説明

スライド装置

【課題】このスライド装置は,スライダを軌道レール上で摺動させる送りねじ機構をねじ軸支持体を介して軌道レールの上面に対して取り付け,組立作業性を改善する。
【解決手段】スライダ3は,軌道レール2のU字状凹部5に嵌挿され,駆動モータによって駆動され且つスライダ3に取外し可能なナット体17に螺合するねじ軸4によって,軌道レール2上を摺動する。ねじ軸4の端部を回転自在に支持するねじ軸支持体11,12を,軌道レール2の上面13に載置して取り付ける。送りねじ機構のリードを変更する場合やメンテナンスの場合には,ねじ軸支持体11,12を軌道レール2から取り外すと,ねじ軸4とナット体17がスライダ3から取り外すことができ作業性が改善される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は,例えば,工作機械,各種組立装置,又は試験装置等の直線摺動部に適用されるスライド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年,メカトロ技術の発展が目覚ましく,当該技術を支える基礎的且つ汎用的な装置としてスライド装置がある。スライド装置は,現在では,工作機械,半導体製造装置,搬送装置,及び産業用ロボット等の各技術分野の装置に組み込まれて多用されているが,技術の発展と共にその用途は拡大している。そして,スライド装置自体に対しても高精度,高速摺動化,組立容易性,及び汎用化等の要求が益々高まっている。
【0003】
スライド装置は,一般に,軌道溝を備えた軌道レール,前記軌道レール上を摺動自在なスライダ,前記スライダに設けられたねじ部に螺合するねじ軸,前記ねじ軸の両端部を軸支する支持プレート,いずれか一方の支持プレートに取り付けられ且つ前記ねじ軸を回転する駆動モータを備えている。このスライド装置は,電気・電子的に制御され,直線上を位置決め案内する。
【0004】
従来のXY位置決めテーブル装置として,図17に示すようなものが知られている。該XY位置決めテーブル装置は,ベッド105上に固定された軌道レール106,軌道レール106上をスライダ113を介して往復動するXテーブル102,Xテーブル102上の支持台114に固定された軌道レール108,軌道レール108上をスライダ107を介して往復動するYテーブル101,ベッド105に取り付けられたX軸用駆動モータ104,及びXテーブル102に取り付けられたY軸用駆動モータ103を有する。更に,XY位置決めテーブル装置は,Y軸用駆動モータ103で回転駆動されるXテーブル102上の支持台114に軸受111を介して回転可能に支持されたボールねじ軸112,及びX軸用駆動モータ104で回転駆動されるベッド105上に軸受110を介して回転可能に支持されたボールねじ軸109を有する。Xテーブル102は,ボールねじ軸109の回転に応じてボールねじ軸109上を移動し,またYテーブル101は,ボールねじ軸112の回転に応じてボールねじ軸112上を移動する。
【0005】
従来,ボールねじとリニアガイド装置とを一体的に組み合わせてなるボールねじ一体型リニアガイド装置が知られている。該ボールねじ一体型リニアガイド装置は,凹溝とこの凹溝の両内側面にボール転動溝とを有するガイドレールと,このガイドレール上をボールの転動を介して凹溝内を軸方向に移動可能に遊嵌するナットと,このナットに螺合するボールねじ軸と,前記ねじ軸の両端部を軸支するサポートユニット,一方のサポートユニットに取り付けられ且つ前記ねじ軸を回転する駆動モータを備えている。凹溝は,潤滑及び冷却用の油のための油溜まりとしての機能を有しており,サポートユニットは,この油が漏れるのを防止するため,ガイドレールに対して端面にてシール材を介してボルト止めにて固定されている。また,ナットに固定されたカバーは,ガイドレールの凹溝を覆うように充分な長さを有している(例えば,特許文献1参照)。
【0006】
また,テーブルをガイドによって移動可能に支持し且つ送りねじ軸によって移送するテーブル移送装置が知られている。該テーブル移送装置は,断面コ字状を有し内側面に上下2条の転動体転走面を有するガイドレールと,このガイドレール上をボールの転動を介してガイドレール内側面によって挟み込むようにして移動自在に支持されたテーブルと,このテーブルに螺合する送りねじ軸とを備えている。前記送りねじ軸はモータによって回転駆動され,前記送りねじ軸の一端部はガイドレールの一端に設けられた軸受部に回動自在に支持され,前記送りねじ軸の他端部はガイドレールの他端に取り付けられるモータに継手部を介して作動連結されている(例えば,特許文献2又は3参照)。
【0007】
また,送りねじ装置とリニアガイド装置とを一体化したフィードユニット装置が知られている。該フィードユニット装置は,上方が開口した横断面コ字状をなし両内側面に互いに対向する軸方向のボール転動溝を有する長尺のガイドレールと,このガイドレールのボール転動溝に対向するボール転動溝を両外側面に有するナットブロックと,ナットブロックに螺合する送りねじ軸と,ガイドレールに固定され送りねじ軸を回転自在に且つ軸方向移動不能に支持するサポートユニットとを備えている。また,サポートユニットの位置決めについては,サポートユニットに植設したピンをガイドレールのボール転動溝に係合させることにより,サポートユニットのガイドレールへの取付けを簡素化している(例えば,特許文献4参照)。
【特許文献1】実開昭63−193637号公報
【特許文献2】特開平2−298446号公報
【特許文献3】特公平7−61587号公報
【特許文献4】実公平7−28444号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで,近年,送りねじ装置とリニアガイド装置とを一体化したスライド装置としては,電子産業の発達と共にその製造装置や半導体製造装置等の用途が急拡大している。そして各用途及びその規模に合わせて,スライド装置全体を交換することはコスト上昇を招くと共に,交換作業が煩雑且つ長い作業時間を必要とする。したがって,スライド装置のサイズやテーブルの支持・搬送等の性能に変更が生じたとき等に対処するため,サイズや性能が自由に変更できると共に,安価で且つ迅速に交換作業を行うことができるスライド装置が求められている。
【0009】
図17に示すXYテーブル装置では,ボールねじ軸109の軸受110が,モータが配置される側では軌道レール106内に,また,モータが配置されない側では軌道レール106の端面に設けられているため,軌道レール106の長さやボールねじ軸の変更だけをするにしても,軸受110の取付けのためのボルト穴の形成やその取付け作業等が煩雑である。
【0010】
上記各公報に開示の装置においても,ねじ軸の両端を軸支するサポート(支持プレート,サポートユニット)はガイドレールの端面に対して取付けられているので,メンテナンスのための分解や組立に際しての作業性及び位置合わせが煩雑になる。更に,ガイドレールの長さを変更する場合に切断した端面にタップ加工によりボルト穴を形成するに際して,ガイドレールを支持台に固定する固定治具を使用する必要があり,加工作業が煩雑となる。また,実公平7−28444号公報には,モータ側のサポートユニットをガイドレールに嵌合させる各種の取付け例が示されているが,嵌合部分を形成することは加工が煩雑となることを意味し,且つサポートユニットの嵌合位置は事実上当初の位置を変更できないことを意味するから,結局,加工精度と組立作業とが煩雑になる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明の目的は,上記課題を解決することであり,スライダを軌道レール上で摺動させるためのねじ軸と螺合するナット体をスライダに対して取外し可能とし且つねじ軸の両端部を支持するねじ軸支持体を軌道レールの上面に対して取り付けることによって,スライド装置のメンテナンスや軌道レールの長さ変更に対応して分解・組立作業を簡素化し,且つねじ軸支持体の取付けのための各種作業を簡素化することができるスライド装置を提供することである。
【0012】
この発明は,互いに連結された一対の側部を有する軌道レール,前記軌道レール上を摺動自在なスライダ,前記スライダに取外し可能に取り付けられると共に前記スライダを前記軌道レール上で摺動させるための送りねじ機構を構成するナット体,前記ナット体に螺合するねじ軸,前記ねじ軸の両端部を軸支し且つ前記一対の側部の上面に載置した状態で取り付けられた一対のねじ軸支持体,及び前記ねじ軸支持体のいずれか一方に取り付けられ且つ前記ねじ軸を回転駆動する駆動モータから成るスライド装置において,
前記軌道レールは前記一対の側部と前記一対の側部を連結する底部とによってU字状凹部を形成しており,前記スライダは前記一対の側部に設けられた軌道溝に対応した軌道溝を備えたケーシング,前記両軌道溝間を転走する転動体,前記ケーシングの端面に固定されたエンドキャップ,及び前記エンドキャップの端面に取り付けられたエンドシールを有し,前記スライダは前記軌道レールの前記U字状凹部内を摺動自在であり,前記送りねじ機構は前記ナット体,前記ねじ軸,及び前記ナット体の螺旋溝と前記ねじ軸の螺旋溝との間に介在されるボールを備えたボールねじで構成され,前記ねじ軸の少なくとも一方の前記端部は前記端部を軸支する軸受が嵌着された薄鋼板製の軸受支持金具を前記ねじ軸支持体に固定することによって前記ねじ軸支持体に対して支持されることを特徴とするスライド装置に関する。
【0013】
このスライド装置は,上記のように構成されているので,メンテナンスやリードやねじ径を変更するために送りねじ機構を交換する場合等,送りねじ機構をスライド装置から取り外す必要が生じたときには,一対の側部の上面に載置した状態で取り付けられた一対のねじ軸支持体を,ねじ軸の軸支を解除した状態で,一対の側部の上方からの操作で軌道レールから取り外す。ねじ軸と共に送りねじ機構を構成するナット体はスライダから取外し自在であるので,スライダ全体をスライド装置から取り外したり取り替えたりすることなく,ねじ軸と螺合したままのナット体をスライダから取り外すことによって,メンテナンスを施したり,別のリードやねじ径を有するねじ軸及びナット体と交換することができる。
【0014】
また,このスライド装置では,ボールねじで構成される送りねじ機構は,ねじ軸の雄ねじ部とナット体の雌ねじ部との間に対向して形成される螺旋状の螺旋溝にボールという転がり要素が配置されているため,ねじ軸の駆動時においてねじ軸とスライダとの相対的な移動がスムーズになり,スライダの位置や速度を高精度で定めることが可能となる。スライダは,軌道レールを構成する一対の側部間に,転動体を介してガタツキなく嵌挿される。スライダは,直動転がり案内機構の基本的な構造を有しているので,軌道レールに対してスムーズに動き,スライダの位置や速度を高精度で定めることが可能となる。更に,薄鋼板製の軸受支持金具を用いる軸支持構造は,軸受支持金具の加工及びねじ軸支持体への組立が容易である。
【0015】
また,前記駆動モータは,前記駆動モータの取付け仕様に対応して配設されたモータアタッチメントに取り付けられ,前記モータアタッチメントに圧入固着された圧入リングを前記ねじ軸支持体に形成された取付け孔に嵌合させることにより,前記駆動モータが前記ねじ軸支持体に位置決めされるものである。スライド装置の使用用途に応じてモータの機種も変更される。駆動モータに対応して形成される取付孔等の位置及び大きさ等の取付け仕様も機種に応じて異なるので,ねじ軸支持体の取付けに際して,モータアタッチメントを介在させて仕様の違いによる取付け仕様の差異を吸収するので,モータの交換及び取付けのための構造が簡単化し且つそのための作業性が向上する。また,モータアタッチメントに圧入固着された圧入リングをねじ軸支持体に嵌合させるので,駆動モータのねじ軸支持体に位置決めが容易である。
【0016】
また,前記ねじ軸支持体と前記スライダとの対向する端面の少なくとも一方には,薄鋼板の芯金と前記芯金に焼き付けられたゴムとから構成される緩衝作用を有するストッパが取り付けられている。スライダと軸受支持プレートとが衝突したときの衝撃を回避するため,一般には,スライダ又は軸受支持プレートとの対向面に,弾性体から構成されたストッパが,接着剤等で固定されている。このスライド装置における薄鋼板の芯金と芯金に焼き付けられたゴムとから構成されるストッパは,一つの部品としてボルトで固着可能であるので,ストッパの取付け取外しが容易となり,ストッパの交換及び取付作業性が改善される。
【0017】
また,このスライド装置は,前記軌道レールには,前記軌道レールと前記スライダとの間を覆うカバー部と,前記カバー部の外側に一体的に形成され且つ前記スライダの位置を検出するセンサが取り付けられるセンサ取付けレール部とを有しているセンサレールが配設されている。センサレールには,長手方向の必要な任意の位置にセンサを取り付けることができるので,センサの取付け位置の変更やセンサの取付け作業が簡素化される。センサレールを軌道レールに取り付けることによって,カバー部が軌道レールとスライダとの間を覆うため,異物が軌道レールとスライダとの間に入り込むのが防止される。
【0018】
また,前記スライダと前記ねじ軸との上部は,前記ねじ軸支持体間に掛け渡された防塵カバーによって覆われており,前記スライダは,前記防塵カバーの側縁部から上方に延びて搭載物取付け用のフランジ部を有している。防塵カバーは,スライド装置の駆動部分であるスライダとねじ軸との上部を覆うので,上方からの異物の落下,侵入から駆動部分を保護する。特に,一対の側部と底部とで構成した軌道レールのU字状凹部内にスライダを嵌挿させているので,この溝の上部が防塵カバーで略覆われた保護構造となる。防塵カバーを用いる場合には,スライダは,搭載物(搬送物)を支持するために防塵カバーの側縁部から上方に延びる搭載物取付け用のフランジ部を有する構造となる。
【発明の効果】
【0019】
この発明によるスライド装置は,上記のように構成されているので,次のような効果を有する。即ち,このスライド装置は,互いに連結された一対の側部を有する軌道レール上を摺動自在なスライダに,送りねじ機構を構成するナット体を取外し可能に取り付けておき,ねじ軸をナット体に螺合し,一対の側部の上面に載置した状態で取り付けられた一対のねじ軸支持体によってねじ軸の両端部を軸支し,ねじ軸を回転駆動する駆動モータをねじ軸支持体のいずれか一方に取り付けたので,例えば,メンテナンスの場合やリード又はねじ径を変更するために送りねじ機構を交換する場合等,送りねじ機構をスライド装置から取り外す必要が生じたときには,一対の側部の上面に載置した状態で取り付けられた一対のねじ軸支持体を,ねじ軸の軸支を解除した状態で,一対の側部の上方からの操作で軌道レールから取り外すと,ねじ軸とスライダから取り外したナット体とをスライド装置から簡単に取り外すことができる。したがって,スライド装置自体を交換したり,スライダ全体をスライド装置から取り外したり取り替えたりすることなく,ねじ軸とナット体のみを取り外すことで,各種のメンテナンスを施したり,異なるリード又はねじ径を有する送りねじ機構と交換することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下,図面を参照して,この発明によるスライド装置の実施例を説明する。図1に示すように,スライド装置1は,基本的に,上面側が開口した断面U字状で長尺な軌道レール2,軌道レール2のU字状凹部5内に移動可能に嵌挿されたスライダ3,スライダ3に螺合するねじ軸4,及び後述する駆動モータ60から構成される。軌道レール2は取付け孔87(後述する)を挿通する取付けボルト等の固着手段によって図示しない支持台に固定され,スライダ3は,図示しない搭載物を取付けボルト等の固着手段によって固定する。スライダ3が軌道レール2に対して移動することにより,搭載物は支持台に対して移動することができる。スライダ3は,軌道レール2との間において直動転がり案内機構を介して摺動自在である。軌道レール2のU字状凹部5は,底部6とその両側から起立する一対の側部7とによって構成されている。即ち,一対の側部7は,底部6によって連結された構造を有している。一対の側部7の対向する内面には,スライダ3が転動する複数のボール10を介して滑らかで正確な直線走行を行うように,一対の軌道溝8が長手方向に平行に延びて形成されており,一対の軌道溝8とボール10とで直動転がり案内機構が構成されている。
【0021】
スライダ3は,外周に螺旋溝を有するねじ軸4が螺合する螺旋溝(図示せず)を有するナット体17を備えており,ねじ軸4とナット体17とは,ねじ軸4の回転に応じてスライダ3を軌道レール2の軸方向に直線移動する送りねじ機構を構成している。この実施例では,スライダ3が滑らかで正確に直線送りされるように両螺旋溝の間にボールが転動可能に介在されており,送りねじ機構は,ねじ軸4,ナット体17及びボールを備えたボールねじで構成されている。両螺旋溝に嵌合するボールが循環できるように,ナット体17内には,ボール循環路(図示せず)が形成されている。スライダ3の詳細な構造については,後述する。
【0022】
ねじ軸4の各端部を回転可能に支持するモータ側のねじ軸支持体11とエンド側のねじ軸支持体12(それぞれの構造については後述する)は,アルミニウム合金製であり,軌道レール2の各側部7の上面13に対してタップ加工によって形成されたねじ穴にねじ込まれる取付けねじによって固定されている。軌道レール2の軌道溝8及び上面13は,互いに平行に加工されている。したがって,モータ側ねじ軸支持体11とエンド側ねじ軸支持体12をそのまま軌道レール2の上面13に対して固着すれば,垂直方向(上下方向)の位置合わせをする必要がない。モータ側ねじ軸支持体11とエンド側ねじ軸支持体12とを軌道レール2に対して水平方向(左右方向)の位置合わせだけを行って取り付ければ,スライダ3側の軌道溝9を軌道レール2側の軌道溝8に対応させた状態で,軌道レール2に配置したねじ軸4をスライダ3内に且つスライダ3の摺動方向に正確に配置させることができる。結局,モータ側ねじ軸支持体11とエンド側ねじ軸支持体12との軌道レール2に対する位置合わせを簡単に行うことができる。
【0023】
モータ側ねじ軸支持体11とエンド側ねじ軸支持体12との軌道レール2への取付けは,取付けボルト14及び取付けボルト15を,それぞれ,モータ側ねじ軸支持体11とエンド側ねじ軸支持体12とに設けられた取付け用の貫通孔を通して軌道レール2に形成されたねじ穴にねじ込むことによって行われる。軌道レール2を途中で切断することによってその長さを調節する場合を含めて,ねじ穴は,軌道レール2の上面13に対して上方からタップ加工によって形成される。したがって,従来のように,固定治具によって軌道レール2を固定した状態で軌道レール2の側部7,7の端面に横方向からねじ穴を加工するのと比較して,加工作業能率が改善される。また,モータ側ねじ軸支持体11とエンド側ねじ軸支持体12とを軌道レール2に取り付けるには,各ねじ軸支持体11,12を軌道レール2の上面13に載置した状態で取付けボルト14,15を軌道レール2にねじ込む作業を行えばよく,垂直方向の位置合わせが不要となり水平方向の位置合わせだけを行えばよい。したがって,軌道レール2の側面に垂直方向(高さ位置)と水平方向(左右位置)とを同時に位置合わせをしながら行う従来の取付け作業と比較して,取付け作業の作業性も改善される。なお,取付けボルト14,15のような,各種の取付け用のボルト又は取付け用の孔(穴)の図面上への符号については,図面での煩雑さを回避するため,一つを代表して記載してある。
【0024】
図2には,図1に示したスライド装置1の要部を一部切り欠いた分解斜視図が示されている。スライダ3に形成した貫通孔16には,ねじ軸4に螺合する螺旋溝を有するナット体17の筒部18が嵌合しており,筒部18と一体に形成されているフランジ部19の四隅に設けられた取付け孔を通してねじ軸取付けボルト20をスライダ3にねじ込むことによって,ナット体17がねじ軸4と共にスライダ3に取付けられる。したがって,ねじ軸4のリードを変更する場合やメンテナンス作業を行う場合等,ねじ軸4をスライド装置1から取り外す必要があるときには,ナット体17をスライダ3から分離してねじ軸4をナット体17と共に取り外すだけでよく,スライダ3全体或いは軌道レール2までも含めて取り外す必要はない。また,交換したねじ軸やメンテナンス終了後にねじ軸4をスライド装置1に戻す場合にも,スライダ3は軌道レール2に嵌合したままであるから,ボールねじのスライダ3への装填作業が簡単化される。
【0025】
モータ側ねじ軸支持体11には,ねじ軸4の縮径されたモータ側端部21を支持するため,次のような軸受け支持構造が設けられている。即ち,モータ側ねじ軸支持体11には,モータ側端部21に対応して軸受孔23が形成されており,軸受孔23内に一対のアンギュラ軸受24,24がシム25を介在させて組み込まれている。アンギュラ軸受24,24の抜出しを防止するため,軸受孔23の両側は軸受押さえ26及び27が配置されている。軸受押さえ26,アンギュラ軸受24,24及び軸受押さえ27を貫通したねじ軸4のモータ側端部21は,更にカラー28を貫通し,ロックナット29によって締め付けられ,その結果,軸受け支持構造が完成すると共に,モータ側端部21が軸受け支持構造に回転自在に支持される。軸受押さえ26は,後述するように,スライダ3がモータ側ねじ軸支持体11に衝突する場合に,衝撃を緩和するストッパともなっている。
【0026】
ねじ軸4のエンド側端部22も,モータ側端部21と同様に縮径されており,次のような軸受け支持構造が設けられている。即ち,エンド側ねじ軸支持体12にはエンド側端部22に対応して軸受孔30が形成されており,軸受孔30内に外側から軸受支持金具34が嵌合されている。軸受孔30内に嵌合された軸受支持金具34内には,軸受31及びE型止め輪32が取り付けられている。軸受支持金具34は,軸受支持金具取付けボルト35によってエンド側ねじ軸支持体12に取付けられる。
【0027】
次に,スライダ3の詳細について説明する。図3はスライダ3の分解斜視図である。スライダ3は,側面下部にボール10が転動する軌道溝9と中央長手方向に貫通孔16とを有するケーシング40を備えている。軌道溝9の上面と軌道レール2との隙間は上面シール41によってシールされる。各軌道溝9からケーシング40内に形成した各ボール循環路42を通って或いはその逆の方向に多数のボール10を無限循環させるため,各無限循環路毎に循環溝スペーサ43が一対設けられ,循環溝スペーサ43を含んで方向転換路が形成された一対のエンドキャップ44がケーシング40に対して長手方向の端面に設けられている。エンドキャップ44,44の外側には軌道レール2との隙間をシールする一対のエンドシール45が設けられている。エンドキャップ44とエンドシール45とは,エンドキャップ44とエンドシール45とを貫通してボルト46によりケーシング40に取り付けられる。グリスニップル47が少なくとも一方のエンドシール45を通してエンドキャップ44に接続されて,外部からの潤滑油が各無限循環路内に供給される。また,この場合,他方のエンドキャップ44とエンドシール45とには,潤滑油が漏れるのを封じる止め栓48が設けられている。
【0028】
次に,エンド側ねじ軸支持体12におけるねじ軸4の端部22の支持構造について説明する。図4に示すように,エンド側ねじ軸支持体12をねじ軸4の軸線を含む垂直面で切断した断面図で見ると,軸受支持金具34は,軸受31の外輪が嵌合する円筒部50と,円筒部50の外側から径方向に広げられたフランジ部51とから構成されており,エンド側ねじ軸支持体12に組み付けた状態では,フランジ部51の一側がエンド側ねじ軸支持体12の端面に当接される。フランジ部51の両横部は拡大されて,取付けボルト35を挿通する挿通孔52が形成されている。挿通孔52に対応して,エンド側ねじ軸支持体12には取付けボルト35が挿通する挿通孔が形成されている。ストッパ33の中央には段部53が形成されており,段部53はエンド側ねじ軸支持体12の軸受孔30に嵌合している。
【0029】
軸受支持金具34をエンド側ねじ軸支持体12に組み付けた状態で,取付けボルト35を軸受支持金具34の挿通孔52を挿通してエンド側ねじ軸支持体12にねじ込むことにより,軸受支持金具34はエンド側ねじ軸支持体12に固定される。ストッパ33は,衝撃を緩和する緩衝材を有しているので,エンド側ねじ軸支持体12に対して接着固定されている。なお,E型止め輪32は,ねじ軸4のエンド側端部22に形成された溝54に係止されて,軸受31がエンド側端部22から抜け出すのを防止している。また,軸受支持金具34のフランジ部51の上縁部はエンド側ねじ軸支持体12の上縁から突出しないように平坦縁55となっている。この軸支持構造は,簡単な構造の薄鋼板製の軸受支持金具34を用いているので,軸受支持金具34それ自体の加工が簡単であると共に,エンド側ねじ軸支持体12への位置合わせと組立とを容易に行うことができる。
【0030】
図7〜図11に図示された各構成要素について,図1〜図6に示したものと同様のものには同一符号を付してあるので,再度の説明を省略する。また,スライダ3が支持する搭載物の位置及び荷重に応じて,一つの軌道レール2に複数のスライダ3が配設される。搭載物を支持するのにスライダ3を同じねじ軸4に対して2台用いた例が図7に示されている。図7は,1台のスライダ3を実線で他の1台のスライダ3aを想像線で示すように,2台のスライダ3,3aを最も接近させた状態で並べて設置している。スライダ当たりの支持荷重は過大になることがなく,且つ搭載物の支持点,荷重共にバランス良く支持することができる。また,モータ側ねじ軸支持体11の端板70については,後の駆動モータの取付けに関連して詳述する。軌道レール2の底部6には,軌道レール2を支持台に固定するための取付けボルト(図示せず)が挿通される取付け孔87が二列になって所定間隔に形成されている。図9〜図11に示すように,スライド装置1の軌道レール2の断面における横軸線回り及び縦軸線回りの断面二次モーメントを大きくして軌道レール2の曲げ剛性が高められている。したがって,スライダ3が支持するテーブルの下方向荷重が作用しても,例えば,長手方向に隣接する二つの取付け孔87,87間において最も大きく変位するであろう箇所での軌道レール2に生じる変位量を抑制することができる。
【0031】
図1及び図2に示したスライド装置1の軌道レール2,スライダ3,ねじ軸4,モータ側ねじ軸支持体11,及びエンド側ねじ軸支持体12から成る要部に対して駆動モータとセンサとが取り付けられる。図12は,駆動モータとセンサとをスライド装置1の要部に対して取り付けてスライド装置1の組立が完成した状態を示す斜視図である。駆動モータ60は,ステッピングモータであり,モータ用コネクタ61を介してコントローラ(図示せず)から制御電流が入力され,出力軸63(図13参照)に回転を出力する。駆動モータ60は,モータ側ねじ軸支持体11に取付けボルト(図示せず。ねじ軸4の軸方向と平行な方向に取り付ける)によって取り付けられたモータアタッチメント64に取付けボルト65によって取り付けられる。このように,駆動モータ60は,モータ側ねじ軸支持体11に対して,種々の駆動モータの取付仕様に合わせてなるモータアタッチメント64を介して取り付けられるので,モータ側ねじ軸支持体11に対してスライド装置1の使用用途に合わせて出力等の異なる各種駆動モータの取り付けを簡単に行うことができる。
【0032】
また,駆動モータ60は,軌道レール2の上面13に載置した状態で取り付けられたモータ側ねじ軸支持体11にモータアタッチメント64を介して取り付けられているので,軌道レール2の端面にモータ側ねじ軸支持体を取り付け且つモータ側ねじ軸支持体に駆動モータを取り付ける構造と比較して,駆動モータが軌道レール2から大きく出っ張ることがなく,軌道レール2を支持台(ベース)に取り付けたときに軌道レール2でバランス良く荷重を支持することができる。
【0033】
図13は図12に示されたスライド装置1に用いられるモータアタッチメントの側面図である。図13に示すように,モータアタッチメント64の中央には貫通孔67が形成されており,貫通孔67の途中まで圧入リング68の一部が圧入されて固着されている。圧入リング68の残る部分は,モータアタッチメント64の貫通孔67からはみ出しており,この部分はモータ側ねじ軸支持体11の端板70に形成された取付け孔71(図1及び図2参照)に嵌合されている。また,駆動モータ60の取付け凸部62が,貫通孔67の残りの部分に嵌合されている。モータアタッチメント64にリング部を一体に形成するよりも,別体に形成した圧入リングを上記のように圧入固定する方が,加工も容易であって精度を出すことができる。駆動モータ60の出力軸63は圧入リング68内を貫通しており,駆動モータ60の出力軸63とねじ軸4のモータ側端部21とは,モータ側ねじ軸支持体11内でカップリング69によって連結されている。
【0034】
モータ側ねじ軸支持体11又はエンド側ねじ軸支持体12は,軌道レール2の上面13に載置された状態で取り付けられているので,U字状凹部5に対して,軌道レール2のモータ側又はエンド側の外部から,軌道レール2とねじ軸支持体11,12との間の空間を通して,スライダ3に対して長手方向にアクセスすることができる。このアクセスは,特にエンド側において行い易く且つ有利である。したがって,スライダ3のボール循環路42へ給油するためにエンドキャップ44に設けられたグリースニップル47に対して給油器を接続させようとする場合に,従来のように給油器をスライダ3に対して斜め状に無理な姿勢でアクセスすることなく,給油器をグリースニップル47に正対して無理なく接続することができる。
【0035】
スライド装置においては,スライダ3が,万一各ねじ軸支持体11と衝突しても,その時の衝撃による損傷を防止するために,軸受押さえでもなるストッパ26が,軸受押さえ27のような鋼板を芯板としてゴムを焼付けしたものとして予め構成されている。このように,ストッパ26は,芯板にゴムを焼付けた衝撃吸収部材として構成されているので,ボルトにてねじ軸支持体11に取り付けられる。したがって,従来,一般的には弾性体でなるゴム状のストッパがボルトによって直接的に固着することができないために,接着剤によって貼着していたことと比較して,衝撃吸収部材としてのストッパ26を,その芯板を軸受押さえ27と兼用させつつ,ねじ軸支持体11にボルトにて容易に取り付けることができる。なお,ねじ軸支持体11に対して軸受押さえ27を設けた場合には,ストッパ26をスライダ3側に設けてもよい。
【0036】
図14は,図12に示すスライド装置1を,図8に示す矢視A−Aと同様の位置と方向で見た断面図,即ち,スライダ3とねじ軸支持体11との間の位置においてねじ軸4に直交する平面で切断した断面図である。図12及び図14を参照すると,軌道レール2の一対の側壁7の外面には,それぞれセンサレール74が取付けボルト75によって取付けられている。各センサレール74には,位置を特定する必要がある任意の位置にセンサ76〜79が設けられている。例えば,センサ76は原点を検出するためのものであり,センサ78は原点前を検出するためのものである。センサ76〜79が検出した検出信号は,リード線81を経てセンサ用コネクタ80からコントローラ(図示せず)に入力される。一方,スライダ3の側面には,ドグ83がドグ取付けボルト84によって取り付けられており,スライダ3がねじ軸4の回転動作で軌道レール2に沿って移動するときに,センサ76〜79がドグ83を検出して,スライダ3の位置の情報をコントローラに送信する。なお,センサ76〜79とセンサ用コネクタ80とを結ぶリード線81は,ナイロンクランプ85によって,モータアタッチメント64に係止させることができる。
【0037】
モータ用コネクタ61とセンサ用コネクタ80とを図示しないドライバと及びコントローラとに接続することにより,コントローラは,センサ用コネクタ80からのドク83を検出した検出信号に基づいて,駆動モータであるステッピングモータ60に制御信号を出力してその出力回転を制御する。図14に示されているように,センサレール74にはその長手方向に延びるリード線用溝86が形成されており,センサ76〜79に接続されるリード線81を収容することができる。また,センサレール74は,軌道レール2とスライダ3と側面部分を覆う防塵カバーにもなっており,幅広いカバー部88とセンサ取付けレール部89とが一体に形成されている。なお,この図において,軌道レール2の底部6には,軌道レール2を支持台(図示せず)に取付ける取付けボルトが挿通する取付け孔87が2列に所定間隔毎に形成されている。
【0038】
図15は,この発明によるスライド装置の第2実施例であって,軌道レール2内に収容されるスライダ3やねじ軸4を外部から保護する防塵カバー91を設けたスライド装置90を示した斜視図であり,図16は,図15に示すスライド装置の図8に示す矢視A−Aと同様の位置と方向で見た断面図,即ち,スライダ93とねじ軸支持体11との間の位置においてねじ軸4に直交する平面で切断した断面図である。この第2実施例では,スライダの構造が異なる以外は,第1実施例で示したスライド装置1の構造と相違しないので,同一の構造及び同一の機能を有する構成要素には同じ符号を付しており,それらについての再度の説明を省略する。スライダ93は,防塵カバー91との干渉を回避するため,防塵カバー91の両側部を迂回するように,軌道レール2の横方向から上方に延びる一対のフランジ部94,94を有しており,搭載物(図示せず)はフランジ部94,94に取付けねじ穴95にねじ込まれる取付けボルト(図示けず)によって取り付けられる。フランジ部94,94は,スライド装置1におけるドグ83の機能も有している。なお,防塵カバー91は,モータ側ねじ軸支持体11とエンド側ねじ軸支持体12に対して取付けボルト92によって上方から取付けられる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
この発明によるスライド装置は,例えば,工作機械,各種組立装置,又は試験装置等の直線摺動部に適用して好ましいものである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】この発明によるスライド装置の一実施例の要部を一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図2】図1に示すスライド装置の一実施例の要部の分解斜視図である。
【図3】図1に示すスライド装置におけるスライダの分解斜視図である。
【図4】図1に示すスライド装置におけるねじ軸のエンド側端部の支持構造を示す断面図である。
【図5】図4に示される支持構造に用いられる軸受支持金具の正面図である。
【図6】図5に示す軸受支持金具の側面図である。
【図7】図1に示したスライド装置の要部の平面図である。
【図8】図1に示したスライド装置の要部を,軌道レールの一部を破断して示す側面図である。
【図9】図1に示したスライド装置の要部のモータ側の端面図である。
【図10】図1に示したスライド装置の要部のエンド側の端面図である。
【図11】図8における矢視A−Aでの断面図である。
【図12】この発明によるスライド装置の一実施例を示す斜視図である。
【図13】図12に示したスライド装置に用いられるモータアタッチメントの側面図である。
【図14】図12に示すスライド装置を図8に示す矢視A−Aと同様の位置と方向で見た断面図である。
【図15】この発明によるスライド装置の別の実施例を示す斜視図である。
【図16】図15に示すスライド装置を図8に示す矢視A−Aと同様の位置と方向で見た断面図である。
【図17】従来のXY位置決めテーブル装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0041】
1,90 スライド装置
2 軌道レール
3,3a,93 スライダ
4 ねじ軸
5 U字状凹部
6 底部
7 側部
8,9 軌道溝
10 ボール
11 モータ側ねじ軸支持体
12 エンド側ねじ軸支持体
13 上面
16 貫通孔
17 ナット体
21 モータ側端部
22 エンド側端部
27 軸受押さえ
24,31 軸受
26,33 ストッパ
34 軸受支持金具
40 ケーシング
42 ボール循環路
44 エンドキャップ
45 エンドシール
47 グリースニップル
60 駆動モータ
64 モータアタッチメント
68 圧入リング
71 取付け孔
74 センサレール
76〜79 センサ
81 リード線
83 ドグ
88 カバー部
89 センサ取付けレール部
91 防塵カバー
94 フランジ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに連結された一対の側部を有する軌道レール,前記軌道レール上を摺動自在なスライダ,前記スライダに取外し可能に取り付けられると共に前記スライダを前記軌道レール上で摺動させるための送りねじ機構を構成するナット体,前記ナット体に螺合するねじ軸,前記ねじ軸の両端部を軸支し且つ前記一対の側部の上面に載置した状態で取り付けられた一対のねじ軸支持体,及び前記ねじ軸支持体のいずれか一方に取り付けられ且つ前記ねじ軸を回転駆動する駆動モータから成るスライド装置において,
前記軌道レールは前記一対の側部と前記一対の側部を連結する底部とによってU字状凹部を形成しており,前記スライダは前記一対の側部に設けられた軌道溝に対応した軌道溝を備えたケーシング,前記両軌道溝間を転走する転動体,前記ケーシングの端面に固定されたエンドキャップ,及び前記エンドキャップの端面に取り付けられたエンドシールを有し,前記スライダは前記軌道レールの前記U字状凹部内を摺動自在であり,前記送りねじ機構は前記ナット体,前記ねじ軸,及び前記ナット体の螺旋溝と前記ねじ軸の螺旋溝との間に介在されるボールを備えたボールねじで構成され,前記ねじ軸の少なくとも一方の前記端部は前記端部を軸支する軸受が嵌着された薄鋼板製の軸受支持金具を前記ねじ軸支持体に固定することによって前記ねじ軸支持体に対して支持されることを特徴とするスライド装置。
【請求項2】
前記駆動モータは前記駆動モータの取付け仕様に対応して配設されたモータアタッチメントに取り付けられ,前記モータアタッチメントに圧入固着された圧入リングを前記ねじ軸支持体に形成された取付け孔に嵌合させることにより,前記駆動モータが前記ねじ軸支持体に位置決めされることを特徴とする請求項1に記載のスライド装置。
【請求項3】
前記ねじ軸支持体と前記スライダとの対向する端面の少なくとも一方には,薄鋼板の芯金と前記芯金に焼き付けられたゴムとから構成される緩衝作用を有するストッパが取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のスライド装置。
【請求項4】
前記軌道レールには,前記軌道レールと前記スライダとの間を覆うカバー部と,前記カバー部の外側に一体的に形成され且つ前記スライダの位置を検出するセンサが取り付けられるセンサ取付けレール部とを有しているセンサレールが配設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスライド装置。
【請求項5】
前記スライダと前記ねじ軸との上部は,前記ねじ軸支持体間に掛け渡された防塵カバーによって覆われており,前記スライダは,前記防塵カバーの側縁部から上方に延びて搭載物取付け用のフランジ部を有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のスライド装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−178002(P2007−178002A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−23688(P2007−23688)
【出願日】平成19年2月2日(2007.2.2)
【分割の表示】特願平9−196403の分割
【原出願日】平成9年7月8日(1997.7.8)
【出願人】(000229335)日本トムソン株式会社 (96)
【Fターム(参考)】