説明

ストリーミングバッファ制御方法、ストリーム配信システム及び中継装置

【課題】中継装置内のバッファ資源を有効に利用可能とし経済的な中継装置を得ることを可能にするストリーミングバッファ制御方法、前記ストリーミングバッファ制御方法を実施するストリーム配信システム及び前記ストリーム配信システムで用いる中継装置を得ること。
【解決手段】配信サーバ1aは、ストリーミングが使用する平均帯域等の必要情報に加えて、メディアストリーム10の最大バーストサイズを含めたマルチメディアコンテンツに関する属性情報8aを端末の配信要求7に応じて送信する。中継装置3aは、配信サーバから受信した属性情報に含まれる最大バーストサイズに基づきストリーミング平滑化に必要となるバッファ量を確保し、その確保したバッファ量及び前記平均帯域を用いて、その後に配信サーバから受信するメディアストリーム10の端末への中継転送を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ストリーミングバッファ制御方法、前記ストリーミングバッファ制御方法を実施するストリーム配信システム及び前記ストリーム配信システムで用いる中継装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ストリーム配信システムは、動画や音声などのマルチメディアデータをインターネットなどの網上に配置した配信サーバが端末からの要求に応じて配信するシステムであるが、このマルチメディアストリーミング配信では、配信サーバあるいは網の状況によってストリームがバースト的に送信されることがある。そこで、バーストを解消するために、ゲートウェイなどの中継装置がストリーミング平滑化(バッファリング)し、一定の帯域で要求元の端末に向けて中継転送する方法が提案されている(例えば特許文献1)。
【0003】
この特許文献1が提案する方法では、マルチメディアストリーミングを再生する端末とストリームを配信する配信サーバとの間では、コンテンツ情報の取得要求や再生、再生停止の指示などをRTSP(Real Time Streaming Protocol)やSIP(Session Initiation Protocol)などのセッション制御プロトコルで行うが、コンテンツ情報として配信サーバから端末に送られる情報には平均帯域のみが含まれている。
【0004】
そして、特許文献1が提案する方法では、平均帯域情報を基にバッファリングしたストリーミングデータを端末側に平滑化して送出する仕組みがとられているので、端末がバースト送信を理由にストリーミングデータを取りこぼすことを避け、マルチメディアコンテンツの円滑な再生を可能としている。
【0005】
【特許文献1】特開2003−348147号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記従来の技術では、各ストリームに対してバッファリングが必要となるが、バッファリングに必要なバッファ量に関しては、特に制御されていない。そのため、あるストリームに対するバッファ量が少ない場合は、中継装置の経済性は上がるが、耐バースト性は低くなってしまう。一方、あるストリームに対するバッファ量を大きくすると、耐バースト性は上がるが、複数のストリームを同時に転送する中継装置に必要なバッファ量全体も大きくなり、経済性が低下してしまうという問題がある。
【0007】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであり、中継装置内のバッファ資源を有効に利用可能とし経済的な中継装置を得ることを可能にするストリーミングバッファ制御方法、前記ストリーミングバッファ制御方法を実施するストリーム配信システム及び前記ストリーム配信システムで用いる中継装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するため、この発明にかかるストリーミングバッファ制御方法は、配信サーバが端末からの要求に応じてストリーム配信するマルチメディアコンテンツを中継装置がバッファリングして要求元の前記端末に中継転送するストリーム配信システムにおいて、前記配信サーバが、ストリーミングが使用する平均帯域等の必要情報に加えて、メディアストリームの最大バーストサイズを含めたマルチメディアコンテンツに関する属性情報を端末の配信要求に応じて送信する工程と、前記中継装置が、前記配信サーバから受信した前記属性情報に含まれる前記最大バーストサイズに基づきストリーミング平滑化に必要となるバッファ量を確保し、その確保したバッファ量及び前記平均帯域を用いて、その後に前記配信サーバから受信するメディアストリームの前記端末への中継転送を行う工程とを含むことを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、ストリームの最大バーストサイズが既知の場合には、配信サーバがストリーム配信を制御するセッション制御プロトコル上に最大バーストサイズを格納し、中継装置がその最大バーストサイズに基づき各ストリームに対する適切なバッファ量を算出し、装置内のバッファを確保するので、中継装置内のバッファ資源を有効に利用することができ、経済的な中継装置を得ることができる。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、中継装置内のバッファ資源の有効利用を可能とし、経済的な中継装置が得られるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に図面を参照して、この発明にかかるストリーミングバッファ制御方法、ストリーミング配信システム及び中継装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるストリーミング配信システムの全体構成を示す図である。図1において、配信サーバ1aは、網2に接続されている。網2は、中継装置(以降「ゲートウェイ」と記す)3aを介して網4と接続されている。網4には、網5を介して端末6が接続されている。すなわち、ゲートウェイ3bは、端末6が配信サーバ1bに対しセッション制御プロトコルを用いて送信する配信要求7及び再生要求9と、配信サーバ1aが端末6に対しセッション制御プロトコルを用いて前記配信要求7に応じて送信するマルチメディアコンテンツ情報(これは「マルチメディアコンテンツに関する属性情報」である)8a及び前記再生要求9に応じて送信するメディアストリーム(これは実際のマルチメディアコンテンツである)10とを中継するように、配信サーバ1aと端末6との間に介在している。
【0013】
図2は、図1に示すゲートウェイ3aの構成例を示すブロック図である。なお、図2では、配信サーバ1aから端末6への中継転送を行うストリーミングバッファ制御回路の構成例が示されている。すなわち、図2に示すゲートウェイ3aは、配信サーバ1a側の網との通信を行う網I/F31と端末6側の網との通信を行う網I/F37との間に、配信サーバ1aから端末6への中継転送を行うストリーミングバッファ制御回路として、パケット種別判定部32と、コンテンツ情報読み取り部33aと、バッファ制御部34aと、バッファ35と、送信速度調整部36とを備えている。
【0014】
以下、図1と図2とを参照してこの実施の形態1によるストリーミングバッファ制御方法について説明する。図1に示すストリーミング配信システムでは、配信サーバ1aは、端末6からの要求に応えるため、マルチメディアコンテンツ情報8aを予め準備する。その際に、マルチメディアコンテンツの最大バーストサイズが既知であるか否かを調べる。この実施の形態1では、最大バーストサイズが既知であるので、配信サーバ1aは、マルチメディアコンテンツ情報8aを、ストリーミングが使用するコンテンツの符号化方式や平均帯域等の必要情報に加えて、既知である最大バーストサイズ情報も含めた形で準備する。
【0015】
まず、図1において、端末6が、マルチメディアコンテンツの配信を求める配信要求7を配信サーバ1aに対してセッション制御プロトコルを用いて送信する。この配信要求7は、ゲートウェイ3aを介して配信サーバ1aに伝達される。配信サーバ1aは、配信要求7を受けて、マルチメディアコンテンツの符号化方式や平均使用帯域等の必要情報に、上記のように既知である最大バーストサイズ情報も含めたマルチメディアコンテンツ情報8aを、セッション制御プロトコルを用いて端末6に向けて送信する。このマルチメディアコンテンツ情報8aは、ゲートウェイ3aを介して端末6に伝達されるが、ゲートウェイ3aでは、次の動作が行われる。
【0016】
図2において、ゲートウェイ3aでは、パケット種別判定部32が、網I/F31が配信サーバ1aから受信したパケットの種別がマルチメディアコンテンツ情報8aとメディアストリーム10とのいずれであるかを判定する。今の例では、受信したパケットは、マルチメディアコンテンツ情報8aであるので、パケット種別判定部32は、網I/F31から受け取ったマルチメディアコンテンツ情報8aを、コンテンツ情報読み取り部33aに与えるとともに、経路は示してないが網I/F37から端末6側の網に向けて送信させる。
【0017】
コンテンツ情報読み取り部33aは、パケット種別判定部32から受け取ったマルチメディアコンテンツ情報8aから、宛先アドレス情報と、平均帯域情報と、最大バーストサイズ情報とをそれぞれ読み取る。そして、コンテンツ情報読み取り部33aは、読み取った最大バーストサイズ情報をバッファ制御部34aに与え、読み取った宛先アドレス情報をパケット種別判定部32に与え、読み取った平均帯域情報を送信速度調整部36に与える。
【0018】
バッファ制御部34aは、コンテンツ情報読み取り部33aから受け取った最大バーストサイズに基づきバッファ35に確保すべきバッファ量を算出し、その後に受信されるストリームデータ10を格納し得るように準備する。送信速度調整部36は、バッファ35に格納されたストリームデータ10を網I/F37から端末6側の網に送信する際に、そのストリームデータ10の帯域をコンテンツ情報読み取り部33aから受け取った平均帯域に設定する。
【0019】
次に、図1において、端末6は、受信したマルチメディアコンテンツ情報8aを基に選択指定された動画や音声などのメディアストリーム10の再生要求9を配信サーバ1aに対してセッション制御プロトコルを用いて送信する。この再生要求9は、ゲートウェイ3を介して配信サーバ1aに伝達される。配信サーバ1aは、再生要求9を受けて、その再生要求9で用いているセッション制御プロトコルで指定された端末6の特定の通信ポートに向けてメディアストリーム10を配信する。このメディアストリーム10は、ゲートウェイ3aにて次のように転送制御が行われて端末6に伝達される。
【0020】
図2において、ゲートウェイ3aでは、パケット種別判定部32が、網I/F31が配信サーバ1aから受信したパケットの種別がマルチメディアコンテンツ情報8aとメディアストリーム10とのいずれであるかを判定する。今の例では、受信したパケットは、メディアストリーム10であるので、パケット種別判定部32は、網I/F31から受け取ったメディアストリーム10を先にコンテンツ情報読み取り部33aから受け取った宛先アドレス情報に基づき識別してバッファ35に格納する。
【0021】
送信速度調整部36は、このようにバッファ35に格納されたストリームデータを先に設定した平均帯域で網I/F37に与える。斯くして、配信サーバ1aが要求元の端末6に向けて配信するメディアストリーム10は、ゲートウェイ3aにて最大バーストサイズでバッファリングされるので、ストリーミング平滑化された状態で端末6に受信され、視聴再生される。
【0022】
以上のように、この実施の形態1によるストリーミングバッファ制御方法によれば、メディアストリームの最大バーストサイズが既知の場合には、配信サーバにてストリーム配信を制御するセッション制御プロトコル上に最大バーストサイズを格納し、中継装置(今の例ではゲートウェイ)にて、そのメディアストリームの最大バーストサイズに基づき各メディアストリームに対する適切なバッファ量を算出して確保するようにしたので、耐バースト性が確保できるとともに、中継装置内のバッファ資源を有効に利用することができ、多数のメディアストリームに対して限られたバッファ資源で対応可能となり、経済的な中継装置を得ることができる。
【0023】
実施の形態2.
図3は、この発明の実施の形態2によるストリーミング配信システムの全体構成を示す図である。なお、図3では、図1(実施の形態1)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、この実施の形態2に関わる部分を中心に説明する。
【0024】
図3に示すように、この実施の形態2によるストリーミング配信システムでは、図1(実施の形態1)に示した構成において、配信サーバ1aに代えて配信サーバ1bが設けられている。配信サーバ1bは、配信要求7を受けてマルチメディアコンテンツ情報8bを送信する。
【0025】
また、図3に示すように、この実施の形態2によるストリーミング配信システムでは、図1(実施の形態1)に示した構成において、ゲートウェイ3aに代えてゲートウェイ3bが設けられている。ゲートウェイ3bは、例えば図4に示すように構成される。なお、図4では、図2と同様に、配信サーバ1bから端末6への中継転送を行うストリーミングバッファ制御回路の構成例が示されている。
【0026】
すなわち、図4に示すゲートウェイ3bは、配信サーバ1b側の網との通信を行う網I/F31と端末6側の網との通信を行う網I/F37との間に、配信サーバ1bから端末6への中継転送を行うストリーミングバッファ制御回路として、図2に示したパケット種別判定部32、バッファ35及び送信速度調整部36と、符号を代えたコンテンツ情報読み取り部33b及びバッファ制御部34bとの他に、ゲートサイズ測定部38が追加されている。
【0027】
以下、図3と図4とを参照してこの実施の形態2によるストリーミングバッファ制御方法について説明する。図3に示すストリーミング配信システムでは、配信サーバ1bは、端末6からの要求に応えるため、マルチメディアコンテンツ情報8bを予め準備する。その際に、マルチメディアコンテンツの最大バーストサイズが既知であるか否かを調べる。この実施の形態2では、最大バーストサイズが未知であるので、配信サーバ1bは、最大バーストサイズを含まないマルチメディアコンテンツ情報8bを準備する。つまり、マルチメディアコンテンツ情報8bは、ストリーミングが使用するコンテンツの符号化方式や平均帯域等の必要情報のみを含めた本来の形で生成されている。
【0028】
まず、図3において、端末6が、マルチメディアコンテンツの配信を求める配信要求7を配信サーバ1bに対してセッション制御プロトコルを用いて送信する。この配信要求7は、ゲートウェイ3bを介して配信サーバ1bに伝達される。配信サーバ1bは、配信要求7を受けて、マルチメディアコンテンツの符号化方式や平均使用帯域等の必要情報のみを含めた上記のようマルチメディアコンテンツ情報8bを、セッション制御プロトコルを用いて端末6に向けて送信する。このマルチメディアコンテンツ情報8bは、ゲートウェイ3aを介して端末6に伝達されるが、ゲートウェイ3bでは、次の動作が行われる。
【0029】
図4において、ゲートウェイ3bでは、パケット種別判定部32が、網I/F31が配信サーバ1bから受信したパケットの種別がマルチメディアコンテンツ情報8bとメディアストリーム10とのいずれであるかを判定する。今の例では、受信したパケットは、マルチメディアコンテンツ情報8bであるので、パケット種別判定部32は、網I/F31から受け取ったマルチメディアコンテンツ情報8bを、コンテンツ情報読み取り部33bに与えるとともに、経路は示してないが網I/F37から端末6側の網に向けて送信させる。
【0030】
コンテンツ情報読み取り部33bは、パケット種別判定部32から受け取ったマルチメディアコンテンツ情報8bから宛先アドレス情報と平均帯域情報とをそれぞれ読み取り、読み取った宛先アドレス情報をパケット種別判定部32に与え、読み取った平均帯域情報を送信速度調整部36に与えるとともに、最大バーストサイズ情報として特別な値(例えば値0)をバッファ制御部34bに与える。
【0031】
バッファ制御部34bは、コンテンツ情報読み取り部33bから受け取った最大バーストサイズが特別な値0であるので、その時点で格納し得る最大バッファ量(初期値)をバッファ35に確保し、その後に受信されるストリームデータ10を格納し得るように準備する。送信速度調整部36は、バッファ35に格納されたストリームデータ10を網I/F37から端末6側の網に送信する際に、そのストリームデータ10の帯域をコンテンツ情報読み取り部33bから受け取った平均帯域に設定する。
【0032】
次に、図3において、端末6は、受信したマルチメディアコンテンツ情報8bを基に選択指定された動画や音声などのメディアストリーム10の再生要求9を配信サーバ1bに対してセッション制御プロトコルを用いて送信する。この再生要求9は、ゲートウェイ3を介して配信サーバ1bに伝達される。配信サーバ1bは、再生要求9を受けて、その再生要求9で用いているセッション制御プロトコルで指定された端末6の特定の通信ポートに向けてメディアストリーム10を配信する。このメディアストリーム10は、ゲートウェイ3bにて次のように転送制御が行われて端末6に伝達される。
【0033】
図3において、ゲートウェイ3bでは、パケット種別判定部32が、網I/F31が配信サーバ1bから受信したパケットの種別がマルチメディアコンテンツ情報8bとメディアストリーム10とのいずれであるかを判定する。今の例では、受信したパケットは、メディアストリーム10であるので、パケット種別判定部32は、網I/F31から受け取ったメディアストリーム10を先にコンテンツ情報読み取り部33bから受け取った宛先アドレス情報に基づき識別してバッファ35に格納する。
【0034】
送信速度調整部36は、このようにバッファ35に格納されたストリームデータを先に設定した平均帯域で網I/F37に与える。斯くして、配信サーバ1aが要求元の端末6に向けて配信するメディアストリーム10は、ゲートウェイ3aにて規定のバーストサイズ初期値でバッファリングされるので、ストリーミング平滑化された状態で端末6に受信され、視聴再生される。
【0035】
追加したバーストサイズ測定部38は、このようにメディアストリーム10が端末6向けに転送されている期間内に、実際にバッファ35に格納されたメディアストリーム10の最大バーストサイズを計測し、その計測値をバッファ制御部34bに与える。
【0036】
バッファ制御部34bは、計測された最大バーストサイズに基づき、バッファ35に確保すべきバッファ量を計算して初期値(既存のバッファ量)からの変更調整を行う。この調整動作は、バーストサイズ測定部38の計測値を直ちに使用して転送途中において先に特定の値0によって確保した既存のバッファ量に対して逐一動的に実施してもよいが、新たなメディアストリーム10に対するバッファ量の確保が必要となったときに、前回、特定の値0によって確保した既存のバッファ量に対して実施することでもよい。後者の調整方法によれば、出来るだけ大きなバッファ量を利用可能とするとともに、頻繁なバッファ量調整によって生ずるバッファ量算出の計算資源の浪費を防ぐことが可能になる。
【0037】
以上のように、この実施の形態2によるストリーミングバッファ制御方式によれば、ストリームの最大バーストサイズが未知の場合、つまり、配信サーバにてストリーム配信を制御するセッション制御プロトコル上に最大バーストサイズを格納してない場合は、中継装置(今の例ではゲートウェイ)にて、初期値として確保可能な最大バッファ量を確保して中継転送を行い、その転送過程で実際に観測したバーストサイズに基づいてバッファ量を動的に変更調整できるようにしたので、実施の形態1と同様に、耐バースト性が確保できるとともに、中継装置内のバッファ資源を有効に利用することができ、多数のメディアストリームに対して限られたバッファ資源で対応可能となり、経済的な中継装置を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
以上のように、この発明にかかるストリーミングバッファ制御方法、ストリーム配信システム及び中継装置は、中継装置内のバッファ資源を有効に利用可能とし経済的な中継装置を得るのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】この発明の実施の形態1によるストリーミング配信システムの全体構成を示す図である。
【図2】図1に示す中継装置(ゲートウェイ)の構成例を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態2によるストリーミング配信システムの全体構成を示す図である。
【図4】図3に示す中継装置(ゲートウェイ)の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0040】
1a,1b 配信サーバ
2,4,5 網
3a,3b 中継装置(ゲートウェイ)
7 配信要求
8a,8b コンテンツ情報(マルチメディアコンテンツに関する属性情報)
9 再生要求
10 メディアストリーム
31 配信サーバ側の網I/F
32 パケット種別判定部
33a,33b コンテンツ情報読み取り部
34a,34b バッファ制御部
35 バッファ
36 送信速度調整部
37 端末側の網I/F
38 バーストサイズ測定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配信サーバが端末からの要求に応じてストリーム配信するマルチメディアコンテンツを中継装置がバッファリングして要求元の前記端末に中継転送するストリーム配信システムにおいて、
前記配信サーバが、ストリーミングが使用する平均帯域等の必要情報に加えて、メディアストリームの最大バーストサイズを含めたマルチメディアコンテンツに関する属性情報を端末の配信要求に応じて送信する工程と、
前記中継装置が、前記配信サーバから受信した前記属性情報に含まれる前記最大バーストサイズに基づきストリーミング平滑化に必要となるバッファ量を確保し、その確保したバッファ量及び前記平均帯域を用いて、その後に前記配信サーバから受信するメディアストリームの前記端末への中継転送を行う工程と
を含むことを特徴とするストリーミングバッファ制御方法。
【請求項2】
配信サーバが端末からの要求に応じてストリーム配信するマルチメディアコンテンツを中継装置がバッファリングして要求元の前記端末に中継転送するストリーム配信システムにおいて、
前記配信サーバが、ストリーミングが使用する平均帯域等の必要情報のみを含むマルチメディアコンテンツに関する属性情報を端末の配信要求に応じて送信する工程と、
前記中継装置が、最大バーストサイズを含まない前記属性情報の受信に基づきストリーミング平滑化に必要となるバッファ量を規定のバーストサイズに対して確保し、その確保したバッファ量及び前記平均帯域を用いて、その後に前記配信サーバから受信するメディアストリームを前記端末に中継転送する過程で、前記メディアストリームの最大バーストサイズを計測する工程と
を含むことを特徴とするストリーミングバッファ制御方法。
【請求項3】
前記中継装置が、計測した前記最大バーストサイズに基づき、規定のバーストサイズに対して確保したバッファ量を動的に変更調整する工程を含むことを特徴とする請求項2に記載のストリーミングバッファ制御方法。
【請求項4】
前記中継装置が、計測した前記最大バーストサイズに基づき、規定のバーストサイズに対して確保したバッファ量を新規のメディアストリームに対するバッファ量確保時に変更調整する工程を含むことを特徴とする請求項2に記載のストリーミングバッファ制御方法。
【請求項5】
配信サーバが端末からの要求に応じてストリーム配信するマルチメディアコンテンツを中継装置がバッファリングして要求元の前記端末に中継転送するストリーム配信システムにおいて、
前記配信サーバは、前記端末からの要求に対応できるように前準備を行う手段として、
端末からの要求に応じてストリーム配信する前記マルチメディアコンテンツの最大バーストサイズが既知であるか否かを判断する手段と、
前記判断の結果、最大バーストサイズが既知である場合は、その最大バーストサイズをストリーミングが使用する平均帯域等の必要情報に加えた形でマルチメディアコンテンツに関する属性情報を作成する手段と、
一方、前記判断の結果、最大バーストサイズが既知でない場合は、ストリーミングが使用する平均帯域等の必要情報のみからなる前記属性情報を作成する手段とを備え、
前記中継装置は、
前記配信サーバから受信した前記属性情報に、前記最大バーストサイズが含まれている場合は、当該最大バーストサイズに基づきストリーミング平滑化に必要となるバッファ量を確保する一方、前記最大バーストサイズが含まれていない場合は、前記バッファ量として規定のバーストサイズに対して確保する手段と、
その後に前記配信サーバから受信するメディアストリームを確保した前記バッファ量及び前記平均帯域を用いて前記端末に中継転送する手段と、
前記最大バーストサイズが含まれていない場合に、前記中継転送の過程で前記メディアストリームの最大バーストサイズを計測する手段とを備えている
ことを特徴とするストリーム配信システム。
【請求項6】
前記中継装置は、計測した前記最大バーストサイズに基づき、規定のバーストサイズに対して確保したバッファ量を動的に変更調整する手段、または、規定のバーストサイズに対して確保したバッファ量を新規のメディアストリームに対するバッファ量確保時に変更調整する手段を備えていることを特徴とする請求項5に記載のストリーム配信システム。
【請求項7】
端末からの要求に応じて配信サーバがストリーム配信するマルチメディアコンテンツをバッファリングして要求元の前記端末に中継転送する中継装置は、
前記配信サーバから受信した前記属性情報に、前記最大バーストサイズが含まれている場合は、当該最大バーストサイズに基づきストリーミング平滑化に必要となるバッファ量を確保する一方、前記最大バーストサイズが含まれていない場合は、前記バッファ量として規定のバーストサイズに対して確保する手段と、
その後に前記配信サーバから受信するメディアストリームを確保した前記バッファ量及び前記平均帯域を用いて前記端末に中継転送する手段と、
前記最大バーストサイズが含まれていない場合に、前記中継転送の過程で前記メディアストリームの最大バーストサイズを計測する手段と
を備えていることを特徴とする中継装置。
【請求項8】
前記中継装置は、計測した前記最大バーストサイズに基づき、規定のバーストサイズに対して確保したバッファ量を動的に変更調整する手段、または、規定のバーストサイズに対して確保したバッファ量を新規のメディアストリームに対するバッファ量確保時に変更調整する手段を備えていることを特徴とする請求項7に記載の中継装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−266949(P2007−266949A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−88693(P2006−88693)
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】