説明

シーリング・ポンプアップ装置、及び、シーリング・ポンプアップ方法

【課題】タイヤ内へのシーリング剤注入時の圧力設定とタイヤ昇圧時の圧力設定とを1つの簡易な構成の圧力切換弁で行うことができるシーリング・ポンプアップ装置、及び、シーリング・ポンプアップ方法を提供することを課題とする。
【解決手段】シーリング・ポンプアップ装置は、シーリング剤が収容された液剤容器と空気入りタイヤとの間に圧力切換用安全弁52を備えている。圧力切換用安全弁52は、筒部と、筒部58内を往復動する弁体60と、弁体60を上流側に向けて付勢する圧縮コイルバネ66と、を有する。筒部58の側部には、筒部長手方向位置が互いに異なっていて筒部内側とタイヤ側接続配管とを連通させる第1筒孔部70及び第2筒孔部72が形成されている。弁体60には、上流側に連通し弁体側壁に開口する弁流路96が形成されている。そして、弁体60の筒部長手方向位置を切り換えることにより圧力切換用安全弁52の開閉を切り換える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パンクした空気入りタイヤをシールするためのシーリング剤を空気入りタイヤ内へ注入すると共に、空気入りタイヤ内に圧縮空気を供給して空気入りタイヤの内圧を昇圧するシーリング・ポンプアップ装置、及び、シーリング・ポンプアップ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」という。)がパンクした際に、タイヤ及びホイールを交換することなく、タイヤをシーリング剤により補修して所定の指定圧まで内圧をポンプアップするシーリング・ポンプアップ装置が普及している。この種のシーリング・ポンプアップ装置としては、例えば、特許文献1に記載されているものが知られている。
【0003】
このようなシーリング・ポンプアップ装置は、圧縮空気を供給するためのコンプレッサ、及び、シーリング剤(補修液)が収容された液剤容器を備えている。このシーリング・ポンプアップ装置では、コンプレッサから液剤容器へ圧縮空気が送り込まれて、シーリング剤が空気入りタイヤへ供給され、その後、コンプレッサからの圧縮空気により、空気入りタイヤがポンプアップされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−108215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、シーリング剤を空気入りタイヤへ供給するために必要とされる注入圧力と、空気入りタイヤをポンプアップするために必要とされるポンプアップ圧力とは、互いに異なることが多い。
【0006】
しかしながら、通常、コンプレッサから供給される圧縮空気の圧力は一定である。このため、シーリング・ポンプアップ装置に設けられた安全弁の作動圧力をシーリング剤注入用の圧力で設定した場合、シーリング剤注入後、必要とされるポンプアップ圧力よりも高い圧力にまでポンプアップしてしまうことが考えられる。
【0007】
また、シーリング・ポンプアップ装置に設けられた安全弁の作動圧力をポンプアップ用の圧力で設定した場合、シーリング剤を注入する際の圧力不足が生じて、注入時間が増大してしまうことが考えられる。このことは、低温環境下などシーリング剤の粘度が上昇する環境において特に懸念される。
【0008】
本発明は、上記事実を考慮して、タイヤ内へのシーリング剤注入時の圧力設定とタイヤ昇圧時の圧力設定とを1つの簡易な構成の圧力切換弁で行うことができるシーリング・ポンプアップ装置、及び、シーリング・ポンプアップ方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、圧縮空気を生成し、生成した圧縮空気を供給する空気供給源と、シーリング剤が収容され、前記空気供給源から圧縮空気が供給されて、前記シーリング剤を空気入りタイヤへ供給する液剤供給源と、前記液剤供給源と前記空気入りタイヤとを接続する接続配管に設けられた圧力切換弁と、を備え、前記圧力切換弁は、筒部と、前記筒部内を往復動する弁体と、圧縮空気の流れ方向の上流側に向けて前記弁体を付勢する付勢手段と、を有し、前記筒部の側部には、筒部長手方向位置が互いに異なっていて筒部内側とタイヤ側接続配管とを連通させるシーリング剤注入用、及び、ポンプアップ用の2つの開口部が形成され、前記弁体には、上流側に連通するとともに弁体側壁に開口する弁流路が形成されている。
【0010】
請求項1に記載の発明では、シーリング・ポンプアップ装置を稼動させて、圧力切換弁の上流側の圧力がシーリング剤用設定圧力に到達すると、弁流路が開口部の一方と連通する位置にまで弁体が移動し、シーリング剤が空気入りタイヤ内へ注入される。
シーリング剤の注入が完了すると、タイヤ側接続配管と、空気圧がまだ低いタイヤ内の空間とが連通する。このため、タイヤ接続配管内の空気圧が急激に下がるので弁流路内の空気圧が急激に下がる。従って、付勢手段の付勢方向に弁体が移動する。その後、空気供給源からの圧縮空気によって弁体が付勢手段の付勢力に抗して移動する。そして、上記釣合位置に弁体が移動して、弁流路が開口部の他方に連通し、空気入りタイヤに空気が注入される。
筒部内が規定のタイヤ圧力よりも高くなるまで空気がタイヤ内へ注入されると、圧縮空気によって弁体が付勢手段の付勢方向とは逆方向に移動して、弁流路は開口部の何れにも連通しない。従って、タイヤ圧力が規定のタイヤ圧力(ポンプアップ用設定圧力)よりも高くことが回避されている。
従って、1つの圧力切換弁で、タイヤ内への補修液(シーリング剤)注入時の圧力設定とタイヤ昇圧時の圧力設定とを行うことができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記筒部の内側壁には案内溝が形成され、前記弁体の外側壁には、前記案内溝に係合する突部が形成されている。
これにより、簡易な機構で弁体の位置を切り換えることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、前記筒部が円筒状であり、前記開口部として、第1筒孔部と、前記第1筒孔部よりも筒部長手方向位置が前記付勢手段による付勢方向側とされた第2筒孔部とが形成され、前記案内溝は、筒部長手方向に沿って形成された直線溝と、前記直線溝の終端から前記付勢手段の付勢方向とは反対側へ斜め周方向に延びる傾斜溝とを有する第1案内溝と、前記傾斜溝の終端から前記付勢手段の付勢方向へ延びる第2案内溝と、で構成され、シーリング剤が供給される前は、前記付勢手段の付勢力で前記直線溝の始端に前記突部が位置し、シーリング剤の供給が開始されると、前記突部が前記直線溝を通過して前記傾斜溝の終端に位置して前記弁流路が前記第1筒孔部に連通し、シーリング剤の供給が完了すると、前記突部が前記第2案内溝に進入し、前記弁体が前記釣合位置に移動して前記弁流路が前記第2筒孔部に連通する。
請求項3に記載の発明では、弁体は、第1案内溝に沿って移動した後、第2案内溝に進入する。そして、第2筒孔部の筒部長手方向位置が第1筒孔部よりも付勢手段による付勢方向側であるので、弁流路が第2筒孔部に連通するときの圧力は、弁流路が第1筒孔部に連通するときの圧力よりも低い。
【0013】
請求項4に記載の発明は、前記筒部が円筒状であり、前記開口部として、第1筒孔部と、前記第1筒孔部よりも筒部長手方向位置が前記付勢手段による付勢方向とは逆方向側とされた第2筒孔部とが形成され、前記案内溝は、筒部長手方向に沿って形成された直線溝と、前記直線溝の終端から前記付勢手段の付勢方向とは反対側へ斜め周方向に延びる傾斜溝とを有する第1案内溝と、前記傾斜溝の終端から前記付勢手段の付勢方向へ延びる第2直線溝と、前記第2直線溝の終端から前記付勢手段の付勢方向側へ斜め周方向に延びる第2傾斜溝と、を有する第2案内溝と、前記第2傾斜溝の終端から前記付勢手段の付勢方向とは反対側へ延びる第3案内溝と、で構成され、シーリング剤が供給される前では、前記付勢手段の付勢力で前記直線溝の始端に前記突部が位置し、シーリング剤の供給が開始されると、前記突部が前記直線溝を通過して前記傾斜溝の終端に位置して前記弁流路が前記第1筒孔部に連通し、シーリング剤の供給が完了すると、前記突部が前記第2直線溝に進入して前記第2傾斜溝の終端に到達し、更に、前記第3案内溝に進入し、前記弁体が前記釣合位置に位置して前記弁流路が前記第2筒孔部に連通する。
請求項4に記載の発明では、弁体は、第1案内溝に沿って移動した後、第2案内溝に沿って移動し、更に第3案内溝に進入する。そして、第2筒孔部の筒部長手方向位置が第1筒孔部よりも付勢手段による付勢方向とは逆方向側であるので、弁流路が第2筒孔部に連通するときの圧力は、弁流路が第1筒孔部に連通するときの圧力よりも高い。
【0014】
請求項5に記載の発明は、圧縮空気を生成し、生成した圧縮空気を供給する空気供給源と、シーリング剤が収容され、前記空気供給源から圧縮空気が供給されて、前記シーリング剤を空気入りタイヤへ供給する液剤供給源と、前記液剤供給源と前記空気入りタイヤとを接続する接続配管に設けられた筒部と、前記筒部内を往復動する弁体と、前記弁体を上流側に向けて付勢する付勢手段と、を有する圧力切換弁と、を用い、前記圧力切換弁にシーリング剤を供給すると、前記シーリング剤の圧力で前記弁体が移動して空気入りタイヤへシーリング剤が注入され、シーリング剤の注入が完了すると、前記付勢手段の付勢力と前記空気供給源から供給された圧縮空気による押圧力とが釣り合う釣合位置に前記弁体が移動して空気入りタイヤに空気が注入され、前記筒部内が規定のタイヤ圧力よりも高くなると空気圧で前記弁体が移動して空気入りタイヤに空気が注入されない。
請求項5に記載の発明により、1つの圧力切換弁で、タイヤ内へのシーリング剤注入時の圧力設定とタイヤ昇圧時の圧力設定とを行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、タイヤ内へのシーリング剤注入時の圧力設定とタイヤ昇圧時の圧力設定とを1つの簡易な構成の圧力切換弁で行うことができるシーリング・ポンプアップ装置、及び、シーリング・ポンプアップ方法とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1実施形態に係るシーリング・ポンプアップ装置の構成を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態のシーリング・ポンプアップ装置における液剤容器及び注入ユニットの構成を示す断面図である。
【図3】第1実施形態に係るシーリング・ポンプアップ装置の圧力切換用安全弁の斜視図である。
【図4】図4(A)及び(B)は、それぞれ、第1実施形態に係るシーリング・ポンプアップ装置の圧力切換用安全弁の側面断面図、及び、図4(A)の矢視4B−4Bの断面図である。
【図5】図5(A)及び(B)は、それぞれ、第1実施形態に係るシーリング・ポンプアップ装置の圧力切換用安全弁の側面断面図、及び、図5(A)の矢視5B−5Bの断面図である。
【図6】図6(A)及び(B)は、それぞれ、第1実施形態に係るシーリング・ポンプアップ装置の圧力切換用安全弁の側面断面図、及び、図6(A)の矢視6B−6Bの断面図である。
【図7】図7(A)及び(B)は、それぞれ、第1実施形態に係るシーリング・ポンプアップ装置の圧力切換用安全弁の側面断面図、及び、図7(A)の矢視7B−7Bの断面図である。
【図8】第2実施形態に係るシーリング・ポンプアップ装置の圧力切換用安全弁の斜視図である。
【図9】図9(A)及び(B)は、それぞれ、第2実施形態に係るシーリング・ポンプアップ装置の圧力切換用安全弁の側面断面図、及び、図9(A)の矢視9B−9Bの断面図である。
【図10】図10(A)及び(B)は、それぞれ、第1実施形態に係るシーリング・ポンプアップ装置の圧力切換用安全弁の側面断面図、及び、図10(A)の矢視10B−10Bの断面図である。
【図11】図11(A)及び(B)は、それぞれ、第1実施形態に係るシーリング・ポンプアップ装置の圧力切換用安全弁の側面断面図、及び、図11(A)の矢視11B−11Bの断面図である。
【図12】第3実施形態に係るシーリング・ポンプアップ装置の圧力切換用安全弁の側面断面図である。
【図13】図12の矢視13−13から見た弁体の下面図である。
【図14】第3実施形態に係るシーリング・ポンプアップ装置の圧力切換用安全弁の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、実施形態を挙げ、本発明の実施の形態について説明する。なお、第2実施形態以下では、既に説明した構成要素と同様のものには同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0018】
[第1実施形態]
まず、第1実施形態について説明する。図1に示すように、本実施形態に係るシーリング・ポンプアップ装置10は、自動車等の車両に装着された空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」という。)がパンクした際、そのタイヤ及びホイールを交換することなく、タイヤをシーリング剤により補修して所定の指定圧まで内圧を再加圧(ポンプアップ)するものである。
【0019】
シーリング・ポンプアップ装置10は外殻部としてケーシング11を備えており、このケーシング11の内部には、コンプレッサユニット12、注入ユニット20及び、この注入ユニット20に連結固定された液剤容器18が配置されている。
シーリング・ポンプアップ装置10には、コンプレッサのON/OFFを行うためのスイッチ60が設けられている。また、タイヤ46へ供給される圧縮空気の圧力を表示する圧力ゲージGが設けられている。
【0020】
コンプレッサユニット12には、その内部にモータ、エアコンプレッサ12A、電源回路、制御基板等が配置されると共に、電源回路からユニット外部へ延出する電源ケーブル14が設けられている。この電源ケーブル14の先端部に設けられたプラグ15を、例えば、車両に設置されたシガレットライターのソケットに差込むことにより、車両に搭載されたバッテリにより電源回路を通してモータ等へ電源が供給可能になる。ここで、コンプレッサユニット12は、そのエアコンプレッサ12Aにより修理すべきタイヤ46の種類毎に規定された指定圧よりも高圧(例えば、500kPa以上)の圧縮空気を発生可能とされている。
【0021】
図2に示すように、液剤容器18内には、シーリング・ポンプアップ装置10により修理すべきタイヤ46の種類、サイズ等に応じた規定量(例えば、300g〜800g)よりも若干多めのシーリング剤Sが充填されている。液剤容器18の下端部には、シーリング剤の吐出口24が開口されており、この吐出口24は膜状のアルミシール26により閉塞されている。液剤容器18の下側には、注入ユニット20が連結されている。
【0022】
注入ユニット20は、上端側が開口して略有底円筒状に形成されたユニット本体部30及び、このユニット本体部30の下端部から外周側へ延出する円板状の脚部38を備えている。ユニット本体部30には、液剤容器18の吐出口24側と連結される上開口部32、コンプレッサユニット12から延出される耐圧ホース40と連結される第1連結部33、及び、タイヤ46側へ接続されるジョイントホース42と連結される第2連結部34が構成されている。また、ユニット本体部30には、アルミシール26に対向するように穿孔部材27が配置されている。穿孔部材27は、ユニット本体部30内に構成された連通路35に軸部27Aが挿入されており、押圧治具36を連通路35の下側から挿入することにより、液剤容器18側へ押し出されて、アルミシール26を突き破って液剤容器18内へ入り込む。押圧治具36は、連通路35に保持され、吐出口24、上開口部32、第1連結部33、及び、第2連結部34が、連通される。
【0023】
空気供給路としての耐圧ホース40は、その基端部がコンプレッサユニット12内のエアコンプレッサ12Aに接続され、他端部が第1連結部33に接続されている。
ジョイントホース42には、ケーシング11内に配置された圧力切換用安全弁52が取り付けられている。ここで、ジョイントホース42を構成する液剤容器側ジョイントホース42Aは、上流端で第2連結部34に接続され、下流端で圧力切換用安全弁52の上流側接続部54(図3〜図6参照)に接続されている。そして、ジョイントホース42を構成するタイヤ側ジョイントホース42Bは、上流端で圧力切換用安全弁52の下流側接続部56に接続され、下流端でバルブアダプタ44を介してタイヤ46のタイヤバルブ48に接続される。ジョイントホース42は、シーリング剤Sの供給時には、液体供給路として機能し、タイヤポンプアップ時には、空気供給路として機能する。
【0024】
圧力切換用安全弁52は、円筒状の筒部58と、筒部58内を往復動する円柱状の弁体60と、を備えている。上流側接続部54は筒部58の一方端に形成され、下流側接続部56は筒部58の外側部に形成されている。筒部58の他方端には平板状の底部64が形成されており、弁体60と底部64との間には、弁体60を一方端方向(以下、F方向という)に向けて付勢する圧縮コイルバネ66が設けられている。なお、底部64には、弁体60が他方端方向(以下、B方向という)へ移動したときに弁体60と底部64との間の空気を外部に排出できるように孔部65が形成されている。
【0025】
筒部58には、筒部内と筒部外とを連通させる第1筒孔部70と第2筒孔部72とが形成されている。第2筒孔部72の筒部長手方向位置は、第1筒孔部70よりもF方向側、すなわち上流側の位置とされている。また、第2筒孔部72の筒部内壁の円周方向位置は、第1筒孔部70よりもR方向に90°回転した位置とされている。また、筒部58の外側壁には、上記の下流側接続部56を有するとともに第1筒孔部70及び第2筒孔部72の周囲を密閉する張出し部74が設けられている。
【0026】
筒部58の内壁には、第1案内溝80と、第1案内溝80の終端に連続する第2案内溝90とが形成されている。第1案内溝80は、他方端方向であるB方向に向けて始端から延びる直線状溝82と、直線状溝82の終端に連続して湾曲しつつ延び出し、B方向とR方向との間の方向、すなわち圧縮コイルバネ66の付勢方向とは反対側へ斜め周方向に延びる傾斜溝84と、で構成される。第2案内溝90は、傾斜溝84の終端84E、すなわち、第1案内溝80の終端80Eに連続して一方端方向であるF方向に直線状に延びている。従って、第2案内溝90の終端90Eは、第1案内溝80の終端80EよりもF方向側、すなわち圧縮コイルバネ66の付勢方向側に位置している。
【0027】
弁体60には、第1案内溝80及び第2案内溝90に案内される突部94と、弁体60の上流側に連通するとともに弁体側壁に開口する弁流路96と、が形成されている。そして、第1案内溝80の終端80Eに突部94が位置するときには弁流路96の下流端側開口98が第1筒孔部70に連通し、第2案内溝90の所定位置90K(図6参照)に突部94が位置するときには弁流路96の下流端側開口98が第2筒孔部72に連通するように、第1案内溝80、第2案内溝90、及び、弁流路96の位置、形状が決められている。本実施形態では、この所定位置90Kは、第2案内溝90の終端90EよりもややB方向側の位置とされている。この位置は、第1案内溝80の終端80EよりもF方向側の位置である。
【0028】
更に、弁流路96の下流端側開口98が第1筒孔部70に連通するときの圧力が、タイヤ46へシーリング剤を供給するシーリング剤用設定圧力P1となり、かつ、弁流路96の下流端側開口98が第2筒孔部72に連通するときの圧力が、タイヤ46をポンプアップするポンプアップ用設定圧力P2となるように、第1筒孔部70、第2筒孔部72、及び、弁流路96の下流端側開口98の各筒部長手方向位置と、圧縮コイルバネ66のバネ定数と、が設定されている。
【0029】
また、図4に示すように、筒部58には、弁体60がF方向側端に位置しているときにおける弁体60の他方端側の付近の円筒内壁部と、弁流路96の下流端側開口98よりもやや上流側(F方向側)の円筒内壁部とに、オーリングを入れる溝がそれぞれ形成されており、この溝にそれぞれオーリング100A、100Bが配置されている。
また、弁体60には、弁体60の下流端側開口98の周囲にオーリングを入れる溝が形成され、この溝にオーリング102が配置されている。
【0030】
以下、本実施形態の作用、効果を説明する。
タイヤ46にパンクが発生した際には、先ず、作業者は、ジョイントホース42のバルブアダプタ44をタイヤ46のタイヤバルブ48にねじ止めし、ジョイントホース42をタイヤ46内へ連通させる。
【0031】
次いで、作業者は、押圧治具36をシーリング・ポンプアップ装置10の連通路35に挿入する。これにより、押圧治具36で押された穿孔部材27により、アルミシール26が突き破られ、押圧治具36が連通路35に保持されると共に、吐出口24、上開口部32、第1連結部33、及び、第2連結部34が、連通される。
【0032】
作業者は、注入ユニット20の上側に液剤容器18が位置するようにシーリング・ポンプアップ装置10を路面上などに置き、スイッチ60をONにしてコンプレッサユニット12を作動させる。これにより、エアコンプレッサ12Aが作動してシーリング剤用設定圧力P1で圧縮空気が生成されて送給される。なお、この段階では、圧力切換用安全弁52は閉じている。
【0033】
エアコンプレッサ12Aにより生成された圧縮空気は、耐圧ホース40を通り液剤容器18へ供給される。そして、圧縮空気が液剤容器18内に供給されると、この圧縮空気が液剤容器18内でシーリング剤Sの上方へ浮上し、液剤容器18内のシーリング剤S上に空間(空気層)を形成する。
【0034】
ここで、圧力切換用安全弁52が閉じており、しかも2つの上記オーリング100A、100B、102が配置されているので、この空気層の形成に伴って液剤容器18内及びジョイントホース42A内の圧力が上昇し、圧縮コイルバネ66の付勢力に抗してB方向へ弁体60が移動していく。すなわち、突部94が、直線状溝82に沿って、第1案内溝80の始端80SからB方向に向けて移動し、更に、傾斜溝84に沿って移動し、傾斜溝84の終端84E、すなわち第1案内溝80の終端80Eにまで到達する(図5参照)。従って、弁体60は、直線状溝82に沿ってB方向に移動し、更に、傾斜溝84に沿ってR方向に回転しながらB方向に移動する。
【0035】
突部94が傾斜溝84の終端84E(第1案内溝80の終端80E)にまで到達すると、弁流路96の下流端側開口98が第1筒孔部70に連通する。そして、液剤装置18内の空気層からの空気圧により加圧されたシーリング剤Sは、アルミシール26に開けられた孔を通して吐出され、第2連結部34へ向かい、ジョイントホース42を通って空気入りタイヤ46内へ、規定圧力であるシーリング剤用設定圧力P1で注入される。
【0036】
シーリング剤Sが、液剤容器18からすべて吐出されてタイヤ内に注入されると、ジョイントホース42と、空気圧がまだ低いタイヤ内の空間とが連通する。このため、ジョイントホース42内の空気圧が急激に下がる。従って、圧縮コイルバネ66の付勢力により、弁体60が第2案内溝90に沿ってF方向へ移動する。この移動では、突部94が第2案内溝90に進入して所定位置90Kを通過し、第2案内溝90の終端90Eにまで到達する。そして、エアコンプレッサ12Aからの空気供給によって弁体60が圧縮コイルバネ66の付勢力に抗して再びB方向へ移動する。
【0037】
突部94が所定位置90Kに到達すると、弁流路96の下流端側開口98が第2筒孔部72に連通する(図6参照)。そして、エアコンプレッサ12Aから供給される圧縮空気が、ジョイントホース42を通ってタイヤ46内へポンプアップ用設定圧力P2で注入され、タイヤ46がポンプアップされる。この所定位置Kは、圧縮コイルバネ66の付勢力と、筒部58に流入する圧縮空気が弁体60を押す押圧力とが釣り合う位置に弁体60が移動したときの突部94の位置である。
【0038】
タイヤ内の空気圧がポンプアップ用設定圧力P2よりも高くなると、図7に示すように、突部94は第2案内溝90をF方向に移動して弁流路96の下流端側開口98が第2筒孔部72にも第1筒孔部70にも連通しなくなり、圧力切換用安全弁52が閉じた状態になる。従って、タイヤ内への空気の注入は遮断される。
【0039】
なお、本実施形態では、第2案内溝90において、突部94をF方向に移動可能とし、所定位置KからB方向に移動する際には、第2案内溝90の始端、すなわち第1案内溝80の終端80Eにまで到達することを規制する規制手段を設けている。この規定手段により、タイヤ圧力がポンプアップ用設定圧力P2に到達した後に弁流路96の下流端側開口98が第1筒孔部70に連通することが防止されている。
【0040】
この規制手段としては、例えば、図7に示すように、V方向に移動可能であって第2案内溝90内に出る方向に付勢されているストッパ110を設ける。このストッパの形状は、突部94がF方向に移動可能でB方向には移動不可能となるように、図7の紙面上面側に傾斜面111を形成しておく。
【0041】
次に、作業者は、コンプレッサユニット12に設けられた圧力ゲージGによりタイヤ46の内圧が指定圧になったことを確認したならば、コンプレッサユニット12を停止し、バルブアダプタ44をタイヤバルブ48から取り外す。
【0042】
作業者は、タイヤ46の膨張完了後一定時間内に、シーリング剤Sが注入されたタイヤ46を用いて一定距離に亘って予備走行する。これにより、タイヤ46内部にシーリング剤Sが均一に拡散し、シーリング剤Sがパンク穴に充填されてパンク穴を閉塞する。予備走行完了後に、作業者は、タイヤ46の内圧を再測定し、必要に応じて再びジョイントホース42のバルブアダプタ44をタイヤバルブ48にねじ止めし、コンプレッサユニット12を再作動させてタイヤ46を規定の内圧まで加圧する。これにより、タイヤ46のパンク修理が完了し、このタイヤ46を用いて一定の距離範囲内で一定速度以下(例えば、80Km/h以下)での走行が可能になる。
【0043】
以上説明したように、本実施形態のシーリング・ポンプアップ装置10では、シーリング剤Sの注入時にはシーリング剤用設定圧力P1で圧縮空気を液剤容器18へ供給し、シーリング剤Sが液剤容器18から排出された後にタイヤ46をポンプアップする時には、ポンプアップ用設定圧力P2でポンプアップすることを、1つの簡易な構成の圧力切換用安全弁52で行うことができる。
【0044】
また、第2案内溝90の終端90Eは、第1案内溝80の終端80EよりもF方向側、すなわち圧縮コイルバネ66の付勢方向側に位置しており、シーリング剤用設定圧力P1はポンプアップ用設定圧力P2よりも高い。従って、シーリング剤を短時間で注入することができる。
【0045】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態では、シーリング剤用設定圧力P1をポンプアップ用設定圧力P2よりも低くする必要がある例を説明する。本実施形態に係るシーリング・ポンプアップ装置は、第1実施形態に比べ、圧力切換用安全弁52に代えて、図8〜図11に示すような圧力切換用安全弁252を有する。更に、第1筒孔部70、第2筒孔部72とは位置が異なる第1筒孔部270、第2筒孔部272が形成された筒部258を、筒部58に代えて備えている。第2筒孔部272の筒部長手方向位置は、第1筒孔部270よりもB方向側、すなわち下流側の位置とされている。また、弁体60と同様の弁体260を備えている。弁体260には弁流路96と同様の弁流路295が形成されている。
【0046】
圧力切換用安全弁252には、圧力切換用安全弁52に比べ、第1案内溝80に代えて第1案内溝280が形成され、第2案内溝90に代えて第2案内溝290及び第3案内溝296が形成されている。
第1案内溝280は、第1実施形態と同様の直線溝282、傾斜溝284を有する。なお、傾斜溝284の長さは傾斜溝84に比べてやや短い。
第2案内溝290は、第1案内溝280の終端280E(すなわち傾斜溝284の終端284E)に連続してF方向に延びる直線状溝292と、直線状溝292の終端に連続して、F方向とR方向との間の方向、すなわち圧縮コイルバネ66の付勢側へ斜め周方向に延びる傾斜溝294と、で構成される。第3案内溝296は、傾斜溝294の終端294Eに連続してB方向に直線状に延びる。
【0047】
そして、第3案内溝296の所定位置K(図11参照)は、第1案内溝280の終端280EよりもB方向側、すなわち、圧縮コイルバネ66の付勢方向とは逆方向側に位置している。ここで所定位置Kは、この位置に突部94が位置するときには弁流路295の下流端側開口298が第2筒孔部272に連通する位置である。そして、終端280Eに突部94が到達したときに弁流路295の下流端側開口298が第1筒孔部270に連通し、所定位置Kに突部94が到達したときに弁流路295の下流端側開口298が第2筒孔部272に連通するように、第1筒孔部270及び第2筒孔部272の位置が調整されている。従って、下流端側開口298が第2筒孔部272に連通するときの圧力は、下流端側開口298が第1筒孔部270に連通するときの圧力よりも高い。
【0048】
本実施形態では、第1実施形態と同様にして第1案内溝280に沿って弁体260を移動させて突部94を第1案内溝280の終端280Eに位置させて(図10参照)、シーリング剤用設定圧力P1でシーリング剤を注入する。シーリング剤Sが液剤容器18からすべて吐出されてタイヤ内に注入されると、第1実施形態で説明したように、ジョイントホース42と、空気圧がまだ低いタイヤ内の空間とが連通する。このため、ジョイントホース42内の空気圧が急激に下がる。従って、圧縮コイルバネ66の付勢力により、弁体260が第2案内溝290に沿ってF方向へ移動する。この移動では、突部94は、直線状溝292、更に湾曲溝294に進入し、湾曲溝294の終端294Eにまで到達して移動を停止する(図11の二点鎖線で示す突部94を参照)。そして、エアコンプレッサ12Aからの空気供給によって弁体260が圧縮コイルバネ66の付勢力に抗して再びB方向へ移動する。
【0049】
突部94が第3案内溝296の所定位置Kに到達すると、弁流路295の下流端側開口298が第2筒孔部272に連通する(図11参照)。そして、エアコンプレッサ12Aから供給される圧縮空気が、ジョイントホース42を通ってタイヤ46内へポンプアップ用設定圧力P2で注入され、タイヤ46がポンプアップされる。
【0050】
タイヤ内の空気圧がポンプアップ用設定圧力P2よりも高くなると、突部94は第3案内溝296を更にB方向に移動して弁流路295の下流端側開口298が第2筒孔部272にも第1筒孔部270にも連通しなくなり、圧力切換用安全弁252が閉じた状態になる。従って、タイヤ内への空気の注入は遮断される。
【0051】
このように、本実施形態では、第3案内溝296の所定位置Kは、第1案内溝280の終端280Eよりも他方端側(B方向側)に位置しており、シーリング剤用設定圧力P1はポンプアップ用設定圧力P2よりも低い。従って、高い圧力で高速に注入すると弊害が生じるようなシーリング剤を、このような弊害を生じさせずにタイヤ内へ注入することができ、その後、所定の圧力にまでタイヤをポンプアップすることができる。すなわち、このようにP1、P2で設定圧力を異ならせることにより、シーリング剤Sに過度な圧力が加わって、シーリング剤Sがゲル化してシーリング機能に影響を与えたり、シーリング剤Sがタイヤバルブで詰まってしまったりすることを防止することができる。
【0052】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態に係るシーリング・ポンプアップ装置は、第1実施形態に比べ、図12〜図14に示すように、筒部58に代えて筒部358と、弁体60に代えて弁体360と、が設けられた圧力切換用安全弁352を備えている。
【0053】
弁体360には、弁体360の上流側(F方向側)と弁体360の側壁の2箇所とに開口する弁流路396が形成されている。すなわち、弁流路396は、弁体360の側壁に、第1開口399と、第1開口399よりも下流側(B方向側)に開口する第2開口400とを有する。第1開口399と第2開口400は、円周方向位置が互いに同じとされている。第2開口400の開口径は、第1開口399に比べて小さい(図13参照)。
【0054】
そして、筒部358には、第1筒孔部370が形成され、第2筒孔部は形成されていない。このため、張出し部74(図3〜図6参照)に代えて、タイヤ側ジョイントホース42Bが接続する下流側接続部56を有するとともに第1筒孔部370の周囲を密閉する小型の張出し部374が、筒部358の外側壁に設けられている。
筒部358の内壁には、筒部長手方向に沿って形成された直線状の案内溝380が形成されている。弁体360の側壁には案内溝380に案内される突部394が突設されている。
【0055】
本実施形態では、シーリング剤設定圧力P1でシーリング剤を注入する際に、エアコンプレッサ12Aからの圧縮空気の圧力を高くして、突部394を案内溝380の始端380Sから終端380Eにまで素早く移動させて、第1開口399を第1筒孔部370に連通させる(図12参照)。その際、第2開口400が第1筒孔部370に瞬間的に連通するが、連通している時間が短いので、問題は生じない。また、第1開口399の開口径が比較的大きいので、シーリング剤が第1開口399を通過する際にシーリング剤に大きなせん断力が作用して固まり易くなることは回避されている。
【0056】
シーリング剤Sが液剤容器18からすべて吐出されてタイヤ内へ注入されると、ジョイントホース42内の空気圧が急激に下がり、圧縮コイルバネ66の付勢力により、弁体360が案内溝380に沿ってF方向へ移動する。この移動では、突部94が所定位置360Kを通過する。そして、エアコンプレッサ12Aからの空気供給によって弁体360が圧縮コイルバネ66の付勢力に抗して再びB方向へ移動する。
【0057】
突部94が所定位置380Kに到達すると、第2開口400が第1筒孔部370に連通する(図14参照)。そして、ポンプアップ用設定圧力P2でタイヤをポンプアップする。ポンプアップする際には、第2開口400の開口径が比較的小さくても、充分に短時間でポンプアップすることができる。
【0058】
タイヤ内の空気圧がポンプアップ用設定圧力P2よりも高くなると、突部94は更にB方向に移動して弁流路396の第1開口399、第2開口400の何れも第1筒孔部370に連通しなくなり、圧力切換用安全弁352が閉じた状態になる。従って、タイヤ内への空気の注入は遮断される。なお、第1実施形態と同様に、タイヤ圧力がポンプアップ用設定圧力P2に到達した後に弁流路396の第1開口399及び第2開口400が第1筒孔部370に連通することを防止する規制手段が設置されていることが好ましい。
【0059】
以上説明したように、本実施形態では、弁体360を円周方向に移動させなくても、1つの圧力切換用安全弁352で、タイヤ内へのシーリング剤注入時の圧力設定P1とタイヤ昇圧時の圧力設定P2とを行うことができる。
【0060】
以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲がこれらの実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0061】
10 シーリング・ポンプアップ装置
12A エアコンプレッサ(空気供給源)
18 液剤容器(空気供給源)
40 耐圧ホース(接続配管)
42 ジョイントホース(接続配管、タイヤ側接続配管)
42A 液剤容器側ジョイントホース(接続配管)
42B タイヤ側ジョイントホース(タイヤ側接続配管)
46 タイヤ(空気入りタイヤ)
52 圧力切換用安全弁(圧力切換弁)
58 筒部
60 弁体
66 圧縮コイルバネ
70 第1筒孔部
72 第2筒孔部
80 第1案内溝
82 直線溝
84 傾斜溝
90 第2案内溝
94 突部
96 弁流路
98 下流端側開口
252 圧力切換用安全弁(圧力切換弁)
258 筒部
260 弁体
270 第1筒孔部
272 第2筒孔部
280 第1案内溝
282 直線溝
284 傾斜溝
290 第2案内溝
292 直線溝(第2直線溝)
294 傾斜溝(第2傾斜溝)
295 弁流路
296 第3案内溝
352 圧力切換用安全弁(圧力切換弁)
358 筒部
360 弁体
396 弁流路
380 案内溝
394 突部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮空気を生成し、生成した圧縮空気を供給する空気供給源と、
シーリング剤が収容され、前記空気供給源から圧縮空気が供給されて、前記シーリング剤を空気入りタイヤへ供給する液剤供給源と、
前記液剤供給源と前記空気入りタイヤとを接続する接続配管に設けられた圧力切換弁と、
を備え、
前記圧力切換弁は、筒部と、
前記筒部内を往復動する弁体と、
圧縮空気の流れ方向の上流側に向けて前記弁体を付勢する付勢手段と、
を有し、
前記筒部の側部には、筒部長手方向位置が互いに異なっていて筒部内側とタイヤ側接続配管とを連通させるシーリング剤注入用、及び、ポンプアップ用の2つの開口部が形成され、
前記弁体には、上流側に連通するとともに弁体側壁に開口する弁流路が形成されている、シーリング・ポンプアップ装置。
【請求項2】
前記筒部の内側壁には案内溝が形成され、
前記弁体の外側壁には、前記案内溝に係合する突部が形成されている、請求項1に記載のシーリング・ポンプアップ装置。
【請求項3】
前記筒部が円筒状であり、
前記開口部として、第1筒孔部と、前記第1筒孔部よりも筒部長手方向位置が前記付勢手段による付勢方向側とされた第2筒孔部とが形成され、
前記案内溝は、
筒部長手方向に沿って形成された直線溝と、前記直線溝の終端から前記付勢手段の付勢方向とは反対側へ斜め周方向に延びる傾斜溝とを有する第1案内溝と、
前記傾斜溝の終端から前記付勢手段の付勢方向へ延びる第2案内溝と、
で構成され、
シーリング剤が供給される前は、前記付勢手段の付勢力で前記直線溝の始端に前記突部が位置し、
シーリング剤の供給が開始されると、前記突部が前記直線溝を通過して前記傾斜溝の終端に位置して前記弁流路が前記第1筒孔部に連通し、
シーリング剤の供給が完了すると、前記突部が前記第2案内溝に進入し、前記弁体が前記釣合位置に移動して前記弁流路が前記第2筒孔部に連通する、請求項2に記載のシーリング・ポンプアップ装置。
【請求項4】
前記筒部が円筒状であり、
前記開口部として、第1筒孔部と、前記第1筒孔部よりも筒部長手方向位置が前記付勢手段による付勢方向とは逆方向側とされた第2筒孔部とが形成され、
前記案内溝は、
筒部長手方向に沿って形成された直線溝と、前記直線溝の終端から前記付勢手段の付勢方向とは反対側へ斜め周方向に延びる傾斜溝とを有する第1案内溝と、
前記傾斜溝の終端から前記付勢手段の付勢方向へ延びる第2直線溝と、前記第2直線溝の終端から前記付勢手段の付勢方向側へ斜め周方向に延びる第2傾斜溝と、を有する第2案内溝と、
前記第2傾斜溝の終端から前記付勢手段の付勢方向とは反対側へ延びる第3案内溝と、
で構成され、
シーリング剤が供給される前では、前記付勢手段の付勢力で前記直線溝の始端に前記突部が位置し、
シーリング剤の供給が開始されると、前記突部が前記直線溝を通過して前記傾斜溝の終端に位置して前記弁流路が前記第1筒孔部に連通し、
シーリング剤の供給が完了すると、前記突部が前記第2直線溝に進入して前記第2傾斜溝の終端に到達し、更に、前記第3案内溝に進入し、前記弁体が前記釣合位置に位置して前記弁流路が前記第2筒孔部に連通する、請求項2に記載のシーリング・ポンプアップ装置。
【請求項5】
圧縮空気を生成し、生成した圧縮空気を供給する空気供給源と、
シーリング剤が収容され、前記空気供給源から圧縮空気が供給されて、前記シーリング剤を空気入りタイヤへ供給する液剤供給源と、
前記液剤供給源と前記空気入りタイヤとを接続する接続配管に設けられた筒部と、前記筒部内を往復動する弁体と、前記弁体を上流側に向けて付勢する付勢手段と、を有する圧力切換弁と、
を用い、
前記圧力切換弁にシーリング剤を供給すると、前記シーリング剤の圧力で前記弁体が移動して空気入りタイヤへシーリング剤が注入され、
シーリング剤の注入が完了すると、前記付勢手段の付勢力と前記空気供給源から供給された圧縮空気による押圧力とが釣り合う釣合位置に前記弁体が移動して空気入りタイヤに空気が注入され、
前記筒部内が規定のタイヤ圧力よりも高くなると空気圧で前記弁体が移動して空気入りタイヤに空気が注入されない、シーリング・ポンプアップ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−208192(P2010−208192A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−57882(P2009−57882)
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】