説明

スポットサイズ変換器

【課題】外部光導波路との結合に高い効率を提供できるスポットサイズ変換器を提供する。
【解決手段】遷移部29は遷移部33から間隔を置いて設けられる。遷移部29の幅W1と遷移部33の幅W2との比(W1/W2)は、光入出力部27から遷移部29への方向DIRC1に単調に小さくなる。スポットサイズ変換器13aでは、光入出力部27から遷移部29への方向DIRC1にコア幅の比(W1/W2)が単調に小さくなるので、遷移部33と遷移部29との光結合の大きさが、方向DIRC2に関して変化する。また、光入出力部27の幅W(I/O)が遷移部29から光入出力部27への第2の方向DIRC2にそって単調に大きくなると共にコア層23の厚さがコア層25の厚さより厚いので、コア層25の材料並びにコア層25の幅及び厚さとは独立してスポットサイズを変換できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スポットサイズ変換器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、スポットサイズ変換導波路が記載されている。このスポットサイズ変換導波路は、TECファイバなどのスポットサイズ変換部材を用いること無く、高△光導波路とシングルモードファイバとの間で低損失な接続を提供できる。このスポットサイズ変換導波路のスポットサイズは、スポットサイズ変換導波路に接続されるべきシングルモードファイバのスポットサイズと異なっている。シングルモードファイバは、基板上に導波路コアを有する光導波路のコア端面に結合される。導波路コアのファイバ接続端部はリッジ部を備える。リッジ部の横断面は凸字状を成し、このリッジ部では、リッジコア幅及びリッジコア高さがファイバから導波路コアへ向かって小さくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許4552821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
導波路のSiコアでは、導波路は、Siの高屈折率コアと空気やシリコン酸化物の低屈折率クラッドとからなる。コアとクラッドとの間の屈折率差が大きくできるので、光の伝播損失を生じることなく、導波路の曲げ半径を5μm程度まで小さくでき、光回路の小型化が可能である。
【0005】
このようなSi導波路とシングルモードファイバとの直接結合では、その結合効率が非常に低く、その結合効率は例えば10%以下である。結合効率のこの低さは、両者のスポットサイズの差が大きいことに因る。一例を示せば、Si導波路のスポットサイズが約0.5μmであるのに対し、シングルモードファイバのスポットサイズが約10μmである。このため、両者のジョイント部においてモード不整合が生じ、これが結合効率を低下させている。結合効率の低下を補うために、Si導波路の光入出力部にスポットサイズ変換器が形成される。
【0006】
特許文献1は、導波路のコアの周囲に別のコアが付着された構造を開示する。スポットサイズを断熱的に広げることを意図して、別のコアがテーパ形状を成す。この構造をSi系材料で作製するとき、導波路のコアが例えばSiからなり、別のコアが例えばSiN又はSiONからなることができる。
【0007】
しかしながら、発明者の知見によれば、導波路のコアがSiからなるとき、伝搬光はこのSiコアに強く閉じ込められる。これ故に、Siコアの周囲をSiNやSiONからなる別のコアで覆う構造では、Siコアの光閉じ込めが強いが故に、伝搬光はほとんど拡がらない。
【0008】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたのであり、外部光導波路との結合に高い効率を提供できるスポットサイズ変換器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るスポットサイズ変換器は、(a)絶縁体からなるクラッド領域の主面上に設けられ、第1の軸に沿って順に配置された光入出力部及び第1の遷移部を含む第1のコア層と、(b)前記クラッド領域の前記主面上に設けられ、第2の軸に沿って延在する第2の遷移部と該遷移部に結合された伝搬部とを含む第2のコア層とを備える。前記光入出力部は、前記スポットサイズ変換器の端から延在すると共に前記第1の遷移部に結合され、前記第1のコア層は前記スポットサイズ変換器の端から離れた位置で終端し、前記第2のコア層は、前記スポットサイズ変換器の端から離れた位置で終端し、前記第1のコア層は前記第2のコア層の材料と異なる材料からなり、前記第2のコア層はシリコンからなり、前記第1のコア層は、前記第2のコアの屈折率と前記クラッド領域の屈折率との間の屈折率を有し、前記第1の遷移部は前記第2の遷移部から間隔をおいて設けられると共に、前記第1の遷移部は前記第2の遷移部に光学的に結合され、前記第1のコア層の厚さは前記第2のコア層の厚さより厚く、前記第1の遷移部の幅W1と前記第2の遷移部の幅W2との比(W1/W2)は、前記光入出力部から前記第1の遷移部への第1の方向に単調に小さくなり、前記光入出力部は、前記第1の遷移部から前記光入出力部への第2の方向に単調に大きくなる幅を有する。
【0010】
このスポットサイズ変換器によれば、光入出力部から第1の遷移部への第1の方向にコア幅の比(W1/W2)が単調に小さくなるので、第2の遷移部と第1の遷移部との光結合の大きさが、第1の方向と逆方向の第2の方向に関して単調に変化する。これ故に、第1及び第2のコア層の一方から第1及び第2のコア層の他方に伝搬光が遷移可能である。また、光入出力部の幅が第1の遷移部から光入出力部への第2の方向に単調に大きくなると共に第1のコア層の厚さが第2のコア層の厚さより厚いので、第2のコア層の材料並びに第2のコア層の幅及び厚さとは独立してスポットサイズを変換できる。
【0011】
本発明に係るスポットサイズ変換器では、前記第2の遷移部の幅W1は、前記光入出力部から前記第1の遷移部への前記第1の方向に単調に大きくなることが好ましい。
【0012】
このスポットサイズ変換器によれば、第2の遷移部が第1の遷移部の屈折率より大きい屈折率を有すると共に第2の遷移部の幅W2が第1の方向に単調に大きくなるので、第2の遷移部における光のモードが第2の方向に関して拡がる。
これ故に、例えば第1のコア層から第2のコア層へ光が遷移するときは、第2のコア層における伝搬モードの広がりの影響を受けて、第1のコア層内の光が第1の方向に伝搬するにつれて第2のコア層における光振幅が大きくなる。或いは、例えば第2のコア層から第1のコア層へ光が遷移するときは、第2のコア層内の光が第2の方向に伝搬するにつれて、第2のコア層からしみ出して第1のコア層における光振幅が大きくなる。
【0013】
本発明に係るスポットサイズ変換器では、前記第1の遷移部と前記第2の遷移部との間隔は150nm以上であり、240nm以下であることができる。このスポットサイズ変換器によれば、発明者の知見によれば、少なくとも上記間隔範囲において、第1及び第2のコア層の一方から他方への光の遷移が高い効率で可能である。
【0014】
本発明に係るスポットサイズ変換器では、前記第1のコア層及び前記第2のコア層を覆うように前記クラッド領域の前記主面の上に設けられたオーバークラッドを更に備えることができる。前記オーバークラッドは、前記第1の遷移部と前記第2の遷移部との間に設けられていることが好ましい。このスポットサイズ変換器によれば、第1の遷移部と第2の遷移部との間に設けられるオーバークラッドの屈折率により、第1の遷移部と第2の遷移部との結合やモード広がりの程度が調整される。
【0015】
本発明に係るスポットサイズ変換器では、前記第1の遷移部の幅W1は、前記光入出力部から前記第1の遷移部への前記第1の方向に単調に小さくなることが良い。このスポットサイズ変換器によれば、第1の遷移部の幅W1が第2の方向に単調に小さくなるとき、第1のコア層の第1の遷移部を伝搬する光のモードの広がりが第1の方向に沿って大きくなる。
【0016】
本発明に係るスポットサイズ変換器では、前記第1の遷移部の幅W1は、前記光入出力部から前記第1の遷移部への第1の方向に沿って同一であることができる。このスポットサイズ変換器によれば、第1の遷移部の幅W1と第2の遷移部の幅W1の比(W1/W2)が第1の方向に単調に小さくなると共に第1の遷移部の幅W1が第1の方向に沿って同一であるので、第2のコア層の第2の遷移部を伝搬する光のモードの広がりが第2の方向に沿って大きくなる。第2の遷移部におけるスポットサイズが断熱的に変更される。
【0017】
本発明に係るスポットサイズ変換器では、前記第1の遷移部と前記第2の遷移部との間隔は、前記光入出力部から前記第1の遷移部への前記第1の方向に単調に小さくなることが良い。このスポットサイズ変換器によれば、第1の遷移部と第2の遷移部との間隔が第2の方向に単調に小さくなるとき、第1の遷移部のモードの広がりが第2の遷移部と重なる。
【0018】
本発明に係るスポットサイズ変換器では、前記第1のコア層は、前記クラッド領域の前記主面において湾曲する第1の曲げ導波路部を更に含み、前記第1の曲げ導波路部は前記第1の遷移部の一端に接続され、前記光入出力部は前記第1の遷移部の他端に接続されることができる。このスポットサイズ変換器によれば、第1の曲げ導波路部は、第1のコア層の終端における反射を低減できる。
【0019】
本発明に係るスポットサイズ変換器では、前記第2のコア層は、前記クラッド領域の前記主面上において湾曲する第2の曲げ導波路部を更に含み、前記遷移部は前記第2の遷移部の一端に接続され、前記伝搬部は前記第2の遷移部の他端に接続されることができる。スポットサイズ変換器によれば、第2の曲げ導波路部は、第2のコア層の終端における反射を低減できる。
【0020】
本発明に係るスポットサイズ変換器では、前記第1のコア層は、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、チタン酸化物及びアルミニウム酸化物の少なくともいずれかを含むことができる。このスポットサイズ変換器によれば、スポットサイズ変換器の作製において、CMOSプロセスを適用できる。
【0021】
本発明に係るスポットサイズ変換器では、前記第1のコア層は少なくともポリマーを含み、前記ポリマーの屈折率は前記第2のコアの屈折率と前記クラッド領域の屈折率との間の値であることができる。
【0022】
このスポットサイズ変換器によれば、スポットサイズ変換器の作製において、ポリマーを使用したCMOSプロセスを適用できる。
【0023】
本発明に係るスポットサイズ変換器では、前記第1のコア層の前記第1の遷移部及び前記第2のコア層の前記第2の遷移部は、方向性結合器を構成するように設けられる。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように、本発明によれば、外部光導波路との結合に高い効率を提供できるスポットサイズ変換器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、光学デバイスを概略的に示す図面である。
【図2】図2は、第1の実施形態に係るスポットサイズ変換器を概略的に示す図面である。
【図3】図3は、ギャップ150nmのスポットサイズ変換器における光強度分布を示す図面である。
【図4】図4は、ギャップ300nmのスポットサイズ変換器における光強度分布を示す図面である。
【図5】図5は、第2の実施形態に係るスポットサイズ変換器を概略的に示す図面である。
【図6】図6は、第3の実施形態に係るスポットサイズ変換器を概略的に示す図面である。
【図7】図7は、比較例2のスポットサイズ変換器を概略的に示す図面である。
【図8】図8は、比較例3のスポットサイズ変換器を概略的に示す図面である。
【図9】図9は、比較例4のスポットサイズ変換器を概略的に示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の知見は、例示として示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解できる。引き続いて、添付図面を参照しながら、本発明のスポットサイズ変換器に係る実施の形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付する。
【0027】
図1は、光学デバイスを概略的に示す図面である。図1の(a)部を参照すると、本実施の形態に係る光学デバイス11が概略的に示されている。光学デバイス11は導波路端11a及び導波路端11bを含む。導波路端11a、11bには、それぞれ、光ファイバ10a、10bといった導波路デバイスが光学的に結合されている。光学デバイス11は、導波路デバイスと例えば突き当て接続される。光学デバイス11は、スポットサイズ変換器13及び光処理部15aを含む。スポットサイズ変換器13は導波路端11aに設けられる。光処理部15aは、スポットサイズ変換器13からの導波路14aに光学的に結合される。また、光学デバイス11は、光処理部15aからのからの導波路14bに光学的に結合された別のスポットサイズ変換器12を含むことができ、このスポットサイズ変換器12は導波路端11bに設けられる。導波路端11a、11bには、それぞれ、導波路16a、16bが到達する。光学デバイス11には、光ファイバ10a、10bの一方から伝搬光を受けて、光ファイバ10a、10bの他方に伝搬光を提供する。光処理部15aは、例えば光変調器、光減衰器、波長フィルタといった光学処理デバイスを含む。
【0028】
図1の(b)部を参照すると、スポットサイズ変換器を含まない別の光学デバイスが概略的に示されている。光学デバイス20は光処理部15bを含み、光処理部15bは導波路端20aから直接に延在する導波路18aに接続されると共に、導波路端20bから直接に延在する導波路18bに接続される。
【0029】
まず、図1の(a)部を参照すると、光学デバイス11のスポットサイズ変換器13における断面が示されており、この断面は、I−I線に沿ってとられる。光学デバイス11は、基板17及びクラッド領域19を含み、クラッド領域19は基板17上に設けられている。第1のコア層23及び第2のコア層25がクラッド領域19の主面19a上に設けられる。クラッド領域19は例えば絶縁体からなることができる。導波路14aは第2のコア層25を含み、導波路14bは第2のコア層25を含むことができる。導波路16aは第1のコア層23を含み、導波路16bは第1のコア層23を含むことができる。第1のコア層23の厚さは第2のコア層25の厚さより大きく、これによってスポットサイズの変換が容易になる。第2のコア層25はシリコンからなり、第1のコア層23はシリコンと異なる材料からなる。第1のコア層23は、第2のコア25の屈折率とクラッド領域19の屈折率との間の屈折率を有する。光学デバイス11は、オーバークラッド21を含むことができ、オーバークラッド21は、コア層23及びコア層25を覆うようにクラッド領域19上に設けられる。
【0030】
(第1の実施形態)
図2は、本実施の形態に係るスポットサイズ変換器を概略的に示す図面である。スポットサイズ変換器13aでは、第1のコア層23は、光入出力部27及び第1の遷移部29を含む。光入出力部27及び第1の遷移部29は、第1の軸Ax1に沿って順に配置される。第2のコア層25は、第2の遷移部33及び伝搬部35を含む。第2の遷移部33は第2の軸Ax2に沿って延在し、伝搬部35は該遷移部33に結合される。伝搬部35はの幅W3は、ほぼ一定の値を有することができる。第1の軸Ax1は第2の軸Ax2に沿って延在している。好適な実施例では、第1の軸Ax1は第2の軸Ax2に平行である。
【0031】
光入出力部27はスポット変換器13aの端11aから延在すると共に第1の遷移部29に光学的に結合される。第1のコア層23は一端23a及び他端23bを含む。一端23aはスポット変換器13aの端11aから離れた位置で終端すると共に、他端23bはスポット変換器13aの端11aに位置することができる。第2のコア層25は一端25a及び他端25b(他端25bは図1の(a)部に示される)を含む。一端25aはスポット変換器13aの端11aから離れた位置で終端する。光入出力部27は、第1の遷移部29から光入出力部27への方向DIRC2に単調に増大する幅W(I/O)を有する。
【0032】
第1の遷移部29は第2の遷移部33から間隔(ギャップ)GAPをおいて設けられる一方で、第1の遷移部29は第2の遷移部33に光学的に結合される。
第1の遷移部29の幅W1と第2の遷移部33の幅W2との比(W1/W2)は、光入出力部27から第1の遷移部29への方向DIRC1にそって単調に減少する。
【0033】
このスポットサイズ変換器13aによれば、光入出力部27から第1の遷移部29への方向DIRC1にコア幅の比(W1/W2)が単調に減少していくとき、第2の遷移部33と第1の遷移部29との光結合の大きさが、方向DIRC2に関して徐々に変化する。これ故に、第1及び第2のコア層23、25の一方から第1及び第2のコア層23、25の他方に伝搬光が遷移可能である。また、光入出力部27の幅W(I/O)が第1の遷移部29から光入出力部27への第2の方向DIRC2に単調に大きくなると共に第1のコア層23の厚さが第2のコア層25の厚さより厚いので、第2のコア層25の材料並びに第2のコア層25の幅及び厚さとは独立してスポットサイズを変換できる。
【0034】
スポットサイズ変換器13aでは、第1のコア層23の第1の遷移部29及び第2のコア層25の第2の遷移部33は方向性結合器を構成するように設けられる。
【0035】
図2を参照しながら、スポットサイズ変換器13aの一実施例を説明する。スポットサイズ変換器13aでは、第2の遷移部33の幅W2は光入出力部27から第1の遷移部29への方向DIRC1に単調に大きくなることが好ましい。第1の遷移部29は例えばほぼ一定の幅を有することができる。このスポットサイズ変換器13aによれば、第2の遷移部33が第1の遷移部29の屈折率より大きい屈折率を有すると共に第2の遷移部33の幅W2が方向DIRC1に単調に大きくなるので、第2の遷移部33における光のモードが方向DIRC2にそって拡がっていく。これ故に、第1のコア層23から第2のコア層25へ光が遷移するときは、第1のコア層23内の光が方向DIRC2に伝搬するにつれて、第2のコア層25における伝搬モードの広がりの影響を受けて第2のコア層25における光振幅が大きくなる。また、第2のコア層25から第1のコア層23へ光が遷移するときは、第2のコア層25内の光が方向DIRCに伝搬するにつれて、第2のコア層25からしみ出して、第1のコア層23における光振幅が大きくなる。
【0036】
第2の遷移部33がシリコンからなるので、第2のコア層25の伝搬光は第2の遷移部33にしっかりと閉じ込めされて、クラッドへの広がりが小さい。第2の遷移部33では、その幅W2が方向DIRC2に向けて徐々に小さくなるとき、第2の遷移部33内の光学モードは閉じ込めよりもむしろ拡がるようになる。これ故に、第2の遷移部33が、高い閉じ込め性を示すシリコンからなるけれども、コア幅の縮小により第2のコア層25の伝搬光はこのコア層25の領域外のクラッドに浸み出す。この浸み出しに起因して、第1の遷移部29への光の遷移が可能になる。
【0037】
第1のコア層23は、反射制御部31を更に含むことができる。反射制御部31の幅W4は光入出力部27から第1の遷移部29への方向DIRC1に単調に小さいなることが好ましい。第2のコア層25の一端が徐々に細くなるとき、断熱的にスポットサイズを小さくできる。反射制御部31の先端は、フォトリソグラフィにより解像できる程度の寸法を用いることができる。
【0038】
スポットサイズ変換器13aでは、第1の遷移部29と第2の遷移部33との間隔GAPは、光入出力部27から第1の遷移部29への第1の方向DIRC1に単調に減少する。第1の遷移部29と第2の遷移部33との間隔GAPが方向DIRCに徐々に小さくなるとき、第1の遷移部29における伝搬モードと第2の遷移部33における伝搬モードとの間の光結合が方向DIRC1にそって徐々に大きくなる。
【0039】
スポットサイズ変換器13aでは、オーバークラッド21が、第1のコア層23及び第2のコア層25を覆うようにクラッド領域19の主面の上に設けられている。オーバークラッド21は、第1の遷移部29と第2の遷移部33との間に設けられており、第1の遷移部29と第2の遷移部33との間に設けられるオーバークラッドの屈折率により、第1の遷移部29と第2の遷移部33との結合が調整される。
【0040】
また、第1の遷移部29と第2の遷移部33との間隔GAPは例えば150nm以上であり、例えば240nm以下であることができる。発明者の知見によれば、少なくとも上記間隔範囲において、第1及び第2のコア層23、25の一方から他方へのモード遷移が高い効率で可能である。
【0041】
第1のコア層23の幅は、光入出力部27と遷移部29との接続部において連続的に変化する。また、第1のコア層23の幅は、遷移部29と光反射抑制部31との接続部において連続的に変化する。第2のコア層25の幅は、遷移部33と伝搬部35との接続部において連続的に変化する。
【0042】
(実施例1)
SOI基板を用いた直線導波路を形成する。SOI基板は、Si基板と、Si基板上のシリコン酸化物からなる下部クラッド層(「BOX層」と呼ばれる)、Siコア膜、及びSiNコア層を含む。下部クラッド層の厚さは例えば2μmであり、Siコア膜の厚さは例えば220nmである。光導波路デバイスの作製方法を説明する。BOX層上に成長されたSiコア膜上にレジストを塗布した後に、フォトリソグラフィを用いて、パターン形成されたレジストマスクを形成する。このレジストマスクを用いてSiコア膜のドライエッチングにより、Siコア層を形成する。このSiコア層及びクラッド層上にSiNコア膜を成長する。SiNコア膜の厚さは例えば3μmである。SiNコア膜上にレジストを塗布した後に、フォトリソグラフィを用いて、パターン形成されたレジストマスクを形成する。このレジストマスクを用いてSiNコア膜のドライエッチングにより、SiNコア層を形成する。Siコア層及びSiNコア層を形成した後に、Siコア層及びSiNコア層を覆うようにオーバークラッド層をクラッド層上に成長する。オーバークラッド層の厚さは例えば5μmである。
スポットサイズ変換器13aの一例を示す。
第1のコア層23:SiN、厚さ3μm。
第2のコア層25:Si、厚さ220nm。
光入出力部27の長さ:300μm。
光入出力部27の幅(端面):3μm。
遷移部29の長さ:450μm。
遷移部29の幅:800nm。
光反射抑制部31の長さ:300μm。
光反射抑制部31の先端幅:200nm。
遷移部33の長さ:440μm。
遷移部33の先端幅:180nm。
伝搬部35の幅:450nm。
遷移部29と遷移部33との間隔(ギャップ):150nm(最小)、240nm(最大)。
本実施例では、光入出力部27はテーパ形状を成し、反射抑制部31はテーパ形状を成す。また、遷移部33はテーパ形状を成す。
【0043】
反射抑制部31におけるSiNコア幅は、遷移部29に近づくほど横方向に太くなるテーパ状を有する。SiNコア層において、導波路コアの断面形状は、幅200nm及び高さ3μmの四辺形から幅800nm及び高さ3μmの四辺形に連続的に変化する。光入出力部27の断面がテーパ状に変化することにより、Siコアを伝播してきた光がSiNコア層の端面で反射されることを低減できる。遷移部29におけるSiNコア層は幅800nm及び高さ3μmである。この遷移部29の一端の部分は変化せずに一定の幅を有し、Siコア層の伝搬部35に並行する。並行する部分の長さは例えば10μm程度である。並行する部分において、SiNコア層の並行部分とSiコア層の伝搬部35とのギャップは例えば150nmであり、このギャップはCMOSプロセスで形成可能である。遷移部29の一端の部分は反射抑制部31に接続される。
【0044】
上記の構造を有するスポットサイズ変換器における光強度分布を計算する。伝搬光の波長は、1550nmである。図3は、ギャップ150nmのスポットサイズ変換器における光強度分布を示す図面である。
【0045】
Siコア層からの光が遷移部でSiNコア層に移行して、SiN導波路端では完全にSiNをコア層とする導波モードに変換されている。このスポットサイズ変換器とシングルモード石英ファイバとの光結合効率は69%であり、ここで、シングルモード石英ファイバのモードフィールド径は例えば10μmである。発明者が知る先行例に比べて、光結合効率を大幅に改善できる。また、ギャップ150nmにおいて、遷移部の長さを250μmから600μmまで変化させるとき、光結合効率は65%〜69%の範囲にある。これは、遷移部の長さに対するトレランスが非常に大きいことを示す。Siコア層の一端部が先細テーパ形状を有するとき、伝播モードが十分にクラッドに染み出しようになり、Siコア層におけるモードとSiNコア層におけるモードとの結合を容易にしている。
【0046】
図4は、ギャップ300nmのスポットサイズ変換器における光強度分布を示す図面である。SiNコア層の遷移部の長さは450nmである。図3に示された結果と同様に、Siコア層からの光が遷移部においてSiNコア層に移行している。SiNコア層の内部で伝搬モードが横方向に揺れている。これは、図3における伝搬に比べて高次のモードが励振されていることを示す。このとき、このスポットサイズ変換器とシングルモード石英ファイバとの光結合効率は49%である。
【0047】
スポットサイズ変換器とシングルモード石英ファイバとの光結合効率のギャップ依存性を計算する。ギャップが240nm以下であるとき、光結合効率を60%以上である。図3及び図4の結果より、ギャップ幅は150nm以上240nm以下であることが望ましく、このギャップはCMOSプロセスを用いて作製可能である。図3及び図4に示されるように、光はSiコア層の伝搬部に強く閉じ込められる。
【0048】
(第2の実施形態)
図5は、本実施の形態に係るスポットサイズ変換器を概略的に示す図面である。スポットサイズ変換器13bは、スポットサイズ変換器13aの第1の遷移部29に替えて第1の遷移部29aを含む。第1の遷移部29aの幅W1が方向DIRC1に単調に小さくなっていくとき、第1のコア層23の第1の遷移部29aを伝搬する光のモードの閉じ込めが方向DIRC2に沿って強くなっていく。既に説明したように、第2の遷移部33の幅W2が光入出力部27から遷移部29aへの方向DIRC2に向けて単調に小さくなっていく。第1の遷移部29aの幅W1が光入出力部27から遷移部29aへの方向DIRC1に単調に小さくなることが良い。
【0049】
このスポットサイズ変換器13bによれば、コア幅の比(W1/W2)が光入出力部29から第1の遷移部29aへの方向DIRC1に徐々に小さくなるにつれて、第2の遷移部33と第1の遷移部29aとの光結合の大きさが、方向DIRC2に関して徐々に変化する。これ故に、第1及び第2のコア層23、25の一方から第1及び第2のコア層23、25の他方に伝搬光が遷移可能である。また、光入出力部27の幅が第1の遷移部29aから光入出力部27への方向DIRC2に単調に大きくなっていくと共に第1のコア層23の厚さが第2のコア層25の厚さより厚いので、第2のコア層25の材料並びに第2のコア層25の幅及び厚さとは独立してスポットサイズを変換できる。
【0050】
連続的に変化する幅W1を有する第1の遷移部29aと連続的に変化する幅W2を有する第2の遷移部33とにより、比(W1/W2)が第2の方向DIRC2にそって単調に大きくなっていく。
【0051】
第1の遷移部29aの幅W1が方向DIRC2に単調に大きくなるとうい変化するとき、第1のコア層23の第1の遷移部29aにおいて伝搬光モードの振幅は、方向DIRC2に徐々に大きくなっていく。また、第2の遷移部33の幅W2が光入出力部27から遷移部29aへの方向DIRC2に単調に小さくなっていくとき、第2のコア層25の第2の遷移部33において伝搬光モードは、方向DIRC2にそって徐々に拡がる。スポットサイズ変換器13bでは、第1の遷移部29aにおける伝搬光モードの振幅の増加と第2の遷移部33において伝搬光モードの広がりとの両方により、第1の遷移部29a及び第2の遷移部33の一方から他方への遷移が促進される。
【0052】
第1の遷移部29aの幅W1が方向DIRC1にそって徐々に小さくなるとき、第1の遷移部29aにおけるスポットサイズが断熱的に変更される。また、第2の遷移部33の幅W2が方向DIRC2に徐々に小さくなるとき、第2の遷移部33におけるスポットサイズが断熱的に変更される。本実施例では、第1の遷移部29aはテーパ形状を成しており、またテーパ部の細端で終端することができる。連続的に小さくなる幅を有するテーパ部により、第1の遷移部29aにおけるスポットサイズが断熱的に変更される。第2の遷移部33はテーパ形状を成しており、またテーパ部の細端で終端することができる。連続的に小さくなる幅を有するテーパ部により、第2の遷移部33におけるスポットサイズが断熱的に変更される。スポットサイズの断熱的な変更により、終端における反射が低減される。
【0053】
スポットサイズ変換器13bでは、第1の遷移部29aと第2の遷移部33との間隔GAPは方向DIRC2に沿ってほぼ同じであることが好適である。この形態においても、第1の遷移部29aと第2の遷移部33との間隔GAPは150nm以上240nm以下であるとき、発明者の知見によれば、少なくとも上記間隔範囲において、第1及び第2のコア層23、25の一方から他方へのモード遷移が高い効率で可能である。
【0054】
(実施例2)
SiNコア層の遷移部29aの幅のテーパ状にすると共にSiコア層の遷移部33の幅のテーパ状にする。この構造により、光結合損失を増加させることなく保ったまま遷移部の長さを200μm程度に短くできる。
【0055】
また、実施例2では双方のコア層がテーパ状であるので、ギャップを一定に例えば150nmに保つことができ、効率良くSiNコア層とSiコア層との間のモード移行を促進できる。
【0056】
(第3の実施形態)
図6は、本実施の形態に係るスポットサイズ変換器を概略的に示す図面である。スポットサイズ変換器13cでは、第1のコア層23は、クラッド領域21の主面において湾曲する第1の曲げ導波路部31aを更に含むことができる。第1の曲げ導波路部31aは第1の遷移部29a(或いは、反射制御部31に替えて第1の遷移部29)の一端に接続され、光入出力部27は第1の遷移部29aの他端に接続される。このスポットサイズ変換器13cによれば、第1の曲げ導波路部31aは、第1のコア層23の終端における反射を低減できる。
【0057】
また、第2のコア層25は、クラッド領域21の主面上において湾曲する第2の曲げ導波路部37を更に含むことができる。第2の曲げ導波路部37は第2の遷移部33の一端に接続され、第2の曲げ導波路部37は第2の遷移部33の他端に接続される。スポットサイズ変換器13cによれば、第2の曲げ導波路部37は、第2のコア層25の終端における反射を低減できる。曲げ導波路部37、31aの曲率半径は例えば3μm以上50μm以下である。
【0058】
(実施例3)
遷移部29aの一端に曲げ導波路を設けると共に遷移部33の一端に曲げ導波路を設けるスポットサイズ変換器では、光結合効率は72%である。光結合効率の向上は遷移部の直前或いは直後における等価屈折率の変化が断熱的になり、光の反射が抑制されるからである。これらの曲げ導波路の曲率半径は例えば10μmである。
【0059】
上記の実施形態において、スポットサイズ変換器13a、13b、13cでは、第1のコア層23は、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、チタン酸化物及びアルミニウム酸化物の少なくともいずれかを含むことができる。スポットサイズ変換器の作製において、CMOSプロセスの適用が容易になる。また、スポットサイズ変換器13a、13b、13cでは、第1のコア層23は少なくともポリマーを含むことができる。このポリマーの屈折率は第2のコア層23の屈折率とクラッド19、21の屈折率との間の値であることができる。ポリマーとしては、クラッドより高くSiコア層より低い屈折率の材料、例えばBCB、ポリイミド、エポキシ等を用いることができ、このポリマーの使用は、CMOSプロセスに整合する。これにより、経時変化において安定したコアを持つ導波路を形成できる。
【0060】
発明者の検討によれば、第1のコア層(例えばSiNコア層)23の幅は、例えば400nm以上5μm以下のであることができる。また第1のコア層23の高さは400nm以上であることが望ましい。これにより、Siコア層のスポットサイズに比べて第1のコア層23のスポットサイズを大きくすることができる。
【0061】
第1のコア層(例えばSiNコア層)23の光入出力端の断面形状は長方形であることができ、最も好ましい形状は正方形である。これによりモードを円形にでき、ファイバとの結合効率を高めることができる。結合効率をより高めるためには、光入出力端の断面形状におけるアスペクト比は、横:縦=3:1〜1:1であることが望ましい。
【0062】
Siコア層に関して、Siコア層の遷移部の幅はSiコア層の伝搬部の幅よりも狭いことが望ましい。これにより、Si導波路のモードをコア層から外に広げて、第1のコア層23の導波路への結合が容易になる。
【0063】
(比較例1)
特許文献1では、スポットサイズを断熱的に広げる目的で、中心コアの周囲に外周コアをテーパ状に付着している。この構造をSi導波路に適用するとき、中心コアがSiからなると共に外周コアがSiN又はSiONからなる。この材料組み合わせでは、特許文献1の構造ではSiコアの幅と高さが均一でありかつ導波路端面まで続いているので、Siコアに強く閉じ込められた光のモードは、Siコアの外周コア(SiN又はSiON)ほとんど拡がらない。これ故に、結合効率は、発明者の見積もりによれば25%程度であり、導波路端面で、約1dBの反射が発生する。したがって、非常に大きくな屈折率差を生成するSi導波路に特許文献1の構造を適用しても、良い結果は得られない。
【0064】
(比較例2)
図7を参照すると、スポットサイズ変換器9aが示される。スポットサイズ変換器9aでは、SiNコア層におけるテーパ形状の入出力部は一定幅の導波路部に接続されており、この導波路部の一端がそのまま終端されている。また、Siコア層は、一定幅の伝搬部の一部がSiNコア層の導波路部と並列しており、一定幅の伝搬部の一端が終端されている。並列しているSiNコア層及びSiコア層において、SiNコア層の幅はSiコア層の幅と同じであるので、SiNコア層の幅とSiコア層の幅との比は変化しない。Siコア層Aの終端では、約0.4dBの反射が起こる。また、SiNコア層Bの終端では、約0.4dBの反射が起こる。
【0065】
(比較例3)
図8を参照すると、スポットサイズ変換器9bが示される。スポットサイズ変換器9bでは、SiNコア層の厚さはSiコア層の厚さと同じであるので、SiNコア層における光閉じ込めが弱過ぎて、Siコア層及びSiNコア層の一方から他方への光遷移が十分生じない。これ故に、不十分な光遷移に起因して、Siコア端から放射損失が増加する。このため、スポットサイズ変換器9bとファイバとの結合効率は40%程度である。
【0066】
発明者の実験によれば、SiNコア層はSiコア層よりも厚いことが好適である。スポットサイズ変換器13a、13b、13cでは、第1のコア層23の厚さが1μm以上であるとき、スポットサイズ変換器とシングルモード石英ファイバとの結合効率を60%以上であるようにすることが可能になる。
【0067】
(比較例4)
図9を参照すると、スポットサイズ変換器9cが示される。スポットサイズ変換器9cでは、Siコア層とSiNコア層との間隔がゼロである。この構造では、Siコア層とSiNコア層が、これらのコア層より低い屈折率のクラッドで分離させることなく、結果としてコアが一体化した導波路となる。また、現時点におけるリソグラフィ技術の限界により、Siコア層の先端部が180nm程度にまでしか細くできない。これ故に、Siコア層の終端(図9におけるサークルAで示す)で、約0.5dB程度の反射が起こる。
【0068】
スポットサイズ変換器13a、13b、13cでは、Siコア層とSiNコア層が互いに隔置される。Siコア層とSiNコア層の光学的な分離を実現するために、Siコア層とSiNコア層との間には、これらのコア層の屈折率より低いクラッドにより分離が必要である。
【産業上の利用可能性】
【0069】
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、外部光導波路との結合に高い効率を提供できるスポットサイズ変換器を提供できる。
【符号の説明】
【0070】
11…光学デバイス、11a、11b…導波路端、10a、10b…光ファイバ、13a、13b、13c…スポットサイズ変換器、15a…光処理部、14a、14b…導波路、16a、16b…導波路、17…基板、19…クラッド領域、23…第1のコア層、25…第2のコア層、21…オーバークラッド、27…光入出力部、29、29a…第1の遷移部、33…第2の遷移部、35…伝搬部、Ax1、Ax2…軸。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スポットサイズ変換器であって、
絶縁体からなるクラッド領域の主面上に設けられ、第1の軸に沿って順に配置された光入出力部及び第1の遷移部を含む第1のコア層と、
前記クラッド領域の前記主面上に設けられ、第2の軸に沿って延在する第2の遷移部と該遷移部に結合された伝搬部とを含む第2のコア層と、
を備え、
前記光入出力部は、前記スポットサイズ変換器の端から延在すると共に前記第1の遷移部に結合され、
前記第1のコア層は前記スポットサイズ変換器の端から離れた位置で終端し、
前記第2のコア層は前記スポットサイズ変換器の端から離れた位置で終端し、
前記第1のコア層は前記第2のコア層の材料と異なる材料からなり、
前記第2のコア層はシリコンからなり、
前記第1のコア層は、前記第2のコアの屈折率と前記クラッド領域の屈折率との間の屈折率を有し、
前記第1の遷移部は前記第2の遷移部から間隔をおいて設けられると共に、前記第1の遷移部は前記第2の遷移部に光学的に結合され、
前記第1のコア層の厚さは前記第2のコア層の厚さより厚く、
前記第1の遷移部の幅W1と前記第2の遷移部の幅W2との比(W1/W2)は、前記光入出力部から前記第1の遷移部への第1の方向に単調に減少し、
前記光入出力部は、前記第1の遷移部から前記光入出力部への第2の方向に単調に増大する幅を有する、スポットサイズ変換器。
【請求項2】
前記第2の遷移部の幅W2は、前記光入出力部から前記第1の遷移部への前記第2の方向に単調に増大する、請求項1に記載されたスポットサイズ変換器。
【請求項3】
前記第1の遷移部と前記第2の遷移部との間隔は150nm以上であり、240nm以下である、請求項1又は請求項2に記載されたスポットサイズ変換器。
【請求項4】
前記第1のコア層及び前記第2のコア層を覆うように前記クラッド領域の前記主面の上に設けられたオーバークラッドを更に備え、
前記オーバークラッドは、前記第1の遷移部と前記第2の遷移部との間に設けられている、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載されたスポットサイズ変換器。
【請求項5】
前記第1の遷移部の幅W1は、前記光入出力部から前記第1の遷移部への前記第1の方向に単調に減少する、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載されたスポットサイズ変換器。
【請求項6】
前記第1の遷移部の幅W1は、前記光入出力部から前記第1の遷移部への前記第1の方向に沿って同一である、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載されたスポットサイズ変換器。
【請求項7】
前記第1の遷移部と前記第2の遷移部との間隔は、前記光入出力部から前記第1の遷移部への前記第1の方向に単調に減少する、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載されたスポットサイズ変換器。
【請求項8】
前記第1のコア層は、前記クラッド領域の前記主面の上において湾曲する第1の曲げ導波路部を更に含み、
前記第1の曲げ導波路部は前記第1の遷移部の一端に接続され、
前記光入出力部は前記第1の遷移部の他端に接続される、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載されたスポットサイズ変換器。
【請求項9】
前記第2のコア層は、前記クラッド領域の前記主面の上において湾曲する第2の曲げ導波路部を更に含み、
前記第2の曲げ導波路部は前記第2の遷移部の一端に接続され、
前記伝搬部は前記第2の遷移部の他端に接続される、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載されたスポットサイズ変換器。
【請求項10】
前記第1のコア層は、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、チタン酸化物及びアルミニウム酸化物の少なくともいずれかを含む、請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載されたスポットサイズ変換器。
【請求項11】
前記第1のコア層は少なくともポリマーを含み、
前記ポリマーの屈折率は前記第2のコアの屈折率と前記クラッド領域の屈折率との間の値である、請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載されたスポットサイズ変換器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−181433(P2012−181433A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−45279(P2011−45279)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】