説明

ジオポジショニングおよびローカルモードを実行する位置追跡

【課題】無線装置が、遠距離位置追跡を可能にするためのジオロケーションおよび局所的位置追跡を可能にするための局所的位置技術を利用することにより、目標物に関する位置データを提供する。
【解決手段】ジオロケーションおよび局所的位置技術は、位置追跡装置および位置追跡される装置の両方に、同時にまたは個別に組み込まれてよく、必要に応じて再構成され得る。位置追跡される無線装置は、マルチユーザー無線加入者ネットワークと通信することができる無線通信回路を含む。ジオロケーション読取回路がGPSまたは類似の位置データを提供する。このジオロケーション読取回路はまた、目標物に関するジオロケーションデータを取得することができる。局所的位置検出装置が局所的位置データを構文解析し、ジオロケーションデータに基づいてジオロケーションの指示が提供される。この局所的位置検出装置はさらに、局所的位置データを用いてジオロケーションデータを修正するときに使用される局所的位置データに応答する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本特許出願は、本特許出願の譲受人に譲渡され本発明の発明者によって出願された「Location Obtained by Combining Last Known Reliable Position with Position Changes」というタイトルの出願と同時継続している。
【0002】
本発明は、概して、無線装置用のジオロケーションサービスおよび位置検出サービスに関する。より詳細には、本発明は、局所的位置データを用いたジオロケーションデータの修正に関する。
【背景技術】
【0003】
本発明は、無線通信装置(wireless communication device(WCD))などの移動可能な装置の位置検出および位置追跡に関する。
【0004】
本明細書で使用される場合、WCDという用語は、以下に限定されないが、ユーザー装置、移動局、固定されたまたは移動可能な加入者ユニット、ポケットベル、あるいは、無線環境で作動することができる他の任意のタイプの装置を含む。WCDには、電話、ポケットベル、テレビ電話、およびネットワーク接続手段を有するインターネット対応電話などの、パーソナル通信装置が含まれる。また、WCDには、PDA、および同様のネットワーク機能を有する無線モデムを備えるノートブックコンピュータなどの携帯用パーソナルコンピューティング装置も含まれる。携帯用であるまたはそれ以外でも位置を変更することができるWCDはモバイルユニットと称される。無線通信システムは、音声およびデータなどの多様な形での通信を可能にするために広く導入されている。典型的な無線データシステム(またはネットワーク)は、複数のユーザーがアクセスする1つまたは複数の共有のリソースを設けている。システムは、周波数分割多重方式(frequency division multiplexing(FDM))、時分割多重方式(time division multiplexing(TDM))、符号分割多重方式(code division multiplexing(CDM))などの様々なマルチアクセス技術を使用することができる。無線ネットワークの例としては、セルラーベースデータシステムがある。このような例のいくつかを以下に示す: (1)"TIA/EIA-95-B Mobile Station-Base Station Compatibility Standard for Dual-Mode Wideband Spread Spectrum Cellular System" (IS-95規格)、(2)"3rd Generation Partnership Project" (3GPP)と名づけられたコンソーシアムによって提案され、文献番号3G TS 25.211、3G TS 25.212、3G TS 25.213、および3G TS 25.214を含む一組の文献内で具体化されている規格(W-CDMA規格)、(3) "3rd Generation Partnership Project 2" (3GPP2)と名づけられたコンソーシアムによって提供され、"TR-45.5 Physical Layer Standard for cdma2000 Spread Spectrum Systems"で具体化されている規格(IS-2000規格)、および、(4) TIA/EIAIIS-856規格に準拠しているハイ・データ・レート(high date rate(HDR))システム(IS-856規格)。
【0005】
1つの特別なタイプのWCDとしては、パーソナル位置検出装置がある。パーソナル位置検出装置は、GPSを用いて装置のユーザーに位置情報を提供することを目的として、または例えば無線ネットワークを使用して装置の外部位置追跡を可能にすることを目的として使用される。低デューティサイクル((Low Duty Cycle)LDC)技術(電池の寿命を節約するために装置をディープスリープモード(セルラーネットワーク上での送信または受信回数が少ないモード)にすることができる技術)などを使用した低消費電力の、このようなパーソナル位置検出装置を用意することがしばしば望ましい。LDCの1つの欠点は、装置のアクティブ時間が減ることにより、位置追跡および他の位置監視が困難になることである。目標物を位置追跡する場合、非常にアクティブなデューティサイクルが有利であるような時間が存在する場合が多い。
【0006】
本発明においては、「GPS」は、GPSに加えて、GLONASS、Omega、Loranなどのその他の広域無線ジオロケーションシステムを指すことを意図する。
【0007】
携帯電話またはその他の無線通信装置(WCD)に関するジオロケーションデータを提供するために、様々なセルラー位置検出システムが使用されている。これは、緊急サービスの機能の一部であることが最も一般的であるが、パーソナル位置追跡、および地図案内(map direction)などの位置検出に関するサービスに使用されてもよい。このような位置検出サービスは、無線通信ネットワークによって提供されるまたはGPSなどのジオロケーション装置によって提供されるような位置検出サービスを使用することができる。「位置検出」および「位置検出サービス」は、WCDの物理的位置を測定することを示すのに使用される。通常、「位置検出」とは、地理的座標に変換され得るWCDの位置を特定することである。
【0008】
ジオロケーションシステムは、ジオロケーションを測定するために信号システムを使用する。これはGPSと連携されることが一般的であるが、地上ベースのシステムも使用される。さらに、無線通信ネットワークは、しばしば、通信リンクをベースとしてジオロケーションを提供する機能を有する。このような位置の測定は信頼性の高い地文航法またはジオロケーションと見なされる。というのは、信号が適切に受信された場合の測定結果はシステムの精度において信頼できるものであるからである。これらは、地測航法信号が適切に受信されるように適切に基地形成されたシステムの動作に基づいて位置が測定されるという意味で信頼性が高い。GPSまたはその他の地測航法システムは、それ自体が、無線通信システムによって検出されないエラーを発生させる場合があるが、地測航法システムは、位置を検出するという意味では信頼性が高いものであると見なされることを理解されたい。
【0009】
ジオロケーションシステムを使用することによる、携帯電話またはその他のWCDに基づいた位置追跡では、位置検出の精度は最高でせいぜい数メートルであり、場合によってはたかだか数百メートルである。これは、GPS信号の元々の信頼性とは別の問題である。これは位置検出サービスにおいては十分であることが多いが、鍵、財布または小型のペットなどの一部のアイテムの場合、目標物の数メートルの範囲内まで誘導しても紛失した目標物を位置検出することがやはり困難となる場合がある。
【0010】
局地的な無線受信領域の測定によって提供されるデータを超えるWCD用の位置データを取得することは、緊急サービスを提供することができるおよび一般向けの方向サポート(consumer directional assistance)を提供することができるといったようないくつかの理由で有用である。緊急サービスの発信者が警察の緊急電話番号をダイヤルするとすぐに緊急サービスが発信者の位置に差し向けられる。これは、「999」(英国)、「911」(北米)、「112」(欧州)などの緊急サービス番号または汎用の緊急電話番号を使用することによってアクセスされる。多くの緊急コールセンターは、「起点のマーキング(marking of origin)」と呼ばれる機能を有している。発信者の電話番号がネットワークを介して送信され、その電話番号に一致する住所が電話ネットワークプロバイダのデータベース内から位置検出される。デジタルマップおよびマッピングアプリケーションを使用することにより、着信を受けるとすぐにその住所の位置を地図上に表示することができる。
【0011】
地上通信線の場合、発信者の位置は、通常、North American SS 7 systemsでは自動番号識別機能(automatic number identification(ANT))と呼ばれる電話アカウントデータなどによって提供される。「Enhanced911」と呼ばれるANTを修正したものが北米では導入されているが、これらのサービスは依然として固定された加入者の位置検出をベースにしている。
【0012】
携帯電話サービスの場合、物理的位置は接続サービスには含まれない。セルラー電話は、一般に、エリアコードおよび市内局番などのANIの情報によって位置検出されない。自動位置識別機能(Automatic Location Identification(ALI))は、ネットワークをベースとした位置の特定またはWCDをベースとしたジオロケーションのいずれかによってセルラー電話の物理的位置を提供することを意図している。
【0013】
ALIがWCDの位置を正確に測定することができない例がいくつかあるが、最も顕著なのが、GPS対応のWCDがGPS衛星信号を取得することができない場合である。例としては、建物が金属被覆されていることにより、GPSの受信に対してファラデーエンクロージャ(Faraday enclosure)が形成される場合がある。したがって、「Enhanced911」がALIの機能の一部またはすべてを請け負っていても、ALIのデータを使用することができない場合がある。一部には、特にエンクロージャの範囲内からでは、モバイル電話によってGPS信号を十分に受信することが困難であることが理由で、位置検出サービスが制限されてしまう。
【0014】
位置検出を実行するのに使用されるデータは、GPSの場合と同様にWCD自体から得ることができ、到来角(Angle of Arrival(AOA))、到達時間(Time of Arrival(TOA))および時間差(Time Difference of Arrival(TDOA))を用いた場合、またはネットワークによる測定と装置による測定とを組み合わせた場合では、一般的に主としてネットワーク基地局から得ることができる。基地局からの信号を使用することによりGPSの位置追跡能力を向上させることが可能である。これには、assisted GPS(A-GPS)として知られている技術が導入されている。A-GPSの一機能は、GPS信号の取得の可能性を大幅に向上させるために、衛星配置データを含めた追加の情報を通信データリンクを介してWCDに提供することである。無線ネットワークと連携して使用される第2の位置検出技術では、到来角(Angle of Arrival(AOA))、到達時間(Time of Arrival(TOA))および時間差(Time Difference of Arrival(TDOA))などの基地局からの三角網が使用される。
【0015】
特にGPSベースのシステムは、受信機からかなりのバッテリー電力を消費することから、通常動作時は位置検出機能をオフにしておくことが有利である。ネットワークベースの位置検出サービスの場合、位置検出サービスは、WCDの、ネットワークとの通信レベルの程度に左右される。休止状態では、WCDは、WCDとの通信に使用するための特定の送信機セクタをネットワークが特定するのに十分な信号のみを提供することができる。また、WCDのユーザーは、位置データが営利目的で乱用される可能性を回避するために位置検出サービスをオフにすることができる。GPS対応の多くのWCDは、位置検出サービスを緊急通報のみに制限するように、または、案内を得る場合などの、位置ベースの通信サービスが望まれる場合にのみ位置検出サービスをオンにするように構成され得る。このような場合、位置検出装置は、緊急通話サービスが作動されることによって、または位置ベースの通信アプリケーションが起動されることによって作動される。
【0016】
長距離および局所の位置検出および位置追跡は別個に解決され得る。位置追跡装置は、その位置を含んでいる通信ネットワークを介してデータを送り返すか、または、適当な至近距離内にある(通常は一部のタイプの無線受信機である)別の装置によって位置追跡され得るビーコン信号を発する。これらの装置は一方のモードまたは他方のモードのいずれかで作動されるため、2つの個別の位置追跡機能を採用していることになる。
【0017】
ジオロケーションシステムを使用することによる、携帯電話またはその他のWCDをベースとした位置追跡では、位置の精度は最高でせいぜい数メートルであり、場合によってはたかだか数百メートルである。これは、GPS信号の元々の信頼性とは別の問題である。これは位置検出サービスにおいては十分であることが多いが、鍵、財布または小型のペットなどの一部のアイテムの場合、目標物の数メートルの範囲内まで誘導しても紛失した目標物を位置検出することがやはり困難となる場合がある。
【0018】
また、屋内では、上述したように、A-GPSジオロケーションシステムにより、位置を数百メートルごとに修正することができる。例えば、図1は、位置111であると推定される位置にある、「建物L」として示されている建物内にあるWCD103について、AGPSによって測定された位置を示した地図である。WCD位置のサンプルは小さい正方形(■)で示されており、個々を特定することはできない。示されるように、WCDは建物内外を「動き回って」おり、この建物の外では、時々、位置125において、建物KSの方に向かっている。ユーザーが建物KSにいたかどうかは明らかではないが、WCDは全時間を通して位置111のところにあるオフィス内の机の上に置かれたままであり、実際には建物KS125または別の位置までユーザーに携帯されてはいなかった。このWCDの位置追跡は無線ネットワークによって行われたが、大部分が信号伝搬に関連する種々の要因により、検出された位置が変化したと推定される。このことは、建物内にあるWCDの位置追跡の曖昧さを示している。
【0019】
図2は、複数のWCDのAGPSによって測定された位置を示した地図である。かなりの割合のサンプルが位置111のところにある建物内にある。この建物の大部分の位置は、この建物の全体領域(135で示されている領域)内にあるが、一部の位置は、実際には行われていない大きな高速道路255を跨いだ移動(例えば、243、244)を示している。別の一部の指示は別のローカルエリア(125〜127のところにある)を指している。266などの一部の隣接する領域の場合は、曖昧さにより、ユーザーが装置を携帯してこれらのエリアを跨いで歩いた可能性が想定されるが、その他の位置(273、275、277)は結果が不正確であることを示している。
【0020】
位置のこのようなパターンはある程度予測可能である。図2の地図は、同じ位置にある建物内に置かれた複数のWCDのAGPSによって測定された位置を示している。明らかなように、複数のWCDによって示されているパターンは個々のWCDによって異なる。これらのWCDの位置追跡では、これらのWCDが、道路を跨いでまたは近所の建物の中へと動き回っているおよびいくつかの場合では1キロメートル近く離れたところ(273)まで動き回っているような印象を受ける。位置読取値がネットワーク内にある1セクタとWCDとの通信によって制限を受けることを除いて、(サンプル位置読取値に従うと)WCDはこれ以上に「動き回って」いるように思われる。
【0021】
図3Aおよび図3Bは、装置を持って外を歩いている間の図2の5つの装置の位置追跡の結果を示した地図である。建物L付近の結果は散らばっているが、一部の位置は建物Lの外でのWCDの実際の動きに一致している。別の一部の結果はさらに離れているが、地図の人工地物に基づくと、これらは位置が正確に表示されていることを反映していることが分かる。例えば、WCDは、道路に沿って(335〜338)またはリテールエリア(341)内で検出された。これらの読取値は屋外の読取値の代表例であり、一般に建物内の読取値よりはるかに正確である。
【0022】
これらの地図は興味深いものであるが、この曖昧さは、例えば、緊急サービス用に提供される位置検出サービスが、WCDを、あるいはもっと言えば遭難信号を送っているユーザーを正確に位置検出することができないことを意味している。小さな目標物を探す場合、位置検出サービスによって提供される情報が、目標物が街区の半分の範囲内にあることのみを示すことになり、これは、目標物の位置をより正確に示すことを目的とする場合にはしばしば不十分である。
【0023】
位置を検出するためにレート計測器(rate instrument)が使用されているが、これが最も顕著なのが航空機である。レート計測器には、慣性プラットフォームと、加速度、方向の変化、速度の変化、および姿勢変化などを計測する類似の計測器とが含まれる。一例として、慣性空間内のプラットフォームの正確な姿勢情報、方向情報および位置情報を取得するために使用される3軸ジャイロスコープと加速度計とのセットがある。最初の位置を含めた十分なデータが与えられると、レート計測器から得られたレート測定値に基づいて目標物の位置を、歳差および類似のエラーを補正して、測定することが可能となる。本発明においては、「レート」は、モーション、および、それ以外に、加速度、速度およびその他の速度変化を含めた位置的変化を示すことを意図している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】「Location Obtained by Combining Last Known Reliable Position with Position Changes」というタイトルの出願
【非特許文献】
【0025】
【非特許文献1】3G TS 25.211
【非特許文献2】3G TS 25.212
【非特許文献3】3G TS 25.213
【非特許文献4】3G TS 25.214
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
マルチユーザー無線加入者ネットワーク(multiuser wireless subscriber network)と通信することができる無線装置が、目標物に関する位置データを提供する。この無線装置は、無線通信回路、ジオロケーション読取回路、局所的位置検出装置、ならびに、ジオロケーション回路と局所的位置データ装置とに応答する制御回路を有する。ジオロケーション読取回路は目標物に関するジオロケーションデータを取得し、局所的位置検出装置は局所的位置データを構文解析する。制御回路は、ジオロケーション回路に応答して、そのジオロケーションデータに基づいてジオロケーションの指示を提供し、さらに、局所的位置データに応答して、ジオロケーションデータに対して局所的位置データを補う。
【0027】
特定の構成では、無線装置は、局所位置データを用いてジオロケーションデータを修正したり、目標物に関するジオロケーションデータの相対的な読取値を提供したりすることができる。マルチユーザー加入者ネットワークは、目標物を特定することができる局所的信号の送信の要求を伝えるのに使用され得る。
【0028】
マルチユーザー無線加入者ネットワークと通信することができる無線装置は位置データを提供するのに使用され得て、ここでは、この装置は必要な能力を有する局所的位置検出装置と制御回路とを有している。局所的位置検出装置は局所的位置データを提供する。制御回路は所定の事象に応答して局所的位置データを提供する。この局所的位置データは、この局所的位置データにより、ネットワークによって提供されたジオロケーションデータを増補することが可能である。
【0029】
制御回路は、外部信号、すなわち所定の事象として感知された状態信号に応答することができる。一構成では、所定の事象は、目標物に関するジオロケーションデータを提供することができるジオロケーション回路を作動させるのに使用される。
【0030】
これらの技術は、例えば加速度または無線信号といったような、位置に関する第1の事象を検出するのに使用され得る。事象が検出されることに応答して、GPSが作動されるまたはそれ以外ではジオロケーションの監視が開始されることによってジオロケーションデータが提供される。ジオロケーションは、位置に関する第2の事象を検出するのに使用される。一方または両方のジオロケーション事象に関するデータは、例えば、マルチユーザー加入者無線ネットワークを介して提供される。
【0031】
位置データは、ジオロケーションデータを取得すること、ジオロケーションデータの信頼性特性の指示を取得すること、所定の基準を下回るまで低下した信頼性特性に部分的に基づいて局所的位置データの必要性を判定することにより、移動可能な目標物から取得される。局所的位置データが必要である場合では、これらのローカルビーコン信号が不足しており局所的位置データが必要となった時点で、局所的信号の要求が送信される。
【0032】
本発明の種々の態様および実施形態を以下でさらに詳細に説明する。
【0033】
本発明の特徴および性質は、同様の参照符号が複数の図面を通して対応するように示されている図面に関連した、以下に記載されている詳細な説明からより明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】建物内にあるWCDのAGPSによって測定された位置を示した地図である。
【図2】複数のWCDのAGPSによって測定された位置を示した地図である。
【図3A】近隣領域内で位置追跡された、AGPSによって測定された位置を示した地図である。
【図3B】近隣領域内で位置追跡された、AGPSによって測定された位置を示した地図である。
【図4】位置検出サービス用の補足データを提供するように適合されたWCDの図である。
【図5】目標物を位置追跡するように適合された位置追跡WCDの概略ブロック図である。
【図6】ターゲットWCDおよび位置追跡WCDの動作を示したフローチャートである。
【図7】位置データの指示を提供するための装置の機能的構成を示した図である。
【図8】WCDの位置に関する情報を提供するための装置の機能的構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
「例示的」という表現は、本明細書では、「実施例(example)、具体例(instance)、または実例(illustration)を提示する」ことを意味するために使用される。「例示的」なものとして本明細書で説明されるいずれの実施形態も、必ずしも他の実施形態より好適または有利な実施形態として解釈される必要はない。「実施例」という単語は、本明細書では、「非限定的な実施例」を意味するために使用される。本明細書で提示される各実施例は単に一実施形態の実例であり、他に多くの実施形態が存在してよく、提示されるいずれの実施例も、それ以外のより広いカテゴリーを限定するものとして解釈されるべきではない。
【0036】
(多モード位置追跡)
【0037】
位置追跡される装置を位置検出する場合、多モード位置追跡動作が使用され得て、ネットワーク位置検出サービスを用いることにより広域の位置が測定される。位置追跡される装置は、広域の位置検出によって特定される位置に到着するとローカルビーコンモードへと再構成され、応答機が、アイテムが検出または発見される場所に到着するまで信号の強度および方向を追跡できるようになる。
【0038】
一構成では、位置追跡されるターゲットWCDは位置追跡WCDによって特定され、ネットワークが、ターゲットWCDの位置について問い合わせされる。ネットワークがそのWCDの位置情報を持っておりその位置情報が最新のものであると見なされた場合、その情報は位置追跡WCDに送信される。WCDは、WCDの位置検出機能を有効にすることによって位置追跡WCDからの呼び出し信号(hailing signal)に応答して、それにより位置データを提供するように構成されていてよい。位置データはネットワークを介してアクセスされ、広域位置データとして位置追跡WCDに提供される。
【0039】
位置追跡WCDに提供される広域位置データには精度限界がある。位置追跡されるWCDは、問い合わせに応答して、局所的に位置追跡され得る少なくとも1つのビーコン信号を発する。したがって、広域位置データが、位置追跡されるWCDの位置を特定するために、そのビーコン信号を受信するのに必要な程度に十分なものである場合、ビーコン信号を位置追跡されるWCDの位置をより正確に位置検出するのに使用することができる。
【0040】
送信に関する限りにおいては、位置追跡されるWCDを休止状態のままにしておくことが可能である。このようにして、WCDによって定期的に受信される信号によって、または、WCDが所定のエリアを越えて移動した可能性がないと推定されることによって、位置追跡されるWCDは所定の受信エリア内にあると推定される。これにより、位置追跡されるWCDは、過度にバッテリー消費することなくかつ大量の電磁エネルギーを送出することなく、より長い時間においてアクティブ状態とされる。現在、これは、加速度によってまたは手動によってのいずれかで起動されるまで休止状態のままでいるELT送信機を用いて行われている。同様に、GPS位置検出サービスは、緊急通報があるとき以外は非アクティブ状態のままでいることが多い。位置検出サービスおよびビーコン信号を所定の条件下でのみ作動させるようにするために、追加の位置データが選択的に作動されてもよい。
【0041】
位置追跡WCDに提供される広域位置データには精度限界があることから、追加のローカルエリアデータ位置情報によりWCDの位置データをさらに増補することができる。WCDは、屋外にあるときに基準点を確定する場合に、GPSなどの広域定点(wide area fix)からの既知の適切な基準点を使用することができる。その後、WCDは、屋内に移動してもその基準定点を使用することができ、さらに、屋内で利用可能である広域位置データの精密性を増補すためにWCD内のレート感知回路(rate sensing circuit)から得られる局所位置データを使用することができる。
【0042】
(有効なデータ)
【0043】
図1を再び参照すると、建物Lの外のある位置にWCD103があり、その位置において受信が行われた。WCD103が位置130にある建物Lに入る場合、最新の既知の、信頼性の高い位置信号が受信されていても、それを参照することができない可能性もある。いずれの場合も、135で示されている狭い領域内にあるデータ点が、例えばデータ点137より有効である可能性があると判断されてよい。領域135内のデータ点群を使用することにより、有効な点の加重平均を、すべてのデータ点が許容される場合より信頼性のあるものにすることができる。WCD103の移動に関する別のデータが利用可能である場合、この移動を領域135などの限定された領域に適合することができる。
【0044】
(位置データの増補)
【0045】
assisted GPS (A-GPS)に加えて、WCDに関する別の情報を使用することにより装置の位置を増補することができる。通常、GPSまたはその他の位置データの信頼性は確認され得ることから、位置の測定ではその信頼性を考慮することができる。
【0046】
広域位置データの精度は位置追跡WCDに提供されてよく、また、広域位置データは、位置追跡されるWCDの漠然とした位置に手探りでアクセスするのに使用されてもよい。いずれの場合も、位置データはレート感知によって増補される。レート感知には、加速度計、ジャイロスコープまたはその他の感知装置を含めた任意の慣性機器が含まれてよい。その結果、WCDが、建物L内での移動に相当するレートを検出した場合、WCDが1キロメートル離れている可能性がないことを推定することが可能となる。
【0047】
他方で、WCDが屋根付き駐車場にある場合、WCDは車の中へ持ち込まれている可能性があり、その場合は1キロメートルを超えて移動することができる。WCDがレートを検出することができる場合、検出されたレートに見合った、検出された位置への修正が受容される。レート測定の信頼性が高いという程度にまで、位置を正確に修正することができる。
【0048】
加速度の場合、速度を正確に測定する能力が制限される場合がある。これは、GPSおよび無線ネットワークとの通信からの情報を含めた外部位置情報によって増補され得る。これにより、瞬間的な速度変化を測定しながら、一定時間にわたってWCDの速度を測定することが可能となる。こうして、位置データを提供するために使用され得る速度データが得られる。
【0049】
別の構成では、広域位置データは、WCDの有効な位置区域を判定するのに使用される。一般に、位置データの精度を判定することは可能である。GPSジオロケーションの場合、受信装置(WCD)は、受信に基づいて、位置情報の精度の指示を提供することができる。これには、ジオロケーションシステム自体によって発生するわずかな偏差および実質的な偏差は含まれていないが、これらのシステムの精度は一般には既知の要素である。無線ネットワーク通信の場合、無線ネットワークは、WCDの位置の指示も提供する。無線ネットワークによって測定される位置は、ジオロケーションシステムによって提供された位置に適合され得る。多くの場合、無線ネットワークによって測定された位置データに基づいてジオロケーションシステムの有効性を判定することができる。
【0050】
無線ネットワーク信号によって測定された位置をジオロケーションに適合させる能力により、WCDの考えられる移動の指示が提供される。例えば、ユーザーが屋根のある駐車場に入った場合、衛星航法(例えば、GPS)に基づくWCDの最新の既知の位置は、ユーザーが建物に入ったところの位置、すなわち、おそらく、ユーザーは建物内にいるが外で受信したときの位置となる。WCDが車の中に置かれている場合、WCDは、衛星航法信号を受信することができる場合もあるが、これらの信号の受信を妨害される場合もある。いずれの場合も、一般には、測定されたWCDの位置は、WCDと通信しているネットワークによって測定された位置に一致する。
【0051】
(2つの独立したジオロケーション測定値の平均値の取得)
【0052】
位置を測定するために2つの独立した手法が使用される場合、これらの手法は、2つの装置の間で相対的な位置を測定する場合のように相加的に使用されてよく、または、非相対的な測定または重み付きの測定を確立するように使用されてもよい。非相対的な測定は、ネットワークリソースまたは位置追跡される装置自体の中にあるリソースを用いてより正確な測定を行うときに使用される。2つの独立したジオロケーション測定値の平均値を得るには計算が必要となる。この計算の一例が以下で示される。
【0053】
目標物のジオロケーションを測定するために2つの独立した手法が用いられ、これらの手法のいずれにも偏りがないと仮定すると、各手法の測定精度は測定サンプルの標準偏差を用いて表される。これにより、一方の手法を用いたときの多数のサンプルの平均値が目標物の本当の位置であると推定される。
【0054】
確率において、値の確率分布の標準偏差はその値の広がりの程度である。標準偏差が小さいと、それらの値はより「集中」しており、統計上において個々の測定値はより正確となる。標準偏差は平方偏差の平方根として定義される。ランダム変数Xの場合、平方偏差は以下のように定義される:
σ2=E((X-E(X))2) (1)
【0055】
Xを測定するための第1の手法(「手法1」)が、標準偏差が小さくしたがって平方偏差が小さいことでより正確であると仮定されると、第2の手法(「手法2」)の測定値の平方偏差は以下のようになる:
【0056】
【数1】

【0057】
その場合、手法1および手法2の両方からの読取値に基づいて位置を計算するために加重平均が採用される:
X'=w*X1+(1-w)*X2. (0<w<1) (3)
【0058】
「最適」な加重値wを選択することにより、以下のように標準偏差が最小化される;
σ'2=E((X'-E(X'))2)=E((w*X1+(1-w)*X2)-E(w*X1+(1-w)*X2))2
=E((w*(X1-E(X1))+(1-w)*(X2-E(X2)))2) (4)
σ'2=E(((w*(X1-E(X1)))2+((1-w)*(X2-E(X2)))2+2(w*(X1-E(X1))*(1-w)*(X2-E(X2)))
(5)
σ'2=E(((w*(X1-E(X1)))2)+E(((1-w)*(X2-E(X2)))2)+2*E(w*(X1-E(X1))*(1-w)*(X2-E(X2)
)) (6)
【0059】
手法1および手法2が独立しているとすると、以下のようになる:
E(w*(X1-E(X1))*(1-w)*(X2-E(X2)))=w*(1-w)E((X1-E(X1))*(X2-E(X2)))=0 (7)
σ'2=E(((w*(X1-E(X1)))2+E(1-w)*(X2-E(X2)))2) (8)
σ'2=w2*E((X1-E(X1))2)+(1-w)2*E((X2-E(X2))2) (9)
【0060】
【数2】

【0061】
最小化を行うためには、等しくなるようにwの値を選択しなければならない。その結果、以下のようになる:
【0062】
【数3】

【0063】
以下のことから、この式が成り立つ:
【0064】
【数4】

【0065】
言い換えると、2つの独立した測定値からの結果を加重平均することにより、より優れた測定手法により個別に得られる結果よりも正確な結果を得ることができる。より小さな平方偏差が得られることにより、例えば、標準偏差はより小さくなる。
【0066】
独立した測定値を使用することにより、有効な位置定点の区域を確定するようにサンプルの標準偏差を制御することが可能となる。GPSなどの位置を測定するために使用する手法の位置検出能力が低下した場合、その手法は、位置検出能力が失われるまでは所定の信頼性を有する測定値を提供するものと見なされる。その時点で、有効な位置定点の初期区域が任意に確定される。有効な位置定点の区域内での変化を確定する要素を判定するために、変化の測定値が使用されてよい。変化の測定値は、レート、加速度、または、有効な位置定点の区域に関連する別の指標であってよい。変化の測定値または個々の独立した位置測定値あるいは別の測定値のいずれかを、位置を測定するための第2の独立した手法として使用してよい。有効な位置定点の区域は、位置の測定値の標準偏差を調整するのに使用され得る。
【0067】
有効な位置定点の区域を確定するためにさらに別のデータが使用されてもよい。例えば、移動している車の中にあるWCDは、無線ネットワーク内の複数のセクタを介して通信する可能性が高いが、一方で、建物内の通信セクタは制限されている。このような場合、位置定点は、ネットワーク通信へのアクセスに従って有効であると見なされる。
【0068】
位置を測定するために加重平均が導入されてよい。加重平均とは、2つの完全に独立した手法による最終的な位置読取値を平均化することである。例として、第1の手法は、屋外のGPS読取値を採用しており、レートセンサからの測定値に基づいた経時的な位置変化を加味する。もう一方の手法は、三角網などのネットワークベースのポジショニングを利用する手法であり、同一の最終的位置の位置情報を提供する。
【0069】
両方の手法ともそれぞれ測定誤差を含んでいるが、これらは独立して使用され得る。
技術形式に基づき、測定誤差を統計的に定量化することができる。重み付き平均化手法を使用することにより、別の技術より統計的に良好な結果を得ることが可能となる。式(1)〜(19)で例示したように加重値を慎重に選択することにより、位置の測定の精度を向上させることが可能となる。
【0070】
(位置追跡動作の複数モード)
【0071】
ネットワーク位置検出サービスには、位置追跡される装置の、GPS対応の位置追跡能力および報告能力からセルラーネットワークを介して提供される位置信号が含まれてよい。このシステムは、既にアイテムから数フィートの範囲内にいる場合にそのアイテムを容易に発見できるようにするためのローカルビーコン手法を現行の手法に組み合わせたものである。このモードは、緊急電話番号(911、999、102)に通報した人を探す場合や身動きのとれなくなった救急隊員(例えば、消防士)を探す場合といったような、GPS定点の精度が不十分である屋内でアイテムまたは人を見つけるときにも使用され得る。
【0072】
この多モード動作は、セルラーネットワークを介してGPS位置報告を提供するといったような長距離の位置追跡と、装置が、可聴で、数フィート以上の範囲内で検出可能であってもよいビーコンを発する、局所的位置追跡モードとを組み合わせたものである。手持ち式装置は受信可能であることから、位置報告、ならびに、信号の強度および方向に基づいたADF技術により、位置追跡される装置を発見できるように人を誘導することができる。この装置のローカルモードおよびリモートモードは、コマンドによりまたは所定の事象に応答して切り替えられてよい。また、この装置は両方のモードを同時に作動させることもできる。局所的位置追跡モードには、様々な環境下で位置追跡を補助するための、強度および周波数が調整可能である信号が含まれてよい。位置追跡情報を受信するのに使用される装置は一体型で、同様の2つのモードを有していてもよい。
【0073】
位置追跡される装置には、バッテリー電力を節約するために、上述したLDC技術のような技術が組み込まれていてよい。これにより、この装置で、作動環境が異なる複数の電力サイクルモードを組み合わせたり、サイクルモードを変化させることによって複数の位置事象に応答したりすることが可能となる。
【0074】
(位置追跡可能な装置構成)
【0075】
図4は、位置検出サービス用の補足データを提供するように適合されたWCD400を示している。WCD400は、救急隊員、位置追跡が必要である人物、ペット、および無生物の目標物に対してなどの、位置追跡が所望されると思われる任意の環境下で使用され得る。このWCDは、プロセッサ411、無線通信に使用される電波インターフェース413、GPS415などのジオロケーション回路、およびホーミングビーコン回路417を含む。追加の回路には、事象センサ425および補助信号検出装置429が含まれてよい。
【0076】
事象センサ425は、動作検知器、加速度計、ジャイロを使用したレートセンサ(gyroscopic rate sensor)、コンパス装置、またはこれらの組み合わせといったようなレート計測器であってよい。これにより、WCD400は、WCD400が移動したかどうか、ならびに、事象センサ425から与えられる十分なデータにより、どの方向にどのくらいの距離だけ移動したかを「検知」することができる。また、ある信号によって起動される補助信号検出装置429も、複数の事象を検出することができる。この信号は出入口などに存在していてよく、または外部位置追跡装置によって発せられてもよい。局所的位置追跡モードおよび/またはリモート位置追跡モードは、事象センサ425または補助信号検出装置429によって、あるいは、有効な位置定点の区域またはジオフェンシングに関する指示によって有効とされる。
【0077】
ペットに使用するWCD400の場合、事象センサ425および補助信号検出装置はペットの移動を検出することができる。これは、屋外エリアへのペットの移動を知らせたり、またはペットのWCDに位置追跡装置へ応答させたりするのに使用され得る。WCD400は、所定のセットの基準に従って位置データを送信することができる。WCD400が位置データを送信する基準を制限することにより、バッテリー電力が節約される。WCD400が所定の条件下のみで位置データを提供するようになっている場合、WCD400は複数の事象に応答することができなければならず、そうしなければ、WCDはアクティブ通信モードの状態を維持しながら位置の測定を行わなければならなくなる。この位置の測定および送信はバッテリー使用の点からは費用がかかることから、事象センサ425を使用することにより、所定の事象までWCDを休止モードに維持することが可能となる。
【0078】
ホーミングビーコン回路417は、事象センサ425によって感知される加速度などの内部事象を受けて、または、ホーミング信号を求める外部からの要求に応答してのいずれかで起動されてよい。当然、外部からの要求は受信されなければならないため、事象センサ425は、少なくとも、WCD400を受信モードに切り替えることができなければならない。
【0079】
WCDがペットを監視するために使用される場合、WCD400は、ペットが屋外の所定の安全エリアへと移動したときに位置データを提供することができる。ペットが安全エリアを越えて移動する場合、そのデータは位置を指示できるくらい十分なものであることから、ペットの飼い主に気づかせることができる。これは、ペットのWCDが無線ネットワークを介して信号を飼い主に送ることによって、すなわち、飼い主が、ペットのWCD400の位置を示している、無線ネットワークを介して提供される位置追跡信号を受信することによって実行される。ペットが保護エリア内にいるときは、このようにペットを監視する必要はないため、WCDが起動されるのは特定の事象のみに制限される。これにより、事象センサ425を使用することにより特定の事象までWCDを休止モードに維持することが可能となることから、バッテリーの使用が減る。他方で、WCD400が位置追跡の要求以外の事象を先に感知することなく位置追跡の要求に応答することができるような形で、WCD400を受信モードに設定することも可能である。
【0080】
位置事象を検出するこの能力により、複数のモードでWCD400を監視することが可能となる。第1のレベルの監視はWCD400の第1の状態に関連付けられており、これは、データが一切提供されていない完全な休止状態であってよい。第1のレベルの監視は、監視は一切行われず、位置事象の検出を待っている状態であってよい。第2のレベルの監視は、位置に関する第1の事象を検出することによって開始される。第3のレベルの検出は、位置に関する2番目の事象を検出することに関連付けられている。少なくとも1つの位置事象が検出されたときに、警告信号が発せられてよい。
【0081】
例えば、WCD400がペットまたは子供を監視するのに使用される場合、第1のレベルの監視は、家の中などの所定の安全エリアであってよい。第2のレベルの監視は、例えば、運動エリアまたはフェンスで囲まれたエリアに指定されてよい。この場合、ペットはWCD400によって監視されており、ユーザーには、ペットの位置または指定エリア内でのペットの状態のいずれかの指示が提供される。ペットが外へ移動したことを飼い主に知らせる最初の事象が検出されたことに応答して警報が発せられてよい。この第3のレベルの検出により、飼い主は注意を喚起されて位置情報を提供される。これにより、ペットを積極的に監視することなく、飼い主は、ペットの居場所に関する情報を提供され、ペットが指定エリアから万一離れた場合には知らされる。
【0082】
(位置追跡装置構成)
【0083】
図5は、WCD400などの目標物を位置追跡するように適合された位置追跡WCD500の概略ブロック図である。位置追跡WCD500は、プロセッサ511、無線通信に使用される電波インターフェース513、GPS515などのジオロケーション回路、およびディスプレイ519を含む。また、位置追跡WCD500は、WCD400に付随するホーミング回路417からのホーミングビーコンのようなホーミングビーコンの相対的な位置を測定することができる無線方位探知機(radio direction finder(RDF))527を含んでいる。位置追跡WCD500は、WCD400などのターゲットWCDの位置の指示を受信することができ、当然このデータの有用性に左右されるが、それ自体の位置(位置追跡WCD500の位置)に対してのターゲットWCDの位置を表示することができる。位置追跡WCDはホーミングビーコンの要求を発することができ、ターゲットWCD400がこの要求に応答してホーミングビーコンを送信し、無線方位探知機527がターゲットWCD400を位置検出することが可能になる。ターゲットWCD400の受信された位置検出および位置追跡WCD500の位置は、GPSや無線ネットワークによる位置測定などの位置検出サービスに依存しているが、無線方位探知機527は、信号伝搬が無いことおよび信号強度に基づいて少なくとも相対的な方向を示すことができる。一般に、目標物を位置検出するには、位置検出サービスからのデータと無線方向との組み合わせで十分である。
【0084】
(動作)
【0085】
図6は、ターゲットWCD400および位置追跡WCD500の動作を示したフローチャートである。ターゲットWCD400は通常時は休止モードである(ステップ610)。このモードでは、位置追跡されるWCDはまったくと言ってよいくらい通信されていない。事象センサ425が移動を感知するか(ステップ613)、または電子ゲートウェイを通過することによってトリガーされた(ステップ615)場合、ターゲットWCD400が位置情報の提供を開始する(ステップ621)。この位置情報は無線ネットワークへと送信され(ステップ622)、次いで、権限が付与された受信側(recipient)へと送られる(ステップ623)。権限が付与された受信側は位置追跡WCD500などの別のWCDであってよいが、ネットワークに接続されたコンピュータを有するユーザーといったような別の受信側も含まれてよい。この実施例では、最初の事象は、犬が指定された屋外エリアにいる場合のように、安全であると見なされる指定された区域内にターゲットWCDが配置されていることである(状態631)。受信側は、補助的ターゲット指示としてターゲットWCDの位置を提供される(ステップ632)。この指示は「補助的ターゲット指示」または「補助的リターン」と見なされる。というのは、検出された位置の指示が、ターゲットを直接に検出するのではなく、ターゲットの識別コードなどの、ターゲットによって提供された補助的データに部分的に基づいているからである。
【0086】
補助的ターゲット指示により、位置追跡WCD500または別の監視装置を有するユーザーがターゲットWCD400を監視すること(ステップ641)が可能となる。これにより、ユーザーが一定のレベルでターゲットを監視できるようになるが、この段階では、ターゲットの状態は、ターゲットWCD400が指定区域内にあるという状態である。ターゲットが現行で監視されているエリア(指定されたエリア)内にあることを示すために、警報指示が発せられてよい(ステップ642)。ターゲットWCD400が指定された区域の外に移動した場合(ステップ645)、ターゲットWCD400が使用された区域から離れたことを示すために第2の警報指示が発せられる(ステップ646)。この時点で、ユーザーは必要であればいかなる措置をも講じることができる。これには、観察を強化することから改善策を講じることまでが含まれてよい。目標物が観察されていない場合、ユーザーは、位置追跡WCD500を使用して追加の位置情報を取得することができる(ステップ651)。位置追跡WCD500は、受信された位置データに基づいて、上述した相対的な位置を提供する。必要な場合、位置追跡WCD500は、位置追跡WCD500による位置を補助するためのホーミングビーコンを送信する(ステップ656)ようにターゲットWCD400に要求を発することができる(ステップ655)。安全エリアの外にある位置追跡されるWCD400の状態はおそらく既知であることから、位置追跡されるWCD400は、位置追跡WCD500からの要求を待つことなくホーミングビーコンの送信を開始することもできる(ステップ658)。ホーミングビーコンの送信の要求(ステップ655)に対してターゲットWCD400が応答することは(ステップ656)、ターゲット目標物を位置検出することが安全エリア内においても元々困難であるような場合においても有利である。
【0087】
ある時点で、位置追跡されるWCD400は、バッテリー電力を失い始める(ステップ681)。位置追跡されるWCD400は、LDCの基準に合わせてバッテリー消費を減らす(ステップ683)ようにプログラムされ得る。これにより、送信レベルは下がるが、位置追跡データの送信を延長することができる(ステップ684)。
【0088】
再び図4を参照すると、事象センサ425がモーションを検出することができるまたはモーションの変化を検出することができる場合、WCD400は、位置検出サービスの有用性が低下する地点を越える移動の指示を提供することもできる。例えば、WCD400が、その位置データが信頼性の低いものであることを検知した場合、加速度計が速度の変化を検出することができる。これにより、最新の既知の位置およびその最新の既知の位置から検出された移動に基づいてWCD400の位置の指示が提供される。修正された情報の精度は、もちろん、事象センサ425によってレート感知の洗練さが増す分だけ向上する。事象センサ425は、動作検知器、加速度計、ジャイロを使用したレートセンサ、コンパス装置またはこれらの組み合わせといったようなレート計測器であってよい。
【0089】
(機能的構成)
【0090】
図7は、位置データの指示を提供するための装置700の機能的構成を示した図である。装置700は、GPSのようなジオロケーションデータを取得するための手段703、または外部装置からGPSデータを受信するための回路、あるいは、これら2つの組み合わせを有する。ジオロケーションデータの信頼性特性の指示を取得するための手段705が設けられており、これは、ネットワーク接続手段から信頼性の指示を受信するための処理回路または受信機であってよい。ジオロケーションデータを提供するのにGPSが使用される場合、GPSは、衛星捕捉、信号強度、複数の衛星信号から受信されたデータの一致に基づいて信号の信頼性の指示を提供することができる。この信頼性データは、装置700が位置追跡されている場合などは内部データであってよく、位置追跡装置の場合は外部データであってよいが、内部データと外部データとの組み合わせであってもよい。局所的位置データの必要性を判定するための手段707が組み入れられるが、これは、手動入力から条件に応答するプログラムまでの範囲にわたってよい。必要性を判定するための手段707はまた、局所的位置データの要求に応答する受信機またはそのような要求を送信する送信機であってもよい。装置700は局所的信号を送信または取得するための手段711を有しており、これは、ローカルビーコン送信回路またはローカルビーコン受信回路であってよい。局所的信号は、移動可能な目標物を位置検出するための増補データを提供するための一形式である。
【0091】
一構成では、装置700は、装置のユーザーに、移動可能な目標物(この場合、位置追跡される装置)から離れたところにいる場合に、その位置を測定する能力を提供する。代替の構成では、移動可能な目標物の位置データを提供する装置700は、移動可能な目標物から離れたところにある外部装置を用いて目標物の位置を測定するのに十分なデータを外部装置に提供する。これが位置追跡装置となる。
【0092】
図8は、WCDの位置に関する情報を提供するための装置800の機能的構成を示した図である。この装置は、最新の既知の地文航法定点(terrestrial navigation fix)を確定するための手段805、レート検出手段807、有効な位置定点の区域を確定するための手段811、および、検出された位置定点の加重平均を確定する手段813を含む。
【0093】
最新の既知の地文航法定点を確定するための手段805は、無線ネットワークからの外部GPS読取値を受信することができるGPS装置または受信機出力回路であってよい。レート検出装置807は、慣性プラットフォームの場合のように、内部手段、すなわち、ネットワークを介して慣性基準データを受信することができる回路であってよい。有効な位置定点の区域を確定するための手段811は、最新の既知の地文航法定点を確定するための手段805から取得した最新の既知の地文航法定点に基づいて有効な位置定点を取得するために信頼性の高い地文航法定点データを使用し、信頼性の高い地文航法データの出力を修正するための位置定点を取得するためにレート検出手段807の出力を使用する。検出された位置定点の加重平均を確定するための手段813は、有効な位置定点の区域内にある定点を使用する。これには、初期位置として既知の地文航法定点を確定することと、初期位置の変更手段として、レート検出手段807の出力に基づいて有効な位置定点の区域を確定することとが含まれてよく、さらに、受信された位置データおよび有効な位置定点の区域に基づいて加重平均を与える手段が含まれてよい。
【0094】
予想される結果を逸脱する外れ値を排除することも有利である。これには、測定値をゆがめてしまうような有意の要因を含んでいるサンプルが排除されること、明らかに異常であるサンプルが排除されること、および、実際の位置をより厳密に表している可能性が高い一連の結果に基づいた計算が可能になることを含めた複数の利点がある。
【0095】
(結論)
【0096】
複数の実施形態のこれまでの説明は、任意の当業者が本発明を製造または使用することができるように提示されたものである。これらの実施形態に対する種々の修正形態は当業者であれば容易に理解するであろう。また、本明細書で定義した一般的な原理は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく別の実施形態に適用されてよい。例えば、1つまたは複数の要素が再構成および/または複合されてよく、あるいは、追加の要素が加えられてもよい。さらに、1つまたは複数の実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、またはそれらの任意の組み合わせによって実行されてよい。したがって、本発明は、本明細書に示した実施形態に限定されず、本明細書に開示した原理および新規な特徴に一致した最も広い範囲が与えられることを意図するものである。
【0097】
複数の実施形態を参照することによって本発明を詳細に説明してきたが、要素を追加することあるいは1つまたは複数の要素を再構成または複合することを含めた修正形態または変形形態が、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲から逸脱することなく可能であることは明白であろう。
【0098】
本明細書で説明した技術およびモジュールは種々の手段によって実装されてよい。例えば、これらの技術は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせとして実装されてよい。ハードウェアとして実装する場合、アクセスポイントまたはアクセル端末内にある処理ユニットは、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit(ASIC))、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor(DSP))、デジタル信号処理装置(digital signal processing device(DSPD))、プログラマブル論理装置(programmable logic device(PLD))、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array(FPGA)、プロセッサ、制御装置、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、本明細書で説明した機能を実行するように設計されたその他の電子ユニット、またはそれらの組み合わせの中に実装されてよい。
【0099】
ソフトウェアとして実装される場合、本明細書で説明した技術は、本明細書で説明した機能を実行するモジュール(例えば、プロシージャ、関数など)によって実装されてよい。ソフトウェアコードはメモリーユニット内に記憶されて、プロセッサまたは復調器によって実行されてよい。メモリーユニットは、プロセッサ内またはプロセッサの外部に実装されてよく、外部に実装される場合は種々の手段を介してプロセッサに通信可能に結合されてよい。
【0100】
開示した実施形態のこれまでの説明は、任意の当業者が本明細書に開示した特徴、機能、動作および実施形態を作るまたは使用することができるように提示されたものである。これらの実施形態に対する種々の修正形態は当業者であれば容易に理解するであろう。また、本明細書で定義した一般的な原理は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく別の実施形態に適用されてよい。したがって、本開示は、本明細書に示した実施形態に限定されず、本明細書に開示した原理および新規な特徴に一致した最も広い範囲が与えられることを意図するものである。
【符号の説明】
【0101】
103 WCD
130 位置
400 ターゲットWCD
411 プロセッサ
413 電波インターフェース
417 ホーミング回路
425 事象センサ
429 補助信号検出装置
500 位置追跡WCD
511 プロセッサ
513 電波インターフェース
515 GPS
519 ディスプレイ
527 無線方位探知機
700、800 装置
703 ジオロケーションデータを取得するための手段
705 ジオロケーションデータの信頼性特性の指示を取得するための手段
707 必要性を判定するための手段
805 最新の既知の地文航法定点を確定するための手段
807 レート検出手段
811 有効な位置定点の区域を確定するための手段
813 検出された位置定点の加重平均を確定するための手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目標物の位置を判定するための装置であって、
外部装置から位置データを受信する受信機と、
前記外部装置の位置をさらに必要とする条件を判定する決定回路と、
位置をさらに必要とする条件の判定がなされた場合に、受信された位置データの増補を行うことができる位置追跡回路と
を有する装置。
【請求項2】
前記増補を必要とする条件の判定を含めた所定の条件下で、前記決定回路に応答して、局所的位置信号の要求を送るための要求回路をさらに有する請求項1に記載の無線装置。
【請求項3】
前記目標物に関するジオロケーションデータを取得することができるジオロケーション読取回路をさらに有する請求項1に記載の無線装置。
【請求項4】
前記無線装置に関するジオロケーションデータを取得することができるジオロケーション回路と、
前記ジオロケーション読取回路および前記ジオロケーション回路に応答して、前記目標物に関する前記ジオロケーションデータの相対的な読取値を与える相対的位置検出回路と
をさらに有する請求項3に記載の無線装置。
【請求項5】
前記無線装置に関するジオロケーションデータを提供することができるジオロケーション回路と、
前記ジオロケーション読取回路および前記ジオロケーション回路に応答して、前記目標物に関する前記ジオロケーションデータの相対的な読取値を与える相対的位置検出回路と
をさらに有する請求項3に記載の無線装置。
【請求項6】
少なくとも1つのモノリシック集積回路を含むチップセットとして設けられたプロセッサである請求項1に記載の方法を実行するための回路を含んだプロセッサ。
【請求項7】
請求項1の方法を実行するための命令を含む機械可読媒体。
【請求項8】
移動可能な目標物から位置データを取得する方法であって、
前記移動可能な目標物から取得されたジオロケーションデータを使用することによりジオロケーションデータを取得するステップと、
前記ジオロケーションデータの信頼性特性の指示を取得するステップと、
所定の基準を下回るまで低下した前記信頼性特性に部分的に基づいた局所的位置データの必要性を判定するステップと、
局所的位置データが必要である場合に、局所的位置に適したローカルビーコン信号の有無を判定するステップと、
前記ローカルビーコン信号を欠いておりかつ前記局所的位置データが必要である場合に、局所的信号の要求を送信するステップと
を含む方法。
【請求項9】
前記局所的位置データの必要性の判定において精度の指示を使用するステップをさらに含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記局所的位置の必要性の判定において前記精度の指示を使用するステップと、
前記ジオロケーションおよび前記精度の指示に従って少なくとも1つの地理的確率区域を確定するステップと、
前記地理的確率区域を増補するために前記局所的位置データを使用するステップと
をさらに含む請求項8に記載の方法。
【請求項11】
受信された位置データの少なくとも1つの指示を示している精度指示を前記移動可能な目標物から取得するステップと、
前記精度指示に基づいて位置パラメータを確定するステップと、
前記位置パラメータによって確定された地理的制約条件の範囲内で、前記局地的な位置データを用いて前記ジオロケーションデータを増補するステップと
をさらに含む請求項8に記載の方法。
【請求項12】
受信された位置データの前記指示が、
前記移動可能な目標物からの受信された送信から前記ジオロケーションデータを取得するステップ、または、
無線ネットワークから前記ジオロケーションデータを取得するステップであって、前記無線ネットワークが、前記移動可能な目標物に関する該当するジオロケーションデータを取得するステップ
のうちの1つを含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記目標物が所定の境界線を通過したことを示す警告信号を検出するステップと、
前記警告信号に応答して、前記目標物の位置データの監視を強化するステップと
をさらに含む請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記移動可能な装置が所定の地理的限界線を越えたときにジオフェンシング警告信号を送信するステップをさらに含む請求項8に記載の方法。
【請求項15】
前記移動可能な目標物の位置検出中に、前記移動可能な目標物が所持する地文航法受信機を使用することにより広域位置を測定し、無線ネットワークを介して地文航法定点を取得できることを報告し、さらに、前記広域位置が測定されたことを受けて、局所的位置追跡を可能にするローカルビーコンモードを設定する請求項8に記載の方法。
【請求項16】
移動可能な目標物の位置データの指示を提供するための装置であって、
前記移動可能な目標物に関するジオロケーションデータを使用することによりジオロケーションデータを取得するため手段と、
前記ジオロケーションデータの信頼性特性の指示を取得するための手段と、
局所的位置データの必要性を判定するための手段と、
前記移動可能な目標物を位置検出するための増補データを提供する局所的信号を送信または取得するための手段と
を有する装置。
【請求項17】
前記移動可能な目標物の前記位置データを提供するための前記手段は、前記移動可能な目標物から離れると、前記装置のユーザーが前記位置を測定することができるようにする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記目標物が所定の境界線を通過したことを示す警告信号を検出するための手段と、
前記警告信号に応答して前記目標物の位置データの監視を強化するため手段と
をさらに有する請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記局所的位置の必要性の判定において精度指示を使用するための手段と、
前記ジオロケーションおよび前記精度指示に従って少なくとも1つの地理的確率区域を確定するための手段と、
前記地理的確率区域を増補するために前記局所的位置データを使用するための手段と
をさらに有する請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記移動可能な目標物の前記位置データを提供するための前記手段が、前記移動可能な目標物から離れたところにある外部装置を用いて前記目標物の前記位置を測定するのに十分なデータを前記外部装置に提供する請求項16に記載の装置。
【請求項21】
前記目標物が所定の境界線を通過したことを示す警告信号を提供するための手段をさらに有する請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記ジオロケーションデータの信頼性特性を判定するための手段を更に有し、
局所的位置データの必要性を判定するための前記手段において、前記必要性が、前記信頼性特性が所定の基準を下回るまで低下したと判定されたことに基づいて確定される請求項16に記載の装置。
【請求項23】
局所的位置データが必要である場合に、局所的位置に適したローカルビーコン信号の有無を判定するための手段と、
前記局所的位置データが必要であることに応答して前記局所的信号を送信または取得するための前記手段と
をさらに有する請求項16に記載の装置。
【請求項24】
前記局所的位置データの必要性の判定において前記精度指示を使用することをさらに含む請求項16に記載の装置。
【請求項25】
位置データの少なくとも1つの指示を示している精度指示を取得するための手段と、
前記精度指示に基づいて位置パラメータを確定するための手段と、
前記位置パラメータによって確定された地理的制約条件の範囲内で、前記局地的な位置データを用いて前記ジオロケーションデータを増補するための手段と
をさらに有する請求項16に記載の装置。
【請求項26】
位置データの受信の前記指示が、
前記移動可能な目標物からの受信された送信から前記ジオロケーションデータを取得するための手段、または、
無線ネットワークから前記ジオロケーションデータを取得する手段であって、前記無線ネットワークが、前記移動可能な目標物に関する該当するジオロケーションデータを取得する手段
のうちの1つの含む請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記移動可能な装置が所定の地理的限界線を越えたときにジオフェンシング警告信号を提供することをさらに含む請求項16に記載の装置。
【請求項28】
前記移動可能な目標物の位置検出中に、前記移動可能な目標物が所持する地文航法受信機を使用することにより広域位置を測定し、無線ネットワークを介して地文航法定点を取得できることを報告し、さらに、前記広域位置が測定されたことを受けて、局所的位置追跡を可能にするローカルビーコンモードを設定する請求項16に記載の装置。
【請求項29】
請求項16の方法を実行するための命令を含む機械可読媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−14158(P2011−14158A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−210862(P2010−210862)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【分割の表示】特願2010−514940(P2010−514940)の分割
【原出願日】平成20年6月10日(2008.6.10)
【出願人】(507364838)クアルコム,インコーポレイテッド (446)
【Fターム(参考)】