説明

ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ阻害剤

式(I)の化合物及びその薬学的に許容しうる塩(式中、置換基が明細書に記載されたとおりである)をここに提供する。これらの化合物及びそれらを含有する医薬組成物は、例えば、肥満症、II型糖尿病、及び代謝症候群等の疾患の処置に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼの阻害剤に関する。阻害剤は、例えば、フェニルアクリル酸及びプロピオン酸誘導体を含み、肥満、II型糖尿病、及び代謝性症候群のような疾患を処置するのに有用である。
【0002】
トリグリセリド又はトリアシルグリセロールは、真核生物におけるエネルギー貯蔵の主形態である。哺乳類において、これらの化合物は、主に三つの組織:小腸、肝臓、及び脂肪細胞で合成される。トリグリセリド又はトリアシルグリセロールは、食物脂肪吸収、新たに合成された脂肪酸の集積、及び脂肪組織での貯蔵の主要な機能を支えている(Subauste and Burant, Current Drug Targets - Immune, Endocrine & Metabolic Disorders (2003) 3, 263-270参照)。
【0003】
ジアシルグリセロールO−アシルトランスフェラーゼは、ジグリセリドアシルトランスフェラーゼ又はDGATとしても知られている、トリグリセリド合成における鍵酵素である。DGATは、基質として1,2−ジアシルグリセロール(DAG)及び長鎖脂肪アシルCoAからのトリアシルグリセロール合成における最終の律速段階を触媒する。このように、DGATは細胞ジアシルグリセロールの代謝において重要な役割を果たし、トリグリセリド産生及びエネルギー貯蔵ホメオスタシスにきわめて重要である(Mayorek et al., European Journal of Biochemistry (1989) 182, 395-400参照)。
【0004】
DGATは、sn−1,2ジアシルグリセロールに対して特異性を有し、広範な脂肪アシル鎖長を受容する(Farese et al., Current Opinions in Lipidology (2000) 11、229-234参照)。DGAT活性レベルは、それらがインビトロで分化するにつれて脂肪細胞内で増加し、最近の証拠は、DGATが転写後に脂肪組織内で制御されうることを示唆している(Coleman et al., Journal of Molecular Biology (1978) 253, 7256-7261 and Yu et al., Journal of Molecular Biology (2002) 277, 50876-508844)。DGAT活性は、主に小胞体において発現する(Colman, Methods in Enzymology (1992) 209, 98-104)。肝細胞中において、DGAT活性は小胞体膜の細胞質及び内腔表面の双方で発現することが示されている(Owen et al., Biochemical Journal (1997) 323(pt1), 17-21 and Waterman et al., Journal of Lipid Research (2002) 43, 1555-156)。肝臓において、トリグリセリド合成及び細胞質の小滴としての保持と分泌との間の分配の制御は、VLDL産生の速度を決定するのに主に重要である(Shelness and Sellers, Current Opinions in Lipidology (2001) 12, 151-157 and Owen et al., Biochemical Journal (1997) 323 (pt l), 17-21)。
【0005】
DGATの2つの形態がクローニングされており、DGAT1及びDGAT2と称された(Cases et al., Proceedings of the National Academy of Science, USA (1998) 95, 13018-13023, Lardizabal et al., Journal of Biological Chemistry (2001) 276, 38862-38869 and Cases et al., Journal of Biological Chemistry (2001) 276, 38870-38876)。両酵素は同じ基質を利用するが、DGAT1とDGAT2との間に相同性はない。さらに、両酵素は広範囲に発現するが、種々の組織におけるDGAT1とDGAT2発現の相対量には差異が見られる。
【0006】
マウスDGAT1をコードする遺伝子は、DGATノックアウトマウスを作成するのに用いられている。これらのマウスは、機能性DGAT酵素を発現できないが(Dgat−/−マウス)、生存能力があり、トリグリセリドを合成し続ける(Smith et al., Nature Genetics (2000) 25, 87-90)。このことは、DGAT2のような、複数の触媒機構がトリグリセリド合成に寄与していることを示唆している。代替的な経路は、2個のジアシルグリセロールからジアシルグリセロールトランスアシラーゼの作用によりトリグリセリドを形成することを示している(Lehner and Kuksis, Progress in lipid Research (1996) 35, 169-210)。
【0007】
Dgat−/−マウスは、食事起因性肥満に対して耐性があり、やせたままである。高脂肪食を与えると、Dgat−/−マウスは通常の脂肪分の食事を与えたマウスに匹敵する体重を維持する。Dgat−/−マウスはまた、より低い組織トリグリセリドレベルを有する。僅かに多く食物を摂取するノックアウトマウスに見られる体重増加に対する耐性は、エネルギー消費の増大及びインスリンとレプチンへの感受性の増大に起因する(Smith et al., Nature Genetics (2000) 25, 87-90, Chen and Farese, Trends in Cardiovascular Medicine (2000) 10, 188-192, Chen and Farese, Current Opinions in Clinical Nutrition and Metabolic Care (2002) 5, 359-363 and Chen et al., Journal of Clinical Investigation (2002) 109, 1049-1055)。Dgat−/−マウスは、野生型マウスと比較してグルコース負荷後のグルコース及びインスリン濃度がより低く、トリグリセリド吸収の速度が減少し、トリグリセリド代謝が向上し、また、グルコース代謝が向上している(Buhman et al., Journal of Biological Chemistry (2002) 277, 25474-25479 and Chen and Farese, Trends in Cardiovascular Medicine (2000) 10, 188-192参照)。
【0008】
トリグリセリド代謝、吸収ならびにデノボ合成の双方における異常又は不均衡は、疾患リスクの種々の病因に関与している。これらは、肥満、インスリン抵抗性症候群、II型糖尿病、代謝性症候群(症候群X)、及び冠動脈心疾患を含む(Kahn, Nature Genetics (2000) 25, 6-7, Yanovski and Yanovski, New England Journal of Medicine (2002) 346, 591-602, Lewis et al., Endocrine Reviews (2002) 23, 201, Brazil, Nature Reviews Drug Discovery (2002) 1, 408, Malloy and Kane, Advances in Internal Medicine (2001) 47, 111, Subauste and Burant, Current Drug Targets - Immune, Endocrine & Metabolic Disorders (2003) 3, 263-270 and Yu and Ginsberg, Annals of Medicine (2004) 36, 252-261参照)。DGAT酵素の活性を阻害又は低下させることで、ジアシルグリセロールからトリグリセリドの合成を減少させることができる化合物は、トリグリセリドの異常代謝に関連する疾患を処置するための治療剤として価値があるであろう。
【0009】
公知のDGAT阻害剤は:ジベンゾキサゼピノン類(Ramharack et al., EP 1219716 and Burrows et al., 26th National Medicinal Chemistry Symposium (1998) poster C-22参照)、置換アミノ−ピリミジノ−オキサジン類(Fox et al., WO 2004047755参照)、キサントフモールなどのカルコン類(Tabata et al., Phytochemistry (1997) 46, 683-687 and Casaschi et al., Journal of Nutrition (2004) 134, 1340-1346参照)、及び置換ベンジル−ホスホン酸類(Kurogi et al., Journal of Medicinal Chemistry (1996) 39, 1433-1437, Goto, et al., Chemistry and Pharmaceutical Bulletin (1996) 44, 547-551, Ikeda, et al., Thirteenth International Symposium on Ather sclerosis (2003), abstract 2P-0401, and Miyata, et al., JP 2004067635参照)を含む。
【0010】
また、DGATの阻害剤として知られているものは:2−ブロモ−パルミチン酸(Colman et al., Biochimica et Biophysica Acta (1992) 1125, 203-9参照)、2−ブロモ−オクタン酸(Mayorek and Bar-Tana, Journal of Biological Chemistry (1985) 260, 6528-6532参照)、ロゼリピン類(Noriko et al., Journal of Antibiotics (1999) 52, 815-826参照)、アミデプシン(Tomoda et al., Journal of Antibiotics (1995) 48, 942-7参照)、イソクロモフィロン、プレニルフラボノイド類(Chung et al., Planta Medica (2004) 70, 258-260参照)、ポリアセチレン類(Lee et al., Planta Medica (2004) 70, 197-200参照)、コクリオキノン類(Lee et al., Journal of Antibiotics (2003) 56, 967-969参照)、タンシノン類(Ko et al., Archives of Pharmaceutical Research (2002) 25, 446-448参照)、ゲムフィブロジル(Zhu et al., Atherosclerosis (2002) 164, 221-228)、及び置換キノロン(Ko et al., Planta Medica (2002) 68, 1131-1133参照)である。
【0011】
しかしながら、例えば、肥満、II型糖尿病、及び代謝性症候群のような代謝異常を処置するための効能を有するさらなるDGAT阻害剤が、当該技術において必要である。さらに、約1μM未満のIC50値を有するDGAT阻害剤が当該技術において必要である。
【0012】
本発明の実施態様において、式(I):
【0013】
【化8】


の化合物を提供する。
【0014】
本発明の他の実施態様において、それを必要とする患者の肥満、II型糖尿病、又は代謝性症候群を処置するための方法を提供し、これは上記患者に治療有効量の式(I)の化合物を投与することを含む。
【0015】
本発明のさらなる実施態様において、上記式(I)の化合物に記載の治療有効量の化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステル、及び薬学的に許容されうる担体を有する医薬組成物を提供する。
【0016】
本発明は、例えば、フェニルアクリル酸及びプロピオン酸の誘導体であるDGAT阻害剤に関連する。好ましい実施態様において、本発明は、式I
【0017】
【化9】

【0018】
(式中、
Yは、(C〜C)アルキレン又はアリールで置換された(C〜C)アルキレンであり;
は、置換又は非置換のアリール、あるいは
【化10】


であり、
は、(C〜C)アルキルであり;
は、非置換のアリール、
ハロゲン、(C〜C)アルキル、及び−O(CHOCHからなる群より独立して選択される基で置換されたアリール、
S、N、及びOからなる群より選択される1〜3個のヘテロ環原子を有し、環炭素原子により結合する5又は6員ヘテロ芳香族環である、非置換の飽和、不飽和又は部分飽和ヘテロシクリル、
(C〜C)アルキルで置換された、置換の飽和、不飽和又は部分飽和ヘテロシクリル、あるいは
置換又は非置換の5〜10員シクロアルキル環であり;
mは、0、1、2、又は3である)の化合物、及びその薬学的に許容されうる塩を提供する。
【0019】
好ましくは、Yは、(C〜C)アルキレン又はアリールで置換された(C〜C)アルキレンであり、さらに好ましくは、Yは、CH=CH、(CH、又は−CH(Ar)CH(式中、nは1又は2である)である。Arはアリールを意味し、さらに好ましくは、Arはフェニルを意味する。特に好ましくは、Yが、(CHであり、nが2である、式Iの化合物である。
【0020】
同様に好ましくは、
が、非置換のアリールであるか、あるいは、
H、(C〜C)アルキル、ハロゲン、
非置換のアリール、
ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、−CF、−OCF、−SCH、−CN、−SOCH、−NO、及び−(CH)Arからなる群より独立して選択される基でモノ−、ジ−、若しくはトリ−置換されたアリール、
−O−フェニル、−O(CHCH、又は
酸素若しくはメチルオキシによりアリール環に結合している非置換若しくは置換の4〜10員シクロアルキル環、
からなる群より独立して選択される基で置換されたアリールであり;
pが、0、1、2、又は3であり;あるいは
が、
【0021】
【化11】


である、
式Iの化合物である。
【0022】
他の好ましい実施態様において、Rは、
【0023】
【化12】

【0024】
(式中、
が、H、(C〜C)アルキル、
非置換のアリール、
ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、−O(CH)(CH、−CF、−O(CHCH、−OCF、−SCH、−CH(CH、−CN、−SOCH、−NO、及び−(CH)Arからなる群より独立して選択される基でモノ−、ジ−、若しくはトリ−置換されたアリール、
−O−フェニル、−O(CHCH、あるいは
酸素若しくはメチルオキシによりアリール環に結合している非置換若しくは置換の4〜10員シクロアルキル環であり;
、R、Rは、互いに独立に、H、ハロゲン、フェニル、又は(C〜C)アルキルであり;
pが、0、1、2、又は3である)
である。
【0025】
好ましい実施態様において、Rは、−O−フェニル、−O(CHCH、あるいは酸素又はメチルオキシによりアリール環に結合している非置換又は置換の4〜10員シクロアルキル環からなる群より選択され;pが、1、2、又は3である。
【0026】
特に好ましくは、Rが、シクロペンチルオキシ又はシクロブチルメトキシ基である、式Iの化合物である。
【0027】
他の好ましい実施態様において、Rは、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、−CF、及び−CNからなる群より独立して選択される基で、モノ−、ジ−、又はトリ−置換されたフェニルである。
【0028】
最も好ましくは、Rはイソプロピルである。
【0029】
好ましい一実施形態において、Rは、非置換のフェニル又は、ハロゲン、(C〜C)アルキル、及び−O(CHOCHからなる群より独立して選択される基で置換されたフェニルであり、mが、0、1、2、又は3である。
【0030】
さらに好ましくは、Rはフェニルである。
【0031】
他の好ましい実施態様において、Rは、S、N、及びOからなる群より選択される1〜3個のヘテロ環原子を有し、非置換又は(C〜C)アルキルで置換された、環炭素原子により結合する5又は6員ヘテロ芳香族環である。
【0032】
さらに好ましくは、Rは、チオフェン、フラン、及びピリジンからなる群より選択される5又は6員ヘテロ芳香族環である。
【0033】
特に好ましくは、R及びRが、各々独立にフェニルである、式Iの化合物である。
【0034】
さらに好ましくは、本発明に係る式Iの化合物は、
安息香酸N’−[3−ビフェニル−2−イル−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−イソプロピル−N’−[3−(3’−トリフルオロメチル−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(3’−エトキシ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(3’−シアノ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(5’−クロロ−2’−メトキシ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−イソプロピル−N’−[3−(3’−ニトロ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(3’−クロロ−4’−フルオロ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(5’−イソプロピル−2’−メトキシ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(2’,5’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(5’−フルオロ−2’−メトキシ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(3’−イソプロピル−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(4’−フルオロ−2’−メチル−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−イソプロピル−N’−[3−(3’−メチル−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−ヒドラジド、
安息香酸N’−イソプロピル−N’−[3−(3’−メトキシ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(3’−クロロ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(3’−フルオロ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(2’−フルオロ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−イソプロピル−N’−[3−(2’−メチル−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(2’−クロロ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(4’−クロロ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−イソプロピル−N’−[3−(2’−メトキシ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−ヒドラジド、
安息香酸N’−イソプロピル−N’−[3−(4’−メトキシ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(4’−フルオロ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(2’,3’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−ビフェニル−3−イル−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−ビフェニル−4−イル−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−(2−9H−フルオレン−9−イル−アセチル)−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−(3,3−ジフェニル−プロピオニル)−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−イソプロピル−N’−[3−(2−フェノキシ−フェニル)−プロピオニル]−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(2’,3’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−アクリロイル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
2−(2−メトキシ−エトキシ)−安息香酸N’−[3−(2’,3’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
4−(2−メトキシ−エトキシ)−安息香酸N’−[3−(2’,3’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
チオフェン−2−カルボン酸N’−[3−(2’,3’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
チオフェン−3−カルボン酸N’−[3−(2’,3’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
フラン−2−カルボン酸N’−[3−(2’,3’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
フラン−3−カルボン酸N’−[3−(2’,3’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
イソニコチン酸N’−[3−(2’,3’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(5−フルオロ−2−プロポキシ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(2−ブトキシ−5−フルオロ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(2−シクロペンチルオキシ−5−フルオロ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(2−シクロブチルメトキシ−5−フルオロ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(3−ブロモ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド
からなる群、及びその薬学的に許容されうる全ての塩より選択される。
【0035】
最も好ましくは、式Iの化合物は、
安息香酸N’−イソプロピル−N’−[3−(3’−メトキシ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(2−シクロペンチルオキシ−5−フルオロ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(3’−クロロ−4’−フルオロ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(2’−クロロ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(2’,5’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(2−ブトキシ−5−フルオロ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(5’−イソプロピル−2’−メトキシ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(2’,3’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−アクリロイル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(2’,3’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(2−シクロブチルメトキシ−5−フルオロ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
からなる群、及びその薬学的に許容されうる全ての塩より選択される。
【0036】
本明細書で使用される専門用語は、特定の実施態様を記載するためのものであり、限定することを意図するものではないということを理解すべきである。さらに、本明細書に記載のものと類似あるいは同等の全ての方法、装置、及び材料を、本発明の実施又は試験において使用することができ、好ましい方法、装置、及び材料をここに記載する。
【0037】
本明細書で使用される用語「アルキル」は、例えば、置換されていても又は非置換であってもよい、分岐鎖状又は非分岐鎖状の、環状又は非環状の、飽和又は不飽和の(例えば、アルケニル又はアルキニル)ヒドロカルビル基を意味する。環状の場合、アルキル基は、好ましくはC〜C12−シクロアルキルであり、さらに好ましくは、C〜C10−シクロアルキル、さらに好ましくは、C〜C−シクロアルキルである。非環状の場合、アルキル基は、好ましくはC〜C10−アルキル、さらに好ましくは、C〜C−アルキル、さらに好ましくは、メチル、エチル、プロピル(n−プロピル又はイソプロピル)、ブチル(n−ブチル、イソブチル、又はtert−ブチル)、又はペンチル(n−ペンチル及びイソペンチルを含む)であり、さらに好ましくは、メチルである。したがって、本明細書で使用される用語「アルキル」は、アルキル(分岐鎖状又は非分岐鎖状)、置換アルキル(分岐鎖状又は非分岐鎖状)、アルケニル(分岐鎖状又は非分岐鎖状)、置換アルケニル(分岐鎖状又は非分岐鎖状)、アルキニル(分岐鎖状又は非分岐鎖状)、置換アルキニル(分岐鎖状又は非分岐鎖状)、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、シクロアルキニル、及び置換シクロアルキニルを含むことが理解されよう。
【0038】
本明細書で使用される用語「低級アルキル」は、例えば、分岐鎖状又は非分岐鎖状の、環状又は非環状の、飽和又は不飽和の(例えば、アルケニル又はアルキニル)ヒドロカルビル基を意味し、上記環状低級アルキル基が、C、C、C、又はC(例えば、C〜C−シクロアルキル)であり、上記非環状低級アルキル基が、(C〜C)−アルキルであり、最も好ましくは、C、C、C、又はC−アルキルであり、好ましくはメチル、エチル、プロピル(n−プロピル又はイソプロピル)、あるいはブチル(n−ブチル、イソブチル、又はtert−ブチル)から選択される。したがって、本明細書で使用される用語「低級アルキル」は、例えば、低級アルキル(分岐鎖状又は非分岐鎖状)、低級アルケニル(分岐鎖状又は非分岐鎖状)、低級アルキニル(分岐鎖状又は非分岐鎖状)、シクロ低級アルキル、シクロ低級アルケニル、及びシクロ低級アルキニルを含むことが理解されよう。
【0039】
本明細書で使用される用語「低級アルキレン」又は「(C〜C)−アルキレン」は、1〜6個の炭素原子の飽和二価ヒドロカルビル基、3〜6個の炭素原子の分岐鎖状飽和二価ヒドロカルビル基、又は不飽和二価ヒドロカルビル基を意味する。(C〜C)−アルキレン類は、例えば、アリール基により置換されてもよく、例として、基CH=CH、(CH(nは1〜6である)、又は−CH(Ar)CH(式中、Arはアリールであり、より好ましくはフェニル基である)を含む。
【0040】
本明細書で使用される用語「アリール」は、例えば、置換又は非置換の炭素環式芳香族基、例えば、フェニル又はナフチルを意味する。
【0041】
用語「ヘテロアリール」は、1個又はそれ以上、好ましくは1個のヘテロ原子を含む、置換又は非置換のヘテロ芳香族基、例えば、ピリジル、ピロリル、フラニル、チエニル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、インドリル、インダゾリル、キノリル、キナゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイソキサゾリル、及びベンズイソチアゾリルを意味する。
【0042】
アルキル、アリール、及びヘテロアリール基は、置換されていても又は非置換であってもよい。置換されている場合、一般には、例えば1〜3個の置換基が存在し、好ましくは1個の置換基が存在しうる。置換基は、例えば:炭素含有基、例えば、アルキル、アリール、アリールアルキル(例えば、置換及び非置換のフェニル、置換及び非置換のベンジル);ハロゲン原子及びハロゲン含有基、例えば、ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル);酸素含有基、例えば、アルコール類(例えば、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アリール(ヒドロキシル)アルキル)、エーテル類(例えば、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル)、アルデヒド類(例えば、カルボキシアルデヒド)、ケトン類(例えば、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアルキル、アリールカルボニル、アリールアルキルカルボニル、アリールカルボニルアルキル)、酸(例えば、カルボキシ、カルボキシアルキル)、酸誘導体、例えば、エステル類(例えば、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル)、アミド類(例えば、アミノカルボニル、モノ−又はジ−アルキルアミノカルボニル、アミノカルボニルアルキル、モノ−又はジ−アルキルアミノカルボニルアルキル、アリールアミノカルボニル)、カルバミン酸類(例えば、アルコキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、モノ−又はジ−アルキルアミノカルボニルオキシ、アリールアミノカルボニルオキシ)、及び尿素類(例えば、モノ−又はジ−アルキルアミノカルボニルアミノあるいはアリールアミノカルボニルアミノ);窒素含有基、例えば、アミン類(例えば、アミノ、モノ−又はジ−アルキルアミノ、アミノアルキル、モノ−又はジ−アルキルアミノアルキル)、アジド類、ニトリル類(例えば、シアノ、シアノアルキル)、ニトロ;硫黄含有基、例えば、チオール類、チオエーテル類、スルホキシド類、及びスルホン類(例えば、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオアルキル、アルキルスルフィニルアルキル、アルキルスルホニルアルキル、アリールチオ、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、アリールチオアルキル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニルアルキル);及び、1個又はそれ以上、好ましくは1個のヘテロ原子を含むヘテロ環基(例えば、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、テトラヒドロフラニル、ピラニル、ピロニル、ピリジル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジル、ヘキサヒドロアゼピニル、ピペラジニル、モルホリニル、チアナフチル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、インドリル、オキシインドリル、イソインドリル、インダゾリル、インドリニル、7−アザインドリル、ベンゾピラニル、クマリニル、イソクマリニル、キノリニル、イソキノリニル、ナフチリジニル、シンノリニル、キナゾリニル、ピリドピリジル、ベンゾオキサジニル、キノキサリニル、クロメニル、クロマニル、イソクロマニル、フタラジニル、及びカルボリニル)を含んでもよい。
【0043】
低級アルキル基は、置換されていても又は非置換であってもよく、好ましくは非置換である。置換されている場合、一般に、例えば1〜3個の置換基が、好ましくは1個の置換基が存在しうる。
【0044】
本明細書で使用される用語「S、N、及びOからなる群より選択される1〜3個のヘテロ環原子を有し、環炭素原子により結合する5又は6員ヘテロ芳香族環である、飽和、不飽和又は部分飽和ヘテロシクリル」は、S、N、及びOからなる群より選択される1〜3個のヘテロ環原子を有し、環炭素原子により結合する5又は6員ヘテロ芳香族環であり、例えば、ピロリル、チエニル、フラニル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピラジニル、及びピペラジニルを意味する。特に好ましくは、チエニル、フラニル、及びピリジルである。
【0045】
本明細書で使用される用語「アルコキシ」は、アルキル−O−(式中、アルキルは、上記と同様の意味を有する)を意味する。
【0046】
本明細書で使用される用語「ハロゲン」は、例えば、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素基を意味し、好ましくはフッ素、塩素、又は臭素基であり、さらに好ましくは、フッ素又は塩素基である。
【0047】
本明細書で使用される用語「薬学的に許容されうる塩」は、式(I)の化合物の任意の薬学的に許容されうる塩を意味する。塩は、無機及び有機酸ならびに塩基を含む薬学的に許容されうる非毒性の酸及び塩基から調製してもよい。このような酸は、例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エテンスルホン酸、ジクロロ酢酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩化水素酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、シュウ酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸などを含む。特に好ましくは、フマル酸、塩化水素酸、臭化水素酸、リン酸、コハク酸、硫酸、及びメタンスルホン酸類である。許容されうる塩基塩は、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、マグネシウム)、及びアルミニウム塩を含む。
【0048】
本発明の化合物は、市販の出発物質から始めて、当業者に公知の一般合成技術及び方法を利用して調製できる。下記に概略したものは、このような化合物を調製するのに適切な反応スキームである。さらなる例示を、下記の具体例に詳述する。
【0049】
【化13】

【0050】
スキーム1に示すように、ヒドロキシ−置換安息香酸エステル類iを、2−ブロモエチルメチルエーテルで加熱により炭酸カリウムの存在下でアルキル化して、アルコキシ−エーテル置換安息香酸エステル類ii(R’は、低級アルキルである)を得ることができる。
【0051】
【化14】

【0052】
スキーム2に示すように、エステル類iii(R’は、低級アルキルであり、R’は、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、又はシクロヘテロアルキルである)を、ヒドラジン一水和物で適切な溶媒中、加熱しながら処理して、ヒドラジドivを得ることができる。
【0053】
ヒドラジドivをアセトンに溶解し、加熱し、次に濃縮乾固することができる。残渣をTFAに溶解し、トリエチルシランで温めながら処理して、アルキルヒドラジドv(R’は、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、又はシクロヘテロアルキルである)を得ることができる。
【0054】
【化15】

【0055】
スキーム3に示すように、標準のパラジウム触媒「クロスカップリング」手順を用いて、ブロモ−ベンズアルデヒドviを、好ましくはマイクロ波反応器内で、塩基、典型的には炭酸ナトリウム水溶液の存在下、適切な溶媒、典型的には、DME、DMF、又はトルエン中で、触媒量のパラジウム、典型的にはPd[PPhを用い、市販の置換フェニルボロン酸と共に加熱して、vii(R’は、H、ハロゲン、低級アルキル、ニトロ、アルコキシ、チオアルコキシ、ハロアルコキシ、低級アルキルカルボキシラート、又はアルキルスルホニルである)を得ることができる。
【0056】
置換ベンズアルデヒドviiを、適切な溶媒、典型的にはTHF中のホスホノ酢酸トリエチル及び水素化ナトリウムの溶液で処理して、viii(R’は、H、ハロゲン、低級アルキル、ニトロ、アルコキシ、チオアルコキシ、ハロアルコキシ、低級アルキルカルボキシラート、又はアルキルスルホニルであり、R’は、低級アルキルである)を得ることができる。
【0057】
フェニル−アクリル酸エステルviiiを、水/有機混合溶媒、典型的にはTHF中、強塩基、典型的には水酸化ナトリウムで加熱により加水分解して、フェニル−アクリル酸viii(R’は、H、ハロゲン、低級アルキル、ニトロ、アルコキシ、チオアルコキシ、ハロアルコキシ、低級アルキルカルボキシラート、又はアルキルスルホニルである)を得ることができる。
【0058】
【化16】

【0059】
スキームに4示すように、フェニル−アクリル酸エステルviiiを、適切な溶媒中、触媒、典型的には10%パラジウム炭素と共に、水素雰囲気下、典型的には50psiで水素化して、置換フェニル−プロピオン酸エステルx(R’は、H、ハロゲン、低級アルキル、ニトロ、アルコキシ、チオアルコキシ、ハロアルコキシ、低級アルキルカルボキシラート、又はアルキルスルホニルであり、R’は、低級アルキルである)を得ることができる。フェニル−プロピオン酸エステルxを、水/有機混合溶媒、典型的にはTHF中、強塩基、典型的には水酸化ナトリウムで加熱により加水分解して、フェニル−プロピオン酸xi(R’は、H、ハロゲン、低級アルキル、ニトロ、アルコキシ、チオアルコキシ、ハロアルコキシ、低級アルキルカルボキシラート、又はアルキルスルホニルである)を得ることができる。
【0060】
【化17】

【0061】
スキーム5に示すように、塩基、典型的にはトリエチルアミンを含む、適切な溶媒、典型的にはDMF中の2−フェノキシ安息香酸xii及びN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩の溶液を、適切なカップリング試薬、典型的にはHBTUと反応させて、「ワインレブ」アミドxiiiを形成することができる。
【0062】
アミドxiiiを、THF中の水素化アルミニウムリチウムで還元して、アルデヒドxivを得ることができる。精製せずに、アルデヒドxivを、適切な溶媒、典型的にはTHF中のホスホノ酢酸トリエチル及び水素化ナトリウムの溶液で処理して、xv(R’は、低級アルキルである)を得ることができる。
【0063】
フェニル−アクリル酸エステルxvを、適切な溶媒中、触媒、典型的には10%パラジウム炭素と共に、水素雰囲気下、典型的には50psiで水素化して、置換フェニル−プロピオン酸エステルxvi(R’は、低級アルキルである)を得ることができる。フェニル−プロピオン酸エステルxviを、水/有機混合溶媒、典型的にはTHF中、強塩基、典型的には水酸化リチウムで加熱により加水分解して、o−フェノキシ−フェニル−プロピオン酸xviiを得ることができる。
【0064】
【化18】

【0065】
スキーム6に示すように、ブロモ−フェニル−プロピオン酸xviiiを、スキーム2のヒドラジドv(R’は、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、又はシクロヘテロアルキルである)をアシル化するのに用いることができる。当業者により実施されているような、種々の標準アミド結合形成条件を用いてもよい。典型的には、xviii及びヒドラジドvを、適切な溶媒中、塩基、例えばトリエチルアミンと、PyBroP又はEDCI及びHOBTとで処理して、アシルヒドラジドxix(R’は、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル又はシクロヘテロアルキルである)を得ることができる。
【0066】
【化19】

【0067】
スキーム7に示すように、溶媒、例えばDMF中の、置換サリチル酸xx(R’は、H、ハロゲン、低級アルキル、又はアルコキシである)の溶液を、塩基、典型的には炭酸カリウムと、ハロゲン化アルキルとで加熱しながら反応させて、xxiを得ることができる。このエステルを、水/有機混合溶媒、典型的にはTHF中、強塩基、典型的には水酸化リチウムで加熱により加水分解して、置換−安息香酸xxii(R’は、低級アルキル又はシクロアルキルであり、R’は、H、ハロゲン、低級アルキル、又はアルコキシである)を得ることができる。
【0068】
塩基、典型的にはトリエチルアミンを含む、適切な溶媒、典型的にはDMF中の置換−安息香酸xxii及びN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩の溶液を、適切なカップリング試薬、典型的にはHBTUと反応させて、「ワインレブ」アミドxxiiiを形成することができる。
【0069】
アミドxxiiiを、THF中の水素化アルミニウムリチウムで還元して、アルデヒドxxivを得ることができる。精製せずに、アルデヒドxivを適切な溶媒、典型的にはTHF中のホスホノ酢酸トリエチル及び水素化ナトリウムの溶液で処理して、アクリル酸エステルxxv(R’は、低級アルキル,R’は、低級アルキル又はシクロアルキルであり、R’は、H、ハロゲン、低級アルキル、又はアルコキシである)を得ることができる。
【0070】
フェニル−アクリル酸エステルxxvを、適切な溶媒中、触媒、典型的には10%パラジウム炭素で、水素雰囲気下、典型的には50psiで水素化して、置換フェニル−プロピオン酸エステルxxvi(R’は、低級アルキルである)を得ることができる。フェニル−プロピオン酸エステルxxviを、水/有機混合溶媒、典型的にはTHF中、強塩基、典型的には水酸化リチウムで加熱により加水分解して、o−置換−フェニル−プロピオン酸xxvii(R’は、低級アルキル又はシクロアルキルであり、R’は、H、ハロゲン、低級アルキル、又はアルコキシである)を得ることができる。
【0071】
【化20】

【0072】
スキーム8に示すように、標準のパラジウム触媒「クロスカップリング」手順を用いて、xixを、塩基、典型的には炭酸ナトリウム水溶液の存在下、適切な溶媒、典型的には、DME、DMF又はトルエン中で、触媒量のパラジウム、典型的にはPd[PPhを用い、置換アリールボロン酸xxviiiと共に加熱して、xxix(R’は、H、ハロゲン、低級アルキル、ニトロ、アルコキシ、チオアルコキシ、ハロアルコキシ、低級アルキルカルボキシラート、アルキルスルホニル、又は置換アリールである)を得ることができる。
【0073】
【化21】

【0074】
スキーム9に示すように、スキーム3、4、5、又は7の置換アリール−アクリル酸又はアリール−プロピオン酸ix、xi、xvii、又はxxviiを、スキーム2のヒドラジドv(R’は、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、又はシクロヘテロアルキルである)をアシル化するのに用いることができる。当業者により実施されているような、種々の標準アミド結合形成条件を用いてもよい。典型的には、ix、xi、xvii、又はxxvii及びヒドラジドvを、適切な溶媒中、塩基、例えば、トリエチルアミンと、PyBroP又はEDCI及びHOBTとで処理して、アシルヒドラジドxxx(R’は、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル又はシクロヘテロアルキルであり、Yは、エチル又はエチレンである)を得てもよい。
【0075】
本発明の方法の実施において、本発明のいずれか1つの化合物の有効量又は本発明の化合物又はその薬学的に許容されうる塩のいずれかの組み合わせは、当該技術において既知の通常かつ許容されうるいずれの方法で、単独で又は組み合わせのいずれかで投与される。化合物又は組成物を、こうして、経口的に(例えば、口腔)、舌下的に、非経口的に(例えば、筋肉内、静脈内、又は皮下)、直腸的に(例えば、座剤又は洗浄による)、経皮的に(例えば、皮膚エレクトロポレーション)、又は吸入(例えば、エアロゾール)により、錠剤及び懸濁剤を含む固体、液体又はガス状調剤の形態で投与できる。投与は、持続的療法において単一投与形態で、又は随意の単一投与療法において行うことができる。治療組成物は、親油性塩、例えばパモ酸と組み合わせて油状エマルション又は分散体の形態であるか、又は皮下又は筋肉内投与のための生分解性徐放性組成物の形態であってもよい。
【0076】
本明細書の組成物調製における有用な医薬担体は、固体、液体、又はガスであってもよく;したがって、組成物は、錠剤、丸剤、カプセル剤、座剤、粉末剤、腸溶コーティング又はその他の保護製剤(例えば、イオン交換樹脂に結合又は脂質−タンパク質ベシクルに包装)、徐放性製剤、液剤、懸濁剤、エリキシル剤、エアロゾールなどの形態をとってもよい。担体を、石油、動物性油、植物性油、又は合成由来のもの、例えば、ピーナッツ油、大豆油、鉱油、ゴマ油などを含む種々の油類から選択してもよい。水、生理食塩水、水性デキストロース、及びグリコール類は、好ましくは液体担体であり、特に(血液と等張のとき)注射剤用である。例えば、静脈投与用の製剤は、活性成分の無菌水溶液を含み、これは固体活性成分を水に溶解し、水溶液を生成し、そして溶液を無菌の状態にすることにより調製される。適切な医薬賦形剤は、デンプン、セルロース、タルク、グルコース、乳糖、タルク、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、白亜、シリカ、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセリン、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノールなどを含む。組成物は、例えば、防腐剤、安定化剤、湿潤剤及び乳化剤、浸透圧を調整する塩、緩衝剤などの従来の医薬添加物を加えてもよい。適切な医薬担体及びその製剤は、Remington's Pharmaceutical Sciences by E. W. Martinに記載されている。このような組成物は、いずれにせよ、患者に適切に投与するための適切な投与形態を調製するために、有効量の活性化合物を適切な担体と一緒に含む。本発明の化合物の投与量は、例えば、投与方法、被験者の年齢及び体重、並びに処置される被験者の状態などの数多くの因子に依存し、最終的には、担当の医師又は獣医によって決定されるであろう。このように担当の医師又は獣医によって決定された活性化合物の量を、本明細書及び特許請求の範囲において「有効量」として称する。例えば、本発明の化合物の投与量は、典型的には1日当たり約10〜約1000mgの範囲内である。
【0077】
本発明を、さらに以下の実施例に記載するが、これは例示のみを意図するものであり、発明の範囲を限定するものではない。
【0078】
実施例
一般方法:融点は、Thomas−Hoover装置で測定し、未補正である。旋光度をPerkin−Elmerモデル241偏光計で測定した。1H−NMRスペクトルを、VarianXL−200、Mercury−300又はUnityplus400MHz分光計で、テトラメチルシラン(TMS)を内部標準として用いて記録した。電子衝撃(El、70ev)及び高速原子衝撃(FAB)質量分析をVGAutospec又はVG70E−HF質量分析計で測定した。カラムクロマトグラフィーに使用するシリカゲルは、フラッシュクロマトグラフィー用のMallinkrodt SiliCar 230〜400メッシュシリカゲルである;流れを助けるために、カラムを0〜5psi頭部圧の窒素下で行った。薄層クロマトグラムを、E.Merck(E.Merck#1.05719)により供給されたシリカゲルでコーティングしたガラス薄層プレート上で行い、ビューボックス内で254nmUV光下で見ることによるか、Iの蒸気に曝露するか、あるいは水性エタノール中でリンモリブデン酸(PMA)をスプレーするか、又はClに曝露した後にE. Von Arx, M. Faupel and M Brugger, J. Chromatography, 1976, 220, 224-228に従って調製した4,4’−テトラメチルジアミノジフェニルメタン試薬をスプレーすることにより、視覚化した。
【0079】
逆相高圧液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)を、Rainin HPLCを使用し、41.4×300mm、8uM、Dynamax(商標)C−18カラムを流量49mL/minで用い、アセトニトリル:水(各々0.75%TFAを含有)勾配、典型的には5〜95%アセトニトリルを用いて、35〜40分間かけて行った。HPLC条件は、典型的にはフォーマット(5−95−35−214)に記載されている;ここには、214nMの波長の紫外線検出器で流出物を観測しながら、水中5%〜95%アセトニトリルの線形勾配に35分間付すことが記載されている。
【0080】
塩化メチレン(ジクロロメタン)、2−プロパノール、DMF、THF、トルエン、ヘキサン、エーテル及びメタノールは、Fisher又はBaker試薬級であり、記載のない限り更に精製しないで使用し、アセトニトリルはFisher又はBakerHPLC級であり、そのまま使用した。
【0081】
本明細書で使用される定義は:
DGATはジアシルグリセロール:アシルCoA O−アシルトランスフェラーゼであり、
THFはテトラヒドロフランであり、
DMFはN,N−ジメチルホルムアミドであり、
DMAはN,N−ジメチルアセトアミドであり、
DMSOはジメチルスルホキシドであり、
DCMはジクロロメタンであり、
DMEはジメトキシエタンであり、
MeOHはメタノールであり、
EtOHはエタノールであり、
Pd[PPhはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)であり、
NaOHは水酸化ナトリウムであり、
TFAは1,1,1−トリフルオロ酢酸であり、
HOBTは1−ヒドロキシベンゾトリアゾールであり、
HBTUはO−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムへキサフルオロホスファートであり、
PyBroPはブロモトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファートであり、
EDCIは1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩であり、
DIPEAはジイソプロピルエチルアミンであり、
ブラインは飽和塩化ナトリウム水溶液であり、
DAGは1,2−ジオレオイル−sn−グリセロールであり、
TLCは薄層クロマトグラフィーであり、
RP HPLCは逆相高速液体クロマトグラフィーであり、
APCI−MSは大気圧化学イオン化質量分析であり、
ES−MSはエレクトロスプレー質量分析であり、
RTは室温又は周囲温度である。
【0082】
Biotageカラムのシリカゲルクロマトグラフィーは、Dyax社のBiotage部門により供給された、包装済みの40g(40sカラム)、90g(40mカラム)又は800g(75mカラム)のフラッシュクロマトグラフィーシステムの使用を意味する。溶離は、ヘキサン−酢酸エチル混合物で10〜15psi窒素圧下で行われる。
【0083】
パートI:好ましい中間体の調製
安息香酸N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0084】
【化22】

【0085】
ヘキサン(200ml)中のベンゾイルヒドラジン(10g、73.45mmol)の溶液を、アセトン(54mL、734.5mmol)で処理し、一晩還流した。沈殿物を吸引濾過により回収して、白色の固体を得て、それをTFA(200ml)及びトリエチルシラン(24mL、149.24mmol)で60℃で一晩処理した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をDCMと1N NaOHに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、生成物を白色の固体として得た(9.31g、71%)。
【0086】
チオフェン−2−カルボン酸N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0087】
【化23】

【0088】
EtOH(10ml)中のエチル−2−チオフェンカルボキシラート(2g、12.8mmol)及びヒドラジン一水和物(6.2ml、128mmol)の溶液を、一晩還流した。混合物を濃縮乾固して、中間体1をオフホワイト色の固体(1.81g)として得た。この物質の一部(500mg)を、アセトン(5ml)に溶解し、溶液を50℃に一晩加熱した。溶液を濃縮乾固した。残渣をTFA(5ml)に溶解し、トリエチルシラン(1.1ml、6.74mmol)で60℃で一晩処理した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を飽和重炭酸水溶液とDCMに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、生成物を白色の固体として得た(516mg、80%)。
【0089】
フラン−2−カルボン酸N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0090】
【化24】

【0091】
EtOH(10ml)中のエチル−2−フロアート(2g、14.3mmol)及びヒドラジン一水和物(6.9ml、143mmol)の溶液を、一晩還流した。混合物を濃縮乾固して、中間体1(1.65g)を得た。この物質の一部(500mg)をアセトン(5ml)に溶解し、溶液を50℃に一晩加熱した。溶液を濃縮乾固した。残渣をTFA(5ml)に溶解し、トリエチルシラン(1.30ml、8.18mmol)で60℃で一晩処理した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を飽和重炭酸水溶液とDCMに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、生成物を白色の固体として得た(511mg、74%)。
【0092】
チオフェン−3−カルボン酸N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0093】
【化25】

【0094】
EtOH(10ml)中のエチル−3−チオフェンカルボキシラート(2g、12.8mmol)及びヒドラジン一水和物(6.2ml、128mmol)の溶液を、一晩還流した。混合物を濃縮乾固して、中間体1(1.86g、100%)を得た。この物質の一部(500mg)をアセトン(5ml)に溶解し、溶液を60℃に一晩加熱した。溶液を濃縮乾固した。残渣をTFA(5ml)に溶解し、トリエチルシラン(1.16ml、7.24mmol)で60℃で一晩処理した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を飽和重炭酸水溶液とDCMに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、生成物を白色の固体として得た(484mg、75%)。
【0095】
4−(2−メトキシ−エトキシ)−安息香酸−N’−イソプロピルヒドラジド
【0096】
【化26】

【0097】
p−ヒドロキシ安息香酸メチル(1.0g、6.57mmol)、炭酸カリウム(9.08g、65.72mmol)及び2−ブロモエチルメチルエーテル(6.17ml、65.72mmol)のDMF(20ml)溶液を、マイクロ波オーブン内で150℃に20分間加熱した。反応混合物をセライトを通して濾過し、1N NaOHと酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、中間体1を淡黄色の油状物として得た(1.28g、93%)。MeOH(8ml)中のエステル1(1.0g、4.76mmol)及びヒドラジン一水和物(4.61ml、95.12mmol)の溶液を、マイクロ波オーブン内で160℃に20分間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮して、ヒドラジド2を黄色の固体として得た(790mg、79%)。アセトン(4ml)中のヒドラジド2(200mg、0.95mmol)の溶液を、一晩還流した。反応混合物を減圧下で濃縮して、中間体3を褐色の油状物として得た(240mg、100%)。次に、化合物3(240mg,0.95mmol)をTFA(5ml)中のEtSiH(0.35ml、2.1mmol)で60℃で一晩処理した。反応混合物を濃縮し、残渣をDCMと1N NaOHに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、生成物を油状物として得た(170mg、62%)。
【0098】
2−(2−メトキシ−エトキシ)−安息香酸−N’−イソプロピルヒドラジド
【0099】
【化27】

【0100】
o−ヒドロキシ安息香酸メチル(1.0g、6.57mmol)、炭酸カリウム(9.08g、65.72mmol)及び2−ブロモエチルメチルエーテル(6.17ml、65.72mmol)のDMF(20ml)溶液を、マイクロ波オーブン内で150℃に20分間加熱した。反応混合物をセライトを通して濾過し、1N NaOHと酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、中間体1を褐色の油状物として得た(807mg、58%)。MeOH(8ml)中のエステル1(0.8g、3.8mmol)及びヒドラジン一水和物(4.0ml、76.0mmol)の溶液を、マイクロ波オーブン内で160℃に20分間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮して、ヒドラジド2を油状物として得た(840mg、88%)。アセトン(10ml)中のヒドラジド2(840mg、3.99mmol)の溶液を、一晩還流した。反応混合物を減圧下で濃縮して、中間体3を褐色の油状物として得た(1.1g、100%)。次に、この粗物質をTFA(25ml)中のEtSiH(1.5ml、9.25mmol)で60℃で一晩処理した。反応混合物を濃縮し、残渣をDCMと1N NaOHに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、生成物を油状物として得た(460mg、40%)。
【0101】
3−(2’,3’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−アクリル酸エチルエステル
【0102】
【化28】

【0103】
DME(2ml)/2M NaCO(1.4ml、2.84mmol)中の2−ブロモ−ベンズアルデヒド(150mg、0.81mmol)の溶液を、3−ジメチル−フェニルボロン酸(243mg、1.62mmol)及びPd[PPh(93mg、0.081mmol)でマイクロ波反応器内で150℃で10分間処理した。反応混合物を水と酢酸エチルに分配した。有機層を水及びブラインで順次洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、1〜5%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで精製して、1を得た(746mg、87%)。
【0104】
THF(10ml)中のホスホノ酢酸トリエチル(0.226ml、1.14mmol)の溶液を、60%水素化ナトリウム(87mg、2.18mmol)で室温で10分間処理した。次に、アルデヒド1(200mg、0.95mmol)を加え、溶液を室温で2.5時間撹拌した。反応混合物を1N HClと酢酸エチルに分配した。有機層を、水、飽和炭酸ナトリウム及びブラインで順次洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、5〜10%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで精製して、3−(2’,3’−ジメチル−ビフェニル)−アクリル酸エチルエステルを得た(234mg、88%)。
【0105】
3−(2’,3’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−アクリル酸
【0106】
【化29】

【0107】
THF(3ml)/2N NaOH(3ml)中の3−(2’,3’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−アクリル酸エチルエステル(110mg、0.39mmol)の溶液を、マイクロ波反応器内で160℃に10分間加熱した。混合物を室温に冷却し、1N HClと酢酸エチルに分配した。有機層を水及びブラインで洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、所望の酸を得た(100mg、100%)。
【0108】
3−(2’,3’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−プロピオン酸
【0109】
【化30】

【0110】
MeOH(35ml)中の3−(2’,3’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−アクリル酸エチルエステル(2.3g、8.2mmol)の溶液を、Parr装置内に配置した。触媒量の10%Pd/C(230mg)を加え、混合物を水素雰囲気下(50psi)で1.5時間振とうした。不均質な混合物を、セライトのケークを通して濾過し、濃縮して、エステル1を得た(2.17g)。この中間体をTHF(40ml)/水(20ml)に溶解し、水酸化リチウム一水和物(3.23g、76.8mmol)で還流温度で5時間処理した。混合物を室温に冷却し、1N HClと酢酸エチルに分配した。有機層を水及びブラインで洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、所望の酸を得た(1.94g、93%)。
【0111】
3−(2−フェノキシ−フェニル)−プロピオン酸
【0112】
【化31】

【0113】
DMF(15ml)中の2−フェノキシ安息香酸(660mg、3.08mmol)及びN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(451mg、4.62mmol)の溶液を、トリエチルアミン(1.3ml、9.24mmol)及びHBTU(1.75g、4.62mmol)で室温で18時間処理した。反応混合物を1N NaOHと酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、1を得て、それを更に精製しなかった(827mg、100%)。
【0114】
THF中の水素化アルミニウムリチウムの1M溶液(3.18ml、3.18mmol)を、THF(8ml)中の1(410mg、1.59mmol)の冷(−20℃)溶液にゆっくり加えた。溶液を−20℃で45分間撹拌し、次に水でゆっくりとクエンチした。混合物をセライトのケークを通して濾過し、濾液を酢酸エチルと飽和重炭酸に分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、アルデヒド2を得て(278mg、88%)、それをさらに精製しなかった。
【0115】
THF(2ml)中のホスホノ酢酸トリエチル(0.334ml、1.68mmol)の溶液を、60%水素化ナトリウム(132mg、3.3mmol)で室温で10分間処理した。次にアルデヒド2(278mg、1.40mmol)を加え、溶液を室温で4時間撹拌した。反応混合物を1N HClと酢酸エチルに分配した。有機層を、水、飽和炭酸ナトリウム及びブラインで順次洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、5〜10%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで精製して、エステル3を得た(258mg、59%)。
【0116】
EtOH(5ml)中のエステル3(136mg、0.51mmol)の溶液を、Parr装置内に配置した。触媒量の10%Pd/C(25mg)を加え、混合物を水素雰囲気下(50psi)で1.5時間振とうした。不均質な混合物をセライトのケークを通して濾過し、濃縮して、エステル4を得た(127mg、93%)。
【0117】
このエステル(127mg、0.47mmol)をTHF(10ml)/水(5ml)に溶解し、水酸化リチウム一水和物(197mg、4.7mmol)で還流温度で5時間処理した。混合物を室温に冷却し、1N HClと酢酸エチルに分配した。有機層を水及びブラインで洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、所望の酸を得た(112mg、98%)。
【0118】
安息香酸N’−[3−(2−ブロモ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0119】
【化32】

【0120】
DMF(6mL)中の(3−(2−ブロモフェニル)プロピオン酸(257mg、1.12mmol)及び安息香酸N’−イソプロピル−ヒドラジド(200mg、1.12mmol)の溶液を、トリエチルアミン(0.47mL、3.36mmol)、HOBT(182mg、1.34mmol)及びEDCI(2.58g、1.34mmol)で室温で72時間処理した。反応混合物を水とジクロロメタンに分配した。有機層を水及びブラインで順次洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、20〜30%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで精製して、生成物を固体として得た(258mg、59%)。
【0121】
安息香酸N’−[3−(4−ブロモ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0122】
【化33】

【0123】
DMF(10mL)中の(3−(4−ブロモフェニル)プロピオン酸(387mg、1.68mmol)及び安息香酸N’−イソプロピル−ヒドラジド(300mg、1.68mmol)の溶液を、トリエチルアミン(0.70mL、5.05mmol)、HOBT(273mg、2.02mmol)及びEDCI(387mg、2.02mmol)で室温で72時間処理した。反応混合物を1N HClと酢酸エチルに分配した。有機層を、水、1N NaOH及びブラインで順次洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、生成物を固体として得た(476mg、73%)。生成物をさらに精製しなかった。
【0124】
3−(2−アルコキシ−3−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸類のための一般手順
【0125】
【化34】

【0126】
DMF中の5−フルオロ−サリチル酸の溶液(0.2M)を、炭酸カリウム(5当量)及び臭化アルキル(4当量)で80℃で2〜3時間反応させた。反応混合物を1N HClと酢酸エチルに分配した。有機層を、1N NaOH及びブラインで順次洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、中間体1を得て、それをさらに精製しなかった。
【0127】
この化合物をTHFに溶解し(0.2M)、水酸化リチウム一水和物(10当量)で還流温度で一晩処理した。反応混合物を1N HClと酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、酸2を得て、それをさらに精製しなかった。
【0128】
DMF中の2の溶液(0.2M)を、トリエチルアミン(5当量)、N,O−ジメチルアミン塩酸塩(1.5当量)及びHBTU(1.5当量)で室温で一晩処理した。反応混合物を1N HClと酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、アミド3を得て、それをさらに精製しなかった。
【0129】
無水THF中の3の溶液(0.2M)を−30℃に冷却し、次に水素化アルミニウムリチウムのTHF溶液(1M、2当量)で10分間処理した。反応物を、1N HClで−30℃でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、アルデヒド4を得て、それをさらに精製しなかった。
【0130】
ホスホノ酢酸トリエチルのTHF溶液(0.2M)を、60%水素化ナトリウム(2当量)で室温で10分間処理した。次に、4のTHF溶液(0.2M、1当量)を室温で加え、混合物を2〜3時間撹拌した。反応物を1N HClで室温でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を、飽和重炭酸ナトリウム水溶液及びブラインで順次洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、5%酢酸エチル/ヘキサンを用いるシリカゲルカラムで精製して、エステル5を得た。
【0131】
エタノール中の5の溶液(0.2M)を、Parr装置内に配置した。触媒量の10%Pd/C(50mg/mmol)を加え、混合物を水素雰囲気下(50psi)で2〜3時間振とうした。不均質な混合物をセライトのケークを通して濾過し、濃縮して、エステル6を得て、それをさらに精製しなかった。
【0132】
この化合物をTHF/HO(2/1)に溶解し(0.2M)、水酸化リチウム一水和物(10当量)で還流温度で4〜5時間処理した。反応混合物を1N HClと酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、対応するフェニルプロピオン酸を得て、それをさらに精製しなかった。
【0133】
フェニルプロピオン酸類(R=n−プロピル、n−ブチル、シクロペンチル及びシクロブチルメチル)を、この方法により調製した。
【0134】
パートII:好ましい化合物の調製
実施例1
安息香酸N’−[3−ビフェニル−2−イル−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0135】
【化35】

【0136】
DME(5ml)/2M NaCO(450μL、0.90mmol)中の安息香酸N’−[3−(2−ブロモ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド(100mg、0.26mmol)の溶液を、フェニルボロン酸(47mg、0.39mmol)及びPd[PPh(30mg、0.026mmol)で90℃で18時間処理した。反応混合物を水とジクロロメタンに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、30〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで精製して、生成物を固体として得た(98mg、98%)。LC−MS m/e 387.16(M+H
【0137】
実施例2
安息香酸N’−イソプロピル−N’−[3−(3’−トリフルオロメチル−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−ヒドラジド
【0138】
【化36】

【0139】
DME(4ml)/2M NaCO(225μL、0.45mmol)中の安息香酸N’−[3−(2−ブロモ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド(50mg、0.13mmol)の溶液を、3−トリフルオロ−フェニルボロン酸(49mg、0.26mmol)及びPd[PPh(15mg、0.013mmol)で90℃で18時間処理した。反応混合物を水とジクロロメタンに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、20〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで、次にRP HPLCにより精製して、生成物を固体として得た(15mg、26%)。LC−MS m/e 455.21(M+H
【0140】
実施例3
安息香酸N’−[3−(3’−エトキシ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0141】
【化37】

【0142】
DME(4ml)/2M NaCO(225μL、0.45mmol)中の安息香酸N’−[3−(2−ブロモ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド(50mg、0.13mmol)の溶液を、3−エトキシ−フェニルボロン酸(42mg、0.26mmol)及びPd[PPh(15mg、0.013mmol)で90℃で18時間処理した。反応混合物を水とジクロロメタンに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、20〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで、次にRP HPLCにより精製して、生成物を固体として得た(12mg、22%)。LC−MS m/e 431.27(M+H
【0143】
実施例4
安息香酸N’−[3−(3’−シアノ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0144】
【化38】

【0145】
DME(4ml)/2M NaCO(225μL、0.45mmol)中の安息香酸N’−[3−(2−ブロモ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド(50mg、0.13mmol)の溶液を、3−シアノ−フェニルボロン酸(38mg、0.26mmol)及びPd[PPh(15mg、0.013mmol)で90℃で18時間処理した。反応混合物を水とジクロロメタンに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、20〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで精製して、生成物を固体として得た(13mg、25%)。LC−MS m/e 412.21(M+H
【0146】
実施例5
安息香酸N’−[3−(5’−クロロ−2’−メトキシ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0147】
【化39】

【0148】
DME(4ml)/2M NaCO(225μL、0.45mmol)中の安息香酸N’−[3−(2−ブロモ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド(50mg、0.13mmol)の溶液を、5−クロロ−2−メトキシ−フェニルボロン酸(48mg、0.26mmol)及びPd[PPh(15mg、0.013mmol)で90℃で18時間処理した。反応混合物を水とジクロロメタンに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、20〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで精製して、生成物を固体として得た(22mg、38%)。LC−MS m/e 451.31(M+H
【0149】
実施例6
安息香酸N’−イソプロピル−N’−[3−(3’−ニトロ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−ヒドラジド
【0150】
【化40】

【0151】
DME(4ml)/2M NaCO(225μL、0.45mmol)中の安息香酸N’−[3−(2−ブロモ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド(50mg、0.13mmol)の溶液を、3−ニトロ−フェニルボロン酸(43mg、0.26mmol)及びPd[PPh(15mg、0.013mmol)で90℃で18時間処理した。反応混合物を水とジクロロメタンに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、20〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで精製して、生成物を固体として得た(12mg、22%)。LC−MS m/e 432.31(M+H
【0152】
実施例7
安息香酸N’−[3−(3’−クロロ−4’−フルオロ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0153】
【化41】

【0154】
DME(4ml)/2M NaCO(225μL、0.45mmol)中の安息香酸N’−[3−(2−ブロモ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド(50mg、0.13mmol)の溶液を、3−クロロ−4−フルオロ−フェニルボロン酸(34mg、0.19mmol)及びPd[PPh(15mg、0.013mmol)で90℃で18時間処理した。反応混合物を水とジクロロメタンに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、20〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで、次にRP HPLCにより精製して、生成物を固体として得た(23mg、41%)。LC−MS m/e 439.25(M+H
【0155】
実施例8
安息香酸N’−[3−(5’−イソプロピル−2’−メトキシ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0156】
【化42】

【0157】
DME(4ml)/2M NaCO(225μL、0.45mmol)中の安息香酸N’−[3−(2−ブロモ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド(50mg、0.13mmol)の溶液を、5−イソプロピル−2−メトキシ−フェニルボロン酸(37mg、0.19mmol)及びPd[PPh(15mg、0.013mmol)で90℃で18時間処理した。反応混合物を水とジクロロメタンに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、20〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで、次にRP HPLCにより精製して、生成物を固体として得た(18mg、31%)。LC−MS m/e 459.35(M+H
【0158】
実施例9
安息香酸N’−[3−(2’,5’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0159】
【化43】

【0160】
DME(4ml)/2M NaCO(225μL、0.45mmol)中の安息香酸N’−[3−(2−ブロモ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド(50mg、0.13mmol)の溶液を、2,5−ジメチル−フェニルボロン酸(29mg、0.19mmol)及びPd[PPh(15mg、0.013mmol)で90℃で18時間処理した。反応混合物を水とジクロロメタンに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、20〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで精製して、生成物を固体として得た(14mg、26%)。LC−MS m/e 415.36(M+H
【0161】
実施例10
安息香酸N’−[3−(5’−フルオロ−2’−メトキシ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0162】
【化44】

【0163】
DME(4ml)/2M NaCO(225μL、0.45mmol)中の安息香酸N’−[3−(2−ブロモ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド(50mg、0.13mmol)の溶液を、5−フルオロ−2−メトキシ−フェニルボロン酸(33mg、0.19mmol)及びPd[PPh(15mg、0.013mmol)で90℃で18時間処理した。反応混合物を水とジクロロメタンに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、20〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで精製して、生成物を固体として得た(18mg、32%)。LC−MS m/e 435.33(M+H
【0164】
実施例11
安息香酸N’−[3−(3’−イソプロピル−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0165】
【化45】

【0166】
DME(4ml)/2M NaCO(225μL、0.45mmol)中の安息香酸N’−[3−(2−ブロモ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド(50mg、0.13mmol)の溶液を、3−イソプロピル−フェニルボロン酸(32mg、0.19mmol)及びPd[PPh(15mg、0.013mmol)で90℃で18時間処理した。反応混合物を水とジクロロメタンに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、20〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで精製して、生成物を固体として得た(17mg、31%)。LC−MS m/e 429.39(M+H
【0167】
実施例12
安息香酸N’−[3−(4’−フルオロ−2’−メチル−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0168】
【化46】

【0169】
DME(4ml)/2M NaCO(225μL、0.45mmol)中の安息香酸N’−[3−(2−ブロモ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド(50mg、0.13mmol)の溶液を、4−フルオロ−2−メチル−フェニルボロン酸(30mg、0.19mmol)及びPd[PPh(15mg、0.013mmol)で90℃で72時間処理した。反応混合物を水とジクロロメタンに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、20〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで、次にRP HPLCにより精製して、生成物を固体として得た(5mg、9%)。LC−MS m/e 419.28(M+H
【0170】
実施例13
安息香酸N’−イソプロピル−N’−[3−(3’−メチル−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−ヒドラジド
【0171】
【化47】

【0172】
DME(4ml)/2M NaCO(225μL、0.45mmol)中の安息香酸N’−[3−(2−ブロモ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド(50mg、0.13mmol)の溶液を、3−メチル−フェニルボロン酸(26mg、0.19mmol)及びPd[PPh(15mg、0.013mmol)で90℃で18時間処理した。反応混合物を水とジクロロメタンに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、20〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで精製して、生成物を固体として得た(48mg、93%)。LC−MS m/e 401.37(M+H
【0173】
実施例14
安息香酸N’−イソプロピル−N’−[3−(3’−メトキシ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−ヒドラジド
【0174】
【化48】

【0175】
DME(4ml)/2M NaCO(225μL、0.45mmol)中の安息香酸N’−[3−(2−ブロモ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド(50mg、0.13mmol)の溶液を、3−メトキシ−フェニルボロン酸(29mg、0.19mmol)及びPd[PPh(15mg、0.013mmol)で90℃で18時間処理した。反応混合物を水とジクロロメタンに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、20〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで精製して、生成物を固体として得た(32mg、60%)。LC−MS m/e 417.35(M+H
【0176】
実施例15
安息香酸N’−[3−(3’−クロロ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0177】
【化49】

【0178】
DME(4ml)/2M NaCO(225μL、0.45mmol)中の安息香酸N’−[3−(2−ブロモ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド(50mg、0.13mmol)の溶液を、3−クロロ−フェニルボロン酸(30mg、0.19mmol)及びPd[PPh(15mg、0.013mmol)で90℃で18時間処理した。反応混合物を水とジクロロメタンに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、20〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで精製して、生成物を固体として得た(39mg、72%)。LC−MS m/e 421.26(M+H
【0179】
実施例16
安息香酸N’−[3−(3’−フルオロ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0180】
【化50】

【0181】
DME(4ml)/2M NaCO(225μL、0.45mmol)中の安息香酸N’−[3−(2−ブロモ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド(50mg、0.13mmol)の溶液を、3−フルオロ−フェニルボロン酸(27mg、0.19mmol)及びPd[PPh(15mg、0.013mmol)で90℃で18時間処理した。反応混合物を水とジクロロメタンに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、20〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで精製して、生成物を固体として得た(38mg、73%)。LC−MS m/e 405.28(M+H
【0182】
実施例17
安息香酸N’−[3−(2’−フルオロ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0183】
【化51】

【0184】
DME(4ml)/2M NaCO(225μL、0.45mmol)中の安息香酸N’−[3−(2−ブロモ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド(50mg、0.13mmol)の溶液を、2−フルオロ−フェニルボロン酸(27mg、0.19mmol)及びPd[PPh(15mg、0.013mmol)で90℃で18時間処理した。反応混合物を水とジクロロメタンに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、20〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで精製して、生成物を固体として得た(13mg、25%)。LC−MS m/e 405.28(M+H
【0185】
実施例18
安息香酸N’−イソプロピル−N’−[3−(2’−メチル−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−ヒドラジド
【0186】
【化52】

【0187】
DME(4ml)/2M NaCO(225μL、0.45mmol)中の安息香酸N’−[3−(2−ブロモ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド(50mg、0.13mmol)の溶液を、2−メチル−フェニルボロン酸(27mg、0.19mmol)及びPd[PPh(15mg、0.013mmol)で90℃で18時間処理した。反応混合物を水とジクロロメタンに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、20〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで精製して、生成物を固体として得た(9mg、18%)。LC−MS m/e 401.29(M+H
【0188】
実施例19
安息香酸N’−[3−(2’−クロロ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0189】
【化53】

【0190】
DME(4ml)/2M NaCO(225μL、0.45mmol)中の安息香酸N’−[3−(2−ブロモ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド(45mg、0.12mmol)の溶液を、2−クロロ−フェニルボロン酸(27mg、0.17mmol)及びPd[PPh(13mg、0.012mmol)で90℃で18時間処理した。反応混合物を水とジクロロメタンに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、30〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで精製して、生成物を固体として得た(46mg、94%)。LC−MS m/e 421.27(M+H
【0191】
実施例20
安息香酸N’−[3−(4’−クロロ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0192】
【化54】

【0193】
DME(4ml)/2M NaCO(225μL、0.45mmol)中の安息香酸N’−[3−(2−ブロモ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド(45mg、0.12mmol)の溶液を、4−クロロ−フェニルボロン酸(27mg、0.17mmol)及びPd[PPh(13mg、0.012mmol)で90℃で18時間処理した。反応混合物を水とジクロロメタンに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、30〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで精製して、生成物を固体として得た(30mg、61%)。LC−MS m/e 421.26(M+H
【0194】
実施例21
安息香酸N’−イソプロピル−N’−[3−(2’−メトキシ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−ヒドラジド
【0195】
【化55】

【0196】
DME(4ml)/2M NaCO(225μL、0.45mmol)中の安息香酸N’−[3−(2−ブロモ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド(50mg、0.13mmol)の溶液を、2−メトキシ−フェニルボロン酸(29mg、0.19mmol)及びPd[PPh(15mg、0.013mmol)で90℃で18時間処理した。反応混合物を水とジクロロメタンに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、20〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで精製して、生成物を固体として得た(21mg、39%)。LC−MS m/e 417.30(M+H
【0197】
実施例22
安息香酸N’−イソプロピル−N’−[3−(4’−メトキシ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−ヒドラジド
【0198】
【化56】

【0199】
DME(4ml)/2M NaCO(225μL、0.45mmol)中の安息香酸N’−[3−(2−ブロモ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド(50mg、0.13mmol)の溶液を、4−メトキシ−フェニルボロン酸(29mg、0.19mmol)及びPd[PPh(15mg、0.013mmol)で90℃で18時間処理した。反応混合物を水とジクロロメタンに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、20〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで精製して、生成物を固体として得た(35mg、66%)。LC−MS m/e 417.29(M+H
【0200】
実施例23
安息香酸N’−[3−(4’−フルオロ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0201】
【化57】

【0202】
DME(4ml)/2M NaCO(225μL、0.45mmol)中の安息香酸N’−[3−(2−ブロモ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド(50mg、0.13mmol)の溶液を、4−フルオロ−フェニルボロン酸(29mg、0.19mmol)及びPd[PPh(15mg、0.013mmol)で90℃で18時間処理した。反応混合物を水とジクロロメタンに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、20〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで精製して、生成物を固体として得た(41mg、79%)。LC−MS m/e 405.25(M+H
【0203】
実施例24
安息香酸N’−[3−(2’,3’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0204】
【化58】

【0205】
DME(4ml)/2M NaCO(225μL、0.45mmol)中の安息香酸N’−[3−(2−ブロモ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド(50mg、0.13mmol)の溶液を、2,3−ジメチル−フェニルボロン酸(38mg、0.26mmol)及びPd[PPh(15mg、0.013mmol)で90℃で18時間処理した。反応混合物を水とジクロロメタンに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、20〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで、次にRP HPLCにより精製して、生成物を固体として得た(14mg、27%)。LC−MS m/e 415.35(M+H
【0206】
実施例25
安息香酸N’−[3−ビフェニル−3−イル−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0207】
【化59】

【0208】
DME(5ml)/2M NaCO(450μL、0.90mmol)中の安息香酸N’−[3−(3−ブロモ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド(100mg、0.26mmol)の溶液を、フェニルボロン酸(47mg、0.39mmol)及びPd[PPh(30mg、0.026mmol)で90℃で18時間処理した。反応混合物を水と酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、30〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで精製して、生成物を固体として得た(69mg、70%)。LC−MS m/e 387.19(M+H
【0209】
実施例26
安息香酸N’−[3−ビフェニル−4−イル−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0210】
【化60】

【0211】
DME(5ml)/2M NaCO(450μL、0.90mmol)中の安息香酸N’−[3−(4−ブロモ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド(100mg、0.26mmol)の溶液を、フェニルボロン酸(47mg、0.39mmol)及びPd[PPh(30mg、0.026mmol)で90℃で18時間処理した。反応混合物を水と酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、30〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで精製して、生成物を固体として得た(56mg、56%)。LC−MS m/e 387.17(M+H
【0212】
実施例27
安息香酸N’−(2−9H−フルオレン−9−イル−アセチル)−N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0213】
【化61】

【0214】
DMF(5mL)中の9−フルオレン酢酸(126mg、0.56mmol)及び安息香酸N’−イソプロピル−ヒドラジド(100mg、0.56mmol)の溶液を、トリエチルアミン(0.23mL、1.68mmol)、HOBT(91mg、0.67mmol)及びEDCI(129mg、0.67mmol)で室温で72時間処理した。反応混合物を水とジクロロメタンに分配した。有機層を水及びブラインで洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、10〜30%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで精製して、生成物を固体として得た(87mg、40%)。LC−MS m/e 385.19(M+H
【0215】
実施例28
安息香酸N’−(3,3−ジフェニル−プロピオニル)−N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0216】
【化62】

【0217】
DMF(5mL)中の3,3−ジフェニルプロピオン酸(127mg、0.56mmol)及び安息香酸N’−イソプロピル−ヒドラジド(100mg、0.56mmol)の溶液を、トリエチルアミン(0.23mL、1.68mmol)、HOBT(91mg、0.67mmol)及びEDCI(129mg、0.67mmol)で室温で18時間処理した。反応混合物を水とジクロロメタンに分配した。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、30〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで精製して、生成物を固体として得た(59mg、27%)。LC−MS m/e 387.26(M+H
【0218】
実施例29
安息香酸N’−イソプロピル−N’−[3−(2−フェノキシ−フェニル)−プロピオニル]−ヒドラジド
【0219】
【化63】

【0220】
DMF(5mL)中の3−(2−フェノキシ−フェニル)−プロピオン酸(110mg、0.45mmol)及び安息香酸N’−イソプロピル−ヒドラジド(97mg、0.54mmol)の溶液を、ジイソプロピルエチルアミン(0.20mL、1.13mmol)及びPyBroP(315mg、0.68mmol)で室温で18時間処理した。反応混合物を1N HClと酢酸エチルに分配した。有機層を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、30〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで精製して、生成物を固体として得た(40mg、22%)。LC−MS m/e 425.44(M+H
【0221】
実施例30
安息香酸N’−[3−(2’,3’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−アクリロイル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0222】
【化64】

【0223】
DMF(4mL)中の3−(2’,3’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−アクリル酸(120mg、0.40mmol)及び安息香酸N’−イソプロピル−ヒドラジド(71mg、0.40mmol)の溶液を、トリエチルアミン(0.16mL、1.19mmol)、HOBT(64mg、0.48mmol)及びEDCI(91mg、0.48mmol)で室温で48時間処理した。反応混合物を1N HClと酢酸エチルに分配した。有機層を、水、1N NaOH及びブラインで順次洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、20〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで精製して、生成物を固体として得た(30mg、18%)。LC−MS m/e 403.49(M+H
【0224】
実施例31
2−(2−メトキシ−エトキシ)−安息香酸N’−[3−(2’,3’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0225】
【化65】

【0226】
DMF(3mL)中の3−(2’,3’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−プロピオン酸(110mg、0.44mmol)及び2−(2−メトキシ−エトキシ)−安息香酸−N’−イソプロピルヒドラジド(100mg、0.40mmol)の溶液を、トリエチルアミン(0.16mL、1.19mmol)、HOBT(64mg、0.48mmol)及びEDCI(91mg、0.48mmol)で室温で48時間処理した。反応混合物を1N HClと酢酸エチルに分配した。有機層を、水、1N NaOH及びブラインで順次洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、10%酢酸エチル/ヘキサンを用いるシリカゲルカラムで精製して、生成物を得た(70mg、36%)。LC−MS m/e 489.39(M+H
【0227】
実施例32
4−(2−メトキシ−エトキシ)−安息香酸N’−[3−(2’,3’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0228】
【化66】

【0229】
DMF(3mL)中の3−(2’,3’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−プロピオン酸(110mg、0.44mmol)及び4−(2−メトキシ−エトキシ)−安息香酸−N’−イソプロピルヒドラジド(100mg、0.40mmol)の溶液を、トリエチルアミン(0.16mL、1.19mmol)、HOBT(64mg、0.48mmol)及びEDCI(91mg、0.48mmol)で室温で48時間処理した。反応混合物を1N HClと酢酸エチルに分配した。有機層を、水、1N NaOH及びブラインで順次洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、10%酢酸エチル/ヘキサンを用いるシリカゲルカラムで精製して、生成物を得た(30mg、16%)。LC−MS m/e 489.40(M+H
【0230】
実施例33
チオフェン−2−カルボン酸N’−[3−(2’,3’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0231】
【化67】

【0232】
DMF(8mL)中の3−(2’,3’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−プロピオン酸(207mg、0.81mmol)及びチオフェン−2−カルボン酸N’−イソプロピル−ヒドラジド(150mg、0.81mmol)の溶液を、トリエチルアミン(0.34mL、2.44mmol)、HOBT(132mg、0.98mmol)及びEDCI(156mg、0.98mmol)で室温で48時間処理した。反応混合物を1N HCl及びジクロロメタンに分配した。有機層を、1N NaOH及びブラインで順次洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、20〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで精製して、生成物を得た(173mg、51%)。LC−MS m/e 421.46(M+H
【0233】
実施例34
チオフェン−3−カルボン酸N’−[3−(2’,3’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0234】
【化68】

【0235】
DMF(8mL)中の3−(2’,3’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−プロピオン酸(207mg、0.81mmol)及びチオフェン−3−カルボン酸N’−イソプロピル−ヒドラジド(150mg、0.81mmol)の溶液を、トリエチルアミン(0.34mL、2.44mmol)、HOBT(132mg、0.98mmol)及びEDCI(156mg、0.98mmol)で室温で48時間処理した。反応混合物を1N HCl及びジクロロメタンに分配した。有機層を、1N NaOH及びブラインで順次洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、20〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで精製して、生成物を得た(172mg、50%)。LC−MS m/e 421.46(M+H
【0236】
実施例35
フラン−2−カルボン酸N’−[3−(2’,3’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0237】
【化69】

【0238】
DMF(8mL)中の3−(2’,3’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−プロピオン酸(227mg、0.89mmol)及びフラン−2−カルボン酸N’−イソプロピル−ヒドラジド(150mg、0.89mmol)の溶液を、トリエチルアミン(0.37mL、2.67mmol)、HOBT(144mg、1.07mmol)及びEDCI(205mg、1.07mmol)で室温で48時間処理した。反応混合物を1N HCl及びジクロロメタンに分配した。有機層を、1N NaOH及びブラインで順次洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、20〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで精製して、生成物を得た(193mg、54%)。LC−MS m/e 405.46(M+H
【0239】
実施例36
フラン−3−カルボン酸N’−[3−(2’,3’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0240】
【化70】

【0241】
DMF(8mL)中の3−(2’,3’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−プロピオン酸(227mg、0.89mmol)及びフラン−3−カルボン酸N’−イソプロピル−ヒドラジド(150mg、0.89mmol)の溶液を、トリエチルアミン(0.37mL、2.67mmol)、HOBT(144mg、1.07mmol)及びEDCI(205mg、1.07mmol)で室温で48時間処理した。反応混合物を1N HCl及びジクロロメタンに分配した。有機層を、1N NaOH及びブラインで順次洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、20〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで精製して、生成物を得た(149mg、41%)。LC−MS m/e 405.52(M+H
【0242】
実施例37
イソニコチン酸N’−[3−(2’,3’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0243】
【化71】

【0244】
DMF(5mL)中の3−(2’,3’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−プロピオン酸(127mg、0.50mmol)及びイソニコチン酸N’−イソプロピル−ヒドラジド(ACROS)(167mg、0.60mmol)の溶液を、ジイソプロピルエチルアミン(0.35mL、2.0mmol)及びPyBroP(350mg、0.75mmol)で室温で16時間処理した。反応混合物を1N NaOHと酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、100%酢酸エチルを用いるシリカゲルカラムで精製して、生成物を得た(17mg、8%)。LC−MS m/e 416.49(M+H
【0245】
実施例38
安息香酸N’−[3−(5−フルオロ−2−プロポキシ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0246】
【化72】

【0247】
DMF(3mL)中の3−(5−フルオロ−2−プロポキシ−フェニル)−プロピオン酸(160mg、0.71mmol)及び安息香酸N’−イソプロピル−ヒドラジド(106mg、0.60mmol)の溶液を、ジイソプロピルエチルアミン(0.26mL、1.49mmol)及びPyBroP(416mg、0.89mmol)で室温で16時間処理した。反応混合物を1N HClと酢酸エチルに分配した。有機層を、飽和重炭酸ナトリウム水溶液及びブラインで順次洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、20〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで精製して、生成物を固体として得た(84mg、30%)。LC−MS m/e 387.26(M+H
【0248】
実施例39
安息香酸N’−[3−(2−ブトキシ−5−フルオロ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0249】
【化73】

【0250】
DMF(3mL)中の3−(2−ブトキシ−5−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸(300mg、1.37mmol)及び安息香酸N’−イソプロピル−ヒドラジド(203mg、1.14mmol)の溶液を、ジイソプロピルエチルアミン(0.50mL、2.85mmol)及びPyBroP(800mg、1.71mmol)で室温で16時間処理した。反応混合物を1N HClと酢酸エチルに分配した。有機層を、飽和重炭酸ナトリウム水溶液及びブラインで順次洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、20〜40%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで精製して、生成物を固体として得た(20mg、5%)。LC−MS m/e 401.28(M+H
【0251】
実施例40
安息香酸N’−[3−(2−シクロペンチルオキシ−5−フルオロ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0252】
【化74】

【0253】
DMF(5mL)中の3−(2−シクロペンチルオキシ−5−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸(220mg、0.87mmol)及び安息香酸N’−イソプロピル−ヒドラジド(130mg、0.73mmol)の溶液を、ジイソプロピルエチルアミン(0.32mL、1.81mmol)及びPyBroP(507mg、1.09mmol)で室温で48時間処理した。反応混合物を1N HClと酢酸エチルに分配した。有機層を、飽和重炭酸ナトリウム水溶液及びブラインで順次洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、20〜40%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで精製して、生成物を固体として得た(90mg、30%)。LC−MS m/e 413.32(M+H
【0254】
実施例41
安息香酸N’−[3−(2−シクロブチルメトキシ−5−フルオロ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0255】
【化75】

【0256】
DMF(5mL)中の3−(2−シクロブチルメトキシ−5−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸(195mg、0.77mmol)及び安息香酸N’−イソプロピル−ヒドラジド(115mg、0.64mmol)の溶液を、ジイソプロピルエチルアミン(0.28mL、1.61mmol)及びPyBroP(450mg、0.97mmol)で室温で48時間処理した。反応混合物を1N HClと酢酸エチルに分配した。有機層を、飽和重炭酸ナトリウム水溶液及びブラインで順次洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、20〜40%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで精製して、生成物を固体として得た(45mg、14%)。LC−MS m/e 413.32(M+H
【0257】
実施例42
安息香酸N’−[3−(3−ブロモ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド
【0258】
【化76】

【0259】
DMF(6mL)中の3−(3−ブロモフェニル)プロピオン酸(257mg、1.12mmol)及び安息香酸N’−イソプロピル−ヒドラジド(200mg、1.12mmol)の溶液を、トリエチルアミン(0.47mL、3.36mmol)、HOBT(182mg、1.34mmol)及びEDCI(2.58mg、1.34mmol)で室温で18時間処理した。反応混合物を水とジクロロメタンに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗状物をシリカに吸収させ、20〜40%酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるシリカゲルカラムで精製して、生成物を固体として得た(293mg、67%)。
【0260】
実施例43
DGATリン脂質フラッシュプレートアッセイ
アッセイ用材料は:PL−フラッシュプレート:PerkinElmerからのリン脂質フラッシュプレート、カタログ番号SMP108;0.1%トリトンX−100を含む水中に懸濁されたDAG(1,2−ジオレオイル−sn−グリセロール)10mM;55mCi/mmolの比活性を有する、PerkinElmerからの14C−Pal−CoA(パルミトイル補酵素A、[パルミトイル−1−14C])、カタログ番号NEC−555;及び9.85mg/mlのタンパク質濃度を有するDGATペレットであった。
【0261】
水性緩衝液は、以下のように調製又は購入した:コーティング用緩衝液(CB)は、PerkinElmerから購入し(カタログ番号SMP900A);反応用緩衝液(RB)は、水中の50mMトリス−HCl、pH7.5、100mM NaCl、0.01%BSAであり;洗浄用緩衝液(WB)は、水中の50mMトリス−HCl、pH7.5、100mM NaCl、0.05%デオキシコール酸ナトリウム塩であり;希釈用緩衝液(DB)は、水中の50mMトリス−HCl、pH7.5、100mM NaCl、1mM EDTA、0.2%トリトンX−100である。
【0262】
1,2−ジオレオイル−sn−グリセロール(DAG,10mmol)を、コーティング用緩衝液(CB)で500μMに希釈した。次に、希釈DAG溶液を、384ウエルPL−フラッシュプレートに、1ウエルあたり60μlで加え、室温で2日間インキュベートした。次にコーティングしたプレートを、使用前に洗浄用緩衝液(WB)で2回洗浄した。試験化合物を、100%DMSO中で、2000、666.7、222.2、74.1、24.7、8.2、2.7及び0.9μMに、逐次希釈した。希釈化合物は、さらに、反応用緩衝液(RB)で10倍希釈した。14C−Pal−CoAは、RBで8.3μMに希釈した。DGATペレットを希釈用緩衝液(DB)で0.13mgタンパク質/mlに希釈した後、直ちにPL−フラッシュプレートに加えて反応を開始させた。RB希釈化合物(又はトータル及びブランクについてはRB中の10%DMSO)20μl、RB希釈14C−Pal−CoA15μl及びDB希釈DGATペレット(ブランクについてはDGATを含まないDB)15μlを、PL−フラッシュプレートの各々のウエルに移した。反応混合物を37℃で1時間インキュベートした。反応を、WBで3回洗浄することにより停止した。プレートをTop−sealでシールし、Topcount機器で読み取った。
【0263】
IC50の算出:各化合物のIC50値は、エクセルテンプレートを用いて生じさせた。トータル及びブランクのTopcount rpm読み取り値は、0%及び100%阻害として使用した。化合物の存在下での反応の%阻害値を算出し、化合物濃度に対してプロットした。すべてのデータは、以下のように、用量−応答一部位モデル(4パラメーター論理モデル)にフィッティングさせた:
(A+((B−A)/(1+((x/C)^D))))
ここで、A及びBは、それぞれ、曲線の底及び頂点(最高阻害及び最低阻害)であり、Cは、IC50であり、Dは、化合物のヒル係数である。結果を以下の表1にまとめる。
【0264】
【表1】





【0265】
以下の表2に、好ましい3実施例についての特異的データを示す:
【0266】
【表2】


本発明は、上記の本発明の特定の実施態様に限定されるものではなく、特定の実施態様の変形がなされ得ること、及びそれらもまた添付の特許請求の範囲の範囲内であることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】


(式中、
Yは、(C〜C)アルキレン又はアリールで置換された(C〜C)アルキレンであり;
は、置換又は非置換のアリール、あるいは
【化2】


であり、
は、(C〜C)アルキルであり;
は、非置換アリール、
ハロゲン、(C〜C)アルキル、及び−O(CHOCHからなる群より独立して選択される基で置換されたアリール、
S、N、及びOからなる群より選択される1〜3個のヘテロ環原子を有し、環炭素原子により結合する5又は6員ヘテロ芳香族環である、非置換の飽和、不飽和又は部分飽和ヘテロシクリル、
(C〜C)アルキルで置換された、置換の飽和、不飽和又は部分飽和ヘテロシクリル、あるいは
置換又は非置換の5〜10員シクロアルキル環であり;
mは、0、1、2、又は3である)
の化合物、及びその薬学的に許容されうる塩。
【請求項2】
Yが、CH=CH、(CH、又は−CH(Ar)CHであり;nが、1又は2である、請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項3】
Yが、(CHであり、nが、2である、請求項1又は2記載の式Iの化合物。
【請求項4】
が、非置換アリールであるか、あるいは、
H、(C〜C)アルキル、ハロゲン、
非置換アリール、
ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、−CF、−OCF、−SCH、−CN、−SOCH、−NO、及び−(CH)Arからなる群より独立して選択される基でモノ−、ジ−、若しくはトリ−置換されたアリール、
−O−フェニル、−O(CHCH、又は
酸素若しくはメチルオキシによりアリール環に結合している非置換若しくは置換の4〜10員シクロアルキル環、
からなる群より独立して選択される基で置換されたアリールであり;
pが、0、1、2、又は3であり;あるいは
が、
【化3】


である、請求項1〜3のいずれか一項記載の式Iの化合物。
【請求項5】
が、
【化4】


であり、
が、H、(C〜C)アルキル、
非置換アリール、
ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、−CF、−OCF、−SCH、−CN、−SOCH、−NO、及び−(CH)Arからなる群より独立して選択される基でモノ−、ジ−、若しくはトリ−置換されたアリール、
−O−フェニル、−O(CHCH、あるいは
酸素若しくはメチルオキシによりアリール環に結合している非置換若しくは置換の4〜10員シクロアルキル環であり;
、R、Rは、互いに独立に、H、ハロゲン、フェニル、又は(C〜C)アルキルであり;
pが、0、1、2、又は3である、
請求項1〜4のいずれか一項記載の式Iの化合物、及びその薬学的に許容されうる塩。
【請求項6】
が、−O−フェニル、−O(CHCH、あるいは酸素又はメチルオキシによりアリール環に結合している非置換又は置換の4〜10員シクロアルキル環からなる群より選択され;pが、1、2、又は3である、請求項1〜5のいずれか一項記載の式Iの化合物。
【請求項7】
が、シクロペンチルオキシ又はシクロブチルメトキシ基である、請求項1〜6のいずれか一項記載の式Iの化合物。
【請求項8】
が、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、−CF、及び−CNからなる群より独立して選択される基で、モノ−、ジ−、又はトリ−置換されたフェニルである、請求項1〜5のいずれか一項記載の式Iの化合物。
【請求項9】
が、イソプロピルである、請求項1〜8のいずれか一項記載の式Iの化合物。
【請求項10】
が、非置換フェニル又は、ハロゲン、(C〜C)アルキル、及び−O(CHOCHからなる群より独立して選択される基で置換されたフェニルであり、mが、0、1、2、又は3である、請求項1〜9のいずれか一項記載の式Iの化合物。
【請求項11】
が、S、N、及びOからなる群より選択される1〜3個のヘテロ環原子を有し、非置換又は(C〜C)アルキルで置換された、環炭素原子により結合する5又は6員ヘテロ芳香族環である、請求項1〜9のいずれか一項記載の式Iの化合物。
【請求項12】
が、チオフェン、フラン、及びピリジンからなる群より選択される5又は6員ヘテロ芳香族環である、請求項1〜9及び11のいずれか一項記載の式Iの化合物。
【請求項13】
及びRが、各々独立に、フェニルである、請求項1〜10のいずれか一項記載の式Iの化合物。
【請求項14】
安息香酸N’−イソプロピル−N’−[3−(3’−メトキシ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(2−シクロペンチルオキシ−5−フルオロ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(3’−クロロ−4’−フルオロ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(2’−クロロ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(2’,5’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(2−ブトキシ−5−フルオロ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(5’−イソプロピル−2’−メトキシ−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(2’,3’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−アクリロイル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、
安息香酸N’−[3−(2’,3’−ジメチル−ビフェニル−2−イル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド、及び
安息香酸N’−[3−(2−シクロブチルメトキシ−5−フルオロ−フェニル)−プロピオニル]−N’−イソプロピル−ヒドラジド
からなる群より選択される、請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項15】
一般式
【化5】


(式中、Y及びRは、請求項1と同義である)
の化合物を、式
【化6】


(R及びRは、請求項1と同義である)
のヒドラジドと塩基条件下でカップリングして、式
【化7】


の化合物を得ること、及び所望により、式Iの化合物を薬学的に許容されうる塩に変換することを含む、請求項1〜14のいずれか一項記載の化合物の製造方法。
【請求項16】
請求項15記載の方法により製造したときの、請求項1〜14のいずれか一項記載の化合物。
【請求項17】
治療上活性な物質として使用するための、請求項1〜14のいずれか一項記載の化合物。
【請求項18】
ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼの阻害に関連する疾患を治療及び/又は予防する医薬を調製するための、請求項1〜14のいずれか一項記載の化合物の使用。
【請求項19】
肥満、II型糖尿病、又は代謝性症候群を治療するための、請求項18記載の使用。
【請求項20】
治療有効量の請求項1記載の式Iの化合物をそれを必要とする患者に投与することを含む、患者の肥満、II型糖尿病、又は代謝性症候群を治療するための方法。
【請求項21】
上記化合物の上記治療有効量が、1日当り約10mg〜約1000mgである、請求項20記載の方法。
【請求項22】
治療有効量の請求項1記載の式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩、及び薬学的に許容されうる担体を含む医薬組成物。
【請求項23】
肥満、II型糖尿病、又は代謝性症候群の治療に使用するための、請求項22記載の医薬組成物。
【請求項24】
実質的に以下の本明細書に記載の新規の化合物、工程及び方法、並びにこのような化合物の使用。

【公表番号】特表2008−540485(P2008−540485A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−510535(P2008−510535)
【出願日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際出願番号】PCT/EP2006/061900
【国際公開番号】WO2006/120125
【国際公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】