説明

ステアリング装置

【課題】小型、軽量化すると共に、製造コストを削減した送りねじ機構を有するステアリング装置を提供する。
【解決手段】送りナット55、65のねじ山の幅W2と、送りねじ軸53、63のねじ山の幅W1の比を、送りナット55、65の材料強度と、送りねじ軸53、63の材料強度の逆数に比例して形成している。送りナット55、65、及び、送りねじ軸53、63は、螺合位置のねじ山の耐荷重が同等となるので、送りナット55、65の軸方向の長さ(噛み合い長さ)LNを短くすることができるため、送りナットが小型し、送りナットの重量が軽量になると共に、製造コストを低減することが可能となる。さらに、送りねじ軸53、63のねじ山の幅W1が小さくなるため、送りねじ軸が軽量化され、製造コストを削減することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はステアリング装置、特に、ステアリングホイールのチルト位置、または、テレスコピック位置を、送りねじ機構の送り運動により調整することができるステアリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
運転者の体格や運転姿勢に応じて、ステアリングホイールのチルト位置やテレスコピック位置を調整する必要がある。このチルト位置、または、テレスコピック位置の調整を、電動モータの回転で送りねじ軸を回転させ、この送りねじ軸に螺合する送りナットを直進移動させて行うステアリング装置がある。
【0003】
このようなステアリング装置に使用される従来の送りねじ機構は、特許文献1に示すように、送りねじ軸を金属で成形し、送りナットを合成樹脂で成型することにより、送りねじ軸と送りナットの螺合時の摺動抵抗を減少させて、送りねじ機構の耐久性を向上させると共に、送り移動時の動作音を低減している。
【0004】
しかしながら、特許文献1に示すような従来の送りねじ機構の送りねじ軸のねじ山の幅と、送りナットのねじ山の幅は同一寸法(ねじ山のピッチの半分)に形成されている。ところが、金属製の送りねじ軸と合成樹脂製の送りナットでは、合成樹脂製の送りナットの方が材料強度が極端に小さい。従って、材料強度の小さい送りナットに合わせて、ねじの噛み合い長さ(送りナットの軸方向の長さ)を決めているため、送りナットが大型化し、送りナットの重量が増加すると共に、製造コストが上昇する問題があった。
【0005】
【特許文献1】特開2000−238647号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、小型、軽量化すると共に、製造コストを低減した送りねじ機構を有するステアリング装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は以下の手段によって解決される。すなわち、第1番目の発明は、車体後方側にステアリングホイールが装着されるステアリングシャフト、車体取付けブラケットを介して車体に取り付けられ、上記ステアリングシャフトを回転可能に軸支するとともに、チルト中心軸を支点とするチルト位置調整、または、上記ステアリングシャフトの中心軸線に沿ったテレスコピック位置調整が可能なコラム、上記コラムまたは車体取付けブラケットに設けられた電動アクチュエータ、上記電動アクチュエータによって駆動され、互いに螺合する金属製の送りねじ軸と合成樹脂製の送りナットの相対移動で、上記コラムのチルト運動、または、テレスコピック運動を行う送りねじ機構を備え、上記送りねじ機構の送りナットのねじ山の幅が、送りねじ軸のねじ山の幅よりも大きく形成されていることを特徴とするステアリング装置である。
【0008】
第2番目の発明は、第1番目の発明のステアリング装置において、上記送りナットのねじ山の幅と送りねじ軸のねじ山の幅の比が、送りナットの材料強度と送りねじ軸の材料強度の逆数に比例して形成されていることを特徴とするステアリング装置である。
【0009】
第3番目の発明は、第1番目から第2番目までのいずれかの発明のステアリング装置において、上記送りねじ軸が転造ねじであることを特徴とするステアリング装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明のステアリング装置では、送りねじ機構の送りナットのねじ山の幅を、送りねじ軸のねじ山の幅よりも大きく形成している。従って、送りナット軸方向の長さが短くなり、その結果、送りナットの重量が軽減されると共に、製造コストを低減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下の実施例では、ステアリングホイールの上下方向位置と前後方向位置の両方の位置を調整する、チルト・テレスコピック式の電動ステアリング装置、及び、ステアリングホイールの前後方向位置のみを調整する、テレスコピック式の電動ステアリング装置に本発明を適用した例について説明する。もちろん、本発明は、ステアリングホイールの上下方向位置のみが調整可能なチルト式の電動ステアリング装置に適用してもよい。
【0012】
図1は本発明の電動ステアリング装置101を車両に取り付けた状態を示す全体斜視図である。電動ステアリング装置101は、ステアリングシャフト102を回動自在に軸支している。ステアリングシャフト102には、その上端(車体後方側)にステアリングホイール103が装着され、ステアリングシャフト102の下端(車体前方側)には、ユニバーサルジョイント104を介して中間シャフト105が連結されている。
【0013】
中間シャフト105には、その下端にユニバーサルジョイント106が連結され、ユニバーサルジョイント106には、ラックアンドピニオン機構等からなるステアリングギヤ107が連結されている。
【0014】
運転者がステアリングホイール103を回転操作すると、ステアリングシャフト102、ユニバーサルジョイント104、中間シャフト105、ユニバーサルジョイント106を介して、その回転力がステアリングギヤ107に伝達され、ラックアンドピニオン機構を介して、タイロッド108を移動し、車輪の操舵角を変えることができる。
【0015】
図2はチルト・テレスコピック式の電動ステアリング装置101の要部を示す正面図である。図3は図2のA−A断面図であって、チルト駆動機構の要部を示す。
【0016】
図2から図3に示すように、本発明のチルト・テレスコピック式の電動ステアリング装置101は、車体取付けブラケット2、ロアーコラム(アウターコラム)3、アッパーコラム(インナーコラム)4等から構成されている。
【0017】
車体後方側の車体取付けブラケット2は、その上板21が車体11に固定されている。ロアーコラム3の車体前方側端部にはブラケット31が一体的に形成され、このブラケット31にチルト中心軸32が取付けられている。このチルト中心軸32を支点として、中空円筒状のロアーコラム3の車体前方側端部が、車体11に、チルト位置調整(図2の紙面に平行な平面内で揺動)可能に軸支されている。
【0018】
ロアーコラム3の内周には、アッパーコラム4がテレスコピック位置調整(ロアーコラム3の中心軸線に平行に摺動)可能に嵌合している。アッパーコラム4には、上部ステアリングシャフト102Aが回動可能に軸支され、上部ステアリングシャフト102Aの車体後方側(図2の右側)端部には、ステアリングホイール103(図1参照)が固定されている。
【0019】
ロアーコラム3には、下部ステアリングシャフト102Bが回動可能に軸支され、下部ステアリングシャフト102Bは上部ステアリングシャフト102Aとスプライン嵌合している。従って、アッパーコラム4のテレスコピック位置に関わらず、上部ステアリングシャフト102Aの回転が下部ステアリングシャフト102Bに伝達される。
【0020】
下部ステアリングシャフト102Bの車体前方側(図2の左側)は、ユニバーサルジョイント104(図1参照)を介してステアリングギヤ107(図1参照)に連結され、ステアリングホイール103を運転者が手で回すと、上部ステアリングシャフト102Aを介して下部ステアリングシャフト102Bが回動し、車輪の操舵角を変えることができる。
【0021】
車体取付けブラケット2の上板21には、上板21から下方に平行に延びる図示しない左右の側板が形成され、この左右の側板の内側面に、ロアーコラム3がチルト摺動可能に挟持されている。
【0022】
ロアーコラム3の下面外周には、テレスコ位置調整を行うテレスコ駆動機構5が取付けられている。また、車体取付けブラケット2の下方には、チルト位置調整を行うチルト駆動機構6が取付けられている。
【0023】
チルト駆動機構6用のチルト用モータ61の図示しない出力軸に取付けられたウォーム62が、送りねじ軸63(図3参照)の下方に取付けられたウォームホイール64に噛み合って、チルト用モータ61の回転を送りねじ軸63に伝達している。
【0024】
送りねじ軸63は、チルト用モータ61の中心軸線に対して垂直(図2、図3の上下方向)に延び、その上端と下端が、軸受631、632によって車体取付けブラケット2に回転可能に軸支されている。送りねじ軸63の外周に形成された雄ねじには、送りナット65が螺合し、この送りねじ軸63と送りナット65によって、チルト駆動用の送りねじ機構が構成されている。
【0025】
送りナット65には、チルト駆動力伝達突起651が一体的に形成されている。このチルト駆動力伝達突起651は、ロアーコラム3の中心軸線に向かって突出し、ロアーコラム3に形成された係合孔66に、チルト駆動力伝達突起651の先端が嵌入している。送りねじ軸63が回転すると、送りナット65及びチルト駆動力伝達突起651は、垂直方向に直線運動を行う。
【0026】
ロアーコラム3の下面外周には、図2に部分的に見えるテレスコ用モータ51が取付けられている。ロアーコラム3の下面には、ロアーコラム3の中心軸線に平行に送りねじ軸53が取付られ、送りねじ軸53の車体後方端(図2の右端)が、アッパーコラム4の車体後方端に固定されたフランジ41の下端に連結されている。
【0027】
テレスコ用モータ51の図示しない出力軸に取付けられたウォームの回転が、図示しないウォームホイールに伝達され、送りねじ軸53に螺合する図示しない送りナットを回転させる。この送りナットの回転で送りねじ軸53を往復移動(図2の左右方向の移動)して、アッパーコラム4をテレスコピック位置調整する。
【0028】
この電動ステアリング装置101で、ステアリングホイール103のチルト位置を調整する必要が生じると、運転者は図示しないスイッチを操作して、チルト用モータ61を正逆いずれかの方向に回転させる。すると、チルト用モータ61の回転によって送りねじ軸63が回転し、送りナット65が直線運動を行う。
【0029】
すると送りナット65と一体のチルト駆動力伝達突起651が直線運動を行う。チルト駆動力伝達突起651はロアーコラム3の係合孔66に係合しているから、ロアーコラム3は、チルト中心軸32を支点として上方または下方にチルト移動する。
【0030】
また、この電動ステアリング装置101で、ステアリングホイール103のテレスコピック位置を調整する必要が生じると、運転者は図示しないスイッチを操作して、テレスコ用モータ51を正逆いずれかの方向に回転させる。すると、テレスコ用モータ51の回転によって、ロアーコラム3の中心軸線に平行に送りねじ軸53が移動することで、アッパーコラム4がテレスコピック移動を行う。
【0031】
図4はテレスコピック式の電動ステアリング装置101の要部を示す正面図である。図4に示すように、テレスコピック式の電動ステアリング装置101は、ロアーコラム(アウターコラム)3、アッパーコラム(インナーコラム)4等から構成されている。
【0032】
ロアーコラム3の内周には、アッパーコラム4がテレスコピック位置調整(ロアーコラム3の中心軸線に平行に摺動)可能に嵌合している。アッパーコラム4には、上部ステアリングシャフト102Aが回動可能に軸支され、上部ステアリングシャフト102Aの車体後方側(図4の右側)端部には、ステアリングホイール103が固定されている。
【0033】
ロアーコラム3には、下部ステアリングシャフト102Bが回動可能に軸支され、下部ステアリングシャフト102Bは上部ステアリングシャフト102Aとスプライン嵌合している。従って、アッパーコラム4のテレスコピック位置に関わらず、上部ステアリングシャフト102Aの回転が下部ステアリングシャフト102Bに伝達される。
【0034】
下部ステアリングシャフト102Bの車体前方側(図4の左側)は、ユニバーサルジョイント104(図1参照)を介してステアリングギヤ107(図1参照)に連結され、ステアリングホイール103を運転者が手で回すと、上部ステアリングシャフト102Aを介して下部ステアリングシャフト102Bが回動し、車輪の操舵角を変えることができる。
【0035】
ロアーコラム3の下面外周には、テレスコ位置調整を行うテレスコ駆動機構5が取付けられている。ロアーコラム3の下面には、ロアーコラム3の中心軸線に平行に送りねじ軸53が配置され、送りねじ軸53の車体後方端(図4の右端)が、アッパーコラム4の車体後方側に固定されたフランジ41の下端に連結されている。
【0036】
ロアーコラム3の下面には、テレスコ用モータ51が取付けられている。テレスコ用モータ51の図示しない出力軸に取付けられたウォーム52の回転が、ウォームホイール54に伝達され、送りねじ軸53に螺合する送りナット55を回転させる。送りナット55は、軸受56A、56Bによって、ロアーコラム3の下面に回転可能に軸承されている。
【0037】
この送りナット55の回転で送りねじ軸53を往復移動(図4の左右方向の移動)して、アッパーコラム4をテレスコピック位置調整する。この送りねじ軸53と送りナット55によって、テレスコピック駆動用の送りねじ機構が構成されている。
【0038】
この電動ステアリング装置101で、ステアリングホイール103のテレスコピック位置を調整する必要が生じると、運転者は図示しないスイッチを操作して、テレスコ用モータ51を正逆いずれかの方向に回転させる。すると、テレスコ用モータ51の回転によって、ロアーコラム3の中心軸線に平行に送りねじ軸53が移動することで、アッパーコラム4がテレスコピック移動を行う。
【0039】
図5は、上記したチルト駆動用の送りねじ軸63と送りナット65、または、テレスコピック駆動用の送りねじ軸53と送りナット55との螺合部を示す部分拡大断面図である。図5に示すように、送りナット55、65のねじ山の幅W2は、送りねじ軸53、63のねじ山の幅W1よりも大きく形成されている。ここで、ねじ山の幅W2、ねじ山の幅W1は、図5で、ねじの軸線70を含む断面において、有効径71の位置で測定したねじ山の幅を意味している。
【0040】
本発明の実施例では、送りねじ軸53及び63は、S45C、S50C等の金属で成形されている。送りねじ軸53及び63の材質は金属であればよく、アルミニウムやステンレス、真鍮等でもよい。また、送りナット55及び65は、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、芳香族ナイロン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミドMXD6樹脂、全芳香族ポリイミド樹脂、POM、変性ポリアミド6T、PEEK(ポリエーテル・エーテル・ケトン)、PA(ポリアミド)等の合成樹脂で成形されている。
【0041】
本発明の実施例では、送りナット55、65のねじ山の幅W2と、送りねじ軸53、63のねじ山の幅W1の比を、送りナット55、65の材料強度と、送りねじ軸53、63の材料強度の逆数に比例して形成している。図6が、送りねじ軸53、63のねじ山の幅W1と、送りナット55、65のねじ山の幅W2の計算方法の一例を示す部分拡大断面図である。
【0042】
図6で、送りねじ軸53、63の外径D1は12.4mm、送りナット55、65の内径D2は10.4mmとする。この送りねじ機構で、送りねじ軸53、63と送りナット55、65の噛み合い高さHは、
H=(D1−D2)/2=(12.4−10.4)/2=1.0mm
となる。
【0043】
送りねじ軸53、63の剪断長をL1、送りナット55、65の剪断長をL2、剪断長L1と剪断長L2の合計剪断長をL、ねじ山のピッチPを2.0mm、ねじ山の半角θを15度とすると、合計剪断長Lは、
L=L1+L2=P+H*tanθ*2=2.0+1.0*tan(15°)*2
=2.536mm
となる。
【0044】
送りねじ軸53、63の材質をS45Cとすると、その剪断強度τ1が400N/mm、送りナット55、65の材質を芳香族ナイロン樹脂とすると、その剪断強度τ2が95N/mmとなる。送りねじ軸53、63の剪断長L1を、送りナット55、65の剪断強度と、送りねじ軸53、63の剪断強度の逆数に比例した値になるように計算すると、
L1=L*(τ2*D1*π)/((τ1*D2*π)+(τ2*D1*π))
=2.536*(95*12.4*π)/((400*10.4*π)+
(95*12.4*π))
=0.560mm
となる。
【0045】
同様に、送りナット55、65の剪断長L2を、送りねじ軸53、63のの剪断強度と、送りナット55、65の剪断強度の逆数に比例した値になるように計算すると、
L2=L*(τ1*D2*π)/((τ1*D2*π)+(τ2*D1*π))
=2.536*(400*10.4*π)/((400*10.4*π)+
(95*12.4*π))
=1.976mm
となる。
【0046】
従って、送りねじ軸53、63のねじ山の幅W1は、
W1=L1−H*tanθ=0.560−1.0*tan(15°)
=0.292mm
となる。
【0047】
また、送りナット55、65のねじ山の幅W2は、
W2=L2−H*tanθ=1.976−1.0*tan(15°)
=1.708mm
となる。
【0048】
従って、送りナット55、65、及び、送りねじ軸53、63は、螺合位置のねじ山の耐荷重が同等となるので、送りナット55、65の軸方向の長さ(噛み合い長さ)LN(図5参照)を短くすることができるため、送りナットが小型し、送りナットの重量が軽量になると共に、製造コストを低減することが可能となる。さらに、送りねじ軸53、63のねじ山の幅W1が小さくなるため、送りねじ軸が軽量化され、製造コストを削減することが可能となる。
【0049】
また、送りねじ軸53、63を転造ねじにすれば、さらに製造コストを削減することが可能となる。
【0050】
上記実施例では、ロアーコラム3がアウターコラム、アッパーコラム4がインナーコラムで構成されているが、ロアーコラム3をインナ−コラム、アッパーコラム4をアウターコラムにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の電動ステアリング装置を車両に取り付けた状態を示す全体斜視図である。
【図2】本発明のチルト・テレスコピック式の電動ステアリング装置の要部を示す正面図である。
【図3】図2のA−A断面図であって、チルト駆動機構の要部を示す。
【図4】本発明のテレスコピック式の電動ステアリング装置の要部を示す正面図である。
【図5】送りねじ軸と送りナットとの螺合部を示す部分拡大断面図である。
【図6】送りねじ軸のねじ山の幅と送りナットのねじ山の幅の計算方法の一例を示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
【0052】
101 電動ステアリング装置
102 ステアリングシャフト
102A 上部ステアリングシャフト
102B 下部ステアリングシャフト
103 ステアリングホイール
104 ユニバーサルジョイント
105 中間シャフト
106 ユニバーサルジョイント
107 ステアリングギヤ
108 タイロッド
11 車体
2 車体取付けブラケット
21 上板
3 ロアーコラム
31 ブラケット
32 チルト中心軸
4 アッパーコラム
41 フランジ
5 テレスコ駆動機構
51 テレスコ用モータ
52 ウォーム
53 送りねじ軸
54 ウォームホイール
55 送りナット
56A、56B 軸受
6 チルト駆動機構
61 チルト用モータ
62 ウォーム
63 送りねじ軸
631、632 軸受
64 ウォームホイール
65 送りナット
651 チルト駆動力伝達突起
66 係合孔
70 ねじの軸線
71 有効径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体後方側にステアリングホイールが装着されるステアリングシャフト、
車体取付けブラケットを介して車体に取り付けられ、上記ステアリングシャフトを回転可能に軸支するとともに、チルト中心軸を支点とするチルト位置調整、または、上記ステアリングシャフトの中心軸線に沿ったテレスコピック位置調整が可能なコラム、
上記コラムまたは車体取付けブラケットに設けられた電動アクチュエータ、
上記電動アクチュエータによって駆動され、互いに螺合する金属製の送りねじ軸と合成樹脂製の送りナットの相対移動で、上記コラムのチルト運動、または、テレスコピック運動を行う送りねじ機構を備え、
上記送りねじ機構の送りナットのねじ山の幅が、送りねじ軸のねじ山の幅よりも大きく形成されていること
を特徴とするステアリング装置。
【請求項2】
請求項1に記載されたステアリング装置において、
上記送りナットのねじ山の幅と送りねじ軸のねじ山の幅の比が、送りナットの材料強度と送りねじ軸の材料強度の逆数に比例して形成されていること
を特徴とするステアリング装置。
【請求項3】
請求項1から請求項2までのいずれかに記載されたステアリング装置において、
上記送りねじ軸が転造ねじであること
を特徴とするステアリング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−314118(P2007−314118A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−148175(P2006−148175)
【出願日】平成18年5月29日(2006.5.29)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】