説明

シュリンクフィルムおよびシュリンクラベル

【課題】ポリオレフィン系樹脂とポリエステル系樹脂の異種ポリマーの積層シュリンクフィルムにおいて、高い層間強度を発揮するシュリンクフィルムを提供する。
【解決手段】本発明のシュリンクフィルムは、非晶性ポリエステル系樹脂を主成分として構成される表面層(A層)、単量体成分としてスチレン系単量体を10〜60重量%及び共役ジエンを40〜90重量%を含むスチレン系熱可塑性エラストマー、及び/又はその誘導体を主成分として構成される中間層(B層)、および、ポリオレフィン系樹脂を主成分として構成される中心層(C層)が、A層/B層/C層/B層/A層の順に、他の層を介さずに積層されていることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、層間強度を向上させた、異種積層シュリンクフィルムに関する。詳しくは、低比重かつ収縮特性に優れた、ポリオレフィン系樹脂からなるフィルム層とポリエステル系樹脂からなるフィルム層を有する積層シュリンクフィルムであって、なおかつ、優れた層間強度を有するシュリンクフィルムに関する。また、該シュリンクフィルムに印刷層を設けたシュリンクラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、プラスチックフィルムの分野においては、フィルムに様々な異なる機能を付与する目的で、異なる樹脂素材を積層した異種積層フィルムが広く用いられている。例えば、ポリエステル系樹脂とポリスチレン系樹脂を積層させた熱収縮性フィルムが知られている(例えば、特許文献1〜6参照)。
【0003】
また、一方、比重が小さく軽量で、回収時に比重の違いを利用してPETボトルなどとの分別が容易であるなどの観点から、中心層としてポリオレフィン樹脂を用い、さらに、接着性樹脂層を介してポリエステル系樹脂等の非ポリオレフィン樹脂からなる表面層を設けることにより、低温収縮性、センターシール性、印刷性等などの特性を改良したポリオレフィン系樹脂とポリエステル系樹脂の積層フィルムからなる熱収縮性ラベル用フィルムが知られている(例えば、特許文献7参照)。
【0004】
しかしながら、上記ポリオレフィン系樹脂とポリエステル系樹脂からなる積層フィルムは、層間強度が十分とはいえず、例えば、シュリンクラベル用途に用いた時には熱収縮させるとセンターシールした部分(接着部分)をきっかけにラベル端部で層間剥離するなどの問題を有していた。即ち、中心層としてポリオレフィン樹脂を用い、表面層としてポリエステル系樹脂を用いた積層構成を有するシュリンクフィルムであって、低密度、収縮特性と実用に耐える層間強度を両立した優れたシュリンクフィルムは得られていないのが現状である。
【0005】
【特許文献1】特開2006−159901号公報
【特許文献2】特開2006−159902号公報
【特許文献3】特開2006−159903号公報
【特許文献4】特開2006−159906号公報
【特許文献5】特開2006−15745号公報
【特許文献6】特開2006−123482号公報
【特許文献7】特開平11−262981号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、ポリオレフィン系樹脂とポリエステル系樹脂の異種ポリマーの積層シュリンクフィルムにおいて、高い層間強度を発揮するシュリンクフィルムを提供することにある。また、該シュリンクフィルムを用いたシュリンクラベルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、検討の結果、非晶性ポリエステル系樹脂から構成される表面層、反応性官能基を有するポリオレフィン系樹脂から構成される中間層およびポリオレフィン系樹脂から構成される中心層を有する3種5層の積層シュリンクフィルムにより、低密度、収縮特性と実用に耐える層間強度を両立した優れたシュリンクフィルムが得られることを見出した。
【0008】
しかしながら、上記シュリンクフィルムも、高収縮タイプのシュリンクラベル用途に対応させるために高倍率で延伸した場合には、層間強度や収縮特性が低下しやすい傾向があることがわかった。即ち、複雑な容器形状に用いられるような高収縮タイプのシュリンクラベル用途としては更なる層間強度の改良、収縮特性の向上が必要であった。
【0009】
そこで、本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、ポリオレフィン系樹脂から構成される中心層、ポリエステル系樹脂から構成される表面層の間に、特定の単量体組成のスチレン系熱可塑性エラストマー及び/又はその誘導体から構成される中間層を設けた3種5層の積層構成とすることにより、優れた層間強度、特に高収縮タイプのシュリンクフィルムとするために高倍率に延伸処理した場合にも高い層間強度を有する異種積層フィルムを得ることができることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明は、非晶性ポリエステル系樹脂を主成分として構成される表面層(A層)、単量体成分としてスチレン系単量体を10〜60重量%及び共役ジエンを40〜90重量%を含むスチレン系熱可塑性エラストマー、及び/又はその誘導体を主成分として構成される中間層(B層)、および、ポリオレフィン系樹脂を主成分として構成される中心層(C層)が、A層/B層/C層/B層/A層の順に、他の層を介さずに積層されていることを特徴とするシュリンクフィルムを提供する。
【0011】
さらに、本発明は、B層を構成するスチレン系熱可塑性エラストマーにおいて、スチレン系単量体がスチレンであり、共役ジエンが1,3−ブタジエン及び/又はイソプレンである前記のシュリンクフィルムを提供する。
【0012】
さらに、本発明は、C層を構成するポリオレフィン系樹脂が、メタロセン触媒を用いて重合して得られたポリプロピレンを主成分とする前記のシュリンクフィルムを提供する。
【0013】
さらに、本発明は、T型剥離試験(JIS K 6854−3に準拠、剥離速度:200mm/分)における、各層間の層間強度が2(N/15mm)以上である前記のシュリンクフィルムを提供する。
【0014】
さらに、本発明は、前記のシュリンクフィルムの少なくとも一方の面側に印刷層を設けたシュリンクラベルを提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明のシュリンクフィルムは、ポリオレフィン系樹脂からなる中心層を有するため、比重が小さく軽量でシュリンクラベルとして用いたときには回収時に比重の違いを利用してPETボトルなどと容易に分別ができる。さらに、ポリエステル系樹脂からなる表面層を有することにより、収縮特性、強度特性、印刷適性にも優れている。なおかつ、各層の層間強度が高く、製造工程、流通過程において、層間剥離によるトラブルが生じない。特に高倍率に延伸した高収縮タイプのシュリンクフィルムである場合にも高い層間強度を維持することができる。また、透明性にも優れている。このため、PETボトルなどの容器に装着するシュリンクラベルとして有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明のシュリンクフィルムについて、さらに詳細に説明する。
【0017】
本発明のシュリンクフィルムは、ポリエステル系樹脂を主成分として構成される表面層(以下、「A層」と称する)、スチレン系熱可塑性エラストマー及び/又はその誘導体を主成分として構成される中間層(以下、「B層」と称する)、および、ポリオレフィン系樹脂を主成分として構成される中心層(以下、「C層」と称する)を少なくとも有する。
なお、A層を形成する樹脂組成物を「樹脂組成物A」、B層を形成する樹脂組成物を「樹脂組成物B」、C層を形成する樹脂組成物を「樹脂組成物C」と称する場合がある。また、本願にいう「主成分とする」とは、特に限定がない限り、それぞれの層中の含有量が、層を形成する樹脂組成物の総重量に対して50重量%以上であることをいい、より好ましくは60重量%以上であることをいう。
【0018】
本発明のシュリンクフィルムは、上記A〜C層を、A層(表面層)/B層(中間層)/C層(中心層)/B層(中間層)/A層(表面層)の順に、他の層を介さずに積層された3種5層の積層構造を有している。なお、C層の両側に各1層ずつ設けられたA層同士、B層同士は、それぞれ同一の樹脂組成からなる層であることが好ましいが、本発明の規定、効果を損なわない範囲内で、異なる組成の層(例えば、A1層とA2層)であってもよい。本発明のシュリンクフィルムは、上記3種5層のフィルム層から構成されるフィルムであってもよいし、上記3種5層積層フィルムの製膜工程でインラインで設けることができる層で、上記3種5層構成フィルム以外の層を有していてもよい。このような層としては、例えば、アンカーコート層、易接着層、帯電防止剤層などのコーティング層が挙げられる。
【0019】
[表面層(A層)]
本発明のシュリンクフィルムにおける表面層(A層)は、非晶性ポリエステル系樹脂を主成分として構成される。上記非晶性ポリエステル系樹脂は、実質的に非晶性のポリエステル系樹脂である。
【0020】
上記非晶性ポリエステル系樹脂は、実質的に非晶性であれば、特に限定されず、例えば、ジカルボン酸成分とジオール成分とで構成される種々のポリエステルが挙げられる。
【0021】
ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、5−t−ブチルイソフタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、トランス−3,3’−スチルベンジカルボン酸、トランス−4,4’−スチルベンジカルボン酸、4,4’−ジベンジルジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,2,6,6−テトラメチルビフェニル−4,4’−ジカルボン酸、1,1,3−トリメチル−3−フェニルインデン−4,5−ジカルボン酸、1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、及びこれらの置換体等の芳香族ジカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、イコサン二酸、ドコサン二酸、1,12−ドデカンジオン酸、及びこれらの置換体等の脂肪族ジカルボン酸;1,4−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、1,5−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、2,6−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、シス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、トランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、及びこれらの置換体等の脂環式ジカルボン酸などが挙げられる。これらのジカルボン酸成分は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0022】
ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2,4−ジメチル−1,3−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の脂肪族ジオール;1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール等の脂環式ジオール;2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシジフェニル)プロパン、ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン等のビスフェノール系化合物のエチレンオキシド付加物、キシリレングリコール等の芳香族ジオールなどが挙げられる。これらのジオール成分は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0023】
上記非晶性ポリエステル系樹脂は、上記以外にも、p−オキシ安息香酸、p−オキシエトキシ安息香酸等のオキシカルボン酸;安息香酸、ベンゾイル安息香酸等のモノカルボン酸;トリメリット酸等の多価カルボン酸;ポリアルキレングリコールモノメチルエーテル等の1価アルコール;グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の多価アルコールなどの構成単位を含んでいてもよい。
【0024】
非晶性ポリエステル系樹脂としては、上記の中でも、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、ジオール成分としてエチレングリコール(EG)を用いたポリエチレンテレフタレート(PET)において、ジカルボン酸成分及び/又はジオール成分の一部を他のジカルボン酸成分及び/又はジオール成分に置き換えた変性PETが好ましく例示される。上記変性PETに用いられるジカルボン酸成分としては、例えば、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、イソフタル酸などが挙げられる。また、ジオール成分としては、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、ネオペンチルグリコール(NPG)、ジエチレングリコールなどが挙げられる。
【0025】
上記変性PETとしては、具体的には、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてEGを主成分、CHDMを共重合成分として用いた共重合ポリエステル(以後、CHDM共重合PET又はCHDM変性PETという)やネオペンチルグリコール(NPG)を共重合成分として用いた共重合ポリエステル(以後、NPG共重合PET又はNPG変性PETという)が、コスト、生産性等の観点で好ましい。さらに、低温収縮性向上の観点で、ジエチレングリコールを共重合していてもよい。
【0026】
上記変性PETにおいて、変性に用いる共重合成分の共重合比率(全ジカルボン酸成分に対する共重合ジカルボン酸成分の比率、または、全ジオール酸成分に対する共重合ジオール酸成分の比率)は、層間強度を一層向上させる観点から、15モル%以上(例えば、15〜40モル%)が好ましい。中でも、例えば、CHDM共重合PETの場合、CHDMの共重合の割合は、ジオール成分中(即ち、テレフタル酸100モル%に対して)、20〜40モル%(EGが60〜80モル%)が好ましく、さらに好ましくは25〜35モル%(EGが65〜75モル%)である。また、NPG共重合PETの場合、ジオール成分中、15〜40モル%(EGが60〜85モル%)が好ましい。また、さらにEG成分の一部(好ましくは、10モル%以下)をジエチレングリコールに置き換えてもよい。
【0027】
上述のように、ポリエステルを変性し非晶性とすることにより、A層の溶融温度での流動性を低下させ、B層の流動挙動と近づけることができるため、層の成型性及び層間強度が向上する。
【0028】
上記非晶性ポリエステル系樹脂の、示差走査熱量測定(DSC)法(10℃/分の昇温スピードで測定)により測定した結晶化度は、15%以下が好ましく、より好ましくは10%以下である。さらに、上記DSC法による融点(融解ピーク)がほとんど見うけられないもの(すなわち、結晶化度0%)が最も好ましい。上記、結晶化度は、DSC測定より得られる結晶融解熱の値から、X線法等により固定した結晶化度の明確なサンプルを標準として、算出することができる。なお、結晶融解熱は、例えば、セイコーインスツルメンツ社製DSC(示差走査熱量測定)装置を用い、試料量10mg、昇温速度10℃/分で、窒素シールを行い、一度融点以上まで昇温し、常温まで降温した後、再度昇温したときの融解ピークの面積から求めることができる。結晶化度は、単一の樹脂から測定されることが好ましいが、混合状態で測定される場合には、混合される樹脂の融解ピークを差し引いて、対象となるポリエステル系樹脂の融解ピークを求めればよい。
【0029】
上記非晶性ポリエステル系樹脂の重量平均分子量は、溶融挙動を好ましい範囲に制御する観点から、50000〜90000が好ましく、より好ましくは60000〜80000である。さらに、NPG共重合PETの場合、50000〜80000が好ましく、より好ましくは60000〜70000である。
【0030】
上記非晶性ポリエステル系樹脂のIV値(固有粘度)は、層間強度の観点から、0.70(dl/g)以上が好ましく、より好ましくは0.7〜0.9(dl/g)、さらに好ましくは0.75〜0.85(dl/g)である。また、非晶性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、収縮適性の観点から、70〜100℃が好ましく、より好ましくは70〜80℃である。
【0031】
上記の非晶性ポリエステル系樹脂としては、既存品を用いることも可能であり、例えば、Eastman Chemical社製「Eastar Copolyester」、「EMBRACE」(以上、CHDM共重合PET);ベルポリエステルプロダクツ(株)製「ベルペット」(NPG共重合PETなど)等が市場で入手できる。
【0032】
本発明のA層を構成する樹脂組成物の総重量に対する非晶性ポリエステル系樹脂の含有量は、収縮適性(収縮率)や比重等の観点から、50〜100重量%が好ましく、より好ましくは80〜100重量%である。
【0033】
A層には、必要に応じてその他の添加剤、例えば、滑剤、充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤、ピニング剤(アルカリ土類金属)等を含んでいてもよい。
【0034】
[中間層(B層)]
本発明のシュリンクラベルにおける中間層(B層)は、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー及び/又はその誘導体を主成分として構成される。上記ポリスチレン系熱可塑性エラストマーは、スチレン系単量体および共役ジエンを必須の単量体成分として構成される共重合エラストマーである。
【0035】
上記スチレン系単量体としては、特に限定されないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−イソブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、クロロメチルスチレンなどが挙げられる。中でも、強度、成型性などの物性の観点から、スチレンが特に好ましい。なお、これらスチレン系単量体は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0036】
上記共役ジエンとしては、特に限定されないが、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、クロロプレンなどが挙げられる。中でも、弾性付与、極性付与の観点から、1,3−ブタジエン、イソプレンが特に好ましい。なお、これら共役ジエンは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0037】
上記スチレン系熱可塑性エラストマーにおいて、上記スチレン系単量体の含有量は、単量体成分の全重量に対して、10〜60重量%であり、好ましくは20〜50重量%、より好ましくは20〜45重量%である。一方、上記共役ジエンの含有量は、単量体成分の全重量に対して、40〜90重量%であり、好ましくは50〜80重量%、より好ましくは55〜80重量%である。スチレン系単量体の含有量が10重量%未満の場合(または、共役ジエンの含有量が90重量%を超える場合)には、樹脂組成物Bが柔らかくなりすぎるため、成型が困難となる。また、共役ジエンの含有量が40重量%未満の場合(または、スチレン系単量体の含有量が60重量%を超える場合)には、ポリオレフィン系樹脂(C層)との密着性が低下する。
【0038】
上記スチレン系熱可塑性エラストマーは、本発明の効果を損なわない範囲であれば、上記スチレン系単量体、共役ジエン以外の単量体成分を含有していてもよい。このような単量体成分としては、例えば、ビニル系モノマー、重合性不飽和カルボン酸エステル共重合体などが挙げられる。
【0039】
本発明シュリンクフィルムにおけるB層には、上記スチレン系熱可塑性エラストマーとともに、または、スチレン系熱可塑性エラストマーにかえて、上記スチレン系熱可塑性エラストマーの誘導体を用いてもよい。当該スチレン系熱可塑性エラストマーの誘導体としては、例えば、スチレン系熱可塑性エラストマーに水素添加した水添物が好ましく例示される。
【0040】
また、スチレン系熱可塑性エラストマーやその水添物を変性し、反応性官能基を導入した変性物であってもよい。該反応性官能基としては、ポリエステルのエステル結合部分と反応または相互作用(水素結合など)する官能基であり、特に限定されないが、例えば、カルボキシル基(カルボン酸無水物も含む)、水酸基、オキサゾリン基、イソシアネート基、エポキシ基などが挙げられる。中でも、層間強度向上の観点から、ジカルボン酸無水物基(無水ジカルボン酸変性)が好ましく、マレイン酸無水物基(無水マレイン酸変性)が特に好ましい。なお、上記「変性」という場合には、「反応性官能基がポリマー主鎖にグラフト化により導入されたもの」及び「共重合により導入されたもの」の両方を含むものとする。
【0041】
上記スチレン系熱可塑性エラストマーの共重合の形態としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体など、特に限定されないが、ブロック共重合体が好ましく、スチレンブロック(S)−共役ジエンブロック(D)型、S−D−S型、D−S−D型、S−D−S−D型等が挙げられる。また、当該共重合体の水添物であってもよい。
【0042】
本発明シュリンクフィルムにおけるB層に用いられる、スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、具体的には、例えば、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−イソプレンブロック共重合体(SBIS)などが例示される。また、スチレン系熱可塑性エラストマーの誘導体としては、具体的には、スチレン−エチレン・ブタジエンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピレン共重合体(SEPS)などの水添スチレン系熱可塑性エラストマーや無水マレイン酸変性SEBS、無水マレイン酸変性SEPSなどの変性水添スチレン系熱可塑性エラストマーが例示される。中でも、最も好ましくは、スチレン−エチレン・ブタジエンブロック共重合体(SEBS)である。
【0043】
上記スチレン系熱可塑性エラストマー又はその誘導体の重量平均分子量は、層形成時の流動性の観点から、10万〜50万が好ましく、より好ましくは20万〜40万である。
【0044】
上記スチレン系熱可塑性エラストマー又はその誘導体としては、市販品を用いてもよく、例えば、旭化成ケミカルズ(株)製「タフプレン」、「アサプレン」(以上、スチレン系熱可塑性エラストマー)、旭化成ケミカルズ(株)製「タフテック H」、クラレ(株)製「セプトン」、クラレ(株)製「ハイブラー」(以上、水添スチレン系熱可塑性エラストマー)、旭化成ケミカルズ(株)製「タフテック M」(無水マレイン酸変性した水添スチレン系熱可塑性エラストマー)などが挙げられる。
【0045】
B層を構成する樹脂組成物の総重量に対する上記スチレン系熱可塑性エラストマー及びその誘導体の含有量は、層間強度の観点から、50重量%以上であり、好ましくは60〜100重量%、より好ましくは70〜100重量%、さらに好ましくは90〜100重量%である。
【0046】
B層には、シュリンクさせる時の熱による接着性低下を防ぐために、石油樹脂、テルペン系樹脂などの粘着付与剤(タッキファイヤ)を含んでいてもよい。粘着付与剤としては、例えば、ロジン系樹脂(ロジン、重合ロジン、水添ロジン及びそれらの誘導体、樹脂酸ダイマーなど)、テルペン系樹脂(テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、テルペン−フェノール樹脂など)、石油樹脂(脂肪族系、芳香族系、脂環族系)などが挙げられる。中でも、石油樹脂が好ましい。粘着付与剤は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。粘着付与剤を添加する場合の添加量は、B層を構成する樹脂組成物の総重量に対して、5〜30重量%が好ましく、より好ましくは10〜20重量%である。添加量が30重量%を超えると、樹脂が軟らかくなり過ぎて成型が困難になる場合がある。また、5重量%未満では添加の効果が小さい場合がある。上記粘着付与剤としては、荒川化学(株)製「アルコン」、ヤスハラケミカル(株)「クリアロン」、出光興産(株)「アイマーブ」などが市販品として入手可能できる。
【0047】
また、B層には、層間強度を向上させる目的で、本発明の効果を損なわない範囲内で、回収原料やA層を構成する樹脂成分(非晶性ポリエステル系樹脂)やC層を構成する樹脂成分(ポリオレフィン系樹脂)を含んでいてもよい。その場合の配合量は、B層を構成する樹脂組成物の全重量に対して1〜30重量%程度である。なお、回収原料とは、製品化の前後やフィルムエッジなどの非製品部分、中間製品から製品フィルムを採取した際の残余部分や規格外品などのフィルム屑、ポリマー屑からなるリサイクル原料である(ただし、本発明のシュリンクフィルムの製造より生じたものに限る)。
【0048】
[中心層(C層)]
本発明のシュリンクラベルにおける中心層(C層)は、ポリオレフィン系樹脂を主成分として構成される。上記ポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン、ポリメチルペンテン(PMP)等の単独重合体;エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体等の共重合体(オレフィン系エラストマーを含む);環状オレフィンとα−オレフィン(エチレン、プロピレン等)との共重合体又はそのグラフト変性物、環状オレフィンの開環重合体若しくはその水添物又はそれらのグラフト変性物等の非晶性環状オレフィン系重合体等が挙げられる。上記の中でも、層間強度の観点から、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体が好ましく、特に好ましくは、メタロセン触媒により重合して得られたポリプロピレン(メタロセン触媒系ポリプロピレン)、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体である。また、これらのポリオレフィン系樹脂は単独で又は2種以上混合して使用できる。
【0049】
上記プロピレン−α−オレフィン共重合体の共重合成分として用いられるα−オレフィンは、エチレンや、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどの炭素数4〜20程度のα−オレフィンが挙げられる。これらの共重合成分は単独で又は2種以上混合して使用できる。上記の中でも好ましいものとしては、エチレンを共重合成分とするエチレン−プロピレンランダム共重合体が挙げられる。このエチレン−プロピレンランダム共重合体において、エチレンとプロピレンの比率は、例えば、(前者/後者(重量比)=2/98〜5/95(好ましくは3/97〜4.5/95.5)程度の範囲から選択することができる。
【0050】
さらに、エチレン−プロピレンランダム共重合体としては、60〜80℃程度の低温収縮性及び熱収縮時の容器へのフィット性を向上しうる点で、メタロセン触媒を用いて共重合して得られる共重合体が好ましい。また、低温収縮性やフィルムの腰の強度の観点から、アイソタクチックインデックスが90%以上のものが好適である。上記メタロセン触媒としては、公知乃至慣用のオレフィン重合用メタロセン触媒を用いることができる。共重合方法としては、特に制限されず、スラリー法、溶液重合法、気相法などの公知の重合方法を採用することができる。
【0051】
上記ポリオレフィン系樹脂としては、日本ポリプロ(株)製「ウィンテック WFX6」(メタロセン触媒系ポリプロピレン)、三菱化学(株)製「ゼラス #7000、#5000」(プロピレン−α−オレフィン共重合体)、日本ポリエチレン(株)製「カーネル」などが市販品として入手可能である。
【0052】
上記オレフィン系樹脂の重量平均分子量は、溶融挙動を好ましい範囲に制御する観点から、10万〜50万が好ましく、より好ましくは20万〜40万である。
【0053】
上記ポリオレフィン系樹脂の、融点は100〜150℃が好ましく、より好ましくは120〜140℃である。また、メルトフローレート(MFR)は0.1〜10(g/10分)が好ましく、より好ましくは1〜5(g/10分)である。融点やMFRが上記範囲を外れる場合には、ポリエステル系樹脂との製造条件の違いが大きくなり、共押出によるシート化やその後の延伸が困難となり、フィルム破れなどの生産性低下や、配向が十分に進まず収縮性の低下を招く場合がある。
【0054】
本発明のC層を構成する樹脂組成物の総重量に対する上記ポリオレフィン系樹脂の含有量は、50重量%以上であり、好ましくは60〜100重量%、より好ましくは65〜95重量%である。C層中のポリオレフィン系樹脂の含有量が50重量%未満では、低比重とならない場合や収縮特性が低下する場合がある。
【0055】
C層には、高収縮性、腰の強さの向上と自然収縮の防止のために、石油樹脂、テルペン系樹脂などの粘着付与剤(タッキファイヤ)を含んでいてもよい。粘着付与剤としては、例えば、ロジン系樹脂(ロジン、重合ロジン、水添ロジン及びそれらの誘導体、樹脂酸ダイマーなど)、テルペン系樹脂(テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、テルペン−フェノール樹脂など)、石油樹脂(脂肪族系、芳香族系、脂環族系)などが挙げられる。中でも、石油樹脂が好ましい。粘着付与剤は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。粘着付与剤を添加する場合の添加量は、C層を構成する樹脂組成物の総重量に対して、5〜30重量%が好ましく、より好ましくは10〜25重量%である。添加量が30重量%を超えると、シュリンクフィルムが脆くなる場合がある。また、5重量%未満では添加の効果が小さい場合がある。上記粘着付与剤としては、荒川化学(株)製「アルコン」などが市販品として入手可能できる他、石油樹脂含有のポリオレフィン系樹脂(例えば、日本ポリプロ(株)製「ウィンテック TX1987FC」:メタロセン触媒系ポリプロピレン(70重量%)/ポリエチレン(5重量%)/石油樹脂25重量%の混合樹脂)を用いることもできる。
【0056】
C層を構成する樹脂組成物(樹脂組成物C)としては、上記の中でも、収縮性付与の観点から、メタロセン触媒系ポリプロピレン、メタロセン触媒系ポリプロピレン(主成分)と、石油樹脂及び/又はオレフィン系エラストマーとの混合樹脂が特に好ましく例示される。なお、上記オレフィン系エラストマーとしては、公知慣用のオレフィン系エラストマー(オレフィン系熱可塑性エラストマー等)が使用可能で、特に限定されないが、例えば、エチレン−プロピレン共重合エラストマー、エチレン−プロピレン−ジエン共重合エラストマー等のエチレン系エラストマー、ブタジエンゴム、イソプレンゴム等の共役ジエンゴムなどが好ましく例示される。
【0057】
なお、本発明のシュリンクフィルムのC層には、本願発明の効果を損なわない範囲内で、回収原料を含んでいてもよい。その場合の回収原料の配合量は、C層を構成する樹脂組成物の全重量に対して1〜30重量%程度である。なお、回収原料とは、製品化の前後やフィルムエッジなどの非製品部分、中間製品から製品フィルムを採取した際の残余部分や規格外品などのフィルム屑、ポリマー屑からなるリサイクル原料である(ただし、本発明のシュリンクフィルムの製造より生じたものに限る)。
【0058】
[シュリンクフィルム]
本発明のシュリンクフィルムは、前述のとおり、A層(表面層)/B層(中間層)/C層(中心層)/B層(中間層)/A層(表面層)の順に、A〜C層が他の層を介さずに積層された3種5層の積層構造を含んだ積層構成である。具体的には、特に限定されないが、A/B/C/B/Aの積層構成が好ましく例示される。
【0059】
上記A/B/C/B/Aの3種5層積層構造は共押出により形成される。上記共押出の一般的方法は、それぞれ所定の温度に設定した複数の押出機に樹脂組成物A〜Cをそれぞれ投入し、Tダイ、サーキュラーダイなどから共押出する方法である。この際、マニホールドや合流ブロックを用いて、所定の積層構成とすることが好ましい。また必要に応じて、ギアポンプを用いて供給量を調節してもよく、さらにフィルターを用いて、異物を除去するとフィルム破れが低減できるため好ましい。なお、押出温度は、用いる樹脂組成物A〜Cの種類によっても異なり、特に限定されないが、各樹脂組成物の成型温度領域が近接していることが好ましい。具体的には、樹脂組成物A(A層)の押出温度は210〜240℃が好ましく、樹脂組成物B(B層)は190〜220℃、樹脂組成物C(C層)は180〜220℃が好ましい。また、各樹脂組成物の合流部やダイの温度は200〜220℃とすることが好ましい。上記共押出したポリマーを、冷却ドラムなどを用いて急冷することにより、未延伸積層フィルム(シート)を得ることができる。
【0060】
本発明のシュリンクフィルムは、収縮特性の観点から、1軸又は2軸に配向したフィルムであり、フィルム中のA/B/C/B/Aの5層が配向している必要がある。A/B/C/B/Aの5層が無配向の場合には、良好な収縮性を得ることができない。配向は1軸配向、2軸配向など特に限定されないが、フィルム幅方向(ラベルを筒状にした場合に周方向となる方向)に強く配向した、実質的に幅方向の1軸配向が好ましい。また、フィルムの長手方向(幅方向と直交する方向)に強く配向した実質的に長手方向の1軸配向フィルムであってもよい。
【0061】
上記1軸配向、2軸配向などの配向フィルムは、未延伸積層フィルム(シート)を延伸することにより作製できる。延伸としては、所望の配向に応じて選択でき、長手方向(縦方向;MD方向)および幅方向(横方向;TD方向)の2軸延伸でもよいし、長手、または、幅方向の1軸延伸でもよい。また、延伸方式は、ロール方式、テンター方式、チューブ方式の何れの方式を用いてもよい。延伸条件としては、用いる樹脂組成物A〜Cの種類によっても異なり、特に限定されないが、一般的には70〜110℃(好ましくは、80〜95℃)の範囲で、長手、幅の各方向に1〜8倍程度の倍率で行うことが好ましい。例えば、長手方向に1〜1.5倍(好ましくは1〜1.3倍)程度に延伸した後、幅方向に2〜8倍(好ましくは3〜8倍、さらに好ましくは4.5〜8倍)程度延伸することが好ましい。
【0062】
本発明のシュリンクフィルムにおいて、A層(1層)の厚みは、特に限定されないが、3〜15μmが好ましく、より好ましくは5〜10μmである。A層厚みが15μmを超えると収縮が急激に起こる場合があり、3μm未満では収縮が不足する場合がある。
【0063】
本発明のシュリンクフィルムにおいて、B層(1層)の厚みは、特に限定されないが、3〜15μmが好ましく、より好ましくは5〜10μmである。B層厚みが15μmを超えると収縮が不均一となる場合があり、3μm未満では層の形成が困難となる場合がある。
【0064】
本発明のシュリンクフィルムにおいて、C層(1層)の厚みは、特に限定されないが、10〜70μmが好ましく、より好ましくは15〜50μmである。C層厚みが70μmを超えると収縮率が低下する場合があり、10μm未満では収縮が急激に起こる場合がある。
【0065】
本発明のシュリンクフィルムにおいて、全体厚みを100%とした場合、A層(2層分の合計)およびB層(2層分の合計)の厚み比は、それぞれ2〜50%が好ましい。また、C層の厚み比は40〜95%が好ましい。
【0066】
本発明のシュリンクフィルムの厚みは、特に限定されないが、20〜100μmが好ましく、より好ましくは20〜80μm、さらに好ましくは20〜50μmである。
【0067】
本発明のシュリンクフィルムにおいて、表面層(A層)は、ポリエステル系樹脂を主成分とするため、高収縮性であり、また表面に印刷適性、耐摩耗性、耐薬品性を付与することができる。中心層(C層)は、ポリオレフィン系樹脂を主成分とするため、シュリンクラベルが低比重となり、加えて、ラベルの急激な収縮を抑え収縮挙動を緩やかにすることができる。中間層(B層)は、A層及びC層の両層と密着性が高く、層間強度を向上させる役割を担う。これらの層を上述の積層構成で積層させることによって、低密度でありながら高収縮であり、さらにシュリンク加工後においても高い層間強度を備えたシュリンクフィルム(または、それを用いたシュリンクラベル)を得ることができる。
【0068】
特に、本発明においては、中間層(B層)にスチレン系熱可塑性エラストマーを用いていることが特徴である。スチレン系熱可塑性エラストマーは、例えば、無水マレイン酸変性やエポキシ変性のポリオレフィン樹脂などのオレフィン変性体と比較すると、極性起因(水素結合など)の粘着性を有し、他層と粘接着する点では共通するが、ゴム成分を多く含むスチレン系熱可塑性エラストマーは、主鎖が柔軟で伸縮性を有することにより、延伸時の変形に対してB層が追従しやすく、粘着性、接着性を喪失しにくい点で優れている。一方、主鎖が比較的剛直なオレフィン系変性体をB層として用いる場合には、特に高倍率に延伸する場合にはB層が延伸変形に追従できずに極性による相互作用が失われやすい(例えば、水素結合が切れやすい)ため、延伸時に粘着力が低下しやすい。上記のとおり、本願発明では、層間強度が高く、なおかつ延伸処理によって、層間強度が低下しにくいため、シュリンクフィルム(特に高収縮タイプのシュリンクフィルム)とした際の層間強度を特に優れたものとすることができる。
さらに、上記のとおり高倍率延伸ができることに加えて、B層のスチレン系熱可塑性エラストマー自体の収縮性が良好であるため、さらに一層シュリンクラベルの収縮特性を向上させることができる。
【0069】
[シュリンクラベル]
本発明のシュリンクフィルムを基材として、その少なくとも一方の面側に印刷層を設けることによりシュリンクラベルとして好ましく用いることができる。また、上記シュリンクラベルとしては、印刷層の他にも、保護層、アンカーコート層、プライマーコート層、接着剤層(感圧性、感熱性など)などの樹脂層、コーティング層を設けてもよく、さらに、不織布、紙等の層を設けてもよい。本発明のシュリンクラベルの具体的構成としは、例えば、印刷層/A/B/C/B/A、印刷層/A/B/C/B/A/印刷層などの層構成が好ましく例示される。なお、本発明のシュリンクフィルムは、印刷層を設けない場合にも、それ自体でシュリンクラベル用途として用いることも可能である。
【0070】
本発明のシュリンクラベルは、少なくとも一方の表面に印刷層(例えば、商品名やイラスト、取り扱い注意事項等を表示した層)を有する。上記印刷層は、印刷インキを塗布することにより形成する。塗布の方法は、生産性、加工性などの観点から、フィルム製膜後に公知慣用のなどによる印刷手法を用いて塗布を行うオフラインコートによって設けることが好ましい。印刷手法としては、慣用の方法を用いることができるが、グラビア印刷またはフレキソ印刷が最も好ましい。印刷層の形成に用いられる印刷インキは、例えば顔料、バインダー樹脂、溶剤、その他の添加剤等からなる。上記バインダー樹脂としては、特に限定されないが、例えば、アクリル系、ウレタン系、ポリアミド系、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合系、セルロース系、ニトロセルロース系などの樹脂を単独あるいは併用して使用できる。上記顔料としては、酸化チタン(二酸化チタン)等の白顔料、銅フタロシアニンブルー等の藍顔料、カーボンブラック、アルミフレーク、雲母(マイカ)、その他着色顔料等が用途に合わせて選択、使用できる。また、顔料として、その他にも、光沢調製などの目的で、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、アクリルビーズ等の体質顔料も使用できる。上記溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどの有機溶媒や水など通常用いられるものを使用できる。
【0071】
上記印刷層は、特に限定されないが、可視光、紫外線、電子線などの活性エネルギー線硬化性の樹脂層であってもよい。過剰の熱によるフィルムの変形を防ぐ場合などに有効である。例えば、紫外線による硬化の場合、紫外線(UV)ランプ、紫外線LEDや紫外線レーザーなどを用い、波長300〜460nmの紫外線(又は近紫外線)で、照射強度150〜1000mJ/cm2、照射時間0.1〜3秒程度の条件で行うことができる。活性エネルギー線硬化性の印刷層である場合には、印刷インキには、上記の他に、光ラジカル重合開始剤及び光カチオン重合開始剤などの光重合開始剤を添加することが好ましい。光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、アセトフェノン系、アシルフォスフィン系重合開始剤等が挙げられ、光カチオン重合開始剤としては、例えば、ジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、シラノール/アルミニウム錯体、スルホン酸エステル、イミドスルホネートなどが挙げられる。これら光重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、印刷インキ全体に対して、0.5〜7重量%が好ましく、より好ましくは1〜5重量%である。さらに、印刷インキには、生産効率を高める観点から、必要に応じて、増感剤を添加してもよい。その場合の増感剤は、例えば、脂肪族、芳香族アミン、ピペリジンなど窒素を環に含むアミンなどのアミン系増感剤;アリル系、o−トリルチオ尿素などの尿素系増感剤;ナトリウムジエチルジチオホスフェートなどのイオウ化合物系増感剤;アントラセン系増感剤;N,N−ジ置換−p−アミノベンゾニトリル系化合物などのニトリル系増感剤;トリ−n−ブチルホスフィンなどのリン化合物系増感剤;N−ニトロソヒドロキシルアミン誘導体、オキサゾリジン化合物などの窒素化合物系増感剤;四塩化炭素などの塩素化合物系増感剤などが挙げられる。増感剤の含有量としては、特に限定されないが、印刷インキ全体に対して、0.1〜5重量%が好ましく、特に好ましくは0.3〜3重量%である。
【0072】
上記印刷層の厚みは、特に限定されないが、例えば0.1〜10μm程度である。厚みが0.1μm未満である場合には、印刷層を均一に設けることが困難である場合があり、部分的な「かすれ」が起こったりして、装飾性が損なわれたり、デザイン通りの印刷が困難となる場合がある。また、厚みが10μmを超える場合には、印刷インキを多量に消費するため、コストが高くなったり、均一に塗布することが困難となったり、印刷層がもろくなって、剥離しやすくなったりする。また、印刷層の剛性が高くなり、シュリンク加工時にフィルムの収縮に追従しにくくなる場合がある。
【0073】
[シュリンクフィルムの物性]
本発明のシュリンクフィルムは優れた層間強度(層間剥離強度)を有する。層間強度(延伸配向後のシュリンクフィルムの層間強度)は、2(N/15mm)以上が好ましく、より好ましくは3(N/15mm)以上である。層間強度が2(N/15mm)未満の場合には、加工工程や製品化した後に、フィルム層同士がはがれて、生産性を低下させたり、品質上の問題となる場合がある。なお、上記層間強度は、T型剥離試験(JIS K 6854−3に準拠、剥離速度:200mm/分)における、シュリンクフィルム中で最も層間強度の低い層間の強度をいう。通常はA層とB層の層間強度が最も低くなる。
【0074】
本発明のシュリンクフィルム(シュリンク加工前)の90℃10秒(温水処理)における主配向方向(主に延伸処理を施した方向)の熱収縮率は、35%以上が好ましく、より好ましくは35〜80%、さらに好ましくは55〜80%である。熱収縮率が上記範囲未満の場合には、ラベルを容器に熱で密着させる工程において、収縮が十分でないため、容器の形に追従困難となり、特に複雑な形状の容器に対して仕上がりが悪くなることがある。
【0075】
なお、本発明のシュリンクフィルム(シュリンク加工前)の90℃10秒(温水処理)における上記主配向方向と直交する方向の熱収縮率は、−5〜10%が好ましい。100℃10秒(温水処理)における上記主配向方向と直交する方向の熱収縮率は、−5〜15%が好ましい。
【0076】
本発明のシュリンクフィルム(A/B/C/B/A3種5層積層フィルム)の透明度(透明性)(ヘイズ値:JIS K 7105、厚み40μm換算)(単位:%)は、10未満が好ましく、より好ましくは5.0未満、さらに好ましくは2.0未満である。ヘイズ値が10以上の場合には、シュリンクフィルムの内側(ラベルを容器に装着した時に容器側になる面側)に印刷を施し、フィルムを通して印刷を見せるシュリンクラベルの場合、製品とした際に、印刷が曇り、装飾性が低下することがある。ただし、ヘイズが10以上の場合であっても、フィルムを通して印刷を見せる上記用途以外の用途においては十分に使用可能である。
【0077】
[加工]
本発明のシュリンクラベルは、例えば、ラベル両端を溶剤や接着剤でシールし筒状にして容器に装着されるタイプの筒状ラベルや、ラベルの一端を容器に貼り付け、ラベルを巻き回した後、他端を一端に重ね合わせて筒状にする巻き付け方式のラベルとして好適に用いることができる。この筒状ラベルのセンターシール強度は、2N/15mm以上が好ましい。シール強度が2N/15mm未満の場合には、加工工程や製品化した後に、シール部分がはがれて、生産性を低下させたり、ラベル脱落の原因となる場合がある。
【0078】
上記筒状ラベルの製造方法は、特に限定されないが、例えば下記の通りである。本発明のシュリンクラベルは、長尺状の幅方向に延伸されたシュリンクフィルムに印刷した後、所定の幅にスリットして、ロール状に巻回し、ラベルが長尺方向に複数個連なったロール状物とされた後、加工に用いられる。これらロール状物のひとつを繰り出しながら、フィルムの主延伸方向(例えば幅方向)が円周方向となるように円筒状に成形する。具体的には、長尺状のシュリンクラベルを筒状に形成し、ラベルの一方の側縁部に、長手方向に帯状に約2〜4mm幅で、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン(THF)などの溶剤や接着剤(以下溶剤等)を内面に塗布し、筒状に丸めて、該溶剤等塗布部を、他方の側縁部から5〜10mmの位置に重ね合わせて、他方の側縁部外面に接着(センターシール)し、長尺筒状のラベル連続体(長尺筒状シュリンクラベル)を得る。なお、ラベル切除用のミシン目を設ける場合は、所定の長さ及びピッチのミシン目を長手方向に形成する。ミシン目は慣用の方法(例えば、周囲に切断部と非切断部とが繰り返し形成された円板状の刃物を押し当てる方法やレーザーを用いる方法等)により施すことができる。ミシン目を施す工程段階は、印刷工程の後や、筒状加工工程の前後など、適宜選択することができる。
【0079】
本発明のシュリンクラベルは、容器に装着し、ラベル付き容器として用いられる。このような容器には、例えば、PETボトルなどのソフトドリンク用ボトル、宅配用牛乳瓶、調味料などの食品用容器、アルコール飲料用ボトル、医薬品容器、洗剤、スプレーなどの化学製品の容器、カップ麺容器などが含まれる。容器の形状としても、円筒状、角形のボトルや、カップタイプなど様々な形状が含まれる。また、容器の材質としても、PETなどのプラスチック製、ガラス製、金属製などが含まれる。
【0080】
上記ラベル付き容器は、長尺筒状シュリンクラベルを切断後、所定の容器に装着し、加熱処理によって、ラベルを収縮、容器に追従密着させることによって作製できる。具体的には、ロール状にされた上記長尺筒状シュリンクラベルを、自動ラベル装着装置(シュリンクラベラー)に供給し、必要な長さに切断し、筒状シュリンクラベルとした後、該筒状シュリンクラベルを内容物を充填した容器に外嵌し、所定温度の熱風トンネルやスチームトンネルを通過させたり、赤外線等の輻射熱で加熱して熱収縮させ、容器に密着させて、ラベル付き容器を得る。上記加熱処理としては、例えば、80〜100℃のスチームで処理する(スチームおよび湯気が充満した加熱トンネルを通過させる)ことなどが例示される。
【0081】
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法]
(1)層間強度(T型剥離)
実施例、比較例で作製した未延伸フィルム(延伸前)とシュリンクフィルム(延伸後)について層間強度を測定し、シュリンクフィルムについて評価を行った。
長手方向(未延伸フィルム又はシュリンクフィルムの製膜方向)に15mmの幅で、幅方向(長手方向と直交方向)に長い短冊状のサンプル(200mm(未延伸フィルム又はシュリンクフィルム幅方向)×15mm(未延伸フィルム又はシュリンクフィルム長手方向))を採取した。以下で、サンプル幅方向とは未延伸フィルム又はシュリンクフィルムの長手方向をさす。
サンプルの長辺方向(未延伸フィルム又はシュリンクフィルムの幅方向)を測定方向として、下記の条件でT型剥離試験(JIS K 6854−3に準拠)を行い、層間の剥離荷重を測定した。
剥離荷重の平均値をもって層間強度(N/15mm)とした。シュリンクフィルムの層間強度が2(N/15mm)以上であれば層間強度良好(○)、2(N/15mm)未満であれば層間強度不良(×)と判断した。
(測定条件)
測定装置 : 島津製作所(株)製オートグラフ(AG−IS:ロードセルタイプ500N)
温湿度 : 温度23±2℃、湿度50±5%RH(JIS K 7000標準温度状態2級)
初期チャック間隔 : 40mm
サンプル幅 : 15mm
試験回数 : 3回
引張速度 : 200mm/分
ストローク: 150mm(破断した場合には中断し、その点までのデータを得た。)
前半削除範囲 : 50mm
感度 : 1
なお、上記層間強度は、積層構造の中で最も層間強度の弱い層間について評価するものとし、実施例、比較例では、A層とB層の層間強度で評価した。
【0082】
(2)熱収縮率(90℃10秒)
熱収縮率(90℃10秒)の測定を例に説明する。
実施例、比較例で得られたシュリンクフィルム(シュリンク加工前)から、測定方向(主配向方向:基材フィルムの長手方向または幅方向)に長さ120mm(標線間隔100mm)、サンプルの幅5mmの長方形のサンプル片を作製する。
サンプル片を90℃の温水中で、10秒熱処理(無荷重下)し、熱処理前後の標線間隔の差を読み取り、以下の計算式で熱収縮率を算出する。
収縮率(%) = (L0−L1)/L0×100
0 : 熱処理前のサンプルの寸法(主配向方向:長手方向又は幅方向)
1 : 熱処理後のサンプルの寸法(L0と同じ方向)
主配向方向の熱収縮率(収縮率)から以下の基準で収縮特性を評価した。なお、実施例では主配向方向はシュリンクフィルムの幅方向であった。
55%以上 : ◎(優れた収縮特性)
45%以上、55%未満 : ○(収縮特性良好)
35%以上、45%未満 : △(使用可能レベル)
35%未満 : ×(収縮特性不良)
【0083】
(3)透明度(ヘイズ値)
実施例、比較例で得られたシュリンクフィルム(厚み40μm)を用いて、JIS K 7105に準じて測定を行った。なお、厚みが異なるフィルムの場合には40μm厚みに換算すればよい。
ヘーズ値(単位:%)より、以下の基準で評価した。
2.0未満 : ◎(優れた透明性)
2.0以上、10未満 : ○(透明性良好)
10以上 : ×(透明性不良)
【実施例】
【0084】
以下に、実施例に基づいて、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。実施例でシュリンクフィルムの作製に用いた各層の樹脂組成物の配合、物性および得られたシュリンクフィルムおよびシュリンクラベルの評価結果を表1、表2に示す。なお、表中の配合量の単位は各樹脂組成物中の重量部である。また、実施例および比較例に用いたスチレン系共重合体(表1、表2)の共重合組成を表3に示した。
【0085】
実施例1
表1に示すように、A層を構成する樹脂組成物Aとして、NPG変性非晶性ポリエステル樹脂(ベルポリエステルプロダクツ(株)製「ベルペット E−02」)100重量部を用いた。また、B層を構成する樹脂組成物Bとして、水添スチレン系熱可塑性エラストマー(旭化成ケミカルズ(株)製「タフテック H1041」)100重量部を用いた。さらに、C層を構成する樹脂組成物Cとして、メタロセン触媒系ポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ(株)製「ウィンテック WFX6」)70重量部とオレフィン系エラストマー樹脂(三菱化学(株)製「ゼラス 7023」)30重量部の混合樹脂を用いた。
220℃に加熱した押出機aに上記樹脂組成物A、200℃に加熱した押出機bに上記樹脂組成物B、200℃に加熱した押出機cには上記樹脂組成物Cを投入した。上記3台の押出機を用いて、溶融押出を行った。押出機cから押出される樹脂が中心層、押出機bから押出される樹脂が中心層の両側となり、押出機aから押出される樹脂がさらにその両側となるように合流ブロックを用いて合流させ、Tダイ(スリット間隔1mm)より押出した後、25℃に冷却したキャスティングドラム上で急冷して、3種5層積層未延伸フィルム(厚み:200μm)を得た。未延伸フィルムの積層厚み比は、表面層/中間層/中心層/中間層/表面層(A/B/C/B/A)=1/1/3/1/1であった。
次に、厚みを調整した未延伸フィルムを、幅方向に90℃で5倍延伸することにより、主に1軸方向に収縮する2軸延伸フィルムを得た。製膜速度を調節して、フィルムの総厚みが40μm(層厚み比:1/1/3/1/1)のシュリンクフィルムを得た。
また、得られたシュリンクフィルムに、大日本インキ工業(株)製「ファインラップNTV」をグラビア印刷し、2μmの厚みで印刷層を形成し、シュリンクラベルを得た。
得られたシュリンクフィルムは、表1に示すとおり、延伸前後においても良好な層間強度を有していた。さらに、高収縮であり透明性(透明度)にも優れていた。
【0086】
実施例2〜20
表1、2に示すとおり、各層の樹脂組成物A〜Cに用いる樹脂種、樹脂組成を変更して、実施例1と同様にして、シュリンクフィルムおよびシュリンクラベルを得た。
得られたシュリンクフィルムは、表1、2に示すとおり、良好な層間強度、熱収縮特性、透明性を有していた。
【0087】
比較例1〜3
表2に示すとおり、樹脂組成物Bに用いる樹脂種を変更した以外は、実施例1と同様にして、シュリンクフィルムおよびシュリンクラベルを得た。
得られたシュリンクフィルムおよびシュリンクラベルは、延伸後の層間強度が低いものであった。
【0088】
【表1】

【0089】
【表2】

【0090】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
非晶性ポリエステル系樹脂を主成分として構成される表面層(A層)、単量体成分としてスチレン系単量体を10〜60重量%及び共役ジエンを40〜90重量%を含むスチレン系熱可塑性エラストマー、及び/又はその誘導体を主成分として構成される中間層(B層)、および、ポリオレフィン系樹脂を主成分として構成される中心層(C層)が、A層/B層/C層/B層/A層の順に、他の層を介さずに積層されていることを特徴とするシュリンクフィルム。
【請求項2】
B層を構成するスチレン系熱可塑性エラストマーにおいて、スチレン系単量体がスチレンであり、共役ジエンが1,3−ブタジエン及び/又はイソプレンである請求項1に記載のシュリンクフィルム。
【請求項3】
C層を構成するポリオレフィン系樹脂が、メタロセン触媒を用いて重合して得られたポリプロピレンを主成分とする請求項1または2に記載のシュリンクフィルム。
【請求項4】
T型剥離試験(JIS K 6854−3に準拠、剥離速度:200mm/分)における、各層間の層間強度が2(N/15mm)以上である請求項1〜3のいずれかの項に記載のシュリンクフィルム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかの項に記載のシュリンクフィルムの少なくとも一方の面側に印刷層を設けたシュリンクラベル。

【公開番号】特開2009−6530(P2009−6530A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−168411(P2007−168411)
【出願日】平成19年6月27日(2007.6.27)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】