説明

シリコーンモノマーの製造方法及びその中間体の製造方法及びその成形体

【課題】耐加水分解性に優れた、立体的に嵩高い置換基を有するシリコーン化合物及びシリコーンモノマーを高純度に合成することができる、シリコーン化合物の製造方法及びそれを利用したシリコーンモノマーの製造方法、並びに該シリコーンモノマーと他のモノマーを共重合させて得られる成形体及び該成形体から成る眼用レンズを提供すること。
【解決手段】特定の構造を有するハロシラン化合物と、特定の構造を有する3-グリシドキシプロピルアルコキシシランとを反応させて特定のシリコーン化合物を得、これを塩基と反応させて特定のシリコーン化合物を得る。このシリコーン化合物をラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合を少なくとも1つ有するカルボン酸と反応させて、シリコーンモノマーを得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコーンモノマーの製造方法およびその中間体であるシリコーン化合物の製造方法並びにそのモノマーを用いた成形体および眼用レンズに関する。該成形体は、眼用レンズとして好適であり、特にコンタクトレンズ材として好適である。
【背景技術】
【0002】
現在、コンタクトレンズ材の原料モノマーとして、高い酸素透過性を有するシロキシ基含有モノマーが知られている。その中でもモノマー中に水酸基とシロキシ基を有するモノマーは上記の高い酸素透過性に加え、水酸基による親水性を付与することができる。そのためこのようなモノマーは他の親水性モノマーとの相溶性に優れ、ひいてはこのようなモノマーを共重合成分として含むコンタクトレンズに対して適度な含水率や装用時の乾燥感低減などの利点を与えることができる。
コンタクトレンズは、その共重合組成によっては加水分解によって、レンズ物性が変化することがあり、これらを改善するため耐加水分解性を有するモノマーの開発が求められている。
従来、コンタクトレンズの原料モノマーは式(5')で示されるシリコーンモノマー中間体を経由し、製造されている。中間体の製造方法としては、下記反応式(9)に示されるヒドロシリル化による方法、または下記反応式(10)に示されるシラノール交換反応による方法が知られている。
【0003】
【化1】

【0004】
【化2】

【0005】
【化3】

【0006】
(式中R1'、R2’、R3'、R4’は各々独立に1価の炭化水素基を示し、R5'は炭素数1−4のアルキル基を示し、Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を示す。nは1−3の整数である。)
【0007】
しかしながら、上記式(9)、(10)に示される従来のシリコーンモノマー中間体製造方法を耐加水分解性の高い、ケイ素上の置換基の一つが炭素数2以上である場合に適用する場合には困難が生じる。
例えば反応式(9)のヒドロシリル化反応では、原料であるケイ素化合物は、対応するアルコキシシランとオルガノハロシランとの共加水分解反応によって合成しているが、特にオルガノハロシランのケイ素上の置換基が炭素数2以上である場合、原料であるアルコキシシラン同士が縮合した化合物が多く得られ、原料のケイ素化合物を効率よく得ることが困難である。
【0008】
さらに反応式(10)で示される特許文献1のシラノール交換反応ではオルガノシラノールを用いているが、一般にオルガノシラノールは対応するオルガノハロシランの加水分解反応により合成する。その際、系中のpHを厳密に調整する必要があること、またシラノールは脱水縮合しやすいため、特にケイ素上の置換基が炭素数2以上となった場合、シラノールを効率よく得ることが困難である。
【0009】
このように従来の方法でケイ素上の置換基が炭素数2以上の化合物を合成することが困難であった。
【0010】
一方、ケイ素上の置換基として炭素数2以上のものを有しない化合物は、耐加水分解性が十分ではないという問題があった。
【0011】
また今後コンタクトレンズの多機能化のため、より耐加水分解性の高いシリコーンモノマーおよびそれらを用いたコンタクトレンズが求められている。
【0012】
【特許文献1】特開平4−74185号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、耐加水分解性に優れた、立体的に嵩高い置換基を有するシリコーン化合物及びシリコーンモノマーを高純度に合成することができる、シリコーン化合物の製造方法及びそれを利用したシリコーンモノマーの製造方法、並びに該シリコーンモノマーと他のモノマーを共重合させて得られる成形体及び該成形体から成る眼用レンズを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、下記式(1)で示される化合物と下記式(2)で示される化合物を水存在下で反応させて下記式(3)および/または(4)で示されるシリコーン化合物を得て、ついで該下記式(3)および/または(4)で示されるシリコーン化合物を塩基で処理して下記式(5)で示されるシリコーン化合物を得るシリコーン化合物の製造方法を提供する。
【0015】
【化4】

【0016】
【化5】

【0017】
【化6】

【0018】
【化7】

【0019】
【化8】

【0020】
(上記式(1)〜(5)中、R、R、R、Rは各々独立に炭素数1−7のアルキル基、炭素数1−7のアルケニル基およびフェニル基から選ばれ、R、R、Rのうち、少なくとも一つが炭素数2以上であり、Rは炭素数1−4のアルキル基から選ばれ、Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子から選ばれる。nは1−3の整数である。)
【0021】
また、本発明は、上記本発明の方法により得られた下記式(5)で示されるシリコーン化合物と下記式(6)で示される化合物を反応させ、下記式(7)および/または(8)で示されるシリコーンモノマーを得るシリコーンモノマーの製造方法を提供する。
【0022】
【化9】

【0023】
【化10】

【0024】
【化11】

【0025】
【化12】

【0026】
(上記式(6)〜(8)中、R、R、R、R及びRは上記式(1)〜(5)中のR、R、R、R及びRとそれぞれ同義、Rは炭素−炭素不飽和二重結合を少なくとも1つ有する炭素数2−20の有機基から選ばれる。)
【0027】
さらに、本発明は、上記本発明の製造方法によって得られたシリコーンモノマーを含有するモノマー混合物を重合して得られる成形体を提供する。さらに、本発明は、上記本発明の成形体からなる眼用レンズを提供する。
【発明の効果】
【0028】
本発明の製造方法により、従来の方法では合成が困難であった立体障害が大きい置換基を有するシリコーン化合物が高純度で合成可能となる。本方法によって得られたシリコーン化合物は耐加水分解性に優れ、長期間の安定性に優れている。従って、本発明によって得られたシリコーンモノマーはそれから得られる成形体、特にコンタクトレンズの耐加水分解性を向上させる。このことからイオン性基を含むモノマーとの共重合体でも安定であり、長期間レンズ物性が変化しにくい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
上記の通り、本発明のシリコーン化合物の製造方法は、上記式(1)で示される化合物と上記式(2)で示される化合物を水存在下で反応させて上記式(3)および/または(4)で示されるシリコーン化合物を得て、ついで該式(3)および/または(4)で示されるシリコーン化合物を塩基で処理して上記式(5)で示されるシリコーン化合物を得るものである。
【0030】
上記式(1)〜(5)中、R、R、R、Rは各々独立に炭素数1−7のアルキル基、炭素数1−7のアルケニル基およびフェニル基から選ばれ、R、R、Rのうち、少なくとも一つが炭素数2以上であり、Rは炭素数1−4のアルキル基から選ばれ、Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子から選ばれる。nは1−3の整数である。なお、各式中にR、R、R、R又はRで表される基がそれぞれ複数個存在する場合には、同一の符号で表される複数の基もそれぞれ独立である。
【0031】
上記本発明のシリコーン化合物の製造方法において、原料として用いられるハロシラン化合物は、上記式(1)で示されるものであって、式中のR、R、Rは各々独立に炭素数1−7のアルキル基、炭素数2−7のアルケニル基、フェニル基である。例えばR、R、Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェニル基、トリル基、ビニル基、アリル基などが例示されるが、特に立体障害が大きい置換基導入の場合に本発明が有効であるため、R、R、Rのうち少なくとも一つが炭素数2以上であることが必要である。R、R、Rの全てが炭素数1以下である場合は、耐加水分解性の高い成形体を得ることは困難である。またハロゲン原子であるXは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられるが、原料入手の容易さから塩素原子が好ましい。
【0032】
このようなハロシランの具体例を示すと、アリルジメチルクロロシラン、ベンジルクロロシラン、n-ブチルジメチルクロロシラン、tert-ブチルジメチルクロロシラン、tert-ブチルジフェニルクロロシラン、クロロジイソプロピルシラン、クロロジメチルフェニルシラン、クロロジメチルシラン、クロロトリエチルシラン、クロロトリメチルシラン、クロロジエチルイソプロピルシラン、ジメチルエチルクロロシラン、ジメチルイソプロピルクロロシラン、ジメチル-n-プロピルクロロシラン、ジフェニルメチルクロロシラン、トリイソプロピルシリルクロライド、トリフェニルシリルクロライドなどが挙げられる。これらのハロシランは、単独で用いることもできるし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0033】
また上記本発明のシリコーン化合物の製造方法において同時に用いる原料である3-グリシドキシプロピルアルコキシシランは、上記式(2)で示されるものであって、式中のRは水素原子、炭素数1−7のアルキル基、炭素数2−7のアルケニル基およびフェニル基である。炭素数1−7のアルキル基、炭素数2−7のアルケニル基およびフェニル基の具体例を挙げると、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェニル基、トリル基、ビニル基、アリル基などがある。
【0034】
また式中のRは炭素数1−4のアルキル基である。例えばRとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられるが、原料入手の容易さならびに共加水分解の反応速度の観点から、メチル基、エチル基が好ましく、さらにはメチル基がより好ましい。このような3-グリシドキシプロピルアルコキシシランを具体的に例示すると、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルジメトキシメチルシラン、3-グリシドキシプロピルジエトキシメチルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシメチルシラン、3-グリシドキシプロピルエトキシメチルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシジメチルシラン、3-グリシドキシプロピルエトキシジメチルシラン、3-グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルジエチルメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルエチルエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルジエチルエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルジメトキシプロピルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシプロピルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシジプロピルシラン、3-グリシドキシプロピルジメトキシブチルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシブチルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシジブチルシラン、3-グリシドキシプロピルジメトキシペンチルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシペンチルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシジペンチルシラン、3-グリシドキシプロピルジメトキシヘキシルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシヘキシルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシジヘキシルシラン、3-グリシドキシプロピルジメトキシへプチルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシへプチルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシジへプチルシラン、3-グリシドキシプロピルジメトキシビニルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシビニルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシジビニルシラン、3-グリシドキシプロピルジメトキシアリルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシアリルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシジアリルシラン、3-グリシドキシプロピルジメトキシフェニルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシフェニルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシジフェニルシラン、3-グリシドキシプロピルジメトキシトリルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシトリルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシジトリルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシメチルエチルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシメチルプロピルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシメチルブチルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシメチルペンチルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシメチルヘキシルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシメチルへプチルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシメチルフェニルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシメチルトリルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシメチルビニルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシメチルアリルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシエチルプロピルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシエチルブチルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシエチルペンチルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシエチルヘキシルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシエチルへプチルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシエチルフェニルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシエチルトリルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシエチルビニルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシエチルアリルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシプロピルブチルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシプロピルペンチルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシプロピルヘキシルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシプロピルへプチルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシプロピルフェニルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシプロピルトリルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシプロピルビニルシラン、3-グリシドキシプロピルメトキシプロピルアリルシラン等が挙げられる。これらの3-グリシドキシプロピルアルコキシシランは単独で用いることもできるし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0035】
式(2)中のnはケイ素上の置換基数を示すものであり、耐加水分解性を向上させる観点から2または3が好ましく、3がより好ましい。
【0036】
本発明における水存在下での反応において、使用する溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール類とヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類もしくはシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素もしくはエチルエーテル等のエーテル類もしくはトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類と蒸留水等の3成分系が好ましい。溶媒中の水の濃度は、特に限定されないが、通常、10重量%〜60重量%程度である。本反応は懸濁溶液を激しく撹拌しながら、上記式(1)で示される化合物と上記式(2)で示される化合物を同時に滴下することにより行なうことが好ましい。本滴下時には、上記式(1)で示される化合物と上記式(2)で示される化合物をあらかじめよく混合しておき、混合溶液を滴下してもよいし、それぞれを同時に滴下してもよい。反応後、系中に生じた塩化水素を除去するために飽和重曹水等のアルカリ水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウム等で乾燥し、精製することで上記式(3)および/または(4)で示される化合物を得ることができる。
【0037】
また本反応は広い温度範囲で進行するが実質的には−20℃〜60℃、好ましくは0℃〜40℃の温度範囲で行われる。反応時間は反応条件によるが、通常1時間から10時間の範囲で行われる。
【0038】
上記式(1)で示される化合物と上記式(2)で示される化合物との使用割合は、上記式(2)で示される化合物のアルコキシ基のモル数に対して上記式(1)で示される化合物を理論モル量(化学量論量のモル量)以上10倍モル量以下(すなわち、(2)で示される化合物のアルコキシ基1当量に対し1当量以上10当量以下)、好ましくは2倍モル量以上5倍モル量以下(2当量以上5当量以下)用いることが望ましい。理論モル量の2倍未満では、共加水分解反応およびエポキシドの開環反応が不十分で高収率かつ高純度で目的物を得ることが困難である。また5倍モル量を超えると上記式(1)で示される化合物を無駄に消費するため経済的に不利である。
【0039】
上述で得られる化合物に続いて行われる塩基での処理において、用いられる塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等の無機アルカリ金属塩、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等の有機アルカリ金属塩、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の第3級アルキルアミン類、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の芳香族アミン類、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン等の複素環アミン類等いずれも用いることができるが、原料の入手および工業的規模での生産を考慮すると、水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムを用いることが望ましい。なお、塩基は1種類のものを用いることもできるし、複数種類の塩基を組み合わせて用いることもできる。
【0040】
本反応において使用する塩基のモル量は、上記式(3)および/または(4)で示される化合物に対して等モル以上、好ましくは1.2モル以上、さらに好ましくは1.5モル以上が望ましい。塩基の使用量の上限は特にないが、通常上記式(3)および/または(4)で示される化合物1モルに対して10モル以下である。同時に使用される溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、エチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類等、蒸留水等いずれも用いることができ、原料および目的物の溶解度からこれらの溶媒を単独でもしくは複数種を混合して用いてもよい。反応温度については、−78℃〜溶媒の沸点であるが、好ましくは−20℃〜40℃、さらに好ましくは0℃〜室温であることが望ましい。反応時間については反応条件によるが、通常1時間から48時間の範囲で行われる。
【0041】
本発明の塩基での処理は、塩基を含む溶液にハロヒドロキシプロポキシプロピルオルガノシロキシシランを添加することにより行なうことができる。反応後、系中に生じた無機もしくは有機塩類および過剰の塩基を除去するために酸・アルカリ水溶液および蒸留水等で洗浄するもしくは沈殿物または結晶を濾過した後、無水硫酸ナトリウム等で乾燥し、精製することで上記式(5)で示される化合物を得ることができる。
【0042】
本発明はまた、上記本発明のシリコーン化合物の製造方法により得られた上記式(5)で示されるシリコーン化合物と上記式(6)で示される化合物を反応させ、上記式(7)および/または(8)で示されるシリコーンモノマーを得るシリコーンモノマーの製造方法を提供する。
【0043】
式中(6)〜(8)中、式(6)〜(8)中、R、R、R、R及びRは、上記式(1)〜(5)中のR、R、R、R及びRとそれぞれ同義、Rは炭素−炭素不飽和二重結合を少なくとも1つ有する炭素数2−20の有機基から選ばれる。)
【0044】
上記本発明のシリコーンモノマーの製造方法において、上記式(5)で示されるシリコーン化合物と反応させる、上記式(6)で示される化合物は、ラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合を少なくとも1つ有する炭素数2−20の有機基である。具体例を挙げると、ビニロキシ酢酸、アリロキシ酢酸、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパン酸、3−(メタ)アクリロイルブタン酸、4−ビニル安息香酸などである。
【0045】
式(5)で示されるシリコーン化合物と式(6)で示される化合物との反応においては、必ずしも溶媒を使用しなくても良い。また溶媒を使用する場合には、メタノール、エタノール等のアルコール類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、エチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類等が挙げられ、無溶媒もしくはベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類が好ましい。
【0046】
上記反応は、通常、20℃〜40℃、好ましくは60℃〜120℃の温度範囲で行われる。反応時間は、特に限定されないが、通常、4時間〜24時間の範囲で行われる。
【0047】
上記本発明のシリコーンモノマーの製造方法において、式(5)で示されるシリコーン化合物と式(6)で示される化合物との使用割合は、式(5)で示される化合物1モルに対し通常、1モル〜10モル、好ましくは2モル〜6モル用いることが望ましい。
【0048】
本発明の成形体は、上記のシリコーンモノマーと他のモノマーからなるモノマー混合液を共重合することによって得られる。重合反応としては、ラジカル開始剤の存在下、室温から80℃の温度範囲で行われる。ラジカル開始剤としては、ビニル重合に使用されるものであれば、熱および光開始剤どちらも使用可能である。他のモノマーとしては、例えばエチレングリコールジメタクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、ヒドロキシルエチルメタクリレート、メタクリル酸、N−ビニルピロリドン等を用いることができる。また、本発明の方法により得られた上記シリコーンモノマーと、他のモノマーの使用割合は、特に限定されないが、通常、本発明の方法により得られた上記シリコーンモノマーは全モノマー混合物中1重量部から90重量部程度である。
【0049】
このようなシリコーンモノマーを含むラジカル開始剤含有モノマー混合物をシート、フィルム、ロッド、ボタン、ディスクなどの任意の形状で重合することで成形体を得ることが出来る。さらに眼用レンズとする場合には、上記の成形体を切り取るもしくはレンズ状のモールド中で重合を行い、これを切削、研磨等の機械加工することで眼用レンズを得ることができる。
本発明の成形体は耐加水分解性に優れ、親水性基とシロキシ基を併せ持つことから、眼用レンズ、特にコンタクトレンズに好適に用いることができる。
【実施例】
【0050】
本発明の具体的実施態様を以下に実施例をもって示すが、本発明は以下に限定されるものではない。
【0051】
実施例1
シリコーン化合物の合成
【0052】
【化13】

【0053】
【化14】

【0054】
【化15】

【0055】
0℃で冷却したメタノール16.6 g、ヘキサン16.7 g、蒸留水33.3 gを激しく撹拌しながら、3-グリシジリロキシプロピルジメトキシメチルシラン(25.16 g, 0.113 mol)とジメチルエチルシリルクロライド(55.7 g, 0.454 mol)を混合し、1.5時間かけて滴下した。滴下後0℃から徐々に室温に上げ2時間撹拌した。反応を停止し、水層を分離後、有機層を飽和重曹水(30 ml)、飽和食塩水(35 ml)で洗浄し、さらにもう1回この操作を繰り返し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、溶媒留去、乾燥し、粗生成物44.35 gを得た。
【0056】
蒸留により精製し、上記式(11)、(12)で示される無色透明液体(12.22 g, 純度83.8%)を混合物として得た。
【0057】
つづいて0℃で冷却した水酸化カリウム(2.5 g, 43.9 mmol)/50wt%メタノール水溶液(10 ml)に上記式(11)、(12)で示される混合物(9.32 g, 23.2 mmol)を一度に加えた。徐々に室温に昇温し、室温で10時間撹拌した。蒸留水約50 mlを加え、有機層を分離し、水層をエーテル(2×50 ml)で抽出した。有機層と併せて蒸留水(3×50 ml)、飽和食塩水(2×50 ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、溶媒留去、真空乾燥を行い、粗生成物(7.8 g)を得た。減圧蒸留を行い、上記式(13)で示される無色透明液体(5.84 g, 純度89%)を得た。なお、化合物の純度はガスクロマトグラフィーにより決定した。
【0058】
実施例2
シリコーン化合物の合成
【0059】
【化16】

【0060】
【化17】

【0061】
【化18】

【0062】
0℃で冷却したメタノール24.9 g、ヘキサン24.9 g、蒸留水50 gを激しく撹拌しながら、3-グリシジリロキシプロピルトリメトキシシラン(33.1 g, 0.14 mol)とジメチルエチルシリルクロライド(102.93 g, 0.84 mol)を混合し、1時間かけて滴下した。滴下後0℃でさらに2時間撹拌し、徐々に室温に上げ1時間撹拌した。反応を停止し、水層を分離後、有機層を飽和重曹水(50 ml)、飽和食塩水(50 ml)で洗浄し、さらにもう1回この操作を繰り返し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、溶媒留去、乾燥し、粗生成物を得た。
【0063】
蒸留により精製し、上記式(14)、(15)で示される無色透明液体(23.53 g, 純度85%)を混合物として得た。
【0064】
つづいて0℃で冷却した水酸化カリウム(3.0 g, 53.4 mmol)/50wt%メタノール水溶液(8 ml)に上記式(14)、(15)で示される混合物(15.0 g, 23.3 mmol)を一度に加えた。徐々に室温に昇温し、室温で18時間撹拌した。蒸留水約40 mlを加え、有機層を分離し、水層をエーテル(50 ml×2)で抽出した。有機層と併せて蒸留水(100 ml×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、溶媒留去、真空乾燥を行い、粗生成物(11.94 g)を得た。
【0065】
蒸留により上記式(16)で示される無色透明液体(5.83 g, 純度85.8%)を得た。
【0066】
なお、化合物の純度はガスクロマトグラフィーにより決定した。
【0067】
実施例3
シリコーンモノマーの合成
【0068】
【化19】

【0069】
【化20】

【0070】
【化21】

【0071】
p-メトキシフェノール(13.5 mg, 0.12 mmol)、メタクリル酸ナトリウム(0.4 g, 3.70 mmol)、実施例1で得た上記式(13)で示される(4.5 g, 12.3 mmol)およびメタクリル酸(4.2 ml, 49.4 mmol)の溶液を100℃で8時間反応させた。
【0072】
冷却後、エーテル40 mlで溶解し、1N-水酸化ナトリウム水溶液(5×20 ml)および飽和食塩水(2×20 ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
【0073】
濾過、溶媒留去、真空乾燥後、粗生成物(5.06 g)を得、つづいてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製を行い、上記式(17)および/または(18)で示される無色透明液体(2.92 g, 収率53%, 純度97.8%)を得た。
【0074】
実施例4
シリコーンモノマーの合成
【0075】
【化22】

【0076】
【化23】

【0077】
【化24】

【0078】
p-メトキシフェノール(13.6 mg, 0.11mmol)、メタクリル酸ナトリウム(0.37 g, 3.4 mmol)、実施例2で得られた上記式(16)で示される化合物(5.12 g,11.3 mmol)およびメタクリル酸(3.84 ml, 45.2 mmol)の溶液を100℃で9時間反応させた。
【0079】
冷却後、エーテル20 mlで溶解し、1N-水酸化ナトリウム水溶液(7×10 ml)および飽和食塩水(2×10 ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
【0080】
濾過、溶媒留去、真空乾燥後、粗生成物(5.66 g)を得、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製を行い、上記式(19)および/または(20)で示される無色透明液体(3.49 g, 収率55%, 純度95.8%)を得た。
【0081】
実施例5
モノマーの加水分解性比較
【0082】
【化25】

【0083】
【化26】

【0084】
実施例3によって得られた上記式(17)および/または(18)で示される化合物0.1gを20 mL スクリュー管に2-プロパノール(3.90 g), 酢酸 (0.24 g), 蒸留水(0.90 g)、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール (2 mg)をよく混合し、密閉した。そのスクリュー管を80℃で168時間処理した。処理開始前を0時間として、その時のガスクロマトグラフィーによる面積を100%として168時間後の目的化合物の面積変化を測定した。
【0085】
実施例6
モノマーの加水分解性比較
【0086】
【化27】

【0087】
【化28】

【0088】
実施例5において上記式(17)および/または(18)の代わりに上記式(19)および/または(20)に示される化合物を用いた以外は実施例5と同様の試験を行った。
【0089】
実施例7
眼用レンズの加水分解性比較
【0090】
【化29】

【0091】
【化30】

【0092】
窒素雰囲気下、上記式(17)および/または(18)で示される化合物を含むシリコーン化合物17.5% 、エチレングリコールジメタクリレート1.5% 、N,N−ジメチルアクリルアミド15% 、ヒドロキシルエチルメタクリレート12.58%、メタクリル酸 0.8% 、PVP K-90 2.5% 、光開始剤Irgacure 819 0.13%、 3,7-ジメチル-3-オクタノール50%からなる溶液を脱気後、モールドに100μlずつ入れ、光照射強度1.53mW/cm2で可視光を照射し、50℃で30分間重合を行った。
【0093】
重合後、イソプロピルアルコール/イオン交換水=70/30にモールドとともに得られた眼用レンズを入れ30分間放置し、剥離したモールドを取り除いた。つづいて眼用レンズをイソプロピルアルコール/イオン交換水=70/30で30分間洗浄を2回行い、イオン交換水で30分間、さらにパッキング溶液(ホウ酸を含む緩衝溶液:pH=約7)で30分間洗浄した。
【0094】
次に上記パッキング溶液で満たされた眼用レンズをスクリュー管中に密封し、蒸気滅菌器にて121℃で30分間滅菌を行った。
【0095】
冷却後、24時間以上放置したサンプルを幅5mm、長さ15mmの短冊状に切断し、引張試験器にて破れるまでの伸度を測定し、この時の伸度を1とした。
【0096】
サンプルをイオン交換水中95℃で1週間、2週間、4週間処理したサンプルを上記と同様に伸度を測定し、上記未処理のサンプルの伸度との差分を割合(%)で比較した。
【0097】
実施例8
眼用レンズの加水分解性比較
【0098】
【化31】

【0099】
【化32】

【0100】
実施例7において、上記式(17)および/または(18)で示される化合物の代わりに上記式(19)および/または(20)で示される化合物を用いた以外は実施例7と同様に行った。
【0101】
比較例1
従来法によるシリコーン化合物の合成
【0102】
【化33】

【0103】
0℃で冷却したメタノール8.4 g、ヘキサン8.3 g、蒸留水16.7 gにジメチルエチルシリルクロライド(24.53 g, 0.2 mol)とジメトキシメチルシラン(5.31 g, 0.05 mol)を混合し、1時間かけて滴下した。滴下後0℃でさらに2時間撹拌し、徐々に室温に上げ1晩撹拌した。反応終了後、飽和重曹水(100 ml)、飽和食塩水(100 ml)で洗浄し、さらにもう1回この操作を繰り返し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、溶媒留去、常圧下で蒸留を行い、無色透明液体(9.95 g, bp 160〜163℃, 収率79%)を得た。
【0104】
ガスクロマトグラフィーで粗生成物を分析した結果、数種の異性体の混合物であり、上記式(21)で示される目的物のみを得ることが困難であった。
【0105】
比較例2
シラノール合成
【0106】
【化34】

【0107】
温度計、滴下ロートを備えた500 ml3口ナスフラスコにジメチルエチルシリルクロライド(22.23 g, 0.181 mol)、ジエチルエーテル(110 ml)と1%フェノールフタレインエタノール溶液(4滴)を加え、飽和食塩水−氷で冷却し、激しく撹拌しながら、0.5N-NaOH水溶液(約360 ml)を3時間かけて滴下した。
【0108】
滴下終了後、エーテル層を分け、水層をエーテル(3×20 ml)で抽出し、有機層をあわせて炭酸カリウムで乾燥した。
【0109】
濾過、溶媒留去後、常圧下で蒸留を行ったが、上記式(22)で示される目的物は得られず、ビス(ジメチルエチル)ジシロキサンが得られたのみであった。
【0110】
比較例1および2から、従来技術を利用して本発明のシリコーン化合物を合成することが困難であった。
【0111】
比較例3
汎用シリコーンモノマーの加水分解性測定
【0112】
【化35】

【0113】
【化36】


【0114】
実施例5において上記式(17)および/または(18)の代わりに上記式(23)および/または(24)で示される化合物を用いた以外は実施例5と同様の試験を行った。
【0115】

比較例4
眼用レンズの加水分解性比較
【0116】
【化37】

【0117】
【化38】

【0118】
実施例7において、上記式(17)および/または(18)で示される化合物の代わりに上記式(23)および/または(24)で示される化合物を用いた以外は実施例7と同様に行った。
【0119】
実施例5,6及び比較例3で行ったモノマーの加水分解性比較試験の結果を下記表1に示す。また、実施例7,8及び比較例4で行った眼用レンズの加水分解性比較の引張試験結果を下記表2に示す。表1中の数値はガスクロマトグラフィーによるモノマーの面積%を表し、表2中の数値は未処理サンプルとの差分を割合(%)で表す。
【0120】
【表1】

【0121】
【表2】

【0122】
表1より、ケイ素上が嵩高いシロキシ基に置換されている実施例5、実施例6と比較例3を比較すると、シリコーンモノマーとしての耐加水分解性が向上していた。さらにシロキシ基の置換数が大きいほど耐加水分解性が向上していた。
【0123】
また表2より上記モノマーを重合し、眼用レンズとした場合、耐加水分解性が向上したことにより、伸度の変化が小さかった。このように、本発明によれば、耐加水分解性の優れた成形体を得ることができることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0124】
本発明の製造方法によって、立体的に嵩高い置換基を有するシリコーンモノマーおよび中間体を提供することが可能となる。本方法で得られたモノマーおよびそれから得られる眼用レンズは耐加水分解性に優れる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で示される化合物と下記式(2)で示される化合物を水存在下で反応させて下記式(3)および/または(4)で示されるシリコーン化合物を得て、ついで該下記式(3)および/または(4)で示されるシリコーン化合物を塩基で処理して下記式(5)で示されるシリコーン化合物を得るシリコーン化合物の製造方法。
【化1】

【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

(式(1)〜(5)中、R、R、R、Rは各々独立に炭素数1−7のアルキル基、炭素数1−7のアルケニル基およびフェニル基から選ばれ、R、R、Rのうち、少なくとも一つが炭素数2以上であり、Rは炭素数1−4のアルキル基から選ばれ、Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子から選ばれる。nは1−3の整数である。)
【請求項2】
上記式(1)で示される化合物と上記式(2)で示される化合物を水存在下で反応させる際に、上記式(2)で示される化合物のアルコキシ基1等量に対し、上記式(1)で示される化合物を2等量以上5等量以下用いる請求項1記載の方法。
【請求項3】
請求項1または2記載の方法で得られた上記式(5)で示されるシリコーン化合物と下記式(6)で示される化合物を反応させ、下記式(7)および/または(8)で示されるシリコーンモノマーを得るシリコーンモノマーの製造方法。
【化6】

【化7】

【化8】

(式(6)〜(8)中、R、R、R、R及びRは、上記式(1)〜(5)中のR、R、R、R及びRとそれぞれ同義、Rは炭素−炭素不飽和二重結合を少なくとも1つ有する炭素数2−20の有機基から選ばれる)。
【請求項4】
請求項3記載の製造方法によって得られたシリコーンモノマーを含有するモノマー混合物を重合して得られる成形体。
【請求項5】
請求項4記載の成形体からなる眼用レンズ。


【公開番号】特開2008−137918(P2008−137918A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−323958(P2006−323958)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【出願人】(500092561)ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド (153)
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Vision Care, Inc.
【Fターム(参考)】