説明

シールリングおよびシールリング製造方法

【課題】摺動による摩耗を抑制しつつ安定したシール性を得ることができるシールリングおよびシールリングの製造方法を提供する。
【解決手段】軸孔を有するハウジングと軸孔に挿入される軸のうちの一方の部材に設けられた環状溝に装着されて、これら2部材間の環状隙間をシールするシールリング1において、シール面以外の領域において、環状溝に設けられた穴に嵌められる突起13を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールリングおよびシールリングの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、軸孔と軸との間の環状隙間を密封するため、軸孔と軸のいずれかの表面に設けられた溝に装着されて使用されるシールリングが知られており、例えば、自動車用のAT(オートマチックトランスミッション)等の各種油圧機器に用いられている。
【0003】
図10に示すシールリング100は、軸孔が設けられたハウジング200と、この軸孔に挿入された軸300との間の環状隙間をシールするものであり、軸300に設けられた環状溝301に装着されて使用される。
【0004】
樹脂材料からなるシールリング100は、軸300に設けられた環状溝301の側壁面をシールするための第1シール面101と、ハウジング200に設けられた軸孔の内周面をシールするための第2シール面102と、を備えている。
【0005】
密封流体側Oから非密封流体側Aに向けて、図10中矢印P方向から圧力が加わると、シールリング100は、非密封流体側Aに押圧されるため、第1シール面101が環状溝301の側壁面を押圧し、また、第2シール面102が環状溝301に対向するハウジング200に設けられた軸孔の内周面を押圧し、それぞれの位置でシールする。このようにして、密封流体の非密封流体側Aへの漏れを防止している。
【0006】
このようなシールリング100は、ハウジング200と軸300の相対移動時においては、基本的に、第1シール面101と軸300の環状溝301の側壁面とが摺動するように設計されている。
【0007】
したがって、軽量化等のため、軸300の材料としてアルミや圧延軟鋼等の軟質材料を採用した場合には、シールリング100との摺動によって摺動面に摩耗が発生してしまっていた。
【0008】
このような摩耗対策としては、シールリング100が摺動する溝側壁面に硬質の金属を圧入したり、表面処理を施して摺動面の摩耗を防止する方法等があるが、コストが高くなってしまう。
【0009】
そこで、カット部を有するCリング状の環状部材を環状溝に装着し、該カット部に係合可能な突起をシールリングの側面に設けて、突起とカット部との係合により、耐摩耗性の低い材料を使用した部位の摺動を防止する取り付け構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3536602号公報
【特許文献2】特開平11−90961号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記構造においては、シール面を形成するシールリング側面に設けた突起を環状部材のカット部に嵌める構成であるため、温度変化による膨張収縮変形等が生じた場合には環状溝と突起との接触が不安定となり、安定したシール性を得ることができない。
【0011】
また、カット部の形状の設定自由度がないため、温度変化等による周長変化等に対応可能な特殊ステップカット等を採用することができない。
【0012】
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、摺動による摩耗を抑制しつつ安定したシール性を得ることができるシールリングおよびシールリングの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明におけるシールリングは、
軸孔を有するハウジングと軸孔に挿入される軸のうちの一方の部材に設けられた環状溝に装着されて、これら2部材間の環状隙間をシールするシールリングにおいて、
シール面以外の領域において、環状溝に設けられた穴に嵌められる突起を備えることを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、ハウジングと軸の相対移動時において、環状溝に設けられた穴に嵌められた突起が該穴に係合し、シールリングは環状溝が設けられた部材とともに移動することなり、シールリングと環状溝が設けられた部材との摺動が規制される。
【0015】
また、このような摺動規制手段をシール面以外の領域に設けているので、シール面が不安定となることがなく、安定したシール性を得ることができる。
【0016】
突起は、シールリングの内周面に設けられ、軸の外周面に設けられた環状溝の溝底面に設けられた穴に嵌められるのもよい。
【0017】
上記目的を達成するために、本発明におけるシールリングの製造方法は、
上述したシールリングの製造方法であって、
シールリング本体の形状を形作るためのキャビティと、
溶融材料をキャビティ内に射出するためのゲート部と、
キャビティ内に射出された溶融材料のうちウェルド部の溶融材料を排出するためのタブと、を備えた成形金型を用いて、
シールリング本体部分と、ゲート部およびタブによって成形される成形部分と、を備える成形品を射出成形し、
ゲート部によって成形される成形部分とタブによって成形される成形部分の両方またはいずれか一方をシールリングの突起として残すことを特徴とする。
【0018】
成形金型のゲート部やタブによって成形される部分は、最終製品であるシールリングにおいては、本来取り除かれる部分であるが、これらを突起として流用することにより、製造コストの低減を図ることができる。
【0019】
上記目的を達成するために、本発明におけるシールリングは、
軸孔を有するハウジングと軸孔に挿入される軸のうちの一方の部材に設けられた環状溝に装着されて、これら2部材間の環状隙間をシールするシールリングにおいて、
シール面以外の領域において、環状溝に設けられた突起が嵌められる凹部を備えることを特徴とする。
【0020】
上記目的を達成するために、本発明におけるシールリングは、
軸孔を有するハウジングと軸孔に挿入される軸のうちの一方の部材に設けられた環状溝に装着されて、これら2部材間の環状隙間をシールするシールリングにおいて、
シール面を確保しつつ、ハウジングと軸のうちの他方の部材に設けられた突起が嵌めら
れる穴を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明により、摺動による摩耗を抑制しつつ安定したシール性を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0023】
(実施例1)
まず、図1〜図4を参照して、本発明の第1の実施例に係るシールリングについて説明する。図1は、本実施例に係るシールリング1の全体を示す図であり、シールリング1を軸方向からみた様子を示している。図2は、本実施例に係るシールリング1の使用状態を示す断面図であり、図1のA−A断面に対応している。図3は、本実施例に係るシールリング1の使用状態を示す模式的一部拡大断面図である。図4(a)および(b)は、本実施例に係るシールリング1の突起13の形状の例を示す模式的斜視図であり、図4(c)および(d)は、突起13の角部と穴43の角部との関係を説明する模式図である。
【0024】
シールリング1は、断面略矩形のシールリング本体10と、シールリング本体10の内周面上に設けられた複数の突起13とから構成され、ハウジング3とハウジング3の軸穴に挿入される軸4との間の環状隙間5を密封する。
【0025】
シールリング1は、溶融可能な樹脂材料からなり、その材料としては、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、エチレン−テトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリファニレンサルファイド(PPS)等が用いられる。
【0026】
シールリング1は、軸4の外周面に設けられた環状溝40に装着され、密封対象側O(図2中左側)から矢印P方向から圧力が作用すると、シールリング1は非密封対象側A(図2中右側)に押される。
【0027】
そして、シールリング本体10の非密封対象側の側面11が環状溝40の側壁41に密着し、外周面12がハウジング3の内周面32に密着する。これにより、密封対象流体の非密封対象側Aへの漏れが抑制される。
【0028】
図1に示すように、シールリング1は、円周上の一箇所で分離されている有端状のリングからなる。このような分離部Sを設けることにより、環状溝40への装着を容易にしている。
【0029】
シールリング本体10の内周面に設けられた突起13は、シールリング1の中心軸に向かって内側に突出しており、分離部Sを構成するシールリング本体10の両端部近傍の2箇所と分離部Sの反対側の1箇所の計3箇所に設けられている。
【0030】
一方、軸4の環状溝40の溝底面には、それぞれの突起13に対応する位置に、穴43がそれぞれ設けられており、シールリング1の環状溝40への装着時においては、各突起13は、それぞれに対応する穴43に嵌められることになる。
【0031】
本実施例においては、シールリング1の突起13と軸4の環状溝40の穴43とがシー
ルリング1と軸4との摺動抑制手段として機能する。すなわち、ハウジング3と軸4との相対移動が生じた場合、各突起13がそれぞれに対応する穴43に係合し、シールリング1は軸4と一体となって移動することになるので、シールリング本体10の非密封対象側の側面11と環状溝40の側壁41とが摺動するのが抑制される。
【0032】
したがって、軸4の材料としてアルミや圧延軟鋼等の軟質材料を採用した場合でも、シールリング1と軸4の摺動が抑制されるので、軸4の摩耗を抑制することができる。その結果、安定したシール性と機器の長寿命化を図ることができる。
【0033】
また、シールリング1が摺動する溝側壁面に硬質の金属を圧入したり、表面処理を施す等の摩耗対策が不要となるので、コストを抑えることができる。
【0034】
また、各突起13が設けられる位置は、シールリング1の装着の妨げとならない箇所となっている。すなわち、シールリング1の装着においては、まず分離部Sを開いて分離部Sの反対側に設けられた突起13をこれに対応する穴43に嵌める。そして、分離部S近傍に設けられた突起13をこれに対応する穴43に嵌め込みながら分離部Sを閉じていくことにより、装着をスムーズに行うことができる。
【0035】
また、突起13はシール面に設けていないので、安定したシール面を確保することができ、また、シールリング1の分離部Sシール性を一定に保つことができる。
【0036】
本実施例に係るシールリング1においては、分離部Sに温度変化等による周長変化等に対応可能な特殊ステップカットを採用している。また、軸4の環状溝40に設けられた穴43も、周長変化等に対応可能なように、シールリング1の突起13に対してクリアランスを有するように大きめの寸法に設定されている。
【0037】
したがって、熱膨張等によってシールリング1の周長が変化しても、特殊ステップカットと、突起13と穴43のクリアランスとによって、その周長変化を吸収することができ、安定したシール性を得ることができる。
【0038】
本実施例においては、突起13の形状として図4(a)に示すような円柱状のものを採用しているが、穴43に嵌めることが可能であれば、これに限定されるものではなく、例えば、図4(b)に示すような直方体形状のものも適宜採用することができる。また、穴43の形状も同様に、適宜種々の形状のものを採用することができる。
【0039】
なお、穴43の形状を略直方体形状とし、突起13の形状として図4(b)に示すような直方体形状のものを採用した場合には、穴43の角部がR状に形成されていると、突起13の角部が穴の角部と干渉し(図4(c)中点線で囲った箇所)、突起13の破損等を生じる場合がある。
【0040】
したがって、この場合は、突起13の角部のエッジをとってR状に形成し、さらに、突起13のRが穴43のRよりも小さい場合にも突起13の角部と穴43の角部との干渉が生じるため、図4(d)に示すように、突起13のRを穴43のRよりも大きく設定する。
【0041】
次に、図5および図6を参照して本実施例に係るシールリングの製造方法について説明する。
【0042】
図5は、本実施例に係るシールリング1の成形品Wの全体を示す図であり、成形品Wを軸方向からみた様子を示している。図6は、図5のBB断面に対応する図であり、本実施
例に係るシールリング1を成形するための成形金型の断面構成を説明する図である。成形金型は型開き面PL(パーティングライン)を境界として図において上側が固定型2aであり、下側が可動型2bである。
【0043】
成形金型は、シールリング本体10の形状を形作るためのキャビィティ20と、キャビィティ20の内側領域に設けられたスプール21と、スプール21からキャビィティ20のシールリング1の両端部(分離部S)を形成する各箇所の近傍に向かって二股に延びるランナ22と、ランナ22とキャビィティ20とを接続して溶融樹脂材料をキャビィティ20内に射出するためのゲート23が設けられている。
【0044】
また、ゲート部23から射出された溶融樹脂材料の流れの先端部が突き合わさるウェルド部26の溶融樹脂材料を、キャビィティ20内から排出させるためのタブ24(キャビィティ20に連結された空洞部)が、キャビィティ20の内側領域に設けられている。
【0045】
この成形金型により成形される成形品Wは、両端部(分離部S)をわずかに開いた状態で成形されるシールリング本体10と、成形金型のスプール21、ランナ22、ゲート23、タブ24、によってそれぞれ成形される各成形部分21´、22´、23´、24´と、から構成される。
【0046】
この成形品Wから最終製品であるシールリング1への加工においては、各成形部分21´〜24´は通常取り除かれる部分である。しかし、本実施例に係るシールリング1の製造方法においては、成形部分23´および成形部分24´の一部を残しておき、シールリング1の突起13として使用する。
【0047】
すなわち、本来最終製品時には取り除かれてしまう部分を摺動抑制手段としての突起13として流用することにより、コストの低減を図ることができる。
【0048】
なお、突起13として残した成形部分23´および成形部分24´の一部は、必要に応じて、適宜加工して形状を変更することができる。また、シールリング本体10に対する成形部分23´、24´の配置位置は、図5に示した位置に限られるものではなく、製品や金型の種類等によって適宜変わるのは言うまでもない。
【0049】
(実施例2)
次に、図7および図8を参照して、本発明の第2の実施例に係るシールリングについて説明する。なお、以下で述べる構成以外の構成については、第1の実施例と実質的に同じであるため、ここでは異なる点を中心に説明し、同一部分については同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0050】
図7は、本実施例に係るシールリング1´を説明する模式図であり、(a)は、本実施例に係るシールリング1´の装着状態を示す模式的断面図であり、(b)および(c)は、軸の環状溝に設けられた突起を示す模式図であり、(d)および(e)は、本実施例に係るシールリング1´の内周面に設けられた穴および凹部を示す模式図である。図8は、本実施例に係るシールリング1´を説明する模式図であり、(a)は、本実施例に係るシールリング1´の装着状態を示す模式的断面図であり、(b)は、軸の環状溝に設けられた突起を示す模式図であり、(c)および(d)は、本実施例に係るシールリング1´の内周面に設けられた穴および凹部を示す模式図である。
【0051】
本実施例においては、シールリング1´の内周面に、第1の実施例における突起13を設ける代わりに、穴15を設け、また、環状溝40には、穴43の代わりに、突起44を設けている。
【0052】
本実施例においては、この突起44と穴15とにより、シールリング1´と環状溝40との摺動を抑制する摺動抑制手段を構成している。
【0053】
環状溝40に設けられる突起44は、図7に示すように、溝底に設けてもよいし、図8に示すように、溝側壁に設けてもよい。この場合、すなわち、突起44を溝側壁に設ける場合には、穴15はシールリング1´の側面11上に設けられる。あるいは、図8(d)に示すように、シールリング1´の内周に突起44が嵌ることが可能な凹部14を設けてもよい。
【0054】
また、シールリング内周面に設けられる穴15は、突起44に係合してシールリング1´と軸4との摺動を規制することができる面を備えたものであれば、その形状は特に限定されるものではない。したがって、突起44を溝底に設ける場合には、図7(a)、(e)に示すように、穴15の代わりに、突起44が嵌ることが可能な凹部14を設けてもよい。
【0055】
また、凹部14を設ける場合には、溝底に設ける突起の形状は、図7(a)、(b)に示すような円柱形状の突起44の代わりに、図7(c)に示すような直方体形状の突起44´であってもよい。
【0056】
(実施例3)
次に、図9を参照して、本発明の第3の実施例に係るシールリングについて説明する。なお、以下で述べる構成以外の構成については、上記実施例と実質的に同じであるため、ここでは異なる点を中心に説明し、同一部分については同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0057】
図9は、本実施例に係るシールリング1´´を説明する模式図であり、(a)は、本実施例に係るシールリング1´´の装着状態を示す模式的断面図であり、(b)は、ハウジング3の内周面に設けられた突起33を示す模式図であり、(c)は、本実施例に係るシールリング1´´の外周面12に設けられた穴16を示す模式図である。
【0058】
本実施例においては、環状溝40に突起を設ける代わりに、ハウジング3の内周面に突起33を設け、また、シールリング´´の内周面に穴を設ける代わりに、外周面12に突起33に対応する穴16を設けている。
【0059】
本実施例においては、この突起33と穴16とにより、シールリング1´´とハウジング3の内周面との摺動が抑制される。
【0060】
すなわち、本実施例に係る摺動抑制手段は、シールリング´´と軸4との摺動抑制ではなく、シールリング´´とハウジング3との摺動抑制を目的としている。したがって、本実施例においては、ハウジング3の材料にアルミや圧延軟鋼等の軟質材料を採用することができ、機器の軽量化等を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】第1の実施例に係るシールリングの全体を示す模式図である。
【図2】第1の実施例に係るシールリングの使用状態を示す模式的断面図である。
【図3】第1の実施例に係るシールリングの使用状態を示す模式図である。
【図4】第1の実施例に係るシールリングの突起を示す模式図である。
【図5】第1の実施例に係るシールリングの成形品の全体を示す模式図である。
【図6】第1の実施例に係るシールリングを成形するための成形金型を説明する模式的断面図である。
【図7】第2の実施例に係るシールリングを説明する模式図である。
【図8】第2の実施例に係るシールリングを説明する模式図である。
【図9】第3の実施例に係るシールリングを説明する模式図である。
【図10】従来技術に係るシールリングを使用状態を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
【0062】
1 シールリング
10 シールリング本体
11 側面
12 外周面
13 突起
2a 固定型
2b 可動型
20 キャビィティ
21 スプール
22 ランナ
23 ゲート
24 タブ
3 ハウジング
4 軸
40 環状溝
43 穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸孔を有するハウジングと前記軸孔に挿入される軸のうちの一方の部材に設けられた環状溝に装着されて、これら2部材間の環状隙間をシールするシールリングにおいて、
シール面以外の領域において、前記環状溝に設けられた穴に嵌められる突起を備えることを特徴とするシールリング。
【請求項2】
前記突起は、前記シールリングの内周面に設けられ、前記軸の外周面に設けられた前記環状溝の溝底面に設けられた穴に嵌められることを特徴とする請求項1に記載のシールリング。
【請求項3】
請求項1または2に記載のシールリングの製造方法であって、
シールリング本体の形状を形作るためのキャビティと、
溶融材料を前記キャビティ内に射出するためのゲート部と、
前記キャビティ内に射出された溶融材料のうちウェルド部の溶融材料を排出するためのタブと、を備えた成形金型を用いて、
シールリング本体部分と、前記ゲート部および前記タブによって成形される成形部分と、を備える成形品を射出成形し、
前記ゲート部によって成形される成形部分と前記タブによって成形される成形部分の両方またはいずれか一方をシールリングの前記突起として残すことを特徴とするシールリングの製造方法。
【請求項4】
軸孔を有するハウジングと前記軸孔に挿入される軸のうちの一方の部材に設けられた環状溝に装着されて、これら2部材間の環状隙間をシールするシールリングにおいて、
シール面以外の領域において、前記環状溝に設けられた突起が嵌められる凹部を備えることを特徴とするシールリング。
【請求項5】
軸孔を有するハウジングと前記軸孔に挿入される軸のうちの一方の部材に設けられた環状溝に装着されて、これら2部材間の環状隙間をシールするシールリングにおいて、
シール面を確保しつつ、前記ハウジングと前記軸のうちの他方の部材に設けられた突起が嵌められる穴を備えることを特徴とするシールリング。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−292296(P2007−292296A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−65312(P2007−65312)
【出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【出願人】(000004385)NOK株式会社 (1,527)
【Fターム(参考)】