説明

サイフォン式液体吐出装置及びサイフォン式液体吐出方法、可搬型給水機能付き洗面台

【課題】被災地の劣悪な環境等において、ポリタンク等の大型液体容器を持ち上げたり傾けたりすることなく、電気エネルギーを用いないサイフォンの原理による継続的な液体の移動ないし吐出を可能にするとともに、それを簡単に、開始、停止、再開できるようにする。
【解決手段】上部を開放した移動先小型液体容器6から溢れた液体を下方に流すことによって、安定かつ継続的なサイフォンの原理による液体の移動ないし吐出を可能とし、圧力タンクの手押し、又は、蛇腹容器の足踏みによって、サイフォンの原理による液体の移動の開始及び停止を可能とし、更には、吐出管2の出口部分を上下させることによって、停止及び再開を可能として、被災地の劣悪な環境等において水道の蛇口と同様に簡単に給水できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害発生後の被災地等において、水を入れたポリタンク等の大型液体容器を持ち上げたり傾けたりすることなく、人力のみによって中の水を無駄なく使用することができる、サイフォン式液体吐出装置及びサイフォン式液体吐出方法、サイフォン式液体移動装置及びサイフォン式液体移動方法、可搬型給水機能付き洗面台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人力で給水するための代表的な技術として、井戸で用いられている手押しポンプがあった。尚、手押しポンプは井戸ポンプ等と呼ばれることもある。
【0003】
手押しポンプは、シリンダー内のピストンを上下に往復させることによって水を汲み上げる装置であり、ピストン中央部に開けられた穴に弁を備え、それを開閉できるようになっている。水を汲み上げる時にはピストンの穴にある弁が閉じていて、ピストンを下げる時には弁が開いてシリンダー内を下降できるようになっている。ピストンを上下に往復させるための動力源は、ポンプの上部にある手押しレバーであり、梃子の原理を用いるものが多い。
【0004】
手押しポンプは、かつてはどこの家にもあり、庭の井戸水を汲んで生活用水を得ていたが、水道の普及や電動式ポンプの登場によって次第に使われなくなった。しかし、最近では、災害等で電気・水道等のライフラインが寸断されたときの有用性とともに、電気を使わないことによるCO2削減や省エネの効果が再認識されている。
【0005】
次に、石油ストーブで用いられている灯油ポンプは、給水するためのものではないが、負圧ポンプとサイフォン(Siphon)を組み合わせたものであり、上部に設けられた圧力タンクを何回か繰り返し押さえることによって、内部に負圧を生じさせて液体を吸い上げ、一度管内を液体で満たした後は、サイフォンの原理によって液体が移動し続けるというものである。ここで、サイフォンの原理は、低い高さないし同じ高さの別の地点に、出発地点よりも高い地点を経由して、液体を移動させることができるというものである。ただし、灯油ポンプの上部に設けられた圧力タンクを繰り返し押さえ続ける限りにおいては、その都度生じる負圧によって液体を吸い上げ続けることも可能である。尚、灯油ポンプは、石油ポンプやサイフォン式ポンプ等と呼ばれることもある。
【0006】
特許文献1(実用新案)には、現在の灯油ポンプとほぼ同一の構造を有するプラスチック製ポンプが示されている。また、JIS規格では、規格番号:JIS S 2037:2007、標題:石油燃焼機器用注油ポンプ、規格概要:ポリエチレン缶及びドラム缶の中の灯油を、石油燃焼機器等へ移すために用いる注油ポンプについての規定とされている。
【0007】
足踏みによって液体を吸い上げる技術としては、特許文献2に開示されたものがあるが、足踏みポンプ内に水を直接吸い込んで、それを高いところに吐き出す方法であって、灯油ポンプの場合のようにサイフォンの原理を用いるものではないため、足踏みを繰り返さなければ続けて水を吸い上げることはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実用新案出願公告昭32−10956
【特許文献2】特開2002−13178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
災害発生直後の被災地等において自衛隊の給水支援等を受けて、ポリタンク等の大型容器に水を入れて貰えたとしても、中の水を使用する際に、その都度水を充満した大型容器を持ち上げるのは大変である。また、世帯毎等の小グループに水を配分する場合にも、水を充満した大型容器を持ち上げる必要が生じる。これは、かなりの重労働であるし、特に高齢者や小さな子供にとっては極めて困難な作業である。
【0010】
更に、大型容器を傾ける際にたくさんの水が無駄に流される場合がある。水は、人に限らず生物が生きるうえで最も重要な資源であり、水無しで生きることは絶対に不可能である。したがって、災害発生後の給水は被災者の生死を左右するので、一滴の水も無駄にはできない。近い将来必ず発生する大規模災害において、一人ひとりの被災者の口に水を確実に供給できるように備えておくことは、高齢化が進行する我が国において災害対策上の喫緊の課題といえる。
【0011】
そこで、従来技術による対策を検討するに、まず、手押しポンプのような大掛かりな装置を被災地において使用することは現実的ではない。また、高齢者や小さな子供でも楽に給水できるようにするためには、手押しポンプを足で操作する方法が考えられる。しかし、手押しレバーを相当に長くしなければならないため、広い操作スペースが必要となるし、操作は極めて困難である。また、シリンダー内にピストンを有するという構造上、吸上管は真っ直ぐで、尚且つ、ある程度の太さを有するものとせざるを得ない。
【0012】
次に、灯油ポンプを用いて、ポリタンク等の大型容器から小型容器に水を移動させることが考えられるが、サイフォンの原理は、移動元の液体と移動先の液体を連結する管を液体で満たす必要があるため、灯油ポンプの吐出管の出口を開放した状態では、サイフォンの原理は働かない。このため、水道の蛇口のように液体を空間に吐出し続けることはできない。
【0013】
確かに、電動式ポンプを用いれば、低い位置にある元の容器から高い位置にある別の容器に吸い上げることだけでなく、液体を空間に吐出し続けることも可能であるが、被災地等の極限状況において電源を確保できる保証はない。また、モーター等の電子機器を用いる場合、雨水や泥等の浸入による故障の虞もある。更に、省エネやエコロジーの観点からも、電気エネルギーを用いる方法は可能な限り避けることが望ましい。そこで、故障し難い単純な構造であって、尚且つ、人力で操作できる装置が必要となる。
【0014】
また、被災地のような劣悪な環境においては、疫病の発生を予防する等の衛生管理上の観点から、手洗いが極めて重要である。また、キャンプ等においても食中毒の予防等のためには、調理や食事前の手洗いが欠かせない。特に気温の高い地域や季節においてはこれが重要である。しかしながら、ポリタンクやペットボトル等の容器に入れた水を手にかけて手洗いをする従来の形態の場合、容器が清潔であれば良いが、一般的には泥等で汚れている場合が多く、また、使い回しをする等、不衛生な環境で使用されている場合が多いので、容器を保持した方の手は十分に洗うことができない。また、石鹸で汚れを落とすには、これを泡立てることが望ましいが、片手では十分に石鹸を泡立てることができない。更に、片手ずつ洗う場合には、こぼれる水量も多く無駄である。
【0015】
この点、足踏みによって水を吐出できるようになれば、両手同時の手洗いだけでなく、石鹸も十分に泡立てることができるようになり、衛生管理の面からも望ましい。更に、こぼれる水量が少なくなるので、節水にもつながる。被災地等の給水が乏しい状況では、これは特に重要な効果である。
【0016】
本発明はかかる従来技術の問題点を解決して、被災地の劣悪な環境等において前記のような様々なニーズに対応するために、電気エネルギーを用いないで、サイフォンの原理によって継続的に液体を空間に吐出し続けることができるサイフォン式液体吐出装置及びサイフォン式液体吐出方法、及び、継続的に液体を移動し続けることができるサイフォン式液体移動装置及びサイフォン式液体移動方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するために、まず、水道の蛇口と同様に液体を空間に吐出する手段を提供する。この点、従来の灯油ポンプは、ポリタンク等の移動元液体容器から石油ストーブ等の移動先液体容器に液体を移動させるためのものであり、液体を空間に吐出する構造ではないため、圧力タンクを手で押さえる度に吐出することはできるが、サイフォンの原理による継続的な吐出ができないという問題がある。
【0018】
そこで、請求項1記載のサイフォン式液体吐出装置は、移動元液体容器から液体を吸い上げるための吸上管、吸い上げた液体を移動先液体容器に吐出するための吐出管、前記吸上管の出口に設ける吸上用逆止弁、前記吐出管の入口に設ける吐出用逆止弁、前記吸上管の出口と前記吐出管の入口を接続する圧力タンクからなる、サイフォンの原理を用いて移動元液体容器から移動先液体容器へ液体を移動させることのできるサイフォン式ポンプにおいて、前記吐出管の出口に、前記移動先液体容器として上部を開放した小型液体容器を備え、サイフォンの原理による液体の移動を可能とし、前記小型液体容器から溢れた液体を下方に流すことによって水道の蛇口と同様に液体を空間に吐出できるようにしたことを特徴とする。
【0019】
尚、前記小型液体容器は、吐出管と一体的に成型することができ、あるいは、吐出管から独立した部品として成型した後に吐出管に連結できるようにして取換え可能とすることもできる。
【0020】
前記小型液体容器は様々な形状を採用することができるが、底面を流線型にすることによって、円滑な流水が可能になる。
【0021】
これによって、サイフォンの原理を利用するものの、水道の蛇口と同様に液体を空間に吐出できるようになる。そして、ポリタンク等の重い大型容器を持ち上げたり傾けたりすることなく、両手を同時に洗うことができるようになる。
【0022】
しかし、前記小型液体容器の上部を開放する場合、被災地等の劣悪な環境においてはゴミ等が混入する虞がある。
【0023】
そこで、請求項2記載のサイフォン式液体吐出装置は、移動元液体容器から液体を吸い上げるための吸上管、吸い上げた液体を移動先液体容器に吐出するための吐出管、前記吸上管の出口に設ける吸上用逆止弁、前記吐出管の入口に設ける吐出用逆止弁、前記吸上管の出口と前記吐出管の入口を接続する圧力タンクからなる、サイフォンの原理を用いて移動元液体容器から移動先液体容器へ液体を移動させることのできるサイフォン式ポンプにおいて、前記吐出管の出口に、底に穴が開いた小型液体容器を備え、前記穴の通液抵抗によって安定したサイフォンの原理による液体の移動を可能とし、前記穴を通過した液体を下方に流すことによって水道の蛇口と同様に液体を空間に吐出できるようにしたことを特徴とする。
【0024】
尚、前記小型液体容器は、吐出管と一体的に成型することができ、あるいは、吐出管から独立した部品として成型した後に吐出管に連結できるようにして取換え可能とすることもできる。前者の場合において、前記小型液体容器を吐出管の一部分の形状として表現すれば、「前記吐出管は、その内径が出口の直前部において大きくなり、出口において再び小さくなるような形状を有する。」というようになる。更に、底に複数の穴を開ける場合には、前記表現に加えて、「出口は複数の穴を有する壁で閉塞されている。」というようになる。
【0025】
これによって、前記小型液体容器へのゴミ等の混入を防ぐことができる。また、前記小型液体容器に生じる水溜りが、吐出している間は容器内部を減圧するように作用し、吐出管の出口を持ち上げて停止させるとき等は、容器内部への空気の侵入を防ぐように作用するので、サイフォンの原理による液体の移動を安定的に行うことができる。
【0026】
また、前記小型液体容器の底に開ける穴を複数にすることによって、シャワー状に吐出することもできる。
【0027】
次に、従来の灯油ポンプは、圧力タンク上部の栓を手で開いて内部の負圧を解消することによって液体の移動を停止させていたが、操作性が低いだけでなく、頻繁に栓を開閉する場合、栓部に隙間が生じる等する虞があるため、栓の開閉は給水装置としてはあまり適さないという問題がある。
【0028】
そこで、請求項3記載のサイフォン式液体吐出装置は、請求項1又は請求項2に記載のサイフォン式液体吐出装置において、圧力タンクに連結する、より復元力の小さな停止用圧力タンクを備え、前記圧力タンクを手で押さえることによって液体の吐出を開始させ、前記停止用圧力タンクを手で押さえて前記圧力タンク内部を加圧し、負圧を解消することによって、サイフォンの原理による液体の吐出を停止させ、押さえる力を弱めた後も、前記停止用圧力タンクの復元力が小さいために前記圧力タンク内部にサイフォンの原理に必要な負圧を生じず、再び液体を吸い上げることができないようにしたことを特徴とする。
【0029】
これによって、栓の開閉によらずに、開始と同様の操作によって停止することができるので、操作が容易になるとともに空気漏れ等の故障を防ぐことができる。
【0030】
次に、被災地等の劣悪な環境においては装置自体が汚れるので、洗浄した後の手で停止させる方法は衛生管理上の問題がある。
【0031】
このため、負圧ポンプとサイフォンを組み合わせた灯油ポンプにおいて、従来は上部に設けられたポンプを手で押すことによって負圧を生じさせていたものを、ビニールプール等で使用する足踏みポンプを用いることによって負圧を生じさせるようにする。
【0032】
この際、足踏みポンプを灯油ポンプに単純に連結したのでは、足踏みの最初の段階で一時的に負圧を生じさせることは可能であるが、足踏みポンプは、灯油ポンプよりも低い位置に設置されるため、すぐに水が足踏みポンプの側に流れ込んでしまう。従来の灯油ポンプは、その原理上、負圧はポンプの最上部に生じさせる必要があった。尚、サイフォンの原理による液体の移動を停止させる場合に、最上部の栓を解放して負圧を解消するようになっているのもこのためである。
【0033】
そこで、この足踏みポンプへの液体の流入を防ぐためには、負圧をかける空間と液体が移動する空間を分離しつつも、負圧を液体に作用させる必要がある。
【0034】
本発明では、従来の灯油ポンプの負圧を生じさせていた圧力タンク内において、風船を膨張収縮させることによって負圧を生じさせる。そして、この風船への空気の給排気を足踏みポンプで行うようにする。このようにすることによって、従来のように灯油ポンプを手で繰り返し押さえることなく、足踏みポンプで膨張収縮させる風船によって、風船が膨張した瞬間に圧力タンク内の空気の一部を外に押し出した後に、風船が収縮した瞬間すなわち圧力タンク内の容積が膨張する瞬間に圧力タンク内に負圧を生じさせることができる。
【0035】
そこで、請求項4記載のサイフォン式液体吐出装置は、請求項1又は請求項2に記載のサイフォン式液体吐出装置において、連結することによって密閉した空間を形成する、前記圧力タンク内で膨張収縮する風船、復元力の弱いばねを内部に設けた液体の吐出を停止させるための停止用蛇腹容器、前記風船と前記停止用蛇腹容器を連結する管を備え、前記停止用蛇腹容器を足で踏み縮めて前記風船を膨張させて前記圧力タンク内部を加圧し、負圧を解消することによって、サイフォンの原理による液体の吐出を停止させ、踏む力を弱めた後も、前記停止用蛇腹容器の復元力が小さいために前記圧力タンク内部にサイフォンの原理に必要な負圧を生じず、再び液体を吸い上げることができないようにしたことを特徴とする。
【0036】
これによって、手を使わずに、液体の吐出を停止できるようになる。
【0037】
更に、衛生管理上の理由だけでなく、災害等で手を負傷して操作が困難な場合も想定されるので、液体の吐出を足で開始するための手段が必要である。
【0038】
そこで、請求項5記載のサイフォン式液体吐出装置は、請求項1又は請求項2に記載のサイフォン式液体吐出装置において、連結することによって密閉した空間を形成する、前記圧力タンク内で膨張収縮する風船、復元力の強いばねを内部に設けた液体の吐出を開始させるための開始用蛇腹容器、前記風船と前記開始用蛇腹容器を連結する管を備え、前記開始用蛇腹容器を足で踏み縮めて前記風船を膨張させることによって、前記圧力タンク内の空気を、前記吐出用逆止弁を通過して前記吐出管から排出し、前記開始用蛇腹容器を踏む力を弱めた後に前記開始用蛇腹容器内部のばねの復元力で前記開始用蛇腹容器の体積が復元するのに伴い前記風船を収縮させて前記圧力タンク内に負圧を生じさせることによって、サイフォンの原理による液体の吐出を開始できるようにしたことを特徴とする。
【0039】
この蛇腹容器と風船を管で連結する仕組みは、外部から空気を取り込む足踏みポンプとは異なり、蛇腹容器と圧力タンク内の風船との間で空気を往復させるものであるので、産業革命の原動力になった蒸気機関のピストンに近い発想である。蒸気機関は蒸気の圧力(内部エネルギー)を力学的エネルギーに変換するのに対して、本発明は人の足踏みによる力学的エネルギーを一旦圧力(内部エネルギー)に変換してから力学的エネルギーに再度変換するものである。換言すれば、閉空間内部の圧力(内部エネルギー)の変化によって力学的エネルギーを伝達するものである。
【0040】
これによって、手を使わずに、サイフォンの原理による液体の吐出を開始できるようになる。
【0041】
次に、請求項3記載のサイフォン式液体吐出装置と同様に、従来の灯油ポンプは、圧力タンク上部の栓を手で開いて内部の負圧を解消することによって液体の移動を停止させていたが、操作性が低いだけでなく、頻繁に栓を開閉する場合、栓部に隙間が生じる等する虞があるため、栓の開閉は給水装置としてはあまり適さないという問題がある。
【0042】
そこで、請求項6記載のサイフォン式液体吐出装置は、請求項1又は請求項2に記載のサイフォン式液体吐出装置において、連結することによって密閉した空間を形成する、前記圧力タンク内で膨張収縮する風船、復元力の強いばねを内部に設けた液体の吐出を開始させるための開始用蛇腹容器、前記風船と前記開始用蛇腹容器を連結する管、前記圧力タンクに連結する、より復元力の小さな停止用圧力タンクを備え、前記開始用蛇腹容器を足で踏み縮めて前記風船を膨張させることによって、前記圧力タンク内の空気を、前記吐出用逆止弁を通過して前記吐出管から排出し、前記開始用蛇腹容器を踏む力を弱めた後に前記開始用蛇腹容器内部のばねの復元力で前記開始用蛇腹容器の体積が復元するのに伴い前記風船を収縮させて前記圧力タンク内に負圧を生じさせることによって、サイフォンの原理による液体の吐出を開始させ、前記停止用圧力タンクを手で押さえて前記圧力タンク内部を加圧し、負圧を解消することによって、サイフォンの原理による液体の吐出を停止させ、押さえる力を弱めた後も、前記停止用圧力タンクの復元力が小さいために前記圧力タンク内部にサイフォンの原理に必要な負圧を生じず、再び液体を吸い上げることができないようにしたことを特徴とする。
【0043】
これによって、手を使わずに、サイフォンの原理による液体の吐出を開始できるだけでなく、栓の開閉によらずに停止することができるので、操作が容易になる。
【0044】
次に、請求項4記載のサイフォン式液体吐出装置と同様に、被災地等の劣悪な環境においては装置自体が汚れるので、洗浄した後の手で停止させる方法は衛生管理上の問題がある。
【0045】
そこで、請求項7記載のサイフォン式液体吐出装置は、請求項1又は請求項2に記載のサイフォン式液体吐出装置において、連結することによって密閉した空間を形成する、前記圧力タンク内で膨張収縮する風船、復元力の強いばねを内部に設けた液体の吐出を開始させるための開始用蛇腹容器、復元力の弱いばねを内部に設けた液体の吐出を停止させるための停止用蛇腹容器、前記風船と前記開始用蛇腹容器を連結する管、前記開始用蛇腹容器と前記停止用蛇腹容器を連結する管を備え、前記開始用蛇腹容器を足で踏み縮めて前記風船を膨張させることによって、前記圧力タンク内の空気を、前記吐出用逆止弁を通過して前記吐出管から排出し、前記開始用蛇腹容器を踏む力を弱めた後に前記開始用蛇腹容器内部のばねの復元力で前記開始用蛇腹容器の体積が復元するのに伴い前記風船を収縮させて前記圧力タンク内に負圧を生じさせることによって、サイフォンの原理による液体の吐出を開始させ、前記停止用蛇腹容器を足で踏み縮めて前記風船を膨張させて前記圧力タンク内部を加圧し、負圧を解消することによって、サイフォンの原理による液体の吐出を停止させ、踏む力を弱めた後も、前記停止用蛇腹容器の復元力が小さいために前記圧力タンク内部にサイフォンの原理に必要な負圧を生じず、再び液体を吸い上げることができないようにしたことを特徴とする。
【0046】
これによって、手を使わずに、サイフォンの原理による液体の吐出を開始できるだけでなく、手を使わずに、液体の吐出を停止できるようになる。この際、開始用蛇腹容器を青色、停止用蛇腹容器を赤色というように色分けすることによって、高齢者にも分かり易いものとすることができる。
【0047】
次に、請求項8記載のサイフォン式液体吐出方法は、請求項1記載のサイフォン式液体吐出装置が採用した方法である。
【0048】
請求項8記載のサイフォン式液体吐出方法は、サイフォンの原理を用いて移動元液体容器から移動先液体容器へ液体を移動させることのできるサイフォン式ポンプにおいて、吐出管の出口に、前記移動先液体容器として上部を開放した小型液体容器を備え、サイフォンの原理による液体の移動を可能とし、前記小型液体容器から溢れた液体を下方に流すことによって水道の蛇口と同様に液体を空間に吐出できるようにしたことを特徴とする。
【0049】
次に、請求項9記載のサイフォン式液体吐出方法は、請求項2記載のサイフォン式液体吐出装置が採用した方法である。
【0050】
請求項9記載のサイフォン式液体吐出方法は、サイフォンの原理を用いて移動元液体容器から移動先液体容器へ液体を移動させることのできるサイフォン式ポンプにおいて、前記吐出管の出口に、底に穴が開いた小型液体容器を備え、前記穴の通液抵抗によって安定したサイフォンの原理による液体の移動を可能とし、前記穴を通過した液体を下方に流すことによって水道の蛇口と同様に液体を空間に吐出できるようにしたことを特徴とする。
【0051】
次に、請求項10記載のサイフォン式液体吐出方法は、請求項3記載のサイフォン式液体吐出装置が採用した方法である。
【0052】
請求項10記載のサイフォン式液体吐出方法は、請求項8又は請求項9に記載のサイフォン式液体吐出方法において、圧力タンクに連結した停止用圧力タンクを手で押さえて前記圧力タンク内部を加圧し、負圧を解消することによって、サイフォンの原理による液体の移動を停止させ、押さえる力を弱めた後も、前記停止用圧力タンクの復元力が小さいために前記圧力タンク内部にサイフォンの原理に必要な負圧を生じず、再び液体を吸い上げることができないようにしたことを特徴とする。
【0053】
次に、請求項11記載のサイフォン式液体吐出方法は、請求項4記載のサイフォン式液体吐出装置が採用した方法である。
【0054】
請求項11記載のサイフォン式液体吐出方法は、請求項8又は請求項9に記載のサイフォン式液体吐出方法において、風船と管で連結することによって密閉した空間を形成する停止用蛇腹容器を足で踏み縮めて、圧力タンク内において前記風船を膨張させて前記圧力タンク内部を加圧し、負圧を解消することによって、サイフォンの原理による液体の移動を停止させ、踏む力を弱めた後も、前記停止用蛇腹容器の復元力が小さいために前記圧力タンク内部にサイフォンの原理に必要な負圧を生じず、再び液体を吸い上げることができないようにしたことを特徴とする。
【0055】
次に、請求項12記載のサイフォン式液体吐出方法は、請求項5記載のサイフォン式液体吐出装置が採用した方法である。
【0056】
請求項12記載のサイフォン式液体吐出方法は、請求項8又は請求項9に記載のサイフォン式液体吐出方法において、風船と管で連結することによって密閉した空間を形成する開始用蛇腹容器を足で踏み縮めて、圧力タンク内において前記風船を膨張させることによって、前記圧力タンク内の空気を排出し、前記蛇腹容器を踏む力を弱めた後に前記蛇腹容器内部のばねの復元力で前記蛇腹容器の体積が復元するのに伴い前記風船を収縮させて前記圧力タンク内に負圧を生じさせることによって、液体の吐出を開始できるようにしたことを特徴とする。
【0057】
次に、請求項13記載のサイフォン式液体吐出方法は、請求項6記載のサイフォン式液体吐出装置が採用した方法である。
【0058】
請求項13記載のサイフォン式液体吐出方法は、請求項12記載のサイフォン式液体吐出方法において、圧力タンクに連結した停止用圧力タンクを手で押さえて前記圧力タンク内部を加圧し、負圧を解消することによって、サイフォンの原理による液体の移動を停止させ、押さえる力を弱めた後も、前記停止用圧力タンクの復元力が小さいために前記圧力タンク内部にサイフォンの原理に必要な負圧を生じず、再び液体を吸い上げることができないようにしたことを特徴とする。
【0059】
次に、請求項14記載のサイフォン式液体吐出方法は、請求項7記載のサイフォン式液体吐出装置が採用した方法である。
【0060】
請求項14記載のサイフォン式液体吐出方法は、請求項12記載のサイフォン式液体吐出方法において、風船と開始用蛇腹容器と管で連結することによって密閉した空間を形成する停止用蛇腹容器を足で踏み縮めて、圧力タンク内において前記風船を膨張させて前記圧力タンク内部を加圧し、負圧を解消することによって、サイフォンの原理による液体の移動を停止させ、踏む力を弱めた後も、前記停止用蛇腹容器の復元力が小さいために前記圧力タンク内部にサイフォンの原理に必要な負圧を生じず、再び液体を吸い上げることができないようにしたことを特徴とする。
【0061】
尚、請求項8から請求項14のいずれかに記載のサイフォン式ポンプは、請求項1又は請求項2に記載の構造に限定されるものではなく、サイフォンの原理を用いて移動元液体容器から移動先液体容器へ液体を移動させることのできるポンプを広く採用することができる。
【0062】
次に、従来の灯油ポンプは、圧力タンク上部の栓を手で開いて内部の負圧を解消することによって液体の移動を停止させていたが、操作性が低いだけでなく、頻繁に栓を開閉する場合、栓部に隙間が生じる等する虞があるため、栓の開閉は給水装置としてはあまり適さないという問題がある。
【0063】
そこで、請求項15記載のサイフォン式液体移動装置は、移動元液体容器から液体を吸い上げるための吸上管、吸い上げた液体を移動先液体容器に吐出するための吐出管、前記吸上管の出口に設ける吸上用逆止弁、前記吐出管の入口に設ける吐出用逆止弁、前記吸上管の出口と前記吐出管の入口を接続する圧力タンクからなる、サイフォンの原理を用いて移動元液体容器から移動先液体容器へ液体を移動させることのできるサイフォン式ポンプにおいて、前記圧力タンクに連結する、より復元力の小さな停止用圧力タンクを備え、前記圧力タンクを手で押さえて前記圧力タンク内部に負圧を生じさせることによって、サイフォンの原理による液体の移動を開始させ、前記停止用圧力タンクを手で押さえて前記圧力タンク内部を加圧し、負圧を解消することによって、サイフォンの原理による液体の移動を停止させ、押さえる力を弱めた後も、前記停止用圧力タンクの復元力が小さいために前記圧力タンク内部にサイフォンの原理に必要な負圧を生じず、再び液体を吸い上げることができないようにしたことを特徴とする。
【0064】
これによって、手を使わずに、サイフォンの原理による液体の移動を開始できるだけでなく、栓の開閉によらずに、開始と同様の操作で停止することができるので、操作が容易になる。
【0065】
次に、被災地等の劣悪な環境においては装置自体が汚れるので、洗浄した手で停止させる方法では、衛生管理上の問題がある。
【0066】
そこで、請求項16記載のサイフォン式液体移動装置は、移動元液体容器から液体を吸い上げるための吸上管、吸い上げた液体を移動先液体容器に吐出するための吐出管、前記吸上管の出口に設ける吸上用逆止弁、前記吐出管の入口に設ける吐出用逆止弁、前記吸上管の出口と前記吐出管の入口を接続する圧力タンクからなる、サイフォンの原理を用いて移動元液体容器から移動先液体容器へ液体を移動させることのできるサイフォン式ポンプにおいて、連結することによって密閉した空間を形成する、前記圧力タンク内で膨張収縮する風船、復元力の弱いばねを内部に設けた液体の移動を停止するための停止用蛇腹容器、前記風船と前記停止用蛇腹容器を連結する管を備え、前記圧力タンクを手で押さえて前記圧力タンク内部に負圧を生じさせることによって、サイフォンの原理による液体の移動を開始させ、前記停止用蛇腹容器を足で踏み縮めて前記風船を膨張させて前記圧力タンク内部を加圧し、負圧を解消することによって、サイフォンの原理による液体の移動を停止させ、踏む力を弱めた後も、前記停止用蛇腹容器の復元力が小さいために前記圧力タンク内部にサイフォンの原理に必要な負圧を生じず、再び液体を吸い上げることができないようにしたことを特徴とする。
【0067】
これによって、手を使わずに、液体の移動を停止できるようになる。
【0068】
更に、衛生管理上の理由だけでなく、災害等で手を負傷して操作が困難な場合も想定されるので、液体の移動を足で開始するための手段が必要である。
【0069】
そこで、請求項17記載のサイフォン式液体移動装置は、移動元液体容器から液体を吸い上げるための吸上管、吸い上げた液体を移動先液体容器に吐出するための吐出管、前記吸上管の出口に設ける吸上用逆止弁、前記吐出管の入口に設ける吐出用逆止弁、前記吸上管の出口と前記吐出管の入口を接続する圧力タンクからなる、サイフォンの原理を用いて移動元液体容器から移動先液体容器へ液体を移動させることのできるサイフォン式ポンプにおいて、連結することによって密閉した空間を形成する、前記圧力タンク内で膨張収縮する風船、復元力の強いばねを内部に設けた液体の移動を開始するための開始用蛇腹容器、前記風船と前記開始用蛇腹容器を連結する管を備え、前記開始用蛇腹容器を足で踏み縮めて前記風船を膨張させることによって、前記圧力タンク内の空気を、前記吐出用逆止弁を通過して前記吐出管から排出し、前記開始用蛇腹容器を踏む力を弱めた後に前記開始用蛇腹容器内部のばねの復元力で前記開始用蛇腹容器の体積が復元するのに伴い前記風船を収縮させて前記圧力タンク内に負圧を生じさせることによって、サイフォンの原理による液体の移動を開始できるようにしたことを特徴とする。
【0070】
これによって、手を使わずに、サイフォンの原理による液体の吐出を開始できるようになる。
【0071】
次に、請求項15記載のサイフォン式液体移動装置と同様に、従来の灯油ポンプは、圧力タンク上部の栓を手で開いて内部の負圧を解消することによって液体の移動を停止させていたが、操作性が低いだけでなく、頻繁に栓を開閉する場合、栓部に隙間が生じる等する虞があるため、栓の開閉は給水装置としてはあまり適さないという問題がある。
【0072】
そこで、請求項18記載のサイフォン式液体移動装置は、請求項17記載のサイフォン式液体移動装置において、連結することによって密閉した空間を形成する、前記圧力タンク内で膨張収縮する風船、復元力の強いばねを内部に設けた液体の移動を開始するための開始用蛇腹容器、前記風船と前記開始用蛇腹容器を連結する管、前記圧力タンクに連結する、より復元力の小さな停止用圧力タンクを備え、前記開始用蛇腹容器を足で踏み縮めて前記風船を膨張させることによって、前記圧力タンク内の空気を、前記吐出用逆止弁を通過して前記吐出管から排出し、前記開始用蛇腹容器を踏む力を弱めた後に前記開始用蛇腹容器内部のばねの復元力で前記開始用蛇腹容器の体積が復元するのに伴い前記風船を収縮させて前記圧力タンク内に負圧を生じさせることによって、サイフォンの原理による液体の移動を開始させ、前記停止用圧力タンクを手で押さえて前記圧力タンク内部を加圧し、負圧を解消することによって、サイフォンの原理による液体の移動を停止させ、押さえる力を弱めた後も、前記停止用圧力タンクの復元力が小さいために前記圧力タンク内部にサイフォンの原理に必要な負圧を生じず、再び液体を吸い上げることができないようにしたことを特徴とする。
【0073】
これによって、手を使わずに、サイフォンの原理による液体の移動を開始できるだけでなく、栓の開閉によらずに、開始と同様の操作で停止することができるので、操作が容易になる。
【0074】
次に、請求項16記載のサイフォン式液体移動装置と同様に、被災地等の劣悪な環境においては装置自体が汚れるので、洗浄した手で停止させる方法では、衛生管理上の問題がある。
【0075】
そこで、請求項19記載のサイフォン式液体移動装置は、請求項17記載のサイフォン式液体移動装置において、連結することによって密閉した空間を形成する、前記圧力タンク内で膨張収縮する風船、復元力の強いばねを内部に設けた液体の移動を開始するための開始用蛇腹容器、復元力の弱いばねを内部に設けた液体の移動を停止するための停止用蛇腹容器、前記風船と前記開始用蛇腹容器を連結する管、前記開始用蛇腹容器と前記停止用蛇腹容器を連結する管を備え、前記停止用蛇腹容器を足で踏み縮めて前記風船を膨張させて前記圧力タンク内部を加圧し、負圧を解消することによって、サイフォンの原理による液体の移動を停止させ、踏む力を弱めた後も、前記停止用蛇腹容器の復元力が小さいために前記圧力タンク内部にサイフォンの原理に必要な負圧を生じず、再び液体を吸い上げることができないようにしたことを特徴とする。
【0076】
これによって、手を使わずに、サイフォンの原理による液体の移動を開始できるだけでなく、手を使わずに、液体の移動を停止できるようになる。
【0077】
次に、請求項20記載のサイフォン式液体移動方法は、請求項15記載のサイフォン式液体移動装置が採用した方法である。
【0078】
請求項20記載のサイフォン式液体移動方法は、サイフォンの原理を用いて移動元液体容器から移動先液体容器へ液体を移動させることのできるサイフォン式ポンプにおいて、圧力タンクに連結した停止用圧力タンクを手で押さえて前記圧力タンク内部を加圧し、負圧を解消することによって、サイフォンの原理による液体の移動を停止させ、押さえる力を弱めた後も、前記停止用圧力タンクの復元力が小さいために前記圧力タンク内部にサイフォンの原理に必要な負圧を生じず、再び液体を吸い上げることができないようにしたことを特徴とする。
【0079】
次に、請求項21記載のサイフォン式液体移動方法は、請求項16記載のサイフォン式液体移動装置が採用した方法である。
【0080】
請求項21記載のサイフォン式液体移動方法は、サイフォンの原理を用いて移動元液体容器から移動先液体容器へ液体を移動させることのできるサイフォン式ポンプにおいて、風船と管で連結することによって密閉した空間を形成する停止用蛇腹容器を足で踏み縮めて、圧力タンク内において前記風船を膨張させて前記圧力タンク内部を加圧し、負圧を解消することによって、サイフォンの原理による液体の移動を停止させ、踏む力を弱めた後も、前記停止用蛇腹容器の復元力が小さいために前記圧力タンク内部にサイフォンの原理に必要な負圧を生じず、再び液体を吸い上げることができないようにしたことを特徴とする。
【0081】
次に、請求項22記載のサイフォン式液体移動方法は、請求項17記載のサイフォン式液体移動装置が採用した方法である。
【0082】
請求項22記載のサイフォン式液体移動方法は、サイフォンの原理を用いて移動元液体容器から移動先液体容器へ液体を移動させることのできるサイフォン式ポンプにおいて、風船と管で連結することによって密閉した空間を形成する開始用蛇腹容器を足で踏み縮めて、圧力タンク内において前記風船を膨張させることによって、前記圧力タンク内の空気を排出し、前記蛇腹容器を踏む力を弱めた後に前記蛇腹容器内部のばねの復元力で前記蛇腹容器の体積が復元するのに伴い前記風船を収縮させて前記圧力タンク内に負圧を生じさせることによって、液体の移動を開始できるようにしたことを特徴とする。
【0083】
次に、請求項23記載のサイフォン式液体吐出方法は、請求項18記載のサイフォン式液体移動装置が採用した方法である。
【0084】
請求項23記載のサイフォン式液体移動方法は、請求項22記載のサイフォン式液体移動方法において、圧力タンクに連結した停止用圧力タンクを手で押さえて前記圧力タンク内部を加圧し、負圧を解消することによって、サイフォンの原理による液体の移動を停止させ、押さえる力を弱めた後も、前記停止用圧力タンクの復元力が小さいために前記圧力タンク内部にサイフォンの原理に必要な負圧を生じず、再び液体を吸い上げることができないようにしたことを特徴とする。
【0085】
次に、請求項24記載のサイフォン式液体移動方法は、請求項19記載のサイフォン式液体移動装置が採用した方法である。
【0086】
請求項24記載のサイフォン式液体移動方法は、請求項22記載のサイフォン式液体移動方法において、風船及び開始用蛇腹容器と管で連結することによって密閉した空間を形成する停止用蛇腹容器を足で踏み縮めて、圧力タンク内において前記風船を膨張させて前記圧力タンク内部を加圧し、負圧を解消することによって、サイフォンの原理による液体の移動を停止させ、踏む力を弱めた後も、前記停止用蛇腹容器の復元力が小さいために前記圧力タンク内部にサイフォンの原理に必要な負圧を生じず、再び液体を吸い上げることができないようにしたことを特徴とする。
【0087】
尚、請求項20から請求項22のいずれかに記載のサイフォン式ポンプは、請求項15から請求項17のいずれかに記載の構造に限定されるものではなく、サイフォンの原理を用いて移動元液体容器から移動先液体容器へ液体を移動させることのできるポンプを広く採用することができる。
【0088】
次に、請求項1から請求項7のいずれかに記載のサイフォン式液体吐出装置、又は、請求項15から請求項19のいずれかに記載のサイフォン式液体移動装置において、液体の移動を停止した後に再開するためには、手押しや足踏みによって、圧力タンク内部に再び負圧を生じさせなければならないという問題がある。
【0089】
そこで、請求項25記載のサイフォン式液体吐出装置又はサイフォン式液体移動装置は、請求項1から請求項7のいずれかに記載のサイフォン式液体吐出装置、又は、請求項15から請求項19のいずれかに記載のサイフォン式液体移動装置において、移動元液体容器の液面よりも高い位置に吐出管の出口部分を保持するためのフックを備え、前記吐出管の出口を前記液面よりも高い位置に持ち上げることによってサイフォンの原理による液体の移動を停止させた後に、停止させている間は、前記吐出管の出口部分を前記フックに保持し、前記吐出管の出口を前記液面よりも低い位置に再び下げることによってサイフォンの原理による液体の移動を再開できるようにしたことを特徴とする。
【0090】
これによって、前記吐出管の出口部分をフックに保持するだけで、サイフォンの原理に必要な負圧を維持したままの状態で、液体の移動を一時的に停止して再開することができるので、水道の蛇口栓をひねるのと同等の操作によって停止して再開することができるようになる。
【0091】
次に、請求項26記載のサイフォン式液体移動方法又はサイフォン式液体移動方法は、請求項25記載のサイフォン式液体移動装置又はサイフォン式液体移動装置が採用した方法である。
【0092】
請求項26記載のサイフォン式液体吐出方法又はサイフォン式液体移動方法は、請求項8から請求項14のいずれかに記載のサイフォン式液体吐出方法、又は、請求項20から請求項24のいずれかに記載のサイフォン式液体移動方法において、移動元液体容器の液面よりも高い位置に吐出管の出口部分を保持するためのフックを備え、前記吐出管の出口を前記液面よりも高い位置に持ち上げることによってサイフォンの原理による液体の移動を停止させた後に、停止させている間は、前記吐出管の出口部分を前記フックに保持し、前記吐出管の出口を前記液面よりも低い位置に再び下げることによってサイフォンの原理による液体の移動を再開できるようにしたことを特徴とする。
【0093】
次に、請求項25記載のサイフォン式液体移動装置又はサイフォン式液体移動装置は、吐出管の出口部分を高い位置に保持しなければならず、高齢者や子供等にとって操作が困難な場合も想定される。
【0094】
そこで、請求項27記載のサイフォン式液体吐出装置又はサイフォン式液体移動装置は、請求項1から請求項7のいずれかに記載のサイフォン式液体吐出装置、又は、請求項15から請求項19のいずれかに記載のサイフォン式液体移動装置において、吐出管が曲げた形状を保持できるフレキシブルチューブからなり、前記吐出管の出口を移動元液体容器の液面よりも高い位置に持ち上げることによってサイフォンの原理による液体の移動を停止させた後に、停止させている間は、前記吐出管を曲げたままの形状で保持し、前記吐出管の出口を前記液面よりも低い位置に再び下げることによってサイフォンの原理による液体の移動を再開できるようにしたことを特徴とする。
【0095】
これによって、フレキシブルチューブを曲げ伸ばしするだけで、サイフォンの原理に必要な負圧を維持したままの状態で、液体の移動を一時的に停止して再開することができるので、水道の蛇口栓をひねるよりも簡単な操作によって停止して再開することができるようになる。
【0096】
次に、請求項28記載のサイフォン式液体移動方法又はサイフォン式液体移動方法は、請求項27記載のサイフォン式液体移動装置又はサイフォン式液体移動装置が採用した方法である。
【0097】
請求項28記載のサイフォン式液体吐出方法又はサイフォン式液体移動方法は、請求項8から請求項14のいずれかに記載のサイフォン式液体吐出方法、又は、請求項20から請求項24のいずれかに記載のサイフォン式液体移動方法において、吐出管が曲げた形状を保持できるフレキシブルチューブからなり、前記吐出管の出口を移動元液体容器の液面よりも高い位置に持ち上げることによってサイフォンの原理による液体の移動を停止させた後に、停止させている間は、前記吐出管を曲げたままの形状で保持し、前記吐出管の出口を前記液面よりも低い位置に再び下げることによってサイフォンの原理による液体の移動を再開できるようにしたことを特徴とする。
【0098】
次に、使用した液体を排水できるようにしなければ、足元に液体や泥が撥ねて汚れてしまう場合も想定される。
【0099】
そこで、請求項29記載の可搬型給水機能付き洗面台は、請求項1から請求項7のいずれかに記載のサイフォン式液体吐出装置、洗面器、前記洗面器の底に設ける排水管、前記洗面器を支持する脚からなり、水を入れた容器から前記サイフォン式液体吐出装置によって水を吸い上げ、吸い上げた水を空間に吐出し、又は、サイフォンの原理によって吸い上げた水を空間に吐出し続け、前記排水管から排水できるようにしたことを特徴とする。
【0100】
これによって、自己完結型の簡易水道施設を構成できるので、被災地等の劣悪な状況において、日常に近い生活環境を演出することができ、被災者のストレスを軽減することができる。
【0101】
最後に、各請求項記載の発明の体系表を示す。
【0102】
【表1】

【発明の効果】
【0103】
本発明は簡単な構造であるので故障する虞は殆ど無く、被災地においても確実に機能する。また、電源等の動力源が不要であるのでエネルギー供給が途絶えた被災地においていつでも使用できる。そして、人力の吸上ポンプであるにも関わらず操作が簡単であるので、高齢者や小さな子供でも使用することができる。更に、両手を同時に洗い流すことができ、両手を使った洗顔・洗髪も可能であるので、衛生管理上も大きな効果がある。
【0104】
他方、地球温暖化に代表される環境問題やエネルギー問題が、ますます顕在化・深刻化している現代社会において、環境に優しい「グリーン技術」の重要性は益々増大しており、これに関する研究開発の一層の促進が求められている。そして、水の供給技術においても電力を消費しない省エネ技術が求められている。本発明は、人力で液体を移動及び吐出させることのできる、電気エネルギーを使用しない技術である。また、液体容器を持ち上げたり傾けたりしなくても良いので、無駄にこぼすことが少ない。よって、本発明は、節電節水等の省エネ効果を有する「グリーン技術」である。
【0105】
本発明は、百円前後で購入できる灯油ポンプ、足踏みポンプ、風船等、安価な材料を用いて製造することができる。
【0106】
本発明は、従来の灯油ポンプと同様に給油目的にも使用することができ、手を使わずに、足踏みによって給油を開始又は停止できるので、手の不自由な方にとって非常に有用である。
【0107】
また、病院や調理場等の厳しい衛生管理が求められる場所においても、電気エネルギーを用いずに、汚れた部分に手を触れることなく両手を洗浄することができる。
【0108】
そして、液体容器に消毒液を入れて使用することもできる。特に、インフルエンザが流行したときには、ウィルスが付着したドアノブやエレベーターのボタン等に触れることによって感染する場合が多いので、いつでも、どこでも、安価に設置できる消毒設備が感染予防に威力を発揮する。本発明は、電気モーター等を使用しないので非常に安価に製造することができ、いつでも、どこでも設置することができる。
【0109】
更に、断水に備えて浴槽に水を溜めている家庭においては、本発明を用いて浴槽から水を吸い上げることによって応急水道設備として活用できる。
【0110】
本発明は、被災地等の他にも、発展途上国等の水道の整備が遅れている地域や中東諸国等の水資源が乏しい地域において非常に有用である。水不足や感染症に苦しむ多くの人々、特に子供達を救済するために役立てることができるので、我が国の国際貢献につながる技術である。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】図1はサイフォン式液体吐出装置の断面図(上部を開放した場合)である。
【図2】図2はサイフォンの原理による液体の吐出状態を示す説明図(上部を開放した場合)である。
【図3】図3はサイフォン式液体吐出装置の断面図(底に穴を開けた場合)である。
【図4】図4はサイフォンの原理による液体の吐出状態を示す説明図(底に穴を開けた場合)である。
【図5】図5は吐出管を保持するためのフックを備える場合の停止状態を示す説明図である。
【図6】図6は形状を保持できるフレキシブルチューブからなる吐出管の場合の停止状態を示す説明図である。
【図7】図7はサイフォンの原理による液体の移動状態を示す説明図である。
【図8】図8は停止用圧力タンクを手で押さえた時の状態を示す説明図である。
【図9】図9はサイフォンの原理による液体の移動を停止した状態を示す説明図である。
【図10】図10は足踏みによって開始及び停止が可能なサイフォン式液体吐出装置の断面図である。
【図11】図11は足踏みによって開始及び停止が可能なサイフォン式液体移動装置の断面図である。
【図12】図12は最初に開始用蛇腹容器を踏み縮めた時の状態を示す説明図である。
【図13】図13はサイフォンの原理による液体の移動状態を示す説明図(蛇腹容器を用いる場合)である。
【図14】図14は停止用蛇腹容器を踏み縮めた時の状態を示す説明図である。
【図15】図15はサイフォンの原理による液体の移動を停止した状態を示す説明図(蛇腹容器を用いる場合)である。
【図16】図16は足踏みによって液体を吐出している状態を示す説明図である。
【図17】図17は支柱に固定した状態の一例を示す説明図である。
【図18】図18は可搬型給水機能付き洗面台の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0112】
以下に、本発明の最良の実施の形態に係るサイフォン式液体吐出装置及びサイフォン式液体吐出方法、サイフォン式液体移動装置及びサイフォン式液体移動方法、そして、可搬型給水機能付き洗面台について説明する。尚、本発明のサイフォン式液体吐出装置及びサイフォン式液体移動装置は、一般家庭において、冬場に灯油缶やポリタンクから石油ストーブに灯油を移しかえるために使用されている灯油ポンプや、夏場にビニールプールの空気入れに使用されている足踏みポンプ等を用いて構成することができる。
【実施例】
【0113】
図1は、請求項1記載のサイフォン式液体吐出装置の実施例であり、灯油ポンプの吐出管2の出口に、上部を開放した小型液体容器6を固定した。この際、小型液体容器6の上部から液体が溢れ出ることができるように固定した。尚、図1では、小型液体容器6を上部から見たときの水平断面図も併せて示している。
【0114】
サイフォンの原理による液体の移動を行うためには、移動元液体容器の液面が移動先液体容器の液面よりも高い位置にある必要がある。そこで、前記小型液体容器6が吸上管1の入口よりも低い位置になるようにした。
【0115】
図2は、図1に示したサイフォン式液体吐出装置を用いて、移動元液体容器(ポリタンク等)8から水を吸い上げて、前記小型液体容器6から吐出している状態を示す説明図である。
【0116】
溢れ出た液体を下方に流すため、滑らかな流れを形成できない虞があったが、前記小型液体容器6の底を流線型にしたことによって滑らかな流れを実現することができた。
【0117】
これによって、サイフォンの原理による液体の移動が一旦始まった後は、移動元液体容器が空になるまで継続的に液体を空間に吐出し続けることができるようになり、水道の蛇口による場合と同様に、両手を同時に洗うことができた。
【0118】
図3は、請求項2記載のサイフォン式液体吐出装置の実施例であり、灯油ポンプの吐出管2の出口に、底に穴を開けた小型液体容器9の口を隙間なく連結した。尚、図3では、前記小型液体容器9を上部から見たときの水平断面図も併せて示している。
【0119】
小型液体容器9の底に開ける穴を複数にした場合には、シャワー状に吐出することができたが、手洗いに用いる場合には、穴は一つでも良い。被災地等では、手洗いだけでなく洗髪に用いる場合も想定されるので、用途に合わせて取り換え可能なように、吐出管2と小型液体容器9の連結はねじ込み式にした。
【0120】
前記穴の通液抵抗によって前記小型液体容器9に水溜りを形成して、サイフォンの原理による液体の移動を開始させるために、前記穴の直径を吐出管の内径よりも小さくした。
【0121】
図4は、図3に示したサイフォン式液体吐出装置を用いて、移動元液体容器(ポリタンク等)8から水を吸い上げて、前記小型液体容器9から吐出している状態を示す説明図である。
【0122】
前記穴の通液抵抗によって前記小型液体容器9の内部に水溜りを形成して、サイフォンの原理による液体の移動及び空間への吐出を安定的に行うことができた。
【0123】
次に、従来の灯油ポンプは、栓7を解放することによって完全に停止させることができるが、再開するには再び圧力タンク5を手で押さえなければならない。そこで、液体の吐出を一時的に停止して再開できるようにするために、移動元液体容器の液面と移動先液体容器の液面が同じ高さになった時に停止するというサイフォンの原理を利用して、吐出管2の出口、すなわち、小型液体容器6又は小型液体容器9を持ち上げて停止できるようにした。
【0124】
図5は、請求項25記載のサイフォン式液体吐出装置の実施例であり、前記サイフォン式液体吐出装置にフック10を取り付け、吐出管2を保持できるようにした場合において、吐出を一時的に停止した状態を示す説明図である。尚、図5では、前記フック10を上部から見たときの水平断面図も併せて示している。
【0125】
吐出管2の出口をフック10から外して再び下げることによって、吐出管2の出口がポリタンク8の液面よりも低くなり、その結果、サイフォンの原理による液体の移動を簡単に再開させることができた。
【0126】
図6は、請求項27記載のサイフォン式液体吐出装置の実施例であり、前記サイフォン式液体吐出装置の吐出管を、曲げた形状を保持できるフレキシブルチューブ11にした場合において、吐出を一時的に停止した状態を示す説明図である。
【0127】
吐出管の出口をポリタンク8の液面よりも高い位置に持ち上げた後も、フレキシブルチューブ11によって曲げた形状を保持することができ、再びフレキシブルチューブ11を伸ばして吐出管の出口の高さをポリタンク8の液面よりも低くすることによって、サイフォンの原理による液体の移動及び空間への吐出を簡単に再開することができた。このときの操作は、フレキシブルチューブ11を曲げ伸ばしするだけであり、高齢者や小さな子供でも簡単に使用することができる。尚、栓7は、完全に停止させるときのためである。
【0128】
この方法は、水道の蛇口栓をひねるよりも簡単であるので一般の水道に応用することもできる。例えば、水道の蛇口の前に水位を一定に保つことのできる貯水槽を設け、その貯水槽を移動元液体容器(ポリタンク等)8として本発明装置を使用すれば、蛇口栓をひねらずにフレキシブルチューブを上下に曲げ伸ばしするだけで、吐水を停止再開できるようになる。
【0129】
次に、図7は、請求項15記載のサイフォン式液体移動装置の実施例であり、圧力タンク5の上に、より復元力の小さな停止用圧力タンク12を連結した。
【0130】
図7に示すようにサイフォンの原理によって液体が移動している状態において、図8に示すように停止用圧力タンク12を手で押さえて圧力タンク5の内部を加圧し、負圧を解消することによって、サイフォンの原理による液体の移動を停止させることができた。そして、押さえる力を弱めた後も、停止用圧力タンク12の復元力が小さいために圧力タンク内部に十分な負圧が得られず、その結果、図9に示すように液体の移動を完全に停止させることができた。
【0131】
この停止方法は、表1に示したように、請求項15だけでなく、請求項3、請求項6、請求項10、請求項13、請求項18、請求項20、請求項23、そして請求項29に記載の発明において採用した結果、同様の効果が得られた。
【0132】
図10は、請求項7記載のサイフォン式液体吐出装置の実施例であり、ビニールプールの空気入れに使用されている足踏みポンプの逆止弁を全て取り除いたものを、開始用蛇腹容器16として用いた。そして、連結管15と停止用蛇腹容器18を前記開始用蛇腹容器16に連結し、前記連結管15の他端を風船14に連結することによって、密閉した空間を形成した。この際、全ての材料を空気漏れが生じないように注意しながら連結した。
【0133】
図11は、図10と同様の開始・停止機構を備えた、請求項14記載のサイフォン式液体移動装置の実施例である。
【0134】
これによって、図12に示すように、最初に前記開始用蛇腹容器16を踏み込んだときに前記風船14が膨張し、その結果、圧力タンク5の内部を加圧して吐出用逆止弁から排気することができ、反対に、図13に示すように、前記開始用蛇腹容器16を踏む力を弱めたときに前記風船14が収縮し、その結果、前記圧力タンク5の内部に負圧を生じさせ、サイフォンの原理によって良好に液体を移動ないし吐出させることができた。
【0135】
次に、前記停止用蛇腹容器18の内部に設ける停止用圧縮ばね19は、前記開始用蛇腹容器16の内部に設ける開始用圧縮ばね17よりも復元力の小さなばねを用いて、踏む力を弱めてもゆっくりと復元するようにした。
【0136】
これによって、図14に示すように、前記停止用蛇腹容器18を踏み込んだときに前記風船15が膨張し、その結果、前記圧力タンク5の内部を加圧して負圧を解消してサイフォンの原理による液体の移動を停止させることができ、反対に、図15に示すように、前記停止用蛇腹容器18を踏む力を弱めても、その復元力が小さいために、前記圧力タンク5の内部にサイフォンの原理に必要な負圧を生じず、液体の移動を完全に停止させることができた。
【0137】
尚、足踏みによるサイフォン式液体吐出装置は、図16に示すように、開始用蛇腹容器16を繰り返し踏み続ける限りにおいて、移動元液体容器(ポリタンク等)8が空になるまで液体を吸い上げ吐出させることができた。この場合は、サイフォンの原理を用いるものではないため、移動元液体容器の液面よりも吐出管2の出口が低い高さである必要はなく、高い位置から空間に吐出させることができた。尚、足踏みを止めた時に、吐出も停止するので、この使用形態においては、停止用蛇腹容器は不要である。
【0138】
本発明装置は、吸上管1を移動元液体容器(ポリタンク等)8の口に差し込んで立て掛けるようにして使用することができるが、図17に示すように、地面に刺した支柱20に固定し、あるいは、点滴台のように吊るして使用することができる。
【0139】
図18は、請求項29記載の可搬型給水機能付き洗面台の実施例である。災害発生後の被災地において、水を入れたポリタンクやペットボトルから水を吸い上げて吐出管2の出口である蛇口としての役割を果たす小型液体容器6から吐水できるようにした。
【0140】
尚、市販されている配水管23は、分厚い洗面台に取り付けるように設計されているので、本発明の可搬型給水機能付き洗面台のように薄い洗面器22に取り付ける場合には、締め付け部分に水漏れを防止するための管及びパッキンを追加する必要がある。
【0141】
これによって、被災地等の劣悪な環境においても、通常の生活環境で用いられる形態に近い簡易洗面台を提供することができるので、衛生管理だけでなく、被災者のストレス軽減にも大いに役立てることができる。
【符号の説明】
【0142】
1 吸上管
2 吐出管
3 吸上用逆止弁
4 吐出用逆止弁
5 圧力タンク
6 上部を開放した小型液体容器
7 栓
8 移動元液体容器(ポリタンク等)
9 底に穴を開けた小型液体容器
10 フック
11 形状を保持できるフレキシブルチューブ
12 停止用圧力タンク
13 移動先液体容器(ペットボトル等)
14 風船
15 連結管
16 開始用蛇腹容器
17 開始用圧縮ばね
18 停止用蛇腹容器
19 停止用圧縮ばね
20 支柱
21 強力洗濯ばさみ
22 洗面器
23 配水管
24 脚

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動元液体容器から液体を吸い上げるための吸上管、吸い上げた液体を移動先液体容器に吐出するための吐出管、前記吸上管の出口に設ける吸上用逆止弁、前記吐出管の入口に設ける吐出用逆止弁、前記吸上管の出口と前記吐出管の入口を接続する圧力タンクからなる、サイフォンの原理を用いて移動元液体容器から移動先液体容器へ液体を移動させることのできるサイフォン式ポンプにおいて、前記吐出管の出口に、前記移動先液体容器として上部を開放した小型液体容器を備え、サイフォンの原理による液体の移動を可能とし、前記小型液体容器から溢れた液体を下方に流すことによって水道の蛇口と同様に液体を空間に吐出できるようにしたことを特徴とするサイフォン式液体吐出装置。
【請求項2】
移動元液体容器から液体を吸い上げるための吸上管、吸い上げた液体を移動先液体容器に吐出するための吐出管、前記吸上管の出口に設ける吸上用逆止弁、前記吐出管の入口に設ける吐出用逆止弁、前記吸上管の出口と前記吐出管の入口を接続する圧力タンクからなる、サイフォンの原理を用いて移動元液体容器から移動先液体容器へ液体を移動させることのできるサイフォン式ポンプにおいて、前記吐出管の出口に、底に穴が開いた小型液体容器を備え、前記穴の通液抵抗によって安定したサイフォンの原理による液体の移動を可能とし、前記穴を通過した液体を下方に流すことによって水道の蛇口と同様に液体を空間に吐出できるようにしたことを特徴とするサイフォン式液体吐出装置。
【請求項3】
圧力タンクに連結する、より復元力の小さな停止用圧力タンクを備え、前記圧力タンクを手で押さえることによって液体の吐出を開始させ、前記停止用圧力タンクを手で押さえて前記圧力タンク内部を加圧し、負圧を解消することによって、サイフォンの原理による液体の吐出を停止させ、押さえる力を弱めた後も、前記停止用圧力タンクの復元力が小さいために前記圧力タンク内部にサイフォンの原理に必要な負圧を生じず、再び液体を吸い上げることができないようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のサイフォン式液体吐出装置。
【請求項4】
連結することによって密閉した空間を形成する、前記圧力タンク内で膨張収縮する風船、復元力の弱いばねを内部に設けた液体の吐出を停止させるための停止用蛇腹容器、前記風船と前記停止用蛇腹容器を連結する管を備え、前記停止用蛇腹容器を足で踏み縮めて前記風船を膨張させて前記圧力タンク内部を加圧し、負圧を解消することによって、サイフォンの原理による液体の吐出を停止させ、踏む力を弱めた後も、前記停止用蛇腹容器の復元力が小さいために前記圧力タンク内部にサイフォンの原理に必要な負圧を生じず、再び液体を吸い上げることができないようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のサイフォン式液体吐出装置。
【請求項5】
連結することによって密閉した空間を形成する、前記圧力タンク内で膨張収縮する風船、復元力の強いばねを内部に設けた液体の吐出を開始させるための開始用蛇腹容器、前記風船と前記開始用蛇腹容器を連結する管を備え、前記開始用蛇腹容器を足で踏み縮めて前記風船を膨張させることによって、前記圧力タンク内の空気を、前記吐出用逆止弁を通過して前記吐出管から排出し、前記開始用蛇腹容器を踏む力を弱めた後に前記開始用蛇腹容器内部のばねの復元力で前記開始用蛇腹容器の体積が復元するのに伴い前記風船を収縮させて前記圧力タンク内に負圧を生じさせることによって、サイフォンの原理による液体の吐出を開始できるようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のサイフォン式液体吐出装置。
【請求項6】
連結することによって密閉した空間を形成する、前記圧力タンク内で膨張収縮する風船、復元力の強いばねを内部に設けた液体の吐出を開始させるための開始用蛇腹容器、前記風船と前記開始用蛇腹容器を連結する管、前記圧力タンクに連結する、より復元力の小さな停止用圧力タンクを備え、前記開始用蛇腹容器を足で踏み縮めて前記風船を膨張させることによって、前記圧力タンク内の空気を、前記吐出用逆止弁を通過して前記吐出管から排出し、前記開始用蛇腹容器を踏む力を弱めた後に前記開始用蛇腹容器内部のばねの復元力で前記開始用蛇腹容器の体積が復元するのに伴い前記風船を収縮させて前記圧力タンク内に負圧を生じさせることによって、サイフォンの原理による液体の吐出を開始させ、前記停止用圧力タンクを手で押さえて前記圧力タンク内部を加圧し、負圧を解消することによって、サイフォンの原理による液体の吐出を停止させ、押さえる力を弱めた後も、前記停止用圧力タンクの復元力が小さいために前記圧力タンク内部にサイフォンの原理に必要な負圧を生じず、再び液体を吸い上げることができないようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のサイフォン式液体吐出装置。
【請求項7】
連結することによって密閉した空間を形成する、前記圧力タンク内で膨張収縮する風船、復元力の強いばねを内部に設けた液体の吐出を開始させるための開始用蛇腹容器、復元力の弱いばねを内部に設けた液体の吐出を停止させるための停止用蛇腹容器、前記風船と前記開始用蛇腹容器を連結する管、前記開始用蛇腹容器と前記停止用蛇腹容器を連結する管を備え、前記開始用蛇腹容器を足で踏み縮めて前記風船を膨張させることによって、前記圧力タンク内の空気を、前記吐出用逆止弁を通過して前記吐出管から排出し、前記開始用蛇腹容器を踏む力を弱めた後に前記開始用蛇腹容器内部のばねの復元力で前記開始用蛇腹容器の体積が復元するのに伴い前記風船を収縮させて前記圧力タンク内に負圧を生じさせることによって、サイフォンの原理による液体の吐出を開始させ、前記停止用蛇腹容器を足で踏み縮めて前記風船を膨張させて前記圧力タンク内部を加圧し、負圧を解消することによって、サイフォンの原理による液体の吐出を停止させ、踏む力を弱めた後も、前記停止用蛇腹容器の復元力が小さいために前記圧力タンク内部にサイフォンの原理に必要な負圧を生じず、再び液体を吸い上げることができないようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のサイフォン式液体吐出装置。
【請求項8】
サイフォンの原理を用いて移動元液体容器から移動先液体容器へ液体を移動させることのできるサイフォン式ポンプにおいて、吐出管の出口に、前記移動先液体容器として上部を開放した小型液体容器を備え、サイフォンの原理による液体の移動を可能とし、前記小型液体容器から溢れた液体を下方に流すことによって水道の蛇口と同様に液体を空間に吐出できるようにしたことを特徴とするサイフォン式液体吐出方法。
【請求項9】
サイフォンの原理を用いて移動元液体容器から移動先液体容器へ液体を移動させることのできるサイフォン式ポンプにおいて、前記吐出管の出口に、底に穴が開いた小型液体容器を備え、前記穴の通液抵抗によって安定したサイフォンの原理による液体の移動を可能とし、前記穴を通過した液体を下方に流すことによって水道の蛇口と同様に液体を空間に吐出できるようにしたことを特徴とするサイフォン式液体吐出方法。
【請求項10】
圧力タンクに連結した停止用圧力タンクを手で押さえて前記圧力タンク内部を加圧し、負圧を解消することによって、サイフォンの原理による液体の移動を停止させ、押さえる力を弱めた後も、前記停止用圧力タンクの復元力が小さいために前記圧力タンク内部にサイフォンの原理に必要な負圧を生じず、再び液体を吸い上げることができないようにしたことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載のサイフォン式液体吐出方法。
【請求項11】
風船と管で連結することによって密閉した空間を形成する停止用蛇腹容器を足で踏み縮めて、圧力タンク内において前記風船を膨張させて前記圧力タンク内部を加圧し、負圧を解消することによって、サイフォンの原理による液体の移動を停止させ、踏む力を弱めた後も、前記停止用蛇腹容器の復元力が小さいために前記圧力タンク内部にサイフォンの原理に必要な負圧を生じず、再び液体を吸い上げることができないようにしたことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載のサイフォン式液体吐出方法。
【請求項12】
風船と管で連結することによって密閉した空間を形成する開始用蛇腹容器を足で踏み縮めて、圧力タンク内において前記風船を膨張させることによって、前記圧力タンク内の空気を排出し、前記蛇腹容器を踏む力を弱めた後に前記蛇腹容器内部のばねの復元力で前記蛇腹容器の体積が復元するのに伴い前記風船を収縮させて前記圧力タンク内に負圧を生じさせることによって、液体の吐出を開始できるようにしたことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載のサイフォン式液体吐出方法。
【請求項13】
圧力タンクに連結した停止用圧力タンクを手で押さえて前記圧力タンク内部を加圧し、負圧を解消することによって、サイフォンの原理による液体の移動を停止させ、押さえる力を弱めた後も、前記停止用圧力タンクの復元力が小さいために前記圧力タンク内部にサイフォンの原理に必要な負圧を生じず、再び液体を吸い上げることができないようにしたことを特徴とする請求項12記載のサイフォン式液体吐出方法。
【請求項14】
風船と開始用蛇腹容器と管で連結することによって密閉した空間を形成する停止用蛇腹容器を足で踏み縮めて、圧力タンク内において前記風船を膨張させて前記圧力タンク内部を加圧し、負圧を解消することによって、サイフォンの原理による液体の移動を停止させ、踏む力を弱めた後も、前記停止用蛇腹容器の復元力が小さいために前記圧力タンク内部にサイフォンの原理に必要な負圧を生じず、再び液体を吸い上げることができないようにしたことを特徴とする請求項12記載のサイフォン式液体吐出方法。
【請求項15】
移動元液体容器から液体を吸い上げるための吸上管、吸い上げた液体を移動先液体容器に吐出するための吐出管、前記吸上管の出口に設ける吸上用逆止弁、前記吐出管の入口に設ける吐出用逆止弁、前記吸上管の出口と前記吐出管の入口を接続する圧力タンクからなる、サイフォンの原理を用いて移動元液体容器から移動先液体容器へ液体を移動させることのできるサイフォン式ポンプにおいて、前記圧力タンクに連結する、より復元力の小さな停止用圧力タンクを備え、前記圧力タンクを手で押さえて前記圧力タンク内部に負圧を生じさせることによって、サイフォンの原理による液体の移動を開始させ、前記停止用圧力タンクを手で押さえて前記圧力タンク内部を加圧し、負圧を解消することによって、サイフォンの原理による液体の移動を停止させ、押さえる力を弱めた後も、前記停止用圧力タンクの復元力が小さいために前記圧力タンク内部にサイフォンの原理に必要な負圧を生じず、再び液体を吸い上げることができないようにしたことを特徴とするサイフォン式液体移動装置。
【請求項16】
移動元液体容器から液体を吸い上げるための吸上管、吸い上げた液体を移動先液体容器に吐出するための吐出管、前記吸上管の出口に設ける吸上用逆止弁、前記吐出管の入口に設ける吐出用逆止弁、前記吸上管の出口と前記吐出管の入口を接続する圧力タンクからなる、サイフォンの原理を用いて移動元液体容器から移動先液体容器へ液体を移動させることのできるサイフォン式ポンプにおいて、連結することによって密閉した空間を形成する、前記圧力タンク内で膨張収縮する風船、復元力の弱いばねを内部に設けた液体の移動を停止するための停止用蛇腹容器、前記風船と前記停止用蛇腹容器を連結する管を備え、前記圧力タンクを手で押さえて前記圧力タンク内部に負圧を生じさせることによって、サイフォンの原理による液体の移動を開始させ、前記停止用蛇腹容器を足で踏み縮めて前記風船を膨張させて前記圧力タンク内部を加圧し、負圧を解消することによって、サイフォンの原理による液体の移動を停止させ、踏む力を弱めた後も、前記停止用蛇腹容器の復元力が小さいために前記圧力タンク内部にサイフォンの原理に必要な負圧を生じず、再び液体を吸い上げることができないようにしたことを特徴とするサイフォン式液体移動装置。
【請求項17】
移動元液体容器から液体を吸い上げるための吸上管、吸い上げた液体を移動先液体容器に吐出するための吐出管、前記吸上管の出口に設ける吸上用逆止弁、前記吐出管の入口に設ける吐出用逆止弁、前記吸上管の出口と前記吐出管の入口を接続する圧力タンクからなる、サイフォンの原理を用いて移動元液体容器から移動先液体容器へ液体を移動させることのできるサイフォン式ポンプにおいて、連結することによって密閉した空間を形成する、前記圧力タンク内で膨張収縮する風船、復元力の強いばねを内部に設けた液体の移動を開始するための開始用蛇腹容器、前記風船と前記開始用蛇腹容器を連結する管を備え、前記開始用蛇腹容器を足で踏み縮めて前記風船を膨張させることによって、前記圧力タンク内の空気を、前記吐出用逆止弁を通過して前記吐出管から排出し、前記開始用蛇腹容器を踏む力を弱めた後に前記開始用蛇腹容器内部のばねの復元力で前記開始用蛇腹容器の体積が復元するのに伴い前記風船を収縮させて前記圧力タンク内に負圧を生じさせることによって、サイフォンの原理による液体の移動を開始できるようにしたことを特徴とするサイフォン式液体移動装置。
【請求項18】
連結することによって密閉した空間を形成する、前記圧力タンク内で膨張収縮する風船、復元力の強いばねを内部に設けた液体の移動を開始するための開始用蛇腹容器、前記風船と前記開始用蛇腹容器を連結する管、前記圧力タンクに連結する、より復元力の小さな停止用圧力タンクを備え、前記開始用蛇腹容器を足で踏み縮めて前記風船を膨張させることによって、前記圧力タンク内の空気を、前記吐出用逆止弁を通過して前記吐出管から排出し、前記開始用蛇腹容器を踏む力を弱めた後に前記開始用蛇腹容器内部のばねの復元力で前記開始用蛇腹容器の体積が復元するのに伴い前記風船を収縮させて前記圧力タンク内に負圧を生じさせることによって、サイフォンの原理による液体の移動を開始させ、前記停止用圧力タンクを手で押さえて前記圧力タンク内部を加圧し、負圧を解消することによって、サイフォンの原理による液体の移動を停止させ、押さえる力を弱めた後も、前記停止用圧力タンクの復元力が小さいために前記圧力タンク内部にサイフォンの原理に必要な負圧を生じず、再び液体を吸い上げることができないようにしたことを特徴とする請求項17記載のサイフォン式液体移動装置。
【請求項19】
連結することによって密閉した空間を形成する、前記圧力タンク内で膨張収縮する風船、復元力の強いばねを内部に設けた液体の移動を開始するための開始用蛇腹容器、復元力の弱いばねを内部に設けた液体の移動を停止するための停止用蛇腹容器、前記風船と前記開始用蛇腹容器を連結する管、前記開始用蛇腹容器と前記停止用蛇腹容器を連結する管を備え、前記停止用蛇腹容器を足で踏み縮めて前記風船を膨張させて前記圧力タンク内部を加圧し、負圧を解消することによって、サイフォンの原理による液体の移動を停止させ、踏む力を弱めた後も、前記停止用蛇腹容器の復元力が小さいために前記圧力タンク内部にサイフォンの原理に必要な負圧を生じず、再び液体を吸い上げることができないようにしたことを特徴とする請求項17記載のサイフォン式液体移動装置。
【請求項20】
サイフォンの原理を用いて移動元液体容器から移動先液体容器へ液体を移動させることのできるサイフォン式ポンプにおいて、圧力タンクに連結した停止用圧力タンクを手で押さえて前記圧力タンク内部を加圧し、負圧を解消することによって、サイフォンの原理による液体の移動を停止させ、押さえる力を弱めた後も、前記停止用圧力タンクの復元力が小さいために前記圧力タンク内部にサイフォンの原理に必要な負圧を生じず、再び液体を吸い上げることができないようにしたことを特徴とするサイフォン式液体移動方法。
【請求項21】
サイフォンの原理を用いて移動元液体容器から移動先液体容器へ液体を移動させることのできるサイフォン式ポンプにおいて、風船と管で連結することによって密閉した空間を形成する停止用蛇腹容器を足で踏み縮めて、圧力タンク内において前記風船を膨張させて前記圧力タンク内部を加圧し、負圧を解消することによって、サイフォンの原理による液体の移動を停止させ、踏む力を弱めた後も、前記停止用蛇腹容器の復元力が小さいために前記圧力タンク内部にサイフォンの原理に必要な負圧を生じず、再び液体を吸い上げることができないようにしたことを特徴とするサイフォン式液体移動方法。
【請求項22】
サイフォンの原理を用いて移動元液体容器から移動先液体容器へ液体を移動させることのできるサイフォン式ポンプにおいて、風船と管で連結することによって密閉した空間を形成する開始用蛇腹容器を足で踏み縮めて、圧力タンク内において前記風船を膨張させることによって、前記圧力タンク内の空気を排出し、前記蛇腹容器を踏む力を弱めた後に前記蛇腹容器内部のばねの復元力で前記蛇腹容器の体積が復元するのに伴い前記風船を収縮させて前記圧力タンク内に負圧を生じさせることによって、液体の移動を開始できるようにしたことを特徴とするサイフォン式液体移動方法。
【請求項23】
圧力タンクに連結した停止用圧力タンクを手で押さえて前記圧力タンク内部を加圧し、負圧を解消することによって、サイフォンの原理による液体の移動を停止させ、押さえる力を弱めた後も、前記停止用圧力タンクの復元力が小さいために前記圧力タンク内部にサイフォンの原理に必要な負圧を生じず、再び液体を吸い上げることができないようにしたことを特徴とする請求項22記載のサイフォン式液体移動方法。
【請求項24】
風船及び開始用蛇腹容器と管で連結することによって密閉した空間を形成する停止用蛇腹容器を足で踏み縮めて、圧力タンク内において前記風船を膨張させて前記圧力タンク内部を加圧し、負圧を解消することによって、サイフォンの原理による液体の移動を停止させ、踏む力を弱めた後も、前記停止用蛇腹容器の復元力が小さいために前記圧力タンク内部にサイフォンの原理に必要な負圧を生じず、再び液体を吸い上げることができないようにしたことを特徴とする請求項22記載のサイフォン式液体移動方法。
【請求項25】
移動元液体容器の液面よりも高い位置に吐出管の出口部分を保持するためのフックを備え、前記吐出管の出口を前記液面よりも高い位置に持ち上げることによってサイフォンの原理による液体の移動を停止させた後に、停止させている間は、前記吐出管の出口部分を前記フックに保持し、前記吐出管の出口を前記液面よりも低い位置に再び下げることによってサイフォンの原理による液体の移動を再開できるようにしたことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載のサイフォン式液体吐出装置、又は、請求項15から請求項19のいずれかに記載のサイフォン式液体移動装置。
【請求項26】
移動元液体容器の液面よりも高い位置に吐出管の出口部分を保持するためのフックを備え、前記吐出管の出口を前記液面よりも高い位置に持ち上げることによってサイフォンの原理による液体の移動を停止させた後に、停止させている間は、前記吐出管の出口部分を前記フックに保持し、前記吐出管の出口を前記液面よりも低い位置に再び下げることによってサイフォンの原理による液体の移動を再開できるようにしたことを特徴とする請求項8から請求項14のいずれかに記載のサイフォン式液体吐出方法、又は、請求項20から請求項24のいずれかに記載のサイフォン式液体移動方法。
【請求項27】
吐出管が曲げた形状を保持できるフレキシブルチューブからなり、前記吐出管の出口を移動元液体容器の液面よりも高い位置に持ち上げることによってサイフォンの原理による液体の移動を停止させた後に、停止させている間は、前記吐出管を曲げたままの形状で保持し、前記吐出管の出口を前記液面よりも低い位置に再び下げることによってサイフォンの原理による液体の移動を再開できるようにしたことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載のサイフォン式液体吐出装置、又は、請求項15から請求項19のいずれかに記載のサイフォン式液体移動装置。
【請求項28】
吐出管が曲げた形状を保持できるフレキシブルチューブからなり、前記吐出管の出口を移動元液体容器の前記液面よりも高い位置に持ち上げることによってサイフォンの原理による液体の移動を停止させた後に、停止させている間は、前記吐出管を曲げたままの形状で保持し、前記吐出管の出口を前記液面よりも低い位置に再び下げることによってサイフォンの原理による液体の移動を再開できるようにしたことを特徴とする請求項8から請求項14のいずれかに記載のサイフォン式液体吐出方法、又は、請求項20から請求項24のいずれかに記載のサイフォン式液体移動方法。
【請求項29】
請求項1から請求項7のいずれかに記載のサイフォン式液体吐出装置、洗面器、前記洗面器の底に設ける排水管、前記洗面器を支持する脚からなり、水を入れた容器から前記サイフォン式液体吐出装置によって水を吸い上げ、吸い上げた水を空間に吐出し、又は、サイフォンの原理によって吸い上げた水を空間に吐出し続け、前記排水管から排水できるようにしたことを特徴とする可搬型給水機能付き洗面台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−47137(P2012−47137A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−191690(P2010−191690)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【特許番号】特許第4705193号(P4705193)
【特許公報発行日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(598072755)
【Fターム(参考)】