説明

スクロール型流体機械

【課題】簡易にしてスクロールユニットの駆動エネルギーの機械損失を低減することができるスクロール型流体機械を提供する。
【解決手段】スクロールユニット(12)と、フレーム(14)と、可動スクロール(10)をその基面(10b)の中心部にて公転旋回運動可能に支持する支持機構(11)とを備え、支持機構は、フレームの台座部(14b)よりも中心側の底面(14c)、または、可動スクロールの背面(10c)の何れか一方に設けた凹部(50,94)と、凹部に摺回動可能に嵌挿されたブッシュ(72)と、フレームの底面または可動スクロールの背面の何れか他方側から突設された固定軸(16,16a,16b,72e)と、固定軸がブッシュの偏心位置に摺回動可能に係合された係合部(72a,16c)とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクロール型流体機械に係り、詳しくは、単板型スクロールを備えた圧縮機一体型膨張機として用いて好適なスクロール型流体機械に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のスクロール型流体機械には、旋回スクロール(可動スクロール)端板(基板)の片面(基面)に設けた旋回スクロールラップ(ラップ)と、旋回スクロールラップと噛合う固定スクロールラップ(ラップ)とから構成されるスクロールユニットを備え、このスクロールユニットの作動区域を仕切り壁により圧縮作動区域と膨張作動区域とに仕切って圧縮部と膨張部とを形成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4026747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来技術では、可動スクロールに公転旋回運動を付与するため、可動スクロールの基面とは反対側の面である背面に円筒状のボスが突設され、このボスには駆動軸の偏心ピンが連結される。駆動軸は軸受を介してメインフレームに支持されており、電動機等の駆動源により回転駆動される。
また、可動スクロールの背面側にはメインフレームとの間に潤滑油の圧力が作用する背圧室が形成され、可動スクロールは背圧室を介したメインフレームによって公転旋回運動可能に支持されている。
【0005】
ここで、上記駆動軸は一体化された軸本体が偏心ピンにおいて偏心され、偏心ピンとボスとの間、駆動軸の偏心ピン以外の軸部とメインフレームとの間には、それぞれ若干の隙間を有して軸受が設けられている。駆動軸において偏心ピンと上記軸部とが駆動軸の軸線方向に離間していることから、可動スクロールの公転旋回運動に伴い駆動軸に作用するラジアル荷重の作用点と支点との軸線方向の距離が長くなり、上記各隙間の存在も相俟って駆動軸に駆動軸を傾かせる方向に力のモーメント、すなわち可動スクロールの転覆モーメントが作用し、駆動軸がボス及びメインフレームに対して片当たりし易くなる。
【0006】
このような片当たりはスクロールユニットで得られる駆動エネルギーの機械損失を増大させる。詳しくは、流体機械の運転状況によって上記膨張部への作動流体の吸入圧力が高くなる場合には、可動スクロールの回転トルクが増加し、ひいては流体機械による回収動力が増加し、可動スクロールをその外周側へ押しやる押し付け力や駆動軸に作用するラジアル荷重が増加する。この結果、可動スクロール及びメインフレームに対する駆動軸の摩擦抵抗が増大し、上記駆動エネルギーの機械損失が増大する。
【0007】
一方、背圧室の圧力を比較的高圧に管理する、或いは、流体機械の組み付け時にハウジングを構成するシェル同士の隙間に介在させるシムの厚みを調整するといった措置をとることにより、固定スクロールに対する可動スクロールの軸線方向の隙間を適切に管理し、上記駆動エネルギーの機械損失を低減することが考えられる。しかしながら、これでは流体機械の構成が複雑になり、流体機械の組み付け工程に長時間を要するとの問題がある。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、簡易にしてスクロールユニットの駆動エネルギーの機械損失を低減することができるスクロール型流体機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するべく、請求項1記載のスクロール型流体機械は、各基板の各基面にそれぞれ渦巻き状のラップが対向して形成された固定及び可動スクロールからなり、固定スクロールの軸心周りに可動スクロールが公転旋回運動されて固定及び可動スクロールの各ラップ間に作動流体の作動室を形成するスクロールユニットと、可動スクロールをその基面とは反対側である背面の外周部にて公転旋回運動可能に支持する台座部を有するフレームと、可動スクロールをその背面の中心部にて公転旋回運動可能に支持する支持機構とを備え、支持機構は、フレームの台座部よりも中心側の底面、または、可動スクロールの背面の何れか一方に設けられた凹部と、凹部に摺回動可能に嵌挿されたブッシュと、フレームの底面または可動スクロールの背面の何れか他方側から突設された固定軸と、固定軸がブッシュの偏心位置に摺回動可能に係合された係合部とからなることを特徴としている。
【0010】
また、請求項2記載の発明では、請求項1において、支持機構では、凹部と係合部とは固定軸の軸線方向において互いにオーバーラップして配されることを特徴としている。
更に、請求項3記載の発明では、請求項1または2において、ブッシュは、可動スクロール及び固定軸の互いの相対回転を受容する滑り軸受であることを特徴としている。
更にまた、請求項4記載の発明では、請求項1乃至3の何れかにおいて、フレームに対して固定軸またはブッシュを進退可能にして固定スクロールの基面と可動スクロールの基面との隙間を調整する隙間調整手段を備えることを特徴としている。
【0011】
また、請求項5記載の発明では、請求項4において、隙間調整手段は、固定軸またはブッシュのフレームに対する螺進量を調整することにより隙間を調整するねじ機構であることを特徴としている。
更に、請求項6記載の発明では、請求項1乃至5の何れかにおいて、ブッシュには減肉部が形成されることを特徴としている。
【0012】
更にまた、請求項7記載の発明では、請求項1乃至6の何れかにおいて、ブッシュにはバランスウェイトが設けられることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の本発明のスクロール型流体機械によれば、可動スクロールをその背面の中心部にて公転旋回運動可能に支持し、フレームの台座部よりも中心側の底面、または、可動スクロールの背面の何れか一方に設けた凹部と、凹部に摺回動可能に嵌挿されたブッシュと、フレームの底面または可動スクロールの背面の何れか他方側から突設された固定軸と、固定軸がブッシュの偏心位置に摺回動可能に係合された係合部とからなる支持機構を備える。
【0014】
このような支持機構により、可動スクロールの公転旋回運動に伴い発生する固定軸の傾きを凹部または係合部で規制することができるため、固定軸をフレームのみで支持する場合に比して、可動スクロールの転覆を抑制することができ、フレームに対して発生する可動スクロールの摩擦抵抗を低減することができるため、スクロール型流体機械の駆動エネルギーの機械損失を大幅に低減することができる。
【0015】
また、請求項2記載の発明によれば、支持機構では、凹部と係合部とは固定軸の軸線方向において互いにオーバーラップして配される。これにより、固定軸に作用するラジアル荷重の作用点と支点とを固定軸の径方向に並置することができるため、固定軸を傾かせる方向に発生する力のモーメント、すなわち可動スクロールの転覆モーメントを確実に抑制することができる。従って、フレームに対して発生する可動スクロールの摩擦抵抗を確実に低減することができるため、スクロール型流体機械の駆動エネルギーの機械損失を確実に低減することができる。
【0016】
更に、請求項3記載の発明によれば、ブッシュは、可動スクロール及び固定軸の互いの相対回転を受容する滑り軸受である。これにより、可動スクロールの公転旋回運動に伴いブッシュに作用するスラスト荷重とラジアル荷重とをブッシュに一括して受容させることができるため、スラスト用及びラジアル用のベアリングを別個に設ける場合に比して、スクロールユニットの更なる軽量化及び小径化が可能となり、可動スクロールの背面側の空間である背圧室を大きく確保することができる。従って、可動スクロールの低背圧化が可能となるため、固定スクロールに対する可動スクロールの摩擦抵抗を更に低減することができ、スクロール型流体機械の駆動エネルギーの機械損失の更なる低減を図ることができる。
【0017】
更にまた、請求項4記載の発明によれば、フレームに対して固定軸またはブッシュを進退可能にして固定スクロールの基面と可動スクロールの基面との隙間を調整する隙間調整手段を備える。これにより、固定スクロールに対する可動スクロールの軸線方向の寸法誤差に基づいてフレームに対する固定軸の螺進量を調整することができる。従って、簡易な構成で固定スクロールに対する可動スクロールの軸線方向の寸法誤差を適切に管理することができるため、固定スクロールに対する可動スクロールの摩擦抵抗を容易に低減することができ、スクロール型流体機械の駆動エネルギーの機械損失を更に低減することができる。
【0018】
また、請求項5記載の発明によれば、隙間調整手段は、フレームに対する固定軸またはブッシュの螺進量を調整することにより隙間を調整するねじ機構である。これにより、フレームと固定軸またはブッシュとの間にねじ機構を設けるだけの簡易な構成で固定スクロールの基面と可動スクロールの基面との隙間を調整することができて好ましい。
更に、請求項6記載の発明によれば、ブッシュに減肉部が形成されることにより、ブッシュの摺回動時にブッシュから凹部に作用する遠心力を減肉部の大きさや位置によって調整することができるため、ブッシュの凹部における摺回動を容易に円滑にすることが可能となり、スクロール型流体機械の駆動エネルギーの機械損失を更に低減することができる。
【0019】
更にまた、請求項7記載の発明によれば、ブッシュにバランスウェイトが設けられることにより、ブッシュの摺回動時にブッシュから凹部に作用する遠心力をバランスウェイトの重量や大きさ、位置によって調整することができるため、ブッシュの凹部における摺回動を容易に円滑にすることが可能となり、スクロール型流体機械の駆動エネルギーの機械損失を更に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態に係るスクロール型流体機械の縦断面図である。
【図2】図1の固定スクロールをその基面側からみた平面図である。
【図3】図1の可動スクロールをその基面側からみた平面図である。
【図4】図1の可動スクロールの支持機構を拡大した断面図である。
【図5】図4の固定軸の斜視図である。
【図6】図4のブッシュの斜視図である。
【図7】図4の固定軸にブッシュを組み付けた状態を軸部側からみた上面図である。
【図8】図4の支持機構の概略を示した構成図である。
【図9】(a)シールリングを自転阻止機構の固定軸側(可動スクロールの中心側)に配置したとき、(b)シールリングを自転阻止機構の反固定軸側(可動スクロールの外周側)に配置したときの可動スクロールの背圧分布と、固定スクロールに対する可動スクロールの押し付け力分布とを表した概念図である。
【図10】本発明の変形例に係る支持機構を拡大した断面図である。
【図11】本発明の別の変形例に係る支持機構の概略を示した構成図である。
【図12】本発明の別の変形例に係る支持機構の概略を示した構成図である。
【図13】本発明の別の変形例に係る支持機構の概略を示した構成図である。
【図14】本発明の別の変形例に係る支持機構の概略を示した構成図である。
【図15】本発明の別の変形例に係る支持機構の概略を示した構成図である。
【図16】本発明の別の変形例に係るブッシュの斜視図である。
【図17】本発明の別の変形例に係るブッシュの斜視図である。
【図18】本発明の別の変形例に係るブッシュの斜視図である。
【図19】本発明の別の変形例に係るブッシュの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1はスクロール型流体機械1の縦断面図を示している。流体機械1は、例えば、縦置き型の圧縮機一体型膨張機であり、超臨界となる二酸化炭素冷媒が循環するヒートポンプ等の図示しない冷凍サイクルに介挿され、当該冷凍サイクルは図示しない空調機やヒートポンプ式給湯機等に組み込まれており、流体機械1は上記冷媒の圧力によって膨張動作を行う後述の膨張部2と、膨張部2の膨張動作によって圧縮動作を行う後述の圧縮部4とを備えている。
【0022】
流体機械1はハウジング6を備え、ハウジング6内には、主として、固定スクロール8と固定スクロール8に対し公転旋回運動される可動スクロール10とから構成されるスクロールユニット12と、可動スクロール10を公転旋回運動可能に支持するメインフレーム(フレーム)14及び固定軸16と、メインフレーム14とともに固定軸16を支持する支持部材18とが配設されている。
【0023】
ハウジング6は、メインフレーム14の外周部14aと、メインフレーム14の上部を覆うキャップ状のトップシェル20と、メインフレーム14の下部を覆うキャップ状のボトムシェル22とから構成されている。ハウジング6は、シェル20,22をOリング23を介し外周部14aを挟み込むようにしてボルト25で互いに締結することにより密閉されている。密閉されたハウジング6内には、流体機械1の作動流体として上記冷凍サイクルから取り込んだ冷媒を圧縮部4にて圧縮した圧力が作用している。
【0024】
詳しくは、トップシェル20には、冷凍サイクルから取り込んだ冷媒を膨張部2に吸入する膨張側吸入管24と、膨張部2にて膨張された冷媒を冷凍サイクルに向けて吐出する膨張側吐出管26と、圧縮部4にて圧縮された冷媒を冷凍サイクルに向けて吐出する圧縮側吐出管28とが接続されている。膨張側吸入管24と膨張側吐出管26とは、固定スクロール8の基板8a内に形成された膨張側吸入室30と膨張側吐出室32とにそれぞれ開口され、圧縮側吐出管28は、トップシェル20の内側に形成された圧縮側吐出室34に開口されている。
【0025】
また、メインフレーム14の外周部14aには、冷凍サイクルから取り込んだ冷媒を圧縮部4に吸入する圧縮側吸入管36が接続され、圧縮側吸入管36と膨張側吐出管26とは、固定スクロール8の基板8a内に形成された圧縮側吸入室38と、膨張側吐出室32とにそれぞれ開口されている。
【0026】
一方、ボトムシェル22の内側には潤滑油室40が形成され、潤滑油室40にはスクロールユニット12を潤滑するための潤滑油が貯留される。
圧縮側吸入室38には、固定スクロール8の基板8a及びメインフレーム14を貫通する後述の送油孔62(図2参照)が開口され、送油孔62を介して潤滑油室40の潤滑油が圧縮側吸入室38に送油される。
【0027】
また、固定軸16内には、固定軸16の軸線方向に沿って給油路42が穿設され、給油路42は潤滑油室40と、固定軸16の上端側の後述するボス(凹部)50内の空間とに開口されている。
固定スクロール8はメインフレーム14の外周部14aの内側に固定され、固定スクロール8の基板8aの圧縮側吸入室38よりも固定スクロール8の径方向で若干中心側には後述する圧縮側吐出孔44が貫通して形成されている。圧縮側吐出孔44の圧縮側吐出室34に対する開口部には、冷媒中の潤滑油を分離するオイルセパレータ45が装着されている。
【0028】
可動スクロール10はメインフレーム14の台座部14bにオルダムリング等の自転阻止機構46を介して自転することなく公転旋回運動可能に支持され、自転阻止機構46の外周側には環状のシールリング48が設けられている。これら自転阻止機構46及びシールリング48は台座部14bに嵌挿され、可動スクロール10の公転旋回運動に伴い基板10aの基面10bとは反対側の面である背面10cに摺接される。更に、可動スクロール10の背面10cには、後述するブッシュ72が摺回動可能に嵌挿される円筒状のボス50が突設されている。
【0029】
ここで、本実施形態のスクロールユニット12は、圧縮機一体型膨張機において1組の固定スクロール8及び可動スクロール10によって冷媒の作動室としての圧縮部4と膨張部2との両方を形成可能な、いわゆる単板型スクロールユニットであり、固定軸16は、メインフレーム14とともに可動スクロール10を公転旋回運動可能に支持するのみであって、固定軸16自体が回転駆動されることはない。
【0030】
詳しくは、図2に示されるように、固定スクロール8の基面8bには、環状の中間仕切り壁(環状壁)52と、環状の外側仕切り壁54とが立設され、中間仕切り壁52と外側仕切り壁54との間には渦巻状の外側固定スクロールラップ(ラップ)56、中間仕切り壁52よりも中心側には渦巻状の内側固定スクロールラップ(ラップ)58がそれぞれ立設されている。また、基面8bにはシールリング59(図1参照)が嵌挿される環状溝61が中間仕切り壁52の端面に凹設されている。
【0031】
固定スクロール8の基板8aには、圧縮側吸入室38が外側仕切り壁54の若干内側の圧縮部4の外周端に形成され、中間仕切り壁52の若干外側の圧縮部4の内周端に圧縮側吐出孔44が形成されている。また、基板8aには、膨張側吐出室32が中間仕切り壁52の若干内側の膨張部2の外周端に形成され、膨張側吸入室30が膨張部2の内周端である中心部に形成されている。更に、基板8aには、外側仕切り壁54の若干外側に環状の油溝60が形成され、油溝60上に設けられた溝幅よりも大きい直径で所定の深さで座ぐり加工を施して形成した凹部の底面に上述した送油孔62が形成されている。
【0032】
一方、図3に示されるように、可動スクロール10の基面10bには、外側固定スクロールラップ56に噛合う渦巻状の外側可動スクロールラップ(ラップ)64と、内側固定スクロールラップ58に噛合う渦巻状の内側可動スクロールラップ(ラップ)66とが相反する渦巻の方向で立設されている。
上述したスクロールユニット12によれば、中間仕切り壁52よりも内側に膨張部2が形成され、中間仕切り壁52と外側仕切り壁54との間に圧縮部4が形成される。
【0033】
詳しくは、図1中にて実線矢印で示されるように、膨張側吸入管24から吸入された冷媒は、膨張側吸入室30を経て膨張部2に取り込まれ、各スクロール8,10が互いに協働することによって各ラップ58,66間に形成された膨張室にて膨張される。膨張室は、各スクロール8,10の外周側に向けて移動しながらその容積が増大され、これに伴い可動スクロール10が固定スクロール8の軸心周りに公転旋回運動される。
【0034】
可動スクロール10の公転旋回運動に供した冷媒は膨張側吐出室32を経て膨張側吐出管26を介しハウジング6外の冷凍サイクルに向けて吐出される。
一方、圧縮側吸入管36から吸入された冷媒は、圧縮側吸入室38を経て圧縮部4に取り込まれ、上述した膨張室の形成に伴い可動スクロール10が固定スクロール8の軸心周りに公転旋回運動することにより、各スクロール8,10が互いに協働することによって各ラップ56,64間に形成された圧縮室にて圧縮される。圧縮室は、可動スクロール10の公転旋回運動に伴い各スクロール8,10の中心に向けて移動しながらその容積が減少される。そして、圧縮室の容積の減少に伴い高圧にされた冷媒は、圧縮側吐出孔44、圧縮側吐出室34を経て圧縮側吐出管28を介しハウジング6外の冷凍サイクルに向けて吐出される。
【0035】
更に、この過程において、図1中にて点線矢印で示されるように、圧縮側吐出孔44から圧縮側吐出室34に吐出される冷媒は、オイルセパレータ45を通過する際に冷媒中の潤滑油が分離される。冷媒から分離された潤滑油は固定スクロールの基板の外周面に形成される切欠部47とメインフレーム14の内周面との間に形成された油戻路63を経て潤滑油室40に貯留される。潤滑油室40に貯留された潤滑油は、その高圧によって給油路42を上昇して固定軸16の上端から吐出され、後述のニードルベアリング70、円錐ころ軸受78、ベアリング80(何れも図4参照)を潤滑した後に、メインフレーム14の台座部14bと可動スクロール10の背面10cとの間に形成される背圧室68に至る。
【0036】
背圧室68では、潤滑油によって自転阻止機構46と台座部14b及び可動スクロール10の背面10cとの摺動部などが潤滑されるとともに、後述するように潤滑油の圧力によって可動スクロール10が固定スクロール8に対して押圧付勢され、これより固定スクロール8に対する可動スクロール10の円滑な公転旋回運動が可能となる。
このように、流体機械1では、冷媒の膨張エネルギーによってスクロールユニット12が駆動され、このスクロールユニット12の駆動力によって冷媒の圧縮エネルギーが発生する。この際、上述したように、固定軸16はメインフレーム14とともに可動スクロール10を公転旋回運動可能に支持する支持機構11を構成している。
【0037】
詳しくは、図4の可動スクロール10の支持機構11を拡大した断面図に示されるように、固定軸16の上端には軸部(固定軸)16aが形成され、軸部16aはニードルベアリング70を介してブッシュ72の孔部(係合部)72aに嵌挿されている。
一方、固定軸16の下端には軸部16aから拡径された基部(固定軸)16bが形成され、固定軸16は基部16bにおいてメインフレーム14及び支持部材18に対して固定される。
【0038】
詳しくは、基部16bの外周面にはねじ部74が形成され、ねじ部74をメインフレーム14の底面14cに貫通された底孔14dと、メインフレーム14の下端面に配された支持部材18に貫通された貫通孔18aとに螺合することによって、固定軸16がメインフレーム16に締結される(ねじ機構、隙間調整手段)。
また、基部16bの下端面には治具穴76が設けられ、治具穴76に図示しない治具を嵌合して操作することにより、スクロールユニット12の組み付け段階においてメインフレーム14に対する固定軸16の螺進量を調整し、基面8b、10b間の隙間を調整することができる。
【0039】
一方、ブッシュ72は円錐ころ軸受78を介してボス50に摺回動可能に嵌挿されている。円錐ころ軸受78は、可動スクロール10の公転旋回運動に伴いブッシュ72に作用するスラスト荷重とラジアル荷重とを一括して受容している。
また、ブッシュ72の下端にはボス50の径よりも大きく拡径された鍔部72bが形成され、鍔部72bと基部16bとの間にはベアリング80が配設されている。更に、鍔部72bには断面視L字形状のバランスウェイト82が一体に形成され、バランスウェイト82は可動スクロール10とメインフレーム14との間の空間84において可動スクロール10の公転旋回運動に伴い回転される。
【0040】
このように、固定軸16はニードルベアリング70、ブッシュ72、円錐ころ軸受78、ベアリング80を介して可動スクロール10を公転旋回運動可能に支持しており、支持機構11は、ボス50、ブッシュ72及びその孔部72a、固定軸16の軸部16a及び基部16bから構成されている。
ここで、図5の固定軸16の斜視図にも示されるように、軸部16aは固定軸16全体の軸心86と同芯を有して形成され、偏心されていない。
【0041】
一方、図6のブッシュ72の斜視図にも示されるように、孔部72aはブッシュ72全体の軸心88に対して偏心された位置に設けられている。換言すると、図7の固定軸16にブッシュ72を組み付けた状態を軸部16a側からみた上面図に詳しく示されるように、ブッシュ72は、固定スクロール8に対する可動スクロール10の円滑な公転旋回運動が可能な所定の偏心率にて、固定軸16及びその軸部16aの軸心86に対し偏心して組み付けられる。
【0042】
また、図8の支持機構11の概略構成図に示されるように、支持機構11では、ボス50と孔部72aとは軸部16aの軸線方向において互いにオーバーラップして配される。
詳しくは、可動スクロール10の公転旋回運動に伴い軸部16aがその軸線方向にニードルベアリング70を介して摺接される孔部72aの内周面72cと、可動スクロール10の公転旋回運動に伴いブッシュ72がその軸方向に円錐ころ軸受78を介して摺接されるボス50の内周面50aとは、軸部16aの軸線方向において少なくとも一部が重なるようにして位置づけられている。また、孔部72aは貫通孔に限らず、有底孔としても良い。
【0043】
以上のように、本実施形態では、一般に偏心ピンが一体化された偏心軸に換えて、偏心軸を真心の固定軸16と、固定軸16の軸心に対して偏心された位置に固定軸16が挿通されるブッシュ72とに分割して構成し、支持機構11によって可動スクロール10を公転旋回運動可能に支持している。
このような支持機構11により、可動スクロール10の公転旋回運動に伴い発生する軸部16aの傾きを孔部72aで規制することができるため、軸部16aをフレーム14のみで支持する場合に比して、特に孔部72aを図8に示されるように有底孔とした場合には、可動スクロール10の転覆を効果的に抑制することができ、フレーム14に対して発生する可動スクロール10の摩擦抵抗を低減することができるため、流体機械1の駆動エネルギーの機械損失を大幅に低減することができる。
【0044】
また、支持機構11では、ボス50と孔部72aとは軸部16aの軸線方向において互いにオーバーラップして配される。これにより、軸部16aに作用するラジアル荷重の作用点と支点とを軸部16aの径方向に並置することができるため、軸部16aを傾かせる方向に発生する力のモーメント、すなわち可動スクロール10の転覆モーメントを抑制することができる。従って、可動スクロール10の転覆を確実に抑制することができ、フレーム14に対して発生する可動スクロール10の摩擦抵抗を確実に低減することができるため、流体機械1の駆動エネルギーの機械損失を確実に低減することができる。
【0045】
また、固定軸16の基部16bにねじ部74と治具穴76とを形成することにより、スクロールユニット12の組み付け段階において、固定スクロール8に対する可動スクロール10の軸線方向の寸法誤差に基づいてメインフレーム14に対する固定軸16の螺進量を調整することができる。従って、簡易な構成で固定スクロール8に対する可動スクロール10の軸方向の寸法誤差を適切に管理することができるため、固定スクロール8に対する可動スクロール10の摩擦抵抗を容易に低減することができ、流体機械1の駆動エネルギーの機械損失を更に低減することができる。
【0046】
また、ブッシュ72にバランスウェイト82が設けられることにより、ブッシュ72の摺回動時にブッシュ72からボス50に作用する遠心力をバランスウェイト82の重量や大きさ、位置によって調整することができるため、ブッシュ72のボス50における摺回動を容易に円滑にすることが可能となり、流体機械1の駆動エネルギーの機械損失を更に低減することができる。
【0047】
更に、背圧室68においてシールリング48が自転阻止機構46よりも可動スクロール10の外周側に配されることにより、シールリング48が自転阻止機構46よりも可動スクロール10の中心側に配される場合に比して、背圧室68における加圧範囲を大きくすることができ、可動スクロール10に対する必要な押圧力を低い背圧で得ることができる。
【0048】
詳しくは、図9(a)は、シールリング48を自転阻止機構46の固定軸16側(可動スクロール10の中心側)に配置したときの可動スクロール10の背圧Pbの分布と、固定スクロール8に対する可動スクロール10の押し付け力Fpの分布とを示している。この場合には、背圧室68におけるシールリング48の固定軸16側、すなわちシールリング48の内側の領域である内側受圧領域68aの面積が小さくなるため、押し付け力Fpで可動スクロール10の全体を押し上げるためには、内側受圧領域68aに高圧を付与し、シールリング48の反固定軸16側、すなわちシールリング48の外側の領域である外側受圧領域68bの圧力も高くする必要がある。
【0049】
これに対し本実施形態では、シールリング48を自転阻止機構46の反固定軸側(可動スクロール10の外周側)に配置し、図9(b)には、このときの可動スクロール10の背圧分布と、固定スクロール8に対する可動スクロール10の押し付け力分布とが示されている。この場合には、内側受圧領域68aの面積が大きくなり、図9(a)の場合に比して低い背圧Pbで図9(a)の場合と同様の大きな押し付け力Fpを得ることができる。従って、シールリング48の位置を変更するだけの簡易な構成で、固定スクロール8に対する可動スクロール10の押圧面圧を小さくすることができるため、更に簡易にしてスクロールユニット12の性能を向上することができて好ましい。
【0050】
しかも、固定スクロール8に対する可動スクロール10の軸線方向における離間防止の為の背圧を適切に管理するために潤滑油を昇圧する等の複雑な潤滑油回路を形成してシールリング48の内周側の背圧室68の圧力を高める必要はない。従って、スクロールユニット12に対するオイル供給手段を簡素化することができるため、より一層簡易にしてスクロールユニット12の性能を向上することができて好ましい。
【0051】
以上で本発明の実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、上記実施形態では、ボス50とブッシュ72との間に円錐ころ軸受78を介装しているが、これに限らず、変形例として、図10の本発明の変形例に係る支持機構を拡大した断面図に示されるように、ボス50の内周面50bとブッシュ72の外周面72dとの間にスラストベアリング90を設け、ボス50の端面50cと鍔部72bとの間にラジアルベアリング92を設けるようにしても良い。但し、円錐ころ軸受78を設ける場合には、可動スクロール10の公転旋回運動に伴いブッシュ72に作用するスラスト荷重とラジアル荷重とを円錐ころ軸受78に一括して受容させることができるため、上記スラスト及びラジアルベアリング90,92を別個に設ける場合に比して、流体機械1の構成が簡素化されて好適である。
【0052】
更に、上記実施形態及び変形例のように、円錐ころ軸受78やベアリング70、90、92を設けることなく、ブッシュ72自体を可動スクロール10及び軸部16aの互いの相対回転を受容する滑り軸受としても良い。この場合には、可動スクロール10の公転旋回運動に伴いブッシュ72に作用するスラスト荷重とラジアル荷重とをブッシュに一括して受容させることができる。
【0053】
しかも、円錐ころ軸受78やベアリング70、90、92を設ける場合に比して、スクロールユニット12の更なる軽量化及び小径化が可能となり、背圧室68を大きく確保することができる。従って、可動スクロール10の低背圧化が可能となるため、固定スクロール8に対する可動スクロール10の摩擦抵抗を更に低減することができ、流体機械1の駆動エネルギーの機械損失の更なる低減を図ることができる。
【0054】
更に、上記実施形態では、各基面間の隙間調整手段として、ねじ部74と治具穴76とからなるねじ機構が用いられているが、基部16bをメインフレーム16に対して進退可能にして各基面8b、10b間の隙間を調整可能であればこれに限定されない。
更にまた、上記実施形態では、支持機構11は、ボス50、ブッシュ72、基部16b、軸部16a、孔部72aから構成されるが、これに限らず、図11に示されるように、ボス50の代わりに凹部94をフレーム14の底面14cに設け、この凹部94にブッシュ72を摺回動可能に嵌挿し、基部16bを可動スクロール10の背面10cから突設しても良い。
【0055】
また、図8の変形例として図12に示し、図11の変形例として図13に示すように、基部16bを有さないで軸部16aのみで固定軸16を形成しても良い。この場合には、固定軸16の軸線方向を更に短くすることができるため、スクロールユニット12を更に軽量化及び小型化することができて好ましい。
また、図14に示されるように、ボス50にブッシュ72を摺回動可能に嵌挿し、基部16bをフレーム14の底面14cから突設し、軸部16aを有さないで基部16bのみで固定軸16を形成し、孔部72aの代わりに孔部(係合部)16cを基部16bに設け、軸部16aの代わりに軸部(固定軸)72eをブッシュ72に埋設して形成し、基部16bの外周部をブッシュ72の内方に嵌め込むことによって、孔部16cに軸部72eを摺回動可能に嵌挿しても良い。
【0056】
また、図15に示されるように、凹部94にブッシュ72を摺回動可能に嵌挿し、基部16bを可動スクロール10の背面10cから突設し、軸部16aを有さないで基部16bのみで固定軸16を形成し、図14の場合と同様に、孔部16cを基部16bに設け、軸部72eをブッシュ72に埋設して形成し、基部16bの外周部をブッシュ72の内方に嵌め込むことによって、孔部16cに軸部72eを摺回動可能に嵌挿しても良い。この図14、15の場合にも、固定軸16の軸線方向を更に短くすることができるため、スクロールユニット12を更に軽量化及び小型化することができて好ましい。
【0057】
これらの図11〜15の場合にも、軸部16aをフレーム14のみで支持する場合に比して、可動スクロール10の転覆を抑制することができ、フレーム14に対して発生する可動スクロール10の摩擦抵抗を低減することができるため、流体機械1の駆動エネルギーの機械損失を大幅に低減することができる。
更に、図16〜19に示されるように、バランスウエイト82に換えて、またはバランスウエイト82と併用し、鍔部72の一部を扁平な形に切り欠いたり、或いは、ブッシュ72をその軸線方向や径方向に向けて貫通または凹ませて肉抜きして形成した減肉部96を設けても良い。
【0058】
この場合には、ブッシュ72の摺回動時にブッシュ72からボス50に作用する遠心力を減肉部96の大きさや位置によって調整することができるため、ブッシュ72のボス50における摺回動を容易に円滑にすることが可能となり、流体機械1の駆動エネルギーの機械損失を更に低減することができる。
特に、減肉部96の大きさや位置を調整することによってバランスウェイト82が不要となったり、小型化できたりする場合には、スクロールユニット12の更なる軽量化及び小型化が可能となり、背圧室68の容量を大きく確保することができる。従って、可動スクロール10の低背圧化が可能となるため、固定スクロール8に対する可動スクロール10の摩擦抵抗を更に低減することができ、流体機械1の駆動エネルギーの機械損失の更なる低減を図ることができて好ましい。
【0059】
最後に、上記実施形態では、単板型のスクロールユニット12を有する圧縮機一体型膨張機に本発明を適用した場合について説明しているが、これに限らず、本発明は、単一のスクロールユニットを有する膨張機や圧縮機など、スクロールユニットを備えたあらゆる流体機械にも適用することは可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 スクロール型流体機械
8 固定スクロール
8a 固定スクロールの基板(基板)
8b 固定スクロールの基板の基面(基面)
10 可動スクロール
10a 可動スクロールの基板(基板)
10b 可動スクロールの基板の基面(基面)
10c 可動スクロールの基板の背面(背面)
11 支持機構
12 スクロールユニット
14 メインフレーム(フレーム)
14a 外周部
14b 台座部
14c 底面
16 固定軸
16a 軸部(固定軸)
16b 基部(固定軸)
16c 孔部(係合部)
50 ボス(凹部)
56 外側固定スクロールラップ(ラップ)
58 内側固定スクロールラップ(ラップ)
64 外側可動スクロールラップ(ラップ)
66 内側可動スクロールラップ(ラップ)
72 ブッシュ
72a 孔部(係合部)
72e 軸部(固定軸)
82 バランスウェイト
94 凹部
96 減肉部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各基板の各基面にそれぞれ渦巻き状のラップが対向して形成された固定及び可動スクロールからなり、前記固定スクロールの軸心周りに前記可動スクロールが公転旋回運動されて前記固定及び前記可動スクロールの前記各ラップ間に作動流体の作動室を形成するスクロールユニットと、
前記可動スクロールをその前記基面とは反対側である背面の外周部にて公転旋回運動可能に支持する台座部を有するフレームと、
前記可動スクロールをその前記背面の中心部にて公転旋回運動可能に支持する支持機構とを備え、
前記支持機構は、
前記フレームの前記台座部よりも中心側の底面、または、前記可動スクロールの前記背面の何れか一方に設けられた凹部と、
前記凹部に摺回動可能に嵌挿されたブッシュと、
前記フレームの前記底面または前記可動スクロールの前記背面の何れか他方側から突設された固定軸と、
前記固定軸が前記ブッシュの偏心位置に摺回動可能に係合された係合部と
からなることを特徴とするスクロール型流体機械。
【請求項2】
前記支持機構では、前記凹部と前記係合部とは前記固定軸の軸線方向において互いにオーバーラップして配されることを特徴とする請求項1に記載のスクロール型流体機械。
【請求項3】
前記ブッシュは、前記可動スクロール及び前記固定軸の互いの相対回転を許容する滑り軸受であることを特徴とする請求項1または2に記載のスクロール型流体機械。
【請求項4】
前記フレームに対して前記固定軸または前記ブッシュを進退可能にして前記固定スクロールの前記基面と前記可動スクロールの前記基面との隙間を調整する隙間調整手段を備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のスクロール型流体機械。
【請求項5】
前記隙間調整手段は、前記固定軸または前記ブッシュの前記フレームに対する螺進量を調整することにより前記隙間を調整するねじ機構であることを特徴とする請求項4に記載のスクロール型流体機械。
【請求項6】
前記ブッシュには減肉部が形成されることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のスクロール型流体機械。
【請求項7】
前記ブッシュにはバランスウェイトが設けられることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のスクロール型流体機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−52527(P2012−52527A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163254(P2011−163254)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(000001845)サンデン株式会社 (1,791)
【Fターム(参考)】