けられる。制御部は、アドレスに入る前に、使用者が第1位置に移動した時に第1測定部を使って得た第1位置情報と、第2位置に移動した時に第1測定部を使って得た第2位置情報とに基づいて、第1直線を特定する。アドレスに入る時に、特定の時間間隔で、第1特定部で取得した位置情報と、第2測定部で取得した位置情報とに基づいて、使用者の両肩を結ぶ第2直線を特定する。制御部は、第1直線と第2直線とが平行な状態にあるか否かを判断し、告知部は、制御部による判断結果を使用者に告知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフのアドレス時の姿勢を確認する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1のように、運動中の使用者の体の動きを測定し、測定結果に基づいて情報を使用者に伝達する装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許3656853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、測定結果を視覚的に表示する装置(ディスプレイ)など、使用者から離れた位置にある装置を使用する必要があり、あくまで練習用であって、ゴルフ場でラウンドする場合には、かかる装置は使用出来ない。
【0005】
したがって本発明の目的は、ゴルフ場でラウンドする場合にも使用出来る、アドレス姿勢確認システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るゴルフアドレス姿勢確認システムは、位置情報を取得する測位装置を含む第1、第2測定部と、2つの測定点における位置情報に基づいて、2つの測定点を結ぶ直線を特定する制御部と、告知部とを備え、第1測定部は、使用者の一方の肩に取り付けられ、第2測定部は、使用者の他方の肩に取り付けられ、制御部は、アドレスに入る前に、使用者が第1位置に移動した時に第1測定部を使って得た第1位置情報と、第2位置に移動した時に第1測定部を使って得た第2位置情報とに基づいて、第1直線を特定し、制御部は、アドレスに入る時に、特定の時間間隔で、第1特定部で取得した位置情報と、第2測定部で取得した位置情報とに基づいて、使用者の両肩を結ぶ第2直線を特定し、制御部は、第1直線と、第2直線とが平行な状態にあるか否かを判断し、告知部は、制御部による判断結果を使用者に告知する。
【0007】
使用者が設定した任意の方向に平行な第1直線と、使用者の肩の一方に設置された第1測定部と他方に設置された第2測定部とを結ぶ第2直線が平行であるか否かを判断する。
【0008】
ゴルフのアドレスに入る時における両肩の位置関係が、使用者が設定した任意の方向(例えば、ゴルフボールを飛ばしたい方向)と略平行である場合、ゴルフボールを飛ばす方向と、かかる任意の方向(ゴルフボールを飛ばしたい方向)を一致させることが出来る可能性が高くなり、使用者の姿勢がアドレスに入る姿勢として最適な状態であるか否かを知ることが出来る。
【0009】
また、本実施形態におけるゴルフアドレス姿勢確認システムを構成する第1測定部、第2測定部、制御部は、使用者の肩などに装着出来、服の内側に取り付けた場合には、第三者から見えない位置に配置することも出来る。また、姿勢の計測から、振動による使用者への告知までを使用者の体に取り付けた装置で完結出来るため、ゴルフ場のラウンドでも使用することが出来るメリットがある。
【0010】
好ましくは、第1直線は、ゴルフボールが置かれた位置から、使用者がゴルフボールを飛ばしたい方向に向けた線と平行であり、第1位置は、ゴルフボールが置かれた位置の後方であり、第2位置は、ゴルフボールが置かれた位置近傍である。
【0011】
また、第1直線を設定するための、第1位置は、ゴルフボールが置かれた位置の後方であり、第2位置は、ゴルフボールが置かれた位置近傍であるため、ショット前にこれらの位置に使用者が移動することは、ゴルフボールを打つ方向を見定めるための行動であり、第三者に不自然に思われる可能性も低い。
【0012】
また、好ましくは、告知部はバイブレーターを有し、第1直線と第2直線とが平行な状態であると判断した場合に、振動を使用者に与える。
【0013】
また、振動によりその告知が行われるので、第三者に気付かれる可能性は低い状態で、使用者は最適なアドレス姿勢を知ることが可能になる。
【0014】
また、好ましくは、第1測定部、第2測定部に含まれる測位装置は、SDGPSを有する。
【0015】
第1測定部や第2測定部にSDGPSを用いることにより、10cm単位の誤差で測位情報が得られるため、正確に第1直線や第2直線を特定することが可能になる。但し、10cm単位程度の誤差で測位情報が得られる他の位置情報取得装置を用いる形態であってもよい。
【0016】
さらに好ましくは、第1測定部、第2測定部に含まれる測位装置は、SDGPSに加え、加速度センサと角速度センサの少なくとも一方を有する。
【0017】
SDGPSよりも計測間隔を短く出来る加速度センサなどを使って、位置情報を補足することにより、短い時間間隔で第2直線の特定結果を更新することが可能になる。なお、SDGPSの測位間隔を短くすることが出来る場合には、短い間隔で計測出来る加速度センサなどを用いずに位置情報を得る形態であってもよい。
【0018】
また、好ましくは、第1直線、第2直線は、鉛直方向に垂直な平面に投影した線の二次元座標上の傾き値で特定される。
【0019】
さらに、好ましくは、第1直線、第2直線の特定は、二次元座標上の傾き値による特定と、三次元座標上での特定とが選択可能である。
【0020】
第1直線、第2直線は、鉛直方向上側(または下側)から見た平面(鉛直方向に垂直な平面)に投影した線の二次元座標上の傾き値で特定される形態であってもよいし、三次元座標上で特定する形態であってもよい。この場合は、第1測定部と第2測定部を使用者の肩に取り付ける高さ方向の位置を合わせておく必要があり、使用者が同じ姿勢(例えば、立った状態)で測位する必要がある。
【0021】
二次元座標上の傾き値で平行な状態にあるか否かを判断する方が、計算は容易に行えるメリットがあるが、三次元座標上で第1直線や第2直線を特定する場合には、両肩の上下方向のズレ(第1測定部と第2測定部の高さ方向の差異)も知ることが出来るため、ゴルフボールを飛ばしたい方向と両肩の位置関係だけでなく、両肩の上下方向の傾きも調整出来る。但し、両肩の上下方向の位置は、使用者が、意図的に両肩の上下方向の高さに差があるように構えることもあるため、三次元座標上で平行状態を確認するか、二次元座標上で平行状態を確認するかは操作部などを使って選択可能であることが望ましい。
【発明の効果】
【0022】
以上のように本発明によれば、ゴルフ場でラウンドする場合にも使用出来る、アドレス姿勢確認システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施形態におけるアドレス姿勢確認システムを装着した使用者の斜視図である。
【図2】本実施形態におけるアドレス姿勢確認システムの構成図である。
【図3】第1位置、第2位置、アドレス時の第1測定部、第2測定部の位置関係(第1直線と第2直線の位置関係)を示す上面図である。
【図4】アドレス姿勢確認の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本実施形態(第1〜第3実施形態)におけるゴルフアドレス姿勢確認システムの構成について、図を用いて説明する。本実施形態に係るゴルフアドレス姿勢確認システム1は、第1測定部11、第2測定部12、計算部15(操作部16、制御部17、告知部18)を備える。(図1、図2参照)。
【0025】
第1測定部11は、SDGPS(Satellite Differential Global Positioning System)受信部と、加速度センサ(または角速度センサ)を有する測位装置で、使用者が第1位置P1に立った時の第1位置情報PI10、第2位置P2に立った時の第2位置情報PI20、第2位置情報PI20取得後の位置情報を取得するために使用される。
【0026】
第2測定部12は、SDGPS受信部と、加速度センサ(または角速度センサ)を有する測位装置で、第2位置情報PI20取得後の位置情報を取得するために使用される。
【0027】
第1測定部11は、使用者の一方の肩(図1では右肩)に取り付けられ、第2測定部12は、使用者の他方の肩(図1では左肩)に取り付けられる。測位誤差を少なくするために、第1測定部11と第2測定部12とは、離れた位置に配置されるのが望ましい。
【0028】
SDGPSの測位間隔は、第1時間ごと(例えば0.5秒ごと)に行われ、加速度センサによる測位(計測)は、SDPGSによる測位結果を補足するために、第1時間よりも短い第2時間ごと(例えば、0.1秒ごと)に行われる。
【0029】
第1位置P1、第2位置P2は、ゴルフボールが置かれた位置から、使用者が当該ゴルフボールを飛ばしたい方向に向けた線と平行な直線上に置かれた2点で、例えば第1位置P1は、ゴルフボールが置かれた位置の後方の任意の場所に設定され、第2位置P2は、ゴルフボールが置かれた位置近傍に設定される。使用者は、自身がアドレスに入る前に、目視により、ゴルフボールを飛ばしたい方向を想定し、ゴルフボールから当該方向に向けた線の延長線上(または当該線に平行な直線上)に、第1位置P1と第2位置P2を定める。
【0030】
本実施形態では、アドレスは、ゴルフボールを打つために構えることをいい、具体的には、スタンスの位置を決め、ゴルフクラブを接地(ソール)したときの状態をいうものとする。ハザードなどソールできない場合は、スタンスを決めたときの状態をいうものとする。
【0031】
使用者が第1位置P1上に立った状態で、使用者が操作部16を操作することにより、第1測定部11のSDGPSによる測位が行われ、このときの第1測定部11の位置情報が第1位置情報PI10として、制御部17に一時記憶される(1回目の通常押し操作)。
【0032】
使用者が第2位置P2上に立った状態で、使用者が操作部16を操作することにより、第1測定部11のSDGPSによる測位が行われ、このときの第1測定部11の位置情報が第2位置情報PI20として、制御部17に一時記憶される(2回目の通常押し操作)。
【0033】
第2位置情報PI20の取得後は、第1測定部11のSDGPS、及び第2測定部12のSDGPSによる第1時間ごとの測位データと、第1測定部11の加速度センサ、及び第2測定部12の加速度センサによる第2時間ごとの測位データとに基づいて、第2時間ごとの第1測定部11の位置情報、及び第2時間ごとの第2測定部12の位置情報が算出され、制御部17に一時記憶される。
【0034】
計算部15の操作部16は、ゴルフアドレス姿勢確認システム1のオンオフ制御、第1位置情報PI10の取得指示、第2位置情報PI20の取得指示を行う操作スイッチを有する。例えば、これらは1つのボタンの操作でも可能で、操作部16のボタンの長押し操作により、オンオフ状態が切り替わり、オン状態において、当該ボタンの1回目の通常押し操作により、第1位置情報PI10の取得が行われ、2回目の通常押しにより、第2位置情報PI20の取得が行われる。第2位置情報PI20の取得から一定時間T1経過後に、測定動作は終了し、待ち状態(または電源がオフ状態)にされる。
【0035】
一定時間T1は、ゴルフボールが置かれた位置(第2位置P2)での第2位置情報取得後に、使用者がゴルフボールを打つための構えに入り(アドレスに入り)、ゴルフボールを打つ動作を完了(フィニッシュ)するまでの時間を考慮した長さ(例えば60秒)に設定される。
【0036】
計算部15の制御部17は、ゴルフアドレス姿勢確認システム1の各部を制御する。具体的には、2つの測定点における位置情報に基づく、該2つの測定点を結ぶ直線の特定として、第1位置情報PI10や第2位置情報PI20を一時記憶し、これらから、第1位置P1と第2位置P2を通る第1直線L1を特定する。
【0037】
第1直線L1は、第1位置情報PI10と第2位置情報PI20とに基づいて、鉛直方向上側(または下側)から見た平面(鉛直方向に垂直な第1平面、図3参照)に投影した第1位置P1と第2位置P2とを結ぶ線の二次元座標上の傾き値(第1傾き値a1)で特定される。図3は、第1直線L1と第2直線L2の位置関係を示す例として、鉛直方向上側から見て、第1直線L1と第2直線L2とが平行な状態を示す。
【0038】
また、第2位置情報PI20取得後は、第1測定部11と第2測定部12の位置情報を第2時間ごとに更新し、2つの測定点における位置情報に基づく、該2つの測定点を結ぶ直線の特定として、第2時間ごとに第1測定部11と第2測定部12とを通る第2直線L2を特定し、第1直線L1と第2直線L2とが平行か否かを判断する。第1直線L1と第2直線L2とが平行であると判断した場合には、計算部15の告知部18を駆動し、計算部15を振動させて使用者に、「第1直線L1と第2直線L2が平行であり、使用者の姿勢(両肩の位置関係)がアドレスに入る姿勢として最適な状態である旨」を知らせる。
【0039】
第2直線L2は、第1測定部11の位置情報と第2測定部12の位置情報とに基づいて、鉛直方向上側(または下側)から見た平面(第1平面)に投影した第1測定部11と第2測定部12とを結ぶ線の二次元座標上の傾き値(第2傾き値a2)で特定され、かかる第2傾き値a2は第2時間ごとに更新される。
【0040】
第1直線L1と第2直線L2とが平行であるか否かの判断は、制御部17が、第1傾き値a1と第2傾き値a2とを比較することにより行い、具体的には、第1傾き値a1と第2傾き値a2との差異の絶対値が、閾値以下である場合に、平行であると判断し、そうでない場合に、平行でないと判断する。
【0041】
計算部15の告知部18は、バイブレーターなどで使用者に振動を与える。なお、振動による告知に限らず、使用者以外の第三者には聞こえにくい音量の音で告知する形態であってもよい。
【0042】
計算部15は、腕時計のように、使用者の腕に巻き付ける形態であってもよいし(図1参照)、第1測定部11(第2測定部12)に内蔵される形態であってもよい。第1測定部11と計算部15、及び第2測定部12と計算部15との間は、ケーブルで接続されてもよいし、Bluetoothなどの無線で通信が行われる形態であってもよい。有線接続の場合には、第1測定部11、第2測定部12、計算部15の少なくとも1つの部位に電源が設けられ、無線接続の場合には、第1測定部11、第2測定部12、計算部15のそれぞれに電源が設けられる。
【0043】
次に、本実施形態におけるゴルフアドレス姿勢確認システム1の使用手順(アドレス姿勢確認の手順)を、図4のフローチャートを用いて説明する。
【0044】
使用者は、この手順に入る前に、操作部16の長押し操作により、ゴルフアドレス姿勢確認システム1の電源をオン状態にしておく。これにより、第1測定部11、第2測定部12のSDGPSは、第1時間ごとの測位を開始し、加速度センサは、第2時間ごとの測位(計測)を開始する。
【0045】
ステップS11で、使用者は、第1位置P1上に移動し、この状態で操作部16に対して1回目の通常押し操作を行う。制御部17は、第1測定部11のSDGPSの測位データに基づいて第1位置情報PI10を算出し、一時記憶する。
【0046】
ステップS12で、使用者は、第2位置P2上に移動し、この状態で操作部16に対して2回目の通常押し操作を行う。制御部17は、第1測定部11のSDGPSの測位データに基づいて第2位置情報PI20を算出し、一時記憶する。
【0047】
ステップS13で、制御部17は、第1位置情報PI10と第2位置情報PI20とに基づいて、第1直線L1を特定し、経過時間tの計測を開始する。
【0048】
これ以降、制御部17は、第2時間ごとに、第1測定部11のSDPGSと加速度センサによる測位データと、第2測定部12のSDGPSと加速度センサによる測位データとに基づいて、第2直線L2を特定する。
【0049】
なお、第1位置P1、第2位置P2は、それぞれの位置で止まった状態での位置情報を知れば良いので、加速度センサによる測位データを用いる必要はない。
【0050】
ステップS14で、制御部17は、第2時間ごとに、第1直線L1と第2直線L2とが平行であるか否かを判断する。平行である場合には、ステップS15に進められ、平行でない場合にはステップS16に進められる。
【0051】
ステップS15で、制御部17は、告知部18を駆動し、計算部15を振動させる。振動は、使用者に伝わるため、「第1直線L1と第2直線L2が平行であり、使用者の姿勢(両肩の位置関係)がアドレスに入る姿勢として最適な状態である」ことを知ることが出来る。
【0052】
ステップS16で、制御部17は、経過時間tが、一定時間T1を超えたか否かを判断する。超えている場合は、制御部17は、一時記憶された第1位置情報PI10や第2位置情報PI20を消去し、次に操作部16が操作されるまで待ち状態にされる。次に、操作部16が通常押し操作された場合には、1回目の通常押し操作として、第1位置情報PI10の取得が行われる。
【0053】
超えていない場合は、ステップS14に戻され、経過時間tが一定時間T1を超えるまで、ステップS14〜S16の動作が繰り返し行われる。
【0054】
本実施形態では、ゴルフボールを飛ばしたい方向に平行になるように設定した第1直線L1と、使用者の肩の一方に設置された第1測定部11と他方に設置された第2測定部12とを結ぶ第2直線L2が平行であるか否かを判断する。
【0055】
ゴルフのアドレスに入る時における両肩の位置関係が、ゴルフボールを飛ばしたい方向と略平行である場合、ゴルフボールを飛ばす方向と、ゴルフボールを飛ばしたい方向を一致させることが出来る可能性が高くなり、使用者の姿勢がアドレスに入る姿勢として最適な状態であるか否かを知ることが出来る。また、振動によりその告知が行われるので、第三者に気付かれる可能性は低い状態で、使用者は最適なアドレス姿勢を知ることが可能になる。
【0056】
また、本実施形態におけるゴルフアドレス姿勢確認システム1を構成する第1測定部11、第2測定部12、計算部15(操作部16、制御部17、告知部18)は、使用者の肩などに装着出来、服の内側に取り付けた場合には、第三者から見えない位置に配置することも出来る。また、姿勢の計測から、振動による使用者への告知までを使用者の体に取り付けた装置で完結出来るため、ゴルフの練習時だけでなく、ゴルフ場のラウンドでも使用することが出来るメリットがある。
【0057】
また、第1直線L1を設定するための、第1位置P1は、ゴルフボールが置かれた位置の後方であり、第2位置P2は、ゴルフボールが置かれた位置近傍であるため、ショット前にこれらの位置に使用者が移動することは、ゴルフボールを打つ方向を見定めるための行動の一部でもあり、第三者に不自然に思われる可能性も低い。
【0058】
なお、第1直線L1、第2直線L2は、鉛直方向上側(または下側)から見た平面(鉛直方向に垂直な第1平面、図3参照)に投影した線の二次元座標上の傾き値で特定される形態を説明したが、三次元座標上で特定する形態であってもよい。この場合は、第1測定部11と第2測定部12を使用者の肩に取り付ける高さ方向の位置を合わせておく必要があり、ステップS11やステップS12においては、使用者が同じ姿勢(例えば、立った状態)で測位する(操作部16を操作する)必要がある。
【0059】
二次元座標上の傾き値で平行な状態にあるか否かを判断する方が、計算は容易に行えるメリットがあるが、三次元座標上で第1直線L1や第2直線L2を特定する場合には、両肩の上下方向のズレ(第1測定部11と第2測定部12の高さ方向の差異)も知ることが出来るため、ゴルフボールを飛ばしたい方向と両肩の位置関係だけでなく、両肩の上下方向の傾きも調整出来る。但し、両肩の上下方向の位置は、使用者が、意図的に両肩の上下方向の高さに差があるように構えることもあるため、三次元座標上で平行状態を確認するか、二次元座標上で平行状態を確認するかは操作部16などを使って選択可能であることが望ましい。
【0060】
第1測定部11や第2測定部12にSDGPSを用いることにより、10cm単位の誤差で測位情報が得られるため、正確に第1直線L1や第2直線L2を特定することが可能になる。但し、10cm単位程度の誤差で測位情報が得られる他の位置情報取得装置を用いる形態であってもよい。
【0061】
SDGPS装置よりも計測間隔を短く出来る加速度センサなどを使って、位置情報を補足することにより、短い時間間隔で(第2時間ごとに)第2直線L2の特定結果を更新することが可能になる。なお、SDGPSの測位間隔(第1時間)を短くすることが出来る場合には、短い間隔(第2時間)で計測出来る加速度センサなどを用いずに位置情報を得る形態であってもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 ゴルフアドレス姿勢確認システム
11 第1測定部
12 第2測定部
15 計算部
16 操作部
17 制御部
18 告知部
a1 第1傾き値
a2 第2傾き値
L1 第1直線
L2 第2直線
P1 第1位置
PI10 第1位置情報
P2 第2位置
PI20 第2位置情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置情報を取得する測位装置を含む第1、第2測定部と、
2つの測定点における位置情報に基づいて、前記2つの測定点を結ぶ直線を特定する制御部と、
告知部とを備え、
前記第1測定部は、使用者の一方の肩に取り付けられ、
前記第2測定部は、使用者の他方の肩に取り付けられ、
前記制御部は、アドレスに入る前に、使用者が第1位置に移動した時に前記第1測定部を使って得た第1位置情報と、第2位置に移動した時に前記第1測定部を使って得た第2位置情報とに基づいて、第1直線を特定し、
前記制御部は、アドレスに入る時に、特定の時間間隔で、前記第1特定部で取得した位置情報と、前記第2測定部で取得した位置情報とに基づいて、使用者の両肩を結ぶ第2直線を特定し、
前記制御部は、前記第1直線と、前記第2直線とが平行な状態にあるか否かを判断し、
前記告知部は、前記制御部による判断結果を使用者に告知することを特徴とするゴルフアドレス姿勢確認システム。
【請求項2】
前記第1直線は、ゴルフボールが置かれた位置から、使用者が前記ゴルフボールを飛ばしたい方向に向けた線と平行であり、
前記第1位置は、前記ゴルフボールが置かれた位置の後方であり、前記第2位置は、前記ゴルフボールが置かれた位置近傍であることを特徴とする請求項1に記載のゴルフアドレス姿勢確認システム。
【請求項3】
前記告知部はバイブレーターを有し、前記第1直線と前記第2直線とが平行な状態であると判断した場合に、振動を使用者に与えることを特徴とする請求項1に記載のゴルフアドレス姿勢確認システム。
【請求項4】
前記第1測定部、前記第2測定部に含まれる測位装置は、SDGPSを有することを特徴とする請求項1に記載のゴルフアドレス姿勢確認システム。
【請求項5】
前記第1測定部、前記第2測定部に含まれる測位装置は、SDGPSに加え、加速度センサと角速度センサの少なくとも一方を有することを特徴とする請求項4に記載のゴルフアドレス姿勢確認システム。
【請求項6】
前記第1直線、前記第2直線は、鉛直方向に垂直な平面に投影した線の二次元座標上の傾き値で特定されることを特徴とする請求項1に記載のゴルフアドレス姿勢確認システム。
【請求項7】
前記第1直線、前記第2直線の特定は、前記二次元座標上の傾き値による特定と、三次元座標上での特定とが選択可能であることを特徴とする請求項6に記載のゴルフアドレス姿勢確認システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−251035(P2011−251035A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−127497(P2010−127497)
【出願日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(390010984)株式会社ニックス (11)
【Fターム(参考)】