説明

シリコン単結晶の製造方法並びにシリコンウェーハの製造方法およびエピタキシャルウェーハの製造方法

【課題】炭素添加したシリコン融液を用いてシリコン単結晶を育成する方法において、シリコン単結晶の外周部における炭素濃度の低下を抑制することができるシリコン単結晶の製造方法を提供する。また、面内BMD密度を均一化した、高いゲッタリング能力を有し得るシリコンウェーハおよびエピタキシャルウェーハの製造方法を提供する。
【解決手段】炭素を添加したシリコン融液13をるつぼ12中に準備し、るつぼ12中のシリコン融液13に対して磁束密度0.2〜0.4Tの磁場を印加しつつ、シリコン融液13に接触させたシリコン種結晶17を、0.52〜0.84rad/sの回転速度で回転させながら引き上げて、シリコン種結晶17上にシリコン単結晶16を育成することを含む、シリコン単結晶16の製造方法。また、その製造方法で製造したシリコン単結晶16のインゴットを用いたシリコンウェーハおよびエピタキシャルウェーハの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコン単結晶の製造方法、並びに、シリコンウェーハの製造方法およびエピタキシャルウェーハの製造方法に関し、特には、撮像素子(CIS)用基板の製造に好適に使用し得るシリコン単結晶の製造方法、並びに、撮像素子の製造に好適に使用し得るシリコンウェーハおよびエピタキシャルウェーハの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像素子などの半導体デバイスを製造するのに用いられる半導体基板としては、チョクラルスキー法(CZ法)により育成したシリコン単結晶のインゴットから切り出したシリコンウェーハや、該シリコンウェーハの表面にエピタキシャル層を形成したエピタキシャルウェーハが使用されている。そして、このようなシリコンウェーハやエピタキシャルウェーハ(以下、単に「ウェーハ」と称することがある)としては、近年の半導体デバイスの微細化に伴い、重金属による結晶欠陥(例えば撮像素子の白傷欠陥など)が発生し難い、ゲッタリング能力の高いものが特に求められている。
【0003】
ここで、一般に、ウェーハのゲッタリング能力に影響を与える因子としては、半導体デバイスの製造過程等で行われる熱処理により、ウェーハ内に存在する酸素析出核に対して格子間酸素(格子の間に入り込んだ酸素原子)が結合することで形成される酸素析出物(BMD:Bulk Micro Defects)が知られている。そして、このBMDは、ウェーハの内部に存在する場合には、重金属に対するゲッタリング作用を示し、ゲッタリングサイトとなるので(IG効果:Internal Gettering)、ゲッタリング能力の高いウェーハを得るためには、BMDの形成を促進することが効果的であるとされている。
【0004】
そこで、BMDの形成を促進してBMD密度を増加し、ウェーハのゲッタリング能力を高めることができる方法の検討がなされており、このような方法として、ウェーハ内に炭素を添加することで熱処理時の酸素析出物(BMD)の形成を促進し、BMD密度を増加させる方法が提案されている。具体的には、ウェーハ内に炭素を添加する方法として、イオン注入設備を用いてウェーハに炭素イオンを注入する方法や、引き上げ中の単結晶の外周面をカーボンヒーターで加熱することによりシリコン単結晶の外周部に炭素を添加し、該シリコン単結晶のインゴットを用いてウェーハを製造する方法等が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかし、イオン注入設備を用いてウェーハに炭素イオンを注入する方法には、イオン注入設備の導入が必要であると共に、長い処理時間が必要であるため、生産コストが高くなるという問題があった。また、カーボンヒーターを用いる方法には、カーボンヒーター内や装置内に存在する重金属により重金属汚染が起こる恐れがあるという問題があった。
【0006】
これに対し、低コストで、カーボンヒーターを用いることなくウェーハに簡便に炭素を添加できる方法として、炭素添加したシリコン融液を使ってシリコン単結晶を育成し、該シリコン単結晶のインゴットからウェーハを切り出す方法が提案されている。
【0007】
しかしながら、この炭素添加したシリコン融液を用いる方法では、育成したシリコン単結晶の外周部における炭素濃度および酸素濃度が中心部と比較して低くなり、その結果、シリコン単結晶の外周部で炭素添加によるBMD形成の促進効果が低下するので、該シリコン単結晶のインゴットを用いて製造したウェーハの外周部のBMD密度が低くなる(即ち、ウェーハの面内にBMD密度差が生じる)という問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3055458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そのため、炭素添加したシリコン融液を用いてシリコン単結晶を育成する方法において、シリコン単結晶の外周部における炭素濃度の低下を抑制することができる(即ち、該シリコン単結晶のインゴットを用いて製造したウェーハの外周部におけるBMD密度の低下を抑制して、面内BMD密度を均一化することができる)シリコン単結晶の製造方法を開発することが求められていた。また、面内BMD密度を均一化した、高いゲッタリング能力を有するウェーハ、特にはエピタキシャルウェーハの製造方法を開発することが求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明のシリコン単結晶の製造方法は、炭素を添加したシリコン融液をるつぼ中に準備し、前記るつぼ中のシリコン融液に対して磁束密度0.2〜0.4Tの磁場を印加しつつ、当該シリコン融液に接触させたシリコン種結晶を、0.52〜0.84rad/sの回転速度で回転させながら引き上げて、シリコン種結晶上にシリコン単結晶を育成することを含むことを特徴とする。このように、磁束密度0.2〜0.4T(2000〜4000ガウス)の磁場を印加しつつ、シリコン種結晶を、0.52〜0.84rad/s(5〜8rpm)の回転速度で回転させながら引き上げれば、シリコン単結晶の外周部における炭素濃度の低下を抑制することができる。
更に、上記のようにすれば、シリコン単結晶の外周面から中心に向かって50mm以内の外周部分の炭素濃度がシリコン単結晶の中心位置の炭素濃度より高くなり、また、シリコン単結晶の外周面から中心に向かって10mmの位置の炭素濃度がシリコン単結晶の中心位置の炭素濃度の1.2倍以上となるので、育成したシリコン単結晶の外周部における酸素濃度が中心部と比較して低くなったとしても、該シリコン単結晶のインゴットを用いて製造したウェーハの外周部におけるBMD密度の低下を抑制することができる。
ここで、本発明において、「炭素濃度」とは、FT−IR法で測定した濃度を指し、「シリコン単結晶の外周部分の炭素濃度」とは、FT−IR法で測定した外周部分の平均炭素濃度を指す。また、「シリコン単結晶の中心位置の炭素濃度」とは、FT−IR法で測定したシリコン単結晶の横断面の中心位置の炭素濃度を指す。
【0011】
ここで、本発明のシリコン単結晶の製造方法は、前記シリコン単結晶中の酸素濃度が13×1017〜17×1017atoms/cmであることが好ましい。このようにすれば、炭素添加によるBMD形成促進効果により、外周部の酸素濃度が落ち込んでいてもBMDの面内分布を均一にできるからである。ここで、本発明において、「シリコン単結晶中の酸素濃度」とは、FT−IR法で測定した平均酸素濃度を指す。
【0012】
また、本発明のシリコン単結晶の製造方法は、前記シリコン融液に、引き上げたシリコン単結晶内の炭素濃度が1×1015〜1.317atoms/cmとなるように炭素を添加することが好ましい。このようにすれば、炭素添加によるBMD形成促進効果が充分に得られるからである。
【0013】
更に、本発明のシリコンウェーハの製造方法は、上述した製造方法で製造したシリコン単結晶のインゴットからシリコンウェーハを切り出すことを含むことを特徴とする。
【0014】
そして、本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法は、上述した製造方法で製造したシリコン単結晶のインゴットからシリコンウェーハを切り出し、前記シリコンウェーハの表面にエピタキシャル層を形成することを含むことを特徴とする。このように、上記方法で製造することにより外周部における炭素濃度の低下を抑制したシリコン単結晶のインゴットを用いてエピタキシャルウェーハを製造すれば、面内BMD密度を均一化した、高いゲッタリング能力を有するエピタキシャルウェーハを得ることができる。
【0015】
本発明によれば、炭素添加したシリコン融液を用いてシリコン単結晶を製造する際に、シリコン単結晶の外周部における炭素濃度の低下を抑制することが可能なシリコン単結晶の製造方法を提供することができる。また、面内BMD密度を均一化した、高いゲッタリング能力を有するウェーハ、特にはエピタキシャルウェーハの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のシリコン単結晶の製造方法に使用するのに適した単結晶製造装置の一例を示す説明図である。
【図2】本発明のシリコン単結晶の製造方法の一例を用いて製造したシリコン単結晶の横断面を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態を詳細に説明する。ここに、本発明のシリコン単結晶の製造方法の一例は、例えば図1に示すような単結晶製造装置10を用いて実施することができる。
【0018】
この単結晶製造装置10は、磁場印加式チョクラルスキー法でシリコン単結晶を製造するための装置であり、チャンバ11内に、シリコン単結晶の原料物質となる多結晶シリコンおよび炭素を収容するためのるつぼ12と、該るつぼ12内の原料物質を加熱して融液13とするためのヒーター14と、るつぼ12の下部に設けられてるつぼ12を円周方向(図1では装置上方から見て時計回り)に回転させるるつぼ回転機構15と、シリコン単結晶16を育成するためのシリコン種結晶17を保持する種結晶保持器(シードチャック)18が先端に取り付けられているワイヤーロープ19と、該ワイヤーロープ19をるつぼ12の回転方向とは反対の方向(図1では装置上方から見て反時計回り)に回転させながら巻き取ってシリコン単結晶16、シリコン種結晶17および種結晶保持器18を回転させつつ引き上げる巻取り機構20とを有している。
【0019】
また、単結晶製造装置10には、るつぼ12中の融液13に0.2〜0.4Tの磁束密度の磁場を印加するための磁場印加器21が、チャンバ11の下部外側にチャンバ11を取り囲むように配置されている。
【0020】
そして、単結晶製造装置10では、本発明に係るシリコン単結晶製造方法を用いて、例えば以下のようにしてシリコン単結晶が製造される。
【0021】
まず、るつぼ12中に、引き上げたシリコン単結晶内の炭素濃度が例えば1×1015〜1.317atoms/cmとなるように多結晶シリコンおよび炭素を収容し、ヒーター14で加熱して融液13とすると共に、磁場印加器21で、融液13に対し0.2T〜0.4Tの磁束密度の磁場を印加する。なお、炭素としては、特に限定されるものではなく、純炭素、黒鉛等を用いることができる。
【0022】
次に、融液13に対して磁場を印加した状態で、ワイヤーロープ19の先端に取り付けた種結晶保持器18に保持されたシリコン種結晶17を融液13に接触させる。そして、融液13に磁場を印加しつつ、るつぼ回転機構15を用いてるつぼ12を例えば0.01〜0.31rad/sの回転速度で回転させると共に、ワイヤーロープ19をるつぼ12の回転方向とは反対の方向に0.52〜0.84rad/sの回転速度で回転させながら巻き取り機構20で巻き取って、シリコン種結晶17および該シリコン種結晶17上に成長させたシリコン単結晶16を回転させながら引き上げる。なお、シリコン種結晶17およびシリコン単結晶16は、ワイヤーロープ19と一体となって回転するので、引き上げ時のシリコン種結晶17およびシリコン単結晶16の回転速度は、ワイヤーロープ19の回転速度と等しい。
【0023】
ここで、上述のようにして引き上げたシリコン単結晶16は、シリコン単結晶中の炭素濃度が外周部でも低下しない。従って、育成したシリコン単結晶の外周部における酸素濃度が中心部と比較して低くなったとしても、該シリコン単結晶のインゴットを用いて製造したウェーハの外周部におけるBMD密度の低下を抑制することができる。なお、炭素添加によるBMD形成促進効果を充分に得るという観点からは、引き上げたシリコン単結晶16の酸素濃度は13×1017〜17×1017atoms/cmであることが好ましい。因みに、シリコン単結晶の酸素濃度は既知の方法により制御することができる。
【0024】
なお、上述のようにして単結晶製造装置10で製造したシリコン単結晶16は、製造されたシリコン単結晶16のインゴットの横断面(半径R)を図2に示すように、シリコン単結晶16の外周面Oから中心Cに向かって50mm以内の外周部分O(図2に斜線で示す部分)の平均炭素濃度が、シリコン単結晶16の中心Cにおける炭素濃度より高くなる。また、シリコン単結晶16の外周面から中心Cに向かって10mmの位置の炭素濃度がシリコン単結晶の中心位置の炭素濃度の1.2倍以上となる。
【0025】
そして、上述のようにして製造したシリコン単結晶のインゴットからワイヤーソー等を用いて切り出したシリコンウェーハは、そのまま、或いは、表面に既知の方法でエピタキシャル層を形成してエピタキシャルウェーハとしてから、例えば撮像素子(CIS)用の半導体基板として使用することができる。
【実施例】
【0026】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0027】
(比較例1)
引き上げたシリコン単結晶中の炭素濃度が1×1016atoms/cm以上となるように炭素を添加したシリコン融液を用いて、図1に示す単結晶製造装置で、磁束密度0.15Tの磁場を印加し、シリコン種結晶を0.52〜1.04rad/sの範囲内で回転速度を変化させながら回転させて引き上げ、結晶の長手方向の酸素濃度を12×1017〜17×1017atoms/cmの範囲で変化させたシリコン単結晶のインゴットを製造した。
そして、製造したシリコン単結晶のインゴットからワイヤーソーでサンプルウェーハを切り出し、それぞれ酸素濃度が異なる(単結晶の長手方向の位置が異なる)サンプルウェーハ1〜5の中心の酸素濃度、並びに、ウェーハ面内の酸素濃度分布および炭素濃度分布を下記の方法で評価した。結果を表1に示す。
また、サンプルウェーハ1〜5に対して、ドライ酸化雰囲気下、温度800℃で3時間の熱処理を行った後、更に温度1000℃で16時間の熱処理を行った。その後、各ウェーハの表面に形成された酸化膜をフッ酸水溶液で除去した後、ウェーハを壁開し、ライト溶液を用いて断面を選択エッチングし、その断面のBMD密度を以下の方法で測定した。結果を表1に示す。
【0028】
(比較例2)
印加する磁場の磁束密度を0.18Tに変更した以外は、比較例1と同様にしてシリコン単結晶のインゴットを製造した。
そして、比較例1と同様にしてサンプルウェーハを切り出し、それぞれ酸素濃度が異なるサンプルウェーハ6〜10の中心の酸素濃度、並びに、ウェーハ面内の酸素濃度分布および炭素濃度分布を下記の方法で評価した。
また、サンプルウェーハ6〜10に対し、比較例1と同様の熱処理等を行い、BMD密度を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0029】
(実施例1)
印加する磁場の磁束密度を0.2〜0.3Tの範囲で変化させ、引き上げ時のシリコン種結晶の回転速度を0.52〜0.84rad/sの範囲で変化させた以外は、比較例1と同様にしてシリコン単結晶のインゴットを製造した。
そして、比較例1と同様にしてサンプルウェーハを切り出し、それぞれ酸素濃度が異なるサンプルウェーハ12〜15の中心の酸素濃度、並びに、ウェーハ面内の酸素濃度分布および炭素濃度分布を下記の方法で評価した。
また、サンプルウェーハ12〜15に対し、比較例1と同様の熱処理等を行い、
BMD密度を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0030】
(実施例2)
印加する磁場の磁束密度を0.3〜0.4Tの範囲で変化させ、引き上げ時のシリコン種結晶の回転速度を0.52〜0.84rad/sの範囲で変化させた以外は、比較例1と同様にしてシリコン単結晶のインゴットを製造した。
そして、比較例1と同様にしてサンプルウェーハを切り出し、それぞれ酸素濃度が異なるサンプルウェーハ16〜20の中心の酸素濃度、並びに、ウェーハ面内の酸素濃度分布および炭素濃度分布を下記の方法で評価した。
また、サンプルウェーハ16〜20に対し、比較例1と同様の熱処理等を行い、
BMD密度を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0031】
(酸素濃度の測定)
FT−IR装置(バイオラッド社製)を用いて、FT−IR(フーリエ変換型赤外吸収)法によりウェーハ中心の酸素濃度を測定した。
(面内酸素濃度分布の評価)
FT−IR装置(バイオラッド社製)を用いて、FT−IR(フーリエ変換型赤外吸収)法によりウェーハ中心から外周方向へ5mmピッチで酸素濃度を計測した。そして、中心部(0mm)の酸素濃度に対する外周から10mm(140mm)の位置での酸素濃度の比(酸素濃度面内比)を求めた。
(面内炭素濃度分布の評価)
FT−IR装置(バイオラッド社製)を用いて、FT−IR(フーリエ変換型赤外吸収)法によりウェーハ中心から外周方向へ5mmピッチで炭素濃度を計測した。そして、中心部(0mm)の炭素濃度に対する外周から10mm(140mm)の位置での炭素濃度の比(炭素濃度面内比)を求めた。
(BMD密度の測定)
光学顕微鏡を用いて、ウェーハ中心から外周方向へ5mmピッチでBMD密度を計測した。そして、中心部(0mm)のBMD密度に対する外周から10mm(140mm)の位置でのBDM密度の比(BMD密度面内比)を求めた。
【0032】
【表1】

【0033】
表1の比較例1〜2および実施例1〜2より、本発明のシリコン単結晶の製造方法に従い製造したシリコン単結晶のインゴットを用いれば、BMDの面内分布が均一なシリコンウェーハを得ることができることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明によれば、炭素添加したシリコン融液を用いてシリコン単結晶を製造する際に、シリコン単結晶の外周部における炭素濃度の低下を抑制することが可能なシリコン単結晶の製造方法を提供することができる。また、面内BMD密度を均一化した、高いゲッタリング能力を有するウェーハ、特にはエピタキシャルウェーハの製造方法を提供することができる。
【符号の説明】
【0035】
10 単結晶製造装置
11 チャンバ
12 るつぼ
13 融液
14 ヒーター
15 るつぼ回転機構
16 シリコン単結晶
17 シリコン種結晶
18 種結晶保持器
19 ワイヤーロープ
20 巻き取り機構
21 磁場印加器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素を添加したシリコン融液をるつぼ中に準備し、前記るつぼ中のシリコン融液に対して磁束密度0.2〜0.4Tの磁場を印加しつつ、当該シリコン融液に接触させたシリコン種結晶を、0.52〜0.84rad/sの回転速度で回転させながら引き上げて、シリコン種結晶上にシリコン単結晶を育成することを含む、シリコン単結晶の製造方法。
【請求項2】
前記シリコン単結晶中の酸素濃度が13×1017〜17×1017atoms/cmであることを特徴とする、請求項1に記載のシリコン単結晶の製造方法。
【請求項3】
前記シリコン融液に、引き上げたシリコン単結晶内の炭素濃度が1×1015〜1.317atoms/cmとなるように炭素を添加することを特徴とする、請求項1または2に記載のシリコン単結晶の製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載の製造方法で製造したシリコン単結晶のインゴットからシリコンウェーハを切り出すことを含む、シリコンウェーハの製造方法。
【請求項5】
請求項1〜3の何れかに記載の製造方法で製造したシリコン単結晶のインゴットからシリコンウェーハを切り出し、前記シリコンウェーハの表面にエピタキシャル層を形成することを含む、エピタキシャルウェーハの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−37678(P2011−37678A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−187739(P2009−187739)
【出願日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(302006854)株式会社SUMCO (1,197)
【Fターム(参考)】