説明

シングル・ボード・コンピュータとともに用いるウェッジ・ロックおよびコンピュータ・システムの組立方法

【課題】シングル・ボード・コンピュータの伝導冷却を促進するウェッジ・ロックを提供する。
【解決手段】シングル・ボード・コンピュータとともに用いるためのウェッジ・ロックであって、第1の方向に動くように構成された第1の部分と、第1の部分の動きに応じて複数の方向に動き、シングル・ボード・コンピュータを動作環境内で固定することを容易にし、シングル・ボード・コンピュータの伝導冷却を促進するように構成された第2の部分と、を備えるウェッジ・ロック。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で説明する実施形態は一般的に、シングル・ボード・コンピュータに関し、より詳細には、シングル・ボード・コンピュータを動作環境内で固定することおよびシングル・ボード・コンピュータの伝導冷却の増強を得ることに関する。
【背景技術】
【0002】
電気アセンブリ(たとえばコンピュータ)に発熱部品(たとえばプロセッサ、集積回路、トランジスタ、および他の電子部品)がより高密度に実装されるにつれて、構成部品の過熱が生じる可能性が高くなる。このように過熱が生じる可能性が高くなることは、このようなアセンブリの寿命が短くなる一因となり、ならびに/または信頼性、可能な最大動作温度、および/もしくはこのようなアセンブリのサイズの制限要因となる。
【0003】
ラック・マウント方式の回路基板(たとえば既知の電気アセンブリにおいて用いられる場合があるもの)は一般的に、伝導冷却回路基板または対流冷却回路基板として分類される場合がある。少なくとも一部の既知の伝導冷却回路基板は、冷却板として、回路基板の一方の面に配置され、回路基板上に取り付けられた(たとえばハンダ付けされた)構成部品に接触している冷却板を備えている。熱管理層が回路基板の縁部において延びていて、ヒート・シンクと接触するように配置された伝導表面を与えている。より具体的には、熱管理層は、構成部品から発生する熱のヒート・シンクへの熱伝導を促進する冷却板の一部である。
【0004】
多くの回路基板は、高応力環境(たとえば高衝撃、振動、および/または熱を伴う環境)で用いられる。また、多くのこのような回路基板はやはり、高い可用性および信頼性が求められている。少なくとも一部の既知の対流冷却回路基板では、送風機または同様の要素を用いて回路基板上に冷却用空気を吹き付けて熱を取り除いている。しかし、これらの送風機は、衝撃および/もしくは振動によって揺らされる可能性があるか、または他の電気部品と同様に過熱する場合がある。加えて、送風機はホコリおよびゴミを集める可能性があり、空気出力が減ることになる。少なくとも一部の既知の伝導冷却回路基板では、ウェッジ・ロックを用いて、回路基板を動作環境内で固定し、回路基板から外へ熱を伝えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4,994,937号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、少なくとも一部の既知のウェッジ・ロックは、熱管理層および/または動作環境の熱基準面との接触面積が小さいため、狭い熱経路内に熱が集中して熱抵抗が増加し、その結果、このようなウェッジ・ロックでは、回路基板から外へ熱を伝える上でそれほど効率的ではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様においては、シングル・ボード・コンピュータとともに用いるためのウェッジ・ロックが、第1の方向に動くように構成された第1の部分と、第1の部分の動きに応じて複数の方向に動き、シングル・ボード・コンピュータを動作環境内で固定することを容易にし、シングル・ボード・コンピュータの伝導冷却を促進するように構成された第2の部分と、を備えている。
【0008】
別の態様においては、シングル・ボード・コンピュータが、プリント回路基板(PCB)と、PCBに対して位置決めされた冷却板と、シングル・ボード・コンピュータを動作環境内で固定するように構成されたウェッジ・ロックと、を備えている。ウェッジ・ロックは、第1の方向に動くように構成された第1の部分と、第1の部分の動きに応じて複数の方向に動き、シングル・ボード・コンピュータの伝導冷却を促進するように構成された第2の部分と、を備えている。
【0009】
別の態様においては、シングル・ボード・コンピュータを備えるコンピュータ・システムであって、シングル・ボード・コンピュータは、第1の部分と第2の部分とを有するウェッジ・ロックを備えるコンピュータ・システムを組み立てるための方法が提供される。本方法は、シングル・ボード・コンピュータをコンピュータ・システムの熱基準面に対して位置決めすることと、シングル・ボード・コンピュータをコンピュータ・システム内で固定してシングル・ボード・コンピュータの伝導冷却を促進するために、ウェッジ・ロックの第1の部分を第1の方向において調整して、ウェッジ・ロックの第2の部分に、第2の部分を複数の方向に動かす力を与えることと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】伝導冷却型シングル・ボード・コンピュータの典型的な動作環境の部分平面図である。
【図2】図1に示す動作環境とともに用いても良い典型的なシングル・ボード・コンピュータの斜視図である。
【図3】図2に示すシングル・ボード・コンピュータの概略斜視図およびシングル・ボード・コンピュータとともに用いても良い典型的なウェッジ・ロックの部分分解図である。
【図4】図3に示すウェッジ・ロックが第1の位置にあるときの図2に示すシングル・ボード・コンピュータの概略斜視図である。
【図5】図3に示すウェッジ・ロックが第1の位置にあるときの図2に示すシングル・ボード・コンピュータの第2の側面の概略側面図である。
【図6】図3に示すウェッジ・ロックが第2の位置にあるときの図2に示すシングル・ボード・コンピュータの概略斜視図である。
【図7】図3に示すウェッジ・ロックが第2の位置にあるときの図2に示すシングル・ボード・コンピュータの第2の側面の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書では、電子装置(たとえばシングル・ボード・コンピュータ)に対する伝導冷却を得る際に用いる装置の典型的な実施形態について説明する。本明細書で説明する実施形態によって、電子装置から外へ熱が伝達するときに通る1または複数の熱経路の面積を最適化することが、電子装置から外への伝導性熱伝達をもたらして電子装置を動作環境内で固定するウェッジ・ロックとカード・ガイドとの間の直接接触の表面積を増加させることによって、容易になる。また直接接触の表面積を増やすことによって、電子装置から外への熱伝達を最適化することが、電子装置およびカード・ガイドの冷却コンポーネントの熱抵抗を小さくすることによって容易になる。
【0012】
本明細書で用いる場合、用語「熱」は任意の好適な熱関連の測定値を指す場合がある。たとえば、「熱」を、エネルギー量として、たとえばジュールで測定しても良い。あるいは、「熱」は、一方の面から別の面に単位時間内に伝達される熱量(すなわち、熱流束)として測定しても良く、またたとえばワットで表現しても良い。前述の例は単に典型であり、したがって、用語「熱」の定義および/または意味を限定することは決して意図されていない。
【0013】
図1は、伝導冷却型シングル・ボード・コンピュータ(図示せず)の典型的な動作環境100の部分平面図である。いくつかの実施形態においては、動作環境100は、高レベルの衝撃、振動、および熱を発生させる可能性のある過酷な環境(たとえば軍隊、アビオニクス、および/またはレール環境)に適している。動作環境100は、複数のスロット102を備えている。それぞれのサイズは、対応するシングル・ボード・コンピュータを内部に受け取るように設定されている。各スロット102は、1または複数の第1のコネクタ104を備えており、それらは動作環境100のバックプレーン106に接続されている。また、各スロット102は、複数のカード・ガイド、たとえば第1のカード・ガイド108と第1のカード・ガイド108に対向する第2のカード・ガイド110とを備えている。第1および第2のカード・ガイド108および110によって、シングル・ボード・コンピュータの伝導冷却が、熱基準面およびウェッジ・ロック表面を経由して促進される。たとえば、図1に示すように、第1のカード・ガイド108は、熱経路を介して伝導冷却を促進する熱基準面112を備え、また第2のカード・ガイド110は、別の熱経路を介して伝導冷却を促進するウェッジ・ロック表面114を備えている。代替的な実施形態においては、第1のカード・ガイド108がウェッジ・ロック表面114を備え、第2のカード・ガイド110が熱基準面112を備えている。典型的な実施形態においては、シングル・ボード・コンピュータは、伝導冷却のみを介して冷却され、空気の動きを介してではない。したがって、典型的な実施形態においては、シングル・ボード・コンピュータから発生する熱はすべて、周囲または任意の他の冷却環境に、第1および第2のカード・ガイド108および110によって、熱基準面112およびウェッジ・ロック表面114を介して伝達される。しかし、代替的な実施形態には、伝導冷却以外に、シングル・ボード・コンピュータを冷却する他の方法が含まれていても良い。ウェッジ・ロック表面114によってさらに、シングル・ボード・コンピュータをスロット102内に固定することが容易になる。これについては後で詳述する。
【0014】
図2は、動作環境100(図1に示す)とともに用いても良い典型的なシングル・ボード・コンピュータ200の斜視図である。典型的な実施形態においては、コンピュータ200は、冷却板202と冷却板202内に配置されたプリント回路基板(PCB)204とを備えている。冷却板202は、第1の側面206および対向する第2の側面208を備えている。第1および第2の側面206および208はそれぞれ、コンピュータ200を動作環境100内で固定することを容易にするウェッジ・ロック(図2に示さず)を備えている。より具体的には、ウェッジ・ロックによって、コンピュータ200を指定スロット102(図1に示す)内に、第1および第2のカード・ガイド108および110(図1に示す)を用いて固定することが容易になる。また、ウェッジ・ロックによって、PCB204から発生した熱をコンピュータ200から第1および第2のカード・ガイド108および110へ伝達することが促進される。典型的な実施形態においては、冷却板202はまた、前端部210および対向する後端部212を備えている。第2のコネクタ214が、後端部212に沿って設けられており、動作環境100とコンピュータ200との間でパワーおよびデータ信号を送信する際に用いる第1のコネクタ104(図1に示す)に結合するように構成されている。
【0015】
図3は、シングル・ボード・コンピュータ200の概略斜視図およびコンピュータ200とともに用いても良い典型的なウェッジ・ロック300の部分分解図である。典型的な実施形態においては、冷却板202は、少なくとも部分的にコンピュータ200の上面216に沿って延びている。冷却板202によって、コンピュータ200の所望の動作温度を維持するためにPCB204(図2に示す)から外へ熱を伝達することが促進される。典型的な実施形態においては、冷却板202は、端部ウェッジ部分218および外縁表面220を備えている。また、熱管理層222が、少なくとも部分的にコンピュータ200の底面224に沿って延びている。より具体的には、熱管理層222は冷却板202の一部である。冷却板202は、第1および第2のカード・ガイド108および110(図1に示す)の内面(図示せず)と接触状態で配置されて、熱を、第1および第2のカード・ガイド108および110へならびに周囲または他の冷却環境内へ伝達することを促進するものである。
【0016】
典型的な実施形態においては、ウェッジ・ロック300は、第1の部分302および第2の部分304を備えている。第1の部分302は、第1の端部306および対向する第2の端部308を備えるとともに、コンピュータ200の前端部210(図2に示す)の付近に配置されている。第1の部分302は、冷却板202に移動可能に結合されているとともに、第1の方向に(たとえば第1の軸310に沿って)動くように構成されている。たとえば、1または複数の開口部(図示せず)が、第1の部分302の底面(図示せず)内に形成されており、それぞれのサイズは、対応する固定メカニズム312を内部に受け取るように設定されている。加えて、冷却板202は1または複数の開口部226を備えている。開口部226はそれぞれ、第1の部分302の対応する開口部の真下に配置され、そのサイズは、対応する固定メカニズム312をその内部に受け取って第1の部分302を冷却板202に結合することを容易にするように設定されている。また冷却板202は、ブロック部分228を備えている。ブロック部分228は、サイズが、第1の部分302の底面内に形成された開口部(図示せず)内に挿入されるように設定されている。ブロック部分228によって、第1の方向における第1の部分302の動きの量を抑えることが容易になる。第1の部分302の第1の端部306は、内部に形成された開口部314を備えている。開口部314のサイズは、ネジ316を内部に受け取るように設定されている。第1の部分302は、ネジ316を第1の軸310の周りに回転させたときに第1の部分302に誘起される力によって第1の方向に動かされる。また第1の部分302の第2の端部308は、第2の部分304をウェッジ・ロック300内に固定することを容易にするために第1のガード・ピン318を内部に受け取るサイズの開口部(図示せず)を備えている。
【0017】
典型的な実施形態においては、第2の部分304は、第1の端部320および対向する第2の端部322と、それらの間に規定されるボディ324とを備えている。第1の端部320は、少なくとも部分的に、第1の部分302の第2の端部308と接触状態で同一平面である。また、第2の端部308および第1の端部320はそれぞれ、同じ角度で形成されている。開口部326が、第1の端部320内に画定され、そのサイズは、第1のガード・ピン318を内部に受け取るように設定されている。開口部326は、第2の部分304の動きをガイドするように形作られてる。これについては後で詳述する。また第2の端部322は開口部328を備えており、そのサイズは、第2のガード・ピン330を受け取るように設定されている。また第2のガード・ピン330は、端部ウェッジ部分218内に挿入されて、第2の部分304の動きを同様にガイドするものである。第2の部分304の底面332は、少なくとも部分的に、外縁表面220と接触状態で同一平面であり、PCB204から発生した熱を第2の部分304へ伝達することを促進している。
【0018】
図4は、シングル・ボード・コンピュータ200の概略斜視図であり、図5は、コンピュータ200の第2の側面208の概略側面図である。具体的には、図4および5に例示するのは、ウェッジ・ロック300の第1または静止位置であり、ネジ316は第1の軸310の周りに回転していない。図4および5に示すように、第1の部分の第2の端部308と第2の部分の第1の端部320とは実質的に同一平面である。第2の部分の第2の端部322は、端部ウェッジ部分218に対して、それらの間に間隙が画定されるように位置決めされている。加えて、底面332および外縁表面220(両方とも図3に示す)は実質的に同一平面である。
【0019】
図6は、シングル・ボード・コンピュータ200の概略斜視図であり、図7は、コンピュータ200の第2の側面208の概略側面図である。具体的には、図6および7に例示するのは、ウェッジ・ロック300の第2またはクランプ位置であり、ネジ316は力モーメントMyによって第1の軸310の周りに回転している。第1の軸310の周りにネジ316を回転させることによって、第1の部分302が第1の方向に第1の力Fyによって動くとともに、第2の部分304上に第2の力Fzが誘起される。典型的な実施形態においては、第2の力Fzは、第1の軸310に垂直な第2の軸334に沿ったクランプ力である。たとえば、第2の力Fzは、複数の成分、たとえば第1の軸310に沿った第1の成分、第2の軸334に沿った第2の成分、および第3の軸336に沿った第3の成分を含む力ベクトルである。成分の和は、第2の力Fzの大きさおよび第2の力Fzの方向をもたらす。また、第2の力Fzによって第2の部分304は複数の方向に動く。たとえば、第1の力ベクトル成分により第1の軸310に沿った第1の方向に、第2の力ベクトル成分により第2の軸334に沿った第2の方向に、および第3の力ベクトル成分により第1の軸310と第2の軸334とに垂直な第3の軸336に沿った第3の方向に、である。
【0020】
具体的には、第1の部分302の動きによって、第2の部分304は、第1の軸310に沿った第1の方向に動く。また、第1の部分302の動きにより、第2の部分304は、第2の軸334に沿った第2の方向に動く。これは、第1の部分の第2の端部308および第2の部分の第1の端部320の対向する角形により、ならびに同様に、第2の部分の第2の端部322および端部ウェッジ部分218の対向する角形によるものである。加えて、第2の端部322は、端部ウェッジ部分218に対して、それらの間の間隙が小さくなるように動いて、いくつかの実施形態においては、第2の端部322の少なくとも一部が端部ウェッジ部分218の少なくとも一部と実質的に同一平面となるようにしている。また第2の部分304の第2の方向における動きは、底面332(図3に示す)および外縁表面220の対向する角形に起因している。さらに、第2の部分の第3の軸336に沿った第3の方向における動きは、底面332および外縁220の対向する角形に起因している。
【0021】
典型的な実施形態においては、シングル・ボード・コンピュータ200、より具体的には、ウェッジ・ロック300によって、熱をPCB204(図2に示す)から第1のカード・ガイド108(図1に示す)および第2のカード・ガイド110へと伝えるための複数の熱経路が得られる。第1の熱経路338は、冷却板202および第2の部分304を含んでいる。第2の熱経路340は、冷却板202のみを含んでいる。第2の部分304が第2のカード・ガイド110に直接接触できるようにすることによって、ウェッジ・ロック300と第2のカード・ガイド110との間の接触表面積の増大が直接得られ、PCB204から外への熱伝達を増強することが促進される。また、第2の部分のボディ324の略三角形状によって、冷却板202と熱管理層222との間の断面積の最適化(たとえば断面積の増加)が得られ、その結果、PCB204から外への熱伝達が増強される。また、これらの因子のそれぞれによって、コンピュータ200およびウェッジ・ロック300の熱抵抗が最適化(たとえば、小さく)され、これによって、PCB204から外への熱伝達がさらに増強される。
【0022】
以上、シングル・ボード・コンピュータを伝導冷却する際に用いる装置の典型的な実施形態について詳細に説明している。装置は、本明細書で説明する特定の実施形態に限定されず、むしろ、方法の動作ならびに/またはシステムおよび/もしくは装置の構成部品は、本明細書で説明する他の動作および/または構成部品から独立かつ別個に用いても良い。さらに、説明した動作および/または構成部品は、他のシステム、方法、および/または装置内で規定しても良いし、またはそれらと組み合わせて用いても良く、また本明細書で説明したシステム、方法、および記憶媒体のみと実施することに限定されない。
【0023】
特に指示がない限り、本明細書で例示および説明した本発明の実施形態における動作の実行または実施の順序は本質的ではない。すなわち、動作は、特に指示がない限り、任意の順序で実施しても良く、また本発明の実施形態には、さらなる動作または本明細書で開示したものよりも少ない動作が含まれていても良い。たとえば、特定の動作を、別の動作の前に、同時に、または後に実行または実施することは、本発明の態様の範囲内であると考えられる。
【0024】
本発明の態様またはその実施形態の要素を導入するとき、冠詞「a」「an」「the」および「前記(said)」は、要素のうちの1または複数が存在していることを意味することが意図されている。用語「備える(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」は、包含的であることが意図されており、列記された要素以外の付加的な要素が存在していても良いことを意味している。
【0025】
この書面の説明では、実施例を用いて、本発明を、ベスト・モードも含めて開示するとともに、どんな当業者も本発明を実施できるように、たとえば任意の装置またはシステムを作りおよび用いること、ならびに取り入れた任意の方法を実行することができるようにしている。本発明の特許可能な範囲は、請求項によって定められるとともに、当業者に想起される他の実施例を含んでいても良い。このような他の実施例は、請求項の文字通りの言葉使いと違わない構造要素を有する場合、または請求項の文字通りの言葉使いとの違いが非実質的である均等な構造要素を含む場合には、請求項の範囲内であることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シングル・ボード・コンピュータとともに用いるためのウェッジ・ロックであって、
第1の方向に動くように構成された第1の部分と、
前記第1の部分の動きに応じて複数の方向に動き、前記シングル・ボード・コンピュータを動作環境内で固定することを容易にし、前記シングル・ボード・コンピュータの伝導冷却を促進するように構成された第2の部分と、を備えるウェッジ・ロック。
【請求項2】
前記第1の部分は第1の端部と第2の端部とを備え、前記第1の端部は、前記第1の部分を前記第1の方向に動かすために固定メカニズムを内部に受け取るようなサイズの開口部を画定する請求項1に記載のウェッジ・ロック。
【請求項3】
前記第1の部分の動きによって前記第2の部分上に力が誘起され、前記力は、前記第2の部分を前記第1の方向に動かす第1の成分を含む請求項2に記載のウェッジ・ロック。
【請求項4】
前記第2の部分は第1の端部と第2の端部とを備え、前記第2の部分の第1の端部は、前記第1の部分の第2の端部に少なくとも部分的に接触し、前記第2の部分上に誘起された前記力はさらに、前記第2の部分を前記第1の方向に垂直な第2の方向に動かす第2の成分を含む請求項2に記載のウェッジ・ロック。
【請求項5】
前記シングル・ボード・コンピュータは、端部ウェッジ部分を備える冷却板を備え、前記力の前記第2の成分は、前記第2の部分を前記第2の方向に動かして、前記第2の部分の第2の端部が前記端部ウェッジ部分に少なくとも部分的に接触するようにし、前記第2の部分上に誘起された前記力はさらに、前記第2の部分を前記第1の方向と前記第2の方向とに垂直な第3の方向に動かす第3の成分を含む請求項4に記載のウェッジ・ロック。
【請求項6】
前記冷却板はさらに外縁表面を備え、前記第2の部分はさらに、前記外縁表面に少なくとも部分的に接触する底面を備え、前記第2の部分上に誘起された前記力の前記第3の成分は、前記外縁表面に沿って前記第2の部分を前記第3の方向に動かす請求項5に記載のウェッジ・ロック。
【請求項7】
前記第3の方向における前記第2の部分の動きによって、前記シングル・ボード・コンピュータを前記動作環境内で固定することが容易になる請求項6に記載のウェッジ・ロック。
【請求項8】
シングル・ボード・コンピュータであって、
プリント回路基板(PCB)と、
前記PCBに対して位置決めされた冷却板と、
前記シングル・ボード・コンピュータを動作環境内で固定するように構成されたウェッジ・ロックであって、
第1の方向に動くように構成された第1の部分と、
前記第1の部分の動きに応じて複数の方向に動き、前記シングル・ボード・コンピュータの伝導冷却を促進するように構成された第2の部分と、を備えるウェッジ・ロックと、を備えるシングル・ボード・コンピュータ。
【請求項9】
前記ウェッジ・ロックによって、前記PCBから発生する熱を除去することができる第1の熱経路であって前記冷却板と前記第2の部分とを含む第1の熱経路が得られる請求項8に記載のシングル・ボード・コンピュータ。
【請求項10】
前記ウェッジ・ロックによって、前記PCBから発生する熱を除去することができる第2の熱経路であって前記冷却板を含む第2の熱経路が得られる請求項9に記載のシングル・ボード・コンピュータ。
【請求項11】
前記第1の部分は、前記第1の方向に動いて前記第2の部分上に力を誘起するように構成され、前記力は、前記第2の部分を前記第1の方向に動かす第1の成分を含む請求項8に記載のシングル・ボード・コンピュータ。
【請求項12】
前記第2の部分は第1の端部と第2の端部とを備え、前記第1の端部は前記第1の部分に少なくとも部分的に接触し、前記第2の部分上に誘起された前記力はさらに、前記第2の部分を前記第1の方向に垂直な第2の方向に動かす第2の成分を含む請求項11に記載のシングル・ボード・コンピュータ。
【請求項13】
前記冷却板は端部ウェッジ部分を備え、前記力の前記第2の成分は、前記第2の部分を前記第2の方向に動かして、前記第2の部分の第2の端部が前記端部ウェッジ部分に少なくとも部分的に接触するようにし、前記第2の部分上に誘起された前記力はさらに、前記第2の部分を前記第1の方向と前記第2の方向とに垂直な第3の方向に動かす第3の成分を含む請求項12に記載のシングル・ボード・コンピュータ。
【請求項14】
前記冷却板はさらに外縁表面を備え、前記第2の部分はさらに、前記外縁表面に少なくとも部分的に接触する底面を備え、前記第2の部分上に誘起された前記力の前記第3の成分は、前記外縁表面に沿って前記第2の部分を前記第3の方向に動かす請求項13に記載のシングル・ボード・コンピュータ。
【請求項15】
前記第3の方向における前記第2の部分の動きによって、前記シングル・ボード・コンピュータを前記動作環境内で固定することが容易になる請求項14に記載のシングル・ボード・コンピュータ。
【請求項16】
シングル・ボード・コンピュータを備えるコンピュータ・システムであって、前記シングル・ボード・コンピュータは、第1の部分と第2の部分とを有するウェッジ・ロックを備えるコンピュータ・システムを組み立てる方法であって、
前記方法は、
前記シングル・ボード・コンピュータを前記コンピュータ・システムの熱基準面に対して位置決めすることと、
前記シングル・ボード・コンピュータを前記コンピュータ・システム内で固定して前記シングル・ボード・コンピュータの伝導冷却を促進するために、前記ウェッジ・ロックの前記第1の部分を第1の方向において調整して、前記ウェッジ・ロックの前記第2の部分に、前記第2の部分を複数の方向に動かす力を与えることと、を含む方法。
【請求項17】
前記第1の部分を調整することは、前記第1の方向に延びる第1の軸の周りにネジを回転させて、前記第1の部分が前記第2の部分に前記力を与えるようにすることであって、前記力は、前記第2の部分を前記第1の方向に動かす第1の成分を含む、与えるようにすること、を含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の部分を調整することは、前記第1の方向に延びる第1の軸の周りにネジを回転させて、前記第1の部分が前記第2の部分に前記力を与えるようにすることであって、前記力はさらに、前記第2の部分を前記第1の方向に垂直な第2の方向に動かす第2の成分を含む、与えるようにすること、を含む請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の部分を調整することはさらに、前記第1の軸の周りに前記ネジを回転させて、前記第1の部分が前記第2の部分に前記力を与えるようにすることであって、前記力はさらに、前記第2の部分を前記第1の方向と前記第2の方向とに垂直な第3の方向に動かす第3の成分を含む、与えるようにすること、を含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記シングル・ボード・コンピュータはさらに冷却板を備え、熱基準面に対する前記シングル・ボード・コンピュータの前記位置決めによって、前記冷却板と前記ウェッジ・ロックの前記第2の部分とを含む第1の熱経路と、前記冷却板のみを含む第2の熱経路とを得ることが容易になる請求項16に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−99817(P2012−99817A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−238094(P2011−238094)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】