説明

ジペプチジルペプチダーゼ阻害剤の投与

2−[6−(3−アミノ−ピペリジン−1−イル)−3−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イルメチル]−4−フルオロ−ベンゾニトリルを含む医薬組成物及びその医薬的に許容される塩、並びに該医薬組成物を含むキット及び製品、並びに該医薬組成物を使用する方法を提供する。該組成物は、糖尿病の治療に使用され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、ジペプチジルペプチダーゼIVを阻害するために使用される化合物を投与する方法並びにそのような投与に基づく治療法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
ジペプチジルペプチダーゼIV(IUBMB酵素命名法EC.3.4.14.5)は、多岐にわたる名称(DPP4、DP4、DAP−IV、FAPβ、アデノシンデアミナーゼ複合化タンパク質2、アデノシンデアミナーゼ結合タンパク質(ADAbp)、ジペプチジルアミノペプチダーゼIV;Xaa−Pro−ジペプチジルアミノペプチダーゼ;Gly−Proナフチルアミダーゼ;ポストプロリンジペプチジルアミノペプチダーゼIV;リンパ球抗原CD26;糖タンパクGP110;ジペプチジルペプチダーゼIV;グリシルプロリンアミノペプチダーゼ;グリシルプロリンアミノペプチダーゼ;X−プロリルジペプチジルアミノペプチダーゼ;pep X;白血球抗原CD26;グリシルプロリルジペプチジルアミノペプチダーゼ;ジペプチジル−ペプチドヒドロラーゼ;グリシルプロリルアミノペプチダーゼ;ジペプチジル−アミノペプチダーゼIV;DPP IV/CD26;アミノアシル−プロリルジペプチジルアミノペプチダーゼ;T細胞誘発分子Tp103;X−PDAPなど)により文献中に言及されている、タイプII膜タンパク質である。ジペプチジルペプチダーゼIVを、本明細書では「DPP−IV」と呼ぶ。
【0003】
DPP−IVは、ポリペプチド及びタンパク質のアミノ末端(N末端)から、Xaa−Proジペプチドを除去する非古典的なセリンアミノジペプチダーゼである。X−Gly又はX−Ser型のジペプチドの、DPP−IV依存性の緩慢な放出も、幾つかの天然産のペプチドについて報告されている。
【0004】
DPP−IVは、種々の異なる組織(腸、肝臓、肺、腎臓及び胎盤)の上皮及び内皮細胞上で、構成的に発現され、また体液中にも見出されている。DPP−IVはまた、循環するTリンパ球上でも発現されており、細胞表面抗原CD−26と同義であることが示された。
【0005】
DPP−IVは、インビボにおいて幾つかの内在性ペプチド(GLP−1(7−36)、グルカゴン)の代謝的な開裂の原因となり、またインビトロにて、様々な他のペプチド(GHRH、NPY、GLP−2、VIP)に対するタンパク分解活性が立証されている。
【0006】
GLP−1(7−36)は、小腸内のプログルカゴンの翻訳後のプロセシングにより誘導される、29アミノ酸のペプチドである。GLP−1(7−36)は、インスリン分泌の刺激、グルカゴン分泌の阻害、満腹感の亢進及び胃内容排出の遅延といった、インビボにおける多様な作用を持つ。その生理的なプロフィールに基づいて、GLP−1(7−36)の作用は、II型糖尿病及び潜在的肥満症の予防及び治療において有益であると考えられる。例えば、糖尿病患者へのGLP−1(7−36)の外因的な投与(連続的な注入)が、この種の患者集団において有効であることが分かっている。不幸なことに、GLP−1(7−36)は、インビボで迅速に崩壊し、インビボでは短い半減期(t1/2=1.5分)を持つことが明らかにされている。
【0007】
遺伝的に繁殖させたDPP−IVノックアウトマウスに関する研究及び選択的DPP−IV阻害剤を用いたインビボ/インビトロ研究に基づいて、DPP−IVは、インビボにおける、GLP−1(7−36)の主な分解酵素であることが判明している。GLP−1(7−36)はDPP−IVによって効率的にGLP−1(9−36)に分解され、これはGLP−1(7−36)に対し生理的なアンタゴニストとして作用するものと推測されている。従って、インビボでのDPP−IVの阻害はGLP−1(7−36)の内因性のレベルを増大させ、且つそのアンタゴニストであるGLP−1(9−36)の生成を減じるために有用であると考えられている。従って、DPP−IV阻害剤は、DPP−IVによって媒介される状態、特に糖尿病、より具体的にはII型真性糖尿病、糖尿病性脂質異常症(dislipidemia)、耐糖能異常(IGT)の状態、空腹時血漿グルコース異常(IFG)の状態、代謝性アシドーシス、ケトーシス、食欲調節及び肥満症の予防、進行の遅延及び/又は治療用の有用な薬剤であると考えられる。
【0008】
幾つかの化合物がDPP−IVを阻害することが示されている。それにもかかわらず、新規なDPP−IV阻害剤及び疾患の治療のためのそのような阻害剤の投与方法に対する需要が依然として存在する。
【発明の開示】
【0009】
発明の要旨
患者に、1日量として、1mg/日から250mg/日の化合物I、任意で2.5mgから200mgの化合物I、任意で2.5mgから150mgの化合物I、そして任意で5mgから100mgの化合物Iを投与することを含む方法を提供する。一つの変形において、1日量として、2.5mg、5mg、6.25mg、10mg、20mg、25mg、50mg、75mg又は100mgの化合物Iが投与される。他の変形において、1週間に1回の量として、2.5mg、5mg、6.25mg、10mg、20mg、25mg、50mg、75mg又は100mgの化合物Iが投与される。
【0010】
一つの変形において、投与は、1日に1回行われ、また、1日に1回単回投与量で行われても良い。投与は、1日に1回、少なくとも30日間行われても良く、また、少なくとも60日間行われても良い。
【0011】
一つの変形において、投与は、1日に1回、朝に行われ、また、1日に1回、朝に、患者にとってその日の最初の食事前に行われても良い。
【0012】
一つの変形において、投与は、1週間に1回行われ、また、1週間に1回単回投与量で行われても良い。投与は、1週間に1回、少なくとも30日間行われても良く、また、少なくとも60日間行われても良い。
【0013】
一つの変形において、投与は、1週間に1回、朝に行われ、また、1週間に1回、朝に、患者にとってその日の最初の食事前に行われても良い。
【0014】
投与は、以下に限定されないが、経口、非経口、腹腔内、静脈内、動脈内、経皮、舌下、筋肉内、直腸内、口腔内(transbuccally)、鼻腔内、リポソーム、吸入、膣内、眼内、局所送達、皮下、脂肪内、関節内、腹膜内及び鞘内(intrathecally)からなる群から選択される経路などの広い範囲の投与経路によって行われ得る。一つの特定の変形において、投与は、経口で行われる。
【0015】
化合物Iは、様々な疾患を治療するために使用され得る。一つの変形において、化合物Iの投与は、患者のI型又はII型糖尿病の状態を治療するために行われる。別の変形において、化合物Iの投与は、前糖尿病患者を治療するために行われる。更に別の変形において、化合物Iの投与は、炎症性腸疾患、クローン病、薬物療法によって誘発された腸炎、口腔粘膜炎又は短腸症候群を治療するために行われる。
【0016】
別の変形において、化合物Iの投与は、糖尿病、より具体的にはII型真性糖尿病;糖尿病性脂質異常症(dislipidemia);耐糖能異常(IGT);空腹時血漿グルコース異常(IFG);代謝性アシドーシス;ケトーシス;食欲調節;肥満症;糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症及び腎臓病などの糖尿病と関連する合併症;高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、低HDL血症及び食後高脂血症などの高脂血症;動脈硬化症;高血圧;心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、脳卒中及びメタボリック症候群などのDPP−IVによって媒介される状態に罹患している患者を治療するために行われる。
【0017】
化合物I以外の1種以上の抗糖尿病性又はインクレチン化合物と組み合わせての化合物Iの投与方法もまた提供される。一つの変形において、そのような組み合わせ療法は、1日量として、1mg/日から250mg/日の化合物I、任意で2.5mgから200mgの化合物I、任意で2.5mgから150mgの化合物I、そして任意で5mgから100mgの化合物Iを患者に投与して行われる。一つの変形において、1日量として、2.5mg、5mg、6.25mg、10mg、20mg、25mg、50mg、75mg又は100mgの化合物Iが、化合物I以外の1種以上の抗糖尿病性化合物と組み合わせて患者に投与される。
【0018】
一つの変形において、そのような組み合わせ療法は、1週間に1回の量として、1mg/日から250mg/日の化合物I、任意で2.5mgから200mgの化合物I、任意で2.5mgから150mgの化合物I、そして任意で5mgから100mgの化合物Iを患者に投与して行われる。一つの変形において、1週間に1回の量として、2.5mg、5mg、6.25mg、10mg、20mg、25mg、50mg、75mg又は100mgの化合物Iが、化合物I以外の1種以上の抗糖尿病性化合物と組み合わせて患者に投与される。
【0019】
なお、特定の抗糖尿病性及びインクレチン化合物に対して様々に異なる投与量の範囲が本明細書において提供される。本発明の範囲は、他の抗糖尿病性又はインクレチン化合物について本明細書に記載されるあらゆる投与量の範囲と組み合わせた、化合物Iについて開示されるあらゆる範囲にわたる薬物の組み合わせを含むことを意図している。
【0020】
化合物I以外の1種以上の抗糖尿病性化合物との化合物Iの組み合わせは、1)化合物I及び/又は抗糖尿病性化合物の治療効果の増強;2)化合物I及び/又は抗糖尿病性化合物の副作用の低減;並びに3)化合物I及び/又は抗糖尿病性化合物の投与量の低減などの優れた効果を提供する。
【0021】
化合物Iと組み合わせて投与される1種以上の抗糖尿病性又はインクレチン化合物は、インスリン情報伝達モジュレーター、肝臓でのグルコース産生の調節不全に影響する化合物、インスリン感受性エンハンサー及びインスリン分泌エンハンサーからなる群から選択されても良い。
【0022】
化合物Iと組み合わせて投与される1種以上の抗糖尿病性又はインクレチン化合物はまた、タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤、グルタミン−フルクトース−6−リン酸アミドトランスフェラーゼ阻害剤、グルコース−6−ホスファターゼ阻害剤、フルクトース−1,6−ビスホスファターゼ阻害剤、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、グルカゴン受容体アンタゴニスト、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ阻害剤、ピルビン酸デヒドロゲナーゼキナーゼ阻害剤、アルファグルコシダーゼ阻害剤、胃内容排出の阻害剤、グルコキナーゼ活性化剤、GLP−1受容体アゴニスト、GLP−2受容体アゴニスト、UCPモジュレーター、RXRモジュレーター、GSK−3阻害剤、PPARモジュレーター、メトホルミン、インスリン及びα−アドレナリンアンタゴニストからなる群から選択されても良い。
【0023】
化合物Iと組み合わせて投与される1種以上の抗糖尿病性又はインクレチン化合物はまた、GSK−3阻害剤、レチノイドX受容体アゴニスト、ベータ3ARアゴニスト、UCPモジュレーター、抗糖尿病性チアゾリジンジオン、非グリタゾン型PPARガンマアゴニスト、デュアルPPARガンマ/PPARアルファアゴニスト、抗糖尿病性バナジウム含有化合物及びビグアニドからなる群から選択されても良い。
【0024】
化合物Iと組み合わせて投与される1種以上の抗糖尿病性又はインクレチン化合物はまた、医薬的に許容されるどんな塩も含む、(S)−((3,4−ジヒドロ−2−(フェニル−メチル)−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)メチル−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−{[4−(3−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−1−オキソ−プロピル)−フェニル]−メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−{[4−(1−メチル−シクロヘキシル)メトキシ)−フェニル]メチル]−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−{[4−(2−(1−インドリル)エトキシ)フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリ)−エトキシ)]ベンジル}−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−(2−ナフチルスルホニル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、ビス{4−[(2,4−ジオキソ−5−チアゾリジニル)−メチル]フェニル}メタン、5−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−2−ヒドロキシエトキシ]−ベンジル}−−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−[4−(1−フェニル−1−シクロプロパンカルボニルアミノ)−ベンジル]−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−{[4−(2−(2,3−ジヒドロインドール−1−イル)エトキシ)フェニルメチル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−[3−(4−クロロ−フェニル])−2−−プロピニル]−5−フェニルスルホニル)チアゾリジン−2,4−ジオン、5−[3−(4−クロロフェニル])−−2−プロピニル]−5−(4−フルオロフェニル−スルホニル)チアゾリジン−2,4−ジオン、5−{[4−(2−(メチル−2−ピリジニル−アミノ)−エトキシ)フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−{[4−(2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ)フェニル]−メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−{[4−((3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−イル)メトキシ)−フェニル]−メチル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−[6−(2−フルオロ−ベンジルオキシ)−ナフタレン−2−イルメチル]−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−([2−(2−ナフチル)−ベンズオキサゾール−5−イル]−メチル}チアゾリジン−2,4−ジオン及び5−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)−2−メトキシ−N−(4−トリフルオロメチル−ベンジル)ベンズアミドからなる群から選択されるチアゾリジンジオンであっても良い。
【0025】
一つの変形において、化合物Iと組み合わせて投与される1種以上の抗糖尿病性化合物は、メトホルミンを含む。一つの特定の変形において、この組み合わせにおけるメトホルミンは、1種以上のその医薬的に許容される塩を含む。別の特定の変形において、この組み合わせにおけるメトホルミンは、メトホルミンHCl塩を含む。更に別の特定の変形において、この組み合わせにおけるメトホルミンは、125から2550mgの1日量で投与される。更なる別の変形において、この組み合わせにおけるメトホルミンは、250から2550mgの1日量で投与される。
【0026】
別の変形において、化合物Iと組み合わせて投与される1種以上の抗糖尿病性化合物は、1種以上のスルホニル尿素誘導体を含む。
【0027】
化合物Iと組み合わせて投与される1種以上の抗糖尿病性化合物はまた、医薬的に許容されるどんな塩も含む、グリソキセピド、グリブリド、グリベンクラミド、アセトヘキサミド、クロロプロパミド、グリボルヌリド、トルブタミド、トラザミド、グリピジド、カルブタミド、グリキドン、グリヘキサミド、フェンブタミド、トルシクラミド、グリメピリド及びグリクラジドからなる群から選択されても良い。一つの変形において、化合物Iと組み合わせて投与される1種以上の抗糖尿病性化合物は、グリメピリドを含む。
【0028】
化合物Iと組み合わせて投与される1種以上の抗糖尿病性化合物はまた、インクレチンホルモン又はその模倣体、ベータ細胞イミダゾリン受容体アンタゴニスト及び短時間作用型インスリン分泌促進剤からなる群から選択されても良い。
【0029】
別の変形において、化合物Iと組み合わせて投与される1種以上の抗糖尿病性化合物は、インスリンを含む。
【0030】
化合物Iと組み合わせて投与される1種以上の抗糖尿病性化合物はまた、例えばエクステンダチド(extendatide)などの1種以上のGLP−1アゴニストであっても良い。
【0031】
化合物Iと組み合わせて投与される1種以上の抗糖尿病性化合物はまた、例えばヒト組換え型GLP−2などの1種以上のGLP−2アゴニストであっても良い。
【0032】
化合物Iと組み合わせて投与される1種以上の抗糖尿病性化合物はまた、1種以上の抗糖尿病性D−フェニルアラニン誘導体であっても良い。
【0033】
化合物Iと組み合わせて投与される1種以上の抗糖尿病性化合物はまた、医薬的に許容されるどんな塩も含む、レパグリニド、ミチグリニド及びナテグリニドからなる群から選択されても良い。一つの変形において、化合物Iと組み合わせて投与される1種以上の抗糖尿病性化合物は、ミチグリニドカルシウム塩水和物を含む。
【0034】
化合物Iと組み合わせて投与される1種以上の抗糖尿病性化合物はまた、1種以上のアルファグリコシダーゼ阻害剤であっても良い。
【0035】
化合物Iと組み合わせて投与される1種以上の抗糖尿病性化合物はまた、医薬的に許容されるどんな塩も含む、アカルボース、ボグリボース及びミグリトールからなる群から選択されても良い。一つの変形において、化合物Iと組み合わせて投与される1種以上の抗糖尿病性化合物は、ボグリボースを含む。別の変形において、この組み合わせにおけるボグリボースは、0.1から1mgの1日量で投与される。
【0036】
化合物Iと組み合わせて投与される1種以上の抗糖尿病性化合物はまた、医薬的に許容されるどんな塩も含むロシグリタゾンであっても良い。一つの変形において、この組み合わせにおけるロシグリタゾンは、ロシグリタゾンマレイン酸塩を含む
【0037】
化合物Iと組み合わせて投与される1種以上の抗糖尿病性化合物はまた、医薬的に許容されるどんな塩も含む、テサグリタザル、ムラグリタザール又はナベグリタザールであっても良い。
【0038】
化合物Iと組み合わせて投与される1種以上の抗糖尿病性化合物はまた、医薬的に許容されるどんな塩も含むピオグリタゾンであっても良い。一つの変形において、この組み合わせにおけるピオグリタゾンは、ピオグリタゾンHCl塩を含む。別の変形において、この組み合わせにおけるピオグリタゾンは、7.5から60mgの1日量で投与される。更に別の変形において、この組み合わせにおけるピオグリタゾンは、15から45mgの1日量で投与される。
【0039】
化合物Iと組み合わせて投与される1種以上の抗糖尿病性化合物はまた、メトホルミン及びピオグリタゾンを含んでいても良い。一つの変形において、この組み合わせにおけるピオグリタゾンは、1種以上のその医薬的に許容される塩を含む。別の変形において、この組み合わせにおけるピオグリタゾンは、ピオグリタゾンHCl塩を含む。更に別の変形において、この組み合わせにおけるピオグリタゾンは、7.5から60mgの1日量で投与される。更なる別の変形において、この組み合わせにおけるピオグリタゾンは、15から45mgの1日量で投与される。上記変形のそれぞれの別の変形において、この組み合わせにおけるメトホルミンは、1種以上のその医薬的に許容される塩を含む。一つの特定の変形において、この組み合わせにおけるメトホルミンは、メトホルミンHCl塩を含む。別の特定の変形において、この組み合わせにおけるメトホルミンは、125から2550mgの1日量で投与される。更に別の変形において、この組み合わせにおけるメトホルミンは、250から2550mgの1日量で投与される。
【0040】
上記実施態様及びそれらの変形のそれぞれに関して、化合物Iは、遊離塩基として又はその医薬的に許容される塩として投与され得る。特定の変形において、化合物Iは、化合物IのHCl、メタンスルホン酸、コハク酸、安息香酸、トルエンスルホン酸、R−(−)マンデル酸、又はベンゼンスルホン酸の塩として投与される。
【0041】
医薬組成物もまた提供される。
【0042】
一つの実施態様において、1mg/日から250mg/日の化合物I、任意で2.5mgから200mgの化合物I、任意で2.5mgから150mgの化合物I、そして任意で5mgから100mgの化合物Iを含む単回投与形態で処方された医薬組成物が提供される。特定の変形において、医薬組成物は、2.5mg、5mg、6.25mg、10mg、20mg、25mg、50mg、75mg又は100mgの化合物Iを含む。
【0043】
一つの実施態様において、1mg/週から250mg/週の化合物I、任意で2.5mgから200mgの化合物I、任意で2.5mgから150mgの化合物I、そして任意で5mgから100mgの化合物Iを含む単回投与形態で処方された医薬組成物が提供される。特定の変形において、医薬組成物は、週1回の基準として、2.5mg、5mg、6.25mg、10mg、20mg、25mg、50mg、75mg又は100mgの化合物Iを含む。
【0044】
別の実施態様において、単回投与形態で化合物I及び化合物I以外の1種以上の抗糖尿病性又はインクレチン化合物を含む医薬組成物が提供される。任意で、化合物Iは、投与量が1mg/日から250mg/日の化合物I、任意で2.5mgから200mgの化合物I、任意で2.5mgから150mgの化合物I、そして任意で5mgから100mgの化合物Iである単回投与形態で存在する。特定の変形において、医薬組成物は、2.5mg、5mg、6.25mg、10mg、20mg、25mg、50mg、75mg又は100mgの化合物Iを含む。
【0045】
化合物I以外の1種以上の抗糖尿病性化合物との化合物Iの組み合わせは、1)化合物I及び/又は抗糖尿病性化合物の治療効果の増強;2)化合物I及び/又は抗糖尿病性化合物の副作用の低減;並びに3)化合物I及び/又は抗糖尿病性化合物の投与量の低減などの優れた効果を提供する。
【0046】
上記実施態様に関して、医薬組成物に含まれる1種以上の抗糖尿病性化合物は、インスリン情報伝達モジュレーター、肝臓でのグルコース産生の調節不全に影響する化合物、インスリン感受性エンハンサー、インクレチン及びインスリン分泌エンハンサーからなる群から選択されても良い。
【0047】
また、上記実施態様に関して、医薬組成物に含まれる1種以上の抗糖尿病性化合物は、タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤、グルタミン−フルクトース−6−リン酸アミドトランスフェラーゼ阻害剤、グルコース−6−ホスファターゼ阻害剤、フルクトース−1,6−ビスホスファターゼ阻害剤、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、グルカゴン受容体アンタゴニスト、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ阻害剤、ピルビン酸デヒドロゲナーゼキナーゼ阻害剤、アルファグルコシダーゼ阻害剤、胃内容排出の阻害剤、グルコキナーゼ活性化剤、GLP−1受容体アゴニスト、GLP−2受容体アゴニスト、UCPモジュレーター、RXRモジュレーター、GSK−3阻害剤、PPARモジュレーター、メトホルミン、インスリン及びα−アドレナリンアンタゴニストからなる群から選択されても良い。
【0048】
また、上記実施態様に関して、医薬組成物に含まれる1種以上の抗糖尿病性化合物は、GSK−3阻害剤、レチノイドX受容体アゴニスト、ベータ3ARアゴニスト、UCPモジュレーター、抗糖尿病性チアゾリジンジオン、非グリタゾン型PPARガンマアゴニスト、デュアルPPARガンマ/PPARアルファアゴニスト、抗糖尿病性バナジウム含有化合物及びビグアニドからなる群から選択されても良い。
【0049】
また、上記実施態様に関して、医薬組成物に含まれる1種以上の抗糖尿病性化合物は、医薬的に許容されるどんな塩も含む、(S)−((3,4−ジヒドロ−2−(フェニル−メチル)−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)メチル−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−{[4−(3−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−1−オキソ−プロピル)−フェニル]−メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−{[4−(1−メチル−シクロヘキシル)メトキシ)−フェニル]メチル]−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−{[4−(2−(1−インドリル)エトキシ)フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリ)−エトキシ)]ベンジル}−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−(2−ナフチルスルホニル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、ビス{4−[(2,4−ジオキソ−5−チアゾリジニル)−メチル]フェニル}メタン、5−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−2−ヒドロキシエトキシ]−ベンジル}−−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−[4−(1−フェニル−1−シクロプロパンカルボニルアミノ)−ベンジル]−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−{[4−(2−(2,3−ジヒドロインドール−1−イル)エトキシ)フェニルメチル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−[3−(4−クロロ−フェニル])−2−−プロピニル]−5−フェニルスルホニル)チアゾリジン−2,4−ジオン、5−[3−(4−クロロフェニル])−−2−プロピニル]−5−(4−フルオロフェニル−スルホニル)チアゾリジン−2,4−ジオン,5−{[4−(2−(メチル−2−ピリジニル−アミノ)−エトキシ)フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−{[4−(2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ)フェニル]−メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−{[4−((3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−イル)メトキシ)−フェニル]−メチル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−[6−(2−フルオロ−ベンジルオキシ)−ナフタレン−2−イルメチル]−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−([2−(2−ナフチル)−ベンズオキサゾール−5−イル]−メチル}チアゾリジン−2,4−ジオン及び5−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)−2−メトキシ−N−(4−トリフルオロメチル−ベンジル)ベンズアミドからなる群から選択されるチアゾリジンジオンであっても良い。
【0050】
一つの変形において、医薬組成物に含まれる1種以上の抗糖尿病性化合物は、メトホルミンを含む。一つの特定の変形において、この組み合わせにおけるメトホルミンは、1種以上のその医薬的に許容される塩を含む。別の特定の変形において、この組み合わせにおけるメトホルミンは、メトホルミンHCl塩を含む。更に別の特定の変形において、この組み合わせにおけるメトホルミンは、125から2550mgの1日量で投与される。更なる別の変形において、この組み合わせにおけるメトホルミンは、250から2550mgの1日量で投与される。
【0051】
別の変形において、医薬組成物に含まれる1種以上の抗糖尿病性化合物は、1種以上のスルホニル尿素誘導体を含む。
【0052】
別の変形において、医薬組成物に含まれる1種以上の抗糖尿病性化合物は、医薬的に許容されるどんな塩も含む、グリソキセピド、グリブリド、グリベンクラミド、アセトヘキサミド、クロロプロパミド、グリボルヌリド、トルブタミド、トラザミド、グリピジド、カルブタミド、グリキドン、グリヘキサミド、フェンブタミド、トルシクラミド、グリメピリド及びグリクラジドからなる群から選択される抗糖尿病性化合物を含む。一つの変形において、医薬組成物に含まれる1種以上の抗糖尿病性化合物は、グリメピリドを含む。
【0053】
別の変形において、医薬組成物に含まれる1種以上の抗糖尿病性化合物は、インクレチンホルモン又はその模倣体、ベータ細胞イミダゾリン受容体アンタゴニスト及び短時間作用型インスリン分泌促進剤からなる群から選択される抗糖尿病性化合物を含む。
【0054】
別の変形において、医薬組成物に含まれる1種以上の抗糖尿病性化合物は、インスリンを含む。
【0055】
別の変形において、医薬組成物に含まれる1種以上の抗糖尿病性化合物は、1種以上のGLP−1アゴニストを含む。
【0056】
別の変形において、医薬組成物に含まれる1種以上の抗糖尿病性化合物は、ヒト組換え型GLP−2などの1種以上のGLP−2アゴニストを含む。
【0057】
別の変形において、医薬組成物に含まれる1種以上の抗糖尿病性化合物は、1種以上の抗糖尿病性D−フェニルアラニン誘導体を含む。
【0058】
別の変形において、医薬組成物に含まれる1種以上の抗糖尿病性化合物は、医薬的に許容されるどんな塩も含む、レパグリニド及びナテグリニドからなる群から選択される抗糖尿病性化合物を含む。一つの変形において、医薬組成物に含まれる1種以上の抗糖尿病性化合物は、ミチグリニドカルシウム塩水和物を含む。
【0059】
別の変形において、医薬組成物に含まれる1種以上の抗糖尿病性化合物は、1種以上のアルファグリコシダーゼ阻害剤を含む。
【0060】
別の変形において、医薬組成物に含まれる1種以上の抗糖尿病性化合物は、医薬的に許容されるどんな塩も含む、アカルボース、ボグリボース及びミグリトールからなる群から選択される抗糖尿病性化合物を含む。一つの変形において、医薬組成物に含まれる1種以上の抗糖尿病性化合物は、ボグリボースを含む。別の変形において、この組み合わせにおけるボグリボースは、0.1から1mgの1日量で投与される。
【0061】
別の変形において、医薬組成物に含まれる1種以上の抗糖尿病性化合物は、医薬的に許容されるどんな塩も含むロシグリタゾンを含む。一つの変形において、この組み合わせにおけるロシグリタゾンは、ロシグリタゾンマレイン酸塩を含む。
【0062】
医薬組成物に含まれる1種以上の抗糖尿病性化合物はまた、医薬的に許容されるどんな塩も含む、テサグリタザル、ムラグリタザール又はナベグリタザールであっても良い。
【0063】
別の変形において、医薬組成物に含まれる1種以上の抗糖尿病性化合物は、医薬的に許容されるどんな塩も含むピオグリタゾンを含む。一つの変形において、この組み合わせにおけるピオグリタゾンは、ピオグリタゾンHCl塩を含む。別の特定の変形において、この組み合わせにおけるピオグリタゾンは、7.5から60mgの1日量で投与される。更に別の特定の変形において、この組み合わせにおけるピオグリタゾンは、15から45mgの1日量で投与される。
【0064】
別の変形において、医薬組成物に含まれる1種以上の抗糖尿病性化合物は、メトホルミン及びピオグリタゾンを含む。一つの変形において、この組み合わせにおけるピオグリタゾンは、1種以上のその医薬的に許容される塩を含む。別の特定の変形において、この組み合わせにおけるピオグリタゾンは、ピオグリタゾンHCl塩を含む。更に別の特定の変形において、この組み合わせにおけるピオグリタゾンは、7.5から60mgの1日量で投与される。更なる別の特定の変形において、この組み合わせにおけるピオグリタゾンは、15から45mgの1日量で投与される。上記変形のそれぞれのより一層の変形において、この組み合わせにおけるメトホルミンは、1種以上のその医薬的に許容される塩を含む。更により一層の変形において、この組み合わせにおけるメトホルミンは、メトホルミンHCl塩を含む。更なるより一層の変形において、この組み合わせにおけるメトホルミンは、125から2550mgの1日量で投与される。更により一層の変形において、この組み合わせにおけるメトホルミンは、250から2550mgの1日量で投与される。
【0065】
医薬組成物に関する上記実施態様及びそれらの変形のそれぞれに関して、化合物Iは、遊離塩基として又はその医薬的に許容される塩として投与され得る。特定の変形において、化合物Iは、化合物IのHCl、メタンスルホン酸、コハク酸、安息香酸、トルエンスルホン酸、R−(−)マンデル酸又はベンゼンスルホン酸の塩として投与される。
【0066】
また、医薬組成物に関する上記実施態様及びそれらの変形のそれぞれに関して、医薬組成物は、口腔投与に適合する単回投与形態であっても良く、口腔投与に適合する固体製剤であっても良く、また、口腔投与に適合する錠剤又はカプセルであっても良い。医薬製剤はまた、口腔投与に適合する徐放性製剤であり得る。
【0067】
また、医薬組成物に関する上記実施態様及びそれらの変形のそれぞれに関して、医薬組成物は、糖尿病、より具体的にはII型真性糖尿病;糖尿病性脂質異常症(dislipidemia);耐糖能異常(IGT);空腹時血漿グルコース異常(IFG);代謝性アシドーシス;ケトーシス;食欲調節;肥満症;糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症及び腎臓病などの糖尿病と関連する合併症;高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、低HDL血症及び食後高脂血症などの高脂血症;動脈硬化症;高血圧;心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、脳卒中及びメタボリック症候群などのDPP−IVによって媒介される状態を予防又は治療するために用いられ得る。
【0068】
また、医薬組成物に関する上記実施態様及びそれらの変形のそれぞれに関して、医薬組成物は、非経口(皮下(subcutaneous)、静脈内、皮下(subdermal)又は筋肉内)投与に適合する単回投与形態であっても良く、非経口投与に適合する液剤であっても良く、また、非経口投与に適合する懸濁製剤であっても良い。医薬製剤はまた、経口投与に適合する徐放性製剤であり得る。
【0069】
本発明に従った複数回投与の医薬組成物を含むキットもまた、提供される。
【0070】
一つの変形において、キットは、医薬組成物を投与すべき病態の表示、医薬組成物についての保存情報、服用情報及び医薬組成物を投与する方法に関する説明からなる群から選択される1種以上の形態の情報を含む説明書を更に含む。
【0071】
本発明に従った複数回投与の医薬組成物を含む製品もまた、提供される。一つの変形において、製品は、容器などの複数回投与の医薬組成物を収納するための包装材料並びに又は組成物を投与すべき病態、保存情報、服用情報及び/又は組成物を投与する方法に関する説明からなる群のうち1つ以上の要素を表示するラベルを更に含む。
【0072】
上記実施態様の全てに関して、方法が、他の医薬活性物質の患者への投与を含め、明記された作用を外れた更なる作用を含み得るという意味で、実施態様はオープンエンドに解釈されるべきであることに注意すべきである。同様に、他に明記されない限り、医薬組成物、キット及び製品は、他の医薬活性物質を含む他の物質を更に含み得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0073】
定義
他に言及されない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用する以下の用語は、本願の趣旨のために以下の意味を有する。
【0074】
「疾患」は、具体的には、動物又はその一部のあらゆる非健康的な状態を含み、また、これらの動物に適用される医学的又は獣医学的な療法によって引き起こされ得るか若しくは付随し得る、非健康的な状態(すなわち、このような療法の「副作用」)を含む。
【0075】
「医薬的に許容される」とは、医薬組成物の製造に有用であることを意味し、この医薬組成物は、一般に安全で、無毒性であり、そして生物学的にもそれ以外にも望ましく、尚且つ獣医学的用途と同様にヒトの医薬的用途のために許容される組成物を包含する。
【0076】
「医薬的に許容される塩」とは、上で定義したように、医薬的に許容され、且つ所望の薬理的活性を有する塩を意味する。このような塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸;又は酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、琥珀酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、o−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファスルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]オクタ−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、4,4’−メチレンビス(3−ヒドロキシ−2−エン−1−カルボン酸)、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、tert−ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸等の有機酸と形成された酸付加塩類が挙げられるが、これらに限定されない。
【0077】
医薬的に許容される塩としてはまた、存在する酸性プロトンが無機又は有機塩基と反応できる場合に形成され得る、塩基付加塩が挙げられるが、これに限定されない。許容される無機塩基としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アルミニウム及び水酸化カルシウムが挙げられるが、これらに限定されない。許容される有機塩基としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミン等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0078】
「治療有効量」とは、ある疾患を治療するために動物に投与した際に、このような該疾患の治療を達成するのに十分な化合物量を意味する。
【0079】
「治療」又は「治療する」とは、有効量の化合物の如何なる投与をも意味し、以下を包含する:
(1)該疾患に罹りやすくなっていてもよいが、その疾患の病理又は症候をまだ経験していない若しくは示していない動物における、疾患の発生を予防すること、
(2)疾患の病理又は症候を経験している若しくは示している動物において、その疾患を防止すること(すなわち、病理及び/又は症候のさらなる進行を停止すること)、あるいは
(3)疾患の病理又は症候を経験している若しくは示している動物において、その疾患を改善すること(すなわち、病理及び/又は症候が回復すること)。
【0080】
発明の詳細な説明
1. 2−[6−(3−アミノ−ピペリジン−1−イル)−3−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イルメチル]−4−フルオロ−ベンゾニトリル及びその組成物
本発明は、概して、その構造を以下に示した2−[6−(3−アミノ−ピペリジン−1−イル)−3−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イルメチル]−4−フルオロ−ベンゾニトリル(本明細書において、「化合物I」と称する)の投与に関する。
【0081】
【化1】

【0082】
実施例1は、化合物Iの合成方法の一つを記載している。当業者に理解されるであろうが、化合物Iの他の合成方法を使用しても良いことに注意すべきである。
【0083】
化合物Iは、遊離塩基形態で投与され得、また、塩、水和物及び生体内で化合物Iの遊離塩基形態に変換されるプロドラッグの形態でも投与され得る。例えば、当該技術分野で良く知られる手順に従って様々な有機及び無機の酸及び塩基由来の医薬的に許容される塩として化合物Iを投与することは、本発明の範囲内である。本明細書において使用する場合、他に明記されない限り、化合物Iは、化合物Iの塩、水和物及びプロドラッグを包含することを意図している。
【0084】
化合物Iの医薬的に許容される塩は、好ましくは、遊離塩基形態の化合物Iと比較して向上した薬物動態特性を与える。医薬的に許容される塩はまた、最初に、化合物Iが以前は持っていなかった所望の薬物動態特性を化合物Iに与え得、また、体内での治療活性に関して、該化合物の薬力学に正の影響さえも及ぼし得る。
【0085】
化合物Iの塩、水和物及びプロドラッグの具体例としては、例えば、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素などのハロゲン化水素;他の鉱酸及びそれに対応する塩(硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩など);アルキル並びにエタンスルホン酸、トルエンスルホン酸及びベンゼンスルホン酸などのモノアリールスルホン酸塩;並びに他の有機酸及びそれに対応する塩(酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩及びアスコルビン酸塩)のような無機若しくは有機酸により形成された塩形態が挙げられるが、これらに限定されない。更なる酸付加塩としては:アジペート、アルギネート、アルジネート(arginate)、アスパルテート、ビスルフェート、ビスルフィット、ブロミド、ブチレート、樟脳酸塩、カンファースルホネート、カプリレート、クロライド、クロロベンゾエート、シクロペンタンプロピオネート、ジグルコネート、リン酸二水素塩、ジニトロベンゾエート、ドデシル硫酸塩、フマレート、ガラクタル酸塩(galacterate)(粘液酸由来)、ガラクツロン酸塩、グルコヘプタノエート(glucoheptaoate)、グルコネート、グルタメート、グリセロリン酸塩、ヘミサクシネート、ヘミスルフェート、ヘプタノエート、ヘキサノエート、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホネート、ヨウ化物、イセチオン酸塩、イソ酪酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マロネート、マンデレート、メタリン酸塩、メタンスルホネート、メチルベンゾエート、リン酸一水素塩、2−ナフタレンスルホネート、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、オレエート、パモエート(pamoate)、ペクチネート、パースルフェート、フェニルアセテート、3−フェニルプロピオネート、リン酸塩、ホスホン酸塩及びフタル酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0086】
特定の変形において、化合物Iは、化合物IのHCl、メタンスルホン酸、コハク酸、安息香酸、トルエンスルホン酸、R−(−)マンデル酸、又はベンゼンスルホン酸の塩として投与される。実施例1は、化合物Iのコハク酸塩形態の製造を記載している。
【0087】
2. 化合物Iの投与及び使用
本発明は、概して、患者に対して1日量として1mg/日から250mg/日の化合物I、任意で2.5mgから200mgの化合物I、任意で2.5mgから150mgの化合物I、そして任意で5mgから100mgの化合物I(それぞれの場合について、化合物Iの遊離塩基形態の分子量に基づいている)を投与することを含む方法に関する。使用され得る具体的な投与量としては、1日あたり2.5mg、5mg、6.25mg、10mg、20mg、25mg、50mg、75mg及び100mgの化合物Iが挙げられるが、これらに限定されない。他に具体的に明記されない限り、化合物Iは、遊離塩基形態又は医薬的に許容される塩として投与され得ることに注意すべきである。しかしながら、本明細書で与える投与の量及び範囲は、常に化合物Iの遊離塩基形態の分子量に基づいている。
【0088】
本発明はまた、患者に対して1週間に1回の量として1mg/日から250mg/日の化合物I、任意で10mgから200mgの化合物I、任意で10mgから150mgの化合物I、そして任意で10mgから100mgの化合物I(それぞれの場合について、化合物Iの遊離塩基形態の分子量に基づいている)を投与することを含む方法に関する。使用され得る具体的な投与量としては、1週間に1回のレジメンにおいて1週間あたり2.5mg、5mg、6.25mg、10mg、20mg、25mg、50mg、75mg及び100mgの化合物Iが挙げられるが、これらに限定されない。他に具体的に明記されない限り、化合物Iは、遊離塩基形態又は医薬的に許容される塩として投与され得ることに注意すべきである。しかしながら、本明細書で与える投与の量及び範囲は、常に化合物Iの遊離塩基形態の分子量に基づいている。
【0089】
化合物Iは、任意の投与経路で投与され得る。しかしながら、特定の実施態様において、本発明の方法は、化合物Iを経口投与することにより実施される。この種の投与は、簡易且つ患者による自己投与がなされ得るという利点を持つ。
【0090】
化合物Iは、1日に1回以上投与され得る。しかしながら、本発明の利点は、化合物Iを本明細書に明記した投与量レベルで1日あたり1回で効果的に投与でき、また、1日に1回単回投与形態で投与することもできるということである。化合物Iを本明細書に明記した投与量レベルで1日あたり1回で経口的に投与できることにより、患者にとって化合物Iを自己投与することが容易であり、従ってDPP−IV活性の生体内での阻害を必要としている患者における使用の順守を改善する。
【0091】
有利なことに、化合物Iは、長期連続的な使用に適しており、長期間患者に投与され得る。従って、化合物Iを患者に対してそれぞれの日に(任意で毎日1回)、少なくとも1ヶ月間、任意で少なくとも3ヶ月間、そして必要ならば任意で患者の疾患プロフィールの存続期間の間投与する方法が行われ得る。化合物Iの長時間作用型のDPP−IV阻害作用のため、1日1回よりも低い頻度の投与レジメン(regiment)が用いられ得ることが想定される。
【0092】
有利なことに、化合物Iは、一日のうちの任意の時間に投与され得る。任意で、化合物Iは、毎日1日に1回投与され、投与は朝の食事前に行われる。血中グルコースレベルが100mg/dlを上回るレベルに到達した時に化合物Iはインスリン分泌を活性化させるため、血中グルコースレベルの上昇が食後に起こる前に化合物Iを体循環に入れることが有益であり得る。
【0093】
化合物Iは、生体内DPP−IV活性の低減につながる治療経過が有益であるあらゆる患者に投与され得る。化合物Iの投与による単回経口投与後のサルの血漿DPPIV活性への観察された影響を図1は示しており、また実施例3は説明している。
【0094】
図1に示したデータから分かるように、化合物Iを本明細書に明記した投与量レベルで1日1回投与することにより、化合物Iは、血漿DPPIV活性を低減することが望まれる病態に関して効果的に使用され得る。提示したデータを考慮すると、少なくとも2.5mgの化合物Iを患者に投与した場合、患者の血漿DPPIV活性は、投与後少なくとも少なくとも6時間、12時間、18時間及び24時間もの間、基準と比較して60%を超えて低減され得る。
【0095】
化合物I投与の具体的な適用例としては、DPP−IVによって媒介される状態、具体的には糖尿病、より具体的にはII型真性糖尿病、糖尿病性脂質異常症(dislipidemia)、耐糖能異常(IGT)、空腹時血漿グルコース異常(IFG)、代謝性アシドーシス、ケトーシス、食欲調節、肥満症並びに糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、炎症性腸疾患、クローン病、薬物療法によって誘発された腸炎、口腔粘膜炎、短腸症候群及び腎臓病などの糖尿病と関連する合併症の予防、進行の遅延及び/又は治療が挙げられるがこれらに限定されない。DPP−IVによって媒介される状態としては更に、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、低HDL血症及び食後高脂血症などの高脂血症;動脈硬化症;高血圧;心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、脳卒中及びメタボリック症候群が挙げられる。
【0096】
I型又はII型糖尿病患者に対する、少なくとも30日間の最低限の治療後の化合物Iの投与は、1種以上の心臓血管の測定結果を改善させると考えられる。改善され得る心臓の測定結果の例としては、平均収縮期血圧の減少、HDLコレステロールの増加、LDL/HDL比の改善及びトリグリセリドの低減が挙げられるが、これらに限定されない。
【0097】
また、I型又はII型糖尿病患者に対する、少なくとも30日間の最低限の治療後の1種以上の抗糖尿病性化合物と組み合わせた化合物Iの投与は、1種以上の心臓血管の測定結果を改善させると考えられる。改善され得る心臓の測定結果の例としては、平均収縮期血圧の減少、HDLコレステロールの増加、LDL/HDL比の改善及びトリグリセリドの低減が挙げられるが、これらに限定されない。
【0098】
また、胃腸炎症障害(炎症性腸疾患、クローン病、薬物療法によって誘発された腸炎、口腔粘膜炎及び短腸症候群などであるが、これらに限定されない)を持つ患者に対する、少なくとも30日間の最低限の治療後の1種以上の抗糖尿病性又はインクレチン化合物と組み合わせた化合物Iの投与は、胃腸管の粘膜内層の健康を改善すると考えられる。胃腸管の粘膜内層の健康の改善は、腸の表面積の増加、炎症の低減、及び/又は栄養吸収の増大によって実証され得るが、これらに限定されない。
【0099】
一つの変形において、化合物Iは、II型糖尿病患者に投与される。また、化合物Iを受ける患者は、末梢インスリン感受性組織/器官におけるインスリン抵抗性を発達させた患者よりむしろ、膵島からのインスリン分泌が機能不全であり得る。
【0100】
有利なことに、本明細書に明記した投与量レベルでの1日1回又は週1回の化合物Iの投与は、糖尿病前症の患者を治療するためにも使用され得る。糖尿病前症の患者における化合物Iの投与は、その患者におけるII型糖尿病の進行を遅延させるために役立つと考えられる。血中グルコースの持続的な増大は、膵島の機能を鈍感にさせ、インスリン分泌を異常にさせる。ベータ細胞におけるサイクリックAMPレベル及びカルシウム動力学の改善により、該細胞は損傷した細胞成分を修復する遺伝子を活性化させ、またグルコース毒性に対する脆弱性が低くなる。
【0101】
本明細書に明記した投与量レベルでの1日1回又は週1回の化合物Iの投与は、様々な、生体内での所望の生物学的効果を有することが期待される。例えば、本明細書に明記した投与量レベルでの1日1回又は週1回の化合物Iの投与は、プラセボ対照と比較して、患者の血中グルコースレベルを低減させる。そのような食後血中グルコースレベルの減少は、糖尿病患者が低グルコースレベルを維持するのに役立つ。
【0102】
本明細書に明記した投与量レベルでの1日1回又は週1回の化合物Iの投与は、患者のインスリンレベル又はインスリン感受性を増大させる作用を有することも期待される。インスリンは、筋肉内、脂肪内及び他の様々な組織内へのグルコースの流入を促進する。細胞がグルコースを摂取する機構は、インスリン受容体の活性化を通じた拡散の促進による。C−ペプチド及びインスリンは、プロインスリン(活性を持たないインスリン前駆体)の活性化及び分裂により作り出されたタンパク質鎖である。C−ペプチド及びインスリンは、膵臓のベータ細胞で作り出され蓄えられる。インスリンが血流に放出される時に、同じ量のC−ペプチドもまた放出される。これにより、C−ペプチドはインスリン産生のマーカーとして有用となる。本発明に従った化合物Iの投与は、患者のC−ペプチドレベルを増大させることが期待される。
【0103】
本明細書に明記した投与量レベルでの1日1回の化合物Iの投与は、化合物Iでの長期治療後、患者のヘモグロビンA1cレベルをプラセボ対照と比較して0.5%を超えて減少させる作用を有することも期待される。更に、本明細書に明記した投与量レベルでの週1回の化合物Iの投与は、化合物Iでの長期治療後、患者のヘモグロビンA1cレベルをプラセボ対照と比較して0.2%を超えて減少させる作用を有することも期待される。Hb−A1c値は、赤血球の生涯にわたって血中のグルコース濃度に正比例していることが知られている。従って、Hb−A1cは、以前の90日間、最も最近に偏った30日間にわたる患者の血中グルコースレベルの目安を与える。それゆえ、患者のヘモグロビンA1cレベルの観察された低減は、本明細書に明記した投与量レベルでの1日1回の化合物Iの投与の結果としての、患者の血中グルコースレベルの持続的な低減を立証する。
【0104】
3. 化合物Iを含む組み合わせ療法
本発明はまた、1種以上の他の抗糖尿病性及び/又はインクレチン化合物と組み合わせた化合物Iの使用に関する。そのような他の抗糖尿病性化合物の例としては、タンパク質チロシンホスファターゼ(PTPase)阻害剤及びグルタミン−フルクトース−6−リン酸アミドトランスフェラーゼ(GFAT)阻害剤のようなインスリン情報伝達モジュレーター;グルコース−6−ホスファターゼ(G6Pase)阻害剤、フルクトース−1,6−ビスホスファターゼ(F−1,6−BPase)阻害剤、グリコーゲンホスホリラーゼ(GP)阻害剤、グルカゴン受容体アンタゴニスト及びホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)阻害剤のような肝臓でのグルコース産生の調節不全に影響する化合物;ピルビン酸デヒドロゲナーゼキナーゼ(PDHK)阻害剤;インスリン感受性エンハンサー(インスリンセンシタイザー);インスリン分泌エンハンサー(インスリン分泌促進剤);アルファグルコシダーゼ阻害剤;胃内容排出の阻害剤;グルコキナーゼ活性化剤、GLP−1受容体アゴニスト、GLP−2受容体アゴニスト、UCPモジュレーター、RXRモジュレーター、GSK−3阻害剤、PPARモジュレーター、メトホルミン、インスリン;及びα−アドレナリンアンタゴニストを含むが、これらに限定されない。化合物Iは、少なくとも一つのそのような他の抗糖尿病性化合物と、単回投与として同時に、分割投与として一度に、或いは連続的に(即ち、ある化合物が他の化合物を投与する前又は後に投与される)のいずれかで投与され得る。
【0105】
化合物Iと組み合わせて使用され得るPTPase阻害剤の例としては、米国特許第6,057,316号、6,001,867号、及びPCT公開番号WO 99/58518号、WO 99/58522号、WO 99/46268号、WO 99/46267号、WO 99/46244号、WO 99/46237号、WO 99/46236号及びWO 99/15529号に開示されたものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0106】
化合物Iと組み合わせて使用され得るGFAT阻害剤の例としては、Mol. Cell. Endocrinol. 1997,135(1),67−77に開示されたものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0107】
化合物Iと組み合わせて使用され得るG6Pase阻害剤の例としては、PCT公開番号WO 00/14090号、WO 99/40062号及びWO 98/40385号、欧州特許公開番号EP682024号、及びDiabetes 1998,47,1630−1636に開示されたものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0108】
化合物Iと組み合わせて使用され得るF−1,6−BPase阻害剤の例としては、PCT公開番号WO 00/14095号、WO 99/47549号、WO 98/39344号、WO 98/39343号及びWO 98/39342号に開示されたものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0109】
化合物Iと組み合わせて使用され得るGP阻害剤の例としては、米国特許第5,998,463号、PCT公開番号WO 99/26659号、WO 97/31901号、WO 96/39384号及びWO9639385号、並びに欧州特許公開番号EP 978279号及びEP 846464号に開示されたものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0110】
化合物Iと組み合わせて使用され得るグルカゴン受容体アンタゴニストの例としては、米国特許第5,880,139号及び第5,776,954号、PCT公開番号WO 99/01423号、WO 98/22109号、WO 98/22108号、WO 98/21957号、WO 97/16442号及びWO 98/04528号に開示されたもの、並びにBioorg Med. Chem. Lett 1992,2,915−918、J. Med. Chem. 1998,41,5150−5157、及びJ. Biol Chem. 1999,274;8694−8697に開示されたものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0111】
化合物Iと組み合わせて使用され得るPEPCK阻害剤の例としては、米国特許第6,030,837号及びMol. Biol. Diabetes 1994,2,283−99に開示されたものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0112】
化合物Iと組み合わせて使用され得るPDHK阻害剤の例としては、J. Med. Chem. 42 (1999) 2741−2746に開示されたものが挙げられるが、これに限定されない。
【0113】
化合物Iと組み合わせて使用され得るインスリン感受性エンハンサーの例としては、GSK−3阻害剤、レチノイドX受容体(RXR)アゴニスト、ベータ3ARアゴニスト、UCPモジュレーター、抗糖尿病性チアゾリジンジオン(グリタゾン)、非グリタゾン型PPARガンマアゴニスト、デュアルPPARガンマ/PPARアルファアゴニスト、抗糖尿病性バナジウム含有化合物及びメトホルミンなどのビグアニドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0114】
GSK−3阻害剤の例としては、PCT公開番号WO 00/21927号及びWO 97/41854号に開示されたものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0115】
RXRモジュレーターの例としては、米国特許第4,981,784号、第5,071,773号、第5,298,429号及び第5,506,102号並びにPCT公開番号WO89/05355号、WO91/06677号、WO92/05447号、WO93/11235号、WO95/18380号、WO94/23068号及びWO93/23431号に開示されたものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0116】
ベータ3ARアゴニストの例としては、CL−316,243(Lederle Laboratories)及び米国特許第5,705,515号及びPCT公開番号WO 99/29672号、WO 98/32753号、WO 98/20005号、WO 98/09625号、WO 97/46556号及びWO 97/37646号に開示されたものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0117】
UCPモジュレーターの例としては、UCP−1、UCP−2及びUCP−3のアゴニストが挙げられる。UCPモジュレーターの例としては、Vidal−Puig et al.,Biochem. Biophys. Res. Commun.,Vol.235(1) pp.79−82 (1997)に開示されたものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0118】
抗糖尿病性のPPAR調節性チアゾリジンジオン(グリタゾン)の例としては、(S)−((3,4−ジヒドロ−2−(フェニル−メチル)−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)メチル−チアゾリジン−2,4−ジオン(エングリタゾン)、5−{[4−(3−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−1−オキソ−プロピル)−フェニル]−メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(ダルグリタゾン)、5−{[4−(1−メチル−シクロヘキシル)メトキシ)−フェニル]メチル]−チアゾリジン−2,4−ジオン(シグリタゾン)、5−{[4−(2−(1−インドリル)エトキシ)フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(DRF2189)、5−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリ)−エトキシ)]ベンジル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(BM−13.1246)、5−(2−ナフチルスルホニル)−チアゾリジン−2,4−ジオン(AY−31637)、ビス{4−[(2,4−ジオキソ−5−チアゾリジニル)−メチル]フェニル}メタン(YM268)、5−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−2−ヒドロキシエトキシ]−ベンジル}−−チアゾリジン−2,4−ジオン(AD−5075)、5−[4−(1−フェニル−1−シクロプロパンカルボニルアミノ)−ベンジル]−チアゾリジン−2,4−ジオン(DN−108) 5−{[4−(2−(2,3−ジヒドロインドール−1−イル)エトキシ)フェニルメチル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−[3−(4−クロロ−フェニル])−2−−プロピニル]−5−フェニルスルホニル)チアゾリジン−2,4−ジオン、5−[3−(4−クロロフェニル])−−2−プロピニル]−5−(4−フルオロフェニル−スルホニル)チアゾリジン−2,4−ジオン、5−{[4−(2−(メチル−2−ピリジニル−アミノ)−エトキシ)フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(ロシグリタゾン)、5−{[4−(2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ)フェニル]−メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(ピオグリタゾン;ACTOS(商標)という商標で市販されている)、5−[6−(2−フルオロ−ベンジルオキシ)−ナフタレン−2−イルメチル]−チアゾリジン−2,4−ジオン(MCC555)、5−([2−(2−ナフチル)−ベンズオキサゾール−5−イル]−メチル}チアゾリジン−2,4−ジオン(T−174)、エダグリタゾン(BM−13−1258)、リボグリタゾン(CS−011)及び5−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)−2−メトキシ−N−(4−トリフルオロメチル−ベンジル)ベンズアミド(KRP297)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0119】
非グリタゾン型PPARガンマアゴニストの例としては、GI−262570、レグリキサン(JTT501)及びFK−614などのN−(2−ベンゾイルフェニル)−L−チロシン類似体及びメタグリダセン(MBX−102)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0120】
デュアルPPARガンマ/PPARアルファアゴニストの例としては、PCT公開番号WO 99/08501号及びDiabetes 2000,49(5),759−767に記載されたものなどのオメガ.−[(オキソキナゾリニルアルコキシ)フェニル]アルカノエート及びそのアナログ;テサグリタザル、ムラグリタザール及びナベグリタザールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0121】
抗糖尿病性バナジウム含有化合物の例としては、米国特許第5,866,563号に開示されたものなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0122】
メトホルミン(ジメチルジグアニド)及びその塩酸塩は、GLUCOPHAGE(商標)という商標で市販されている。
【0123】
インスリン分泌エンハンサーの例としては、グルカゴン受容体アンタゴニスト(上述)、スルホニル尿素誘導体、インクレチンホルモン又はその模倣体、特にグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)又はGLP−1アゴニスト、ベータ細胞イミダゾリン受容体アンタゴニスト、並びに抗糖尿病性フェニル酢酸誘導体、抗糖尿病性D−フェニルアラニン誘導体及びミチグリニドのような短時間作用型インスリン分泌促進剤、並びにそれらの医薬的に許容される塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0124】
スルホニル尿素誘導体の例としては、グリソキセピド、グリブリド、グリベンクラミド、アセトヘキサミド、クロロプロパミド、グリボルヌリド、トルブタミド、トラザミド、グリピジド、カルブタミド、グリキドン、グリヘキサミド、フェンブタミド、トルシクラミド;グリメピリド及びグリクラジドが挙げられるが、これらに限定されない。トルブタミド、グリベンクラミド、グリクラジド、グリボルヌリド、グリキドン、グリソキセピド及びグリメピリドは、それぞれ、RASTINON HOECHST(商標)、AZUGLUCON(商標)、DIAMICRONT(商標)、GLUBORID(商標)、GLURENORM(商標)、PRO−DIABAN(商標)及びAMARYL(商標)という商標で市販されている形態で投与され得る。
【0125】
GLP−1アゴニストの例としては、米国特許第5,120,712号、第5,118,666号及び第5,512,549号並びにPCT公開番号WO 91/11457号に開示されたものが挙げられるが、これらに限定されない。特に、GLP−1アゴニストは、GLP−1(7−37)のような化合物を含むが、該化合物においては、Arg36のカルボキシ末端アミド官能基がGLP−1(7−36)NH分子の37位でGlyで置換されており、その変異体およびアナログはGLN−GLP−1(7−37)、D−GLN−GLP−1(7−37)、アセチルLYS−GLP−1(7−37)、LYS18−GLP−1(7−37)、及び特に、GLP−1(7−37)OH、VAL−GLP−1(7−37)、GLY−GLP−1(7−37)、THR−GLP−1(7−37)、GLP−1(7−37)及び4−イミダゾプロピオニル−GLP−1を含む。
【0126】
GLP−1アゴニストの具体例の一つは、39アミノ酸のペプチドアミドであるエクステンダチド(Extendatide)であり、それはBYETTA(商標)という商標で市販されている。エクセナチドは、実験式C1842825060S及び分子量4186.6ダルトンを持つ。エクセナチドのアミノ酸配列は以下の通りである:H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH
【0127】
グルカゴン様ペプチド−2(GLP−2)又はGLP−2アゴニストの例としては、米国特許第7,056,886号及びPCT公開番号WO 00/53208号、WO 01/49314号及びWO 03/099854号に開示されたものが挙げられるが、これらに限定されない。GLP−2アゴニストの具体例の一つは、39アミノ酸のペプチドアミドであるTEDUGLUTIDE(商標)(NPS Pharmaceuticals, Inc.)である。
【0128】
ベータ細胞イミダゾリン受容体アンタゴニストの例としては、PCT公開番号WO 00/78726号及びJ. Pharmacol. Exp. Ther. 1996;278;82−89に記載されたものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0129】
抗糖尿病性フェニル酢酸誘導体の例は、レパグリニド及びその医薬的に許容される塩である。
【0130】
抗糖尿病性D−フェニルアラニン誘導体の例としては、ナテグリニド(N−[(trans4−イソプロピルシクロヘキシル)−カルボニル]−D−フェニルアラニン、EP 196222及びEP 526171)及びレパグリニド((S)−2−エトキシ−4−{2−[[3−メチル−1−[2−(1−ピペリジニル)フェニル]ブチル]−アミノ]−2−オキソエチル}安息香酸、EP 0 147 850 A2及びEP 0 207 331 A1)が挙げられるが、これらに限定されない。ナテグリニドには、米国特許第5,488,510号及び欧州特許公開第0526171 B1に開示された特定の結晶形(多型体)が含まれることを意図している。レパグリニド及びナテグリニドは、それぞれ、NOVONORM(商標)及びSTARLIX(商標)という商標で市販されている形態で投与され得る。
【0131】
アルファグルコシダーゼ阻害剤の例としては、アカルボース、N−(1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)バリオラミン(ボグリボース)及び1−デオキシノジリマイシン誘導体ミグリトールが挙げられるが、これらに限定されない。アカルボースは、4”,6”−ジデオキシ−4’−[(1S)−(1,4,6/5)−4,5,6−トリヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−2−シクロ−ヘキセニルアミノ)マルトトリオースである。アカルボースの構造はまた、O−4,6−ジデオキシ−4−{[1S,4R,5S,6S]−4,5,6−トリヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−2−シクロヘキセン−1−イル]−アミノ)−アルファ−D−グルコピラノシル−(1−4)−O−アルファ−D−グルコピラノシル−(1−4)−D−グルコピラノースとも記述され得る(米国特許第4,062,950号及び欧州特許公開番号EP 0 226 121号)。アカルボース及びミグリトールは、それぞれ、GLUCOBAY(商標)及びDIASTABOL 50(商標)という商標で市販されている形態で投与され得る。
【0132】
GLP−1以外の胃内容排出の阻害剤の例としては、J. Clin. Endocrinol. Metab. 2000,85(3),1043−1048及びDiabetes Care 1998;21;897−893に開示されたもの、特にアミリン並びにプラムリンチドなどのそのアナログが挙げられるがこれらに限定されない。アミリンは、Diabetologia 39,1996,492−499に記載されている。
【0133】
α−アドレナリンアンタゴニストの例としては、Diabetes 36,1987,216−220に記載されたミダグリゾールが挙げられるが、これに限定されない。化合物Iと組み合わせて使用され得るインスリンには、ウシ及びブタの膵臓から抽出された動物インスリン製剤;大腸菌又は酵母を使用して遺伝的に合成したヒトインスリン製剤;亜鉛インスリン;プロタミン亜鉛インスリン;インスリンの断片又は誘導体(例、INS−1)及び経口インスリン製剤を含むが、これらに限定されない。
【0134】
一つの特定の実施態様において、化合物Iと組み合わせて投与される抗糖尿病性化合物は、医薬的に許容されるどんな塩も含む、ナテグリニド、ミチグリニド、レパグリニド、メトホルミン、エクステンダチド(extendatide)、ロシグリタゾン、テサグリタザル、ピオグリタゾン、グリソキセピド、グリブリド、グリベンクラミド、アセトヘキサミド、クロロプロパミド、グリボルヌリド、トルブタミド、トラザミド、グリピジド、カルブタミド、グリキドン、グリヘキサミド、フェンブタミド、トルシクラミド、グリメピリド及びグリクラジドからなる群から選択される。
【0135】
PTPase阻害剤、GSK−3阻害剤、非小分子模倣化合物、GFAT阻害剤、G6Pase阻害剤、グルカゴン受容体アンタゴニスト、PEPCK阻害剤、F−1,6−BPase阻害剤、GP阻害剤、RXRモジュレーター、ベータ3ARアゴニスト、PDHK阻害剤、胃内容排出の阻害剤及びUCPモジュレーターの製造及び製剤の例は、本明細書で与えた特許、特許出願及び参考文献に開示されている。
【0136】
化合物Iを用いた組み合わせ療法の場合、他の抗糖尿病性化合物が、そのような化合物について自体既知の方法で(例、経路及び剤形)投与され得る。化合物I及び他の抗糖尿病性化合物は、順次(即ち、別の時点において)又は同時に、二つの別個の投与形態で順々個別に或いは一つの組み合わせの単回投与形態のいずれかで、投与され得る。一つの特定の実施態様において、他の抗糖尿病性化合物は、化合物Iと、単一の組み合わされた剤形として投与される。抗糖尿病性化合物の投与量は、そのような化合物について臨床的に用いられることが知られる範囲から選択され得る。糖尿病性合併症の治療化合物、抗高脂血症化合物、抗肥満化合物又は抗高血圧化合物の任意のものが、上記抗糖尿病性化合物と同様に、化合物Iと組み合わせて使用され得る。糖尿病性合併症の治療化合物の例としては、トルレスタット、エパルレスタット、ゼナレスタット、ゾポルレスタット、ミナルレスタット、フィダレスタット、CT−112及びラニレスタットなどのアルドース還元酵素阻害剤;神経栄養因子及びNGF、NT−3、BDNF及びWO01/14372に記載されたようなニューロトロフィン生成−分泌プロモーター(例、4−(4−クロロフェニル)−2−(2−メチル−1−イミダゾリル)−5−[3−(2−メチルフェノキシ)プロピル]オキサゾール)などのその増加化合物;Y−128などの神経再生促進剤;ルボキシスタウリンメシレートなどのPKC阻害剤;ALT946、ピマゲジン、N−フェナシルチアゾリウムブロマイド(ALT766)、ALT−711、EXO−226、ピリドリン及びピリドキサミンなどのAGE阻害剤;チオクト酸などの活性酸素消去薬;チアプリド及びメキシレチンなどの脳血管拡張剤;BIM23190などのソマトスタチン受容体アゴニスト;及びアポトーシスシグナル調節キナーゼ−1(ASK−1)阻害剤が挙げられるが、それらに限定されない。抗高脂血症化合物の例としては、プラバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロスバスタチン及びピタバスタチンなどのHMG−CoA還元酵素阻害剤;WO97/10224に記載された化合物(例、N−[[(3R,5S)−1−(3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロピル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾキサゼピン−3−イル]アセチル]ピペリジン−4−酢酸)などのスクアレン合成酵素阻害剤;ベザフィブラート、クロフィブラート、シムフィブラート及びクリノフィブラートなどのフィブラート化合物;アバシミブ及びエフルシミブなどのACAT阻害剤;コレスチラミンなどの陰イオン交換樹脂;プロブコール;ニコモール及びニセリトロールなどのニコチン酸系薬剤;イコサペント酸エチル;及び大豆ステロール及びγ−オリザノールなどの植物ステロールが挙げられるが、それらに限定されない。抗肥満化合物の例としては、デキスフェンフルラミン、フェンフルラミン、フェンテルミン、シブトラミン、アンフェプラモン、デキサンフェタミン、マジンドール、フェニルプロパノールアミン、クロベンゾレックス;SB−568849及びSNAP−7941などのMCH受容体アンタゴニスト;CP−422935などのニューロペプチドYアンタゴニスト;SR−141716及びSR−147778などのカンナビノイド受容体アンタゴニスト;グレリンアンタゴニスト;BVT−3498などの11b−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害剤;オルリスタット及びATL−962などの膵リパーゼ阻害剤;AJ−9677などのベータ3ARアゴニスト;レプチン及びCNTF(毛様体神経栄養因子)などのペプチド性食欲抑制剤;リンチトリプト及びFPL−15849などのコレシストキニンアゴニスト;及びP−57などの摂食抑制剤が挙げられるが、それらに限定されない。抗高血圧化合物の例としては、カプトプリル、エナラプリル及びデラプリルなどのアンジオテンシン変換酵素阻害剤;カンデサルタンシレキセチル、ロサルタン、エプロサルタン、バルサルタン、テルミサルタン、イルベサルタン、オルメサルタンメドキソミル、タソサルタン及び1−[[2’−(2,5−ジヒドロ−5−オキソ−4H−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−2−エトキシ−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸などのアンジオテンシンIIアンタゴニスト;マニジピン、ニフェジピン、ニカルジピン、アムロジピン及びエホニジピンなどのカルシウムチャネル遮断剤;レブクロマカリム、L−27152、AL0671及びNIP−121などのカリウムチャネル開口剤;及びクロニジンが挙げられる。
【0137】
本明細書においてコード番号、一般名又は商標名で特定した活性剤の構造は、標準的な一覧である「The Merck Index」の最新版やデータベース、例えばPatents International(例、IMS World Publications)から得ることができる。それらの対応内容は、参照により本明細書に組み込まれる。当業者は誰でも、活性剤を完全に同定でき、また同様に、これらの参照資料に基づいて、製造でき、尚且つインビトロ及びインビボの両方において、標準的試験モデルにおける医薬的暗示及び性質を試験することができる。
【0138】
4. 化合物Iを含む組成物
化合物Iは、様々な投与経路に適合した医薬組成物中に含まれ得る。例えば、化合物Iは、経口、非経口、腹腔内、静脈内、動脈内、経皮、舌下、筋肉内、直腸内、口腔内(transbuccally)、鼻腔内、リポソーム、吸入、膣内、眼内、局所送達(例えば、カテーテル若しくはステントによる)、皮下、脂肪内、関節内、腹膜内及び鞘内(intrathecally)からなる群から選択される経路によって投与するのに適合した医薬組成物中に含まれ得る。そのようなものとして、化合物Iは、注射剤型(例、皮下、静脈内、筋肉内及び腹腔内注射)、点滴、外用形態(例、鼻腔用スプレー製剤、経皮製剤;軟膏など)、及び坐薬(例、肛門及び膣坐薬)などの様々な医薬的に許容される組成物中に処方され得る。これらの様々な医薬的に許容される組成物は、医薬産業で従来使用される医薬的に許容される担体を用いて、医薬産業で従来使用される既知の技術によって製造され得る。
【0139】
本明細書で使用される場合、化合物Iを含む組成物は、他に明記しない限り、化合物Iの遊離塩基形態、化合物Iの塩、水和物及びプロドラッグ、並びに意図する目的のためにそのような組成物に含まれ得る他の活性成分などの他の物質を包含することを意図している。用いられ得る化合物Iの具体的な塩形態としては、化合物IのHCl、メタンスルホン酸、コハク酸、安息香酸、トルエンスルホン酸、R−(−)マンデル酸又はベンゼンスルホン酸の塩形態が挙げられるが、それらに限定されない。上記の通り、化合物Iは、患者に対して1日量として1mg/日から250mg/日の化合物I、任意で2.5mgから200mgの化合物I、任意で2.5mgから150mgの化合物I、そして任意で5mgから100mgの化合物I(それぞれの場合について、化合物Iの遊離塩基形態の分子量に基づいている)を患者に投与する場合に有利に使用され得る。使用され得る具体的な投与量としては、1日あたり2.5mg、5mg、6.25mg、10mg、20mg、25mg、50mg、75mg及び100mgの化合物Iが挙げられるが、これらに限定されない。これもまた上記した通り、化合物Iは1日1回の投与が望ましい。従って、本発明の医薬組成物は、1mg/日から250mg/日の化合物I、任意で2.5mgから200mgの化合物I、任意で2.5mgから150mgの化合物I、そして任意で5mgから100mgの化合物Iを含む単回投与形態の形態であり得る。具体的な実施態様において、医薬組成物は、2.5mg、5mg、6.25mg、10mg、20mg、25mg、50mg、75mg又は100mgの化合物Iを含む。
【0140】
これもまた上記した通り、化合物Iは、経口投与される場合に有利に使用され得る。従って、本発明の組成物は、経口投与に適合していても良い。一つの変形において、そのような医薬組成物は、経口投与に適合する固体製剤である。これに関して、組成物は、例えば、錠剤又はカプセルの形態であり得る。実施例2は、経口投与に適合した化合物Iを含む固体製剤の例を提供する。別の変形において、そのような医薬組成物は、経口投与に適合した液体製剤である。
【0141】
これもまた上記した通り、化合物Iは、非経口投与される場合に有利に使用され得る。従って、本発明の組成物は、非経口投与に適合していても良い。一つの変形において、そのような医薬組成物は、非経口投与に適合した液剤である。別の変形において、そのような医薬組成物は、非経口投与に適合した懸濁製剤である。
【0142】
上記の通り、化合物Iは、1種以上の他の抗糖尿病性及び/又はインクレチン化合物と組み合わせて有利に使用され得る。従って、本発明の組成物は、組み合わせの単回投与形態において、1種以上の他の抗糖尿病性又はインクレチン化合物と組み合わせた化合物Iを含んでいても良い。
【0143】
1種以上の他の抗糖尿病性及び/又はインクレチン化合物と組み合わせた化合物Iを含むそのような組み合わせの単回投与形態は、経口投与に適合していても良く、固体の経口投与形態であっても良い。或いは、1種以上の他の抗糖尿病性及び/又はインクレチン化合物と組み合わせた化合物Iを含むそのような組み合わせの単回投与形態は、非経口投与に適合していても良く、液体投与形態であっても良い。
【0144】
一つの変形において、1種以上の他の抗糖尿病性化合物と組み合わせた化合物Iを含むそのような組み合わせの単回投与形態は、患者に対して1mg/日から250mg/日の化合物I、任意で2.5mgから200mgの化合物I、任意で2.5mgから150mgの化合物I、そして任意で5mgから100mgの化合物I(それぞれの場合について、化合物Iの遊離塩基形態の分子量に基づいている)を含む。具体的な実施態様において、1種以上の他の抗糖尿病性化合物と組み合わせた化合物Iを含むそのような組み合わせの単回投与形態は、2.5mg、5mg、6.25mg、10mg、20mg、25mg、50mg、75mg及び100mgの化合物Iを含む。
【0145】
任意の抗糖尿病性化合物又は抗糖尿病性化合物の組が化合物Iと組み合わせられてそのような組み合わせの単回投与形態を形成し得る。特定の実施態様において、そのような組み合わせの単回投与形態は、化合物I、及びタンパク質チロシンホスファターゼ(PTPase)阻害剤及びグルタミン−フルクトース−6−リン酸アミドトランスフェラーゼ(GFAT)阻害剤のようなインスリン情報伝達モジュレーター、グルコース−6−ホスファターゼ(G6Pase)阻害剤、フルクトース−1,6−ビスホスファターゼ(F−1,6−BPase)阻害剤、グリコーゲンホスホリラーゼ(GP)阻害剤、グルカゴン受容体アンタゴニスト及びホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)阻害剤のような肝臓でのグルコース産生の調節不全に影響する化合物、ピルビン酸デヒドロゲナーゼキナーゼ(PDHK)阻害剤、インスリン感受性エンハンサー(インスリンセンシタイザー)、インスリン分泌エンハンサー(インスリン分泌促進剤)、アルファグルコシダーゼ阻害剤、胃内容排出の阻害剤、グルコキナーゼ活性化剤、GLP−1受容体アゴニスト、GLP−2受容体アゴニスト、UCPモジュレーター、RXRモジュレーター、GSK−3阻害剤、PPARモジュレーター、メトホルミン、インスリン及びα−アドレナリンアンタゴニストからなる群のうちの1以上の要素を含む。
【0146】
一つの変形において、そのような組み合わせの単回投与形態は、化合物I及び抗糖尿病性チアゾリジンジオンを含む。この変形において使用され得るチアゾリジンジオンの具体例としては、(S)−((3,4−ジヒドロ−2−(フェニル−メチル)−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)メチル−チアゾリジン−2,4−ジオン(エングリタゾン)、5−{[4−(3−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−1−オキソ−プロピル)−フェニル]−メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(ダルグリタゾン)、5−{[4−(1−メチル−シクロヘキシル)メトキシ)−フェニル]メチル]−チアゾリジン−2,4−ジオン(シグリタゾン)、5−{[4−(2−(1−インドリル)エトキシ)フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(DRF2189)、5−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリ)−エトキシ)]ベンジル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(BM−13.1246)、5−(2−ナフチルスルホニル)−チアゾリジン−2,4−ジオン(AY−31637)、ビス{4−[(2,4−ジオキソ−5−チアゾリジニル)−メチル]フェニル}メタン(methan- e)(YM268)、5−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−2−ヒドロキシエトキシ]−ベンジル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(AD−5075)、5−[4−(1−フェニル−1−シクロプロパンカルボニルアミノ)−ベンジル]−チアゾリジン−2,4−ジオン(DN−108) 5−{[4−(2−(2,3−ジヒドロインドール−1−イル)エトキシ)フェニルメチル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−[3−(4−クロロ−フェニル])−2−−プロピニル]−5−フェニルスルホニル)チアゾリジン−2,4−ジオン、5−[3−(4−クロロフェニル])−2−プロピニル]−5−(4−フルオロフェニル−スルホニル)チアゾリジン−2,4−ジオン、5−{[4−(2−(メチル−2−ピリジニル−アミノ)−エトキシ)フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(ロシグリタゾン)、5−{[4−(2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ)フェニル]−メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(ピオグリタゾン)、5−[6−(2−フルオロ−ベンジルオキシ)−ナフタレン−2−イルメチル]−チアゾリジン−2,4−ジオン(MCC555)、5−([2−(2−ナフチル)−ベンズオキサゾール−5−イル]−メチル}チアゾリジン−2,4−ジオン(T−174)、エダグリタゾン(BM−13−1258)、リボグリタゾン(CS−011)及び5−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)−2−メト−キシ−N−(4−トリフルオロメチル−ベンジル)ベンズアミド(KRP297)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0147】
一つの特定の変形において、そのような組み合わせの単回投与形態におけるチアゾリジンジオンは、5−{[4−(2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ)フェニル]−メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(ピオグリタゾン)及びACTOS(商標)という商標で市販されているその塩酸塩である。
【0148】
別の特定の変形において、チアゾリジンジオンは、5−{[4−(2−(メチル−2−ピリジニル−アミノ)−エトキシ)フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(ロシグリタゾン)及びそのマレイン酸塩である。
【0149】
別の変形において、そのような組み合わせの単回投与形態は、化合物I及び非グリタゾン型PPARガンマアゴニストを含む。
【0150】
別の変形において、そのような組み合わせの単回投与形態は、化合物I及びビグアニドを含む。この変形において使用され得るビグアニドの具体例は、メトホルミン(ジメチルジグアニド)及びGLUCOPHAGE(商標)という商標で市販されているその塩酸塩である。
【0151】
別の変形において、そのような組み合わせの単回投与形態は、化合物I及びスルホニル尿素誘導体を含む。この変形において使用され得るスルホニル尿素誘導体の具体例としては、グリソキセピド、グリブリド、グリベンクラミド、アセトヘキサミド、クロロプロパミド、グリボルヌリド、トルブタミド、トラザミド、グリピジド、カルブタミド、グリキドン、グリヘキサミド、フェンブタミド、トルシクラミド;グリメピリド及びグリクラジドが挙げられるが、これらに限定されない。トルブタミド、グリベンクラミド、グリクラジド、グリボルヌリド、グリキドン、グリソキセピド及びグリメピリドは、それぞれ、RASTINON HOECHST(商標)、AZUGLUCON(商標)、DIAMICRONT(商標)、GLUBORID(商標)、GLURENORM(商標)、PRO−DIABAN(商標)及びAMARYL(商標)という商標で市販されている形態で投与され得る。
【0152】
別の変形において、そのような組み合わせの単回投与形態は、化合物I及び抗糖尿病性D−フェニルアラニン誘導体を含む。この組み合わせにおいて使用され得る抗糖尿病性D−フェニルアラニン誘導体の具体例としては、それぞれ、NOVONORM(商標)及びSTARLIX(商標)という商標で市販されている形態で投与され得るレパグリニド及びナテグリニドが挙げられるが、それらに限定されない。
【0153】
別の変形において、そのような組み合わせの単回投与形態は、化合物I及びアルファグルコシダーゼ阻害剤を含む。この組み合わせにおいて使用され得るアルファグルコシダーゼ阻害剤の具体例としては、それぞれ、GLUCOBAY(商標)、DIASTABOL 50(商標)及びBASEN(商標)という商標で市販されている形態で投与され得るアカルボース、ミグリトール及びボグリボースが挙げられるが、それらに限定されない。
【0154】
一つの特定の実施態様において、そのような組み合わせの単回投与形態において化合物Iと組み合わせて投与される抗糖尿病性化合物は、医薬的に許容されるどんな塩も含む、ナテグリニド、レパグリニド、メトホルミン、エクステンダチド(extendatide)、ロシグリタゾン、ピオグリタゾン、グリソキセピド、グリブリド、グリベンクラミド、アセトヘキサミド、クロロプロパミド、グリボルヌリド、トルブタミド、トラザミド、グリピジド、カルブタミド、グリキドン、グリヘキサミド、フェンブタミド、トルシクラミド、グリメピリド及びグリクラジドからなる群から選択される。
【0155】
化合物I及び1種以上の他の抗糖尿病性化合物の組み合わせを含む、組み合わせの単回投与形態に関する上記実施態様及び変形のそれぞれに関して、医薬組成物は、経口投与に適合していても良く、そしてこれに関しては錠剤又はカプセルなどの固体製剤であっても良く、或いは経口投与に適合した液体製剤中にあっても良い。抗糖尿病性化合物の投与量は、そのような化合物について臨床的に用いられることが知られる範囲から選択され得る。糖尿病性合併症の治療化合物、抗高脂血症化合物、抗肥満化合物又は抗高血圧化合物の任意のものが、上記抗糖尿病性化合物と同様に、化合物Iと組み合わせて使用され得る。糖尿病性合併症の治療化合物の例としては、トルレスタット、エパルレスタット、ゼナレスタット、ゾポルレスタット、ミナルレスタット、フィダレスタット、CT−112及びラニレスタットなどのアルドース還元酵素阻害剤;神経栄養因子及びNGF、NT−3、BDNF及びWO01/14372に記載されたようなニューロトロフィン生成−分泌プロモーター(例、4−(4−クロロフェニル)−2−(2−メチル−1−イミダゾリル)−5−[3−(2−メチルフェノキシ)プロピル]オキサゾール)などのその増加化合物;Y−128などの神経再生促進剤;ルボキシスタウリンメシレートなどのPKC阻害剤;ALT946、ピマゲジン、N−フェナシルチアゾリウムブロマイド(ALT766)、ALT−711、EXO−226、ピリドリン及びピリドキサミンなどのAGE阻害剤;チオクト酸などの活性酸素消去薬;チアプリド、メキシレチンなどの脳血管拡張剤;BIM23190などのソマトスタチン受容体アゴニスト;及びアポトーシスシグナル調節キナーゼ−1(ASK−1)阻害剤が挙げられるが、それらに限定されない。抗高脂血症化合物の例としては、プラバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロスバスタチン及びピタバスタチンなどのHMG−CoA還元酵素阻害剤;WO97/10224に記載された化合物(例、N−[[(3R,5S)−1−(3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロピル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾキサゼピン−3−イル]アセチル]ピペリジン−4−酢酸)などのスクアレン合成酵素阻害剤;ベザフィブラート、クロフィブラート、シムフィブラート及びクリノフィブラートなどのフィブラート化合物;アバシミブ及びエフルシミブなどのACAT阻害剤;コレスチラミンなどの陰イオン交換樹脂;プロブコール;ニコモール及びニセリトロールなどのニコチン酸系薬剤;イコサペント酸エチル;及び大豆ステロール及びγ−オリザノールなどの植物ステロールが挙げられるが、それらに限定されない。抗肥満化合物の例としては、デキスフェンフルラミン、フェンフルラミン、フェンテルミン、シブトラミン、アンフェプラモン、デキサンフェタミン、マジンドール、フェニルプロパノールアミン、クロベンゾレックス;SB−568849及びSNAP−7941などのMCH受容体アンタゴニスト;CP−422935などのニューロペプチドYアンタゴニスト;SR−141716及びSR−147778などのカンナビノイド受容体アンタゴニスト;グレリンアンタゴニスト;BVT−3498などの11b−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害剤;オルリスタット及びATL−962などの膵リパーゼ阻害剤;AJ−9677などのベータ3ARアゴニスト;レプチン及びCNTF(毛様体神経栄養因子)などのペプチド性食欲抑制剤;リンチトリプト及びFPL−15849などのコレシストキニンアゴニスト;及びP−57などの摂食抑制剤が挙げられるが、それらに限定されない。抗高血圧化合物の例としては、カプトプリル、エナラプリル及びデラプリルなどのアンジオテンシン変換酵素阻害剤;カンデサルタンシレキセチル、ロサルタン、エプロサルタン、バルサルタン、テルミサルタン、イルベサルタン、オルメサルタンメドキソミル、タソサルタン及び1−[[2’−(2,5−ジヒドロ−5−オキソ−4H−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−2−エトキシ−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸などのアンジオテンシンIIアンタゴニスト;マニジピン、ニフェジピン、ニカルジピン、アムロジピン及びエホニジピンなどのカルシウムチャネル遮断剤;レブクロマカリム、L−27152、AL0671及びNIP−121などのカリウムチャネル開口剤;及びクロニジンが挙げられる。
【0156】
5. 化合物Iを含むキット及び製品
本発明はまた、化合物I(及び任意で1種以上の他の抗糖尿病性化合物)を含む、本発明に従った医薬組成物を含むキットにも関し、ここでそのようなキットは、医薬組成物を投与すべき病態の表示、医薬組成物についての保存情報、服用情報及び医薬組成物を投与する方法に関する説明からなる群から選択される1種以上の形態の情報を含む説明書を更に含む。キットはまた、包装材料を含んでいても良い。包装材料はまた、医薬組成物を収納するための容器を含んでいても良い。容器はまた、任意で、医薬組成物を投与すべき病態、保存情報、服用情報及び/又は組成物を投与する方法に関する説明を表示するラベルを含んでいても良い。キットはまた、組成物の保存又は投与についての更なる要素を含んでも良い。キットはまた、単回又は複数回の投与形態で組成物を含んでいても良い。
【0157】
一つの実施態様において、キット中の医薬組成物は、本発明による複数回投与量の医薬組成物を含み、ここでそのような医薬組成物は、本明細書に明記した投与量範囲の一つで化合物Iを含む単回投与形態である。
【0158】
別の実施態様において、キット中の医薬組成物は、本発明による複数回投与量の医薬組成物を含み、ここでそのような医薬組成物は、化合物I及び本明細書に明記した1種以上の抗糖尿病性化合物を含む単回投与形態である。
【0159】
本発明はまた、化合物I(及び任意で1種以上の他の抗糖尿病性化合物)を含む、本発明の医薬組成物を含む製品にも関し、ここでそのような製品は、更に包装材料を含む。一つの変形において、包装材料は、組成物を収納するための容器を含む。別の変形において、本発明は、その容器が、組成物を投与すべき病態、保存情報、服用情報及び/又は組成物を投与する方法に関する説明からなる群のうち1以上の要素を表示するラベルを含む製品を提供する。
【0160】
一つの実施態様において、製品中の医薬組成物は、本発明による複数回投与量の医薬組成物を含み、ここでそのような医薬組成物は、本明細書に明記した投与量範囲の一つで化合物Iを含む単回投与形態である。
【0161】
別の実施態様において、製品中の医薬組成物は、本発明による複数回投与量の医薬組成物を含み、ここでそのような医薬組成物は、化合物I及び本明細書に明記した1種以上の他の抗糖尿病性化合物を含む単回投与形態である。
【0162】
本発明のキット及び製品において使用される包装材料は、分割されたボトル又は分割されたホイルパケットなどの複数の分割された容器を形成し得ることに注意すべきである。容器は、当該技術分野において既知であるような、あらゆる従来の型または形態であり得、これは医薬的に許容される材料で作られており、例えば紙若しくはボール箱、ガラス又はプラスチックのボトル若しくはジャー、再封入可能なバッグ(例えば別の容器に移すために、錠剤の「詰替え」を行うため)、或いは治療のスケジュールに従ってパックから押し出すための、個々の投与量を含むブリスターパックであり得る。用いられる容器は、収容される正確な投与形態に依存する。1個より多い容器を単一の包装内で一緒に使用して、単回投与形態を販売することが可能である。例えば、錠剤をボトルに収容し、このボトルを次いで箱に収納しても良い。
【0163】
本発明のキットの一具体例は、いわゆるブリスターパックである。ブリスターパックは包装業界では周知であり、且つ医薬的な単位剤形(錠剤、カプセルなど)の包装のために広く使用されている。ブリスターパックは一般に、ホイルで被覆された、比較的硬い材料(好ましくは、硬い透明プラスチック材料)のシートからなる。包装工程中に、硬い材料に窪みが形成される。その窪みは、包装される個々の錠剤又はカプセルのサイズ及び形状を有するか、或いは包装される多数の錠剤及び/又はカプセルを収容するサイズ及び形状を有し得る。次に該錠剤又はカプセルを窪みに然るべく配置し、比較的硬い材料のシートを、該プラスチックホイルに対して、窪みが形成された方向と逆のホイル面で封入する。結果として、該錠剤又はカプセルは、ホイルとシートとの間の窪み中に、所望により個々に封入されるか、或いは集合的に封入される。シートの強度は、好ましくは、窪みに手動で圧をかけることによりその窪み部分においてホイルに開口が形成されて、ブリスターパックから該錠剤又はカプセルが取り出せるような強度である。次いで該錠剤又はカプセルを、該開口を介して取り出すことができる。
【実施例】
【0164】
1. 2−[6−(3−アミノ−ピペリジン−1−イル)−3−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イルメチル]−4−フルオロ−ベンゾニトリル及び医薬的に許容される塩の製造
【0165】
【化2】

【0166】
4−フルオロ−2−メチルベンゾニトリル(3)
【0167】
DMF(100mL)中の2−ブロモ−5フルオロトルエン(2)(3.5g,18.5mmol)及びCuCN(2g,22mmol)の混合物を24時間還流した。反応物を水で希釈しヘキサンで抽出した。有機物をMgSOで乾燥し、溶媒を留去して生成物3を得た(収率60%)。1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.60 (dd, J=5.6, 8.8 Hz, 1H), 6.93-7.06 (m, 2H), 2.55 (s, 3H).
【0168】
2−ブロモメチル−4−フルオロベンゾニトリル(4)
【0169】
CCl中の4−フルオロ−2−メチルベンゾニトリル(3)(2g,14.8mmol)、NBS(2.64g,15mmol)及びAIBN(100mg)の混合物を窒素下2時間還流した。反応物を室温まで冷却した。固体をろ過により除去した。有機溶液を濃縮して油状の粗生成物を得て、これを更なる精製無しで次の工程で使用した。1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.68 (dd, J= 5.2, 8.4 Hz, 1H), 7.28 (dd, J= 2.4, 8.8 Hz, 1H), 7.12 (m, 1H), 4.6 (s, 2H).
【0170】
2−(6−クロロ−3−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イルメチル)−4−フルオロ−ベンゾニトリル(6)
【0171】
DMSO(10mL)中の粗3−メチル−6−クロロウラシル(5)(0.6g,3.8mmol)、2−ブロモメチル−4−フルオロベンゾニトリル(0.86g,4mmol)及びKCO(0.5g,4mmol)の混合物を60℃で2時間撹拌した。反応物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機物をMgSOで乾燥し溶媒を除去した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製した。0.66gの生成物を得た(収率:60%)。1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.73 (dd, J=7.2, 8.4Hz, 1H), 7.26 (d, J-4.0Hz, 1H), 7.11-7.17 (m, 1H), 6.94 (dd, J=2.0, 9.0 Hz, 1H), 6.034 (s, 2H), 3.39 (s, 3H). MS (ES) [m+H] C13H9ClFN3O2に対する計算値, 293.68; 実測値 293.68.
【0172】
2−[6−(3−アミノ−ピペリジン−1−イル)−3−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イルメチル]−4−フルオロ−ベンゾニトリル,TFA塩(1)(化合物IのTFA塩)
【0173】
【化3】

【0174】
封管中、2−(6−クロロ−3−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イルメチル)−4−フルオロ−ベンゾニトリル(5)(300mg,1.0mmol)、(R)−3−アミノ−ピペリジン二塩酸塩(266mg,1.5mmol)及び重炭酸ナトリウム(500mg,5.4mmol)をEtOH(3mL)中で100℃2時間撹拌した。HPLC精製後に最終化合物をTFA塩として得た。1H-NMR (400 MHz, CD3OD): δ. 7.77-7.84 (m, 1H), 7.16-7.27 (m, 2H), 5.46 (s, 1H), 5.17-5.34 (ABq, 2H, J = 35.2, 15.6 Hz), 3.33-3.47 (m, 2H), 3.22 (s, 3H), 2.98-3.08 (m, 1H), 2.67-2.92 (m, 2H), 2.07-2.17 (m, 1H), 1.82-1.92 (m, 1H), 1.51-1.79 (m, 2H). MS (ES) [m+H] C18H20FN5O2に対する計算値, 357.38; 実測値, 357.38.
【0175】
2−[6−(3−アミノ−ピペリジン−1−イル)−3−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イルメチル]−4−フルオロ−ベンゾニトリル,HCl塩
【0176】
【化4】

【0177】
化合物IのTFA塩をDCM中に懸濁した後、飽和NaCOで洗浄した。有機層を乾燥し真空中で留去した。残渣をアセトニトリルに溶解し、ジオキサン中のHCl(1.5eq.)を0℃で加えた。溶媒の留去後にHCl塩を得た。1H-NMR (400 MHz, CD3OD): δ. 7.77-7.84 (m, 1H), 7.12-7.26 (m, 2H), 5.47 (s, 1H), 5.21-5.32 (ABq, 2H, J = 32.0, 16.0 Hz), 3.35-3.5 (m, 2H), 3.22 (s, 3H), 3.01-3.1 (m, 1H), 2.69-2.93 (m, 2H), 2.07-2.17 (m, 1H), 1.83-1.93 (m, 1H), 1.55-1.80 (m, 2H). MS (ES) [m+H] C18H20FN5O2に対する計算値, 357.38; 実測値, 357.38.
【0178】
化合物Iの塩を製造するための一般的な手順
ベンゾニトリル生成物は、所望により、遊離塩基として単離しても良いが、好ましくは該生成物は、対応する酸付加塩に更に変換しても良い。具体的には、MeOH(1mL)溶液中のベンゾニトリル生成物(約10mg)を様々の酸(1.05当量)で処理した。溶液を3日間、空気に開放したまま放置した。沈殿が生じた場合には、混合物をろ過し、塩を乾燥した。固体が生じない場合には、混合物を真空中で濃縮し、残渣を単離した。このようにして、以下の酸:安息香酸、p−トルエンスルホン酸、コハク酸、R−(−)−マンデル酸及びベンゼンスルホン酸から34の塩を製造した。
【0179】
上述したプロセスにおける中間化合物の単離及び/又は精製工程は、反応混合物からの中間物が比較的純粋な化合物として得られ、且つ反応混合物の副生成物又は不純物が後の反応工程に支障をきたさない場合には、回避しても良い。可能なら、処理時間をより短くするために1以上の単離工程を削除しても良く、更なる処理の削除もまた、全体としてより高い反応収率を与え得る。
【0180】
2. 2−[6−(3−アミノ−ピペリジン−1−イル)−3−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イルメチル]−4−フルオロ−ベンゾニトリルのコハク酸塩を含む例示的な製剤
【0181】
本発明に従う2−[6−(3−アミノ−ピペリジン−1−イル)−3−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イルメチル]−4−フルオロ−ベンゾニトリルのコハク酸塩(化合物Iのコハク酸塩)を投与するために使用され得る錠剤製剤の例を提供する。なお、本明細書で提供する製剤は、当該分野で知られるように、様々であり得る。
【0182】
例示的な錠剤製剤は以下の通りである:
錠剤あたり12.5mgの化合物I(遊離塩基形態での重量)
核錠製剤
(1)2−[6−(3−アミノ−ピペリジン−1−イル)−3−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−
イルメチル]−4−フルオロ−ベンゾニトリル(コハク酸塩) 17.0mg
(2)ラクトース一水和物,NF,Ph,Eur 224.6mg
(FOREMOST 316 FAST FLO)
(3)微結晶セルロース,NF,Ph,Eur 120.1mg
(AVICEL PH 102)
(4)クロスカルメロースナトリウム,NF,Ph,Eur 32.0mg
(AC−DO−SOL)
(5)コロイド状二酸化ケイ素,NF,Ph,Eur 3.2mg
(CAB−O−SIL M−5P)
(6)ステアリン酸マグネシウム,NF,Ph,Eur 3.2mg
(MALLINCKRODT,Non−bovine Hyqual)
合計 400.0mg
(錠剤あたり)
フィルムコート(合計で12.0mg)
(1)Opadry II 85F18422,白色−分量1(COLORCON)
(2)Opadry II 85F18422,白色−分量2(COLORCON)
(3)Opadry II 85F18422,白色−分量3(COLORCON)

錠剤あたり25mgの化合物I(遊離塩基形態での重量)
核錠製剤
(1)2−[6−(3−アミノ−ピペリジン−1−イル)−3−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−
イルメチル]−4−フルオロ−ベンゾニトリル(コハク酸塩) 34.0mg
(2)ラクトース一水和物,NF,Ph,Eur 207.6mg
(FOREMOST 316 FAST FLO)
(3)微結晶セルロース,NF,Ph,Eur 120.1mg
(AVICEL PH 102)
(4)クロスカルメロースナトリウム,NF,Ph,Eur 32.0mg
(AC−DO−SOL)
(5)コロイド状二酸化ケイ素,NF,Ph,Eur 3.2mg
(CAB−O−SIL M−5P)
(6)ステアリン酸マグネシウム,NF,Ph,Eur 3.2mg
(MALLINCKRODT,Non−bovine Hyqual)
合計 400.0mg
(錠剤あたり)
フィルムコート(合計で12.0mg)
(1)Opadry II 85F18422,白色−分量1(COLORCON)
(2)Opadry II 85F18422,白色−分量2(COLORCON)
(3)Opadry II 85F18422,白色−分量3(COLORCON)

錠剤あたり50mgの化合物I(遊離塩基形態での重量)
核錠製剤
(1)2−[6−(3−アミノ−ピペリジン−1−イル)−3−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−
イルメチル]−4−フルオロ−ベンゾニトリル(コハク酸塩) 68.0mg
(2)ラクトース一水和物,NF,Ph,Eur 173.6mg
(FOREMOST 316 FAST FLO)
(3)微結晶セルロース,NF,Ph,Eur 120.1mg
(AVICEL PH 102)
(4)クロスカルメロースナトリウム,NF,Ph,Eur 32.0mg
(AC−DO−SOL)
(5)コロイド状二酸化ケイ素,NF,Ph,Eur 3.2mg
(CAB−O−SIL M−5P)
(6)ステアリン酸マグネシウム,NF,Ph,Eur 3.2mg
(MALLINCKRODT,Non−bovine Hyqual)
合計 400.0mg
(錠剤あたり)
フィルムコート(合計で12.0mg)
(1)Opadry II 85F18422,白色−分量1(COLORCON)
(2)Opadry II 85F18422,白色−分量2(COLORCON)
(3)Opadry II 85F18422,白色−分量3(COLORCON)
【0183】
6. 投与の血漿DPP−IV活性への効果
単回量の化合物Iを0.3mg/kgの投与量でサルに経口投与した。図1は、化合物Iの投与による投与後のサルの血漿DPPIV活性への観察された効果を示している。図から分かるように、化合物Iは、投与の12時間後に、サルの血漿におけるDPP−IV活性を、基準と比べて90%を超えて低減させた。従って、図1に示したデータから分かるように、化合物Iは、血漿DPPIV活性を低減することが望まれる病態に関して、本明細書に明記した投与量レベルで1日1回化合物Iを投与することによって効果的に使用され得る。提示したデータを考慮すると、少なくとも25mgの化合物Iを患者に投与したとき、患者の血漿DPPIV活性は、投与後少なくとも少なくとも6時間、12時間、18時間及び24時間もの間、基準と比較して60%を超えて低減され得る。
【0184】
7. ピオグリタゾンとの共投与の血漿グルコースへの効果
ピオグリタゾンと組み合わせての化合物I投与の効果をマウスの血漿グルコースレベルを測定することによって検討した。雄性db/db(BKS.Cg− +Leprdb/+Leprdb)マウス(6週齢,日本クレア(東京,日本))を群Aから群Dからなる4群(各群についてn=7)に分けた。群Aは、21日間、CE−2粉末食(日本クレア)を自由に利用できた。群Bは、21日間、0.03%(重量/重量)の化合物Iのコハク酸塩を含有するCE−2粉末食(日本クレア)を自由に利用できた。群Bにおける化合物Iの投与量は、74.8±2.5(平均±標準偏差)mg/kg体重/日と計算された。群Cは、21日間、0.0075%(重量/重量)のピオグリタゾン塩酸塩を含有するCE−2粉末食(日本クレア)を自由に利用できた。群Cにおけるピオグリタゾンの投与量は、17.7±0.6(平均±標準偏差)mg/kg体重/日と計算された。群Dは、21日間、0.0075%(重量/重量)のピオグリタゾン塩酸塩と組み合わせた0.03%(重量/重量)の化合物Iのコハク酸塩を含有するCE−2粉末食(日本クレア)を自由に利用できた。群Dにおける化合物I及びピオグリタゾンの投与量は、それぞれ、63.1±1.9(平均±標準偏差)mg/kg体重/日及び15.8±0.5(平均±標準偏差)mg/kg体重/日と計算された。粉末食を投与した21日間、上記4群における粉末食の投与量に有意な差はなかった。21日間の粉末食投与の後、摂食条件下で毛細管ピペットによりマウスの眼窩静脈から採血を行い、血漿グルコースレベルを、Autoanalyzer 7080(日立,日本)を使用して酵素的に測定した。
【0185】
結果を表1に示す。表中の値は、平均(n=7)±標準偏差を意味する。
【0186】
【表1】

【0187】
表1に示したように、化合物Iのピオグリタゾンとの組み合わせは、血漿グルコースレベルを低下させる優れた効果を示した。
【0188】
本発明の精神又は範囲を離れることなく、本発明の化合物、組成物、キット及び方法に様々な改良および変形がなされ得ることは、当業者には明らかであろう。従って、本発明は、本発明の改良及び変形が添付の特許請求の範囲及びその対応物の範囲内であるならば、それらを含むことを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0189】
【図1】図1は、サルにおける化合物Iの単回経口投与後の血漿でのDPP IV阻害を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に、1日量として、1mg/日から250mg/日の化合物Iを投与することを含む方法。
【請求項2】
患者に投与される化合物Iの1日量が、5mgから200mgである、請求項1記載の方法。
【請求項3】
患者に投与される化合物Iの1日量が、5mgから150mgである、請求項1記載の方法。
【請求項4】
患者に投与される化合物Iの1日量が、5mgから100mgである、請求項1記載の方法。
【請求項5】
患者に投与される化合物Iの1日量が、5mgである、請求項1記載の方法。
【請求項6】
患者に投与される化合物Iの1日量が、6.25mgである、請求項1記載の方法。
【請求項7】
患者に投与される化合物Iの1日量が、10mgである、請求項1記載の方法。
【請求項8】
患者に投与される化合物Iの1日量が、20mgである、請求項1記載の方法。
【請求項9】
患者に投与される化合物Iの1日量が、25mgである、請求項1記載の方法。
【請求項10】
患者に投与される化合物Iの1日量が、50mgである、請求項1記載の方法。
【請求項11】
患者に投与される化合物Iの1日量が、100mgである、請求項1記載の方法。
【請求項12】
投与が1日に1回行われる、請求項1〜11のいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
投与が1日に1回単回投与量で行われる、請求項1〜11のいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
投与が1日に1回、少なくとも30日間行われる、請求項1〜11のいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
投与が1日に1回、少なくとも60日間行われる、請求項1〜11のいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
投与が1日に1回、朝に行われる、請求項1〜12のいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
投与が1日に1回、朝に、患者にとってその日の最初の食事前に行われる、請求項1〜12のいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
投与が、経口、非経口、腹腔内、静脈内、動脈内、経皮、舌下、筋肉内、直腸内、口腔内、鼻腔内、リポソーム、吸入、膣内、眼内、局所送達、皮下、脂肪内、関節内、腹膜内及び鞘内からなる群から選択される経路によって行われる、請求項1〜17のいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
投与が経口で行われる、請求項1〜17のいずれか1項記載の方法。
【請求項20】
投与が、患者のI型又はII型糖尿病の病態を治療するために行われる、請求項1〜19のいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
上記患者がII型糖尿病を有する、請求項1〜19のいずれか1項記載の方法。
【請求項22】
上記患者が、前糖尿病患者である、請求項1〜19のいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
投与が、化合物I以外の1種以上の抗糖尿病性化合物と組み合わせて化合物Iを投与することを含む、請求項1〜19のいずれか1項記載の方法。
【請求項24】
化合物I以外の1種以上の抗糖尿病性化合物と組み合わせて、患者に、1日量の化合物Iを投与することを含む方法。
【請求項25】
投与が、インスリン情報伝達モジュレーター、肝臓でのグルコース産生の調節不全に影響する化合物、インスリン感受性エンハンサー及びインスリン分泌エンハンサーからなる群から選択される1種以上の抗糖尿病性化合物と組み合わせて化合物Iを投与することを含む、請求項1〜24のいずれか1項記載の方法。
【請求項26】
投与が、タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤、グルタミン−フルクトース−6−リン酸アミドトランスフェラーゼ阻害剤、グルコース−6−ホスファターゼ阻害剤、フルクトース−1,6−ビスホスファターゼ阻害剤、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、グルカゴン受容体アンタゴニスト、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ阻害剤、ピルビン酸デヒドロゲナーゼキナーゼ阻害剤、アルファグルコシダーゼ阻害剤、胃内容排出の阻害剤、グルコキナーゼ活性化剤、GLP−1受容体アゴニスト、GLP−2受容体アゴニスト、UCPモジュレーター、RXRモジュレーター、GSK−3阻害剤、PPARモジュレーター、インスリン及びα−アドレナリンアンタゴニストからなる群から選択される1種以上の抗糖尿病性化合物と組み合わせて化合物Iを投与することを含む、請求項1〜24のいずれか1項記載の方法。
【請求項27】
投与が、GSK−3阻害剤、レチノイドX受容体アゴニスト、ベータ3ARアゴニスト、UCPモジュレーター、抗糖尿病性チアゾリジンジオン、非グリタゾン型PPARガンマアゴニスト、デュアルPPARガンマ/PPARアルファアゴニスト、抗糖尿病性バナジウム含有化合物及びビグアニドからなる群から選択される1種以上の抗糖尿病性化合物と組み合わせて化合物Iを投与することを含む、請求項1〜24のいずれか1項記載の方法。
【請求項28】
投与が、医薬的に許容されるどんな塩も含む、(S)−((3,4−ジヒドロ−2−(フェニル−メチル)−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)メチル−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−{[4−(3−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−1−オキソ−プロピル)−フェニル]−メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−{[4−(1−メチル−シクロヘキシル)メトキシ)−フェニル]メチル]−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−{[4−(2−(1−インドリル)エトキシ)フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリ)−エトキシ)]ベンジル}−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−(2−ナフチルスルホニル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、ビス{4−[(2,4−ジオキソ−5−チアゾリジニル)−メチル]フェニル}メタン、5−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−2−ヒドロキシエトキシ]−ベンジル}−−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−[4−(1−フェニル−1−シクロプロパンカルボニルアミノ)−ベンジル]−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−{[4−(2−(2,3−ジヒドロインドール−1−イル)エトキシ)フェニルメチル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−[3−(4−クロロ−フェニル])−2−−プロピニル]−5−フェニルスルホニル)チアゾリジン−2,4−ジオン、5−[3−(4−クロロフェニル])−−2−プロピニル]−5−(4−フルオロフェニル−スルホニル)チアゾリジン−2,4−ジオン、5−{[4−(2−(メチル−2−ピリジニル−アミノ)−エトキシ)フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−{[4−(2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ)フェニル]−メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−([2−(2−ナフチル)−ベンズオキサゾール−5−イル]−メチル}チアゾリジン−2,4−ジオン及び5−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)−2−メトキシ−N−(4−トリフルオロメチル−ベンジル)ベンズアミドからなる群から選択される1種以上の抗糖尿病性化合物と組み合わせて化合物Iを投与することを含む、請求項1〜24のいずれか1項記載の方法。
【請求項29】
投与が、医薬的に許容されるどんな塩も含むメトホルミンと組み合わせて化合物Iを投与することを含む、請求項1〜24のいずれか1項記載の方法。
【請求項30】
投与が、1種以上のスルホニル尿素誘導体と組み合わせて化合物Iを投与することを含む、請求項1〜24のいずれか1項記載の方法。
【請求項31】
投与が、医薬的に許容されるどんな塩も含む、グリソキセピド、グリブリド、グリベンクラミド、アセトヘキサミド、クロロプロパミド、グリボルヌリド、トルブタミド、トラザミド、グリピジド、カルブタミド、グリキドン、グリヘキサミド、フェンブタミド、トルシクラミド、グリメピリド及びグリクラジドからなる群から選択される1種以上の抗糖尿病性化合物と組み合わせて化合物Iを投与することを含む、請求項1〜24のいずれか1項記載の方法。
【請求項32】
投与が、インクレチンホルモン又はその模倣体、ベータ細胞イミダゾリン受容体アンタゴニスト及び短時間作用型インスリン分泌促進剤からなる群から選択される1種以上の抗糖尿病性化合物と組み合わせて化合物Iを投与することを含む、請求項1〜24のいずれか1項記載の方法。
【請求項33】
投与が、インスリンと組み合わせて化合物Iを投与することを含む、請求項1〜24のいずれか1項記載の方法。
【請求項34】
投与が、1種以上のGLP−1アゴニストと組み合わせて化合物Iを投与することを含む、請求項1〜24のいずれか1項記載の方法。
【請求項35】
投与が、1種以上のGLP−2アゴニストと組み合わせて化合物Iを投与することを含む、請求項1〜24のいずれか1項記載の方法。
【請求項36】
投与が、エクステンダチド(extendatide)と組み合わせて化合物Iを投与することを含む、請求項1〜24のいずれか1項記載の方法。
【請求項37】
投与が、医薬的に許容されるどんな塩も含む、レパグリニド、ミチグリニド及びナテグリニドからなる群から選択される1種以上の抗糖尿病性化合物と組み合わせて化合物Iを投与することを含む、請求項1〜24のいずれか1項記載の方法。
【請求項38】
投与が、1種以上のアルファグルコシダーゼ阻害剤と組み合わせて化合物Iを投与することを含む、請求項1〜24のいずれか1項記載の方法。
【請求項39】
投与が、医薬的に許容されるどんな塩も含む、アカルボース、ボグリボース及びミグリトールからなる群から選択される1種以上の抗糖尿病性化合物と組み合わせて化合物Iを投与することを含む、請求項1〜24のいずれか1項記載の方法。
【請求項40】
投与が、医薬的に許容されるどんな塩も含むロシグリタゾンと組み合わせて化合物Iを投与することを含む、請求項1〜24のいずれか1項記載の方法。
【請求項41】
投与が、医薬的に許容されるどんな塩も含むピオグリタゾンと組み合わせて化合物Iを投与することを含む、請求項1〜24のいずれか1項記載の方法。
【請求項42】
投与が、医薬的に許容されるどんな塩も含む、メトホルミン及びピオグリタゾンと組み合わせて化合物Iを投与することを含む、請求項1〜24のいずれか1項記載の方法。
【請求項43】
ピオグリタゾンが、ピオグリタゾンHClを含む、請求項41及び42のいずれか1項記載の方法。
【請求項44】
化合物Iが、遊離塩基として投与される、請求項1〜43のいずれか1項記載の方法。
【請求項45】
化合物Iが、医薬的に許容される塩として投与される、請求項1〜43のいずれか1項記載の方法。
【請求項46】
化合物Iが、コハク酸塩として投与される、請求項1〜43のいずれか1項記載の方法。
【請求項47】
1mgから250mgの化合物Iを含む単回投与形態で処方された医薬組成物。
【請求項48】
該単回投与形態が、5mgから200mgの化合物Iを含む、請求項47記載の医薬組成物。
【請求項49】
該単回投与形態が、5mgから150mgの化合物Iを含む、請求項47記載の医薬組成物。
【請求項50】
該単回投与形態が、15mgから100mgの化合物Iを含む、請求項47記載の医薬組成物。
【請求項51】
該単回投与形態が、5mgの化合物Iを含む、請求項47記載の医薬組成物。
【請求項52】
該単回投与形態が、6.25mgの化合物Iを含む、請求項47記載の医薬組成物。
【請求項53】
該単回投与形態が、10mgの化合物Iを含む、請求項47記載の医薬組成物。
【請求項54】
該単回投与形態が、20mgの化合物Iを含む、請求項47記載の医薬組成物。
【請求項55】
該単回投与形態が、25mgの化合物Iを含む、請求項47記載の医薬組成物。
【請求項56】
該単回投与形態が、50mgの化合物Iを含む、請求項47記載の医薬組成物。
【請求項57】
該単回投与形態が、100mgの化合物Iを含む、請求項47記載の医薬組成物。
【請求項58】
該単回投与形態が、化合物I以外の1種以上の抗糖尿病性化合物を更に含む、請求項47〜57のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項59】
化合物I及び化合物I以外の1種以上の抗糖尿病性化合物を含む、単回投与形態で処方された医薬組成物。
【請求項60】
該単回投与形態が、インスリン情報伝達モジュレーター、肝臓でのグルコース産生の調節不全に影響する化合物、インスリン感受性エンハンサー及びインスリン分泌エンハンサーからなる群から選択される1種以上の抗糖尿病性化合物を含む、請求項47〜59のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項61】
該単回投与形態が、タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤、グルタミン−フルクトース−6−リン酸アミドトランスフェラーゼ阻害剤、グルコース−6−ホスファターゼ阻害剤、フルクトース−1,6−ビスホスファターゼ阻害剤、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、グルカゴン受容体アンタゴニスト、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ阻害剤、ピルビン酸デヒドロゲナーゼキナーゼ阻害剤、アルファグルコシダーゼ阻害剤、胃内容排出の阻害剤、インスリン及びα−アドレナリンアンタゴニストからなる群から選択される1種以上の抗糖尿病性化合物を含む、請求項47〜59のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項62】
該単回投与形態が、GSK−3阻害剤、レチノイドX受容体アゴニスト、ベータ3ARアゴニスト、UCPモジュレーター、抗糖尿病性チアゾリジンジオン、非グリタゾン型PPARガンマアゴニスト、デュアルPPARガンマ/PPARアルファアゴニスト、抗糖尿病性バナジウム含有化合物及びビグアニドからなる群から選択される1種以上の抗糖尿病性化合物を含む、請求項47〜59のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項63】
該単回投与形態が、医薬的に許容されるどんな塩も含む、(S)−((3,4−ジヒドロ−2−(フェニル−メチル)−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)メチル−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−{[4−(3−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−1−オキソ−プロピル)−フェニル]−メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−{[4−(1−メチル−シクロヘキシル)メトキシ)−フェニル]メチル]−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−{[4−(2−(1−インドリル)エトキシ)フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリ)−エトキシ)]ベンジル}−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−(2−ナフチルスルホニル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、ビス{4−[(2,4−ジオキソ−5−チアゾリジニル)−メチル]フェニル}メタン、5−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−2−ヒドロキシエトキシ]−ベンジル}−−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−[4−(1−フェニル−1−シクロプロパンカルボニルアミノ)−ベンジル]−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−{[4−(2−(2,3−ジヒドロインドール−1−イル)エトキシ)フェニルメチル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−[3−(4−クロロ−フェニル])−2−−プロピニル]−5−フェニルスルホニル)チアゾリジン−2,4−ジオン、5−[3−(4−クロロフェニル])−−2−プロピニル]−5−(4−フルオロフェニル−スルホニル)チアゾリジン−2,4−ジオン、5−{[4−(2−(メチル−2−ピリジニル−アミノ)−エトキシ)フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−([2−(2−ナフチル)−ベンズオキサゾール−5−イル]−メチル}チアゾリジン−2,4−ジオン及び5−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)−2−メトキシ−N−(4−トリフルオロメチル−ベンジル)ベンズアミドからなる群から選択される1種以上の抗糖尿病性化合物を含む、請求項47〜59のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項64】
該単回投与形態が、医薬的に許容されるどんな塩も含むメトホルミンを含む、請求項47〜59のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項65】
該単回投与形態が、スルホニル尿素誘導体を含む、請求項47〜59のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項66】
該単回投与形態が、それらの医薬的に許容される塩を含めて、グリソキセピド、グリブリド、グリベンクラミド、アセトヘキサミド、クロロプロパミド、グリボルヌリド、トルブタミド、トラザミド、グリピジド、カルブタミド、グリキドン、グリヘキサミド、フェンブタミド、トルシクラミド、グリメピリド及びグリクラジドからなる群から選択される1種以上の抗糖尿病性化合物を含む、請求項47〜59のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項67】
該単回投与形態が、インクレチンホルモン又はその模倣体、ベータ細胞イミダゾリン受容体アンタゴニスト及び短時間作用型インスリン分泌促進剤からなる群から選択される1種以上の抗糖尿病性化合物を含む、請求項47〜59のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項68】
該単回投与形態が、インスリンを含む、請求項47〜59のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項69】
該単回投与形態が、1種以上のGLP−1アゴニストを含む、請求項47〜59のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項70】
該単回投与形態が、1種以上のGLP−2アゴニストを含む、請求項47〜59のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項71】
該単回投与形態が、エクステンダチド(extendatide)を含む、請求項47〜59のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項72】
該単回投与形態が、医薬的に許容されるどんな塩も含む、レパグリニド、ミチグリニド及びナテグリニドからなる群から選択される1種以上の抗糖尿病性化合物を含む、請求項47〜59のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項73】
該単回投与形態が、1種以上のアルファグルコシダーゼ阻害剤を含む、請求項47〜59のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項74】
該単回投与形態が、医薬的に許容されるどんな塩も含む、アカルボース、ボグリボース及びミグリトールからなる群から選択される1種以上の抗糖尿病性化合物を含む、請求項47〜59のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項75】
該単回投与形態が、医薬的に許容されるどんな塩も含むロシグリタゾンを含む、請求項47〜59のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項76】
該単回投与形態が、医薬的に許容されるどんな塩も含むピオグリタゾンを含む、請求項47〜59のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項77】
該単回投与形態が、医薬的に許容されるどんな塩も含む、メトホルミン及びピオグリタゾンを含む、請求項47〜59のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項78】
ピオグリタゾンが、ピオグリタゾンHClを含む、請求項76及び77のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項79】
該単回投与形態が、経口投与に適合している、請求項47〜78のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項80】
該単回投与形態が、経口投与に適合した固体製剤である、請求項47〜78のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項81】
該単回投与形態が、経口投与に適合した錠剤又はカプセルである、請求項47〜78のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項82】
該単回投与形態が、経口投与に適合した徐放性製剤を含む、請求項47〜78のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項83】
化合物Iが、医薬組成物中に遊離塩基として存在する、請求項47〜82のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項84】
化合物Iが、医薬組成物中に医薬的に許容される塩で存在する、請求項47〜82のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項85】
化合物Iが、医薬組成物中にコハク酸塩で存在する、請求項47〜82のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項86】
複数回投与量の、請求項47〜85のいずれか1項記載の医薬組成物;及び
医薬組成物を投与すべき病態の表示、医薬組成物についての保存情報、服用情報及び医薬組成物を投与する方法に関する説明からなる群から選択される1種以上の形態の情報を含む説明書
を含む、キット。
【請求項87】
複数回投与量の、請求項47〜85のいずれか1項記載の医薬組成物;及び
包装材料
を含む製品。
【請求項88】
包装材料が、複数回投与量の医薬組成物を収納するための容器を含む、請求項87記載の製品。
【請求項89】
容器が、組成物を投与すべき病態、保存情報、服用情報及び/又は組成物を投与する方法に関する説明からなる群のうち1つ以上の要素を表示するラベルを含む、請求項88記載の製品。
【請求項90】
治療有効量の化合物Iを、化合物I以外の1種以上の抗糖尿病性化合物と組み合わせて投与することを含む、DPP−IVによって媒介される状態の治療方法。
【請求項91】
DPP−IVによって媒介される状態を治療するための医薬を製造するための、化合物I以外の1種以上の抗糖尿病性化合物と組み合わせた化合物Iの使用。
【請求項92】
DPP−IVによって媒介される状態を治療するための、化合物I及び化合物I以外の1種以上の抗糖尿病性化合物の組み合わせを含む医薬を製造するための、化合物Iの使用。
【請求項93】
DPP−IVによって媒介される状態を治療するための、化合物I及び化合物I以外の1種以上の抗糖尿病性化合物の組み合わせを含む医薬を製造するための、化合物I以外の1種以上の抗糖尿病性化合物の使用。


【図1】
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【公表番号】特表2009−507930(P2009−507930A)
【公表日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−531346(P2008−531346)
【出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/035958
【国際公開番号】WO2007/033350
【国際公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(000002934)武田薬品工業株式会社 (396)
【Fターム(参考)】