説明

シンクライアントネットワークシステム

【課題】複数のシステムに対して、入力者がデータ入力を実施できるシンクライアントネットワークシステムを提供すること。
【解決手段】アクセスを許諾する作業者端末2a、2bのMACアドレスを含むプログラム送信要求を受け付けたときに、目減り処理、データ入力処理、ベリファイ処理からなるデータ入力プログラムを作業者端末2a、2bに送信するデータ入力サーバ1と、プログラム送信要求を送信して、受信したデータ入力プログラムを実行して作業者にデータ入力を行わせる作業者端末2a、2bからなるシンクライアントネットワークシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発注者からの依頼に基づき、原稿に書かれている文字を、入力者が文字データとして入力するためのデータ入力のためのシンクライアントネットワークシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、データ入力システムの入力者は、データ入力の量に応じて利益を得ることから、処理できる範囲で可能な限り多くのデータ入力を行って自らの利益を増やしたいという要望があった。
【0003】
一方、データ入力システムは、サーバ−クライアント型のシステム構成をとっており、このデータ入力システムの運営企業と契約した入力者が、このデータ入力システム専用のプログラムがインストールされたクライアントコンピュータを操作して、サーバコンピュータにアクセスすることでデータ入力を行うようになっている。
【0004】
そこで、複数のデータ入力システムの運営企業と契約したい入力者においては、未処理のデータ入力を所有するデータ入力システムを選択し、このデータ入力システムのサーバコンピュータにクライアントコンピュータからアクセスできるようにすることで、具体的には、クライアントコンピュータが、必要なデータとプログラムをサーバコンピュータからダウンロードしながらデータの処理を行う汎用的な仕組みである、シンクライアント方式を利用することで、より多くのデータ入力を行えるようにしたいという要望があった。
【0005】
一方、個々のデータ入力システムの運営企業においては、個人情報保護や機密保持の観点から、原稿の全体、例えば、配達用の伝票や医療用のレセプトの全体を、入力者に把握されることを避けたいという要望があった。
【0006】
そこで、入力者に依頼する前に、元となる原稿を複写した後に秘匿すべき部分を黒塗りする等の作業が行われていたが、黒塗りする等の作業には工数がかかることから、これら複数の記載領域を含む原稿を、個々の記載領域に分割した後に入力者に渡し、入力者が原稿全体を把握できないようにするものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
また、個々のデータ入力システムの運営企業からは、入力者のデータ入力にかかる工数、すなわちデータ入力にかかるコストを低減したいという要望があった。
【0008】
そこで、元となる原稿を光学的に読み取って画像データ化した後に文字認識を行い、さらに認識できた文字と認識できなかった文字とを識別可能に表示することで、入力者が、文字認識が失敗した文字、すなわち、誤認識した文字と認識できなかった文字だけを入力しやすくしてデータ入力にかかる工数を低減しようとするものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
【特許文献1】特開2007−241775号公報、請求項1
【特許文献2】特開2005−18678号公報、請求項1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来のデータ入力システムにあっては、クライアントコンピュータは、個々のデータ入力システム専用のプログラムがインストールされているため、他のデータ入力システムのサーバコンピュータに接続してもデータ入力を行うことができないという問題があった。
【0011】
また、特許文献1にあっては、入力者が、分割された記載領域中の文字をすべてデータ入力するので、見落としによる入力ミスを防ぐための工数は低減できても、データ入力にかかる工数は低減できないという問題があった。
【0012】
また、特許文献2にあっては、入力者が原稿全体を把握できてしまうため、個人情報保護や機密保持が漏洩してしまう場合があるという問題があった。
【0013】
さらに、特許文献2にあっては、入力者に対して、認識できた文字と認識できなかった領域とを識別可能に表示しているが、認識できた文字には、認識が正しかった文字と誤認識した文字とが含まれうる。また、認識できなかった領域には、未認識である文字が含まれうる。このうち、入力者のデータ入力の対象となるのは、認識できた文字に含まれる誤認識した文字と、認識できなかった領域に含まれる文字であるが、これらの文字認識に不備があった文字を入力者が見分けて確実に入力することは難しいという問題があった。
【0014】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、複数のシステムに対して、入力者がデータ入力を実施できるシンクライアントネットワークシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のシンクライアントネットワークシステムは、
ネットワーク(インターネット5)に接続されており、入力者(作業者)からのデータ入力を受け付けて送信するシンクライアント(作業者端末2a、2b)と、前記ネットワーク上に設けられ、発注者からデータ入力の対象となる画像データ化された発注データ(元画像201(図2))を含む発注情報を受け付けて記憶し、前記発注データを含む入力用データ(元画像201とOCR可逆化分割画像207、元画像201と入力用画像210)を生成して前記シンクライアントに送信するとともに、該入力用データに応じて前記入力者が入力した入力データ(目減り結果209、入力結果211)を該入力用データとともに受信して、該入力データと該入力用データとを対応付けて記憶する管理コンピュータ(データ入力サーバ1)と、からなるシンクライアントネットワークシステムであって、
前記管理コンピュータは、
アクセスを許諾する前記シンクライアントを特定可能な情報(MAC(Media Access Contorl)アドレス)を記憶するためのシンクライアント記憶手段(データ入力サーバ1の記憶部に記憶しているデータ入力者管理台帳)と、
前記シンクライアント記憶手段に記憶されている前記シンクライアントを特定可能な情報により特定される前記シンクライアントから、前記シンクライアントを特定可能な情報を含む、前記入力用データに応じて前記入力者が入力する前記入力データを受け付けるためのデータ入力プログラム(目減り処理、入力処理、ベリファイ処理を行わせるための業務支援プログラム)を送信する旨のプログラム送信要求を受信したときに、該シンクライアントに前記データ入力プログラムを送信するプログラム送信手段(作業者端末2a、2bからプログラム送信要求を受信したときに、データ入力者管理台帳に記憶されているMAC(Media Access Contorl)アドレスであること、さらに、作業者のIDとパスワードが一致したことを条件に、プログラムを送信する処理を行うデータ入力サーバ1のCPU)と、
を備え、
前記シンクライアントは、
前記シンクライアントを特定可能な情報を含む、前記プログラム送信要求を前記管理コンピュータに送信するためのプログラム送信要求送信手段(データ入力サーバ1にプログラム送信要求を送信するための、データ入力サーバ1にアクセスするためのプログラムを実行する作業者端末2a、2bのCPU)と、
前記管理コンピュータから前記データ入力プログラムを受信して、実行するプログラム実行手段(データ入力サーバ1にプログラムを受信して実行するための、データ入力サーバ1にアクセスするためのプログラムを実行する作業者端末2a、2bのCPU)と、
を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、シンクライアントを利用することで、複数の管理コンピュータに対して、入力者がデータ入力を実施できる。
【0016】
本発明の請求項2に記載のシンクライアントネットワークシステムは、
ネットワーク(インターネット5)に接続されており、入力者(作業者)からのデータ入力を受け付けて送信するシンクライアント(作業者端末2b)と、前記ネットワーク上に設けられ、発注者からデータ入力の対象となる画像データ化された発注データ(元画像201(図2))を含む発注情報を受け付けて記憶し、前記発注データを含む入力用データ(元画像201とOCR可逆化分割画像207、元画像201と入力用画像210)を生成して前記シンクライアントに送信するとともに、該入力用データに応じて前記入力者が入力した入力データ(目減り結果209、入力結果211)を該入力用データとともに受信して、該入力データと該入力用データとを対応付けて記憶する管理コンピュータ(データ入力サーバ1)と、からなるシンクライアントネットワークシステムであって、
前記管理コンピュータは、
アクセスを許諾する前記シンクライアントを特定可能な情報(MAC(Media Access Contorl)アドレス)を記憶するためのシンクライアント記憶手段(データ入力サーバ1の記憶部に記憶しているデータ入力者管理台帳)と、
前記シンクライアント記憶手段に記憶されている前記シンクライアントを特定可能な情報により特定される前記シンクライアントから、前記シンクライアントを特定可能な情報を含む、前記入力用データに応じて前記入力者が入力する前記入力データを受け付けるためのデータ入力プログラム(目減り処理、入力処理、ベリファイ処理を行わせるための業務支援プログラム)を送信する旨のプログラム送信要求を受信したときに、該シンクライアントに前記データ入力プログラムを送信するプログラム送信手段(作業者端末2bからプログラム送信要求を受信したときに、データ入力者管理台帳に記憶されているMAC(Media Access Contorl)アドレスであること、さらに、作業者のIDとパスワードが一致したことを条件に、プログラムを送信する処理を行うデータ入力サーバ1のCPU)と、
を備え、
前記シンクライアントは、
通常のコンピュータを前記シンクライアントとして機能させるためのシンクライアントプログラムを記憶した記憶装置を装着可能な記憶装置装着部(外付け記憶装置6を接続可能なインタフェース)と、
前記記憶装置装着部に装着された前記記憶装置に記憶されている前記シンクライアントプログラム(作業者端末2bを起動させるためのプログラムと、データ入力サーバ1にアクセスするためのプログラム)を実行するシンクライアントプログラム実行手段(作業者端末2bのCPU)と、
を備え、
前記シンクライアントプログラムは、前記シンクライアントを、
前記シンクライアントを特定可能な情報を含む、前記プログラム送信要求を前記管理コンピュータに送信するためのプログラム送信要求送信手段(作業者端末2bを起動させるためのプログラムを実行し、さらに、データ入力サーバ1にプログラム送信要求を送信するための、データ入力サーバ1にアクセスするためのプログラムを実行する作業者端末2bのCPU)と、
前記管理コンピュータから前記データ入力プログラムを受信して、実行するプログラム実行手段(データ入力サーバ1にプログラムを受信して実行するための、データ入力サーバ1にアクセスするためのプログラムを実行する作業者端末2bのCPU)と、
して機能させるためのプログラムであることを特徴としている。
この特徴によれば、通常のコンピュータをシンクライアントとして用いることができ、このシンクライアントを利用することで、複数の管理コンピュータに対して、入力者がデータ入力を実施できる。
【0017】
本発明の請求項3に記載のシンクライアントネットワークシステムは、請求項1または2に記載のシンクライアントネットワークシステムであって、
前記データ入力プログラムは、前記シンクライアントを、
前記発注データを含む前記入力用データを、前記管理コンピュータから受信する入力用データ受信手段(作業者端末2a、2bが通信部を介して元画像201とOCR可逆化分割画像207、もしくは、元画像201と入力用画像210を送受信する処理を行う作業者端末2a、2bのCPU)と、
前記入力用データ受信手段にて受信した前記入力用データを表示する入力用データ表示手段段(作業者端末2a、2bの表示部に元画像201とOCR可逆化分割画像207を含む目減り画面(図6)、もしくは、元画像201と入力用画像210を含む入力画面(図7)を表示する処理を行う、作業者端末2a、2bのCPU)と、
前記入力者から入力される入力データ(目減り結果209、入力結果211)を、前記入力用データ表示手段に表示している前記入力用データに対応付けて受け付ける入力データ受付手段(元画像201とOCR可逆化分割画像207を含む目減り画面(図6)、もしくは、元画像201と入力用画像210を含む入力画面(図7)を表示しているときに、作業者端末2a、2bの入力部から目減り結果209、入力結果211の入力を受け付ける処理を行う作業者端末2a、2bのCPU)と、
前記入力データ受付手段にて受け付けた入力データを、該入力データと対応付けて受け付けた前記入力用データを特定可能な情報とともに、前記管理コンピュータに送信する入力データ送信手段(目減り結果209、入力結果211を送信する処理を行う作業者端末2a、2bのCPU)と、
して機能させるためのプログラムであり、
前記管理コンピュータは、
前記発注者からのデータ入力の対象となる前記発注データを含む前記発注情報を受け付ける発注情報受付手段(発注処理S101を行うデータ入力サーバ1のCPU)と、
前記発注情報受付手段にて受け付けた前記発注データを含む前記発注情報に基づいて、前記発注データに応じたデータ入力を前記入力者に行わせるための前記入力用データを生成する入力用データ生成手段(目減り処理S105においてOCR可逆化分割画像207を生成する処理、入力処理S106において入力用画像210を生成する処理を行うデータ入力サーバ1のCPU)と、
前記発注情報受付手段にて受け付けた発注データを含む前記発注情報と、該発注情報に基づいて前記入力用データ生成手段に生成された前記入力用データを対応付けて記憶する入力用データ記憶手段(目減り処理S105においてOCR可逆化分割画像207と、入力処理S106において入力用画像210と、を、元画像201と対応付けて記憶する処理を行うデータ入力サーバ1のCPU)と、
前記入力用データ生成手段にて生成した前記入力用データを前記シンクライアントに送信する入力用データ送信手段(目減り処理S105においてOCR可逆化分割画像207を送信する処理、入力処理S106において入力用画像210を送信する処理を行うデータ入力サーバ1のCPU)と、
前記シンクライアントの前記入力データ送信手段から送信されてくる前記入力データと、該入力データとともに送信されてくる前記入力用データを受信する入力データ受信手段(目減り処理S105において目減り結果209を受信する処理、入力処理S106において入力結果211を受信する処理を行うデータ入力サーバ1のCPU)と、
前記入力データ受信手段にて受信した前記入力データと、該入力データとともに送信されてくる前記入力用データとを対応付けて記憶する入力データ記憶手段(目減り処理S105において目減り結果209と、入力処理S106において入力結果211と、を、入力用画像210に対応付けて記憶する処理を行うデータ入力サーバ1のCPU)と、
を備え、
前記入力用データ生成手段は、
前記発注情報受付手段にて受け付けた前記発注情報に含まれる前記画像データ化された発注データに含まれる文字を光学的に認識して、認識された文字と該文字に該当する領域とを特定可能な認識文字データ(OCR結果206)を出力する認識文字データ生成手段(OCR処理S104においてOCR結果206を生成する処理を行うデータ入力サーバ1のCPU)と、
前記発注データの全領域のうち、前記認識文字データ生成手段にて文字として認識された領域(二重丸マークの領域)と、文字として認識されなかった領域(はてなマークの領域)とを、前記入力者が識別可能な認識可否合成データ(OCR可逆化分割画像207)を生成する認識可否合成データ生成手段(目減り処理S105においてOCR可逆化分割画像207を生成する処理を行うデータ入力サーバ1のCPU)と、
前記認識可否合成データ生成手段にて生成した認識可否合成データと、認識の対象となった前記画像データ化された発注データとを、前記シンクライアントに送信する認識可否合成データ送信手段(目減り処理S105において元画像201とOCR可逆化分割画像207を送信する処理を行うデータ入力サーバ1のCPU)と、
前記認識可否合成データ送信手段にて前記認識可否合成データを送信した前記シンクライアントが前記入力者から受け付けた、前記文字として認識された領域のうち誤認識した文字(誤認識文字)に該当する領域(バツマークの領域)と、前記文字として認識されなかった領域のうち文字が未認識(誤未認識文字)である領域(ゼットマークの領域)とを特定可能な誤認識文字データ(目減り結果209)を、前記シンクライアントから受信する誤認識文字データ受信手段(目減り処理S105において目減り結果209を受信する処理を行うデータ入力サーバ1のCPU)と、
前記発注データの全領域のうち、前記認識文字データ生成手段にて前記文字として認識された領域と、前記文字として認識されなかった領域と、前記文字として認識された領域のうち、前記誤認識文字データ受信手段にて受信した誤認識データに含まれる誤認識した文字(誤認識文字)に該当する領域と、前記認識文字データ生成手段にて前記文字として認識されなかった領域のうち、前記誤認識文字データ受信手段にて受信した誤認識文字データに含まれる文字が未認識(誤未認識文字)である領域と、前記入力者が識別可能な認識結果合成データ(入力用画像210)を前記入力用データとして生成する認識結果合成データ生成手段(入力処理S106を行うデータ入力サーバ1のCPU)と、
を含み、
前記データ入力プログラムは、前記シンクライアントを、
前記管理コンピュータの前記認識文字データ送信手段から送信されてくる前記認識可否合成データと、該認識可否合成データとともに送信されてくる前記画像データ化された発注データとを受信する認識可否合成データ受信手段(目減り処理S105においてOCR可逆化分割画像207を受信する処理を行う作業者端末2a、2bのCPU)と、
前記認識可否合成データ受信手段にて受信した前記認識可否合成データと、前記画像データ化された発注データとを表示する認識可否合成データ表示手段(目減り処理S105において目減り画面(図6)を表示する処理を行う作業者端末2a、2bのCPU)と、
前記入力者から、前記認識可否合成データに含まれる前記文字として認識された領域のうち誤認識した文字の領域の指定と、前記認識可否合成データに含まれる前記文字として認識されなかった領域のうち文字が未認識である領域の指定と、を受け付けて、前記誤認識された文字と該文字に該当する領域と、前記未認識である領域と、を特定可能な誤認識文字データを、前記認識可否合成データ表示手段に表示している前記発注データに対応付けて記憶する誤認識文字データ受付手段(目減り処理S105において目減り結果209を受け付ける処理を行う作業者端末2a、2bのCPU)と、
前記誤認識文字データ受付手段にて受け付けた誤認識文字データを、該誤認識文字データと対応付けて記憶されている前記認識可否合成データとともに、前記管理コンピュータに送信する誤認識文字データ送信手段(目減り処理S105において目減り結果209を送信する処理を行う作業者端末2a、2bのCPU)と、
前記管理コンピュータの前記認識結果合成データ送信手段から送信されてくる前記認識結果合成データと、該認識結果合成データとともに送信されてくる前記画像データ化された発注データとを受信する認識結果合成データ受信手段(入力処理S106において入力用画像210を受信する処理を行う作業者端末2a、2bのCPU)と、
前記認識結果合成データ受信手段にて受信した前記認識結果合成データと、前記画像データ化された発注データとを表示する認識結果合成データ表示手段(入力処理S106において入力画面(図7)を表示する処理を行う作業者端末2a、2bのCPU)と、
前記入力者から、前記認識結果合成データ表示手段にて表示している前記認識結果合成データに含まれる前記誤認識文字データに対応する前記入力データを受け付ける入力データ受付手段(入力処理S106において元画像201と入力用画像210を含む入力画面(図7)を表示しているときに、作業者端末2a、2bの入力部から入力結果211の入力を受け付ける処理を行う作業者端末2a、2bのCPU)と、
前記入力データ受付手段にて受け付けた入力データを、該入力データと対応付けて受け付けた前記認識結果合成データとともに、前記管理コンピュータに送信する入力データ送信手段(入力処理S106において入力結果211を送信する処理を行う作業者端末2a、2bのCPU)と、
して機能させるためのプログラムである、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、前記入力データ受付手段において前記入力者は、認識結果合成データが入力用データとして表示されることにより、文字認識に不備があった文字、すなわち認識された文字のうち誤認識された文字と、文字として認識されなかった領域に含まれる文字が未認識である領域と、を入力用データである認識結果合成データの中から識別できる。これにより、入力用データのうち、文字認識に不備があった文字を入力者が確実に入力できる。
【0018】
本発明の請求項4に記載のシンクライアントネットワークシステムは、請求項1〜3のいずれかに記載のシンクライアントネットワークシステムであって、
前記管理コンピュータ(データ入力サーバ1)は、
前記発注情報受付手段(発注処理S101を行うデータ入力サーバ1のCPU)にて受け付ける前記発注情報に含まれる画像データ化された前記発注データ(元画像201)の種類(テンプレート画像202(図4)を特定可能な情報(例えばファイル名))と、該種類ごとに予め定められた区画(テンプレート分割画像204)を雛型として記憶する雛型記憶手段(テンプレート画像202、テンプレート分割画像204を記憶する記憶部)を備え、
前記発注情報受付手段は、前記発注情報として前記発注データの種類を受け付け(テンプレート画像202(図4)を特定可能な情報(例えばファイル名)を管理者端末3を介して管理者から受け付け)、
前記入力用データ生成手段(目減り処理S105においてOCR可逆化分割画像207を生成する処理、入力処理S106において入力用画像210を生成する処理を行うデータ入力サーバ1のCPU)は、前記発注情報受付手段にて受け付けた前記発注情報に含まれる画像データ化された前記発注データの種類に対応付けて、前記雛型記憶手段に記憶された雛型を特定し、該特定された雛型毎に予め定められた区画に、画像データ化された前記発注データを分割した分割発注データ(元画像の分割画像205)を前記発注データとして生成する分割発注データ生成手段(分割処理S103を行うデータ入力サーバ1のCPU)を含み、
前記認識可否合成データ生成手段(目減り処理S105においてOCR可逆化分割画像207を生成する処理を行うデータ入力サーバ1のCPU)は、前記分割発注データ生成手段にて生成された前記分割発注データに含まれる文字を光学的に認識して、前記認識可否合成データ(OCR可逆化分割画像207)を生成し、
前記認識可否合成データ送信手段(目減り処理S105においてOCR可逆化分割画像207を送信する処理を行うデータ入力サーバ1のCPU)は、前記分割発注データ毎に、前記認識可否合成データを前記シンクライアントに送信し、
前記誤認識文字データ受信手段(目減り処理S105において目減り結果209を受信する処理を行うデータ入力サーバ1のCPU)は、前記分割発注データ毎に、前記誤認識文字データを前記シンクライアントから受信し、
前記認識結果合成データ生成手段(入力処理S106において入力用画像210を生成する処理を行うデータ入力サーバ1のCPU)は、前記分割発注データ毎に、前記認識結果合成データを生成する、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、前記シンクライアントには、前記発注情報の種類に応じて予め定められた区画に分割された前記認識可否合成データと、前記認識結果合成データとが送信される。そのため前記入力者は、前記誤認識文字データ受付手段や前記入力データ受付手段において、受信した個々の区画のみが表示されており、これら個々の区画のみを対象として入力を行うことができる。これにより、入力用データのうち、文字認識に不備があった文字を入力者が一層見つけやすく、確実に入力できる。また、前記入力者は、前記発注データの全体を把握することが困難となるため、前記発注データに含まれる個人情報や機密の保護に資することができる。
【0019】
本発明の請求項5に記載のシンクライアントネットワークシステムは、請求項1〜4のいずれかに記載のシンクライアントネットワークシステムであって、
前記認識結果合成データ生成手段(入力処理S106において入力用画像210を生成する処理を行うデータ入力サーバ1のCPU)は、前記発注データ(元画像201)の全領域のうち、前記認識文字データ生成手段(OCR処理S104においてOCR結果206を生成する処理を行うデータ入力サーバ1のCPU)にて前記文字として認識された領域のうち、前記誤認識文字データ受信手段(目減り処理S105において目減り結果209を受信する処理を行うデータ入力サーバ1のCPU)にて受信した誤認識文字データ(目減り結果209)に含まれる誤認識した文字に該当する領域(バツマークの領域)と、前記認識文字データ生成手段にて前記文字として認識されなかった領域のうち、前記誤認識文字データ受信手段にて受信した誤認識文字データに含まれる文字が未認識である領域(ゼットマークの領域)のみを含む、前記認識結果合成データ(入力用画像210)を前記入力用データとして生成する、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、前記入力データ受付手段において前記入力者は、文字認識に不備があった文字のみ、すなわち文字として認識された領域においては誤認識された文字に該当する領域のみ、また、文字として認識されなかった領域においては未認識である領域のみ、が含まれた入力用データをデータ入力の対象とすることができる。これにより、前記入力者は、入力用データのうち文字認識に不備があった文字を一層見つけやすくできるので、文字認識に不備があった文字を確実に入力できる。
【0020】
本発明の請求項6に記載のシンクライアントネットワークシステムは、請求項1〜5のいずれかに記載のシンクライアントネットワークシステムであって、
前記認識結果合成データ生成手段(入力処理S106において入力用画像210を生成する処理を行うデータ入力サーバ1のCPU)は、前記発注データ(元画像201)の全領域のうち、前記認識文字データ生成手段(OCR処理S104においてOCR結果206を生成する処理を行うデータ入力サーバ1のCPU)にて文字として認識された領域(二重丸マークの領域)と、文字として認識されなかった領域(はてなマークの領域)と、前記誤認識文字データ受信手段(目減り処理S105において目減り結果209を受信する処理を行うデータ入力サーバ1のCPU)にて受信した誤認識文字データ(目減り結果209)に含まれる、前記文字として認識された領域のうち誤認識した文字に該当する領域(バツマークの領域)と、前記文字として認識されなかった領域のうち未認識である文字に該当する領域(ゼットマークの領域)とに対して互いに異なる色(たとえば、緑と黄)を付与することで、前記認識結果合成データ(入力用画像210)を前記入力用データとして生成する、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、前記入力データ受付手段において前記入力者は、文字認識に不備があった文字を、入力用データの中から色により容易に識別できる。これにより、前記入力者は、入力用データのうち文字認識に不備があった文字を一層見つけやすくできるので、文字認識に不備があった文字を確実に入力できる。
【0021】
本発明の請求項7に記載のシンクライアントネットワークシステムは、請求項1〜6のいずれかに記載のシンクライアントネットワークシステムであって、
前記認識可否合成データ生成手段(目減り処理S105においてOCR可逆化分割画像207を生成する処理を行うデータ入力サーバ1のCPU)は、前記発注データ(元画像201)の全領域のうち、前記認識文字データ生成手段(OCR処理S104においてOCR結果206を生成する処理を行うデータ入力サーバ1のCPU)にて文字として認識された領域(二重丸マークの領域)と、文字として認識されなかった領域(はてなマークの領域)とに対して互いに異なる色(たとえば、黒と青)を付与することで、前記認識可否合成データ(OCR可逆化分割画像207)として生成する、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、前記誤認識文字データ受付手段において前記入力者は、前記認識可否合成データ中の個々の領域においてはそれぞれ1種類の文字認識の不備、すなわち、文字として認識されなかった領域においては未認識の文字、また、文字として認識された領域においては誤認識された文字、をそれぞれ見分ければ良いが、それぞれの領域には異なる色が付与されており、どの領域に対して作業しているのか、どの不備を見分けようとしているのか、という点において、前記入力者が間違いづらくなっている。これにより、前記認識可否合成データのうち、文字認識に不備があった文字を入力者が見分けやすく、さらには指示しやすくできるので、最終的なデータ入力にかかるコストを低減できる。
【0022】
本発明の請求項7に記載のシンクライアントネットワークシステムは、請求項1〜6のいずれかに記載のシンクライアントネットワークシステムであって、
前記認識可否合成データ生成手段(目減り処理S105においてOCR可逆化分割画像207を生成する処理を行うデータ入力サーバ1のCPU)は、前記認識文字データ生成手段(OCR処理S104においてOCR結果206を生成する処理を行うデータ入力サーバ1のCPU)にて文字として認識された領域(二重丸マークの領域)においては、前記入力者(作業者)が、(活字体フォントデータの埋め込みにより)該文字をかたどる部分のみを識別可能にした前記認識可否合成データを生成する、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、前記誤認識文字データ受付手段において前記入力者は、認識可否合成データに含まれる認識された文字のうち、誤認識された文字をその文字の形により容易に識別できる。これにより、前記認識可否合成データのうち、文字認識に不備があった文字を入力者が見分けやすく、さらには指示しやすくできるので、最終的なデータ入力にかかるコストを低減できる。
【0023】
本発明の請求項8に記載のシンクライアントネットワークシステムは、請求項1〜7のいずれかに記載のシンクライアントネットワークシステムであって、
前記シンクライアント(作業者端末2a、2b)は、
前記入力者から3種類の異なる指示入力(エンターキー、エックスキー、リターンキー)が可能な指示入力手段(キーボードを含む入力部)を備え、
前記データ入力プログラムの前記誤認識文字データ受付手段(目減り処理S105において目減り結果209を受け付ける処理を行う作業者端末2a、2bのCPU)は、前記認識可否合成データ(OCR可逆化分割画像207)に含まれる、文字として認識された領域(二重丸マークの領域)においては、前記指示入力手段により、文字として認識した個々の領域に対応付けて、1文字が認識できている旨を示す1の指示(エンターキー)か、1文字が認識できていない旨を示す2の指示(二重丸マークの文字に対するエックスキー)のいずれかを受け付け、また、前記認識可否合成データに含まれる文字として認識されなかった領域(はてなマークの領域)においては、1文字が認識できていない旨を示す2の指示(はてなマークの領域におけるエックスキー)を認識できていない文字の数だけ受け付け、次に、該領域の指示入力が終了した旨を示す3の指示(リターンキー)を受け付けることで、前記認識可否合成データに含まれる文字として認識された領域における誤認識された文字の領域と、前記文字として認識されなかった領域における未認識とされた文字の領域の数とを特定する、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、前記誤認識文字データ受付手段において前記入力者は、文字として認識された領域においては誤認識された文字とその領域を、また、文字として認識されなかった領域においては未認識の文字の数を、それぞれ前記指示入力手段より指示入力を行うのみで容易に指示できる。これにより、最終的なデータ入力にかかるコストを低減できる。
【0024】
本発明の請求項9に記載のシンクライアントネットワークシステムは、請求項1〜8のいずれかに記載のシンクライアントネットワークシステムであって、
前記管理コンピュータ(データ入力サーバ1)は、前記認識可否合成データ送信手段(目減り処理S105においてOCR可逆化分割画像207を送信する処理を行うデータ入力サーバ1のCPU)にて前記認識可否合成データを送信した前記シンクライアント(作業者端末2a、2b)とは異なる前記シンクライアントに認識結果合成データ(入力用画像210)を送信する、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、前記誤認識文字データ受付手段を担当する前記入力者は、誤認識された文字と未認識である文字に該当する領域を指示し、前記入力データ受付手段を担当する前記入力者は、誤認識された文字と未認識である領域に該当する文字を入力する、という分業制を敷くことができる。これにより、個々の前記入力者は、内容の異なる作業を行うことがなくなって各々の作業においてミスをしづらくなることにより、最終的なデータ入力にかかるコストを低減できる。

【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例】
【0026】
本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、まず図1は、本発明の実施例におけるシンクライアントネットワークシステムの全体像を示すシステム図である。
【0027】
本実施例のシンクライアントネットワークシステムは、本発明の管理コンピュータとなるデータ入力サーバ1と、データ入力サーバ1とインターネット5を介して接続された、本発明のシンクライアントとなる作業者端末2a、2bと、本発明のシンクライアントではないクライアントコンピュータとなる管理者端末3と、管理者端末3に接続されたスキャナ4から主に構成されている。
【0028】
まず、シンクライアントネットワークシステムの概要と、シンクライアントネットワークシステムの利用者について説明していく。
【0029】
このシンクライアントネットワークシステムが提供するデータ入力サービスは、管理者が発注者からデータ入力の依頼(発注)を受けて、作業者が発注内容に基づいて文字データを入力し、管理者が文字データを発注者に納品する、というものである。
【0030】
また、シンクライアントネットワークシステムは、企業がデータ入力サービスを他社に有料で提供するために運営しても良いし、企業が自社内のデータ入力を処理するために運営しても良い。つまり、シンクライアントネットワークシステムの運営組織は、企業または企業内のデータ入力部門となる。
【0031】
データ入力サーバ1の利用者は、本発明における発注者と、本発明における入力者となる作業者と、本発明における入力者ではない管理者と、の3種類となる。管理者は、図1に示す管理者端末3とスキャナ4を利用し、作業者は、図1に示す作業者端末2a、2bを利用する。
【0032】
本実施例の発注者は、データ入力の対象となる画像データ化された発注データ(例えば、図2)を自らデータ入力サーバ1に登録することで運営組織に発注する。または、発注者は、発注データを運営組織の管理者に登録させることでデータ入力を発注する。発注データを運営組織の管理者に登録させる場合には、発注者は、いまだ画像データ化されていない状態(例えば、紙の帳票)で発注を行い、運営組織の管理者は、発注された紙媒体をスキャナ4を用いて光学的に読み取って画像データ化を行って、発注データをデータ入力サーバ1に登録する。
【0033】
本実施例の作業者は、データ入力サーバ1に登録されている発注データ内に画像として出力されている文字を目で見て、これら文字に該当する文字データを、作業者端末2a、2bの入力部(キーボード、マウスなど)から入力(打鍵)する後述する入力処理を行う。この入力処理において、作業者は入力にかかる打鍵数に応じて収入を得る、言い換えると、データ入力には作業者の打鍵数に応じたコストがかかる。
【0034】
また、作業者のデータ入力にはミスが避けられず、作業者による入力後のチェック(ベリファイ作業を呼ばれる)は欠かせない。このベリファイ作業には、チェック対象の文字数に応じたコストがかかるが、チェック作業は打鍵をともなう作業である。ベリファイ作業を行う作業者と、ベリファイ作業の対象となるデータを入力した作業者は、先入観にとらわれず冷静にチェックできるという観点から、異なることが好ましい。
【0035】
また、データ入力にかかる作業者の打鍵数に応じたコストを低減させるための後述する目減り処理も行うが、こちらも打鍵をともなう作業である。目減り作業を行う作業者と、目減り作業の後に対象となるデータを入力する作業者は、先入観にとらわれず冷静に入力できるという観点から、異なることが好ましい。
【0036】
すなわち、データ入力にかかる総合的なコストは、作業者の打鍵数に応じたものであり、作業者の打鍵数を低減させることでコストを低減することができる。
【0037】
本実施例の管理者は、管理者端末3を用いてデータ入力サーバ1にアクセスすることで、発注の受け付けから文字データの納品までのデータ入力の全工程を管理する。
【0038】
次に、シンクライアントネットワークシステムを構成するデータ入力サーバ1、作業者端末2a、2b、管理者端末3について説明していく。
【0039】
データ入力サーバ1は、各種データを記憶する記憶部、インターネット5を介して各種データの送受信を行うための通信部、各種処理プログラムを実行するためのCPU(Central Processing Unit)、各種処理プログラムの実行に必要なデータを一時的に記憶しておく読み書き可能な揮発性メモリであるRAM(Random Access Memory)、各種処理プログラムの実行に必要なデータを記憶しておく不揮発性メモリであるROM(Read Only Memory)を備えた通常のサーバコンピュータである。
【0040】
データ入力サーバ1の記憶部には、図1に示すように、各種画像データと、各種台帳データと、各種業務支援プログラムと、が記憶されている。
【0041】
各種画像データは、データ入力の対象となる帳票等の書式のみを画像データ化したテンプレート画像202(図4)と、このテンプレート画像を記載領域ごと、例えば、住所などの帳票内の記載項目ごとに分割したテンプレート分割画像(図5(a))と、データ入力の対象となる画像データ化された発注データである元画像201(図2)と、テンプレート画像及びテンプレート分割画像を参照して元画像を記載領域ごとに分割した元画像の分割画像205(図5(b))と、画像データに画像として出力されている文字を光学的に認識して文字データを出力するOCR(光学的な文字認識、Optical Character Recognition)の出力結果を元画像に合成したOCR可逆化画像と、OCRの出力結果を元画像の分割画像に合成したOCR可逆化分割画像(図5(c))と、からなる。
【0042】
各種台帳データは、発注者の氏名や住所などを記憶させるための注文先管理台帳データと、前述の各種画像データの作成者やファイル名などを記憶させるための受注データ管理台帳と、作業者の氏名や住所などを記憶させるためのデータ入力者管理台帳と、受発注にかかる入出金記録を記憶させるための入出金管理台帳と、作業者の作業内容や作業日時を記憶させるためのデータ入力作業者作業管理台帳と、からなる。
【0043】
また、データ入力者管理台帳には、このデータ入力サーバ1へのアクセスを許諾するシンクライアントを特定可能な情報と、このシンクライアントを利用する作業者を認証するための認証情報も記憶されている。具体的には、シンクライアントである作業者端末2a、2bに装着されているネットワーク接続機器を固有に識別可能なMAC(Media Access Contorl)アドレスと、認証用のIDとパスワードと、が記憶されている。これらは、データ入力サーバ1の運営企業と予め契約を結んだ作業者に関する情報である。
【0044】
このように作業者は、複数のデータ入力サーバ1の運営企業と契約を結び、複数のデータ入力サーバ1にシンクライアントを特定可能な情報と、認証情報とが登録されることで、複数のデータ入力サーバ1にアクセスできるようになり、複数のデータ入力サーバ1の運営企業からデータ入力の仕事を請け負って遂行することができる。
【0045】
業務支援プログラムは、各種処理を行うためのプログラムである。各種処理は、管理者端末3から発注者の氏名や住所などを受け付けて注文先管理台帳データに登録したり、発注データを受け付けて受注データ管理台帳に登録する受注処理、発注処理と、画像データに対するOCR処理と、テンプレート画像及びテンプレート分割画像を参照して元画像を記載領域ごとに分割した元画像の分割画像を生成する分割処理と、OCR可逆化分割画像を送信した作業者端末2a、2bから作業者が入力したOCRの結果に含まれる認識の誤りに関するデータを受信する目減り処理と、OCRによる認識が誤っており人手による入力が必要な部分のみを送信した作業者端末2a、2bから作業者が入力した文字データを受信する入力処理と、作業者が入力した文字データを送信した作業者端末2a、2bから作業者が入力した(望ましくは別の)作業者の入力の誤りに関するデータを受信するベリファイ処理と、OCR処理により認識した文字データと作業者が入力した文字データからなる納品用データを管理者端末3から受け付けて発注が完了した旨を記憶する最終チェック処理と、からなる。
【0046】
特に、目減り処理、入力処理、ベリファイ処理、のための業務支援プログラムは、作業者端末2a、2bに送信可能で、作業者端末2a、2bにおいて実行可能で、さらに、目減り処理、入力処理、ベリファイ処理を作業者に遂行させるためのプログラムを含んでいる。
【0047】
本発明の作業者端末2aは、記憶部、通信部、CPU、RAM、ROM、キーボードやマウスなどの入力部、ディスプレイなどの表示部を備え、予め定められたデータ入力サーバ1にアクセスして前述の目減り処理、入力処理、ベリファイ処理を実施するように作られた、データ入力専用のシンクライアント型コンピュータである。作業者が前述の目減り処理、入力処理、ベリファイ処理を行うときに利用する。
【0048】
シンクライアントである作業者端末2aは、必要最低限なプログラムを記憶している。具体的には、データ入力サーバ1にアクセスするためのプログラムと、データ入力サーバ1から各種プログラムを受信して実行するためのプログラムである。すなわち、作業者端末2aは、データ入力サーバ1からプログラムを受信して実行しながら、作業者にデータ入力を行わせるシンクライアントである。
【0049】
特に、データ入力サーバ1にアクセスするためのプログラムにおいては、作業者端末2aに装着されているネットワーク接続機器を固有に識別可能なMAC(Media Access Contorl)アドレスと、作業者から入力される認証用のIDとパスワードとを含むプログラム送信要求を送信するようになっている。データ入力サーバ1では、これらMAC(Media Access Contorl)アドレスと、認証用のIDとパスワードとが、前述したデータ入力サーバ1のデータ入力者管理台帳に記憶されていることを条件にアクセスが許諾されるようになっている。尚、IDとパスワードは最初の1回以降送らなくても良い。
【0050】
また、シンクライアントである作業者端末2aは、不揮発性の記憶装置であるハードディスクや、書き込み可能な外部記憶装置や、記録媒体に書き込み可能な書き込み装置を備えていない。このため、作業者が前述の目減り処理、入力処理、ベリファイ処理を行っているときにデータ入力サーバ1との間で送受信したデータや、作業者が入力したデータは、作業者端末2aの電源をオフにしたときに消えてしまうこととなり、これらデータを流出させることがない。
【0051】
本発明の作業者端末2bは、記憶部、通信部、CPU、RAM、ROM、入力部、表示部、USB(Universal Serial Bus)メモリなどの外付け記憶装置6を接続可能なインタフェースを備えた通常のコンピュータである。外付け記憶装置6には、予め定められたデータ入力サーバ1にアクセスして入力処理を実施するためのプログラムが記憶されている。この外付け記憶装置6を装着して内部に記憶しているプログラムを実行している間、作業者端末2bは、作業者端末2aと同様にデータ入力専用のシンクライアント型コンピュータとなる。作業者が前述の目減り処理、入力処理、ベリファイ処理を行うときに利用する。
【0052】
外付け記憶装置6は、必要最低限なプログラムを記憶している。具体的には、作業者端末2bを起動させるためのプログラムと、データ入力サーバ1にアクセスするためのプログラムと、データ入力サーバ1から各種プログラムを受信して実行するためのプログラムである。すなわち、作業者端末2bは、外付け記憶装置6に記憶されているプログラムにより起動されて、外付け記憶装置6に記憶されているプログラムに基づいてデータ入力サーバ1からプログラムを受信して実行しながら、作業者にデータ入力を行わせるシンクライアントである。
【0053】
特に、データ入力サーバ1にアクセスするためのプログラムにおいては、作業者端末2bに装着されているネットワーク接続機器を固有に識別可能なMAC(Media Access Contorl)アドレスと、作業者から入力される認証用のIDとパスワードとを含むプログラム送信要求を送信するようになっている。データ入力サーバ1では、これらMAC(Media Access Contorl)アドレスと、認証用のIDとパスワードとが、前述したデータ入力サーバ1のデータ入力者管理台帳に記憶されていることを条件にアクセスが許諾されるようになっている。尚、IDとパスワードは最初の1回以降送らなくても良い。
【0054】
また、シンクライアントである作業者端末2bは、不揮発性の記憶装置であるハードディスクや、書き込み可能な外部記憶装置や、記録媒体に書き込み可能な書き込み装置を備えていてもよいが、外付け記憶装置6を装着して内部に記憶しているプログラムを実行している間、すなわち、作業者端末2bが、作業者端末2aと同様にデータ入力専用のシンクライアント型コンピュータとして動作している間は、これら不揮発性の記憶装置であるハードディスクや、書き込み可能な外部記憶装置や、記録媒体に書き込み可能な書き込み装置へのデータの書き込みが禁止される。このため、作業者が前述の目減り処理、入力処理、ベリファイ処理を行っているときにデータ入力サーバ1との間で送受信したデータや、作業者が入力したデータは、作業者端末2aの電源をオフにしたときに消えてしまうこととなり、これらデータを流出させることがない。
【0055】
本発明の管理者端末3は、記憶部、通信部、CPU、RAM、ROM、入力部、表示部を備えた通常のコンピュータである。管理者が各種管理作業を行うときに利用する。
【0056】
次に、本実施例のシンクライアントネットワークシステムにおけるデータ入力処理の流れを、図3に基づいて説明していく。
【0057】
データ入力処理は、図3に示すように、発注処理S101、受注処理S102、分割処理S103、OCR処理S104、目減り処理S105、入力処理S106、ベリファイ処理S107、最終チェック処理S108という8つの処理からなる。原則的には、S101〜S108の処理を順次実行することにより、発注者と管理者の間でのデータ入力の受発注や、作業者が入力した文字データの発注者への納品までを行うようになっている。
【0058】
まず、発注処理S101において、データ入力の対象となる帳票などを画像データ化していた発注者は、この画像データ(元画像201、図2)を発注データとして、データ入力サーバ1の受注データ管理台帳(図1)に登録させることでデータ入力サーバ1の運営組織に所属する管理者に対して発注を行う。一方、画像データ化していない発注者は、管理者に画像データ化させるとともに、データ入力サーバ1の受注データ管理台帳に登録させることで、運営組織に対して発注を行う。この段階では発注データ(元画像201、図2)の状態は未受注となっている。
【0059】
尚、発注処理S101においては、発注者は発注に際して、企業名、住所、担当者名、担当者への連絡先などが注文先管理台帳(図1)に登録してある必要がある。登録の時期は、発注の前でも良いし最初の発注時でも良い。
【0060】
受注データ管理台帳(図1)への登録内容としては、少なくとも画像データ化された発注データ(元画像201、図2)と注文先管理台帳(図1)の登録データとを対応付けられれば良い。例えば、注文先管理台帳(図1)における識別情報により対応付ければ良い。また、画像データ以外の発注に必要なデータも、例えば、発注者の希望料金なども発注データとして受注データ管理台帳に登録するようになっている。これら発注に必要なデータの項目は運営組織が適宜に定めれば良い。
【0061】
次に、受注処理S102において、管理者は、受注データ管理台帳(図1)に登録されている発注データのうち、状態が未受注である発注データを特定する。管理者は、発注データの画像データ(元画像201、図2)や希望料金を確認して受注可能と判断した場合に、発注データの状態を受注に更新して、この発注データの画像データ(元画像201、図2)を対象に以降の処理を行う。
【0062】
次に、分割処理S103において、管理者は、管理者端末3において、元画像201(図2)に対応するテンプレート画像202(図4)を特定する操作を行う。例えば、元画像201(図2)とテンプレート画像の一覧を表示させて、対応するテンプレート画像202(図4)の指示操作を行えば良い。
【0063】
尚、テンプレート画像202の特定は、管理者の指示操作によらず、例えば、元画像201の特徴により自動的に行っても良い。例えば、元画像201の特定の位置に特定のパターン(文字やバーコードなど)が存在することを条件に、テンプレート画像202を特定すれば良い
【0064】
そして、管理者端末3は、テンプレート画像202(図4)を特定可能な情報(例えばファイル名)をデータ入力サーバ1に送信し、データ入力サーバ1は、テンプレート画像202(図4)を特定可能な情報(例えばファイル名)に基づいて、このテンプレート画像202(図4)に対応付けられたテンプレート分割画像204(図5(a))を特定する。テンプレート分割画像204(図5(a))は、元画像201(図2)のどの場所に相当するかを特定可能な情報(例えば、元画像201(図2)の左上の端点からの縦方向の距離と、横方向の距離の組み合わせ)とともに記憶されている。
【0065】
データ入力サーバ1は、テンプレート分割画像204(図5(a))に基づいて、元画像201(図2)に記載領域を設定して(元画像の領域設定状況203(図3))、設定した記載領域を元画像の分割画像205(図5(b))として抽出する。言い換えると、元画像201(図2)を元画像の分割画像205(図5(b))に分割する。このとき、元画像の分割画像205は、元画像201に対応付けて記憶される。これにより元画像の分割画像205は元画像201と対応付けられる。
【0066】
ここでテンプレート画像202(図4)に対して、複数のテンプレート分割画像204(図5(a))が対応付けられている場合には、元画像201(図2)も複数の記載領域に分割される。
【0067】
つまり、分割処理S103により、管理者からのテンプレート画像202(図4)の指定を受け付けたデータ入力サーバ1は、テンプレート分割画像205(図5(b))を生成する。
【0068】
次に、OCR処理S104において、データ入力サーバ1は、テンプレート分割画像205(図5(b))に対してOCRを行う。OCRの結果は、文字データ206(図3)に示すように、認識できた文字と、その文字に対応する領域(例えば、画像データにおける4隅の座標)である。認識できた文字に対応する領域以外は、文字があると認識できなかった領域として扱われる。
【0069】
この認識できた文字の中には、正しく認識できた文字(認識文字)と、誤って認識された文字(誤認識文字)とが含まれうる。一方、文字があると認識できなかった領域(未認識領域)には、誤って認識されなかった文字(誤未認識文字)が含まれうる。
【0070】
例えば、図3の元画像のOCR結果206に示すように、「ゼロ」を「小文字アルファベットのオー」と認識していることから「小文字アルファベットのオー」は誤認識文字である。一方、「千代」が含まれる領域は文字があると認識できなかった領域であり、「千代」は誤未認識文字である。
【0071】
次に、目減り処理S105において、データ入力サーバ1は、元画像の分割画像205(図5(b))に、OCR結果である文字データ206(図3)、言い換えると認識文字に対応する活字体のフォントデータを、この認識文字に対応する元画像の分割画像205(図5(b))中の領域に重ね合わせることで、元画像のOCR可逆化分割画像207(図5(c))を生成する。このとき、OCR可逆化分割画像207は、元画像の分割画像205に対応付けて記憶される。これにより、OCR可逆化分割画像207は最終的に元画像201と対応付けられる。
【0072】
図5(c)に示すように、元画像のOCR可逆化分割画像207において、認識文字は活字体のフォントデータとなっているため、画像データのままである未認識領域に含まれる誤未認識文字に比べると視認しやすくなっているが、本実施例においては、さらに、認識文字である旨を示すマーク(二重丸)を併記することで、一層認識文字を視認しやすくしている。
【0073】
一方、未認識領域には、未認識領域である旨を示すマーク(はてな)を併記することで、認識できなかった箇所である旨を視認しやすくしている。
【0074】
尚、認識文字である旨を示すマーク(二重丸)と、未認識領域である旨を示すマーク(はてな)を併記することにより、認識文字と未認識領域を視認しやすくしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、認識文字と、未認識領域にそれぞれ異なる色(たとえば、黒と青)を付与する構成としても良い。
【0075】
次に、データ入力サーバ1は、元画像のOCR可逆化分割画像207(図5(c))を作業者端末2a、2bに送信する。作業者端末2a、2bでは、図6に示す目減り画面が表示される。
【0076】
目減り画面(図6)は、元画像の分割画像205(図5(b))と、元画像のOCR可逆化分割画像207(図5(c))と、作業者が入力した目減り結果と、から構成されている。
【0077】
このとき、元画像の分割画像205(図5(b))中に、入力欄が複数区画あった場合には、例えば、図6に示すように2行(2区画)あった場合には、目減り結果も2行(2か所)表示されるようになっている。
【0078】
尚、元画像の分割画像205(図5(b))に関わらず、目減り結果は1行(1区画)にまとめても良い。
【0079】
そして、元画像のOCR可逆化分割画像207(図5(c))には、現在着目している箇所を示す矢印(白抜き)が表示されている。目減り画面(図6)が表示された時点、すなわち初期状態においては、矢印(白抜き)は、一番上の一番左に位置する文字となる先頭文字を示す位置に表示されている。一方、一番上の一番左に位置するのが未認識領域の場合には、矢印(白抜き)は、その領域の中心を示す位置に表示される。
【0080】
作業者は、作業者端末2a、2bの目減り画面(図6)を見ながら、入力部(キーボード)に対して、4種類の操作のいずれかを行う。
【0081】
1種類目の操作は、認識文字が正しく認識できた旨を指示する「スペースキー」である。矢印(白抜き)が認識文字を指示しているときに、作業者が「スペースキー」を入力すると、目減り画面(図6)の元画像のOCR可逆化分割画像207(図5(c))には、矢印(白抜き)が指し示していた場所に認識文字が正しかった旨を示すマーク(レ)が表示される。また、目減り結果にも認識文字が正しかった旨を示すマーク(丸)が追加表示される。その後、矢印(白抜き)は右隣の認識文字か未認識領域のいずれかに移動する。
【0082】
一方、矢印(白抜き)が未認識領域を指し示していた場合には、一種類目の操作は、未認識領域に文字が含まれていない、すなわち正しく未認識だった旨を指示する操作となる。矢印(白抜き)が未認識領域を指示しているときに、作業者が「スペースキー」を入力すると、目減り画面(図6)の元画像のOCR可逆化分割画像207(図5(c))には、矢印(白抜き)が指し示していた場所に未認識領域が正しかった旨を示すマーク(レ)が表示される。また、目減り結果には何も追加表示されない。文字がなかったためである。その後、矢印(白抜き)は右隣の認識文字か未認識領域のいずれかに移動する。
【0083】
2種類目の操作は、認識文字が正しく認識できなかった旨を指示する「エックスキー」である。作業者が「エックスキー」を入力すると、目減り画面(図6)の元画像のOCR可逆化分割画像207(図5(c))には、矢印(白抜き)が指し示していた場所に認識文字が誤っていた旨を示すマーク(バツ)が表示される。また、目減り結果にも認識文字が誤っていた旨を示すマーク(バツ)が追加表示される。その後、矢印(白抜き)は右隣の認識文字か未認識領域のいずれかに移動する。
【0084】
3種類目の操作は、未認識領域に文字が含まれている旨、すなわち誤未認識文字が含まれている旨を指示する「エックスキー」である。作業者が「エックスキー」を入力すると、目減り画面(図6)の元画像のOCR可逆化分割画像207(図5(c))には、矢印(白抜き)が指し示していた場所に誤未認識文字が含まれている旨を示すマーク(ゼット)が表示される。また、目減り結果にも誤未認識文字が含まれている旨を示すマーク(ゼット)が追加表示される。
【0085】
尚、指示操作の対象となるキーが同じため、2種類目の操作と3種類目の操作は、操作内容としては同一である。すなわち少なくとも3種類の指示操作があれば良いようになっている。ただし、作業者端末2a、2bにおいては、そのキーが操作された状況が、「二重丸マーク」がついた文字を対象としているか、「はてなマーク」がついた領域を対象としているかを区別することにより、「エックスマーク」をつけるべき操作であるか、「ゼットマーク」をつけるべき操作であるかを判定できるようになっている。例えば、3種類目の操作を「ゼットキー」の押下とすることで、すなわち4種類の指示操作を用意することで、作業者端末2a、2bにおける判定を簡略化しても良い。
【0086】
ここで未認識領域に含まれる誤未認識文字が何文字かは不定であるため、矢印(白抜き)の移動は行われない。作業者は、未認識領域に含まれる誤未認識文字の数だけ誤未認識文字が含まれている旨を指示する「エックスキー」を押下することとなる。図6に示す例では、「レセプト整理番号」の記入欄に存在する未認識領域(「?」の領域)が2つあるが、そのうち最初の未認識領域には3つの誤未認識文字が含まれており、矢印(白抜き)がこの未認識領域を指し示しているときに、作業者は3回「エックスキー」を押下する。すると、押下した数(ここでは3)だけ、誤未認識文字が含まれている旨を示すマーク(ゼット)が未認識領域に表示される。
【0087】
未認識領域に含まれる誤未認識文字の数だけ「エックスキー」を押下した作業者は、「エックスキー」以外の操作を行うことで、矢印(白抜き)は右隣の認識文字か未認識領域のいずれかに移動させることができる。
【0088】
4種類目の操作は、目減りが終了した旨を指示する「エンターキー」である。作業者が「エンターキー」を入力すると、目減りの対象となっている区画(1行)の目減り結果が確定する。このときに、目減り結果に含まれている文字数を数えることで、目減りの対象となっている区画(1行)に含まれている文字数も確定する。
【0089】
前述したように、矢印(白抜き)が未認識領域を指し示しているときに「エンターキー」を押下した場合には、矢印(白抜き)は右隣の認識文字か未認識領域のいずれかに移動するのみである。ただし、右隣に認識文字か未認識領域のいずれもなかった場合には、目減り結果が確定する。
【0090】
尚、目減り画面(図6)の元画像のOCR可逆化分割画像207(図5(c))において、認識が正しかった旨を認識文字にマーク(レ)をつけることで、認識が誤っていた旨を認識文字にマーク(バツ)をつけることで、それぞれ示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、認識が正しかった旨を認識文字(レ)の色を変えることで、認識が誤っていた旨を認識文字(バツ)をさらに異なる色に変えることで示すようにしても良い。
【0091】
また、これらキーはどのようなキーであっても良い。例えば、ファンクションキーなどの通常のデータ入力に使わないキーを使うと、入力操作自体は慣れないものとなる一方で、入力操作自体をその操作の意味を留意しながら行うようになる。
【0092】
すべての区画(行)の目減り結果を確定した作業者は、「終了」ボタンをクリックすることで、作業者端末2a、2bに目減り結果をデータ入力サーバ1に送信させる。この目減り結果は、目減り処理の対象となったOCR可逆化分割画像207の特定情報(例えば、ファイル名)とともに送信される。
【0093】
目減り結果を受信したデータ入力サーバ1は、目減り結果を記憶するとともに、入力用画像210(図7上部)を生成する。このとき、目減り結果とともに送信されてくるOCR可逆化分割画像207の特定情報(例えば、ファイル名)に対応付けて目減り結果は記憶される。これにより、目減り結果は最終的に元画像201と対応付けられる。
【0094】
具体的には、目減り結果において、認識が誤っていた旨が特定された認識文字(バツマーク)に対応する領域と、誤未認識文字(ゼットマーク)が含まれる誤未認識領域とを、元画像の分割画像205(図5(b))から抽出することで、入力用画像210(図7上部)を生成する。
【0095】
これは、認識が誤っていた旨が特定された認識文字(バツマーク)と、誤未認識領域に含まれる誤未認識文字(ゼットマーク)のみを入力処理S106の対象とすればよいためである。
【0096】
この入力用画像210(図7上部)にあっては、入力処理S106の対象とする文字数が減少する場合が多いことから、元画像の分割画像205(図5(b))中に入力欄が複数区画あった場合にも、これら元々の区画によらず、少ない区画(本実施例では1つ)に集約させるようにしている。このようにして、1区画あたりの文字数が少ない場合にも、文字を入力する頻度に対して画面をスクロールさせる頻度が高まるのを抑えているのである。
【0097】
尚、元画像の分割画像205(図5(b))中に、入力欄が複数区画あった場合には、例えば、図5(b)に示すように2行(2区画)あった場合には、入力用画像210(図7上部)も2行(2区画)になるようにしてもよい。
【0098】
また、各々の文字が、目減り処理S105において、認識が誤っていた旨が特定された認識文字(バツマーク)か、誤未認識領域に含まれる誤未認識文字(ゼットマーク)かを特定可能なように、同様のマークを付けても良い。また、マークでなく異なる色(たとえば、緑と黄)を付けても良い。
【0099】
次に、入力処理S106において、データ入力サーバ1は、入力用画像210(図7上部)を作業者端末2aまたは2bに送信する。作業者端末2aまたは2bでは、図7に示す入力画面が表示される。
【0100】
入力画面(図7)は、入力用画像210(図7上部)と、作業者が入力した入力結果と、から構成されている。
【0101】
入力結果を受信したデータ入力サーバ1は、入力結果を記憶する。このとき、入力結果とともに送信されてくる入力用画像211の特定情報(例えば、ファイル名)により特定される入力用画像211に対応付けて入力結果は記憶される。これにより、入力結果は最終的に元画像201と対応付けられる。
【0102】
次に、ベリファイ処理S107において、データ入力サーバ1は、入力用画像210(図8上部)と入力結果を作業者端末2a、2bに送信する。作業者端末2a、2bでは、図8に示すベリファイ画面が表示される。
【0103】
ベリファイ画面(図8)は、入力用画像210(図8上部)と、作業者が入力した入力結果(図8中部)と、ベリファイ結果(図8下段)と、から構成されている。
【0104】
作業者は、作業者端末2a、2bのベリファイ画面(図8)を見ながら、入力部(キーボード)に対して、2種類の操作のいずれかを行う。
【0105】
1種類目の操作は、入力用画像210(図8上部)に対して、作業者が入力した入力結果(図8中部)が1文字分正しかった旨を指示する「スペースキー」である。作業者が「スペースキー」を入力すると、ベリファイ結果(図8下段)に1文字分が正しかった旨を示すマーク(丸)が追加表示される。
【0106】
2種類目の操作は、入力用画像210(図8上部)に対して、作業者が入力した入力結果(図8中部)が1文字分誤っていた旨を指示する「エックスキー」である。作業者が「エックスキー」を入力すると、ベリファイ結果(図8下段)に1文字分が誤っていた旨を示すマーク(バツ)が追加表示される。
【0107】
ベリファイを終了した作業者は、「終了」ボタンをクリックすることで、作業者端末2a、2bにベリファイ結果をデータ入力サーバ1に送信させる。このベリファイ結果は、ベリファイ処理の対象となった入力結果の特定情報(例えば、ファイル名)とともに送信される。
【0108】
この後、ベリファイ結果において誤っている文字があった場合には、作業者は、ベリファイ対象となったデータを入力した作業者に対して入力処理S106を指示したり、自ら入力処理S106を行ったりしても良い。また、入力処理S106を行わなくても良い。これらのいずれを選択するかは、さらには、入力処理S106の実施後さらにベリファイ処理S107を行うかは、作業者や管理者が発注者からの発注内容である期間や希望料金に応じて適宜に判断すれば良い。
【0109】
最後に、最終チェック処理S108において、管理者が、発注に対するデータ入力が完了した旨を示す操作を管理者端末3から行うと、データ入力サーバ1は、発注データの状態を終了に更新する。
【0110】
このとき、管理者は、OCR処理S104により認識した文字データと、作業者が入力した文字データと、をまとめて、所定の形式、例えば、CSV(Comma Separated Values)形式のデータを作成し、これをデータ入力サーバ1にアップロードすることで、納品用データ213としてデータ入力サーバ1に記憶させる。
【0111】
シンクライアントネットワークシステムの運営組織から発注者への納品に際しては、管理者がデータ入力サーバ1から納品用データ213を適宜取り出すようになっている。
【0112】
以上、本実施例によれば、シンクライアント(作業者端末2a、2b)を利用することで、複数の管理コンピュータ(データ入力サーバ1)に対して、入力者(作業者)がデータ入力を実施できる。
【0113】
また、本実施例によれば、通常のコンピュータ(作業者端末2b)をシンクライアントとして用いることができ、このシンクライアントを利用することで、複数の管理コンピュータ(データ入力サーバ1)に対して、入力者(作業者)がデータ入力を実施できる。
【0114】
また、本実施例によれば、入力データ受付手段(元画像201と入力用画像210を含む入力画面(図7)を表示しているときに、作業者端末2a、2bの入力部から入力結果211の入力を受け付ける処理を行う作業者端末2a、2bのCPU)において作業者は、元画像201と入力用画像210が入力用データとして表示されることにより、文字認識(OCR処理S104)に不備があった文字、すなわち認識された文字のうち誤認識された文字(目減り処理S105においてバツでマークされた文字)と、文字として認識されなかった領域に含まれる文字が未認識である領域(目減り処理S105においてゼットでマークされた領域)と、を入力用データである認識結果合成データの中から識別できる。これにより、入力用データのうち、文字認識に不備があった文字を入力者が確実に入力できる。
【0115】
また、本実施例によれば、シンクライアント(作業者端末2a、2b)には、発注情報(元画像201(図2))の種類に応じて予め定められた区画に、テンプレート分割画像204(図5(a))により分割されたOCR可逆化分割画像207と、入力用画像210とが送信されてくる。そのため入力者(作業者)は、誤認識文字データ受付手段(目減り処理S105において目減り結果209を受け付ける処理)や入力データ受付手段(入力処理S106において入力結果211を受け付ける処理)において、受信した個々の区画のみが表示されており、これら個々の区画のみを対象として入力を行うことができる。これにより、元画像201のうち、文字認識に不備があった文字を入力者が一層見つけやすく、確実に入力できる。また、入力者(作業者)は、元画像201の全体を把握することが困難となるため、元画像201に含まれる個人情報や機密の保護に資することができる。
【0116】
また、本実施例によれば、入力データ受付手段(入力処理S106において入力結果211を受け付ける処理)において入力者(作業者)は、文字認識(OCR処理S104)に不備があった文字のみ、すなわち文字として認識された領域においては誤認識された文字(目減り処理S105においてバツでマークされた文字)に該当する領域のみ、また、文字として認識されなかった領域においては未認識である領域(目減り処理S105においてゼットでマークされた領域)のみ、が含まれた入力用データ(入力用画像210(図7上部))をデータ入力の対象とすることができる。これにより、入力者は、入力用データのうち文字認識に不備があった文字を一層見つけやすくできるので、文字認識に不備があった文字を確実に入力できる。
【0117】
また、本実施例によれば、入力データ受付手段(入力処理S106において入力結果211を受け付ける処理)において入力者(作業者)は、文字認識(OCR処理S104)に不備があった文字を、入力用データ(入力用画像210(図7上部))の中から色により容易に識別できる。これにより、入力者は、入力用データのうち文字認識に不備があった文字を一層見つけやすくできるので、文字認識に不備があった文字を確実に入力できる。
【0118】
また、本実施例によれば、誤認識文字データ受付手段(目減り処理S105において目減り結果209を受け付ける処理)において入力者(作業者)は、認識可否合成データ(OCR可逆化分割画像207(図6中部))中の個々の領域においてはそれぞれ1種類の文字認識の不備、すなわち、文字として認識されなかったはてなマークの領域においては未認識の文字(ゼットでマークすべき文字)、また、文字として認識された二重丸マークの領域においては誤認識された文字(バツでマークすべき文字)、をそれぞれ見分ければ良いが、それぞれの領域には異なる色が付与されており、どの領域に対して作業しているのか、どの不備を見分けようとしているのか、という点において、入力者が間違いづらくなっている。これにより、認識可否合成データのうち、文字認識に不備があった文字を入力者が見分けやすく、さらには指示しやすくできるので、最終的なデータ入力にかかるコストを低減できる。
【0119】
また、本実施例によれば、誤認識文字データ受付手段(目減り処理S105において目減り結果209を受け付ける処理)において入力者(作業者)は、認識可否合成データ(OCR可逆化分割画像207(図6中部))に含まれる認識された文字のうち、誤認識された文字をその文字の形(活字フォントデータ)により容易に識別できる。これにより、認識可否合成データのうち、文字認識に不備があった文字を入力者が見分けやすく、さらには指示しやすくできるので、最終的なデータ入力にかかるコストを低減できる。
【0120】
また、本実施例によれば、前記誤認識文字データ受付手段(目減り処理S105において目減り結果209を受け付ける処理)において前記入力者(作業者)は、文字として認識された二重丸マークの領域においては誤認識された文字とその領域(バツマークの領域)を、また、文字として認識されなかったはてなマークの領域においては未認識の文字の数(ゼットマークの領域)を、それぞれ前記指示入力手段(エンターキー、エックスキー、リターンキー)より指示入力を行うのみで容易に指示できる。これにより、最終的なデータ入力にかかるコストを低減できる。
【0121】
また、本実施例によれば、誤認識文字データ受付手段(目減り処理S105において目減り結果209を受け付ける処理)を担当する入力者(作業者)は、誤認識された文字(バツマークの領域)と未認識である文字(ゼットマークの領域)に該当する領域を指示し、入力データ受付手段(入力処理S106において入力結果211を受け付ける処理)を担当する入力者(作業者)は、誤認識された文字と未認識である領域に該当する文字を入力する、という分業制を敷くことができる。これにより、個々の入力者は、内容の異なる作業を行うことがなくなって各々の作業においてミスをしづらくなることにより、最終的なデータ入力にかかるコストを低減できる。
【0122】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0123】
例えば、前記実施例では、図3に示すようにデータ入力処理において、S101〜S108の処理のすべてを順次実施する構成としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくともOCR処理S104と、目減り処理S105と、入力処理S106と、が実施されていれば本発明の適用対象となる。その他の処理は発注者の要望や、データ入力の対象となる画像データ化された発注データの種類に応じて適宜に組み合わせても良い。
【0124】
例えば、発注処理S101、受注処理S102は、シンクライアントネットワークシステムが運営組織自身のために運営されている場合には行わないようにしても良い。
【0125】
また、分割処理S103は、記載領域が少ない単純な帳票である場合や、テンプレート画像が予め用意されてない場合には行わないようにしても良い。分割処理S103を行わない場合には、以降の処理において、元画像201(図2)を対象にしてOCR処理S104、目減り処理S105、入力処理S106、ベリファイ処理S107、最終チェック処理S108等を行えば良い。
【0126】
また、ベリファイ処理S107は、発注者が要望した期間や料金が十分でない場合には省略しても良いし、期間や料金が十分ある場合には複数人による処理を数回行って納品データの品質を高めようとしても良い。ベリファイ処理が複数回行われるということは、ベリファイ処理において不具合が確認されたことを条件に、入力処理S106も複数回行われる場合があることを示している。すなわちベリファイ処理が複数回行われると期間も料金も余分に消費されることとなる。
【0127】
また、前記実施例では、発注処理S101を発注データの登録と、受注処理S102を発注データに対する管理者の確認により、言い換えると主として人間による判断により受発注を行うものとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、シンクライアントネットワークシステムにおける管理者(図1)が複数いて、それぞれが異なる企業に所属している場合には、発注データに対して複数の企業が受注しようとすることになる。このような場合には、オークションにより受発注を行っても良い。その場合、発注処理S101はオークションへの出品処理、受注処理S102は管理者によるオークションへの入札処理、および、発注者によるオークションへの落札処理とみなして、これら処理に対応する機能を実装すれば良い。
【0128】
また、前記実施例では、データ入力サーバ1を1台のサーバコンピュータとして構成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、スケーラビリティ向上の観点から複数台のサーバコンピュータで構成しても良い。このような場合には、データ入力サーバ群とインターネット5の間に負荷分散用のハードウェア(いわゆるロードバランサ)を設置し、負荷分散用のハードウェアがインターネット5から送受信されてくるデータを、各データ入力サーバに対して適宜分散して配信することで、各データ入力サーバに対する負荷分散を行うようにすれば良い。
【0129】
また、前記実施例では、データ入力サーバ1を1台のサーバコンピュータとして構成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、可用性向上の観点から同じ機能をもつサーバコンピュータを複数台用意して、ハードウェアの二重化を行っても良い。このような場合には、データ入力サーバ1と同様の構成をもつデータ入力サーバ1´を用意したり、前述のように負荷分散用のハードウェアと、データ入力サーバ群を構成する場合には、これらも適宜2台ずつ用意して二重化を行えば良い。1台は通常利用する通常系のハードウェアで、もう1台は通常系に異常が出たときに代替する待機系のハードウェアとなる。この状態で、異常を検知して自動的に通常系から待機系にハードウェアを切り替える障害復旧用のハードウェアをさらに備えることにより、いっそう可用性が向上できる。
【0130】
また、前記実施例では、データ入力サーバ1を、データを管理する機能と、それ以外の機能を備えた1台のサーバコンピュータとして構成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、異なる役割を備えた複数のサーバコンピュータとして構成しても良い。例えば、データを管理する機能を備えたサーバ(いわゆるデータベースサーバ)と、それ以外の機能を備えたサーバとに分割しても良い。
【0131】
特にデータベースサーバにおいて、スケーラビリティを向上させるためには、複数のデータベースサーバが1台のデータベースであるかのように動作させるためのクラスタリング技術を適用しても良い。これはいわゆるデータベースクラスタと呼ばれる構成である。このような構成により、スケーラビリティと可用性を同時に高めることができる。
【0132】
また、複数台のサーバコンピュータをクラスタとして構成する技術があり、このような技術を導入した場合も、スケーラビリティと可用性を同時に高めることができる。たとえば、LVS(Linux Virtual Server)と呼ばれる技術がある。
【0133】
また、前記実施例では、MAC(Media Access Contorl)アドレスを用いてシンクライアントを特定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の情報を利用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】本発明の実施例におけるシンクライアントネットワークシステムの全体像を示すシステム図である。
【図2】本発明の実施例における元画像の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施例における処理の全体を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施例におけるテンプレート画像の一例を示す図である。
【図5】(a)は本発明の実施例におけるテンプレート分割画像の一例を示す図である。(b)は本発明の実施例における元画像の分割画像の一例を示す図である。(c)は本発明の実施例におけるOCR可逆化分割画像の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施例における目減り画面の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施例における入力画面の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施例におけるベリファイ画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0135】
1 データ入力サーバ
2a 専用型データ入力端末
2b 兼用型データ入力端末
3 管理者端末
4 スキャナ
5 インターネット
201 元画像
202 テンプレート画像
203 元画像の領域設定状況
204 テンプレート分割画像
205 元画像の分割画像
206 OCR結果
207 OCR可逆化分割画像
209 目減り結果
210 入力用画像
211 入力結果
212 ベリファイ結果
213 納品用データ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続されており、入力者からのデータ入力を受け付けて送信するシンクライアントと、前記ネットワーク上に設けられ、発注者からデータ入力の対象となる画像データ化された発注データを含む発注情報を受け付けて記憶し、前記発注データを含む入力用データを生成して前記シンクライアントに送信するとともに、該入力用データに応じて前記入力者が入力した入力データを該入力用データとともに受信して、該入力データと該入力用データとを対応付けて記憶する管理コンピュータと、からなるシンクライアントネットワークシステムであって、
前記管理コンピュータは、
アクセスを許諾する前記シンクライアントを特定可能な情報を記憶するためのシンクライアント記憶手段と、
前記シンクライアント記憶手段に記憶されている前記シンクライアントを特定可能な情報により特定される前記シンクライアントから、前記シンクライアントを特定可能な情報を含む、前記入力用データに応じて前記入力者が入力する前記入力データを受け付けるためのデータ入力プログラムを送信する旨のプログラム送信要求を受信したときに、該シンクライアントに前記データ入力プログラムを送信するプログラム送信手段と、
を備え、
前記シンクライアントは、
前記シンクライアントを特定可能な情報を含む、前記プログラム送信要求を前記管理コンピュータに送信するためのプログラム送信要求送信手段と、
前記管理コンピュータから前記データ入力プログラムを受信して、実行するプログラム実行手段と、
を備える
ことを特徴とするシンクライアントネットワークシステム。
【請求項2】
ネットワークに接続されており、入力者からのデータ入力を受け付けて送信するシンクライアントと、前記ネットワーク上に設けられ、発注者からデータ入力の対象となる画像データ化された発注データを含む発注情報を受け付けて記憶し、前記発注データを含む入力用データを生成して前記シンクライアントに送信するとともに、該入力用データに応じて前記入力者が入力した入力データを該入力用データとともに受信して、該入力データと該入力用データとを対応付けて記憶する管理コンピュータと、からなるシンクライアントネットワークシステムであって、
前記管理コンピュータは、
アクセスを許諾する前記シンクライアントを特定可能な情報を記憶するためのシンクライアント記憶手段と、
前記シンクライアント記憶手段に記憶されている前記シンクライアントを特定可能な情報により特定される前記シンクライアントから、前記シンクライアントを特定可能な情報を含む、前記入力用データに応じて前記入力者が入力する前記入力データを受け付けるためのデータ入力プログラムを送信する旨のプログラム送信要求を受信したときに、該シンクライアントに前記データ入力プログラムを送信するプログラム送信手段と、
を備え、
前記シンクライアントは、
通常のコンピュータを前記シンクライアントとして機能させるためのシンクライアントプログラムを記憶した記憶装置を装着可能な記憶装置装着部と、
前記記憶装置装着部に装着された前記記憶装置に記憶されている前記シンクライアントプログラムを実行するシンクライアントプログラム実行手段と、
を備え、
前記シンクライアントプログラムは、前記シンクライアントを、
前記シンクライアントを特定可能な情報を含む、前記プログラム送信要求を前記管理コンピュータに送信するためのプログラム送信要求送信手段と、
前記管理コンピュータから前記データ入力プログラムを受信して、実行するプログラム実行手段と、
して機能させるためのプログラムである、
ことを特徴とするシンクライアントネットワークシステム。
【請求項3】
前記管理コンピュータは、
前記発注者からのデータ入力の対象となる前記発注データを含む前記発注情報を受け付ける発注情報受付手段と、
前記発注情報受付手段にて受け付けた前記発注情報に含まれる前記画像データ化された発注データに含まれる文字を光学的に認識して、認識された文字と該文字に該当する領域とを特定可能な認識文字データを出力する認識文字データ生成手段と、
前記発注データの全領域のうち、前記認識文字データ生成手段にて文字として認識された領域と、文字として認識されなかった領域とを、前記入力者が識別可能な認識可否合成データを生成する認識可否合成データ生成手段と、
前記認識可否合成データ生成手段にて生成した認識可否合成データと、認識の対象となった前記画像データ化された発注データとを、前記シンクライアントに送信する認識可否合成データ送信手段と、
前記認識可否合成データ送信手段にて前記認識可否合成データを送信した前記シンクライアントが前記入力者から受け付けた、前記文字として認識された領域のうち誤認識した文字に該当する領域と、前記文字として認識されなかった領域のうち文字が未認識である領域とを特定可能な誤認識文字データを、前記シンクライアントから受信する誤認識文字データ受信手段と、
前記発注データの全領域のうち、前記認識文字データ生成手段にて前記文字として認識された領域と、前記文字として認識されなかった領域と、前記文字として認識された領域のうち、前記誤認識文字データ受信手段にて受信した誤認識データに含まれる誤認識した文字に該当する領域と、前記認識文字データ生成手段にて前記文字として認識されなかった領域のうち、前記誤認識文字データ受信手段にて受信した誤認識文字データに含まれる文字が未認識である領域と、前記入力者が識別可能な認識結果合成データを前記入力用データとして生成する認識結果合成データ生成手段と、
前記認識結果合成データ生成手段にて生成した認識結果合成データと、前記画像データ化された発注データとを、前記シンクライアントに送信する認識結果合成データ送信手段と、
前記認識結果合成データ送信手段にて前記認識結果合成データを送信した前記シンクライアントが前記入力者から受け付けた、前記認識結果合成データに含まれる前記誤認識文字データに対応する前記入力データを、前記シンクライアントから受信する入力データ受信手段と、
を備え、
前記データ入力プログラムは、前記シンクライアントを、
前記管理コンピュータの前記認識文字データ送信手段から送信されてくる前記認識可否合成データと、該認識可否合成データとともに送信されてくる前記画像データ化された発注データとを受信する認識可否合成データ受信手段と、
前記認識可否合成データ受信手段にて受信した前記認識可否合成データと、前記画像データ化された発注データとを表示する認識可否合成データ表示手段と、
前記入力者から、前記認識可否合成データに含まれる前記文字として認識された領域のうち誤認識した文字の領域の指定と、前記認識可否合成データに含まれる前記文字として認識されなかった領域のうち文字が未認識である領域の指定と、を受け付けて、前記誤認識された文字と該文字に該当する領域と、前記未認識である領域と、を特定可能な誤認識文字データを、前記認識可否合成データ表示手段に表示している前記発注データに対応付けて受け付ける誤認識文字データ受付手段と、
前記誤認識文字データ受付手段にて受け付けた誤認識文字データを、該誤認識文字データと対応付けて受け付けた前記認識可否合成データとともに、前記管理コンピュータに送信する誤認識文字データ送信手段と、
前記管理コンピュータの前記認識結果合成データ送信手段から送信されてくる前記認識結果合成データと、該認識結果合成データとともに送信されてくる前記画像データ化された発注データとを受信する認識結果合成データ受信手段と、
前記認識結果合成データ受信手段にて受信した前記認識結果合成データと、前記画像データ化された発注データとを表示する認識結果合成データ表示手段と、
前記入力者から、前記認識結果合成データ表示手段にて表示している前記認識結果合成データに含まれる前記誤認識文字データに対応する前記入力データを受け付ける入力データ受付手段と、
前記入力データ受付手段にて受け付けた入力データを、該入力データと対応付けて受け付けた前記認識結果合成データとともに、前記管理コンピュータに送信する入力データ送信手段と、
して機能させるためのプログラムである、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のシンクライアントネットワークシステム。
【請求項4】
前記管理コンピュータは、
前記発注情報受付手段にて受け付ける前記発注情報に含まれる画像データ化された前記発注データの種類と、該種類ごとに予め定められた区画を雛型として記憶する雛型記憶手段と、
前記発注データの種類を特定する種類特定手段と、
前記発注情報受付手段にて受け付けた前記発注情報に含まれる画像データ化された前記発注データの種類に対応付けて、前記雛型記憶手段に記憶された雛型を特定し、該特定された雛型毎に予め定められた区画に、画像データ化された前記発注データを分割した分割発注データを前記発注データとして生成する分割発注データ生成手段と、
備え、
前記認識可否合成データ生成手段は、前記分割発注データ生成手段にて生成された前記分割発注データに含まれる文字を光学的に認識して、前記認識可否合成データを生成し、
前記認識可否合成データ送信手段は、前記分割発注データ毎に、前記認識可否合成データを前記シンクライアントに送信し、
前記誤認識文字データ受信手段は、前記分割発注データ毎に、前記誤認識文字データを前記シンクライアントから受信し、
前記認識結果合成データ生成手段は、前記分割発注データ毎に、前記認識結果合成データを生成する、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシンクライアントネットワークシステム。
【請求項5】
前記認識結果合成データ生成手段は、前記発注データの全領域のうち、前記認識文字データ生成手段にて前記文字として認識された領域のうち、前記誤認識文字データ受信手段にて受信した誤認識文字データに含まれる誤認識した文字に該当する領域と、前記認識文字データ生成手段にて前記文字として認識されなかった領域のうち、前記誤認識文字データ受信手段にて受信した誤認識文字データに含まれる文字が未認識である領域のみを含む、前記認識結果合成データを生成する、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のシンクライアントネットワークシステム。
【請求項6】
前記認識結果合成データ生成手段は、前記発注データの全領域のうち、前記認識文字データ生成手段にて文字として認識された領域と、文字として認識されなかった領域と、前記誤認識文字データ受信手段にて受信した誤認識文字データに含まれる、前記文字として認識された領域のうち誤認識した文字に該当する領域と、前記文字として認識されなかった領域のうち未認識である文字に該当する領域とに対して互いに異なる色を付与することで、前記認識結果合成データを生成する、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のシンクライアントネットワークシステム。
【請求項7】
前記認識可否合成データ生成手段は、前記発注データの全領域のうち、前記認識文字データ生成手段にて文字として認識された領域と、文字として認識されなかった領域とに対して互いに異なる色を付与することで、前記認識可否合成データとして生成する、
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のシンクライアントネットワークシステム。
【請求項8】
前記認識可否合成データ生成手段は、前記認識文字データ生成手段にて文字として認識された領域においては、前記入力者が、該文字をかたどる部分のみを識別可能にした前記認識可否合成データを生成する、
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のシンクライアントネットワークシステム。
【請求項9】
前記シンクライアントは、
前記入力者から3種類の異なる指示入力が可能な指示入力手段を備え、
前記データ入力プログラムの前記誤認識文字データ受付手段は、前記認識可否合成データに含まれる、文字として認識された領域においては、前記指示入力手段により、文字として認識した個々の領域に対応付けて、1文字が認識できている旨を示す1の指示か、1文字が認識できていない旨を示す2の指示のいずれかを受け付け、また、前記認識可否合成データに含まれる文字として認識されなかった領域においては、1文字が認識できていない旨を示す2の指示を認識できていない文字の数だけ受け付け、次に、該領域の指示入力が終了した旨を示す3の指示を受け付けることで、前記認識可否合成データに含まれる文字として認識された領域における誤認識された文字の領域と、前記文字として認識されなかった領域における未認識とされた文字の領域の数とを特定する、
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のシンクライアントネットワークシステム。
【請求項10】
前記管理コンピュータは、前記認識可否合成データ送信手段にて前記認識可否合成データを送信した前記シンクライアントとは異なる前記シンクライアントに認識結果合成データを送信する、
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のシンクライアントネットワークシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−251914(P2009−251914A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−98742(P2008−98742)
【出願日】平成20年4月4日(2008.4.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
【出願人】(506083833)
【Fターム(参考)】