説明

セラミック積層体の製造方法

【課題】 積層ズレを防止することが可能であり、不良品が少なく、しかもゴミなどの混入が少ないセラミック積層体の製造方法を提供すること。
【解決手段】 積み重ねられたグリーンシート4aの上に、除電装置から除電ガスを吹きかけ、静電気を除去しながら、キャリアフィルム20の表面に形成されたグリーンシート4bを積み重ねる。キャリアフィルム20の上から圧力を印加し、グリーンシート4a,4b同士を仮圧着する。キャリアフィルム20をグリーンシート4bから剥がす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミック積層体の製造方法に係り、さらに詳しくは、積層ズレを防止することが可能であり、不良品が少なく、しかもゴミなどの混入が少ないセラミック積層体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1に示すように、高周波回路基板用として、ガラスセラミック基板が提案されている。このガラスセラミック基板を製造するには、まず、ガラスセラミックグリーンシートを作製し、このグリーンシートの表面に配線パターンを形成する。その後、これらのグリーンシートを積層し、加圧して一体化した後に、チップ状に切断し、焼成する。
【0003】
このガラスセラミック基板の製造課程においては、何らかの条件で、しばしば積層ズレが発生することがあった。積層ズレが発生すると、グリーンシートの表面に形成された配線パターンが積層方向にズレて、例えばスルーホール電極が接続できないなどの不都合が発生し、不良品となることがある。
【0004】
従来では、グリーンシートの積層ズレが生じる原因は、必ずしも明確なものではなかった。
【0005】
なお、下記の特許文献2に示すように、離型性フィルムをプリプレグシートから剥離する際に、除電装置により静電気を除去する方法は知られている。しかしながら、この方法では、グリーンシートを積み重ねる際の積層ズレを防止することはできない。
【特許文献1】特開平5−47960号公報
【特許文献2】特開2000−13018号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、積層ズレを防止することが可能であり、不良品が少なく、しかもゴミなどの混入が少ないセラミック積層体の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、例えばガラスセラミック基板などのセラミック積層体の製造過程において、グリーンシートの積層ズレが発生する原因について鋭意検討した結果、比較的に大面積のグリーンシートを、既に積層してあるグリーンシートの上に覆い被せて積層する際に、静電気が発生し、シートの反発や吸着が生じ、積層ズレが発生することを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明に係るセラミック積層体の製造方法は、
積み重ねられたグリーンシートの上に、静電気を除去しながら、キャリアフィルムの表面に形成されたグリーンシートを積み重ねる工程と、
前記キャリアフィルムの上から圧力を印加し、前記グリーンシート同士を仮圧着する工程と、
前記キャリアフィルムを前記グリーンシートから剥がす工程とを有する。
【0009】
本発明に係るセラミック積層体の製造方法によれば、比較的に大面積のグリーンシートを、キャリアフィルムと共に、既に積層してあるグリーンシートの上に覆い被せて積層する際に、静電気を除去するために、シートの反発や吸着が防止され、積層ズレを抑制することが可能になる。そのため、セラミック積層体の製造過程における不良品が少なくなる。また、グリーンシートの静電気が除去されるために、シートへのゴミなどの付着も防止することができる。
【0010】
なお、本発明においては、10000mm以上の比較的に大面積のグリーンシートを積層する場合に、特に有効である。
【0011】
好ましくは、積み重ねられた前記グリーンシートの上で、前記キャリアフィルムの表面に形成されたグリーンシートを位置決めして、一旦浮遊させる。グリーンシートの位置決めは、たとえば、次のようにして行う。
【0012】
すなわち、ステージの上に積み重ねられたグリーンシートの周囲複数カ所に、位置決め用ピンが形成してあり、
前記キャリアフィルムに形成された位置決め用孔に前記位置決め用ピンを挿通させ、
積み重ねられた前記グリーンシートの上で、前記キャリアフィルムの表面に形成されたグリーンシートを位置決めして、一旦浮遊させる。
【0013】
このようにしてグリーンシートを位置決めすることで、積層すべきグリーンシートは、既に積層してあるグリーンシートに対して、自己整合的(セルフアライメント)に、位置決めされる。
【0014】
好ましくは、積み重ねられた前記グリーンシートと、キャリアフィルムの表面に形成されたグリーンシートとの間に、静電気除去用ガス(除電ガスとも言う)を流す。これにより、グリーンシート相互間の静電気が除去され、シートの寄れ、皺や捻れなどが防止され、正確に位置決めされて積層される。また、除電ガスを流すことで、静電気が除去され、静電気によるゴミの付着を防止できる以外に、グリーンシート間に存在するゴミをガスの流れに沿って排出する効果もある。その効果を高める観点からは、除電ガスは、一方向から流すことが好ましい。
【0015】
好ましくは、静電気を除去しながら、前記キャリアフィルムの上から圧力を印加し、前記グリーンシート同士を仮圧着する。好ましくは、前記キャリアフィルムの上から圧力を印加し、前記グリーンシート同士を仮圧着する際に、積み重ねられた前記グリーンシートの周囲に静電気除去用ガスを流す。このように構成することで、仮圧着時の静電気も除去され、この点でも積層ズレを防止できると共に、ゴミなどの付着を防止することができる。
【0016】
好ましくは、静電気を除去しながら、前記キャリアフィルムを前記グリーンシートから剥がす。好ましくは、前記キャリアフィルムを前記グリーンシートから剥がす際に、前記グリーンシートの外周に位置するグリーンシート不要部分も除去する。好ましくは、前記キャリアフィルムを前記グリーンシートから剥がす際に、前記キャリアフィルムとグリーンシートとの間に、静電気除去用ガスを流す。
【0017】
このように構成することで、グリーンシートからキャリアフィルムを引き剥がす際にも、静電気が除去され、この点でも積層ズレを防止できる。また、グリーンシートからキャリアフィルムを引き剥がす際に、グリーンシートの外周に位置するグリーンシート不要部分(切断屑)も除去されるが、その切断屑が静電気によりグリーンシートに付着することも抑制することができる。
【0018】
好ましくは、静電気除去用ガスは、プラスイオンおよび/またはマイナスイオンを含むガスである。ガスとしては、窒素ガスなどの不活性ガス、空気などが例示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るセラミック積層体の製造方法により得られるガラスセラミック基板の概略断面図、
図2は本発明の一実施形態に係るセラミック積層体の製造方法の一製造過程を示す概略断面図である。
【0020】
図1に示すガラスセラミック基板2は、ガラス粉末とセラミック粉末の混合物を低温焼成して得られるガラスセラミック基板(LTCC基板)である。ガラスセラミックは、誘電率が低く、高周波用絶縁基板として好適である。また、ガラスセラミックは800〜1000℃程度の低温で焼成することができることから、基板2の内部には、ガラスセラミック層4を介して、銅、銀、金等の低抵抗金属を内部配線層6として使用できるメリットがある。
【0021】
ガラスセラミック基板2は、たとえば以下のようにして製造される。まず、ガラスセラミックグリーンシートを準備する。ガラスセラミックグリーンシートは、たとえばガラスセラミックペーストを用いて、ドクターブレード法などによりシート状に成形される。ガラスセラミックペーストとしては、ガラス粉末、セラミック粉末、さらに有機バインダ、可塑剤、有機溶剤等を混合したものを用いることができる。
【0022】
ガラス粉末としては、特に限定されないが、たとえば、SiO−B系、SiO−B−Al系、SiO−B−Al−MO系、SiO−Al−M1O−M2O系、SiO−B−Al−M1O−M2O系、SiO−B−M3O系、SiO−B−Al−M3O系、Pb系ガラス、Bi系ガラス等が挙げられる。但し、記号MはCa、Sr、Mg、BaまたはZnを示し、記号M1および記号M2はCa、Sr、Mg、BaまたはZnを示し、記号M3はLi、NaまたはKを示す。
【0023】
セラミック粉末としては、特に限定されないが、たとえば、Al、SiO、ZrOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物、TiOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物、AlおよびSiOから選ばれる少なくとも1種を含む複合酸化物(たとえばスピネル、ムライト、コージェライト)等が挙げられる。
【0024】
ガラス粉末とセラミック粉末の混合割合は、特に限定されず、重量比で、たとえば40:60〜99:1とすることができる。
【0025】
有機バインダとしては、特に限定されず、たとえばアクリル系(アクリル酸、メタクリル酸またはそれらのエステルの単独重合体または共重合体、具体的にはアクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体等)、ポリビニルブチラ−ル系、ポリビニルアルコール系、アクリル−スチレン系、ポリプロピレンカーボネート系、セルロース系等の単独重合体または共重合体が挙げられる。
【0026】
本発明で用いるガラスセラミックペーストは、ガラス粉末、セラミック粉末、有機バインダに対して、必要に応じて、所定量の可塑剤、溶剤(有機溶剤、水等)を加えてスラリー化される。このペーストは、ドクターブレード、圧延、カレンダーロール、金型プレス等によりシート化され、ガラスセラミックグリーンシートとなる。
【0027】
ガラスセラミックグリーンシートの表面には、必要に応じて、導体パターン層(図1に示す内部配線層6となる)が形成される。内部配線層6を形成するには、ガラスセラミックグリーンシート表面に、たとえば導体材料粉末をペースト化した導体ペーストをスクリーン印刷法やグラビア印刷法等により印刷するか、あるいは所定パターン形状の金属箔を転写する等の方法が挙げられる。導体材料としては、たとえばAu、Ag、Cu、Pd、Pt等の1種または2種以上が挙げられ、2種以上の場合は混合、合金、コーティング等のいずれの形態であってもよい。
【0028】
なお、導体パターンには、上下の層間の導体パターン同士を接続するためのビア導体やスルーホール導体等の貫通導体が表面に露出した部分も含まれる。これら貫通導体は、パンチング加工等によりガラスセラミックグリーンシートに形成した貫通孔に、導体材料粉末をペースト化した導体ペーストを印刷により埋め込む等の手段によって形成される。
【0029】
導体パターン層を介して積層されたガラスセラミックグリーンシートは、切断されてチップ形状にされ、その後に焼成される。焼成条件は、グリーンシート積層体の材質にもよるが、たとえば空気中において、700〜1000°Cおよび0.5〜10時間の条件である。焼成は、たとえば電気式連続ベルト炉などの焼成炉で行われる。なお、導体ペーストがCuの場合は還元または中性雰囲気で焼成する。
【0030】
導体パターン層が形成されたガラスセラミックグリーンシート(以下、単にグリーンシートとも言う)を積層する際に、本実施形態では、図2に示す方法が採用される。すなわち、図2に示すように、ステージ10の上に、無塵紙(図示省略)を介して、グリーンシート4aを積層する。グリーンシート4aの積層方法は、キャリアフィルム20の表面に形成されたグリーンシート4bを、予め積層されたグリーンシート4aの上に積層する方法と同様である。そこで、以下の記載では、グリーンシート4bの積層方法に着目して説明する。
【0031】
図2に示す工程とは別工程において、キャリアフィルム20の表面に、上述したドクターブレード方法などにより、グリーンシート4bを形成する。その際に、グリーンシート4bの周囲には、必要以上に大きな部分であるグリーンシート不要部分4cも形成される。この部分4cは、最終的に不要となる部分なので、キャリアフィルム20と同じ幅でグリーンシートが形成された後に、キャリアフィルム20までは切断しない切断線8がグリーンシートに入れられ、必要となるグリーンシート4cと不要部分4cとに分離される。ただし、双方共に、キャリアフィルム20の表面に付着したままである。グリーンシート4bの表面には、必要に応じて、図1に示す内部配線層6となる内部導体パターン(図示省略)が形成してある。
【0032】
本実施形態において、キャリアフィルム20としては、特に限定されないが、厚みが30〜100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどが用いられる。キャリアフィルム20の表面に形成されるグリーンシート4bの縦横は、特に限定されないが、好ましくは100〜200mm×100〜200mm程度の大きさであり、本実施形態では、120mm×134mmである。また、グリーンシート不要部分4cを含むグリーンシートの縦横サイズは、本実施形態では、135mm×152mmである。
【0033】
キャリアフィルム20の表面にグリーンシート4bが形成され、必要に応じて導体パターンが形成された後、キャリアフィルム20の表裏面が反転され、図2に示す真空吸着搬送装置40によりステージ10の上まで搬送する。その後に、ステージ10の上に既に積層してあるグリーンシート4aの周囲四隅位置に形成してある位置合わせ用ピン12が、キャリアフィルム20の対応する位置に形成してある位置合わせ用孔22に挿入し始める位置まで、搬送装置40を下降移動させる。その後、搬送装置40による吸着保持を解除し、搬送装置40のみを上昇移動する。
【0034】
その結果、図2に示すように、キャリアフィルム20に形成してあるグリーンシート4bと、既に積層してあるグリーンシート4aとの間に隙間が形成された状態で、両者の位置合わせが自己整合的に行われる。その状態では、キャリアフィルム20は一時的に浮いた状態となる。それ以前の状態から、除電装置30により、積み重ねられたグリーンシート4aと、キャリアフィルム20の表面に形成されたグリーンシート4bとの間には、点線の矢印Xに示すように、静電気除去用ガス(除電ガス)が流れるようにしてある。
【0035】
除電装置30は、積み重ねられたグリーンシート4aの近くに配置され、その除電装置30からの除電ガスの流れは、矢印Xで示すように、グリーンシート4aの表面に沿って一方向から他方向へ平面に沿って平行に流れるようになっている。除電ガスの流速は、特に限定されないが、好ましくは0.5〜3m/s程度の流速である。流速が小さすぎると、静電気除去の効果が少なく、流速が大きすぎると、キャリアフィルム20がグリーンシート4bと共に、風にたなびいて揺れてしまい、位置合わせが困難になる。
【0036】
キャリアフィルム20の表面に形成されたグリーンシート4bは、既に積層してあるグリーンシート4aに対して一瞬浮遊して位置合わせされた後に、除電ガスにより静電気が除去された状態で接触する。その後、搬送装置40を、キャリアフィルム20の上面(グリーンシート4bが形成された表面の反対面)に押し付け、グリーンシート4bをグリーンシート4aに対して仮圧着する。仮圧着時のプレス圧力は、特に限定されないが、好ましくは2〜7MPaであり、本実施形態では、4MPa程度である。
その仮圧着時にも、除電装置30により除電ガスを流し続ける。なお、仮圧着時のプレス圧力は、不要部分4cには印加されないようになっている。
【0037】
その後に、積層されたグリーンシート4aの表面に仮圧着されたグリーンシート4bを残し、キャリアフィルム20を、グリーンシート4bから引き剥がす。その際に、不要部分4cは、キャリアフィルム20と共に、グリーンシート4bから分離される。
【0038】
除電装置30は、上述した工程において、連続して除電ガスを流し続けるので、キャリアフィルム20をグリーンシート4bから剥がす際にも、キャリアフィルム20とグリーンシート4bとの間には、除電ガスが流れる。除電ガスとしては、特に限定されないが、たとえばプラスイオンおよび/またはマイナスイオンを含むガスで構成される。ガスとしては、窒素ガスあるいは空気が用いられる。
【0039】
除電装置30では、プラスイオンおよび/またはマイナスイオンの量を調整することができると共に、ガスの吹き出し速度も調整が可能である。プラスイオンおよび/またはマイナスイオンの量は、除去しようとする静電気の電荷の種類や量などにより調整される。除去されるべき静電気の電荷が、プラスであれば、それを中和するように、除電装置30から吹き出されるガスには、マイナスイオンが多く含まれることが好ましい。
【0040】
このようにしてグリーンシート4bが、既に積層してあるグリーンシート4aの表面に積層され、この工程を繰り返すことで、必要とする枚数のグリーンシートの積層が完了する。その後は、積層されたグリーンシート積層体を、ステージ10から取り出し、本プレスを行う。本プレス時の加圧力は、静水圧で、好ましくは30〜100MPa、本実施形態では、74MPa程度である。
【0041】
その後に、上述したように、チップ形状に切断されて焼成され、図1に示すガラスセラミック基板2となる。
【0042】
本実施形態に係る方法では、比較的に大面積のグリーンシート4bを、キャリアフィルム20と共に、既に積層してあるグリーンシート4aの上に覆い被せて積層する際に、除電装置30により、静電気を除去することができる。そのために、シート4aの寄れ、皺や捻れなどが防止されると共に、シート4a,4bにおける部分的な反発や部分的な吸着が防止され、積層ズレを抑制することが可能になる。そのため、ガラスセラミック基板2の製造過程における不良品が少なくなる。また、グリーンシート4a,4bの静電気が除去されるために、シート4a,4bへのゴミなどの付着も防止することができる。
【0043】
また、除電ガスを一方向から流すことで、静電気が除去され、静電気によるゴミの付着を防止できる以外に、グリーンシート4a,4b間に存在するゴミをガスの流れに沿って排出できる効果もある。
【0044】
さらに本実施形態では、静電気を除去しながら、キャリアフィルム20の上から圧力を印加し、グリーンシート4a,4b同士を仮圧着するので、仮圧着時の静電気も除去される。したがって、この点でも積層ズレを防止できると共に、ゴミなどの付着を防止することができる。
【0045】
さらにまた、本実施形態では、静電気を除去しながら、キャリアフィルム20をグリーンシート4bから剥がすので、そのときにも、静電気が除去され、この点でも積層ズレを防止できる。また、グリーンシート4bからキャリアフィルム20を引き剥がす際に、グリーンシート4bの外周に位置するグリーンシート不要部分(切断屑含む)4cも除去されるが、その切断屑が静電気によりグリーンシート4aまたは4bに再付着することも抑制することができる。なお、従来では、切断屑は、窒素ガスブローのみでは除去できなかった。
【0046】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
【0047】
たとえば、本発明の方法は、ガラスセラミック基板(LTCC基板)の製造方法のみでなく、その他のデバイス、たとえばインダクタ、バリスタ、コンデンサなどのその他のセラミック積層体の製造方法に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は本発明の一実施形態に係るセラミック積層体の製造方法により得られるガラスセラミック基板の概略断面図である。
【図2】図2は本発明の一実施形態に係るセラミック積層体の製造方法の一製造過程を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0049】
2… ガラスセラミック基板
4… ガラスセラミック層
4a,4b… グリーンシート
4c… グリーンシート不要部分
6… 内部配線層
8… 切断線
10… ステージ
12… 位置合わせ用ピン
20… キャリアフィルム
22… 位置合わせ用孔
30… 除電装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
積み重ねられたグリーンシートの上に、静電気を除去しながら、キャリアフィルムの表面に形成されたグリーンシートを積み重ねる工程と、
前記キャリアフィルムの上から圧力を印加し、前記グリーンシート同士を仮圧着する工程と、
前記キャリアフィルムを前記グリーンシートから剥がす工程とを有するセラミック積層体の製造方法。
【請求項2】
積み重ねられた前記グリーンシートの上で、前記キャリアフィルムの表面に形成されたグリーンシートを位置決めして、一旦浮遊させることを特徴とする請求項1に記載のセラミック積層体の製造方法。
【請求項3】
ステージの上に積み重ねられたグリーンシートの周囲複数カ所に、位置決め用ピンが形成してあり、
前記キャリアフィルムに形成された位置決め用孔に前記位置決め用ピンを挿通させ、
積み重ねられた前記グリーンシートの上で、前記キャリアフィルムの表面に形成されたグリーンシートを位置決めして、一旦浮遊させることを特徴とする請求項1に記載のセラミック積層体の製造方法。
【請求項4】
積み重ねられた前記グリーンシートと、キャリアフィルムの表面に形成されたグリーンシートとの間に、静電気除去用ガスを流すことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセラミック積層体の製造方法。
【請求項5】
静電気を除去しながら、前記キャリアフィルムの上から圧力を印加し、前記グリーンシート同士を仮圧着する請求項1〜4のいずれかに記載のセラミック積層体の製造方法。
【請求項6】
前記キャリアフィルムの上から圧力を印加し、前記グリーンシート同士を仮圧着する際に、積み重ねられた前記グリーンシートの周囲に静電気除去用ガスを流すことを特徴とする請求項5に記載のセラミック積層体の製造方法。
【請求項7】
静電気を除去しながら、前記キャリアフィルムを前記グリーンシートから剥がす請求項1〜6のいずれかに記載のセラミック積層体の製造方法。
【請求項8】
前記キャリアフィルムを前記グリーンシートから剥がす際に、前記グリーンシートの外周に位置するグリーンシート不要部分も除去する請求項7に記載のセラミック積層体の製造方法。
【請求項9】
前記キャリアフィルムを前記グリーンシートから剥がす際に、前記キャリアフィルムとグリーンシートとの間に、静電気除去用ガスを流すことを特徴とする請求項7または8に記載のセラミック積層体の製造方法。
【請求項10】
静電気除去用ガスは、プラスイオンおよび/またはマイナスイオンを含むガスである請求項4,6または9に記載のセラミック積層体の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2007−5725(P2007−5725A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−187073(P2005−187073)
【出願日】平成17年6月27日(2005.6.27)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】