説明

シリンダブロックの加工用治具および加工方法

【課題】ボルト締結時にダミーヘッドが変形した場合でも、ビード部によるボアの周縁部への面圧を均一に加えることができるシリンダブロックの加工用治具および加工方法を提供する。
【解決手段】ダミーヘッド100のシリンダブロック200の上面への載置時、たとえばビード部130では、最厚部131が、隣接するボア201の同士の間の軸間部分に配置され、最薄部132が、その軸間部分から周方向に略90度離れて配置される。ダミーヘッド100のボルト締結時、本体110がボア201に向かう方向とは反対側に凸状に歪む。ビード部130の形状を本体110の変形を考慮した形状としているから、本体110の変形は、ビード部130の全ての部分131〜133がボア201の周縁部に当接した状態で行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンダブロックのボアの加工時にシリンダヘッドに取付けられるシリンダブロックの加工用治具および加工方法に係り、特に、加工用治具とシリンダブロックとの間にガスケットを介在させない技術の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関のシリンダブロックには、油膜を介して相対的にピストンに摺動するシリンダボア(以下、ボア)が複数形成され、シリンダブロックの一面(取付面)には、ガスケットを介してシリンダヘッド(以下、実ヘッド)がボルト締結される。ボルト締結後のボアは、エンジン使用時のピストンとの摺動抵抗を抑制するために、断面が略真円形状をなす円筒形状を有することが要求されている。なお、本願では、軸線方向に垂直な断面を断面と表記し、軸線方向に平行な断面を側断面と表記する。
【0003】
ところが、シリンダブロックのボアを断面略真円形状に加工した後、シリンダブロックの取付面に実ヘッドを取り付けた場合、その締結力によりボアの形状が変形してしまう。そこで、加工用治具としてダミーヘッドを取付面にボルト締結した状態でボアの加工を行う技術が提案されている。
【0004】
具体的には、ボアの加工時、ダミーヘッドを取付面にボルト締結し、その締結力により、実ヘッドをボルト締結した場合と同様な変形をボアに生じさせる。ダミーヘッドにはボアに連通する加工用孔部が形成されているから、その孔部を通じて、変形したボアにボーリング加工やホーニング加工を行うことにより、ボアを断面略真円形状に形成することができる。ボアの加工後、ダミーヘッドを取り外し、実ヘッドをボルト締結した場合、ダミーヘッドの場合と同様な締結力が加えられるから、ボアの変形を抑制することができる。
【0005】
このようなダミーヘッドを用いた加工方法では、シリンダブロックの取付面にダミーヘッドを取り付ける場合、実ヘッドの場合と同様にガスケットを介在させると、ガスケットは使用を重ねる毎に潰れて劣化し、新品への交換を頻繁に行う必要が生じるため、コストの増大を招く。
【0006】
そこで、ダミーヘッドとシリンダブロックとの間にガスケットを介在させない手法が開発されている。ガスケットは、ボルト軸力による荷重をボアの周縁部に均等に加える機能を有しているので、ガスケットを介在させない手法では、その機能を実現するために、ボアの周縁部に向かって突出するビード部をダミーヘッドに設けている。ダミーヘッドの締結時、ビード部によりボアの周縁部にボルト軸力による荷重が加えられる。
【0007】
ビード部を用いる技術では、ビード部に高さ等のばらつきがある場合、ボアの周縁部への面圧を均等にすることができないため、各種技術が提案されている。たとえば特許文献1では、ビード部の径方向にくびれ部を設け、そのくびれ部の変形によってボアの周縁部への面圧を調整している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−95547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、ビード部を用いる技術では、ボルト締結時にダミーヘッドが変形した場合、ダミーヘッドからビード部に加わる荷重が不均一となるため、ビード部によるボアの周縁部への面圧が不均一となる。
【0010】
具体的には、図5(A)に示すように、ダミーヘッド10をシリンダブロック20の上面(取付面)に載置すると、ビード部11はシリンダブロック20の上面に接触する。次いで、図5(B)に示すように、ボルト12をボア21の周囲のボルト用孔22に固定することにより、ダミーヘッド10をボルト締結する。
【0011】
この場合、ボア21上に位置するダミーヘッド10の中央部分が、シリンダブロック20の取付面に向かう方向とは反対側に向かって凸状に歪む。このため、隣接するボア21同士の軸間部分(図6の破線Pで囲まれる部分)においてビード部11による面圧が低くなってしまう。この場合、ダミーヘッド10の本体自体が変形するため、特許文献1の技術の凹部による面圧調整機能では対応できない。なお、図5(A),5(B)は、図6のX方向に見た側断面図であって、ボア21、ボルト12、ビード部11の位置関係を表すために、それらを便宜的に同一側断面上で図示している。
【0012】
したがって、本発明は、ボルト締結時にダミーヘッドが変形した場合でも、ビード部によるボアの周縁部への面圧を均一に加えることができるシリンダブロックの加工用治具および加工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1のシリンダブロックの加工用治具は、シリンダブロックのボアの加工時、シリンダブロックの一面に締結される加工用治具であって、本体と、一面への本体の取付時にボアの周縁部に配置される突出部とを備え、突出部は厚さが最も厚い最厚部と厚さが最も薄い最薄部とを有し、最厚部は、一面への本体の締結前の状態では、隣接するボア同士の間の軸間部分に位置し、最薄部は、最厚部から周方向に略90度離れて位置していることを特徴とする。
【0014】
シリンダブロックの加工用治具では、ボルトを用いてシリンダブロックの一面に加工用治具を締結した場合、本体に変形が生じる。ここで仮に、突出部の厚さを均一に設定した場合、突出部では、ボア同士の間の軸間部分から周方向に略90度離れて位置する部分が支点として作用することにより、本体におけるボア同士の軸間部分に対応する部分が、ボアに向かう方向とは反対側に凸状に歪む。この場合、本体では、ボア同士の軸間部分に対応する部分の変形が最も大きく、そこから周方向に略90度離れて位置する部分の変形は最も小さい。
【0015】
これに対して本発明の第1のシリンダブロックの加工用治具では、締結前の状態において、突出部に最厚部および最薄部を有している。ここで、本体の変形量が最大となる軸間部分に最厚部が配置されるとともに、本体の変形量が最小となる部分(軸間部分から周方向に略90度離れて位置する部分)に最薄部が配置される。このように突出部の形状を本体の変形を考慮した形状としているから、締結時に本体の上記変形が生じても、突出部の最厚部は、ボアの周縁部の軸間部分に当接することができる。
【0016】
したがって、ボアの周縁部の軸間部分に荷重を十分に加えることができるから、ボアの周縁部全体に荷重を均等に与えることができる。その結果、シリンダブロックの一面への加工用治具のボルト締結時、ガスケットを用いなくても、実ヘッド締結時の変形状態に対応する変形状態を得ることができる。よって、加工工数および設備投資の低減を図ることができる。また、突出部の最厚部、最薄部、および、それら間の部分の厚さを適宜設定することにより、ボアの周縁部への面圧を調整することができるので、その面圧値の最適化を図ることができる。その結果、実ヘッド締結時の変形状態に対応する変形状態をより良く得ることができる。
【0017】
本発明の第1のシリンダブロックの加工用治具は種々の構成を用いることができる。たとえばシリンダブロックの機種に応じて、突出部の最厚部および最薄部の少なくとも一方の厚みを変更することが可能な態様を用いることができる。この態様では、シリンダブロックの機種に応じて、ボアの周縁部への面圧値の最適化を図ることができる。また、突出部は、本体に対して別体として構成されている態様を用いることができる。
【0018】
本発明の第2のシリンダブロックの加工用治具は、シリンダブロックのボアの加工時、シリンダブロックの一面に締結される加工用治具であって、本体と、一面への本体の取付時にボアの周縁部に配置される突出部とを備え、本体は、一面への締結前の状態では、隣接するボア同士の間の軸間方向に垂直な断面がボアに向かって凸状をなすような形状を有していることを特徴とする。
【0019】
本発明の第2のシリンダブロックの加工用治具では、締結前の状態において、本体は、隣接するボア同士の間の軸間方向に垂直な断面(側断面)がボアに向かって凸状をなすような形状を有している。このように本体の形状を上記のような変形を考慮して、締結により歪む方向とは逆方向に突出する形状としているから、締結により突出部を支点として本体を変形させることにより、本体におけるシリンダブロックの一面に対向する面をシリンダブロックの一面と略平行にすることができる。したがって、突出部によって、ボアの周縁部全体に荷重を均等に与えることができるから、本発明の第1のシリンダブロックの加工用治具と同様な効果を得ることができる。この場合、本発明の第2のシリンダブロックの加工用治具では、本体の凸状の突出形状や突出量等を予め適宜設定することにより、ボアの周縁部への面圧を調整することができる。
【0020】
本発明のシリンダブロックの加工方法は、本発明の第1あるいは第2のシリンダブロックの加工用治具を用いたシリンダブロックの加工方法である。すなわち、本発明のシリンダブロックの加工方法は、ボアを有するシリンダブロックの一面に、本発明の第1あるいは第2のシリンダブロックの加工用治具を取り付け、ボアを変形させた状態でそのボアの加工を行うことを特徴とする。本発明のシリンダブロックの加工方法は、本発明のシリンダブロックの加工用治具と同様な効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の第1あるいは第2のシリンダブロックの加工用治具あるいはそれを用いた加工方法によれば、ボアの周縁部に荷重を均等に与えることができるから、シリンダブロックの一面への加工用治具のボルト締結時、実ヘッド締結時の変形状態に対応する変形状態を得ることができる等の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施形態に係るダミーヘッドがシリンダブロックに配置された状態を表し、(A)はボルト締結前の状態を表す側断面図、(B)はボルト締結後の状態を表す側断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係るダミーヘッドがシリンダブロックに配置された状態を表し、(A)はボルト締結前の状態を表す側断面図、(B)はボルト締結後の状態を表す側断面図である。
【図3】図1のダミーヘッドの具体例の下面の概略構成を表し、(A)は平面図、(B)は斜視図、(C)は下方から見たビード部の一部の拡大斜視図である。
【図4】図1のシリンダブロックの具体例の上面の概略構成を表す平面図である。
【図5】従来のダミーヘッドがシリンダブロックに配置された状態を表し、(A)はボルト締結前の状態を表す側断面図、(B)はボルト締結後の状態を表す側断面図である。
【図6】従来のダミーヘッドの締結状態での問題点を説明するための図であり、シリンダブロックの上面を表す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(1)第1実施形態
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るシリンダブロック200にダミーヘッド100が配置された状態を表し、(A)はボルト締結前の状態を表す側断面図、(B)はボルト締結後の状態を表す側断面図である。図3は、図1のダミーヘッドの具体例の下面の概略構成を表し、(A)は平面図、(B)は斜視図、(C)は下方から見たビード部の一部の拡大斜視図である。図3(C)のビード部は、本体の中央部に位置するものである。図4は、図1のシリンダブロックの具体例の上面の概略構成を表す平面図である。なお、図1(A),(B)は、図3のX方向に見た側断面(ボアの軸中心線を含む側断面)であって、図1(A),(B)では、ボア201、ボルト120、ビード部130の位置関係を表すために、便宜的に同一側断面上で図示している。なお、ビード部130のみは、図3のX方向に見た側面を表している。
【0024】
ダミーヘッド100は、たとえば4気筒エンジンのシリンダブロック200に適用される。シリンダブロック200の上面(取付面)には、たとえば4個のボア201が形成され、ボア201の周囲には、たとえば10個のボルト用孔202が形成されている。ボア201とボルト用孔202との間には、たとえばウォータジャケット203(図1のみに図示)が形成されている。ボア201は、たとえば鋳鉄からなるスリーブ204により構成され、スリーブ204の内面がピストンとの摺動面となる。なお、ボア201は、スリーブ204の代わりに、シリンダブロック200に形成された孔部の内面により構成してもよい。
【0025】
ダミーヘッド100は、たとえば本体110、ボルト120、および、ビード部130(突出部)を備えている。本体110は、たとえば板状をなしており、シリンダブロック200の上面に取り付けられる。
【0026】
本体110には、加工用孔部111およびボルト用孔112が形成されている。加工用孔部111は、その断面がボア201に対応する形状をなし、シリンダブロック200の上面への本体110の取付時、ボア201に連通する。ボア201の加工時、ボーリング加工機やホーニング加工機は、加工用孔部111を介して、ボア201の内部に挿入される。ボルト用孔112は、本体110の取付時、シリンダブロック200のボルト用孔202に連通する。ボルト120は、ボルト用孔112を通じて、ボルト用孔202に締め付けられる。
【0027】
ビード部130は、たとえば図1および図3に示すように、本体110の加工用孔部111の下面側周縁部から突出するようにして形成されている。ビード部130は、本体110の載置時、シリンダブロック200のボア201の周縁部に配置される。なお、ビード部130は本体110に対して別体として構成されていてもよい。
【0028】
ビード部130は、 締結前の状態において、厚さが最も厚い最厚部131および厚さが最も薄い最薄部132を有している。最厚部131は、隣接する加工用孔部111の同士の間の軸間部分に配置されている。最薄部132は、最厚部131から周方向に略90度離れて位置している。最厚部131と最薄部132と接続する部分133は、たとえばその厚さが最厚部131から最薄部132に向かうに従って薄くなるように形成されている。最厚部131、最薄部132、および、それら間の部分133の厚さは適宜設定されている。
【0029】
シリンダブロックの加工方法について図面を参照して説明する。まず、図1(A)に示すように、ダミーヘッド100をシリンダブロック200の上面に載置する。この場合、最厚部131は、隣接するボア201の同士の間の軸間部分に配置され、最薄部132は、その軸間部分から周方向に略90度離れて配置される。シリンダブロック200の上面へのダミーヘッド100の載置時(ボルト締結前)、厚さが最も厚い最厚部131のみがボア201の周縁部に当接し、それ以外の部分132,133は、ボア201の周縁部に当接しない。次いで、ボルト用孔112を通じて、図1(B)に示すように、ボルト120をボルト用孔202に締め付けることにより、ダミーヘッド100をシリンダブロック200に締結する。
【0030】
ボルト締結時、本体110がボア201に向かう方向とは反対側に凸状に歪み、ビード部130の部分132,133がボア201の周縁部に当接する。ここで、ビード部130では、本体110の変形量が最大となる軸間部分において最厚部131が配置されるとともに、本体110の変形量が最小となる部分(軸間部分から周方向に略90度離れて位置する部分)に最薄部132を配置しているから、本体110の変形は、ビード部130の全ての部分131〜133がボア201の周縁部に当接した状態で行われる。
【0031】
以上のように第1実施形態では、ビード部130の形状を上記のような本体110の変形を考慮した形状としているから、締結時に上記のような本体110の変形が生じても、ビード部130の最厚部131は、ボア201の周縁部の軸間部分に当接することができる。したがって、ボア201の周縁部の軸間部分に荷重を十分に加えることができるから、ボア201の周縁部全体に荷重を均等に与えることができる。その結果、シリンダブロック200の上面へのダミーヘッド100のボルト締結時、ガスケットを用いなくても、実ヘッド締結時の変形状態に対応する変形状態を得ることができる。よって、加工工数および設備投資の低減を図ることができる。また、ビード部130の最厚部131、最薄部132、および、それら間の部分133の厚さを適宜設定することにより、ボア201の周縁部への面圧を調整することができるので、その面圧値の最適化を図ることができる。その結果、実ヘッド締結時の変形状態に対応する変形状態をより良く得ることができる。
【0032】
特に、シリンダブロック200の機種に応じて、ビード部130の部分131〜133の少なくとも一方の厚みを変更可能とすることにより、シリンダブロック200の機種に応じて、ボアの周縁部への面圧値の最適化を図ることができる。
【0033】
(2)第2実施形態
第2実施形態では、ビード部130に最厚部131および最薄部132を形成する代わりに、ビード部130の厚さを一定とするとともに、本体110を予め凸状に形成しており、それ以外の構成は、第1実施形態と同様である。第2実施形態では、第1実施形態と同様な構成要素には同符号を付し、その説明を省略する。
【0034】
本体110では、たとえば図2(A)に示すように、隣接するボア201同士の間の軸間方向に垂直な断面(側断面)がボア201に向かって凸状をなしている。本体110は、たとえば締結により歪む方向とは逆方向に本体110を予め撓ませている。本体110の上面および下面の側断面は、たとえば図2(A)に示すよう曲線状をなしていてもよいし、その代わりに、対向する直線からなるV字状、あるいは、複数の段差を有する階段状をなしていてもよい。このような形状は、たとえば加工により得られる。
【0035】
第2実施形態では、締結前の状態において、図2(A)に示すように、本体110は、隣接するボア201同士の間の軸間方向に垂直な断面がボア201に向かって凸状をなしているから、図2(B)に示すように、ボルト120をボルト用孔202に締め付け、ビード部130を支点として本体110をボルト締結により変形させることにより、本体110におけるシリンダブロック200の一面に対向する面をシリンダブロック200の一面と略平行にすることができる。したがって、ビード部130によって、ボア201の周縁部全体に荷重を均等に与えることができるから、第1実施形態のダミーヘッド100と同様な効果を得ることができる。この場合、第2実施形態のダミーヘッド100では、本体110の凸状の突出形状や突出量等を予め適宜設定することにより、ボア201の周縁部への面圧を調整することができる。
【0036】
上記実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。たとえば、シリンダブロック200の機種に応じて、第1実施形態と第2実施形態を組み合わせて用いてもよい。すなわち、ビード部130に最厚部131および最薄部132を形成するとともに、本体110を予め凸状に形成してもよい。
【符号の説明】
【0037】
100…ダミーヘッド(加工用治具)、110…本体、112…ボルト用孔、120…ボルト、130…ビード部(突出部)、131…最厚部、132…最薄部、200…シリンダブロック、201…ボア、202…ボルト用孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダブロックのボアの加工時、前記シリンダブロックの一面に締結される加工用治具において、
本体と、
前記一面への前記本体の取付時に前記ボアの周縁部に配置される突出部とを備え、
前記突出部は厚さが最も厚い最厚部と厚さが最も薄い最薄部とを有し、
前記最厚部は、前記一面への前記本体の締結前の状態では、隣接するボア同士の間の軸間部分に位置し、前記最薄部は、前記最厚部から周方向に略90度離れて位置していることを特徴とするシリンダブロックの加工用治具。
【請求項2】
前記シリンダブロックの機種に応じて、前記突出部の前記最厚部および前記最薄部の少なくとも一方の厚みを変更することが可能な請求項1に記載のシリンダブロックの加工用治具。
【請求項3】
前記突出部は、前記本体に対して別体として構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のシリンダブロックの加工用治具。
【請求項4】
シリンダブロックのボアの加工時、前記シリンダブロックの一面に締結される加工用治具において、
本体と、
前記一面への前記本体の取付時に前記ボアの周縁部に配置される突出部とを備え、
前記本体は、前記一面への締結前の状態では、隣接するボア同士の間の軸間方向に垂直な断面が前記ボアに向かって凸状をなすような形状を有することを特徴とするシリンダブロックの加工用治具。
【請求項5】
ボアを有するシリンダブロックの一面に、請求項1〜4のいずれかに記載の加工用治具を取り付け、前記ボアを変形させた状態でそのボアの加工を行うことを特徴とするシリンダブロックの加工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−57481(P2012−57481A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−198642(P2010−198642)
【出願日】平成22年9月6日(2010.9.6)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】