説明

ズームレンズ系

【課題】レンズ全長が短く軽量であり、低コストで製造が容易であり、球面収差を良好に補正したズームレンズ系を得る。
【解決手段】物体側から順に、正の屈折力を持つ第1レンズ群、負の屈折力を持つ第2レンズ群、正の屈折力を持つ第3レンズ群、及び第4レンズ群からなるズームレンズ系において、第3レンズ群は、物体側から順に、正単レンズ、全体として負の屈折力を持つ物体側から順に位置する正レンズと負レンズの接合レンズ、及び正単レンズからなり、次の条件式(1)(2)を満足する。(1)−0.5<G3Fmw<−0.15(2)0.35<(R2+R1)/(R2−R1)<0.65但し、G3Fmw:短焦点距離端における無限遠合焦時の第3レンズ群中の物体側の正単レンズの横倍率、R2:第3レンズ群中の物体側の正単レンズの像側の面の曲率半径、R1:第3レンズ群中の物体側の正単レンズの物体側の面の曲率半径。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば写真用カメラ、電子スチルカメラ、ビデオカメラなどの光学機器に搭載するズームレンズ系に関する。
【背景技術】
【0002】
写真用カメラ、電子スチルカメラ、ビデオカメラのような製品分野では近年、ズームレンズ系が使用されることが一般化している。また従来にも増して高性能、高変倍、コンパクト性を市場から要求されることが多い。
【0003】
ズームレンズ系の形式には倍率や用途によって様々なパワー配置を持つものが存在するが、Fナンバーを明るくして高性能化を狙ったタイプとして、物体側から順に、正の屈折力を持つ第1レンズ群、負の屈折力を持つ第2レンズ群、正の屈折力を持つ第3レンズ群、及び正の屈折力を持つ第4レンズ群からなる4群ズームレンズ系が知られている。
【0004】
このタイプのズームレンズ系では、Fナンバーを明るくすることに伴う球面収差などの諸収差への対策として、マスターレンズ群である第3レンズ群のレンズ枚数を増やし、また第3レンズ群中に非球面レンズを多用することがある。
例えば特許文献1では、第3レンズ群を、物体側から順に、正レンズ、物体側から順に位置する正レンズと負レンズの接合レンズ、及び物体側から順に位置する負レンズと正レンズの接合レンズで構成し、最も物体側の正レンズと最も像側の正レンズを非球面レンズとしている。
【0005】
しかし特許文献1のズームレンズ系は、第3レンズ群のレンズ枚数が5枚と多いため、レンズ全系の重量が大きくなりレンズ全長も長くなってコンパクト性が阻害される。また2枚の非球面レンズを用いているため、製造コストと製造難易度がともに高い。
【0006】
そして特許文献1のズームレンズ系は、第3レンズ群中の最も物体側の正レンズの横倍率(結像倍率)と形状(シェーピングファクター)の設定が不適切である。このため、第3レンズ群における球面収差の補正が最も物体側の正レンズで完結せず、第3レンズ群内の後続レンズ(最も物体側の正レンズ以降のレンズ)にかかる球面収差の補正の負担が大きくなって光学性能が劣化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−217478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、以上の問題意識に基づいて完成されたものであり、レンズ全長が短く軽量であり、低コストで製造が容易であり、球面収差を良好に補正して優れた光学性能を達成できるズームレンズ系を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のズームレンズ系は、物体側から順に、正の屈折力を持つ第1レンズ群、負の屈折力を持つ第2レンズ群、正の屈折力を持つ第3レンズ群、及び第4レンズ群からなるズームレンズ系において、第3レンズ群は、物体側から順に、正単レンズ、全体として負の屈折力を持つ物体側から順に位置する正レンズと負レンズの接合レンズ、及び正単レンズからなること、及び次の条件式(1)及び(2)を満足することを特徴としている。
(1)−0.5<G3Fmw<−0.15
(2)0.35<(R2+R1)/(R2−R1)<0.65
但し、
G3Fmw:短焦点距離端における無限遠合焦時の第3レンズ群中の物体側の正単レンズの横倍率(結像倍率)、
R2:第3レンズ群中の物体側の正単レンズの像側の面の曲率半径[mm]、
R1:第3レンズ群中の物体側の正単レンズの物体側の面の曲率半径[mm]、
である。
【0010】
本発明のズームレンズ系は、第4レンズ群が正の屈折力と負の屈折力のいずれを持っていてもよい。
【0011】
本発明のズームレンズ系は、次の条件式(3)を満足することが好ましい。
(3)−1.5<G3Fmt<−0.4
但し、
G3Fmt:長焦点距離端における無限遠合焦時の第3レンズ群中の物体側の正単レンズの横倍率(結像倍率)、
である。
【0012】
本発明のズームレンズ系は、次の条件式(4)を満足することが好ましい。
(4)−0.25<φ/(n2−n1)<−0.05
但し、
φ:第3レンズ群中の接合レンズの合成パワー、
n2:第3レンズ群中の接合レンズの負レンズのd線に対する屈折率、
n1:第3レンズ群中の接合レンズの正レンズのd線に対する屈折率、
である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、レンズ全長が短く軽量であり、低コストで製造が容易であり、球面収差を良好に補正して優れた光学性能を達成できるズームレンズ系が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明によるズームレンズ系の数値実施例1の長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。
【図2】図1の構成における諸収差図である。
【図3】同数値実施例1の短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。
【図4】図3の構成における諸収差図である。
【図5】本発明によるズームレンズ系の数値実施例2の長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。
【図6】図5の構成における諸収差図である。
【図7】同数値実施例2の短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。
【図8】図7の構成における諸収差図である。
【図9】本発明によるズームレンズ系の数値実施例3の長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。
【図10】図9の構成における諸収差図である。
【図11】同数値実施例3の短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。
【図12】図11の構成における諸収差図である。
【図13】本発明によるズームレンズ系の数値実施例4の長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。
【図14】図13の構成における諸収差図である。
【図15】同数値実施例4の短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。
【図16】図15の構成における諸収差図である。
【図17】本発明によるズームレンズ系の数値実施例5の長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。
【図18】図17の構成における諸収差図である。
【図19】同数値実施例5の短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図である。
【図20】図19の構成における諸収差図である。
【図21】本発明によるズームレンズ系のズーム軌跡を示す簡易移動図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本実施形態のズームレンズ系は、全数値実施例1−5を通じて、図21の簡易移動図に示すように、物体側から順に、正の屈折力を持つ第1レンズ群G1、負の屈折力を持つ第2レンズ群G2、正の屈折力を持つ第3レンズ群G3、及び正の屈折力を持つ第4レンズ群G4からなる。第4レンズ群G4は必ずしも正の屈折力を持つ必要はなく、負の屈折力を持っていてもよい。第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間に位置する絞りSは、第3レンズ群G3と一体に移動する。フォーカシングは、第4レンズ群G4を光軸方向に移動させる(例えば物体側に繰り出す)ことにより行う。Iは像面である。
【0016】
本実施形態のズームレンズ系は、短焦点距離端(Wide)から長焦点距離端(Tele)への変倍(ズーミング)に際し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2のレンズ群間隔が増大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3のレンズ群間隔が減少し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4のレンズ群間隔が増大するように(あるいは第3レンズ群G3と第4レンズ群G4のレンズ群間隔がほぼ一定となるように)、第1レンズ群G1ないし第4レンズ群G4の全てのレンズ群が光軸方向に移動する。
【0017】
より具体的には、第1レンズ群G1は、短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際し、数値実施例1−4では単調に物体側に移動し、数値実施例5では一旦像側に移動してから短焦点距離端の位置を超えずに物体側に戻る(結果として像側に移動する)。第2レンズ群G2は、短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際し、全数値実施例1−5を通じて単調に像側に移動する。第3レンズ群G3は、短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際し、全数値実施例1−5を通じて単調に物体側に移動する。第4レンズ群G4は、短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際し、数値実施例1−3、5では単調に物体側に移動し、数値実施例4では一旦像側に移動してから短焦点距離端の位置を超えて物体側に戻る(結果として物体側に移動する)。
【0018】
第1レンズ群G1は、全数値実施例1−5を通じて、物体側から順に位置する負レンズ11と正レンズ12の接合レンズからなる。
【0019】
第2レンズ群G2は、数値実施例1−3、5では、物体側から順に、負レンズ21、及び物体側から順に位置する負レンズ22と正レンズ23の接合レンズからなる。
第2レンズ群G2は、数値実施例4では、物体側から順に、負レンズ24、負レンズ25、正レンズ26、及び負レンズ27からなる。
【0020】
第3レンズ群G3は、全数値実施例1−5を通じて、物体側から順に、正レンズ(正単レンズ)31、全体として負の屈折力を持つ物体側から順に位置する正レンズ32と負レンズ33の接合レンズ、及び正レンズ(正単レンズ)34からなる。正レンズ31はその両面が非球面である。
【0021】
第4レンズ群G4は、数値実施例1では、物体側から順に位置する正レンズ41と負レンズ42の接合レンズからなる。
第4レンズ群G4は、数値実施例2−5では、正レンズ(正単レンズ)43からなる。この正レンズ43はその両面が非球面である。
【0022】
本実施形態のような正負正正(あるいは正負正負)の4群ズームレンズ系において優れた光学性能を達成するためには、第3レンズ群において球面収差などの諸収差を良好に補正することが要求される。この要求に応えるためには、例えば、第3レンズ群のレンズ枚数を増やし、第3レンズ群中に非球面レンズを多用することが考えられる。しかし、第3レンズ群のレンズ枚数を増やすと、レンズ全系の重量が大きくなりレンズ全長も長くなってコンパクト性が阻害される。また非球面レンズを多用すると、製造コストと製造難易度がともに高くなる。
【0023】
そこで本実施形態では、第3レンズ群G3を、物体側から順に、正単レンズ31、物体側から順に位置する正レンズ32と負レンズ33の接合レンズ、及び正単レンズ34で構成し、物体側の正単レンズ31の横倍率(結像倍率)と形状(シェーピングファクター)を適切に設定している。これにより、第3レンズ群G3における球面収差の補正を物体側の正レンズ31で完結させることができ、第3レンズ群G3内の後続レンズ(レンズ32、33、34)にかかる球面収差の補正の負担を小さくして優れた光学性能を得ることができる。また本実施形態のズームレンズ系は、レンズ全長が短く軽量であり、低コストで製造が容易である。
【0024】
条件式(1)は、短焦点距離端における無限遠合焦時の第3レンズ群G3中の物体側の正単レンズ31の横倍率を規定している。条件式(1)を満足することで、球面収差の発生を抑えて優れた光学性能を得るとともに、軸外性能とのバランスを良好にすることができる。
条件式(1)の上限を超えると、アンダー方向の球面収差が増加して光学性能が劣化する。また軸外性能とのバランスが崩れる。
条件式(1)の下限を超えると、オーバー方向の球面収差が増加して光学性能が劣化する。また軸外性能とのバランスが崩れる。
【0025】
条件式(2)は、第3レンズ群G3中の物体側の正単レンズ31のシェーピングファクターを規定している。第3レンズ群G3の最も物体側には軸上光束が最も太い状態で入射するため、正単レンズ31のシェーピングファクターを適切に設定することで、球面収差の発生を抑えて優れた光学性能を得るとともに、軸外性能とのバランスを良好にすることができる。
条件式(2)の上限を超えると、球面収差の発生量は減少するが、後続するレンズ系(第3レンズ群中のレンズ32、33、34)との球面収差バランスがオーバー側に増加して光学性能が劣化する。また軸外性能とのバランスが崩れる。
条件式(2)の下限を超えると、アンダー方向の球面収差が増加して光学性能が劣化する。また軸外性能とのバランスが崩れる。
【0026】
条件式(3)は、長焦点距離端における無限遠合焦時の第3レンズ群G3中の物体側の正単レンズ31の横倍率を規定している。条件式(3)を満足することで、球面収差の発生を抑えて優れた光学性能を得るとともに、軸外性能とのバランスを良好にすることができる。
条件式(3)の上限を超えると、アンダー方向の球面収差が増加して光学性能が劣化する。また軸外性能とのバランスが崩れる。
条件式(3)の下限を超えると、オーバー方向の球面収差が増加して光学性能が劣化する。また軸外性能とのバランスが崩れる。
【0027】
条件式(4)は、第3レンズ群G3中の接合レンズの合成パワーと、この接合レンズの正レンズ32と負レンズ33のd線に対する屈折率の差との比を規定している。条件式(4)を満足することで、第3レンズ群G3中の接合レンズの合成パワーによる接合面での球面収差を適切に補正して、優れた光学性能を得ることができる。
条件式(4)の上限を超えると、第3レンズ群G3中の接合レンズの合成パワーによる接合面での球面収差が補正不足となって光学性能が劣化する。またペッツバール和が負の方向に大きく減少するため像面湾曲が増加し、同様に光学性能が劣化する。ちなみに、上述した特許文献1では、第3レンズ群中の接合レンズを構成するレンズのd線に対する屈折率の値が近いため条件式(4)の上限を超えており、接合レンズの接合面により球面収差などの諸収差を効率的に補正することができない。
条件式(4)の下限を超えると、第3レンズ群G3中の接合レンズの合成パワーによる接合面での球面収差が過剰補正となって光学性能が劣化する。
【実施例】
【0028】
次に具体的な数値実施例を示す。諸収差図及び表中において、d線、g線、C線、F線、e線はそれぞれの波長に対する収差、Sはサジタル、Mはメリディオナル、FNO.はFナンバー、fは全系の焦点距離、Wは半画角(゜)、Yは像高、fB はバックフォーカス、Lはレンズ全長、rは曲率半径、dはレンズ厚またはレンズ間隔、N(d)はd線に対する屈折率、νdはd線に対するアッベ数、「E-a」は「×10-a」を示す。Fナンバー、焦点距離、半画角、像高、バックフォーカス、レンズ全長及び変倍に伴って間隔が変化するレンズ間隔dは、短焦点距離端−中間焦点距離−長焦点距離端の順に示している。
回転対称非球面は次式で定義される。
x=cy2/[1+[1-(1+K)c2y2]1/2]+A4y4+A6y6+A8y8 +A10y10+A12y12・・・
(但し、cは曲率(1/r)、yは光軸からの高さ、Kは円錐係数、A4、A6、A8、・・・・・は各次数の非球面係数、xはサグ量)
【0029】
[数値実施例1]
図1〜図4と表1〜表4は、本発明によるズームレンズ系の数値実施例1を示している。図1は長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、図2はその諸収差図であり、図3は短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、図4はその諸収差図である。表1は面データ、表2は各種データ、表3は非球面データ、表4はレンズ群データである。
【0030】
本数値実施例1のズームレンズ系は、物体側から順に、正の屈折力を持つ第1レンズ群G1、負の屈折力を持つ第2レンズ群G2、正の屈折力を持つ第3レンズ群G3、及び正の屈折力の第4レンズ群G4からなる。第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間に位置する絞りSは、第3レンズ群G3と一体に移動する。第4レンズ群G4の後方(像面Iとの間)には、光学フィルタOPが配置されている。
【0031】
第1レンズ群G1は、物体側から順に位置する物体側に凸の負メニスカスレンズ11と物体側に凸の正メニスカスレンズ12の接合レンズからなる。
【0032】
第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸の負メニスカスレンズ21、及び物体側から順に位置する両凹負レンズ22と両凸正レンズ23の接合レンズからなる。
【0033】
第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凸正レンズ(正単レンズ)31、全体として負の屈折力を持つ物体側から順に位置する物体側に凸の正メニスカスレンズ32と物体側に凸の負メニスカスレンズ33の接合レンズ、及び物体側に凸の正メニスカスレンズ(正単レンズ)34からなる。両凸正レンズ31はその両面が非球面である。
【0034】
第4レンズ群G4は、物体側から順に位置する両凸正レンズ41と両凹負レンズ42の接合レンズからなる。
【0035】
(表1)
面データ
面番号 r d N(d) νd
1 43.396 1.000 1.64769 33.8
2 21.648 6.500 1.73000 64.5
3 854.098 d3
4 872.623 1.000 1.74000 46.6
5 8.919 5.405
6 -22.722 1.000 1.58000 46.8
7 11.780 3.000 1.81000 27.8
8 -212.731 d8
9絞 ∞ 0.100
10* 11.284 3.000 1.61881 63.8
11* -29.454 0.619
12 7.829 2.500 1.62000 38.0
13 16.686 1.500 2.01000 19.2
14 5.683 2.397
15 21.054 1.400 1.80420 46.5
16 84.858 d16
17 13.506 2.500 1.58000 59.8
18 -57.803 1.000 1.81000 47.4
19 234.896 d19
20 ∞ 2.000 1.51680 64.2
21 ∞ -
*は回転対称非球面である。
(表2)
各種データ
ズーム比(変倍比) 3.92
短焦点距離端 中間焦点距離 長焦点距離端
FNO. 1.8 2.5 2.7
f 6.18 11.43 24.22
W 41.8 21.5 10.5
Y 4.62 4.62 4.62
fB 0.50 0.50 0.50
L 64.12 64.51 65.94
d3 0.598 10.009 16.315
d8 23.326 12.239 1.919
d16 4.176 5.207 9.866
d19 0.602 1.637 2.421
(表3)
非球面データ(表示していない非球面係数は0.00である)
面番号 K A4 A6 A8
10 -0.084 -0.8275E-04 -0.2109E-06 -0.2226E-07
11 0.000 0.4831E-04 0.1240E-06 -0.2802E-07
(表4)
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 55.85
2 4 -12.06
3 10 13.33
4 17 27.71
【0036】
[数値実施例2]
図5〜図8と表5〜表8は、本発明によるズームレンズ系の数値実施例2を示している。図5は長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、図6はその諸収差図であり、図7は短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、図8はその諸収差図である。表5は面データ、表6は各種データ、表7は非球面データ、表8はレンズ群データである。
【0037】
この数値実施例2のレンズ構成は、以下の点を除き、数値実施例1のレンズ構成と同様である。
(1)第4レンズ群G4が両凸正単レンズ43からなる。この両凸正単レンズ43はその両面が非球面である。
【0038】
(表5)
面データ
面番号 r d N(d) νd
1 46.872 1.000 1.64769 33.8
2 20.841 6.500 1.72916 54.7
3 949.720 d3
4 571.285 1.000 1.72916 54.7
5 8.946 5.284
6 -22.119 1.000 1.59270 35.5
7 11.603 3.000 1.80518 25.5
8 -192.682 d8
9絞 ∞ 0.100
10* 11.167 3.000 1.61881 63.8
11* -30.372 0.462
12 7.776 2.500 1.61800 63.4
13 18.407 1.500 2.00069 25.5
14 5.672 3.010
15 21.649 1.400 1.80420 46.5
16 61.813 d16
17* 14.561 2.500 1.54358 55.7
18* -318.960 d18
19 ∞ 2.000 1.51680 64.2
20 ∞ -
*は回転対称非球面である。
(表6)
各種データ
ズーム比(変倍比) 3.96
短焦点距離端 中間焦点距離 長焦点距離端
FNO. 1.9 2.5 2.7
f 6.23 11.65 24.67
W 41.6 21.4 10.5
Y 4.62 4.62 4.62
fB 0.50 0.50 0.50
L 65.41 65.40 68.93
d3 0.538 10.216 16.964
d8 24.494 12.401 2.558
d16 3.988 4.611 9.856
d18 1.632 3.418 4.801
(表7)
非球面データ(表示していない非球面係数は0.00である)
面番号 K A4 A6 A8 A10
10 -0.089 -0.8159E-04 -0.1912E-06 -0.2336E-07
11 0.000 0.4891E-04 0.8330E-07 -0.2924E-07
17 0.000 -0.2235E-03 -0.6484E-05 0.8419E-07 -0.3262E-10
18 0.000 -0.3264E-03 -0.4659E-05 0.4986E-07 0.4967E-09
(表8)
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 58.88
2 4 -11.90
3 10 13.95
4 17 25.69
【0039】
[数値実施例3]
図9〜図12と表9〜表12は、本発明によるズームレンズ系の数値実施例3を示している。図9は長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、図10はその諸収差図であり、図11は短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、図12はその諸収差図である。表9は面データ、表10は各種データ、表11は非球面データ、表12はレンズ群データである。
【0040】
この数値実施例3のレンズ構成は、数値実施例2のレンズ構成と同様である。
【0041】
(表9)
面データ
面番号 r d N(d) νd
1 45.964 1.000 1.64769 33.8
2 21.568 6.500 1.72916 54.7
3 716.971 d3
4 242.699 1.000 1.72916 54.7
5 8.861 5.358
6 -22.380 1.000 1.59270 35.5
7 11.422 3.000 1.80518 25.5
8 -321.778 d8
9絞 ∞ 0.100
10* 11.026 3.000 1.61881 63.8
11* -32.157 0.307
12 7.745 2.500 1.61800 63.4
13 18.948 1.500 2.00069 25.5
14 5.668 3.108
15 21.673 1.400 1.80420 46.5
16 73.047 d16
17* 15.271 2.500 1.54358 55.7
18* -199.252 d18
19 ∞ 2.000 1.51680 64.2
20 ∞ -
*は回転対称非球面である。
(表10)
各種データ
ズーム比(変倍比) 3.96
短焦点距離端 中間焦点距離 長焦点距離端
FNO. 1.9 2.5 2.7
f 6.20 11.61 24.55
W 41.7 21.5 10.6
Y 4.62 4.62 4.62
fB 0.50 0.50 0.50
L 64.50 65.40 69.17
d3 0.157 10.200 17.081
d8 23.836 12.277 2.518
d16 3.581 4.340 9.393
d18 2.150 3.814 5.400
(表11)
非球面データ(表示していない非球面係数は0.00である)
面番号 K A4 A6 A8 A10
10 -0.068 -0.7916E-04 -0.2220E-06 -0.2827E-07
11 0.000 0.5255E-04 0.7978E-08 -0.3308E-07
17 0.000 -0.2285E-03 -0.6377E-05 0.8554E-07 -0.5555E-10
18 0.000 -0.3171E-03 -0.4685E-05 0.4823E-07 0.4354E-09
(表12)
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 59.18
2 4 -11.78
3 10 14.02
4 17 26.20
【0042】
[数値実施例4]
図13〜図16と表13〜表16は、本発明によるズームレンズ系の数値実施例4を示している。図13は長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、図14はその諸収差図であり、図15は短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、図16はその諸収差図である。表13は面データ、表14は各種データ、表15は非球面データ、表16はレンズ群データである。
【0043】
この数値実施例4のレンズ構成は、以下の点を除き、数値実施例2及び数値実施例3のレンズ構成と同様である。
(1)第2レンズ群G2が、物体側から順に、物体側に凸の負メニスカスレンズ24、両凹負レンズ25、物体側に凸の正メニスカスレンズ26、及び像側に凸の負メニスカスレンズ27からなる。
【0044】
(表13)
面データ
面番号 r d N(d) νd
1 42.898 1.000 1.65000 32.4
2 22.283 6.500 1.72916 54.7
3 247.701 d3
4 73.623 1.000 1.64000 44.8
5 9.618 5.573
6 -24.004 1.000 1.56000 44.4
7 10.863 0.949
8 13.277 2.800 1.84666 23.8
9 171.000 0.726
10 -44.323 0.700 1.89000 46.8
11 -161.869 d11
12絞 ∞ 0.100
13* 11.023 3.000 1.61881 63.8
14* -25.753 0.382
15 7.719 2.500 1.61000 83.0
16 18.388 1.500 2.00069 25.5
17 5.569 2.547
18 20.239 1.400 1.66000 43.3
19 223.372 d19
20* 20.937 2.500 1.54358 55.7
21* -44.837 d21
22 ∞ 2.000 1.51680 64.2
23 ∞ -
*は回転対称非球面である。
(表14)
各種データ
ズーム比(変倍比) 3.91
短焦点距離端 中間焦点距離 長焦点距離端
FNO. 1.9 2.6 2.8
f 6.21 11.30 24.31
W 41.4 22.1 10.6
Y 4.62 4.62 4.62
fB 0.10 0.10 0.10
L 64.61 67.84 72.06
d3 0.176 9.502 19.277
d11 21.836 13.015 2.209
d19 5.247 8.095 8.001
d21 0.481 0.358 5.712
(表15)
非球面データ(表示していない非球面係数は0.00である)
面番号 K A4 A6 A8 A10
13 -0.059 -0.7948E-04 -0.2759E-06 -0.1973E-07
14 0.000 0.7571E-04 0.6359E-06 -0.4347E-07
20 0.000 -0.2518E-03 -0.5854E-05 0.7614E-07 -0.7350E-10
21 0.000 -0.3019E-03 -0.6102E-05 0.6461E-07 0.2836E-09
(表16)
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 62.65
2 4 -10.65
3 13 13.00
4 20 26.61
【0045】
[数値実施例5]
図17〜図20と表17〜表20は、本発明によるズームレンズ系の数値実施例5を示している。図17は長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、図18はその諸収差図であり、図19は短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、図20はその諸収差図である。表17は面データ、表18は各種データ、表19は非球面データ、表20はレンズ群データである。
【0046】
この数値実施例5のレンズ構成は、以下の点を除き、数値実施例2及び数値実施例3のレンズ構成と同様である。
(1)第4レンズ群G4の正レンズ43が、物体側に凸の正メニスカスレンズからなる。
【0047】
(表17)
面データ
面番号 r d N(d) νd
1 48.833 1.000 1.64769 33.8
2 22.865 6.500 1.72916 54.7
3 218.584 d3
4 139.373 1.000 1.72916 54.7
5 11.144 7.892
6 -33.745 1.000 1.59270 35.5
7 14.406 3.000 1.80518 25.5
8 -7606.859 d8
9絞 ∞ 0.150
10* 8.869 3.000 1.61881 63.8
11* -34.345 0.097
12 8.559 2.500 1.61800 63.4
13 17.200 1.500 2.00069 25.5
14 5.157 1.998
15 17.067 1.400 1.80420 46.5
16 27.949 d16
17* 13.388 2.500 1.54358 55.7
18* 181.836 d18
19 ∞ 2.000 1.51680 64.2
20 ∞ -
*は回転対称非球面である。
(表18)
各種データ
ズーム比(変倍比) 3.95
短焦点距離端 中間焦点距離 長焦点距離端
FNO. 2.0 2.6 2.7
f 6.17 11.29 24.38
W 41.9 22.5 10.6
Y 4.62 4.62 4.62
fB 0.50 0.50 0.50
L 70.78 66.62 69.95
d3 0.099 10.204 21.238
d8 30.014 13.915 1.914
d16 2.987 3.515 7.745
d18 1.646 2.953 3.015
(表19)
非球面データ(表示していない非球面係数は0.00である)
面番号 K A4 A6 A8 A10
10 -0.217 -0.1156E-03 -0.4333E-06 -0.3591E-07
11 0.000 0.6157E-04 0.1153E-06 -0.4178E-07
17 0.000 -0.1994E-03 -0.2825E-08 -0.4218E-07 0.1279E-09
18 0.000 -0.1794E-03 -0.9423E-05 0.2146E-06 -0.2691E-08
(表20)
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 73.00
2 4 -15.83
3 10 14.04
4 17 26.45
【0048】
各数値実施例の各条件式に対する値を表21に示す。
(表21)
実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5
条件式(1) -0.396 -0.392 -0.407 -0.424 -0.236
条件式(2) 0.446 0.462 0.489 0.401 0.590
条件式(3) -0.875 -0.911 -0.949 -1.020 -0.470
条件式(4) -0.110 -0.115 -0.116 -0.120 -0.175
【0049】
表21から明らかなように、数値実施例1〜数値実施例5は、条件式(1)〜(4)を満足しており、諸収差図から明らかなように諸収差は比較的よく補正されている。
【符号の説明】
【0050】
G1 正の屈折力を持つ第1レンズ群
11 負レンズ
12 正レンズ
G2 負の屈折力を持つ第2レンズ群
21 負レンズ
22 負レンズ
23 正レンズ
24 負レンズ
25 負レンズ
26 正レンズ
27 負レンズ
G3 正の屈折力を持つ第3レンズ群
31 正レンズ(正単レンズ)
32 正レンズ
33 負レンズ
34 正レンズ(正単レンズ)
G4 正の屈折力を持つ第4レンズ群
41 正レンズ
42 負レンズ
43 正レンズ(正単レンズ)
S 絞り
OP 光学フィルタ
I 像面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から順に、正の屈折力を持つ第1レンズ群、負の屈折力を持つ第2レンズ群、正の屈折力を持つ第3レンズ群、及び第4レンズ群からなるズームレンズ系において、
第3レンズ群は、物体側から順に、正単レンズ、全体として負の屈折力を持つ物体側から順に位置する正レンズと負レンズの接合レンズ、及び正単レンズからなること、及び
次の条件式(1)及び(2)を満足することを特徴とするズームレンズ系。
(1)−0.5<G3Fmw<−0.15
(2)0.35<(R2+R1)/(R2−R1)<0.65
但し、
G3Fmw:短焦点距離端における無限遠合焦時の第3レンズ群中の物体側の正単レンズの横倍率、
R2:第3レンズ群中の物体側の正単レンズの像側の面の曲率半径、
R1:第3レンズ群中の物体側の正単レンズの物体側の面の曲率半径。
【請求項2】
請求項1記載のズームレンズ系において、次の条件式(3)を満足するズームレンズ系。
(3)−1.5<G3Fmt<−0.4
但し、
G3Fmt:長焦点距離端における無限遠合焦時の第3レンズ群中の物体側の正単レンズの横倍率。
【請求項3】
請求項1または2記載のズームレンズ系において、次の条件式(4)を満足するズームレンズ系。
(4)−0.25<φ/(n2−n1)<−0.05
但し、
φ:第3レンズ群中の接合レンズの合成パワー、
n2:第3レンズ群中の接合レンズの負レンズのd線に対する屈折率、
n1:第3レンズ群中の接合レンズの正レンズのd線に対する屈折率。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−97144(P2013−97144A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239182(P2011−239182)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【Fターム(参考)】