説明

ショットキーダイオードと製造方法と製造装置

【課題】不純物高濃度層2と不純物低濃度層4が積層されており、不純物低濃度層4内に欠陥6a,6b等が形成されている半導体基板5から、リーク電流が流れにくいショットキーダイオード15を製造する。
【解決手段】 不純物低濃度層4に欠陥6a,6bが存在する部位にのみ、絶縁層8a,8bを形成し、その上にショットキー電極12を形成する。欠陥6a,6bを除去しないことから簡単な製造工程を採用できる。絶縁層8a,8bで絶縁することから、欠陥6a,6bがあってもリーク電流が流れない。特性のすぐれたショットキーダイオード15を安価に製造することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショットキーダイオードに関する。すなわち、不純物高濃度層と不純物低濃度層が積層されている半導体基板と、半導体基板の不純物高濃度層側の表面に形成されているオーミック電極と、半導体基板の不純物低濃度層側の表面に形成されているショットキー電極を備えているショットキーダイオードに関する。
【0002】
本発明は、ショットキーダイオードの製造方法と、その製造方法に適している製造装置にも関する。
【背景技術】
【0003】
不純物高濃度層と不純物低濃度層が積層されている半導体基板の表裏両面に電極を形成すると、半導体基板の不純物高濃度層側の表面に形成されている電極がオーミック電極となり、半導体基板の不純物低濃度層側の表面に形成されている電極がショットキー電極となってショットキーダイオードを実現できることが知られている。
【0004】
ダイオードには、逆方向電圧が印加されたときに高い絶縁性能を維持することが求められる。不純物低濃度層には各種の欠陥が形成されやすい。多数の欠陥を含む不純物低濃度層を用いてショットキーダイオードを形成すると、逆方向電圧が印加されたときに大きなリーク電流が流れてしまう。
【0005】
特許文献1に、不純物高濃度層と不純物低濃度層が積層されている半導体基板を利用してダイオードを形成する技術が開示されている。特許文献2に、不純物高濃度層と不純物低濃度層が積層されている半導体基板を利用してMOSFETを形成する技術が開示されている。
【0006】
特許文献1の技術では、不純物低濃度層に存在するマイクロパイプと呼ばれる欠陥によってダイオード特性が悪化することを避けるために、マイクロパイプに絶縁物質を充填する。
【0007】
特許文献2の技術では、コメットテイルと呼ばれる欠陥が存在する部位の不純物低濃度層をエッチングして除去し、エッチングして形成した孔に絶縁物質を充填する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−77024号公報
【特許文献2】特開平10−120496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1の技術は、不純物低濃度層に存在する欠陥に絶縁物質を充填することによって欠陥の影響を除去する技術であるために、絶縁物質を充填できる欠陥以外には対応することができない。欠陥の中には、異物が取り込まれているパーティクルと呼ばれる欠陥や、結晶格子の乱れに起因するコメットテイルと呼ばれる欠陥が存在する。これらに欠陥には絶縁物質を充填することができない。
【0010】
特許文献2の技術では、欠陥を除去する工程を必要とする。この工程が除去できれば、製造工程を簡単化できる。
【0011】
本発明では、欠陥の種類に限定されず、しかも、少ない工程数で欠陥による悪影響を防止できる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、不純物高濃度層と不純物低濃度層が積層されている半導体基板と、半導体基板の不純物高濃度層側の表面に形成されているオーミック電極と、半導体基板の不純物低濃度層側の表面に形成されているショットキー電極を備えているショットキーダイオードに関する。
【0013】
本発明のショットキーダイオードは、不純物低濃度層の欠陥存在部位を選択して、不純物低濃度層とショットキー電極の間に両者を絶縁する絶縁層が形成されていることを特徴とする。
【0014】
本発明のショットキーダイオードは、ダイオード特性を悪化させる欠陥を電極から絶縁するので、欠陥が存在していてもダイオード特性が悪化しない。欠陥の種類の関わらず、欠陥がダイオード特性を悪化させることを防止できる。半導体基板に欠陥が存在していても、欠陥種類に限定されることなく、リーク電流が流れにくいダイオードを実現することができる。
【0015】
本発明のショットキーダイオードは、欠陥を除去しないで製造することができる。製造工程を簡単化することができる。
【0016】
本発明は、ショットキーダイオードの製造方法をも提供する。その製造方法は、ショットキー電極形成前の半導体基板を検査して不純物低濃度層に欠陥が存在する部位を特定する工程と、その工程で特定された部位を選択して半導体基板の不純物低濃度層側の表面に絶縁層を形成する工程と、選択した部位に絶縁層が形成されている半導体基板の不純物低濃度層側の表面にショットキー電極を形成する工程と、半導体基板の不純物高濃度層側の表面にオーミック電極を形成する工程を備えている。
【0017】
欠陥存在部位の特定工程と絶縁層の局所的形成工程とショットキー電極の形成工程は、その順序に限定されるが、オーミック電極の形成工程の実施順序は特に限定されない。
【0018】
本発明は、上記の製造方法に適した露光装置をも提供する。その露光装置は、不純物高濃度層と不純物低濃度層が積層されている半導体基板を露光する装置であり、不純物低濃度層に欠陥が存在する部位を特定するデータを記憶する記憶装置と、半導体基板の不純物低濃度層側の表面のうちの記憶装置に記憶されている部位を選択してエネルギービームを照射する照射装置を備えている。
【0019】
ここでいうエネルビームは、半導体基板の表面を被覆してその後の加工から半導体基板の表面を保護するレジスト層を改質するものをいう。レジスト層を改質して除去しやすくするものと、レジスト層を改質して除去しづらくするものがある。ホトレジストに対しては光ビームが相当する。
【0020】
上記の露光装置によると、不純物低濃度層に欠陥が存在する部位を選択して不純物低濃度層の表面に絶縁層を形成する工程を簡単に実施できる。
【0021】
例えば、不純物低濃度層の表面に一様に絶縁層を形成し、その後に改質前のレジスト層を一様に形成する。この状態で、欠陥存在部位にレジスト層を除去しづらく改質するエネルギービームを照射してからレジスト層を除去すれば、欠陥存在部位のみがレジスト層で被覆された状態を得ることができる。この状態で絶縁層をエッチングすれば、欠陥が存在する部位を選択して不純物低濃度層の表面に絶縁層を形成した結果を得ることができる。あるいは、不純物低濃度層の表面に、絶縁層と改質前のレジスト層を一様に形成する。この状態で、レジスト層を除去しやすく改質するエネルギービームを欠陥存在部位以外の範囲に照射してからレジスト層を除去すれば、欠陥存在部位のみがレジスト層で被覆された状態を得ることができる。この状態で絶縁層をエッチングすれば、欠陥が存在する部位を選択して不純物低濃度層の表面に絶縁層を形成した結果を得ることができる。
【発明の効果】
【0022】
請求項1のショットキーダイオードは、欠陥を介してリーク電流が流れることがない。しかも簡単な工程で製造することができる。製造しやすく、しかも特性に優れたショットキーダイオードを実現する。
【0023】
請求項2の製造方法と請求項3の製造装置によると、特性に優れたショットキーダイオードを簡単に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施例1のショットキーダイオードの製造過程の第1段階を示す。
【図2】実施例1のショットキーダイオードの製造過程の第2段階を示す。
【図3】実施例1のショットキーダイオードの製造過程の第3段階を示す。
【図4】実施例1のショットキーダイオードの製造過程の第4段階を示す。
【図5】実施例1のショットキーダイオードの要部断面図を示す。
【図6】実施例1のショットキーダイオードの断面図(図5よりも広い範囲)を示す。
【図7】実施例1の不純物低濃度層の表面を顕微鏡で観察した一例を示す。
【図8】実施例1のショットキーダイオードのリーク特性を示す。
【図9】実施例2のショットキーダイオードの製造過程の第1段階を示す。
【図10】実施例2のショットキーダイオードの製造過程の第2段階を示す。
【図11】実施例2のショットキーダイオードの製造過程の第3段階を示す。
【図12】実施例2のショットキーダイオードの製造過程の第4段階を示す。
【図13】実施例2のショットキーダイオードの製造過程の第5段階を示す。
【図14】実施例2のショットキーダイオードの要部断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書で開示される技術の特徴を以下に整理しておく。
(1)半導体基板は、炭化珪素(SiC)で形成されており、Si基板等に比して多くの欠陥を備えている。本発明は、欠陥の存在密度が高いSiC基板からショットキーダイオードを製造するのに特に適している。
(2)欠陥の存在部位を顕微鏡によって観察して特定する。
(3)欠陥の存在部位をリーク電流の大きさに基づいて特定する。
(4)欠陥自体をマスクに利用して欠陥存在部位を選択して絶縁層を形成する。この方式によると、製造設備が簡単化され、欠陥存在部位と絶縁層形成位置がずれない。
(5)不純物高濃度層にエピタキシャル成長して不純物低濃度層が積層されている半導体基板を形成する。本技術で欠陥の影響を除去できることから、欠陥の発生に留意しないでエピタキシャル成長条件を選択できる。
【実施例1】
【0026】
本発明をSiC基板に適用した実施例1を図1〜図6を参照して説明する。SiCは、バンドギャップが広いことからオン抵抗の低いダイオードを提供することができると期待されている。しかしSi基板に比して多くの欠陥を含んでおり、その欠陥によってリーク電流が流れやすいという問題を備えている。本発明によって欠陥の影響が除去できると、リーク電流が低くてオン抵抗も低いダイオードを提供できる。本発明は、SiC基板を用いるダイオードに特に有用である。
【0027】
図1は、n型不純物を含むSiC基板2の上に、n型不純物を低濃度に含むSiC層4をエピタキシャル成長して形成した半導体基板5を示す。以下では、後者の層を不純物低濃度層4といい、前者の基板を不純物高濃度層2(不純物低濃度層4に比して不純物濃度が濃い)という。
【0028】
不純物高濃度層2は、1×1018cm−3の不純物濃度を持ち、その厚みは350μmである。不純物低濃度層4は、5×1015cm−3の不純物濃度を持ち、その厚みは15μmである。
【0029】
SiCで形成されている不純物低濃度層4は、Si基板に比して多くの欠陥を持つことが避けられない。欠陥の種類は単一でなく、特許文献1に記載されているマイクロパイプや、特許文献2に記載されているコメットテイルや、p型の不純物等の異物が高密度に集積しているパーティクル等の欠陥が存在する。
【0030】
半導体基板5の不純物高濃度層2側の表面にオーミック電極を形成し、半導体基板5の不純物低濃度層4側の表面にショットキー電極を形成すれば、ショットキーダイオードを形成することができる。しかしながら欠陥に対策しないでショットキーダイオードを形成すると、不純物低濃度層4に存在する欠陥によってリーク電流が流れてしまう。欠陥がダイオードの特性を損ねてしまう。
【0031】
図1の6aは、不純物低濃度層4に含まれているパーティクルの1個を模式的に示している。図7は、半導体基板5の不純物低濃度層4側の表面を顕微鏡で観察したときに得られる画像の一例を示している。半導体基板5の不純物低濃度層4側の表面を顕微鏡で観察すると、パーティクル6aの存在部位が特定される。
【0032】
本実施例では、以下に説明する加工工程に先立って、半導体基板5の不純物低濃度層4側の表面を顕微鏡で観察し、パーティクルの存在位置を示すデータを記憶装置9に記憶しておく。図1と図6の例では、1個のパーティクル6aのみが図示されているが、実際には複数個のパーティクルが存在するので、各々のパーティクルの存在位置を示すデータを記憶装置9に記憶する。この処理は、顕微鏡と画像解析装置によって自動化することができる。画像解析して欠陥存在部位を特定する技術によると、パーティクルに限られず、光学的に検出できる種類の欠陥の全部の存在部位を特定することができる。
【0033】
半導体基板5上における欠陥存在部位を示すデータを記憶装置9に記憶したら、図2に示すように、不純物低濃度層4の表面に一様に絶縁層8を形成する。次に、絶縁層8の表面に一様に露光前のレジスト層10を形成する。絶縁層8には、SiN,SiO,またはAlを利用することができる。これらの材料をCVD法で不純物低濃度層4の表面に堆積することで絶縁層8が形成される。絶縁層8の厚みは1μm程度とする。露光前のレジスト層10は、絶縁層8の表面にスピンコートとする。
【0034】
次に、レジスト層10に対して場所を選択して露光する。すなわち、記憶装置9に記憶されている部位のみを照射する。本実施例では、レーザー光を照射すると不溶化するレジスト層10を利用しているので、記憶装置9に記憶されている部位にのみレーザー光11を照射する。参照番号13は、レーザー光の発生装置を示している。指示された位置にのみレーザー光を照射する装置には市販の装置を利用することができる。本実施例では、不純物低濃度層4に欠陥が存在する部位を特定するデータの記憶装置9と、記憶装置9に記憶されている部位を選択して不純物低濃度層4の表面にエネルギービームを照射する照射装置13を備えている製造装置を利用することから、欠陥存在部位を選択して露光する作業を簡単に実施することができる。
【0035】
部位を選択して照射するエネルギービームはレーザー光に限られない。電子ビームに反応するレジスト層10を利用する場合には電子ビームを照射する。レジスト層10を改質するエネルギービームを選択する。
【0036】
欠陥存在部位を選択して露光してから現像すると、欠陥存在部位にのみレジスト層が残る。図3では、欠陥存在部位に残ったレジスト層10aを示している。次に、残ったレジスト層10aをマスクに利用して絶縁層8をエッチングする。すると、欠陥存在部位にのみレジスト層8が残る。図3では、欠陥存在部位に残った絶縁層8aを示している。次に、欠陥存在部位に残ったレジスト層10aを除去する。この状態が図4に示されている。
【0037】
次に、欠陥存在部位に絶縁層8aが残っている状態の不純物低濃度層4の表面に金属を堆積することによってショットキー電極12を形成する。5×1015cm−3程度の不純物濃度を持つSiC層4に、Ni,TiまたはMoを堆積すると、SiC層4と電極12はショットキー接触する。ショットキー電極12は、Ni,TiまたはMoから選択される2種類以上の金属を積層したものであってもよい。
【0038】
また、半導体基板5の不純物高濃度層2側の表面に金属を堆積することによってオーミック電極14を形成する。5×1018cm−3程度の不純物濃度を持つSiC層2に、Ni,TiまたはAuを堆積すると、SiC層4と電極14はオーミック接触する。オーミック電極14は、Ni,TiまたはAuから選択される2種類以上の金属を積層したものとすることができる。なお、オーミック電極14の形成順序は特に限定されない。
【0039】
図5は、一個の欠陥6aを例示している。図6は、2個の欠陥6a,6bが存在している場合を示している。欠陥6aの存在部位に絶縁層8aが形成され、欠陥6bの存在部位に絶縁層8bが形成されている。
【0040】
実施例1のショットキーダイオード15によると、絶縁層8a,8bによって絶縁されるので、欠陥6a,6bによってリーク電流が流れることが防止される。図8では、横軸に逆方向電圧をとり、縦軸にリーク電流をとっており、グラフ16は実施例1のショットキーダイオード15の測定結果を図示している。グラフ18は、絶縁層8a,8bを形成しない場合に得られるショットキーダイオードの測定結果を図示している。実施例1のショットキーダイオード15によると、リーク電流を顕著に減少させることができる。
【0041】
実施例1のショットキーダイオード15は、図6に例示するように、欠陥6a,6bを除去せずに製造する。簡単な製造工程で製造することができる。
【0042】
上記の技術では、光学的に観測して欠陥6a,6b等の存在部位を特定する。これに代えて、リーク電流を検出してもよい。不純物低濃度層4の表面において部位を変えながらリーク電流を測定することによって欠陥の存在部位を特定してもよい。この方法によると、光学的には観測できないが電気的には欠陥となる部位をも検出することができる。
【0043】
両者を組み合わせて欠陥存在部位を特定する手法もとりえる。微弱な電流が流れると発光する物質を不純物低濃度層4の表面に塗布しておけば、リーク電流が流れる部位を簡単に特定することが可能となる。
【実施例2】
【0044】
実施例2では、欠陥6a自身をマスクにして、欠陥存在部位を選択して絶縁層8a等を形成する。欠陥存在部位を特定して記憶しておく必要がない。また部位を選択して露光する必要もない。
【0045】
実施例2では、図10に示すように、半導体基板5の不純物低濃度層4側の表面に一様に絶縁層8を形成する。絶縁層8は実施例1と同様なものである。次に、絶縁層8の表面に一様にレジスト膜20を形成する。レジスト膜20は、露光すると除去しやすい状態に変質するものを用いる。
【0046】
次に、図11に示すように、半導体基板5の不純物高濃度層2側の表面に、一様に紫外線22を照射する。SiCで形成されている半導体基板5は、紫外線22に対して透明である。また1μm程度の絶縁層8も紫外線22に対して透明である。この結果、半導体基板5の不純物高濃度層2側の表面を照射した紫外線22は、半導体基板5と絶縁層8を透過し、レジスト膜20を露光する。紫外線22に露光された範囲のレジスト膜20は、現像すると除去される状態に変質する。
【0047】
欠陥6a等が存在している部位では、紫外線22が不純物低濃層4を透過しない。この結果、欠陥6a等が存在している部位では、レジスト膜20が現像しても除去されない状態を維持する。
【0048】
図12は、紫外線照射後に現像した状態を示している。欠陥6a等が存在している部位にのみレジスト層が残っている。図12では、欠陥存在部位に残ったレジスト層20aを示している。次に、残ったレジスト層20aをマスクに利用して絶縁層8をエッチングする。すると、欠陥存在部位にのみレジスト層8が残る。図13では、欠陥存在部位に残った絶縁層8aを示している。次に、欠陥存在部位に残ったレジスト層20aを除去する。その後に、ショットキー電極12とオーミック電極14を形成する。以上によって実施例2のショットキーダイオード25が製造される。
【0049】
上記実施例では、半導体基板にSiCを用いた場合を説明した。SiC基板は多くの欠陥を含むことから、本技術が特に有用である。しかしながら、本技術は、SiC基板に限って有用なものではない。Si基板やGaN基板等にも欠陥が存在する。本技術は、それらの半導体基板からショットキーダイオードを形成する場合に有用である。
【0050】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0051】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0052】
2:不純物高濃度層
4:不純物低濃度層
5:半導体基板
6:欠陥
8:絶縁層
10,20:レジスト層
12:ショットキー電極
14:オーミック電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不純物高濃度層と不純物低濃度層が積層されている半導体基板と、半導体基板の不純物高濃度層側の表面に形成されているオーミック電極と、半導体基板の不純物低濃度層側の表面に形成されているショットキー電極を備えているショットキーダイオードであり、
不純物低濃度層の欠陥存在部位を選択して、不純物低濃度層とショットキー電極の間に両者を絶縁する絶縁層が形成されていることを特徴とするショットキーダイオード。
【請求項2】
不純物高濃度層と不純物低濃度層が積層されている半導体基板と、半導体基板の不純物高濃度層側の表面に形成されているオーミック電極と、半導体基板の不純物低濃度層側の表面に形成されているショットキー電極を備えているショットキーダイオードの製造方法であり、
ショットキー電極形成前の半導体基板を検査して不純物低濃度層に欠陥が存在する部位を特定する工程と、
その工程で特定された部位を選択して半導体基板の不純物低濃度層側の表面に絶縁層を形成する工程と、
選択した部位に絶縁層が形成されている半導体基板の不純物低濃度層側の表面にショットキー電極を形成する工程と、
半導体基板の不純物高濃度層側の表面にオーミック電極を形成する工程を備えていることを特徴とするショットキーダイオードの製造方法。
【請求項3】
不純物高濃度層と不純物低濃度層が積層されている半導体基板を露光する装置であり、
不純物低濃度層に欠陥が存在する部位を特定するデータを記憶する記憶装置と、
半導体基板の不純物低濃度層側の表面のうちの前記記憶装置に記憶されている部位を選択してエネルギービームを照射する照射装置を備えていることを特徴とする露光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−134815(P2011−134815A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−291599(P2009−291599)
【出願日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】