説明

セキュリティ機能搭載車載機器及び車載機器のセキュリティ機能制御方法

【課題】本発明は、従来に比して一段とセキュリティ効果を向上できるようにする。
【解決手段】本発明は、振動を検出するセンサマイク16により最初の振動を検出したとき振動を検出することのないメインマイコン21がスリープ状態のセキュリティモードM4から警告モードM5へ遷移させ、70[dB]程度のアラーム音をスピーカFL、FR、RL及びRRから出力させ、警告モードM5の1分間が経過する前に次の新たな振動を検出したとき警告モードM5から警報モードM6へ遷移し、100[dB]程度のアラーム音をスピーカFL、FR、RL及びRRから出力させるように制御するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セキュリティ機能搭載車載機器及び車載機器のセキュリティ機能制御方法に関し、例えば車両に搭載されて用いられるカーオーディオビデオ装置(以下、これをカーオーディオ装置と呼ぶ)に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車載用セキュリティーシステムとしては、自動車メーカーの純正装着品またはセキュリティ機能だけを持った単機能後付品くらいしか存在せず、カーオーディオ装置自体にセキュリティ機能が搭載された製品は存在しなかった。
【0003】
そこで、これまでカーオーディオ装置としては、セキュリティ効果を高めるべく、車両からドライバーが離れるときには当該カーオーディオ装置のフロントパネルを自在に取り外して持ち運ぶことによりセキュリティ効果を高めるようになされたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10-138850号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでかかる構成のカーオーディオ装置においては、ドライバーが車両から離れるときに当該カーオーディオ装置のフロントパネルを取り外したとしても、一見カーオーディオ装置が車両に取り付けられていないように見せ掛けているに過ぎず、カーオーディオ装置の本体部が盗難されないという保障はなく、セキュリティ効果としては不十分であるという問題があった。
【0005】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、従来に比して一段とセキュリティ効果を向上し得るセキュリティ機能搭載車載機器及び車載機器のセキュリティ機能制御方法を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するため本発明のセキュリティ機能搭載車載機器においては、振動を検出する振動検出手段と、所定のアラーム音をスピーカから出力させるアラーム音出力手段と、振動検出手段により最初の振動を検出したときスリープモードから警告モードへ遷移し、所定の第1音量レベルに応じたアラーム音をアラーム音出力手段により出力させ、その後所定時間内に次の振動を検出したとき警告モードから警報モードへ遷移し、第1音量レベルよりも大きな第2音量レベルに応じたアラーム音をアラーム音出力手段により出力させるように制御する制御手段とを設けるようにする。
【0007】
これによりセキュリティ機能搭載車載機器では、最初の振動を検出したときにはスリープモードから警告モードへ遷移して第1音量レベルのアラーム音を出力することにより警告を行ったうえで、更に次の振動を検出したときは、その振動発信源が盗難者によるものであると判断し、警告モードから警報モードへ遷移して第1音量レベルよりも大きな第2音量レベルのアラーム音を出力することにより警報を行い、当該盗難者をアラーム音によって威嚇することができる。
【0008】
また本発明の車載機器のセキュリティ状態制御方法においては、振動を検出する振動検出手段により最初の振動を検出したときスリープモードから警告モードへ遷移させ、所定の第1音量レベルに応じた所定のアラーム音を、アラーム音出力手段によりスピーカから出力させる警告モード処理ステップと、警告モード処理ステップの後所定時間内に次の振動を検出したとき警告モードから警報モードへ遷移し、第1音量レベルよりも大きな第2音量レベルに応じたアラーム音をアラーム音出力手段により出力させるように制御する警報モード処理ステップとを有するようにする。
【0009】
これにより車載機器のセキュリティ状態制御方法では、最初の振動を検出したときには警告モードへ遷移して第1音量レベルのアラーム音を出力することにより警告を行ったうえで、更に次の振動を検出したときは、その振動発信源が盗難者によるものであると判断し、警告モードから警報モードへ遷移して第1音量レベルよりも大きな第2音量レベルのアラーム音を出力することにより警報を行い、当該盗難者をアラーム音によって威嚇することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、最初の振動を検出したときには警告モードへ遷移して第1音量レベルのアラーム音を出力することにより警告を行ったうえで、更に次の振動を検出したときは、その振動発信源が盗難者によるものであると判断し、警告モードから警報モードへ遷移して第1音量レベルよりも大きな第2音量レベルのアラーム音を出力することにより警報を行い、当該盗難者をアラーム音によって威嚇することができ、かくして従来に比して一段とセキュリティ効果を向上し得るセキュリティ機能搭載車載機器及び車載機器のセキュリティ機能制御方法を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0012】
(1)セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置の全体構成
図1において、1は全体としてセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置が車両のダッシュボードDBに装着されている状態を示し、当該セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1における本体部2の大部分がダッシュボードDB内に埋め込まれ、当該本体部2の前面2Aが主に露出した状態で、その本体部2の前面2Aに対して着脱自在に取り付けられたフロントパネル3が設けられている。
【0013】
実際上、セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、いわゆるDIN(Deutsche Industrie Normen :ドイツ連邦規格)サイズに準拠しており、横幅が約178[mm]、高さが約50[mm]となるように本体部2及びフロントパネル3が形成されている。
【0014】
(1−1)フロントパネルの構成
フロントパネル3(図1)は、前面3Aに対して、ユーザの操作を受け付けるための操作ボタン群4及びナンバーボタン群5と、当該ユーザに対して各種情報を提供するためのLCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electroluminescence)又はVFD(Vacuum
Fluorescent Display)等でなる表示部6とが設けられており、いわゆるユーザインタフェースとして機能するようになされている。
【0015】
(1−2)本体部の構成
図2に示すように本体部2は、その前面2Aに対して、フロントパネル3との物理的及び電気的な接続を図るための本体部側コネクタ11及びフロントパネル3が当該本体部2の前面2Aに取り付けられた状態で保持されるための係合保持部12が設けられている。
【0016】
従って本体部2は、その前面2Aにフロントパネル3が取り付けられる際、当該本体部2の本体部側コネクタ11と当該フロントパネル3の裏側に設けられたパネル側コネクタ(図示せず)とが物理的かつ電気的に接続される。
【0017】
同時に本体部2は、前面2Aに設けられた係合保持部12とフロントパネル3の裏側に設けられた係合保持部(図示せず)とが相互に係合されることにより、本体部2の前面2Aに対してフロントパネル3が取り付けられた状態で保持し得るようになされている。
【0018】
従ってセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、本体部2の係合保持部12とフロントパネル3の裏側に設けられた係合保持部(図示せず)との係合状態が解除され、かつ本体部2の本体部側コネクタ11と当該フロントパネル3の裏側に設けられたパネル側コネクタ(図示せず)との接続状態が解除されたとき、本体部2からフロントパネル3が物理的かつ電気的な接続状態が解除されることになる。
【0019】
また本体部2は、その前面2Aに対して、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)等の直径約120mm、厚さ約1.2mmのディスクを挿入するためのディスク挿入口13が設けられている。
【0020】
因みに本体部2は、その前面2Aに当該ディスク挿入口13が設けられていることにより、フロントパネル3における操作ボタン群4及びナンバーボタン群5の数や配置、或いは表示部6の大きさ等に関する設計上の自由度を向上させ得るようになされている。
【0021】
更に本体部2は、その前面2Aのほぼ中央に対して本体部2の各種状態や各種モードを通知するための黄色LED14、赤色LED15が設けられ、かつ前面2Aの右側上方には車両に対して与えられる振動を検出するセンサマイク16が設けられている。
【0022】
(2)セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1の回路構成
図3に示すようにセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1の本体部2は、車両のカーバッテリBATTからの電源電力をシステムコネクタ23及び電源内蔵パワーアンプ24を介して全ての回路へ供給することにより動作する。
【0023】
このセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1の本体部2は、CPU(Central Processing Unit)構成でなるメインマイコン21がROM(Read Only Memory)から読み出し、RAM(Random Access Memory)に立ち上げた基本プログラムに従って全体の基本動作を統括制御すると共に、各種アプリケーションプログラムに従って後述するセキュリティ機能等を実現し得るようになされている。
【0024】
実際上、本体部2のメインマイコン21は、フロントパネル3の操作ボタン群4及びナンバーボタン群5に対するユーザの押下操作に応じて、例えばCDの再生命令が本体部側コネクタ11を介して与えられると、ディスクドライブ22を介してCDを再生し、その再生結果を、電子ボリューム27、アッテネータ28、電源内蔵パワーアンプ24及びシステムコネクタ23を介してフロント左スピーカFL、フロント右スピーカFR、リア左スピーカRL、リア右スピーカRRから車内空間へ出力する。
【0025】
なお本体部2のメインマイコン21は、その再生結果を、電子ボリューム27、アッテネータ28、ラインアウト端子29を介して外部接続された外部機器GDに対しても出力し得るようになされている。
【0026】
また本体部2は、その前面2Aに設けられたセンサマイク16により車両に対して与えられる振動を検出し、その検出結果をオペアンプ25へ送出する。ここでセンサマイク16は、一般的に携帯電話機に用いられるようなマイクロフォンであり、ローパスフィルタ(図示せず)によって例えば100Hz以下の低周波成分だけを抽出することにより振動を検出するようになされている。
【0027】
オペアンプ25は、センサマイク16からの検出結果を所定レベルに増幅した後、コンパレータ26へ送出する。コンパレータ26は、オペアンプ25から供給された検出結果を所定の閾値と比較し、当該検出結果が閾値を超えたときに、振動を検出したことを示す振動検出信号をメインマイコン21の割込ポート21Aへ送出する。
【0028】
因みに本体部2のメインマイコン21は、スリープ状態にあるときは、オペアンプ25から割込ポート21Aを介して振動検出信号が供給されたことに応じて起動し、当該メインマイコン21が常時起動し続けていることを回避するようにしたことにより、カーバッテリBATTの電力を無駄に消費しないように配慮されている。
【0029】
本体部2のメインマイコン21は、コンパレータ26から振動検出信号の供給を受けたとき、車両に対して何らかの要因に基づく振動が与えられたことを認識することが出来るので、このとき所定のアラーム音を、電子ボリューム27、アッテネータ28、電源内蔵パワーアンプ24、システムコネクタ23を介してフロント左スピーカFL、フロント右スピーカFR、リア左スピーカRL、リア右スピーカRRから出力するようになされている。
【0030】
また本体部2のメインマイコン21は、このときアラーム音を鳴らすことにより聴覚的に振動検出結果を通知し得ると共に、黄色LED14、赤色LED15を点滅させることにより視覚的にも振動検出結果をユーザへ通知し得るようになされている。
【0031】
さらに本体部2のメインマイコン21は、セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1の各種状態を示す状態データやメニューを表示させるためのメニューデータを、本体部側コネクタ11を介してフロントパネル3へ送出するようになされている。
【0032】
従ってフロントパネル3では、駆動部6Aを介して表示部6を駆動し、本体部2のメインマイコン21から供給を受けた状態データやメニューデータに基づいて、表示部6に対して当該セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1の各種状態や各種メニューを表示し得るようになされている。
【0033】
ところで図4に示すように、セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、本体部2に対してフロントパネル3が取り外されたときは、当該本体部2内のプルアップ抵抗R1によって当該メインマイコン21と本体部側コネクタ11との間の接続点T1における電圧が所定の電位に吊り上げられるため(Hi状態)、その電位に基づいてフロントパネル3が非装着状態にあることを認識し得るようになされている。
【0034】
一方、セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、本体部2に対してフロントパネル3が取り付けられたときは、当該本体部2内のメインマイコン21が本体部側コネクタ11及びフロントパネル3を介して接地され、接続点T1における電位がグランドレベルまで下がることになるため(Low状態)、フロントパネル3が装着状態にあることを認識し得るようになされている。
【0035】
(3)各種設定方法
ところでセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、フロントパネル3が本体部2から取り外されたときにセキュリティ動作制御状態へ自動的に移り、本体部2に対してフロントパネル3が取り付けられたときに、オーディオ機能を使用できるセキュリティ解除状態へ自動的に移るように設定することが可能である。
【0036】
具体的には、図5に示すように、セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1のメインマイコン21は、フロントパネル3の操作ボタン群4に対する押下操作に応じて、セキュリティ機能自体を働かせるか否かを選択させるためのセキュリティ設定メニューの文字「S.SET−ON/OFF」を表示部6に表示する。
【0037】
そしてセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1のメインマイコン21は、表示部6に表示したセキュリティ設定メニューの文字「S.SET−ON/OFF」における「ON」又は「OFF」をカーソル(図示せず)によって選択させることにより、自動的にセキュリティ機能を働かせるか(ON)否か(OFF)を設定させ得るようになされている。
【0038】
またセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、フロントパネル3の操作ボタン群4に対する押下操作に応じて、セキュリティ動作制御状態のうち車両に対する振動を検出することのないセキュリティ待機モードから、車両に対する振動を検出するセキュリティ検出モードへ遷移したときに、本体部2の黄色LED14、赤色LED15を点滅させるか否かを設定することが出来るようになされている。
【0039】
具体的には、図6に示すように、セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1のメインマイコン21は、本体部2の黄色LED14、赤色LED15を点滅させるか否かをユーザに選択させるためのセキュリティLED設定メニューの文字「S.LED−ON/OFF」を表示部6に表示する。
【0040】
そしてセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1では、表示部6に表示したセキュリティLED設定メニューの文字「S.LED−ON/OFF」における「ON」又は「OFF」をカーソル(図示せず)によって選択させることにより、自動的に黄色LED14、赤色LED15を点滅させるか(ON)否か(OFF)を設定させ得るようになされている。
【0041】
通常、セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1では、セキュリティ検出モードへ遷移したとき、本体部2の黄色LED14、赤色LED15を点滅させることが一般的であると思われるが、国や地域によっては黄色LED14、赤色LED15が点滅している方が本体部2の存在を知らしめることになって逆に盗難され易いこともあり、そのような場合は「OFF」を選択させ得るようになされている。
【0042】
更に、セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1のメインマイコン21は、本体部2からフロントパネル3が取り外されたときに直ちにセキュリティ検出モードへ遷移するのではなく、ユーザ自身がフロントパネル3を取り外した後に車両から降車するまでに要する時間(以下、これを待機時間と呼ぶ)をセキュリティ待機モードとして設定し得るようになされている。
【0043】
このセキュリティ待機モードは、ユーザが本体部2からフロントパネル3を取り外すときや、車両から降車するときに振動を発生させることが考えられるため、この間は本体部2が車両の振動を検出することのないように、降車に要するであろう15秒、1分間又は3分間の中から任意の待機時間を設定できるようになされている。
【0044】
具体的には、図7に示すように、セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1のメインマイコン21は、表示部6にセキュリティ待機時間設定メニューの文字「S.TIME−15S/1M/3M」を表示し、その中から「15S」、「1M」又は「3M」をカーソル(図示せず)によって選択させることにより、セキュリティ待機モードの待機時間を15秒間、1分間又は3分間の何れに決定するかを設定させ得るようになされている。
【0045】
因みに、セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1では、通常、ユーザが本体部2からフロントパネル3を取り外して車両から降車するのに要する時間として1分間を想定すれば十分であるとの考えに基づき、セキュリティ待機モードの待機時間をデフォルトとして1分間に設定しているが、ユーザの好みに応じて15秒間又は3分間に設定することができる。
【0046】
更に、セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1のメインマイコン21は、セキュリティ検出モードにおけるセンサマイク16の感度を敏感レベル(HI)、中間レベル(MID)及び鈍感(LOW)レベルの3段階に設定し得るようになされている。
【0047】
具体的には、図8に示すように、セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1のメインマイコン21は、表示部6にセキュリティ感度設定メニューの文字「S.SENS−HI/MID/LOW」を表示し、その中から「HI」、「MID」又は「LOW」をカーソル(図示せず)によって選択させることにより、セキュリティ感度が敏感レベル、中間レベル又は鈍感レベルの何れかに設定し得るようになされている。
【0048】
このようにセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1では、上述したような各種設定を予め行っておくこと必要とされるが、使用中の任意のタイミングで各種設定を変更することも可能である。
【0049】
(4)セキュリティ機能の状態遷移
次に、セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1においては、セキュリティ機能の状態がユーザの使用形態に応じて多様に遷移するようになされており、その状態遷移について具体的に説明する。
【0050】
(4−1)通常使用モード
図9に示すようにセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1では、本体部2に対してフロントパネル3が取り付けられ、かつ、図10に示すように、車両のキーKEYがイグニッションキースイッチSWの「ACC(Accessory)」又は「START」に設定されている場合、セキュリティ機能が働かないセキュリティ解除状態ST1で、かつオーディオ機能を使用することが出来る通常使用モードM1にある。
【0051】
このときセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1のメインマイコン21は、本体部2の表示部6に対して、再生状態を示す再生アイコンAK1及び再生経過時間PT1等を表示し得るようになされている。
【0052】
セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1では、このセキュリティ解除状態ST1の通常使用モードM1で、車両のキーKEYがイグニッションキースイッチSWの「ACC」又は「START」から「OFF」に変更されて車両のカーバッテリBATTから電源電力の供給が停止された後、本体部2のフロントパネル3が取り外された場合、セキュリティ動作制御状態ST2のセキュリティ待機モードM2へ遷移する。
【0053】
なおセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、車両のキーがイグニッションキースイッチの「ACC」又は「START」のまま、本体部2からフロントパネル3が取り外された場合でも、セキュリティ解除状態ST1の通常使用モードM1からセキュリティ動作制御状態ST2のセキュリティ待機モードM2へ遷移するようになされている。
【0054】
すなわちセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、フロントパネル3が本体部2から取り外されるということはユーザが当該フロントパネル3を所持して車両から離れることを意味するため、フロントパネル3が取り外されたことをトリガとしてセキュリティ解除状態ST1の通常使用モードM1からセキュリティ動作制御状態ST2のセキュリティ待機モードM2へ遷移するようになされている。
【0055】
(4−2)セキュリティ待機モード
セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1のメインマイコン21は、セキュリティ待機モードM2へ遷移すると、黄色LED14だけを500[msec]点灯させ、次の500[msec]消灯させる状態を繰り返すことにより、当該黄色LED14だけを比較的遅い周期で点滅させるようになされている。
【0056】
これによりセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、この黄色LED14の点滅表示を介して、現在セキュリティ待機モードへ遷移しており、センサマイク16を介して振動を検出することがない状態にあることをユーザへ通知し得るようになされている。
【0057】
実際上、セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、セキュリティ待機状態のときであっても、車両のカーバッテリBATTから本体部2のメインマイコン21及びセンサマイク16に対する電源電力の供給を継続している。
【0058】
しかしながらセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1の本体部2は、当該センサマイク16からオペアンプ25及びコンパレータ26を介して振動検出信号をメインマイコンの割込ポート21Aへ送出しているものの、メインマイコン21がコンパレータ26から割込ポート21Aへ供給された振動検出信号を読み出さないように設定されているため振動を検出することがない。
【0059】
なお、このとき本体部2のメインマイコン21は、割込ポート21Aへ供給された振動検出信号を読み出す必要がなく、黄色LED14を点滅表示させるだけであるため、スリープ状態であっても良い。
【0060】
すなわちセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、セキュリティ解除状態ST1の通常使用モードM1からセキュリティ動作制御状態ST2のセキュリティ待機モードM2へ遷移すると、セキュリティ待機モードM2における待機時間(この場合デフォルトの1分間)の間に、ユーザがフロントパネル3を取り外したときに振動を発生させたり、降車時の振動を発生させたとしても、本体部2のメインマイコン21が振動検出信号を読み出すことがないため、セキュリティ待機モードM2を継続するようになされている。
【0061】
そしてセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、セキュリティ待機モードM2へ遷移してからデフォルト設定された待機時間の1分間が経過すると、その時点で自動的にセキュリティ検出モードM3へ遷移するようになされている。
【0062】
このセキュリティ検出モードM3には、セキュリティモードM4、警告モードM5及び警報モードM6の3つがあり、セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、セキュリティ待機モードM2から当該セキュリティ検出モードM3のセキュリティモードM4へ遷移する。
【0063】
因みに、セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、セキュリティ待機モードM2の待機時間が15秒間又は3分間に設定されている場合、その15秒間又は3分間が経過して時点で、当該セキュリティ待機モードM2から当該セキュリティ検出モードM3のセキュリティモードM4へ遷移するようになされている。
【0064】
(4−3)セキュリティモード
続いてセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、セキュリティ待機モードM2からセキュリティモードM4へ遷移すると、本体部2のメインマイコン21がスリープ状態に入るようになされている一方、500[msec]のサブクロックに連動して黄色LED14及び赤色LED15を交互に点滅させることにより、センサマイク16による振動検知が作動しており、セキュリティモードM4に遷移していることをユーザへ通知し得るようになされている。
【0065】
このようにセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、セキュリティモードM4へ遷移すると本体部2のメインマイコン21がスリープ状態になるため、ユーザが車両から離れたエンジン停止時にカーバッテリBATTが無駄に電力消費することを極力回避し得るようになされている。
【0066】
この場合、セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、本体部2のメインマイコン21が黄色LED14を500[msec]点灯させた後1500[msec]消灯させると共に、黄色LED14が1500[msec]消灯した時点から赤色LED15を500[msec]点灯させた後1500[msec]消灯させることにより、黄色LED14及び赤色LED15を交互に点滅させるようになされている。但し、セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1としては、LED点滅間隔を、この例に限ることはない。
【0067】
このセキュリティモードM4においてセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、本体部2のメインマイコン21が割込ポート21Aに供給される振動検出信号を監視しており、図11(A)及び(B)に示すように、その振動検出信号のレベルが10[msec]毎に3回連続して一致したときに限って、それが車両に対して与えられた振動であることを検出し、直ちに警告モードM5へ遷移するようになされている。
【0068】
このようにセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、振動検出信号のレベルが10[msec]毎に3回連続して一致したときにのみ振動であると検出するようにしたことにより、いわゆるチャタリング(ノイズ等により複数のパルスが発生してしまうこと)を振動として誤検出することを未然に排除するようになされている。
【0069】
従ってセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、振動検出信号のレベルが10[msec]毎に3回連続して一致しないような場合、それは車両に対して振動が与えられたのではなく誤検出であると認識し、セキュリティモードM4から警告モードM5へ遷移することはないようになされている。
【0070】
(4−4)警告モード
セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、本体部2のメインマイコン21がセキュリティモードM4で振動を1回検出した後に警告モードM5へ遷移すると、所定のアラーム音(例えば、ピッ、…、ピッ、…、ピッ、…、ピッ、…)を、例えば70[dB]程度の小音量で約30秒間だけフロント左スピーカFL、フロント右スピーカFR、リア左スピーカRL、リア右スピーカRRから車内空間へ出力するようになされている。
【0071】
このときセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、本体部2のメインマイコン21がアラーム音の出力周期に連動させて、黄色LED14及び赤色LED15を同時に200[msec]周期で点滅させることにより、アラーム音とLED点滅表示とによって警告モードM5へ遷移したことをユーザへ聴覚的かつ視覚的に通知し得るようになされている。
【0072】
因みにセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1では、アラーム音の出力周期と、黄色LED14及び赤色LED15のLED点滅周期とを必ずしも連動させる必要はなく、アラーム音が出力されていないタイミングで黄色LED14及び赤色LED15を点滅させるようにしても良い。
【0073】
この場合、セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、本体部2のメインマイコン21が黄色LED14を200[msec]点灯させた後200[msec]消灯させると同時に、赤色LED15を200[msec]点灯させた後200[msec]消灯させることにより、黄色LED14及び赤色LED15を同時に200[msec]周期で点滅させるようになされている。但し、セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1としては、LED点滅間隔を200[msec]周期に限ることはない。
【0074】
この警告モードM5というのは、1回の振動検出が、ユーザの車両乗車時や偶発的なものであって、盗難者によるものではない可能性もあるため、本体部2のメインマイコン21は、アラーム音を70[dB]程度の小音量で出力するようになされている。
【0075】
セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1では、セキュリティモードM4から警告モードM5へ遷移した後、例えば30秒間の間に次の振動を検出しなかった場合、1回の振動検出が盗難者によるものではないと判断し、再度セキュリティモードM4へ戻すようになされている。
【0076】
従ってセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、警告モードM5からセキュリティモードM4に戻った後、本体部2のメインマイコン21が次に振動を1回検出すれば、再度、警告モードM5へ遷移させ得るようになされている。
【0077】
これに対してセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、セキュリティモードM4から警告モードM5へ遷移した後、本体部2のメインマイコン21が当該警告モードM5における30秒間の間にセンサマイク16により新たな振動を検出すると、当該30秒間が経過するのを待った後、警報モードM6へ遷移するようになされている。
【0078】
ここでセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、警告モードM5において次の新たな振動を検出したとき直ちに警報モードM6へ遷移するのではなく、警告モードM5の30秒間が経過してから警報モードM6へ遷移する。
【0079】
実際上セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、警告モードM5へ遷移してから1秒後に新たな振動を検出した場合、残り29秒間経過後に警報モードM6へ遷移し、警告モードM5へ遷移してから29秒後に新たな振動を検出した場合、残り1秒間経過後に警報モードM6へ遷移するようになされている。
【0080】
すなわちセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、警告モードM5において次の新たな振動を検出したときであっても、警告モードM5の30秒間が経過するまでは警告モードM5を継続し、その後に警報モードM6へ遷移するようになされている。
【0081】
これは、ユーザがフロントパネル3を所持した状態で車両に乗込む際、ドアの開閉等によって2回振動が発生した場合、直ちに警報モードM6へ遷移して大音量のアラーム音が鳴り出すことを回避するためである。
【0082】
(4−5)警報モード
セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、警報モードM6に遷移すると、本体部2のメインマイコン21が前半の30秒間を警告モードM5のときから12段階で次第に音量レベルを大きくしながらアラーム音(例えば、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、……)をフロント左スピーカFL、フロント右スピーカFR、リア左スピーカRL、リア右スピーカRRから出力するようになされている。
【0083】
そしてセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、警報モードM6における後半の30秒間については例えば100[dB]程度の大音量で同じアラーム音をフロント左スピーカFL、フロント右スピーカFR、リア左スピーカRL、リア右スピーカRRから出力するようになされている。
【0084】
このときセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、本体部2のメインマイコン21がアラーム音の出力周期に連動させて、黄色LED14及び赤色LED15を例えば同時に100[msec]周期で点滅させることにより、アラーム音とLED点滅表示によって警報モードM6にあることをユーザへ聴覚的かつ視覚的に通知し得るようになされている。
【0085】
この場合もセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、アラーム音の出力周期と、黄色LED14及び赤色LED15の点滅周期とを必ずしも連動させる必要はなく、アラーム音が出力されていないタイミングで黄色LED14及び赤色LED15を点滅させるようにしても良い。
【0086】
この場合、セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、本体部2のメインマイコン21が黄色LED14を100[msec]点灯させた後100[msec]消灯させると同時に、赤色LED15を100[msec]点灯させた後100[msec]消灯させることにより、黄色LED14及び赤色LED15を同時に100[msec]周期で点滅させるようになされている。但し、セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1としては、LED点滅間隔を100[msec]周期に限ることはない。
【0087】
この警報モードM6においてセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、振動検出が盗難者によるものであることが予測されることを考慮し、アラーム音を段階的に大きくしながら最終的には100[dB]程度の大音量で出力し、盗難者を威嚇するようになされている。
【0088】
実際上セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、この警報モードM6へ遷移したとき、本体部2のメインマイコン21が前半の30秒間の間に警告モードM5のときの70[dB]程度の音量レベルから12段階で100[dB]程度まで次第に音量レベルを大きくしながらアラーム音を出力することにより、盗難者に対してアラーム音の音量レベルが際限無く大きくなるのではないかという恐怖心を抱かせ、威嚇効果を増大させ得るようになされている。
【0089】
ところでセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、警告モードM5から警報モードM6へ遷移して合計1分間が経過すると、自動的にアラーム音の出力を停止すると共に、黄色LED14及び赤色LED15による点滅表示を停止し、再度セキュリティモードM4へ遷移するようになされている。
【0090】
このようにセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、セキュリティ動作制御状態ST2において、セキュリティ待機モードM2からセキュリティ検出モードM3へ遷移した後は、セキュリティモードM4、警告モードM5、警報モードM6の順番でループ状に遷移を繰り返すようになされている。
【0091】
従ってセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、警報モードM6で盗難者を車両から退けた後であっても、再度セキュリティモードM4へ戻って、新たな盗難者に対して何度でも備えることが出来るようになされている。
【0092】
(4−6)セキュリティ保留モード
ところでセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、警報モードM6へ遷移した回数をカウントすると共に、スリープ状態以外のメインマイコン21が稼動している時間を累計するようになされている。
【0093】
そしてセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、例えば警報モードM6へ遷移した回数が5回に到達した場合、セキュリティモードM4へ戻るのではなく、セキュリティ保留モードM7へ遷移するようになされている。
【0094】
このときセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1では、本体部2のメインマイコン21をスリープ状態にすると共に、割込ポート21Aに対してセンサマイク16から供給される振動検出信号の読み出しを中止し、かつ黄色LED14及び赤色LED15による点滅表示をも中止することにより、電力消費を停止するようになされている。
【0095】
またセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、セキュリティ検出モードM3において、スリープ状態ではなくメインマイコン21が稼動している累積稼動時間が合計60分間に到達した場合も、セキュリティ保留モードM7へ遷移するようになされている。
【0096】
このときセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、本体部2のメインマイコン21をスリープ状態にすると共に、割込ポート21Aに対してセンサマイク16から供給される振動検出信号の読み出しを中止し、かつ黄色LED14及び赤色LED15による点滅表示をも中止することにより、電力消費を停止するようになされている。
【0097】
その理由としては、セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1が警報モードM6へ5回遷移したときや、メインマイコン21の累積稼動時間が合計60分間になったときには、エンジン停止中における車両のカーバッテリBATTの電力消費が大きく、これ以上、メインマイコン21を稼動させ続けることによる当該カーバッテリBATTのバッテリ上がりを防止するためである。
【0098】
またセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、セキュリティ保留モードM7へ遷移した後、ユーザが車両に乗車してフロントパネル3が本体部2に取り付けられたことを認識すると、セキュリティ動作制御状態ST2のセキュリティ保留モードM7からセキュリティ解除状態ST1の通常使用モードM1へ戻すようになされている。
【0099】
更にセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、セキュリティ動作制御状態ST2におけるセキュリティ待機モードM2、セキュリティ検出モードM3(セキュリティモードM4、警告モードM5及び警報モードM6)の何れかに遷移しているときであっても、ユーザが車両に乗車してフロントパネル3が本体部2に取り付けられたことを認識すると、セキュリティ動作制御状態ST2からセキュリティ解除状態ST1へ戻すようになされている。
【0100】
このようにセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、セキュリティ解除状態ST1にあるときフロントパネル3が本体部2から取り外されるとセキュリティ動作制御状態ST2へ遷移し、当該セキュリティ動作制御状態ST2にあるときフロントパネル3が本体部2に取り付けられると通常のカーオーディオ機能を動作させ得るセキュリティ解除状態ST1へ遷移し、フロントパネル3の装着状態又は非装着状態に応じて、この2つの状態遷移を繰り返すようになされている。
【0101】
なおセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、セキュリティ保留モードM7へ遷移した後、フロントパネル3が本体部2に取り付けられるとセキュリティ解除状態ST1へ戻すが、そのとき車両のキーKEYがイグニッションキースイッチSWの「ACC」又は「START」に設定されたことを本体部2のメインマイコン21が認識すると、図12に示すように、フロントパネル3の表示部6に「SECU−RESERVE」の文字を一時的(例えば5秒間)に表示させることにより、現在はセキュリティ解除状態ST1にあるが、一つ前の時点ではセキュリティ保留モードM7であったことをユーザに対して通知し得るようになされている。
【0102】
因みにセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、本体部2のメインマイコン21がフロントパネル3の表示部6に「SECU−RESERVE」の文字を一時的(例えば5秒間)に表示させる際、併せて所定のビープ音を出力するようになされており、これにより視覚的かつ聴覚的にセキュリティ保留モードM7にあったことを認識させ得るようになされている。
【0103】
(4−7)セキュリティOFFモード
ところでセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、セキュリティ検出モードM3におけるセキュリティモードM4、警告モードM5又は警報モードM6の何れかであって、フロントパネル3が本体部2に取り付けられることがなくても、車両のキーがイグニッションキースイッチの「ACC」又は「START」に設定されたことを本体部2のメインマイコン21が認識すると、セキュリティOFFモードM8へ遷移するようになされている。
【0104】
これは、フロントパネル3が本体部2に取り付けられたときに、セキュリティ動作制御状態ST2から通常のカーオーディオ機能を動作させ得るセキュリティ解除状態ST1へ遷移するのと同義である。
【0105】
すなわち、セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、フロントパネル3が取り付けられる代わりに、キーKEYがイグニッションキースイッチSWの「ACC」又は「START」に設定された場合であっても、セキュリティ検出モードM3からセキュリティOFFモードM8へ遷移するようになされている。
【0106】
このときセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、本体部2のメインマイコン21をスリープ状態にすると共に、割込ポート21Aに対してセンサマイク16から供給される振動検出信号の読み出しを中止し、かつ黄色LED14及び赤色LED15による点滅表示をも中止することにより、電力消費を停止するようになされている。
【0107】
これは、ユーザが本体部2に対してフロントパネル3を取り付けたときには、セキュリティ機能を動作させる必要がないことと同様、キーKEYがイグニッションキースイッチSWの「ACC」又は「START」に設定されたときも、ユーザが車両を運転しようとしている状態であって、盗難者ではないことが明らかであるため、セキュリティ機能を解除する必要があるからである。
【0108】
なおセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、セキュリティ検出モードM3からセキュリティOFFモードM8へ遷移した後、再度フロントパネル3が本体部2に取り付けられた場合も、セキュリティ動作制御状態ST2からセキュリティ解除状態ST1の通常使用モードM1へ遷移するようになされている。
【0109】
(5)セキュリティ動作制御状態とセキュリティ解除状態との切換制御処理手順
続いて、セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1では、アプリケーションプログラムである切換制御処理プログラムに従って、フロントパネル3が本体部2から取り外されたときにセキュリティ解除状態ST1からセキュリティ動作制御状態ST2へ移り、本体部2に対してフロントパネル3が取り付けられたときに、セキュリティ動作制御状態ST2から当該オーディオ機能を普通に使用可能なセキュリティ解除状態ST1へ移るように切り換える切換制御処理手順について説明する。
【0110】
実際上、図13に示すようにセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1における本体部2のメインマイコン21は、ROMから読み出してRAMに起動したアプリケーションプログラムである切換制御処理プログラムに従い、ルーチンRT1の開始ステップから入って次のステップSP1へ移り、図5に示したように、表示部6に表示したセキュリティ設定メニューの文字「S.SET−ON/OFF」における「ON」が選択されている設定状態にある場合に、本体部2からフロントパネル3が取り外されたか否かを判定する。
【0111】
ここで否定結果が得られると本体部2のメインマイコン21は、再度ステップSP1へ戻って本体部2からフロントパネル3が取り外されるまで待ち受ける。
【0112】
これに対してステップSP1で肯定結果が得られると、このことは本体部2からフロントパネル3が取り外されたことを表しており、このとき当該本体部2のメインマイコン21は、次のステップSP2へ移る。
【0113】
ステップSP2において本体部2のメインマイコン21は、フロントパネル3が当該本体部2から取り外されたので、ユーザが車両から離れることを想定し、セキュリティ解除状態ST1からセキュリティ動作制御状態ST2へ遷移し、次のステップSP3へ移る。
【0114】
ここで本体部2のメインマイコン21は、実際上、セキュリティ動作制御状態ST2におけるセキュリティ待機モードM2へ遷移することになる。
【0115】
ステップSP3において本体部2のメインマイコン21は、セキュリティ動作制御状態ST2のセキュリティ待機モードM2へ遷移した後、所定時間(例えばセキュリティ待機モードM2でデフォルト設定されているユーザの降車時間に要するであろうと想定される例えば1分間)が経過したか否かを判定する。
【0116】
ここで否定結果が得られると、このことはセキュリティ待機モードM2へ遷移した後、未だ所定時間が経過していないことを表しており、このとき本体部2のメインマイコン21は、所定時間が経過するまで待ち受ける。
【0117】
これに対してステップSP3で肯定結果が得られると、このことはセキュリティ待機モードM2へ遷移した後、既に所定時間が経過したことを表しており、このとき本体部2のメインマイコン21は、次のステップSP4へ移る。
【0118】
ステップSP4において本体部2のメインマイコン21は、セキュリティ動作制御状態ST2のセキュリティ待機モードM2からセキュリティ検出モードM3へ遷移し、次のステップSP5へ移る。
【0119】
ステップSP5において本体部2のメインマイコン21は、セキュリティ検出モードM3におけるセキュリティモードM4から警告モードM5又は警報モードM6へ遷移したとき、上述したようなアラーム音を鳴らす等のセキュリティ動作を実行し、次のステップSP6へ移る。
【0120】
ステップSP6において本体部2のメインマイコン21は、セキュリティ動作制御状態ST2のときフロントパネル3が本体部2に取り付けられたか否かを判定する。
【0121】
ここで否定結果が得られると、このことはセキュリティ動作制御状態ST2のセキュリティ待機モードM2、セキュリティ検出モードM3、セキュリティ保留モードM7又はセキュリティOFFモードM8の何れかに遷移したまま、フロントパネル3が本体部2に取り付けられていないことを表しており、このとき本体部2のメインマイコン21は、ステップSP5へ戻ってセキュリティ動作を繰り返す。
【0122】
これに対してステップSP6で肯定結果が得られると、このことはセキュリティ動作制御状態ST2のとき、ユーザによってフロントパネル3が本体部2に取り付けられたことを表しており、このとき本体部2のメインマイコン21は、次のステップSP7へ移る。
【0123】
ステップSP7において本体部2のメインマイコン21は、フロントパネル3が当該本体部2に取り付けられたので、セキュリティ動作を停止すると共にセキュリティ動作制御状態ST2からセキュリティ解除状態ST1へ戻し、再度ステップSP1へ戻って上述の処理を繰り返す。
【0124】
(6)セキュリティ動作の具体的事例
次に、セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1では、実際にセキュリティ動作を実行するときの具体的ケースについてそれぞれ説明する。
【0125】
(6−1)盗難が行われたことが想定されるケース
図14に示すようにセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、図9に示したように、セキュリティ待機モードM2からセキュリティ検出モードM3のセキュリティモードM4へ遷移した時点ではアラーム音を出力しないが、当該セキュリティモードM4のときにセンサマイク16を介して最初の振動を検知すると、警告モードM5へ遷移すると共に小音量(約70[dB]程度)のアラーム音を出力する。
【0126】
そしてセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、警告モードM5においてアラーム音を30秒間出力しているとき、センサマイク16を介して2度目の振動を検知すると、警告モードM5の30秒間が経過した後、1分間の警報モードM6へ遷移する。
【0127】
セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、警報モードM6において、前半の30秒間、警告モードM5の約70[dB]のアラーム音から警報モードの約100[dB]のアラーム音まで12段階刻みで次第に音量レベルを増大させながら出力し、後半の30秒間を約100[dB](最大音量)のアラーム音のまま出力する。
【0128】
そしてセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、1分間の警報モードM6が終了すると、アラーム音の出力を停止すると共に、自動的に警報モードM6からセキュリティモードM4へ遷移し、上述したセキュリティモードM4、警告モードM5、警報モードM6、セキュリティモードM4、……、のメインループを繰り返すようになされている。
【0129】
(6−2)センサマイクの検出結果が誤動作であると想定されるケース
図15に示すようにセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、セキュリティ待機モードM2からセキュリティ検出モードM3のセキュリティモードM4へ遷移した時点ではアラーム音を出力しないが、当該セキュリティモードM4のときにセンサマイク16を介して最初の振動を検知すると、警告モードM5へ遷移すると共に小音量(約70[dB]程度)のアラーム音を30秒間出力する。
【0130】
そしてセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、警告モードM5で30秒間アラーム音を出力するものの、その30秒間の間にセンサマイク16により次の振動を検知しない場合、最初の振動に対する検出結果が盗難者によるものではなく、偶発的な振動または誤動作によるものであるため、警報モードM6へ遷移することはなく、30秒間経過後にセキュリティモードM4へ戻ると共にアラーム音の出力を停止する。
【0131】
(6−3)ユーザが乗車時に時間を要したケース
図16に示すようにセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、セキュリティ待機モードM2からセキュリティ検出モードM3のセキュリティモードM4へ遷移した時点ではアラーム音を出力しないが、当該セキュリティモードM4のときに、例えばユーザが車両のドアを開ける際に生じる最初の振動をセンサマイク16により検知すると、警告モードM5へ遷移すると共に小音量(約70[dB]程度)のアラーム音を30秒間出力する。
【0132】
そしてセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、警告モードM5においてアラーム音を30秒間出力しているとき、例えばユーザが車両の座席に着席した後ドアを閉じる際に生じる2度目の振動をセンサマイク16により検知すると、警告モードM5の30秒間が経過した後、警報モードM6へ遷移する。
【0133】
セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、警報モードM6において、前半の30秒間、警告モードM5における約70[dB]のアラーム音から警報モードにおける約100[dB]のアラーム音まで12段階刻みで次第に音量レベルを増大させながら出力するが、その間にフロントパネル3が本体部2に取り付けられた場合、セキュリティ解除状態ST1の通常使用モードM1へ遷移すると共に、アラーム音の出力を停止する。
【0134】
またセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、警報モードM6において、前半の30秒間、警告モードM5における約70[dB]のアラーム音から警報モードにおける約100[dB]のアラーム音まで12段階刻みで次第に音量レベルを増大させながら出力するが、その間にキーKEYがイグニッションキースイッチSWの「ACC」又は「START」に設定された場合、セキュリティOFFモードM8へ遷移すると共に、アラーム音の出力を停止する。
【0135】
すなわちセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、警告モードM5の30秒間が経過する前に、フロントパネル3が本体部2に取り付けられるか、或いはキーがイグニッションキースイッチの「ACC」又は「START」に設定されたならば、警告モードM5から警報モードM6へ遷移することはない。
【0136】
しかしながらセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、ユーザが乗車時に時間を要して警告モードM5の30秒間を経過してしまった場合には警報モードM6へ遷移し、アラーム音の音量レベルを段階的に増大させていくが、そうなったときでも、フロントパネル3が本体部2に取り付けられたか、或いはキーKEYがイグニッションキースイッチSWの「ACC」又は「START」に設定された場合、アラーム音の出力を停止する。
【0137】
(6−4)ユーザが乗車に時間を要さなかったケース
図17に示すようにセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、セキュリティ待機モードM2からセキュリティ検出モードM3のセキュリティモードM4へ遷移した時点ではアラーム音を出力しないが、当該セキュリティモードM4のときに、例えばユーザが車両のドアを開ける際に生じる最初の振動をセンサマイク16により検知すると、警告モードM5へ遷移すると共に小音量(約70[dB]程度)のアラーム音を30秒間出力する。
【0138】
そしてセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、警告モードM5においてアラーム音を30秒間出力しているとき、2度目の振動をセンサマイク16により検知してもしなくても、フロントパネル3が本体部2に取り付けられた場合、警告モードM5からセキュリティ解除状態ST1の通常使用モードM1へ遷移すると共に、アラーム音の出力を停止する。
【0139】
またセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、警告モードM5においてアラーム音を30秒間出力しているとき、2度目の振動をセンサマイク16により検知してもしなくても、キーKEYがイグニッションキースイッチSWの「ACC」又は「START」に設定された場合、警告モードM5からセキュリティOFFモードM8へ遷移すると共に、アラーム音の出力を停止する。
【0140】
すなわちセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、警告モードM5の30秒間が経過する前に、2度目の振動を検知してもしなくても、フロントパネル3が本体部2に取り付けられるか、或いはキーKEYがイグニッションキースイッチSWの「ACC」又は「START」に設定された場合、アラーム音の出力を停止する。
【0141】
(7)動作及び効果
以上の構成において、セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、フロントパネル3が本体部2に取り付けられている装着状態で、車両のキーKEYがイグニッションキースイッチSWの「ACC」又は「START」に設定されている場合、セキュリティ解除状態ST1の通常使用モードM1にあって、セキュリティ動作を実行せず、通常のカーオーディオ動作を実行することができる。
【0142】
その後、セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、ユーザが車両から降車する際にフロントパネル3が本体部2から取り外された場合、ユーザが車両から離れた状態で当該セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1の本体部2だけが車内空間に残されて盗難に合い易い環境下に置かれることになるため、自動的にセキュリティ解除状態ST1からセキュリティ動作制御状態ST2へ移る。
【0143】
その後、セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、車両に乗車したユーザにより再度フロントパネル3が本体部2に取り付けられた場合、セキュリティ動作制御状態ST2から自動的にセキュリティ解除状態ST1の通常使用モードM1へ遷移する。
【0144】
このようにセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、フロントパネル3の取り外しによってセキュリティ解除状態ST1からセキュリティ動作制御状態ST2へ遷移することができる一方、フロントパネル3の取り付けによってセキュリティ動作制御状態ST2からセキュリティ解除状態ST1へ遷移することができる。
【0145】
従ってセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、セキュリティ動作制御状態ST2へ遷移している車両に乗車する際、セキュリティ解除状態ST1へ遷移させるための特別な操作をユーザに強いることなく、フロントパネル3を本体部2に取り付けさせるだけで済むため、ユーザの使い勝手を一段と向上させることができる。
【0146】
またセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、セキュリティ動作制御状態ST2のセキュリティ待機モードM2へ遷移した後、ユーザの降車時間を考慮した待機時間の経過後に、車両に対する振動を検出可能なセキュリティ検出モードM3へ自動的に遷移することができる。
【0147】
このときセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、セキュリティ検出モードM3へ遷移した後は、振動を検出しなければセキュリティモードM4のまま振動の検出を待ち受け、最初の振動を検出したときは警告モードM5へ遷移すると共に小音量でアラーム音を出力し、その警告モードM5における30秒間の間に次の振動を検出したときは警報モードM6へ遷移すると共に大音量でアラーム音を出力することができる。
【0148】
そしてセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、警報モードM6へ遷移してから1分間が経過したとき、自動的に警報モードM6からセキュリティモードM4へ遷移することになるので、セキュリティ検出モードM3に遷移している間は、セキュリティモードM4、警告モードM5、警報モードM6を繰り返すことにより、一旦警報モードM6へ遷移してアラーム音を出力した後であっても、リセット操作を必要とすることなくセキュリティモードM4、警告モードM5、警報モードM6のメインループを繰り返し実行することができる。
【0149】
さらにセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、警報モードM6へ遷移した回数が5回に到達するか、或いはメインマイコンがスリープ状態ではなく稼動しているときの累積稼動時間が合計60分間に到達したとき、これ以上セキュリティ動作を実行してカーバッテリBATTの電力消費を重ねると、バッテリ上がりを起こすリスクが高くなるため、強制的にセキュリティ保留モードM7へ遷移する。
【0150】
セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、セキュリティ保留モードM7へ遷移すると、本体部2のメインマイコン21をスリープ状態にすると共に、割込ポート21Aに対してセンサマイク16から供給される振動検出信号の読み出しを中止し、かつ黄色LED14及び赤色LED15による点滅表示をも中止して電力消費を停止することにより、ユーザが車両から離れているときにカーバッテリBATTのバッテリ上がりを未然に防止することができる。
【0151】
以上の構成によれば、セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1は、本体部2それ自体にセキュリティ機能を搭載し、フロントパネル3の取り付けによってセキュリティ動作を解除し、フロントパネル3の取り外しによってセキュリティ動作を開始するように制御することができるので、煩雑な操作なしに本体部2に対する盗難を抑止し得、従来に比して一段とセキュリティ効果を向上することができる。
【0152】
(8)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、図4に示したように、本体部2に対してフロントパネル3が取り外されたときは、当該本体部2内のプルアップ抵抗R1によって当該メインマイコン21と本体部側コネクタ11との間の接続点T1における電圧が所定の電位に吊り上げられ、その電位に基づいてフロントパネル3が非装着状態にあることを認識し、本体部2に対してフロントパネル3が取り付けられたときは、当該本体部2内のメインマイコン21が本体部側コネクタ11及びフロントパネル3を介して接地され、接続点T1における電位がグランドレベルまで下がり、フロントパネル3が装着状態にあることを認識するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、必ずしも接続点T1における電位がグランドレベルまで下がる必要はなく、例えば図4との対応部分に同一符号を付した図18に示すように、フロントパネル3の内部に抵抗R2が設けられ、本体部2に対してフロントパネル3が取り付けられたときにプルアップ抵抗R1及び抵抗R2によって分圧されたときの電位に基づいてフロントパネル3が装着状態にあることを認識するようにしても良い。
【0153】
また上述の実施の形態においては、キーKEYがイグニッションキースイッチSWの「ACC」又は「START」に設定されておらず、本体部2からフロントパネル3が取り外されているときにセキュリティ動作制御状態ST2へ移り、その後、フロントパネル3が本体部2に取り付けられることなくキーKEYがイグニッションキースイッチSWの「ACC」又は「START」に設定されるか、或いはキーKEYがイグニッションキースイッチSWの「ACC」又は「START」に設定されないままフロントパネル3が本体部2に取り付けられたときにセキュリティ解除状態ST1へ移るようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ACCの存在しない車両に対応させ、車両のキーKEYがイグニッションキースイッチSWに挿されているかいないかに一切拘わらず、フロントパネル3が本体部2から取り外されたときにセキュリティ動作制御状態ST1へ移り、その後、フロントパネル3が本体部2に取り付けられたときにセキュリティ解除状態ST1へ移るようにしても良い。
【0154】
さらに上述の実施の形態においては、セキュリティ待機モードM3における待機時間を15秒間、1分間又は3分間のうち任意に設定できるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、10秒間、30秒間、1分間、5分間等のその他種々の待機時間を設定できるようにしても良い。
【0155】
さらに上述の実施の形態においては、警告モードM5を30秒間、警報モードM6を1分間に設定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、警告モードM5を1分間、警報モードM6を30秒間に設定する等、任意の時間を任意に組み合わせて設定するようにしても良い。
【0156】
さらに上述の実施の形態においては、警報モードM6における前半の30秒間で、警告モードM5の音量レベル(約70[dB])から12段階刻みで警報モードの音量レベル(約100[dB])まで次第に増大させるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、5段階や、20段階等のその他種々の段階数刻みで音量レベルを増大させるようにしても良い。
【0157】
さらに上述の実施の形態においては、警報モードM6へ遷移した累積回数が5回に到達したとき、又はスリープ状態ではなくメインマイコン21が稼動している累積稼動時間が合計60分間に到達したとき、強制的にセキュリティ保留モードM7へ遷移するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他種々の累積回数や累積稼動時間に到達したとき強制的にセキュリティ保留モードM7へ遷移するようにしても良い。
【0158】
さらに上述の実施の形態においては、警報モードM6へ遷移した累積回数が5回に到達したとき、又はスリープ状態ではなくメインマイコン21が稼動している累積稼動時間が合計60分間に到達したとき、セキュリティ保留モードM7へ遷移するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、図3との対応部分に同一符号を付した図19のセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置100に示すように、システムコネクタ23とメインマイコン21との間に設けられた電圧検出回路101を介してカーバッテリBATTの電圧値をメインマイコン21によって監視し、バッテリ上がりが起きることのない範囲で強制的にセキュリティ保留モードM7へ遷移するときの条件(累積回数の回数値又は累積稼動時間の分数)を適応的に変更するよう制御しても良い。
【0159】
さらに上述の実施の形態においては、本体部2のメインマイコン21がアプリケーションプログラムである切換制御処理プログラムに従って、ルーチンRT1においてセキュリティ解除状態ST1とセキュリティ動作制御状態ST2との切換制御処理手順(図12)を実行するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、CDや半導体メモリ等の記録媒体からインストールした切換制御処理プログラムや、インターネットからダウンロードした切換制御処理プログラム、その他種々のルートによってインストールした切換制御処理プログラムに従って上述したセキュリティ解除状態ST1とセキュリティ動作制御状態ST2との切換制御処理手順を実行するようにしても良い。
【0160】
さらに上述の実施の形態においては、警告モードM5において次の新たな振動を検出したとき、警告モードM5の30秒間が経過した後に警報モードM6へ遷移し、大音量のアラーム音を出力するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、警告モードM5において次の新たな振動を検出した時点で直ちに警報モードM6へ遷移して大音量のアラーム音を出力するようにしても良い。
【0161】
さらに上述の実施の形態においては、センサマイク16を用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、結果的に振動を検出することが出来れば、3軸加速度センサ等、その他種々の振動検出手段を用いるようにしても良い。
【0162】
さらに上述の実施の形態においては、振動検出手段としてのセンサマイク16、アラーム音出力手段としてのメインマイコン21、電子ボリューム27、電源内蔵パワーアンプ24、制御手段としてのメインマイコン21によって本発明におけるセキュリティ機能搭載車載機器を構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他種々の回路構成でなる振動検出手段、アラーム音出力手段及び制御手段によってセキュリティ機能搭載車載機器を構成するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0163】
本発明のセキュリティ機能搭載車載機器及び車載機器のセキュリティ機能制御方法は、例えばセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置1以外にも、セキュリティ機能を搭載したカーオーディオビデオ装置や、カーナビゲーション装置等のその他種々の車載機器に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0164】
【図1】セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置の装着状態を示す略線的斜視図である。
【図2】本体部の構成を示す略線図である。
【図3】セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置の回路構成を示す略線的ブロック図である。
【図4】フロントパネルの装着状態又は非装着状態を検出するための構造の説明に供する略線図である。
【図5】セキュリティ設定画面を示す略線図である。
【図6】セキュリティLED設定画面を示す略線図である。
【図7】セキュリティ待機モードの待機時間設定画面を示す略線図である。
【図8】感度設定画面を示す略線図である。
【図9】セキュリティ機能の状態遷移の説明に供する略線図である。
【図10】キーの状態を示す略線図である。
【図11】振動検出の原理を説明する際に用いられる略線図である。
【図12】セキュリティ保留モードにおけるモード通知画面を示す略線図である。
【図13】セキュリティ動作制御状態とセキュリティ解除状態との切換制御処理手順を示すフローチャートである。
【図14】盗難時におけるアラーム音の出力状態を示す略線図である。
【図15】振動検知が1回のみのときのアラーム音の出力状態を示す略線図である。
【図16】ユーザ乗車時に振動検知が2回あったときのアラーム音の出力状態を示す略線図である。
【図17】通常のユーザ乗車時におけるアラーム音の出力状態を示す略線図である。
【図18】他の実施の形態におけるフロントパネルの装着状態又は非装着状態を検出するための構造の説明に供する略線図である。
【図19】他の実施の形態におけるセキュリティ機能搭載カーオーディオ装置の回路構成を示す略線的ブロック図である。
【符号の説明】
【0165】
1……セキュリティ機能搭載カーオーディオ装置、2……本体部、3……フロントパネル、4……操作ボタン群、5……ナンバーボタン群、6……表示部、11……本体部側コネクタ、12……係合保持部、13……ディスク挿入口、14……黄色LED、15……赤色LED、16……センサマイク、21……メインマイコン、22……ディスクドライブ、23……システムコネクタ、24……電源内蔵パワーアンプ、25……オペアンプ、26……コンパレータ、27……電子ボリューム、28……アッテネータ、29……ラインアウト端子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動を検出する振動検出手段と、
所定のアラーム音をスピーカから出力させるアラーム音出力手段と、
上記振動検出手段により最初の振動を検出したときスリープモードから警告モードへ遷移し、所定の第1音量レベルに応じた上記アラーム音を上記アラーム音出力手段により出力させ、その後所定時間内に次の振動を検出したとき上記警告モードから警報モードへ遷移し、上記第1音量レベルよりも大きな第2音量レベルに応じた上記アラーム音を上記アラーム音出力手段により出力させるように制御する制御手段と
を具えることを特徴とするセキュリティ機能搭載車載機器。
【請求項2】
上記制御手段は、上記警報モードへ遷移したとき、上記第1音量レベルから上記第2音量レベルへ上記アラーム音を段階的に大きくする
ことを特徴とする請求項1に記載のセキュリティ機能搭載車載機器。
【請求項3】
上記制御手段は、上記警告モードへ遷移した後、上記スリープモードへ戻すための所定の条件を満たしたことを認識したとき、上記スリープモードへ戻すと共に上記アラーム音の出力を上記アラーム音出力手段により停止させる
ことを特徴とする請求項2に記載のセキュリティ機能搭載車載機器。
【請求項4】
上記制御手段は、上記条件として、上記警報モードへ遷移した回数が所定の閾値を超えたとき上記スリープモードへ強制的に戻すことにより消費電力を低減する
ことを特徴とする請求項3に記載のセキュリティ機能搭載車載機器。
【請求項5】
上記制御手段は、上記条件として、上記スリープモード以外の上記警告モードや上記警報モードへ遷移している合計時間が所定の閾値を超えたとき上記スリープモードへ強制的に戻すことにより消費電力を低減する
ことを特徴とする請求項3に記載のセキュリティ機能搭載車載機器。
【請求項6】
上記制御手段は、上記アラーム音出力手段により出力させる上記アラーム音の出力状態を制御すると共に、ユーザの設定に応じて所定の発光手段に対する点滅状態を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載のセキュリティ機能搭載車載機器。
【請求項7】
上記制御手段は、上記ユーザの設定に応じて所定の発光手段に対する点滅状態を停止させる
ことを特徴とする請求項6に記載のセキュリティ機能搭載車載機器。
【請求項8】
上記制御手段は、上記警告モードにおいて上記次の振動を検出したときであっても直ちに上記警告モードから上記警報モードへ遷移するのではなく、上記警告モードのまま所定時間が経過した後に上記警報モードへ遷移する
ことを特徴とする請求項1に記載のセキュリティ機能搭載車載機器。
【請求項9】
振動を検出する振動検出手段により最初の振動を検出したときスリープモードから警告モードへ遷移させ、所定の第1音量レベルに応じた所定のアラーム音を、上記アラーム音出力手段によりスピーカから出力させる警告モード処理ステップと、
上記警告モード処理ステップの後所定時間内に次の振動を検出したとき上記警告モードから警報モードへ遷移し、上記第1音量レベルよりも大きな第2音量レベルに応じた上記アラーム音を上記アラーム音出力手段により出力させるように制御する警報モード処理ステップと
を有することを特徴とする車載機器のセキュリティ機能制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−163430(P2009−163430A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−341212(P2007−341212)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】