説明

シートおよび粘着シート

【課題】耐熱性を有し、アウトガスの発生を抑制することができる安価なシート及び該シートを用いる粘着シートを提供する。
【解決手段】シートは、ウレタンアクリレート系オリゴマーと、分子内にチオール基を有する化合物とを含有するエネルギー線硬化型組成物を硬化してなり、前記チオール基含有化合物の含有量が、ウレタンアクリレート系オリゴマー100gに対して、2〜100mmolであり、引張弾性率が、10〜1000MPaである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートおよび該シートを用いる粘着シートに関する。
【背景技術】
【0002】
粘着シートの基材には、光重合性のウレタンアクリレート系オリゴマーを重合・硬化した樹脂フィルム等が用いられている。ウレタンアクリレート系オリゴマーは、ポリエーテル型またはポリエステル型などのポリオール化合物と、多価イソシアナート化合物などを反応させて得られることが、例えば、特許文献1(特許第3739570号)などに記載されている。また、特許文献2(特許第3177149号)には、ポリエステル型のポリオール化合物からなるウレタンアクリレート系オリゴマーとして、ポリエステルジオールから誘導される構成単位を有するウレタンアクリレート系オリゴマーが記載されている。
【0003】
しかしながら、ポリエステルジオールから誘導される構成単位を有するウレタンアクリレート系オリゴマーを得るための材料は種類が乏しく、価格も高くなる傾向にある。また、ポリエーテルジオールから誘導される構成単位を有するウレタンアクリレート系オリゴマーを硬化した樹脂フィルムを、表面保護テープやダイシングテープ、ダイボンディングテープなどの半導体加工用シートに用いた場合、加工時に高温処理を伴う場合があるため、熱分解性のアウトガスを伴って基材の重量が減少し、基材が劣化してしまい、本来の性能を失ってしまう。また、アウトガスの発生により、周辺の装置等を汚染してしまうおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3739570号公報
【特許文献2】特許第3177149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものである。すなわち、本発明は、耐熱性を有し、アウトガスの発生を抑制することができる安価なシート及び該シートを用いる粘着シートを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題の解決を目的とした本発明の要旨は以下の通りである。
(1)ウレタンアクリレート系オリゴマーと、分子内にチオール基を有する化合物とを含有するエネルギー線硬化型組成物を硬化してなり、
前記チオール基含有化合物の含有量が、ウレタンアクリレート系オリゴマー100gに対して、2〜100mmolであり、
引張弾性率が、10〜1000MPaであるシート。
【0007】
(2)前記ウレタンアクリレート系オリゴマーが、ポリエーテルジオールから誘導される構成単位を含有する(1)に記載のシート。
【0008】
(3)空気雰囲気下180℃において60分放置後の熱重量減少率が、6%以下である(1)または(2)に記載のシート。
【0009】
(4)破断伸度が、50%以上である(1)〜(3)のいずれかに記載のシート。
【0010】
(5)引張弾性率が、100〜500MPaである(1)〜(4)のいずれかに記載のシート。
【0011】
(6)マーキングフィルムとして用いる(1)〜(5)のいずれかに記載のシート。
【0012】
(7)ウインドウフィルムとして用いる(1)〜(5)のいずれかに記載のシート。
【0013】
(8)プロテクトフィルムとして用いる(1)〜(5)のいずれかに記載のシート。
【0014】
(9)上記(1)〜(5)のいずれかに記載のシートの少なくとも片面に粘着剤層を有する粘着シート。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ウレタンアクリレート系オリゴマーと、分子内にチオール基を有する化合物とを含有するエネルギー線硬化型組成物を硬化させることで、加熱を伴う半導体装置の製造工程に用いても、アウトガスの発生を抑制することができる安価なシート及び該シートを用いる粘着シートが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい態様について、その最良の形態も含めてさらに具体的に説明する。本発明に係るシートは、ウレタンアクリレート系オリゴマーと、分子内にチオール基を有する化合物(以下「チオール基含有化合物」ともいう)とを含有するエネルギー線硬化型組成物を硬化させたシートである。以下において、ウレタンアクリレート系オリゴマーと、チオール基含有化合物とについて詳述する。
【0017】
ウレタンアクリレート系オリゴマーは、(メタ)アクリロイル基を有し、ウレタン結合を有する化合物である。このようなウレタンアクリレート系オリゴマーは、例えば、ポリイソシアネート類、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートおよび必要に応じてポリオール類を反応させることにより得られる。なお、ウレタンアクリレート系オリゴマーとして、1分子中に2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有するものを用いると、シートのタックを抑制することができる。
【0018】
ポリイソシアネート類としては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネート類、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4’−ジイソシアネート、ω,ω’−ジイソシアネートジメチルシクロヘキサン等の脂環族系ジイソシアネート類、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、テトラメチレンキシリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート等の芳香族系ジイソシアネート類などが挙げられる。これらの中では、イソホロンジイソシアネートやヘキサメチレンジイソシアネートを用いることが、ウレタンアクリレート系オリゴマーの粘度を低く維持でき、取り扱い性が良好となるため好ましい。
【0019】
ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、1分子中にヒドロキシ基および(メタ)アクリロイル基を有する化合物であれば、特に限定されず、公知のものを使用することができる。具体的には、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシシクロオクチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリルアミド、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、α−ヒドロキシメチル(メタ)アクリル酸エステル等のα−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリル酸を反応させて得られる反応物などが挙げられる。
【0020】
ポリオール類としては、ヒドロキシ基を2つ以上有する化合物であれば、特に限定されず、公知のものを使用することができる。具体的には、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレングリコールまたはプロピレングリコール付加物等の公知の各種グリコール類およびトリメチロールプロパン、グリセリン等の多官能ポリオール、n−ブチルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル類、バーサティック酸ジグリシジルエステル等のモノカルボン酸グリシジルエステル類などが挙げられる。また、前述したグリコール類と多塩基酸成分を反応させて得られるポリエステルポリオール類の他、ポリエーテルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類などの高分子量ポリオール類も使用できるが、ポリエーテルポリオール類を使用することが好ましい。
【0021】
ポリエステルポリオール類の製造に用いられる多塩基酸成分としては、一般にポリエステルの多塩基酸成分として知られている各種公知のものを使用することができる。具体的には、例えば、アジピン酸、マレイン酸、コハク酸、しゅう酸、フマル酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸等の二塩基酸、芳香族多塩基酸、これらに対応する無水物やその誘導体およびダイマー酸、水添ダイマー酸などがあげられる。なお、塗膜に適度の硬度を付与するためには、芳香族多塩基酸を用いるのが好ましい。当該芳香族多塩基酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の二塩基酸や、トリメリット酸、ピロメリット酸等の多塩基酸およびこれらに対応する酸無水物やその誘導体があげられる。なお、当該エステル化反応には、必要に応じて各種公知の触媒を使用してもよい。触媒としては、例えば、ジブチルスズオキサイドやオクチル酸第一スズなどのスズ化合物やテトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネートなどのアルコキシチタンが挙げられる。触媒を使用する場合には、その使用量は特に限定されないが、10〜500ppm程度が、反応速度や反応制御の面から合理的である。当該エステル化反応の反応温度は特に限定されないが、150〜300℃が反応速度や反応制御の面から合理的である。
【0022】
ポリエーテルポリオール類としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。ポリエーテルポリオールの代表例であるポリエーテルジオールは、一般にHO-(-R-O-)n-Hで示される。ここで、Rは2価の炭化水素基、好ましくはアルキレン基であり、さらに好ましくは炭素数1〜6のアルキレン基、特に好ましくは炭素数2または3のアルキレン基である。また、炭素数1〜6のアルキレン基の中でも好ましくはエチレン、プロピレン、ブチレン、特に好ましくはエチレンまたはプロピレンである。また、nは好ましくは2〜200,さらに好ましくは10〜100である。したがって、特に好ましいポリエーテルジオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールがあげられ、さらに特に好ましいポリエーテルジオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールが挙げられる。
【0023】
ポリエーテルジオールは、多価イソシアナート化合物との反応により、エーテル結合部(-(-R-O-)n-)を誘導し、末端イソシアナートウレタンプレポリマーを生成する。このようなエーテル結合部は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン等の環状エーテルの開環反応によって誘導される構造であってもよい。このようなポリエーテルジオールを用いることで、ウレタンアクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルジオールから誘導される構成単位を含有する。
【0024】
ポリカーボネートポリオール類としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。具体的には、例えば、前述したグリコール類とアルキレンカーボネートとの反応物などが挙げられる。
【0025】
高分子量ポリオール類の分子量は、特に限定されないが、通常、500〜10000程度とすることが好ましい。
【0026】
ポリイソシアネート類およびヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートの使用量は、特に限定されないが、通常、(ポリイソシアネート類のイソシアネート基の当量)/(ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートのヒドロキシ基の当量)を0.5〜1程度とすることが好ましい。なお、ポリオール類を用いる場合には、(ポリイソシアネート類のイソシアネート基の当量)/(ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートのヒドロキシ基の当量とポリオール類のヒドロキシ基の当量の和)を0.5〜1程度とすることが好ましい。
【0027】
ポリイソシアネート類およびヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート、必要に応じてポリオール類を反応させるための条件としては、ポリイソシアネート類およびヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート、必要に応じてポリオール類を、必要に応じて溶剤、触媒の存在下、60〜100℃程度で、1〜4時間程度反応させればよい。なお、ポリイソシアネート類およびポリオール類を、イソシアネート基が残存するように、必要に応じて溶剤、触媒の存在下、60〜100℃程度で、1〜4時間程度反応させた後、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートを追加して60〜100℃程度で、1〜4時間程度反応させてもよい。
【0028】
このようにして得られたウレタンアクリレート系オリゴマーの重量平均分子量は、特に限定されないが、通常、重量平均分子量を、1000〜30000程度とすることが好ましく、2000〜10000とすることがより好ましい。重量平均分子量を1000以上とすることで、シートの破断伸度を向上させることができ、30000以下とすることで、シートのタックを抑制することができる。
【0029】
チオール基含有化合物としては、分子中に少なくとも1つのチオール基を有する化合物であれば、特に限定されず公知のものを用いることができる。具体的には、例えば、ノニルメルカプタン、1−ドデカンチオール、1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、トリアジンチオール、トリアジンジチオール、トリアジントリチオール、1,2,3−プロパントリチオール、テトラエチレングリコール−ビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグルコレート、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス[(3−メルカプトプロピオニロキシ)−エチル]−イソシアヌレート、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオンなどが挙げられる。
【0030】
チオール基含有化合物の含有量は、ウレタンアクリレート系オリゴマー100g(固形分)に対して、2mmol以上が好ましく、3〜100mmolがさらに好ましく、4〜85mmolが特に好ましい。チオール基含有化合物の含有量を2mmol以上とすることで、シートが加熱された際に発生するアウトガスを著しく抑制できるため好ましい。そのため、シートの片面に粘着剤層を有する粘着シートを、加熱を伴う半導体装置の製造工程に用いた場合、アウトガスの発生によるシートの重量の減少、シートの劣化を防ぐことができる。また、チオール基含有化合物の含有量を100mmol以下とすることで、該化合物が未硬化物として残存することを抑制できるため好ましい。100mmolを超えると未硬化物が残存してしまい、シートの製膜性が低下する恐れがある。
【0031】
チオール基含有化合物の分子量は、200〜3000が好ましく、300〜2000がさらに好ましい。チオール基含有化合物の分子量が3000を超えると、ウレタンアクリレート系オリゴマーとの相溶性が低下し、シートの製膜性が低下するおそれがある。
【0032】
上記のようなウレタンアクリレート系オリゴマーとチオール化合物とでは、製膜が困難な場合が多いため、通常は、エネルギー線重合性のモノマーで希釈して製膜した後、これを硬化してシートを得る。
【0033】
このようなウレタンアクリレート系オリゴマーを希釈するために用いられるエネルギー線重合性モノマーの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が1〜30の(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシ(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、アダマンタン(メタ)アクリレートなどの脂環式構造を有する(メタ)アクリレート、フェニルヒドロキシプロピルアクリレート、ベンジルアクリレートなどの芳香族構造を有する(メタ)アクリレート、もしくはテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、モルホリンアクリレート、N−ビニルピロリドンまたはN−ビニルカプロラクタムなどの複素環式構造を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。また、必要に応じて多官能(メタ)アクリレートを用いても良い。
【0034】
これらの中でも、ウレタンアクリレート系オリゴマーとの相溶性の点から、比較的嵩高い基を有する脂環式構造を有する(メタ)アクリレート、芳香族構造を有する(メタ)アクリレート、複素環式構造を有する(メタ)アクリレートが好ましい。
【0035】
このエネルギー線重合性モノマーの使用量は、ウレタンアクリレート系オリゴマー100質量部(固形分)に対して、10〜500質量部が好ましく、30〜300質量部がより好ましい。
【0036】
シートは、ウレタンアクリレート系オリゴマーと、チオール基含有化合物とを含有するエネルギー線硬化型組成物を製膜、硬化して得られる。この際、該組成物に光重合開始剤を混入することにより、エネルギー線照射による重合硬化時間ならびにエネルギー線照射量を少なくすることができる。このような光重合開始剤としては特に制限はなく、例えば2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン等のアルキルフェノン系光重合開始剤、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤、ビス(η−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル]チタニウム等のチタノセン系光重合開始剤、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル系光重合開始剤、ベンゾフェノン、p−クロロベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−メチルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3'−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−(13−アクリロイル−1,4,7,10,13−ペンタオキサトリデシル)−ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、3−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤等が挙げられる。
【0037】
これらの光重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記光重合開始剤には、例えばトリイソプロパノールアミンや、4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノンなどの光重合開始助剤などを併用してもよい。
【0038】
光重合開始剤の使用量は、エネルギー線硬化型組成物100質量部(固形分)に対して、好ましくは0.05〜10質量部、さらに好ましくは0.1〜5.0質量部、特に好ましくは0.5〜2.0質量部である。
【0039】
また、上述の硬化型組成物中には、炭酸カルシウム、シリカ、雲母などの無機フィラー、鉄、鉛等の金属フィラー、ポリスチレン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、スチレン-ブタジエンゴム等の有機フィラーを添加してもよい。さらに、上記成分の他にも、シートには顔料や染料等の着色剤等の添加物が含有されていてもよい。
【0040】
製膜方法としては、流延製膜(キャスト製膜)と呼ばれる手法が好ましく採用できる。具体的には、液状のエネルギー線硬化型組成物(硬化前の樹脂、樹脂の溶液等)を、たとえば工程シート上に薄膜状にキャストした後に、塗膜に活性エネルギー線を照射して重合硬化させてフィルム化することでシートを製造できる。また、活性エネルギー線照射してエネルギー線硬化型組成物を半硬化後、硬化型組成物上にさらに工程シートを重ね、活性エネルギー線を照射し硬化させてフィルム化することでシートを製造してもよい。このような製法によれば、製膜時に樹脂にかかる応力が少なく、フィッシュアイの形成が少ない。また、膜厚の均一性も高く、厚み精度は、通常2%以内になる。このように製造されたシートは、破断伸度は大きくなり、引張弾性率は小さくなる。
【0041】
別の製膜方法として、Tダイやインフレーション法による押出成形やカレンダー法により製造することもできる。本発明により得られたシートに粘着層を設ける場合は、粘着層との密着性を向上させるために、コロナ処理を施したりプライマー等の他の層を設けてもよい。
【0042】
活性エネルギー線としては、通常、紫外線、電子線等が用いられる。活性エネルギー線の照射量は、活性エネルギー線の種類によって異なるが、例えば紫外線の場合には、光量で10〜2000mJ/cm程度が好ましく、電子線の場合には、10〜1000krad程度が好ましい。紫外線照射は、高圧水銀ランプ、フュージョンHランプ、キセノンランプ等によって行うことができる。
【0043】
また、本発明に係るシートは、加熱環境下におけるアウトガスの発生が少なく、具体的には、空気雰囲気下180℃において60分放置後の熱重量減少率が6%以下であることが好ましく、4%以下であることがさらに好ましい。本発明のシートを使用した粘着シートを、加熱を伴う半導体装置の製造工程に用いても、アウトガスがほとんど発生しないために、シートは劣化しない。また、アウトガスがほとんど発生しないために、半導体装置製造の各工程において、装置および半導体ウエハあるいは半導体チップを汚染することはない。
【0044】
また、本発明に係るシートの破断伸度は、50%以上であることが好ましく、60〜300%であることがさらに好ましい。破断伸度が上述した範囲のシートは、半導体加工用ダイシングシートとして用いた場合、ダイシングを行った後にダイシングシートを引き伸ばした際に破断しにくく、被加工物を切断して形成したチップを離間しやすくなり好ましい。
【0045】
また、本発明に係るシートの引張弾性率は、10〜1000MPaであることが好ましく、100〜500MPaであることがさらに好ましい。引張弾性率が上述した範囲のシートは、半導体加工用表面保護シートとして用いた場合、被着体表面に形成された凹凸状の電極素子の形状によく追従して凹凸差を吸収し、裏面研磨を行っても表面の凹凸に影響されることなく、平滑に裏面研磨を行うことが可能となる。
【0046】
また、本発明に係るシートの厚みは、特に限定されず、30〜1000μmが好ましく、80〜500μmがさらに好ましい。
【0047】
本発明に係るシートは、シートの片面に粘着剤層を有する粘着シートとして半導体装置の製造工程全般に用いることができ、例えば、半導体ウエハの裏面研削工程やダイシング工程に用いた場合には、半導体ウエハに反りを発生させず、粘着シートを半導体ウエハからシートが裂けることなく剥離することができる。
【0048】
また、後述するように、粘着剤層を紫外線硬化型粘着剤で形成し、粘着剤を硬化するために照射するエネルギー線として紫外線を用いる場合には、紫外線に対して透明であるシートが好ましい。なお、エネルギー線として電子線を用いる場合には透明である必要はない。上記のシートの他、これらを着色した透明シート、不透明シート等を用いることができる。
【0049】
また、粘着剤層が設けられる側のシート面には粘着剤との密着性を向上するために、コロナ処理を施したり、プライマー層を設けてもよい。また、粘着剤層とは反対のシート面に各種の塗膜を塗工してもよい。粘着シートは、上記のようなシート上に粘着剤層を設けることで製造される。なお、粘着シートはシートの両面に粘着剤層を設けることもできる。
【0050】
粘着剤層は、従来より公知の種々の粘着剤により形成され得る。このような粘着剤としては、何ら限定されるものではないが、例えば、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ポリビニルエーテル等の粘着剤が用いられる。また、エネルギー線硬化型や加熱発泡型、水膨潤型の粘着剤も用いることができる。エネルギー線硬化(紫外線硬化、電子線硬化等)型粘着剤としては、特に紫外線硬化型粘着剤を用いることが好ましい。なお、粘着剤層には、その使用前に粘着剤層を保護するために剥離シートが積層されていてもよい。
【0051】
剥離シートは、特に限定されるものではなく、フィルムや紙等のシートに、剥離剤で剥離処理したものを使用することができる。フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂からなるフィルムまたはそれらの発泡フィルムが挙げられ、紙としては、例えば、グラシン紙、コート紙、ラミネート紙等の紙が挙げられる。剥離剤としては、例えば、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル基含有カルバメート等の剥離剤が挙げられる。
【0052】
シートに粘着剤層を設ける方法は、剥離シート上に所定の膜厚になるように塗布し形成した粘着剤層をシートに転写しても構わないし、シートに直接塗布して粘着剤層を形成しても構わない。
【0053】
粘着剤層の厚さは特に限定はされないが、一般的に5〜200μm程度であり、好ましくは10〜120μmである。
【0054】
本発明に係るシートは、上記半導体装置の製造工程に用いる粘着シートのシートに限らず、マーキングフィルムやウインドウフィルム、プロテクトフィルム等に使用することができる。特に、高温環境下で使用される用途が好ましい。
【実施例】
【0055】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例において、シートの熱重量減少率測定、シートの破断伸度測定・引張弾性率測定およびシートの収縮応力測定は以下のように行った。
【0056】
<シートの熱重量減少率測定>
熱重量分析装置((株)島津製作所製:DTG60)を用い、昇温速度20℃/分で180℃まで昇温し、その温度にて60分間保持した時点の熱重量減少率を測定した。
【0057】
<シートの破断伸度測定・引張弾性率>
JIS K7161:1994及びJIS K7127:1999に準拠して測定した試験片が降伏点を持たない場合には引張り破壊ひずみを、降伏点を持つ場合には引張り破壊呼びひずみを破断伸度とし、破断伸度を測定した。この際、試験片(幅15mm、長さ140mm、厚み100μm)の両端20mm部分に試験片引張り用のラベルを貼付し、ダンベル型のサンプル(幅15mm、長さ100mm)を用い、万能試験機((株)島津製作所製:オートグラフAG−IS 500N)にて引張り速度200mm/分にて引張弾性率測定を行った。
【0058】
(実施例1)
重量平均分子量4000のポリプロピレングリコール(以下PPG4000と記述)33gとイソホロンジイソシアネート(以下IPDIと記述)5gを重合させて得られる末端イソシアナートウレタンプレポリマーに、ペンタエリスリトールトリアクリレート(以下PETAと記述)10gを反応させ、重量平均分子量が17350のウレタンアクリレート系オリゴマーを得た。
【0059】
得られたウレタンアクリレート系オリゴマー100g(固形分)、希釈モノマーとしてイソボルニルアクリレート66.7g、及び光重合開始剤として2−ヒドロキシ−2-メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(チバスペシャルティケミカルズ社製:ダロキュア1173、固形分濃度100質量%)0.83g、チオール基を有する化合物として、テトラエチレングリコール−ビス(3−メルカプトプロピオネート)(堺化学工業社製:EGMP−4、固形分濃度100質量%)3.3g(8.9mmol)を添加し、常温液体のエネルギー線硬化型組成物(粘度η=3940mPa・s、25℃)を得た。
【0060】
キャスト用工程シートであるポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(三菱化学ポリエステル社製:T−100、厚み38μm)上に、上記エネルギー線硬化型組成物を、ファウンテンダイ方式で厚み100μmとなるように塗布して硬化型組成物層を形成し、その後、硬化型組成物層側から紫外線照射した。紫外線照射装置として、ベルトコンベア式紫外線照射装置(アイグラフィクス社製:ECS−401GX)、紫外線源は高圧水銀ランプ(アイグラフィクス社製:H04−L41)を使用した{照射条件:ランプ高さ150mm、ランプ出力3kW(換算出力120mW/cm)、光線波長365nmの照度271mW/cm、光量177mJ/cm(オーク製作所社製紫外線光量計:UV−351)}。その後、照射直後に硬化型組成物層の上に、同じPETフィルムをラミネートし、ラミネートしたPETフィルム側からさらに紫外線照射を2回行い、組成物を架橋・硬化させた{照射条件:ランプ高さ150mm、ランプ出力3kW(換算出力120mW/cm)、光線波長365nmの照度271mW/cm、光量600mJ/cm(オーク製作所社製紫外線光量計:UV−351)}。その後、PETフィルムを剥離して厚さ100μmの紫外線硬化物であるシートを得た。このシートについて、シートの熱重量減少率測定、シートの破断伸度測定および引張弾性率測定を行った。結果を表1に示す。
【0061】
(実施例2)
実施例1で用いたチオール基を有する化合物に替えて、チオール基を有する化合物としてトリス[(3−メルカプトプロピオニロキシ)−エチル]−イソシアヌレート(堺化学工業社製:TEMPIC、固形分濃度100質量%)4.6g(8.8mmol)を添加した以外は、実施例1と同様の方法にてシートを得、評価を行った。結果を表1に示す。
【0062】
(実施例3)
実施例1で用いたチオール基を有する化合物に替えて、チオール基を有する化合物としてペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(堺化学工業社製:PEMP、固形分濃度100質量%)4.3g(8.8mmol)を添加した以外は、実施例1と同様の方法にてシートを得、評価を行った。結果を表1に示す。
【0063】
(実施例4)
実施例1で用いたチオール基を有する化合物に替えて、チオール基を有する化合物としてジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)(堺化学工業社製:DPMP、固形分濃度100質量%)7.0g(8.9mmol)を添加した以外は、実施例1と同様の方法にてシートを得、評価を行った。結果を表1に示す。
【0064】
(実施例5)
重量平均分子量1000のポリプロピレングリコール33gとIPDI 9gを重合させて得られる末端イソシアナートウレタンプレポリマーに、PETA 8gを反応させ、重量平均分子量が20690のウレタンアクリレート系オリゴマーを得た。
【0065】
得られたウレタンアクリレート系オリゴマー100g(固形分)、希釈モノマーとしてイソボルニルアクリレート96g、及び光重合開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(チバスペシャルティケミカルズ社製:ダロキュア TPO、固形分濃度100質量%)1.0g、チオール基を有する化合物として、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)(堺化学工業社製:TMMP、固形分濃度100質量%)4.0g(10.0mmol)を添加し、常温液体のエネルギー線硬化型組成物(粘度η=4480mPa・s、25℃)を用いた以外は、実施例1と同様の方法にてシートを得、評価を行った。結果を表1に示す。
【0066】
(実施例6)
実施例1で用いたチオール基を有する化合物に替えて、チオール基を有する化合物として1−ドデカンチオール(シグマ−アルドリッチ社製、固形分濃度100質量%)2.2g(10.8mmol)を添加した以外は実施例1と同様の方法にてシートを得、評価を行った。結果を表1に示す。
【0067】
(実施例7)
実施例1で用いたチオール基を有する化合物に替えて、チオール基を有する化合物としてジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)(堺化学工業社製:DPMP、固形分濃度100質量%)4.2g(5.4mmol)を添加した以外は、実施例1と同様の方法にてシートを得、評価を行った。結果を表1に示す。
【0068】
(実施例8)
実施例1で用いたチオール基を有する化合物に替えて、チオール基を有する化合物としてペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(堺化学工業社製:PEMP、固形分濃度100質量%)14.6g(29.8mmol)を添加した以外は、実施例1と同様の方法にてシートを得、評価を行った。結果を表1に示す。
【0069】
(実施例9)
実施例1で用いたチオール基を有する化合物に替えて、チオール基を有する化合物としてペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(堺化学工業社製:PEMP、固形分濃度100質量%)39.2g(80.2mmol)を添加した以外は、実施例1と同様の方法にてシートを得、評価を行った。結果を表1に示す。
【0070】
(実施例10)
実施例1で用いたチオール基を有する化合物に替えて、チオール基を有する化合物としてペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(堺化学工業社製:PEMP、固形分濃度100質量%)43.2g(88.3mmol)を添加した以外は、実施例1と同様の方法にてシートを得、評価を行った。結果を表1に示す。
【0071】
(比較例1)
チオール基を含有する化合物を添加しなかった以外は、実施例1と同様の方法にてシートを得、評価を行った。結果を表1に示す。
【0072】
(比較例2)
PPG4000 52gとIPDI 6gを重合させて得られる末端イソシアナートウレタンプレポリマーに、PETA 12gを反応させ、重量平均分子量が18920のウレタンアクリレート系オリゴマーを得た。
【0073】
得られたウレタンアクリレート系オリゴマー100g(固形分)、希釈モノマーとしてイソボルニルアクリレート28.4g、トリメチロールプロパントリアクリレート(ダイセル化学社製:TMPTA、固形分濃度100質量%)14.2g、 及び光重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル-プロパン−1−オン(チバスペシャルティケミカルズ社製:ダロキュア1173、固形分濃度100質量%)0.71gが配合されたエネルギー線硬化型樹脂組成物(粘度η=8390mPa・s、25℃)を用いた以外は、実施例1と同様の方法にてシートを得、評価を行った。結果を表1に示す。
【0074】
(比較例3)
エネルギー線硬化型組成物を硬化してなるシートに替えて、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)(東洋紡績社製:コスモシャインA4300、厚み188μm)を用い、評価を行った。
【0075】
(比較例4)
エネルギー線硬化型組成物を硬化してなるシートに替えて、ポリエチレンナフタレートフィルム(PEN)(帝人デュポンフィルム社製:テオネックスQ83、厚み25μm)を用い、評価を行った。
【0076】
【表1】

【0077】
表1から分かるように、実施例1〜10のシートに比べ、比較例1〜4のシートは、熱重量減少率、破断伸度および引張弾性率のいずれか一つ以上が不良である。
なお、本発明のシートが耐熱性を有することにより、このシートを用いた本発明の粘着シートも同様に耐熱性を示すことは明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウレタンアクリレート系オリゴマーと、分子内にチオール基を有する化合物とを含有するエネルギー線硬化型組成物を硬化してなり、
前記チオール基含有化合物の含有量が、ウレタンアクリレート系オリゴマー100gに対して、2〜100mmolであり、
引張弾性率が、10〜1000MPaであるシート。
【請求項2】
前記ウレタンアクリレート系オリゴマーが、ポリエーテルジオールから誘導される構成単位を含有する請求項1に記載のシート。
【請求項3】
空気雰囲気下180℃において60分放置後の熱重量減少率が、6%以下である請求項1または2に記載のシート。
【請求項4】
破断伸度が、50%以上である請求項1〜3のいずれかに記載のシート。
【請求項5】
引張弾性率が、100〜500MPaである請求項1〜4のいずれかに記載のシート。
【請求項6】
マーキングフィルムとして用いる請求項1〜5のいずれかに記載のシート。
【請求項7】
ウインドウフィルムとして用いる請求項1〜5のいずれかに記載のシート。
【請求項8】
プロテクトフィルムとして用いる請求項1〜5のいずれかに記載のシート。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれかに記載のシートの少なくとも片面に粘着剤層を有する粘着シート。

【公開番号】特開2013−28806(P2013−28806A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−180165(P2012−180165)
【出願日】平成24年8月15日(2012.8.15)
【分割の表示】特願2009−219457(P2009−219457)の分割
【原出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(000102980)リンテック株式会社 (1,750)
【出願人】(000168414)荒川化学工業株式会社 (301)
【Fターム(参考)】