説明

スラッシ成形プロセス

スラッシ成形プロセスにおいて、型に添加される成形可能な熱可塑性組成物の粉末は、型に添加される前に、著しい架橋を生じない温度および時間で、エチレンカルボン酸コポリマーまたはイオノマーと、エチレン/グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートコポリマーと、架橋促進剤と、そして任意に、離型剤を含む他の添加剤とをブレンドすることによって調製され、原位置で架橋を生じさせるのに十分な時間および温度で保持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐熱性および耐擦過性と結び付いた優れた低温特性を示し、かつ自動車およびボート内装適用のために有用である熱可塑性組成物の粉末スラッシ成形の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に既知であるように、スラッシ成形技術は、自動車、ボートおよび他の車両の室内装飾材料のための擬革のような材料のフィルムまたはシートの製造、ならびにボート内装適用のために、特に、ダッシュボードおよびドアパネルのカバーリングのために、幅広く使用されている。前記技術は、低費用で高度三次元擬革を容易に得ることさえも可能にし、さらに、スラッシ成形は、優れた品質の革設計を成形シートに付与し、そしてまた二色革の実行さえも可能にする。
【0003】
スラッシ成形法は周知であり、科学文献、例えば次の最近の論文:(非特許文献1)、(非特許文献2)、(非特許文献3)に報告されている。
【0004】
次の特許:米国特許公報(特許文献1)、米国特許公報(特許文献2)、(特許文献3)、(特許文献4)および(特許文献5)も、スラッシ成形に関連する記述を含む。
【0005】
スラッシ成形技術は、次の工程を典型的に含む方法をベースとする。
a)最初に、典型的に500マイクロメートル未満の粒径の適切なポリマー粉末の十分な量をオープンエア型タンクに充填し、
b)次いで、通常、ニッケルで電気メッキ処理された型を所定の温度まで加熱し、
c)次いで、適切な連結手段によって、閉鎖系においてタンクと型を連結し、
d)タンクが粉末を型上に転送できるように系を移動させて、そのようにして、前記型に付着している部分的または完全に融解した粉末の均一層を得て、
e)次いで、再度、初期条件に導いた後に閉鎖系を解放し、この段階で、再度、可能な過剰量のポリマー粉末をタンク中に配置し、従って再生可能であり、
f)この時点で、融解を完了するために型を加熱することができ、
g)次いで、適切な冷却手段によって型を冷却し、
h)車両の室内装飾材料のためのダッシュボード、ドアパネル等の形態の仕上げ製品を得るために、次いで支持体と組み立て可能である半仕上げ製品として、形成された革を取り外す。
【0006】
ポリ塩化ビニル(PVC)は、自動車内装適用においてシート材料として使用するための固体板を有するが、ハロゲンおよび可塑剤を含有するという事実のため非難されている。自動車内装におけるPVCの適用の1つは、ドアパネルおよびダッシュボードのためのスラッシ成形材料としてである。スラッシ成形プロセスのために、粉末が有用である。これらの配合物に含有される可塑剤は、粉末が熱い型との接触に導かれ、その後、そこから解放されなければならないスラッシ成形プロセスにおいて粉末のフローおよび融合を促進する。しかしながら、多量の可塑剤の存在は、暑い夏日の窓、特に前方の窓の内部表面の不自然な曇りの悪影響を有する。この影響、ならびにPVCの高塩素含有量は、米国特許公報(特許文献6)に記載のポリマー可塑剤または高温安定可塑剤の探索、およびハロゲンを含まないスラッシ成形系の探索のきっかけとなった。最も頻繁に使用されるハロゲンを含まない系は、TPU(熱可塑性ポリウレタン)をベースとする系である。しかしながら、それらの費用が高いため、それらは、大部分の車両のための経済的な解決策とはならない。エラストマー粉末またはポリプロピレン(PP)をベースとする代替法も推進されている。米国特許公報(特許文献7)は、架橋されたエチレンプロピレン(EP)相を伴うスラッシ成形可能なEPゴムを特許請求し、米国特許公報(特許文献8)は、PPベース系を特許請求する。これらの系の欠点は、スラッシ成形シートの上部のラッカーのような高価な表面保護を結局は必要とする流体のような化学薬剤に対するこれらの系の不十分な耐化学性である。
【0007】
(特許文献5)は、架橋を伴うスラッシ成形法と組み合わせることによって、典型的なスラッシ成形技術に存在する課題に取り組む。このプロセスは、取り外す段階(上記の段階h)の前後で、カバー革を得るために、フィルムとしての半仕上げ製品が照射手段によって架橋されることを特徴とする。
【0008】
【特許文献1】米国特許第2,736,925号明細書
【特許文献2】米国特許第3,039,146号明細書
【特許文献3】EP−A−0 339 222号明細書
【特許文献4】EP−A−0 476 742号明細書
【特許文献5】国際公開第0207946号パンフレット
【特許文献6】米国特許第5,036,124号明細書
【特許文献7】米国特許第5,308,699号明細書
【特許文献8】米国特許第5,744,086号明細書
【特許文献9】米国特許第5,928,577号明細書
【非特許文献1】パブスト H.G.(Pabst H.G.),シェーパー S.(Shaper S.),シュミット H.(Schmidt H.),タービーン A.(Terveen A.)(アウディ VW グループ(AUDI VW Group))−VDI Conference−Mannheim 1988−「Development and large−scale use of dashboards produced by Slush Molding PVC」
【非特許文献2】クエ N.N.(Khue N.N.),クンパー−マルツ M.(Kunper−Martz M.),ダンクマイヤー O.(Dankmeier O.),(EVC グループ(EVC Group))−「Development of optimum powder blend for slush molding」
【非特許文献3】4 International Conference on PVC 1990−1990年4月24日〜26日、イギリス、ブライトン(Brighton U.K.)、第31/1 31/14ページ
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、照射を使用せずに、スラッシ成形と、原位置での架橋とを組み合わせ、そして従来技術の欠点を克服するスラッシ成形法を提供する。スラッシ成形プロセスにおいて型に添加される粉末として、スラッシ成形プロセス間に照射されずに原位置で架橋する、極性および従って溶媒(燃料)耐性ポリマーを含む粉末を含む組成物を提供することによって、欠点が克服される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、スラッシ成形プロセス間に、本発明のスラッシ成形可能なポリオレフィン組成物が原位置で架橋して、優れた耐化学性および耐温度性を有するスラッシ成形組成物を提供する、スラッシ成形プロセスを提供する。
【0011】
スラッシ成形組成物は、それによって成形された可撓性ビニルシートまたは物品が使用されているか、または使用可能である全ての適用を本質的に含む、自動車および非自動車適用において有用である。
【0012】
本発明のプロセスは、早期に組成物が著しく反応/架橋しないことを確実にする時間および温度条件下、好ましくは60℃〜150℃、より好ましくは90℃〜120℃で製造された本発明の組成物を、スラッシ成形される粉末として利用することを特徴とするスラッシ成形プロセスである。好ましくは十分な促進剤を含み、そしてより好ましくは十分な離型剤をさらに含む粉末を、架橋を生じさせるのに十分な時間で、十分に高い温度、好ましくは180℃〜270℃の間、より好ましくは200℃〜250℃の間に保持された熱い型の中へ添加する。粉末は、融解し、平坦化し、そして原位置で架橋して、均質スキンを形成する。これを、約2分〜6分の加熱サイクルおよび冷却に続いて型から取り外すことができる。
【0013】
本発明の組成物は、
(a)少なくとも50重量%のエチレンと、1重量%〜35重量%の(酸含有)不飽和カルボン酸と、0重量%〜49重量%の、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ビニルエーテル、アルキレン、一酸化炭素および二酸化イオウの少なくとも1つから選択される部分とを含むコポリマーであって、さらに酸基が金属イオンによって任意に部分的に中和されているコポリマーを5重量%〜95重量%と、
(b)少なくとも50重量%のエチレンと、0.5重量%〜25重量%の、
(i)炭素原子数4〜11の不飽和エポキシド、
(ii)炭素原子数2〜11の不飽和イソシアネート、
(iii)アルキル基が炭素原子数1〜12であるアルコキシまたはアルキルシラン、
(iv)ハロゲン化アルキル、および
(v)オキサゾリン
よりなる群から選択される少なくとも1つの反応性部分と、0重量%〜49重量%の、アルキルおよびエーテル基が炭素原子数1〜12である、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ビニルエーテル、アルキレン、一酸化炭素および二酸化イオウの少なくとも1つから選択される部分とを含むコポリマーを95重量%〜5重量%と、好ましくは、
(c)十分な量の、第三級アミンまたはハロゲン化アルキルのような架橋促進剤と、そしてより好ましくは、促進剤に加えて、
(d)金属型への付着を低下させるための、十分な量の少なくとも1つの離型剤と、
を含む。
【0014】
組成物は、充填剤、紫外線光(UV)または熱安定剤、酸化防止剤、フリーラジカルスカベンジャー、均染剤、抗ポッピング剤および顔料のような、特性を増強または変性するために有用であり得る、いずれかの添加剤をさらに含んでもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の方法は、所定の温度まで加熱された型に粉末を添加して、部分的または完全に融解された粉末の層を型上に得る工程と、いずれもの過剰量の粉末を除去する工程と、融解を完了するために型を加熱する工程と、適切な冷却手段によって型を冷却してフィルムを形成する工程と、型からフィルムを取り外す工程とを含むスラッシ成形プロセスである。前記方法は、
a)本発明の組成物を、スラッシ成形される粉末として利用すること、
b)融解が完了する時に原位置で架橋を生じさせるのに十分な時間、十分に高い温度まで、融解を完了するために型を加熱すること
を特徴とする。
【0016】
型は、好ましくは、約180℃〜270℃、より好ましくは約200℃〜250℃の温度まで加熱される。加熱サイクル(均質スキンを形成するために、この高められた温度で型が保持される時間)は、好ましくは約2分〜6分である。これらの条件下で、本発明の組成物の粉末は、融解し、平坦化し、そして原位置で架橋して、均質スキンを形成する。加熱サイクルに続いて、型および均質スキンを冷却し、そして得られたフィルムまたはシートを型から取り外す。
【0017】
本発明のスラッシ成形プロセスによって、独立材料として、または積層構造の一部として有用である生成フィルムまたはシートが得られる。木目パターンによってシートをエンボス加工してもよい。かかるエンボス加工シートは、優れた木目保持力を有し、従って、特に、擬革適用において、そして自動車の計器盤スキンおよびドアスキンにおいて用途を有する。任意に、シートに無機充填剤を充填することができる。有用な充填剤としては、炭酸カルシウムのような難燃性充填剤、またはマイカ、タルクおよびガラスのような非難燃性充填剤が挙げられる。
【0018】
自動車用途としては、計器盤のため、ならびにドアパネルおよび他の擬革カバーのような他の位置のためのスキンが挙げられる。シートの厚さは、0.1mm〜2mmの範囲であり得る。
【0019】
(スラッシ成形プロセスにおいて使用される本発明の組成物)
本発明の組成物は、(スラッシ成形において使用される前に)ブレンドプロセスにおいて早期に組成物が著しく反応/架橋しないことを確実にする条件下で製造された、酸性コポリマーと、架橋性コポリマーと、好ましくは架橋促進剤との融解ブレンドを含む。好ましくは、組成物は、約60℃〜150℃、好ましくは90℃〜120℃の間で維持される温度範囲で製造される。高められた温度での時間は、好ましくは制御される、もう1つの変数である。好ましい時間は、架橋剤に依存する。好ましい架橋剤のために、温度範囲の時間は、10秒〜1時間の間であり、好ましくは1分〜30分の間である。
【0020】
これらの熱可塑性合金組成物は、一般的に、高剪断条件下で、例えば、押出機中で、ポリマー成分を融解ブレンドすることによって調製される。様々な成分を、最初に、例えばペレットブレンドで互いに組み合わせても、または様々な成分の同時または別々の計量によって、それらを互いに組み合わせてもよい。また1つまたは複数の経路で、混合装置の別々のセクション中へ、それらをブレンドしてもよい。
【0021】
本方法によって製造される組成物は、
(a)少なくとも50重量%のエチレンと、1重量%〜35重量%の(酸含有)不飽和カルボン酸と、0重量%〜49重量%の、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ビニルエーテル、アルキレン、一酸化炭素および二酸化イオウの少なくとも1つから選択される部分とを含む酸性コポリマーであって、さらに酸基が金属イオンによって任意に部分的に中和されている酸性コポリマーを5重量%〜95重量%と、
(b)少なくとも50重量%のエチレンと、0.5重量%〜25重量%の、
(i)炭素原子数4〜11の不飽和エポキシド、
(ii)炭素原子数2〜11の不飽和イソシアネート、
(iii)アルキル基が炭素原子数1〜12であるアルコキシまたはアルキルシラン、
(iv)ハロゲン化アルキル、および
(v)オキサゾリン
よりなる群から選択される少なくとも1つの反応性部分と、0重量%〜49重量%の、アルキルおよびエーテル基が炭素原子数1〜12である、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ビニルエーテル、アルキレン、一酸化炭素および二酸化イオウの少なくとも1つから選択される部分とを含む架橋性コポリマーを95重量%〜5重量%と、好ましくは、
(c)架橋促進剤と、そしてより好ましくは、架橋促進剤に加えて、
(d)離型剤と、
を含む。
【0022】
好ましくは、本発明による組成物は、
a)エチレンと、5重量%〜25重量%のカルボン酸と、アルキルアクリレートとの酸性コポリマーまたはターポリマーであって、金属イオンによって任意に部分的に中和されている酸性コポリマーまたはターポリマーを10重量%〜90重量%と、
b)エチレンと、1重量%〜15重量%のグリシジルメタクリレートと、任意にアルキルアクリレートとの架橋性コポリマーまたはターポリマーを90重量%〜10重量%と、
c)架橋促進剤と、
を含む。
【0023】
本発明によるさらなる好ましい実施形態において、組成物は、
a)エチレンと、5重量%〜20重量%のアクリル酸またはメタクリル酸と、アルキルアクリレートとの酸性コポリマーまたはターポリマーであって、金属イオンによって任意に部分的に中和されている酸性コポリマーまたはターポリマーを30重量%〜70重量%と、
b)エチレンと、1重量%〜15重量%のグリシジルメタクリレートと、任意に1重量%〜10重量%のブチルアクリレートとの架橋性コポリマーまたはターポリマーを70重量%〜30重量%と、
c)架橋促進剤と、
を含む。
【0024】
本発明による1つの好ましい実施形態において、組成物は、
(a)エチレンと、アルファ、ベータ−不飽和C〜Cカルボン酸と、任意の1つまたは複数の、エチレンと共重合可能である軟化コモノマーとの酸性コポリマーであって、周期表の第Ia族、第Ib族、第IIa族、第IIIa族、第IVa族、第VIb族および第VIII族から選択される金属イオンによって少なくとも部分的に任意に中和され得る酸性コポリマーを約10重量%〜約90重量%、より好ましくは約30重量%〜約60重量%と、
(b)エチレンと、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートと、任意のアルファ−オレフィンまたはアクリレートから選択されるターモノマーとの架橋性コポリマーを90重量%〜10重量%と、
(c)第三級アミンまたはハロゲン化アルキルのような架橋促進剤と、
を含む。
【0025】
任意に、上記組成物のいずれも、成分a)、b)およびc)に加えて、組成物が金属表面へと付着することを防ぐことを補助する離型剤を好ましく含有する。また任意に、上記組成物のいずれも、顔料、UV安定剤、およびスラッシ成形組成物において典型的に使用される他の添加剤を含有し得る。
【0026】
本発明のスラッシ成形粉末は、好ましくは、50マイクロメートルと500マイクロメートルとの間の粒径まで組成物を粉砕することによって、好ましくは低温粉砕によって、本発明の生成組成物から製造される。あるいは、米国特許公報(特許文献9)に記載の水性分散プロセスの手段によって、組成物を加工することができる。
【0027】
以下に、より詳細に、本発明の組成物に利用される成分を記載する。
(a)酸性コポリマー)
好ましくは、酸性コポリマー(a)は、3〜8の炭素原子を有する1つまたは複数のα,β−エチレン系不飽和カルボン酸と共重合される、式R−CH=CH(式中、Rは、水素基または1〜8の炭素原子を有するアルキル基である)の1つまたは複数のα−オレフィンから選択される。前記コポリマーは、α−オレフィンと不飽和カルボン酸との直接コポリマーであり、ここで、カルボン酸基が全分子上でランダムに分散しており、そしてα−オレフィン−酸コポリマーを基準として、コポリマーのα−オレフィン含有量は少なくとも50モル%である。α−オレフィン−酸コポリマーを基準として、コポリマーの不飽和カルボン酸含有量は、好ましくは0.2モル%〜25モル%であり、いずれかの他のモノマー成分も前記コポリマー中で任意に共重合される。
【0028】
適切なα−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、3−メチルブテン−1、および4−メチルペンテン−1等が挙げられる。好ましいα−オレフィンは、エチレンである。コポリマー中のα−オレフィンの濃度は、好ましくは80モル%より高い。α,β−エチレン系不飽和カルボン酸の例は、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、マレイン酸水素メチル、フマル酸水素メチル、フマル酸水素エチルのような前記ジカルボン酸のモノエステル、および無水マレイン酸である。無水マレイン酸は、カルボキシル基に結合した水素を有さず、カルボン酸ではないが、その化学反応性が酸のものであるため、本発明の目的のために、酸であると考えることができる。同様に、他のα,β−モノエチレン系不飽和無水カルボン酸を利用することができる。好ましい不飽和カルボン酸は、メタクリル酸またはアクリル酸である。コポリマー中の酸性モノマーの濃度は、好ましくは1モル%〜10モル%である。
【0029】
コポリマーベースの炭化水素の性質を提供するために、1より多いα−オレフィンを利用することができる。本発明における使用のために適切なベースコポリマーの範囲は、次の二成分の例によって説明される:エチレン/アクリル酸コポリマー、エチレン/メタクリル酸コポリマー、エチレン/イタコン酸コポリマー、エチレン/マレイン酸水素メチルコポリマー、およびエチレン/マレイン酸コポリマー等。三成分コポリマーの例としては、エチレン/アクリル酸/メチルメタクリレートコポリマー、エチレン/メタクリル酸/エチルアクリレートコポリマー、エチレン/イタコン酸/メチルメタクリレートコポリマー、エチレン/マレイン酸水素メチル/エチルアクリレートコポリマー、エチレン、メタクリル酸/酢酸ビニルコポリマー、エチレン/アクリル酸/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/プロピレン/アクリル酸コポリマー、エチレン/スチレン/アクリル酸コポリマー、エチレン/メタクリル酸/アクリロニトリルコポリマー、エチレン/フマル酸/ビニルメチルエーテルコポリマー、エチレン/塩化ビニル/アクリル酸コポリマー、エチレン/塩化ビニリデン/アクリル酸コポリマー、エチレン/フッ化ビニル/メタクリル酸コポリマー、およびエチレン/クロロトリフルオロエチレン/メタクリル酸コポリマーが挙げられる。
【0030】
上記コポリマーの第3のモノマー成分に加えて、追加的な第3のモノマー成分は、アルキル基が4〜18の炭素原子を有する、炭素原子数3〜8のα,β−エチレン系不飽和カルボン酸のアルキルエステルであり得る。特に好ましくは、エチレン、メタクリル酸、およびメタクリル酸またはアクリル酸とブタノールとのアルキルエステルの共重合から得られるターポリマーである。この任意の成分の濃度は、コポリマーの重量を基準として、0.2モル%〜25モル%、好ましくは1モル%〜10モル%である。第3の成分の代表例としては、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、第二級ブチルアクリレート、第三級ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、第二級ブチルメタクリレート、第三級ブチルメタクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ペンチルメタクリレート、イソペンチルアクリレート、イソペンチルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチル−ヘキシルアクリレート、2−エチル−ヘキシルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、n−ブチルエタクリレート、2−エチル−ヘキシルエタクリレートが挙げられる。また、第3の成分としては、マレイン酸水素n−ブチル、マレイン酸水素第二級ブチル、マレイン酸水素イソブチル、マレイン酸水素第三級ブチル、マレイン酸水素2−エチルヘキシル、マレイン酸水素ステアリル、フマル酸水素n−ブチル、フマル酸水素第二級ブチル、フマル酸水素イソブチル、フマル酸水素第三級ブチル、フマル酸水素2−エチルヘキシル、フマル酸水素ステアリル、フマル酸n−ブチル、フマル酸第二級ブチル、フマル酸イソブチル、フマル酸第三級ブチル、フマル酸2−エチルヘキシル、フマル酸ステアリル、マレイン酸n−ブチル、マレイン酸第二級ブチル、マレイン酸イソブチル、マレイン酸第三級ブチル、マレイン酸2−エチルヘキシル、マレイン酸ステアリルのような、炭素原子数4〜8のジカルボン酸のモノエステルおよびジエステルが挙げられる。好ましいアルキルエステルは、炭素原子数4〜8のアルキル基を含有する。最も好ましくは、4個の炭素原子を含有する。最も好ましいエステルの代表例は、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、第三級ブチルアクリレート、第三級ブチルメタクリレートである。
【0031】
架橋を妨害しないポリマー変性をもたらすために、様々な反応によって、重合後であるが(所望による)イオン架橋の前のコポリマーをさらに変性することができる。オレフィン酸コポリマーのハロゲン化は、かかるポリマー変性の例である。好ましいベースコポリマーは、エチレンとモノカルボン酸コモノマーとの直接共重合によって得られるものである。ポリマーのメルトインデックスは、一般的に、0.1g/10分〜3000g/10分、好ましくは10g/10分〜2000g/10分の範囲である。
【0032】
コポリマーを任意に、ナトリウム、カリウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、ニッケルおよびクロムのような、周期表の第Ia族、第Ib族、第IIa族、第IIIa族、第IVa族、第VIb族および第VIII族から選択される金属イオンによって10%〜70%中和することができる。好ましくは、コポリマーは、ナトリウム、カリウム、亜鉛、カルシウムおよびマグネシウムよりなる群から選択される金属イオンによる中和によってイオン化されたカルボン酸基を約35%〜約70%有する。
【0033】
(架橋性コポリマーb))
ベース樹脂(酸性コポリマー)の酸基に関して、約1:0.05〜1:1.5の化学量論的範囲で、典型的な架橋性コポリマーが利用される。好ましくは、範囲は、1:0.1〜1:1の間である。架橋前のベース樹脂の酸の範囲は、適切に、エチレンの重量の約1%と30%との間である。好ましくは、範囲は、4%〜20%である。架橋前のベース樹脂のヒドロキシ官能性の範囲は、適切に、エチレンの重量の約0%と30%との間である。好ましくは、範囲は、2%〜10%である。
【0034】
好ましくは、ETP−TPOの架橋性コポリマー成分は、エチレン/グリシジルアクリレート、またはエチレン/グリシジルメタクリレートコポリマーである。
【0035】
任意に、かつ好ましくは、しかし排他的ではなく、エチレン/グリシジルアクリレートまたはエチレン/グリシジルメタクリレートコポリマーは、1〜6の炭素原子を有するアルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートと、1〜8の炭素原子を有するアルファ−オレフィンとの共重合単位を含有する。エチレン/グリシジルアクリレートまたはエチレン/グリシジルメタクリレートコポリマーは、60重量%〜88重量%のエチレンと、1重量%〜12重量%のグリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートとを含有する。コポリマー中に使用されるアルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレートの代表例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、およびヘキシルメタクリレートが挙げられる。エチルアクリレートが好ましく、そしてn−ブチルアクリレートが特に好ましい。プロピレン、オクテン、ブテンおよびヘキセンの群からアルファ−オレフィンを選択することができ、プロピレンが好ましい。
【0036】
好ましくは、炭素原子数1〜6のアルキルアクリレートと、炭素原子数1〜8のアルファ−オレフィンとを含有する、エチレン/グリシジル(メタ)アクリレートを、直接重合によって、例えば、フリーラジカル重合開始剤の存在下で、高められた温度、一般的に100℃〜270℃、通常、130℃〜230℃で、高められた圧力、すなわち140MPa〜350MPaで、エチレンと、アルキルアクリレートと、グリシジルメタクリレートまたはグリシジルアクリレートとを共重合することによって、調製することができる。本発明で使用される最も好ましいエチレン/グリシジル(メタ)アクリレートコポリマーは、エチレンと、エチルアクリレートと、グリシジルメタクリレートとのコポリマー、特に、エチレンと、n−ブチルアクリレートと、グリシジルメタクリレートとのコポリマーである。
【0037】
コポリマーは、10〜2000のメルトフローインデックス(190℃/2.16kg)を有するべきである。
【0038】
(架橋促進剤c))
好ましくは、本発明の組成物は、第三級アミンまたはハロゲン化アルキル、あるいは部分的に中和されたリン酸エステルのような架橋促進剤の十分な量を含む。特に好ましくは、バンフリー(Vanfree)(登録商標)VAMの商品名で、バンダービルト(Vanderbuilt)によって販売される促進剤である。当業者は、十分である促進剤の量を決定することができるだろう。好ましくは、促進剤のレベルは、ブレンド組成物の合理的な長期貯蔵寿命を可能にするために十分低くありながら、高められた温度での商業的に合理的な架橋速度を可能にするために十分高い。好ましくは、促進剤は、成分a)およびb)の重量を基準として、約1重量%未満の量で、より好ましくは約0.1重量%〜約0.6重量%の量で、そして最も好ましくは約0.2重量%〜約0.5重量%の量で、存在するべきである。
【0039】
(離型剤d))
本発明の組成物は、促進剤に加えて、金属型への付着を低下させるための、十分な量の少なくとも1つの離型剤を任意に含み得る。好ましくは、離型剤は、存在する場合、成分(a)および(b)の重量を基準として、約1重量%〜約12重量%の総量で含まれるべきである。より好ましくは、離型剤は、存在する場合、使用される具体的な離型剤に依存して、約1.0重量%〜約10重量%の量で、最も好ましくは約2.0重量%〜約5.0重量%の量で、含まれるべきである。かかる離型剤の例は、カオ ケミカルズ(KAO chemicals)によって供給されるポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート(HLB15.6)、あるいはMB50−002でダウ−コーニング(Dow−Corning)によって、または商品名BY27−002でトーレ−ダウ コーニング(Toray−Dow Corning)によって供給される架橋シリコーンガムであることが見出されている。
【0040】
一実施形態において、本発明は、促進剤に加えて内部離型剤を含まない。内部離型剤を含まない場合、外部離型剤を利用することができる。好ましい外部離型剤は、市販のテフロン(Teflon)(登録商標)コーティング材料、あるいは商品名トラシス(Trasys)(登録商標)825で本願特許出願人によって販売されるもののようなシリコーンまたはシロキサンコーティングであり得る。
【0041】
特に驚くべき実施形態において、架橋促進剤として部分的に中和されたリン酸エステルが含まれる場合、追加の内部離型剤も外部離型剤も必要とされない。両機能を提供するために十分なリン酸エステルが存在するように、十分な促進剤が含まれるべきである。
【0042】
(他の添加剤)
組成物は、充填剤、紫外線光(UV)または熱安定剤、酸化防止剤、フリーラジカルスカベンジャー、均染剤、抗ポッピング剤および顔料のような、特性を増強または変性するために有用であり得る、いずれかの添加剤をさらに含んでもよい。
【0043】
組成物中に組み入れることができる添加剤に関して、次の指針が提供され、これは当業者に容易に認識されるだろう。シンナメートまたはホスファイトをベースとする酸化防止剤のような酸化防止剤を、一般的に0重量%〜5重量%との間のレベルで利用することができる。標準的な紫外線光吸収剤およびフリーラジカルスカベンジャーを0%〜3%の間のレベルで、均染剤を0%〜2%で、そして抗ポッピング剤を0%〜5%で利用することができる。
【0044】
特に顔料に関して、組成物は、コーティング組成物のフィルム形成成分の重量を基準として、50重量%までの顔料を含有し得る。いずれの有機顔料および無機顔料を使用することもでき、これらとしては、フタロシアニンブルー、カーボンブラック、二酸化チタン、酸化亜鉛および酸化鉄のような金属酸化物、金属粉末、金属水酸化物、ならびにマイカフレークが挙げられる。
【0045】
(本発明の他の態様)
本発明はさらに、本明細書に記載の組成物から調製されたスラッシ成形粉末に関する。加えて、本発明は、本発明のスラッシ成形プロセスによって製造された成形物品に関する。
【実施例】
【0046】
次の実施例の全ての部は、重量を基準とする。
【0047】
試料を調製するために、上記成分を、安定剤および添加剤と一緒に乾燥ブレンドし、その後、ダイの出口で100℃未満の融解温度を導く温度プロフィールが確定されている24mm二軸スクリュー押出機において押出する。配合前の樹脂の早期架橋を防止することができため、これは必要とされる。また、使用される押出機のストランド切断の間に、より高められた温度差に遭遇する。
【0048】
添加剤マスターバッチの選択は、前記温度制限を考慮に入れなければならない。従って、100℃未満の融解温度および非常に十分なメルトフローインデックス(MFI)を有する低分子量ワックスを本プロセスにおいて好ましく使用する。本発明に関して、特に、商品名エプレン(Epulene)およびシコベルサル(Sicoversal)でBASFによって販売されて得られるカラーマスターバッチが適切である。
【0049】
配合後、約300マイクロメートルの粒径を得るために低温粉砕機において樹脂を粉砕し、そしてこれを、200℃と240℃との間の温度まで加熱された型中に添加する。約3〜4分後、型を30℃と60℃との間の温度まで冷却し、そしてさらなる試験のために成形シートを型から取り外す。
【0050】
(試験)
以下の試験を実行する。
フロー:MFI(ASTM D1238による)
表面の外観
【0051】
室温でトルエンに不溶性であるポリマー重量の計量によって、架橋密度を測定する(高=80%〜100%、中=20%〜40%)
【0052】
DIN 53517による120℃での圧縮永久歪試験における永久歪の計量によって、耐温度性を判定する。
【0053】
(実施例)
実施例1:38重量%の成分1−1および62重量%の成分2−2
実施例2:31.6重量%の成分1−1および68.4重量%の成分2−2
実施例3:45重量%の成分1−1および55重量%の成分2−2
比較例:20重量%の成分3
44重量%の成分4
2重量%の成分2−1
34重量%の成分1−3
【0054】
(成分)
成分1−1
ASTM D1238による190℃/2.16kgにおける1000のメルトフローインデックス(MFI)を有する、エチレンと、12重量%のメタクリル酸とのコポリマー
成分1−2
190℃/2.16kgにおける100のメルトフローインデックスを有する、エチレンと、12重量%のメタクリル酸とのコポリマー
成分1−3
190℃/2.16kgにおける7のメルトフローインデックスを有する、エチレンと、12重量%のメタクリル酸とのコポリマー
成分2−1
190℃/2.16kgにおける25のMFIを有する、エチレンと、1.6重量%のグリシジルメタクリレートとのコポリマー
成分2−2
190℃/2.16kgにおける1000のMFIを有する、エチレンと、10重量%のグリシジルメタクリレートとのコポリマー
成分2−3
190℃/2.16kgにおける600のMFIを有する、エチレンと、4重量%のn−ブチルアクリレートと、10重量%のグリシジルメタクリレートとのターポリマー
成分3
モンテル(Montell)から得られる、230℃/2.16kgにおける8のMFIを有するポリプロピレンホモポリマー(モプレン(Moplen)C30S)
成分4
デュポン ダウ(DuPont Dow)から得られる、ノルデル(Nordel)(登録商標)3681(市販のエチレンプロピレン1−4ヘキサジエンターポリマー)
【0055】
【表1】

【0056】
実施例1、2および3においては、前記熱処理を受けた時に、良好に平坦な連続ポリマーフィルムが得られるが、それに対して、比較例は、乏しいフロー特性を有する粉末を示し、ここでは低MFIのため、加熱された時に平坦なフィルムが得られない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の温度まで加熱された型に粉末を添加して、部分的または完全に融解された粉末の層を型上に得る工程と、融解を完了するために型を加熱する工程と、適切な冷却手段によって型を冷却してフィルムを形成する工程と、型からフィルムを取り外す工程とを有するスラッシ成形法であって、
a)型に添加される前記粉末が、
i)少なくとも50重量%のエチレンと、1重量%〜35重量%の不飽和カルボン酸と、0重量%〜49重量%の、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ビニルエーテル、アルキレン、一酸化炭素および二酸化イオウの少なくとも1つから選択される部分とを含む酸性コポリマーを5重量%〜95重量%と、
ii)少なくとも50重量%のエチレンと、0.5重量%〜25重量%の、
(i)炭素原子数4〜11の不飽和エポキシド、
(ii)炭素原子数2〜11の不飽和イソシアネート、
(iii)アルキル基が炭素原子数1〜12であるアルコキシまたはアルキルシラン、
(iv)ハロゲン化アルキル、および
(v)オキサゾリン
よりなる群から選択される少なくとも1つの反応性部分と、0重量%〜49重量%の、アルキルおよびエーテル基が炭素原子数1〜12である、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ビニルエーテル、アルキレン、一酸化炭素および二酸化イオウの少なくとも1つから選択される部分とを含む架橋性コポリマーを95重量%〜5重量%と、
iii)架橋促進剤と
を含み、実質的な架橋が生じる温度より低い温度で成分をしばらくブレンドすることによって、前記粉末が製造されること、ならびに
b)十分な温度で融解を完了するために型を加熱し、そして融解されたフィルムを原位置で架橋させるのに十分な時間、型を保持すること
を特徴とする方法。
【請求項2】
型に添加される粉末の前記酸性コポリマー成分i)が、金属イオンによって部分的に中和されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記型に添加される前記粉末が、
a)エチレンと、5重量%〜25重量%のカルボン酸と、アルキルアクリレートとの酸性コポリマーまたはターポリマーを10重量%〜90重量%と、
b)エチレンと、1重量%〜15重量%のグリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートとの架橋性コポリマーまたはターポリマーを90重量%〜10重量%と、
c)成分(a)および(b)の重量を基準として約1.0重量%未満の架橋促進剤と
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記型に添加される前記粉末の前記酸性コポリマーまたはターポリマーが、金属イオンによって部分的に中和されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記架橋性コポリマーまたはターポリマーが、エチレン、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレート、およびアルキルアクリレートからなるものであることを特徴とする請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記型に添加される前記粉末が、
a)エチレンと、5重量%〜20重量%のアクリル酸またはメタクリル酸と、アルキルアクリレートとの酸性コポリマーまたはターポリマーを30重量%〜70重量%と、
b)エチレンと、1重量%〜15重量%のグリシジルメタクリレートとの架橋性コポリマーまたはターポリマーを70重量%〜30重量%と、
c)成分(a)および(b)の重量を基準として約0.1重量%〜約0.6重量%の部分的に中和されたリン酸エステル架橋促進剤と
を含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記型に添加される前記粉末の前記酸性コポリマーまたはターポリマーが、金属イオンによって部分的に中和されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記架橋性コポリマーまたはターポリマーが、エチレン、1重量%〜15重量%のグリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレート、および1重量%〜10重量%のブチルアクリレートからなるものであることを特徴とする請求項3または4に記載の方法。
【請求項9】
前記型に添加される前記粉末が、十分な量の離型剤をさらに含有することを特徴とする請求項1、3または6に記載の方法。
【請求項10】
前記離型剤が、前記酸性コポリマーおよび前記架橋性コポリマーの重量を基準として、約1重量%〜約12重量%の量で存在することを特徴とする請求項9に記載の方法。

【公表番号】特表2006−504559(P2006−504559A)
【公表日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−550145(P2004−550145)
【出願日】平成15年10月24日(2003.10.24)
【国際出願番号】PCT/US2003/034111
【国際公開番号】WO2004/041500
【国際公開日】平成16年5月21日(2004.5.21)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】