サイドインジェクションを備えたトロイダル燃焼室
【課題】対向型ピストン、対向型シリンダエンジンに最適な燃焼室形状や燃料噴射特性を提供する。
【解決手段】サイドインジェクタを備えたトロイダル燃焼室64の形状は、対向ピストンエンジンにより構成されている。燃料がシリンダ壁の燃料噴射装置60からトロイダルボリュームに噴射されている。一つの実施形態では、燃料は、各噴射から燃料雲が実質的に互いに分離されたままになるように噴射の間のタイミングで各インジェクタから複数回で噴射される。
【解決手段】サイドインジェクタを備えたトロイダル燃焼室64の形状は、対向ピストンエンジンにより構成されている。燃料がシリンダ壁の燃料噴射装置60からトロイダルボリュームに噴射されている。一つの実施形態では、燃料は、各噴射から燃料雲が実質的に互いに分離されたままになるように噴射の間のタイミングで各インジェクタから複数回で噴射される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、内燃機関で燃焼室の形状やインジェクタのオリエンテーションに関連している。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の熱効率とエンジンアウトの排出量は、燃焼システムの設計と機械設計を含む多くの要因によって決定される。燃焼システム設計では、燃焼室形状、燃料噴射ノズルと、燃料噴射圧力、吸気マニホールド、排気マニホールドなどが含まれる。これらのすべてが効果的な燃焼につながる混合品質を達成するために最適化されている。多くは知られており、どの室形状や燃料噴射特性が所望の出力につながるかを決定するために典型的なディーゼルエンジンの燃焼システムで多く検討されている。しかし、型破りなエンジンで、どの燃焼室形状や燃料噴射特性が所望の混合とエンジン性能を提供することができるかについてはあまり知られていない。
【0003】
このような型破りなエンジン、対向型ピストン、対向型シリンダ(OPOC)エンジン10は、図1に等軸で示されている。吸気ピストン12と排気ピストン14は、第一および第二シリンダ(ピストンを表示して容易にするために図示せずシリンダ)のそれぞれの内部で往復運動する。吸気ピストン12’と排気ピストン14カップル(図示せず)は、プッシュロッド16を介してクランクシャフト20のジャーナルへ連結する。吸気ピストン12と排気ピストン14’(図示せず)は、プルロッド18を介してクランクシャフト20の2つのジャーナルへ連結し、各吸気ピストン12は2つのプルロッド18を有する。図1のエンジンは、吸気ピストン12(または12’)のピストン頂面22と排気ピストン14(または14’)のピストン頂面24とシリンダ壁(図示せず)との間に形成された燃焼室を持っている。両方のシリンダ内のピストンが図1の中間位置にあると表示される。ピストンが互いに近接しているとき燃焼が開始される。図1のピストン頂面22及び24は所望の性能を提供するために最適化されない場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
その中を往復するように適応する第一および第二ピストンを備えたシリンダ壁を含む内燃機関は、開示されている。2つのピストンが対向ファッションのシリンダに配置されている。第一および第二コネクティングロッドを介して、第1及び第2偏心ジャーナルを持つクランクシャフトは第一及び第二ピストンへ連結する。クランクシャフトの回転の特定の角度で、ピストンが最も接近する。最初のピストンのピストン頂面は、円筒の中心軸と実質的に一致する中心を持っている3つの領域:センター、ピストンの外周に近い外輪、内輪を持っている。第2ピストンのピストン頂面はシリンダの中心軸と実質的に一致する中心を持っている3つの領域:センター、ピストンの外周近くに外輪、内輪を持っている。クランクシャフトが、特定の角度であるときに、ピストンの表面は、外輪と中央領域に離れている所定距離である。クランクシャフトは、特定の角度にあるときに内輪に近接する第一および第二ピストン間のボリュームは、実質的にトロイダルボリュームを形成する。所定の距離は0.5〜3mmの範囲内である。
【0005】
エンジンは、シリンダ壁にほぼ垂直な燃料噴射装置の軸を備えたシリンダ壁に設けられた燃料噴射装置を含んでいる。チャネルは、インジェクタの先端からピストンとの間に形成されたトロイダルボリュームへの見通し線にアクセスするための開口部を提供するために、外輪に限定されている。燃料噴射装置は、少なくとも一つのオリフィスを持っており、オリフィスは、オリフィスを出るスプレーが、主にトロイダルボリュームに導かれるように配置されている。燃料噴射は、燃料噴霧が出る複数のオリフィスを含めることができる。いくつかの実施形態では、2つの燃料噴射装置が提供され、インジェクタのオリフィスは、インジェクタの先端からピストンとの間に形成されたトロイダルボリュームへの見通し線にアクセスするためのピストンの外側のリングにカットされたチャネルに整列している。第一および第二のインジェクタは、互いに円柱まわりの180度のところに位置している。
【0006】
1つの実施形態では、中央部での第一および第二ピストンの表面が実質的に平坦である。また、第1ピストンの表面は中央部に凹面であり、第2ピストンは中央部で凸面である。エンジンは2ストロークエンジンである;第一のピストンは、吸気ピストンである;第二ピストンは排気ピストンである;吸気ポートは、吸気ピストンに近接するシリンダ壁に限定されている。排気ポートは排気ピストンに近接するシリンダで限定されている。
【0007】
また、発明には対向ピストン、内燃機関に燃料を提供するための方法である:シリンダ壁、吸気ピストンの頂面と排気ピストンの頂面が反対してシリンダ壁内に配置された吸気ピストン、シリンダ壁内に配置された排気ピストンを含む燃焼室に燃料を複数回噴射することを含んでいる。吸気および排気ピストンの頂部は、それぞれシリンダの中心軸と略一致するセンターを有しているセンター、ピストンの外周に近い外輪、内輪の3つの領域を持っている。二つのチャネルは、正反対の2つのチャネルを持つ吸気ピストンの内輪の領域で限定されている。内輪に近接する第一および第二ピストンの間のボリュームが大幅にトロイダルボリュームを形成する。燃焼室はさらに、シリンダ壁に設けられた第一及び第二燃料噴射装置を含んでいる。第一インジェクタが第一チャネルに近接し、第二インジェクタが第二チャネルに近接している。噴射は、さまざまな動作条件に基づいて、単一イベントまたは多段噴射イベントであることができる。多段噴射は、第二噴射からの燃料雲が最初の噴射からの燃料クラウドから実質的に分離されるように、時間的に分離されている 。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】OPOCエンジンの等角図である;
【図2】発明の実施の形態に係る燃焼室の断面である;
【図3】発明の実施の形態に係る燃焼室の断面である;
【図4】ピストン頂面の領域のスケッチである;
【図5】ピストンの最接近の位置からずれるクランク角位置で図2と図3の燃焼室を示す;
【図6】ピストンの最接近の位置からずれるクランク角位置で図2と図3の燃焼室を示す;
【図7】発明の実施形態に係る燃焼室の断面図である;
【図8】図7の燃焼室のために、それぞれ、吸気および排気ピストン頂面を示している;
【図9】図7の燃焼室のために、それぞれ、吸気および排気ピストン頂面を示している;
【図10】図2と図3の燃焼室に関連付けられている吸気ピストンのピストン頂面のイラストである。
【図11】発明の実施形態に係る燃焼室に多段噴射からの燃料雲の位置を示す;
【図12】発明の実施形態に係る燃焼室に多段噴射からの燃料雲の位置を示す;
【図13】発明の実施形態に係る燃焼室に多段噴射からの燃料雲の位置を示す;
【図14】発明の実施形態に係る燃焼室に多段噴射からの燃料雲の位置を示す;
【図15】発明の実施形態に係る燃焼室に多段噴射からの燃料雲の位置を示す;
【図16】発明の実施形態に係る燃焼室に多段噴射からの燃料雲の位置を示す;
【図17】本開示の実施形態に係るチャンバー内の燃料噴射と燃焼のシミュレーションを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
当業者が理解するように、図のいずれかを参照して例示して説明した実施形態の様々な特徴が明示的に示されまたは記載されていない別の実施形態を生成する1つまたは複数の他の図に示した特徴と組み合わせることができる。示された特徴の組み合わせは、典型的なアプリケーションのための代表的な実施形態を提供している。しかし、本発明の教示と一致する特徴の様々な組み合わせや変更は、特定のアプリケーションや実行のために望まれるかもしれない。当業者は、明示的に記載または図示すかどうかに係わらず、同様のアプリケーションや実行を認識するかもしれない。
【0010】
図2では、OPOCエンジンの部分の断面は、開示の実施形態に係る燃焼室を示して表示される。吸気ピストン40と排気ピストン42の部分の一部はそれらの最も近い位置に表示される。ピストンリング(図示せず)を収容するために、ピストン40は、溝44および45を有し、ピストン42は溝46と47を持っている。ピストン40および42は、シリンダ壁50内を往復運動する。燃焼室はピストン40および42の頂面とシリンダ壁50で囲まれたボリュームである。
図3に示す断面は、図2に示す断面に対して90度回転する。図3の断面は、インジェクタ60を切り通する。インジェクタ60に近接するポケット62は、インジェクタ60を収容するために提供されていることを分かる。インジェクタ60から発せられるスプレーは、以下に説明されている。
【0011】
吸気ピストン140の頂面は、図4に示されている。ピストンは3つの領域:外輪152、内輪154、センター156を有するように示されている。排気ピストン142は、対応する3つの領域:外輪、内輪、センターを持っている。ピストンが近接している時に、燃焼室のボリュームの大部分は、吸気の内輪面と排気ピストンピストンの内輪面との間のボリュームに含まれている。外輪152は、燃料噴射装置(図示せず)と内輪154に関連付けられたトロイダルボリュームとの間の見通し線へのアクセスを可能にするためにそこに限定された通路158を含む。図2に示すように、吸気および排気ピストンの外輪面は、互いにわずかな距離でずれている。最大で2ミリメートル、少なくとも0.5mmである。燃焼室ボリュームのほとんどは、外輪領域でのピストンの間に含まれている。同様に、排気ピストン頂面と吸気ピストン頂面は中心部で互いに非常に小さい距離でずれているため、燃焼室ボリュームのほとんどは、中央部のピストンの間に含まれている。
【0012】
図2および図3に示すように燃焼室ボリュームの断面は、2つの楕円形のエリア64である。内輪領域内の燃焼室の形状は、シリンダ50の中心軸66の周りの空間内の回転楕円領域64によって生成された回転体面である。トーラスは軸のまわりの円を回転させる結果である。しかし、本開示では、用語トーラスは、中央の軸の周りを任意の2次元形状の回転に適用するために使用される。図2および図3の実施形態では、中心軸形状の回転は、一般的に湾曲されていないが円形ではない。しかしながら、用語トーラスは、生じる燃焼室に適用される。さらに、用語トーラスは、回転のポイントに沿って得られるように、断面積が一定でない形状を記述するために使用されている。図4の例では、外輪152はアニュラスとして表示され、内部の端の円によって限定されており、センター156は、楕円形である。点線160及び162は、センター156の対称軸である。内輪154の深さが内輪154を通してほぼ一定である場合には、軸160の近くにより小さい幅は、断面積が(シリンダの中心軸によって得られたもの)軸162近くの断面積より小さいことを示している。用語トロイダルボリュームは断面積が周囲に変化するような状況に適用される。また、インジェクタから出てくる燃料がコンパクトであるため、より小さい断面積は通路158に接近してより小さくなる。断面積は、インジェクタの先端から離れた軸162の領域で大きい。この場所で、燃料噴霧が拡大している。このような構成で、より大きな断面積はややインジェクタの先端から離れて提供されている場合、ピストン頂面に影響を与える燃料液滴を避けるために簡単である。
【0013】
吸気ピストン40の頂面の中央部は、凹面形状を有し、排気ピストンの頂面の中央部42は、凸形状を有する;これらは一緒にネストする。排気ピストン42の頂面には、排気ガスが排気ピストン42に近接する排気ポートを介して出るので、吸気ピストン40の頂面よりも高い温度である。したがって、ホットスポットを生成する角の無い凸形状を有していることは排気ピストン42の利点である。吸気ピストン40の頂面の中央部56の角68は、排気ピストン上で問題となる場合があるが、吸気ピストンに問題を引き起こす可能性が低い。
【0014】
ピストン40および42は、図2および図3に最接近にある。クランク角10度が最接近の位置から離れて回転した位置での燃焼室は、図5と図6のクランク角30度の回転に示されている。
【0015】
図7に示す別の実施形態では、吸気および排気ピストンの中心部96は平たい。この代替の燃焼室の大半は、シリンダ50の中心軸66の周りの領域98を回転させることによってもたらされている。
【0016】
図8では、吸気ピストン80の頂面のビューは、燃料ジェット106がピストン頂面中のチャネルを通って移動するように、インジェクタ60上でオリフィスが位置して示される。チャネルは、図8のビューで別々に表示されない。燃料ジェット106は、中心部104と外輪領域100に対して凹まされている内輪領域102に向けられる。図8に示す実施形態では、4つの燃料噴射は、一つの燃料ジェットが見えず、インジェクタ60から発出する。個々のジェットの間に非常に小さな角度がある。また、ジェットの数が異なるインジェクタを使用することができる。ジェットは、ピストン上部に直接接触してくる燃料液滴の量を制限するトロイダルボリュームの表面の接線に沿って向けられる。トーラスの丸い表面は、トロイダルボリュームの中心に流れを向けるのに役立ちる。
【0017】
図9では、排気ピストン82の頂面は、内輪122及び124がくぼみの同じレベルにあって、高い外輪120を持っている。インジェクタ60は、外輪120の内側端に実質的に接線方向で内輪領域122にチャネル(別途図示せず)によって燃料を向けて示されている。単にインジェクタ60の一組があるが、燃料ジェットがピストンのピストン頂面と相互に作用する方法を示すために、両方の図8と図9に示される。
【0018】
図10では、図2と図3の吸気ピストンの頂面40の詳細が表示される。チャネル130は、燃料ジェットが内側のチャネルに出ることできるようにするためにピストン頂面の126の外輪によって提供されている。燃料ジェットは、チャネル130に表示されない。反対側のチャネル130は、図示されているジェット132A、132B、132C132dの原因で見えない別のチャネルであり、これによりチャネルのビューを許可しない。燃料ジェット132A−Dは、内輪127に関連付けられているくぼみに向けられる。中央領域128は楕円形である。これは、内輪127の広いスペースが、燃料ジェットを収容することを可能にする。エッジ136は、このビューから外輪126の目に見えるエッジである。破線138は、内輪127がわずかに凹入であることを示している。 2−2セクションに沿ってそのようなアンダーカットはない。
【0019】
シリンダ内に燃料を分配する方法を図11−16に示されている。ピストン頂面200は、燃料ジェットを噴霧することができるチャネル202がある。ピストン頂面200は、3つの領域:センター208、内輪206と外輪204を持っている。図11に示すように、旋回流210は、開発されている。図12では、燃料ジェット212は、最初に噴射されている。図13では、後の時点のスナップショットを示して、燃料ジェット212は、ジェット自体の運動量と渦200により、内輪206に回転させる。燃料ジェット212は、図13の燃料雲になる。図14では、さらに後のスナップショット、噴射は、内輪206に燃料ジェット214を入らせる。2回目噴射のタイミングは、燃料ジェット214の先端が実質的に燃料ジェット(今の雲)212と重ならないようになっている。図15では、燃料ジェット212と214の両方は燃料雲であり、さらに214内輪の周りを移動しました。雲のどれもが実質的に重ならないように、後で、図16に、3回目の噴射は3回目の噴射のタイミングで燃料ジェット216を生成する。また、第一インジェクタから三番目の雲は第二インジェクタからの最初の雲と重なりません。
【0020】
図3、図4および6は、それらが離れてお互いに移動するとともに、ピストンが最接近(図3)のそれらの位置にあるときから燃焼室の形状を示す(図5および6)。図3、図4と6はピストンがお互いに向かって動いているとともに、燃焼室形状を表示すために逆の順序で考えることができる。図6から図5に燃焼室の変更を考慮することによって、外輪部52でのピストン40と42との間にある空気は、内輪部54にスキッシュされる。同様に、センター56のピストン40と42との間の空気は、内輪部54にスキッシュされる。これらのスキッシュ流れによって引き起こされた動きは矢印58a−dで示されている。内輪領域54に関連付けられているボリュームと外輪領域52に関連付けられたボリュームを接続する開口部は内輪領域54の接線であるため、タンブル流が誘導される。同様に、中心領域56に関連付けられたボリュームを接続する開口部はまた、タンブル流を促進し、内輪領域への接線である。スキッシュ領域から出るフローは図5に示す断面のビューとして、時計回りの転倒を引き起こす矢印58aおよび58bの方向に流れを誘導する。スキッシュ領域から出る流れは反時計回り転倒を引き起こし、矢印58C及び58Dの方向に流れを誘導する。
【0021】
図17では、モデリング結果の表現が表示される。 2つのインジェクタ250は、主にセンター252と外輪256の間にある内輪領域254内に燃料を噴射する。吸気ポート(図示せず)が旋回流が時計回りの矢印248で示すように、シリンダ内に入ってくるガスによって誘導されるように曲げられる。矢印248で示すように、インジェクタ250は、渦巻きの方向に内輪の領域254に接線方向に燃料を噴射する。したがって、燃料液滴は、旋回流によって運ばれている。
最高負荷状態で十分な燃焼を得る限界がシリンダ内で空気を利用している。これは、比較的均一に最も燃料が噴射された最高トルクの動作条件で空気中で混合されている燃料液滴によって達成される。図17の画像は、最高トルクの条件、すなわち、予想される最長の燃料のパルス幅で5スワール比を備えた100mm内径のシリンダ向けである。図17に示すクランク角は、燃料噴射間隔の終わりである膨張行程へ約20度である。液滴260及び262は、内輪254にほとんど含まれている。それらは、図17に表示できるように液滴260及び262は、現実よりもはるかに大きく示される。燃料の大部分は蒸発し、燃焼が発生している。表面270および272は、火炎面の指標である等温面である。燃焼のいくつかは、内輪254の外にこぼれた外輪256で発生している。図17には、燃焼面270および272の先端274と276はそれぞれが、重ないことが見られる。燃焼面が重なっているが内輪254のほとんどを包含する図17に示すように、インジェクタの先端の穴の大きさ、射出圧力、インジェクタのオリフィスの数、およびスワール比に基づいて、空気利用率は、得られることができる。
インジェクタの小さなオリフィスは、より容易に気化する小さな液滴を作成する。このような小さな液滴は、煤の形成を回避するのに役立つ。しかし、小さな液滴は、低慣性を持っており、チャンバー内に遠く移動しない。それは空気利用率のために有害である。旋回流と同じ方向に燃料を噴射することにより、小さな液滴は、インジェクタから離れて使用されていない空気をアクセスするための流れによって運ばれ、それによって、それ以外を使用することができるよりも小さい液滴の噴射を容易にする。
【0022】
最良の形態は、特定の実施形態に関して詳細に説明してきたが、技術に精通している人々は、次の特許請求の範囲内で様々な代替設計および実施形態を認識する。1つの当業者が認識しているように、様々な実施形態は利点を備えているか1つ以上の所望の特性に関して他の実施形態よりも好まれることとして記述されたかもしれないが、1つ以上の特性が所望のシステム属性を達成するために損なわれるかもしれない。それは特定のアプリケーションと実行に依存する。これらの属性がコスト、強度、耐久性、ライフサイクルコスト、市場性、外観、包装、サイズ、有用性、重量、製造、組立の容易さ等を含んでいるが、これらに限定されない。ここに記載されて、一つ以上の特性に関して先行技術の実行或いは他の実施形態よりもあまり望まないことを特徴づけされている実施形態は、開示の範囲外ではなく、特定のアプリケーションのために望ましいかもしれない。
【技術分野】
【0001】
本開示は、内燃機関で燃焼室の形状やインジェクタのオリエンテーションに関連している。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の熱効率とエンジンアウトの排出量は、燃焼システムの設計と機械設計を含む多くの要因によって決定される。燃焼システム設計では、燃焼室形状、燃料噴射ノズルと、燃料噴射圧力、吸気マニホールド、排気マニホールドなどが含まれる。これらのすべてが効果的な燃焼につながる混合品質を達成するために最適化されている。多くは知られており、どの室形状や燃料噴射特性が所望の出力につながるかを決定するために典型的なディーゼルエンジンの燃焼システムで多く検討されている。しかし、型破りなエンジンで、どの燃焼室形状や燃料噴射特性が所望の混合とエンジン性能を提供することができるかについてはあまり知られていない。
【0003】
このような型破りなエンジン、対向型ピストン、対向型シリンダ(OPOC)エンジン10は、図1に等軸で示されている。吸気ピストン12と排気ピストン14は、第一および第二シリンダ(ピストンを表示して容易にするために図示せずシリンダ)のそれぞれの内部で往復運動する。吸気ピストン12’と排気ピストン14カップル(図示せず)は、プッシュロッド16を介してクランクシャフト20のジャーナルへ連結する。吸気ピストン12と排気ピストン14’(図示せず)は、プルロッド18を介してクランクシャフト20の2つのジャーナルへ連結し、各吸気ピストン12は2つのプルロッド18を有する。図1のエンジンは、吸気ピストン12(または12’)のピストン頂面22と排気ピストン14(または14’)のピストン頂面24とシリンダ壁(図示せず)との間に形成された燃焼室を持っている。両方のシリンダ内のピストンが図1の中間位置にあると表示される。ピストンが互いに近接しているとき燃焼が開始される。図1のピストン頂面22及び24は所望の性能を提供するために最適化されない場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
その中を往復するように適応する第一および第二ピストンを備えたシリンダ壁を含む内燃機関は、開示されている。2つのピストンが対向ファッションのシリンダに配置されている。第一および第二コネクティングロッドを介して、第1及び第2偏心ジャーナルを持つクランクシャフトは第一及び第二ピストンへ連結する。クランクシャフトの回転の特定の角度で、ピストンが最も接近する。最初のピストンのピストン頂面は、円筒の中心軸と実質的に一致する中心を持っている3つの領域:センター、ピストンの外周に近い外輪、内輪を持っている。第2ピストンのピストン頂面はシリンダの中心軸と実質的に一致する中心を持っている3つの領域:センター、ピストンの外周近くに外輪、内輪を持っている。クランクシャフトが、特定の角度であるときに、ピストンの表面は、外輪と中央領域に離れている所定距離である。クランクシャフトは、特定の角度にあるときに内輪に近接する第一および第二ピストン間のボリュームは、実質的にトロイダルボリュームを形成する。所定の距離は0.5〜3mmの範囲内である。
【0005】
エンジンは、シリンダ壁にほぼ垂直な燃料噴射装置の軸を備えたシリンダ壁に設けられた燃料噴射装置を含んでいる。チャネルは、インジェクタの先端からピストンとの間に形成されたトロイダルボリュームへの見通し線にアクセスするための開口部を提供するために、外輪に限定されている。燃料噴射装置は、少なくとも一つのオリフィスを持っており、オリフィスは、オリフィスを出るスプレーが、主にトロイダルボリュームに導かれるように配置されている。燃料噴射は、燃料噴霧が出る複数のオリフィスを含めることができる。いくつかの実施形態では、2つの燃料噴射装置が提供され、インジェクタのオリフィスは、インジェクタの先端からピストンとの間に形成されたトロイダルボリュームへの見通し線にアクセスするためのピストンの外側のリングにカットされたチャネルに整列している。第一および第二のインジェクタは、互いに円柱まわりの180度のところに位置している。
【0006】
1つの実施形態では、中央部での第一および第二ピストンの表面が実質的に平坦である。また、第1ピストンの表面は中央部に凹面であり、第2ピストンは中央部で凸面である。エンジンは2ストロークエンジンである;第一のピストンは、吸気ピストンである;第二ピストンは排気ピストンである;吸気ポートは、吸気ピストンに近接するシリンダ壁に限定されている。排気ポートは排気ピストンに近接するシリンダで限定されている。
【0007】
また、発明には対向ピストン、内燃機関に燃料を提供するための方法である:シリンダ壁、吸気ピストンの頂面と排気ピストンの頂面が反対してシリンダ壁内に配置された吸気ピストン、シリンダ壁内に配置された排気ピストンを含む燃焼室に燃料を複数回噴射することを含んでいる。吸気および排気ピストンの頂部は、それぞれシリンダの中心軸と略一致するセンターを有しているセンター、ピストンの外周に近い外輪、内輪の3つの領域を持っている。二つのチャネルは、正反対の2つのチャネルを持つ吸気ピストンの内輪の領域で限定されている。内輪に近接する第一および第二ピストンの間のボリュームが大幅にトロイダルボリュームを形成する。燃焼室はさらに、シリンダ壁に設けられた第一及び第二燃料噴射装置を含んでいる。第一インジェクタが第一チャネルに近接し、第二インジェクタが第二チャネルに近接している。噴射は、さまざまな動作条件に基づいて、単一イベントまたは多段噴射イベントであることができる。多段噴射は、第二噴射からの燃料雲が最初の噴射からの燃料クラウドから実質的に分離されるように、時間的に分離されている 。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】OPOCエンジンの等角図である;
【図2】発明の実施の形態に係る燃焼室の断面である;
【図3】発明の実施の形態に係る燃焼室の断面である;
【図4】ピストン頂面の領域のスケッチである;
【図5】ピストンの最接近の位置からずれるクランク角位置で図2と図3の燃焼室を示す;
【図6】ピストンの最接近の位置からずれるクランク角位置で図2と図3の燃焼室を示す;
【図7】発明の実施形態に係る燃焼室の断面図である;
【図8】図7の燃焼室のために、それぞれ、吸気および排気ピストン頂面を示している;
【図9】図7の燃焼室のために、それぞれ、吸気および排気ピストン頂面を示している;
【図10】図2と図3の燃焼室に関連付けられている吸気ピストンのピストン頂面のイラストである。
【図11】発明の実施形態に係る燃焼室に多段噴射からの燃料雲の位置を示す;
【図12】発明の実施形態に係る燃焼室に多段噴射からの燃料雲の位置を示す;
【図13】発明の実施形態に係る燃焼室に多段噴射からの燃料雲の位置を示す;
【図14】発明の実施形態に係る燃焼室に多段噴射からの燃料雲の位置を示す;
【図15】発明の実施形態に係る燃焼室に多段噴射からの燃料雲の位置を示す;
【図16】発明の実施形態に係る燃焼室に多段噴射からの燃料雲の位置を示す;
【図17】本開示の実施形態に係るチャンバー内の燃料噴射と燃焼のシミュレーションを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
当業者が理解するように、図のいずれかを参照して例示して説明した実施形態の様々な特徴が明示的に示されまたは記載されていない別の実施形態を生成する1つまたは複数の他の図に示した特徴と組み合わせることができる。示された特徴の組み合わせは、典型的なアプリケーションのための代表的な実施形態を提供している。しかし、本発明の教示と一致する特徴の様々な組み合わせや変更は、特定のアプリケーションや実行のために望まれるかもしれない。当業者は、明示的に記載または図示すかどうかに係わらず、同様のアプリケーションや実行を認識するかもしれない。
【0010】
図2では、OPOCエンジンの部分の断面は、開示の実施形態に係る燃焼室を示して表示される。吸気ピストン40と排気ピストン42の部分の一部はそれらの最も近い位置に表示される。ピストンリング(図示せず)を収容するために、ピストン40は、溝44および45を有し、ピストン42は溝46と47を持っている。ピストン40および42は、シリンダ壁50内を往復運動する。燃焼室はピストン40および42の頂面とシリンダ壁50で囲まれたボリュームである。
図3に示す断面は、図2に示す断面に対して90度回転する。図3の断面は、インジェクタ60を切り通する。インジェクタ60に近接するポケット62は、インジェクタ60を収容するために提供されていることを分かる。インジェクタ60から発せられるスプレーは、以下に説明されている。
【0011】
吸気ピストン140の頂面は、図4に示されている。ピストンは3つの領域:外輪152、内輪154、センター156を有するように示されている。排気ピストン142は、対応する3つの領域:外輪、内輪、センターを持っている。ピストンが近接している時に、燃焼室のボリュームの大部分は、吸気の内輪面と排気ピストンピストンの内輪面との間のボリュームに含まれている。外輪152は、燃料噴射装置(図示せず)と内輪154に関連付けられたトロイダルボリュームとの間の見通し線へのアクセスを可能にするためにそこに限定された通路158を含む。図2に示すように、吸気および排気ピストンの外輪面は、互いにわずかな距離でずれている。最大で2ミリメートル、少なくとも0.5mmである。燃焼室ボリュームのほとんどは、外輪領域でのピストンの間に含まれている。同様に、排気ピストン頂面と吸気ピストン頂面は中心部で互いに非常に小さい距離でずれているため、燃焼室ボリュームのほとんどは、中央部のピストンの間に含まれている。
【0012】
図2および図3に示すように燃焼室ボリュームの断面は、2つの楕円形のエリア64である。内輪領域内の燃焼室の形状は、シリンダ50の中心軸66の周りの空間内の回転楕円領域64によって生成された回転体面である。トーラスは軸のまわりの円を回転させる結果である。しかし、本開示では、用語トーラスは、中央の軸の周りを任意の2次元形状の回転に適用するために使用される。図2および図3の実施形態では、中心軸形状の回転は、一般的に湾曲されていないが円形ではない。しかしながら、用語トーラスは、生じる燃焼室に適用される。さらに、用語トーラスは、回転のポイントに沿って得られるように、断面積が一定でない形状を記述するために使用されている。図4の例では、外輪152はアニュラスとして表示され、内部の端の円によって限定されており、センター156は、楕円形である。点線160及び162は、センター156の対称軸である。内輪154の深さが内輪154を通してほぼ一定である場合には、軸160の近くにより小さい幅は、断面積が(シリンダの中心軸によって得られたもの)軸162近くの断面積より小さいことを示している。用語トロイダルボリュームは断面積が周囲に変化するような状況に適用される。また、インジェクタから出てくる燃料がコンパクトであるため、より小さい断面積は通路158に接近してより小さくなる。断面積は、インジェクタの先端から離れた軸162の領域で大きい。この場所で、燃料噴霧が拡大している。このような構成で、より大きな断面積はややインジェクタの先端から離れて提供されている場合、ピストン頂面に影響を与える燃料液滴を避けるために簡単である。
【0013】
吸気ピストン40の頂面の中央部は、凹面形状を有し、排気ピストンの頂面の中央部42は、凸形状を有する;これらは一緒にネストする。排気ピストン42の頂面には、排気ガスが排気ピストン42に近接する排気ポートを介して出るので、吸気ピストン40の頂面よりも高い温度である。したがって、ホットスポットを生成する角の無い凸形状を有していることは排気ピストン42の利点である。吸気ピストン40の頂面の中央部56の角68は、排気ピストン上で問題となる場合があるが、吸気ピストンに問題を引き起こす可能性が低い。
【0014】
ピストン40および42は、図2および図3に最接近にある。クランク角10度が最接近の位置から離れて回転した位置での燃焼室は、図5と図6のクランク角30度の回転に示されている。
【0015】
図7に示す別の実施形態では、吸気および排気ピストンの中心部96は平たい。この代替の燃焼室の大半は、シリンダ50の中心軸66の周りの領域98を回転させることによってもたらされている。
【0016】
図8では、吸気ピストン80の頂面のビューは、燃料ジェット106がピストン頂面中のチャネルを通って移動するように、インジェクタ60上でオリフィスが位置して示される。チャネルは、図8のビューで別々に表示されない。燃料ジェット106は、中心部104と外輪領域100に対して凹まされている内輪領域102に向けられる。図8に示す実施形態では、4つの燃料噴射は、一つの燃料ジェットが見えず、インジェクタ60から発出する。個々のジェットの間に非常に小さな角度がある。また、ジェットの数が異なるインジェクタを使用することができる。ジェットは、ピストン上部に直接接触してくる燃料液滴の量を制限するトロイダルボリュームの表面の接線に沿って向けられる。トーラスの丸い表面は、トロイダルボリュームの中心に流れを向けるのに役立ちる。
【0017】
図9では、排気ピストン82の頂面は、内輪122及び124がくぼみの同じレベルにあって、高い外輪120を持っている。インジェクタ60は、外輪120の内側端に実質的に接線方向で内輪領域122にチャネル(別途図示せず)によって燃料を向けて示されている。単にインジェクタ60の一組があるが、燃料ジェットがピストンのピストン頂面と相互に作用する方法を示すために、両方の図8と図9に示される。
【0018】
図10では、図2と図3の吸気ピストンの頂面40の詳細が表示される。チャネル130は、燃料ジェットが内側のチャネルに出ることできるようにするためにピストン頂面の126の外輪によって提供されている。燃料ジェットは、チャネル130に表示されない。反対側のチャネル130は、図示されているジェット132A、132B、132C132dの原因で見えない別のチャネルであり、これによりチャネルのビューを許可しない。燃料ジェット132A−Dは、内輪127に関連付けられているくぼみに向けられる。中央領域128は楕円形である。これは、内輪127の広いスペースが、燃料ジェットを収容することを可能にする。エッジ136は、このビューから外輪126の目に見えるエッジである。破線138は、内輪127がわずかに凹入であることを示している。 2−2セクションに沿ってそのようなアンダーカットはない。
【0019】
シリンダ内に燃料を分配する方法を図11−16に示されている。ピストン頂面200は、燃料ジェットを噴霧することができるチャネル202がある。ピストン頂面200は、3つの領域:センター208、内輪206と外輪204を持っている。図11に示すように、旋回流210は、開発されている。図12では、燃料ジェット212は、最初に噴射されている。図13では、後の時点のスナップショットを示して、燃料ジェット212は、ジェット自体の運動量と渦200により、内輪206に回転させる。燃料ジェット212は、図13の燃料雲になる。図14では、さらに後のスナップショット、噴射は、内輪206に燃料ジェット214を入らせる。2回目噴射のタイミングは、燃料ジェット214の先端が実質的に燃料ジェット(今の雲)212と重ならないようになっている。図15では、燃料ジェット212と214の両方は燃料雲であり、さらに214内輪の周りを移動しました。雲のどれもが実質的に重ならないように、後で、図16に、3回目の噴射は3回目の噴射のタイミングで燃料ジェット216を生成する。また、第一インジェクタから三番目の雲は第二インジェクタからの最初の雲と重なりません。
【0020】
図3、図4および6は、それらが離れてお互いに移動するとともに、ピストンが最接近(図3)のそれらの位置にあるときから燃焼室の形状を示す(図5および6)。図3、図4と6はピストンがお互いに向かって動いているとともに、燃焼室形状を表示すために逆の順序で考えることができる。図6から図5に燃焼室の変更を考慮することによって、外輪部52でのピストン40と42との間にある空気は、内輪部54にスキッシュされる。同様に、センター56のピストン40と42との間の空気は、内輪部54にスキッシュされる。これらのスキッシュ流れによって引き起こされた動きは矢印58a−dで示されている。内輪領域54に関連付けられているボリュームと外輪領域52に関連付けられたボリュームを接続する開口部は内輪領域54の接線であるため、タンブル流が誘導される。同様に、中心領域56に関連付けられたボリュームを接続する開口部はまた、タンブル流を促進し、内輪領域への接線である。スキッシュ領域から出るフローは図5に示す断面のビューとして、時計回りの転倒を引き起こす矢印58aおよび58bの方向に流れを誘導する。スキッシュ領域から出る流れは反時計回り転倒を引き起こし、矢印58C及び58Dの方向に流れを誘導する。
【0021】
図17では、モデリング結果の表現が表示される。 2つのインジェクタ250は、主にセンター252と外輪256の間にある内輪領域254内に燃料を噴射する。吸気ポート(図示せず)が旋回流が時計回りの矢印248で示すように、シリンダ内に入ってくるガスによって誘導されるように曲げられる。矢印248で示すように、インジェクタ250は、渦巻きの方向に内輪の領域254に接線方向に燃料を噴射する。したがって、燃料液滴は、旋回流によって運ばれている。
最高負荷状態で十分な燃焼を得る限界がシリンダ内で空気を利用している。これは、比較的均一に最も燃料が噴射された最高トルクの動作条件で空気中で混合されている燃料液滴によって達成される。図17の画像は、最高トルクの条件、すなわち、予想される最長の燃料のパルス幅で5スワール比を備えた100mm内径のシリンダ向けである。図17に示すクランク角は、燃料噴射間隔の終わりである膨張行程へ約20度である。液滴260及び262は、内輪254にほとんど含まれている。それらは、図17に表示できるように液滴260及び262は、現実よりもはるかに大きく示される。燃料の大部分は蒸発し、燃焼が発生している。表面270および272は、火炎面の指標である等温面である。燃焼のいくつかは、内輪254の外にこぼれた外輪256で発生している。図17には、燃焼面270および272の先端274と276はそれぞれが、重ないことが見られる。燃焼面が重なっているが内輪254のほとんどを包含する図17に示すように、インジェクタの先端の穴の大きさ、射出圧力、インジェクタのオリフィスの数、およびスワール比に基づいて、空気利用率は、得られることができる。
インジェクタの小さなオリフィスは、より容易に気化する小さな液滴を作成する。このような小さな液滴は、煤の形成を回避するのに役立つ。しかし、小さな液滴は、低慣性を持っており、チャンバー内に遠く移動しない。それは空気利用率のために有害である。旋回流と同じ方向に燃料を噴射することにより、小さな液滴は、インジェクタから離れて使用されていない空気をアクセスするための流れによって運ばれ、それによって、それ以外を使用することができるよりも小さい液滴の噴射を容易にする。
【0022】
最良の形態は、特定の実施形態に関して詳細に説明してきたが、技術に精通している人々は、次の特許請求の範囲内で様々な代替設計および実施形態を認識する。1つの当業者が認識しているように、様々な実施形態は利点を備えているか1つ以上の所望の特性に関して他の実施形態よりも好まれることとして記述されたかもしれないが、1つ以上の特性が所望のシステム属性を達成するために損なわれるかもしれない。それは特定のアプリケーションと実行に依存する。これらの属性がコスト、強度、耐久性、ライフサイクルコスト、市場性、外観、包装、サイズ、有用性、重量、製造、組立の容易さ等を含んでいるが、これらに限定されない。ここに記載されて、一つ以上の特性に関して先行技術の実行或いは他の実施形態よりもあまり望まないことを特徴づけされている実施形態は、開示の範囲外ではなく、特定のアプリケーションのために望ましいかもしれない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダ壁;
シリンダ内に配置された第一ピストン;
第一ピストンに関して反対の関係でシリンダ内に配置された第二ピストン;
第一および第二偏心ジャーナルをもつクランクシャフト;
第一偏心ジャーナルへ第一ピストンを連結する第一連接棒、そして
第二偏心ジャーナルに前記の第二ピストンを連結する第二連接棒を含む内燃エンジンであって、
ピストンはクランクシャフトの回転によってシリンダ内を往復運動し;
ピストンがお互いに最も近いされるときのクランクシャフトの回転の特定の角度を有し;
第一ピストンのピストン頂面は3つの領域があり:円筒の中心軸と実質的に一致する中心を持っているセンター、ピストンの外周に近い外輪と、内輪;
第二ピストンのピストン頂面は3つの領域があり:円筒の中心軸と実質的に一致する中心を持っているセンター、ピストンの外周に近い外輪と、内輪;
クランクシャフトが、特定の角度であるときに、ピストンの表面は、外輪と中央領域に離れている所定距離であり;そして
クランクシャフトが、特定の角度にあるときに、内輪に近接する第一および第二ピストン間のボリュームは、ほぼトロイダルボリュームを形成する
ことを特徴とする内燃エンジン。
【請求項2】
シリンダ壁にほぼ垂直な燃料噴射装置の軸を持ってシリンダ壁に設けられた燃料噴射装置をさらに含むエンジンであって、チャネルは、インジェクタの先端からピストンとの間に形成されたトロイダルボリュームへの見通し線にアクセスするための開口部を提供するために、外輪に限定されていることを特徴とする請求項1に記載のエンジン。
【請求項3】
燃料噴射装置は、少なくとも一つのオリフィスを持っており、オリフィスは、オリフィスを出るスプレーが、主にトロイダルボリュームに導かれるように配置されていることを特徴とする請求項2に記載のエンジン。
【請求項4】
インジェクタから出る燃料噴射は、トロイダルのボリュームに導かれ、吸気ピストンの上の中央部は楕円形であり、ジェットは楕円形の対称軸の短い近くに楕円形の実質的に接線であることを特徴とする請求項3に記載のエンジン.
【請求項5】
吸気ピストンの頂面の中央部は、シリンダの中心軸に対して垂直な方向に楕円形であることを特徴とする請求項1に記載のエンジン。
【請求項6】
トロイダルボリュームの断面積は、本質的にトロイダルボリュームの周囲に異なることを特徴とする請求項1に記載のエンジン。
【請求項7】
シリンダ壁に設けられた第一及び第二燃料噴射装置; および
第一および第二ピストンの少なくとも一つの外輪に定義されており、均等にシリンダ周囲に一定間隔で配置された第一および第二チャネルをさらに含むエンジンであって、
第一チャネルが最初のインジェクタの先端とトロイダルボリュームとの間の見通し線へのアクセスを提供し、第二チャネルは、第二のインジェクタの先端とトロイダルボリュームとの間の見通し線へのアクセスを提供し、その中に、トロイダルボリュームの断面積がチャネルから離れた位置よりもチャネルに近接しない請求項1に記載のエンジン。
【請求項8】
中央部での第一および第二ピストンの表面は、実質的に平坦であることを特徴とする請求項1に記載のエンジン
【請求項9】
第1ピストンの表面は中央部の凹面であり、第2ピストンは中央部で凸であることを特徴とする請求項1に記載のエンジン。
【請求項10】
エンジンは対向ピストンエンジンであり、第一ピストンは吸気ピストンであり、第2ピストンは排気ピストンであることを特徴とする請求項9に記載のピストン。
【請求項11】
旋回流は、動作中にトロイダルボリュームに誘導され、燃料インジェクタから燃料が誘導される旋回流と同じ一般的な方向に噴射されることを特徴とする請求項2に記載のエンジン。
【請求項1】
シリンダ壁;
シリンダ内に配置された第一ピストン;
第一ピストンに関して反対の関係でシリンダ内に配置された第二ピストン;
第一および第二偏心ジャーナルをもつクランクシャフト;
第一偏心ジャーナルへ第一ピストンを連結する第一連接棒、そして
第二偏心ジャーナルに前記の第二ピストンを連結する第二連接棒を含む内燃エンジンであって、
ピストンはクランクシャフトの回転によってシリンダ内を往復運動し;
ピストンがお互いに最も近いされるときのクランクシャフトの回転の特定の角度を有し;
第一ピストンのピストン頂面は3つの領域があり:円筒の中心軸と実質的に一致する中心を持っているセンター、ピストンの外周に近い外輪と、内輪;
第二ピストンのピストン頂面は3つの領域があり:円筒の中心軸と実質的に一致する中心を持っているセンター、ピストンの外周に近い外輪と、内輪;
クランクシャフトが、特定の角度であるときに、ピストンの表面は、外輪と中央領域に離れている所定距離であり;そして
クランクシャフトが、特定の角度にあるときに、内輪に近接する第一および第二ピストン間のボリュームは、ほぼトロイダルボリュームを形成する
ことを特徴とする内燃エンジン。
【請求項2】
シリンダ壁にほぼ垂直な燃料噴射装置の軸を持ってシリンダ壁に設けられた燃料噴射装置をさらに含むエンジンであって、チャネルは、インジェクタの先端からピストンとの間に形成されたトロイダルボリュームへの見通し線にアクセスするための開口部を提供するために、外輪に限定されていることを特徴とする請求項1に記載のエンジン。
【請求項3】
燃料噴射装置は、少なくとも一つのオリフィスを持っており、オリフィスは、オリフィスを出るスプレーが、主にトロイダルボリュームに導かれるように配置されていることを特徴とする請求項2に記載のエンジン。
【請求項4】
インジェクタから出る燃料噴射は、トロイダルのボリュームに導かれ、吸気ピストンの上の中央部は楕円形であり、ジェットは楕円形の対称軸の短い近くに楕円形の実質的に接線であることを特徴とする請求項3に記載のエンジン.
【請求項5】
吸気ピストンの頂面の中央部は、シリンダの中心軸に対して垂直な方向に楕円形であることを特徴とする請求項1に記載のエンジン。
【請求項6】
トロイダルボリュームの断面積は、本質的にトロイダルボリュームの周囲に異なることを特徴とする請求項1に記載のエンジン。
【請求項7】
シリンダ壁に設けられた第一及び第二燃料噴射装置; および
第一および第二ピストンの少なくとも一つの外輪に定義されており、均等にシリンダ周囲に一定間隔で配置された第一および第二チャネルをさらに含むエンジンであって、
第一チャネルが最初のインジェクタの先端とトロイダルボリュームとの間の見通し線へのアクセスを提供し、第二チャネルは、第二のインジェクタの先端とトロイダルボリュームとの間の見通し線へのアクセスを提供し、その中に、トロイダルボリュームの断面積がチャネルから離れた位置よりもチャネルに近接しない請求項1に記載のエンジン。
【請求項8】
中央部での第一および第二ピストンの表面は、実質的に平坦であることを特徴とする請求項1に記載のエンジン
【請求項9】
第1ピストンの表面は中央部の凹面であり、第2ピストンは中央部で凸であることを特徴とする請求項1に記載のエンジン。
【請求項10】
エンジンは対向ピストンエンジンであり、第一ピストンは吸気ピストンであり、第2ピストンは排気ピストンであることを特徴とする請求項9に記載のピストン。
【請求項11】
旋回流は、動作中にトロイダルボリュームに誘導され、燃料インジェクタから燃料が誘導される旋回流と同じ一般的な方向に噴射されることを特徴とする請求項2に記載のエンジン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−24240(P2013−24240A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−155772(P2012−155772)
【出願日】平成24年7月11日(2012.7.11)
【出願人】(511225631)エコモータース インターナショナル インコーポレイテッド (10)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年7月11日(2012.7.11)
【出願人】(511225631)エコモータース インターナショナル インコーポレイテッド (10)
【Fターム(参考)】
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