説明

サブパターン転写ナノスケールインターフェースの確率的組立体

ナノスケール配線の電気伝導を制御する方法を示した。ナノスケール配線には、軸方向および/または半径方向に分布する制御可能領域が設けられる。ミクロスケール配線または追加のナノスケール配線によって、これらの領域を制御することにより、ナノスケール配線の電気伝導を可能にしたり、遮断したりすることができる。制御可能領域には2の異なる種類がある。例えば第1の制御可能領域は、第2の制御可能領域とは異なるドーピング特性を示す。この方法では、サブパターン転写ピッチで束ねられた1または2以上のナノスケール配線組を別々に選択することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子回路のサブパターン転写加工の分野に関する。特に、サブパターン転写ナノスケールインターフェースの確率的組立体およびサブパターン転写ナノスケールメモリ構造のような、パターン転写配線およびナノスケール配線により、ナノスケール配線上の電気伝導を制御する方法および装置について開示する。
【背景技術】
【0002】
ナノスケールの交差部を形成する技術は既に知られている。図1には、従来技術による浮遊ナノチューブ導体1の概略的断面図を示す。複数の低炭素ナノチューブに結合されたまたは複数の支柱5によって分離されたシリコンナノスケール導線2、3、4が示されている。支柱は誘電体材料で構成され、例えば二酸化珪素である。この方法ではナノチューブ−ナノチューブ(またはナノチューブ−ナノスケール線)ジャンクション接合部が形成される。ジャンクション接合部は2状態のエネルギー障壁のいずれに対しても安定である。第1の状態では、チューブ1−2および1−4からわかるように、チューブは離れており、機械的な力が上部線1を支持し、下側の線2、4にまで落下することを抑制する。この距離では交差した導体間のトンネル電流は小さいため、導体間は極めて高抵抗(ギガオーム)となる。第2の状態ではチューブ1−3からわかるように、チューブは接触して、あるいはほぼ接触して、分子間力を介して保持される。この状態では、チューブ間の抵抗は小さい(100kΩ)。チューブ間に電圧を印加すると、電圧がそれらを同じまたは反対の極性に帯電され、電荷の引力/斥力により、2安定状態間のジャンクション接合部のエネルギーギャップが交差し、接続プログラムが有効に設定またはリセットされるようになる。これらのジャンクション接合部は、接続状態がPNダイオード整流挙動を示すように調整することができる。分子電子PN接合は、例えばY、CuiおよびC. M. Lieberの「ブロックを構成するシリコンナノスケール線を用いて組み立てられた機能的ナノスケール電子デバイス」サイエンス、291巻、p851−853、2001年によって示されている。
【0003】
ナノスケール配線列の交点で非揮発性メモリビットに情報を記憶させる技術は、例えばC. P.Collier、E. W. Wong、M. Belohradsky、F. M. Raymo、J. F. Stoddard、P. J. Kuekes、R. S. Williams、J. R. Healthの「電子構造分子基論理ゲート」サイエンス、285巻、p391−394、1999年で知られる。個々の交差接合部に大電圧を印加することでビットは容易にプログラム化することができる。各交点の状態は、ジャンクション接合部を通る電流の流れを観測することにより読み取ることができる。「オン」にプログラム化されたジャンクション接合部は、低抵抗経路として作用し、「オフ」にプログラム化されたジャンクション接合部は、高抵抗経路として作用する。
【0004】
ドープされたシリコンナノスケール配線を電界効果トランジスタ(FET)として作動させる方法は、従来技術として知られる。図2には従来技術による概略的な透視図を示す。シリコンナノスケール配線11を覆う酸化物10は、例えばカーボンナノチューブまたはシリコンナノスケール配線のような交差した導体12が直接電気的に接触することを防止する。一方の線の電界は他方の線の「ゲート」として用いられ、担体のドープされたシリコンナノスケール配線の局部的回避領域の電気伝導を防ぐ。FET抵抗はΩからGΩまで変化する。同時にカーボンナノチューブはFET挙動を示す。例えばYu Huang、Xiangfeng Duan、Yi Cui、Lincoln Lauhon、Kevin Kim、Charles M. Lieberの「ロジックゲートおよびブロックを構成する組み立てられたナノスケール配線からの計算」サイエンス、294巻、91313−1317、2001年、V. Derycke、R. Martel、J. Appenzeller、Ph. Avourisの「カーボンナノチューブ相互、および分子内ロジックゲート」ナノレター、9巻、p435−456、2001年、およびJ. Trans、Alwin R. M. Verschueren、Cees Dekkerの「単一カーボンナノチューブに基づく室温トランジスタ」ネーチャー、393巻、p49−51、5月7日を参照のこと。
【0005】
ナノスケール配線の軸方向の次元に沿ったドーピングプロファイルまたは材料組成は制御することができ、これはMarks S. Gudiksen、Lincln J. Lauhon、Jianfang Wang, David C. Smith、Charles M. Lieberの「ナノスケールフォトニクスおよびエレクトロニクスのナノワイヤ超格子構造」ネーチャー、415巻、p617−620、2002年2月、Yiying Wu、Rong Fan、Peidong Yangの「単結晶Si/SiGe超格子ナノワイヤのブロックバイブロック成長」、ナノレター、2巻、2号、p83−86、2002年2月、およびM. T. Bjork、B. J. Ohlsson、T. Sass、A. I. Persson、C. Thelander、M. H. Magnusson、K. Depper、L. R. Wallenberg、L. Samuelsonの「起動電子の1次元障壁」ナノレター、2巻、2号p87−89、2002年2月に示されている。
【0006】
さらにナノスケール配線の規則配置(配線の平行配列、交差、直交構造)が知られている。横の配線は通常、スイッチの配列として定められ、スイッチの配列は平行配線の第1の組の各線を、第1の組と交差する第2組の平行線の各配線に接続する。通常、2組の配線は相互に垂直である。「オン」の位置ではスイッチは、水平配線を垂直配線に接続し、「オフ」の位置では、2配線は未接続のままである。その結果、スイッチ状態を記憶させることが可能となり、交点領域でスイッチが切り替えられる。すなわち切替え装置自体はその状態を維持する。従って本技術においては余分なコストを生じさせずに、横配線を十分に高密度に配置させることができる。これは欠陥に対する許容性が要求される場合、特に有益である。例えばKuekes、WilliamsおよびStanleyの米国特許第6,256,767号を参照のこと。
【0007】
さらにナノスケールと同等の緻密な(サブ転写技術の)配線間隔で非揮発性メモリを構成することができる。Kuekes、Williams、StanleyおよびHeathの米国特許第6,128,214号参照のこと。
【0008】
しかしながらこれらの交点のプログラム化または読み出しのため、個々のナノスケール配線に制御電圧を印加して、単一のナノスケール配線から選択的な読み出しを行う方法が求められている。これは、全ナノスケールメモリおよびロジック配列において臨界的な弱い連結でインターフェースを構成して、ミクロスケール配線からナノスケール配線に個別にアドレス指定を行うことで可能となる。
【0009】
不規則に塗布された金のナノ粒子を基本とするデコーダで、ミクロスケール−ナノスケールの隙間をブリッジする方法は、米国特許第6,256,767号に記載されている。金の粒子は、制御配線とアドレス線の交差部の全領域に塗布しなければならない。この従来技術の方法は、交差点の半分を覆うように塗布された粒子密度の分布精度に依存する。さらに本手法は各交差部の量子化接合の状態に強く依存する。一方、不規則に分布された金のナノ粒子は、中間的な状態となり接続配線の発見を難しくする。結果的に、従来技術の手法では、製作段階でのリスクがある。
【0010】
従ってナノスケール配線を個々にアドレス指定する方法より優れた方法が必要となる。本発明は単一のナノスケール配線を個々に制御することのできる装置および方法を提供する。制御はミクロスケールおよびナノスケールの両レベルで行われる。従って個々の交点をプログラム化し、アドレス指定することができる。
【0011】
本発明においては、ミクロンスケール(またはミクロスケール)という用語は、約0.1μmから約2μmの寸法を表す。ナノメートルスケール(またはナノスケール)という用語は、約0.1nmから約50nm(0.05μm)の寸法を表すが、好ましい範囲は0.5nmから5nmである。
【特許文献1】米国特許第6,128,214号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、ナノスケール配線上の電気伝導を制御する方法および装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
ミクロスケールまたはナノスケールの制御配線は、多数のナノスケール配線のうちのいずれかを選択的に活性化するように用いられる。別個のナノスケール配線のアドレス指定は、別々にコード化されたナノスケール配線によって行われる。
【0014】
特にパターン転写スケールとサブパターン転写の配線をブリッジする技術が提供され、転写パターンスケール配線束は、サブパターン転写間隔で緻密に配置されたサブパターン転写スケール配線束から単一のサブパターン転写スケール配線を独立して選定することができる。
【0015】
また本発明は、修飾された(変調ドープされた、または超格子へテロ構造の)ナノスケール配線に基づくサブパターン転写スケールのロジックを構成し集積する加工プロセスに関する。
【0016】
さらに本発明は、サブパターン転写スケールのアドレスデコーダを構成するプロセス、およびサブパターン転写スケールのメモリに関し、このメモリはパターン転写スケール配線からのアドレス指定、読み出し、記録ができる。
【0017】
第1の態様によれば、ナノスケール配線の電気伝導を制御する方法において、
ナノスケール配線の軸方向に沿って分布する第1の複数の制御可能領域を持つナノスケール配線を提供するステップであって、各領域が第1の閾値よりも小さな値の信号で制御された場合、あるいは信号で制御されない場合には、前記領域によって、ナノスケール配線に沿った電気伝導が可能となる、ステップと、
前記領域を制御してまたは制御しないで、ナノスケール配線の電気伝導を可能にし、あるいは遮断するステップと、
を有する方法が提供される。
【0018】
第2の態様によれば、ナノスケール配線の電気伝導を制御する方法において、
ナノスケール配線の軸方向に沿って分布する第1の複数の制御可能領域を持つナノスケール配線を提供するステップであって、各領域が第1の閾値よりも大きな値の信号で制御された場合、前記領域によって、ナノスケール配線に沿った電気伝導が可能となる、ステップと、
前記領域を制御してまたは制御しないで、ナノスケール配線の電気伝導を可能にし、あるいは遮断するステップと、
を有する方法が提供される。
【0019】
第3の態様によれば、複数のナノスケール配線の電気伝導を制御する方法において、
ナノスケール配線の軸方向に沿って分布する第1の複数の制御可能領域を持つ各ナノスケール配線を提供するステップであって、各領域が第1の閾値よりも小さな値の信号で制御された場合、あるいは信号で制御されない場合には、前記領域によって、ナノスケール配線に沿った電気伝導が可能となる、ステップと、
複数の制御配線を提供するステップであって、各制御配線は第1の複数の一連の領域に接続され、前記一連の領域を制御する制御信号を伝送することが可能である、ステップと、
制御配線に沿って制御信号を提供するステップであって、複数のナノスケール配線のうち単一のナノスケール配線は電気伝導を示し、複数のナノスケール配線のうちの残りのナノスケール配線は電気伝導を示さないようにする、ステップと、
を有する方法が提供される。
【0020】
第4の態様によれば、複数のナノスケール配線の電気伝導を制御する方法において、
ナノスケール配線の軸方向に沿って分布する第1の複数の制御可能領域を持つ各ナノスケール配線を提供するステップであって、各領域が第1の閾値よりも大きな値の信号で制御された場合、前記領域によって、ナノスケール配線に沿った電気伝導が可能となる、ステップと、
複数の制御配線を提供するステップであって、各制御配線は第1の複数の一連の領域に接続され、前記一連の領域を制御する制御信号を伝送することが可能である、ステップと、
制御配線に沿って制御信号を提供するステップであって、複数のナノスケール配線のうち単一のナノスケール配線は電気伝導を示し、複数のナノスケール配線のうちの残りのナノスケール配線は電気伝導を示さないようにする、ステップと、
を有する方法が提供される。
【0021】
第5の態様によれば、複数のナノスケール配線内のナノスケール配線をアドレス指定する方法であって、
ナノスケール配線の軸方向に沿って分布する制御可能領域を持つ各ナノスケール配線を提供するステップと、
大きなナノスケール配線組から複数のナノスケール配線を確率的に選択して、複数のナノスケール配線を構成するステップと、
を有する方法が提供される。
【0022】
第6の態様によれば、
軸方向に沿って分布する第1の複数の制御可能領域を持つナノスケール配線であって、各領域が第1の閾値よりも小さな値の信号で制御された場合、あるいは信号で制御されない場合には、前記領域によって、ナノスケール配線に沿った電気伝導が可能となる、ナノスケール配線と、
前記ナノスケール配線に沿った電気伝導を制御する手段と、
を有する配置が提供される。
【0023】
第7の態様によれば、軸方向に沿って分布する第1の複数の制御可能領域を持つナノスケール配線であって、第1の組の各領域が第1の閾値よりも大きな値の信号で制御された場合、前記領域によって、ナノスケール配線に沿った電気伝導が可能となる、ナノスケール配線と、
前記ナノスケール配線に沿った電気伝導を制御する手段と、
を有する配置が提供される。
【0024】
第8の態様によれば、
複数のナノスケール配線であって、各ナノスケール配線は、ナノスケール配線の軸方向に沿って分布する第1の制御可能領域組を有し、各領域が第1の閾値よりも小さな値の信号で制御された場合、あるいは信号で制御されない場合には、前記制御可能領域によって、ナノスケール配線に沿った電気伝導が可能となる、複数のナノスケール配線と、
複数の制御配線であって、各制御配線は、一連の制御可能領域に接続され、該一連の制御可能領域を制御する信号を伝送することの可能な、複数の制御配線と、
を有する装置が提供される。
【0025】
第8の態様によれば、
複数のナノスケール配線であって、各ナノスケール配線は、ナノスケール配線の軸方向に沿って分布する第1の制御可能領域組を有し、各領域が第1の閾値よりも小さな値の信号で制御された場合、あるいは信号で制御されない場合には、前記制御可能領域によって、ナノスケール配線に沿った電気伝導が可能となる、複数のナノスケール配線と、
複数の制御配線であって、各制御配線は、一連の制御可能領域に接続され、該一連の制御可能領域を制御する信号を伝送することの可能な、複数の制御配線と、
を有する装置が提供される。
【0026】
第9の態様によれば、
複数のナノスケール配線であって、各ナノスケール配線は、ナノスケール配線の軸方向に沿って分布する第1の制御可能領域組を有し、各領域が第1の閾値よりも大きな値の信号で制御された場合、前記制御可能領域によって、ナノスケール配線に沿った電気伝導が可能となる、複数のナノスケール配線と、
複数の制御配線であって、各制御配線は、一連の制御可能領域に接続され、該一連の制御可能領域を制御する信号を伝送することの可能な、複数の制御配線と、
を有する装置が提供される。
【0027】
第10の態様によれば、複数のナノスケール配線内の単一のナノスケール配線を単独でアドレス指定する装置であって、
ナノスケール配線の軸方向に沿って分布する制御可能領域を持つ各ナノスケール配線を提供する手段と、
複数のナノスケール配線から、制御されるナノスケール配線のサブ集合を確率的に選択して、サブ集合を形成する手段と、
ナノスケール配線のサブ集合のナノスケール配線上の制御可能領域を制御して、または制御しないで、ナノスケール配線のサブ集合の中から単一のナノスケール配線を選択する手段と、
を有する装置が提供される。
【0028】
第11の態様によれば、
第1のナノスケール配線組と、
該第1のナノスケール配線組と交差する第2のナノスケール配線組であって、前記第1の組と第2の組の間の交差部がメモリ配置を定める、第2のナノスケール配線組と、
を有するメモリ配列において、
当該メモリ配置は、前記第1のナノスケール配線組のうちいずれか一方のナノスケール配線と、前記第2のナノスケール配線組のうちいずれか一方のナノスケール配線とを選択することによりアドレス指定され、前記第1のナノスケール配線組および前記第2のナノスケール配線組は、ナノスケール配線の軸方向に沿って分布する制御可能領域を持ち、第1の制御可能領域組は第1の物理的特性を示し、第2の制御可能領域組は前記第1の制御可能領域組とは異なる第2の物理的特性を示し、さらに
第1の複数のアドレス配線であって、該第1の複数のアドレス配線の各々は、前記第1のナノスケール配線組の一連の領域に接続された、第1の複数のアドレス配線と、
第2の複数のアドレス配線であって、前記第2の複数のアドレス配線の各々は、前記第2のナノスケール配線組の一連の領域に接続された、第2の複数のアドレス配線と、
を有するメモリ配列が提供される。
【0029】
第12の態様によれば、複数のナノスケール配線の中から一つのナノスケール配線を選択する回路において、
ミクロスケールオーム接続であって、各オーム接続は複数のナノスケール配線の異なるサブ集合に接続され複数のナノスケール配線の中の特定のサブ集合を選択する、ミクロスケールオーム接続と、
複数のナノスケール配線の異なるサブ集合に接続され、一旦特定のサブ集合が選択された場合、ナノスケール配線の特定のサブ集合の中からナノスケール配線を選択するアドレス配線と、
を有する回路が提供される。
【0030】
第13の態様によれば、
複数のナノスケール配線と、
該ナノスケール配線と交差する第1のミクロスケール配線組であって、該第1のミクロスケール配線組とナノスケール配線との交差部は、複数のナノスケール配線の中から1または2以上のナノスケール配線をアドレス指定するアドレス指定位置を定める、第1のミクロスケール配線組と、
ナノスケール配線と交差する第2のミクロスケール配線組であって、該第2のミクロスケール配線組とナノスケール配線との交差部はメモリ位置を定める、第2のミクロスケール配線組と、
を有するメモリ配列が提供される。
【0031】
第14の態様によれば、
複数のナノスケール配線層であって、ナノスケール配線の第1の層と、該第1の層と隣接するナノスケール配線の第2の層の交差部はメモリ位置を定める、複数のナノスケール配線層と、
ナノスケール配線の異なるナノスケール配線の層と接続された複数のミクロスケール接続部と、
を有する3次元メモリ配列において、
ナノスケール配線は、ナノスケール配線の軸方向に沿って分布する制御可能領域を有し、第1の制御可能領域組は第1の物理的特性を示し、第2の制御可能領域組は第1の物理的特性とは異なる第2の物理的特性を示すことを特徴とする3次元メモリ配列が提供される。
【0032】
第15の態様によれば、ミクロスケール配線とナノスケール配線を有するロジック配置の製造プロセスであって、
ミクロスケール配線を提供するステップと、
該ミクロスケール配線のアドレス位置を定めるステップと、
ミクロスケール配線の上部に整列された第1のナノスケール配線組を転写するステップと、
ミクロスケール配線および第1のナノスケール配線組の上部に、該第1のナノスケール配線組と直交するように整列された第2のナノスケール配線組を転写するステップと、
で構成される製造プロセスが提供される。
【0033】
アドレスデコーダは、不規則に混成した異なるコードのナノスケール配線によって、ナノスケール寸法の転写パターンとは別個に組立てることができ、それらを既に存在するミクロスケール配列に対して直交する平行配列で自己アセンブリすることができる。本発明の方法では、ミクロスケール−ナノスケールインターフェースによって、上部からのパターン転写プロセスと、底部からの自己アセンブリとのブリッジ化が可能となる。本発明による別個にコード化されたナノスケール配線基アドレスデコーダは、ナノスケールプログラム化コンピュータ配列に固有の特性を持たせることができ、ナノスケール配線にずれが生じた場合の欠陥に対する許容度があり、信頼性のあるナノスケールメモリデバイスとすることができる。従ってそのようなデコーダ内のコードは、適切な確度で見出すことができる。米国特許第6,256,767号明細書の方法とは明らかに異なる本発明のアドレス指定方法は、緻密なアドレスエンコードを提供し、その際には革新的なプロセスは必要なく、標準的な半導体分野の材料およびドーパントを用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
本発明は、以下の詳細な説明および添付図面を参照することでより明らかとなろう。
【0035】
ドープ化ナノスケール配線は、電界効果トランジスタ(FET)として作用し、これはYu Huang、Xiangfeng Duan、Yi Cui、Lincoln Lauhon、Kevin KimおよびCharles M. Lieberの「ブロックを構成する組み立てナノワイヤからのロジックゲートおよび計算」サイエンス、294巻、p1313−1317、2001年に示されている。特にナノスケール配線の全長方向の電気伝導は、印加電圧によって制御することができる。欠乏モードがp型のデバイスの場合、低電圧(または電位印加なし)の印加により良好な電気伝導が生じるが、一方、高印加電圧ではドープされた半導体からキャリアが排出され、ナノスケール配線の全長方向に沿った電気伝導は妨げられる。このようにして、結合ロジックが構成され、いくつかの導体が、図3に示すように、ドープされたナノスケール配線と交差する。特に図3ではナノスケール配線300は、ミクロスケール制御配線301−303、および電源とつながるミクロスケールオーム接続304と交差している。また酸化物層305はナノスケール配線をミクロスケール配線から分離する。制御ミクロ配線301−303の全てに対する入力が小さい場合、交差したナノスケール配線300の一方から他方に電気伝導経路が形成される。ミクロ配線301−303のいずれかの入力が大きい場合、電気伝導経路は生じない。
【0036】
またn型のナノワイヤを製作することも可能である。n型ナノワイヤは、印加電圧が所定の閾値よりも大きいときのみ導電性を有し、印加電圧が閾値よりも小さい場合は非導電性となる。従ってこの場合も、結合ロジックが提供される。この場合、制御ゲートはp型ナノワイヤとは反対の極性を示し、電気伝導のためにはn型ナノワイヤに沿った全ての制御入力値を高くしなければならない。
【0037】
ナノスケール配線を修飾する別の方法は、異なる材料領域を設けることである。M. T. Bjork、B. J. Ohlsson、T. Sass、A. I. Persson、C. Thelander、M. H. Magnusson、K. Depper、L. R. Wallenberg、L, Samuelsonの「電子起動の1次元障壁」ナノレター、2巻、2号、p87−89、2002年2月、にはInAsおよびInPのナノワイヤへテロ構造の繰り返し結合が示されている。InAsおよびInPは異なる導電特性(例えば異なる電気伝導閾値)を有する。同様にYiying Wu、Rong Fan、Peidong Yangの「単結晶Si/SiGe超格子ナノワイヤのブロックバイブロック成長」ナノレター、2巻、2号、p83−86には、SiとSiGe領域が交互に繰り返される縞状のヘテロ構造が示されている。
【0038】
導入部で述べたように、ナノスケール配線の軸方向に沿ってドーピングプロファイルまたは材料組成を制御する方法は既に知られている。
【0039】
従ってシリコンナノスケール配線は、ナノスケール配線方向の長さの関数として異なる電気伝導閾値を有する。ナノスケール配線のドーピングプロファイルを制御する技術は、変調ドーピングと呼ばれる。ドーピングプロファイルを制御することにより、FETの閾値電圧を効果的に制御することができる。すなわち、高ドープの場合、チャンネルからのキャリアの欠乏は生じにくく、配線の電気伝導は遮断されにくい。結果的に閾値電圧は高くなる。低ドープの場合、キャリアは少なく、低電圧でチャンネルの欠乏が生じ、電気伝導が遮断される。従ってある範囲ではゲート化され、他の範囲ではゲート化されない配線を構成することができる。ナノスケール配線の長さ方向の成長は、時間制御することができる。ナノスケール配線結晶は、一端で格子内に新しい原子が侵入されて成長する。ドーパントプロファイルを制御するには、ナノスケール配線の成長環境におけるドーパント濃度を時間で制御する。結果として各ドーピング領域の幅は、成長反応速度および成長環境におけるドーパントの導入を適切な時間で制御することにより正確に制御される。従ってドーピング領域の幅は、全くパターン転写プロセスを用いずに定めることができる。
【0040】
図4には変調ドープされたSiナノスケール配線14を示す。Siナノスケール配線14は3の異なる領域15、16および17を有する。領域15および17は、領域16より高濃度でドープされる。領域15および17は非FET制御領域である。領域16は、FET制御領域である。結果的に、領域15および17は、領域16の電圧範囲よりも広い電圧範囲において電気伝導を示す。例えば領域15および17は、0乃至5Vの範囲のいかなる印加電圧でも電気伝導を示し、領域16は0乃至1Vの範囲の印加電圧でしか電気伝導を示さない。変調ドープはナノスケール配線にアドレス領域を形成することを可能にする。ナノスケール配線が、欠乏モードがp型のドープシリコンナノスケール配線である場合、低印加電圧で電流が流れ、所定のドーピングに対する閾値よりも高い電圧印加によって電流を遮断することができる。n型ドープシリコンナノスケール配線の場合、電流はある閾値よりも高い電圧が印加されたときに生じ、電流は閾値以下の電圧の印加によって遮断することができる。本発明はアドレス指定の仕組みを改良し、複数のミクロスケールまたはナノスケール配線が、複数のナノスケール配線を制御し、複数のナノスケール配線の中からナノスケール配線を選定することができる。
【0041】
例えば変調ドープによってナノスケール配線を装飾する場合、コード言語をナノスケール配線に割り当てることができる。各ナノスケール配線は、FET制御形式または非制御形式のドープ領域にセグメント化される。コード化されたナノスケール配線が1組のミクロスケール配線を横断するように配列された場合、ナノスケール配線を流れる電流を制御することができる。適正な低電圧がFET制御領域に印加されると、ナノスケール配線は電気伝導を示す。FET制御領域のいずれかに高電圧が印加されると、ナノスケール配線は電気伝導を示さない。高電圧を非FET制御領域に印加しても、電気伝導に変化はない。ある実施例では、制御電圧はミクロ配線の制御に提供され、これはアドレス指定ナノスケール配線と直交する。従ってナノスケール配線上のアドレス領域は、各領域に用いられる電圧を制御することによりナノスケール配線上の他の領域から区別される。
【0042】
図5にはp型ドープナノスケール配線のアドレス指定の仕組みの一例を示す。ナノスケール配線21、22および23の各々は、それぞれ低閾値ドープ領域210、220および230を有する。図にはさらにアドレス配線24、25および26が示されている。配線24に低電圧が印加され、配線25および26に高電圧が印加される場合、ナノスケール配線21が選択される。特に低電圧印加配線24は、ナノスケール配線21を選択してナノスケール配線21の電気伝導状態を維持し、高電圧印加配線25と26はナノスケール配線22と23の電気伝導を遮断する。領域220と230は、これらの配線上の他の2の領域に高電圧が印加されているため、電気伝導性を示さないからである。同様に配線25に低電圧が印加され、配線24および26に高電圧で印加される場合、ナノスケール配線22が選択され、ナノスケール配線21、23は選択されない。さらに配線26が低電圧で選択され、配線24および25に高電圧が印加される場合、ナノスケール配線23が選択され、ナノスケール配線21、22は選択されない。同様の仕組みは、n型ドープナノスケール配線にも利用することができる。
【0043】
ナノスケール配線を制御する仕組みはkホットと呼ばれ、ナノスケール配線がnの電位制御領域を有する場合、kの制御可能な領域が形成される。本願の参照文献でもある仮出願60/441,995において、出願人はk=n/2のkホットでは、独立にNのナノスケール配線がアドレス指定され、n=1.1log(N)+3アドレスビットしか必要ないことを示している。結果的に配列が十分に大きな場合、制御配線に接続する高架線は、それがアドレスするナノスケールロジックまたはメモリの寸法に比べて小さくなる。高架線は、n/2よりも小さなkのkホットアドレスが用いられても、小さなままである。
【0044】
別の実施例では、(ミクロスケール配線24−26の代わりに)ナノスケール配線がナノスケール配線を制御するために提供され、全体がナノスケールのシステムが提供される。例えばナノワイヤ配列からのナノワイヤ出力は、ここで参照文献として利用される米国特許出願第10/347,121号に開示されたものと似ており、本願によるデコーダへの制御/アドレス入力として利用することができる。
(確率的組立体)
ナノスケール配線の問題はそれらが極めて接近された間隔で設けられているため、パターン転写配線との直接的な接触で個々のナノワイヤを選択することは難しいことである。しかしながら現在、直交する1組の平行配線に区分化できないナノスケール配線を形成することは可能である。本発明の好適実施例によると、上述の図4および5に示された変調技術でコード化されたナノスケール配線は、最初に相互に混成され、ランダムな秩序のコード化ナノワイヤが形成され、さらに1組の平行配線として形成される。その結果、所与の配列から1組の配線が確率的に選択される。2002年6月25日の仮出願60/398,943において出願人は、ほぼ全てのコードが独立化され得る、そのようなナノスケール配線の十分に大きな集合体からコード化ナノスケール配線を確率的に選択する方法を示している。例えば同じコードを持つ配線数が10であり、その中に10の配線の小さな配列を形成するための、10の異なるコードのコード空間を考慮することができる。1012の全配線から各配線がランダムに選択される場合、全10配線が独立となる99.995%の確率がある。これは少なくとも9の独立配線を得る可能性はより高い。従ってコード化配線をランダムに選定することができ、所望の独立ナノスケールのアドレス指定を行うことができ、特定の配列に含まれるナノスケール配線を選定したいという要望を満たすことができる。
【0045】
出願人は、Cと1配列中のナノスケール配線数(N)を、単独に高い識別確率で関連付ける方法を示し、これは例えば2003年1月23日の仮出願60/441,995に示されている。
【0046】
例えば出願人はほぼ全ての独立コードを得るには、コード空間C=100xNで十分であることを示している。独立コードが得られない確率は1%に満たない。出願人によると、他のコード選択の基準も重要である。非独立コードの確率が高くなると、コード空間は小さくなる。同様に数コードが複製されると、許容される集合が発見される確率は小さなコード空間でも高くなる。上述の解析は、重複のないことを保証する。さらに仮出願60/429,010においては分離解析が出願人によって提供されており、C、Nおよびdの関係を計算することができる。ここでdは重複したNの配線の集合において区別できるコード数である。この選択の基準を用いると、通常の配列サイズ(例えばN=10乃至N=1000)でC=Nのとき、d>0.5xNであることを示すことができる。
【0047】
従って本願によると、制御ナノスケール配線は、独立列領域または独立してアドレス指定される1組の列領域を有する。全てのナノスケール配線がkホットの場合、独立列は独自にアドレス指定することができる。
【0048】
出願人はさらに、複数のナノスケール配線を制御する制御配線数がCよりも小さいこと、例えばk≧1の場合、常にO(log(N))または
【0049】
【数2】

であることを示している。
【0050】
従って本願は、各ナノスケール配線にナノスケール配線に沿って分布する制御領域を提供することにより、複数のナノスケール配線において単一のナノスケール配線を独立してアドレス指定する方法を示し、この方法では、複数のナノスケール配線からサブ集合を確率的に選択することにより、制御されるナノスケール配線のサブ集合が形成され、ナノスケール配線のサブ集合のナノスケール配線の制御可能領域が制御され、または制御されないことにより、ナノスケール配線のサブ集合から単一のナノスケール配線が選択される。
【0051】
代わりに、ナノスケール配線の全てを電源に接続させて、あるいは電源からそれら全てを非接続にしてアドレスを指定し、全てのナノスケール配線を選択すること、あるいはサブ集合のナノスケール配線を全く選択しないことができる。
(位置調整)
ミクロスケール配線とナノスケール配線間の位置調整は図5に示されている。実際には、ナノスケール配線を相互に完全に揃える方法はない。ナノスケール配線の位置を揃える方法はないが、制御ミクロスケール配線の幅(制御ビットピッチ)のばらつきによって、およびそのようなビットピッチの確率によって、それらは結局非整列となる。従って「ばらつき」および「確率」による非整列の組み合わせとして、各種非整列が生じる。
(制御ビットピッチのばらつきによる非整列)
制御ミクロスケール配線およびナノスケール配線が制御ビットピッチのばらつきによって非整列となった場合、1または2以上の制御ミクロスケール配線は、この非整列を緩和しないと、ナノスケール配線の対応する「1」または「0」ドープ領域のいかなる部分とも「交差」しない。
【0052】
この問題に対処する第1の方法は、ナノスケール配線の全長に沿ってコードを複数回繰り返すことである。図6には、nビットn/2ホットコードを伝送するナノスケール配線30を示す。図6の例では、基本コード33の複数の複製31、32がナノスケール配線30に鎖状に繋がれる。4ビットコードの場合、4のミクロスケール配線でナノスケール配線の対応ビットの全てをアドレス指定する必要がある。いったんコードがナノスケール配線に沿って繰り返されると、全てのミクロスケール配線は、ナノスケール配線のビット位置を常にアドレス指定することができる。ミクロスケール配線とナノスケール配線間のランダムな非配列は、コード34または35のような、選択される基本コード(0110)33とは異なるオフセットコードを生じさせる。しかしながら、この交互の選択は許容できる。そのようなオフセットコード(1001)または(0011)は、本実施例の2−ホットコード空間においては有効なコードであるからである。
【0053】
しかしながら全長に沿ったコード化には、付加的な制御領域が、メモリ配列群のようなナノスケール配線を制御する必要のない場所に設けられるという影響がある。これにより配線は、無意図的に所望のナノスケール配線と交差してしまう。
【0054】
ある実施例では、これは問題とはならない。ナノワイヤ群が容易にドープされる場合(本願の以下の「半径方向変調ドープ」を参照)、半径方向構造はシリコンの電気伝導が遮断されることを防止する。この場合アドレス端は、それらが配列に組み込まれた後、表面のエッチングによって露出される。従って意図したアドレス領域のみが、エッチングによって直接露出された半径方向構造を有する。
【0055】
さらにアドレス制御電圧と比べて低い作動電圧をメモリ内部に用いることにより、無意図的な遮断を回避することができる。メモリ内の作動電圧が常に制御領域の閾値以下である場合、配線は常時メモリ内で電気伝導を示す。アドレス制御配線は、メモリ外部にのみ存在し、より高い電圧で、例えば閾値を超える電圧(Vctrl high>Vmoddope threshold>Vmemory high)で、駆動することができるため、これらの電圧で電気伝導を制御することができる。
【0056】
アドレス制御電圧の上昇を抑えるという問題に対処する別の方法は、まずミクロスケール配線(アドレス領域)によって、アドレス領域ではないナノスケール配線の一部を露出させたままにして、ナノスケール配線のこの領域をマスクせず、次にマスキングのため、バルクのドープされる領域にのみ、アドレス領域外部の領域のバルクのドープ相をドーピングして、アドレス指定領域として作用しない領域を設けるものである。この方法ではアドレス指定領域のみが制御されるため、アドレス指定領域は自己配列される。
【0057】
問題に対処する第3の方法は、予想される非整列と等しい距離だけ、部分的にコード(またはその比率)を繰り返すことである。これは2ビットの部分的な繰り返しを有するナノスケール配線として図7(A)乃至(C)に示されており、±1ビットのずれを許容する。これは、最後の0110コードの2ビットがコードの左に繰り返され、0110コードの最初の2ビットがコードの右に繰り返されることを意味する。図7(A)には、非整列のない場合およびコード0110がミクロスケール配線41乃至44によって制御される場合が示されている。図7(A)にはさらに整列禁止領域45の拡張部が示されている。図7(B)にはナノスケール配線40のコードが左に1ビット移動して、ミクロスケール配線41乃至44によってコード1100が制御される場合が示されている。図7(C)にはナノスケール配線のコードが左に2ビット移動して、ミクロスケール配線41乃至44によってコード1001が制御される場合が示されている。この第3の方法では、ナノスケール配線40は、電圧が印加されない場合、コード領域を横断して電気伝導する。この方法では、制御可能なビットコード領域は、制御ミクロ配線41−44のいずれかの側で閉じられており、信号の伝達が継続される。
(ビットピッチの比率による非整列)
ミクロスケール配線でナノスケール配線のコード領域を制御するため、ミクロスケール配線のフィールドとナノスケール配線のドープされた制御可能領域間を重複させる必要がある。
【0058】
図8には3のミクロスケール配線51−53の断面を示す。欠乏モードのナノスケール配線50での電気伝導を遮断させるため、キャリアは、ナノスケール配線50の軸に沿った小さな領域においてのみ欠乏させる必要がある。重複領域54(Woverlap)は5nm以下すなわちナノスケール配線50の径の1乃至2倍以下であることが好ましい。Woverlapの領域の幅は、ミクロスケール配線フィールドの影響部56に依存する。従って0乃至Woverlapの幅の重複領域は、これらが部分的にしか電気伝導しないため作動せず、結果的に中間程度の電流が流れる。図8には、ミクロスケール配線51および52のような、隣接するミクロスケール制御配線のフィールド間に非制御領域55が示されている。本発明の好適実施例では、ドープされた制御可能領域の長さは、ナノスケール配線とWoverlapの2倍の値を加えた非制御領域の長さと等しい。この方法では、少なくともWoverlapの長さの隣接する制御フィールドのいずれかの影響下にある領域が常に存在し、その領域は左または右の隣接ミクロスケール配線によって制御される。当然、0乃至Woverlapの長さの領域が左または右の隣接ミクロスケール配線双方に渡って配置されるという、好ましくない場合があり得る。しかしこのことが生じる確立は小さく、通常は10%未満である。
【0059】
従って制御配線および制御配線と対応するナノスケール配線の領域間が、ミクロスケール配線幅よりも小さな距離で非整列となっている場合は、制御領域の長さまたはプロファイルの技術的もしくは設計的対応によって対処することができる。
【0060】
図8には制御領域が2のフィールドで重複する例を示す。制御領域が複数のフィールドで重複する場合、通常のkホットアドレス空間には、ナノワイヤに沿って電気伝導することのできるコードはない。これは、非整列ナノワイヤが少なくとも正確に揃えられたナノワイヤの動作に影響を及ぼさないことを示しており、好都合である。
【0061】
通常のkホットコード空間の外部のコードを用いることでも、配線をアドレス指定することができる。例えば非整列1100コードは、第2および第3の配線で制御される第3の位置と、第3および第4の配線で制御される第4の位置を有する。配列に1100および1001コードがない場合、1000アドレス(すなわち2−ホットコード空間外のアドレス)がこの配線を選択し、これを利用することができる。しかしながら1100または1001が配列中に存在する場合、他のコードの選択をしないで、そのような1000配線を選択することはできない。結果的にほとんどの利用の場合、好適実施例はこれらを単なる非アクセス化配線として取り扱う。
(アドレス制御用のナノワイヤの利用)
別の実施例では、ナノスケール配線はナノスケール配線を制御するように提供され、前述のように全てがナノスケールシステムで構成される。これは、デコーダへのアドレス指定が、ナノPLAのようなナノスケール回路からされるときに有益である。
【0062】
図9にはこの実施例を示すが、酸化物でコーティングしたナノワイヤ501−504は、複数のナノワイヤ505−510を制御する。ナノワイヤ505−510はオーム接続511に接続され、図には示されていない電源と接続される。2組のナノワイヤの間の酸化物分離は、図に示すように制御配線を被覆する酸化物によって達成される。あるいは酸化物分離は、パターン転写およびナノワイヤの第1層とナノワイヤの第2層間に酸化物を成長させて、あるいは制御領域、すなわち制御ナノワイヤ501−504とナノワイヤ505−510が交差する領域の周囲を酸化物で被覆することで行うことも可能である。
【0063】
図9の実施例では制御配線ピッチ幅が、ナノワイヤピッチ(Wbitpitch)と同間隔であることに留意する必要がある。制御重複領域WoverlapはWbitpitchと概略的に等しい寸法である。これにより、図6−8とは異なる整列の対処法が必要となる。
【0064】
第1のステップは、ナノスケール配線505−510のコード領域を少なくともWbitpitch +2* Woverlap<2* Wbitpitchとすることである。この場合、全てのコード領域が常にあるナノスケール配線で制御される。
【0065】
さらにナノスケール配線505−510の制御領域は、元来の間隔の2倍の間隔、すなわち2の物理的ビット位置とし、2倍の制御ナノワイヤを利用する。この分の制御ナノワイヤが追加されても、制御配線数はデコーダの配線数の対数のままである。
【0066】
図10A−10Cにはこの実施例をより明確に示す。図10Aには元のコードが示されており、垂直配線はビット領域を示し、配線間隔は1ビットピッチ間隔を示す。図10Bには二重コード化を行う場合の例を示す。コード領域の長さは正確に2ビットピッチである。図10Cには別の例を示す。この場合コード領域の長さは、2ビットピッチから、前述の少なくともWbitpitch+2* Woverlapだけ短い。
【0067】
図10Dには、同じナノワイヤ520の10のオフセット520−1、…、520−10を示す。各制御領域は上述の関係を満たしている。配線の各オフセットは次の表に従っている。
【0068】
【表1】

最初の5のオフセットは、コード01000100でアドレス指定され得ることに留意する必要がある。次の4のオフセットはコード10001000(すなわち前の01000100コードの1ビット回転)でアドレス指定され得る。また最後のオフセットはコード00010001(すなわち前コードからの別のビット回転)でアドレス指定され得る。従って本発明は、以下のステップによって制御ナノワイヤを用いて、ナノワイヤをアドレス指定する方法を示す:
1)Wbitpitch+2* Woverlap<2*Wbitpitchの長さのコード領域で制御されるナノワイヤを提供するステップ、
2)制御されるナノワイヤのコードを二重化、すなわち制御されるナノワイヤの制御領域を元の間隔の2倍に広げるステップ
3)制御ナノワイヤのコードを用いて、制御されるナノワイヤのコードに生じる「11」を「01」または「10」で置き換え、そのコードを回転したコードを提供するステップ。
(メモリへの利用)
さらに、上述のデコーダによってアドレス指定されるプログラム化メモリが提供される。ナノスケール配線配列の交差部に非揮発性メモリビットを設置する技術は、本願の背景で示したように、既に従来技術として知られている。
(ナノスケールメモリ配列)
図11には、変調ドープアドレスデコーダを用いてインターフェース化されるナノスケールメモリ配列を示す。図には明確化のため数本のナノスケール配線しか示されていない。特に6×6のナノスケール配線配列が示されている。通常配列は、24−30のミクロスケール配線のみによってアドレス指定される100−1000ナノスケール配線を有する。
【0069】
図11にはアドレス指定可能なナノスケール配線行61−66およびナノスケール配線列67−72が示されている。これらのアドレス指定可能なナノスケール配線を用いて、正確に例えばナノスケール配線62のような1のナノスケール配線行、あるいはナノスケール配線72のようなナノスケール配線列を、プログラム化電圧を例えば交点75のような単一の交点に印加することにより、アドレス指定することができる。行プログラム化電圧はオーム接続76により提供され、列プログラム化電圧はオーム接続77によって提供される。オーム接続78および79は、それぞれ行と列の公称電圧を提供する。
【0070】
従って交点75は、プログラム化電圧の印加されるナノスケール配線行62とナノスケール配線列72の両方を有し、1のナノスケール配線のみにプログラム化電圧の印加された、あるいはプログラム化電圧の印加されないナノスケール配線からなる他の交点に比べて、大きな電子差が生じる。この交点はさらに、プログラム化配列に部分的に寄生回路が生じないように、ダイオードとして作用するように配置することも可能である。
【0071】
記録時にはナノスケール配線行62の選定は変調ドープデコーダ80によって行われ、このデコーダはミクロスケール配線列RA0−RA3と、ナノスケール配線61−66の変調ドープ領域とを有し、変調ドープ領域は酸化物層81によりミクロスケール配線RA0−RA3から分離される。ナノスケール配線列72の選定は変調ドープデコーダ82によって行われ、これはミクロスケール配線行CA0−CA3と、ナノスケール配線67−72の変調ドープ領域とを有し、変調ドープ領域は酸化物層83によりミクロスケール配線CA0−CA3から分離される。従ってアドレス指定配線は、複数の状態のうちのいずれかにメモリ部を設定することができる。
【0072】
読み出し時には、制御ビットを適切に設置することによって、単一の行および列のデータビットが読み出される。高電圧が共通配線行77に印加され、共通配線列76に電圧が観測される。この方法では、配線行77に高い入力を印加した場合、および共通配線列76へ経路の抵抗が低い場合、対象交点、例えば交点75のみを、検知することができる。交点を「オン」にプログラム化した場合、配線列電圧が生じて、選択配線列からの電流を観測することが可能となる。交点を「オフ」にプログラム化した場合、電流はほとんど流れない。
【0073】
上述の簡単な読み出しの場合、配列が多くなると読み出し動作が遅くなる。特にダイオードメモリ点は、読み出し配線列(列62ないし72のいずれか)を全ての配線行(配線61−66)に結合して、配線列で全ての配線行を充電し、単一のビットを読み出す。この方法では読み出し時間は、行数と列数の合計ではなく積で定められる。
【0074】
上記のような読み出し動作時の好ましくない結合の可能性を避けるため、読み出し時間を、配線の行と列の積ではなく、合計で定まるようにすることが可能である。全ての配線行61−66は高電圧で予備充電される。これには、全てのナノワイヤを同時に選択するアドレス指定ができるという利点がある。配線列は平行に駆動され、予備充電には単一の配線行を充電する場合の時間しかかからない。その後単一の配線行が読み出されて放電される。次に読み出し動作が前述のように行われる。さらに読み出されないビットと対応する配線行は、既に充電されており、対象配線行を駆動する間の充電は不要である。
【0075】
メモリ配列はさらにミクロスケール配線84、85を有し、これらはそれぞれ、行または列の公称電圧を遮断することが可能である。特にミクロスケール配線84と85の双方は、FET制御可能領域86、87を有し、そのような電圧を遮断することができる。
(ハイブリッド制御メモリ)
上述のメモリの欠点は、メモリが極めて広いアドレス空間を必要とし、極めて大きなコード化ナノスケール配線集合を必要とすることである。例えば500×500の配列の場合、25百万のナノスケール配線のコード空間が必要となる。
【0076】
しかしながらハイブリッド制御体系によって、より少ない数のナノスケール配線を用いることができる。1組のナノスケール配線はまず、変調ドープデコーダを用いずに、ミクロスケール配線オーム接続によって選択され、次に選択された1組のナノスケール配線が、図12−15に示すようにミクロスケール配線によってアドレス指定される。
【0077】
図12において、オーム接続100は、パターン転写の精度でナノスケール配線集合101をその終端で選択的に活性化させる。オーム接続100の幅102は90nmであって、ナノスケール配線は10nmの幅103であり、オーム接続は独立して9のナノスケール配線群をアドレス指定することができる。そのようなナノスケール配線は、12のミクロスケール配線A0、…A11を介して12ビットコードでアドレス指定される。特に6−ホット、12ビットコードは942のコード言語を有する。942のコード言語を用いる場合、全部で9の集合配線を独立コードとする可能性は96%以上である。
【0078】
この実施例の問題は、ミクロスケール配線ピッチ、すなわちミクロスケール配線間の必要最小距離、例えば図8の単位59である。本発明はそのような問題を図13の実施例により解消する。この例では、千鳥状の隣接ミクロスケール配線接続110−112が設けられる。千鳥状隣接ミクロスケール配線接続によって、各ミクロスケール配線群の端部で1の配線も無駄にすることなく、緻密なナノスケール配線ピッチを維持することができる。
【0079】
図14には千鳥状のオーム接続を制御する第1の実施例を示す。4のミクロスケール配線701−704とインターフェースロジック705が提供される。ミクロスケール配線702は、動作を記録動作と読み出し動作間で制御し、オーム接続へのまたはオーム接続からの導通を確保する。動作が読み出し動作の場合、信号は出力配線701に読み出される。接続110−112は配線703、704によって選択される。通常logNの選択配線が必要である。
【0080】
図15には千鳥状のオーム接続を制御する第2の実施例を示す。この場合、高速アクセスよりもデコーダへの効率的なアクセスがより重要である。この実施例では、1のミクロスケール配線801−804が必要である。ミクロスケール配線801は、シフト信号を伝送し、ミクロスケール配線802はクロック信号を伝送し、ミクロスケール配線803はシフト入力信号を伝送し、ミクロスケール配線804はシフト出力信号を伝送する。接続数が増えると、必要な時間およびフリップフロップ数が増えるが、ミクロスケール配線数は増大しない。
【0081】
ハイブリッド制御の場合、制御配線はミクロスケール配線(図示されている)またはナノスケール配線いずれであっても良い。
(1次元メモリ)
図11の実施例は2次元メモリである。本願ではさらに、図16に示す単一のナノワイヤ層を用いる1次元メモリの実施例を提供する。
【0082】
図16は図13と同様であるが、千鳥状ミクロスケール配線接続110−112は、ナノスケール配線集合と、アドレスミクロスケール配線A0−A n−1を端部で活性化する。さらにメモリミクロスケール配線D0−Dn−1が提供される。
【0083】
ミクロスケール配線D0−Dn−1は、図11の2次元メモリにおける垂直デコーダ82と同じ役割を果たす。記録を行う場合、適当な電圧が配線D0−Dn−1に印加され、適切な抵抗接続群および配線A0−A n−1によって単一のナノスケール配線が選定され、それに電圧が印加される。従って選択されたナノスケール配線とD0−Dn−1配線間には電圧差が生じ、選択されたナノスケール配線と関連のD配線間の交点をプログラム化することが可能となる。単一のD配線は、従来のパターン転写デコーダが駆動される方法と同様の方法でデコードされ駆動される。さらに1次元の場合、直接ミクロスケール制御が行われるため、多数のビットを同時に同じ設定にプログラム化することができる。これは単に適切なプログラム化電圧をプログラム化される多数のD配線に印加することで行われ、複数のビットが従来のメモリに書き込まれるのと同様の方法で、瞬時にそれらの全てがプログラム化される。従来のプログラム化法との違いは、プログラム化されるビット組が同じ状態でなければならないことであり、所与の適当なミクロスケールを制御して、いかなるサブセットもプログラム化することができる。従って2の書き込み周期(または交点がmの状態を持つ場合のmの書き込み周期)によって、いかなる言語D0…Dn−1もプログラム化することができる。最初の周期では、選択されたナノスケール配線と関連する全言語D0…Dn−1がある状態で記録される(例えばオン)。第2の周期では、オフにする必要のある全てのビットが、オフの位置にプログラム化される。
【0084】
読み出し周期も同様である。一旦Dのいずれかが「高」値に駆動され、Dを用いて単一のナノワイヤに電気伝導が生じると、D、Aと対応する値を各オーム接続群に対するオーム接続出力で読み出すことが可能となる。
【0085】
あるいは多数のビットを同時に読み出すことも可能である。特に単一のナノスケール配線上のAを介して対応するオーム接続群に「高」値が加えられると、プログラム化される交点が充電され、全ての関連するDが交点でプログラム化される。この場合、全D0…Dn−1が1周期で読み出される。しかしながら読み出し動作は遅くなる。これはナノスケール接続で、ミクロスケール配線の容量を駆動する必要があるからである。読み出し動作時にメモリを作動する方法は、製造段階で定める必要がある。すなわちメモリ内のダイオードの整流の向きを、ミクロスケールDからナノスケール配線の向きのような第1の場合、ナノスケール配線からミクロスケールDの向きのような第2の場合、を定める必要がある。
(3次元メモリ)
図17および18には、それぞれ3次元メモリの実施例の概略断面図および斜視図を示す。ミクロスケール配線201−204には、第1のナノスケール配線層の組205−207、およびこれと直交する第2のナノスケール配線層の組208−210が設けられる。図11の2次元の場合と同様に、各層のデコード領域が領域211−214に設けられる。領域211−214におけるナノスケール層は酸化層215で被覆され、変調ドープデコード領域が被覆される。
【0086】
3次元メモリの実施例における興味ある事実は、ミクロスケール配線が、メモリの異なる層上のナノワイヤによって共有されることである。2次元の場合と同じ確率的選択技術を用いて、ミクロワイヤ接続の各共通群に対して、1組の独立したコード化配線が形成され、垂直面内の各配線を単独で選択することが可能となる。
【0087】
好適実施例では、図17に示すようにナノスケール配線の層は、隣接する層の組の順番が繰り返されるように配置される。隣接する層の組は、第1のナノスケール層208と、第1のナノスケール層208と協働してメモリ位置を定め、第1のナノスケール層と直交する第2のナノスケール層205と、絶縁用ナノスケール層209とで構成される。
(半径方向変調ドープ)
ナノスケール配線の軸に沿った変調ドープに加えて、ナノスケール配線の半径方向に沿って変調ドープを行う技術が、Lincoln J. Lauhon、Mark S. Gudiksen、Deli Wang、Charles M. Lieberの「エピタキシャルコア殻およびコア−多殻ナノワイヤへテロ構造」、ネーチャー、420巻、p57−612002年11月、で知られている。
【0088】
半径方向の変調ドープ技術の興味ある事実は、ナノスケール配線が半径方向と軸方向に変調ドープされることである。特にナノスケール配線の所定の部分が、1)ドープされず、2)軸方向にドープされ、3)半径方向にドープされ、または4)軸方向および半径方向にドープされる。図11−18に示すメモリでは、ナノスケール配線に両方の変調ドープ技術を用いることができる。
【0089】
より明確には、全ナノワイヤは形成時に半径方向にドープさせることができる。その後基板上に配線を形成して、スリーブが半径ドープナノワイヤ部分から半径方向に選択的にエッチングされる。この方法では以下のナノワイヤが得られる。すなわちナノワイヤは第1の一連の部分を有し、この一連の部分は軸方向および半径方向にドープされ、ナノワイヤは第2の一連の部分を有し、この一連の部分は軸方向にのみドープされる。従って第1および第2の部分は製造後に定められるという利点があり、その後パターン転写基板に対してナノワイヤをどのように配置するかが定められる。
(図11のメモリの実施例におけるナノスケール配線構造)
図11に示すナノスケール配線72のような垂直ナノスケール配線を参照することにより、いくつかの別個の領域が観測される:
a)ミクロスケール配線77に電気的に接続される領域、
b)(絶縁体83のような)絶縁体によってミクロスケールアドレス配線CA0−CA3から分離する必要のあるアドレス領域、
c)水平ナノスケール配線61−66と交差する領域のような、記録または読み出し情報を含むコア領域、
d)ミクロスケール配線85から絶縁体によって分離する必要のある制御可能領域、
e)ミクロスケール配線79に電気的に接続される領域。
【0090】
同様の観測は、ナノスケール配線62のような水平ナノスケール配線を参照して行うことができる。
【0091】
メモリ構造形成のためには、配列内の2の(直交する)配線組のうちいずれか一方のみが、半径方向にドープされる必要のあることに留意する必要がある。
(軸方向にドープされたナノスケール配線の製作プロセス)
軸方向にドープされたナノスケール配線の場合、上述のように個々の交点はメモリコアとして利用される。軸方向ドープナノスケール配線を有するメモリの製作は、以下のステップからなる。
1)シリコンウェハのパターン転写処理により、複数のミクロスケール配線を得るステップ、
2)ミクロスケール配線のアドレス指定部分に酸化物を形成するステップ。図19には、製作プロセスの最初の2のステップ後のミクロワイヤの可能な配置を示す。
3)第1の軸方向ドープナノスケール配線組を混成するステップ。ナノスケール配線同士の接触が生じないように、ナノスケール配線を混成するには、図2の酸化層10のような酸化層を各ナノワイヤの周囲に成長させる。酸化層は、相互に平行に配置された2のナノスケール配線を電気伝導領域に接触しないようにし、ダイオード接続ではなくFET制御が可能となるように酸化バリアとして機能する。
4)第1のナノスケール配線組を配列して、配列された第1の組をミクロスケール配線上に転写させるステップ。図20には4つのステップ後のチップ状態を示す。ナノスケール配線の配列は、例えばラングミュア−ブロドゲットフロー(LBフロー)技術によって行われる。この技術は、例えばUlman A.「有機超薄膜の導入:ラングミュア−ブロドゲットから自己組織化まで」アカデミックプレス、ニューヨーク1991年、またはAlbrecht O.、Matsuda H.、Eguchi K.、Nakagiri T.の「試験的形成のためのLB成膜機構の構成と利用」Thin Solid Film、284/285巻、15、9月1996年、p152−156参照。LBフローは基板上のナノスケール配線の緻密な配線を可能にする。
5)パターン転写エッチング技術によって、構造内に配列軸に対して垂直な遮断部を得るステップ。図21には5のステップ後の製作状態が示されている。
6)第2の軸方向ドープナノスケール配線組を混成するステップ。
7)第2のナノスケール配線組を配列して、回路上に設置された第2の組を、図22に示すように、第1のナノスケール配線組と直交するように転写させるステップ。さらに分子層(図示されていない)がナノワイヤの直交組間に設置される。そのような層は、例えばChristopher L. Brown、Ulrich Jonas、Jon A. Preece、Helmut Ringsdrf、Markus Seitz、J. Fraser Stoddartの「ラングミュア膜およびラングミュア−ブロッドゲット多層膜への2−カテナンの導入。分子情報貯蔵材料の可能な対応」Langmuir16(4)、1924−1930、2000年に示されている。
8)パターン転写エッチング技術によって、構造内に配列軸に対して垂直な遮断部を得るステップ。図23参照。
9)図24のように、オーミック接続の領域に金属を被覆させるステップ。図25の構造が得られる。
(軸方向および半径方向にドープされるナノスケール配線の製作プロセス)
軸方向および半径方向の双方にドープされたナノスケール配線の場合も、製作プロセスは上述のプロセスと同様である。上述の図19−25を参照のこと。しかしながら直行する1組のナノワイヤの間に分子層を設置する必要はない。
【0092】
シリコンウェハのパターン転写プロセスによって得られるミクロスケールアドレス配線400の配置が示されている、図19のような第1のステップの次に、2組のナノスケール配線が形成される。前述の実施例とは異なり、この場合、第1の組は軸方向に変調ドープされた後、コード化された軸の上部において半径方向に変調ドープされる。これに対して第2の組は、軸方向にのみコード化される。
【0093】
軸方向にのみドープされたナノスケール配線が相互に混成された後、混成されたナノスケール配線はLBフローで配列され、図20に示すようにシリコン表面を覆うように転写される。さらに図21に示すように、配置軸に垂直なサブ配列の間には所望の遮断がパターン転写エッチングによって形成される。
【0094】
軸方向および半径方向にドープされたナノスケール配線組を混成した後、混成した組はLBフローで配列され、図22に示すように他の組と直交してシリコン基板を覆うように転写される。次にサブ配列間に所望の遮断部が、図23のように配列軸と垂直にパターン転写エッチングされる。
【0095】
前述の実施例とは異なり、本実施例は図24に示すように、アドレスウインド全体にわたりチューブの半径方向のドープ領域をエッチング除去するステップを有する。特に図24にはアドレスウインド、すなわち図11のアドレス領域80および82のような、構成されるロジック回路のアドレス領域に対応したウインド、を有するマスク部が示されている。半径方向にドープされたナノスケール配線を有するアドレスウインドのみを対象に、ナノスケール配線の半径方向のドーピング領域が、その領域内においてエッチング除去される。従って例えば本願の図5に示すように、ナノスケール配線のアドレス指定が可能となる。
【0096】
別のステップでは、図25に示すようにオーム接続領域を覆うように金属部が設置される。
【0097】
本実施例では、図1の浮遊ナノチューブのような交点のヒステリシスを利用する別個の装置(例えばある分子)は不要である。半径方向のドーピング領域は、垂直ナノスケール配線の所定の部分の径に沿って情報を蓄積することができるからである。特に半径方向の変調ドープ配線構造は、効果的にヒステリシスを利用する装置を含む。
【0098】
別の実施例では、両方の配線組が半径方向に変調ドープされる。
【0099】
本発明のいくつかの実施例が上述のように示されたが、当業者には多くの変形および変更した実施例が容易に想到される。そのような変形および変更した実施例は、特許請求の範囲に記載の本発明の範囲を逸脱しないで行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】従来技術のナノチューブ基プログラムスイッチポイントの概略断面図である。
【図2】従来技術のナノチューブFET配置の概略透視図である。
【図3】ナノスケール結合ロジックの基本モジュールである。
【図4】変調ドープ化シリコンナノスケール配線を示す図である。
【図5】アドレス指定ナノワイヤの図である。
【図6】鎖状につながれた多数のコードの複製を有する変調ドープ化ナノスケール配線である。
【図7】複数の繰り返しコードを有する変調ドープ化ナノスケール配線である。
【図8】ミクロスケール−ナノスケール配置の断面図である。
【図9】ナノスケール配線の第1の組を用いてナノスケール配線の第2の組を制御する実施例である。
【図10A】ナノスケール配線の第1の組を用いてナノスケール配線の第2の組を制御する実施例である。
【図10B】ナノスケール配線の第1の組を用いてナノスケール配線の第2の組を制御する実施例である。
【図10C】ナノスケール配線の第1の組を用いてナノスケール配線の第2の組を制御する実施例である。
【図10D】ナノスケール配線の第1の組を用いてナノスケール配線の第2の組を制御する実施例である。
【図11】装飾されたナノスケール配線によって形成されたアドレスデコーダを用いてインターフェース化されたナノスケールメモリ配列である。
【図12】ハイブリッド制御メモリ配置である。
【図13】千鳥状オーム接続を有するハイブリッド制御メモリ配置である。
【図14】ミクロスケール配線を有する千鳥状オーム接続をインターフェース化する方法を示す図である。
【図15】ミクロスケール配線を有する千鳥状オーム接続をインターフェース化する方法を示す図である。
【図16】1次元メモリ配置である。
【図17】3次元メモリ配置である。
【図18】3次元メモリ配置である。
【図19】ミクロスケールおよびナノスケール配線を持つロジック配置の製作工程における異なるステップを示す図である。
【図20】ミクロスケールおよびナノスケール配線を持つロジック配置の製作工程における異なるステップを示す図である。
【図21】ミクロスケールおよびナノスケール配線を持つロジック配置の製作工程における異なるステップを示す図である。
【図22】ミクロスケールおよびナノスケール配線を持つロジック配置の製作工程における異なるステップを示す図である。
【図23】ミクロスケールおよびナノスケール配線を持つロジック配置の製作工程における異なるステップを示す図である。
【図24】ミクロスケールおよびナノスケール配線を持つロジック配置の製作工程における異なるステップを示す図である。
【図25】ミクロスケールおよびナノスケール配線を持つロジック配置の製作工程における異なるステップを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノスケール配線の電気伝導を制御する方法において、
ナノスケール配線の軸方向に沿って分布する第1の複数の制御可能領域を持つナノスケール配線を提供するステップであって、各領域が第1の閾値よりも小さな値の信号で制御された場合、あるいは信号で制御されない場合には、前記領域によって、ナノスケール配線に沿った電気伝導が可能となる、ステップと、
前記領域を制御してまたは制御しないで、ナノスケール配線の電気伝導を可能にし、あるいは遮断するステップと、
を有する方法。
【請求項2】
ナノスケール配線の電気伝導を制御する方法において、
ナノスケール配線の軸方向に沿って分布する第1の複数の制御可能領域を持つナノスケール配線を提供するステップであって、各領域が第1の閾値よりも大きな値の信号で制御された場合、前記領域によって、ナノスケール配線に沿った電気伝導が可能となる、ステップと、
前記領域を制御してまたは制御しないで、ナノスケール配線の電気伝導を可能にし、あるいは遮断するステップと、
を有する方法。
【請求項3】
ナノスケール配線にはさらに、ナノスケール配線に沿って軸方向に分布する第2の複数の制御可能領域が設けられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ナノスケール配線にはさらに、ナノスケール配線に沿って軸方向に分布する第2の複数の制御可能領域が設けられることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
第2の複数の制御可能領域の各々は、第2の閾値よりも小さな値の信号で制御され、前記第2の閾値は前記第1の閾値よりも大きいことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
第2の複数の制御可能領域の各々は、第2の閾値よりも大きな値の信号で制御され、前記第2の閾値は前記第1の閾値よりも大きいことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
ナノスケール配線に沿った電気伝導は、前記第2の複数の制御可能領域の制御状態には依存しないことを特徴とする請求項3または4に記載の方法。
【請求項8】
前記第1および第2の複数の制御可能領域はドープされた領域であることを特徴とする請求項3または4に記載の方法。
【請求項9】
前記第1および第2の複数の制御可能領域は異なる材料からなることを特徴とする請求項3または4に記載の方法。
【請求項10】
第1の複数の制御可能領域および第2の複数の制御可能領域を制御し、または制御しない前記ステップは、複数の制御配線を提供するステップを有し、各制御配線はナノスケール配線の別個の領域に接続され、各制御配線は前記領域を制御する制御信号を伝送することが可能であることを特徴とする請求項3または4に記載の方法。
【請求項11】
前記制御配線はミクロスケール配線であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記制御配線はナノスケール配線であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記制御信号は電圧印加によって生じることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項14】
複数のナノスケール配線の電気伝導を制御する方法において、
ナノスケール配線の軸方向に沿って分布する第1の複数の制御可能領域を持つ各ナノスケール配線を提供するステップであって、各領域が第1の閾値よりも小さな値の信号で制御された場合、あるいは信号で制御されない場合には、前記領域によって、ナノスケール配線に沿った電気伝導が可能となる、ステップと、
複数の制御配線を提供するステップであって、各制御配線は第1の複数の一連の領域に接続され、前記一連の領域を制御する制御信号を伝送することが可能である、ステップと、
制御配線に沿って制御信号を提供するステップであって、複数のナノスケール配線のうち単一のナノスケール配線は電気伝導を示し、複数のナノスケール配線のうちの残りのナノスケール配線は電気伝導を示さないようにする、ステップと、
を有する方法。
【請求項15】
複数のナノスケール配線の電気伝導を制御する方法において、
ナノスケール配線の軸方向に沿って分布する第1の複数の制御可能領域を持つ各ナノスケール配線を提供するステップであって、各領域が第1の閾値よりも大きな値の信号で制御された場合、前記領域によって、ナノスケール配線に沿った電気伝導が可能となる、ステップと、
複数の制御配線を提供するステップであって、各制御配線は第1の複数の一連の領域に接続され、前記一連の領域を制御する制御信号を伝送することが可能である、ステップと、
制御配線に沿って制御信号を提供するステップであって、複数のナノスケール配線のうち単一のナノスケール配線は電気伝導を示し、複数のナノスケール配線のうちの残りのナノスケール配線は電気伝導を示さないようにする、ステップと、
を有する方法。
【請求項16】
各ナノスケール配線には、ナノスケール配線に沿って軸方向に分布する第2の複数の制御可能領域が設けられることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項17】
ナノスケール配線にはさらに、ナノスケール配線の沿って軸方向に分布する第2の複数の制御可能領域が設けられることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
第2の複数の制御可能領域の各々は、第2の閾値よりも小さな値の信号で制御され、前記第2の閾値は前記第1の閾値よりも大きいことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項19】
第2の複数の制御可能領域の各々は、第2の閾値よりも大きな値の信号で制御され、前記第2の閾値は前記第1の閾値よりも大きいことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項20】
ナノスケール配線に沿った電気伝導は、前記第2の複数の制御可能領域の制御状態には依存しないことを特徴とする請求項16または17に記載の方法。
【請求項21】
前記第1および第2の複数の制御可能領域はドープされた領域であることを特徴とする請求項16または17に記載の方法。
【請求項22】
前記第1および第2の複数の制御可能領域は異なる材料からなることを特徴とする請求項16または17に記載の方法。
【請求項23】
前記制御配線はミクロスケール配線であることを特徴とする請求項14または15に記載の方法。
【請求項24】
前記制御配線はナノスケール配線であることを特徴とする請求項14または15に記載の方法。
【請求項25】
前記一連の領域は、別個のナノスケール配線に設置された領域からなり、1のナノスケール配線毎に1の領域が与えられることを特徴とする請求項14または15に記載の方法。
【請求項26】
ナノスケール配線は実質的に互いに平行であり、制御配線は実質的に互いに平行であることを特徴とする請求項14または15に記載の方法。
【請求項27】
複数のナノスケール配線は、サブパターン転写のピッチで束ねられることを特徴とする請求項14または15に記載の方法。
【請求項28】
ナノスケール配線は実質的に制御配線と直交することを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項29】
さらに、ナノスケール配線と前記制御配線の間に酸化物層を設置するステップを有する
ことを特徴とする請求項14または15に記載の方法。
【請求項30】
さらに、ナノスケール配線を酸化物で半径方向に被覆するステップを有することを特徴とする請求項14または15に記載の方法。
【請求項31】
制御される複数のナノスケール配線の各ナノスケール配線は、専用の領域列を有することを特徴とする請求項14または15に記載の方法。
【請求項32】
制御される複数のナノスケール配線の各ナノスケール配線は、1組の独立アドレス領域列を有することを特徴とする請求項14または15に記載の方法。
【請求項33】
ナノスケール配線群は独立してアドレス指定され、配列内のナノワイヤの大部分は、全ナノスケール配線群に含まれることを特徴とする請求項14または15に記載の方法。
【請求項34】
制御される複数のナノスケール配線は、
ナノスケール配線に設けられる制御可能領域の独立列の数を(C)、
各々が同じ制御可能領域列を持つナノスケール配線の数を(B)とし、確率的に選択される複数のナノスケール配線内のナノスケール配線の全数をC×Bとし、
確率的に選択される複数のナノスケール配線を構成するナノスケール配線数を(N)、
としたとき、
C×Bのナノスケール配線からNのナノスケール配線がランダムに選定されるように、確率的に選択されることを特徴とする請求項14または15に記載の方法。
【請求項35】
CはNよりも大きいことを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項36】
CはC=100×N以上であることを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項37】
CはC=Nであることを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項38】
複数のナノスケール配線は制御配線によって制御され、該制御配線数はCよりも少ないことを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項39】
制御配線数は、O(log(N))であることを特徴とする請求項38に記載の方法。
【請求項40】
制御配線数は、k≧1のいかなる場合も
【数1】

であることを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項41】
複数のナノスケール配線内のナノスケール配線をアドレス指定する方法であって、
ナノスケール配線の軸方向に沿って分布する制御可能領域を持つ各ナノスケール配線を提供するステップと、
大きなナノスケール配線組から複数のナノスケール配線を確率的に選択して、複数のナノスケール配線を構成するステップと、
を有する方法。
【請求項42】
さらに、複数のナノスケール配線のナノスケール配線上の制御可能領域を制御してまたは制御しないで、複数のナノスケール配線の中から単一のナノスケール配線を選択し、単一のナノスケール配線を独立にアドレス指定するステップを有することを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項43】
さらに、複数のナノスケール配線のうち、いずれのナノスケール配線も選択しないステップを有することを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項44】
さらに、複数のナノスケール配線のうち、全てのナノスケール配線を選択するステップを有することを特徴とする請求項41または43に記載の方法。
【請求項45】
さらに、複数のナノスケール配線のうち、いくつかのナノスケール配線を選択するステップを有することを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項46】
ナノスケール配線に沿った一連のドープ領域を繰り返して、前記制御配線と、制御配線幅よりも広い間隔で前記制御配線に接続されたナノスケール配線上の領域との配置のずれに許容性を持たせたことを特徴とする請求項14または15に記載の方法。
【請求項47】
ナノスケール配線上のアドレス領域は、各領域に印加される電圧を制御することにより、ナノスケール配線上の他の領域から区別されることを特徴とする請求項46に記載の方法。
【請求項48】
ナノスケール配線上の前記領域が形成される範囲にマスキングを行わないステップと、
ナノスケール配線内の残りの領域にバルクドーピングを行うステップと、
からなるプロセスで前記領域を製作して、前記制御配線と、制御配線幅よりも広い間隔で前記制御配線に接続されたナノスケール配線上の前記領域との配置のずれに許容性を持たせたことを特徴とする請求項14または15に記載の方法。
【請求項49】
ナノスケール配線に沿った一連のドーピング領域の部分を繰り返すことにより、前記制御配線と、ミクロスケール配線幅よりも広い間隔で前記制御配線に接続されたナノスケール配線上の前記領域との配置のずれに許容性を持たせたことを特徴とする請求項14または15に記載の方法。
【請求項50】
繰り返し部分は、所定の整列禁止領域の拡張部に応じて外延部を有することを特徴とする請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記制御可能領域の全長またはプロファイルを設計することにより、前記制御配線と、ミクロスケール配線幅よりも狭い間隔で前記制御配線に接続されたナノスケール配線上の前記領域との配置のずれに許容性を持たせたことを特徴とする請求項14または15に記載の方法。
【請求項52】
軸方向に沿って分布する第1の複数の制御可能領域を持つナノスケール配線であって、各領域が第1の閾値よりも小さな値の信号で制御された場合、あるいは信号で制御されない場合には、前記領域によって、ナノスケール配線に沿った電気伝導が可能となる、ナノスケール配線と、
前記ナノスケール配線に沿った電気伝導を制御する手段と、
を有する配置。
【請求項53】
軸方向に沿って分布する第1の複数の制御可能領域を持つナノスケール配線であって、第1の組の各領域が第1の閾値よりも大きな値の信号で制御された場合、前記領域によって、ナノスケール配線に沿った電気伝導が可能となる、ナノスケール配線と、
前記ナノスケール配線に沿った電気伝導を制御する手段と、
を有する配置。
【請求項54】
ナノスケール配線はさらに、該ナノスケール配線の軸方向に沿って分布する第2の複数の制御可能領域を持つことを特徴とする請求項52に記載の配置。
【請求項55】
ナノスケール配線はさらに、該ナノスケール配線の軸方向に沿って分布する第2の複数の制御可能領域を持つことを特徴とする請求項53に記載の配置。
【請求項56】
前記第1および第2の複数の領域は、ドープされた領域であることを特徴とする請求項54または55に記載の配置。
【請求項57】
前記第1および第2の複数の領域は、異なる材料で構成されることを特徴とする請求項54または55に記載の配置。
【請求項58】
前記制御する手段は複数の制御配線を有し、各制御配線はナノスケール配線の別個の領域に接続され、各制御配線は前記領域を制御する制御信号を伝送することを特徴とする請求項52または53に記載の配置。
【請求項59】
前記制御配線はミクロスケール配線またはナノスケール配線で構成される群から選択されることを特徴とする請求項58に記載の配置。
【請求項60】
複数のナノスケール配線であって、各ナノスケール配線は、ナノスケール配線の軸方向に沿って分布する第1の制御可能領域組を有し、各領域が第1の閾値よりも小さな値の信号で制御された場合、あるいは信号で制御されない場合には、前記制御可能領域によって、ナノスケール配線に沿った電気伝導が可能となる、複数のナノスケール配線と、
複数の制御配線であって、各制御配線は、一連の制御可能領域に接続され、該一連の制御可能領域を制御する信号を伝送することの可能な、複数の制御配線と、
を有する装置。
【請求項61】
複数のナノスケール配線であって、各ナノスケール配線は、ナノスケール配線の軸方向に沿って分布する第1の制御可能領域組を有し、各領域が第1の閾値よりも大きな値の信号で制御された場合、前記制御可能領域によって、ナノスケール配線に沿った電気伝導が可能となる、複数のナノスケール配線と、
複数の制御配線であって、各制御配線は、一連の制御可能領域に接続され、該一連の制御可能領域を制御する信号を伝送することの可能な、複数の制御配線と、
を有する装置。
【請求項62】
各ナノスケール配線はさらに、ナノスケール配線の軸方向にそって分布する第2の制御可能領域組を持つことを特徴とする請求項60または61に記載の装置。
【請求項63】
前記第1および第2の制御可能領域組は、ドープされた領域であることを特徴とする請求項62に記載の装置。
【請求項64】
前記第1および第2の制御可能領域組は、異なる材料で構成されることを特徴とする請求項62に記載の装置。
【請求項65】
前記制御配線は、ミクロスケール配線またはナノスケール配線で構成される群から選択されることを特徴とする請求項60または61に記載の装置。
【請求項66】
ナノスケール配線は実質的に互いに平行であり、前記制御配線は実質的に互いに平行であることを特徴とする請求項60または61に記載の装置。
【請求項67】
ナノスケール配線は、前記制御配線と実質的に直交することを特徴とする請求項66に記載の装置。
【請求項68】
さらに、ナノスケール配線と前記制御配線間に酸化層を有することを特徴とする請求項60または61に記載の装置。
【請求項69】
ナノスケール配線は、半径方向で酸化物に被覆されることを特徴とする請求項60または61に記載の装置。
【請求項70】
各ナノスケール配線は、一連の専用領域を有することを特徴とする請求項60または61に記載の装置。
【請求項71】
複数のナノスケール配線内の単一のナノスケール配線を単独でアドレス指定する装置であって、
ナノスケール配線の軸方向に沿って分布する制御可能領域を持つ各ナノスケール配線を提供する手段と、
複数のナノスケール配線から、制御されるナノスケール配線のサブ集合を確率的に選択して、サブ集合を形成する手段と、
ナノスケール配線のサブ集合のナノスケール配線上の制御可能領域を制御して、または制御しないで、ナノスケール配線のサブ集合の中から単一のナノスケール配線を選択する手段と、
を有する装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10C】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公表番号】特表2006−512782(P2006−512782A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−508519(P2005−508519)
【出願日】平成15年7月24日(2003.7.24)
【国際出願番号】PCT/US2003/023198
【国際公開番号】WO2004/061859
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(505028406)カリフォルニア インスティテュート オヴ テクノロジー (2)
【出願人】(505028576)プレジデント アンド フェロウズ オヴ ハーヴァード カレッジ (2)
【出願人】(501228071)エスアールアイ インターナショナル (66)
【氏名又は名称原語表記】SRI International
【住所又は居所原語表記】333 Ravenswood Avenue, Menlo Park, California 94025, U.S.A.
【出願人】(505028587)ブラウン ユニヴァーシティー (1)
【Fターム(参考)】