説明

セロトニン受容体介在状態を治療する方法及び組成物

セロトニン受容体介在状態を治療する方法及び組成物。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2007年12月13日出願の同時係属中の米国特許仮出願第61/013,377号(本明細書に組み込まれる)の優先権を主張する。
【0002】
[発明の背景]
技術分野
本発明は概して、セロトニン(5−ヒドロキシトリプトアミド、5−HT)受容体介在状態(serotonin receptor−mediated conditions)の治療、具体的には、前記状態を治療する医薬組成物及び方法に関する。前記方法は、イロペリドンの代謝産物である4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸の治療的有効用量を動物に投与することを含む。
【0003】
[発明の概要]
本発明は、血小板凝集、冠動脈疾患、心筋梗塞、一過性虚血発作、安定狭心症、不安定狭心症、血栓性脳卒中、二次的な虚血性事象(例えば、可逆性虚血性神経障害、及び間欠性跛行)、心房細動、血栓症(例えば、血管形成術、心臓手術、及び/又は心房細動に関連する血栓形成)、再狭窄(例えば、医療用ステント等の医療用デバイスでの治療によるものを含む)、喘息、及び糖尿病に関連する病状(例えば、糖尿病腎症、及び糖尿病性網膜症)を含むがこれらに限定されないセロトニン受容体介在状態を治療する方法及び組成物を提供する。
【0004】
本発明の第1の態様は、セロトニン(5−ヒドロキシトリプトアミン2A、5−HT2A)受容体介在状態に罹患している動物において5−HT2A受容体を拮抗する方法であって、有効量の4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸又は医薬上許容されるその塩を前記動物に体内投与することを含む方法を提供する。
【0005】
本発明の第2の態様は、動物において血小板凝集に関連する状態を治療する方法であって、有効量の4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸又は医薬上許容されるその塩を前記動物に体内投与することを含む方法を提供する。
【0006】
本発明の第3の態様は、動物において虚血性事象の再発を治療する方法であって、有効量の4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸又は医薬上許容されるその塩を前記動物に体内投与することを含む方法を提供する。
【0007】
本発明の第4の態様は、4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸又は医薬上許容されるその塩の、セロトニン(5−ヒドロキシトリプトアミン、5−HT)受容体介在状態の治療における又は前記治療に有用な薬物の製造における使用を提供する。
【0008】
[詳細な説明]
上述のように、本発明は、セロトニン受容体介在状態を治療する組成物及び方法を提供する。本発明の方法は、動物への、有効量の4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸又は医薬上許容されるその塩の、単独での、又は1つ若しくは複数の追加の有効薬剤、例えば抗血栓薬剤との組み合わせ投与を含む。
【0009】
本明細書中、「有効量」は、治療対象の状態の兆候及び症状の発症を予防若しくは遅延させる、又は前記状態の兆候及び症状を排除若しくは緩和する、即ちその重症度を低減する若しくはその発生回数を低減する量を意味するものとする。また、「治療(treatment)」、「治療する(treating)」及び「治療する(treat)」は治療又は予防、即ちセロトニン受容体介在状態の治療又は予防を意味するものとする。
【0010】
本明細書中、「アゴニスト」は、受容体に結合した際に細胞内反応を活性化する、又はGTPの膜に対する結合を増大させる部分を意味するものとする。
【0011】
本明細書中、「部分アゴニスト」は、受容体に結合した際に細胞内反応を、アゴニストほどではないが、活性化する、又はGTPの膜に対する結合を、アゴニストほどではないが、増大させる部分を意味するものとする。
【0012】
本明細書中、「アンタゴニスト」は、アゴニストが結合する部位と同一部位において受容体に競合的に結合するが、活性型の受容体により開始された細胞内反応の活性化は行わず、したがってアゴニスト又は部分アゴニストによる細胞内反応を阻害可能な部分を意味するものとする。アンタゴニストは、アゴニスト又は部分アゴニストが存在しない場合には基礎細胞内反応を低減しない。
【0013】
本明細書中、「インバースアゴニスト」は、内因型の受容体又は構造的活性化型の受容体に結合し、活性型の受容体により開始された基礎細胞内反応を阻害することにより、その反応活性を、アゴニスト又は部分アゴニストが存在しない場合に観察される標準的な基準値より下げる、又はGTPの膜に対する結合を減少させる部分を意味するものとする。好ましくは、前記基礎細胞内反応はインバースアゴニストの存在下において、インバースアゴニストが存在しない場合の基礎反応と比較して少なくとも30%、より好ましくは少なくとも50%、最も好ましくは少なくとも75%阻害される。
【0014】
本発明は、化合物4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸又は医薬上許容されるその塩、並びにエステル、立体異性体、溶媒和物、水和物、結晶及び非晶質形態、並びにその多型体の使用を意図する。
【0015】
4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸はイロペリドンの代謝産物である。イロペリドンは米国特許第5,364,866号、第5,658,911号、及び第6,140,345号に開示され、各特許は参照により本明細書に組み込まれる。例えば、国際特許出願公開第2006039663号及び第2003054226号パンフレット中に開示されるように、特定の遺伝子型を有する患者に対してはイロペリドン又はイロペリドン代謝産物の優先的使用が有利である場合もあり、前記各特許出願はまた、参照により本明細書に組み込まれる。
【0016】
4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸は、α1アドレナリン受容体及び5HT2Aに対し選択性が非常に高く且つ効力が高く、全体としては、α1アドレナリン受容体に対する親和性/効力はα2アドレナリン受容体に対するものよりわずかに高く、且つドーパミン、ヒスタミン及びセロトニン受容体(5HT2A以外)に対する活性はあったとしても非常に弱い。
【0017】
放射性リガンド結合研究において、4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸はヒト5HT2A受容体に対し以下のような活性を有していた。
【0018】
【表1】

【0019】
他のセロトニン受容体に対するIC50は約1.5〜約10.4μMであった。ドーパミン及びヒスタミンH1受容体に対するIC50は約1.3〜約8.0μMであった。α1及び2アドレナリン作動性受容体に対するIC50は約.01〜約4.9μMであった。α1Bアドレナリン受容体(ラット)に次いで最も高い効力はヒトセロトニン5HT2A受容体に対して観察された。
【0020】
更に、4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸は、血小板凝集アッセイにおいて用量依存性の拮抗活性を示した。前記アッセイにおいては、血小板の豊富な血漿をアルビノ種ウサギから得た。血小板凝集は、アデノシン二リン酸(ADP)3μMの存在下において誘導され、且つセロトニン10μMの添加により増強された。4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸は、セロトニン濃度各6μM、60μM、0.6mM、及び1mMの存在下において血小板凝集を5分間以内に30、50、60、及び79%阻害した。前記アッセイでポジティブ対照として使用された周知の5−HT2A受容体アンタゴニストであるケタンセリン(100μM)は、同一条件において55%の阻害効果を示した。
【0021】
4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸は血液脳関門を通過しないと思われる。特に、[14C]4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸で治療したラットを用いたDMPK研究において、脳内で測定可能な放射性濃度を示したラットはなかった。したがって、4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸は、脳内の受容体が実質的には介在しない状態に対し特に有用である。
【0022】
本発明の方法は、5−HT2A受容体介在状態に罹患した動物に、有効量の4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸を投与することを含む。多様な実施形態において、前記状態は、血小板凝集、冠動脈疾患、心筋梗塞、一過性虚血発作、安定狭心症、不安定狭心症、血栓性脳卒中、二次的な虚血性事象、心房細動、血栓症、再狭窄、喘息、及び糖尿病に関連する病状であってもよいが、これらに限定されない。
【0023】
4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸は、抗血栓薬剤と別個に又は抗血栓薬剤と共に投与してもよい。適切な抗血栓薬剤は、例えばクロピドグレル重硫酸塩、ストレプトキナーゼ、アルテプラーゼ、アプロチニン、アスピリン、及びワルファリンを含む。抗血栓薬剤を含む一実施形態は、例えば、両方の医薬有効成分が混合された状態の、又は各医薬有効成分が丸剤又はカプセル剤の別個の部分に含まれた状態の、丸剤又はカプセル剤を含んでもよい。言うまでもなく、直接的又は間接的に活性のある前記化合物の代謝産物、プロドラッグ、立体異性体、多型体、水和物、溶媒和物、及び塩についても本発明の実施において使用できる。
【0024】
本発明に従って投与する化合物は、例えば錠剤、カプセル剤、経口用液剤、静脈内投与用液剤、筋肉内注射剤、皮内注射剤、坐剤、貼付剤、吸入剤、及び鼻腔用スプレー剤を含む形態のうちいくつかの形態であってもよい。また、前記化合物は即時放出製剤、持続放出製剤、又は長時間作用型注射剤製剤(例えば28日用デポー剤製剤)であってもよい。また、本発明の方法は、1日1回、1日2回、又は1日3回投与を含んでもよい。
【0025】
有効量の4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸を対象動物(典型的にはヒトであるが、例えば家畜、ペット、及びレース用動物等の他の動物も治療できる)に多様な経路で投与してもよい。有効量は、治療対象の状態の兆候及び症状の発症を予防若しくは遅延させる、又は5HT2A受容体介在状態の兆候及び症状を排除若しくは緩和する、即ちその重症度を低減する若しくはその発生回数を低減する量である。
【0026】
有効量は例えば、患者、治療対象の障害又は症状の重症度、及び投与経路に依存して量的に変動してもよい。前記用量は日常的な試験により決定可能である。一般的に、経口投与等の全身投与に関しては、有効用量は約1〜約500mg/日、例えば5〜100mg/日、又は約0.01〜約10mg/kg/日、例えば0.5〜1.5mg/kg/日の範囲であるべきである。
【0027】
当然のことながら、4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸の実際の投与量含む投与プロトコールは、関連する状況に鑑みて医師により決定される。前記関連する状況には、例えば治療対象の状態、選択された投与経路、個々の患者の年齢、体重、及び応答、並びに患者の症状の重症度が含まれる。言うまでもなく、患者は可能性のある有害事象について監視すべきである。治療的又は予防的使用に関しては、4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸は通常、(前記)必須有効成分としての4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸と、医薬上許容される固体又は液体担体と、任意には医薬上許容される佐剤及び添加物(excipients)と、を標準的且つ従来の技術により組み合わせて含む医薬組成物として投与される。
【0028】
本発明の実施において有用な医薬組成物は、経口、非経口(皮下、筋肉内、皮内、静脈内を含む)、経皮、気管支内、又は点鼻投与に適切な投与形態を含む。したがって、固体の担体を使用する場合、製剤は、錠剤化してもよいし、粉末若しくはペレット状でハードゼラチンカプセル内に入れてもよいし、又はトローチ剤若しくはロゼンジ剤の形態としてもよい。固体の担体は、結合剤、賦形剤(fillers)、錠剤用滑沢剤、崩壊剤、及び湿潤剤等の従来の添加物を含有してもよい。必要であれば、錠剤は従来の技術によりフィルムコーティングされてもよい。液体の担体を使用する場合、製剤は、シロップ剤、乳剤、ソフトゼラチンカプセル剤、注射用滅菌ビヒクル、水性若しくは非水性懸濁剤の形態であってもよいし、又は使用前に水若しくは他の適切なビヒクルで復元可能な乾燥物であってもよい。液体製剤は従来の添加剤、例えば懸濁化剤、乳化剤、湿潤剤、非水性ビヒクル(食用油を含む)、保存剤、並びに着香及び/又は着色剤を含有してもよい。非経口投与に関し、ビヒクルは通常少なくとも大部分は滅菌水からなるが、塩類溶液及びグルコース溶液等を使用してもよい。注射用懸濁剤を使用してもよく、その場合には従来の懸濁化剤を使用してもよい。非経口投与形態には従来の保存剤及び緩衝剤等を添加してもよい。医薬組成物は、適切な量のイロペリドン又はその有効代謝産物を含む所望の製剤について適切な従来の技術により調製されてもよい。例えばレミントン製薬科学(REMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCES、Mack Publishing Company、Easton、Pa.、17th edition、1985)を参照。
【0029】
本発明に使用される医薬組成物の製造において、有効成分(複数可)を通常、担体と共に混合、又は担体により希釈、又は担体内に封入し、前記担体はカプセル、サッシェ、紙、若しくは他の容器の形態であってもよい。希釈剤としての担体は、前記有効成分用のビヒクル、添加物、又は媒体として作用する固体、半固体、又は液体物質であってもよい。したがって、前記組成物は、錠剤、丸剤、散剤、ロゼンジ剤、サッシェ剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、液剤、シロップ剤、(固体として、又は液体媒体中の)エアゾール剤、例えば有効化合物を上限10重量%含有する軟膏剤、ソフト及びハードゼラチンカプセル剤、坐剤、滅菌注射用液剤、及び滅菌包装された散剤の形態であってもよい。
【0030】
適切な添加物及び希釈剤の例として、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカントゴム、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、メチルセルロース、ヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、タルク、ステアリン酸マグネシウム、及び鉱物油が挙げられる。前記製剤は更に、滑沢剤、湿潤剤、乳化及び懸濁化剤、保存剤、甘味料、及び/又は着香剤を含んでもよい。本発明の組成物は、患者への投与後に有効成分を即時、持続、又は遅延放出する目的で製剤してもよい。
【0031】
前記実施形態のいずれかに従う、BPH又は他の徴候を治療するための4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸又は医薬上許容されるその塩の投与は、放出制御型、例えば遅延、持続、又はパルス放出型の薬剤投与形態の使用により実行されてもよい。「放出制御」とは、医薬有効成分(API)の吸収が、嚥下投与用の即時放出経口形態と比較して遅延性、持続性、又は遅延性且つ持続性であることを意味する。前記投与形態は例えば米国特許第4,772,475号に開示され、前記特許は参照により本明細書に組み込まれる。
【0032】
例えば、本発明の放出制御製剤は、標準的な溶出アッセイ(例えば(1)pH4.5、(2)pH6.8、又は(3)0.1N HClの37℃の水性溶媒中)において、4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸又は医薬上許容されるその塩が約3%〜約15%/時間、より好ましくは約4%〜約13%/時間、最も好ましくは約5%〜約7%/時間の速度で溶出し、それにより、4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸又は医薬上許容されるその塩を約16〜約24時間かけてゆっくりと、実質的に一定な投薬量で提供するようなものを含む。別の実施形態において、4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸又は医薬上許容されるその塩は、パルス型プロファイルで、例えば、投与直後に薬剤の約25%が、投与約2時間、4時間、及び6時間後に薬剤の約25%が放出される、又は投与直後に薬剤の約50%が、投与約2時間及び4時間後に薬剤の約25%が放出される、又は投与直後に薬剤の約50%が、投与約4時間及び6時間後に薬剤の約25%が放出される。
【0033】
本発明の放出制御投与形態は経口送達を目的とするいくつかの放出制御技術を使用してもよい。例えば、Lalla及びBhatは、放出を緩和するためにDCP顆粒を血管拡張薬イソソルビド二硝酸塩で被覆する方法を記載している。本発明の放出制御形態の医薬組成物を調製する方法は、まずDCP顆粒に糖シロップを噴霧し、被覆された顆粒を選別して直径約500〜約600μmのものを選択する。続いて、4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸又は医薬上許容されるその塩若しくはエステル(「医薬有効成分」又は「API」)の被覆剤を顆粒表面に対して噴霧し、顆粒を乾燥させる。ペレット基質中の微小環境を酸性に維持するために、酸性緩衝剤の層を薬剤層の下及び/又は上に塗布することができる。最後に、乾燥API被覆顆粒にポリマー被覆剤を塗布する。あるいは、乾燥顆粒を加圧して錠剤としてもよい。J.K.Lalla及びShruti U.Bhat、Controlled−Release Isosorbide Dinitrate Pellets.Part I:Design and Evaluation of Controlled−Release Capsule Dosage Form、J.Pharm.Sci.、82(12):1288−1291(1993);J.K.Lalla及びShruti U.Bhat、Controlled−Release Isosorbide Dinitrate Pellets.Part II:In Vivo Studies、J.Pharm.Sci.、82(12):1292−1295(1993)を参照されたい。両内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0034】
Beimanらの米国特許第5,968,554号は、胃及び十二指腸に薬剤を送達できる多層型放出制御投与形態を教示している。また、同じくBeimanらの米国特許第6,312,728号は、十二指腸、及び大腸若しくは結腸の両方に、又は胃、十二指腸及び大腸若しくは結腸に薬剤を送達できる多層型放出制御投与形態を教示している。両参照文献は参照により本明細書に組み込まれる。
【0035】
関連する放出制御投与量及び方法がPercelらによりいくつか記載されている。例えば米国特許第6,627,223号は、少なくとも2つの被覆膜障壁を有する時限持続放出(TSR)ビーズからなる薬剤量を記載し、障壁の組成及び厚みにより薬剤放出の遅延時間及び持続時間が決定される。一実施形態において、第1の膜障壁は腸溶性ポリマーであり、且つ第2の膜は非水溶性ポリマー及び腸溶性ポリマーの混合物である。前記構成によれば、血漿濃度−時間特性において治療用薬剤を1回又は複数回パルス放出可能となる。
【0036】
同じくPercelらの米国特許第6,500,454号は、プロプラノロールを24時間周期で放出することにより前記薬剤に対する時間依存性生理的要求を模倣する投薬単位を記載する。同じくPercelらの米国特許第6,663,888号は、上述に類似する、ヒスタミンH2アンタゴニストを24時間周期で放出する投薬を記載する。Percelらの上記各参照文献は参照により本明細書に組み込まれる。
【0037】
例えば従来のパンコーティング、穿孔パンコーティング、流動床コーティング、トップスプレーコーティング、ボトムスプレーコーティング、及びタンジェンシャルスプレーコーティングを含む当技術分野で公知の他の放出制御方法も本発明の範囲内である。例えば、Atul M.Mehta及びDavid M.Jones、Coated Pellets Under the Microscope、Pharm.Tech.、1985年6月を参照されたい。文献の内容はまた、参照により本明細書に組み込まれる。
【0038】
多様な添加物を本発明の放出制御投与形態に組み込んでもよい。前記添加物には、例えばオイドラギット(Eudragit)(登録商標)ポリマー(Rohm&Haas)、エチルセルロース、エトセル(Ethocel)(登録商標)ポリマー(Dow Chemical Company)、クエン酸トリエチル、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、糖、及び酸性緩衝剤が含まれる。通例、前記添加物は放出制御投薬の大部分を構成してもよい。
【0039】
別の例示的な実施形態において、本発明の放出制御投与形態は薬剤の間欠的なの又はパルス状の放出を提供するように設計される。前記実施形態において、前記投与形態は薬剤の2、3、4、5、又は更には6つのアリコートを数時間かけて、例えば2〜24時間、8〜24時間、又は16〜24時間かけて放出してもよい。本発明の例示的なパルス送達投与形態は、主に十二指腸内に薬剤を放出する第1の区画、主に空腸内に薬剤を放出する第2の区画、主に回腸内に薬剤を放出する第3の区画といった別個の「区画(compartment)」に3つのアリコートに分けて薬剤を放出する。各アリコートとして放出される薬剤の量は、総量を等分したものであってもよいし、又は量がそれぞれ異なっていてもよい。本発明のパルス放出の実施形態において、緩衝剤及び対イオンの選択は、個々のアリコートについて、例えば特定アリコートの放出が見込まれるGI管内の位置に依存して異なっていてもよい。
【0040】
イロペリドンを投与する多様な製剤及び方法が記載されている。例えば、国際公開第2004/006886号パンフレットにはイロペリドン結晶を含む注射用デポー剤製剤が記載され、イロペリドン及びポリグリコール酸ポリ乳酸グルコース星形ポリマーをマイクロカプセル化したデポー剤製剤が米国特許出願公開第20030091645号に記載され、イロペリドン又はイロペリドン誘導体の濃度増加に関連する心電図補正QT間隔(QTc)の延長の除去又は最小化を特に目的とするイロペリドンの投与方法が2004年9月30日出願の米国特許仮出願第60/614,798号に記載され、前記内容は全て参照により本明細書に組み込まれる。
【0041】
別の例示的な実施形態において、本発明は、1つ又は複数の薬剤投薬単位の4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸、及び任意に1つ又は複数の薬剤投薬単位の抗血栓薬剤を更に含むキットを含む。別の実施形態において、本発明は、患者の血流中において各々の有効量が適切な時間に適切量で維持されることを目的とする、4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸の投薬単位及び抗血栓薬剤の投薬単位の異なる時間における投与を含む。
【0042】
関連する実施形態において、キットは、1つの薬剤のみの薬剤投薬単位と、2種の薬剤を含む他の薬剤投薬単位とを含む。前記キットによれば、抗血栓薬剤(複数可)とは異なる時間間隔で4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸を摂取する場合の投与を容易にすることができる。
【0043】
前記組み合わせを使用する場合、各薬剤の用量は各々単独の有効量とほぼ同一又はそれより少なくなると予想される。例えば、各医薬有効成分を、各成分を単独投与する場合の用量の約20%〜約80%で投与することができる。
【0044】
2つ(以上)の薬剤をほぼ同時に(simultaneously)、即ち共に(concomitantly)(例えば互いに約0〜約5分以内、好ましくは約1分間隔以内に)投与してもよいし、異なる時間に投与してもよい。例えば前記組成物を、各投与形態が両方の有効成分を含有する単位投与形態に製剤してもよい。用語「単位投与形態」は、ヒト対象及び他の動物に対する投薬単位として適切な物理的に別個の単位を指し、各単位は、必要な医薬担体と共に治療期間中所望の予防的又は治療的効果を発揮するよう計算された所定量の有効物質を含む。
【0045】
本発明の単位投与形態は、4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸を単独の医薬有効成分として含むか別の薬剤との組み合わせとして含むかにかかわらず、遅延、持続、又はパルス放出等の放出制御形態に製剤することもできる。組み合わせの場合、前記形態により、4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸を、他の薬剤(複数可)と同じ又は異なる速度及び時間において放出することができる。
【0046】
他の実施形態において、本発明は、4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸又は医薬上許容されるその塩を含む医療用デバイス、例えば埋め込み型医療デバイスを含む。前記医療用デバイスは、移植又は挿入等により対象内に配置される任意の医療デバイスであってもよい。前記デバイスは、例えば使用されている特定のデバイス及び治療対象の状態に依存して、任意の時間の間、対象の内部にあってもよい。特定の例示的な実施形態において、前記デバイスは、カテーテル、ステント、ガイドワイヤ、センサ、心室補助デバイス、移植組織、大動脈弁等の弁、ペースメーカー、人工関節、又は注入システム/ポンプである。デバイスからAPIが放出されるような前記デバイスは、一般的に薬剤溶出デバイスと呼ばれる。薬剤溶出医療デバイスの組立製造に使用可能な方法は多様であり、前記デバイス表面のAPIによる被覆、APIのポリマー基質内への調製及び前記デバイス内の収容部における前記基質の保持、APIを含む製剤による多孔質医療デバイスの充填等が含まれる。
【0047】
特定の例示的な実施形態において、本発明は、4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸又は医薬上許容されるその塩を含むポリマー基質により内側若しくは外側面が、又はその両方が被覆された薬剤溶出ステントを含む。前記デバイスは「詰まった」血管の開放、及び再狭窄の予防若しくは遅延、又は再狭窄のリスクの低減に有用である。関連する態様において、本発明は、4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸又は医薬上許容されるその塩を含む医薬組成物の販売促進、マーケティング、又は販売方法であって、見込み患者、処方責任者、又は医師若しくは他の処方担当者への前記化合物に関する情報の頒布を含み、前記情報は4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸又は医薬上許容されるその塩が上述の受容体拮抗特性を有し、具体的には5HT2A受容体に対して効力が高いアンタゴニストであるという内容を含むような方法を含む。関連する態様において、本発明は、前記情報を頒布するシステムであって、例えば前記情報を記憶するデータ記憶媒体、データ記憶媒体から前記情報を検索する手段、例えばコンピュータ等、及び検索された情報を関連する人物に、例えば前記情報を電子的に送信することにより、又は印刷し且つその印刷された情報のコピーを物理的に配布する等により、頒布する手段を備えるシステムを含む。
【0048】
本発明の多様な態様に関する前述の記載は例示及び説明を目的として示すものである。完全であること又は開示された厳密な形態に本発明を限定することを意図せず、また多くの改変及び変更が可能であることは明白である。当業者には明白であろう前記改変及び変更は、付属の請求項により定義される本発明の範囲内に含まれることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
5−HT2A受容体介在状態に罹患している動物において5−HT2A受容体を拮抗する方法であって、
有効量の4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸又は医薬上許容されるその塩を前記動物に体内投与するステップを含む方法。
【請求項2】
5−HT2A受容体が脳内には位置しない請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記状態が、血小板凝集、冠動脈疾患、心筋梗塞、一過性虚血発作、安定狭心症、不安定狭心症、血栓性脳卒中、二次的な虚血性事象、心房細動、血栓症、再狭窄、喘息、及び糖尿病に関連する病状からなる群より選択される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
二次的な虚血性事象が、可逆性虚血性神経障害及び間欠性跛行の少なくとも1つを含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
血栓症が、血管形成術、心臓手術、及び心房細動の少なくとも1つに関連する血栓形成を含む請求項3に記載の方法。
【請求項6】
再狭窄が医療用デバイスによる治療の結果として生じる請求項3に記載の方法。
【請求項7】
医療用デバイスが医療用ステントを含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
糖尿病に関連する病状が、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症の少なくとも1つを含む請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記動物に少なくとも1つの抗血栓薬剤を投与するステップを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
抗血栓薬剤が、クロピドグレル重硫酸塩、ストレプトキナーゼ、アルテプラーゼ、アプロチニン、アスピリン、及びワルファリンからなる群より選択される請求項9に記載の方法。
【請求項11】
4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸又は医薬上許容されるその塩が放出制御薬剤投与形態である請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記動物に投与される4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸又は医薬上許容されるその塩が約1mg/日〜約500mg/日である請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記量が約5mg/日〜約100mg/日である請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記動物に投与される4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸又は医薬上許容されるその塩の量が約0.01mg/kg/日〜約10mg/kg/日である請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記量が約0.5mg/kg/日〜約1.5mg/kg/日である請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記動物がヒトである請求項1に記載の方法。
【請求項17】
4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸又は医薬上許容されるその塩及び医薬上許容される添加物を含む医薬組成物。
【請求項18】
1つ又は複数の投薬単位中に5HT2A受容体介在疾患治療に対する有効量を含む請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
動物における血小板凝集に関連する状態を治療する方法であって、
有効量の4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸又は医薬上許容されるその塩を前記動物に体内投与するステップを含む方法。
【請求項20】
4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸又は医薬上許容されるその塩が5−HT2A受容体のアンタゴニストとして作用する請求項19に記載の方法。
【請求項21】
4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸又は医薬上許容されるその塩が5−HT2A受容体のインバースアゴニストとして作用する請求項19に記載の方法。
【請求項22】
クロピドグレル重硫酸塩、ストレプトキナーゼ、アルテプラーゼ、アプロチニン、アスピリン、及びワルファリンからなる群より選択される少なくとも1つの抗血栓薬剤を前記動物に投与するステップ
を更に含む請求項19に記載の方法。
【請求項23】
4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸又は医薬上許容されるその塩が放出制御薬剤投与形態である請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記動物に投与される4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸又は医薬上許容されるその塩の量が約1mg/日〜約500mg/日である請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記量が約5mg/日〜約100mg/日である請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記動物に投与される4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸又は医薬上許容されるその塩の量が約0.01mg/kg/日〜約10mg/kg/日である請求項19に記載の方法。
【請求項27】
前記量が約0.5mg/kg/日〜約1.5mg/kg/日である請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記動物がヒトである請求項19に記載の方法。
【請求項29】
動物における虚血性事象の再発を治療する方法であって、
有効量の4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸又は医薬上許容されるその塩を前記動物に体内投与するステップを含む方法。
【請求項30】
虚血性事象の再発が、心筋梗塞及び血栓性脳卒中からなる群より選択される請求項29に記載の方法。
【請求項31】
4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸又は医薬上許容されるその塩が5−HT2A受容体のアンタゴニストとして作用する請求項29に記載の方法。
【請求項32】
4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸又は医薬上許容されるその塩が5−HT2A受容体のインバースアゴニストとして作用する請求項29に記載の方法。
【請求項33】
クロピドグレル重硫酸塩、ストレプトキナーゼ、アルテプラーゼ、アプロチニン、アスピリン、及びワルファリンからなる群より選択される少なくとも1つの抗血栓薬剤を前記動物に投与するステップ
を更に含む請求項29に記載の方法。
【請求項34】
4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸又は医薬上許容されるその塩が放出制御薬剤投与形態である請求項29に記載の方法。
【請求項35】
前記動物に投与される4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸又は医薬上許容されるその塩の量が約1mg/日〜約500mg/日である請求項29に記載の方法。
【請求項36】
前記量が約5mg/日〜約100mg/日である請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記動物に投与される4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸又は医薬上許容されるその塩の量が約0.01mg/kg/日〜約10mg/kg/日である請求項29に記載の方法。
【請求項38】
前記量が約0.5mg/kg/日〜約1.5mg/kg/日である請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記動物がヒトである請求項29に記載の方法。
【請求項40】
5−HT2A受容体介在状態の治療に有用な薬物の製造における、4−[3−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロポキシ]−3−メトキシ安息香酸又は医薬上許容されるその塩の使用。
【請求項41】
前記状態が、血小板凝集、冠動脈疾患、心筋梗塞、一過性虚血発作、安定狭心症、不安定狭心症、血栓性脳卒中、二次的な虚血性事象、心房細動、血栓症、再狭窄、喘息、及び糖尿病に関連する病状からなる群より選択される請求項40に記載の使用。
【請求項42】
二次的な虚血性事象が、可逆性虚血性神経障害及び間欠性跛行の少なくとも1つを含む請求項41に記載の使用。
【請求項43】
血栓症が、血管形成術、心臓手術、及び心房細動の少なくとも1つに関連する血栓形成を含む請求項41に記載の使用。
【請求項44】
再狭窄が医療用デバイスによる治療の結果として生じる請求項41に記載の使用。
【請求項45】
医療用デバイスが医療用ステントを含む請求項44に記載の使用。
【請求項46】
糖尿病に関連する病状が、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症の少なくとも1つを含む請求項41に記載の使用。

【公表番号】特表2011−506482(P2011−506482A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538217(P2010−538217)
【出願日】平成20年12月13日(2008.12.13)
【国際出願番号】PCT/US2008/086734
【国際公開番号】WO2009/076664
【国際公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(507021702)ヴァンダ ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (20)
【Fターム(参考)】