説明

スクロール流体装置

【課題】 圧縮流体の吐出量が変動しても騒音の発生を有効に防止する。
【解決手段】 固定スクロール22aと固定スクロール22bとの間に圧縮流体室27を設け、固定スクロール22a、22bに設けられた吐出流路26a、26bの端部を圧縮流体室27内に開口し、圧縮流体室27と連通した吐出管28を設け、固定スクロール22aに対する旋回スクロール23aの位相と固定スクロール22bに対する旋回スクロール23bの位相との位相差を180度とし、旋回スクロール23aと旋回スクロール23bとを連結手段29によって連結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は旋回スクロールが所定の軸を中心に偏心旋回しかつ自転しない偏心旋回駆動を行なうスクロール流体機械を有するスクロール流体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のスクロール流体機械においては、特許文献1に示されるように、ケーシングと、ケーシングに固定されたステータと、ケーシングに回転可能に支持された回転軸と、回転軸に固定されたロータと、回転軸に偏心して回転可能に支持された旋回軸と、旋回軸の偏心旋回を許容しかつ旋回軸の自転を防止する自転防止装置と、ケーシングに固定された固定スクロールと、旋回軸に設けられた旋回スクロールとを設けている。
【特許文献1】特開昭63−138180号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、このようなスクロール流体機械においては、固定スクロールと旋回スクロールとの間に形成された圧縮室によって被圧縮流体が圧縮されるから、圧縮流体の圧力が変動するので、騒音が発生する。
【0004】
このため、サイレンサを設けることも考えられるが、回転軸の回転数が変動して、圧縮流体の吐出量が変動すると、サイレンサは有効に騒音を防止することができない。
【0005】
本発明は上述の課題を解決するためになされたもので、圧縮流体の吐出量が変動しても騒音の発生を有効に防止することができるスクロール流体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するため、本発明においては、第1のスクロール流体機械の第1の固定スクロールに対する第1の旋回スクロールの位相と第2のスクロール流体機械の第2の固定スクロールに対する第2の旋回スクロールの位相との位相差を180度とし、上記第1のスクロール流体機械の第1の吐出流路と上記第2のスクロール流体機械の第2の吐出流路とを連通し、上記第1の旋回スクロールと上記第2の旋回スクロールとを連結手段によって連結する。
【0007】
また、第1のモータの第1の回転軸に偏心して回転可能に第1の旋回軸が支持され、上記第1の旋回軸に第1の旋回スクロールが取り付けられた第1のスクロール流体機械と、第2のモータの第2の回転軸に偏心して回転可能に第2の旋回軸が支持され、上記第2の旋回軸に第2の旋回スクロールが取り付けられた第2のスクロール流体機械とを設け、上記第1のスクロール流体機械の第1の固定スクロールに対する上記第1の旋回スクロールの位相と上記第2のスクロール流体機械の第2の固定スクロールに対する上記第2の旋回スクロールの位相との位相差を180度とし、上記第1のスクロール流体機械の第1の吐出流路と上記第2のスクロール流体機械の第2の吐出流路とを連通し、上記第1の旋回軸と上記第2の旋回軸とを連結手段によって連結する。
【0008】
また、第1のモータの第1の回転軸に偏心して回転可能に第1の旋回軸が支持され、上記第1の旋回軸に第1の旋回スクロールが取り付けられ、上記第1の旋回軸に自転防止装置の第1の旋回板が取り付けられた第1のスクロール流体機械と、第2のモータの第1の回転軸に偏心して回転可能に第2の旋回軸が支持され、上記第2の旋回軸に第2の旋回スクロールが取り付けられ、上記第2の旋回軸に自転防止装置の第2の旋回板が取り付けられた第2のスクロール流体機械とを設け、上記第1のスクロール流体機械の第1の固定スクロールに対する上記第1の旋回スクロールの位相と上記第2のスクロール流体機械の第2の固定スクロールに対する上記第2の旋回スクロールの位相との位相差を180度とし、上記第1のスクロール流体機械の第1の吐出流路と上記第2のスクロール流体機械の第2の吐出流路とを連通し、上記第1の旋回板と上記第2の旋回板とを連結手段によって連結する。
【0009】
また、第1のモータによって第1の旋回スクロールが駆動される第1のスクロール流体機械と、第2のモータによって第2の旋回スクロールが駆動される第2のスクロール流体機械とを設け、上記第1のモータの第1の回転軸の回転位置を検出する検出手段と、上記検出手段によって検出された第1の回転軸の回転位置に基づいて上記第2のモータの第2の回転軸の回転位置を制御する回転位置制御手段とを設け、上記回転位置制御手段は上記第1のスクロール流体機械の第1の固定スクロールに対する上記第1の旋回スクロールの位相と上記第2のスクロール流体機械の第2の固定スクロールに対する上記第2の旋回スクロールの位相との位相差が180度となるように上記第2の回転軸の回転位置を制御し、
上記第1のスクロール流体機械の第1の吐出流路と上記第2のスクロール流体機械の第2の吐出流路とを連通する。
【0010】
この場合、上記検出手段として、上記第1の回転軸の回転位置に応じた検出信号を出力する回転位置検出器を有するものを用いてもよい。
【0011】
また、上記検出手段として、上記第1のモータの巻線電流、巻線電圧の少なくとも一方から上記第1の回転軸の回転位置を検出するものを用いてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るスクロール流体装置においては、第1の固定スクロールに対する第1の旋回スクロールの位相と第2の固定スクロールに対する第2の旋回スクロールの位相との位相差は常に180度に保たれるから、圧縮流体の吐出量が変動したとしても、第1、第2の吐出流路から吐出されて合流した圧縮流体の圧力は変動しないので、圧縮流体の吐出量が変動しても騒音の発生を有効に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は本発明に係るスクロール流体装置を示す概略断面図、図2は図1のA−A拡大断面図である。図に示すように、ケーシング1にステータ2が固定され、ケーシング1に軸受支え3、4が固定され、軸受支え3、4に軸受5、6を介して第1の回転軸7aが回転可能に支持されている。すなわち、ケーシング1に回転軸7aが回転可能に支持されている。また、回転軸7aにロータ8が固定され、ステータ2、回転軸7a、ロータ8等により第1のモータ9aが構成されている。また、回転軸7aに軸受10、11を介して第1の旋回軸12aが回転可能に支持され、回転軸7aの中心線と旋回軸12aの中心線とは偏っている。すなわち、旋回軸12aは回転軸7aに偏心して回転可能に支持されている。また、旋回軸12aの一方端部すなわち第1の旋回スクロール23a(説明後述)が取り付けられる端部とは反対側の端部に第1の旋回板13aが固定され、軸受支え4(ケーシング1)と旋回板13aとの間に3個のピンクランク14が設けられている。このピンクランク14のクランク本体15には軸16、17が設けられ、軸16の中心線と軸17の中心線とは偏心しており、この偏心量は回転軸7aの中心線と旋回軸12aの中心線との偏心量と等しい。また、ピンクランク14の軸16は軸受支え4に軸受(図示せず)を介して回転可能に支持され、ピンクランク14の軸17は旋回板13aに軸受(図示せず)を介して回転可能に支持されている。そして、旋回板13a、ピンクランク14等により旋回軸12aの偏心旋回を許容しかつ旋回軸12aの自転を防止する第1の自転防止装置が構成されている。また、旋回軸12aに軸受19を介して回転可能に錘板体18が支持され、回転軸7aの一方端面にピン20が取り付けられ、錘板体18に係合溝21が設けられ、ピン20が係合溝21に挿入され、ピン20と係合溝21との間にはわずかな隙間が設けられており、錘板体18は回転軸7aに対して回転軸7aの中心線と旋回軸12aの中心線とを結ぶ線の方向に移動可能であって、回転軸7aの中心線と旋回軸12aの中心線とを結ぶ線上にピン20の中心線、錘板体18の重心が位置しており、錘板体18、ピン20等により旋回軸12aの振動を抑制する振動抑制手段が構成されている。そして、回転軸7aの中心線から錘板体18の重心までの距離と錘板体18の重量との積を大きさとしかつ回転軸7aの中心線から錘板体18の重心までの方向を方向とするベクトルを錘板体18の回転軸に直角なモーメントベクトル、回転軸7aの中心線から旋回スクロール23aの重心までの距離と旋回スクロール23aの重量との積を大きさとしかつ回転軸7aの中心線から旋回スクロール23aの重心までの方向を方向とするベクトルを旋回スクロール23aの回転軸に直角なモーメントベクトル、回転軸7aの中心線から旋回板13aの重心までの距離と旋回板13aの重量との積を大きさとしかつ回転軸7aの中心線から旋回板13aの重心までの方向を方向とするベクトルを旋回板13aの回転軸に直角なモーメントベクトルとすると、錘板体18の回転軸に直角なモーメントベクトル、旋回スクロール23aの回転軸に直角なモーメントベクトルおよび旋回板13aの回転軸に直角なモーメントベクトルの和は零ベクトルである。また、モータ9a、旋回軸12a、第1の自転防止装置等により第1の偏心旋回駆動装置が構成されている。また、ケーシング1に第1の固定スクロール22aが固定され、固定スクロール22aには渦巻状のラップが設けられている。また、旋回軸12aに旋回スクロール23aが取り付けられ、旋回スクロール23aには固定スクロール22aのラップと同一形状のラップが設けられ、旋回スクロール23aのラップと固定スクロール22aのラップとが重なり合っており、固定スクロール22aと旋回スクロール23aとの間に複数の圧縮室24が形成され、固定スクロール22aに吸入管25が設けられ、固定スクロール22aに第1の吐出流路26aが設けられ、吸入管25、吐出流路26aは圧縮室24に連通している。そして、固定スクロール22a、旋回スクロール23a等により第1の偏心旋回駆動装置により駆動される第1のスクロール流体機械本体が構成され、第1の偏心旋回駆動装置、第1のスクロール流体機械本体により第1のスクロール流体機械が構成されている。また、第1のスクロール流体機械と同様の構造の第2のスクロール流体機械が設けられ、第2のスクロール流体機械は第2の回転軸7bを有する第2のモータ9b、第2の旋回板13b、第2の固定スクロール22b、第2の旋回スクロール23b、第2の吐出流路26bを有しており、旋回板13b、ピンクランク14等により旋回軸12bの偏心旋回を許容しかつ旋回軸12bの自転を防止する第2の自転防止装置が構成され、モータ9b、旋回軸12b、第2の自転防止装置等により第2の偏心旋回駆動装置が構成され、固定スクロール22b、旋回スクロール23b等により第2の偏心旋回駆動装置により駆動される第2のスクロール流体機械本体が構成され、第2の偏心旋回駆動装置、第2のスクロール流体機械本体により第2のスクロール流体機械が構成されている。また、固定スクロール22aと固定スクロール22bとの間に圧縮流体室27が設けられ、吐出流路26a、26bの端部が圧縮流体室27内に開口しており、吐出流路26aと吐出流路26aとが連通されている。また、圧縮流体室27と連通した吐出管28が設けられている。そして、回転軸7aの回転方向と回転軸7bの回転方向とは同方向(回転軸7aが右回転とすれば回転軸7bは左回転)である。また、固定スクロール22aに対する旋回スクロール23aの位相と固定スクロール22bに対する旋回スクロール23bの位相との位相差は180度である。たとえば、第1のスクロール流体機械において、固定スクロール22a、旋回スクロール23aのラップの端部が旋回スクロール23a、固定スクロール22aのラップと接している状態のときには、第2のスクロール流体機械において、固定スクロール22b、旋回スクロール23bのラップの端部が旋回スクロール23b、固定スクロール22bのラップと接している状態から回転軸7bを180度回転した状態とする。また、旋回スクロール23aと旋回スクロール23bとが連結手段29によって連結されている。
【0014】
図1、図2に示したスクロール流体装置においては、第1のスクロール流体機械において、ステータ2の巻線に通電すると、ロータ8、回転軸7aが回転し、旋回軸12aは回転軸7aの中心線を中心として偏心旋回するが、ピンクランク14等からなる第1の自転防止装置が設けられているから、旋回軸12aは自転しない。このため、旋回軸12a、旋回スクロール23aがケーシング1、固定スクロール22aに対して回転せずに偏心旋回するから、旋回スクロール23aと固定スクロール22aとの間に形成された圧縮室24が徐々に縮小する。したがって、空気等の被圧縮流体は吸入管22から吸引され、圧縮室24で圧縮されて吐出流路26aから圧縮流体室27内に吐出される。一方、第2のスクロール流体機械においても、第1のスクロール流体機械と同様に、空気等の被圧縮流体は吸入管22から吸引され、圧縮室24で圧縮されて吐出流路26bから圧縮流体室27内に吐出される。この場合、旋回スクロール23aと旋回スクロール23bとが連結手段29によって連結されているから、固定スクロール22aに対する旋回スクロール23aの位相と固定スクロール22bに対する旋回スクロール23bの位相との位相差は常に180度に保たれる。そして、圧縮流体室27の圧縮流体は吐出管28から吐出される。また、第1のスクロール流体機械において、回転軸7aの回転角度にかかわらず、旋回軸12aの中心線と錘板体18の重心とは回転軸7aの中心線の両側に位置し、また第2のスクロール流体機械において、回転軸7bの回転角度にかかわらず、旋回軸12bの中心線と錘板体18の重心とは回転軸7bの中心線の両側に位置する。
【0015】
このようなスクロール流体装置においては、吐出流路26a、26bから圧縮流体室27内に吐出される圧縮流体の圧力は正弦波状に変化するが、固定スクロール22aに対する旋回スクロール23aの位相と固定スクロール22bに対する旋回スクロール23bの位相との位相差は常に180度に保たれるから、圧縮流体室27内の圧縮流体の圧力は変動しない。このことは、回転軸7a、7bの回転数が変動して、圧縮流体の吐出量が変動したとしても、同様である。したがって、圧縮流体の吐出量が変動しても騒音の発生を有効に防止することができる。また、旋回軸12a、12bの中心線と錘板体18の重心とは回転軸7a、7bの中心線の両側に位置するから、旋回軸12a、12bの振動を抑制することができるので、旋回スクロール23a、23bの振動を抑制することができる。このため、回転軸7a、7bの回転数を大きくすることができるから、スクロール流体機械本体を小型化することができる。また、錘板体18の回転軸に直角なモーメントベクトル、旋回スクロール23a、23bの回転軸に直角なモーメントベクトルおよび旋回板13a、13bの回転軸に直角なモーメントベクトルの和を零としているから、すなわち旋回スクロール23a、23bの回転軸に直角なモーメントベクトルおよび旋回板13aの回転軸に直角なモーメントベクトルの和を和ベクトルとしたとき、錘板体18の回転軸に直角なモーメントベクトルの大きさを和ベクトルの大きさと等しくしかつ錘板体18の回転軸に直角なモーメントベクトルの方向を和ベクトルの方向と反対方向としているから、旋回軸12a、12bの振動を確実に抑制することができるので、旋回スクロール23a、23bの振動を確実に抑制することができる。また、自転防止装置としてピンクランク14を有するものを用いているから、旋回軸12a、12bの振動を小さくすることができるので、旋回スクロール23a、23bの振動を小さくすることができる。
【0016】
図3は本発明に係る他のスクロール流体装置を示す概略断面図である。図に示すように、図3に示すスクロール流体装置の構成は図1、図2に示すスクロール流体装置の構成とほぼ同様である。しかし、回転軸7aの回転方向と回転軸7bの回転方向とは同方向でも逆方向でもよい。また、旋回スクロール23aと旋回スクロール23bとは連結されていない。さらに、回転軸7aの回転位置を検出する検出手段(図示せず)と、検出手段によって検出された回転軸7aの回転位置に基づいて回転軸7bの回転位置を制御する回転位置制御手段(図示せず)とを有し、回転位置制御手段は固定スクロール22aに対する旋回スクロール23aの位相と固定スクロール22bに対する旋回スクロール23bの位相との位相差が180度となるように回転軸7bの回転位置を制御している。
【0017】
このようなスクロール流体装置においても、固定スクロール22aに対する旋回スクロール23aの位相と固定スクロール22bに対する旋回スクロール23bの位相との位相差は常に180度に保たれるから、圧縮流体の吐出量が変動したとしても、圧縮流体室27内の圧縮流体の圧力は変動しないので、圧縮流体の吐出量が変動しても騒音の発生を有効に防止することができる。
【0018】
なお、上述実施の形態においては、旋回スクロール23aと旋回スクロール23bとを連結手段29によって連結したが、第1の旋回軸と第2の旋回軸とを連結手段によって連結してもよく、また第1の旋回板と第2の旋回板とを連結手段によって連結してもよい。また、第1の回転軸の回転位置を検出する検出手段としては、第1の回転軸の回転位置に応じた検出信号を出力する回転位置検出器を有するものを用いてもよく、また第1のモータの巻線電流、巻線電圧の少なくとも一方から第1の回転軸の回転位置を検出するものを用いてもよい。また、上述実施の形態においては、旋回板13a、ピンクランク14等により構成された自転防止装置を用いたが、他の自転防止装置を用いてもよい。また、上述実施の形態においては、錘板体18、ピン20等からなる振動抑制手段を用いたが、第1、第2の旋回軸に回転可能に支持され、重心が第1、第2の旋回軸の中心線と第1、第2の回転軸の中心線とを結ぶ直線上に位置しており、かつ上記重心が第1、第2の旋回軸の中心線よりも第1、第2の回転軸の中心線側に位置している錘板体を有する振動抑制手段を用いれば、第1、第2の旋回スクロールの振動を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係るスクロール流体装置を示す概略断面図である。
【図2】図1のA−A拡大断面図である。
【図3】本発明に係る他のスクロール流体装置を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0020】
1…ケーシング
2…ステータ
7a…回転軸
7b…回転軸
8…ロータ
9a…モータ
9b…モータ
12a…旋回軸
12b…旋回軸
13a…旋回板
13b…旋回板
14…ピンクランク
22a…固定スクロール
22b…固定スクロール
23a…旋回スクロール
23b…旋回スクロール
26a…吐出流路
26b…吐出流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のスクロール流体機械の第1の固定スクロールに対する第1の旋回スクロールの位相と第2のスクロール流体機械の第2の固定スクロールに対する第2の旋回スクロールの位相との位相差を180度とし、上記第1のスクロール流体機械の第1の吐出流路と上記第2のスクロール流体機械の第2の吐出流路とを連通し、上記第1の旋回スクロールと上記第2の旋回スクロールとを連結手段によって連結したことを特徴とするスクロール流体装置。
【請求項2】
第1のモータの第1の回転軸に偏心して回転可能に第1の旋回軸が支持され、上記第1の旋回軸に第1の旋回スクロールが取り付けられた第1のスクロール流体機械と、第2のモータの第2の回転軸に偏心して回転可能に第2の旋回軸が支持され、上記第2の旋回軸に第2の旋回スクロールが取り付けられた第2のスクロール流体機械とを有し、
上記第1のスクロール流体機械の第1の固定スクロールに対する上記第1の旋回スクロールの位相と上記第2のスクロール流体機械の第2の固定スクロールに対する上記第2の旋回スクロールの位相との位相差を180度とし、上記第1のスクロール流体機械の第1の吐出流路と上記第2のスクロール流体機械の第2の吐出流路とを連通し、上記第1の旋回軸と上記第2の旋回軸とを連結手段によって連結したことを特徴とするスクロール流体装置。
【請求項3】
第1のモータの第1の回転軸に偏心して回転可能に第1の旋回軸が支持され、上記第1の旋回軸に第1の旋回スクロールが取り付けられ、上記第1の旋回軸に自転防止装置の第1の旋回板が取り付けられた第1のスクロール流体機械と、第2のモータの第1の回転軸に偏心して回転可能に第2の旋回軸が支持され、上記第2の旋回軸に第2の旋回スクロールが取り付けられ、上記第2の旋回軸に自転防止装置の第2の旋回板が取り付けられた第2のスクロール流体機械とを有し、
上記第1のスクロール流体機械の第1の固定スクロールに対する上記第1の旋回スクロールの位相と上記第2のスクロール流体機械の第2の固定スクロールに対する上記第2の旋回スクロールの位相との位相差を180度とし、上記第1のスクロール流体機械の第1の吐出流路と上記第2のスクロール流体機械の第2の吐出流路とを連通し、上記第1の旋回板と上記第2の旋回板とを連結手段によって連結したことを特徴とするスクロール流体装置。
【請求項4】
第1のモータによって第1の旋回スクロールが駆動される第1のスクロール流体機械と、第2のモータによって第2の旋回スクロールが駆動される第2のスクロール流体機械とを有し、
上記第1のモータの第1の回転軸の回転位置を検出する検出手段と、上記検出手段によって検出された第1の回転軸の回転位置に基づいて上記第2のモータの第2の回転軸の回転位置を制御する回転位置制御手段とを有し、
上記回転位置制御手段は上記第1のスクロール流体機械の第1の固定スクロールに対する上記第1の旋回スクロールの位相と上記第2のスクロール流体機械の第2の固定スクロールに対する上記第2の旋回スクロールの位相との位相差が180度となるように上記第2の回転軸の回転位置を制御し、
上記第1のスクロール流体機械の第1の吐出流路と上記第2のスクロール流体機械の第2の吐出流路とを連通したことを特徴とするスクロール流体装置。
【請求項5】
上記検出手段として、上記第1の回転軸の回転位置に応じた検出信号を出力する回転位置検出器を有するものを用いたことを特徴とする請求項4に記載のスクロール流体装置。
【請求項6】
上記検出手段として、上記第1のモータの巻線電流、巻線電圧の少なくとも一方から上記第1の回転軸の回転位置を検出するものを用いたことを特徴とする請求項4に記載のスクロール流体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−106683(P2008−106683A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−290721(P2006−290721)
【出願日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(500219571)株式会社エーアンドエー研究所 (18)
【出願人】(599071245)株式会社リッチストーン (24)
【Fターム(参考)】