説明

ジッパーテープ付包装袋の製造方法およびその製造装置

【課題】しわや接着不良を生じずに、容易に製造できるジッパーテープ付包装袋の製造方法を提供する。
【解決手段】長手帯状のテープの一面に雄側咬合部および雌側咬合部を有したジッパーテープ部材311を引き出し、所定間隔で雄側咬合部および雌側咬合部の部分を打ち抜き除去する。切断部材331によりジッパーテープ部材311を雄側咬合部および雌側咬合部間で切断し、雄側帯状部材21および雌側帯状部材22に分離する。雄側帯状部材21および雌側帯状部材22を基材フィルム10にヒートシールし、製袋装置35で包装袋1を形成する。これにより、雄側帯状部材21および雌側帯状部材22の長さ違いやテンション差が生じにくくなり、ジッパーテープ2のヒートシール時のしわや接着不良の発生を防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジッパーテープ付包装袋の製造方法およびその製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食品、医療品、雑貨など多くの分野でジッパーテープ付包装袋が利用されている。ジッパーテープとしては、咬合可能な雄部材および雌部材で構成されたものが知られている。
そして、このようなジッパーテープ付包装袋の製造に際しては、各種方法が知られている(特許文献1〜3参照)。
【0003】
特許文献1に記載のものは、一枚のフィルムに咬合可能な雄部材と雌部材との両方を平行に形成したジッパーテープを送り出しつつ、二つ折りにして雄部材と雌部材とを咬合させる。また、袋体フィルムの長手方向の両縁を合掌するように引き寄せて円筒状に形成する。そして、二つ折りのジッパーテープの両縁と円筒状の袋体フィルムの両縁を互いに重ね合わせて接着させ、所定の間隔で円筒体を直角方向でシールして切断し、ジッパーテープ付包装袋を製造する構成が採られている。
特許文献2に記載のものは、ジッパーテープとして雄部材を有した雄テープと雌部材を有した雌テープとを備え、雄部材および雌部材を咬合させた状態で、2枚重ねの袋体フィルムの間に送り出し、ジッパーテープを袋体フィルムに接着する。この後、袋体フィルムを円筒状にヒートシールし、送り出し方向に対して直行する方向に所定間隔でヒートシールした後切断してジッパーテープ付包装袋を製造する構成が採られている。
特許文献3に記載のものは、図16に示すように、雄部材と雌部材とを咬合した一対のジッパーテープ601を、長手方向の両縁を重ねて円筒状に形成した素材シート610の両縁部分の間に送り出し、接着する。この後、ジッパーテープ601を接着した円筒状の素材シート610を、送り出し方向に対して直行する方向に所定間隔でヒートシールした後、切断してジッパーテープ付包装袋620を製造する構成が採られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭63−191705号公報
【特許文献2】特開2003−276099号公報
【特許文献3】特開平6−32305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のものは、一枚のジッパーテープを二つ折りにして咬合させたジッパーテープを円筒状の袋体テープの両縁に接着するため、開封させるためにはジッパーテープを雌部材と雄部材とが分離する状態に切断させる構成が必要となるとともに、ジッパーテープの雄部材および雌部材を咬合可能な状態で袋体フィルムに接着する工程が必要であり、ジッパーテープ付包装袋を製造するための工程が煩雑となるおそれがある。
また、特許文献2,3に記載のような咬合させた一対のジッパーテープを袋体フィルムに接着させる構成では、特許文献3に記載の図16に示すように一対の咬合したジッパーテープ601がマガジン602に巻回された状態から送り出される場合が一般的であり、送り出されたジッパーテープ601は巻回状態の内周側と外周側との径差により送り出し方向で長さ違いが発生しやすい。このため、長さ違いが生じたまま素材シート610に接着させると、素材シート610にしわが発生したり、ジッパーテープ601の接着不良を生じたりするなどの不都合を生じるおそれがある。
そして、特許文献3の従来技術で記載された図17に示すようにジッパーテープ601を咬合させずに雄部材605(606)および雌部材606(605)をそれぞれ送り出して接着させることも考えられるが、別々に送り出した場合には、雄部材605(606)および雌部材606(605)のそれぞれに加わる引張力(テンション)の差により、素材シート610に接着させた場合にしわの発生や接着不良などの不都合を生じるおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、ジッパーテープ付包装袋を、しわや接着不良などの不都合を生じることなく、容易に製造できる製造方法およびその製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のジッパーテープ付包装袋の製造方法は、互いに係脱可能に係合して咬合部を構成する対をなす雄側咬合部および雌側咬合部を有したジッパーテープを、包装袋用フィルムに接着してジッパーテープ付包装袋を製造する製造方法であって、長手帯状のテープに前記雄側咬合部および前記雌側咬合部が長手方向に沿って一対有したジッパーテープ部材を用い、前記ジッパーテープ部材を繰り出すテープ操出工程と、このテープ操出工程で繰り出されたジッパーテープ部材を、幅方向における前記雄側咬合部および前記雌側咬合部間で分離し、前記雄側咬合部を有する雄側テープおよび前記雌側咬合部を有する雌側テープを形成する分離工程と、この分離工程で形成した前記雄側テープおよび前記雌側テープを前記包装袋用フィルムに接着する接着工程と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
そして、本発明では、前記分離工程は、切断部材を用いて繰り出されるジッパーテープ部材を分離する構成とすることが好ましい。切断部材としては、ジッパーテープの一面側または両面側から接触させて、ジッパーテープを切断可能な切断刃などが挙げられる。
また、本発明では、前記ジッパーテープ部材としては、前記雄側咬合部および前記雌側咬合部間に長手方向に沿って肉薄部および切り取り点線状の目打ち部のうちの少なくともいずれか一方を有したものを用い、前記分離工程は、前記ジッパーテープ部材の長手方向の両側に厚さ方向で反対方向に張力を作用させ、前記肉薄部および目打ち部のうちの少なくともいずれか一方の位置で引き裂いて分離する構成とすることが好ましい。
さらに、本発明では、前記ジッパーテープ部材、または、前記雄側テープおよび前記雌側テープを、操出方向の所定間隔で少なくとも前記雄側咬合部および前記雌側咬合部の位置で打ち抜く打ち抜き工程を備えた構成とすることが好ましい。なお、この打ち抜き工程は、ジッパーテープの分離工程前後のいずれで行ってもよいが、特に雄側テープと雌側テープの打ち抜き間隔を正確にすることや製造効率を考慮して、ジッパーテープの分離工程の前に行うことが好ましい。
また、本発明では、前記接着工程は、前記雄側咬合部および前記雌側咬合部を咬合させた前記雄側テープおよび前記雌側テープを前記包装袋用フィルムに接着する構成とすることが好ましい。
【0009】
本発明のジッパーテープ付包装袋の製造装置は、互いに係脱可能に係合して咬合部を構成する対をなす雄側咬合部および雌側咬合部を有したジッパーテープを包装袋用フィルムに接着してジッパーテープ付包装袋を製造する製造方法であって、長手帯状のテープに前記雄側咬合部および前記雌側咬合部が長手方向に沿って一対有したジッパーテープ部材を長手方向の一端側から繰り出すテープ操出手段と、このテープ操出手段から繰り出されたジッパーテープ部材を、幅方向における前記雄側咬合部および前記雌側咬合部間で分離し、前記雄側咬合部を有する雄側テープおよび前記雌側咬合部を有する雌側テープを形成する分離手段と、この分離手段で形成した前記雄側テープおよび前記雌側テープを前記包装袋用フィルムに接着する接着手段と、を具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、包装袋用フィルムに接着する前に対をなす雄側咬合部および雌側咬合部を有したジッパーテープ部材を雄側テープおよび雌側テープに分離するので、接着時に雄側テープおよび雌側テープの長さ違いやテンション差の発生を防止でき、包装袋用フィルムにしわが発生したり、ジッパーテープの接着不良を生じたりするなどの不都合を生じることなく咬合および開封が可能なジッパーテープ付包装袋を容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態に係るジッパーテープ付包装袋を示す平面図である。
【図2】第1実施形態のジッパーテープ付包装袋を示す断面図である。
【図3】第1実施形態のジッパーテープ付包装袋の製造装置を示す斜視図である。
【図4】第1実施形態のジッパーテープ部材に切欠部を設けた状況を示す斜視図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るジッパーテープ付包装袋の製造装置を示す斜視図である。
【図6】第2実施形態のジッパーテープ部材に切欠部を設けた状況を示す斜視図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係るジッパーテープ付包装袋を示す平面図である。
【図8】第3実施形態のジッパーテープ付包装袋を示す断面図である。
【図9】第3実施形態に係るジッパーテープ付包装袋の製造装置を示す斜視図である。
【図10】第3実施形態のジッパーテープを基材フィルムにヒートシールする状態を示す断面図である。
【図11】本発明のさらに他の実施形態におけるジッパーテープ付包装袋を示す平面図である。
【図12】図11に示すジッパーテープ付包装袋の製造におけるジッパーテープを基材フィルムにヒートシールする状態を示す断面図である。
【図13】本発明の第4実施形態に係るジッパーテープ付包装袋を示す平面図である。
【図14】本発明の第4実施形態に係るジッパーテープ付包装袋の製造装置を示す斜視図である。
【図15】本発明の他の実施形態におけるジッパーテープを示す斜視図である。
【図16】本発明の従来技術であるジッパーテープ付包装袋の製造装置を示す斜視図である。
【図17】本発明の他の従来技術であるジッパーテープ付包装袋の製造装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
第1実施形態では、ジッパーテープ付包装袋(以下「包装袋」と略記する)として、食品、薬品、医療品、雑貨等の各種物品を包装するための包装袋を例示する。
図1は、第1実施形態における包装袋を示す平面図である。図2は、第1実施形態における包装袋の断面図である。
【0013】
(包装袋の構成)
図1,2に示すように、包装袋1は、包装袋用フィルムである一枚の基材フィルム10に、雄側咬合部21Aを有する雄側テープとしての雄側帯状部材21と、雌側咬合部22Aを有する雌側テープとしての雌側帯状部材22とが、それぞれ接着されている。これら雄側帯状部材21および雌側帯状部材22により、ジッパーテープ2が構成されている。
基材フィルム10は、一方の基材端部11が他方の基材端部11に重ね合わされたトップシール部12を有している。
また、基材フィルム10の両側端部には、互いの基材フィルム10がヒートシールされたサイドシール部13がそれぞれ設けられている。これらサイドシール部13間には、雄側帯状部材21および雌側帯状部材22が配設されている。
さらに、サイドシール部13に位置する雄側帯状部材21および雌側帯状部材22には、後述する図4に示すように切欠部25が設けられている。この切欠部25により、雄側咬合部21Aおよび雌側咬合部22Aは、サイドシール部13の位置でほぼ除去され、雄側咬合部21Aおよび雌側咬合部22Aによる凹凸がないことからサイドシール部13で良好に密封される。
そして、基材フィルム10には、トップシール部12およびサイドシール部13の三方がシールされることにより収納空間14が形成されている。この収納空間14には、固体や粉体、液体などを収納可能である。
基材フィルム10は、その内面10Aには、雄側帯状部材21、雌側帯状部材22がヒートシールされている。
基材フィルム10は、包装袋用材料であれば特に限定されず、厚み寸法が10μm以上200μm以下であることが好ましい。
ここで、厚み寸法が10μm未満であると、シール強度、袋強度が弱くなる場合がある。一方、厚み寸法が200μmを超えると、袋の開封がしにくくなる場合がある。
さらに、基材フィルム10は、単層構造でも多層構造でもよい。
【0014】
雄側帯状部材21は、長手帯状の雄側帯状基部21Bを有し、この雄側帯状基部21Bの収納空間14側の面には、幅方向の略中間部に位置して長手方向に沿って雄側咬合部21Aが突設されている。
雌側帯状部材22も同様に、雌側帯状基部22Bを有し、この雌側帯状基部22Bの収納空間14側の面には、雄側咬合部21Aに咬合可能なリブ状の雌側咬合部22Aが突設されている。
雄側帯状基部21Bおよび雌側帯状基部22Bの幅寸法は、2mm以上50mm以下とすることが好ましく、5mm以上20mm以下とすることがより好ましい。
ここで、幅寸法が2mm未満であると、つかみ部が少なくなり、掴みにくくなる場合がある。一方、幅寸法が50mmを超えると袋サイズに比べジッパーテープ部分が大きく不細工になる場合がある。
雄側帯状基部21Bおよび雌側帯状基部22Bの厚み寸法は、50μm以上500μm以下とすることが好ましく、100μm以上200μm以下とすることがより好ましい。
【0015】
包装袋1の開封位置は、雄側咬合部21Aおよび雌側咬合部22Aにより構成される咬合部の位置よりもトップシール部12側であればよく、基材フィルム10のサイドシール部13にノッチを入れたり、雄側咬合部21Aおよび雌側咬合部22A近傍に開封テープを設けたりすることで、開けやすくすることもできる。
【0016】
(包装袋の製造装置)
次に、包装袋1を製造する製造装置について図面を参照して説明する。
図3は、包装袋の製造装置を示す斜視図である。図4は、ジッパーテープ部材に切欠部を設けた状況を示す斜視図である。
【0017】
製造装置3は、図3に示すように、いわゆる縦ピロー式で、ジッパーテープ部材311を送り出すテープ操出装置31と、ジッパーテープ部材311に切欠部25を打ち抜き形成する打ち抜き装置32(図4参照)と、ジッパーテープ部材311を雄側テープとしての雄側帯状部材21および雌側テープとしての雌側帯状部材22に分離する分離装置33と、雄側帯状部材21および雌側帯状部材22を基材フィルム10に接着させるジッパーテープ接着装置34と、基材フィルム10から包装袋1を形成させる製袋装置35と、などを備えている。そして、この製造装置3の次工程として、形成された包装袋1に内容物Xを充填する充填装置(図示せず)が備えられている。
ここで、ジッパーテープ部材311は、図4に示すように、長手帯状のテープ313に雄側咬合部21Aおよび雌側咬合部22Aが長手方向に沿ってリブ状に一対突設されて形成されている。すなわち、ジッパーテープ部材311は、雄側帯状部材21および雌側帯状部材22が幅方向の一面側で並列に連設された形状に構成されている。
【0018】
テープ操出装置31は、図3に示すように、ジッパーテープ部材311を巻回したテープ巻取ロール312を着脱可能に装着し、ジッパーテープ部材311を操り出す。
このジッパーテープ部材311の操出は、例えば連続的に一定速度で繰り出す構成に限らず、間欠的に繰り出す構成とするなど、いずれの操出方法を適用できる。
【0019】
打ち抜き装置32は、図4に示すように、金型321を有している。打ち抜き装置32は、テープ操出装置31から繰り出されたジッパーテープ部材311を、金型321により、操出方向の所定間隔で少なくとも雄側咬合部21Aおよび雌側咬合部22Aのそれぞれの位置で打ち抜き、切欠部25を形成する。
すなわち、サイドシール部13の位置に対応する所定間隔で、切欠部25を形成する。
なお、打ち抜き装置32は、プレス加工に限らず、少なくとも雄側咬合部21Aおよび雌側咬合部22Aを除去するいずれの構成を利用することができる。また、打ち抜き装置32は、設けない構成としてもよい。さらに、打ち抜きにより形成される切欠部25は、雄側咬合部21Aおよび雌側咬合部22Aにそれぞれ別個に設ける構成ではなく、雄側咬合部21Aおよび雌側咬合部22Aの両方を打ち抜いて一個の切欠部25を設ける構成とすることが好ましい。この構成によれば、打ち抜き加工用の金型321の構成や打ち抜き工程を簡易にできるため、製袋工程の作業効率を向上できる。
【0020】
分離装置33は、図3に示すように、切断部材331を備えている。
分離装置33は、テープ操出装置31から繰り出され打ち抜き装置32で切欠部25が形成されたジッパーテープ部材311を、幅方向における雄側咬合部21Aおよび雌側咬合部22A間で切断部材331により切断し、雄側咬合部21Aを有する雄側帯状部材21および雌側咬合部22Aを有する雌側帯状部材22に分離形成する。
切断部材331は、例えば固定刃で構成してもよいし、回転刃で構成してもよい。
なお、ジッパーテープ部材311の切断位置としては、幅方向における雄側咬合部21Aと雌側咬合部22Aとの中央で切断することが、後工程での雄側帯状部材21および雌側帯状部材22の位置決めなどの際に好適である。
【0021】
ジッパーテープ接着装置34は、図3に示すように、位置決めガイド部341と、第1ヒートシール部342とを備えている。
ジッパーテープ接着装置34は、フィルム巻取ロール101から繰り出される基材フィルム10の長手方向となる操出方向の両側に、位置決めガイド部341により両側縁に沿う状態で雄側帯状部材21および雌側帯状部材22をそれぞれ位置決めする。そして、ジッパーテープ接着装置34は、第1ヒートシール部342により、位置決めした雄側帯状部材21および雌側帯状部材22を基材フィルム10にヒートシールする。
なお、位置決めガイド部341は、図3に示すような雄側咬合部21Aや雌側咬合部22Aに対応する凹部を周面に有したローラ343を用いる場合に限らず、基材フィルム10と雄側帯状部材21および雌側帯状部材22とを繰り出しつつ位置決め可能ないずれの構成を利用できる。
また、基材フィルム10への接着としては、ヒートシールに限らず、超音波による溶着、接着剤などを用いた接着など、各種方法を利用できる。
【0022】
製袋装置35は、図3に示すように、ジッパーテープ2である雄側帯状部材21および雌側帯状部材22がそれぞれ融着された基材フィルム10が巻かれる円筒フォーマ351と、この円筒フォーマ351の側部に配設された送りベルト352と、雄側咬合部21Aおよび雌側咬合部22Aを咬合させる咬合部材353と、基材フィルム10の両側部をヒートシールしてトップシール部12を形成するシールバー354と、ヒートシールにてサイドシール部13を形成するサイドシールバー355と、サイドシール部13の位置で切断して包装袋1を得る切断部356と、などを備えている。
円筒フォーマ351は、中空に形成され、内部空間を通して、包装袋1に内容物Xを投入する。
咬合部材353は、円筒フォーマ351に基材フィルム10が巻回されて両側が重ね合わされることで対向する雄側咬合部21Aおよび雌側咬合部22Aを咬合させる。
【0023】
(包装袋の製造方法)
次に、製造装置3を用いた包装袋1の製造方法について説明する。
包装袋1の製造方法は、ジッパーテープ部材311を繰り出すテープ操出工程と、ジッパーテープ部材311に切欠部25を打ち抜き形成する打ち抜き工程と、ジッパーテープ部材311を雄側帯状部材21および雌側帯状部材22に分離し咬合させる分離工程と、ジッパーテープ2を基材フィルム10に接着させる接着工程と、基材フィルム10から包装袋1を形成させる製袋工程と、などを実施する。
【0024】
テープ操出工程で、テープ巻取ロール312からジッパーテープ部材311を引き出し、打ち抜き工程へ繰り出す。
そして、打ち抜き工程で、繰り出されたジッパーテープ部材311を金型321により所定間隔で切欠部25を打ち抜き形成する。
この後、さらに繰り出されたジッパーテープ部材311を、分離工程で切断部材331を用いて雄側帯状部材21および雌側帯状部材22に分離する。
そして、分離した雄側帯状部材21および雌側帯状部材22を、接着工程で、位置決めガイド部341により繰り出される基材フィルム10の両側部に、雄側帯状基部21Bおよび雌側帯状基部22Bが重なり合う状態で位置決めする。この状態で、第1ヒートシール部342により、位置決めした雄側帯状部材21および雌側帯状部材22を基材フィルム10にヒートシールする。
【0025】
この後、製袋工程で、基材フィルム10を円筒フォーマ351に巻き付け、咬合部材353にて雄側咬合部21Aおよび雌側咬合部22Aを咬合させた後、シールバー354により基材フィルム10の重なり合う両側縁をヒートシールしてトップシール部12を形成した後、サイドシールバー355により基材フィルム10の操出方向に対して直行する方向でヒートシールして一方のサイドシール部13を形成し、包装袋1を完成させる。
そして、得られた包装袋1に、図示しない充填装置により、内容物が所定量投入された後に、サイドシールバー355により基材フィルム10の操出方向に対して直行する方向でヒートシールして、他方のサイドシール部13を形成して内容物を封入し、サイドシール部13の中間位置で切断し、包装袋1内に内容物Xを充填する。
【0026】
(第1実施形態の作用効果)
上記実施形態では、基材フィルム10に接着する前に、対をなす雄側咬合部21Aおよび雌側咬合部22Aを有したジッパーテープ部材311を雄側帯状部材21および雌側帯状部材22に分離する。
このため、繰り出される雄側帯状部材21および雌側帯状部材22の長さ違いやテンション差の発生を防止でき、接着時に基材フィルム10にしわが発生したり、ジッパーテープ2の接着不良を生じたりするなどの不都合を生じることなく、包装袋1を容易に製造できる。
【0027】
そして、ジッパーテープ部材311を分離する分離工程では、切断部材331を用いて切断して分離している。
このため、所望の位置でジッパーテープ部材311の分離を容易かつ確実に行える。
【0028】
また、打ち抜き工程を設け、ジッパーテープ部材311を所定間隔、すなわちサイドシール部13に対応する間隔で、少なくとも雄側咬合部21Aおよび雌側咬合部22Aを打ち抜いて除去している。
このため、ジッパーテープ部材311の雄側咬合部21Aおよび雌側咬合部22Aを加熱してつぶす爪潰工程を行なわなくても、サイドシール部13によるヒートシールの際に、雄側咬合部21Aおよび雌側咬合部22Aの凹凸による溶着不良を防止できる。また、ジッパーテープ部材311の爪潰工程に比して、凹凸の除去が容易にでき、製造効率を向上できる。
【0029】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
この第2実施形態は、第1実施形態と同様、縦ピロー式の製袋方法に関する。
なお、この第2実施形態では、第1実施形態と同一または類似の構成については、同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
【0030】
(包装袋の製造装置)
以下に、包装袋1を製造する製造装置について説明する。
図5は、第2実施形態における包装袋の製造装置を示す斜視図である。図6は、ジッパーテープ部材に切欠部を設けた状況を示す斜視図である。
【0031】
製造装置4は、図5に示すように、第1実施形態における分離装置のみを変更した構成となっている。
また、ジッパーテープ部材411は、図6に示すように、第1実施形態におけるジッパーテープ部材311の雄側咬合部21Aおよび雌側咬合部22A間に、長手方向に沿って肉薄部412が形成されている。なお、肉薄部412に代えて、いわゆるミシン目のような切り取り点線状の目打ち部を設けたり、肉薄部と目打ち部とを併用したりしてもよい。
【0032】
分離装置43は、図5に示すように、ジッパーテープ部材411を肉薄部412の位置で引き裂く状態に分離する。
具体的には、分離装置43は、ジッパーテープ部材411を挟み込む一対の挾持ローラ431と、挾持ローラ431の操出方向の下流側に位置して分離された雄側帯状部材21および雌側帯状部材22がそれぞれ掛け渡される引き裂きローラ432と、引き裂きローラ432の下流側に位置して雄側咬合部21Aおよび雌側咬合部22Aが対向する状態に雄側帯状部材21および雌側帯状部材22が掛け渡される位置決めローラ433と、位置決めローラ433の下流側に位置して雄側咬合部21Aおよび雌側咬合部22Aを咬合させる一対の咬合ローラ434と、などを備えている。
引き裂きローラ432は、ジッパーテープ部材411の長手方向の両側に、厚さ方向で反対方向に張力を作用させ、肉薄部412の位置で雄側帯状部材21および雌側帯状部材22に引き裂く状態に離間して配設されている。
なお、引き裂きローラ432は、引き裂いた雄側帯状部材21または雌側帯状部材22を反転させて雄側咬合部21Aおよび雌側咬合部22Aが向き合う状態で、雄側帯状部材21および雌側帯状部材22がそれぞれ掛け渡される構成となっている。
ここで、雄側帯状部材21および雌側帯状部材22の一方のみを反転させる場合に限らず、双方を反対方向に90°ねじる状態として雄側咬合部21Aおよび雌側咬合部22Aを向き合わせる構成としてもよい。この構成によれば、雄側帯状部材21および雌側帯状部材22の双方に同等のねじれが作用するので、操出状態に差が生じることを確実に防止でき、ジッパーテープ2を良好に接着できる。
なお、咬合させずに、後工程のジッパーテープ接着装置44で、雄側帯状部材21および雌側帯状部材22をそれぞれ基材フィルム10に接着してもよい。なお、基材フィルム10に接着した後に咬合するか、咬合しない状態でサイドシールする場合は、半折テープ等の組み込みが必要となる。
【0033】
ジッパーテープ接着装置44は、図5に示すように、第2ヒートシール部442を備えている。
ジッパーテープ接着装置44は、フィルム巻取ロール101から繰り出され製袋装置45の円筒フォーマ351に巻かれた基材フィルム10の操出方向の両側で重なり合う部分間に、分離装置43から繰り出されるジッパーテープ2を介在させ、第2ヒートシール部442にて基材フィルム10にヒートシールする。
なお、ジッパーテープ接着装置34と同様に、ヒートシールに限らず、超音波による溶着、接着剤などを用いた接着など、各種方法を利用できる。
【0034】
製袋装置45は、基材フィルム10が巻かれる円筒フォーマ351と、この円筒フォーマ351の側部に配設された送りベルト352と、基材フィルム10の両側部をヒートシールしてトップシール部12を形成するシールバー354と、ヒートシールにてサイドシール部13を形成するサイドシールバー355と、サイドシール部13の位置で切断して包装袋1を得る切断部356と、などを備えている。
【0035】
(包装袋の製造方法)
次に、製造装置4を用いた包装袋1の製造方法について説明する。
第2実施形態では、繰り出され打ち抜きされたジッパーテープ部材411を、分離工程で肉薄部412の位置で引き裂く状態に雄側帯状部材21および雌側帯状部材22に分離する。さらに、雄側咬合部21Aおよび雌側咬合部22Aを咬合させて一対のジッパーテープ2とする。
そして、第1実施形態と同様に、接着工程で、ジッパーテープ2を、円筒フォーマ351に巻き付けた基材フィルム10の両側部に接着し、製袋する。
【0036】
(第2実施形態の作用効果)
上記実施形態も第1実施形態と同様の効果に加えて、分離装置43として、ジッパーテープ部材411に設けられた肉薄部412の位置で引き裂く引き裂きローラ432を備えた構成としたため、第1実施形態で示した切断部材331を用いる場合と比べて、部材交換に伴うメンテメンスが不要で、製造性を向上できる。
【0037】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。
図7は、第3実施形態における包装袋を示す平面図である。図8は、第3実施形態における包装袋の断面図である。
【0038】
(包装袋の構成)
図7,8に示すように、包装袋5は、一枚の基材フィルム10に、雄側咬合部21Aを有する雄側帯状部材21と、雌側咬合部22Aを有する雌側帯状部材22と、これらの間に配置され、雄側咬合部21Aと雌側咬合部22Aとを咬合可能に折り曲げる薄肉状の折曲部231を幅方向中央部に有する折曲部材23と、が別体で設けられ、所定間隔を空けて並んで接着されている。これらの雄側帯状部材21および雌側帯状部材22により、ジッパーテープ2が構成されている。
基材フィルム10は、一方の基材端部11が他方の基材端部11に重ね合わされた背貼部を有している。
また、基材フィルム10の両側端部には、互いの基材フィルム10がヒートシールされたサイドシール部13がそれぞれ設けられている。これらサイドシール部13間には、雄側帯状部材21および雌側帯状部材22が配設されている。
そして、基材フィルム10には、背貼部およびサイドシール部13により収納空間14が形成されている。また、基材フィルム10の底部には、ガゼット15が形成されている。
【0039】
(包装袋の製造装置)
次に、包装袋5を製造する製造装置について図面を参照して説明する。
この第3実施形態は、回転ドラム式の製袋方法に関する。
図9は、包装袋の製造装置を示す斜視図である。図10は、ジッパーテープを基材フィルムにヒートシールする状態を示す断面図である。
なお、この第3実施形態では、第1実施形態および第2実施形態と同一または類似の構成については、同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。また、この第3実施形態では、第1実施形態と同様のジッパーテープ部材311を用いている。
【0040】
製造装置6は、図9に示すように、ジッパーテープ部材311を送り出すテープ操出装置31と、ジッパーテープ部材311を雄側帯状部材21および雌側帯状部材22に分離する分離装置33と、雄側帯状部材21および雌側帯状部材22を基材フィルム10に接着させるジッパーテープ接着装置64と、雄側咬合部21Aおよび雌側咬合部22Aをそれぞれ所定間隔毎に潰す爪潰バー62と、基材フィルム10から包装袋5を形成させる製袋装置65と、折曲部材23を繰り出す折曲部材繰出装置66と、などを備えている。なお、643はガイドロールである。
【0041】
ジッパーテープ接着装置64は、図9および図10に示すように、図示省略の駆動源によって回転される略円柱状の回転ドラム641と、回転ドラム641の周面形状に対応する曲面形状の融着面642Aを有するシールバー642と、を備えている。
回転ドラム641には、雄側咬合部21Aを導入案内する第一の溝部641Aと、雌側咬合部22Aを導入案内する第二の溝部641Bと、がそれぞれ周方向に沿って設けられている。
各溝部641A,641Bは雄側帯状部材21、および雌側帯状部材22をそれぞれ収納可能な大きさを有する断面形状が略矩形状とされ、その底面が回転ドラム641の周面と略平行であり、その互いに対向する側面は雄側帯状部材21および雌側帯状部材22の突出寸法と略同じ長さで形成されている。
第一の溝部641Aおよび第二の溝部641Bは、雄側帯状基部21Bおよび雌側帯状基部22B間に折曲部材23が所定の間隙を介して配置され、折曲部材23の折曲部231により雄側咬合部21Aと雌側咬合部22Aとが咬合が可能となるように、雄側咬合部21Aおよび雌側咬合部22Aを導入案内可能に設けられている。
【0042】
なお、折曲部材23を用いた構成に限らず、例えば図11,12に示すように、雄側帯状基部21Bの一縁21Cおよび雌側帯状基部22Bの一縁22Cを互いに略当接させる状態で導入案内する構成としてもよい。この図11,12に示すような構成によれば、雄側帯状基部21Bおよび雌側帯状基部22Bの位置決めが容易にでき、開封後に確実に再咬合できる構成が容易に得られる。さらに、これらの構成以外であっても、開封後に確実に再咬合できる構成であればよく、例えば、製袋工程途中に雄側咬合部21Aおよび雌側咬合部22Aを咬合させる工程を設けるようにしてもよい。
また、回転ドラム641は、軸方向が水平方向となる状態に支持部材により支持されていてもよい。この場合、雄側帯状部材21および雌側帯状部材22を基材フィルム10上の所定位置に位置決めしやすくなる。
【0043】
一対の爪潰バー62は、図9に示すように、ジッパーテープ2を挟んで対向配置されている。そして、各爪潰バー62は、ジッパーテープ2の操出方向の所定間隔毎に、雄側咬合部21Aおよび雌側咬合部22Aを押潰して溶融扁平化する。これら溶融扁平化された部分は、第1実施形態および第2実施形態の切欠部25と同様に、包装袋5のサイドシール部13に対応する位置に配設される。
【0044】
製袋装置65は、ジッパーテープ2が融着された基材フィルム10が巻かれる円筒フォーマ651と、この円筒フォーマ651の側部に配設された送りベルト652と、基材フィルム10の両基材端部11を融着して背貼部を形成するシールバー653と、サイドシール部13を形成するサイドシールバー654と、ガゼット15を形成する三角板655と、サイドシール部13の位置で切断して包装袋5を得る図示しない切断部と、などを備える。
【0045】
(包装袋の製造方法)
製造装置6を用いた包装袋5の製造方法について説明する。
包装袋5の製造方法は、ジッパーテープ部材311を繰り出すテープ操出工程と、ジッパーテープ部材311を雄側帯状部材21および雌側帯状部材22に分離する分離工程と、ジッパーテープ2を基材フィルム10に接着させる接着工程と、雄側咬合部21Aおよび雌側咬合部22Aをそれぞれ所定間隔毎に潰す爪潰工程と、基材フィルム10から包装袋5を形成させる製袋工程と、などを実施する。
【0046】
テープ操出工程で、テープ巻取ロール312からジッパーテープ部材311を引き出し、分離工程で切断部材331により雄側帯状部材21および雌側帯状部材22に分離される。
さらに、雄側帯状部材21および雌側帯状部材22は、フィルム巻取ロール101から引き出された基材フィルム10と重ね合わされた状態で、ジッパーテープ接着装置64に送られる。
【0047】
接着工程では、ジッパーテープ接着装置64により、雄側帯状部材21および雌側帯状部材22と基材フィルム10とが互いに重ね合わされた状態で、かつ、雄側帯状基部21Bおよび雌側帯状基部22Bが回転ドラム641の各溝部641A,641Bにて導入案内されながら、回転ドラム641の回転により連続走行される。
同時に、回転ドラム641の周面に対応する曲面状の融着面642Aを有するシールバー642を押し当てることで、雄側帯状部材21および雌側帯状部材22を一枚の基材フィルム10に接着させる。
なお、回転ドラム641の回転により連続走行させる際の速度は、5m/分以上40m/分以下が好ましく、10m/分以上30m/分以下がさらに好ましい。
ここで、速度が5m/分未満であると、生産性が低くなりコストアップとなる場合がある。一方、速度が40m/分を超えると、シール強度が不安定となる場合がある。
このようにして、ジッパーテープ2が融着された基材フィルム10は、雄側帯状部材21および雌側帯状部材22が咬合されることなく爪潰バー62に送られる。
【0048】
そして、爪潰工程では、爪潰バー62により、ジッパーテープ2の雄側咬合部21Aおよび雌側咬合部22Aを押潰して溶融扁平化する。さらに、ジッパーテープ2が融着された基材フィルム10は、製袋装置65に送られる。
【0049】
製袋工程では、基材フィルム10は、円筒フォーマ651に巻かれつつ、送りベルト652によって下方に送られる。ここで、爪潰バー62にて溶融扁平化された部分とサイドシール部13とが一致するように送られる。そして、シールバー653により背貼部が形成されつつ、三角板655により、底に対応する部分にガゼット15を形成する。
また、サイドシールバー654により一方のサイドシール部13が形成される。そして、円筒フォーマ651の内部空間を通して内容物の充填を行った後、再びサイドシールバー654により他方のサイドシール部13を形成する。そして、サイドシール部13の位置で切断し、包装袋5を得る。
【0050】
(第3実施形態の作用効果)
上記実施形態も第1実施形態および第2実施形態と同様に、繰り出される雄側帯状部材21および雌側帯状部材22の長さ違いの発生を防止でき、接着時に基材フィルム10にしわが発生したり、ジッパーテープ2の接着不良を生じたりするなどの不都合を生じることなく、ジッパーテープ部材311を分離する簡単な構成で、咬合および開封が容易な包装袋5を容易に製造できる。
【0051】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態を図面に基づいて説明する。
図13は、第4実施形態における包装袋を示す平面図である。図14は、第4実施形態における包装袋の製造装置を示す図である。
図13に示すように、包装袋7は、包装袋用フィルムである一枚の基材フィルム10に、第1実施形態と同様に、雄側咬合部21Aを有する雄側テープとしての雄側帯状部材21と、雌側咬合部22Aを有する雌側テープとしての雌側帯状部材22とが、それぞれ接着されている。
基材フィルム10は、一方の基材端部11が他方の基材端部11に重ね合わされたボトムシール部16を有している。
また、基材フィルム10の両側端部には、互いの基材フィルム10がヒートシールされたサイドシール部13がそれぞれ設けられている。これらサイドシール部13間には、雄側帯状部材21および雌側帯状部材22が配設されている。
さらに、サイドシール部13に位置する雄側帯状部材21および雌側帯状部材22には、第3実施形態と同様に、爪潰部26が設けられている。
そして、基材フィルム10には、ボトムシール部16およびサイドシール部13の三方がシールされることにより収納空間が形成されている。
図14に示すように、三方製袋方法で用いられる製造装置8の一例としては、上述した第2実施形態のように、テープ操出装置31から繰り出されたジッパーテープ部材411を肉薄部412の位置で雄側帯状部材21(22)および雌側帯状部材22(21)に引き裂き、第3実施形態のように互いに咬合させてジッパーテープ2を形成しておく。そして、製造装置8は、あらかじめ咬合した状態のジッパーテープ2を、基材フィルム10にヒートシールするジッパーテープ接着装置81と、ボトムシール部16を形成するシールバー82と、爪潰しバー83と、サイドシール部13を形成するサイドシールバー84と、サイドシール部13の中間位置で切断して、ボトムシール部16とサイドシール部13との三方がヒートシールされた包装袋7を得る切断部75と、を備えている。
この構成でも、上述した第1実施形態と同様の作用効果が得られる。なお、実施形態では、ボトムシール部16とサイドシール部13とがヒートシールされた三方製袋に適用する場合について説明したが、これに限らず、トップシール部とサイドシール部13とがヒートシールされた三方製袋に適用してもよい。
【0052】
[変形例]
なお、本発明は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは、本発明に含まれるものである。
すなわち、包装袋1,5,7の製袋の際に内容物を自動的に充填する構成を例示したが、例えば一部に開口を有する状態で製袋後、内容物を開口から充填し、開口をヒートシールにて密封したり、布団袋などのようにヒートシールではなくジッパーテープにて開口を密封したりするなど、封入する内容物に応じて、製袋する構成を変更すればよい。
さらに、本発明は、包装袋の側面および底面に対応する部分がヒートシールされた三方製袋や、包装袋の側面および開口面に対応する部分がヒートシールされた三方製袋に適用してもよいし、側面や底面にガゼットを設けた包装袋に適用してもよい。
【0053】
また、ジッパーテープ部材311,411に切欠部25を形成した後に雄側帯状部材21および雌側帯状部材22を分離したが、分離した後の雄側帯状部材21および雌側帯状部材22にそれぞれ切欠部25を形成したり、咬合した後のジッパーテープ2に基材フィルム10に接着する前に切欠部25を設けたりするなど、製袋方法に応じて適宜実施できる。なお、分離工程前のジッパーテープ部材311,411に切欠部25を設ける構成が、他の部位との干渉などの点で好ましい。
【0054】
そして、製袋方法としては、第1実施形態および第2実施形態の縦型ピロー式や、第3実施形態の回転ドラム式、第4実施形態の三方製袋の他、四方製袋など、各種製袋方法に適用できる。
【0055】
また、ジッパーテープ部材311,411として、幅方向の一面(同一面)側に雄側咬合部21Aおよび雌側咬合部22Aを並列に設けた構成を例示したが、図15に示すように、幅方向の両面(異なる面)にそれぞれ雄側咬合部21Aおよび雌側咬合部22Aを設けた構成としてもよい。
この構成では、分離後に雄側咬合部21Aおよび雌側咬合部22Aを対向する状態に反転させる必要がなく、製造性を向上できる。
【0056】
その他、本発明の実施における具体的な構成および形態などは、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、例えば、食品、薬品、医療品、雑貨等の各種物品を包装するためのジッパーテープ付包装袋の製造方法およびその製造装置に利用できる。
【符号の説明】
【0058】
1,5,7……ジッパーテープ付包装袋
2……ジッパーテープ
3,4,6,8……製造装置
10……基材フィルム(包装袋用フィルム)
21……雄側帯状部材(雄側テープ)
21A…雄側咬合部
22……雌側帯状部材(雌側テープ)
22A…雌側咬合部
23……折曲部材
31……テープ操出装置(テープ操出手段)
32……打ち抜き装置(打ち抜き手段)
33,43……分離装置(分離手段)
34,44,64,81……ジッパーテープ接着装置(接着手段)
35,45,65……製袋装置
331……切断部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに係脱可能に係合して咬合部を構成する対をなす雄側咬合部および雌側咬合部を有したジッパーテープを、包装袋用フィルムに接着してジッパーテープ付包装袋を製造する製造方法であって、
長手帯状のテープに前記雄側咬合部および前記雌側咬合部が長手方向に沿って一対有したジッパーテープ部材を用い、
前記ジッパーテープ部材を繰り出すテープ操出工程と、
このテープ操出工程で繰り出されたジッパーテープ部材を、幅方向における前記雄側咬合部および前記雌側咬合部間で分離し、前記雄側咬合部を有する雄側テープおよび前記雌側咬合部を有する雌側テープを形成する分離工程と、
この分離工程で形成した前記雄側テープおよび前記雌側テープを前記包装袋用フィルムに接着する接着工程と、を備えた
ことを特徴とするジッパーテープ付包装袋の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載のジッパーテープ付包装袋の製造方法であって、
前記分離工程は、切断部材を用いて繰り出されるジッパーテープ部材を分離する
ことを特徴とするジッパーテープ付包装袋の製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のジッパーテープ付包装袋の製造方法であって、
前記ジッパーテープ部材としては、前記雄側咬合部および前記雌側咬合部間に長手方向に沿って肉薄部および切り取り点線状の目打ち部のうちの少なくともいずれか一方を有したものを用い、
前記分離工程は、前記ジッパーテープ部材の長手方向の両側に厚さ方向で反対方向に張力を作用させ、前記肉薄部および目打ち部のうちの少なくともいずれか一方の位置で引き裂いて分離する
ことを特徴とするジッパーテープ付包装袋の製造方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のジッパーテープ付包装袋の製造方法であって、
前記ジッパーテープ部材、または、前記雄側テープおよび前記雌側テープを、操出方向の所定間隔で少なくとも前記雄側咬合部および前記雌側咬合部の位置で打ち抜く打ち抜き工程を備えた
ことを特徴とするジッパーテープ付包装袋の製造方法。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のジッパーテープ付包装袋の製造方法であって、
前記接着工程は、前記雄側咬合部および前記雌側咬合部を咬合させた前記雄側テープおよび前記雌側テープを前記包装袋用フィルムに接着する
ことを特徴とするジッパーテープ付包装袋の製造方法。
【請求項6】
互いに係脱可能に係合して咬合部を構成する対をなす雄側咬合部および雌側咬合部を有したジッパーテープを包装袋用フィルムに接着してジッパーテープ付包装袋を製造する製造方法であって、
長手帯状のテープに前記雄側咬合部および前記雌側咬合部が長手方向に沿って一対有したジッパーテープ部材を長手方向の一端側から繰り出すテープ操出手段と、
このテープ操出手段から繰り出されたジッパーテープ部材を、幅方向における前記雄側咬合部および前記雌側咬合部間で分離し、前記雄側咬合部を有する雄側テープおよび前記雌側咬合部を有する雌側テープを形成する分離手段と、
この分離手段で形成した前記雄側テープおよび前記雌側テープを前記包装袋用フィルムに接着する接着手段と、
を具備したことを特徴としたジッパーテープ付包装袋の製造装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2010−284928(P2010−284928A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−141609(P2009−141609)
【出願日】平成21年6月12日(2009.6.12)
【出願人】(500163366)出光ユニテック株式会社 (128)
【Fターム(参考)】