説明

スクリューフィーダの異常検出方法および異常検出装置

【課題】信号の検知および解析が容易であり、且つスクリューフィーダのスクリューとスクリューケースの内面との間隔が狭まる異常を確実に検出することができる異常検出方法および異常検出装置を提供する。
【解決手段】異常検出方法は、スクリュー23の回転軸に対して渦電流センサ30のコイル10a,10bの中心軸がねじれまたは平行の位置になるように、一対のコイル10a,10bを有する渦電流センサ30をスクリューケース22の外周面に取り付け、第1のコイル10aと第2のコイル10bとで、電流の向きを互いに異ならせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリューフィーダのスクリューとスクリューケースの内面との間隔が狭まる異常を検出する方法および異常検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、粉粒体を定量的に供給するためにスクリューフィーダが使用されている。スクリューフィーダは、スクリューケースの内部にスクリューを備え、当該スクリューの回転によって、スクリューフィーダの投入口から投入された粉粒体が定量的に排出されるようになっている。
【0003】
スクリューフィーダの定量精度を高めるためには、スクリューとスクリューケースの内面との間隔を、可能な限り狭くすることが好ましい。スクリューとスクリューケースの内面との間隔は、通常、10mm程度になるように設計される。しかし、例えば、スクリューフィーダに粉粒体が片寄って投入された場合には、片寄った粉粒体の重みによって、スクリューの回転軸が変位したり、スクリューが振動したりして、スクリューとスクリューケースの内面とが接近し、ついには互いに接触して傷が付くと、スクリューフィーダの機能低下につながる。さらに、スクリューとスクリューケースとの接触によって削られてできた金属粉が、定量された粉粒体(例えば製品)に混入して、品質問題を引き起こすこともある。
【0004】
そこで、このような問題を防ぐために、スクリューとスクリューケース内面との間隔が狭まる異常を検出する試みがなされている。例えば、特許文献1には、スクリューケースの外周面に渦電流センサを設けることによって、スクリューとスクリューケース内面との間隔が狭まる異常を検出する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−12917号公報(2009年1月22日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、渦電流センサのコイルの中心軸がスクリューの回転軸に対して垂直になるように取り付けるため、渦電流センサから得られる信号には振幅値の異なる2つのピーク(信号)が検出される。このため、2つのピークの内、どちらのピークをスクリューとスクリューケース内面との間隔が狭まる異常として検知して解析するかの判断が難しいという課題を有している。
【0007】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、信号の検知および解析が容易であり、且つスクリューフィーダのスクリューとスクリューケースの内面との間隔が狭まる異常を確実に検出することができる異常検出方法および異常検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る異常検出方法は、渦電流センサによって誘導される渦電流の変化を測定することによって、スクリューフィーダのスクリューとスクリューケースの内面との間隔が狭まる異常を検出する方法であって、上記スクリューの回転軸に対して渦電流センサのコイルの中心軸がねじれまたは平行の位置になるように、一対のコイルを有する上記渦電流センサをスクリューケースの外周面に取り付け、第1のコイルと第2のコイルとで、電流の向きを互いに異ならせることを特徴としている。
【0009】
本発明に係る異常検出方法によれば、スクリューの回転軸に対して渦電流センサのコイルの中心軸がねじれまたは平行の位置になるように、上記渦電流センサをスクリューケースの外周面に取り付けるため、スクリューが上記コイルの磁束を通過するときに、渦電流は1つしか発生しない。すなわち、渦電流センサによって誘導される渦電流の変化(電圧変化)が1つのピーク(信号)として得られるので、信号の検知および解析が容易になり、スクリューフィーダのスクリューとスクリューケースの内面との間隔が狭まる異常を確実に検出することができる。
【0010】
また、第1のコイルと第2のコイルとで、電流の向きを互いに異ならせることによって、それぞれの渦電流センサから誘導される渦電流の変化(電圧変化)をプラス・マイナスの両振れ信号として検出することができる。このため、信号の検知および解析が一層容易である。
【0011】
本発明に係る異常検出方法では、上記渦電流センサを、上記一対のコイルの中心軸が互いに平行になるように配置することが好ましい。
【0012】
スクリューにおける羽根の傾き(回転軸に対する傾き)に対するコイルの中心軸の傾き具合によって、渦電流センサの感度が異なってくる。上記渦電流センサを、上記一対のコイルの中心軸が互いに平行になるように配置することによって、スクリューにおける羽根の傾きに対するコイルの中心軸の傾きを揃えることができる。このため、第1のコイルの感度と第2のコイルの感度とが同じとなり、異常検出の信頼性が向上する。
【0013】
本発明に係る異常検出方法では、上記スクリューにおける羽根の傾きと上記渦電流センサの上記一対のコイルの中心軸とが垂直になるように、上記渦電流センサを取り付けることが好ましい。
【0014】
上記スクリューにおける羽根の傾きと渦電流センサのコイルの中心軸とが垂直になるように、上記渦電流センサを取り付けることによって、スクリューにおける羽根の傾きと渦電流センサにおけるコイルの傾きとを垂直にすることができる。これによって、渦電流センサによって誘導される渦電流の変化(電圧変化)を、最も大きくすることができる。つまり、スクリューにおける羽根の傾きと渦電流センサのコイルの傾きとが垂直にならないように取り付けた場合と比較して、渦電流センサの感度を向上させることができる。
【0015】
本発明に係る異常検出方法では、上記渦電流センサには、1kHz〜5kHzの周波数の交流電流を流すことが好ましい。
【0016】
上記範囲の周波数の交流電流を渦電流センサに流すことによって、渦電流センサの感度を向上させることができる。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明に係る異常検出装置は、スクリューフィーダのスクリューとスクリューケースの内面との間隔が狭まる異常を検出するための装置であって、上記スクリューの回転軸に対して渦電流センサのコイルの中心軸がねじれまたは平行の位置になるように、スクリューケースの外周面に取り付けられる一対のコイルを有する渦電流センサを備えるとともに、第1のコイルと第2のコイルとで、電流の向きが互いに異なるように電流を供給する電流供給手段と、上記渦電流センサによって誘導される渦電流の変化から上記スクリューと上記スクリューケースの内面との間隔を測定する測定手段とを備えていることを特徴としている。
【0018】
本発明に係る異常検出装置に備えられた上記渦電流センサが有する一対のコイルのそれぞれが渦電流を誘導する。つまり、本発明に係る異常検出装置では、2つの渦電流の変化をそれぞれ検出するため、異常検出の信頼性が高い。また、上記電流供給手段は、第1のコイルと第2のコイルとで、電流の向きが互いに異なるように電流を供給するので、それぞれのコイルによって誘導された渦電流の変化(電圧変化)をプラス・マイナスの両振れ信号として検出することができる。このため、信号の検知および解析が容易である。
【0019】
本発明に係る異常検出装置では、上記電流供給手段は、1kHz〜5kHzの周波数の交流電流を供給することが好ましい。
【0020】
上記範囲の周波数の交流電流を渦電流センサに流すことによって、異常検出装置における異常検出の感度を向上させることができる。
【0021】
本発明に係る異常検出装置では、上記渦電流センサは、上記一対のコイルの中心軸が互いに平行になるように、上記スクリューケースの外周面に配置されることが好ましい。
【0022】
スクリューにおける羽根の傾き(回転軸に対する傾き)に対するコイルの中心軸の傾き具合によって、渦電流センサの感度が異なってくる。上記渦電流センサは、上記一対のコイルの中心軸が互いに平行になるように配置することによって、スクリューにおける羽根の傾きに対するコイルの中心軸の傾きを揃えることができる。このため、第1のコイルの感度と第2のコイルの感度とが同じとなり、異常検出装置における異常検出の信頼性が向上する。
【0023】
本発明に係る異常検出装置では、上記測定手段によって測定された結果を表示する表示手段をさらに備えていることが好ましい。
【0024】
本発明に係る異常検出装置が上記表示手段をさらに備えることによって、信号の検知および解析が容易になる。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る異常検出方法は、スクリューの回転軸に対して渦電流センサのコイルの中心軸がねじれまたは平行の位置になるように、上記渦電流センサをスクリューケースの外周面に取り付け、第1のコイルと第2のコイルとで、電流の向きを互いに異ならせることを特徴としている。
【0026】
また、本発明に係る異常検出装置は、スクリューの回転軸に対して渦電流センサのコイルの中心軸がねじれまたは平行の位置になるように、スクリューケースの外周面に取り付けられる一対のコイルを有する渦電流センサを備えるとともに、第1のコイルと第2のコイルとで、電流の向きが互いに異なるように電流を供給する電流供給手段と、上記渦電流センサによって誘導される渦電流の変化から上記スクリューと上記スクリューケースの内面との間隔を測定する測定手段とを備えている構成となっている。
【0027】
本発明によれば、渦電流センサによって誘導される渦電流の変化(電圧変化)が1つのピーク(信号)として得られるので、信号の検知および解析が容易になり、スクリューフィーダのスクリューとスクリューケースの内面との間隔が狭まる異常を確実に検出することができる。この結果、スクリューとスクリューケースとが接触して傷が付いたり、係る接触によって削られてできた金属粉が、定量された粉粒体(例えば製品)に混入して、品質問題を引き起こしたりすることを回避することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】縦型スクリューフィーダに対する渦電流センサの取り付け位置を概略的に示す断面図である。
【図2】渦電流センサが有するコイルを概略的に示す図であり、(a)はコイルの厚さ方向の断面図であり、(b)はコイルの平面図である。図2中の「w」はコイルの幅を表し、「t」はコイルの長さを表す。
【図3】渦電流センサとスクリューとの位置関係を概略的に示す断面図である。
【図4】ジグに固定したコイルを概略的に示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。図4中の「T」はジグの厚さを表す。
【図5】本発明の実施例で用いたスクリューフィーダのモックアップの構成と、スクリューフィーダのモックアップへの渦電流センサの取り付け位置とを概略的に示す断面図である。図5中の「H」はスクリューフィーダのモックアップの上端からコイルの中心までの距離を表す。
【図6】本発明の実施例において得られた、スクリューフィーダのモックアップにおける渦電流センサの電圧変化を示すグラフであり、(a)は一対の直径10mmの角型コイルを有する渦電流センサの結果を表し、(b)は一対の直径15mmの角型コイルを有する渦電流センサの結果を表し、(c)は一対の直径20mmの角型コイルを有する渦電流センサの結果を表す。
【図7】一対のコイルの配置を概略的に示す正面図である。
【図8】渦電流センサと渦流探傷器との配置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施の形態について説明すれば以下の通りであるが、本発明はこの形態にのみ限定されるものではない。
【0030】
なお、本明細書中において数値範囲を示す「A〜B」は、「A以上、B以下」であることを示す。
【0031】
〔1.異常検出方法〕
本発明に係る異常検出方法は、渦電流センサによって誘導される渦電流の変化を測定することによって、スクリューフィーダのスクリューとスクリューケースの内面との間隔が狭まる異常を検出する方法である。具体的には、上記スクリューの回転軸に対して渦電流センサのコイルの中心軸がねじれまたは平行の位置になるように、一対のコイルを有する上記渦電流センサをスクリューケースの外周面に取り付けて、当該渦電流センサによって誘導される渦電流の変化を測定することによって、スクリューフィーダのスクリューとスクリューケースの内面との間隔が狭まる異常を検出する。
【0032】
尚、本明細書において上記「スクリューとスクリューケースの内面との間隔」とは、スクリューが内接する円筒の直径と、スクリューケースの内径との差の1/2を意図している。また、上記「異常」とは、上記「スクリューとスクリューケースの内面との間隔」が、予め規定した一定の範囲(安全基準値)以下となることを意図している。また、上記「検出」とは、検知,測定,計測等と同義に用いられる。
【0033】
ここで、スクリューフィーダについて、図1に示す断面図を参照しながら説明する。図1は、縦型スクリューフィーダ200に対する渦電流センサ30の取り付け位置を概略的に示す断面図である。スクリューフィーダ200は、円筒形のスクリューケース22の上部にホッパー21が設けられている。スクリューケースの中心にはスクリュー23が配置され、その回転軸はホッパー21の中心を通り、軸受25によって回転可能に支持されている。スクリューの回転軸におけるホッパー21に位置する部分には、レーキ24が設けられている。そして、図示しないモータの回転力が減速機を介して回転軸に伝えられ、スクリュー23が回転するようになっている。粉粒体(図示しない)は投入口26から供給され、ホッパー21周囲部分の粉粒体はレーキ24で中央部に集められ、スクリュー23の回転によって下方に移動し、定量的に排出口27から排出される。縦型スクリューフィーダとしては、スクリューの回転軸の一端が軸受によって支持された片持ち型スクリューフィーダ、スクリューの回転軸の両端が軸受によって支持された両持ち型スクリューフィーダが知られている。
【0034】
本発明に係る異常検出方法が対象とするスクリューフィーダは、図1に示すような縦型スクリューフィーダに限定されない。例えば、スクリューの回転軸が水平に(設置面に対して平行に)設けられた横型スクリューフィーダ等も、本発明に係る異常検出方法が対象とするスクリューフィーダに含まれる。
【0035】
ここで、本発明に係る異常検出方法に用いる渦電流センサ30が有するコイル10の一実施形態を、図2を参照しながら説明する。図2は、渦電流センサ30が有するコイル10を概略的に示す図であり、(a)はコイル10の厚さ方向の断面図であり、(b)はコイル10の平面図である。図2中の「w」はコイル10の幅を表し、「t」はコイル10の長さを表す。図2の(a)に示すように、コイル10は、素線1をボビン2の軸に所定の回数巻きつけて形成されている。
【0036】
コイル10は、通常、直径が0.05〜0.5mmの素線1をボビン2の軸に200〜350回巻きつけることによって作製される。素線1としては、コイルの作製に通常用いられる、例えば、エナメル線を用いることができるが、本発明はこれに限定されない。ボビン2としては、例えば、磁石、フェライト、高透磁率金属等を用いることができるが、本発明はこれらに限定されない。上記高透磁率金属としては、例えば、S15C、4−79Moパーマロイ、86Ni電着パーマロイ、49Co−2V−Feパーメンダー等を挙げることができる。後述する実施例では、ボビン2として、S15Cを焼きなまししたものを用いた。S15Cのような炭素鋼を焼なましすることによって炭素鋼の透磁率を向上させることができる。また、本実施形態においては、コイル10は角型コイルであるが、丸型コイルであってもよい。角型コイルであれば、スクリューケースに隙間無く接触させることができるため、渦電流センサの感度を向上させる観点から、コイル10は角型コイルであることが好ましい。
【0037】
コイル10の大きさは、渦電流センサが取り付けられるスクリューフィーダの大きさや、係るスクリューフィーダに備えられたスクリューの形状等を考慮して、適宜選択することができる。コイル10の直径としては、通常、10〜40mm、好ましくは15〜20mmである。ここで、上記「コイル10の直径」とは、コイル10が丸型コイルである場合には、丸型コイルの直径を指し、コイル10が角型コイルである場合には、図2の(b)で示す方向(コイルの中心軸方向)から見て角型コイルが内接する円の直径を指す。コイル10の長さ(図2中、「t」で表す)は、通常、1〜10mm、好ましくは2〜5mmである。本明細書において「コイル10の大きさ」といえば、特に断りがない限り、コイル10の直径を指している。
【0038】
スクリューフィーダ200に対する渦電流センサ30の取り付け方法としては、図1に示すように、スクリュー23の軸に対して渦電流センサ30のコイル10の中心軸がねじれまたは平行の位置になるように、より好ましくはねじれの位置になるように取り付ける。
【0039】
図3は、渦電流センサ30とスクリュー23との位置関係を概略的に示す断面図である。図3中に示す一点鎖線は、渦電流センサ30のコイル10の中心軸を表している。図3に示すように、コイル10からは磁束6が発生している。磁束6をスクリュー23が通過するとスクリュー23に渦電流7が流れ、コイル10に電圧の変化が生じる。本発明に係る異常検出方法では、スクリュー23の回転軸に対して渦電流センサのコイル10の中心軸8がねじれまたは平行の位置になるように、コイル10をスクリューケース22の外周面に取り付けるので、コイル10からは1つの渦電流7が誘導される。それゆえ、スクリュー23の羽根が通過するときの検出信号を、1つのピークとして検出することができる。
【0040】
また、渦電流センサ30の感度を向上させる観点から、スクリューフィーダ200のスクリュー23における羽根の傾き(回転軸に対する傾き)と、渦電流センサ30のコイル10の中心軸8とが垂直になるように、コイル10を取り付けることが好ましい。これにより、スクリューにおける羽根の傾きと渦電流センサ30におけるコイル10の傾きとを垂直にすることができる。これによって、渦電流センサ30によって誘導される渦電流の変化(電圧変化)を、最も大きくすることができる。つまり、スクリューにおける羽根の傾きと渦電流センサ30のコイル10の傾きとが垂直にならないように取り付けた場合と比較して、渦電流センサ30の感度を向上させることができる。
【0041】
また、渦電流センサ30の一方のコイル(第1のコイル)と他方のコイル(第2のコイル)とで、電流の向きを互いに異ならせる。これによって異常検出の信頼性を向上させることができる。上記「電流の向きを互いに異ならせる」とは、例えば、第1のコイルにプラス電流が流されているときには、第2のコイルにはマイナス電流が流されていることを意図している。このような構成であれば、それぞれのコイルによって誘導される渦電流の変化(電圧変化)を、プラス・マイナスの両振れ信号として検出することができるため、信号の検知および解析が容易になる。
【0042】
尚、それぞれのコイルが相互干渉しない限り、第1のコイルおよび第2のコイルの取り付け位置は、特に限定されない。例えば、一対のコイルを近接して並べて取り付けてもよい。但し、一方のコイルを他方のコイルに対して、スクリュー23における羽根同士の間隔(ピッチ)に相当する距離だけ離して取り付けると、一対のコイルが同時に渦電流を発生することとなり、コイル同士の電圧の差を検出することができなくなるため、第1のコイルおよび第2のコイルは、スクリュー23における羽根同士の間隔(ピッチ)と一致しない間隔で取り付けることが好ましい。
【0043】
また、異常検出の信頼性を高める観点から、一対のコイルを、コイルの中心軸が互いに平行になるように配置することが好ましい。スクリュー23における羽根の傾き(回転軸に対する傾き)に対するコイルの中心軸の傾き具合によって、渦電流センサの感度が異なってくる。上記一対のコイルを、コイルの中心軸が互いに平行になるように配置することによって、スクリュー23における羽根の傾きに対するコイルの中心軸の傾きを揃えることができる。このため、第1のコイルの感度と第2のコイルの感度とが同じとなり、異常検出の信頼性が向上する。
【0044】
後述する実施例に示すように、上記第1のコイルと上記第2のコイルとは、ブリッジ回路(電流供給手段)を用いて、渦流探傷器11(図1)に接続されている。
【0045】
スクリューフィーダ200における渦電流センサ30の取り付け位置は、スクリューケース22の外周面である限り、特に限定されない。例えば、スクリュー23の回転軸の一端のみが軸受25によって支持された片持ち型スクリューフィーダに渦電流センサ30を取り付ける場合は、上記回転軸の自由端側の位置に対応するスクリューケース22の外周面に、渦電流センサ30を取り付けることが好ましい。また、スクリュー23の回転軸の両端が軸受25によって支持された両持ち型スクリューフィーダに渦電流センサ30を取り付ける場合は、上記回転軸の中央位置に対応するスクリューケース22の外周面に、渦電流センサ30を取り付けることが好ましい。このような位置は、軸受25から離れているため、スクリュー23の回転軸における他の位置と比較して、回転軸の変位量が多い。それゆえ、このような位置に渦電流センサ30を取り付けることによって、渦電流センサ30の感度をより向上させることができる。その結果、スクリュー23とスクリューケース22の内面との間隔が狭まる異常を効率よく検出することができる。
【0046】
さらに、本実施形態では、渦電流センサ30をスクリューケース22の外周面に貼り付けているが、スクリューケース22に窪みを設けて、渦電流センサ30をスクリュー23により近づくように取り付けることもできる。
【0047】
尚、渦電流センサ30をスクリューケース22の外周面に取り付ける手段は特に限定されるものではない。例えば、スクリューケース22に渦電流センサ30を、ネジ、接着剤等を用いて直接取り付けてもよい。また、後で説明する図4に示すジグ3にコイル10を固定し、ジグ3を介して渦電流センサ30をスクリューケース22に取り付けてもよい。
【0048】
図4は、ジグに固定したコイル10を概略的に示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。図4中の「T」はジグの厚さを表す。図4の(a)に示すように、コイル10をジグ3に固定された構成とすることにより、渦電流センサ30をスクリューケース22の外周面に固定し易くなる。
【0049】
ジグ3の大きさは特に限定されないが、ジグ3の厚さTは、コイル10の大きさと一致するものを用いることが好ましい。本実施形態においては、コイル10として、図2の(b)に示すような正方形の角型コイルを用いており、ジグ3の厚さTは、コイル10の幅w(図2)と一致させている。
【0050】
上述したように、渦電流センサ30の感度を向上させる観点から、渦電流センサ30はスクリューケース22に隙間無く接触(密着)していることが好ましい。このため、ジグ3におけるスクリューケース22の外周面と接触する面の形状は、スクリューケース22の外周面の形状に合わせた曲面となっていることが好ましい。ジグ3を形成する材料として、後述する実施例では、2液混合エポキシ系接着剤であるアラルダイト(商品名)を用いているが、本発明はこれに限定されない。
【0051】
また、上述したように、渦電流センサ30の感度を向上させる観点から、スクリュー23(図1)における羽根の傾き(回転軸に対する傾き)と、渦電流センサ30が有する一対のコイル10の中心軸とが垂直になるように、コイル10を取り付けることが好ましい。この場合、例えば、スクリュー23における羽根の傾きとしての角度が「r」であれば、図4の(a)に示すように、ジグ3の下辺に対するコイル10の傾きが角度rとなるように、コイル10をジグ3に固定してもよい。尚、上記「スクリューにおける羽根の傾きとしての角度r」は、下記式(1)によって求めることができる。
【0052】
r=90°−(スクリューの回転軸と羽根とがなす角度) …(1)
上記のような構成であれば、ジグ3の下辺を水平に(設置面に対して平行に)なるようにスクリューケース22(図1)に固定することによって、渦電流センサ30を所定の角度(角度r)で容易に取り付けることができる。尚、本明細書においては、図4に示すように、コイル10がジグ3に固定されたものを、単に「コイル」と称することがある。
【0053】
渦電流センサ30のコイル10に流す交流電流の周波数は、通常、1〜5kHzであるが、好ましくは2〜3kHzである。コイル10に流す交流電流の周波数が上記範囲内であれば、渦電流の変化を感度よく検出することができる。
【0054】
通常、渦電流の変化は、電圧の変化として渦電流センサ30から取り出される。図1に示すように、スクリューケース22の外周面に取り付けられた渦電流センサ30から取り出された信号(電圧の変化)は、渦電流センサ30に接続された渦流探傷器(測定手段)11によって処理され、これによりスクリュー23とスクリューケース22の内面との間隔が測定される。この結果は、渦流探傷器11に接続されたオシロスコープ(表示手段)12によって表示される。渦流探傷器11、オシロスコープ12としては、特に限定されるものではなく、通常用いられるものを用いることができる。
【0055】
但し、コイル10から発生する磁束6(図3)を横切るスクリュー23の羽根の厚さによって、渦電流センサ30から取り出される信号の大きさ(電圧の変化量)は異なる。具体的には、スクリュー23の羽根の厚さが厚い程、渦電流センサ30から取り出される電圧の変化量は大きくなる。このため、所定の羽根の厚さを有するスクリュー23について、スクリュー23とスクリューケース22の内面との間隔と、渦電流センサ30から取り出される電圧との関係を、予め測定(把握)しておく必要がある。
【0056】
このように、所定の羽根の厚さを有するスクリュー23について、上記間隔と上記電圧との関係を予め把握しておくことにより、当該関係に基づいて電圧の変化量を補正することができるので、スクリュー23とスクリューケース22の内面との間隔を正確に測定することができる。従って、スクリューフィーダ200のスクリュー23とスクリューケース22の内面との間隔が狭まる異常をより確実に検出することができる。
【0057】
このように、スクリュー23およびスクリューケース22の内面の間隔に対応する電圧の変化を、渦電流センサ30を用いて監視することによって、スクリューフィーダ200におけるスクリュー23とスクリューケース22の内面との間隔が狭まる異常を容易に検出することができ、係る異常に対して早期に対応することができる。
【0058】
〔2.異常検出装置〕
本発明に係る異常検出装置は、スクリューフィーダのスクリューとスクリューケースの内面との間隔が狭まる異常を検出するための装置である。具体的には、本発明に係る異常検出装置は、上記スクリューの回転軸に対して渦電流センサのコイルの中心軸がねじれまたは平行の位置になるように、スクリューケースの外周面に取り付けられる一対のコイルを有する渦電流センサを備えるとともに、第1のコイルと第2のコイルとで、電流の向きが互いに異なるように電流を供給する電流供給手段と、上記渦電流センサによって誘導される渦電流の変化から上記スクリューと上記スクリューケースの内面との間隔を測定する測定手段とを備える構成となっている。
【0059】
ここで、上記「一対のコイルを有する渦電流センサ」の配置の一例を図7に基づき説明する。図7は、一対のコイル10を有する渦電流センサ30の配置を概略的に示す正面図である。図7に示すように、第1のコイル10aと第2のコイル10bとで、一対のコイル10を有する渦電流センサ30が構成されている。それぞれのコイル10は、ジグ3に固定されていてもよい。渦電流センサ30の感度を向上させる観点から、一対のコイル10を有する渦電流センサ30は、コイル10の中心軸が互いに平行になるように、スクリューケース22の外周面に配置されることが好ましい。尚、コイル10およびジグ3については、上記「1.異常検出方法」の項において説明した通りであるので、ここでは省略する。
【0060】
本発明に係る異常検出装置における電流供給手段としては、第1のコイル10aと第2のコイル10bとで、電流の向きが互いに異なるように電流を供給できるものであれば特に限定されない。上記電流供給手段によって第1のコイル10aと第2のコイル10bとで、電流の向きが互いに異なるように電流が供給されるので、一対の渦電流センサによって誘導される渦電流の変化(電圧変化)を、プラス・マイナスの両振れ信号として検出することができる。
【0061】
上記一対のコイルを有する渦電流センサの感度を向上させる観点から、上記電流供給手段は、1kHz〜5kHzの周波数の交流電流を供給するものであることが好ましい。上記電流供給手段は、通常、渦流探傷器に備えられている。
【0062】
本発明に係る異常検出装置における測定手段としては、上記渦電流センサによって誘導される渦電流の変化から上記スクリュー23と上記スクリューケース22の内面との間隔を測定することができるものであれば特に限定されない。例えば、通常の渦流探傷器等を用いることができる。渦電流の変化からスクリュー23とスクリューケース22の内面との間隔を測定する具体的な方法については、上記「1.異常検出方法」の項において説明した通りであるので、ここでは省略する。
【0063】
本発明に係る異常検出装置は、上記測定手段によって測定された結果を表示する表示手段をさらに備えていてもよい。
【0064】
上記表示手段としては、上記測定手段によって測定された結果を表示するものであれば特に限定されない。例えば、オシロスコープ(レコーダ)、渦流探傷器のモニター等を用いることができる。
【0065】
本発明に係る異常検出装置は、上述した各手段の他に、上記渦電流センサから出力された信号を増幅する増幅手段、異常検出時に警報を発する警報手段、異常検出時にスクリューフィーダの運転を停止させる停止手段等を備えていてもよい。上記増幅手段は、例えば、上記渦電流センサと上記測定手段との間に設けることができる。
【0066】
本発明に係る異常検出装置において、例えば、所定の羽根の厚さを有するスクリューについて、スクリューとスクリューケースの内面との間隔と、渦電流センサから取り出される電圧との関係を予め測定(把握)しておき、予め規定した一定の電圧(安全基準値)を閾値として設定し、この閾値を上回る電圧が検出された場合には、スクリューとスクリューケースの内面との間隔が所定の間隔よりも接近したと判断して警報を発したり、更には測定手段とスクリューフィーダとを連動させてスクリューフィーダの運転を停止させたりするように設計することもできる。これにより、スクリューフィーダにおけるスクリューとスクリューケースの内面との間隔が狭まる異常に対して、早期に対応することができる。
【0067】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【実施例】
【0068】
〔実験例1〕
(1.スクリューフィーダモックアップ設備)
実施例では、以下のスクリューフィーダモックアップを用いて渦電流センサの性能試験を行った。
・スクリューフィーダモックアップ本体(ナイス社製):
(スクリューケース)
材質:SUS304
外径:114.3mm
厚さ:4mm
(スクリュー)
材質:SUS304
外径:96mm
羽根の厚さ:3mm
羽根同士の間隔(ピッチ):90mm
スクリューとスクリューケースの内面との間隔:6mm(±5mmのスライド調整が可能)
・光電センサ:FS−V31 FU−67V(キーエンス社製)
・回転・速度計:RX−22(キーエンス社製)
・インバータ:FE100(オリエンタルモーター社製)
・渦流探傷器:MiniPhasec(GE Inspection Technolog ies社製)
・レコーダ:HIOKI 8846 MEMORY HICORDER(日置社製)
尚、電流供給手段は、渦流探傷器に内蔵されているためここでは特に説明しない。表示手段としては、記録とディスプレイ表示が可能であることからレコーダ(日置社製)を用いた。光電センサは、スクリューの回転速度を光学式に計測するために取り付けた。
【0069】
(2.渦電流センサの製作)
実施例で用いた渦電流センサの製造方法を以下に説明する。渦電流センサのコイルとして、エナメル線製の直径0.12mmの素線をボビンの軸に320回巻きつけることにより、コイルの直径が10mm,15mmおよび20mmの三種類の角型コイルを作製した。作製した三種類の角型コイルの長さtは、何れも5mmであった。ボビンは、S15Cをボビンの形に加工した後、焼きなまし(900℃,0.5h保持,炉冷)したものを用いた。
【0070】
作製した三種類の角型コイルは、それぞれ、スクリューフィーダモックアップのスクリューにおける羽根の傾き(24°)とコイルの中心軸とが垂直になるように、図4に示す角度rを24°に設定してジグ3に固定した。ジグ3におけるスクリューケースとの接触面は、R57.15とした。これにより、ジグに固定された1対の角型コイルを有する渦電流センサを作製した。
【0071】
(3.渦電流センサの性能試験)
渦電流センサの取り付け位置を、図5を参照しながら説明する。図5は、本発明の実施例で用いたスクリューフィーダのモックアップ300(以下、単に「モックアップ300」と称する)の構成と、モックアップ300のスクリューフィーダへの渦電流センサ30の取り付け位置とを概略的に示す断面図である。図5中の「H」はモックアップ300の上端から渦電流センサ30が有するコイル10の中心までの距離を表している。
【0072】
本実施例では、一対のコイルを有する渦電流センサを、スクリューの回転軸に対して渦電流センサのコイルの中心軸がねじれの位置になるように、モックアップ300のスクリューケースの外周面に取り付けた。また、第1のコイルと第2のコイルとで、電流の向きが互いに異なるように電流を供給した。さらに、第1のコイルおよび第2のコイルは、コイルの中心軸が互いに平行になるようにし、且つ近接させて取り付けた。上記一対のコイルを有する渦電流センサの取り付け位置は、モックアップ300の上端から渦電流センサが有するそれぞれのコイルの中心までの距離Hが約125mmとなる位置にした。
【0073】
そして、上記一対のコイルを有する渦電流センサを渦流探傷器に接続した。図8は、一対のコイルを有する渦電流センサ30と渦流探傷器11との配置を示すブロック図である。図8に示すように、渦流探傷器11にはブリッジ回路が内蔵されており、第一のコイル10aおよび第二のコイル10bを有する渦電流センサ30は、ブリッジ回路を用いて接続されている。渦流探傷器11に内蔵されるブリッジ回路には内部抵抗41aおよび41bが接続されている。第一のコイル10aおよび第二のコイル10bのどちらかのインピーダンスが変化して、ブリッジのバランスが崩れると、検波器43に信号出力される。さらにブリッジ回路には、当該信号を増幅させるための増幅手段である増幅器42と、渦電流センサ30に交流電流を供給するための電流供給手段である発信器40が接続されている。
【0074】
本実施例では、渦電流の検出方式は自己誘導型を、使用方式は自己比較方式を採用した。具体的には、自己誘導型とは励磁と検出とを同一のコイルによって行う方式であり、自己比較方式とは被検査体の異なる部位において電圧の変化を比較する方式である。
【0075】
渦流探傷器の感度は60dBとし、スクリューの羽根の検出信号における位相角を90°とした。また電磁ノイズなどの、高周波のノイズをカットするために渦流探傷器のローパスフィルター25Hzを使用した。ローパスフィルターは、渦流探傷器に内蔵されている。
【0076】
モックアップ300におけるスクリューの回転数は150rpmとし、製作したそれぞれの大きさの渦電流センサに対して、周波数が1kHz〜5kHzの範囲の交流電流を供給し、1kHz毎にデータを採取した。結果を図6に示す。
【0077】
図6は、本発明の実施例において得られた、スクリューフィーダのモックアップ300における渦電流センサの電圧変化を示すグラフであり、(a)は一対の直径10mmの角型コイルを有する渦電流センサの結果を表し、(b)は一対の直径15mmの角型コイルを有する渦電流センサの結果を表し、(c)は一対の直径20mmの角型コイルを有する渦電流センサの結果を表す。図6に示すように、全ての大きさの渦電流センサにおいて、時間(s)に対する電圧の変化(Y振幅値(V))が、両振れ信号として得られることを確認することができた。
【0078】
また、一対の直径10mm角型コイルを有する渦電流センサおよび一対の直径15mmの角型コイルを有する渦電流センサでは3kHzで最大の振幅値が得られ、一対の直径20mmの角型コイルを有する渦電流センサでは2kHzで最大の振幅値が得られた。
【0079】
最大の振幅値が得られた周波数でそれぞれの渦電流センサの振幅値を比較すると、一対の直径20mmの角型コイルを有する渦電流センサが比較的感度が高かったが、その差は2dB程度であり有意な感度の差は認められなかった。コイルの大きさの影響が感度に殆ど出ないのは、渦電流センサのコイルとスクリューケースとが曲面で接触しているため、渦電流センサが検出可能な範囲が限られることが大きな要因と考えられる。
【0080】
今回の検討により、スクリューの回転軸に対して渦電流センサのコイルの中心軸がねじれまたは平行の位置になるように、より好ましくはねじれの位置になるように、上記渦電流センサをスクリューケースの外周面に取り付けることによって、スクリューの羽根の検出信号を1つのピークとして検出することができることが判った。また、電流の向きを互いに異ならせた一対のコイルを有する渦電流センサを取り付けることによって、上記検出信号を両振れ信号として容易に検出することができた。そして、角型コイルの大きさが異なっても感度に大きな差が認められないことから、一対の直径10mm程度のコイルを有する渦電流センサを用いれば、スクリューとスクリューケースの内面との間隔が狭まる異常を十分に検出可能であることが判った。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明に係る方法によれば、容易、且つ確実にスクリューフィーダの異常を検出することができる。従って、本発明に係る異常検出方法は、スクリューフィーダを用いる様々な産業において好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0082】
7 渦電流
10 コイル
10a 第1のコイル
10b 第2のコイル
11 渦流探傷器(測定手段)
22 スクリューケース
23 スクリュー
30 渦電流センサ
200 スクリューフィーダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
渦電流センサによって誘導される渦電流の変化を測定することによって、スクリューフィーダのスクリューとスクリューケースの内面との間隔が狭まる異常を検出する方法であって、
上記スクリューの回転軸に対して渦電流センサのコイルの中心軸がねじれまたは平行の位置になるように、一対のコイルを有する上記渦電流センサをスクリューケースの外周面に取り付け、
第1のコイルと第2のコイルとで、電流の向きを互いに異ならせることを特徴とする異常検出方法。
【請求項2】
上記渦電流センサを、上記一対のコイルの中心軸が互いに平行になるように配置することを特徴とする請求項1に記載の異常検出方法。
【請求項3】
上記スクリューにおける羽根の傾きと上記渦電流センサの上記一対のコイルの中心軸とが垂直になるように、上記渦電流センサを取り付けることを特徴とする請求項1または2に記載の異常検出方法。
【請求項4】
上記渦電流センサには、1kHz〜5kHzの周波数の交流電流を流すことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の異常検出方法。
【請求項5】
スクリューフィーダのスクリューとスクリューケースの内面との間隔が狭まる異常を検出するための装置であって、
上記スクリューの回転軸に対して渦電流センサのコイルの中心軸がねじれまたは平行の位置になるように、スクリューケースの外周面に取り付けられる一対のコイルを有する渦電流センサを備えるとともに、
第1のコイルと第2のコイルとで、電流の向きが互いに異なるように電流を供給する電流供給手段と、
上記渦電流センサによって誘導される渦電流の変化から上記スクリューと上記スクリューケースの内面との間隔を測定する測定手段とを備えていることを特徴とする異常検出装置。
【請求項6】
上記電流供給手段は、1kHz〜5kHzの周波数の交流電流を供給することを特徴とする請求項5に記載の異常検出装置。
【請求項7】
上記渦電流センサは、上記一対のコイルの中心軸が互いに平行になるように、上記スクリューケースの外周面に配置されることを特徴とする請求項5または6に記載の異常検出装置。
【請求項8】
上記測定手段によって測定された結果を表示する表示手段をさらに備えていることを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の異常検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−46470(P2011−46470A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−195667(P2009−195667)
【出願日】平成21年8月26日(2009.8.26)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】