サービス提供方法,自動錠付き容器及び物品配送方法
【課題】通信手段を介して複数のサービス情報から所望のサービス情報を選択可能にする方法、そして、受取人不在時に物品を受け取り可能とする方法とその容器を提供する。
【解決手段】サービス提供方法においては、ネットワークを介して、複数のサービス事業者(例えば、宅配事業者6)からサービス情報を収集し、該サービス情報を選択可能な一覧形式に編集して利用者(例えば、物品購入者1)に表示し、該利用者に前記サービス情報を選択させることを特徴とする。また、受取人不在時の配送方法においては、配送要請を受けたサーバ内で受取人と配送事業者以外の者に対して秘匿されたキーコードを発生させ、受取人と配送事業者へ該キーコードを伝達することと、受取人不在でも前記キーコードを用いて物品を受け取り可能とする容器を使用して配送物を受け取ることと、を特徴とする。
【解決手段】サービス提供方法においては、ネットワークを介して、複数のサービス事業者(例えば、宅配事業者6)からサービス情報を収集し、該サービス情報を選択可能な一覧形式に編集して利用者(例えば、物品購入者1)に表示し、該利用者に前記サービス情報を選択させることを特徴とする。また、受取人不在時の配送方法においては、配送要請を受けたサーバ内で受取人と配送事業者以外の者に対して秘匿されたキーコードを発生させ、受取人と配送事業者へ該キーコードを伝達することと、受取人不在でも前記キーコードを用いて物品を受け取り可能とする容器を使用して配送物を受け取ることと、を特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サービス提供方法,容器及び配送方法であって、例えば、通信手段を介したサービス提供方法と、そして、自動錠付き容器を用いた物品配送方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、インターネットなどの通信手段を介した物品購入は一般的になっており、利用者(即ち、物品購入者)はインターネット上に構築された仮想店舗(即ち、物品販売事業者サーバ)を利用して、物品を購入し、該物品の配送を受けることになる。例えば、図10に示す協調関連図及び図11に示すシーケンス図(図11は図10に対応するシーケンス図)のような配送サービス方法が採られている(なお、図10及び図11中では、物品購入者は配送を受ける受取人と同一人物である)。
【0003】
まず、図10中の物品購入者1は、該物品購入者1が操作する端末装置(以後、利用者端末装置と称する)にインストールされたクライアントプログラム2を介し、インターネット上の物品販売事業者サーバ4にアクセスし、物品を購入する(T1)。なお、前記利用者端末装置は通信端末装置であり、例えば、インターネットに接続可能なパーソナルコンピューターである。また、前記物品販売事業者サーバ4は図10中の物品購入者3が運営するサーバであり、例えば、該物品販売事業者サーバ4内部の記憶装置(例えば、ハードディスク)には、物品売買に必要な事項を記したHTML(HyperText Markup Language)文書,該HTML文書中のタグによってリンク可能な画像,音声,テキスト,プログラムなどを格納している。
【0004】
次に、前記物品販売事業者サーバ4は購入された物品に関する配送要請を宅配事業者サーバ(図10中の宅配事業者6が運営しており、配送管理を行うサーバ)5へ伝送する(T15)。そして、前記宅配事業者サーバ5は前記宅配事業者6に配送情報を伝達し、該宅配事業者6は該配送情報に従って集荷や配送を行う(なお、集荷や配送は該宅配事業者6に所属する配送者が行う)。また、前記宅配事業者6が前記物品購入者1(図10中では物品購入者1が受取人)に物品を引き渡すときに、該宅配事業者6は該物品購入者1から受け取り証明印章100によって捺印された受け取り証明を受領する。例えば、前記受け取り証明印章100は配送伝票などに押印されることになる(T16)。
【0005】
さらに、図11を用いて前記配送サービス方法のシーケンスを詳細に説明する。なお、図11中の符号1から6は図10中の同符号のものと同じもののため、詳細な説明を省略する。まず、図11中の物品購入者1がクライアントプログラム2を介して、物品購入指示を物品販売事業者サーバ4へ伝送する手順から開始される(M2,M3)。そして、前記物品販売事業者サーバ4は宅配事業者サーバ5へ物品の配送要請を伝送する(M39)。なお、前記配送要請にはインターネットなどの公衆網ではなく、例えば、専用線などを使っても良い。
【0006】
次に、前記宅配事業者サーバ5は前記宅配事業者6へ集荷と配送を指示(例えば、電子メールなどの電子媒体または紙媒体で指示)する(M40)。そして、前記宅配事業者6は物品販売事業者3の下に赴いて、物品の集荷を行う(M12,M13)。さらに、前記宅配事業者6は、配送先(例えば、前記物品購入者1の自宅)に赴いて、該物品購入者1の立ち会いの下に、該物品購入者1へ物品を引き渡し(M41)、該物品購入者1の受け取り証明印章によって捺印された受け取り証明を、受領する(M42)。
【0007】
なお、図10及び図11中の通信手段で用いられる通信プロトコル及びドキュメントシステムは、インターネットなどの通信ネットワークで使用されているものであり、例えば、通信プロトコルはHTTP(HyperText Transfer Protocol),SMTP(Simple Mail Transfer Protocol),POP3(Post Office Protocol version 3)、また、ドキュメントシステムはWWW(World Wide Web)である。
【0008】
前述の図10及び図11に示すような配送サービスによれば、前記物品購入者1が物品配送サービスを決定する場合には、予め、物品販売事業者3が宅配事業者(図11中では、宅配事業者サーバ5を運営している宅配事業者)6を選択しているため、該物品購入者1が配送サービスを能動的に選択することはなく、該物品購入者1は物品購入指示と同時に、該宅配事業者6の配送サービスを申し込むことになる。このような配送サービスの決定方法では、配送サービス価格が物品価格の一部として見做され易くなる(例えば、図11中の物品購入者1は、物品価格に配送サービス価格を含み入れて評価してしまうことがある)。
【0009】
また、前記物品購入者1が配送先に不在の場合、前記宅配事業者6は該物品購入者1から受け取り証明を得られないため、物品を持ち帰ることが多い。その際に、前記宅配事業者6は、例えば、不在票などの連絡手段を通じて、前記物品購入者1が確実に前記物品を受け取り可能な日時情報を得る。その後、前記宅配事業者6は前記日時情報に従って前記物品を届けることになる。
【0010】
以上のような配送サービスの他にも、非接触IC(Integrated Circuit)カードを用いて、オンラインショッピングを行い、購入した物品がコンビニエンスストアに配送され、そのコンビニエンスストアで非接触ICカードによる認証を行い、物品を受けとる技術も知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−281453号公報(段落[0018]〜[0055]等)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前述のような配送サービスの決定方法によれば、前記の物品価格が物品購入者から曖昧に評価(例えば、同種類の物品価格が曖昧に比較)される恐れがあった。このために、例えば、他の物品販売事業者が販売する同種類の物品価格の方が安価であると認識されて、前記物品販売事業者の価格競争力が損なわれることがあった。さらに、配送事業者の配送サービスにおいても、物品価格に対する曖昧な評価(即ち、配送サービス価格に対する曖昧な評価)によって、他の配送事業者が提供する同一の配送サービスに対する価格との違いを配送サービス購入者(即ち、物品購入者)に認識されないことがあった。その上、配送サービス購入者も、配送事業者間における配送サービス価格及び内容の違いを明確に認識できないために、配送事業者を意図的に選択する動機が希薄になっていた。
【0012】
また、前述のような配送サービス方法(即ち、配送方法)によれば、受取人は物品を直に受け取った後で受け取り証明印章を配送事業者(例えば、宅配事業者)に利用させる必要があるため、該受取人は物品を受け取るまで拘束(例えば、受け取り可能な日時,場所(例えば、物品購入者の自宅))される可能性があった。一方、前記配送事業者においては、受取人不在のときに、受け取り証明印章を利用できないため、再配送を行うことなり、その結果、作業時間の増大を招く恐れがあった。
【0013】
本発明の目的は、前記課題に基づいてなされたものであり、インターネットなどの通信手段を介した取引の利便性を向上するサービス提供方法,自動錠付き容器及び物品配送方法を提供することになる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、前記課題の解決を図るために、請求項1記載の発明は、利用者端末装置からネットワーク上のサーバを介して行うサービス提供方法であって、サービス情報問い合せサーバからサービス情報提供サーバへサービス情報を問い合わせる問い合せステップと、該サービス情報問い合せサーバが該問い合わせに対して該サービス情報提供サーバから返信されたサービス情報を選択可能な一覧形式に編集して前記利用者端末装置へ表示する表示ステップと、該サービス情報問い合せサーバが該利用者端末装置で選択したサービス情報と利用者情報と、を選択したサービス情報を返信したサービス情報提供サーバへ伝送する選択ステップと、を有することを特徴とする。
【0015】
請求項2記載の発明は、キーコードと暗証番号を読み取り可能な読取装置と、扉開閉検出装置と、解施錠装置と、暗証番号記憶手段と、キーコード記憶手段と、該読取装置,扉開閉検出装置,解施錠装置を制御して該暗証番号記憶手段,キーコード記憶手段へアクセスする装置と、を備えた錠制御装置であって、前記読取装置に暗証番号を読み取らせ、該暗証番号を前記暗証番号記憶手段によって該読取装置に記憶させる手段と、該読取装置に読み取らせた暗証番号と該暗証番号記憶手段から取得した暗証番号を用いて第1の認証を行わせ、該第1の認証が成功すると前記解施錠装置に錠を解錠させ、かつ、該読取装置からのキーコードを読み取ることを許可させる手段と、該読取装置にキーコードを読み取らせ、該キーコードを前記キーコード記憶手段によって該読取装置に記憶させる手段と、該読取装置にキーコードを読み取らせ、該読取装置に読み取らせたキーコードと該キーコード記憶手段から取得したキーコードとを用いて第2の認証を行わせ、該第2の認証が成功すると、該第2の認証に使用した前記キーコード記憶手段で記憶したキーコードを使用不可能にし、該解施錠装置に該錠を解錠させる手段と、扉の閉扉状態を前記扉開閉検出装置に検出させ、該解施錠装置に該錠を施錠させる手段と、該扉の開扉状態を該扉開閉検出装置に検出させる手段と、を具備したことを特徴とする。
【0016】
請求項3記載の発明は、物体を出し入れ可能な開口部が備えられた容器と、該開口部を閉塞可能かつ開放可能な扉と、該扉または該容器に設置された錠と、を備える自動錠付き容器であって、前記扉の開閉状態を検出し、かつ、前記錠の解施錠を制御する錠制御装置を設置したことを特徴とする。
【0017】
請求項4記載の発明は、ネットワークを介した物品の配送要請に応じて、物品配送を一意に識別するキーコードの発生と伝達を行い、自動錠付き容器に物品を配送する物品配送方法であって、前記物品の配送要請を受けたサーバが前記キーコードを生成し、該キーコードを前記物品の受取人と配送者へ伝達するキーコード配送ステップと、前記自動錠付き容器によって該受取人の暗証番号を読み取り、該読み取った暗証番号と前記自動錠付き容器に設定された暗証番号を用いて第1の認証を行い、該第1の認証が成功した後に、前記受取人に伝達したキーコードを前記自動錠付き容器が読み取り設定し、自動錠付き容器に受け取り証明印章が格納された状態で、該自動錠付き容器の扉を閉扉して実行されるキーコード設定ステップと、前記の配送者に伝達したキーコードを前記自動錠付き容器が読み取り、該読み取ったキーコードと前記自動錠付き容器に設定されたキーコードを用いて第2の認証を行い、該第2の認証が成功した後に、前記自動錠付き容器に設置された錠を解錠して実行される物品格納ステップと、を有することを特徴とする。
【0018】
前記の請求項1記載の発明によれば、利用者はサービス情報を選択可能な一覧形式から所望のサービス情報を利用者に選択させることができる。
【0019】
前記の請求項2記載の発明によれば、前記のキーコードもしくは暗証番号を使用した認証を行って、錠を制御することができる。
【0020】
前記の請求項3記載の発明によれば、前記の容器に格納された物体を受取人及び配送者以外の者に対して秘匿することができる。
【0021】
前記の請求項4記載の発明によれば、前記の第1の認証と第2の認証が可能な前記自動錠付き容器を用いた配送を行うことができる。また、受取人はキーコード及び暗証番号を前記自動錠付き容器に設定することができる。さらに、配送事業者はキーコードを前記自動錠付き容器に読み取らせることができる。
【発明の効果】
【0022】
以上示したように請求項1に記載の発明によれば、利用者に対し物品売買価格や配送サービス価格及び内容を適確に認識させ、該利用者が意図する物品売買や配送サービスの提供および選択が可能となる。
【0023】
また、請求項2乃至4に記載の発明によれば、前記受取人は、物品を受け取るまでの過程において拘束(例えば、自宅に待機していなければならない等の拘束)されることが無くなり(例えば、前記の自動錠付き容器とキーコードを用いて、不在時でも配送された物品を受け取ることが可能であり)、一方、配送事業者の作業時間の短縮も可能となる。
【0024】
そして、これらを以って一般のサービス事業及び配送事業の分野に貢献することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態におけるサービス提供方法と受取人不在時の配送方法を図面等に基づいて詳細に説明する。前記のサービス提供方法においては、ネットワーク(例えば、インターネット)を介して、複数のサービス事業者からサービス情報を収集し、該サービス情報を選択可能な一覧形式に編集して利用者に提示し、該利用者に前記サービス情報を選択させることを特徴とする。また、前記の受取人不在時の配送方法においては、配送要請を受けたサーバ内で受取人と配送事業者(例えば、宅配事業者)以外の者に対して秘匿されたキーコードを発生させ、受取人と配送事業者へ該キーコードを伝達することと、受取人不在でも前記キーコードを用いて物品を受け取り可能とする容器(以後、自動錠付き容器と称する)を使用して配送物を受け取ることと、を特徴とする。なお、以下に説明する実施の形態では、ネットワークにおいて、TLS(Transport Layer Security)やS/MIME(Secure Multipurpose Internet Mail Extension)などの通信におけるセキュリティを確保するための一般的なプロトコルを利用することを前提とする。
【0026】
本実施の形態におけるサービス提供方法の一例の概要を図1に基づいて説明する。なお、図1中の符号2,3,6は図10中の同符号のものと同じもののため、詳細な説明は省略する。また、本実施例では、受取人と物品購入者を同一人物とし、さらに、サービス事業の一業種である宅配事業を以って説明する。
【0027】
まず、図1では、物品購入者1が操作する利用者端末装置にインストールされたクライアントプログラム2を介し、インターネット上の物品販売事業者サーバ4にアクセスし、物品購入を行う手順から開始する(T1)。そして、前記物品販売事業者サーバ4は、前記物品購入者1の利用情報(例えば、配送元住所、配送先住所)と購入された物品情報(例えば、荷姿サイズ情報)を宅配事業者選択サービスサーバ(即ち、本実施の形態におけるサービス情報問い合せサーバ)8に伝送する(T10)。なお、前記宅配事業者選択サービスサーバ8は、宅配事業者選択サービス提供者9が運営するサーバであり、例えば、該宅配事業者選択サービスサーバ8内部の記憶装置において、前記宅配事業者選択サービスに必要な事項を記したHTML文書,該HTML文書中のタグによってリンク可能な画像,音声,テキスト,プログラムなどを格納している。
【0028】
次に、前記宅配事業者選択サービスサーバ8は、宅配事業者サーバ(即ち、本実施の形態におけるサービス情報提供サーバ)5群へ前記の利用者情報と物品情報を問い合せ条件に設定して問い合わせる(T11)。なお、本実施例では、前記宅配事業者サーバ5群は前記宅配事業者選択サービスサーバ8に、予め事前登録されているものとする。そして、前記の宅配事業者サーバ5群は、前記の利用者情報と物品情報に対応する配送サービス情報(例えば、配送価格情報,オプションサービス情報)を前記宅配事業者選択サービスサーバ8へ返信する(T12)。さらに、前記宅配事業者選択サービスサーバ8は前記物品購入者1に対して、前記の宅配事業者サーバ5群から伝送された配送サービス情報を選択可能な一覧形式に編集して、該物品購入者1の利用者端末装置に前記クライアントプログラム2を介して提示する(T13)。
【0029】
次に、前記物品購入者1は、前記の利用者端末装置に提示された一覧から所望の配送サービスを選択し、選択指示を前記宅配事業者選択サービスサーバ8へ伝送する(T14)。さらに、前記選択指示を前記宅配事業者選択サービスサーバ8が受信し、前記選択された配送サービスを提供する宅配事業者サーバ5へ配送要請指示を伝送する(T15)。また、前記配送要請指示を受信した宅配事業者サーバ5は、宅配事業者6に集荷や配送指示を伝達する。そして、前記宅配事業者6は前記配送指示に従って前記物品購入者1に物品を引き渡す(T16)。
【0030】
さらに、本実施の形態における前記サービス提供方法の一例の詳細なシーケンスを図2に基づいて説明する。なお、図2中の符号1から4,6,8は、図1中の同符号のものと同じもののため、詳細な説明を省略する。
【0031】
まず、図2中の物品購入者1がクライアントプログラム2を介して、インターネット上に構築された物品販売事業者サーバ4に物品購入指示を伝送する(M2,M3)。そして、前記物品販売事業者サーバ4は、前記物品購入者1の利用者情報及び物品情報を宅配事業者選択サービスサーバ8へ伝送する(M31)。
【0032】
また、前記の利用情報及び物品情報を受信した宅配事業者選択サービスサーバ8は、事前に登録済み(M32)の宅配事業者サーバ群(図2中では宅配事業者サーバ群5´)へ該利用者情報及び物品情報を問い合せ条件に設定し、配送サービス情報の問い合わせ指示を伝送すると共に、該利用者情報及び物品情報を一時的に保持する(M33)。なお、前記の保持期間には、ある一定の期間が必要になるが、例えば、少なくとも前記クライアントプログラム2と前記宅配事業者選択サービスサーバ8との間の接続が継続している時間が挙げられる。
【0033】
次に、前記宅配事業者サーバ群5´は、受信した前記の問い合わせ指示に対応する配送サービス情報(宅配事業者6が提供するサービスの配送サービス情報)を前記宅配事業者選択サービスサーバ8へ返信する(M34)。そして、前記宅配事業者選択サービスサーバ8は、受信した前記複数の配送サービス情報を前記物品購入者1が選択可能な形式(例えば、HTMLのラジオボタン形式)に編集した後、さらに、一覧形式に編集して表示する(M35,M36)。なお、前記一覧表示には一般的なインターネットの技術が使用されるが、例えば、HTML文書,CGI(Common Gate Interface)などが使用される。
【0034】
一方、前記物品購入者1は、表示された前記一覧から所望の配送サービス情報をクライアントプログラム2を介して選択し、その選択指示を前記宅配事業者選択サービスサーバ8に伝送する(M37,M38)。さらに、前記選択指示を受信した宅配事業者選択サービスサーバ8は、前記配送要請と一時的に保持していた前記の利用者情報,物品情報と、を前記選択された配送サービスを提供する宅配事業者6の宅配事業者サーバ5に伝送する(M39)。そして、前記の利用者情報,物品情報,配送要請を受信した宅配事業者サーバ5は、図11中に示すシーケンス(図11中の符号M12,M13,M40,M41,M42)と同様なシーケンスで、物品購入者1への配送を行う。
【0035】
以上示したように本実施の形態におけるサービス提供方法によれば、宅配事業者選択サービスサーバがサービス選択手順を有しているため、物品購入者が各宅配事業者の配送サービス情報の中から所望の配送サービス情報を選択することができる。
【0036】
次に、本実施の形態における自動錠付き容器の構成の一例を図3に基づいて説明する。まず、図3中の自動錠付き容器7の本体は、物体を出し入れ可能な開口部を備えた本体Aである。さらに、前記容器本体Aには、前記開口部を開放及び閉塞可能な位置で、該開口部を開閉可能な扉Bが設置されており、該扉Bを開扉して物品などを該容器本体Aに出し入れ可能な構成となっている。なおさらに、前記扉B(または、前記容器本体A)には錠Cが設置されており、該錠Cが施錠状態時には該容器本体Aの開口部が該扉Bで閉塞され、該扉Bは開扉不可能となる。一方で、前記錠Cが解錠状態時には前記扉Bが開扉可能(例えば、分離もしくは、部分的に分離)となり、該容器本体Aの開口部を開放することができる。そして、前記錠Cには錠制御装置D(後に詳細に説明する)が設置されており、該錠制御装置Dは該錠Cの解施錠動作を暗証番号及びキーコードの照合によって制御する。
【0037】
なお、本実施の形態における前記自動錠付き容器7の構成の一例では、前記容器本体Aに開口部が1つ備えられており、その開口部の大きさは該開口部を通じて物品を前記容器内部へ格納可能な大きさに設計されている。加えて、前記容器本体Aには前記扉Bが1つ、前記錠Cが一つ、前記錠制御装置Dが1つ、それぞれ設置されている。
【0038】
さらに、本実施の形態における前記錠制御装置Dを電気的に構成した一例を説明する。図3中の錠制御装置Dは前記錠Cを自動的に制御する装置であるが、単体の装置ではなく、補助装置群(キーコード及び暗証番号読取装置D1(以下、読取装置D1と略す),扉開閉検出装置D2,解施錠装置D3)を備えており、電子装置D6で該補助装置群に関する制御を行っている。なお、前記電子装置D6は、プログラムをCPUで実行する一般的な装置(例えば、マイクロコンピューター)で実現しても良いし、論理回路で構成された装置で実現しても良い。
【0039】
まず、前記読取装置D1においては、キーコードもしくは暗証番号を読み取る機能を有しており、例えば、キーボード,赤外線通信などの無線技術,USB(Universal Serial Bus)などの有線技術を使った装置である。その読み取られたキーコードもしくは暗証番号は、それぞれ前記キーコード記憶領域(1つ以上のキーコードを記憶可能な領域)D5もしくは前記暗証番号記憶領域(1つ以上の暗証番号を記憶可能な領域)D4に記憶されるか、もしくは、暗証番号を用いた第1の認証(例えば、暗証番号を用いた照合)やキーコードを用いた第2の認証(例えば、キーコードを用いた照合)に使用される。
【0040】
また、前記扉開閉検出装置D2においては、少なくとも、物品が前記容器本体Aへ格納できる程度に前記扉Bを開いた状態(以後、開扉状態と称す)と、前記扉Bの閉扉によって前記容器本体Aが閉塞した状態(以後、閉扉状態と称す)と、を監視しており、前記の開扉状態または閉扉状態の検出に応じて、それぞれ開扉状態信号または閉扉状態信号を発信する機能を有する。
【0041】
そして、前記解施錠装置D3においては、前記読取装置D1によって読み取られた暗証番号を用いて照合(即ち、第1の認証)もしくはキーコードを用いて照合(即ち、第2の認証)する機能、または、前記扉開閉検出装置D2からの開扉状態信号及び閉扉状態信号に合わせて、前記錠Cを自動的に駆動して解施錠する機能を有する。なお、前記の駆動方法であるが、例えば、閂を備えた錠Cであれば、該閂を機械的に駆動する方法がある。
【0042】
なお、本実施の形態における前記錠制御装置Dの構成の一例では、前記容器本体A(もしくは前記扉B)に前記の読取装置D1,扉開閉検出装置D2,解施錠装置D3がそれぞれ一つずつ設置されている。
【0043】
図3中の錠制御装置Dはキーコード設定と解施錠の動作機能,キーコード照合と解施錠の動作機能を備えており、これらの動作機能によって錠の制御を実現することができる。このキーコード設定と解施錠の動作を図3及び図4に基づいて以下に説明する。なお、図4Aはイベント処理フローチャートである。図4Bは暗証番号の照合処理フローチャートである。図4Cは扉開閉確認処理フローチャートである。図4Dはキーコード設定処理フローチャートである。図4Eは施錠処理フローチャートである。
【0044】
前記動作の開始ステップとして、前記の錠制御装置Dは、前記読取装置D1を使って暗証番号を読み取り(S1)、該読取装置D1から読み取った暗証番号と、予め前記の暗証番号記憶領域D4に記憶した暗証番号群との照合(即ち、第1の認証)を行う(S2)。そして、前記第1の認証が成功の場合に、前記解施錠装置D3へ解錠信号を伝送し、該解施錠装置D3が前記錠Cを解錠する(S3)。なお、本実施例では、読取装置D1が一つであるため、前記の読み取った内容がキーコードか暗証番号であるか、を判定する必要があるが、その判定方法は例えば符号的に識別できる方法でも良い(例えば、読み取った内容の長さで判定して良い)。また、前記暗証番号の照合方法であるが、例えば、暗証番号記憶領域D4に記憶した暗証番号群中から、何れか一つでも完全一致(記号長と記号列内容が一致)する暗証番号があれば、前記第1の認証は成功と見做し、完全一致する暗証番号がなければ、該第1の認証は失敗と見做すことで良い。
【0045】
さらに、次ステップで扉開閉確認(S4)か、キーコード設定(S5)か、の何れかに移る。前記扉開閉確認(S4)は、前記の扉開閉検出装置D2を介し前記扉Bの開閉状態を監視するステップである。一方、前記キーコード設定(S5)は、前記読取装置D1から読み取ったキーコードを前記キーコード記憶領域D5に記憶させるステップである。
【0046】
例えば、前記扉開閉確認(S4)と前記キーコード設定(S5)が並列に動作するように構成した場合には次のような動作とする。まず、該扉開閉確認(S4)中に閉扉状態信号を前記扉開閉検出装置D2から受信すると、該扉開閉確認(S4)と該キーコード設定(S5)とを共に終了し、施錠(S6)に移る。すなわち、前記の動作は、前記キーコード設定(S5)が完了していなくても、前記扉開閉検出装置D2が前記閉扉状態を検出すると、前記キーコード設定(S5)は強制的に終了することになる。そして、前記施錠(S6)中で前記解施錠装置D3へ施錠信号を伝送し、前記錠Cを施錠する。なお、図4及び図5中の符号S21乃至26は、扉開閉確認イベント(あるいは割り込み要求),キーコード設定イベントなどのイベントを処理するものである。図4及び図5中の符号E1〜E5は、フローチャートを結合する(或いは、呼び出す)ための符号である。
【0047】
次に、キーコード照合と解施錠の動作を図3及び図5に基づいて説明する。なお、図5Aはイベント処理フローチャートである。図5Bはキーコードの照合処理フローチャートである。図5Cは扉開閉確認処理フローチャートである。図5Dは施錠処理フローチャートである。
【0048】
まず、前記動作は、図3中の読取装置D1からキーコードを読み取る(S10)ことから開始される。そして、前記錠制御装置Dは、前記キーコード記憶領域D5に記憶したキーコードと前記読取装置D1から読み取ったキーコードの照合(即ち、第2の認証)を行う。なお、前記キーコードの照合方法であるが、例えば、前記キーコード記憶領域D5に記憶したキーコード群中から、何れか一つでも完全一致するキーコードがあれば、前記第2の認証は成功とし、完全一致するキーコードがなければ、該第2の認証は失敗と見做してよい(S11)。
【0049】
さらに、本実施例では、前記第2の認証が成功の場合に、前記第2の認証に成功したキーコードを使用不可能にするために、前記第2の認証に使用したキーコードを前記キーコード記憶領域D5から消去している(S12)。そして、前記解施錠装置D3へ解錠信号を伝送し、該解施錠装置D3が前記錠Cを解錠する(S3)。なお、前記のキーコードを消去する方法は、前記電子装置D6が消去として認識できる方法であって、例えば、前記のキーコードが占有する領域全てを0(ゼロ)で満たす方法でも良い。
【0050】
そして、扉開閉確認(S4)では、前記扉開閉検出装置D2を介し、前記扉Bの開閉状態の監視を行っており、閉扉状態信号を該扉開閉検出装置D2から受信した場合に、該扉開閉確認(S4)を終了し、施錠(S6)に移る。前記の施錠(S6)では、前記解施錠装置D3へ施錠信号を伝送し、前記錠Cを施錠する。
【0051】
次に、本実施の形態における受取人不在時の配送方法の一例の概要を図6に基づいて説明する。なお、本実施例では、受取人と物品購入者を同一人物とする。また、配送事業の一業種である宅配事業を以って説明する。まず、図6中の物品購入者1は、事前に、不在時に配送されてきた物品を受け取り可能な容器を配送物受け取り場所に設置しておく。なお、前記容器は図3中の自動錠付き容器(図6中では、符号7)であり、自錠を自動的に解施錠できる。そして、図6では前記物品購入者1が操作する利用者端末装置にインストールされたクライアントプログラム2を介し、インターネット上の物品販売事業者サーバ4に対するアクセスによって物品購入が行われ、該物品の配送要請を伝送する手順が開始される(T1)。
【0052】
次に、前記物品の配送要請を受けた物品販売事業者サーバ4は、該配送要請に関してキーコードを発生させる。そして、前記物品販売事業者サーバ4は、前記キーコードと配送要請を、宅配事業者サーバ5を介して、前記宅配事業者6へ伝達する(T2a)。なお、前記キーコードは、記号列(例えば、数字列)であり、宅配事業者毎及び該宅配業者内の物品配送毎に一意とする記号列であって、かつ、前記自動錠付き容器7に具備されたキーコード読み取り手段に従った記号列であり、さらに、宅配事業者6と前記物品購入者1以外の者には秘匿された記号列である。
【0053】
前記キーコードは、例えば、図6中の物品販売事業者3が、予め、宅配事業者6から宅配事業者間で該宅配事業者6を一意に識別するコードと、該宅配事業者6の中で物品販売事業者3を一意に識別するコードと、を取得する。そして、それらのコードと物品販売事業者3の中で物品取引を一意に識別するコードを前記物品販売事業者サーバ4内で連結したコードをキーコードと見做すこともできる。また、前記の伝達に使用される媒体には様々な媒体が想定されるが、例えば、電子メールなどの電子媒体や紙媒体が挙げられる。
【0054】
次に、前記物品販売事業者サーバ4は、前記クライアントプログラム2を介して、前記物品購入者1へ前記キーコードを伝達する(T2b)。そして、前記物品購入者1は、前記キーコードを前記自動錠付き容器7に設定し、好ましくは、受け取り証明印章100を紐などで該自動錠付き容器7に括り付けて格納しておく。
【0055】
一方、前記宅配事業者6は、前記配送情報に従って集荷や配送を行うことになるが、前記配送情報に指定された場所(即ち、前記物品購入者1の配送物受け取り場所)に該物品購入者1が不在のときは、前記キーコードを前記自動錠付き容器7に読み取らせる。そして、前記自動錠付き容器7が該キーコードの照合に成功すると、該自動錠付き容器7の錠が解錠され(T3a)、前記自動錠付き容器7の扉が開扉可能となり、物品が該自動錠付き容器7内に格納される。その後に、前記宅配事業者6は、前記自動錠付き容器7内の受け取り証明印章100を用いることにより、該受け取り証明印章100が押印された受け取り証明を得る(T3b)。
【0056】
さらに、本実施の形態における前記配送方法の一例の詳細なシーケンスを図7に基づいて説明する。なお、図7中の符号1から7は図6中の同符号のものと同じもののため、詳細な説明を省略する。また、図7中の符号M7からM10及び符号M18からM21における自動錠付き容器7の動作は図4に示す動作に相当する。そして、図7中の符号M14からM17における自動錠付き容器7の動作は図5中に示す動作に相当する。
【0057】
まず、図7中の物品購入者1は、予め、自動錠付き容器7に暗証番号を設定しておく(M1)。なお、前記暗証番号は、キーコードと共に前記自動錠付き容器7に設置された扉の開閉を制御するものである。次に、前記物品購入者1はクライアントプログラム2を介して、インターネット上に構築された物品販売事業者サーバ4に対し、配送要請を含む物品購入指示を伝送する(M2,M3)。なお、前記物品購入指示には、物品購入者及び受取人への連絡手段の情報(例えば、受取人の電子メールアドレス)や配送先情報が含まれている。
【0058】
そして、前記配送要請を受信した物品販売事業者サーバ4は、前記物品に関するキーコードを発生させ、前記物品購入者1に対し前記クライアントプログラム2を介して該キーコードを伝達し(M5,M6)、さらに、該キーコードと前記の配送要請を宅配事業者サーバ5に伝送する(M4)。なお、前記キーコードを受信するプログラムは、前記物品購入指示を伝送したプログラムと同一でなくても良い。例えば、物品購入指示はインターネットブラウザを介して行い、キーコード受信はメーラーを介して行っても良い。
【0059】
一方で、前記キーコードを受け取った物品購入者1は、前記自動錠付き容器7に暗証番号を読み取らせる。そして、前記自動錠付き容器7にて、前記暗証番号の照合(即ち、第1の認証)が行われ、該第1の認証が成功すると、該自動錠付き容器7に設置された錠が自動的に解錠され、該自動錠付き容器7によってキーコードを読み取ることが許可される(M7,M8)。なお、前記の第1の認証を失敗した場合には、例えば、前記錠が施錠状態に維持され、かつ、キーコードを読み取ることも許可されないことになる。さらに、前記物品購入者1は、前記キーコードを前記自動錠付き容器7に設定した後、前記自動錠付き容器7の扉を開扉し(この時に該自動錠付き容器7は自扉の開扉状態を検出する)、該物品購入者1の受け取り証明印章を該自動錠付き容器7の内部に格納して(M9)、該自動錠付き容器7の扉を閉扉する。そして、前記自動錠付き容器7は自扉の閉扉状態を検出し、自動的に施錠する(M10)。
【0060】
他方で、前記宅配事業者サーバ5は、前記のキーコードと配送要請を受信すると、該キーコード,集荷指示,配送指示を宅配事業者6へ伝達(例えば、電子メールなどの電子媒体や紙媒体で伝達)する(M11)。そして、前記宅配事業者6は、物品販売事業者3の下に赴いて物品の集荷を行い(M12,M13)、その後に、配送先である前記物品購入者1の下(例えば、該物品購入者1の自宅)に赴く。ここで、前記物品購入者1が在していた場合には、図11中の符号M41,M42と同じ手順となり、前記物品購入者1が不在の場合には、前記自動錠付き容器7に前記キーコードを読み取らせる(M14)。
【0061】
さらに、前記自動錠付き容器7は、図7中の符号M14で読み取ったキーコードと図7中の符号M7で読み取ったキーコードを照合(即ち、第2の認証)し、該第2の認証に成功した場合、該自動錠付き容器7に設置された錠は自動的に解錠される。もし、第2の認証に失敗した場合には、例えば、前記錠を施錠状態に維持することになる(M15)。そして、前記宅配事業者6は、前記自動錠付き容器7の扉を開扉し(この時に該自動錠付き容器7は自扉の開扉状態を検出する)、配送してきた物品を該自動錠付き容器7の中へ格納し、図7中の符号M9で該自動錠付き容器7の中に格納されていた受け取り証明印章を用いることにより、該受け取り証明印章が押印された受け取り証明を得る(M16)。それから、前記受け取り証明を得た後、前記受け取り証明印章を前記自動錠付き容器7に戻し、該自動錠付き容器7を閉扉する。一方、前記自動錠付き容器7は自扉の閉扉状態を検出し、自錠を自動的に施錠する(M17)。
【0062】
また、前記物品購入者1が戻った(例えば、帰宅した)ときに、前記物品を自動錠付き容器7から取り出すために、該自動錠付き容器7に暗証番号を読み取らせる。そして、前記自動錠付き容器7は第1の認証を行い、該第1の認証が成功すると、自錠を自動的に解錠する。さらに、好ましくは前記の解錠状態のままで、別のキーコードを読み取らせる(M18,M19)。さらにまた、前記物品購入者1は、前記自動錠付き容器7の扉を開扉し(ここで、該自動錠付き容器7は自扉の開扉状態を検出する)、該自動錠付き容器7に格納された物品と前記受け取り証明印章を取り出し、該自動錠付き容器7の扉を閉扉する(M20)。一方、前記自動錠付き容器7は自扉の閉扉状態を検出すると、自動的に自錠を施錠する(M21)。
【0063】
以上示したように本実施の形態における配送方法によれば、受取人が不在でも、配送されてきた物品を受け取る(自動錠付き容器に保管する)ことが可能であることと、配送業者が受け取り証明を受けることが可能になり、さらに、受取人及び配送事業者の双方に関して利便性を向上することができる。
【0064】
以上、本発明において、記載された具体例に対してのみ詳細に説明したが、本発明の技術思想の範囲で多彩な変形および修正が可能であることは、当業者にとって明白なことであり、このような変形および修正が特許請求の範囲に属することは当然のことである。
【0065】
例えば、本実施の形態における配送方法の変形例である図8に示す手順のように、物品販売事業者サーバ4を介して、間接的に、物品の配送要請を受けた宅配事業者サーバ5内でキーコードの発生及び伝送を行っても良い(図8中の符号M5,M11)。すなわち、この変形例においても、宅配事業者(即ち、配送事業者)や物品購入者に対する利便性と、物品購入者及び宅配事業者以外の者に対する前記キーコードの秘匿性と、を確保できる。なお、該変形例においても、物品購入者と受取人は同一人物である。また、図8中の符号M39は、図11中の同符号のものと同じであり、そして、図8中の符号M39を除く符号は、図7中の同符号のものと同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0066】
さらに、本実施の形態における配送方法の他の変形例である図9に示す手順のように、物品購入者が受取人と異なる人物であっても良い。すなわち、このような変形例の場合には、図9中の物品購入者1が行う物品購入指示に含まれる受取人1´への連絡手段(例えば、図9中の受取人1´の電子メールアドレス)を用いて、物品販売業者サーバ4が発生させたキーコードを該連絡手段経由でクライアントプログラム2´(例えば、メーラー)へ伝送する(M5)。さらに、前記受取人1´は前記クライアントプログラム2´から前記キーコードを受け取り(M6)、該受取人1´の自動錠付き容器7に該キーコードを設定することになる(M9)。なお、図9中の符号は、図7中の同符号のものと同じであるため、詳細な説明は省略する。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本実施の形態における宅配事業者選択方法の実施例を示す協調関係図
【図2】本実施の形態における宅配事業者選択方法の実施例を示すシーケンス図
【図3】本実施の形態における自動錠付き容器の構成図
【図4】本実施の形態におけるキーコード設定と解施錠の動作フローチャート(図4Aはイベント処理フローチャートである。図4Bは暗証番号の照合処理フローチャートである。図4Cは扉開閉確認処理フローチャートである。図4Dはキーコード設定処理フローチャートである。図4Eは施錠処理フローチャートである。)
【図5】本実施の形態におけるキーコード照合と解施錠の動作フローチャート(図5Aはイベント処理フローチャートである。図5Bはキーコードの照合処理フローチャートである。図5Cは扉開閉確認処理フローチャートである。図5Dは施錠処理フローチャートである。)
【図6】本実施の形態における配送方法の実施例を示す協調関係図
【図7】本実施の形態における配送方法の実施例を示すシーケンス図
【図8】本実施の形態における配送方法の変形例を示すシーケンス図
【図9】本実施の形態における配送方法の他の変形例を示すシーケンス図
【図10】一般的な配送方法の協調関係図
【図11】一般的な配送方法のシーケンス図
【符号の説明】
【0068】
1…物品購入者
1´…受取人
2,2´…クライアントプログラム
3…物品販売事業者
4…物品販売事業者サーバ
5…宅配事業者サーバ
5´…宅配事業者サーバ群
6…宅配事業者
7…自動錠付き容器
8…宅配事業者選択サービスサーバ
9…宅配事業者選択サービス提供者
100…受け取り証明印章
A…容器本体
B…扉
C…錠
D…錠制御装置
D1…キーコード及び暗証番号読取装置
D2…扉開閉検出装置
D3…解施錠装置
D4…暗証番号記憶領域
D5…キーコード記憶領域
D6…電子装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、サービス提供方法,容器及び配送方法であって、例えば、通信手段を介したサービス提供方法と、そして、自動錠付き容器を用いた物品配送方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、インターネットなどの通信手段を介した物品購入は一般的になっており、利用者(即ち、物品購入者)はインターネット上に構築された仮想店舗(即ち、物品販売事業者サーバ)を利用して、物品を購入し、該物品の配送を受けることになる。例えば、図10に示す協調関連図及び図11に示すシーケンス図(図11は図10に対応するシーケンス図)のような配送サービス方法が採られている(なお、図10及び図11中では、物品購入者は配送を受ける受取人と同一人物である)。
【0003】
まず、図10中の物品購入者1は、該物品購入者1が操作する端末装置(以後、利用者端末装置と称する)にインストールされたクライアントプログラム2を介し、インターネット上の物品販売事業者サーバ4にアクセスし、物品を購入する(T1)。なお、前記利用者端末装置は通信端末装置であり、例えば、インターネットに接続可能なパーソナルコンピューターである。また、前記物品販売事業者サーバ4は図10中の物品購入者3が運営するサーバであり、例えば、該物品販売事業者サーバ4内部の記憶装置(例えば、ハードディスク)には、物品売買に必要な事項を記したHTML(HyperText Markup Language)文書,該HTML文書中のタグによってリンク可能な画像,音声,テキスト,プログラムなどを格納している。
【0004】
次に、前記物品販売事業者サーバ4は購入された物品に関する配送要請を宅配事業者サーバ(図10中の宅配事業者6が運営しており、配送管理を行うサーバ)5へ伝送する(T15)。そして、前記宅配事業者サーバ5は前記宅配事業者6に配送情報を伝達し、該宅配事業者6は該配送情報に従って集荷や配送を行う(なお、集荷や配送は該宅配事業者6に所属する配送者が行う)。また、前記宅配事業者6が前記物品購入者1(図10中では物品購入者1が受取人)に物品を引き渡すときに、該宅配事業者6は該物品購入者1から受け取り証明印章100によって捺印された受け取り証明を受領する。例えば、前記受け取り証明印章100は配送伝票などに押印されることになる(T16)。
【0005】
さらに、図11を用いて前記配送サービス方法のシーケンスを詳細に説明する。なお、図11中の符号1から6は図10中の同符号のものと同じもののため、詳細な説明を省略する。まず、図11中の物品購入者1がクライアントプログラム2を介して、物品購入指示を物品販売事業者サーバ4へ伝送する手順から開始される(M2,M3)。そして、前記物品販売事業者サーバ4は宅配事業者サーバ5へ物品の配送要請を伝送する(M39)。なお、前記配送要請にはインターネットなどの公衆網ではなく、例えば、専用線などを使っても良い。
【0006】
次に、前記宅配事業者サーバ5は前記宅配事業者6へ集荷と配送を指示(例えば、電子メールなどの電子媒体または紙媒体で指示)する(M40)。そして、前記宅配事業者6は物品販売事業者3の下に赴いて、物品の集荷を行う(M12,M13)。さらに、前記宅配事業者6は、配送先(例えば、前記物品購入者1の自宅)に赴いて、該物品購入者1の立ち会いの下に、該物品購入者1へ物品を引き渡し(M41)、該物品購入者1の受け取り証明印章によって捺印された受け取り証明を、受領する(M42)。
【0007】
なお、図10及び図11中の通信手段で用いられる通信プロトコル及びドキュメントシステムは、インターネットなどの通信ネットワークで使用されているものであり、例えば、通信プロトコルはHTTP(HyperText Transfer Protocol),SMTP(Simple Mail Transfer Protocol),POP3(Post Office Protocol version 3)、また、ドキュメントシステムはWWW(World Wide Web)である。
【0008】
前述の図10及び図11に示すような配送サービスによれば、前記物品購入者1が物品配送サービスを決定する場合には、予め、物品販売事業者3が宅配事業者(図11中では、宅配事業者サーバ5を運営している宅配事業者)6を選択しているため、該物品購入者1が配送サービスを能動的に選択することはなく、該物品購入者1は物品購入指示と同時に、該宅配事業者6の配送サービスを申し込むことになる。このような配送サービスの決定方法では、配送サービス価格が物品価格の一部として見做され易くなる(例えば、図11中の物品購入者1は、物品価格に配送サービス価格を含み入れて評価してしまうことがある)。
【0009】
また、前記物品購入者1が配送先に不在の場合、前記宅配事業者6は該物品購入者1から受け取り証明を得られないため、物品を持ち帰ることが多い。その際に、前記宅配事業者6は、例えば、不在票などの連絡手段を通じて、前記物品購入者1が確実に前記物品を受け取り可能な日時情報を得る。その後、前記宅配事業者6は前記日時情報に従って前記物品を届けることになる。
【0010】
以上のような配送サービスの他にも、非接触IC(Integrated Circuit)カードを用いて、オンラインショッピングを行い、購入した物品がコンビニエンスストアに配送され、そのコンビニエンスストアで非接触ICカードによる認証を行い、物品を受けとる技術も知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−281453号公報(段落[0018]〜[0055]等)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前述のような配送サービスの決定方法によれば、前記の物品価格が物品購入者から曖昧に評価(例えば、同種類の物品価格が曖昧に比較)される恐れがあった。このために、例えば、他の物品販売事業者が販売する同種類の物品価格の方が安価であると認識されて、前記物品販売事業者の価格競争力が損なわれることがあった。さらに、配送事業者の配送サービスにおいても、物品価格に対する曖昧な評価(即ち、配送サービス価格に対する曖昧な評価)によって、他の配送事業者が提供する同一の配送サービスに対する価格との違いを配送サービス購入者(即ち、物品購入者)に認識されないことがあった。その上、配送サービス購入者も、配送事業者間における配送サービス価格及び内容の違いを明確に認識できないために、配送事業者を意図的に選択する動機が希薄になっていた。
【0012】
また、前述のような配送サービス方法(即ち、配送方法)によれば、受取人は物品を直に受け取った後で受け取り証明印章を配送事業者(例えば、宅配事業者)に利用させる必要があるため、該受取人は物品を受け取るまで拘束(例えば、受け取り可能な日時,場所(例えば、物品購入者の自宅))される可能性があった。一方、前記配送事業者においては、受取人不在のときに、受け取り証明印章を利用できないため、再配送を行うことなり、その結果、作業時間の増大を招く恐れがあった。
【0013】
本発明の目的は、前記課題に基づいてなされたものであり、インターネットなどの通信手段を介した取引の利便性を向上するサービス提供方法,自動錠付き容器及び物品配送方法を提供することになる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、前記課題の解決を図るために、請求項1記載の発明は、利用者端末装置からネットワーク上のサーバを介して行うサービス提供方法であって、サービス情報問い合せサーバからサービス情報提供サーバへサービス情報を問い合わせる問い合せステップと、該サービス情報問い合せサーバが該問い合わせに対して該サービス情報提供サーバから返信されたサービス情報を選択可能な一覧形式に編集して前記利用者端末装置へ表示する表示ステップと、該サービス情報問い合せサーバが該利用者端末装置で選択したサービス情報と利用者情報と、を選択したサービス情報を返信したサービス情報提供サーバへ伝送する選択ステップと、を有することを特徴とする。
【0015】
請求項2記載の発明は、キーコードと暗証番号を読み取り可能な読取装置と、扉開閉検出装置と、解施錠装置と、暗証番号記憶手段と、キーコード記憶手段と、該読取装置,扉開閉検出装置,解施錠装置を制御して該暗証番号記憶手段,キーコード記憶手段へアクセスする装置と、を備えた錠制御装置であって、前記読取装置に暗証番号を読み取らせ、該暗証番号を前記暗証番号記憶手段によって該読取装置に記憶させる手段と、該読取装置に読み取らせた暗証番号と該暗証番号記憶手段から取得した暗証番号を用いて第1の認証を行わせ、該第1の認証が成功すると前記解施錠装置に錠を解錠させ、かつ、該読取装置からのキーコードを読み取ることを許可させる手段と、該読取装置にキーコードを読み取らせ、該キーコードを前記キーコード記憶手段によって該読取装置に記憶させる手段と、該読取装置にキーコードを読み取らせ、該読取装置に読み取らせたキーコードと該キーコード記憶手段から取得したキーコードとを用いて第2の認証を行わせ、該第2の認証が成功すると、該第2の認証に使用した前記キーコード記憶手段で記憶したキーコードを使用不可能にし、該解施錠装置に該錠を解錠させる手段と、扉の閉扉状態を前記扉開閉検出装置に検出させ、該解施錠装置に該錠を施錠させる手段と、該扉の開扉状態を該扉開閉検出装置に検出させる手段と、を具備したことを特徴とする。
【0016】
請求項3記載の発明は、物体を出し入れ可能な開口部が備えられた容器と、該開口部を閉塞可能かつ開放可能な扉と、該扉または該容器に設置された錠と、を備える自動錠付き容器であって、前記扉の開閉状態を検出し、かつ、前記錠の解施錠を制御する錠制御装置を設置したことを特徴とする。
【0017】
請求項4記載の発明は、ネットワークを介した物品の配送要請に応じて、物品配送を一意に識別するキーコードの発生と伝達を行い、自動錠付き容器に物品を配送する物品配送方法であって、前記物品の配送要請を受けたサーバが前記キーコードを生成し、該キーコードを前記物品の受取人と配送者へ伝達するキーコード配送ステップと、前記自動錠付き容器によって該受取人の暗証番号を読み取り、該読み取った暗証番号と前記自動錠付き容器に設定された暗証番号を用いて第1の認証を行い、該第1の認証が成功した後に、前記受取人に伝達したキーコードを前記自動錠付き容器が読み取り設定し、自動錠付き容器に受け取り証明印章が格納された状態で、該自動錠付き容器の扉を閉扉して実行されるキーコード設定ステップと、前記の配送者に伝達したキーコードを前記自動錠付き容器が読み取り、該読み取ったキーコードと前記自動錠付き容器に設定されたキーコードを用いて第2の認証を行い、該第2の認証が成功した後に、前記自動錠付き容器に設置された錠を解錠して実行される物品格納ステップと、を有することを特徴とする。
【0018】
前記の請求項1記載の発明によれば、利用者はサービス情報を選択可能な一覧形式から所望のサービス情報を利用者に選択させることができる。
【0019】
前記の請求項2記載の発明によれば、前記のキーコードもしくは暗証番号を使用した認証を行って、錠を制御することができる。
【0020】
前記の請求項3記載の発明によれば、前記の容器に格納された物体を受取人及び配送者以外の者に対して秘匿することができる。
【0021】
前記の請求項4記載の発明によれば、前記の第1の認証と第2の認証が可能な前記自動錠付き容器を用いた配送を行うことができる。また、受取人はキーコード及び暗証番号を前記自動錠付き容器に設定することができる。さらに、配送事業者はキーコードを前記自動錠付き容器に読み取らせることができる。
【発明の効果】
【0022】
以上示したように請求項1に記載の発明によれば、利用者に対し物品売買価格や配送サービス価格及び内容を適確に認識させ、該利用者が意図する物品売買や配送サービスの提供および選択が可能となる。
【0023】
また、請求項2乃至4に記載の発明によれば、前記受取人は、物品を受け取るまでの過程において拘束(例えば、自宅に待機していなければならない等の拘束)されることが無くなり(例えば、前記の自動錠付き容器とキーコードを用いて、不在時でも配送された物品を受け取ることが可能であり)、一方、配送事業者の作業時間の短縮も可能となる。
【0024】
そして、これらを以って一般のサービス事業及び配送事業の分野に貢献することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態におけるサービス提供方法と受取人不在時の配送方法を図面等に基づいて詳細に説明する。前記のサービス提供方法においては、ネットワーク(例えば、インターネット)を介して、複数のサービス事業者からサービス情報を収集し、該サービス情報を選択可能な一覧形式に編集して利用者に提示し、該利用者に前記サービス情報を選択させることを特徴とする。また、前記の受取人不在時の配送方法においては、配送要請を受けたサーバ内で受取人と配送事業者(例えば、宅配事業者)以外の者に対して秘匿されたキーコードを発生させ、受取人と配送事業者へ該キーコードを伝達することと、受取人不在でも前記キーコードを用いて物品を受け取り可能とする容器(以後、自動錠付き容器と称する)を使用して配送物を受け取ることと、を特徴とする。なお、以下に説明する実施の形態では、ネットワークにおいて、TLS(Transport Layer Security)やS/MIME(Secure Multipurpose Internet Mail Extension)などの通信におけるセキュリティを確保するための一般的なプロトコルを利用することを前提とする。
【0026】
本実施の形態におけるサービス提供方法の一例の概要を図1に基づいて説明する。なお、図1中の符号2,3,6は図10中の同符号のものと同じもののため、詳細な説明は省略する。また、本実施例では、受取人と物品購入者を同一人物とし、さらに、サービス事業の一業種である宅配事業を以って説明する。
【0027】
まず、図1では、物品購入者1が操作する利用者端末装置にインストールされたクライアントプログラム2を介し、インターネット上の物品販売事業者サーバ4にアクセスし、物品購入を行う手順から開始する(T1)。そして、前記物品販売事業者サーバ4は、前記物品購入者1の利用情報(例えば、配送元住所、配送先住所)と購入された物品情報(例えば、荷姿サイズ情報)を宅配事業者選択サービスサーバ(即ち、本実施の形態におけるサービス情報問い合せサーバ)8に伝送する(T10)。なお、前記宅配事業者選択サービスサーバ8は、宅配事業者選択サービス提供者9が運営するサーバであり、例えば、該宅配事業者選択サービスサーバ8内部の記憶装置において、前記宅配事業者選択サービスに必要な事項を記したHTML文書,該HTML文書中のタグによってリンク可能な画像,音声,テキスト,プログラムなどを格納している。
【0028】
次に、前記宅配事業者選択サービスサーバ8は、宅配事業者サーバ(即ち、本実施の形態におけるサービス情報提供サーバ)5群へ前記の利用者情報と物品情報を問い合せ条件に設定して問い合わせる(T11)。なお、本実施例では、前記宅配事業者サーバ5群は前記宅配事業者選択サービスサーバ8に、予め事前登録されているものとする。そして、前記の宅配事業者サーバ5群は、前記の利用者情報と物品情報に対応する配送サービス情報(例えば、配送価格情報,オプションサービス情報)を前記宅配事業者選択サービスサーバ8へ返信する(T12)。さらに、前記宅配事業者選択サービスサーバ8は前記物品購入者1に対して、前記の宅配事業者サーバ5群から伝送された配送サービス情報を選択可能な一覧形式に編集して、該物品購入者1の利用者端末装置に前記クライアントプログラム2を介して提示する(T13)。
【0029】
次に、前記物品購入者1は、前記の利用者端末装置に提示された一覧から所望の配送サービスを選択し、選択指示を前記宅配事業者選択サービスサーバ8へ伝送する(T14)。さらに、前記選択指示を前記宅配事業者選択サービスサーバ8が受信し、前記選択された配送サービスを提供する宅配事業者サーバ5へ配送要請指示を伝送する(T15)。また、前記配送要請指示を受信した宅配事業者サーバ5は、宅配事業者6に集荷や配送指示を伝達する。そして、前記宅配事業者6は前記配送指示に従って前記物品購入者1に物品を引き渡す(T16)。
【0030】
さらに、本実施の形態における前記サービス提供方法の一例の詳細なシーケンスを図2に基づいて説明する。なお、図2中の符号1から4,6,8は、図1中の同符号のものと同じもののため、詳細な説明を省略する。
【0031】
まず、図2中の物品購入者1がクライアントプログラム2を介して、インターネット上に構築された物品販売事業者サーバ4に物品購入指示を伝送する(M2,M3)。そして、前記物品販売事業者サーバ4は、前記物品購入者1の利用者情報及び物品情報を宅配事業者選択サービスサーバ8へ伝送する(M31)。
【0032】
また、前記の利用情報及び物品情報を受信した宅配事業者選択サービスサーバ8は、事前に登録済み(M32)の宅配事業者サーバ群(図2中では宅配事業者サーバ群5´)へ該利用者情報及び物品情報を問い合せ条件に設定し、配送サービス情報の問い合わせ指示を伝送すると共に、該利用者情報及び物品情報を一時的に保持する(M33)。なお、前記の保持期間には、ある一定の期間が必要になるが、例えば、少なくとも前記クライアントプログラム2と前記宅配事業者選択サービスサーバ8との間の接続が継続している時間が挙げられる。
【0033】
次に、前記宅配事業者サーバ群5´は、受信した前記の問い合わせ指示に対応する配送サービス情報(宅配事業者6が提供するサービスの配送サービス情報)を前記宅配事業者選択サービスサーバ8へ返信する(M34)。そして、前記宅配事業者選択サービスサーバ8は、受信した前記複数の配送サービス情報を前記物品購入者1が選択可能な形式(例えば、HTMLのラジオボタン形式)に編集した後、さらに、一覧形式に編集して表示する(M35,M36)。なお、前記一覧表示には一般的なインターネットの技術が使用されるが、例えば、HTML文書,CGI(Common Gate Interface)などが使用される。
【0034】
一方、前記物品購入者1は、表示された前記一覧から所望の配送サービス情報をクライアントプログラム2を介して選択し、その選択指示を前記宅配事業者選択サービスサーバ8に伝送する(M37,M38)。さらに、前記選択指示を受信した宅配事業者選択サービスサーバ8は、前記配送要請と一時的に保持していた前記の利用者情報,物品情報と、を前記選択された配送サービスを提供する宅配事業者6の宅配事業者サーバ5に伝送する(M39)。そして、前記の利用者情報,物品情報,配送要請を受信した宅配事業者サーバ5は、図11中に示すシーケンス(図11中の符号M12,M13,M40,M41,M42)と同様なシーケンスで、物品購入者1への配送を行う。
【0035】
以上示したように本実施の形態におけるサービス提供方法によれば、宅配事業者選択サービスサーバがサービス選択手順を有しているため、物品購入者が各宅配事業者の配送サービス情報の中から所望の配送サービス情報を選択することができる。
【0036】
次に、本実施の形態における自動錠付き容器の構成の一例を図3に基づいて説明する。まず、図3中の自動錠付き容器7の本体は、物体を出し入れ可能な開口部を備えた本体Aである。さらに、前記容器本体Aには、前記開口部を開放及び閉塞可能な位置で、該開口部を開閉可能な扉Bが設置されており、該扉Bを開扉して物品などを該容器本体Aに出し入れ可能な構成となっている。なおさらに、前記扉B(または、前記容器本体A)には錠Cが設置されており、該錠Cが施錠状態時には該容器本体Aの開口部が該扉Bで閉塞され、該扉Bは開扉不可能となる。一方で、前記錠Cが解錠状態時には前記扉Bが開扉可能(例えば、分離もしくは、部分的に分離)となり、該容器本体Aの開口部を開放することができる。そして、前記錠Cには錠制御装置D(後に詳細に説明する)が設置されており、該錠制御装置Dは該錠Cの解施錠動作を暗証番号及びキーコードの照合によって制御する。
【0037】
なお、本実施の形態における前記自動錠付き容器7の構成の一例では、前記容器本体Aに開口部が1つ備えられており、その開口部の大きさは該開口部を通じて物品を前記容器内部へ格納可能な大きさに設計されている。加えて、前記容器本体Aには前記扉Bが1つ、前記錠Cが一つ、前記錠制御装置Dが1つ、それぞれ設置されている。
【0038】
さらに、本実施の形態における前記錠制御装置Dを電気的に構成した一例を説明する。図3中の錠制御装置Dは前記錠Cを自動的に制御する装置であるが、単体の装置ではなく、補助装置群(キーコード及び暗証番号読取装置D1(以下、読取装置D1と略す),扉開閉検出装置D2,解施錠装置D3)を備えており、電子装置D6で該補助装置群に関する制御を行っている。なお、前記電子装置D6は、プログラムをCPUで実行する一般的な装置(例えば、マイクロコンピューター)で実現しても良いし、論理回路で構成された装置で実現しても良い。
【0039】
まず、前記読取装置D1においては、キーコードもしくは暗証番号を読み取る機能を有しており、例えば、キーボード,赤外線通信などの無線技術,USB(Universal Serial Bus)などの有線技術を使った装置である。その読み取られたキーコードもしくは暗証番号は、それぞれ前記キーコード記憶領域(1つ以上のキーコードを記憶可能な領域)D5もしくは前記暗証番号記憶領域(1つ以上の暗証番号を記憶可能な領域)D4に記憶されるか、もしくは、暗証番号を用いた第1の認証(例えば、暗証番号を用いた照合)やキーコードを用いた第2の認証(例えば、キーコードを用いた照合)に使用される。
【0040】
また、前記扉開閉検出装置D2においては、少なくとも、物品が前記容器本体Aへ格納できる程度に前記扉Bを開いた状態(以後、開扉状態と称す)と、前記扉Bの閉扉によって前記容器本体Aが閉塞した状態(以後、閉扉状態と称す)と、を監視しており、前記の開扉状態または閉扉状態の検出に応じて、それぞれ開扉状態信号または閉扉状態信号を発信する機能を有する。
【0041】
そして、前記解施錠装置D3においては、前記読取装置D1によって読み取られた暗証番号を用いて照合(即ち、第1の認証)もしくはキーコードを用いて照合(即ち、第2の認証)する機能、または、前記扉開閉検出装置D2からの開扉状態信号及び閉扉状態信号に合わせて、前記錠Cを自動的に駆動して解施錠する機能を有する。なお、前記の駆動方法であるが、例えば、閂を備えた錠Cであれば、該閂を機械的に駆動する方法がある。
【0042】
なお、本実施の形態における前記錠制御装置Dの構成の一例では、前記容器本体A(もしくは前記扉B)に前記の読取装置D1,扉開閉検出装置D2,解施錠装置D3がそれぞれ一つずつ設置されている。
【0043】
図3中の錠制御装置Dはキーコード設定と解施錠の動作機能,キーコード照合と解施錠の動作機能を備えており、これらの動作機能によって錠の制御を実現することができる。このキーコード設定と解施錠の動作を図3及び図4に基づいて以下に説明する。なお、図4Aはイベント処理フローチャートである。図4Bは暗証番号の照合処理フローチャートである。図4Cは扉開閉確認処理フローチャートである。図4Dはキーコード設定処理フローチャートである。図4Eは施錠処理フローチャートである。
【0044】
前記動作の開始ステップとして、前記の錠制御装置Dは、前記読取装置D1を使って暗証番号を読み取り(S1)、該読取装置D1から読み取った暗証番号と、予め前記の暗証番号記憶領域D4に記憶した暗証番号群との照合(即ち、第1の認証)を行う(S2)。そして、前記第1の認証が成功の場合に、前記解施錠装置D3へ解錠信号を伝送し、該解施錠装置D3が前記錠Cを解錠する(S3)。なお、本実施例では、読取装置D1が一つであるため、前記の読み取った内容がキーコードか暗証番号であるか、を判定する必要があるが、その判定方法は例えば符号的に識別できる方法でも良い(例えば、読み取った内容の長さで判定して良い)。また、前記暗証番号の照合方法であるが、例えば、暗証番号記憶領域D4に記憶した暗証番号群中から、何れか一つでも完全一致(記号長と記号列内容が一致)する暗証番号があれば、前記第1の認証は成功と見做し、完全一致する暗証番号がなければ、該第1の認証は失敗と見做すことで良い。
【0045】
さらに、次ステップで扉開閉確認(S4)か、キーコード設定(S5)か、の何れかに移る。前記扉開閉確認(S4)は、前記の扉開閉検出装置D2を介し前記扉Bの開閉状態を監視するステップである。一方、前記キーコード設定(S5)は、前記読取装置D1から読み取ったキーコードを前記キーコード記憶領域D5に記憶させるステップである。
【0046】
例えば、前記扉開閉確認(S4)と前記キーコード設定(S5)が並列に動作するように構成した場合には次のような動作とする。まず、該扉開閉確認(S4)中に閉扉状態信号を前記扉開閉検出装置D2から受信すると、該扉開閉確認(S4)と該キーコード設定(S5)とを共に終了し、施錠(S6)に移る。すなわち、前記の動作は、前記キーコード設定(S5)が完了していなくても、前記扉開閉検出装置D2が前記閉扉状態を検出すると、前記キーコード設定(S5)は強制的に終了することになる。そして、前記施錠(S6)中で前記解施錠装置D3へ施錠信号を伝送し、前記錠Cを施錠する。なお、図4及び図5中の符号S21乃至26は、扉開閉確認イベント(あるいは割り込み要求),キーコード設定イベントなどのイベントを処理するものである。図4及び図5中の符号E1〜E5は、フローチャートを結合する(或いは、呼び出す)ための符号である。
【0047】
次に、キーコード照合と解施錠の動作を図3及び図5に基づいて説明する。なお、図5Aはイベント処理フローチャートである。図5Bはキーコードの照合処理フローチャートである。図5Cは扉開閉確認処理フローチャートである。図5Dは施錠処理フローチャートである。
【0048】
まず、前記動作は、図3中の読取装置D1からキーコードを読み取る(S10)ことから開始される。そして、前記錠制御装置Dは、前記キーコード記憶領域D5に記憶したキーコードと前記読取装置D1から読み取ったキーコードの照合(即ち、第2の認証)を行う。なお、前記キーコードの照合方法であるが、例えば、前記キーコード記憶領域D5に記憶したキーコード群中から、何れか一つでも完全一致するキーコードがあれば、前記第2の認証は成功とし、完全一致するキーコードがなければ、該第2の認証は失敗と見做してよい(S11)。
【0049】
さらに、本実施例では、前記第2の認証が成功の場合に、前記第2の認証に成功したキーコードを使用不可能にするために、前記第2の認証に使用したキーコードを前記キーコード記憶領域D5から消去している(S12)。そして、前記解施錠装置D3へ解錠信号を伝送し、該解施錠装置D3が前記錠Cを解錠する(S3)。なお、前記のキーコードを消去する方法は、前記電子装置D6が消去として認識できる方法であって、例えば、前記のキーコードが占有する領域全てを0(ゼロ)で満たす方法でも良い。
【0050】
そして、扉開閉確認(S4)では、前記扉開閉検出装置D2を介し、前記扉Bの開閉状態の監視を行っており、閉扉状態信号を該扉開閉検出装置D2から受信した場合に、該扉開閉確認(S4)を終了し、施錠(S6)に移る。前記の施錠(S6)では、前記解施錠装置D3へ施錠信号を伝送し、前記錠Cを施錠する。
【0051】
次に、本実施の形態における受取人不在時の配送方法の一例の概要を図6に基づいて説明する。なお、本実施例では、受取人と物品購入者を同一人物とする。また、配送事業の一業種である宅配事業を以って説明する。まず、図6中の物品購入者1は、事前に、不在時に配送されてきた物品を受け取り可能な容器を配送物受け取り場所に設置しておく。なお、前記容器は図3中の自動錠付き容器(図6中では、符号7)であり、自錠を自動的に解施錠できる。そして、図6では前記物品購入者1が操作する利用者端末装置にインストールされたクライアントプログラム2を介し、インターネット上の物品販売事業者サーバ4に対するアクセスによって物品購入が行われ、該物品の配送要請を伝送する手順が開始される(T1)。
【0052】
次に、前記物品の配送要請を受けた物品販売事業者サーバ4は、該配送要請に関してキーコードを発生させる。そして、前記物品販売事業者サーバ4は、前記キーコードと配送要請を、宅配事業者サーバ5を介して、前記宅配事業者6へ伝達する(T2a)。なお、前記キーコードは、記号列(例えば、数字列)であり、宅配事業者毎及び該宅配業者内の物品配送毎に一意とする記号列であって、かつ、前記自動錠付き容器7に具備されたキーコード読み取り手段に従った記号列であり、さらに、宅配事業者6と前記物品購入者1以外の者には秘匿された記号列である。
【0053】
前記キーコードは、例えば、図6中の物品販売事業者3が、予め、宅配事業者6から宅配事業者間で該宅配事業者6を一意に識別するコードと、該宅配事業者6の中で物品販売事業者3を一意に識別するコードと、を取得する。そして、それらのコードと物品販売事業者3の中で物品取引を一意に識別するコードを前記物品販売事業者サーバ4内で連結したコードをキーコードと見做すこともできる。また、前記の伝達に使用される媒体には様々な媒体が想定されるが、例えば、電子メールなどの電子媒体や紙媒体が挙げられる。
【0054】
次に、前記物品販売事業者サーバ4は、前記クライアントプログラム2を介して、前記物品購入者1へ前記キーコードを伝達する(T2b)。そして、前記物品購入者1は、前記キーコードを前記自動錠付き容器7に設定し、好ましくは、受け取り証明印章100を紐などで該自動錠付き容器7に括り付けて格納しておく。
【0055】
一方、前記宅配事業者6は、前記配送情報に従って集荷や配送を行うことになるが、前記配送情報に指定された場所(即ち、前記物品購入者1の配送物受け取り場所)に該物品購入者1が不在のときは、前記キーコードを前記自動錠付き容器7に読み取らせる。そして、前記自動錠付き容器7が該キーコードの照合に成功すると、該自動錠付き容器7の錠が解錠され(T3a)、前記自動錠付き容器7の扉が開扉可能となり、物品が該自動錠付き容器7内に格納される。その後に、前記宅配事業者6は、前記自動錠付き容器7内の受け取り証明印章100を用いることにより、該受け取り証明印章100が押印された受け取り証明を得る(T3b)。
【0056】
さらに、本実施の形態における前記配送方法の一例の詳細なシーケンスを図7に基づいて説明する。なお、図7中の符号1から7は図6中の同符号のものと同じもののため、詳細な説明を省略する。また、図7中の符号M7からM10及び符号M18からM21における自動錠付き容器7の動作は図4に示す動作に相当する。そして、図7中の符号M14からM17における自動錠付き容器7の動作は図5中に示す動作に相当する。
【0057】
まず、図7中の物品購入者1は、予め、自動錠付き容器7に暗証番号を設定しておく(M1)。なお、前記暗証番号は、キーコードと共に前記自動錠付き容器7に設置された扉の開閉を制御するものである。次に、前記物品購入者1はクライアントプログラム2を介して、インターネット上に構築された物品販売事業者サーバ4に対し、配送要請を含む物品購入指示を伝送する(M2,M3)。なお、前記物品購入指示には、物品購入者及び受取人への連絡手段の情報(例えば、受取人の電子メールアドレス)や配送先情報が含まれている。
【0058】
そして、前記配送要請を受信した物品販売事業者サーバ4は、前記物品に関するキーコードを発生させ、前記物品購入者1に対し前記クライアントプログラム2を介して該キーコードを伝達し(M5,M6)、さらに、該キーコードと前記の配送要請を宅配事業者サーバ5に伝送する(M4)。なお、前記キーコードを受信するプログラムは、前記物品購入指示を伝送したプログラムと同一でなくても良い。例えば、物品購入指示はインターネットブラウザを介して行い、キーコード受信はメーラーを介して行っても良い。
【0059】
一方で、前記キーコードを受け取った物品購入者1は、前記自動錠付き容器7に暗証番号を読み取らせる。そして、前記自動錠付き容器7にて、前記暗証番号の照合(即ち、第1の認証)が行われ、該第1の認証が成功すると、該自動錠付き容器7に設置された錠が自動的に解錠され、該自動錠付き容器7によってキーコードを読み取ることが許可される(M7,M8)。なお、前記の第1の認証を失敗した場合には、例えば、前記錠が施錠状態に維持され、かつ、キーコードを読み取ることも許可されないことになる。さらに、前記物品購入者1は、前記キーコードを前記自動錠付き容器7に設定した後、前記自動錠付き容器7の扉を開扉し(この時に該自動錠付き容器7は自扉の開扉状態を検出する)、該物品購入者1の受け取り証明印章を該自動錠付き容器7の内部に格納して(M9)、該自動錠付き容器7の扉を閉扉する。そして、前記自動錠付き容器7は自扉の閉扉状態を検出し、自動的に施錠する(M10)。
【0060】
他方で、前記宅配事業者サーバ5は、前記のキーコードと配送要請を受信すると、該キーコード,集荷指示,配送指示を宅配事業者6へ伝達(例えば、電子メールなどの電子媒体や紙媒体で伝達)する(M11)。そして、前記宅配事業者6は、物品販売事業者3の下に赴いて物品の集荷を行い(M12,M13)、その後に、配送先である前記物品購入者1の下(例えば、該物品購入者1の自宅)に赴く。ここで、前記物品購入者1が在していた場合には、図11中の符号M41,M42と同じ手順となり、前記物品購入者1が不在の場合には、前記自動錠付き容器7に前記キーコードを読み取らせる(M14)。
【0061】
さらに、前記自動錠付き容器7は、図7中の符号M14で読み取ったキーコードと図7中の符号M7で読み取ったキーコードを照合(即ち、第2の認証)し、該第2の認証に成功した場合、該自動錠付き容器7に設置された錠は自動的に解錠される。もし、第2の認証に失敗した場合には、例えば、前記錠を施錠状態に維持することになる(M15)。そして、前記宅配事業者6は、前記自動錠付き容器7の扉を開扉し(この時に該自動錠付き容器7は自扉の開扉状態を検出する)、配送してきた物品を該自動錠付き容器7の中へ格納し、図7中の符号M9で該自動錠付き容器7の中に格納されていた受け取り証明印章を用いることにより、該受け取り証明印章が押印された受け取り証明を得る(M16)。それから、前記受け取り証明を得た後、前記受け取り証明印章を前記自動錠付き容器7に戻し、該自動錠付き容器7を閉扉する。一方、前記自動錠付き容器7は自扉の閉扉状態を検出し、自錠を自動的に施錠する(M17)。
【0062】
また、前記物品購入者1が戻った(例えば、帰宅した)ときに、前記物品を自動錠付き容器7から取り出すために、該自動錠付き容器7に暗証番号を読み取らせる。そして、前記自動錠付き容器7は第1の認証を行い、該第1の認証が成功すると、自錠を自動的に解錠する。さらに、好ましくは前記の解錠状態のままで、別のキーコードを読み取らせる(M18,M19)。さらにまた、前記物品購入者1は、前記自動錠付き容器7の扉を開扉し(ここで、該自動錠付き容器7は自扉の開扉状態を検出する)、該自動錠付き容器7に格納された物品と前記受け取り証明印章を取り出し、該自動錠付き容器7の扉を閉扉する(M20)。一方、前記自動錠付き容器7は自扉の閉扉状態を検出すると、自動的に自錠を施錠する(M21)。
【0063】
以上示したように本実施の形態における配送方法によれば、受取人が不在でも、配送されてきた物品を受け取る(自動錠付き容器に保管する)ことが可能であることと、配送業者が受け取り証明を受けることが可能になり、さらに、受取人及び配送事業者の双方に関して利便性を向上することができる。
【0064】
以上、本発明において、記載された具体例に対してのみ詳細に説明したが、本発明の技術思想の範囲で多彩な変形および修正が可能であることは、当業者にとって明白なことであり、このような変形および修正が特許請求の範囲に属することは当然のことである。
【0065】
例えば、本実施の形態における配送方法の変形例である図8に示す手順のように、物品販売事業者サーバ4を介して、間接的に、物品の配送要請を受けた宅配事業者サーバ5内でキーコードの発生及び伝送を行っても良い(図8中の符号M5,M11)。すなわち、この変形例においても、宅配事業者(即ち、配送事業者)や物品購入者に対する利便性と、物品購入者及び宅配事業者以外の者に対する前記キーコードの秘匿性と、を確保できる。なお、該変形例においても、物品購入者と受取人は同一人物である。また、図8中の符号M39は、図11中の同符号のものと同じであり、そして、図8中の符号M39を除く符号は、図7中の同符号のものと同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0066】
さらに、本実施の形態における配送方法の他の変形例である図9に示す手順のように、物品購入者が受取人と異なる人物であっても良い。すなわち、このような変形例の場合には、図9中の物品購入者1が行う物品購入指示に含まれる受取人1´への連絡手段(例えば、図9中の受取人1´の電子メールアドレス)を用いて、物品販売業者サーバ4が発生させたキーコードを該連絡手段経由でクライアントプログラム2´(例えば、メーラー)へ伝送する(M5)。さらに、前記受取人1´は前記クライアントプログラム2´から前記キーコードを受け取り(M6)、該受取人1´の自動錠付き容器7に該キーコードを設定することになる(M9)。なお、図9中の符号は、図7中の同符号のものと同じであるため、詳細な説明は省略する。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本実施の形態における宅配事業者選択方法の実施例を示す協調関係図
【図2】本実施の形態における宅配事業者選択方法の実施例を示すシーケンス図
【図3】本実施の形態における自動錠付き容器の構成図
【図4】本実施の形態におけるキーコード設定と解施錠の動作フローチャート(図4Aはイベント処理フローチャートである。図4Bは暗証番号の照合処理フローチャートである。図4Cは扉開閉確認処理フローチャートである。図4Dはキーコード設定処理フローチャートである。図4Eは施錠処理フローチャートである。)
【図5】本実施の形態におけるキーコード照合と解施錠の動作フローチャート(図5Aはイベント処理フローチャートである。図5Bはキーコードの照合処理フローチャートである。図5Cは扉開閉確認処理フローチャートである。図5Dは施錠処理フローチャートである。)
【図6】本実施の形態における配送方法の実施例を示す協調関係図
【図7】本実施の形態における配送方法の実施例を示すシーケンス図
【図8】本実施の形態における配送方法の変形例を示すシーケンス図
【図9】本実施の形態における配送方法の他の変形例を示すシーケンス図
【図10】一般的な配送方法の協調関係図
【図11】一般的な配送方法のシーケンス図
【符号の説明】
【0068】
1…物品購入者
1´…受取人
2,2´…クライアントプログラム
3…物品販売事業者
4…物品販売事業者サーバ
5…宅配事業者サーバ
5´…宅配事業者サーバ群
6…宅配事業者
7…自動錠付き容器
8…宅配事業者選択サービスサーバ
9…宅配事業者選択サービス提供者
100…受け取り証明印章
A…容器本体
B…扉
C…錠
D…錠制御装置
D1…キーコード及び暗証番号読取装置
D2…扉開閉検出装置
D3…解施錠装置
D4…暗証番号記憶領域
D5…キーコード記憶領域
D6…電子装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者端末装置からネットワーク上のサーバを介して行うサービス提供方法であって、
サービス情報問い合せサーバからサービス情報提供サーバへサービス情報を問い合わせる問い合せステップと、
該サービス情報問い合せサーバが該問い合わせに対して該サービス情報提供サーバから返信されたサービス情報を選択可能な一覧形式に編集して前記利用者端末装置へ表示する表示ステップと、
該サービス情報問い合せサーバが該利用者端末装置で選択したサービス情報と利用者情報と、を選択したサービス情報を返信したサービス情報提供サーバへ伝送する選択ステップと、
を有することを特徴とするサービス提供方法。
【請求項2】
キーコードと暗証番号を読み取り可能な読取装置と、扉開閉検出装置と、解施錠装置と、暗証番号記憶手段と、キーコード記憶手段と、該読取装置,扉開閉検出装置,解施錠装置を制御して該暗証番号記憶手段,キーコード記憶手段へアクセスする装置と、を備えた錠制御装置であって、
前記読取装置に暗証番号を読み取らせ、該暗証番号を前記暗証番号記憶手段によって該読取装置に記憶させる手段と、
該読取装置に読み取らせた暗証番号と該暗証番号記憶手段から取得した暗証番号を用いて第1の認証を行わせ、該第1の認証が成功すると前記解施錠装置に錠を解錠させ、かつ、該読取装置からのキーコードを読み取ることを許可させる手段と、
該読取装置にキーコードを読み取らせ、該キーコードを前記キーコード記憶手段によって該読取装置に記憶させる手段と、
該読取装置にキーコードを読み取らせ、該読取装置に読み取らせたキーコードと該キーコード記憶手段から取得したキーコードとを用いて第2の認証を行わせ、該第2の認証が成功すると、該第2の認証に使用し、かつ、前記キーコード記憶手段で記憶したキーコードを使用不可能にし、該解施錠装置に該錠を解錠させる手段と、
扉の閉扉状態を前記扉開閉検出装置に検出させ、該解施錠装置に該錠を施錠させる手段と、
該扉の開扉状態を該扉開閉検出装置に検出させる手段と、
を具備したことを特徴とする錠制御装置。
【請求項3】
物体を出し入れ可能な開口部が備えられた容器と、
該開口部を閉塞可能かつ開放可能な扉と、
該扉または該容器に設置された錠と、
を備える自動錠付き容器であって、
前記扉の開閉状態を検出し、かつ、前記錠の解施錠を制御する錠制御装置を設置したことを特徴とする自動錠付き容器。
【請求項4】
ネットワークを介した物品の配送要請に応じて、物品配送を一意に識別するキーコードの発生と伝達を行い、自動錠付き容器に物品を配送する物品配送方法であって、
前記物品の配送要請を受けたサーバが前記キーコードを生成し、該キーコードを前記物品の受取人と配送者へ伝達するキーコード配送ステップと、
前記自動錠付き容器によって該受取人の暗証番号を読み取り、該読み取った暗証番号と該自動錠付き容器に設定された暗証番号を用いて第1の認証を行い、該第1の認証が成功した後に、該受取人に伝達したキーコードを該自動錠付き容器が読み取り設定し、該自動錠付き容器に受け取り証明印章が格納された状態で、該自動錠付き容器の扉を閉扉して実行されるキーコード設定ステップと、
該配送者に伝達したキーコードを該自動錠付き容器が読み取り、該読み取ったキーコードと該自動錠付き容器に設定されたキーコードを用いて第2の認証を行い、該第2の認証が成功した後に、該自動錠付き容器に設置された錠を解錠して実行される物品格納ステップと、
を有することを特徴とする物品配送方法。
【請求項1】
利用者端末装置からネットワーク上のサーバを介して行うサービス提供方法であって、
サービス情報問い合せサーバからサービス情報提供サーバへサービス情報を問い合わせる問い合せステップと、
該サービス情報問い合せサーバが該問い合わせに対して該サービス情報提供サーバから返信されたサービス情報を選択可能な一覧形式に編集して前記利用者端末装置へ表示する表示ステップと、
該サービス情報問い合せサーバが該利用者端末装置で選択したサービス情報と利用者情報と、を選択したサービス情報を返信したサービス情報提供サーバへ伝送する選択ステップと、
を有することを特徴とするサービス提供方法。
【請求項2】
キーコードと暗証番号を読み取り可能な読取装置と、扉開閉検出装置と、解施錠装置と、暗証番号記憶手段と、キーコード記憶手段と、該読取装置,扉開閉検出装置,解施錠装置を制御して該暗証番号記憶手段,キーコード記憶手段へアクセスする装置と、を備えた錠制御装置であって、
前記読取装置に暗証番号を読み取らせ、該暗証番号を前記暗証番号記憶手段によって該読取装置に記憶させる手段と、
該読取装置に読み取らせた暗証番号と該暗証番号記憶手段から取得した暗証番号を用いて第1の認証を行わせ、該第1の認証が成功すると前記解施錠装置に錠を解錠させ、かつ、該読取装置からのキーコードを読み取ることを許可させる手段と、
該読取装置にキーコードを読み取らせ、該キーコードを前記キーコード記憶手段によって該読取装置に記憶させる手段と、
該読取装置にキーコードを読み取らせ、該読取装置に読み取らせたキーコードと該キーコード記憶手段から取得したキーコードとを用いて第2の認証を行わせ、該第2の認証が成功すると、該第2の認証に使用し、かつ、前記キーコード記憶手段で記憶したキーコードを使用不可能にし、該解施錠装置に該錠を解錠させる手段と、
扉の閉扉状態を前記扉開閉検出装置に検出させ、該解施錠装置に該錠を施錠させる手段と、
該扉の開扉状態を該扉開閉検出装置に検出させる手段と、
を具備したことを特徴とする錠制御装置。
【請求項3】
物体を出し入れ可能な開口部が備えられた容器と、
該開口部を閉塞可能かつ開放可能な扉と、
該扉または該容器に設置された錠と、
を備える自動錠付き容器であって、
前記扉の開閉状態を検出し、かつ、前記錠の解施錠を制御する錠制御装置を設置したことを特徴とする自動錠付き容器。
【請求項4】
ネットワークを介した物品の配送要請に応じて、物品配送を一意に識別するキーコードの発生と伝達を行い、自動錠付き容器に物品を配送する物品配送方法であって、
前記物品の配送要請を受けたサーバが前記キーコードを生成し、該キーコードを前記物品の受取人と配送者へ伝達するキーコード配送ステップと、
前記自動錠付き容器によって該受取人の暗証番号を読み取り、該読み取った暗証番号と該自動錠付き容器に設定された暗証番号を用いて第1の認証を行い、該第1の認証が成功した後に、該受取人に伝達したキーコードを該自動錠付き容器が読み取り設定し、該自動錠付き容器に受け取り証明印章が格納された状態で、該自動錠付き容器の扉を閉扉して実行されるキーコード設定ステップと、
該配送者に伝達したキーコードを該自動錠付き容器が読み取り、該読み取ったキーコードと該自動錠付き容器に設定されたキーコードを用いて第2の認証を行い、該第2の認証が成功した後に、該自動錠付き容器に設置された錠を解錠して実行される物品格納ステップと、
を有することを特徴とする物品配送方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−97478(P2008−97478A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−280910(P2006−280910)
【出願日】平成18年10月16日(2006.10.16)
【出願人】(000006105)株式会社明電舎 (1,739)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月16日(2006.10.16)
【出願人】(000006105)株式会社明電舎 (1,739)
【Fターム(参考)】
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