説明

スプレー圧力測定装置

【課題】損傷することなくスプレーの噴出状態を精度よく測定できるスプレー圧力測定装置を提供する。
【解決手段】光ファイバー250を保持する板ばねの第一ばね部材260の長手方向の中央に、該第一ばね部材260より小さいばね定数の板ばねの第二ばね部材270を、圧力伝達部222の変位に応じて弾性変形する状態に設ける。微小な圧力で、かつ電磁波ノイズが生じる環境でも、微小な圧力を精度良く測定できる。過大圧が加わって圧力伝達部222が大きく変位する状況でも、第二ばね部材270が大きく弾性変形し、光ファイバー250を保持する第一ばね部材260は比較的に小さい弾性変形量となる。光ファイバー250に急激に大きな引張力が作用することを防止でき、光ファイバー250が断線するなどの損傷を防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体または液体と気体とを混合した二流体を噴出分散させるスプレーの噴出圧力を測定するスプレー圧力測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、連続鋳造プロセスあるいは鋼板の冷却プロセス等において、水などの液体を冷媒として噴霧するスプレー、または、水などの液体と圧縮空気などとを混合した二流体を冷媒として噴霧するスプレーを備えたスプレー冷却装置が広く用いられている。連続鋳造プロセスあるいは鋼板の冷却プロセス等において、冷却むらは、冷媒の圧力変動やスプレーのノズルの閉塞(以下、ノズル詰まりと称する)などによって生じる。
特に、連続鋳造プロセスにおいて、ノズル詰まりに起因した冷却むらは、局所的な冷却不足による凝固遅れの発生を招き、凝固シェル強度の低下によるバルジング(溶鋼静圧による膨れ)により、内部割れの発生を引き起こすことがある。このような内部割れを抑制するために鋳造速度を低下すると、生産能力が低下する不都合がある。内部割れが甚だしい場合にはブレークアウト(凝固シェル破断による溶鋼流出)を引き起こし、復旧に多大な時間を要して生産能力の低下を招くおそれもある。
また、鋼板の冷却プロセスでは、冷却むらに起因した冷却速度の違いにより、鋼板の強度などのばらつきを生じ、歩留まりが低下する原因となる。さらに、冷却速度の違いにより、上下面の温度差に起因して鋼板の反りが発生し、スプレー冷却装置における構造用部材へ鋼板が衝突するトラブルが発生し、生産ラインの休止を余儀なくされ、生産能力が低下するおそれもある。
これらスプレーのノズルの閉塞による冷却不足の課題を解決するために、スプレーの閉塞を検出する各種方法が知られている。
【0003】
例えば、連続鋳造におけるダミーバー等の移動装置に、圧力センサーを搭載し、移動装置を移動させながら、スプレーの圧力分布を測定する方法が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
また、ダミーバーにピエゾ電気要素の振動検知器を搭載し、ダミーバーの移動に伴って、スプレーの噴出圧力を測定する方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。
さらに、ダミーバーや計測台車などに圧電素子を搭載してスプレーの噴出圧力を測定するもの(例えば、特許文献4参照)、ダミーバーなどの計測台車にシート状感圧素子を搭載してスプレーの噴出圧力を測定するもの(例えば、特許文献5参照)などが知られている。
【0004】
しかしながら、上述のスプレーの閉塞を検出するものは、検出した電気信号に基づいて閉塞の有無を検出するため、連続鋳造機やスプレー冷却装置などで利用されるモーターの電気機器を用いる構成から生じる電磁波ノイズが、検出した電気信号に影響を与える。特に、電磁波ノイズを発生する電気機器の作動状態によって電磁波ノイズのノイズレベルが変動することで、検出した電気信号の強さも変動してしまう不都合が生じる。このため、電磁波ノイズによる影響か、スプレーの噴出状態が異常で測定値が変化したかが判別できない不都合を生じるおそれがある。
実際、発明者らによるラボ実験を実施した結果、冷却条件の変更と圧力センサーで良好な相関関係が得られる。しかしながら、連続鋳造機内やスプレー冷却装置内等では、電磁波ノイズの影響により、冷却条件を一定に設定しても、圧力センサーの電気信号に基づく出力が大きく変化し、出力の再現性が得られず、スプレーの噴出状態を適切に評価できない結果となった。
【0005】
一方、電磁波ノイズの影響を受けないセンサーとして、ファイバーブラッググレーティング(以下、FBG(Fiber Bragg Gratings)と称す)を用いた圧力センサーが知られている。
例えば、力を受けて変位するダイヤフラムに、FBGを位置させて光ファイバーを設置する構成が知られている(例えば、特許文献6〜8)。
また、光ファイバーのFBGの両端部を、張力を作用させて土砂の力が加わるコンクリート壁に固定し、コンクリート壁の土圧による変形を検出する構成が知られている(例えば、特許文献9)。
さらに、水圧などにより伸縮するベローズにより、光ファイバーのFBGの両端部に張力を作用させて圧力を検出する構成が知られている(例えば、特許文献10,11)。
また、4つのリンクの両端部を互いに回動可能に四角形に連結し、対角関係の一対の連結部間にFBGを有した光ファイバーを張設し、他の対角関係の一対の連結部に圧力が加わるリンク機構を利用した構成が知られている(例えば、特許文献12)。
さらに、水圧が加わるブルドン管に橋渡してFBGを有した光ファイバーを設け、水圧に応じたブルドン管の膨張に対応して光ファイバーに張力が作用することで水圧を検出する水位計の構成が知られている(例えば、特許文献13)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭50−97379号公報
【特許文献2】特開平5−177323号公報
【特許文献3】特公昭62−32018号公報
【特許文献4】特開平5−92246号公報
【特許文献5】特開平7−227614号公報
【特許文献6】特開2000−221085号公報
【特許文献7】特開2001−108553号公報
【特許文献8】特開2002−98604号公報
【特許文献9】特開2003−279327号公報
【特許文献10】特開2007−333621号公報
【特許文献11】特開2008−209250号公報
【特許文献12】特開2000−28456号公報
【特許文献13】特開2001−91334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した連続鋳造プロセスあるいは鋼板の冷却プロセス等におけるスプレーの噴出状態を検出する従来技術に、FBGを用いた圧力センサーを利用して、電磁波ノイズの影響を防止することが考えられる。
しかしながら、測定する圧力が弱く、微圧を高感度に測定しつつ、過大圧が加わった時にFBGの破断を防止する構成を持たせることは困難である。
特に、例えば特許文献12に記載のリンク機構を利用する構成では、微小圧力を測定可能な構成が開示されているが、過大圧力が加わった場合にFBGを保護するための構成は設けられていない。このため、連続鋳造プロセスあるいは鋼板の冷却プロセス等におけるスプレーの噴出状態を検出する構成としては利用できない。
【0008】
すなわち、連続鋳造プロセスあるいは鋼板の冷却プロセス等では、冷却の均一性の確保や冷却効率を向上させるために、金属材料の搬送方向に対して搬送ロールで支持されている部位を除き、金属材料はスプレーからの冷却水で覆われるように設計される。
さらに、次に述べるような様々な制約がある。例えば、スプレーは、噴霧の広がり角度に限界がある。また、連続鋳造プロセスや鋼板の冷却プロセスにおけるロールは、金属材料の重量や移動速度、連続鋳造の場合には溶鋼の圧力といった要素を加味した径寸法に設計される。このため、ロールの強度の観点から一定以上の外径寸法に設計する必要がある。したがって、ロールと噴霧された冷却水とが干渉しないように、ロール間にスプレーのノズルを配置せざるを得ない制約もある。したがって、スプレーのノズルは、ロールの配置の制約により、一定間隔に隔てて配設されることとなる。例えば、連続鋳造機において、ロールの直径は150mm〜400mm程度あり、スプレーのノズルを配置するためのロール間隙を40mm〜50mm程度確保する必要がある。このため、ノズルピッチは、190mm〜450mm程度となる。そして、スプレーの噴霧の広がり角度に限界があることから、前述のロール径で噴霧された冷却水がロールと干渉しないようにするためには、金属材料の冷却面からノズルまでの距離を、ロールの半径程度にする必要がある。したがって、連続鋳造プロセスの例では、金属材料の冷却面とノズルの距離は75mm〜200mmとなる。
【0009】
このような距離で金属材料の冷却面に衝突する冷却水の圧力を計測すると、ノズルの形状や水量などの条件により異なるものの、おおよそ0.1kPa〜3kPa程度の低い圧力となる。このような低い圧力を精度良くFBGで検出する構成とした場合、噴霧された水流の変化などにより、逆に過大圧が加わった場合、光ファイバーが断線するなどの損傷を防ぐ構成を設けることが困難である。
このように、スプレーの閉塞に起因した噴霧状態の健全性を、損傷することなく精度良く診断することが困難である。このため、従来では、連続鋳造プロセスや鋼板の冷却プロセスにおいて、定期的な修理や、鋳造あるいは通板の合間を利用して、作業者が数百ものスプレーのノズルを目視で点検し、閉塞しているノズルは交換する煩雑な作業が必要である。このように、点検に多大な時間および煩雑な作業を要し、生産性が低下することの改善が望まれている。
【0010】
本発明は、このような点に鑑み、損傷することなくスプレーの噴出状態を精度よく測定できるスプレー圧力測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のスプレー圧力測定装置は、液体または液体と気体とを混合した二流体を噴出分散させるスプレーの噴出圧力を測定するスプレー圧力測定装置であって、筐体と、この筐体に設けられ、前記スプレーの噴出圧力に応じて変位する受圧部と、前記筐体内に配設されたファイバーブラッググレーティングを有した光ファイバーと、前記筐体内で前記光ファイバーを保持し、弾性変形により前記光ファイバーに歪みを作用させる第一ばね部材と、この第一ばね部材に設けられ、前記第一ばね部材より小さいばね定数に形成され、前記受圧部の変位に対応して弾性変形して前記第一ばね部材を弾性変形させる第二ばね部材と、具備したことを特徴とする。
この発明では、スプレーから噴出分散された液体または液体と気体とを混合した二流体が受圧部に当たると、受圧部が変位する。この受圧部の変位に対応して、ファイバーブラッググレーティングを有した光ファイバーを保持して歪みを作用させる第一ばね部材とともに、この第一ばね部材に設けられ第一ばね部材より小さいばね定数に形成された第二ばね部材が弾性変形する。すなわち、第二ばね部材は、第一ばね部材より大きな弾性変形量で弾性変形する。スプレーの噴出圧力を受けた受圧部は、噴出圧力に対応して第一ばね部材および第二ばね部材を弾性変形させつつ変位するので、光ファイバーに噴出圧力に対応した歪み、すなわち引張力や圧縮力が作用する。このため、ファイバーブラッググレーティングでの光の回折状況が変化し、噴出圧力が検出される。
仮に過大圧が加わって受圧部が大きく変位する状況でも、第二ばね部材が大きく弾性変形し、光ファイバーを保持する第一ばね部材は比較的に小さい弾性変形量となるので、光ファイバーに急激に大きな引張力や圧縮力が作用することを防止でき、光ファイバーが断線するなどの損傷を防止できる。
【0012】
そして、本発明では、前記第一ばね部材は、前記ファイバーブラッググレーティングに対向する中央部と、この中央部に連結され前記光ファイバーの両端部をそれぞれ保持する一対の保持部とを有する板ばねであり、前記第二ばね部材は、前記第一ばね部材の中央部に設けられた板ばねである構成とすることが好ましい。
この発明では、受圧部の変位に応じて板ばねの第二ばね部材が弾性変形するとともに、第二ばね部材が中央部に設けられた板ばねの第一ばね部材も弾性変形する。この第一ばね部材の弾性変形により、ファイバーブラッググレーティングが中央部に対向する状態に両端部が第一ばね部材の一対の保持部に保持されて弓状に張設された光ファイバーに歪み、すなわち引張力が作用される。
このため、電磁波ノイズが生じる環境でも電磁波ノイズの影響を受けずに精度良く測定できるとともに、過大圧が受圧部に加わっても光ファイバーの損傷を防止できる構成が、板ばねの第一ばね部材の中央に板ばねの第二ばね部材を設ける簡単な構造で得られ、容易に製造できる。
【0013】
また、本発明では、前記筐体内に取り付けられる中間部と、前記第一ばね部材の保持部がそれぞれ取り付けられる端部とを有する板ばね状の台座部を具備した構成とすることが好ましい。
この発明では、中間部が筐体内に取付固定された板ばね状の台座部の端部に、第一ばね部材の保持部をそれぞれ取り付けている。このことにより、第一ばね部材および台座部は、第二ばね部材の弾性変形に対応して弾性変形し、光ファイバーに歪み、すなわち引張力を作用させるリンク機構を構成する。
このため、電磁波ノイズが生じる環境でも電磁波ノイズの影響を受けずに精度良く測定でき、過大圧が受圧部に加わっても光ファイバーの損傷を防止できる構成が、板ばねを用いてリンク機構を構成する簡単な構造で得られ、容易に製造できる。さらに、リンク機構を構成することから、例えば0.1kPa〜3kPa程度の微小な圧力でも精度良く測定できる。
【0014】
また、本発明では、前記第一ばね部材は、中央部と、この中央部に連結され前記光ファイバーが保持される保持部を有する板ばねであり、前記第二ばね部材は、前記第一ばね部材の中央部に設けられた板ばねである構成とすることが好ましい。
この発明では、受圧部の変位に応じて板ばねの第二ばね部材が弾性変形するとともに、第二ばね部材が中央部に設けられた板ばねの第一ばね部材も弾性変形する。この第一ばね部材の弾性変形により、第一ばね部材の保持部に保持させた光ファイバーに歪み、すなわち引張力あるいは圧縮力が作用される。
このため、電磁波ノイズが生じる環境でも電磁波ノイズの影響を受けずに精度良く測定できるとともに、過大圧が受圧部に加わっても光ファイバーの損傷を防止できる構成が、板ばねの第一ばね部材の中央に板ばねの第二ばね部材を設ける簡単な構造で得られ、容易に製造できる。
【0015】
さらに、本発明では、前記第一ばね部材は、前記筐体内に取り付けられる中間部と、前記第一ばね部材の保持部がそれぞれ取り付けられる端部とを有する板ばね状の台座部を具備した構成とすることが好ましい。
この発明では、中間部が筐体内に取付固定された板ばね状の台座部の端部に、保持部をそれぞれ取り付けて第一ばね部材を構成している。このことにより、台座部を備えた第一ばね部材は、第二ばね部材の弾性変形に対応して弾性変形し、光ファイバーに引張力や圧縮力を作用させるリンク機構を構成する。
このため、電磁波ノイズが生じる環境でも電磁波ノイズの影響を受けずに精度良く測定でき、過大圧が受圧部に加わっても光ファイバーの損傷を防止できる構成が、板ばねを用いてリンク機構を構成する簡単な構造で得られ、容易に製造できる。さらに、リンク機構を構成することから、例えば0.1kPa〜3kPa程度の微小な圧力でも精度良く測定できる。
【0016】
そして、本発明では、前記第一ばね部材は、前記中央部から湾曲する状態に前記台座部に取り付けられる板ばね状の保持部と、前記台座部の前記中間部から湾曲する状態に設けられた板ばね状のばね板部と、のうちの少なくともいずれか一方を備え、前記ばね板部は、前記保持部が取り付けられるとともに前記光ファイバーを保持可能である構成とすることが好ましい。
この発明では、保持部を中央部から湾曲する状態に台座部に取り付けられる板ばね状とした構成や、台座部のばね板部を中間部から湾曲する状態に保持部が取り付けられるとともに光ファイバーを保持可能な板ばね状とした構成としている。このことにより、第二ばね部材の弾性変形により良好に弾性変形するリンク機構を構成する単に湾曲形成した保持部やばね板部に光ファイバーを直接取り付けるので、構成が簡略化し、小型軽量化を容易に図れるとともに、製造性の向上や製造コストの低減が容易にできる。
【0017】
また、本発明では、前記第一ばね部材は、前記中央部に一対の前記保持部がそれぞれ反対方向に延出して設けられているとともに、前記一対の保持部の先端間に両端部が保持され中間部に長手方向で湾曲する湾曲部を有した板ばね状の変形板ばね部を有し、この変形板ばね部の湾曲部に前記ファイバーブラッググレーティングを位置させて前記光ファイバーが保持されている構成とすることが好ましい。
この発明では、中央部からそれぞれ反対方向に一対延出して設けた保持部の先端間に、長手方向で湾曲する湾曲部を中間部に設けた板ばね状の変形板ばね部の両端部を保持し、湾曲部にファイバーブラッググレーティングを位置させて光ファイバーを保持している。このことにより、第二ばね部材の弾性変形に対応して保持部が弾性変形するとともに、両端部が保持部に保持されて弓状に設けられた変形板ばね部の湾曲部が伸ばされるように弾性変形される。この湾曲部の弾性変形により、光ファイバーのファイバーブラッググレーティング引張力あるいは圧縮力が作用される。
このため、電磁波ノイズが生じる環境でも電磁波ノイズの影響を受けずに精度良く測定できるとともに、過大圧が受圧部に加わっても弾性変形する第一ばね部材におけるさらに変形板ばね部の湾曲部が作用することとなり、光ファイバーに大きな負荷が作用せずに損傷を防止でき、板ばねの第一ばね部材に変形板ばね部を設ける簡単な構造で得られ、容易に製造できる。
【0018】
さらに、本発明では、前記湾曲部は、前記中央部に対向する方向とは反対側へ突出する状態に湾曲する構成とすることが好ましい。
この発明では、湾曲部が中央部に対応する方向とは反対側へ突出する状態に湾曲形成している。
このため、受圧部が変位しても湾曲部と干渉することがないので、適切に受圧部の変位を検出できる。
【0019】
また、本発明では、前記第一ばね部材の前記保持部は、前記中央部と反対側の端部に前記筐体内に取り付けられる固定部が設けられている構成とすることが好ましい。
この発明では、第一ばね部材の保持部における中央部と反対側の端部に設けた固定部を筐体内に取り付けることで第一ばね部材が筐体内に取り付けられる。
このため、板ばねの第一ばね部材が、一端側に中央部が設けられ他端側に固定部が設けられた簡単な構造であり、容易に製造できる。
【0020】
さらに、本発明では、前記保持部は、それぞれ反対方向へ延出する状態に前記中央部に一対設けられている構成とすることが好ましい。
この本発明では、端部に固定部を有した保持部を、それぞれ反対方向に延出する状態で中央部に一対設けている。
このため、中央部に設けた第二ばね部材の弾性変形は、一対の保持部を弾性変形させることとなり、1つの保持部を設けた構成に比して、過大圧が受圧部に加わっても損傷するなどの不都合を防止できる。さらに、中央部が一対の保持部にて保持されるので、外部から振動が加わっても中央部が振動してしまう不都合を防止でき、ノイズが小さく良好に測定できる。
【0021】
そして、本発明では、前記光ファイバーは、少なくとも前記ファイバーブラッググレーティングが接着剤にて被覆される状態で一体的に取り付けられている構成とすることが好ましい。
この発明では、少なくともファイバーブラッググレーティングを接着剤にて被覆する状態で光ファイバーを一体的に取り付けている。
このため、第一ばね部材の弾性変形がファイバーブラッググレーティングに直接的に作用して良好に測定できる。さらに、第一ばね部材が板ばね状で、ファイバーブラッググレーティングを取り付ける面によりファイバーブラッググレーティングに作用する力が引張力か圧縮力か異なる場合でも光ファイバーが撓むなどして測定できないなどの不都合がなく、良好に測定できる。
【0022】
さらに、本発明では、前記光ファイバーは、前記ファイバーブラッググレーティングが複数設けられ、前記第一ばね部材の両面の対応する位置に前記ファイバーブラッググレーティングが位置されて保持されている構成とすることが好ましい。
この発明では、板ばね状の第一ばね部材の両面の対応する位置に、ファイバーブラッググレーティングを位置させて光ファイバーを保持している。このことにより、第一ばね部材の弾性変形により、第一ばね部材の一方の面に取り付けられるファイバーブラッググレーティングには引張力あるいは圧縮力が作用し、第一ばね部材の他方の面に取り付けられるファイバーブラッググレーティングには圧縮力あるいは引張力が作用する。
このため、双方のファイバーブラッググレーティングで測定する光の回折の変化の差分を測定することで、1つのファイバーブラッググレーティングで測定する光の回折の変化を測定する場合に比べて、より精度良く測定できる。
【0023】
また、本発明では、前記受圧部の所定以上の変位に応じた前記第二ばね部材の所定以上の弾性変形を規制する規制部材を具備した構成とすることが好ましい。
この発明では、受圧部が所定以上に変位する過大圧が受圧部に加わって第二ばね部材が所定以上に弾性変形することを、規制部材により規制する。
このため、第二ばね部材が大きく弾性変形して第一ばね部材を介して光ファイバーに過大な引張力や圧縮力が作用することによる損傷を、確実に防止できる。
【0024】
そして、本発明では、前記規制部材は、前記受圧部または前記第二ばね部材に当接することで、前記第二ばね部材の所定以上の弾性変形を規制する構成とすることが好ましい。
この発明では、受圧部が所定以上に変位する過大圧が受圧部に加わって第二ばね部材が所定以上に弾性変形する際に、受圧部または前記第二ばね部材が規制部材に当接する。
このため、受圧部の変位軌跡上の受圧部が所定量変位する位置、または第二ばね部材の弾性変形軌跡上の所定量変形する位置に、規制部材を位置させる簡単な構造で、過大圧に対する光ファイバーの保護が確実に得られる。
【0025】
また、本発明では、前記規制部材は、前記受圧部または前記第二ばね部材が当接する部分にグリースが塗布されている構成とすることが好ましい。
この発明では、過大圧により受圧部が所定以上に変位して第二ばね部材が所定以上に弾性変形して受圧部または第二ばね部材が規制部材に当接する際、当接する部分にグリースが塗布されているので、当接時の衝撃を低減でき、損傷を防止できる。また、グリース自体の粘性により、移動してスプレーの噴出圧力を検出する際の移動時の振動、連続鋳造設備などの稼働する設備の振動など、10Hz以上の周波数成分の外部からの振動に対する制振機能を示す。
【0026】
そして、本発明では、前記ファイバーブラッググレーティングの近傍に配設され、温度を検出するファイバーブラッググレーティングを具備した構成とすることが好ましい。
この発明では、温度を検出するファイバーブラッググレーティングによる周囲温度の変化に応じて、圧力検出用のファイバーブラッググレーティングの出力の変化を補正可能となる。
このため、例えば連続鋳造設備におけるスプレーの噴出状況の検出など、周囲温度が変化する状況でも、より精度良くスプレーの噴出圧力を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第一実施形態におけるスプレー圧力測定装置を備えた測定システムを示す平面図。
【図2】上記測定システムを示す側面図。
【図3】上記測定システムによる測定状況を示す説明図。
【図4】本実施形態におけるスプレー圧力測定装置を示す一部を切り欠いた斜視図。
【図5】上記スプレー圧力測定装置における外部から圧力を受けた状態を示す断面図。
【図6】上記スプレー圧力測定装置における光ファイバーに圧力を伝達するリンク機構を示す断面図。
【図7】上記スプレー圧力測定装置におけるリンク機構を示す平面図。
【図8】上記スプレー圧力測定装置における台座部を示す平面図。
【図9】上記スプレー圧力測定装置における光ファイバー固定部を示す正面図。
【図10】上記光ファイバー固定部を示す平面図。
【図11】上記スプレー圧力測定装置における第一ばね部材を示す平面図。
【図12】上記測定システムによる測定状況を示す説明図。
【図13】上記スプレー圧力測定装置の検出信号を示すグラフで、縦軸がスプレーの噴出圧力、横軸が測定時間。
【図14】本発明の第二実施形態のスプレー圧力測定装置におけるリンク機構を示す断面図。
【図15】上記第二実施形態の光ファイバーを取り付けた状態を示す断面図。
【図16】本発明の第三実施形態のスプレー圧力測定装置におけるリンク機構を示す断面図。
【図17】本発明の第四実施形態のスプレー圧力測定装置における第一ばね部材を示す平面図。
【図18】本発明の第五実施形態のスプレー圧力測定装置における第一ばね部材を示す平面図。
【図19】本発明の他の実施形態におけるスプレー圧力測定装置の外部から圧力を受けた状態を示す断面図。
【図20】本発明のさらに他の実施形態におけるスプレー圧力測定装置における第一ばね部材を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
[第一実施形態]
以下、本発明の第一実施形態におけるスプレー圧力測定装置を備えた測定システムの構成を、図面を参照して説明する。
本第一実施形態では、連続鋳造設備に設けられたスプレーの噴出圧力を測定する構成を例示するが、この限りではない。例えば、連続鋳造された鋼板の冷却プロセスで利用されるスプレーの噴出圧力の測定、その他、液体または液体と気体を混合した二流体を噴出分散させるいずれのスプレーの噴出圧力を測定する装置に適用できる。
【0029】
[測定システムの構成]
図1,2に示すように、測定システム1は、連続鋳造用のダミーバー10と、圧力測定ユニット20と、を備えている。
ダミーバー10は、ダミーバーヘッド11と幅広リンク12Aがシャフト13にて互いに回動可能に連結されている。さらに、ダミーバー10は、複数の幅広リンク12A同士がシャフト13および幅狭リンク12Bにて互いに回動可能にベルト状に連結されて構成されている。
そして、ダミーバー10は、例えば図3に示すように、連続鋳造設備2の鋳型3の下方に複数配置された鋳片案内ロール4間を移動される。
ここで、鋳片案内ロール4は、連続鋳造される図示しない鋳片の厚さ方向(図2中の左右方向となるダミーバー10の厚さ方向)で対をなし、ダミーバー10の移動方向である鋳片移動方向に沿って複数対配置され、所定の厚さ寸法に連続鋳造する。そして、鋳片移動方向で並設する鋳片案内ロール4間には、複数のスプレー5がそれぞれ配置されている。具体的には、スプレー5は、鋳造される鋳片の幅方向(図1中の左右方向となるダミーバー10の幅方向)に複数配置され、かつ鋳片案内ロール4間毎に複数配置されている。
また、ダミーバー10の幅広リンク12Aのいずれか一つには、圧力測定ユニット20が設けられている。
【0030】
圧力測定ユニット20は、図1,2に示すように、詳細は後述するスプレー圧力測定装置200が複数配設されたセンサーユニット21と、複数のスプレー圧力測定装置200で検出した検出信号を取得して処理するデータ処理ユニット22と、該データ処理ユニット22を各スプレー圧力測定装置200に接続する光ファイバーケーブル23(図3参照)と、を備えている。なお、図1は、説明の都合上、スプレー圧力測定装置200を12個示すが、この限りではない。
データ処理ユニット22は、光ファイバーケーブル23を介して各スプレー圧力測定装置200に光を供給する図示しない光源を備えている。また、データ処理ユニット22は、光源から供給された光がスプレー圧力測定装置200で圧力に応じてシフトされる反射波長を検出し、スプレー5の噴出圧力を演算する図示しない処理部を備えている。
【0031】
[スプレー圧力測定装置の構成]
次に、スプレー圧力測定装置の構成を、図面に基づいて詳細に説明する。
図4は、スプレー圧力測定装置を示す一部を切り欠いた斜視図である。図5は、スプレー圧力測定装置における外部から圧力を受けた状態を示す断面図である。図6は、スプレー圧力測定装置における光ファイバーに圧力を伝達するリンク機構を示す断面図である。図7は、スプレー圧力測定装置におけるリンク機構を示す平面図である。図8は、スプレー圧力測定装置における台座部を示す平面図である。図9は、スプレー圧力測定装置における光ファイバー固定部を示す正面図である。図10は、光ファイバー固定部を示す平面図である。図11は、スプレー圧力測定装置における第一ばね部材を示す平面図である。
【0032】
図4および図5に示すように、スプレー圧力測定装置200は、筐体210と、受圧部220と、台座部230と、光ファイバー固定部240と、光ファイバー250と、第一ばね部材260と、第二ばね部材270と、規制部材280と、を備えている。
筐体210は、中空で略矩形状に形成されている。この筐体210の一面には、例えば略円形の開口部211が開口形成されている。開口部211の開口縁には、内径が同寸法の円筒状のガイド筒部212が一連に設けられている。また、筐体210には、ケーブル接続開口213が設けられている。このケーブル接続開口213には、光ファイバーケーブル23が接続される図示しないコネクターが取り付けられている。
そして、筐体210の開口部211には、スプレー5の噴出圧力に応じて変位する受圧部220が設けられている。
【0033】
受圧部220は、開口部211を閉塞するシート状でスプレー5の噴出圧力が加わると変形するゴム受圧部221と、このゴム受圧部221の変形により開口部211の軸方向に沿って移動する圧力伝達部222と、を備えている。
ゴム受圧部221は、柔軟性および耐水性を備えたものが用いられ、開口部211から筐体210内に水が侵入しないように、開口部211を水密に閉塞して取り付けられる。
圧力伝達部222は、例えば合成樹脂や軽量な非鉄合金などにて形成され、開口部211の内径と略同寸法の円板部222Aを有している。この円板部222Aの外周縁には、外径が同寸法となる円筒状のガイド鍔部222Bが一連に設けられている。また、円板部222Aにおけるガイド鍔部222Bが突出する側の面の中央には、円柱状の軸部222Cが設けられている。この軸部222Cの先端面には、同軸上に円柱状の位置決めピン222Dが突設されている。そして、圧力伝達部222は、移動の際、開口部211のガイド筒部212にガイド鍔部222Bがガイドされ、円板部222Aが傾くことなく軸方向で移動可能に配置される。
【0034】
筐体210内には、台座部230が設けられている。この台座部230は、図4〜8に示すように、例えば0.3mm以上0.5mm以下のステンレス鋼板をエッチングによる加工および曲げ加工にて、長手状の板ばねに形成されている。
台座部230には、長手方向の中間部に位置して幅方向に沿って第一折曲線231が設けられている。さらに、台座部230には、長手方向の両端部に幅方向に沿って第二折曲線232が設けられている。そして、台座部230には、第一折曲線231間に筐体210に取り付けられる取付板部233が区画され、第一折曲線231と第二折曲線232との間に取付板部233に対して弾性変形されるばね板部234が区画され、第二折曲線232から端部側にばね板部234に対して弾性変形される取付固定板部235が区画されている。
また、台座部230には、第一折曲線231および第二折曲線232に位置して、幅方向に沿って帯状に薄肉加工された薄肉加工部236がそれぞれ設けられる。これら薄肉加工部236は、第一折曲線231および第二折曲線232の位置で山折りとなる面に設けられている。さらに、薄肉加工部236には、略楕円形状に穴開け加工された穴加工部237が設けられている。これら薄肉加工部236および穴加工部237により、第一折曲線231および第二折曲線232の位置で弾性変形し易くなっている。図8は、説明の都合上、穴加工部237を3箇所ずつ12箇所設けて説明するが、要求されるばね定数により、大きさ、数が適宜設定される。同様に、薄肉加工部236における幅寸法や深さ寸法も適宜設定される。なお、薄肉加工部236と穴加工部237とは、いずれか一方のみ設ける構成、あるいは双方とも設けない構成としてもよい。
また、台座部230の取付板部233には、長手方向の中央両側に舌片状に突出し、筐体210の底面にボルト238Aおよびナット238Bにて取付固定されるねじ孔239Aを有した取付片部239が一連に設けられている。
【0035】
台座部230の取付固定板部235には、図4〜7,9,10に示すように、光ファイバー固定部240がそれぞれ設けられている。
光ファイバー固定部240は、例えば、ガラスや軽量の非鉄金属などにて扁平矩形状に形成されている。光ファイバー固定部240には、幅方向に光ファイバー250を貫通する貫通孔241が設けられている。この貫通孔241は、光ファイバー250が貫通可能な小径部241Aと、この小径部241Aより径大で同軸上に連続する大径部241Bとにより構成されている。
光ファイバー固定部240の表裏の平面には、台座部230の取付固定板部235の幅寸法と略同寸法の取付段差部242が設けられている。そして、光ファイバー固定部240は、取付段差部242に取付固定板部235が挿入された状態で一体に取り付けられる。この取り付けられた状態では、台座部230の長手方向の両端部に位置して、小径部241Aがそれぞれ対向する状態となっている。取付方法は、接着やねじ止めなど、各種方法で取り付けられる。
そして、台座部230に取り付けられた一対の光ファイバー固定部240の貫通孔241に光ファイバー250が挿通され、緩まない程度の小さい引張力で張設されている。この光ファイバー250の張設は、接着、かしめ、低融点ガラスあるいは半田付けなど、各種方法が適用できる。なお、図4,5は、説明の都合上、光ファイバー250を取り付ける材料を省略する。
【0036】
光ファイバー250には、圧力検出用のファイバーブラッググレーティング(以下、FBG(Fiber Bragg Gratings)と称す)251と、温度補正用のFBG252とを有している。温度補正用のFBG252は、光ファイバー250の端部近傍に設けられている。なお、図5,6は、説明の都合上、FBG251,252を3本の平行な傾斜する線にて表す。
そして、光ファイバー250は、圧力検出用のFBG251が一対の光ファイバー固定部240間の中央、すなわち光ファイバー固定部240からそれぞれ等距離となる中間点に位置するように取り付けられている。さらに、光ファイバー250は、ケーブル接続開口213とは反対側の光ファイバー固定部240の貫通孔241を挿通する端部は、折損などすることなく折り返されている。
【0037】
ここで、FBG251,252は、例えば紫外線により、光ファイバー250のコアにブラッグ回折格子が形成され、格子間隔で決まる特定の波長の光を反射する。この光の反射は、データ処理ユニット22の光源から光ファイバーケーブル23を介して供給される光を反射する。そして、反射した光は、再び光ファイバーケーブル23を介してデータ処理ユニット22で測定する。
FBG251,252の格子間隔と波長との関係は、以下の式(1)で表される。
{式(1)}
λ=2n×D …(1)
λ:反射波長
n:FBGの平均屈折率
D:格子間隔
そして、波長変化は、以下の式(2)で検出される。
{式(2)}
Δλ=2n×ΔD+2Δn×D …(2)
Δ:それぞれのパラメーターの変化量を表す。
この式(2)に示すように、Δn=0のとき、外部応力によりDがΔDだけ変化すると波長がΔλ変化し、波長変化が検出される。
また、FBG251の周囲温度の変化が生じると、Δλが変化する。
そして、温度をTで表すと、n、Dは温度の関数であり、nは波長の関数でもあることが知られている。このことから、線形領域では、n、Dの変化量は、以下の式(3)、式(4)で表される。
{式(3)}
Δn=s(ΔT) …(3)
s:屈折率温度係数
{式(4)}
ΔD=ρ(ΔT) …(4)
ρ:線膨張係数
このようにして、2つのFBG251,252により、温度依存性は共通として、一方のFBG251に付与されたスプレー5の噴出圧力による波長変化の差分から、他方のFBG252の温度変化による誤差を補償している。
【0038】
また、台座部230には、第一ばね部材260が一体的に取り付けられている。この第一ばね部材260は、図4〜7,11に示すように、台座部230と同様に、例えば0.3mm以上0.5mm以下のステンレス鋼板をエッチングによる加工および曲げ加工にて、長手状の板ばねに形成されている。
第一ばね部材260には、長手方向の中間部に位置して幅方向に沿って第一折線261が設けられている。さらに、第一ばね部材260には、長手方向の両端部に幅方向に沿って第二折線262が設けられている。そして、第一ばね部材260には、第一折線261間に圧力伝達部222の変位を受ける中央部としての受圧板部263が区画されている。また、第一ばね部材260には、第一折線261と第二折線262との間に、受圧板部263に対して弾性変形されるばね部264が区画されている。さらに、第一ばね部材260には、第二折線262から端部側に、ばね部264に対して弾性変形される保持部としての連結板部265が区画されている。この連結板部265が、光ファイバー250を取り付ける光ファイバー固定部240に取り付けられ、この光ファイバー固定部240を介して台座部230の取付固定板部235に取り付けられる。この光ファイバー250が取り付けられた状態では、受圧板部263が光ファイバー250のFBG251に対向する状態となる。すなわち、光ファイバー250は、FBG251が中央に位置する状態で光ファイバー固定部240間に張設される。
また、第一ばね部材260には、第一折線261および第二折線262に位置して、幅方向に沿って帯状に薄肉加工された薄肉部266がそれぞれ設けられる。これら薄肉部266は、第一折線261および第二折線262の位置で山折りとなる面に設けられている。さらに、薄肉部266には、略楕円形状に穴開け加工された穴部267が設けられている。これら薄肉部266および穴部267により、第一折線261および第二折線262の位置で弾性変形し易くなっている。図11は、説明の都合上、穴部267を3箇所ずつ12箇所設けて説明するが、要求されるばね定数により、大きさ、数が適宜設定される。同様に、薄肉部266における幅寸法や深さ寸法も適宜設定される。なお、薄肉部266と穴部267とは、いずれか一方のみ設ける構成、あるいは双方とも設けない構成としてもよい。
そして、第一ばね部材260は、連結板部265が光ファイバー固定部240の取付段差部242に挿入され、台座部230と同様に、一体に取り付けられている。この取付により、台座部230および第一ばね部材260は、扁平の菱形形状であるパンタグラフ様のリンク機構を構成する。
【0039】
また、第一ばね部材260の長手方向の中央に位置する受圧板部263には、図4〜7,11に示すように、第二ばね部材270が形成されている。この第二ばね部材270は、受圧板部263がぜんまいばね状に打ち抜き加工されて形成された板ばねである。
第二ばね部材270は、圧力伝達部222の位置決めピン222Dが嵌挿される位置決め孔271Aを有した円板状の押圧板部271を有している。この押圧板部271の外周縁の径方向には、外周縁に沿った円弧状で、先端部が第一ばね部材260の受圧板部263に連結する一対の弾性板部272が設けられている。そして、第二ばね部材270は、図5に示すように、押圧板部271に取り付けられ圧力を受けた圧力伝達部222の変位により、押圧板部271が押し込まれる、すなわち台座部230に向けて移動するように、一対の弾性板部272が弾性変形する。
第二ばね部材270のばね定数は、第一ばね部材260のばね定数より小さく形成されている。すなわち、同じ圧力が加わった場合に、第一ばね部材260より大きい変位量で第二ばね部材270が弾性変形する状態に形成されている。
そして、第二ばね部材270の弾性変形に応じて、弾性変形する弾性板部272が連設する第一ばね部材260の受圧板部263も台座部230に向けて移動される状態に第一ばね部材260が弾性変形する。この第一ばね部材260の弾性変形に応じて、光ファイバー固定部240を介して連結する台座部230も潰されるように弾性変形する。このような、パンタグラフ様の扁平菱形のリンク機構が潰れる弾性変形により、光ファイバー250に歪み、すなわち引張力が作用することとなる。
【0040】
ここで、パンタグラフ様のリンク機構は、第二ばね部材270、一対の光ファイバー固定部240、台座部230の取付板部233の4箇所を頂点とした扁平菱形に構成されている。すなわち、リンク機構は、第二ばね部材270に対応する頂点Aおよび取付板部233に対応する頂点C間の対角線Mが、一対の光ファイバー固定部240に対応する頂点B,D間の対角線Nより短くなる扁平菱形である。
このことから、第二ばね部材270にスプレー5の噴出圧力が加わることで、対角線Mが短くなる状態に頂点Aが頂点Cに向けて移動するとともに、対角線Nが長くなり光ファイバー250を引っ張る状態に頂点B,Dが離間する方向に移動する。そして、頂点B,Dが離間する方向に移動する距離ΔNは、頂点Aが頂点Cに向けて移動する距離ΔMより短くなる。また、エネルギー保存の法則により、スプレー5の噴出圧力に応じた第二ばね部材270で受けるエネルギーEpと、光ファイバー250を引っ張るエネルギーEfは、ほぼ同一である。
このため、移動量が小さい頂点B,Dにおける光ファイバー250の引張力Ff(=Ef/ΔN)は、移動量が大きい頂点Aにおけるスプレーの噴出圧力Fp(=Ep/ΔM)より大きくなる。したがって、扁平菱形のリンク機構により、小さいスプレー5の噴出圧力でも精度良く検出できることとなる。
【0041】
また、筐体210内には、図4,5,7に示すように、規制部材280が配設されている。この規制部材280は、例えば鋼板などにて長手板状に形成されている。そして、規制部材280は、リンク機構の中を貫通する状態に、長手方向の両端部が筐体210に設けられた取付部材285に取付固定されている。すなわち、規制部材280は、第二ばね部材270における圧力伝達部222が取り付けられる側と反対側の面に対向する状態に配設されている。
規制部材280は、過大圧が加わって圧力伝達部222が大きく変位するような場合、圧力伝達部222の位置決めピン222Dの先端が当接し、圧力伝達部222がそれ以上変位できないように規制する位置に配設される。この圧力伝達部222の変位の規制により、圧力伝達部222が取り付けられる第二ばね部材270および第二ばね部材270が設けられた第一ばね部材260の弾性変形する変形量も規制される。このため、光ファイバー250に過剰な引張力が作用して切断するなどの損傷が防止される。
この圧力伝達部222が当接する位置には、図5に示すように、グリース286が設けられている。
なお、圧力伝達部222の変位量を規制するための規制部材280と第二ばね部材270との対向距離は、取付部材285による取付位置をずらすことで変更可能となっている。
また、規制部材280には、光ファイバー250における光ファイバー固定部240の貫通孔241を挿通して折り返された端部のFBG252が取り付けられている。このFBG252は、図5に示すように、規制部材280における第二ばね部材270に対向する面と反対側の面に、FBG251に対向するように接着剤287などにより取り付けられている。
【0042】
[スプレーの噴出圧力の測定]
次に、上記測定システム1を用いて、連続鋳造設備2におけるスプレー5の噴出圧力を測定する方法について、図面を参照して説明する。
図12は、測定システム1による測定状況を示す説明図である。図13は、スプレー圧力測定装置で検出した検出信号を示すグラフで、縦軸がスプレーの噴出圧力、横軸が測定時間である。
【0043】
あらかじめダミーバー10に圧力測定ユニット20が配設された測定システム1を、連続鋳造設備2の鋳型3の下方に複数配置された鋳片案内ロール4間で移動させる。この測定システム1の鋳片案内ロール4間の移動は、例えば図1,2における下側へ、鋳片案内ロール4に連結した駆動モーターなどにより鋳片案内ロール4を回転させて、引き抜くようにする。
この測定システム1の移動の際、図12に示すように、スプレー5から水または水と空気とを混合した二流体を噴出させる。そして、移動する測定システム1のスプレー圧力測定装置200がスプレー5の噴霧流5Aを通過する際、噴霧流5Aがゴム受圧部221に当接し、図5に示すように、圧力伝達部222が変位する。具体的には、圧力伝達部222は、台座部230、第一ばね部材260および第二ばね部材270の弾性に抗して、圧力伝達部222が開口部211のガイド筒部212にガイドされつつ、筐体210内に進出するように移動する。
【0044】
圧力伝達部222の変位により、第二ばね部材270の押圧板部271が台座部230に向けて移動するように一対の弾性板部272が弾性変形する。この第二ばね部材270の弾性変形に応じて、弾性変形する弾性板部272が連設する第一ばね部材260の受圧板部263も台座部230に向けて移動される状態に潰されるように第一ばね部材260が弾性変形する。この第一ばね部材260の弾性変形に応じて、光ファイバー固定部240を介して連結する台座部230も潰されるように弾性変形する。
このような、パンタグラフ様の扁平菱形のリンク機構が潰れる弾性変形により、光ファイバー固定部240間が広がる状態となり、光ファイバー250に引張力が作用する。
【0045】
スプレー5の噴出圧力に応じた引張力が光ファイバー250に作用することで、データ処理ユニット22の光源から光ファイバーケーブル23を介して供給され、FBG251で反射される光の波長が変化する。この波長変化によりスプレー5の噴出圧力を演算する。具体的には、圧力検出用のFBG251の波長変化の差分から、温度補正用のFBG252の温度変化による波長変化の差分を温度変化による誤差として補償し、スプレー5の噴出圧力を演算する。
このようなスプレー5の噴出圧力の検出を、測定システム1の移動により通過するスプレー5毎に検出する。この検出結果は、例えば図13に示すように、正常に噴出するスプレー5ではピーク状にスプレー噴出圧力が検出される。一方、ノズルが閉塞しているなどにより適切に噴出されていない、あるいは遮蔽物があり噴霧流5Aが受圧部220に届かないなど、スプレー5による冷却が適切にできない場合、図13中の左から3番目のノズルのように、ピークを検出できず、不良であることが判別できる。
このように、スプレー噴出圧力をデータ処理ユニット22で検出し、噴出状態を適切に判別できる。
【0046】
この噴出圧力の検出の際、急激に過大圧が受圧部220に作用した場合、圧力伝達部222が第二ばね部材270を大きく弾性変形する状態に変位することとなる。一方、第二ばね部材270が連接されている第一ばね部材260は、第二ばね部材270より大きなばね定数であることから、比較的に小さな変位量で弾性変形することとなる。
このため、光ファイバー250にも大きな引張力が作用することがなく、光ファイバー250が断線するなどの損傷が生じることを防止できる。
さらに、大きな過大圧が加わった場合、圧力伝達部222はさらに大きく変位する状態となるが、規制部材280に当接し、それ以上は変位できなくなる。
このように、過大圧が加わっても、光ファイバー250には大きな引張力が作用することはなく、確実に光ファイバー250が断線するなどの損傷が生じることを防止できる。
【0047】
[実施形態の作用効果]
上記第一実施形態では、スプレー5の噴出圧力の検出に、FBG251が設けられた光ファイバー250を用いる。
このため、電磁波ノイズが生じる環境でも、電磁波ノイズの影響を受けずに、精度良く測定できる。
そして、光ファイバー250を保持する第一ばね部材260に、この第一ばね部材260より小さいばね定数の第二ばね部材270を、圧力伝達部222の変位に応じて弾性変形するように設けている。
このため、仮に過大圧が加わって圧力伝達部222が大きく変位する状況でも、第二ばね部材270が大きく弾性変形し、光ファイバー250を保持する第一ばね部材260は比較的に小さい弾性変形量となる。したがって、光ファイバー250に急激に大きな引張力が作用することを防止でき、光ファイバー250が断線するなどの損傷を防止できる。
【0048】
そして、本第一実施形態では、圧力伝達部222の変位に応じて板ばねの第二ばね部材270が弾性変形するとともに、第二ばね部材270が中央に設けられた板ばねの第一ばね部材260も弾性変形する。この第一ばね部材260の弾性変形により、FBG251が長手方向の中央に位置する状態に光ファイバー250の両端部が第一ばね部材260に保持され、弓状に張設された光ファイバー250に圧力に応じた引張力が作用される。
このため、過大圧が圧力伝達部222に加わっても光ファイバー250の損傷を防止できる構成が、板ばねの第一ばね部材260の中央に板ばねの第二ばね部材270を設ける簡単な構造で得られる。したがって、構造の簡略化による小型化、製造性の向上が容易に得られる。
【0049】
また、長手方向の中間部を筐体210内に取付固定された板ばね状の台座部230の長手方向の両端部に、第一ばね部材260の長手方向の両端部をそれぞれ取り付けている。
このことにより、第一ばね部材260および台座部230は、第二ばね部材270の弾性変形に対応して弾性変形し、光ファイバー250に引張力を作用させるリンク機構を構成する。このため、過大圧が圧力伝達部222に加わっても光ファイバー250の損傷を防止できる構成が、板ばねを用いてリンク機構を構成する簡単な構造で得られる。したがって、構造の簡略化による小型化、製造性の向上が容易に得られる。さらに、リンク機構を構成することから、例えば0.1kPa〜3kPa程度の微小な圧力でも精度良く測定できる。
【0050】
そして、台座部230に薄肉加工部236および穴加工部237を設け、第一ばね部材260に薄肉部266および穴部267を設け、弾性変形する構成としている。
このため、簡単な構造で所定のばね定数に設計することが容易にできる。
そして、台座部230における取付固定板部235およびばね板部234間は、3つの穴加工部237を有した薄肉加工部236により、4箇所で連結する構成となっている。また、台座部230におけるばね板部234および取付板部233間も、薄肉加工部236により4箇所で連結する構成となっている。同様に、第一ばね部材260も、3つの穴部267を有した薄肉部266により、4箇所で連結する構成となっている。このため、例えば、台座部230において、ばね板部234と取付固定板部235とがねじれるように外力が作用しても、複数箇所で連結する構成のため、1箇所で連結する構成に比して、ねじれが生じることを防止できる。したがって、良好に弾性変形するリンク機構を、薄肉加工および穴開け加工の簡単な構成で構築できる。
【0051】
さらに、圧力伝達部222が所定以上に変位するような過大圧が圧力伝達部222に加わって第二ばね部材270が所定以上に弾性変形することを、規制部材280により規制する。
このため、第二ばね部材270が大きく弾性変形して第一ばね部材260が大きく弾性変形し、光ファイバー250に過大な引張力が作用して損傷してしまうことを確実に防止できる。
【0052】
そして、圧力伝達部222が所定以上に変位するような過大圧が圧力伝達部222に加わって第二ばね部材270が所定以上に弾性変形する際、圧力伝達部222が規制部材280に当接する位置に規制部材280を設けている。
このため、圧力伝達部222が変位する軌跡上で、圧力伝達部222が所定量変位する位置で当接するように、規制部材280を位置させればよく、規制部材280も板状に形成するのみで、リンク機構を横切るように配設する簡単な構造で得られ、過大圧に対する光ファイバー250の保護が確実に得られる。
【0053】
さらに、過大圧により圧力伝達部222が所定以上に変位して第二ばね部材270が所定以上に弾性変形し、圧力伝達部222が規制部材280に当接する部分に、グリース286を塗布している。
このため、急激に過大圧が加わった際に当接する時の衝撃を低減でき、損傷を防止できる。また、グリース286自体の粘性により、ダミーバー10が移動してスプレー5の噴出圧力を検出する際の移動時の振動、連続鋳造設備などの稼働する設備の振動など、10Hz以上の周波数成分の外部からの振動に対する制振機能を示し、良好に圧力検出できる。
【0054】
また、圧力検出用のFBG251の近傍に、温度補正用のFBG252を配設している。
このため、FBG252により、FBG251の周囲温度の変化に応じて、FBG251で検出される反射光の波長変化を補償でき、より高精度にスプレーの噴出圧力を検出できる。
さらに、FBG252をFBG251が設けられた光ファイバー250に設けている。
このため、1本の光ファイバー250を配設するのみでよく、製造性を向上できる。
【0055】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態におけるスプレー圧力測定装置を、図14および図15を参照して説明する。
図14は、本発明の第二実施形態のスプレー圧力測定装置におけるリンク機構を示す断面図である。図15は、第二実施形態のスプレー圧力測定装置における光ファイバーのFBGを取り付けた状態を示す断面図である。
なお、図14および図15に示す第二実施形態では、上記第一実施形態と同一もしくは類似の構成については、同一の名称および符号を付して説明を省略もしくは簡略化する。
【0056】
図14に示す第二実施形態は、第一実施形態における光ファイバー250を取り付ける光ファイバー固定部240間に、光ファイバー250に代えて、第一ばね部材260とにより本発明の第一ばね部材を構成し保持部として機能する板ばね状の変形板ばね部290を設けている。すなわち、第二実施形態では、板ばねの変形板ばね部290を、第一ばね部材260の一部として機能させる。より具体的には、本発明の第一ばね部材として、第一ばね部材本体としての第一ばね部材260と、第一ばね部材260の長手方向の両端部間に保持される変形板ばね部290とを備えた構成としたものである。
【0057】
この変形板ばね部290は、第一ばね部材260と同様に、長手状の板ばねにて形成され、長手方向の中央部分に、一面側に湾曲する湾曲部291を有している。
そして、変形板ばね部290は、湾曲部291が第一ばね部材260の受圧板部263に対向する側とは反対側に突出する状態で、光ファイバー固定部240間に配設されている。具体的には、第一ばね部材260の連結板部265に取り付けられた光ファイバー固定部240に、長手方向の両端部がそれぞれ一体的に取り付けられ、光ファイバー固定部240間に架橋するように配設されている。
この変形板ばね部290の湾曲部291の外面側に、光ファイバー250のFBG251が変形板ばね部290の長手方向に沿って一体に取り付けられている。この取り付けは、例えば図15に示すように、接着剤292にてFBG251を被覆するように、一体的に取り付けられている。すなわち、光ファイバー250は、変形板ばね部290の湾曲部291に接着剤292にて保持されている。
なお、接着剤は、例えばエポキシ樹脂など、各種接着剤を利用できる。熱負荷が加わる環境では、耐熱性のものを用いればよい。
【0058】
そして、スプレー5の噴出圧力の測定時、台座部230、第一ばね部材260および第二ばね部材270の弾性に抗して、圧力伝達部222が変位すると、変形板ばね部290に歪み、具体的には圧縮力が作用し、湾曲部291が引き延ばされるように弾性変形する。すなわち、第二ばね部材270が弾性変形すると、第一ばね部材260のばね部264が弾性変形するとともに、このばね部264に連結板部265および光ファイバー固定部240を介して連結する変位板ばね部290に伝播して変位板ばね部290の湾曲部291が弾性変形する。
この湾曲部291の弾性変形により、FBG251に圧縮力が作用し、FBG251で反射される光の波長が変化する。この波長変化によりスプレー5の噴出圧力を演算することで噴出圧力を測定できる。
【0059】
この第二実施形態も第一実施形態の作用効果と同様に、仮に過大圧が加わって圧力伝達部222が大きく変位する状況でも、第二ばね部材270が大きく弾性変形し、光ファイバー250を保持する第一ばね部材260は比較的に小さい弾性変形量となる。したがって、光ファイバー250に急激に大きな圧縮力が作用することを防止でき、光ファイバー250が断線や折曲するなどの損傷を防止できる。
さらに、第二実施形態では、第一ばね部材260の弾性変形が変形板ばね部290を弾性変形させるので、第一実施形態における第一ばね部材260の弾性変形量より小さい弾性変形量がFBG251に作用することとなり、より光ファイバー250が断線するなどの損傷を防止できる。
また、光ファイバー250のFBG251を変位板ばね部290に接着剤292にて貼り付けるように取り付けるので、第一実施形態における光ファイバー250を張設する場合に比べて組み立て作業が容易で、組み立て作業時に誤って光ファイバー250を切断してしまうなどの不都合も生じず、より製造性を向上できる。
そして、変形板ばね部290は、湾曲部291が台座部230側に湾曲する状態で設けられているので、湾曲部291が規制部材280と干渉することがなく、限られた筐体210内に良好に配置でき、大型化を防止できる。なお、台座部230に向けて湾曲する場合に限らず、他の部位との干渉の点などから、いずれの方向に湾曲させてもよい。
【0060】
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態におけるスプレー圧力測定装置を、図16を参照して説明する。
図16は、本発明の第三実施形態のスプレー圧力測定装置におけるリンク機構を示す断面図である。
なお、図16に示す第三実施形態では、上記各実施形態と同一もしくは類似の構成については、同一の名称および符号を付して説明を省略もしくは簡略化する。
【0061】
図16に示す第三実施形態は、第一実施形態の第一ばね部材260にFBG251を直接取り付けたものである。
具体的には、図16に示す第三実施形態の第一ばね部材260は、第一実施形態の第一ばね部材260と同様に長手状の板ばねにて形成され、長手方向の中央に受圧板部263を有し、長手方向の両端部に連結板部265を有している。受圧板部263と連結板部265との間には、第一折線261を設けることなく受圧板部263に一連に連続する保持部として機能する湾曲したばね部264が設けられている。なお、ばね部264と連結板部265との間には、第二折線が設けられた薄肉部266が設けられている。
そして、第一ばね部材260のばね部264には、台座部230に対向する面となる湾曲する内側に、FBG251がばね部264の長手方向に沿って第二実施形態と同様に接着剤292にて一体に取り付けられている。すなわち、光ファイバー250は、第一ばね部材260のばね部264に接着剤292にて保持されている。
【0062】
そして、スプレー5の噴出圧力の測定時、台座部230、第一ばね部材260および第二ばね部材270の弾性に抗して、圧力伝達部222が変位する。
第一ばね部材260の弾性変形により、第一ばね部材260の内側に取り付けられたFBG251に歪みが作用し、FBG251で反射される光の波長が変化する。この波長変化によりスプレー5の噴出圧力を演算することで噴出圧力を測定できる。
【0063】
この第三実施形態も上記各実施形態と同様に、仮に過大圧が加わって圧力伝達部222が大きく変位する状況でも、第二ばね部材270が大きく弾性変形し、光ファイバー250を保持する第一ばね部材260は比較的に小さい弾性変形量となる。したがって、光ファイバー250に急激に大きな歪みが作用することを防止でき、光ファイバー250が断線や折曲するなどの損傷を防止できる。
また、第三実施形態では、第二実施形態と同様に、第一実施形態における光ファイバー250を張設する場合に比べて組み立て作業が容易で、組み立て作業時に誤って光ファイバー250を切断してしまうなどの不都合も生じず、より製造性を向上できる。
さらに、第三実施形態では、第二実施形態の変形板ばね部290のような別部品を用いる必要がなく、構成が簡略化し、小型軽量化を容易に図れるとともに、製造性の向上や製造コストの低減が容易にできる。
【0064】
[第四実施形態]
次に、本発明の第四実施形態におけるスプレー圧力測定装置を、図17を参照して説明する。
図17は、本発明の第四実施形態のスプレー圧力測定装置における第一ばね部材を示す断面図である。
なお、図17に示す第四実施形態では、上記各実施形態と同一もしくは類似の構成については、同一の名称および符号を付して説明を省略もしくは簡略化する。
【0065】
図17に示す第四実施形態は、第一から第三実施形態におけるパンタグラフ様のリンク機構に代えて、第一板ばね部を筐体210内に取り付けたものである。
具体的には、図17に示す第四実施形態の第一ばね部材260は、長手状の板ばねに形成されている。この第一ばね部材260は、保持部として機能する長方形のばね部264の長手方向の一端に、第二ばね部材270が設けられた受圧板部263を一連に設けている。また、第一ばね部材260は、ばね部264の長手方向の他端に、筐体210内に突設された取付台部215に取り付けられる固定部としての取付固定部269を一連に設けている。
そして、第一ばね部材260は、取付固定部269が取付台部215の先端部に取り付けられ、第二ばね部材270における取付台部215側と反対側に圧力伝達部222が取り付けられる。FBG251は、第一ばね部材260のばね部264における圧力伝達部222が取り付けられた側に、ばね部264の長手方向に沿って第二実施形態および第三実施形態と同様に接着剤292にて一体に取り付けられている。すなわち、光ファイバー250は、ばね部264に接着剤292にて保持されている。
【0066】
スプレー5の噴出圧力の測定時、第一ばね部材260および第二ばね部材270の弾性に抗して、圧力伝達部222が変位する。
第一ばね部材260の弾性変形により、FBG251に歪み、具体的には引張力が作用し、FBG251で反射される光の波長が変化する。この波長変化によりスプレー5の噴出圧力を演算することで噴出圧力を測定できる。
【0067】
この第四実施形態も上記各実施形態と同様に、仮に過大圧が加わって圧力伝達部222が大きく変位する状況でも、第二ばね部材270が大きく弾性変形し、光ファイバー250を保持する第一ばね部材260は比較的に小さい弾性変形量となる。したがって、光ファイバー250に急激に大きな引張力が作用することを防止でき、光ファイバー250が断線するなどの損傷を防止できる。
また、第四実施形態では、第二実施形態と同様に、第一実施形態における光ファイバー250を張設する場合に比べて組み立て作業が容易で、組み立て作業時に誤って光ファイバー250を切断してしまうなどの不都合も生じず、より製造性を向上できる。
さらに、第四実施形態では、上記各実施形態のようなリンク機構を用いず、長手状の板ばねを1つ用いる極めて簡単な構造で、構成が簡略化し、より製造性を向上できる。
また、第四実施形態では、第一ばね部材260が直線状であることから、例えば熱が掛かる環境で測定する場合の温度補正も、第一ばね部材260自体の熱膨張率を用いて比較的に簡単な演算でよく、リンク機構を用いる構成に比べて容易に温度補正できる。
【0068】
[第五実施形態]
次に、本発明の第五実施形態におけるスプレー圧力測定装置を、図18を参照して説明する。
図18は、本発明の第五実施形態のスプレー圧力測定装置における第一ばね部材を示す断面図である。
なお、図18に示す第五実施形態では、上記各実施形態と同一もしくは類似の構成については、同一の名称および符号を付して説明を省略もしくは簡略化する。
【0069】
図18に示す第五実施形態では、上記第四実施形態の第一ばね部材260として、一対のばね部264を有し、一対の取付台部215間に架橋する状態で設けたものである。
この第五実施形態も第四実施形態と同様の作用効果を奏するとともに、第四実施形態より弾性変形する箇所が一対のばね部264となるので、より大きな圧力でも適切に測定できる。
さらに、第五実施形態では、一対のばね部264で圧力伝達部222に作用する圧力を受けるので、圧力伝達部222が直線上に移動する状態となり、精度良く安定して圧力を測定できる。
【0070】
[変形例]
なお、本発明は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは、本発明に含まれるものである。
例えば、板ばねの第一ばね部材260の長手方向の中央に板ばねの第二ばね部材270を設けた構成を例示したが、板ばね構造に限らない。例えば第二ばね部材270を円錐コイルばね状に形成してもよい。
また、板ばねの構造としては、単板の構造に限らず、重ね板ばねとしてもよい。
【0071】
そして、第二ばね部材270をぜんまいばね状に打ち抜き形成したが、この形状に限らず、第一ばね部材260より弾性変形し易いいずれの形状とすることができる。
なお、ぜんまいばね状に形成することで、限られた範囲内で弾性変形し易い形状、例えば弾性板部272を長く形成でき、好適である。
さらに、第二ばね部材270を第一ばね部材260の長手方向の中央に設けて説明したが、この限りではない。例えば、第一ばね部材260の長手方向の端部に位置して設けてもよい。
【0072】
また、板ばねの台座部230に第一ばね部材260を取り付けてリンク機構を構成させたが、この限りではない。例えば、台座部230を用いず、第一ばね部材260をぜんまいばね状に形成し、第一ばね部材260の一端側を軸支させ、他端側に第二ばね部材270を設ける。そして、第一ばね部材260を軸支する軸部に光ファイバー250の端部を取り付け、第一ばね部材260が弾性変形することで軸部が回転し、光ファイバー250が巻き取られるように引張力を作用させる構成のようにしてもよい。
【0073】
そして、圧力伝達部222に位置決めピン222Dを設け、第二ばね部材270と連結する構成を例示したが、この限りではない。例えば、軸部222Cを円筒状に形成し、第二ばね部材270の位置決め孔271Aを貫通するねじを軸部222Cに螺合して一体的に取り付けてもよい。
【0074】
また、規制部材280は、圧力伝達部222が当接することで移動規制する構成を例示したが、例えば第二ばね部材270の押圧板部271に当接する位置あるいは形状として、第二ばね部材270に当接することで移動規制する構成としてもよい。さらに、別体の規制部材280を用いず、筐体210の一部に当接することで移動規制する構成としてもよい。また、移動規制する構成を設けなくてもよい。
さらに、規制部材280は、長手方向を光ファイバー250の長手方向に対して交差する状態で配設したが、図19に示すように、圧力伝達部222のガイド鍔部222Bが当接するように一対配設してもよい。このような構成でも、当接する部分にグリースを設けることが好ましい。この図19は、上記図1〜13に示す実施形態と同一または類似の構成については同一の符号を付す。
そして、グリース286を設けたが、グリース286を用いなくてもよい。また、グリース286のダンピング機能の代替方法として、例えば筐体210内にシリコーンオイルを封入してもよい。なお、グリース286を用いる構成では、材料が少量でよく、製造が容易で製造コストの増大も防止でき、内部の保守管理、保守点検も容易にでき、好適である。
【0075】
また、図19に示す構成のように、規制部材280に取り付けると圧力検出用のFBG251から遠くなる、あるいは配線に際して他の部位と干渉してしまうなどの不都合がある場合には、温度補正用のFBG252を台座部230に取り付けてもよい。
そして、FBG251,252を有した光ファイバー250を用いて説明したが、圧力検出用のFBG251と温度補正用のFBG252とを、それぞれ別体の光ファイバー250として2本用いる構成としてもよい。
また、温度補正用のFBG252を用いなくてもよい。
【0076】
さらに、第二実施形態から第五実施形態において、FBG251を接着剤にて被覆するように一体に取り付けて説明したが、FBG251に歪みとして引張力を作用させて圧力を測定する場合には、FBG251の両端側で取り付け、FBG251自体は取り付けないようにしてもよい。
なお、例えば第四実施形態において、FBG251をばね部264における取付台部215側に取り付け、FBG251に歪みすなわち圧縮力を作用させて圧力を測定する場合には、FBG251全体を被覆するように取り付ける。すなわち、圧縮力が作用した際に光ファイバー250にたるみが生じて精度良く圧力を測定できなくなるおそれがあることから、たるみが生じないように被覆するように取り付ける。
【0077】
そして、第二実施形態から第五実施形態において、FBG251を複数設けた光ファイバー250を用い、ばね部264の両面側の対応する位置に2つのFBG251が位置するように取り付けると、より精度良く測定できるので好ましい。
具体的には、例えば図20に示すように、第四実施形態におけるばね部264のFBG251が取り付けた面と反対側の面で、FGB251が取り付けられた位置と反対側の位置に、光ファイバー250の他の位置に設けられた別のFBG251を取り付ける。この図20に示す構成で、スプレー5の噴出圧力の測定時、圧力伝達部222側に位置するFBG251には引張力が作用し、取付台部215側に位置するFBG251には圧縮力が作用する。このため、双方のFBG251の弾性変形量の差は、第四実施形態における弾性変化量のほぼ倍となる。したがって、弾性変形量が少ない場合でも、精度良く圧力を測定できる。
【0078】
第三実施形態において、第一ばね部材260における受圧板部263に一連に設けたばね部264にFBG251を取り付けて説明したが、この限りではない。
例えば、本発明の第一ばね部材として、第一ばね部材260と台座部230とにより構成されるリンク機構とし、第三実施形態の保持部であるばね部264のように、台座部230のばね板部234が湾曲するように形成し、この湾曲形成したばね板部234にFBG251を取り付けても同様の作用効果が得られる。
【0079】
第五実施形態において、一対の保持部であるばね部264を設けた構成としたが、例えばばね部264を放射状に複数設けて筐体210内に取り付けるなどしてもよい。
このように、圧力伝達部222に掛かる圧力に応じて、ばね部264の数を設定すればよく、簡単な設計変更で、各種用途に対応でき、汎用性を向上できる。
【0080】
その他、本発明の実施における具体的な構成および形態などは、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、連続鋳造設備、鋼板の冷却装置などにおいて、液体または液体と気体を混合した二流体を噴出分散させるスプレーの噴出状況の検出に利用することができる。
【符号の説明】
【0082】
5…スプレー、200…スプレー圧力測定装置、210…筐体、220…受圧部、230…台座部、233…中間部としての取付板部、234…板ばね部、235…端部としての取付固定板部、250…光ファイバー、251…圧力検出用のファイバーブラッググレーティング(FBG)、252…温度補正用のファイバーブラッググレーティング(FBG)、260…第一ばね部材、263…中央部としての受圧板部、264…保持部として機能し得るばね部、265…保持部としての連結板部、269…固定部としての取付固定部、270…第二ばね部材、280…規制部材、286…グリース、290…保持部としての変形板ばね部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体または液体と気体とを混合した二流体を噴出分散させるスプレーの噴出圧力を測定するスプレー圧力測定装置であって、
筐体と、
この筐体に設けられ、前記スプレーの噴出圧力に応じて変位する受圧部と、
前記筐体内に配設されたファイバーブラッググレーティングを有した光ファイバーと、
前記筐体内で前記光ファイバーを保持し、弾性変形により前記光ファイバーに歪みを作用させる第一ばね部材と、
この第一ばね部材に設けられ、前記第一ばね部材より小さいばね定数に形成され、前記受圧部の変位に対応して弾性変形して前記第一ばね部材を弾性変形させる第二ばね部材と、
を具備したことを特徴とするスプレー圧力測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載のスプレー圧力測定装置において、
前記第一ばね部材は、前記ファイバーブラッググレーティングに対向する中央部と、この中央部に連結され前記光ファイバーの両端部をそれぞれ保持する一対の保持部とを有する板ばねであり、
前記第二ばね部材は、前記第一ばね部材の中央部に設けられた板ばねである
ことを特徴とするスプレー圧力測定装置。
【請求項3】
請求項2に記載のスプレー圧力測定装置であって、
前記筐体内に取り付けられる中間部と、前記第一ばね部材の保持部がそれぞれ取り付けられる端部とを有する板ばね状の台座部を具備した
ことを特徴とするスプレー圧力測定装置。
【請求項4】
請求項1に記載のスプレー圧力測定装置において、
前記第一ばね部材は、中央部と、この中央部に連結され前記光ファイバーが保持される保持部を有する板ばねであり、
前記第二ばね部材は、前記第一ばね部材の中央部に設けられた板ばねである
ことを特徴とするスプレー圧力測定装置。
【請求項5】
請求項4に記載のスプレー圧力測定装置であって、
前記第一ばね部材は、前記筐体内に取り付けられる中間部と、前記第一ばね部材の保持部がそれぞれ取り付けられる端部とを有する板ばね状の台座部を具備した
ことを特徴とするスプレー圧力測定装置。
【請求項6】
請求項5に記載のスプレー圧力測定装置であって、
前記第一ばね部材は、前記中央部から湾曲する状態に前記台座部に取り付けられる板ばね状の保持部と、前記台座部の前記中間部から湾曲する状態に設けられた板ばね状のばね板部と、のうちの少なくともいずれか一方を備え、
前記ばね板部は、前記保持部が取り付けられるとともに前記光ファイバーを保持可能である
ことを特徴とするスプレー圧力測定装置。
【請求項7】
請求項4または請求項5に記載のスプレー圧力測定装置であって、
前記第一ばね部材は、前記中央部に一対の前記保持部がそれぞれ反対方向に延出して設けられているとともに、前記一対の保持部の先端間に両端部が保持され中間部に長手方向で湾曲する湾曲部を有した板ばね状の変形板ばね部を有し、この変形板ばね部の湾曲部に前記ファイバーブラッググレーティングを位置させて前記光ファイバーが保持されている
ことを特徴とするスプレー圧力測定装置。
【請求項8】
請求項7に記載のスプレー圧力測定装置であって、
前記湾曲部は、前記中央部に対向する方向とは反対側へ突出する状態に湾曲する
ことを特徴とするスプレー圧力測定装置。
【請求項9】
請求項4に記載のスプレー圧力測定装置において、
前記第一ばね部材の前記保持部は、前記中央部と反対側の端部に前記筐体内に取り付けられる固定部が設けられている
ことを特徴とするスプレー圧力測定装置。
【請求項10】
請求項9に記載のスプレー圧力測定装置において、
前記保持部は、それぞれ反対方向へ延出する状態に前記中央部に一対設けられている
ことを特徴とするスプレー圧力測定装置。
【請求項11】
請求項7から請求項10までのいずれか一項に記載のスプレー圧力測定装置であって、
前記光ファイバーは、少なくとも前記ファイバーブラッググレーティングが接着剤にて被覆される状態で一体的に取り付けられている
ことを特徴とするスプレー圧力測定装置。
【請求項12】
請求項7から請求項11までのいずれか一項に記載のスプレー圧力測定装置であって、
前記光ファイバーは、前記ファイバーブラッググレーティングが複数設けられ、前記第一ばね部材の両面の対応する位置に前記ファイバーブラッググレーティングが位置されて保持されている
ことを特徴とするスプレー圧力測定装置。
【請求項13】
請求項1から請求項12までのいずれか一項に記載のスプレー圧力測定装置であって、
前記受圧部の所定以上の変位に応じた前記第二ばね部材の所定以上の弾性変形を規制する規制部材を具備した
ことを特徴とするスプレー圧力測定装置。
【請求項14】
請求項13に記載のスプレー圧力測定装置であって、
前記規制部材は、前記受圧部または前記第二ばね部材に当接することで、前記第二ばね部材の所定以上の弾性変形を規制する
ことを特徴とするスプレー圧力測定装置。
【請求項15】
請求項14に記載のスプレー圧力測定装置であって、
前記規制部材は、前記受圧部または前記第二ばね部材が当接する部分にグリースが塗布されている
ことを特徴とするスプレー圧力測定装置。
【請求項16】
請求項1から請求項15までのいずれか一項に記載のスプレー圧力測定装置であって、
前記光ファイバーブラッググレーティングの近傍に配設され、温度を検出するファイバーブラッググレーティングを具備した
ことを特徴とするスプレー圧力測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−47734(P2012−47734A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164755(P2011−164755)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000150707)長野計器株式会社 (62)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】