説明

サービス実行装置、利用量制限装置、利用量制限システム、及びプログラム

【解決課題】利便性を低下させずに、利用量制限を行うことができるようにする。
【解決手段】複合機12において、ユーザが認証情報と利用したいサービス毎の利用予定枚数を示す情報とを入力し(100)、認証情報と利用予定枚数の利用権限を要求する利用要求とM/C識別情報とをユーザ情報管理サーバ14に送信する(102)。そして、ユーザ情報管理サーバ14で、権限判定処理ルーチンが実行され、利用要求されたサービス毎に、要求された利用予定枚数が、ユーザが利用可能な枚数以下であるか否かを判定し(104)、認証が成功し、利用可能な枚数以下であると、複合機12は、認証成功メッセージと権限情報とを受信し、権限情報に基づいて、利用権限が付与された利用予定枚数を上限値としてユーザ権限テーブルに登録する(106)。そして、複合機12は、利用権限が与えられた利用予定枚数の範囲内で、ユーザの指示に基づいて、ジョブを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サービス実行装置、利用量制限装置、及び利用量制限システムに係り、特に、利用許可が与えられたサービスの利用量の範囲で、サービスが実行されるサービス実行装置、利用量制限装置、及び利用量制限システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外部サーバで一括してユーザの利用量制限を行うシステムにおいて、複数のデバイスからアクセスされたときに、利用量制限を正確に運用できるようなシステムが求められている。
【0003】
例えば、利用枚数が確定してから、その利用枚数の許可をサーバにもらいにいくことにより、利用枚数制限を実現しているシステムが知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2003−216395
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、投入したジョブでの消耗品の利用量が確定してから、サーバへアクセスして、ジョブの起動可否チェックを行うため、大量のドキュメントをコピーするジョブであるときには、ドキュメントを読み込むのに時間がかかっても、利用量が制限範囲を超えると、ジョブを起動することができず、利便性が低下してしまう、という問題がある。
【0005】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、利便性を低下させずに、利用量制限を行うことができるサービス実行装置、利用量制限装置、及び利用量制限システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために第1の発明に係るサービス実行装置は、ユーザを示すユーザ情報、自装置のサービスの利用予定量を示す利用予定情報、及び前記サービスの利用指示を入力するための入力手段と、前記入力手段から入力されたユーザ情報、及び前記利用予定情報が示す利用予定量の利用許可を要求する利用要求を、ユーザ毎に自装置のサービスの利用量を制限するための利用量制限装置に送信する送信手段と、前記利用量制限装置から、前記送信手段によって送信した利用要求に対する前記利用許可を与えるか否かを示す応答を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信した応答が利用許可を与えないことを示す場合には、前記入力手段から入力された利用指示に基づいて、前記サービスを実行せず、前記応答が利用許可を与えることを示す場合には、前記利用許可が与えられた利用要求の利用予定量の範囲内で、前記利用指示に基づいて、前記サービスを実行する実行手段とを含んで構成されている。
【0007】
第1の発明に係るサービス実行装置によれば、入力手段からユーザを示すユーザ情報と自装置のサービスの利用予定量を示す利用予定情報とが入力され、送信手段によって、入力されたユーザ情報、及び利用予定情報が示す利用予定量の利用許可を要求する利用要求を、利用量制限装置に送信する。そして、受信手段によって、利用量制限装置から、送信手段によって送信した利用要求に対する利用許可を与えるか否かを示す応答を受信する。
【0008】
そして、受信手段によって受信した応答が利用許可を与えないことを示す場合には、入力手段からサービスの利用指示が入力されても、実行手段によって、入力された利用指示に基づいて、サービスを実行しない。また、応答が利用許可を与えることを示す場合には、入力手段からサービスの利用指示が入力されると、実行手段によって、利用許可が与えられた利用要求の利用予定量の範囲内で、利用指示に基づいて、サービスを実行する。
【0009】
このように、利用指示に基づくサービスの利用量が確定する前に、利用予定量の利用許可を要求し、利用許可が与えられた場合には、利用予定量の範囲内で、利用指示に基づいてサービスを実行することにより、利便性を低下させずに、利用量制限を行うことができる。
【0010】
また、第1の発明に係るサービス実行装置は、原稿画像を読み取る読み取り手段と、読み取り手段によって読み取った原稿画像に基づいて、記録用紙に画像を形成する画像形成手段とを更に含むことができる。これにより、原稿画像の読み取りによってサービスの利用量が確定する前に、利用予定量の利用許可を要求するため、利便性を低下させずに、利用量制限を行うことができる。
【0011】
また、第2の発明に係る利用量制限装置は、ネットワークを介して複数のサービス実行装置に接続された利用量制限装置であって、ユーザを示すユーザ情報及び該ユーザ情報に対して予め定められた量をユーザ毎に記憶した記憶手段と、前記サービス実行装置から、前記ユーザ情報、及び該サービス実行装置のサービスの利用予定量の利用許可を要求する利用要求を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信した利用要求の利用予定量が、前記記憶手段に記憶された該ユーザ情報に対応する予め定められた量以下であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって、前記利用予定量が前記予め定められた量以下であると判定された場合には、前記受信した利用要求に対する利用許可を与えることを示す応答を前記サービス実行装置に送信し、前記判定手段によって、前記利用予定量と前記予め定められた量より大きいと判定された場合には、前記受信した利用要求に対する利用許可を与えないことを示す応答を前記サービス実行装置に送信する送信手段とを含んで構成されている。
【0012】
第2の発明に係る利用制限装置によれば、受信手段によって、サービス実行装置から、ユーザ情報、及びサービス実行装置のサービスの利用予定量の利用許可を要求する利用要求を受信し、判定手段によって、受信手段によって受信した利用要求の利用予定量が、記憶手段に記憶されたユーザ情報に対応する予め定められた量以下であるか否かを判定する。
【0013】
そして、判定手段によって、利用予定量が予め定められた量以下であると判定された場合には、送信手段によって、受信した利用要求に対する利用許可を与えることを示す応答をサービス実行装置に送信する。また、判定手段によって、利用予定量が予め定められた量より大きいと判定された場合には、送信手段によって、受信した利用要求に対する利用許可を与えないことを示す応答をサービス実行装置に送信する。
【0014】
このように、サービス実行装置においてサービスの利用量が確定する前に、サービス実行装置から、利用予定量の利用許可を要求する利用要求を受信し、利用予定量について判定して、利用要求に対する応答を送信することにより、サービス実行装置の利便性を低下させずに、利用量制限を行うことができる。
【0015】
ここで、予め定められた量は、ユーザ情報に対応して定められた利用量の上限値とユーザ情報が示すユーザが利用した量とに基づいて定められる量、または、ユーザ情報が示すユーザが利用できる残量である。
【0016】
また、第2の発明に係る記憶手段は、ユーザ情報、予め定められた量、及び利用許可した利用要求の利用予定量をユーザ毎に記憶し、判定手段は、受信手段によって受信した利用要求の利用予定量と記憶手段に記憶された利用予定量との和が、受信したユーザ情報に対応する予め定められた量以下であるか否かを判定することができる。これにより、他のサービス実行装置についてすでに利用許可している利用予定量も考慮して、利用要求に対して利用許可するか否かを判定することができる。
【0017】
また、第2の発明に係るユーザ情報は、認証情報を含み、利用量制限装置は、受信手段によって受信したユーザ情報の認証情報と、記憶手段に記憶されたユーザ情報の認証情報とを照合する認証手段を更に含み、送信手段は、認証手段によって認証情報が照合されなかった場合には、認証されなかったことを示す応答を前記サービス実行装置に送信し、認証手段によって認証情報が照合され、かつ、判定手段によって、利用予定量が予め定められた量以下であると判定された場合には、認証されたことと受信した利用要求に対する利用許可を与えることとを示す応答を前記サービス実行装置に送信し、認証手段によって認証情報が照合され、かつ、判定手段によって、利用予定量と予め定められた量より大きいと判定された場合には、認証されたことと受信した利用要求に対する利用許可を与えないこととを示す応答をサービス実行装置に送信することができる。これにより、認証情報が照合された場合のみ、利用要求に対する利用許可を与えることができる。
【0018】
また、第2の発明に係る利用量制限装置は、サービス実行装置から、ユーザが利用した量を示す利用結果通知を受信する利用結果受信手段と、利用結果受信手段によって受信した利用結果通知が示す利用した量に基づいて、記憶手段に記憶されたユーザに対して予め定められた量を更新する更新手段とを更に含むことができる。これにより、ユーザが実施利用した量を反映することができる。
【0019】
第3の発明に係る利用量制限システムは、ネットワークに接続され、かつ、複数のサービス実行装置及び利用量制限装置を備えた利用量制限システムであって、ユーザを示すユーザ情報、自装置のサービスの利用予定量を示す利用予定情報、及び前記サービスの利用指示を入力するための入力手段、前記入力手段から入力されたユーザ情報、及び前記利用予定情報が示す利用予定量の利用許可を要求する利用要求を送信する第1の送信手段、前記第1の送信手段によって送信した利用要求に対する前記利用許可を与えるか否かを示す応答を受信する第1の受信手段、及び前記第1の受信手段によって受信した応答が利用許可を与えないことを示す場合には、前記入力手段から入力された利用指示に基づいて、前記サービスを実行せず、前記応答が利用許可を与えることを示す場合には、前記利用許可が与えられた利用要求の利用予定量の範囲内で、前記利用指示に基づいて、前記サービスを実行する実行手段を含むサービス実行装置と、ユーザを示すユーザ情報及び該ユーザ情報に対して予め定められた量をユーザ毎に記憶した記憶手段、前記サービス実行装置から、前記ユーザ情報、及び該サービス実行装置のサービスの利用予定量の利用許可を要求する利用要求を受信する第2の受信手段、前記第2の受信手段によって受信した利用要求の利用予定量が、前記記憶手段に記憶された該ユーザ情報に対応する予め定められた量以下であるか否かを判定する判定手段、及び前記判定手段によって、前記利用予定量が前記予め定められた量以下であると判定された場合には、前記受信した利用要求に対する利用許可を与えることを示す応答を前記サービス実行装置に送信し、前記判定手段によって、前記利用予定量が前記予め定められた量より大きいと判定された場合には、前記受信した利用要求に対する利用許可を与えないことを示す応答を前記サービス実行装置に送信する第2の送信手段を含む利用量制限装置とを含んで構成されている。
【0020】
第3の発明に係る利用量制限システムによれば、サービス実行装置において、入力手段からユーザを示すユーザ情報と自装置のサービスの利用予定量を示す利用予定情報とが入力され、第1の送信手段によって、入力されたユーザ情報、及び利用予定情報が示す利用予定量の利用許可を要求する利用要求を、利用量制限装置に送信する。
【0021】
そして、利用量制限装置において、第2の受信手段によって、サービス実行装置から、ユーザ情報及び利用要求を受信し、判定手段によって、受信手段によって受信した利用要求の利用予定量が、記憶手段に記憶されたユーザ情報に対応する予め定められた量以下であるか否かを判定する。
【0022】
そして、判定手段によって、利用予定量が予め定められた量以下であると判定された場合には、送信手段によって、受信した利用要求に対する利用許可を与えることを示す応答をサービス実行装置に送信する。また、判定手段によって、利用予定量が予め定められた量より大きいと判定された場合には、送信手段によって、受信した利用要求に対する利用許可を与えないことを示す応答をサービス実行装置に送信する。
【0023】
そして、サービス実行装置において、第1の受信手段によって、利用量制限装置から、送信した利用要求に対する利用許可を与えるか否かを示す応答を受信する。そして、第1の受信手段によって受信した応答が利用許可を与えないことを示す場合には、入力手段からサービスの利用指示が入力されても、実行手段によって、入力された利用指示に基づいて、サービスを実行しない。また、応答が利用許可を与えることを示す場合には、入力手段からサービスの利用指示が入力されると、実行手段によって、利用許可が与えられた利用要求の利用予定量の範囲内で、利用指示に基づいて、サービスを実行する。
【0024】
このように、サービス実行装置において利用指示に基づくサービスの利用量が確定する前に、サービス実行装置から利用予定量の利用許可を要求し、利用量制限装置において、利用予定量について判定して、利用許可を与えた場合には、サービス実行装置において、利用予定量の範囲内で、利用指示に基づいてサービスを実行することにより、サービス実行装置の利便性を低下させずに、利用量制限を行うことができる。
【0025】
第3の発明に係るサービス実行装置は、ユーザによるサービスの利用が終了したときに、ユーザが利用した量を示す利用結果通知を利用量制限装置に送信する利用通知送信手段を更に含み、利用量制限装置は、サービス実行装置から、利用結果通知を受信する利用通知受信手段と、利用通知受信手段によって受信した利用結果通知が示す利用した量が、利用許可を与えた利用要求の利用予定量より大きいが否かを判定する利用量判定手段と、利用量判定手段によって、利用した量が前記利用予定量より大きいと判定された場合には、現時点以降の前記ユーザの利用要求に対する利用許可を与えることを禁止する利用禁止手段とを更に含むことができる。これにより、利用予定量より大きい量を利用した不正利用の場合には、以降のユーザの利用を禁止することができる。
【0026】
また、第3の発明に係る利用量制限装置は、利用した量が利用予定量より大きいと判定され、かつ、利用結果通知を送信したサービス実行装置以外のサービス実行装置において、利用結果通知が示す量を利用したユーザがサービスを利用している場合には、サービス実行装置においてユーザの利用を終了させるための利用終了通知を送信する利用終了通知送信手段とを更に含むことができる。これにより、利用予定量より大きい量を利用した不正利用の場合には、全てのサービス実行装置において、不正利用したユーザの利用を強制的に終了させることができる。
【0027】
また、第3の発明に係るサービス実行装置は、利用量制限装置から利用終了通知を受信する利用終了通知受信手段と、利用終了通知受信手段によって利用終了通知を受信した場合には、ユーザのサービスの利用を終了させる利用終了手段とを更に含むことができる。これにより、サービス実行装置が、不正利用による利用終了通知を受信した場合に、不正利用したユーザのサービスの利用を強制的に終了させることができる。
【0028】
また、第3の発明に係る利用量制限装置は、利用量判定手段によって、利用した量が利用予定量以下であると判定された場合に、受信した利用結果通知が示す利用した量に基づいて、記憶手段に記憶され、かつ、利用結果通知が示す量を利用したユーザを示すユーザ情報に対応する予め定められた量を更新する更新手段を更に含むことができる。これにより、ユーザが実際に利用した量に基づいて、ユーザに対応して予め定められた量を更新することができる。
【発明の効果】
【0029】
以上説明したように、本発明のサービス実行装置によれば、利用指示に基づくサービスの利用量が確定する前に、利用予定量の利用許可を要求し、利用許可が与えられた場合には、利用予定量の範囲内で、利用指示に基づいてサービスを実行することにより、利便性を低下させずに、利用量制限を行うことができる、という効果が得られる。
【0030】
本発明の利用量制限装置によれば、サービス実行装置においてサービスの利用量が確定する前に、サービス実行装置から、利用予定量の利用許可を要求する利用要求を受信し、利用予定量について判定して、利用要求に対する応答を送信することにより、サービス実行装置の利便性を低下させずに、利用量制限を行うことができる、という効果が得られる。
【0031】
本発明に係る利用量制限システムによれば、サービス実行装置において利用指示に基づくサービスの利用量が確定する前に、サービス実行装置から利用予定量の利用許可を要求し、利用量制限装置において、利用予定量について判定して、利用許可を与えた場合には、サービス実行装置において、利用予定量の範囲内で、利用指示に基づいてサービスを実行することにより、サービス実行装置の利便性を低下させずに、利用量制限を行うことができる、という効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本発明の実施の形態では、ネットワークで接続された複数の複合機及びユーザ情報管理サーバを備えた利用量制限システムに本発明を適用した場合を例に説明する。
【0033】
図1に示すように、本実施の形態に係る利用量制限システム10は、印刷処理や画像読取処理などを行うサービス実行装置としての複数の複合機12と、ユーザ情報、ユーザ毎の権限情報、及び複数の複合機12のジョブ実行結果に基づく各ユーザの利用量を一元管理すると共に、例えば、Kerberos、LDAPなどを用いた認証処理を行う利用量制限装置としてのユーザ情報管理サーバ14と、複数のPC端末20と、複合機12、ユーザ情報管理サーバ14、及びPC端末20を相互に接続するためのネットワーク22とによって構成されている。
【0034】
複合機12には、図2に示すように、スキャナ部、プラテン、及び自動原稿読取装置を備え、原稿の画像を読み取る読取部24と、プリントエンジンを備え、記録用紙に画像を印刷する印刷部26と、装置の各部を制御する制御部28と、各種情報を表示すると共に、各種処理を指示するための入力手段としての操作パネル部30と、認証用のユーザIDなどを格納した非接触型ICカードや接触型磁気カードの内容を読み取るカードリーダー32とが設けられている。
【0035】
制御部28には、主たる制御を行うCPU34と、プログラムや固定データを格納したROM36と、プログラム動作のためのシステムメモリや画像処理のためのページメモリとしてのRAM38と、画質調整などの各種設定パラメータや各種履歴などの不揮発性のデータを格納するNVRAM40と、画像データや各種履歴を格納するHDD42と、画像データの伸張圧縮処理や各種画像処理を行う画像処理部44と、操作パネル部30と接続するためのUIインタフェース46と、各種外部装置やネットワーク22と接続するための通信インタフェース48と、ネットワーク22と接続するためのLANポート50と、各種外部周辺装置へ接続するためのシリアルポート52と、USB1.1、2.0機器へ接続するためのUSBポート54と、FAXなどの公衆回線への接続を行うモデム制御部からなり、各種FAX機能を提供するモデム56と、読取部24や印刷部26と接続するためのデバイスインタフェース58とが設けられている。また、CPU34、ROM36、RAM38、NVRAM40、HDD42、画像処理部44、UIインタフェース46、通信インタフェース48、及びデバイスインタフェース58は、バス60によって相互に接続されている。
【0036】
また、操作パネル部30は、タッチパネルから構成される表示部62と、スタート、ストップ、テンキーなどのハードキーを備えた操作部64とから構成されている。
【0037】
ユーザ情報管理サーバ14のHDD(図示省略)には、図3に示すユーザ情報テーブルが記憶されており、ユーザ識別情報の各々に対して権限情報が登録されている。ユーザ識別情報として、認証情報としてのユーザID及びパスワードが登録されており、複合機12から受信したユーザID及びパスワードと照合して認証を行う。
【0038】
また、権限情報として、サービス及び管理属性毎に上限値、利用済み、及び予約の各々のカウンタ値が登録されている。複合機12から利用予定量としての利用したい枚数(利用予定枚数)の利用要求があった場合には、サービス及び管理属性毎に、
(上限値)≧(利用済み)+(予約)+(利用予定枚数)
が成り立てば、予約のカウンタ値に複合機12からの要求枚数を加算し、要求枚数の利用権限を与える。一方、上記の式が成り立たない場合は、利用要求に対し利用権限を与えない。
【0039】
また、ユーザ情報テーブルの権限情報には、ロックのオンオフが登録されており、ロックがオンの場合、複合機12から正しい認証情報及び要求枚数が入力されても、そのアカウントのユーザは複合機12の利用権限が与えられない。
【0040】
一方、ロックがオフであって、かつ、認証が成功し、利用要求に対し利用権限を与える場合には、複合機12には認証成功メッセージを送信して、ユーザ情報管理サーバ14のHDDに記憶された図4に示す権限付与管理テーブルに、利用権限を付与した利用予定間数を示す権限付与情報を登録する。権限付与情報管理テーブルには、ユーザID、M/C識別情報(Loginデバイス)、及び権限付与情報が登録され、権限付与情報として、サービス及び管理属性毎に、利用権限を与えた利用予定枚数が登録される。
【0041】
複合機12のHDD42には、図5に示すユーザ権限テーブルが記憶されており、ユーザ情報管理サーバ14に認証情報及び利用要求を送信した結果、認証に成功し、利用権限が与えられた場合には、複合機12のユーザ権限テーブルに、権限付与された利用予定枚数を示す権限情報が登録される。
【0042】
ユーザ権限テーブルには、複合機12側から要求した利用予定枚数が上限値として登録され、残り要求できる枚数が残数として保存される。また、ユーザが利用した枚数が利用済みのカウンタ値に加算され、利用済みカウンタの値が上限値に達したときに利用不可となる。
【0043】
また、ユーザは再度利用予定枚数を利用要求する場合は、残数を目安に要求することにより、ユーザ情報管理サーバ14側での権限判定による制限に引っかからなくなり、また、再度の利用要求に対して利用権限が付与された場合には、上限値及び残数が更新される。なお、登録された権限情報は、ユーザのログアウトが成功したタイミングで初期化される。
【0044】
なお、ユーザ情報管理サーバ14は、従来既知の一般的なサーバと同様の構成となっているため、ユーザ情報管理サーバ14の構成については、説明を省略する。また、PC端末20は、一般的なパーソナルコンピュータの構成となっていればよく、PC端末20の構成に関する説明を省略する。
【0045】
次に、本実施の形態に係る利用量制限システム10の作用について説明する。
【0046】
まず、ユーザが、複合機12にログインすると共に、利用予定量の利用許可としての利用権限をもらう際に、図6に示す認証シーケンスが行われる。ステップ100において、ユーザが複合機12の操作パネル部30を操作して、または、認証のICカードをカードリーダー32にかざして、ユーザID及びパスワードからなる認証情報とを入力すると共に、ユーザが複合機12の操作パネル部30を操作して、利用したいサービス毎の利用予定枚数を示す情報とを入力し、ステップ102において、ステップ100で入力された認証情報と、入力された利用予定枚数の利用権限を要求する利用要求と、複合機12のM/C識別情報とをユーザ情報管理サーバ14に送信する。
【0047】
そして、ステップ104において、ユーザ情報管理サーバ14で、図7に示す権限判定処理ルーチンが実行される。まず、ステップ120で、認証情報、利用要求、及びM/C識別情報を受信したか否かを判定し、これらが受信されると、ステップ122へ進み、受信した認証情報のユーザID及びパスワードが、ユーザ情報テーブルのユーザID及びパスワードと照合されるか否かを判定し、照合されなかった場合には、認証失敗と判断し、ステップ124において、認証失敗メッセージを複合機12に送信し、権限判定処理ルーチンを終了する。
【0048】
一方、上記のステップ120で、認証情報が照合されると、認証成功と判断し、ステップ126において、受信した認証情報のユーザIDとM/C識別情報とを権限付与情報管理テーブルに登録し、ステップ128において、利用要求されたサービス毎に、要求された利用予定枚数が、ユーザが利用可能な枚数以下であるか否かを判定する。各サービスについて、要求された利用予定枚数が、該当サービスの上限値から利用済みのカウンタ値と予約のカウンタ値とを減算した値より大きいと、利用可能な枚数を越えているため、利用権限を付与できないと判断し、ステップ130において、認証成功メッセージを複合機12に送信すると共に、全てのサービスの利用可能な残数を上限値、利用済み、及び予約のカウンタ値から算出して、算出された残数を示す残数情報を複合機12に送信して、権限判定処理ルーチンを終了する。
【0049】
一方、上記のステップ128で、各サービスについて、要求された利用予定枚数が、該当サービスの上限値から利用済みのカウンタ値と予約のカウンタ値とを減算した値以下であると、利用可能な枚数以下であるため、利用権限を付与できると判断し、ステップ132において、権限付与情報管理テーブルに、利用権限を付与する利用予定枚数として、要求された利用予定枚数を利用要求された各サービスについて登録し、次のステップ134で、認証成功メッセージを複合機12に送信すると共に、全てのサービスの利用可能な残数を、上限値、利用済み、及び予約のカウンタ値から算出して、残数情報と利用権限を付与する利用予定枚数を示す権限情報を複合機12に送信して、権限判定処理ルーチンを終了する。
【0050】
そして、図6の認証シーケンスのステップ106で、複合機12が認証成功メッセージを受信した場合には、複合機12のユーザ権限テーブルに、各サービスの残数情報を登録すると共に、要求した利用予定枚数の利用権限が付与された場合には、権限情報に基づいて、利用権限が付与された利用予定枚数を上限値として登録し、ユーザのログインを完了させる。
【0051】
上記の権限判定処理ルーチンにおいて、利用権限が付与されなかった場合には、認証が成功し複合機12にログインしたユーザは、複合機12に対して指示しても、印刷等のジョブが実行されない。
【0052】
また、権限判定処理ルーチンにおいてログインが完了した後に、再度、利用予定量の利用権限を要求する場合には、認証処理を行う必要がないため、利用予定枚数を入力して、ユーザ情報管理サーバ14に送信して、利用権限を要求する。
【0053】
次に、ログインしたユーザの指示に基づいて、複合機12でジョブを実行する場合について説明する。なお、本実施の形態では、実行するジョブとして10枚分の白黒コピーが行われる場合を例に説明する。
【0054】
まず、ログインしたユーザが読取部24のプラテンに10枚の原稿をセットし、操作パネル部30を操作して、白黒コピーのジョブの実行を指示すると、図8に示すジョブ実行処理ルーチンが複合機12において実行される。
【0055】
まず、ステップ140において、ユーザ権限テーブルから、ログインしたユーザの権限情報を読み込み、読み込んだ権限情報に基づいて、ジョブの起動可否を判定し、白黒コピーに関する利用済みのカウンタ値が、上限値のカウンタ値より小さいと、1枚の白黒コピーのジョブを起動することができると判断し、ステップ142で、ジョブを実行して、読取部24によって、1枚の原稿を読み取り、印刷部26によって、原稿の画像を記録用紙に印刷してコピーする。
【0056】
そして、次のステップ144では、白黒コピーに関する利用済みのカウンタ値を、印刷した枚数1枚分だけカウントアップし、ステップ146で、ジョブが終了したか否かを判定し、全ての原稿について白黒コピーが行われた場合には、ジョブ実行処理ルーチンが終了するが、白黒コピーが行われていない原稿が残っている場合には、ジョブが終了していないと判断し、ステップ140へ戻る。
【0057】
上記のステップ140で、白黒コピーに関する利用済みカウンタの値が、上限値カウンタの値に達している場合には、白黒コピーのジョブを起動することができないと判断し、ステップ148において、操作パネル部30に、「ジョブの中止」及び「再度サーバから利用権限を追加取得」の何れかの処理方法を選択させる画面を表示し、上限値に達したことをユーザに通知すると共に、処理方法を選択させて、ステップ150で、何れの処理方法が選択されたかを判定し、ジョブの中止が選択された場合には、ステップ152において、白黒コピーのジョブを中止して、ジョブ実行処理ルーチンを終了する。一方、上記のステップ150で、利用権限の追加取得が選択されたと判定された場合には、ステップ153において、ユーザが追加要求する利用予定枚数を入力したか否かを判定する。このとき、操作パネル部30に、ユーザ権限テーブルに登録されている残数を表示し、ユーザに残数を参照させることにより、追加して要求する利用予定枚数が、ユーザ情報管理サーバ14の権限判定の制限にひっかかることを回避させる。
【0058】
そして、追加要求する利用予定枚数が入力されると、ステップ154へ進み、ユーザ情報管理サーバ14にアクセスして、入力された利用予定枚数の利用要求を送信し、利用権限を追加取得して、ステップ140へ戻り、ジョブを再開する。
【0059】
なお、ステップ148で表示された選択画面の状態が、放置されている場合には、ある一定時間でジョブを自動的に中止させる。
【0060】
次に、ユーザが、複合機12の利用を終了し、複合機12及びユーザ情報管理サーバ14に対して認証解除してログアウトするときに、図9に示す認証解除シーケンスが行われる。まず、ステップ160において、ユーザが複合機12の操作パネル部30の解除ボタンを押下し、又は、タイムアウトになると、ステップ162において、ユーザ権限テーブルに登録されているユーザID、上限値のカウンタ値、及び利用結果通知としての利用済みのカウンタ値と、複合機12のM/C識別情報と、認証解除要求とをユーザ情報管理サーバ14に送信する。
【0061】
そして、ステップ164において、ユーザ情報管理サーバ14で、図10に示す認証解除処理ルーチンが実行される。まず、ステップ170において、まず、ユーザID、上限値のカウンタ値、利用済みのカウンタ値、M/C識別情報、及び認証解除要求を受信したか否かを判定し、これらが受信されると、ステップ172へ進み、権限付与情報管理テーブルから該当する情報を検索し、ステップ174で、受信した情報と検索された情報とに基づいて、不正利用があったか否かを判定する。
【0062】
受信した上限値のカウンタ値が、権限付与情報管理テーブルの上限値のカウンタ値と一致しない場合や、受信した利用済みのカウンタ値が、権限付与情報管理テーブルの上限値のカウンタ値よりも大きい場合には、改ざん又は不正利用があったと判断し、ステップ176において、ユーザ情報テーブルの該当ユーザのユーザIDに対応するロックをオンにして、現時点以降のアカウントの利用を停止する。そして、次のステップ178で、権限付与情報管理テーブルに基づいて、ロックしたアカウントで利用している他の複合機12があれば、該当する複合機12に利用終了通知を送信し、強制的に認証解除を行わせて、ロックしたアカウントに対応するユーザの利用を強制的に終了させる。そして、ステップ180で、管理者に不正利用メッセージを通知し、ステップ182において、解除要求を送信した複合機12に、不正利用エラーメッセージを送信して、認証解除処理ルーチンを終了する。
【0063】
なお、利用終了通知を受信した複合機12において、不正利用したユーザの指示に基づいて起動しているジョブがある場合には、起動しているジョブを強制終了させる。また、不正利用エラーメッセージを受信した複合機12や、利用終了通知を受信した複合機12では、不正利用したユーザの利用を終了させるだけであり、他のユーザの利用は可能である。
【0064】
また、上記のステップ174において、受信した上限値のカウンタ値が、権限付与情報管理テーブルの上限値のカウンタ値と一致し、かつ、受信した利用済みのカウンタ値が、権限付与情報管理テーブルの上限値のカウンタ値以下であると判定された場合には、改ざん又は不正利用がなかったと判断し、ステップ184で、受信した利用済みのカウンタ値を、ユーザ情報管理サーバ14で保持しているユーザ情報テーブルの該当ユーザIDの利用済みのカウンタ値に加算して更新し、次のステップ186で、ユーザ情報テーブルの該当ユーザIDに対する予約のカウンタ値を、受信した上限値のカウンタ値分減らして更新する。
【0065】
そして、ステップ188において、権限付与情報管理テーブルから、ステップ170で受信したユーザID及びM/C識別情報に該当するレコードを削除し、ステップ190で、認証解除成功メッセージを複合機12に送信して、認証解除処理ルーチンを終了する。
【0066】
そして、図9の認証解除シーケンスのステップ166で、複合機12が認証解除成功メッセージ又は不正利用エラーメッセージを受信した場合には、複合機12のユーザ権限テーブルから、認証解除したユーザIDに対するレコードを削除する。
【0067】
以上説明したように、第1の実施の形態に係る利用量制限システムによれば、原稿画像の読み取りによって、コピージョブの利用枚数が確定する前に、複合機から利用予定枚数の利用許可を要求し、ユーザ情報管理サーバにおいて、利用予定枚数について判定して、利用権限を付与した場合には、複合機において、利用予定枚数の範囲内で、ユーザの指示に基づいてコピージョブを実行することにより、複合機の利便性を低下させずに、利用量制限を行うことができる。
【0068】
また、ユーザ情報管理サーバで認証処理を行うことにより、認証情報が照合された場合のみ、利用要求に対する利用権限を付与することができる。
【0069】
また、利用予定枚数より大きい枚数を利用した不正利用の場合には、以降のユーザの利用を禁止することができる。また、利用予定枚数より大きい量を利用した不正利用の場合には、全ての複合機において、不正利用したユーザの利用を強制的に終了させることができる。
【0070】
また、複合機側で、権限付与された利用予定量が改ざんされると、以降のユーザの利用を禁止するため、改ざんを防ぐことができる。
【0071】
また、ネットワーク上に複数の複合機が接続されていて、ユーザ利用量制限を外部のユーザ情報管理サーバで一元管理するシステムで、ジョブが確定して利用枚数が確定する前でも、利用量制限を正確に行うことができる。
【0072】
また、ユーザが、利用予定枚数を予め指定するため、複合機で時間をかけて利用枚数の計算をした後に、ユーザ情報管理サーバ側の制限枚数に引っかかることは回避することができる。
【0073】
また、完全先読みでないコピージョブでも、利用量制限を行うことができる。
【0074】
なお、上記の実施の形態では、ユーザ情報管理サーバにおいて、ユーザ認証と利用量の権限付与の判定とを行う場合を例に説明したが、複数のサーバで、これらの機能を実現するようにしてもよい。例えば、ユーザ情報を管理する認証サーバ、各ユーザの権限付与情報を管理し、ユーザ認証の認証操作を代行する認証代行サーバ、及び複合機の各種ジョブ実行結果を収集して、各ユーザの利用量を管理する集計管理サーバから構成されるシステムによって、ユーザ認証と利用量の権限付与の判定とを実現するようにしてもよい。
【0075】
また、サービス実行装置として、コピージョブを行う複合機を用いた場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、フロージョブを行う複合機をサービス実行装置として用いて、フロージョブの利用量制限を行ってもよい。この構成においても、本発明によれば、フロージョブの利用量制限を行っても、フロージョブの途中で利用量制限によって中断することを回避することができる。
【0076】
また、認証情報、利用予定枚数、及びジョブの実行指示を、複合機の操作パネル部をユーザが直接操作して入力する場合を例に説明したが、PC端末からユーザが遠隔操作することによって、認証情報、利用予定枚数、及びジョブの実行指示を入力するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施の形態に係る利用量制限システムの構成を示す概略図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る複合機の構成を示す概略図である。
【図3】ユーザ情報管理サーバに記憶されているユーザ情報テーブルの内容を示すイメージ図である。
【図4】ユーザ情報管理サーバに記憶されている権限付与管理テーブルの内容を示すイメージ図である。
【図5】複合機に記憶されているユーザ権限テーブルの内容を示すイメージ図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る利用量制限システムの認証シーケンスの処理の流れを示すシーケンス図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るユーザ情報管理サーバの権限判定処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態に係る複合機のジョブ実行処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態に係る利用量制限システムの認証解除シーケンスの処理の流れを示すシーケンス図である。
【図10】本発明の実施の形態に係るユーザ情報管理サーバの認証解除処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0078】
10 利用量制限システム
12 複合機
14 ユーザ情報管理サーバ
22 ネットワーク
24 読取部
26 印刷部
28 制御部
30 操作パネル部
32 カードリーダー
34 CPU
42 HDD
44 画像処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザを示すユーザ情報、自装置のサービスの利用予定量を示す利用予定情報、及び前記サービスの利用指示を入力するための入力手段と、
前記入力手段から入力されたユーザ情報、及び前記利用予定情報が示す利用予定量の利用許可を要求する利用要求を、ユーザ毎に自装置のサービスの利用量を制限するための利用量制限装置に送信する送信手段と、
前記利用量制限装置から、前記送信手段によって送信した利用要求に対する前記利用許可を与えるか否かを示す応答を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信した応答が利用許可を与えないことを示す場合には、前記入力手段から入力された利用指示に基づいて、前記サービスを実行せず、前記応答が利用許可を与えることを示す場合には、前記利用許可が与えられた利用要求の利用予定量の範囲内で、前記利用指示に基づいて、前記サービスを実行する実行手段と、
を含むサービス実行装置。
【請求項2】
原稿画像を読み取る読み取り手段と、
前記読み取り手段によって読み取った原稿画像に基づいて、記録用紙に画像を形成する画像形成手段とを更に含むサービス実行装置。
【請求項3】
ネットワークを介して複数のサービス実行装置に接続された利用量制限装置であって、
ユーザを示すユーザ情報及び該ユーザ情報に対して予め定められた量をユーザ毎に記憶した記憶手段と、
前記サービス実行装置から、前記ユーザ情報、及び該サービス実行装置のサービスの利用予定量の利用許可を要求する利用要求を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信した利用要求の利用予定量が、前記記憶手段に記憶された該ユーザ情報に対応する予め定められた量以下であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって、前記利用予定量が前記予め定められた量以下であると判定された場合には、前記受信した利用要求に対する利用許可を与えることを示す応答を前記サービス実行装置に送信し、
前記判定手段によって、前記利用予定量が前記予め定められた量より大きいと判定された場合には、前記受信した利用要求に対する利用許可を与えないことを示す応答を前記サービス実行装置に送信する送信手段と、
を含む利用量制限装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、前記ユーザ情報、前記予め定められた量、及び利用許可した利用要求の利用予定量をユーザ毎に記憶し、
前記判定手段は、前記受信手段によって受信した利用要求の利用予定量と前記記憶手段に記憶された利用予定量との和が、前記受信したユーザ情報に対応する予め定められた量以下であるか否かを判定する請求項3記載の利用量制限装置。
【請求項5】
前記ユーザ情報は、認証情報を含み、
前記受信手段によって受信したユーザ情報の認証情報と、前記記憶手段に記憶されたユーザ情報の認証情報とを照合する認証手段を更に含み、
前記送信手段は、前記認証手段によって前記認証情報が照合されなかった場合には、認証されなかったことを示す応答を前記サービス実行装置に送信し、
前記認証手段によって前記認証情報が照合され、かつ、前記判定手段によって、前記利用予定量が前記予め定められた量以下であると判定された場合には、認証されたことと前記受信した利用要求に対する利用許可を与えることとを示す応答を前記サービス実行装置に送信し、
前記認証手段によって前記認証情報が照合され、かつ、前記判定手段によって、前記利用予定量と前記予め定められた量より大きいと判定された場合には、認証されたことと前記受信した利用要求に対する利用許可を与えないこととを示す応答を前記サービス実行装置に送信する請求項3又は4記載の利用量制限装置。
【請求項6】
前記サービス実行装置から、前記ユーザが利用した量を示す利用結果通知を受信する利用結果受信手段と、
前記利用結果受信手段によって受信した利用結果通知が示す利用した量に基づいて、前記記憶手段に記憶された前記ユーザに対して予め定められた量を更新する更新手段とを更に含む請求項3〜請求項5の何れか1項記載の利用量制限装置。
【請求項7】
ネットワークに接続され、かつ、複数のサービス実行装置及び利用量制限装置を備えた利用量制限システムであって、
ユーザを示すユーザ情報、自装置のサービスの利用予定量を示す利用予定情報、及び前記サービスの利用指示を入力するための入力手段、
前記入力手段から入力されたユーザ情報、及び前記利用予定情報が示す利用予定量の利用許可を要求する利用要求を送信する第1の送信手段、
前記第1の送信手段によって送信した利用要求に対する前記利用許可を与えるか否かを示す応答を受信する第1の受信手段、及び
前記第1の受信手段によって受信した応答が利用許可を与えないことを示す場合には、前記入力手段から入力された利用指示に基づいて、前記サービスを実行せず、前記応答が利用許可を与えることを示す場合には、前記利用許可が与えられた利用要求の利用予定量の範囲内で、前記利用指示に基づいて、前記サービスを実行する実行手段を含むサービス実行装置と、
ユーザを示すユーザ情報及び該ユーザ情報に対して予め定められた量をユーザ毎に記憶した記憶手段、
前記サービス実行装置から、前記ユーザ情報、及び該サービス実行装置のサービスの利用予定量の利用許可を要求する利用要求を受信する第2の受信手段、
前記第2の受信手段によって受信した利用要求の利用予定量が、前記記憶手段に記憶された該ユーザ情報に対応する予め定められた量以下であるか否かを判定する判定手段、及び
前記判定手段によって、前記利用予定量が前記予め定められた量以下であると判定された場合には、前記受信した利用要求に対する利用許可を与えることを示す応答を前記サービス実行装置に送信し、
前記判定手段によって、前記利用予定量が前記予め定められた量より大きいと判定された場合には、前記受信した利用要求に対する利用許可を与えないことを示す応答を前記サービス実行装置に送信する第2の送信手段を含む利用量制限装置と、
を含む利用量制限システム。
【請求項8】
前記サービス実行装置は、前記ユーザによるサービスの利用が終了したときに、該ユーザが利用した量を示す利用結果通知を前記利用量制限装置に送信する利用通知送信手段を更に含み、
前記利用量制限装置は、前記サービス実行装置から、前記利用結果通知を受信する利用通知受信手段と、
前記利用通知受信手段によって受信した利用結果通知が示す利用した量が、利用許可を与えた利用要求の利用予定量より大きいが否かを判定する利用量判定手段と、
前記利用量判定手段によって、前記利用した量が前記利用予定量より大きいと判定された場合には、現時点以降の前記ユーザの利用要求に対する利用許可を与えることを禁止する利用禁止手段とを更に含む請求項7記載の利用量制限システム。
【請求項9】
前記利用量制限装置は、前記利用した量が前記利用予定量より大きいと判定され、かつ、前記利用結果通知を送信したサービス実行装置以外のサービス実行装置において、該利用結果通知が示す量を利用したユーザがサービスを利用している場合には、該サービス実行装置において該ユーザの利用を終了させるための利用終了通知を送信する利用終了通知送信手段とを更に含む請求項8記載の利用量制限システム。
【請求項10】
前記サービス実行装置は、前記利用量制限装置から利用終了通知を受信する利用終了通知受信手段と、
前記利用終了通知受信手段によって前記利用終了通知を受信した場合には、前記ユーザのサービスの利用を終了させる利用終了手段とを更に含む請求項9記載の利用量制限システム。
【請求項11】
前記利用量制限装置は、前記利用量判定手段によって、前記利用した量が前記利用予定量以下であると判定された場合に、前記受信した利用結果通知が示す利用した量に基づいて、前記記憶手段に記憶され、かつ、前記利用結果通知が示す量を利用したユーザを示すユーザ情報に対応する前記予め定められた量を更新する更新手段を更に含む請求項8〜請求項10の何れか1項記載の利用量制限システム。
【請求項12】
コンピュータを、
ユーザを示すユーザ情報、自装置のサービスの利用予定量を示す利用予定情報、及び前記サービスの利用指示を入力して、入力されたユーザ情報、及び前記利用予定情報が示す利用予定量の利用許可を要求する利用要求を、ユーザ毎に自装置のサービスの利用量を制限するための利用量制限装置に送信する送信手段と、
前記利用量制限装置から、前記送信手段によって送信した利用要求に対する前記利用許可を与えるか否かを示す応答を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信した応答が利用許可を与えないことを示す場合には、前記入力手段から入力された利用指示に基づいて、前記サービスを実行せず、前記応答が利用許可を与えることを示す場合には、前記利用許可が与えられた利用要求の利用予定量の範囲内で、前記利用指示に基づいて、前記サービスを実行する実行手段として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−186101(P2008−186101A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−17135(P2007−17135)
【出願日】平成19年1月26日(2007.1.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】