説明

スタビライザブッシュ

【課題】異音の発生の防止と乗り心地の向上とを両立させることができるスタビライザブッシュを提供する。
【解決手段】筒状のゴム状弾性体から成り、車両のスタビライザーバー4に外嵌して前記スタビライザーバー4を保持するスタビライザブッシュ100であって、内周面8に凹凸部7が形成され、車両走行中に受ける荷重が増減しても、内周面8の凸部11の頂点11T1とスタビライザーバー4の外周面4Mとの間に隙間が形成されることがなく、かつ、前記スタビライザーバーに対する前記内周面の面圧が設定値以下となるように、凹凸部7が構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
筒状のゴム状弾性体から成り、車両のスタビライザーバーに外嵌して前記スタビライザーバーを保持するスタビライザブッシュに関する。
【背景技術】
【0002】
スタビライザブッシュの一例として、特許文献1に開示されているように、頂面が平面に形成された断面U字状に形成され、前記頂面から内周に至る切り割りを備え、軸芯方向の両端部にフランジを備えたスタビライザブッシュがある。
【0003】
このスタビライザブッシュは、切り割りを開いて車両のスタビライザーバーに外嵌される。そして、両フランジ間の周面にU字形の取付けブラケットが外嵌され、取付けブラケットの両端部から張り出す取り付け面部が車体フレームにボルト固定されて、スタビライザブッシュが車両に取り付けられている。
【0004】
このスタビライザブッシュに加わる荷重は、車両が段差に乗り上げたこと等が原因で走行中に増減する。
【0005】
図12,図13に示すように、従来、この種のスタビライザブッシュ100は、内周面8が平坦に形成されていた。
図12,図13において、符号1はスタビライザブッシュ100の頂面、2は切り割り、3は軸芯方向の両端部にそれぞれ形成されたフランジである。
【特許文献1】特開2005−193901号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
内周面が平坦に形成されている従来のスタビライザブッシュは次の特性を備えている。
すなわち、スタビライザブッシュの内周面の径D(スタビライザブッシュに圧縮等の力を加えていない自由状態での内周面の径)が後述の第1内径D1よりも大きいと(例えば図14(a)において前記Dがd12であると)、スタビライザブッシュとスタビライザーバーとの嵌め合いが緩くなり、スタビライザブッシュに加わる車両走行中の荷重が大きかった場合に、スタビライザブッシュの内周面とスタビライザーバーの外周面との間に隙間が形成される。そして、スタビライザブッシュが弾性復元する時にスタビライザブッシュの内周面とスタビライザーバーの外周面とが衝突して異音が生じやすくなる。
換言すれば、スタビライザブッシュの内周面の径が第1内径D1以下では(図14(a)において前記Dが例えばd11であると)、異音を防止できるのであり、第1内径D1は、内周面が平坦に形成されているスタビライザブッシュにおいて、異音を防止できる最大径である。すなわち、異音を防止できる径(スタビライザブッシュの内周面の径)としては、図14(a)の符号d11やd13等のように前記第1内径D1以下の径が多数存在するが、これらの多数の径d11、d13、………、D1等のうちで前記D1は最も大きい径(最大径)である。
また、スタビライザブッシュの内周面の径Dが所定の第2内径D2(このD2は前記D1よりも大(D2>D1)である)よりも小さいと(例えば図14(b)において前記Dがd21であると)スタビライザーバーとの嵌め合いがきつくなって車両の乗り心地が低下する。
換言すれば、スタビライザブッシュの内周面の径が第2内径D2以上では(図14(b)において前記Dが例えばd23であると)、車両の乗り心地を良くすることができるのであり、第2内径D2は、内周面が平坦に形成されているスタビライザブッシュにおいて、車両の乗り心地の低下を防止できる最小径である。すなわち、車両の乗り心地を良くすることができる径(スタビライザブッシュの内周面の径)としては、図14(b)の符号d22やd23等のように前記第1内径D2以上の径が多数存在するが、これらの多数の径D2、d22、d23、………等のうちで前記D2は最も小さい径(最小径)である。
【0007】
図12,図13に示すように、上記従来のスタビライザブッシュは、スタビライザブッシュ100の内周面8が平坦に形成されて、このスタビライザブッシュが上記の特性を備えているために、スタビライザブッシュの内周面とスタビライザーバーの外周面との嵌め合いを、異音が生じないような嵌め合いにすると(前記Dを前記D1以下にすると)、車両の乗り心地の低下するような嵌め合い(前記Dが前記D2よりも小さくなる嵌め合い)になり、
逆に、スタビライザブッシュの内周面とスタビライザーバーの外周面との嵌め合いを、車両の乗り心地を良くすることができるような嵌め合いにすると(前記Dを前記D2以上にすると)、異音が生じるような嵌め合い(前記Dが前記D1よりも大きくなる嵌め合い)になっていた。
つまり、従来のスタビライザブッシュ100では、スタビライザブッシュの内周面とスタビライザーバーの外周面との嵌め合いを、異音が生じないような嵌め合いにするか、あるいは、車両の乗り心地を良くすることができる嵌め合いにするかしかなく、異音の発生の防止と乗り心地の向上を両立させることは困難であった。
【0008】
本発明は上記実状に鑑みて成されたもので、その目的は、異音の発生の防止と乗り心地の向上とを両立させることができるスタビライザブッシュを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明による構成・作用・効果は次のとおりである。
[構成]
筒状のゴム状弾性体から成り、車両のスタビライザーバーに外嵌して前記スタビライザーバーを保持するスタビライザブッシュであって、
内周面に凹凸部が形成され、
車両走行中に受ける荷重が増減しても、前記内周面の凸部の頂点と前記スタビライザーバーの外周面との間に隙間が形成されることがなく、かつ、前記スタビライザーバーに対する前記内周面の面圧が設定値以下となるように、前記凹凸部が構成されている。
【0010】
[作用]
上記の構成によれば、車両走行中にスタビライザブッシュに加わる荷重が大きくなっても、スタビライザブッシュの内周面の凸部の頂点とスタビライザーバーの外周面との間に隙間が形成されることがなく、その結果、スタビライザブッシュの内周面とスタビライザーバーの外周面との衝突を回避できて、異音の発生を防止することができる。
【0011】
また、スタビライザブッシュの内周面の全面がスタビライザーバーの外周面に接触している構造に比べると、スタビライザブッシュの内周面の面圧を低減することができて、前記スタビライザーバーに対する前記内周面の面圧が設定値以下となるから、車両走行中にスタビライザーバーを円滑に捻れさせることできて、車両の乗り心地を良くすることができる。
【0012】
請求項2の発明による構成・作用・効果は次のとおりである。
[構成]
請求項1の発明による構成において、
前記凹凸部は複数のスリットを前記内周面に分散配設して構成されている。
【0013】
[作用]
請求項1の構成による上記の作用に加えて、次の作用を奏することができる。
前記凹凸部は複数のスリットを前記内周面に分散配設して構成されているから、凹凸部を前記内周面にむらなく形成することができる。その結果、凹凸部の機能を安定して発揮させやすくすることができる。
【0014】
請求項3の発明による構成・作用・効果は次のとおりである。
[構成]
請求項2の発明による構成において、
前記複数のスリットは、軸芯方向に延びるとともに、前記内周面の周方向に分散配設されている。
【0015】
[作用]
請求項2の構成による上記の作用に加えて、次の作用を奏することができる。
前記複数のスリットは、軸芯方向に延びるとともに、前記内周面の周方向に分散配設されているから、凹凸部をスタビライザブッシュの軸芯方向でむらなく形成することができる。その結果、凹凸部の機能を安定して発揮させやすくすることができる。また、凹凸部を簡素な形状に構成することができて、製作コストを低廉化することができる。
【0016】
請求項4の発明による構成・作用・効果は次のとおりである。
[構成]
請求項3の発明による構成において、
前記複数のスリットは、前記軸芯方向に全長にわたって延びている。
【0017】
[作用]
請求項3の構成による上記の作用に加えて、次の作用を奏することができる。
前記複数のスリットは、前記軸芯方向に全長にわたって延びているから、
例えば、軸芯方向の一端部側にスリットが形成されていない構造に比べると、請求項3の構成による作用をより得やすくすることができる。
【0018】
請求項5の発明による構成・作用・効果は次のとおりである。
[構成]
請求項3又は4の発明による構成において、
前記凹凸部のうちの凸部は、頂部が断面円弧状の断面三角山形状に形成され、前記凹凸部のうちの凹部は、底部が断面円弧状の断面三角溝状に形成されて、前記凸部と凹部が滑らかに連なっている。
【0019】
[作用]
請求項3又は4の構成による上記の作用に加えて、次の作用を奏することができる。
前記凹凸部のうちの凸部は、頂部が断面円弧状の断面三角山形状に形成され、前記凹凸部のうちの凹部は、底部が断面円弧状の断面三角溝状に形成されて、前記凸部と凹部が滑らかに連なっているから、スタビライザーバーを凸部で安定して支持することができるとともに、凸部の一部分に力が集中しにくくて、凹凸部のへたりを防止することができ、凹凸部の耐久性を向上させることができる。
【0020】
請求項6の発明による構成・作用・効果は次のとおりである。
[構成]
請求項5の発明による構成において、
前記凸部の高さ寸法は、前記内周面の周方向における前記凸部の基部の長さよりも短く設定されている。
【0021】
[作用]
請求項5の構成による上記の作用に加えて、次の作用を奏することができる。
前記凸部の高さ寸法は、前記内周面の周方向における前記凸部の基部の長さよりも短く設定されているから、スタビライザーバーを凸部でより安定して支持することができる。その結果、請求項5の構成による作用をより得やすくすることができる。
【0022】
請求項7の発明による構成・作用・効果は次のとおりである。
[構成]
請求項1の発明による構成において、
前記凹凸部は、前記内周面に複数のディンプルを分散配設して構成されている。
【0023】
[作用]
請求項1の構成による上記の作用に加えて、次の作用を奏することができる。
前記凹凸部は、前記内周面に複数のディンプルを分散配設して構成されているから、凹凸部をスタビライザブッシュの軸芯方向及び周方向でむらなく形成することができる。その結果、凹凸部の機能を安定して発揮させやすくすることができる。また、凹凸部を簡素な形状に構成することができて、製作コストを低廉化することができる。
【0024】
請求項8の発明による構成・作用・効果は次のとおりである。
[構成]
請求項7の発明による構成において、
前記ディンプルは半球状の凹部に形成されている。
【0025】
[作用]
請求項7の構成による上記の作用に加えて、次の作用を奏することができる。
前記凹凸部のうちの凹部を構成する前記ディンプルは半球状の凹部に形成されているから、凹部の一部分に力が集中しにくくて、凹凸部のへたりを防止することができ、凹凸部の耐久性を向上させることができる。
【0026】
請求項9の発明による構成・作用・効果は次のとおりである。
[構成]
請求項3〜6のいずれか一つの発明による構成において、
車両走行中に受ける荷重が増減しても、前記内周面の凸部の頂点と前記スタビライザーバーの外周面との間に隙間が形成されることがないように、各凸部の頂点を通る第1仮想円の径が設定され、
車両走行中に受ける荷重が増減しても、前記スタビライザーバーに対する前記内周面の面圧が設定値以下となるように、各凹部の底面を通る第2仮想円の径が設定され、
周方向で互いに隣合う凸部と凹部において、前記第1仮想円と第2仮想円の間における前記凸部の軸直角方向の断面積と、前記第1仮想円と第2仮想円の間における前記凹部の軸直角方向の断面積とが同一に設定されている。
【0027】
[作用]
請求項3〜6のいずれか一つの構成による上記の作用に加えて、次の作用を奏することができる。
すなわち、
車両走行中にスタビライザブッシュに加わる荷重が大きくなっても、スタビライザブッシュの内周面の凸部の頂点とスタビライザーバーの外周面との間に隙間が形成されることがなく、その結果、スタビライザブッシュの内周面とスタビライザーバーの外周面との衝突を回避できて、異音の発生を防止することができる。
また、スタビライザブッシュの内周面の全面がスタビライザーバーの外周面に接触している構造に比べると、スタビライザブッシュの内周面の面圧を低減することができて、車両走行中の前記スタビライザーバーに対する前記内周面の面圧が設定値以下となるから、車両走行中にスタビライザーバーを円滑に捻れさせることできて、車両の乗り心地を良くすることができる。
そして、
周方向で互いに隣合う凸部と凹部において、前記第1仮想円と第2仮想円の間における前記凸部の軸直角方向の断面積と、前記第1仮想円と第2仮想円の間における前記凹部の軸直角方向の断面積とが同一に設定されていることで、凸部でスタビライザーバーを安定して支持できるとともに、凸部のへたりを防止することができ、しかも、凸部を弾性変形しやすくすることができて、車両の乗り心地をより向上させることができる。
【0028】
請求項10の発明による構成・作用・効果は次のとおりである。
[構成]
請求項3〜6のいずれか一つの発明による構成において、
車両走行中に受ける荷重が増減しても、前記内周面の凸部の頂点と前記スタビライザーバーの外周面との間に隙間が形成されることがないように、各凸部の頂点を通る第1仮想円の径が設定され、
車両走行中に受ける荷重が増減しても、前記スタビライザーバーに対する前記内周面の面圧が設定値以下となるように、各凹部の底面を通る第2仮想円の径が設定され、
周方向で互いに隣合う前記凸部と前記凹部において、前記第1仮想円と第2仮想円の間における前記凸部の軸直角方向の断面積が、前記第1仮想円と第2仮想円の間における前記凹部の軸直角方向の断面積よりも大きく設定されている。
【0029】
[作用]
請求項3〜6のいずれか一つの構成による上記の作用に加えて、次の作用を奏することができる。
すなわち、
車両走行中にスタビライザブッシュに加わる荷重が大きくなっても、スタビライザブッシュの内周面の凸部の頂点とスタビライザーバーの外周面との間に隙間が形成されることがなく、その結果、スタビライザブッシュの内周面とスタビライザーバーの外周面との衝突を回避できて、異音の発生を防止することができる。
また、スタビライザブッシュの内周面の全面がスタビライザーバーの外周面に接触している構造に比べると、スタビライザブッシュの内周面の面圧を低減することができて、車両走行中の前記スタビライザーバーに対する前記内周面の面圧が設定値以下となるから、車両走行中にスタビライザーバーを円滑に捻れさせることできて、車両の乗り心地を良くすることができる。
そして、
周方向で互いに隣合う前記凸部と前記凹部において、前記第1仮想円と第2仮想円の間における前記凸部の軸直角方向の断面積が、前記第1仮想円と第2仮想円の間における前記凹部の軸直角方向の断面積よりも大きく設定されていることで、凸部の体積を十分確保することができて、スタビライザーバーを安定して支持することができるとともに、凸部の体積の不足に起因する凸部のへたりをより防止しやすくすることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、
異音の発生の防止と乗り心地の向上とを両立させることができるスタビライザブッシュを提供することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1はスタビライザブッシュの取り付け構造を示す図、
図2はスタビライザブッシュの軸芯方向における断面図、
図3はスタビライザブッシュの軸直角方向における断面図、
図4はスタビライザブッシュの要部の拡大断面図、
図5はスタビライザブッシュの特性を示す図である。
【0032】
このスタビライザブッシュ100は筒状のゴム状弾性体から成り、図1,図3に示すように、頂面1が平面に形成された断面U字状に形成されている。そして、前記頂面1から内周に至る切り割り2を備え、軸芯方向Jの両端部に、径方向外方側に張り出すフランジ3を備えている。
【0033】
このスタビライザブッシュ100は、切り割り2が開かれて車両としての自動車のスタビライザーバー4に外嵌装着される。これにより、スタビライザブッシュ100が前記スタビライザーバー4を保持する。図1に示すように、両フランジ3間の周面にはU字形の取り付けブラケット5が外嵌され、取り付けブラケット5の両端部から張り出す取り付け面部6が車体フレームにボルト固定されて、スタビライザブッシュ100が車両に取り付けられる。
【0034】
図2〜図4に示すように、スタビライザブッシュ100の円形の内周面8に凹凸部7が形成されている。この凹凸部7は、車両走行中にスタビライザブッシュ100が受ける荷重が増減しても、前記内周面8の凸部11の頂点11T1とスタビライザーバー4の外周面4Mとの間に隙間が形成されることがなく、かつ、前記スタビライザーバー4に対する前記内周面8の面圧が設定値以下となるように形状と大きさとが設定されている。本実施形態において前記設定値は5MPaである(前記設定値はこの数値に限られるものではなく、別の数値であってもよい)。
【0035】
前記凹凸部7は、スタビライザブッシュ100の軸芯方向Jに延びる複数のスリットを前記内周面8の周方向に軸芯周りの角度10°ごとに1個、合計36個、均等に分散配設して構成されている。
前記凹凸部7のうちの凹部12を形成する前記複数のスリットは、スタビライザブッシュ100の一端から他端まで軸芯方向Jに全長にわたって延びている。そして、凹凸部7のうちの凸部11は、頂部11Tが断面円弧状の断面三角山形状に形成され、凹凸部7のうちの凹部12は、底部12Tが断面円弧状の断面三角溝状に形成されて、凸部11と凹部12とが滑らかに連なっている。
【0036】
前記凸部11の高さ寸法H1(凹部12の深さ)は0.5mmであり、軸芯方向Jの断面における凸部11の断面円弧状の頂部11Tの半径と、軸直角方向の断面における凹部12の断面円弧状の底部12Tの半径とは0.5mmである。本発明は、これらの数値に限定されることはなく、別の数値であってもよい。
【0037】
図4に示すように、前記凸部11の高さ寸法H1は、内周面8の周方向における凸部11の基部11Kの長さL1よりも短く設定されている。前記凸部11の高さ寸法H1とは、後述の第1仮想円C1と第2仮想円C2の間の長さであり、図4において(D2−D1)/2である。
【0038】
自動車が走行しているときは、自動車が段差に乗り上げたこと等が原因で、スタビライザブッシュ100に加わる荷重が増減する。そして、この荷重が大きくて、スタビライザブッシュ100の内周面8とスタビライザーバー4の外周面4Mとの間に隙間が形成されると、スタビライザブッシュ100が弾性復元する時にスタビライザブッシュ100の内周面8とスタビライザーバー4の外周面4Mとが衝突して異音が生じやすくなる。そこで、本発明のスタビライザブッシュ100では、前記異音が生じないようにする手段をとってある。次にこの手段について説明する。
【0039】
例えば、内周面に凹凸がない構造のスタビライザブッシュの場合、図4に示すように、第1内径D1よりもスタビライザブッシュの内径(スタビライザブッシュに圧縮等の力を加えていない自由状態での内周面の径)が大きいと、スタビライザーバー4との嵌め合いが緩くなって異音が生じる。つまり、スタビライザブッシュの内周面の径が第1内径D1以下では、異音を防止できるのであり、第1内径D1は、内周面に凹凸がない構造のスタビライザブッシュにおいて、異音を防止できる最大径である。
【0040】
また、内周面に凹凸がない構造のスタビライザブッシュの場合、図4に示すように、第2内径D2よりもスタビライザブッシュ100の内径が小さいとスタビライザーバー4との嵌め合いがきつくなって車両の乗り心地が低下する。つまり、スタビライザブッシュの内周面の径が第2内径D2以上では車両の乗り心地を良くすることができるのであり、第2内径D2は、内周面に凹凸がない構造のスタビライザブッシュにおいて、車両の乗り心地の低下を防止できる最小径である。
【0041】
本実施形態のスタビライザブッシュ100は、各凸部11の頂点11T1を通る第1仮想円C1の径を前記第1内径D1(内周面に凹凸がない構造のスタビライザブッシュにおける異音を防止できる最大径)と同一に設定し、各凹凸部7の底面を通る第2仮想円C2の径を前記第2内径D2(内周面に凹凸がない構造のスタビライザブッシュにおける車両の乗り心地の低下を防止できる最小径)と同一に設定してある。
このようにして、異音の発生の防止と乗り心地の向上とを両立させることができるようにしてある。
【0042】
すなわち、車両走行中にスタビライザブッシュ100に加わる荷重が大きくなっても、スタビライザブッシュ100の内周面8の凸部11の頂点11T1とスタビライザーバー4の外周面4Mとの間に隙間が形成されることがなく、スタビライザブッシュ100の内周面8とスタビライザーバー4の外周面4Mとの衝突を回避できて、異音の発生を防止することができる。
【0043】
また、スタビライザブッシュ100の内周面8の全面がスタビライザーバー4の外周面4Mに接触している構造に比べると、スタビライザブッシュ100の内周面8の面圧を低減することができて、車両走行中のスタビライザーバー4に対する内周面8の面圧が設定値以下となり、車両の乗り心地を良くすることができる。
【0044】
そして、
周方向で互いに隣合う凸部11と凹部12において、前記第1仮想円C1と第2仮想円C2の間における前記凸部11の軸直角方向の断面積A1と、前記第1仮想円C1と第2仮想円C2の間における前記凹部12の軸直角方向の断面積A2とが同一(A1=A2)に設定されている。
これにより、凸部11でスタビライザーバー4を安定して支持することができるとともに、凸部11のへたりを防止することができ、しかも、凸部11を弾性変形しやすくすることができて、車両の乗り心地を向上させることができる。
【0045】
本発明者は、上記の構造のスタビライザブッシュ100と、内周面8に前記凹凸部7を備えない比較例のスタビライザブッシュ(本発明の前記凹部12が埋まっているスタビライザブッシュであり、内周面8の径は本発明のスタビライザブッシュ100の内周面8の径と同一のスタビライザブッシュ)との車体フレーム及びスタビライザーバー4への取り付け状態での特性を実験により求めた。
【0046】
図5は、この実験で得た本発明の上記構造のスタビライザブッシュ100の特性図を示し、図6は、この実験で得た上記比較例のスタビライザブッシュの特性図を示している。縦軸はスタビライザブッシュに加わる上下方向の荷重(KN)、横軸はスタビライザブッシュの上下方向のたわみ(mm)である。
【0047】
図6に示すように、比較例のスタビライザブッシュの特性を示す線図には変極点Kがあり、この変極点Kで異音が発生するが、図5に示すように、本発明の上記構造のスタビライザブッシュ100の特性を示す線図には変極点がなく、従って、異音が発生することがなかった。
【0048】
また、本発明の上記構造のスタビライザブッシュ100と比較例のスタビライザブッシュの上記取り付け状態での滑りトルクを比較したところ、本発明のスタビライザブッシュ100は、比較例のスタビライザブッシュに比べて前記滑りトルクを18%低減することができた。
【0049】
前述のように前記凹凸部7は、スタビライザブッシュ100の軸芯方向Jに延びる複数のスリットを前記内周面8の周方向に軸芯周りの角度10°ごとに1個、合計36個、均等に分散配設して構成されているから、凹凸部7をスタビライザブッシュ100の軸芯方向でむらなく形成することができる。その結果、凹凸部7の機能を安定して発揮させやすくすることができる。また、凹凸部7を簡素な形状に構成することができて、製作コストを低廉化することができる。
【0050】
そして、前記凹凸部7のうちの凹部12を形成する前記複数のスリットは、スタビライザブッシュ100の一端から他端まで軸芯方向Jに全長にわたって延びているから、軸芯方向の一端部側にスリットが形成されていない構造に比べると、凹凸部7の機能を安定して発揮させやすくすることができる。そして、凹凸部7を簡素な形状に構成することができて、製作コストを低廉化することができる。
【0051】
さらに、凹凸部7のうちの凸部11は、頂部11Tが断面円弧状の断面三角山形状に形成され、凹凸部7のうちの凹部12は、底部12Tが断面円弧状の断面三角溝状に形成されて、凸部11と凹部12とが滑らかに連なっているから、スタビライザーバーを凸部11で安定して支持することができるとともに、凸部11の一部分に力が集中しにくくて、凹凸部7のへたりを防止することができ、凹凸部7の耐久性を向上させることができる。
【0052】
[第2実施形態]
図7,図8に示すように、本実施形態のスタビライザブッシュ100は、高摺動性の内層ゴム13と外層ゴム14との2層の筒状のゴム状弾性体から成る。
【0053】
このスタビライザブッシュ100の軸芯方向Jの一端面(詳しくは内層ゴム13の一端面)に環状溝15が形成されるとともに、環状溝15より径方向内方側のゴム状弾性体部分が、軸芯方向J外方側ほど小径のテーパ筒状のダストカバー16に構成されている。そして、前記内周面8のうち、ダストカバー16側の内周面部分17が、残りの内周面部分18よりも径方向内方側に位置し、これら両内周面部分17,18が互いに段差なく滑らかに連なっている。
【0054】
また、軸芯方向Jに沿う断面において、ダストカバー16側の内周面部分17が円弧状に形成され、ダストカバー16の最小径側の先端面が、前記軸芯方向Jの一端面と前記軸芯方向Jで同一位置に位置している。環状溝15を内層ゴム13の一端面に形成するために、内層ゴム13の一端部19を内層ゴム13の他の部分20よりも大径に膨出させてある。内層ゴム13は軸直角方向の断面形状が四角形状に設定されている。
【0055】
このスタビライザブッシュ100において、前記凹凸部7を内層ゴム13の他の部分20の内周面8に形成してある。前記凹凸部7は、第1実施形態と同様に、スタビライザブッシュ100の軸芯方向Jに延びる複数のスリット(凹部12)を前記内周面8の周方向に軸芯周りの角度10°ごとに1個、合計36個、均等に分散配設して構成されている。本実施形態では軸芯方向Jの一端(図において右側の一端)から41mm(前記他の部分20の軸芯方向Jにおける全長である)の長さにわたって凹凸部7を形成してある。このように、スタビライザブッシュ100の軸芯方向Jでスリットが形成される範囲(凹凸部7が形成される範囲)はスタビライザブッシュ100の全長でなくてもよい。
【0056】
[第3実施形態]
図11に示すように、本実施形態のスタビライザブッシュ100は、周方向で互いに隣合う凸部11と凹部12において、前記第1仮想円C1と第2仮想円C2の間における前記凸部11の軸直角方向の断面積A1が、前記第1仮想円C1と第2仮想円C2の間における前記凹部12の軸直角方向の断面積A2よりも大きく(A1>A2)に設定されている。その他の構造は第1実施形態と同一である。
【0057】
すなわち、第3実施形態においても、
スタビライザブッシュ100は筒状のゴム状弾性体から成り、頂面1が平面に形成された断面U字状に形成されている。そして、前記頂面1から内周に至る切り割り2を備え、軸芯方向Jの両端部に、径方向外方側に張り出すフランジ3を備えている。
また、スタビライザブッシュ100の円形の内周面8に凹凸部7が形成されている。この凹凸部7は、車両走行中にスタビライザブッシュ100が受ける荷重が増減しても、前記内周面8の凸部11の頂点11T1とスタビライザーバー4の外周面4Mとの間に隙間が形成されることがなく、かつ、前記スタビライザーバー4に対する前記内周面8の面圧が設定値以下となるように形状と大きさとが設定されている。本実施形態において前記設定値は5MPaである(前記設定値はこの数値に限られるものではなく、別の数値であってもよい)。
【0058】
前記凹凸部7は、スタビライザブッシュ100の軸芯方向Jに延びる複数のスリットを前記内周面8の周方向に軸芯周りの角度10°ごとに1個、合計36個、均等に分散配設して構成されている。
【0059】
前記凹凸部7のうちの凹部12を形成する前記複数のスリットは、スタビライザブッシュ100の一端から他端まで軸芯方向Jに全長にわたって延びている。そして、凹凸部7のうちの凸部11は、頂部11Tが断面円弧状の断面三角山形状に形成され、凹凸部7のうちの凹部12は、底部12Tが断面円弧状の断面三角溝状に形成されて、凸部11と凹部12とが滑らかに連なっている。
【0060】
前記凸部11の高さ寸法は、内周面8の周方向における凸部11の基部11Kの長さよりも短く設定されている。
【0061】
本実施形態のスタビライザブッシュ100によれば、周方向で互いに隣合う凸部11と凹部12において、前記第1仮想円C1と第2仮想円C2の間における前記凸部11の軸直角方向の断面積A1が、前記第1仮想円C1と第2仮想円C2の間における前記凹部12の軸直角方向の断面積A2よりも大きく(A1>A2)に設定されているから、凸部11でスタビライザーバー4を安定して支持できるとともに、凸部11のへたりを防止することができ、しかも、凸部11を弾性変形しやすくすることができて、車両の乗り心地を向上させることができる。
【0062】
[第4実施形態]
本実施形態は、前記第1実施形態又は第2実施形態又は第3実施形態のスタビライザブッシュ100の凹凸部7の変形例であり、凹凸部7以外の構造は第1実施形態又は第2実施形態又は第3実施形態と同一である。
以下、第1実施形態の変形例について、第1実施形態と異なる点について説明する。
【0063】
図9,図10に示すように、前記凹凸部7は、スタビライザブッシュ100の内周面8に複数のディンプルを分散配設して構成されている。つまり、前記凹凸部7のうちの凹部12がディンプルから成る。
【0064】
前記ディンプルは半球状の凹部に形成され、スタビライザブッシュ100の一端から他端まで軸芯方向Jに全長にわたって、かつ、全周にわたって配置されている。ディンプルの半径は0.4mm、深さは0.5mm、前記軸芯方向Jにおけるピッチは1.5mmである(本発明は、これらの数値に限定されることはなく、別の数値であってもよい)。
【0065】
前記軸芯方向Jに沿う各ディンプル列の隣合うもの同士では、ディンプル同士を前記軸芯方向Jで半ピッチ位置ずれさせてある。位置ずれさせることなく同一位置に配置した構造にも本発明を適用することができる。
【0066】
例えば、内周面に凹凸がない構造のスタビライザブッシュの場合、図10に示すように、第1内径D1よりもスタビライザブッシュの内径が大きいと、スタビライザーバー4との嵌め合いが緩くなって異音が生じる。つまり、スタビライザブッシュの内周面の径が第1内径D1以下では、異音を防止できるのであり、第1内径D1は、内周面に凹凸がない構造のスタビライザブッシュにおいて、異音を防止できる最大径である。
【0067】
また、内周面に凹凸がない構造のスタビライザブッシュの場合、図10に示すように、第2内径D2よりもスタビライザブッシュの内径が小さいとスタビライザーバー4との嵌め合いがきつくなって車両の乗り心地が低下する。つまり、スタビライザブッシュの内周面の径が第2内径D2以上では車両の乗り心地を良くすることができるのであり、第2内径D2は、内周面に凹凸がない構造のスタビライザブッシュにおいて、車両の乗り心地の低下を防止できる最小径である。
【0068】
本実施形態のスタビライザブッシュ100は、内周面を通る第1仮想円C1の径を前記第1内径D1(内周面に凹凸がない構造のスタビライザブッシュにおける異音を防止できる最大径)と同一に設定し、ディンプルの底面を通る第2仮想円C2の径を前記第2内径D2(内周面に凹凸がない構造のスタビライザブッシュにおける車両の乗り心地の低下を防止できる最小径)と同一に設定してある。
このようにして、異音の発生の防止と乗り心地の向上とを両立させることができるようにしてある。
【0069】
また、前記凹凸部7のうちの凹部を構成する前記ディンプルは半球状の凹部に形成されているから、凹部の一部分に力が集中しにくくて、凹凸部7のへたりを防止することができ、凹凸部7の耐久性を向上させることができる
【0070】
上記の構造のスタビライザブッシュ100と、内周面8に前記凹凸部7を備えない比較例のスタビライザブッシュ(本発明の凹部12(ディンプル)が埋まっているスタビライザブッシュ100)との上記取り付け状態でのスタビライザブッシュ100の滑りトルクを比較したところ、本発明のスタビライザブッシュ100では、比較例のスタビライザブッシュに比べて前記滑りトルクを15%低減することができた。
【0071】
上記の構造によれば、前記凹凸部7は、スタビライザブッシュ100の内周面8に複数のディンプルを分散配設して構成されている。つまり、前記凹凸部7のうちの凹部12がディンプルから成るから、凹凸部7をスタビライザブッシュの軸芯方向及び周方向でむらなく形成することができる。その結果、凹凸部7の機能を安定して発揮させやすくすることができる。また、凹凸部7を簡素な形状に構成することができて、製作コストを低廉化することができる。
【0072】
前記スタビライザブッシュ100の軸芯方向Jで前記ディンプルが形成される範囲(凹凸部7が形成される範囲)はスタビライザブッシュ100の全長でなくてもよい。
【0073】
以上の第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、第4実施形態において、前記ゴム状弾性体は自己潤滑性のゴム状弾性体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】スタビライザブッシュの取り付け構造を示す図
【図2】スタビライザブッシュの軸芯方向における断面図
【図3】スタビライザブッシュの軸直角方向における断面図
【図4】スタビライザブッシュの要部の拡大断面図
【図5】スタビライザブッシュの特性を示す図
【図6】比較例のスタビライザブッシュの特性を示す図
【図7】第2実施形態のスタビライザブッシュを示す図であり、スタビライザブッシュを軸芯方向から見た図
【図8】第2実施形態のスタビライザブッシュを示す図であり、スタビライザブッシュの軸芯方向における断面図
【図9】第4実施形 態のスタビライザブッシュを示す図であり、スタビライザブッシュの軸芯方向における断面図
【図10】第4実施形態のスタビライザブッシュを示す図であり、スタビライザブッシュの要部の拡大断面図
【図11】第3実施形態のスタビライザブッシュを示す図であり、スタビライザブッシュの軸直角方向における断面図
【図12】従来の技術を示す図であり、スタビライザブッシュの軸芯方向における断面図
【図13】従来の技術を示す図であり、スタビライザブッシュの軸直角方向における断面図
【図14】従来の技術の作用を示す図
【符号の説明】
【0075】
1 頂面
2 切り割り
3 フランジ
4 スタビライザーバー
4M 外周面(スタビライザーバーの外周面)
5 取り付けブラケット
6 取り付け面部
7 凹凸部
8 内周面
11 凸部
11K 基部
11T 頂部
11T1 頂点
12 凹部(スリット)
12T 底部(凹部の底部)
13 内層ゴム
14 外層ゴム
15 環状溝
16 ダストカバー
17 ダストカバー側の内周面部分
18 残りの内周面部分
19 内層ゴムの一端部
20 内層ゴムの他の部分
100 スタビライザブッシュ
A1 断面積(凸部の断面積)
A2 断面積(凹部の断面積)
C1 第1仮想円
C2 第2仮想円
D1 第1内径
D2 第2内径
d11、d12、d13、d21、d22、d23
スタビライザブッシュの内径
J 軸芯方向
K 変極点
L1 内周面の周方向における凸部の基部の長さ
O スタビライザブッシュの軸芯
H1 凸部の高さ寸法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状のゴム状弾性体から成り、車両のスタビライザーバーに外嵌して前記スタビライザーバーを保持するスタビライザブッシュであって、
内周面に凹凸部が形成され、
車両走行中に受ける荷重が増減しても、前記内周面の凸部の頂点と前記スタビライザーバーの外周面との間に隙間が形成されることがなく、かつ、前記スタビライザーバーに対する前記内周面の面圧が設定値以下となるように、前記凹凸部が構成されているスタビライザブッシュ。
【請求項2】
前記凹凸部は複数のスリットを前記内周面に分散配設して構成されている請求項1記載のスタビライザブッシュ。
【請求項3】
前記複数のスリットは、軸芯方向に延びるとともに、前記内周面の周方向に分散配設されている請求項2記載のスタビライザブッシュ。
【請求項4】
前記複数のスリットは、前記軸芯方向に全長にわたって延びている請求項3記載のスタビライザブッシュ。
【請求項5】
前記凹凸部のうちの凸部は、頂部が断面円弧状の断面三角山形状に形成され、前記凹凸部のうちの凹部は、底部が断面円弧状の断面三角溝状に形成されて、前記凸部と凹部が滑らかに連なっている請求項3又は4記載のスタビライザブッシュ。
【請求項6】
前記凸部の高さ寸法は、前記内周面の周方向における前記凸部の基部の長さよりも短く設定されている請求項5に記載のスタビライザブッシュ。
【請求項7】
前記凹凸部は、前記内周面に複数のディンプルを分散配設して構成されている請求項1記載のスタビライザブッシュ。
【請求項8】
前記ディンプルは半球状の凹部に形成されている請求項7記載のスタビライザブッシュ。
【請求項9】
車両走行中に受ける荷重が増減しても、前記内周面の凸部の頂点と前記スタビライザーバーの外周面との間に隙間が形成されることがないように、各凸部の頂点を通る第1仮想円の径が設定され、
車両走行中に受ける荷重が増減しても、前記スタビライザーバーに対する前記内周面の面圧が設定値以下となるように、各凹部の底面を通る第2仮想円の径が設定され、
周方向で互いに隣合う凸部と凹部において、前記第1仮想円と第2仮想円の間における前記凸部の軸直角方向の断面積と、前記第1仮想円と第2仮想円の間における前記凹部の軸直角方向の断面積とが同一に設定されている請求項3〜6のいずれか一つに記載のスタビライザブッシュ。
【請求項10】
車両走行中に受ける荷重が増減しても、前記内周面の凸部の頂点と前記スタビライザーバーの外周面との間に隙間が形成されることがないように、各凸部の頂点を通る第1仮想円の径が設定され、
車両走行中に受ける荷重が増減しても、前記スタビライザーバーに対する前記内周面の面圧が設定値以下となるように、各凹部の底面を通る第2仮想円の径が設定され、
周方向で互いに隣合う前記凸部と前記凹部において、前記第1仮想円と第2仮想円の間における前記凸部の軸直角方向の断面積が、前記第1仮想円と第2仮想円の間における前記凹部の軸直角方向の断面積よりも大きく設定されている請求項3〜6のいずれか一つに記載のスタビライザブッシュ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−196387(P2009−196387A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−37053(P2008−37053)
【出願日】平成20年2月19日(2008.2.19)
【出願人】(000003148)東洋ゴム工業株式会社 (2,711)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】