サスペンション
【課題】 本発明は、車体と車輪との間に介装されてなり、緩衝器と、この緩衝器の外周に配置される懸架ばねとを備えるサスペンションに関し、懸架ばねの部分的な剛性の調整を容易に可能にすると共に、サスペンションを軽量化する。
【解決手段】 車体と車輪との間に介装されてなり、緩衝器Ｄとこの緩衝器Ｄの外周に配置される懸架ばねＳとを備え、上記懸架ばねＳがＣＦＲＰ（炭素繊維強化プラスチック）製若しくはＣＦＲＴＰ（炭素繊維強化熱可塑性プラスチック）製である。
【解決手段】 車体と車輪との間に介装されてなり、緩衝器Ｄとこの緩衝器Ｄの外周に配置される懸架ばねＳとを備え、上記懸架ばねＳがＣＦＲＰ（炭素繊維強化プラスチック）製若しくはＣＦＲＴＰ（炭素繊維強化熱可塑性プラスチック）製である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、車体と車輪との間に介装されてなり、緩衝器と、この緩衝器の外周に配置される懸架ばねとを備えるサスペンションに関する。
【背景技術】
【０００２】
車体と車輪との間に介装されてなり、緩衝器と、この緩衝器の外周に配置される懸架ばねとを備えるサスペンションは、これまでに種々の提案がなされている。
【０００３】
例えば、特許文献１に開示されるサスペンションは、ストラット式サスペンションであり、緩衝器が車輪側に固定されるシリンダと、このシリンダ内に出没して車体側に固定されるロッドとを備える。
【０００４】
そして、懸架ばねは、コイルスプリングからなり、ロッドの上端に固定される上側のばね受けとシリンダの外周に固定される下側のばね受けとの間に介装され、一般的に鉄製である。
【０００５】
また、懸架ばねは、緩衝器に対して斜めに取り付けられてなり、当該構成を備えることにより、サスペンションは、緩衝器に作用する曲げ荷重を軽減してロッドの変形を防止し、ロッドのシリンダ内への円滑な出没を可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
【特許文献１】特開２００２−００５２１４号 公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
しかしながら、従来のサスペンションにおいて、懸架ばねが鉄製のコイルスプリングからなるため重く、サスペンションの軽量化の妨げとなる。
【０００８】
また、緩衝器の前後方向、左右方向に入力される力はそれぞれ異なるが、従来の懸架ばねにおいて、各方向に入力される力に応じて懸架ばねの剛性を部分的に調整することは困難である。
【０００９】
そこで、本発明の目的は、懸架ばねを軽量化し、緩衝器の各方向に入力される力に応じて懸架ばねの剛性を部分的に調整することが可能なサスペンションを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
上記課題を解決するための手段は、車体と車輪との間に介装されてなり、緩衝器とこの緩衝器の外周に配置される懸架ばねとを備えるサスペンションにおいて、上記懸架ばねがＣＦＲＰ（炭素繊維強化プラスチック）製若しくはＣＦＲＴＰ（炭素繊維強化熱可塑性プラスチック）製であることである。
【発明の効果】
【００１１】
本発明によれば、懸架ばねがＣＦＲＰ製若しくはＣＦＲＴＰ製であることから、懸架ばねを軽量化し、サスペンションを軽量化することが可能となる。
【００１２】
また、本発明によれば、懸架ばねがＣＦＲＰ製若しくはＣＦＲＴＰ製であることから、懸架ばねの位置に応じて剛性を変化させることが可能となる。
【００１３】
したがって、緩衝器の各方向に入力される力に応じて懸架ばねの剛性を部分的に調整することが容易に可能となる。
【００１４】
また、上記構成を備えることにより、懸架ばねを傾けることなく緩衝器に作用する曲げ荷重をキャンセルしてサスペンションの搭載性を従来よりも向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【００１５】
【図１】本発明の一実施の形態に係るサスペンションを示す斜視図である。
【図２】本発明の他の実施の形態に係るサスペンションを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【００１６】
以下に本発明の一実施の形態を示すサスペンションについて、図面を参照しながら説明する。いくつかの図面を通して付された同じ符号は、同じ部品かまたはそれに対応する部品を示す。
【００１７】
本実施の形態に係るサスペンションは、車体と車輪との間に介装されてなり、図１に示すように、緩衝器Ｄとこの緩衝器Ｄの外周に配置される懸架ばねＳとを備え、上記懸架ばねＳがＣＦＲＰ製若しくはＣＦＲＴＰ製である。
【００１８】
以下に詳細に説明すると、本実施の形態に係るサスペンションは、ストラット式サスペンションであり、緩衝器Ｄが正立型に設定されて、図示しない車体側マウントを介して車体に、ナックルブラケット１を介して車輪に連結される。
【００１９】
上記緩衝器Ｄは、上端部に車体側マウントが固定されるロッド２と、下端部にナックルブラケット１が装着されるシリンダ３とを備えてなり、ロッド２は、シリンダ３内周に摺接する図示しないピストンを介してシリンダ３内に出没する。
【００２０】
また、上記シリンダ３の上端部内周には、図示しないが、環状のロッドガイドが装着されてなり、このロッドガイド内周に固定される環状のブッシュでロッド２を軸支する。
【００２１】
そして、緩衝器Ｄは、ピストンの軸方向の移動を抑制する図示しない減衰力発生手段を備え、サスペンションの伸縮運動を減衰する。尚、この減衰力発生手段の構成は、周知の技術を採用することが可能であり、ここでの詳細な説明を省略する。
【００２２】
上記緩衝器Ｄの外周に配置される懸架ばねＳは、上下のばね受け４の間に介装されてなり、上側のばね受けは、図示しないが、車体側マウントの下側に回転自在に設けられ、ロッド２の上端部外周に配置される。一方、下側のばね受け４は、環状に形成されてシリンダ３外周に取り付けられる。
【００２３】
そして、懸架ばねＳは、三枚のＣＦＲＰ製若しくはＣＦＲＴＰ製のリーフスプリング５ａ，５ｂ，５ｃからなり、これらリーフスプリング５ａ，５ｂ，５ｃは、下側ばね受け４上にその外周に沿って等間隔に起立し、上記各リーフスプリング５ａ，５ｂ，５ｃの剛性は、繊維積層方法を変更したり、肉厚を変更したり、リーフスプリング５ａ，５ｂ，５ｃの波形の形状を変更したりすることにより異なる剛性に設定される。
【００２４】
つまり、本実施の形態において、懸架ばねＳ（リーフスプリング５ａ，５ｂ，５ｃ）がＣＦＲＰ製若しくはＣＦＲＴＰ製であることから、従来と比較して懸架ばねＳを軽量化することが可能となり、サスペンションを軽量化することが可能となる。
【００２５】
また、上記構成を備えることにより、懸架ばねＳの位置、即ち、緩衝器Ｄの外周に起立するリーフスプリング５ａ，５ｂ，５ｃごとに剛性を変化させ、緩衝器Ｄの各方向に入力される力に応じて懸架ばねＳの剛性を部分的に調整することが容易に可能となる。
【００２６】
例えば、曲げ荷重が作用する車輪側のリーフスプリング５ａの剛性を他のリーフスプリング５ｂ，５ｃよりも高めて曲げ荷重を確実にキャンセルし、他のリーフスプリング５ｂ，５ｃで緩衝器Ｄの前後方向に作用する力を受けることができる。
【００２７】
また、懸架ばねＳの位置に応じて剛性を調整することが可能となるため懸架ばねＳを傾ける必要がなく、懸架ばねＳと緩衝器Ｄとを同軸に配置したまま緩衝器Ｄに作用する曲げ荷重をキャンセルすることが可能となる。
【００２８】
したがって、サスペンションをコンパクトに形成することが可能となり、サスペンションの搭載性を向上することが可能となる。
【００２９】
また、本実施の形態において、ロッド２の外周に懸架ばねＳを配置し、この懸架ばねＳでロッド２に入力される曲げ荷重を確実にキャンセルすることが可能になることから、従来よりもロッド２を小径に形成することが可能となる。
【００３０】
次に、本発明の他の実施の形態に係るサスペンションについて、図２を参照しながら説明する。本実施の形態において、懸架ばねの構成のみが一実施の形態と異なる。そして、懸架ばね以外の構成は、一実施の形態と同様であるため、同一符合を付してここでの詳細な説明を省略する。
【００３１】
本実施の形態に係る懸架ばねＳ１は、一実施の形態と同様に上下のばね受けの間に介装されてなり、ＣＦＲＰ製若しくはＣＦＲＴＰ製のベローズからなる。
【００３２】
そして、懸架ばねＳ１は、部分的に繊維積層方法を変更したり、肉厚を変更したりすることにより、懸架ばねＳ１の位置によって異なる剛性に設定さる。
【００３３】
また、本実施の形態において、一実施の形態と同様に、懸架ばねＳ１がＣＦＲＰ製若しくはＣＦＲＴＰ製であることから、従来と比較して懸架ばねＳ１を軽量化することが可能となり、サスペンションを軽量化することが可能となる。
【００３４】
また、上記構成を備えることにより、懸架ばねＳ１の位置に応じて剛性を変化させ、緩衝器Ｄの各方向に入力される力に応じて懸架ばねＳ１の剛性を部分的に調整することが可能となる。
【００３５】
例えば、曲げ荷重が作用する懸架ばねＳ１の車輪側に対応する部分６ａ（図２中一点鎖線の内側）の剛性を他の部分６ｂよりも高めて曲げ荷重を確実にキャンセルし、懸架ばねＳ１の他の部分６ｂ（図２中一点鎖線の外側）で緩衝器Ｄの前後方向に作用する力を受けることができる。
【００３６】
また、本実施の形態においても、懸架ばねＳ１の位置に応じて部分的に剛性を調整することが可能となるため懸架ばねＳ１を傾ける必要がなく、懸架ばねＳ１を緩衝器Ｄとを同軸に配置したまま緩衝器Ｄに作用する曲げ荷重をキャンセルすることが可能となる。
【００３７】
したがって、サスペンションをコンパクトに形成することが可能となり、サスペンションの搭載性を向上することが可能となる。
【００３８】
また、本実施の形態においても、ロッド２の外周に懸架ばねＳ１を配置し、この懸架ばねＳ１でロッド２に入力される曲げ荷重を確実にキャンセルすることが可能になることから、従来よりもロッド２を小径に形成することが可能となる。
【００３９】
また、本実施の形態においては、懸架ばねＳ１がベローズからなり、ダストブーツを兼ねることから、ダストブーツを別に設けることなくロッド２に異物が付着することを防止することが可能となり、部品点数を削減してサスペンションを小型化し、更に軽量化することが可能となる。
【００４０】
以上、本発明の好ましい実施の形態を説明したが、特許請求の範囲から逸脱することなく改造、変形及び変更を行うことができることは理解すべきである。
【００４１】
例えば、上記実施の形態においては、サスペンションがストラット式サスペンションであるとしたが、他の懸架構造に本発明に係るサスペンションを利用しても良いことは勿論である。
【００４２】
また、上記実施の形態においては、緩衝器Ｄが正立型に設定されるとしたが、倒立型に設定されるとしても良い。
【００４３】
また、上記一実施の形態においては、懸架ばねＳが三枚のリーフスプリング５ａ，５ｂ，５ｃからなり、緩衝器Ｄの周方向に等間隔に配置されるとしたがこの限りではなく、リーフスプリングの枚数及び間隔は適宜選択することが可能である。
【符号の説明】
【００４４】
Ｄ 緩衝器
Ｓ，Ｓ１ 懸架ばね
１ ナックルブラケット
２ ロッド
３ シリンダ
４ 下側のばね受け
５ａ，５ｂ，５ｃ リーフスプリング
【技術分野】
【０００１】
本発明は、車体と車輪との間に介装されてなり、緩衝器と、この緩衝器の外周に配置される懸架ばねとを備えるサスペンションに関する。
【背景技術】
【０００２】
車体と車輪との間に介装されてなり、緩衝器と、この緩衝器の外周に配置される懸架ばねとを備えるサスペンションは、これまでに種々の提案がなされている。
【０００３】
例えば、特許文献１に開示されるサスペンションは、ストラット式サスペンションであり、緩衝器が車輪側に固定されるシリンダと、このシリンダ内に出没して車体側に固定されるロッドとを備える。
【０００４】
そして、懸架ばねは、コイルスプリングからなり、ロッドの上端に固定される上側のばね受けとシリンダの外周に固定される下側のばね受けとの間に介装され、一般的に鉄製である。
【０００５】
また、懸架ばねは、緩衝器に対して斜めに取り付けられてなり、当該構成を備えることにより、サスペンションは、緩衝器に作用する曲げ荷重を軽減してロッドの変形を防止し、ロッドのシリンダ内への円滑な出没を可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
【特許文献１】特開２００２−００５２１４号 公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
しかしながら、従来のサスペンションにおいて、懸架ばねが鉄製のコイルスプリングからなるため重く、サスペンションの軽量化の妨げとなる。
【０００８】
また、緩衝器の前後方向、左右方向に入力される力はそれぞれ異なるが、従来の懸架ばねにおいて、各方向に入力される力に応じて懸架ばねの剛性を部分的に調整することは困難である。
【０００９】
そこで、本発明の目的は、懸架ばねを軽量化し、緩衝器の各方向に入力される力に応じて懸架ばねの剛性を部分的に調整することが可能なサスペンションを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
上記課題を解決するための手段は、車体と車輪との間に介装されてなり、緩衝器とこの緩衝器の外周に配置される懸架ばねとを備えるサスペンションにおいて、上記懸架ばねがＣＦＲＰ（炭素繊維強化プラスチック）製若しくはＣＦＲＴＰ（炭素繊維強化熱可塑性プラスチック）製であることである。
【発明の効果】
【００１１】
本発明によれば、懸架ばねがＣＦＲＰ製若しくはＣＦＲＴＰ製であることから、懸架ばねを軽量化し、サスペンションを軽量化することが可能となる。
【００１２】
また、本発明によれば、懸架ばねがＣＦＲＰ製若しくはＣＦＲＴＰ製であることから、懸架ばねの位置に応じて剛性を変化させることが可能となる。
【００１３】
したがって、緩衝器の各方向に入力される力に応じて懸架ばねの剛性を部分的に調整することが容易に可能となる。
【００１４】
また、上記構成を備えることにより、懸架ばねを傾けることなく緩衝器に作用する曲げ荷重をキャンセルしてサスペンションの搭載性を従来よりも向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【００１５】
【図１】本発明の一実施の形態に係るサスペンションを示す斜視図である。
【図２】本発明の他の実施の形態に係るサスペンションを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【００１６】
以下に本発明の一実施の形態を示すサスペンションについて、図面を参照しながら説明する。いくつかの図面を通して付された同じ符号は、同じ部品かまたはそれに対応する部品を示す。
【００１７】
本実施の形態に係るサスペンションは、車体と車輪との間に介装されてなり、図１に示すように、緩衝器Ｄとこの緩衝器Ｄの外周に配置される懸架ばねＳとを備え、上記懸架ばねＳがＣＦＲＰ製若しくはＣＦＲＴＰ製である。
【００１８】
以下に詳細に説明すると、本実施の形態に係るサスペンションは、ストラット式サスペンションであり、緩衝器Ｄが正立型に設定されて、図示しない車体側マウントを介して車体に、ナックルブラケット１を介して車輪に連結される。
【００１９】
上記緩衝器Ｄは、上端部に車体側マウントが固定されるロッド２と、下端部にナックルブラケット１が装着されるシリンダ３とを備えてなり、ロッド２は、シリンダ３内周に摺接する図示しないピストンを介してシリンダ３内に出没する。
【００２０】
また、上記シリンダ３の上端部内周には、図示しないが、環状のロッドガイドが装着されてなり、このロッドガイド内周に固定される環状のブッシュでロッド２を軸支する。
【００２１】
そして、緩衝器Ｄは、ピストンの軸方向の移動を抑制する図示しない減衰力発生手段を備え、サスペンションの伸縮運動を減衰する。尚、この減衰力発生手段の構成は、周知の技術を採用することが可能であり、ここでの詳細な説明を省略する。
【００２２】
上記緩衝器Ｄの外周に配置される懸架ばねＳは、上下のばね受け４の間に介装されてなり、上側のばね受けは、図示しないが、車体側マウントの下側に回転自在に設けられ、ロッド２の上端部外周に配置される。一方、下側のばね受け４は、環状に形成されてシリンダ３外周に取り付けられる。
【００２３】
そして、懸架ばねＳは、三枚のＣＦＲＰ製若しくはＣＦＲＴＰ製のリーフスプリング５ａ，５ｂ，５ｃからなり、これらリーフスプリング５ａ，５ｂ，５ｃは、下側ばね受け４上にその外周に沿って等間隔に起立し、上記各リーフスプリング５ａ，５ｂ，５ｃの剛性は、繊維積層方法を変更したり、肉厚を変更したり、リーフスプリング５ａ，５ｂ，５ｃの波形の形状を変更したりすることにより異なる剛性に設定される。
【００２４】
つまり、本実施の形態において、懸架ばねＳ（リーフスプリング５ａ，５ｂ，５ｃ）がＣＦＲＰ製若しくはＣＦＲＴＰ製であることから、従来と比較して懸架ばねＳを軽量化することが可能となり、サスペンションを軽量化することが可能となる。
【００２５】
また、上記構成を備えることにより、懸架ばねＳの位置、即ち、緩衝器Ｄの外周に起立するリーフスプリング５ａ，５ｂ，５ｃごとに剛性を変化させ、緩衝器Ｄの各方向に入力される力に応じて懸架ばねＳの剛性を部分的に調整することが容易に可能となる。
【００２６】
例えば、曲げ荷重が作用する車輪側のリーフスプリング５ａの剛性を他のリーフスプリング５ｂ，５ｃよりも高めて曲げ荷重を確実にキャンセルし、他のリーフスプリング５ｂ，５ｃで緩衝器Ｄの前後方向に作用する力を受けることができる。
【００２７】
また、懸架ばねＳの位置に応じて剛性を調整することが可能となるため懸架ばねＳを傾ける必要がなく、懸架ばねＳと緩衝器Ｄとを同軸に配置したまま緩衝器Ｄに作用する曲げ荷重をキャンセルすることが可能となる。
【００２８】
したがって、サスペンションをコンパクトに形成することが可能となり、サスペンションの搭載性を向上することが可能となる。
【００２９】
また、本実施の形態において、ロッド２の外周に懸架ばねＳを配置し、この懸架ばねＳでロッド２に入力される曲げ荷重を確実にキャンセルすることが可能になることから、従来よりもロッド２を小径に形成することが可能となる。
【００３０】
次に、本発明の他の実施の形態に係るサスペンションについて、図２を参照しながら説明する。本実施の形態において、懸架ばねの構成のみが一実施の形態と異なる。そして、懸架ばね以外の構成は、一実施の形態と同様であるため、同一符合を付してここでの詳細な説明を省略する。
【００３１】
本実施の形態に係る懸架ばねＳ１は、一実施の形態と同様に上下のばね受けの間に介装されてなり、ＣＦＲＰ製若しくはＣＦＲＴＰ製のベローズからなる。
【００３２】
そして、懸架ばねＳ１は、部分的に繊維積層方法を変更したり、肉厚を変更したりすることにより、懸架ばねＳ１の位置によって異なる剛性に設定さる。
【００３３】
また、本実施の形態において、一実施の形態と同様に、懸架ばねＳ１がＣＦＲＰ製若しくはＣＦＲＴＰ製であることから、従来と比較して懸架ばねＳ１を軽量化することが可能となり、サスペンションを軽量化することが可能となる。
【００３４】
また、上記構成を備えることにより、懸架ばねＳ１の位置に応じて剛性を変化させ、緩衝器Ｄの各方向に入力される力に応じて懸架ばねＳ１の剛性を部分的に調整することが可能となる。
【００３５】
例えば、曲げ荷重が作用する懸架ばねＳ１の車輪側に対応する部分６ａ（図２中一点鎖線の内側）の剛性を他の部分６ｂよりも高めて曲げ荷重を確実にキャンセルし、懸架ばねＳ１の他の部分６ｂ（図２中一点鎖線の外側）で緩衝器Ｄの前後方向に作用する力を受けることができる。
【００３６】
また、本実施の形態においても、懸架ばねＳ１の位置に応じて部分的に剛性を調整することが可能となるため懸架ばねＳ１を傾ける必要がなく、懸架ばねＳ１を緩衝器Ｄとを同軸に配置したまま緩衝器Ｄに作用する曲げ荷重をキャンセルすることが可能となる。
【００３７】
したがって、サスペンションをコンパクトに形成することが可能となり、サスペンションの搭載性を向上することが可能となる。
【００３８】
また、本実施の形態においても、ロッド２の外周に懸架ばねＳ１を配置し、この懸架ばねＳ１でロッド２に入力される曲げ荷重を確実にキャンセルすることが可能になることから、従来よりもロッド２を小径に形成することが可能となる。
【００３９】
また、本実施の形態においては、懸架ばねＳ１がベローズからなり、ダストブーツを兼ねることから、ダストブーツを別に設けることなくロッド２に異物が付着することを防止することが可能となり、部品点数を削減してサスペンションを小型化し、更に軽量化することが可能となる。
【００４０】
以上、本発明の好ましい実施の形態を説明したが、特許請求の範囲から逸脱することなく改造、変形及び変更を行うことができることは理解すべきである。
【００４１】
例えば、上記実施の形態においては、サスペンションがストラット式サスペンションであるとしたが、他の懸架構造に本発明に係るサスペンションを利用しても良いことは勿論である。
【００４２】
また、上記実施の形態においては、緩衝器Ｄが正立型に設定されるとしたが、倒立型に設定されるとしても良い。
【００４３】
また、上記一実施の形態においては、懸架ばねＳが三枚のリーフスプリング５ａ，５ｂ，５ｃからなり、緩衝器Ｄの周方向に等間隔に配置されるとしたがこの限りではなく、リーフスプリングの枚数及び間隔は適宜選択することが可能である。
【符号の説明】
【００４４】
Ｄ 緩衝器
Ｓ，Ｓ１ 懸架ばね
１ ナックルブラケット
２ ロッド
３ シリンダ
４ 下側のばね受け
５ａ，５ｂ，５ｃ リーフスプリング
【特許請求の範囲】
【請求項１】
車体と車輪との間に介装されてなり、緩衝器とこの緩衝器の外周に配置される懸架ばねとを備えるサスペンションにおいて、上記懸架ばねがＣＦＲＰ製若しくはＣＦＲＴＰ製であることを特徴とするサスペンション。
【請求項２】
上記緩衝器がシリンダと、このシリンダ内に出没するロッドとを備え、上記懸架ばねが上記シリンダの外周に取り付けられる環状のばね受けに一端を支持されて上記ロッドの外周に配置されることを特徴とする請求項１に記載のサスペンション。
【請求項３】
上記懸架ばねが緩衝器の外周に起立する複数のリーフスプリングからなることを特徴とする請求項１または請求項２に記載のサスペンション。
【請求項４】
上記懸架ばねがベローズからなり、ダストブーツを兼ねることを特徴とする請求項１または請求項２に記載のサスペンション。
【請求項１】
車体と車輪との間に介装されてなり、緩衝器とこの緩衝器の外周に配置される懸架ばねとを備えるサスペンションにおいて、上記懸架ばねがＣＦＲＰ製若しくはＣＦＲＴＰ製であることを特徴とするサスペンション。
【請求項２】
上記緩衝器がシリンダと、このシリンダ内に出没するロッドとを備え、上記懸架ばねが上記シリンダの外周に取り付けられる環状のばね受けに一端を支持されて上記ロッドの外周に配置されることを特徴とする請求項１に記載のサスペンション。
【請求項３】
上記懸架ばねが緩衝器の外周に起立する複数のリーフスプリングからなることを特徴とする請求項１または請求項２に記載のサスペンション。
【請求項４】
上記懸架ばねがベローズからなり、ダストブーツを兼ねることを特徴とする請求項１または請求項２に記載のサスペンション。
【図１】
【図２】
【図２】
【公開番号】特開２０１２−１８０９２３（Ｐ２０１２−１８０９２３Ａ）
【公開日】平成２４年９月２０日（２０１２．９．２０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−４６０４８（Ｐ２０１１−４６０４８）
【出願日】平成２３年３月３日（２０１１．３．３）
【出願人】（００００００９２９）カヤバ工業株式会社 (2,151)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年９月２０日（２０１２．９．２０）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年３月３日（２０１１．３．３）
【出願人】（００００００９２９）カヤバ工業株式会社 (2,151)
【Ｆターム（参考）】
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