説明

スクリュータービン装置

軸(6)回りに回転可能である螺旋ブレードを少なくとも一つ備えており、前記ブレード(4)の断面が飛行機の翼の輪郭(15)の形状に作られているスクリュータービン装置(1)であって、前記飛行機の翼の輪郭(15)が前記ブレード(4)の径方向外側端部から前記スクリュータービン(1)のシャフト(2)へと延びているスクリュータービン装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタービンに関し、より詳細には、流動する液体及び気体での両方の使用に適したスクリュータービンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
流れている空気からエネルギーを回収するのに風車を利用することは公知である。流れている水の運動エネルギーを利用するように設計されたタービンは、特に、水槽とタービンの間で高低差がある発電所に関連して、多くの選択肢がある。
【0003】
大きな風力発電所で使用されているタイプの風車は、大きな騒音を発生させており、また、景観を損ねると多くの人々が思っている。しかし、その信頼性は申し分のないものである。
【0004】
文献GB 2057584は、多数のヘリカルロータの組み合わせを備えた風車に関するものである。一つの実施形態では、タービンブレードが、タービンの回転軸から多少離れたところに配置された、飛行機の翼の輪郭からなる略ダリウス形で作られている。WO 01/48374に記載のタービンでは、タービンの回転軸から多少離して配置された飛行機の翼形状をした主タービンブレードに、さらに、飛行機の翼形状をした別の副タービンブレードが設けられており、副タービンブレードの縦軸が主タービンブレードの縦軸に対して傾いている。
【0005】
海流や波の運動から運動エネルギーを回収することは難しい。この種の設備が特に悪天候の間に晒される大きな力に耐えられるような大きさにプラントを作ることに伴う困難がその理由であろう。
【発明の開示】
【0006】
本発明の目的は、従来技術の欠点をなくすことである。
【0007】
本発明によれば、以下の記載及び特許請求の範囲で詳しく述べた特徴によって目的は達成される。
【0008】
適切に成形したスクリュー形状を有するスクリュータービンを流体の流れの中に配置することにより、比較的高い効率が達成される。
【0009】
スクリュータービンは、軸の回りを巻いているスクリューの輪郭で構成されている。実際のスクリューの輪郭は、軸から径方向に突出し、断面の厚さが比較的小さい。スクリューの輪郭は、軸に沿ってピッチが一定であっても変動していてもよい。
【0010】
流体の流れが、スクリュータービンの中心軸に対してスクリューピッチとほぼ同じ角度で流れてスクリュータービンを通り過ぎると、流体の流れは、中心軸の一方の側にあるスクリュータービンのスクリューブレードに実質的に平行にスクリュータービンを流れ、その一方で、中心軸の反対側における流体の流れは、スクリューブレードに当たり、ブレードのこの部分が流体の流れに対する圧力面となる。これにより、スクリュータービンはそれ自身の軸回りに回転する。
【0011】
本発明によれば、ブレードの断面は、飛行機の翼と同様の形状になっている。よって、流体の流れ方向に平行なスクリューブレードの断面は、通常、飛行機の翼の輪郭と類似の輪郭を確定し、中心軸から突出している。
【0012】
従来技術によるスクリュータービンに加えられるトルクのほとんどは、ある領域、すなわち、圧力面に向かって流れる流体から生じる。この圧力面は、流れ方向に対して傾いており、かつ、回転軸から多少離れて配置されている。流動面(flow face)と呼ぶことがあるタービンブレードの一部分が流れ方向に対して上流の位置に向けて回転する本発明のスクリュータービンの場合、トルクは、タービンブレードが流れ方向に対して傾く前であっても、飛行機の翼のような輪郭と実質的に平行に流れ、それによってタービンブレードに接線方向の力を与える流体によっても生成される。
【0013】
圧力面及び流動面は、スクリュータービンが回転している間、スクリュータービンに沿って動く。この種の形状を用いることにより、スクリューブレードの効率が向上する。
【0014】
スクリュータービンの中心軸に対する流体の流れ方向がスクリューピッチとだいたい同じである限り、スクリュータービンは、任意の向きで使用してもよい。
【0015】
例えば水中に沈めるなどの応用例によっては、スクリュータービンに回転可能な取り付け台を設けてもよい。このような応用例の場合、タービンの構造が浮力部材を有し、この浮力部材がタービンを上向きの位置にし、水の流れでタービンの軸が流れ方向に対して好ましい位置に回転するようにしてもよい。タービンは、さらに、例えば係留されている筏の下にある対応する懸垂装置から吊り下げて使用することもできる。
【0016】
タービンブレードの形状は、とりわけ、適用例毎の流体の粘度及び密度に合わせて調整しなければならない。
【0017】
スクリュータービンのシャフトは、それ自体公知の方法によって、電力生成のために発電機に連結する、又はエネルギーを必要とする他の装置、例えばポンプに連結してもよい。
【0018】
以下に、添付の図面に図示した好ましい実施形態の非制限的な例を説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図面において、参照符号1はスクリュータービンを示しており、このスクリュータービンは、シャフト2と、螺旋タービンブレード4とを備えており、シャフト2はベアリング3に回転可能に支持されている。
【0020】
図1は、スクリュータービン1を通って/通過して流れる流体の流入方向からのスクリュータービン1を示している。十分な効率を得るためには、スクリュータービン1の中心軸6に対する流れ方向が、図2に示すように、タービンブレード4のピッチ角8とほぼ等しくなければならない。流動流体は、図1を参照すると、中心軸6の下側であって、タービンブレード4の下方に位置する図1では参照符号12で示した部分の間の開口部10を通過する。
【0021】
タービンブレードの、中央軸6から上方に突出した部分14は、流れに対する障害部を構成しており、したがって、流体がブレード部分14に当たったときに、流動流体から大きな圧力を受ける。これにより、スクリュータービンは、自己の中心軸6回りに回転させられる。
【0022】
タービンブレード4の断面形状がタービン1の水力効率に大きな影響を及ぼすことが分かっている。最大効率は、タービンブレード4の流れ方向に沿った断面が、図2に示すように、飛行機の翼のような断面形状15で構成される場合に達成される。
【0023】
流動流体は、タービンブレード4の上流端16でタービンブレード4と出会うと分割され、断面形状15の上面に沿って流れる流体は、公知の挙動から、必ず速度が上昇し、これにより静圧が下がり、断面形状15の上面と下面の間で圧力差が生じる。この圧力差により、流体の流れ方向に対して上流方向に突出しているタービンブレード4のブレード部分に揚力が加わり、この結果、軸2回りのトルクが増す。
【0024】
図2では、スクリュータービン1が水流の中に取り付けられている。スクリュータービン1のシャフト2は、両端においてベアリング3で支持されており、また、発電機18に接続されている。ベアリング3は、構造部17に連結されている。スクリュータービン1に向かって流れている水によりスクリュータービン1が回転し、これにより、発電機18が電気エネルギーを生成できる。流れ方向は、図2に矢印で示されている。
【0025】
図4を参照して、別の実施形態では、スクリュータービン1が水中に配置されている。スクリュータービン1のシャフト2は、ベアリング3を介して発電機18に連結されている。スクリュータービン1及び発電機18は、海底22の土台20に回転可能に連結されている。この実施形態の例では、タービンブレード4が十分な浮力を有するように作られている。浮力によりスクリュータービン1が直立位置に向けて上昇し、一方で、流動流体の力がスクリュータービン1を流れ方向に、スクリュータービン1が流動流体の方向に対して好ましい向きになるまで回転させる。流れ方向は、図4に矢印で示されている。
【0026】
他の実施形態では、スクリュータービンを適当な固定具に取り付けてもよいし、タービン用の堰堤の一部を形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、流体の上流側から見たスクリュータービンを概略的に示している。
【図2】図2は、スクリュータービンが流体の流れの中に取り付けられている実施形態例を概略的に示している。
【図3】図3は、図2におけるII-II断面を示している
【図4】図4は、スクリュータービンが水中に回転可能に取り付けられている実施形態例を概略的に示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸(6)回りに回転可能である螺旋ブレード(4)を少なくとも一つ備えており、前記ブレード(4)の断面が飛行機の翼の輪郭(15)の形状に作られているスクリュータービン装置(1)であって、前記飛行機の翼の輪郭(15)が前記ブレード(4)の径方向外側端部から前記スクリュータービン(1)のシャフト(2)へと延びていることを特徴とするスクリュータービン装置。
【請求項2】
前記スクリュータービン(1)の前記軸(6)は流動流体に対して傾いており、前記傾きは前記スクリュータービン(1)のピッチ角に実質的に一致していることを特徴とする請求項1による装置。
【請求項3】
前記スクリュータービン(1)は、軸回りに回転可能に取り付け台(20,22)に連結されており、前記軸は、前記スクリュータービン(1)の前記中心軸(6)と一致していないことを特徴とする請求項1による装置。
【請求項4】
前記ブレード(4)のピッチが前記中心軸(6)に沿って変化することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1つ以上による装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−516698(P2006−516698A)
【公表日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−502759(P2006−502759)
【出願日】平成16年1月28日(2004.1.28)
【国際出願番号】PCT/NO2004/000026
【国際公開番号】WO2004/067957
【国際公開日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【出願人】(505287313)
【Fターム(参考)】