スタビライザーの支持構造
【課題】 スタビライザーの外周面とスタビライザーブッシュの内周面との間に砂粒や泥水が侵入するのを、簡単で耐久性の高い構造で阻止する。
【解決手段】 スタビライザーブッシュ18はその軸線Lに沿って切断したスリット18eを備え、スタビライザーブッシュ18の内周面18dの開口端における、少なくともスリット18eを挟む位置に、径方向外向きに拡開する面取部18fを形成したので、スタビライザーブッシュ18が径方向内向きに圧縮されたときに開口端に軸線L方向内向きの荷重を発生させ、開口端がめくれ上がるように開くのを防止することができる。これにより、スタビライザーブッシュ18の内周面18dとスタビライザーのトーション部15との間に砂粒や泥水が侵入するのを阻止し、異音の発生やトーション部の摩耗を防止することができる。
【解決手段】 スタビライザーブッシュ18はその軸線Lに沿って切断したスリット18eを備え、スタビライザーブッシュ18の内周面18dの開口端における、少なくともスリット18eを挟む位置に、径方向外向きに拡開する面取部18fを形成したので、スタビライザーブッシュ18が径方向内向きに圧縮されたときに開口端に軸線L方向内向きの荷重を発生させ、開口端がめくれ上がるように開くのを防止することができる。これにより、スタビライザーブッシュ18の内周面18dとスタビライザーのトーション部15との間に砂粒や泥水が侵入するのを阻止し、異音の発生やトーション部の摩耗を防止することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、左右のサスペンション装置を連結するスタビライザーのトーション部の外周面に筒状のスタビライザーブッシュの内周面を嵌合し、前記スタビライザーブッシュの外周面を車体の取付部と該車体に固定される固定部材との間に挟圧して固定するスタビライザーの支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
左右のサスペンション装置を接続するスタビライザーのトーション部の外周にゴム製のスタビライザーブッシュの軸孔を嵌合し、このスタビライザーブッシュを取付ブラケットで車体フレームに支持するものにおいて、スタビライザーブッシュの軸孔の開口端にリブ(リップ)を形成することで、スタビライザーブッシュとスタビライザーとの摺動面に砂粒や泥水が侵入するのを阻止するものが、下記特許文献1により公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平4−11710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで上記従来のものは、スタビライザーブッシュの軸孔の開口端に薄肉のリップを備えているため、スタビライザーブッシュのリップがスタビライザーのトーション部の外周面と長期間に亘って摺れ合うと、リップの摩耗や破断が発生して砂粒や泥水が侵入するのを阻止できなくなる可能性があった。
【0005】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、スタビライザーの外周面とスタビライザーブッシュの内周面との間に砂粒や泥水が侵入するのを、簡単で耐久性の高い構造で阻止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、左右のサスペンション装置を連結するスタビライザーのトーション部の外周面に筒状のスタビライザーブッシュの内周面を嵌合し、前記スタビライザーブッシュの外周面を車体の取付部と該車体に固定される固定部材との間に挟圧して固定するスタビライザーの支持構造において、前記スタビライザーブッシュは外周面から内周面まで軸線に沿って切断したスリットを備え、前記スタビライザーブッシュの内周面の少なくとも一方の開口端における、少なくとも前記スリットを挟む位置に、径方向外向きに拡開する面取部を形成したことを特徴とするスタビライザーの支持構造が提案される。
【0007】
本発明において、面取部はスタビライザーブッシュの内周面の開口端の全周に設けても良いし、スリットを挟む位置だけに設けても良い。
【0008】
尚、実施の形態の第1、第2外周面18a,18bは本発明の外周面に対応し、実施の形態の取付ブラケット21は本発明の固定部材に対応する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、スタビライザーのトーション部の外周面に嵌合して車体の取付部と固定部材との間に挟圧されて固定されるスタビライザーブッシュが、その軸線に沿って切断したスリットを備え、スタビライザーブッシュの内周面の開口端における、少なくとも前記スリットを挟む位置に、径方向外向きに拡開する面取部を形成したので、スタビライザーブッシュが車体の取付部と固定部材との間に挟圧されて径方向内向きに圧縮されたときに、その内周面の開口端のスリットを挟む位置に軸線方向内向きの荷重を発生させ、開口端がめくれ上がるように開くのを防止することができる。これにより、スタビライザーブッシュの内周面とスタビライザーのトーション部との間に砂粒や泥水が侵入するのを阻止し、異音の発生やスタビライザーの摩耗を防止することができる。しかもスタビライザーブッシュは薄肉のリップを持たないので耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るスタビライザーの車両への取付状態を示す斜視図
【図2】図1の2−2線拡大断面図
【図3】図2の3−3線断面図
【図4】スタビライザーブッシュの面取部の作用説明図
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るスタビライザーブッシュの縦断面図
【図6】本発明の第3の実施の形態に係るスタビライザーブッシュの側面図
【図7】スタビライザーブッシュの製造工程の説明図
【図8】本発明の第4の実施の形態に係るスタビライザーブッシュを示す図
【図9】本発明の第5の実施の形態に係るスタビライザーブッシュを示す図
【図10】本発明の第4、第5の実施の形態のスリットを加工するときの作用説明図
【図11】本発明の第6、第7の実施の形態に係るスタビライザーブッシュの縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を添付の図面に基づいて説明する。
【0012】
図1〜図4は本発明の第1の実施の形態を示すもので、図1はスタビライザーの車両への取付状態を示す斜視図、図2は図1の2−2線拡大断面図、図3は図2の3−3線断面図、図4はスタビライザーブッシュの面取部の作用説明図である。
【0013】
図1に示すように、左右の車輪W,Wを懸架するストラット式のサスペンション装置S,Sは、サスペンションアーム10,10を介して車体に上下動自在に支持された左右のナックル11,11と、各ナックル11,11の上部に結合されて上方に延びるダンパー12,12と、各ダンパー12,12の上部外周に同軸に配置されたサスペンションスプリング13,13と、左右のナックル11,11の上部間を連結するスタビライザー14とを備える。
【0014】
スタビライザー14は、車幅方向に直線状に延びるトーション部15と、トーション部15の両端から車体後方に直線状に延びる左右のアーム部16,16と、トーション部15およびアーム部16,16を滑らかに接続する左右の湾曲部17,17とを備える。左右のアーム部16,16の先端は、それぞれリンク22,22を介してダンパー12,12に接続される。左右の湾曲部17,17に隣接するトーション部15の両端に筒状のゴムよりなるスタビライザーブッシュ18,18が嵌合しており、それらのスタビライザーブッシュ18,18は車体19のU字状の取付部19a(図2参照)と、その取付部19aを覆うように車体19にボルト20,20で固定される板状の取付ブラケット21との間に挟まれて支持される。
【0015】
図2および図3から明らかなように、各スタビライザーブッシュ18は、平坦な第1外周面18aと、U字状の第2外周面18bと、一対の側面18c,18cと、両側面18c,18cに開口してスタビライザー14のトーション部15が嵌合する円形断面の内周面18dとを備える。スタビライザーブッシュ18には、その軸線Lを含む平面内に配置されて第2外周面18bから内周面18dに達する割り溝状のスリット18eが形成される。また内周面18dの軸線L方向両端部には、径方向外側に拡開する面取部18f,18fが形成される。
【0016】
上述のような形状を有するスタビライザーブッシュ18は、そのスリット18eを弾性変形させて広げることで、スタビライザー14のトーション部15の外周面に嵌合することができる。そしてスタビライザーブッシュ18のU字状の第2外周面18bを車体19のU字状の取付部19aに嵌合し、その平坦な第1外周面18aを平坦な取付ブラケット21に当接して保持される。このとき、スタビライザーブッシュ18は車体19および取付ブラケット21間に挟持されて径方向内向きに所定の締め代で圧縮され、その内周面18dがスタビライザー14のトーション部15の外周面に圧接され、かつスリット18eが閉じるように圧接される。
【0017】
このように構成されたスタビライザー14は、左右の車輪W,Wが同位相で上下動する場合には、左右のアーム部16,16が同位相で上下動してトーション部15が捩じれないためにロールモーメントを発生しないが、左右の車輪W,Wが逆位相で上下動する場合には、左右のアーム部16,16が逆位相で上下動してトーション部15が捩じれるために車体のローリングを抑制するロールモーメントを発生し、車両の操縦安定性を高めることができる。
【0018】
ところで、スタビライザー14に径方向の外力が作用すると、トーション部15の外周面とスタビライザーブッシュ18の内周面18dとの間に隙間が発生し、そこから砂粒や泥水が侵入して異音や摩耗が発生する原因となる可能性がある。本実施の形態では、スタビライザーブッシュ18の内周面18dの軸線L方向両端部に形成した面取部18f,18fの作用で砂粒や泥水が侵入を阻止することができる。
【0019】
即ち、スタビライザーブッシュ18が車体19および取付ブラケット21間に挟持されて径方向内向きに所定の締め代で圧縮されると、スタビライザーブッシュ18が軸線L方向外向きに押し出されるように弾性変形し、内周面18dの軸線L方向端部がめくれ上がってトーション部15の外周面との間に隙間が発生してしまい、その隙間から砂粒や泥水が侵入する可能性がある。
【0020】
しかしながら、スタビライザーブッシュ18の内周面18dの軸線L方向端部に面取部18f,18fを設けたことで、図3において軸線Lに直交する方向の圧縮荷重Aが加わったときに軸線L方向内向きの荷重Bを発生させ、内周面18dの開口端のa部がトーション部15に接触する面圧を増加させることができる。その結果、トーション部15に径方向の荷重が作用しても、その外周面とスタビライザーブッシュ18の内周面18dとの間に隙間が発生するのを防止し、砂粒や泥水の侵入を阻止することができる。しかもスタビライザーブッシュ18は薄肉のリップを持たないので耐久性が向上する。
【0021】
面取部18f,18fが砂粒や泥水の侵入を阻止する機能は、スタビライザーブッシュ18の軸線Lと面取部18f,18fとが成す鋭角θの大きさにより変化する。砂粒Sが荷重Fで軸線L方向に面取部18fに押し付けられたとき、その荷重Fは面取部18fに直交する方向の成分F1と軸線Lに直交する方向の成分F2とに分解され、軸線Lに直交する方向の成分F2の反力F2′が面取部18fを押し開こうとする。
【0022】
図4(A)および図4(B)は、それぞれ前記鋭角θが65°の場合および35°の場合を示している。鋭角θが大きい図4(A)の場合は面取部18fを押し開こうとする反力F2′が小さくなるが、鋭角θが小さい図4(B)の場合は面取部18fを押し開こうとする反力F2′が大きくなる。従って、鋭角θを大きくした方が異物が面取部18fに食い込み難くなり、かつ一旦食い込んだ異物がそこに留まらずに排出され易くなる。以上の理由から、鋭角θの下限値は45°が望ましい。
【0023】
一方、前述したように、鋭角θが直角に近づくと、スタビライザーブッシュ18を径方向内側に圧縮しようとする荷重で面取部18fが軸線L方向外側に押し出されてめくれ上がるように開くため、鋭角θの上限値は75°が望ましい。従って鋭角θを45°〜75°の範囲に設定すれば、スタビライザーブッシュ18の内周面18dの開口端を開き難くしながら、面取部18fに異物が食い込んだり、食い込んだ異物が排出され難くなったりするのを防止することができる。
【0024】
次に、図5に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0025】
第2の実施の形態は、第1の実施の形態のスタビライザーブッシュ18の内周面18dの軸線L方向両端部、つまり面取部18f,18fに連なる部分に内径を縮小した小径部18g,18gを形成したものである。この小径部18g,18gを形成したことにより、スタビライザーブッシュ18の内周面18dがトーション部15の外周面に当接する面圧が増加し、砂粒や泥水の侵入を一層確実に防止することができる。
【0026】
次に、図6および図7に基づいて本発明の第3の実施の形態を説明する。
【0027】
第1、第2の実施の形態のスタビライザーブッシュ18のスリット18eは、スタビライザーブッシュ18の成形後にカッターやレーザーにより切断して形成されるが、第3の実施の形態のスタビライザーブッシュ18は,そのスリット18eが金型成形および切断の併用により形成される。
【0028】
図6に示すように、スタビライザーブッシュ18は、スリット18e側の第1外周面18aから径方向外側に第1膨出部18a′が突出し、スリット18e側の第2外周面18bから径方向外側に第2膨出部18b′が突出する。従って、車体19の取付部19aと取付ブラケット21との間にスタビライザーブッシュ18が挟持されたとき、第1、第2膨出部18a′,18b′が圧縮されることでスリット18eが密着するように閉じられ、そこからの砂粒や泥水の侵入が阻止される。
【0029】
図7(A)に示すように、スタビライザーブッシュ18を成形する金型31は、第1金型32と、第2金型33と、中子34とで構成されるもので、第2金型33に前記スリット18eを成形するための楔状の突起33aが形成される。楔状の突起33aの先端は中子34の外周面に達しておらず、従って金型31により成形された段階で、スタビライザーブッシュ18のスリット18eの先端は内周面18dに連通していない。金型31による成形の完了後に、図7(B)に示すように、カッター35(あるいはレーザー)でスリット18eの先端が内周面18dまで完全に切断される。
【0030】
仮に、金型成形だけで内周面18dに達するスリット18eを形成しようとすると、第2金型33の突起33aと中子34との間にバリが発生することが避けられず、そのバリによってスリット18eが完全に閉じずに隙間が空いてしまう可能性があるが、カッター35を用いてスリット18eの先端を切断することで、その部分の密着性を高めて異物の侵入を阻止することができる。
【0031】
次に、図8に基づいて本発明の第4の実施の形態を説明する。
【0032】
上述した第1〜第3の実施の形態では、スタビライザーブッシュ18の内周面18dの軸線L方向両端部に、径方向外側に拡開する面取部18f,18fが360°に亘って形成されているが、第4の実施の形態の面取部18f,18fは、スリット18eを挟む両側部分だけに形成されている。軸線L方向に見た面取部18fの形状は、スタビライザーブッシュ18の内周面18dから径方向外側に向かって二等辺三角形状にテーパーし、その頂点がスリット18e上に位置している。従って、面取部18fの深さはスリット18eがスタビライザーブッシュ18の内周面18dと交差する位置で最も深く、そこから径方向外側に向かって次第に浅くなると同時に、円周方向両側に向かって次第に浅くなっている。
【0033】
この第4の実施の形態の面取部18fの作用は、第1の実施の形態の環状の面取部18fの作用と同じであるが、スタビライザー14の捩じれ変形に伴う径方向の荷重で拡開して砂粒や泥水が侵入し易いスリット18eの両側部分に面取部18fを設けたことで、面取部18fを小型化しながら、第1〜第3の実施の形態の360°に亘る面取部18fと同様の作用効果を達成することができる。
【0034】
次に、図9に基づいて本発明の第5の実施の形態を説明する。
【0035】
第4の実施の形態の面取部18fは二等辺三角形状に形成されているが、第5の実施の形態の面取部18fは三日月状に形成されており、その他の構成は同一である。スリット18eを介しての砂粒や泥水の侵入を阻止する機能は、第4の実施の形態も第5の実施の形態も同じであるが、第5の実施の形態は製造時の作業性が向上するという効果を有している。
【0036】
即ち、前述したように、スタビライザーブッシュ18は金型成形された後に、カッター35(あるいはレーザー)でスリット18eが加工される。このとき、図10(A)に示すように、第4の実施の形態の二等辺三角形状の面取部18fを設けたものでは、スリット18eの位置が円周方向に僅かにずれただけで二等辺三角形状の面取部18fの頂点から外れてしまい、面取部18fの機能が損なわれてしまう可能性がある。一方、図10(B)に示すように、第5の実施の形態の三日月状の面取部18fを設けたものでは、スリット18eの位置が円周方向に僅かにずれても殆ど影響がなく、面取部18fの機能を安定して発揮させることができる。
【0037】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0038】
例えば、実施の形態のスタビライザー14はトーション部15、アーム部16,16および湾曲部17,17を一体に備えているが、直線状のトーション部15の両端に別部材で構成したアーム部16,16をボルト等で固定するものであっても良い。
【0039】
また実施の形態ではストラット式のサスペンションSを例示したが、本発明のスタビライザー14は任意の型式のサスペンション装置に適用することができる。
【0040】
また実施の形態では車体19に形成したU字状の取付部19aと平坦な取付ブラケット21との間にスタビライザーブッシュ18を挟んで支持しているが、車体19の平坦面にU字状の取付ブラケットを用いてスタビライザーブッシュ18を支持しても良い。
【0041】
また実施の形態ではダンパー12,12にスタビライザー14のアーム部16,16を接続しているが、ナックル11,11あるいはサスペンションアーム10,10にスタビライザー14のアーム部16,16を接続しても良い。
【0042】
また第1〜第3の実施の形態ではスタビライザーブッシュ18が直線状の面取部18fを備えているが、面取部18fは必ずしも直線状である必要はない。本発明の第6の実施の形態を示す図11(A)の例では面取部18fが曲線状であり、本発明の第7の実施の形態を示す図11(B)の例では面取部18fが段付きの直線状である。これらの実施の形態でも、スタビライザーブッシュ18の装着状態において、軸線Lに対して面取部18fが成す鋭角を45°〜75°の範囲とすれば、第1〜第3の実施の形態と同様の作用効果を達成することができる。
【符号の説明】
【0043】
14 スタビライザー
15 トーション部
18 スタビライザーブッシュ
18a 第1外周面(外周面)
18b 第2外周面(外周面)
18d 内周面
18e スリット
18f 面取部
19 車体
19a 取付部
21 取付ブラケット(固定部材)
35 カッター
L 軸線
S サスペンション装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、左右のサスペンション装置を連結するスタビライザーのトーション部の外周面に筒状のスタビライザーブッシュの内周面を嵌合し、前記スタビライザーブッシュの外周面を車体の取付部と該車体に固定される固定部材との間に挟圧して固定するスタビライザーの支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
左右のサスペンション装置を接続するスタビライザーのトーション部の外周にゴム製のスタビライザーブッシュの軸孔を嵌合し、このスタビライザーブッシュを取付ブラケットで車体フレームに支持するものにおいて、スタビライザーブッシュの軸孔の開口端にリブ(リップ)を形成することで、スタビライザーブッシュとスタビライザーとの摺動面に砂粒や泥水が侵入するのを阻止するものが、下記特許文献1により公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平4−11710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで上記従来のものは、スタビライザーブッシュの軸孔の開口端に薄肉のリップを備えているため、スタビライザーブッシュのリップがスタビライザーのトーション部の外周面と長期間に亘って摺れ合うと、リップの摩耗や破断が発生して砂粒や泥水が侵入するのを阻止できなくなる可能性があった。
【0005】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、スタビライザーの外周面とスタビライザーブッシュの内周面との間に砂粒や泥水が侵入するのを、簡単で耐久性の高い構造で阻止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、左右のサスペンション装置を連結するスタビライザーのトーション部の外周面に筒状のスタビライザーブッシュの内周面を嵌合し、前記スタビライザーブッシュの外周面を車体の取付部と該車体に固定される固定部材との間に挟圧して固定するスタビライザーの支持構造において、前記スタビライザーブッシュは外周面から内周面まで軸線に沿って切断したスリットを備え、前記スタビライザーブッシュの内周面の少なくとも一方の開口端における、少なくとも前記スリットを挟む位置に、径方向外向きに拡開する面取部を形成したことを特徴とするスタビライザーの支持構造が提案される。
【0007】
本発明において、面取部はスタビライザーブッシュの内周面の開口端の全周に設けても良いし、スリットを挟む位置だけに設けても良い。
【0008】
尚、実施の形態の第1、第2外周面18a,18bは本発明の外周面に対応し、実施の形態の取付ブラケット21は本発明の固定部材に対応する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、スタビライザーのトーション部の外周面に嵌合して車体の取付部と固定部材との間に挟圧されて固定されるスタビライザーブッシュが、その軸線に沿って切断したスリットを備え、スタビライザーブッシュの内周面の開口端における、少なくとも前記スリットを挟む位置に、径方向外向きに拡開する面取部を形成したので、スタビライザーブッシュが車体の取付部と固定部材との間に挟圧されて径方向内向きに圧縮されたときに、その内周面の開口端のスリットを挟む位置に軸線方向内向きの荷重を発生させ、開口端がめくれ上がるように開くのを防止することができる。これにより、スタビライザーブッシュの内周面とスタビライザーのトーション部との間に砂粒や泥水が侵入するのを阻止し、異音の発生やスタビライザーの摩耗を防止することができる。しかもスタビライザーブッシュは薄肉のリップを持たないので耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るスタビライザーの車両への取付状態を示す斜視図
【図2】図1の2−2線拡大断面図
【図3】図2の3−3線断面図
【図4】スタビライザーブッシュの面取部の作用説明図
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るスタビライザーブッシュの縦断面図
【図6】本発明の第3の実施の形態に係るスタビライザーブッシュの側面図
【図7】スタビライザーブッシュの製造工程の説明図
【図8】本発明の第4の実施の形態に係るスタビライザーブッシュを示す図
【図9】本発明の第5の実施の形態に係るスタビライザーブッシュを示す図
【図10】本発明の第4、第5の実施の形態のスリットを加工するときの作用説明図
【図11】本発明の第6、第7の実施の形態に係るスタビライザーブッシュの縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を添付の図面に基づいて説明する。
【0012】
図1〜図4は本発明の第1の実施の形態を示すもので、図1はスタビライザーの車両への取付状態を示す斜視図、図2は図1の2−2線拡大断面図、図3は図2の3−3線断面図、図4はスタビライザーブッシュの面取部の作用説明図である。
【0013】
図1に示すように、左右の車輪W,Wを懸架するストラット式のサスペンション装置S,Sは、サスペンションアーム10,10を介して車体に上下動自在に支持された左右のナックル11,11と、各ナックル11,11の上部に結合されて上方に延びるダンパー12,12と、各ダンパー12,12の上部外周に同軸に配置されたサスペンションスプリング13,13と、左右のナックル11,11の上部間を連結するスタビライザー14とを備える。
【0014】
スタビライザー14は、車幅方向に直線状に延びるトーション部15と、トーション部15の両端から車体後方に直線状に延びる左右のアーム部16,16と、トーション部15およびアーム部16,16を滑らかに接続する左右の湾曲部17,17とを備える。左右のアーム部16,16の先端は、それぞれリンク22,22を介してダンパー12,12に接続される。左右の湾曲部17,17に隣接するトーション部15の両端に筒状のゴムよりなるスタビライザーブッシュ18,18が嵌合しており、それらのスタビライザーブッシュ18,18は車体19のU字状の取付部19a(図2参照)と、その取付部19aを覆うように車体19にボルト20,20で固定される板状の取付ブラケット21との間に挟まれて支持される。
【0015】
図2および図3から明らかなように、各スタビライザーブッシュ18は、平坦な第1外周面18aと、U字状の第2外周面18bと、一対の側面18c,18cと、両側面18c,18cに開口してスタビライザー14のトーション部15が嵌合する円形断面の内周面18dとを備える。スタビライザーブッシュ18には、その軸線Lを含む平面内に配置されて第2外周面18bから内周面18dに達する割り溝状のスリット18eが形成される。また内周面18dの軸線L方向両端部には、径方向外側に拡開する面取部18f,18fが形成される。
【0016】
上述のような形状を有するスタビライザーブッシュ18は、そのスリット18eを弾性変形させて広げることで、スタビライザー14のトーション部15の外周面に嵌合することができる。そしてスタビライザーブッシュ18のU字状の第2外周面18bを車体19のU字状の取付部19aに嵌合し、その平坦な第1外周面18aを平坦な取付ブラケット21に当接して保持される。このとき、スタビライザーブッシュ18は車体19および取付ブラケット21間に挟持されて径方向内向きに所定の締め代で圧縮され、その内周面18dがスタビライザー14のトーション部15の外周面に圧接され、かつスリット18eが閉じるように圧接される。
【0017】
このように構成されたスタビライザー14は、左右の車輪W,Wが同位相で上下動する場合には、左右のアーム部16,16が同位相で上下動してトーション部15が捩じれないためにロールモーメントを発生しないが、左右の車輪W,Wが逆位相で上下動する場合には、左右のアーム部16,16が逆位相で上下動してトーション部15が捩じれるために車体のローリングを抑制するロールモーメントを発生し、車両の操縦安定性を高めることができる。
【0018】
ところで、スタビライザー14に径方向の外力が作用すると、トーション部15の外周面とスタビライザーブッシュ18の内周面18dとの間に隙間が発生し、そこから砂粒や泥水が侵入して異音や摩耗が発生する原因となる可能性がある。本実施の形態では、スタビライザーブッシュ18の内周面18dの軸線L方向両端部に形成した面取部18f,18fの作用で砂粒や泥水が侵入を阻止することができる。
【0019】
即ち、スタビライザーブッシュ18が車体19および取付ブラケット21間に挟持されて径方向内向きに所定の締め代で圧縮されると、スタビライザーブッシュ18が軸線L方向外向きに押し出されるように弾性変形し、内周面18dの軸線L方向端部がめくれ上がってトーション部15の外周面との間に隙間が発生してしまい、その隙間から砂粒や泥水が侵入する可能性がある。
【0020】
しかしながら、スタビライザーブッシュ18の内周面18dの軸線L方向端部に面取部18f,18fを設けたことで、図3において軸線Lに直交する方向の圧縮荷重Aが加わったときに軸線L方向内向きの荷重Bを発生させ、内周面18dの開口端のa部がトーション部15に接触する面圧を増加させることができる。その結果、トーション部15に径方向の荷重が作用しても、その外周面とスタビライザーブッシュ18の内周面18dとの間に隙間が発生するのを防止し、砂粒や泥水の侵入を阻止することができる。しかもスタビライザーブッシュ18は薄肉のリップを持たないので耐久性が向上する。
【0021】
面取部18f,18fが砂粒や泥水の侵入を阻止する機能は、スタビライザーブッシュ18の軸線Lと面取部18f,18fとが成す鋭角θの大きさにより変化する。砂粒Sが荷重Fで軸線L方向に面取部18fに押し付けられたとき、その荷重Fは面取部18fに直交する方向の成分F1と軸線Lに直交する方向の成分F2とに分解され、軸線Lに直交する方向の成分F2の反力F2′が面取部18fを押し開こうとする。
【0022】
図4(A)および図4(B)は、それぞれ前記鋭角θが65°の場合および35°の場合を示している。鋭角θが大きい図4(A)の場合は面取部18fを押し開こうとする反力F2′が小さくなるが、鋭角θが小さい図4(B)の場合は面取部18fを押し開こうとする反力F2′が大きくなる。従って、鋭角θを大きくした方が異物が面取部18fに食い込み難くなり、かつ一旦食い込んだ異物がそこに留まらずに排出され易くなる。以上の理由から、鋭角θの下限値は45°が望ましい。
【0023】
一方、前述したように、鋭角θが直角に近づくと、スタビライザーブッシュ18を径方向内側に圧縮しようとする荷重で面取部18fが軸線L方向外側に押し出されてめくれ上がるように開くため、鋭角θの上限値は75°が望ましい。従って鋭角θを45°〜75°の範囲に設定すれば、スタビライザーブッシュ18の内周面18dの開口端を開き難くしながら、面取部18fに異物が食い込んだり、食い込んだ異物が排出され難くなったりするのを防止することができる。
【0024】
次に、図5に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0025】
第2の実施の形態は、第1の実施の形態のスタビライザーブッシュ18の内周面18dの軸線L方向両端部、つまり面取部18f,18fに連なる部分に内径を縮小した小径部18g,18gを形成したものである。この小径部18g,18gを形成したことにより、スタビライザーブッシュ18の内周面18dがトーション部15の外周面に当接する面圧が増加し、砂粒や泥水の侵入を一層確実に防止することができる。
【0026】
次に、図6および図7に基づいて本発明の第3の実施の形態を説明する。
【0027】
第1、第2の実施の形態のスタビライザーブッシュ18のスリット18eは、スタビライザーブッシュ18の成形後にカッターやレーザーにより切断して形成されるが、第3の実施の形態のスタビライザーブッシュ18は,そのスリット18eが金型成形および切断の併用により形成される。
【0028】
図6に示すように、スタビライザーブッシュ18は、スリット18e側の第1外周面18aから径方向外側に第1膨出部18a′が突出し、スリット18e側の第2外周面18bから径方向外側に第2膨出部18b′が突出する。従って、車体19の取付部19aと取付ブラケット21との間にスタビライザーブッシュ18が挟持されたとき、第1、第2膨出部18a′,18b′が圧縮されることでスリット18eが密着するように閉じられ、そこからの砂粒や泥水の侵入が阻止される。
【0029】
図7(A)に示すように、スタビライザーブッシュ18を成形する金型31は、第1金型32と、第2金型33と、中子34とで構成されるもので、第2金型33に前記スリット18eを成形するための楔状の突起33aが形成される。楔状の突起33aの先端は中子34の外周面に達しておらず、従って金型31により成形された段階で、スタビライザーブッシュ18のスリット18eの先端は内周面18dに連通していない。金型31による成形の完了後に、図7(B)に示すように、カッター35(あるいはレーザー)でスリット18eの先端が内周面18dまで完全に切断される。
【0030】
仮に、金型成形だけで内周面18dに達するスリット18eを形成しようとすると、第2金型33の突起33aと中子34との間にバリが発生することが避けられず、そのバリによってスリット18eが完全に閉じずに隙間が空いてしまう可能性があるが、カッター35を用いてスリット18eの先端を切断することで、その部分の密着性を高めて異物の侵入を阻止することができる。
【0031】
次に、図8に基づいて本発明の第4の実施の形態を説明する。
【0032】
上述した第1〜第3の実施の形態では、スタビライザーブッシュ18の内周面18dの軸線L方向両端部に、径方向外側に拡開する面取部18f,18fが360°に亘って形成されているが、第4の実施の形態の面取部18f,18fは、スリット18eを挟む両側部分だけに形成されている。軸線L方向に見た面取部18fの形状は、スタビライザーブッシュ18の内周面18dから径方向外側に向かって二等辺三角形状にテーパーし、その頂点がスリット18e上に位置している。従って、面取部18fの深さはスリット18eがスタビライザーブッシュ18の内周面18dと交差する位置で最も深く、そこから径方向外側に向かって次第に浅くなると同時に、円周方向両側に向かって次第に浅くなっている。
【0033】
この第4の実施の形態の面取部18fの作用は、第1の実施の形態の環状の面取部18fの作用と同じであるが、スタビライザー14の捩じれ変形に伴う径方向の荷重で拡開して砂粒や泥水が侵入し易いスリット18eの両側部分に面取部18fを設けたことで、面取部18fを小型化しながら、第1〜第3の実施の形態の360°に亘る面取部18fと同様の作用効果を達成することができる。
【0034】
次に、図9に基づいて本発明の第5の実施の形態を説明する。
【0035】
第4の実施の形態の面取部18fは二等辺三角形状に形成されているが、第5の実施の形態の面取部18fは三日月状に形成されており、その他の構成は同一である。スリット18eを介しての砂粒や泥水の侵入を阻止する機能は、第4の実施の形態も第5の実施の形態も同じであるが、第5の実施の形態は製造時の作業性が向上するという効果を有している。
【0036】
即ち、前述したように、スタビライザーブッシュ18は金型成形された後に、カッター35(あるいはレーザー)でスリット18eが加工される。このとき、図10(A)に示すように、第4の実施の形態の二等辺三角形状の面取部18fを設けたものでは、スリット18eの位置が円周方向に僅かにずれただけで二等辺三角形状の面取部18fの頂点から外れてしまい、面取部18fの機能が損なわれてしまう可能性がある。一方、図10(B)に示すように、第5の実施の形態の三日月状の面取部18fを設けたものでは、スリット18eの位置が円周方向に僅かにずれても殆ど影響がなく、面取部18fの機能を安定して発揮させることができる。
【0037】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0038】
例えば、実施の形態のスタビライザー14はトーション部15、アーム部16,16および湾曲部17,17を一体に備えているが、直線状のトーション部15の両端に別部材で構成したアーム部16,16をボルト等で固定するものであっても良い。
【0039】
また実施の形態ではストラット式のサスペンションSを例示したが、本発明のスタビライザー14は任意の型式のサスペンション装置に適用することができる。
【0040】
また実施の形態では車体19に形成したU字状の取付部19aと平坦な取付ブラケット21との間にスタビライザーブッシュ18を挟んで支持しているが、車体19の平坦面にU字状の取付ブラケットを用いてスタビライザーブッシュ18を支持しても良い。
【0041】
また実施の形態ではダンパー12,12にスタビライザー14のアーム部16,16を接続しているが、ナックル11,11あるいはサスペンションアーム10,10にスタビライザー14のアーム部16,16を接続しても良い。
【0042】
また第1〜第3の実施の形態ではスタビライザーブッシュ18が直線状の面取部18fを備えているが、面取部18fは必ずしも直線状である必要はない。本発明の第6の実施の形態を示す図11(A)の例では面取部18fが曲線状であり、本発明の第7の実施の形態を示す図11(B)の例では面取部18fが段付きの直線状である。これらの実施の形態でも、スタビライザーブッシュ18の装着状態において、軸線Lに対して面取部18fが成す鋭角を45°〜75°の範囲とすれば、第1〜第3の実施の形態と同様の作用効果を達成することができる。
【符号の説明】
【0043】
14 スタビライザー
15 トーション部
18 スタビライザーブッシュ
18a 第1外周面(外周面)
18b 第2外周面(外周面)
18d 内周面
18e スリット
18f 面取部
19 車体
19a 取付部
21 取付ブラケット(固定部材)
35 カッター
L 軸線
S サスペンション装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右のサスペンション装置(S)を連結するスタビライザー(14)のトーション部(15)の外周面に筒状のスタビライザーブッシュ(18)の内周面(18d)を嵌合し、前記スタビライザーブッシュ(18)の外周面(18a,18b)を車体(19)の取付部(19a)と該車体(19)に固定される固定部材(21)との間に挟圧して固定するスタビライザーの支持構造において、
前記スタビライザーブッシュ(18)は外周面(18b)から内周面(18d)まで軸線(L)に沿って切断したスリット(18e)を備え、
前記スタビライザーブッシュ(18)の内周面(18d)の少なくとも一方の開口端における、少なくとも前記スリット(18e)を挟む位置に、径方向外向きに拡開する面取部(18f)を形成したことを特徴とするスタビライザーの支持構造。
【請求項1】
左右のサスペンション装置(S)を連結するスタビライザー(14)のトーション部(15)の外周面に筒状のスタビライザーブッシュ(18)の内周面(18d)を嵌合し、前記スタビライザーブッシュ(18)の外周面(18a,18b)を車体(19)の取付部(19a)と該車体(19)に固定される固定部材(21)との間に挟圧して固定するスタビライザーの支持構造において、
前記スタビライザーブッシュ(18)は外周面(18b)から内周面(18d)まで軸線(L)に沿って切断したスリット(18e)を備え、
前記スタビライザーブッシュ(18)の内周面(18d)の少なくとも一方の開口端における、少なくとも前記スリット(18e)を挟む位置に、径方向外向きに拡開する面取部(18f)を形成したことを特徴とするスタビライザーの支持構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−20673(P2011−20673A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−199115(P2010−199115)
【出願日】平成22年9月6日(2010.9.6)
【分割の表示】特願2007−182844(P2007−182844)の分割
【原出願日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月6日(2010.9.6)
【分割の表示】特願2007−182844(P2007−182844)の分割
【原出願日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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