説明

シーリング、バッフリングまたは補強用の活性化可能材料、およびその形成方法

活性化可能材料とこれを採用した物品が提供される。活性化可能材料は、エポキシ樹脂、熱可塑性ポリエーテル、発泡剤、硬化剤、および充填材のうちの少なくとも3つを含む。活性化可能材料は、好ましくは自動車両(26)等の製品のシーリング、バッフリングまたは補強に使用される。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の表示】
【0001】
本願は、2003年5月7日に出願された米国出願番号第10/430,993号の出願日に対する利益を要求し、あらゆる目的のためにこれを参照によりここに援用する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、一般に、活性化可能材料、活性化可能材料の形成方法、ならびに自動車両等の製品の部品のシーリング(封止)、バッフリング(baffling)または補強に活性化可能材料を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
長年の間、産業界、特に運輸産業において、自動車両等の製品のシーリング、バッフリング、音響減衰および補強が関心事となっていた。これを受けて、産業界は、このようなシーリング、バッフリングおよび補強を付与するためにさまざまな材料を開発してきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このため、本発明は、シーリング、バッフリングまたは補強用の改良された材料、この改良された材料の形成方法、ならびに補強、シーリングまたはバッフリングのために改良された材料を使用する方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、本発明は、活性化可能材料と、この活性化可能材料によって自動車両等の製品の一部分をシーリング、バッフリングまたは補強する方法を提供する。活性化可能材料は、通常、エポキシ樹脂、熱可塑性ポリエーテルおよび硬化剤を含む。活性化可能材料は、担体部材の表面、製品の部品の表面またはその他の任意の基材に適用されうる。好ましい一実施形態によれば、活性化可能材料は自動車両の空洞に挿入されるが、活性化可能材料は、車両の任意の場所に適用できることが考察される。このような実施形態では、活性化可能材料は、空洞に挿入される前に担体部材に適用されうるが、これは当然必須ではない。活性化可能材料は、適用されたのち、好ましくは活性化され、活性化可能材を適用した任意の基剤の表面に活性化可能材料が接合される。
【0006】
非常に好ましい一実施形態によれば、活性化可能材料は、粉末にされて、接着材料に適用され、粘着面と非粘着面を有する合成材料が形成される。その後、粘着面と製品の部品が接触されるように、非粘着面が触れられうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、改良された活性化可能材料と、これを採用した物品に基づくものである。活性化可能材料は、好ましくは、構造物の空洞内またはその表面上、あるいは製品(自動車両など)の1つ以上の構造部材(ボディパネルや構造部材など)に、構造的補強、密着性、シーリング、音響抑制の特性またはこれらの組合せを付与するのに役立つ。本明細書において「活性化可能材料」との用語は、周囲条件または別の条件によって任意の材料が活性化され、状態が変化することを含む。例えば、材料が、熱、圧力、化学暴露、これらの組合せ等の条件に曝されると、膨張、流動、溶解、硬化、これらの組合せなどを起しうる。
【0008】
活性化可能材料は、通常、エポキシ樹脂と熱可塑性ポリエーテルを含み、任意選択で、発泡剤、硬化剤または充填材のいずれかあるいはこれらの組合せを含む。活性化可能材料は、好ましくは、
(a)最大約80重量部のエポキシ樹脂
(b)最大約70重量部の熱可塑性ポリエーテル
(c)最大約5重量部の発泡剤
(d)最大約7重量部の硬化剤の少なくとも3つを含む。
(e)充填材、のうちの少なくとも3種を含む。
【0009】
濃度は、活性化可能材料の所期の用途に応じて上下してもよい。本発明の好ましい態様では、熱可塑性ポリエーテルに対するエポキシ樹脂の量は重量比で約10:1〜約1:10、より好ましくは約1:5〜約5:1、更に好ましくは約1:3〜約3:1である。
【0010】
本発明の活性化可能材料は、物品の一部分または部材に構造的完全性を付加する、物品に音響抑制を付与する、または物品をシーリングするために、さまざまな製品に適用することができる。このような製品の例としては、家庭用または工業用の機器、家具、貯蔵容器、建物、構造物等が挙げられるが、ここに挙げたものに限定されない。好ましい実施形態において、活性化可能材料は、自動車両の車体部材またはフレーム部材(例えば車両のフレームレール)など、自動車両の一部分に適用される。本発明の一方法では、活性化可能材料を、非膨張状態か部分的に膨張した状態で上記の構造のうちの1つの表面に適用して、非膨張状態での体積を上回る体積(例えば、少なくとも50%、少なくとも100%、少なくとも500%、少なくとも1000%、少なくとも2000%、少なくとも5000%またはこれ以上大きい体積)まで膨張させるために、材料を活性化させることが考察される。
【0011】
特段の断りのない限り、本明細書において割合とは重量パーセントを指す。
【0012】
エポキシ樹脂
ここで使用するエポキシ樹脂は、エポキシ官能基を少なくとも1つ有する、従来のダイマー、オリゴマーまたはポリマーのエポキシ材料のいずれかを指す。ポリマーベースの材料は、開環反応によって重合可能なオキシラン環を1つ以上有するエポキシ基含有物質でありうる。好ましい実施形態において、活性化可能材料に含まれるエポキシ樹脂の最大量は約80%、あるいはそれ以上である。より好ましくは、拡張可能材料は、約10重量%〜70重量%のエポキシ樹脂、更に好ましくは約40重量%〜60重量%のエポキシ樹脂を含む。当然ながら、エポキシ樹脂の量は、活性化可能材料の所期の用途に応じて上下してもよい。例えば、熱可塑性ポリエーテル、充填材、代替のポリマー、これらの組合せなどの他の成分が高い重量百分率(約30%〜約80%など)で使用される場合には、重量百分率は低くても(約5%〜約30%など)よいことが考察される。
【0013】
エポキシ樹脂は、脂肪族、脂環族、芳香族等でありえる。エポキシ樹脂は、固体として(例えば、ペレット、チャンク、切片等として)、あるいは液体(エポキシ樹脂等)として供給されうる。エポキシ樹脂は、アルファオレフィンをもつエチレンのコポリマーまたはターポリマーを含むことができる。コポリマーまたはターポリマーでは、当該ポリマーは、2種または3種の異なるモノマー(すなわち高い化学反応性を有し、類似する分子と結合可能な小分子)から構成される。好ましくは、エポキシ樹脂は、活性化可能材料の密着性および流動性を向上させるために当該材料に添加される。1つの例示的なエポキシ樹脂はフェノール樹脂であってもよく、このフェノール樹脂はノボラック型(novalac type)または別のタイプの樹脂であってもよい。別の好ましいエポキシ含有材料は、ビスフェノール−Aエピクロロヒドリンエーテルポリマー、またはブタジエンまたは別のポリマー添加剤によって改質されうるビスフェノールAエポキシ樹脂を含んでもよい。更に、何種類かの異なるエポキシ樹脂の各種混合物も使用することができる。
【0014】
熱可塑性ポリエーテル
活性化可能材料は、通常1種類以上の熱可塑性ポリエーテルを含む。1種類以上の熱可塑性ポリエーテルが含まれる場合、この熱可塑性ポリエーテルは、好ましくは活性化可能材料の約1重量%〜約90重量%、より好ましくは活性化可能材料の約3重量%〜約60重量%、更に好ましくは活性化可能材料の約5重量%〜約25重量%含まれる。しかし、ほかの物質と同様に、使用する熱可塑性ポリエーテルは、活性化可能材料の所期の用途に応じて上下してもよい。
【0015】
熱可塑性ポリエーテルは、通常ペンダントヒドロキシル部分を含む。また、熱可塑性ポリエーテルは、芳香族エーテル/アミンの反復単位を主鎖に含んでもよい。本発明の熱可塑性ポリエーテルは、約190℃の温度において、重量2.16kgの試料に対する10分間のメルトインデックスは、好ましくは約5〜約100グラム、より好ましくは約25〜約75グラム、更に好ましくは約40〜約60グラムである。当然ながら、熱可塑性ポリエーテルのメルトインデックスは、その所期の用途に応じて上下してもよい。好ましい熱可塑性ポリエーテルは、ポリエーテルアミン、ポリ(アミノエーテル)、モノエタノールアミンとジグリシジルエーテルのコポリマー、これらの組合せなどが挙げられるが、ここに挙げたものに限定されない。
【0016】
好ましくは、熱可塑性ポリエーテルは、平均官能価が2以下のアミン(二官能性アミンなど)とグリシジルエーテル(ジグリシジルエーテルなど)を反応させることにより形成される。ここで使用される「二官能性アミン」との用語は、平均2つの反応性基(反応性水素など)を有するアミンを指す。
【0017】
一実施形態によれば、熱可塑性ポリエーテルは、第一級アミン、ビス(第二級)ジアミン、環式ジアミン、これらの組合せ等(例えばモノエタノールアミン)をジグリシジルエーテルと反応させるか、アミンを、エポキシ官能基を有するポリ(アルキレンオキシド)と反応させて、ポリ(アミノエーテル)を生成することによって生成される。別の実施形態によれば、熱可塑性ポリエーテルは、二官能性アミンと、ジグリシジルエーテルまたはジエポキシ官能基を有するポリ(アルキレンオキシド)を、アミン部分がエポキシ部分と反応して、アミン結合、エーテル結合およびペンダントヒドロキシル部分を有するポリマー主鎖を生成するのに十分な条件で反応させることにより調製される。任意選択で、ポリマーは、単官能性の求核分子(第一級アミンまたは第二級アミンであってもなくてもよい)で処理されうる。
【0018】
加えて、熱可塑性ポリエーテルを生成するために、反応性基を1つ(例えば反応性水素を1つ)を有するアミン(環状アミンなど)を使用してもよいことが考察される。このようなアミンは、生成される熱可塑性エーテルの分子量を制御するのに役立ち有利である。
【0019】
好ましい熱可塑性ポリエーテルとその形成方法の例は、米国特許第5,275,853号、第5,464,924号および第5,962,093号に開示されており、あらゆる目的のためにこれらを参照によりここに援用する。特に好ましい熱可塑性ポリエーテルは、商品名BLOX(登録商標)として販売されており、米国ミシガン州ミッドランド所在のダウ・ケミカル社(Dow Chemical Corporation)から商業的に入手可能である。この熱可塑性ポリエーテルは、本明細書に詳述するように、多種多様の用途のため、各種の望ましい特性(望ましい物理特性および化学特性など)を活性化可能材料に付与することができ、有利である。
【0020】
発泡剤
必要に応じて、活性化可能材料内に解放および/または密閉型の網状構造を形成する不活性ガスを発生させるために、活性化可能材料に1種類以上の発泡剤を添加してもよい。このようにして、この材料から作製される物品の密度を低減させることが可能となりうる。更に、材料の膨張は、シーリング機能、音響抑制またはこの両者の改善に役立つ。
【0021】
発泡剤は、アミド、アミン等の窒素含有基を1つ以上含みうる。適切な発泡剤の例は、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、トリヒドラジノトリアジン、およびN,N−ジメチル−N,N−ジニトロソテレフタルアミドを含む。
【0022】
また、活性化可能材料に発泡剤用の促進剤を与えてもよい。発泡剤が不活性ガスを生成する速度を上げるため、各種の促進剤を使用することができる。1つの好ましい発泡剤用促進剤は、金属塩か、または金属酸化物(例えば酸化亜鉛)等の酸化物である。他の好ましい促進剤は、変性(modified)または未変性(unmodified)のチアゾールまたはイミダゾールを含む。
【0023】
発泡剤および発泡剤用促進剤の量は、所望の網状構造のタイプ、活性化可能材料の所望の膨張量、所望の膨張速度などに応じて、大きく変わりうる。活性化可能材料中の発泡剤および発泡剤用促進剤の量の例示的な範囲は約0重量%〜約5重量%であり、好ましくは活性化可能材料中、重量百分率で数%である。
【0024】
一実施形態では、本発明では、発泡剤を使用しない形態が考察される。しかし、好ましくは、本発明の材料、発泡剤またはこの両者は、熱によって活性化される。別の実施形態では、例えば水分、放射などの別の手段によって活性化を得るために別の薬剤を使用してもよい。
【0025】
硬化剤
活性化可能材料に、1種類以上の硬化剤および/または硬化剤用促進剤を添加してもよい。発泡剤と同様に、活性化可能材料中の硬化剤および硬化剤用促進剤の量は、所望の網状構造のタイプ、活性化可能材料の所望の膨張量、所望の膨張速度、活性化可能材料の所望の構造特性などに応じて大きく変わりうる。活性化可能材料中に存在する硬化剤または硬化剤用促進剤の例示的な範囲は、約0重量%〜約7重量%である。
【0026】
好ましくは、硬化剤は、ポリマー、エポキシ樹脂またはこの両者と架橋することにより、活性化可能材料の硬化に役立つ。また、硬化剤が活性化可能材料の熱硬化に役立つことが好ましい。有用な硬化剤の種別は、脂肪族または芳香族アミンあるいはこれらのそれぞれの付加体、アミドアミン、ポリアミド、脂環式アミン、無水物、ポリカルボキシルポリエステル、イソシアネート、フェノールベースの樹脂(例えばフェノールまたはクレゾールノボラック樹脂、フェノールテルペンまたはポリビニルフェノール等のコポリマー、ビスフェノールAホルムアルデヒドコポリマー、ビスヒドロキシフェニアルカン等)、またはこれらの混合物から選択される材料である。特定の好ましい硬化剤は、トリエチレンテトラアミン、ジエチレントリアミン テトラエチレンペンタミン、シアノグアニジン、ジシアンジアミドなどの改質または未改質のポリアミンまたはポリアミドを含む。また、活性化可能材料を調製するために、硬化剤用の促進剤(例えばメチレンジフェニルビス尿素等の変性または未変性の尿素、イミダゾールまたはこれらの組合せ)が与えられてもよい。
【0027】
本発明の配合物では、5分未満、場合によっては30秒未満の硬化時間が可能であるが、硬化時間は長くてもよい。
【0028】
充填材
活性化可能材料は1種類以上の充填材を含むことができ、これには粒状材料(粉末など)、ビーズ、小球体などがあるがここに挙げたものに限定されない。好ましくは、充填材は、活性化可能材料に存在するほかの成分と通常は反応しない比較的低密度の物質を含む。充填材は、一般に、比較的低重量で場所を占めるように活性化可能材料中に存在しうるが、充填材が、活性化可能材料に強度および耐衝撃性などの特性を付与してもよいことが考察される。
【0029】
充填材の例には、シリカ、珪藻土、ガラス、クレイ(例えばナノクレイを含む)、タルク、色素、着色剤、ガラスのビーズまたはバブル、ガラスファイバー、カーボンファイバーまたはセラミックファイバー、ナイロンまたはポリアミドの繊維(ケブラー(登録商標)等)、抗酸化剤などがある。このような充填材(特にクレイ)は、活性化可能材料の流動中にそれ自身で高さを均一に保つという点で有用である。充填材として使用可能なクレイは、カオリナイト、イライト、クロライトあるいはクロリテム(chloritem)、スメクタイトあるいはスメシタイト(smecitite)またはセピオライトの群のクレイを含んでもよく、これらは焼成されてもよい。適切な充填材の例としては、タルク、バーミキュライト、パイロフィライト、ソーコナイト、サポナイト、ノントロナイト、モンモリロナイトまたはこれらの混合物を含むが、ここに挙げたものに限定されない。また、クレイは、炭酸塩、長石、マイカおよび石英など、ほかの成分を微量含んでもよい。充填材は、塩化ジメチルアンモニウムおよび塩化ジメチルベンジルアンモニウム等の塩化アンモニウムも含んでもよい。また、二酸化チタンも使用される可能性がある。
【0030】
好ましい一実施形態では、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウムなど、1種類以上の鉱物型または石型の充填材を充填材として使用することができる。別の好ましい実施形態では、マイカ等のケイ酸塩鉱物を充填材として使用することができる。
【0031】
充填材を使用する場合、活性化可能材料中の充填材は、活性化可能材料の10重量%〜90重量%でありうる。一部の実施形態によれば、活性化可能材料は、約0重量%〜約3重量%、より好ましくは1重量%を僅かに下回る量のクレイまたは類似の充填材を含みうる。粉末状の(例えば粒子の平均直径が約0.01〜約50μm、より好ましくは約1〜25μm)鉱物型の充填材が、約5重量%〜70重量%、より好ましくは約10重量%〜約50重量%含まれてもよい。
【0032】
他の成分および添加剤
ほぼどのようなほかの化学物質、材料などであっても、活性化可能材料に適しており、活性化可能材料の選択した用途に適していれば、活性化可能材料に添加できることが考察される。
【0033】
ほかのポリマーが活性化可能材料に含まれてもよく、その量は活性化可能材料の約0.01重量%〜約80重量%、より好ましくは約1重量%〜約40重量%、更に好ましくは約3重量%〜約20重量%である。可能なポリマーは、エラストマ含有付加体、ハロゲン化ポリマー、ポリカーボネート、ポリケトン、ウレタン、ポリエステル、シラン、スルホン、アリル、オレフィン、スチレン、アクリル酸塩、メタクリル酸塩、エポキシ樹脂、シリコーン、フェノール樹脂(phenolics)、ゴム、ポリフェニレンオキシド、テレフタレートあるいはテレフタル酸エステル(terphthalate)、酢酸エステル(EVAなど)、アクリレートあるいはアクリル酸エステル、メタクリレートあるいはメタクリル酸エステル(例えばエチレンアクリル酸メチルまたはエチレンアクリル酸エチル無水マレイン酸のターポリマー)またはこれらの混合物を含む。他の可能なポリマー物質は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチレンイミン)、ポリエステル、ポリウレタン、ポリシロキサン、ポリエーテル、ポリフォスファジン(polyphosphazine)、ポリアミド、ポリイミド、ポリイソブチレン、ポリアクリロニトリル、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイソプレン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリメタクリレートなどであるかこれらを含んでもよいが、ここに挙げたものに限定されない。
【0034】
また、必要に応じて、その他の添加剤、薬剤または性能改質剤が活性化可能材料に含まれてもよく、このような物質には、抗紫外線剤、難燃剤、衝撃改質剤、熱安定剤、着色剤、加工助剤、潤滑剤、補強材(チョップトグラスファイバーまたはガラス長繊維、セラミック繊維、アラミド繊維またはカーボンファイバー、微粒子等)が含まれるが、ここに挙げたものに限定されない。
【0035】
活性化可能材料の適切な成分を決定する際には、適切な時間または温度においてのみ活性化する(例えば、流動、発泡またはその他の状態変化を起こす)ように当該材料を形成することが重要でありうる。例えば、多くの用途では、材料が室温や、製造環境における周囲温度で反応してしまうのは望ましくない。より一般的には、活性化可能材料は、高い加工温度において活性化されて流動化する。例えば、特に活性化可能材料が高温か高いレベルのエネルギーを印加された状態(塗装の準備工程など)で他の成分と共に処理される場合には、自動車組立工場で使用されるような温度が適切でありえる。塗布作業の多くで(例えば、塗料の硬化炉において)使用される最大温度範囲は、例えば約250℃以上である。
【0036】
活性化可能材料の形成および適用
活性化可能材料の形成は、各種の新規あるいは公知の技術に従って行うことができる。好ましくは、活性化可能材料は、実質的に均質な組成の材料として形成される。しかし、各種の結合技術を使用して、活性化可能材料の特定の部分において特定の成分の濃度を加減してもよいことが考察される。
【0037】
一実施形態によれば、活性化可能材料は、当該材料の諸成分を、ペレット、チャンクなどの固体形状、液体形状、またはこれらを組み合わせた形状で供給することにより形成される。諸成分は、通常、例えば大型のビン(bin)または他の容器などの1つ以上の容器内で混合される。好ましくは、この容器は、当該容器を回転させるか移動させることにより成分を混合するために使用することができる。その後、熱、圧力またはこの両方が印加されて、成分が撹拌などにより混合されて、単一の均質の組成となるように、成分が軟化または液化されうる。
【0038】
別の実施形態によれば、活性化可能材料は、ポリマーベースの材料など、成分のうち通常軟化または液化しやすい1つ以上の成分を加熱して、これらの成分を混合可能な状態とすることによって形成されうる。その後、残りの成分が軟化された成分と混合されうる。
【0039】
使用する成分によっては、活性化可能材料の活性化(例えば、気体の生成、流動化またはその他の活性化)、硬化(例えば、堅化、剛化またはその他の状態の変化)、あるいはこの両者を引き起こす可能性がある特定の活性化温度以下に、諸成分の温度が確実に維持されるようにすることが重要となりうる。特に、活性化可能材料が発泡剤を含む場合、通常は、活性化可能材料を形成する間、または活性化可能材料を表面に適用する前に、活性化可能材料の温度を、発泡剤の活性化温度未満に保持することが望ましい。活性化可能材料を低温に保持することが望ましい状況においては、圧力を印加するか、圧力と熱の両方を印加して、成分を半固体または粘弾性状態に保持して、活性化可能材料の諸成分を混合することが望ましいことがある。熱、圧力またはこの両方を材料に印加するためのさまざまな機械が設計されている。
【0040】
活性化可能材料は、形成後に、通常は表面または基材に適用されて活性化される。活性化可能材料が発泡剤を含む状況では、材料の活性化の際に、少なくともある程度の発泡またはバブリングが行われうる。この発泡またはバブリングは、活性化可能材料が基材を濡らして、基材と強固な接合を形成するのに役立つ。しかし、別の実施形態では、活性化可能材料が、発泡またはバブリングを起こさずに活性化されて流動化されるにも関わらず、基材を実質的に濡らし、強固な接合を形成できることが認められよう。強固な接合の形成は、通常は活性化可能材料の硬化の際に生じるが、必ずしもそうとは限らない。
【0041】
活性化可能材料の所期の用途に応じて、活性化可能材料を、異なる方法により、かつ異なる時間に適用して活性化させることが可能なことを理解されたい。このため、活性化可能材料の適用および活性化のための好ましい方法を示すため、以下に、活性化可能材料の例示的な使用について述べる。より詳細には、活性化可能材料は、ほかの用途のなかでも特に補強、シーリング、接着、音響のバッフリングなどに使用することができる。
【0042】
補強
活性化可能材料は、製品の構造部材の補強に使用することができる。補強に使用する場合、活性化可能材料は単独で使用されても、ほかの材料(例えば裏打ち)と共に使用されても、担体部材等に適用されてもよい。
【0043】
一実施形態によれば、本発明の活性化可能材料は担体部材に適用されて補強部材を形成し、この補強部材が自動車両の構造部材によって形成される空洞内に挿入される。自動車両の構造部材は、車両のほぼどのような部品であってもよく、これには、フレーム部材、車体部材、柱構造、蓋板、ルーフアセンブリ、バンパー、これらの組合せ等を含むが、ここに挙げたものに限定されない。
【0044】
担体部材は、各種の従来の構成または新規の構成から選択することができる。このため、本発明の活性化可能材料は、成形部材、押出部材、プレス部材などの担体部材に適用することができる(例えば、金属またはプラスチック、発泡または非発泡。例示的な材料は、アルミニウム、マグネシウム、チタン、鋼鉄、成型コンパウンド(シートまたはバルク状の成型コンパウンド等)、ポリアミド(例えばナイロン6またはナイロン6,6等)、ポリスルホン、熱可塑性イミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホンまたはこれらの混合物を含む)。
【0045】
本発明において使用することができる担体部材、構造補強の適用の例は、米国特許第6,474,723号、第6,467,834号、第6,419,305号、第6,358,584号、第6,311,452号、第6,296,298号、および6,263,635号に開示されており、その全てを参照によりここに援用する。ほかの例は、米国特許出願番号第10/236,315号、第10/098,952号、第10/337,446号、第09/939,152号、第09/459,756号、第60/409,625号、第60/333,273号、および第60/317,201号に開示されており、その全ても参照によりここに援用する。
【0046】
説明を目的として、図1は、担体部材12を有し、その上に活性化可能材料の塊14が配置されている補強部材10を示している。図に示すように、担体部材12は骨格であり、複数のリブ20を有する。更に、活性化可能材料が、実質的に均一な厚さの層として担体部材12に配置されている。しかし、担体部材12と活性化可能材料は、所期の用途に応じて、適切な形状または構成であれば、どのようなものに従っても形成できることが考察される。
【0047】
例示的な補強部材10は、図2に示すように、自動車両26の柱構造24によって画定される空洞22に挿入されている。活性化可能材料の塊14は、空洞22に挿入された後、好ましくは活性化されて、空洞22を画定している柱構造24の壁に固着される。例えば、塊14は、eコートまたは塗布作業での高温に曝されて、これにより活性化可能材料の塊14が流動可能となり、膨張して、柱構造24の壁に接しうる。これと同時あるいはこの後に、塊14が硬化されて、柱構造24の壁に付着して接合し、これにより車両26の補強構造系28が形成される。
【0048】
また、説明を目的として、図3,4は、パネル36、活性化可能材料の層38および裏打ち材42を有する補強パネル34の形成を示している。パネル36は、自動車両の適切な部品であれば、どのようなものによっても与えられる。好ましい実施形態によれば、パネル36は、車両の内側または外側のボディパネル(例えばドアパネル、ルーフパネル、サイドパネル、蓋板等)として与えられる。
【0049】
裏打ち材42は、さまざまな材料から選択することができる。例えば、裏打ち材は、金属箔、金属シート、金属ふるい等から形成できるが、ここに挙げたものに限定されない。別の実施形態では、裏打ち材はポリマー(例えば、熱可塑性ポリマー)のフィルム、シートまたはメッシュから形成できる。更に別の実施形態では、裏打ち材は、含浸紙、非含浸紙、木等のセルロース繊維材料から形成できる。
【0050】
補強パネル34は、活性化可能材料の層38を自動車両のパネル36の表面44に適用して、活性化可能材料の層38に裏打ち材42を適用することにより形成される。活性化可能材料の層38は、層38に裏打ち材42を適用する前、適用と同時、または適用してからのいずれの場合にも自動車両のパネル36に適用できることを理解されたい。
【0051】
活性化可能材料の層38は、適用後に好ましくは活性化されて、パネル36と裏打ち材42に付着して接合する。例えば、層42は、eコートまたは塗布作業での高温に曝されて、これにより活性化可能材料の層42が流動可能となり、膨張し、パネル36および裏打ち材42に接してこれらを濡らしうる。これと同時あるいはこの後に、層42が硬化されて、パネル36と裏打ち材42に付着し、これにより補強パネル34が形成される。
【0052】
補強への適用例に特に適した1つの例示的な活性化可能材料を、下記の表Iに示す。
表I
│ │配合割合 │
│成分 │重量% │
│熱可塑性ポリエーテル │4.57 │
│2−プロペン酸、2−メチル−,オキシ │0.31 │
│ラニルメチルエステル、エタンとメチル │ │
│2−プロペン酸エステル(propenoate) │ │
│とのポリマー │ │
│エポキシ樹脂とビスフェノールAのポリ │12.79 │
│マー │ │
│P−アラミド繊維 │2.74 │
│エチレンアクリル酸メチルコポリマー │3.47 │
│2−プロペンニトリル、 1,3−ブタジ │38.55 │
│エンとのポリマー、ビスフェノールAと │ │
│のカルボキシ終端ポリマー、ジグリシジ │ │
│ルエーテルのホモポリマー、およびエピ │ │
│クロロヒドリン−ホルムアルデヒド−フ │ │
│ェノールのポリマー │ │
│(2-propenenitrile, polymer with 1,3- | │
|butadiene, carboxy-terminated, | │
|polymer with bisphenol A diglycidyl | │
|ether homopolymer and epichlorohydrin| │
|-formaldehyde-phenol polymer) | │
│エポキシ樹脂とビスフェノールAのポリ │18.31 │
│マー │ │
│エピクロルヒドリンビスフェノールAの │6.27 │
│反応生成物 │ │
│エポキシフェノールノボラック樹脂 │2.89 │
│エポキシ柔軟剤 │2.55 │
│アゾジカルボンアミド(90%)および │0.71 │
│ベンゼンスルフィン酸、亜鉛塩(10%) │ │
│アゾジカルボンアミド │1.38 │
│変性尿素 │0.37 │
│ナノクレイ │1.34 │
│シアノグアニジン │3.41 │
│色素 │0.34 │
表Iには特定の配合が示されているが、各種成分の重量百分率は、±20%、±50%またはこれ以上だけ変わりうることが考察される。更に、成分を除外または追加したり、別の成分を代わりに用いることができる。例えば、変性尿素、ナノクレイ、シアノグアニジン、色素またはほかの成分の1つ以上を使用しないことが望ましいことがある。更に、別の発泡剤を代わりに用いることができ、ほかのメタクリル酸エステル、エポキシ樹脂(epoxies)、充填材、ファイバー等も同様である。
【0053】
構造接着剤
別の実施形態によれば、本発明に係る活性化可能材料は構造接着材料として使用できることが考察される。このような実施形態では、活性化可能材料は通常、第1の部材と第2の部材を接着するために、(例えば、eコートまたは自動車の塗装作業によく用いられる温度で)活性化されて硬化される。第1の部材の取付け面と第2の部材は、材料の活性化および硬化の前、あるいは活性化および硬化中に接触されうる。構造粘着性としての適用の例は、米国特許出願番号第10/234,902号、第10/386,287号、および第60/451,811号に開示されており、あらゆる目的のためにその全てを参照によりここに援用する。
【0054】
図5〜7を参照すると、第1の部材50と第2の部材52が合わされて、接合部54(例えばヘムフランジ接合部)のヘムフランジを形成している状態が示される。図に示すように、第1の部材50は端部58を有し、これが第2の部材52の自由端64を受容するための空洞60を形成しており、自由端64が空洞60内に自由に配置されうる。空洞60内には、本発明に係る活性化可能材料68も配されており、これにより、材料68が活性化され硬化すると、第1の部材50が第2の部材52に接着されるようになっている。当然ながら、本発明の活性化可能材料はどのような部材をも構造的に接着するために使用できることが考察される。本発明の活性化可能材料の利点を利用できる適切な材料と適用の例は、米国特許第5,985,435号に記載されており、あらゆる目的のためにこれをここに援用する。
【0055】
構造接着剤としての使用に特に適した1つの例示的な活性化可能材料が、下記の表IIに示される。
表II
│成分 │重量% │
│エチレンアクリル酸メチルコポリマー │53.69 │
│熱可塑性ポリエーテル │9.76 │
│エポキシ樹脂とビスフェノールのポリマー│34.17 │
│シアノグアニジンまたはジシアンジアミド│1.95 │
│発泡剤 │0.23 │
│色素 │0.20 │
表IIには特定の配合が示されているが、各種成分の重量百分率は、±20%、±50%またはこれ以上だけ変わりうることが考察される。更に、成分を除外または追加したり、別の成分を代わりに用いることができる。
【0056】
非粘着性面
本発明の別の実施態様では、望ましくない物質の移動すなわち粘着を起こさずに取り扱えるようにするため、本発明の材料の外面が処理される。このため、取り扱いが容易になるように、合成材料に、ほぼ粘着性のない層(約10μm未満〜約2cm(例えば、約1mm未満のオーダー))が設けられうる。この層は、プラスチックの転送フィルム、水性コーティング、粉末塗料などの形状をとりうる。このため、本発明では、通常は接触しても粘着しない取り扱い面を与える層を有する粘着性の構造接着材料も考察される。また、構造接着材料、層またはこの両者は、本発明の活性化可能材料から形成できることも考察される。
【0057】
図8を参照すると、構造接着材料の層80と、その上に設けられた実質的に非粘着性の(すなわち約20℃の室温で非粘着性である)材料の層82を有する合成材料78が示される。図9に示すように、実質的に非粘着性の材料の層82は、粉末86または他の粒状形状の材料を適用して、これをプレスする(例えば、ローラーによって圧延する)ことで、接着材料の層80に強固に触圧される。
【0058】
本発明の活性化可能材料の使用の利点を利用しうる実質的に非粘着性の材料の層と粘着性の材料の層は、同時係属中の特許出願第10/217,991号および第60/415,511号に開示されており、あらゆる目的のためにこれらをここに援用する。更に、実質的に非粘着性の材料の層と構造接着材料の層は、前述の適用例で説明した相当する成分を含んでもよいことが考察される。
【0059】
実質的に非粘着性の材料の層82は、実質的に非粘着面88を与え、この表面には、接着材料の粘着面90を、担体部材、製品(自動車両など)の部材等の表面に接触させるように、人間により、あるいは機械に触れるなどができ、有利である。図8,9に示すように、粘着面90は、材料を表面に適用するまで一時的に保護層94(剥離テープなど)で被覆されていてもよい。
【0060】
構造粉末への適用例に特に適した1つの例示的な活性化可能材料が、下記の表IIIに示される。
表III
│成分 │重量% │
│固体エポキシ樹脂 │20.53│
│熱可塑性ポリエーテル │11.17│
│エポキシ/エラストマ付加体 │11.91│
│ナノクレイ │1.79 │
│ジグリシジルエーテル中の固体エポキシ樹脂│45.39│
│ジシアンジアミド │9.13 │
│色素 │0.08 │
表IIIには特定の配合が示されているが、各種成分の重量百分率は、±20%、±50%またはこれ以上だけ変わりうることが考察される。更に、成分を除外または追加したり、別の成分を代わりに用いることができる。
【0061】
押出成形
特定の用途を問わず、本発明に係る活性化可能材料が特に押出成形による加工および/または適用例に適していることがわかっている。本発明の好ましい一実施形態によれば、各種成分が使用前に混合されて1種、2種またはそれ以上の予め混合された混合物とされ、これが一軸スクリュー押出機または双軸スクリュー押出機の一箇所またはさまざまな箇所に導入されうる。その後、押出機によって付与される熱および圧力により、活性化可能材料が混合されてほぼ均質な単一の組成物とされ、この作業は、好ましくは材料を活性化させずに行われる。本発明の材料は、押出成形によって、担体、製品(自動車両など)の部材等の適切な表面であれば、どのようなものにも適用できる。一実施形態では、自動またはロボット押出成形アプリケータ(例えばミニアプリケータ)が使用される。この種の適用とアプリケータの例は、米国特許第5,358,397号および米国特許出願番号第10/342,025号に開示されており、あらゆる目的のためにこの両者を参照によりここに援用する。
【0062】
押出成型技術での使用に特に適した1つの例示的な活性化可能材料を、下記の表IVに示す。
表IV
│成分名 │重量% │
│固体エポキシ樹脂 │36.08│
│ナノクレイ │1.96 │
│エチレン、アクリル酸メチルモノマーおよ│26.24│
│びメタクリル酸グリシジルのターポリマー│ │
│熱可塑性ポリエーテル │3.28 │
│柔軟剤 │6.56 │
│液体エポキシ樹脂 │3.28 │
│エポキシフェノールノボラック樹脂 │4.92 │
│ジシアンジアミド │3.28 │
│変性尿素 │1.32 │
│活性アゾジカルボンアミド │2.29 │
│色素 │0.30 │
│アラミド繊維 │1.96 │
│エポキシ/エラストマ付加体 │8.53 │
表IVには特定の配合が示されているが、各種成分の重量百分率は、±20%、±50%またはこれ以上だけ変わりうることが考察される。更に、成分を除外または追加したり、別の成分を代わりに用いることができる。
【0063】
別の好ましい適用例によれば、本発明の活性化可能材料は塊(例えば紐、細片等)に形成され、各々が互いに接しているかまたは分離された(例えば、剥離テープによって)状態で共に包装されうる。このような実施形態によれば、この塊は、好ましくは、隣接する塊への接合で生ずる凝集破壊(cohesive failure)をほとんど生じずに、個別に分離することができる。このため、塊は、1つずつ剥離して、ここに記載した方法で基材(例えば担体、部材など)に適用することができる。好ましくは、このような活性化可能材料は、同じくここに記載したように加熱されて膨張、硬化されうるが、これは必須というではない。
【0064】
本発明の活性化可能材料は、その適用例において有用な特性を示し、有利である。より詳細には、ここに記載したさまざまな量の熱可塑性ポリエーテルを添加することで、硬化時に比較的良好な接着性を示す活性化可能材料を作製できることがわかっている。更に、本発明に係る活性化可能材料は、比較的高い歪み−破壊比を示す一方で、比較的高い強度係数を示しうる。
【0065】
特段の断りのない限り、ここに記載した各種構造の寸法および外形は本発明を限定することを意図したものではなく、ほかの寸法または外形も可能である。1つの一体化された構造により、複数の構造構成要素が提供されうる。別の実施形態では、1つの一体化された構造が、独立した複数の構成要素に分けられうる。更に、本発明の特徴を、図示した実施形態のうちの1つのみにより記載した場合もあるが、任意の用途のために、このような特徴を別の実施形態のほかの特徴の1つ以上と組み合わせることができる。また、ここに記載した独自の構造の製造およびその操作も、本発明に係る方法を構成していることが、上記から理解されよう。
【0066】
本発明の好ましい実施形態を開示した。しかし、当業者は、本発明の教示に特定の変更例を取り入れることができることを理解するであろう。このため、本発明の真の範囲および内容を決定するには、添付の特許請求の範囲を検討すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の一形態に従って形成された補強部材の斜視図である。
【図2】本発明の一形態による自動車両の斜視図である。
【図3】本発明の形態に従って補強される際のパネルの斜視図である。
【図4】本発明の一形態に従って形成された補強パネルの斜視図である。
【図5】本発明の一形態に従って接着された部材を示す図である。
【図6】本発明の一形態に従って接着された部材を示す図である。
【図7】本発明の一形態に従って接着された部材を示す図である。
【図8】本発明の一形態に従って形成された合成材料の断面図である。
【図9】本発明の一形態に従って形成される際の合成材料の模式図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車両の一部分をシーリング、バッフリングまたは補強する方法であって、
i)エポキシ樹脂と、
ii)熱可塑性ポリエーテルと、
iii)硬化剤と、
を含む活性化可能材料を提供するステップと、
前記活性化可能材料を前記自動車両の部品の表面に近づけて配置するステップと、
前記活性化可能材料を前記部品の前記表面に接合するために前記活性化可能材料を活性化させるステップと、を有する方法。
【請求項2】
前記自動車両の前記部品の前記表面は前記車両内で少なくとも部分的に空洞を形成しており、前記活性化可能材料を配置する前記ステップは前記空洞内に前記活性化可能材料を配置するステップを有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記熱可塑性ポリエーテルはポリエーテルアミンおよびポリアミノエーテルから選択される請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記熱可塑性ポリエーテルはポリマー主鎖を有し、前記主鎖に芳香族エーテル/アミンの反復単位を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
二官能性アミンとグリシジルエーテルを反応させることにより前記熱可塑性ポリエーテルを形成するステップを更に有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記熱可塑性ポリエーテルは前記活性化可能材料の約3重量%〜約60重量%である請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記活性化可能材料は発泡剤を含む請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記発泡剤は、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、トリヒドラジノトリアジン、またはN,N−ジメチル−N,N−ジニトロソテレフタルアミドから選択される請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記活性化可能材料は、充填材、クレイ、硬化剤、発泡剤用促進剤、硬化剤用促進剤、または柔軟剤(flexiblizer)から選択される成分を含む請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記活性化可能材料は、エラストマ含有付加体、ハロゲン化ポリマー、ポリカーボネート、ポリケトン、ウレタン、ポリエステル、シラン、スルホン、アリル、オレフィン、スチレン、アクリル酸エステル、シリコーン、フェノール樹脂、ポリフェニレンオキシド、テレフタル酸エステル、または酢酸エステルから選択されるポリマー材料を更に含む請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記活性化可能材料を提供する前記ステップは、互いに接した状態で共に包装されている前記活性化可能材料の塊を提供するステップを有する請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記活性化可能材料を前記自動車両の前記部品の前記表面に近づけて配置するステップは、前記活性化可能材料の前記塊から前記活性化可能材料の少なくとも1つの塊を分離するステップを有する請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記活性化可能材料を配置するステップは、前記活性化可能材料を前記部品の前記表面に押し出すステップを有する請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記活性化可能材料を実質的に非粘着性の粉末にするステップと、
粘着性の接着材料を提供するステップと、
粘着面と被覆された非粘着面とを有する合成材料を形成するために、前記粉末を前記粘着性の接着材料に適用するステップと、
前記粘着面が前記自動車両の前記部品の前記表面と接触されるように、前記被覆された非粘着面に触れるステップと、を更に有する請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記活性化可能材料を配置する前記ステップは、
i)前記活性化可能材料を担体部材の表面に適用するステップと、
ii)その上に前記活性化可能材料が配置された前記担体部材を、前記自動車両の前記部品の前記表面に近づけて配置するステップと、を有する請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記活性化可能材料を前記担体部材の前記表面に押し出すステップを更に有する請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−504347(P2007−504347A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532305(P2006−532305)
【出願日】平成16年3月2日(2004.3.2)
【国際出願番号】PCT/US2004/006258
【国際公開番号】WO2004/101349
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(501045700)エルアンドエル・プロダクツ・インコーポレイテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】L&L PRODUCTS,INC.
【住所又は居所原語表記】160 McLean Drive,Romeo,Michigan,USA
【Fターム(参考)】