説明

ジョブ管理システム

【課題】 匿名性の高いユーザ名、不特定多数のユーザ名でジョブが実行された場合、正確なジョブ管理が行えない。
【解決手段】 クライアント環境でジョブを検出した時、ジョブオーナの修正要否を判定し、修正が必要な場合は、クライアント側にユーザ変更UIを表示する。修正判定に当たっては、修正ユーザリストの参照、或いは管理サーバに確認する。管理サーバでは登録ユーザ毎に修正レベルを保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジョブ管理システムに関し、特に、ジョブログ(ジョブの履歴)を管理するために用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
印刷、スキャン、FAX等、ジョブの集計を行って管理するジョブログ管理システムでは、ユーザがジョブを実行する際にジョブに付随するジョブオーナ情報でジョブログが生成され、管理サーバに送信、管理される。特にユーザ毎にジョブの実行上限を設定し、管理するシステムでは、管理サーバで全ユーザのユーザ情報とジョブ実行実績に関するデータをデータベースなどに保持し、管理する。
【0003】
また、クライアントコンピュータ、デバイス上でジョブを実行するときに、ユーザのアクセス権を確認し、アクセス権のあるユーザのみジョブの実行権を与えるという方法も一般的に行われている。
【0004】
例えば、特許文献1では、印刷要求を行ったユーザのアクセス権限を照合し、未登録ユーザの場合、印刷制御装置と印刷機器の双方にアクセス権を持つユーザAが印刷実行者Bを自動印刷許可設定している場合、印刷を許可する。この場合は、ジョブログに記録されるジョブオーナ(印刷実行者)はユーザAとなる。
【0005】
更に、管理サーバで管理するユーザ情報と、デバイスにアクセス許可のあるユーザ情報との対応を管理することにより、デバイスへのアクセスをスムーズに行うという技術もある(例えば、特許文献2参照)。この技術では、管理サーバの管理ユーザC, デバイスアクセスユーザDとした時、ジョブログに記録されるジョブオーナはユーザCとなる。
【0006】
また、一般的にジョブに付随するジョブオーナ情報は、PC(パーソナルコンピュータ)/デバイスのログインユーザ情報が利用されており、管理サーバで管理するユーザ情報もこのログインユーザ情報をそのまま利用する場合が多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−148803号公報
【特許文献2】特開2005−190130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、PCのログインユーザで一般に利用されているAdministrator, user, guest等のアカウントは複数ユーザが利用し、匿名性が高く、ジョブ管理システムで個人を特定できない場合が多い。特許文献1の技術においても、Administratorが未登録ユーザであると捉えても、管理者として一般的に利用されているアカウントAdministratorがどのユーザのアクセス権限を利用すれば適切であるかの特定にいたらない。また、特許文献2においても、管理サーバで管理するユーザの権限を判定する技術ではなく、個人を厳密に特定したジョブ管理が行えるものではない。
【0009】
これは、Administratorに限らず、PCにローカルユーザでログインしている場合も同様である。例えば、Yamadaというログインユーザが複数いる場合は、複数のYamadaさんの内、どのアクセス権限を利用すれば適切であるか特定が出来ない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
管理サーバにて、管理デバイスのジョブログを収集し、管理するジョブ管理システムであって、
管理デバイスに対し、クライアントユーザが印刷、FAX、スキャン等のジョブを実行するジョブ実行手段(708、748、1808)、
前記ジョブ実行手段に対し、ジョブが発行されたことを検知するジョブ検出手段(701,741,1801)、
前記ジョブのジョブオーナ情報等のジョブ情報を取得するジョブ情報取得手段(702,742,1802)、
前記ジョブ情報取得手段により取得したジョブ情報を管理するジョブ管理手段(703,743,1803)、
前記ジョブオーナ情報の修正の是非を判定する修正判定手段(704,744,1804)、
前記修正判定手段により、修正が必要であると判定された場合、
ジョブオーナ変更画面を表示する画面表示手段(705,745,1805)、
前記画面表示手段により、表示された画面上で、
ユーザがジョブオーナ情報を修正入力するための修正入力手段(706,746,1806)、
前記入力されたジョブオーナ情報についても、前記修正判定手段により
修正の是非を判定する再判定手段(S1007、図11、図19)、
前記修正入力手段により、ユーザによりジョブオーナが変更指示され、且つ
前記再判定手段により、修正が必要でないと判定された場合は、
前記ジョブ或いは前記ジョブ管理部で管理するジョブ情報のジョブオーナ情報を
指定ユーザで変更するジョブ情報変更手段(707,747,1807)、
前記再判定手段で再修正が必要であると判定された場合、
前記画面表示手段により、再度ジョブオーナ変更画面を表示する再表示手段(S1009, S1015)、
前記ジョブ情報の変更を反映したジョブログを生成するジョブログ生成手段(709,749)、
前記ジョブログを管理サーバに送信するジョブログ送信手段(710,750)、
管理サーバ側に
前記ジョブログを受信するジョブログ受信手段(721,1821)、
前記受信したジョブログをデータベースに保存するジョブログ保存手段(722,1822)
を有する。
【発明の効果】
【0011】
ユーザが故意或いは無意識に、ジョブ管理システムで個人を特定できないアカウントで、ジョブを実行するケースを抑制できる。これにより、ジョブ管理システムの管理効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明のジョブ管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明の情報処理装置の構成を説明するブロック図である。
【図3】本発明の画像形成装置の一例であるMFP及びネットワークプリンタの構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本発明情報処理装置及び画像形成装置におけるRAMのメモリマップの一例を示す図である。
【図5】本発明のFDのメモリマップの一例を示す図である。
【図6】本発明のFDドライブと、FDドライブに対して挿入されるFD204との関係の一例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態を示し、ジョブ管理システムの機能構成の一例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施形態を示し、ユーザ変更必須時のユーザ変更UIの一例を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施形態を示し、ユーザ変更任意時のユーザ変更UIの一例を示す図である
【図10】本発明の第1の実施形態を示し、ジョブ管理プログラムに含まれるクライアント側で実行される全体処理の一例を説明するフローチャートである。
【図11】本発明の第1の実施形態を示し、ジョブ管理プログラムに含まれるクライアント側で実行されるユーザ確認処理の一例を説明するフローチャートである。
【図12】本発明の第1の実施形態を示し、ジョブ管理プログラムに含まれる管理サーバ側で実行される処理の一例を説明するフローチャートである。
【図13】本発明の第1の実施形態を示し、修正ユーザリストの一例を示す図である。
【図14】本発明の第1の実施形態を示し、修正ユーザリストの一例を示す図である。
【図15】本発明のジョブログの一例を示す図である。
【図16】本発明の第2の実施形態を示し、システム設定UIの一例を示す図である。
【図17】本発明の第2の実施形態を示し、ジョブ管理システムの機能構成の一例を示す図である。
【図18】本発明の第2の実施形態を示し、ジョブ管理プログラムに含まれるクライアント側で実行されるユーザ確認処理の一例を説明するフローチャートである。
【図19】本発明の第2の実施形態を示し、ジョブ管理プログラムに含まれるクライアント側で実行されるジョブ続行通知処理の一例を説明するフローチャートである。
【図20】本発明の第2の実施形態を示し、ジョブ管理プログラムに含まれる管理サーバ側で実行される処理の一例を説明するフローチャートである。
【図21】本発明の第2の実施形態を示し、ジョブ管理プログラムに含まれる管理サーバ側で実行されるユーザ確認処理の一例を説明するフローチャートである。
【図22】本発明の第2の実施形態を示し、ジョブ管理プログラムに含まれる管理サーバ側で実行されるジョブ続行通知処理の一例を説明するフローチャートである。
【図23】本発明の第2の実施形態を示し、ユーザ情報設定UIの一例を示す図である
【図24】本発明の第2の実施形態を示し、ユーザ情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【0014】
(第1の実施形態)
図1は、ジョブ管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0015】
図1において、クライアント端末装置(情報処理装置)101、102は、例えばパーソナルコンピュータであり、アプリケーションプログラム等の各種のプログラムを実行することが可能である。これらクライアント端末装置101、102は、イーサネット(登録商標)等のネットワークケーブルや公衆回線等によって、LAN、WAN、又はインターネット等のネットワーク107に接続されている。クライアント端末装置101、102は、実行ジョブに関するジョブログを管理サーバ104へ送信するプログラムを必要に応じて実行する。尚、図1では複数台のクライアント端末装置101、102を記載しているが、クライアント端末装置は、1台でも複数台でもよい。
【0016】
データベースサーバ103は、本実施形態のジョブログを保存する情報処理装置であり、クライアント端末装置101、102と同様に、ネットワーク107に接続されている。
【0017】
尚、本実施形態では、データベースサーバ103をジョブ管理システムに設けるようにしているが、データベースサーバ103はなくてもよい。
【0018】
データベースサーバ103がない場合、ジョブログはクライアント端末装置101、102、管理サーバ104、データベースサーバ103以外のサーバ(ファイルサーバ)、又はデバイス(例えばMFP105、ネットワークプリンタ106)等に保存される。
【0019】
管理サーバ104は、クライアント端末装置101、102或いは管理デバイス105,106から送信されたジョブログを受信するジョブログ受信手段721をプログラムとして格納している情報処理装置である。
【0020】
更に、受信したジョブログをデータベースサーバ103に保存するジョブログ保存手段722をプログラムとして格納している。管理サーバ104は、データベースサーバ103と同様に、ネットワーク107に接続されている。
【0021】
尚、本実施形態では、管理サーバ104をジョブ管理システムに設けるようにしているが、管理サーバ104はなくてもよい。管理サーバ104がない場合、ジョブログは、ユーザが所有するクライアント端末装置101、102、管理サーバ104以外のサーバ、又はデバイス(例えばMFP105、ネットワークプリンタ106)等に保存される。
【0022】
また、本実施形態では、データベースサーバ103と、管理サーバ104とを別々のサーバとしているが、これらを1つのサーバにまとめることも可能である。
【0023】
複合機(MFP)105は、印刷制御装置、スキャナ、及びコピー等の機能を持ったデバイスであり、 ネットワークプリンタ106は、画像形成装置である。
【0024】
MFP105と、ネットワークプリンタ106とは共に、クライアント端末装置101、102から送信される印刷要求を解析して処理する。
【0025】
尚、ネットワークプリンタ106として、電子写真方式を最小したレーザービームプリンタや、インクジェット方式を採用したインクジェットプリンタや、熱転写方式を利用したプリンタ等、様々な方式のプリンタを適応させることができる。
【0026】
MFP105、ネットワークプリンタ106も他の機器同様、ネットワーク107に接続されている。
【0027】
認証サーバ108はクライアント端末装置101、102、管理サーバ104或いは管理デバイス105,106からユーザ認証処理を行う場合に利用される。認証サーバ108も他の機器同様、ネットワーク107に接続されている。
【0028】
クライアント端末装置101、102、データベースサーバ103、及び管理サーバ104、認証サーバ108は、一般的な情報処理装置である。クライアント端末装置101、102、管理サーバ104及びMFP105には、ジョブ及びジョブログを管理するための処理を行うジョブ管理プログラムが実行可能に格納されている。また、本実施形態では、説明の都合上、ネットワークプリンタ106にクライアント側のジョブ管理プログラムを搭載していない例を挙げているが、搭載可能な高機能プリンタも存在する。この場合、当然、本ジョブ管理プログラムを搭載できるものとする。
【0029】
メールサーバ109は、メールの送受信を実現する情報処理装置である。ディレクトリサーバ110はユーザ情報を管理し、認証サーバ108はディレクトリサーバ110へ問い合わせることでユーザ認証処理を行う。また、管理サーバ側でユーザ情報を管理するが、これはディレクトリサーバ110で管理されているユーザを利用する。ディレクトリサーバ上でユーザ情報を管理してもよいし、ディレクトリサーバから管理サーバ上にユーザ情報のコピーを取得し、付加情報等のユーザ情報を追加して管理してもよい。
【0030】
図2は、本実施の形態における情報処理装置の構成を説明するブロック図である。尚、情報処理装置の一例であるクライアント端末装置101、102、データベースサーバ103、及び管理サーバ104は、同様或いは同等のハードウェア構成を有するものとする。よって、ここでは、クライアント端末装置101、102、データベースサーバ103、及び管理サーバ104の構成を説明するブロック図として、図2を説明する。
【0031】
図2において、CPU200は、情報処理装置の制御手段であり、ハードディスク(HD)205に格納されているアプリケーションプログラム、OS、及び前記ジョブ管理プログラム等を実行する。更に、CPU200は、プログラムの実行に必要な情報や、ファイル等を、RAM202に一時的に格納する制御を行う。
【0032】
ROM201は記憶手段であり、その内部には、基本I/Oプログラム等のプログラムが記憶されている。RAM202は一時記憶手段であり、CPU200の主メモリやワークエリア等として機能する。
【0033】
フロッピー(登録商標)ディスク(「フロッピ−(登録商標)\FROPY(登録商標)」)(FD)ドライブ203は、記憶媒体読み込み手段である。後述する図6に示すように、FDドライブ203を通じて、記憶媒体としてのフロッピー(登録商標)ディスク(FD)204に記憶されたプログラム等を本コンピュータシステムにロードすることができる。尚、記憶媒体は、FDに限らず、CD−ROM、CD−R、CD−RW、PCカード、DVD、ICメモリカード、MO、メモリスティック等、任意の記憶媒体でよい。
【0034】
フロッピー(登録商標)ディスク(FD)204は、コンピュータが読み取り可能なプログラムが格納された記憶媒体である。
【0035】
ハードディスク(HD)205は外部記憶手段の一つであり、大容量メモリとして機能する。ハードディスク(HD)205は、アプリケーションプログラム、OS、前記ジョブ管理プログラム、及び関連プログラム等を格納している。
【0036】
キーボード206は指示入力手段であり、クライアント端末装置101、102に対して、ジョブオーナ変更指示操作等、各種指示をユーザが行う際に使用されるものである。
【0037】
ディスプレイ207は表示手段であり、キーボード206から指示するための選択肢、設定画面、及び取得情報等を表示するものである。
【0038】
システムバス208は、情報処理装置(クライアント端末装置101、102、データベースサーバ103、管理サーバ104)内のデータの流れを司るものである。
【0039】
インターフェース209は、入出力手段である。情報処理装置は、このインターフェース209を介して外部装置とデータのやり取りを行う。
【0040】
図3は、画像形成装置の一例であるMFP105及びネットワークプリンタ106の構成の一例を示すブロック図である。MFP105は、ネットワークプリンタ106に比べ、スキャナ部とFAX部とが多いものの、本実施形態に要する構成は共通である。
【0041】
図3において、CPU300は、画像形成装置の制御手段であり、ハードディスク(HD)303に格納されている印刷制御プログラム、アプリケーションプログラム、OS、及び前記ジョブ管理プログラム等を実行する。更に、CPU300は、プログラムの実行に必要な情報や、ファイル等をRAM302に一時的に格納する制御を行う。
【0042】
ROM301は記憶手段であり、その内部には、機器制御プログラム、基本I/Oプログラム等のプログラムが記憶されている。RAM302は一時記憶手段であり、CPU300の主メモリやワークエリア等として機能する。
【0043】
ハードディスク(HD)303は外部記憶手段の一つであり、大容量メモリとして機能する。ハードディスク(HD)303は、アプリケーションプログラム、OS、前記ジョブ管理プログラム、及び関連データ等を格納している。
【0044】
画像形成部304は、HD303内にスプールデータとして保持されていたラスタデータがRAM302へ移されると起動する。画像形成部304は、RAM302から読み出されたラスタデータに基づいて画像形成を行う。尚、RAM302は図示を省略したバッテリにより電源がバックアップされ、各ユーザの印刷、スキャン、FAX等のジョブログが必要に応じて、保存可能になっている。ただし、この保存メモリとして、RAM302ではなく、例えばEEPROM等のほかの不揮発性メモリを使用してもよい。
【0045】
クライアント端末装置101、102から送信されたジョブの一例である印刷ジョブは、インターフェース309及びシステムバス308を経由して伝送される。そして、CPU300の制御により、印刷要求が解析され、その内容に応じて、印刷ジョブがRAM302にラスタデータとして展開され、そのラスタデータがHD303内にスプールデータとして格納される。
【0046】
操作部306は指示入力手段であり、画像形成装置に対して、各種指示をユーザが行う際に使用されるものである。
【0047】
表示部307は表示手段であり、操作部306に設定画面や取得情報等を表示するものである。
【0048】
システムバス308は、画像形成装置内のデータの流れを司るものである。
【0049】
インターフェース309は、入出力手段である。画像形成装置は、このインターフェース309を介して外部装置とデータのやり取りを行う。
【0050】
スキャナ部305は、紙等のメディアの原稿に光をあて、その光の反射光をセンサーで読み取り、スキャンデータを生成し、生成したスキャンデータを、用途に応じて、HD303やRAM302に送る。
【0051】
FAX部310は、インターフェース309を介してFAXデータの送受信を行う。スキャナ部305とFAX部310はMFP105に存在し、ネットワークプリンタ106には存在しない。よって、ジョブオーナの変更対象となるジョブの種類は、ネットワークプリンタ106ではプリントジョブのみである。これに対し、MFP105では、プリントジョブに加え、スキャンジョブ、コピージョブ、及びFAXジョブ等を、ジョブ及びジョブログの変更対象とすることが可能である。
【0052】
図4は、情報処理装置及び画像形成装置におけるRAM202、302のメモリマップの一例を示す図である。ここでは、前記ジョブ管理プログラムが、FD204からRAM202にロードされ実行可能となった状態のRAM202のメモリマップを例に挙げて示す。
【0053】
図4において、装置の電源がONされたときに、オペレーティングシステム(OS)402がHD205からRAM202に読み出される。基本I/Oプログラム401はOS402の動作を開始させるIPL(イニシャルプログラムローデイング)機能等を有しているプログラムが入っている領域である。
【0054】
ジョブ管理プログラム403と、ジョブ管理プログラム403等の関連データ404は、RAM202に確保される領域に記憶される。ワークエリア405には、CPU200がジョブ管理プログラム403を実行するための領域が確保されている。
【0055】
尚、本実施形態では、ジョブ管理プログラム403及び関連データ404をFD204からRAM202に直接ロードして実行させる場合を例に挙げて示す。しかしながら、これ以外の方法でジョブ管理プログラム403及び関連データ404をロードするようにしてもよい。例えば、ジョブ管理プログラム403を動作させる度に、ジョブ管理プログラム403が既にインストールされているHD205、303から、ジョブ管理プログラム403をRAM202、302にロードするようにしてもよい。
【0056】
また、ジョブ管理プログラム403を記憶する記憶媒体は、FD204以外に、CD−ROM、CD−R、PCカード、DVD、ICメモリカードであってもよい。更に、ジョブ管理プログラム403をROM201、301に記憶しておき、これをメモリマップの一部となすように構成し、ジョブ管理プログラム403をCPU200、300で直接実行することも可能である。また、以上の各装置と同等の機能を実現するソフトウェアをもって、ハードウェア装置の代替とすることもできる。
【0057】
更に、ジョブ管理プログラム403において、サーバプログラムとクライアントプログラムとは別々に構成されるが、サーバプログラムを、クライアントPCであるクライアント端末装置101、102にインストールしても構わない。
【0058】
図5は、図2に示したFD204のメモリマップの一例を示す図である。
【0059】
図5において、FD204に格納されているデータ500の中には、データの情報を示すボリューム情報501と、ディレクトリ情報502と、ジョブ管理プログラム503と、ジョブ管理プログラム503の関連データ504とが含まれている。ジョブ管理プログラム503は、本実施形態で説明するフローチャートに基づいてプログラム化したものである。
【0060】
図6は、図2に示したFDドライブ203と、FDドライブ203に対して挿入されるFD204との関係の一例を示す図である。
【0061】
図6において、FD204には、本実施形態で説明するジョブ管理プログラム503及び関連データ504が格納されている。
【0062】
図7は、本実施形態におけるジョブ管理システムの機能構成の一例を示す図である。
【0063】
ジョブクライアントであるクライアント端末装置101では、本発明のジョブ管理プログラム403内のクライアントプログラムが作動している。ユーザによる印刷、FAX送信等のジョブをジョブ検出手段701で検出すると、ジョブ情報取得手段702でジョブオーナ情報などを含むジョブ情報を取得する。取得されたジョブ情報はジョブ管理手段703に登録される。ジョブ管理手段を持つジョブ管理部では登録されたジョブ情報のジョブオーナが適正か、修正が必要か修正判定手段704で判定を行う。修正が必要な場合は、ジョブ管理部はUI部にジョブオーナ修正用UI(ユーザインターフェース)画面の表示を依頼する。UI部は画面表示手段を制御し、画面表示手段705により、クライアント端末装置101に修正用UI画面を表示する。ユーザは、表示されたUI画面上の修正項目に対し、キーボード、マウス等の修正入力手段706により、ジョブオーナの変更指示等の各種操作を行う。また、画面上には入力完了を指示するボタンが配置され、修正入力手段706により、同ボタンが押下されるとUI部は入力結果をジョブ管理部に返す。
【0064】
ジョブ管理部では、UI部より返却された、即ちユーザが指定したジョブオーナが適正か修正判定手段704により、再判定を行う。適正な場合、ジョブ実行手段708によりMFP105、プリンタ106等にジョブを送信する等してジョブを実行する。更にジョブ管理部は、ジョブ或いはジョブログに対し、ジョブ情報変更手段707により、変更されたジョブオーナ情報を設定する。
【0065】
ジョブ実行後、ジョブ管理部はジョブログ生成手段709により、ジョブログを生成し、ジョブログ送信手段710によって、ネットワーク107を介して管理サーバ104にジョブログを送信する。
【0066】
本実施例では、クライアント端末101にもジョブログ生成手段709とジョブログ送信手段710を設けるように構成しているが、管理デバイスのジョブログを管理サーバへ送信或いは管理サーバから収集できる場合は不要である。その場合、クライアント端末側では、MFP105及びネットワークプリンタ106で生成するジョブログに反映されるよう、ジョブヘッダのジョブオーナ情報を指定値に変更すればよい。
【0067】
また、本実施例ではクライアント端末101に認証手段715を設け、ユーザが修正入力手段706で入力したユーザについて、修正判定手段704で再判定を行う際、ユーザ認証処理も実施する。
【0068】
MFP105でも、クライアント端末装置101同様、本発明のジョブ管理プログラム403内のクライアントプログラムが作動している。処理もクライアント端末101と基本的に同様である。ユーザによる印刷、スキャン、コピー、FAX送信等のジョブをジョブ検出手段741で検出すると、ジョブ情報取得手段742でジョブオーナ情報などを含むジョブ情報を取得する。取得されたジョブ情報はジョブ管理手段843に登録される。ジョブ管理手段を持つジョブ管理部では登録されたジョブ情報のジョブオーナが適正か、修正が必要か修正判定手段744で判定を行う。修正が必要な場合は、ジョブ管理部はMFP105のUI部にジョブオーナ修正用UI画面の表示を依頼する。UI部は画面表示手段を制御し、画面表示手段705により、MFP105の操作パネルに修正用UI画面を表示する。
【0069】
ユーザは、表示されたUI画面上の修正項目に対し、タッチパネルなどの修正入力手段746により、ジョブオーナの変更指示等の各種操作を行う。また、画面上には入力完了を指示するボタンが配置され、修正入力手段746により、同ボタンが押下されるとUI部は入力結果をジョブ管理部に返す。
【0070】
ジョブ管理部では、UI部より返却された、即ちユーザが指定したジョブオーナが適正か再判定を行う。適正な場合、ジョブ実行手段748により各種ジョブを実行する。更にジョブ情報或いはジョブログに対し、ジョブ情報変更手段747により、変更されたジョブオーナ情報を設定する。
【0071】
ジョブ実行後、ジョブ管理部はジョブログ生成手段749により、ジョブログを生成し、ジョブログ送信手段750によって、ネットワーク107を介して管理サーバ104にジョブログを送信する。また、本実施例では、クライアント端末101同様、MFP105でも、認証手段755を設け、ユーザが修正入力手段746で入力したユーザについて、修正判定手段744で再判定を行う際、ユーザ認証処理も実施する。
【0072】
管理サーバ104では、クライアント端末装置101、MFP105から送信されたジョブログをジョブログ受信手段721で受信する。受信したジョブログはジョブログ保存手段722により、データベース103に格納し、管理する。
【0073】
認証サーバ103では、クライアント端末装置101、MFP105からのユーザ認証要求に答えて、認証処理を行う。本実施の形態ではクライアント側が認証サーバに問い合わせることにより、ユーザ認証を行うが、この形態は問わない。例えば、管理サーバ経由でユーザ認証を行ってもよいし、MFP105独自のユーザ管理機能及び認証機能を利用してもよいし、ユーザの特定が厳密ではないシステムでは、認証自体が不要である。
【0074】
以上が本ジョブ管理システムにおける基本的な制御である。
【0075】
図10は、ジョブ管理プログラム403に含まれるクライアントプログラムにより実行される処理の一例を説明するフローチャートである。このクライアントプログラムは、クライアント端末装置101、102、MFP105で動作する。尚、クライアント端末装置101、102、MFP105のクライアントとしての役割は同じであるので、ここでは、フローチャートに従い、クライアント端末装置101の処理を説明する。
【0076】
まず、ジョブ管理プログラム403の開始にあたって、クライアント端末装置101は、必要な初期化処理を行う(ステップS1001)。この初期化処理には、変数の初期化や、各種要求を送受信するための通信設定の初期化等が含まれる。
【0077】
次に、ジョブ管理手段を制御するジョブ管理部が、印刷、FAX送信などのジョブを検出したか判定する(S1002)。これは、クライアント端末装置101では、スプーラキューの状態を監視する等により実施する。S1002でNoの場合は、繰り返しS1002を実行する。即ちジョブ検出の待機状態となる。S1002でYes即ち、ジョブを検出した場合は、ジョブ管理部が検出ジョブを一時停止する(S1003)。これは、システム未登録ユーザのジョブを許可しない場合や印刷上限を超過したユーザのジョブを許可しない場合の措置であり、必須の処理ではない。本発明では、適切なジョブオーナをジョブ或いはジョブログに設定することが出来るため、ユーザ未確認時にジョブを一時停止することで、未登録ユーザ、上限超過ユーザの印刷制限を適切に処理できる。
【0078】
次にジョブ管理部がジョブ情報取得手段702に依り、検出ジョブのジョブ情報を取得する(S1004)。ここで、ジョブ情報とはドキュメント名、ドキュメントサイズ、開始時刻の他、ジョブを実行したユーザ名、ドメイン名、コンピュータ名等のジョブオーナ情報を含む。通常、ジョブのヘッダ部に設定されており、OSのスプーラ部等からも情報取得が可能である。S1004で取得したジョブ情報をジョブ管理部はジョブリストに登録する(S1005)。次にジョブ管理部は、ジョブオーナの修正の可否を判定するための変数を初期化する(S1006)。具体的には、元ジョブオーナをOに代入し、比較のための変数、確認処理を実施する確認ユーザAをOで初期化する。
【0079】
次に、ジョブ管理部は、ユーザAに関して、後述のユーザ確認処理を実行する(S1007)。ユーザ確認処理は修正判定手段704に該当する。本実施例では、ユーザ確認処理は、修正レベル「必須」=1、「任意」=2、「不要」=0を返すものとする。修正レベルとは、ジョブオーナ変更のレベルであり、「必須」は必ずジョブオーナを変更しなければならず、「任意」は変えてもよい、「不要」は変える必要はないものと定義する。
【0080】
ジョブ管理部は、S1007の返却値=1(必須)であるか判定し(S1008)、Yesの場合は、ジョブ管理部はUI部に依頼して、変更必須用ジョブオーナ変更画面を表示する(S1009)。UI部は画面表示手段、修正入力手段を制御する。この画面は例えば図8のような画面を表示する。図8では、ジョブオーナを変更しなければジョブの続行が不可となっている。また、この例はジョブオーナを特定する情報として、(ユーザの)ドメイン名、ユーザ名、パスワードの入力が必要である場合である。しかし、ドメイン名なしでユーザが特定できる場合は、ドメイン名不要でよく、認証を行わない場合はパスワードの入力も省略してよい。更には部門IDのように、他の情報が必要な場合は、項目を増やすよう構成してもよい。
【0081】
また、「以降、このジョブオーナ名を使用する」にチェックされた場合は、同様にAdministratorのジョブを検出した場合でも、本画面を表示することなく、同指定ユーザを使用することを想定している。
【0082】
以降、UI部は押下されたボタン種及び入力情報について、OK或いはジョブ実行中止ボタン押下による画面クローズ時にジョブ管理部に返す。ジョブ管理部ではこの返却値により、ユーザの指定情報を取得し、判定することができる。
【0083】
S1009で表示された画面でOKボタンが押下されたか、即ちユーザ変更で続行が指示されたかジョブ管理部が判定する(S1010)。更にUI部から返却された指定ジョブオーナ情報をBとすると、BがユーザAと等しいか判定する(S1011)。S1011でYes即ちAとBが等しい場合は変更されていないと同値なので、再度S1009へ戻り、ユーザに再入力を求める。S1011でNo即ちジョブオーナが変更されている場合は、AにBを代入して(S1013)、S1007へ戻り、入力されたジョブオーナの再評価を実施する。S1010でNoの場合、即ち図8でジョブ実行中止ボタンが押下された場合は、UI部からジョブ管理部にジョブ実行中止を返す。これを受け、ジョブ管理部はジョブの実行中止処理及びジョブ削除を行い、S1002へ戻る。
【0084】
S1008でNoの場合は、ジョブ管理部はS1007の返却値=2(任意)であるか判定し(S1014))、Yesの場合はUI部に依頼して、変更任意用ジョブオーナ変更画面を表示する(S1015)。この画面は例えば図9のような画面を表示する。図9ではジョブオーナ名を変更してジョブを続行することも可能であるし、ジョブオーナ名を変更せずにジョブ続行も、ジョブ実行中止も可能である。
【0085】
ここでも、ジョブオーナを特定する情報としてドメイン名、ユーザ名、パスワードを使用しているが、図8同様、必要によりジョブオーナ特定項目の増減を行ってよい。
【0086】
この例では「ジョブオーナ名を変更する」チェックボックスに未チェック時は、「変更しないで続行」ボタンがEnable=押下可能であり、「変更して続行」ボタンがDisable=押下不能となる。S1016で前記ボタンが押下されたか、即ち変更しないで続行が指示されたかジョブ管理部で判定する。S1016でYesの場合はS1021へ、即ちジョブ管理部はジョブを再開し、ジョブオーナ名を変更せずにジョブの実行を可能にする。前記チェックボックスをチェックONにした場合は、「変更して続行」ボタンがEnableになり、「変更しないで続行」ボタンがDisableとなる。これにより、ドメイン名他、ジョブオーナ情報の入力を可能とする。S1016でNoの場合は、「変更して続行」ボタンが押下されたか、即ちジョブオーナを変更して続行が指示されたかジョブ管理部が判定する(S1017)。 UI部から返却された指定ユーザ情報をBとすると、BをAに代入する(S1018)。その後、S1007へ戻り、指定されたユーザを変更前ユーザ同様に判定する。S1017でNoの場合、即ち図9でジョブ実行中止ボタンが押下された場合は、UI部からジョブ管理部にジョブ実行中止を返す。これを受け、ジョブ管理部はジョブの実行中止処理及びジョブ削除を行い、S1002へ戻る。
【0087】
S1014でNoの場合は、S1007の返却値=0(不要)であり、ジョブ管理部は元のジョブオーナOと最終的な指定ユーザAが等しいか判定する(S1020)。S1020でYesの場合は、ジョブ管理部はそのままジョブを再開し(S1021)、S1020でNoの場合は、ジョブ管理部で管理するジョブ情報及び必要ならジョブヘッダのジョブオーナ情報を指定ユーザで書き換える(S1024)。これにより、ジョブログのジョブオーナ情報にユーザ指定オーナを反映することが可能になる。図17はジョブログの一例であり、ユーザ名、及びドメイン名を反映した場合のジョブログ変更例を記載している。S1021の後、ジョブ管理部はジョブ完了後或いはジョブログが生成可能になり次第、ジョブログを作成する(S1022)。更にジョブ管理部はこの作成したジョブログを管理サーバに送信し(S1023),S1002へ戻る。
【0088】
次に、図14と図11のフローチャートを用い、S1007のユーザ確認処理を説明する。
【0089】
本実施例では、クライアント側、即ちクライアント端末101,102、MFP105側に図14のような修正ユーザリストを保持する。図14は、修正を要するユーザの情報を記載するリストであり、"ユーザ名,ドメイン名,修正レベル"のように区切り文字コンマ、セット間区切り文字を改行として列挙したテキストファイルである。このテキストファイルはクライアント側で個別に用意することも、管理サーバ側で用意し、クライアント側では管理サーバからダウンロードして利用するように構成してもよい。また、テキストファイルでなく、同様の効果を得る入力ツールを用意し、バイナリデータで構成してもよい。また、図14の例ではユーザ名、ドメイン名*を指定されると、全てに適用するように構成している。例えば、
Administrator,*,1
に関しては、全ドメインのAdministratorユーザを修正レベル=1(必須)として判定する。
【0090】
*,NULL,1
に関して、ドメイン名NULL(空)の全ユーザを修正レベル=1(必須)として判定する。
【0091】
また、本実施例では修正レベルを組にして記載しているが、図13のように修正レベルを記載せず、ユーザを特定する情報、この場合、ユーザ名とドメイン名のセットのみを記載しても構わない。この場合、修正レベルはシステムスィッチとして固定にするか、修正レベル毎にファイルを分け、ファイル名等で区別することにより、動作を制御するよう構成すればよい。
【0092】
次に図11のフローチャートを用い、修正判定手段704を制御する修正判定部の処理について説明する。
【0093】
まず、修正判定部では、確認処理のための変数として、確認を実施するユーザのユーザ名をu、ドメイン名をdと初期化する(S1101)。次に、このユーザについてユーザ認証処理を行う(S1102)。これは、認証手段715により、認証サーバ103に問い合わせることによって、実現する。認証サーバ問い合わせに必要な認証サーバのアドレス等は、システム設定として保持し、図10、S1001のクライアント初期化処理時に取得しているものとする。修正判定部はS1102の認証処理で認証OKか判定し(S1103)、Noの場合は認証エラーコードと、修正レベル1(必須)を返してユーザ確認処理を終了する。
【0094】
S1103でYesの場合、修正判定部は、以下、説明するように、図14の修正ユーザリストの登録ユーザと比較処理を開始するため、処理に必要な変数を初期化する(S1104)。具体的には修正ユーザリストの登録ユーザ数をCuとし、処理インデックスiを0で初期化する。
【0095】
まず、i<Cuであるか判定、即ち修正ユーザリストの登録ユーザを全て確認したか判定する(S1105)。S1105でYesの場合は修正ユーザリストのi番目のユーザ情報を取得し、取得ユーザ名をx、ドメイン名をy, 修正レベルをzに代入する(S1106)。次に取得ユーザ名xと確認ユーザ名uが一致するか確認し(S1107)、一致した場合、ドメイン名dとyが一致するか確認する(S1108)。この場合の"一致"とは、文字列が一致する場合に加え、前記*による条件一致の場合も含むものとする。
【0096】
S1107とS1108でNoの場合はiをインクリメントし(S1112)、S1105へ戻る。S1108でYesの場合は一致したので取得した修正レベルzを返し(S1119)、ユーザ確認処理を終了する。S1105でNoの場合は一致するユーザが修正ユーザリストに登録されていなかったため、修正判定部は修正レベル0(不要)を返し(S1111)、ユーザ確認処理を終了する。
【0097】
次に管理サーバ側の処理について、図12のフローチャートを用いて説明する。
本実施例では、管理サーバ側の最低限の処理のみ記載している。
【0098】
まず、本ジョブ管理システムの管理サーバ側プログラムの動作にあたり、必要な初期化処理を行う(S1201)。これには、クライアント側からの受信を可能にするための通信処理の初期化、システム設定の取得、変数の初期化なども含まれる。
【0099】
次に、ジョブログを受信したか判定し(S1202)、S1202でNoの場合S1202へ、即ち受信を待機する。S1202でYesの場合は、クライアント側から送信されたジョブログを保存し(S1203),S1202へ戻る。
【0100】
(第2の実施形態)
図17は、本実施形態におけるジョブ管理システムの機能構成の一例を示す図である。
【0101】
第一の実施形態の機能構成例である図7との違いは、管理サーバ側でユーザ情報を管理し、ユーザ分類情報を自動構築するための手段を追加したことである。このため、クライアント端末101側にユーザ確認要求送信手段1811、ユーザ確認結果受信手段1812、メール受信手段1813、メール表示手段1814、ジョブ続行通知手段1816を設けた。更に、管理サーバ104側にユーザ情報管理に必要な手段と、クライアントとの送受信に必要な手段、更新通知のメールに関する手段を設けた。ユーザ情報管理に必要な手段は、ユーザ情報保持手段1823、ユーザ情報取得手段1824、ユーザ情報表示手段1825、ユーザ情報変更入力手段1826、ユーザ情報変更手段1827、付加情報指定手段1833等からなる。クライアントとの送受信に必要な手段は、ユーザ確認要求受信手段1828、ユーザ確認結果送信手段1829、ジョブ続行通知受信手段1834等からなる。メールに関する手段はメール通知設定手段1830、メール生成手段1831、メール送信手段1832等からなる。
【0102】
また、第1の実施形態の説明図7ではクライアント端末101側にジョブログ生成手段709、ジョブログ送信手段710を設けたが、図18では省略している。クライアント端末101で利用するMFP105等のデバイスが、同手段を持つ場合、クライアント端末101では不要であるため、省略が可能である。
【0103】
更に、第1の実施形態の説明図7ではMFP105に関しても、クライアント端末101同様、機能構成を記載したが、本実施形態の説明では省略する。ただし、MFP105に対しても、前述のようにクライアント端末101同様の機能構成を持たせられることは言うまでもない。
【0104】
図18は、ジョブ管理プログラム403に含まれるクライアントプログラムにより実行されるユーザ確認処理の一例を説明するフローチャートである。この処理は、図10のS1007において、図11の修正ユーザリストを使用する方法に代わって実施する。本実施例では、ユーザ確認処理は管理サーバにユーザ確認要求を送信し、結果を受信することによって実施する。
【0105】
まず、管理サーバで設定されているユーザ情報の内、ユーザ特定に寄与するユーザ分類情報を自動構築するための付加情報Eをシステム設定から取得する(S1901)。このシステム設定は、例えば、図16のようなシステム設定UIにより、管理サーバ側で設定され、プログラム初期化処理等で管理サーバから取得しているものとする。図16のUIで付加情報Eは、「分類に使用する属性」として指定され、コンピュータ名、IPアドレス、MACアドレス、部門ID等が選択肢にある。これはユーザのネットワーク環境により、ユーザ名、ドメイン名以外にユーザを特定する付加情報として、管理者により設定される。本例に限らず、その他の情報を使用してもよいことは言うまでもない。図16のUIでは分類に使用する属性として「コンピュータ名」が選択されているので、S1901で取得される付加情報Eはコンピュータ名となる。次に付加情報Eのデータxを取得する(S1902)。コンピュータ名の場合、通常OSより取得が可能である。IPアドレス、MACアドレス等も同様である。その他の情報の場合は、取得手段の構築が必要であるが、本提案の本質とは異なるため、説明を省略する。次に、確認対象ユーザのユーザ名:u,ドメイン名:d, 付加情報E:xであるユーザ確認要求を生成する(S1903)。このユーザ確認要求を管理サーバに送信する(S1904)。この返信を待機し(S1905)、返信が来たら返信結果をユーザ確認結果として返し(S1906)、ユーザ確認処理を終了する。
【0106】
次に、管理サーバ側でユーザ情報を構築するためのクライアント側のジョブ続行通知について、図19のフローチャートを用いて説明する。この処理は、第1の実施形態で説明したクライアントフローのS1016でYesの場合、S1021へ遷移する前に実施する。つまり、ユーザの修正レベル「任意」の場合且つユーザ変更しないで続行した場合のみ、管理サーバ側のユーザ分類情報を更新する。
【0107】
まず、S1901、S1902同様、付加情報Eをシステム設定から取得し(S2001)、付加情報Eのデータxを取得する(S2002)。次に通知対象ユーザのユーザ名:u,ドメイン名:d, 付加情報E:xであるジョブ続行通知を生成する(S2003)。このジョブ続行通知を管理サーバへ送信する(S2004)。返信は待機する必要がないので、S2004でジョブ続行通知処理を終了し、S1021へ遷移する。
【0108】
次に管理サーバ側の処理について、図20のフローチャートを用いて説明する。
【0109】
本実施の形態では、図12の管理サーバの処理に加え、クライアントからのユーザ確認要求、ジョブ続行通知、システム設定要求、ユーザ表示要求に対する処理が追加されている。
【0110】
S2101からS2103の処理は図12で説明したと同様であるので説明を省略する。
【0111】
S2101でNoの場合は、ユーザ確認要求であるか確認する(S2104)。S2104でYesの場合は後述のユーザ確認処理を行い、S2102へ戻る。S2104でNoの場合はユーザ表示要求であるか確認する(S2106)。S2106でYesの場合は、図23のようなユーザ情報設定画面を表示する(S2107)。本例は、ユーザ名:yamada, ドメイン名:NULLであるユーザの情報を示している。このユーザに対し、付加情報E=コンピュータ名として、ユーザ/管理者が明示的に、或いはシステムがジョブ続行通知を受け取ることにより自動的に、コンピュータ名をセットする。ユーザの修正レベルの指定も可能であり、デフォルト状態では修正レベルは不要である。Administrator, user, guest等、匿名性の高いユーザに対しては、ここを「必須」に指定することでユーザにユーザ情報の再入力を強制できる。「必須」に指定したユーザはユーザ情報の自動構築では影響を受けない。
【0112】
図24は図23のUIで表示されるユーザ情報を含む、ユーザ情報のデータ構造の一例である。図23で表示したユーザ情報の他に、印刷上限値や印刷実績値などの情報を持っているが、本特許の本質には関係しないため、説明を省略する。
【0113】
S2107の後はUI画面で修正レベルなどの情報が更新されたか判定し(S2108)、S2108でYesの場合はデータベースの該当ユーザの情報を指定データで更新する(S2109)。S2108,S2109でNoの場合はS2102へ戻る。
【0114】
S2106でNoの場合はジョブ続行通知を受信したか判定し(S2110)、S2110でYesの場合は、後述のジョブ続行通知処理を行い(S2111)、S2102へ戻る。S2110でNoの場合はシステム設定要求を受信したか判定し(S2112)、S2112でYesの場合は、前述の図16のようなシステム設定UIを表示する(S2113)。UI上で付加情報などの情報が更新されたか判定し(S2114)、更新があった場合、即ちS2114でYesの場合は指定データでシステムを更新する(S2115).S2112, S2114でNoであった場合はS2102へ戻る。
【0115】
次に、前述のS2104のユーザ確認処理について、図22のフローチャートを用い、説明を行う。
【0116】
まず、システム設定から付加情報Eを取得する(S2201)。対象のユーザ確認要求からユーザ名:U、ドメイン名:D,付加情報E:データxを取得する(S2202)。前記値が正常に取得できたか等、要求のデータが正常であるか判定する(S2203)。例えば、付加情報の種類が変更された場合に、クライアント側がその変更を反映したシステム設定を取得していない場合、付加情報Eが異常である(種類が異なる)場合がある。異常な場合、即ちS2203でNoの場合は原因別のエラーコードを返し(S2210)、ユーザ確認処理を終了する。
【0117】
S2203でYesの場合はデータベース上で、ユーザ名=U,ドメイン名=Dを満たすユーザを検索する(S2204)。S2204で該当ユーザの有無を判定し(S2205)、S2205でNoの場合は該当ユーザなしを返し(S2211)、ユーザ確認処理を終了する。S2205でYesの場合は、検索されたユーザOの付加情報Eのデータy, 修正レベルLを取得する(S2206)。データyが存在するか判定し(S2207)、存在する場合、即ちS2207でYesの場合はデータyに確認対象の付加情報データxが含まれるか判定する(S2208)。S2208でYesの場合は該当ユーザありとして、ユーザOのユーザID、修正レベルLを返し(S2209)、クライアントへ返信(S2214)、ユーザ確認処理を終了する。S2207及びS2208でNoの場合は修正レベルLが「不要(=0)」であるか判定し(S2212)、S2212でYesの場合は該当ユーザOのデータベース上の修正レベルデータを「任意(=2)」に変更する(S2214)。ユーザ確認「不要」と設定されているにも関わらず、登録されていないユーザからユーザ確認要求が来たため、ユーザ修正レベルを「任意」に変更することで、ユーザ分類情報を構築する準備ができる。S2213の次、及びS2212でNoの場合、S2209へ遷移する。
【0118】
次に、前述のS2111のジョブ続行通知処理について、図22のフローチャートを用い、説明を行う。
【0119】
まず、システム設定から付加情報Eを取得する(S2301)。対象のジョブ続行通知からユーザID:Iu、付加情報E:データxを取得する(S2302)。次にデータベース上でユーザID=Iuである登録ユーザ情報を検索する(S2303)。該当ユーザOがあったか判定し(S2304)、S2304でYesの場合、検索されたユーザの付加情報Eのデータy及びユーザの修正レベルLを取得する(S2305)。次に、データyに確認対象の付加情報データxが含まれるか判定し(S2208)、S2208でYesの場合及びS2304でNoの場合は更新処理が不要なのでジョブ続行通知処理を終了する。S2306でNoの場合は該当ユーザのデータベース上の付加情報Eにxを追加する(S2307)。次に、修正レベルLが「任意(=2)」であるか判定し(S2308)、S2308でYesの場合は該当ユーザのデータベース上の修正レベルを「不要(=0)」に変更する(S2309)。次に管理者/ユーザ本人にメール通知を行う(S2310)。このメール通知の実施の有無及び通知先は、図16のシステム設定UIの設定のように、管理者により制御できてもよい。これは図17のメール通知設定手段1830に相当する。図16の例では、「ユーザ情報の更新時、メールで通知する」がチェックされているので、メール通知が実施される。また、通知先は同UI上で通知先に「管理者」及び「ユーザ本人」がチェックされているため、管理者とユーザ本人の双方にメール通知される。
【0120】
メール通知に当たっては、図17のメール生成手段1831により、メールを生成する。宛先は、図24のようにユーザ情報にメールアドレスを保持しているのでこれを利用する。生成されたメールはメール送信手段1832により、メールサーバに送られ、メールサーバを経由してクライアント端末101のメール受信手段1813でメールを受信する。ユーザはこのメールをメール表示手段1814で確認することで、正しくない更新がなされた場合に対処可能となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理サーバにて、管理デバイスのジョブログを収集し、管理するジョブ管理システムであって、
管理デバイスに対し、クライアントユーザが印刷、FAX、スキャン等のジョブを実行するジョブ実行手段(708、748、1808)、
前記ジョブ実行手段に対し、ジョブが発行されたことを検知するジョブ検出手段(701,741,1801)、
前記ジョブのジョブオーナ情報等のジョブ情報を取得するジョブ情報取得手段(702,742,1802)、
前記ジョブ情報取得手段により取得したジョブ情報を管理するジョブ管理手段(703,743,1803)、
前記ジョブオーナ情報の修正の是非を判定する修正判定手段(704,744,1804)、
前記修正判定手段により、修正が必要であると判定された場合、
ジョブオーナ変更画面を表示する画面表示手段(705,745,1805)、
前記画面表示手段により、表示された画面上で、
ユーザがジョブオーナ情報を修正入力するための修正入力手段(706,746,1806)、
前記入力されたジョブオーナ情報についても、前記修正判定手段により
修正の是非を判定する再判定手段(S1007)、
前記修正入力手段により、ユーザによりジョブオーナが変更指示され、且つ
前記再判定手段により、修正が必要でないと判定された場合は、
前記ジョブ或いは前記ジョブ管理部で管理するジョブ情報のジョブオーナ情報を
指定ユーザで変更するジョブ情報変更手段(707,747,1807)、
前記再判定手段で再修正が必要であると判定された場合、
前記画面表示手段により、再度ジョブオーナ変更画面を表示する再表示手段(S1009, S1015)、
前記ジョブ情報の変更を反映したジョブログを生成するジョブログ生成手段(709,749)、
前記ジョブログを管理サーバに送信するジョブログ送信手段(710,750)、
管理サーバ側に
前記ジョブログを受信するジョブログ受信手段(721,1821)、
前記受信したジョブログをデータベースに保存するジョブログ保存手段(722,1822)
を有することを特徴とするジョブ管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2010−287107(P2010−287107A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−141362(P2009−141362)
【出願日】平成21年6月12日(2009.6.12)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】