センサ付車輪用軸受
【課題】 外部環境の影響によるセンサの故障を防止して、車輪用軸受やタイヤ接地面に作用する荷重を長期にわたり正確に検出できるセンサ付車輪用軸受を提供する。
【解決手段】
車輪用軸受は、外方部材1と内方部材2の対向し合う複列の転走面3,4間に転動体5を介在させたものである。外方部材1と内方部材2のうち固定側部材に1つ以上のセンサユニット20を設ける。センサユニット20は、固定側部材に接触して固定される2つ以上の接触固定部21aを有する歪み発生部材21と、この歪み発生部材21に取付けられてこの歪み発生部材21の歪みを検出するセンサ22とからなる。固定側部材にはセンサユニット20を覆う保護カバー35を設ける。
【解決手段】
車輪用軸受は、外方部材1と内方部材2の対向し合う複列の転走面3,4間に転動体5を介在させたものである。外方部材1と内方部材2のうち固定側部材に1つ以上のセンサユニット20を設ける。センサユニット20は、固定側部材に接触して固定される2つ以上の接触固定部21aを有する歪み発生部材21と、この歪み発生部材21に取付けられてこの歪み発生部材21の歪みを検出するセンサ22とからなる。固定側部材にはセンサユニット20を覆う保護カバー35を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車輪の軸受部にかかる荷重を検出する荷重センサを内蔵したセンサ付車輪用軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の各車輪にかかる荷重を検出する技術として、車輪用軸受の固定輪である外輪のフランジ部外径面の歪みを検出することにより荷重を検出するセンサ付車輪用軸受が提案されている(例えば特許文献1)。また、車輪用軸受の外輪に歪みゲージを貼り付け、歪みを検出するようにした車輪用軸受も提案されている(例えば特許文献2)。
【0003】
さらに、歪み発生部材およびこの歪み発生部材に取付けた歪みセンサからなるセンサユニットを軸受の固定輪に取付け、前記歪み発生部材は、前記固定輪に対して少なくとも2箇所の接触固定部を有し、隣り合う接触固定部の間で少なくとも1箇所に切欠き部を有し、この切欠き部に前記歪みセンサを配置したセンサ付車輪用軸受が提案されている(例えば特許文献3)。
【0004】
特許文献3に開示のセンサ付車輪用軸受によると、車両走行に伴い回転輪に荷重が加わったとき、転動体を介して固定輪が変形するので、その変形がセンサユニットに歪みをもたらす。センサユニットに設けられた歪みセンサは、センサユニットの歪みを検出する。歪みと荷重の関係を予め実験やシミュレーションで求めておけば、歪みセンサの出力から車輪にかかる荷重等を検出することができる。
【特許文献1】特開2002−098138号公報
【特許文献2】特表2003−530565号公報
【特許文献3】特開2007−57299号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示の技術では、固定輪のフランジ部の変形により発生する歪みを検出している。しかし、固定輪のフランジ部の変形には、フランジ面とナックル面の間に、静止摩擦力を超える力が作用した場合に滑りが伴うため、繰返し荷重を印加すると、出力信号にヒステリシスが発生するといった問題がある。
例えば、車輪用軸受に対してある方向の荷重が大きくなる場合、固定輪フランジ面とナックル面の間は、最初は荷重よりも静止摩擦力の方が大きいため滑らないが、ある大きさを超えると静止摩擦力に打ち勝って滑るようになる。その状態で荷重を小さくしていくと、やはり最初は静止摩擦力により滑らないが、ある大きさになると滑るようになる。その結果、この変形が生じる部分で荷重を推定しようとすると、出力信号に図11のようなヒステリシスが生じる。ヒステリシスが生じると、検出分解能が低下する。
特許文献2のように外輪に歪みゲージを貼り付けるのでは、組立性に問題がある。
また、特許文献1や特許文献2の例に限らず、特許文献3に開示のセンサ付車輪用軸受においても、車輪用軸受の固定輪にセンサが設けられているので、軸受の外部環境によってセンサが故障してしまう恐れがある。
【0006】
この発明の目的は、外部環境の影響によるセンサの故障を防止して、車輪用軸受やタイヤ接地面に作用する荷重を長期にわたり正確に検出できるセンサ付車輪用軸受を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、前記転走面と対向する転走面が外周に形成された内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、上記外方部材および内方部材のうちの固定側部材に接触して固定される2つ以上の接触固定部を有する歪み発生部材、およびこの歪み発生部材に取付けられてこの歪み発生部材の歪みを検出するセンサからなる1つ以上のセンサユニットを設け、前記固定側部材に前記センサユニットを覆う保護カバーを設けたことを特徴とする。
車輪用軸受や、車輪のタイヤと路面間に荷重が作用すると、車輪用軸受の固定側部材(例えば外方部材)にも荷重が印加されて変形が生じる。センサユニットにおける歪み発生部材の接触固定部が外方部材に接触固定されているので、外方部材の歪みが歪み発生部材に拡大して伝達され、その歪みがセンサで感度良く検出され、その出力信号に生じるヒステリシスも小さくなり、荷重を精度良く推定できる。とくに、センサユニットを覆う保護カバーが固定側部材に設けられているので、外部環境によりセンサユニットが故障するのを防止でき、車輪用軸受やタイヤ接地面に作用する荷重を長期にわたり正確に検出することができる。
前記固定側部材が前記外方部材である場合は、前記保護カバーは外方部材の外周に設けられるが、その場合、保護カバーを設け易くて、保護カバーによるセンサユニットの保護が行い易い。
【0008】
この発明において、前記保護カバーは、前記固定側部材と同心のリング状部材であり、前記1つ以上のセンサユニットの全てを覆うものとしても良い。このように、1つの保護カバーで全てのセンサユニットを覆うと、組立性が向上する。
【0009】
この発明において、前記全てのセンサユニットのセンサの配線を前記保護カバーの一箇所から引き出しても良い。このように、全てのセンサユニットのセンサの配線を、保護カバーの一箇所から引き出すと、組立後の配線処理が容易になる。
【0010】
この発明において、前記センサユニットのセンサの配線を、前記保護カバーに設けたフレキシブル基板に配線しても良い。このように、保護カバー内でのセンサユニットのセンサの配線の処理を、保護カバーに設けたフレキシブル基板を利用して行うと、配線処理が容易で、構成がコンパクトになり、断線などの発生も解消できる。
【0011】
この発明において、前記固定側部材には前記センサユニットのセンサ以外のセンサが取付けられ、このセンサも前記保護カバーで覆うものとしても良い。このように、1つの保護カバーで、センサユニットと、これ以外のセンサを覆うものとすると、組立性が向上する。
【0012】
この発明において、前記センサユニットの2つ以上の接触固定部を、前記固定側部材の軸方向に対して同寸法となる位置に設けても良い。
固定側部材に固定されるセンサユニットの各接触固定部の軸方向寸法が異なると、固定側部材から接触固定部を介して歪み発生部材に伝達される歪みも異なる。センサユニットの各接触固定部を、このように軸方向に同寸法となるように設けると、歪み発生部材に歪みが集中しやすくなり、それだけ検出感度が向上する。また、センサユニットが固定側部材において、同一軸方向位置に並ぶことになるので、その軸方向位置に保護カバーを設けるだけで全てのセンサユニットを覆うことができ、保護カバーをコンパクトに構成することができる。
【0013】
この発明において、前記歪み発生部材は、平面概形が均一幅の帯状、または平面概形が帯状で側辺部に切欠き部を有する薄板材からなるものとしても良い。この構成の場合、固定側部材の歪みが歪み発生部材に拡大して伝達されやすく、その歪みがセンサで感度良く検出され、その出力信号に生じるヒステリシスも小さくなり、荷重を精度良く推定できる。また、歪み発生部材の形状も簡単なものとなり、コンパクトで低コストなものとできる。また、固定側部材の同一軸方向位置に保護カバーを設けて全てのセンサユニットを覆うことが容易となり、保護カバーをコンパクトに構成できる。
【0014】
この発明において、前記センサユニットを、タイヤ接地面に対して上下位置および左右位置となる前記固定側部材の外径面の上面部、下面部、右面部、および左面部に配置しても良い。この構成の場合、どのような荷重条件においても、荷重を精度良く推定することができる。すなわち,ある方向への荷重が大きくなると、転動体と転走面が接触している部分と接触していない部分が180度位相差で現れるため、その方向に合わせてセンサユニットを180度位相差で設置すれば、どちかのセンサユニットには必ず転動体を介して固定側部材に印加される荷重が伝達され、その荷重を歪みセンサにより検出可能となる。また、固定側部材の外径面の上面部、下面部、右面部、および左面部に配置することにより、全てのセンサユニットを1つの保護カバーで覆い易く、保護カバーをコンパクトに構成できる。
【発明の効果】
【0015】
この発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、前記転走面と対向する転走面が外周に形成された内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、上記外方部材および内方部材のうちの固定側部材に接触して固定される2つ以上の接触固定部を有する歪み発生部材、およびこの歪み発生部材に取付けられてこの歪み発生部材の歪みを検出するセンサからなる1つ以上のセンサユニットを設け、前記固定側部材に前記センサユニットを覆う保護カバーを設けたため、外部環境の影響によるセンサの故障を防止して、車輪用軸受やタイヤ接地面に作用する荷重を長期にわたり正確に検出できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
この発明の一実施形態を図1ないし図7と共に説明する。この実施形態は、第3世代型の内輪回転タイプで、駆動輪支持用の車輪用軸受に適用したものである。なお、この明細書において、車両に取付けた状態で車両の車幅方向の外側寄りとなる側をアウトボード側と呼び、車両の中央寄りとなる側をインボード側と呼ぶ。
【0017】
このセンサ付車輪用軸受における軸受は、図1に断面図で示すように、内周に複列の転走面3を形成した外方部材1と、これら各転走面3に対向する転走面4を外周に形成した内方部材2と、これら外方部材1および内方部材2の転走面3,4間に介在した複列の転動体5とで構成される。この車輪用軸受は、複列のアンギュラ玉軸受型とされていて、転動体5はボールからなり、各列毎に保持器6で保持されている。上記転走面3,4は断面円弧状であり、ボール接触角が背面合わせとなるように形成されている。外方部材1と内方部材2との間の軸受空間の両端は、一対のシール7,8によってそれぞれ密封されている。
【0018】
外方部材1は固定側部材となるものであって、車体の懸架装置(図示せず)におけるナックル16に取付ける車体取付用フランジ1aを外周に有し、全体が一体の部品とされている。フランジ1aには周方向複数箇所にナックル取付用のボルト孔14が設けられ、インボード側よりナックル16のボルト挿通孔17に挿通したナックルボルト18を前記ボルト孔14に螺合することにより、車体取付用フランジ1aがナックル16に取付けられる。
内方部材2は回転側部材となるものであって、車輪取付用のハブフランジ9aを有するハブ輪9と、このハブ輪9の軸部9bのインボード側端の外周に嵌合した内輪10とでなる。これらハブ輪9および内輪10に、前記各列の転走面4が形成されている。ハブ輪9のインボード側端の外周には段差を持って小径となる内輪嵌合面12が設けられ、この内輪嵌合面12に内輪10が嵌合している。ハブ輪9の中心には貫通孔11が設けられている。ハブフランジ9aには、周方向複数箇所にハブボルト(図示せず)の圧入孔15が設けられている。ハブ輪9のハブフランジ9aの根元部付近には、車輪および制動部品(図示せず)を案内する円筒状のパイロット部13がアウトボード側に突出している。
【0019】
図2は、この車輪用軸受の外方部材1をアウトボード側から見た正面図を示す。なお、図1は、図2におけるI−I矢視断面図を示す。前記車体取付用フランジ1aは、図2のように、各ボルト孔14が設けられた円周方向部分が他の部分よりも外径側へ突出した突片1aaとされている。
【0020】
固定側部材である外方部材1の外径面には、4個のセンサユニット20が設けられている。ここでは、これらのセンサユニット20が、タイヤ接地面に対して上下位置および前後位置となる外方部材1の外径面における上面部、下面部、右面部、および左面部に設けられている。
【0021】
これらのセンサユニット20は、図3および図4に拡大平面図および拡大断面図で示すように、歪み発生部材21と、この歪み発生部材21に取付けられて歪み発生部材21の歪みを検出する歪みセンサ22とでなる。歪み発生部材21は、鋼材等の弾性変形可能な金属製で2mm以下の薄板材からなり、平面概形が全長にわたり均一幅の帯状で中央の両側辺部に切欠き部21bを有する。また、歪み発生部材21は、外方部材1の外径面にスペーサ23を介して接触固定される2つの接触固定部21aを両端部に有する。なお、歪み発生部材21の形状によっては、接触固定部21aを2つ以上有するものとしても良い。歪みセンサ22は、歪み発生部材21における各方向の荷重に対して歪みが大きくなる箇所に貼り付けられる。ここでは、その箇所として、歪み発生部材21の外面側で両側辺部の切欠き部21bで挟まれる中央部位が選ばれており、歪みセンサ22は切欠き部21b周辺の周方向の歪みを検出する。なお、歪み発生部材21は、固定側部材である外方部材1に作用する外力、またはタイヤと路面間に作用する作用力として、想定される最大の力が印加された状態においても、塑性変形しないものとするのが望ましい。塑性変形が生じると、外方部材1の変形がセンサユニット20に伝わらず、歪みの測定に影響を及ぼすからである。
【0022】
前記センサユニット20は、その歪み発生部材21の2つの接触固定部21aが、外方部材1の軸方向に同寸法の位置で、かつ両接触固定部21aが互いに円周方向に離れた位置に来るように配置され、これら接触固定部21aがそれぞれスペーサ23を介してボルト24により外方部材1の外径面に固定される。前記各ボルト24は、それぞれ接触固定部21aに設けられた径方向に貫通するボルト挿通孔25からスペーサ23のボルト挿通孔26に挿通し、外方部材1の外周部に設けられたボルト孔27に螺合させる。このように、スペーサ23を介して外方部材1の外径面に接触固定部21aを固定することにより、薄板状である歪み発生部材21における切欠き部21bを有する中央部位が外方部材1の外径面から離れた状態となり、切欠き部21bの周辺の歪み変形が容易となる。接触固定部21aが配置される軸方向位置として、ここでは外方部材1のアウトボード側列の転走面3の周辺となる軸方向位置が選ばれる。ここでいうアウトボード側列の転走面3の周辺とは、インボード側列およびアウトボード側列の転走面3の中間位置からアウトボード側列の転走面3の形成部までの範囲である。外方部材1の外径面へセンサユニット20を安定良く固定する上で、外方部材1の外径面における前記スペーサ23が接触固定される箇所には平坦部1bが形成される。
【0023】
このほか、図5に断面図で示すように、外方部材1の外径面における前記歪み発生部材21の2つの接触固定部21aが固定される2箇所の中間部に溝1cを設けることで、前記スペーサ23を省略し、歪み発生部材21における切欠き部21bが位置する2つの接触固定部21bの中間部位を外方部材1の外径面から離すようにしても良い。
また、歪み発生部材21は、図6に示すように、平面概形が単調な帯状とし、図3の例のような切欠き部21bを形成しないものであっても良い。
【0024】
歪みセンサ22としては、種々のものを使用することができる。例えば、歪みセンサ22を金属箔ストレインゲージで構成することができる。その場合、通常、歪み発生部材21に対しては接着による固定が行なわれる。また、歪みセンサ22を歪み発生部材21上に厚膜抵抗体にて形成することもできる。
【0025】
固定側部材である前記外方部材1の外周には、前記各センサユニット20を覆う保護カバー35が設けられている。この保護カバー35は、図1のように軸方向に延びる円筒部35aと、この円筒部35aのアウトボード側端から内径側に延びる立板部35bとを有する断面L字状で、外方部材1と同心のリング状部材からなる。保護カバー35の立片部35bの内径側端を外方部材1の外径面に、また保護カバー35の円筒部35aのインボード側端を外方部材1の車体取付用フランジ1aのアウトボード側を向く側面にそれぞれ固定することで、外方部材1の外径面に設けられる全てのセンサユニット20を覆うように、保護カバー35が外方部材1に取付けられる。保護カバー35の円筒部35aのインボード側端は、外方部材1の外周面との間には隙間が設けられている。保護カバー35の材質は、プラスチックやゴムであっても良く、また金属製であっても良い。
【0026】
また、図1のように、保護カバー35で覆われる全てのセンサユニット20における歪みセンサ21の配線36は、保護カバー35の一箇所から保護カバーの外側に引き出される。例えば図1の例では、全ての歪みセンサ21の配線36を、保護カバー35の円筒部35aの内周面における周方向の一箇所からインボード側に延ばして、外方部材1の車体取付用フランジ1aにおける谷部、つまり周方向に隣り合う2つの突片1aa(図2)の中間位置から外部に引き出すようにしている。
【0027】
センサユニット20の歪みセンサ22は推定手段30に接続される。推定手段30は、歪みセンサ22の出力信号により、車輪用軸受や車輪と路面間(タイヤ接地面)に作用する力(垂直方向荷重Fz ,駆動力や制動力となる荷重Fx ,軸方向荷重Fy )を推定する手段であり、信号処理回路や補正回路などが含まれる。この推定手段30は、前記作用力と歪みセンサ22の出力信号との関係を演算式またはテーブル等により設定した関係設定手段(図示せず)を有し、入力された出力信号から前記関係設定手段を用いて作用力の値を出力する。前記関係設定手段の設定内容は、予め試験やシミュレーションで求めておいて設定する。
【0028】
車輪のタイヤと路面間に荷重が作用すると、車輪用軸受の固定側部材である外方部材1にも荷重が印加されて変形が生じる。センサユニット20における歪み発生部材21の2つの接触固定部21aが外方部材1に接触固定されているので、外方部材1の歪みが歪み発生部材21に拡大して伝達され、その歪みが歪みセンサ22で感度良く検出され、その出力信号に生じるヒステリシスも小さくなり、荷重を精度良く推定できる。とくに、センサユニット20を覆う保護カバー35が固定側部材である外方部材1に設けられているので、外部環境によりセンサユニット20が故障するのを防止でき、長期にわたって荷重を正確に検出することができる。
【0029】
上記説明では車輪のタイヤと路面間の作用力を検出する場合を示したが、車輪のタイヤと路面間の作用力だけでなく、車輪用軸受に作用する力(例えば予圧量)を検出するものても良い。
このセンサ付車輪用軸受から得られた検出荷重を車両制御に使用することにより、自動車の安定走行に寄与できる。また、このセンサ付車輪用軸受を用いると、車両にコンパクトに荷重センサを設置でき、量産性に優れたものとでき、コスト低減を図ることができる。
【0030】
また、この実施形態では、保護カバー35が、固定側部材である外方部材1と同心のリング状部材からなり、この1つの保護カバー35で全てのセンサユニット20を覆うようにしているので、組立性が向上する。
【0031】
また、この実施形態では、全てのセンサユニット20の歪みセンサ22の配線36を、保護カバー35の一箇所から引き出すようにしているので、組立後の配線処理が容易になる。
【0032】
固定側部材である外方部材1の外径面に固定されるセンサユニット20の各接触固定部21aの軸方向寸法が異なると、外方部材1の外径面から接触固定部21aを介して歪み発生部材21に伝達される歪みも異なる。この実施形態では、センサユニット20の各接触固定部21aを、外方部材1の外径面に対して軸方向に同寸法となるように設けているので、歪み発生部材21に歪みが集中しやすくなり、それだけ検出感度が向上する。また、全てのセンサユニット20が外方部材1の外径面において、同一軸方向位置に並ぶことになるので、その軸方向位置に保護カバー35を設けるだけで全てのセンサユニット20を覆うことができ、保護カバー35をコンパクトに構成できる。
【0033】
また、この実施形態では、センサユニット20の歪み発生部材21が、図6のように平面概形が均一幅の帯状や、図3のように平面概形が帯状で側辺部に切欠き部21bを有する薄板材からなるものとしているので、外方部材1の歪みが歪み発生部材21に拡大して伝達されやすく、その歪みが歪みセンサ22で感度良く検出され、その出力信号に生じるヒステリシスも小さくなり、荷重を精度良く推定できる。また、歪み発生部材21の形状も簡単なものとなり、コンパクトで低コストなものとできる。また、外方部材1の同一軸方向位置に保護カバー35を設けて全てのセンサユニット20を覆うことが容易となり、保護カバー35をコンパクトに構成できる。
【0034】
また、この実施形態では、固定側部材である外方部材1の外径面の上面部と下面部、および右面部と左面部にセンサユニット20を設けているので、どのような荷重条件においても、荷重を精度良く推定することができる。すなわち,ある方向への荷重が大きくなると、転動体5と転走面3が接触している部分と接触していない部分が180度位相差で現れるため、その方向に合わせてセンサユニット20を180度位相差で設置すれば、どちかのセンサユニット20には必ず転動体5を介して外方部材1に印加される荷重が伝達され、その荷重を歪みセンサ22により検出可能となる。また、外方部材1の外径面の上面部、下面部、右面部、および左面部に配置することにより、全てのセンサユニット20を1つの保護カバー35で覆い易く、保護カバー35をコンパクトに構成できる。
【0035】
図7および図8は、この発明の他の実施形態を示す。なお、図7は、図8におけるVII − VII矢視断面図を示す。この実施形態では、図1〜図6に示す実施形態において、例えば温度センサや振動センサなどセンサユニット20の歪みセンサ22以外のセンサ37が、固定側部材である外方部材1の外径面に設けられており、このセンサ37も上記した保護カバー35で覆っている。その他の構成は、図1〜図6の実施形態の場合と同様である。
【0036】
この実施形態の場合、1つの保護カバー35で、センサユニット20と、これ以外のセンサ37を覆うことができるので、組立性が向上する。
【0037】
なお、上記した各実施形態において、図9に断面図で示すように、保護カバー35の内面にフレキシブル基板38を設け、このフレキシブル基板38に、歪みセンサ22やそれ以外のセンサ37の配線36をプリント配線しても良い。なお、図9では、保護カバー35の断面形状を、その円筒部35aの両端から内径側に延びる2つの立板部35b,35cを有するコ字状としており、その円筒部35aの内周面に前記フレキシブル基板38が設けられている。この場合、2つの立板部35b,35cは、いずれも外方部材1の外周面に接している。保護カバー35は、内部を密封空間としたものであっても、また内部空間を大気中に開通させる通気経路(図示せず)を設けものとしても良い。
【0038】
このように、保護カバー35内での歪みセンサ22やその他のセンサ37の配線36の処理を、保護カバー35に設けたフレキシブル基板38を利用して行うと、配線処理が容易で、構成がンパクトになり、断線などの発生も解消できる。
【0039】
また、前記各実施形態では、センサユニット20を、外方部材1における複列の転走面3のうちのアウトボード側の転走面3の周辺となる軸方向位置、つまり比較的設置スペースが広く、タイヤ作用力が転動体5を介して外方部材1に伝達されて比較的変形量の大きい部位に配置しているので、検出感度が向上し、荷重をより精度良く推定できる。
【0040】
また、車輪用軸受の回転中には、転走面3におけるセンサユニット20の近傍部位を通過する転動体5の有無によって、センサユニット20の歪みセンサ22の出力信号の振幅に、図10に示す波形図のように周期的な変化が生じる場合がある。その理由は、転動体5の通過時とそうでない場合とで変形量が異なり、転動体5の通過周期ごとに歪みセンサ22の出力信号の振幅がピーク値を持つためである。そこで、検出信号におけるこのピーク値の周期を,例えば推定手段30で測定することにより、転動体5の通過速度つまり車輪の回転数を検出することも可能となる。このように、出力信号に変動が見られる場合、推定手段30は、センサユニット20の歪みセンサ22の出力信号の平均値や振幅から荷重を推定することができる。変動が見られない場合は、絶対値より荷重を算出することができる。
【0041】
上記各実施形態では、外方部材1が固定側部材である場合につき説明したが、この発明は、内方部材が固定側部材である車輪用軸受にも適用することができ、その場合、センサユニット20および保護カバー35は内方部材の内周となる周面に設ける。
【0042】
また、この実施形態では第3世代型の車輪用軸受に適用した場合につき説明したが、この発明は、軸受部分とハブとが互いに独立した部品となる第1または第2世代型の車輪用軸受や、内方部材の一部が等速ジョイントの外輪で構成される第4世代型の車輪用軸受にも適用することができる。また、このセンサ付車輪用軸受は、従動輪用の車輪用軸受にも適用でき、さらに各世代形式のテーパころタイプの車輪用軸受にも適用することができる。また、外方部材が回転側部材となる車輪用軸受に適用することもできる。その場合、内方部材の外周に前記保護カバーを設ける。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】この発明の一実施形態にかかるセンサ付車輪用軸受の断面図とその検出系の概念構成のブロック図とを組み合わせて示す図である。
【図2】同センサ付車輪用軸受の外方部材をアウトボード側から見た正面図である。
【図3】同センサ付車輪用軸受におけるセンサユニットの拡大平面図である。
【図4】図3におけるIV−IV矢視断面図である。
【図5】センサユニットの他の設置例を示す断面図である。
【図6】センサユニットの他の例の拡大平面図である。
【図7】この発明の他の実施形態にかかるセンサ付車輪用軸受の断面図である。
【図8】同センサ付車輪用軸受の外方部材をアウトボード側から見た正面図である。
【図9】保護カバーの他の構成例を示す拡大断面図である。
【図10】センサ付車輪用軸受におけるセンサユニットの出力信号の波形図である。
【図11】従来例での出力信号におけるヒステリシスの説明図である。
【符号の説明】
【0044】
1…外方部材
2…内方部材
3,4…転走面
5…転動体
20…センサユニット
21…歪み発生部材
21a…接触固定部
21b…切欠き部
22…歪みセンサ
35…保護カバー
36…配線
37…他のセンサ
38…フレキシブル基板
【技術分野】
【0001】
この発明は、車輪の軸受部にかかる荷重を検出する荷重センサを内蔵したセンサ付車輪用軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の各車輪にかかる荷重を検出する技術として、車輪用軸受の固定輪である外輪のフランジ部外径面の歪みを検出することにより荷重を検出するセンサ付車輪用軸受が提案されている(例えば特許文献1)。また、車輪用軸受の外輪に歪みゲージを貼り付け、歪みを検出するようにした車輪用軸受も提案されている(例えば特許文献2)。
【0003】
さらに、歪み発生部材およびこの歪み発生部材に取付けた歪みセンサからなるセンサユニットを軸受の固定輪に取付け、前記歪み発生部材は、前記固定輪に対して少なくとも2箇所の接触固定部を有し、隣り合う接触固定部の間で少なくとも1箇所に切欠き部を有し、この切欠き部に前記歪みセンサを配置したセンサ付車輪用軸受が提案されている(例えば特許文献3)。
【0004】
特許文献3に開示のセンサ付車輪用軸受によると、車両走行に伴い回転輪に荷重が加わったとき、転動体を介して固定輪が変形するので、その変形がセンサユニットに歪みをもたらす。センサユニットに設けられた歪みセンサは、センサユニットの歪みを検出する。歪みと荷重の関係を予め実験やシミュレーションで求めておけば、歪みセンサの出力から車輪にかかる荷重等を検出することができる。
【特許文献1】特開2002−098138号公報
【特許文献2】特表2003−530565号公報
【特許文献3】特開2007−57299号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示の技術では、固定輪のフランジ部の変形により発生する歪みを検出している。しかし、固定輪のフランジ部の変形には、フランジ面とナックル面の間に、静止摩擦力を超える力が作用した場合に滑りが伴うため、繰返し荷重を印加すると、出力信号にヒステリシスが発生するといった問題がある。
例えば、車輪用軸受に対してある方向の荷重が大きくなる場合、固定輪フランジ面とナックル面の間は、最初は荷重よりも静止摩擦力の方が大きいため滑らないが、ある大きさを超えると静止摩擦力に打ち勝って滑るようになる。その状態で荷重を小さくしていくと、やはり最初は静止摩擦力により滑らないが、ある大きさになると滑るようになる。その結果、この変形が生じる部分で荷重を推定しようとすると、出力信号に図11のようなヒステリシスが生じる。ヒステリシスが生じると、検出分解能が低下する。
特許文献2のように外輪に歪みゲージを貼り付けるのでは、組立性に問題がある。
また、特許文献1や特許文献2の例に限らず、特許文献3に開示のセンサ付車輪用軸受においても、車輪用軸受の固定輪にセンサが設けられているので、軸受の外部環境によってセンサが故障してしまう恐れがある。
【0006】
この発明の目的は、外部環境の影響によるセンサの故障を防止して、車輪用軸受やタイヤ接地面に作用する荷重を長期にわたり正確に検出できるセンサ付車輪用軸受を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、前記転走面と対向する転走面が外周に形成された内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、上記外方部材および内方部材のうちの固定側部材に接触して固定される2つ以上の接触固定部を有する歪み発生部材、およびこの歪み発生部材に取付けられてこの歪み発生部材の歪みを検出するセンサからなる1つ以上のセンサユニットを設け、前記固定側部材に前記センサユニットを覆う保護カバーを設けたことを特徴とする。
車輪用軸受や、車輪のタイヤと路面間に荷重が作用すると、車輪用軸受の固定側部材(例えば外方部材)にも荷重が印加されて変形が生じる。センサユニットにおける歪み発生部材の接触固定部が外方部材に接触固定されているので、外方部材の歪みが歪み発生部材に拡大して伝達され、その歪みがセンサで感度良く検出され、その出力信号に生じるヒステリシスも小さくなり、荷重を精度良く推定できる。とくに、センサユニットを覆う保護カバーが固定側部材に設けられているので、外部環境によりセンサユニットが故障するのを防止でき、車輪用軸受やタイヤ接地面に作用する荷重を長期にわたり正確に検出することができる。
前記固定側部材が前記外方部材である場合は、前記保護カバーは外方部材の外周に設けられるが、その場合、保護カバーを設け易くて、保護カバーによるセンサユニットの保護が行い易い。
【0008】
この発明において、前記保護カバーは、前記固定側部材と同心のリング状部材であり、前記1つ以上のセンサユニットの全てを覆うものとしても良い。このように、1つの保護カバーで全てのセンサユニットを覆うと、組立性が向上する。
【0009】
この発明において、前記全てのセンサユニットのセンサの配線を前記保護カバーの一箇所から引き出しても良い。このように、全てのセンサユニットのセンサの配線を、保護カバーの一箇所から引き出すと、組立後の配線処理が容易になる。
【0010】
この発明において、前記センサユニットのセンサの配線を、前記保護カバーに設けたフレキシブル基板に配線しても良い。このように、保護カバー内でのセンサユニットのセンサの配線の処理を、保護カバーに設けたフレキシブル基板を利用して行うと、配線処理が容易で、構成がコンパクトになり、断線などの発生も解消できる。
【0011】
この発明において、前記固定側部材には前記センサユニットのセンサ以外のセンサが取付けられ、このセンサも前記保護カバーで覆うものとしても良い。このように、1つの保護カバーで、センサユニットと、これ以外のセンサを覆うものとすると、組立性が向上する。
【0012】
この発明において、前記センサユニットの2つ以上の接触固定部を、前記固定側部材の軸方向に対して同寸法となる位置に設けても良い。
固定側部材に固定されるセンサユニットの各接触固定部の軸方向寸法が異なると、固定側部材から接触固定部を介して歪み発生部材に伝達される歪みも異なる。センサユニットの各接触固定部を、このように軸方向に同寸法となるように設けると、歪み発生部材に歪みが集中しやすくなり、それだけ検出感度が向上する。また、センサユニットが固定側部材において、同一軸方向位置に並ぶことになるので、その軸方向位置に保護カバーを設けるだけで全てのセンサユニットを覆うことができ、保護カバーをコンパクトに構成することができる。
【0013】
この発明において、前記歪み発生部材は、平面概形が均一幅の帯状、または平面概形が帯状で側辺部に切欠き部を有する薄板材からなるものとしても良い。この構成の場合、固定側部材の歪みが歪み発生部材に拡大して伝達されやすく、その歪みがセンサで感度良く検出され、その出力信号に生じるヒステリシスも小さくなり、荷重を精度良く推定できる。また、歪み発生部材の形状も簡単なものとなり、コンパクトで低コストなものとできる。また、固定側部材の同一軸方向位置に保護カバーを設けて全てのセンサユニットを覆うことが容易となり、保護カバーをコンパクトに構成できる。
【0014】
この発明において、前記センサユニットを、タイヤ接地面に対して上下位置および左右位置となる前記固定側部材の外径面の上面部、下面部、右面部、および左面部に配置しても良い。この構成の場合、どのような荷重条件においても、荷重を精度良く推定することができる。すなわち,ある方向への荷重が大きくなると、転動体と転走面が接触している部分と接触していない部分が180度位相差で現れるため、その方向に合わせてセンサユニットを180度位相差で設置すれば、どちかのセンサユニットには必ず転動体を介して固定側部材に印加される荷重が伝達され、その荷重を歪みセンサにより検出可能となる。また、固定側部材の外径面の上面部、下面部、右面部、および左面部に配置することにより、全てのセンサユニットを1つの保護カバーで覆い易く、保護カバーをコンパクトに構成できる。
【発明の効果】
【0015】
この発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、前記転走面と対向する転走面が外周に形成された内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、上記外方部材および内方部材のうちの固定側部材に接触して固定される2つ以上の接触固定部を有する歪み発生部材、およびこの歪み発生部材に取付けられてこの歪み発生部材の歪みを検出するセンサからなる1つ以上のセンサユニットを設け、前記固定側部材に前記センサユニットを覆う保護カバーを設けたため、外部環境の影響によるセンサの故障を防止して、車輪用軸受やタイヤ接地面に作用する荷重を長期にわたり正確に検出できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
この発明の一実施形態を図1ないし図7と共に説明する。この実施形態は、第3世代型の内輪回転タイプで、駆動輪支持用の車輪用軸受に適用したものである。なお、この明細書において、車両に取付けた状態で車両の車幅方向の外側寄りとなる側をアウトボード側と呼び、車両の中央寄りとなる側をインボード側と呼ぶ。
【0017】
このセンサ付車輪用軸受における軸受は、図1に断面図で示すように、内周に複列の転走面3を形成した外方部材1と、これら各転走面3に対向する転走面4を外周に形成した内方部材2と、これら外方部材1および内方部材2の転走面3,4間に介在した複列の転動体5とで構成される。この車輪用軸受は、複列のアンギュラ玉軸受型とされていて、転動体5はボールからなり、各列毎に保持器6で保持されている。上記転走面3,4は断面円弧状であり、ボール接触角が背面合わせとなるように形成されている。外方部材1と内方部材2との間の軸受空間の両端は、一対のシール7,8によってそれぞれ密封されている。
【0018】
外方部材1は固定側部材となるものであって、車体の懸架装置(図示せず)におけるナックル16に取付ける車体取付用フランジ1aを外周に有し、全体が一体の部品とされている。フランジ1aには周方向複数箇所にナックル取付用のボルト孔14が設けられ、インボード側よりナックル16のボルト挿通孔17に挿通したナックルボルト18を前記ボルト孔14に螺合することにより、車体取付用フランジ1aがナックル16に取付けられる。
内方部材2は回転側部材となるものであって、車輪取付用のハブフランジ9aを有するハブ輪9と、このハブ輪9の軸部9bのインボード側端の外周に嵌合した内輪10とでなる。これらハブ輪9および内輪10に、前記各列の転走面4が形成されている。ハブ輪9のインボード側端の外周には段差を持って小径となる内輪嵌合面12が設けられ、この内輪嵌合面12に内輪10が嵌合している。ハブ輪9の中心には貫通孔11が設けられている。ハブフランジ9aには、周方向複数箇所にハブボルト(図示せず)の圧入孔15が設けられている。ハブ輪9のハブフランジ9aの根元部付近には、車輪および制動部品(図示せず)を案内する円筒状のパイロット部13がアウトボード側に突出している。
【0019】
図2は、この車輪用軸受の外方部材1をアウトボード側から見た正面図を示す。なお、図1は、図2におけるI−I矢視断面図を示す。前記車体取付用フランジ1aは、図2のように、各ボルト孔14が設けられた円周方向部分が他の部分よりも外径側へ突出した突片1aaとされている。
【0020】
固定側部材である外方部材1の外径面には、4個のセンサユニット20が設けられている。ここでは、これらのセンサユニット20が、タイヤ接地面に対して上下位置および前後位置となる外方部材1の外径面における上面部、下面部、右面部、および左面部に設けられている。
【0021】
これらのセンサユニット20は、図3および図4に拡大平面図および拡大断面図で示すように、歪み発生部材21と、この歪み発生部材21に取付けられて歪み発生部材21の歪みを検出する歪みセンサ22とでなる。歪み発生部材21は、鋼材等の弾性変形可能な金属製で2mm以下の薄板材からなり、平面概形が全長にわたり均一幅の帯状で中央の両側辺部に切欠き部21bを有する。また、歪み発生部材21は、外方部材1の外径面にスペーサ23を介して接触固定される2つの接触固定部21aを両端部に有する。なお、歪み発生部材21の形状によっては、接触固定部21aを2つ以上有するものとしても良い。歪みセンサ22は、歪み発生部材21における各方向の荷重に対して歪みが大きくなる箇所に貼り付けられる。ここでは、その箇所として、歪み発生部材21の外面側で両側辺部の切欠き部21bで挟まれる中央部位が選ばれており、歪みセンサ22は切欠き部21b周辺の周方向の歪みを検出する。なお、歪み発生部材21は、固定側部材である外方部材1に作用する外力、またはタイヤと路面間に作用する作用力として、想定される最大の力が印加された状態においても、塑性変形しないものとするのが望ましい。塑性変形が生じると、外方部材1の変形がセンサユニット20に伝わらず、歪みの測定に影響を及ぼすからである。
【0022】
前記センサユニット20は、その歪み発生部材21の2つの接触固定部21aが、外方部材1の軸方向に同寸法の位置で、かつ両接触固定部21aが互いに円周方向に離れた位置に来るように配置され、これら接触固定部21aがそれぞれスペーサ23を介してボルト24により外方部材1の外径面に固定される。前記各ボルト24は、それぞれ接触固定部21aに設けられた径方向に貫通するボルト挿通孔25からスペーサ23のボルト挿通孔26に挿通し、外方部材1の外周部に設けられたボルト孔27に螺合させる。このように、スペーサ23を介して外方部材1の外径面に接触固定部21aを固定することにより、薄板状である歪み発生部材21における切欠き部21bを有する中央部位が外方部材1の外径面から離れた状態となり、切欠き部21bの周辺の歪み変形が容易となる。接触固定部21aが配置される軸方向位置として、ここでは外方部材1のアウトボード側列の転走面3の周辺となる軸方向位置が選ばれる。ここでいうアウトボード側列の転走面3の周辺とは、インボード側列およびアウトボード側列の転走面3の中間位置からアウトボード側列の転走面3の形成部までの範囲である。外方部材1の外径面へセンサユニット20を安定良く固定する上で、外方部材1の外径面における前記スペーサ23が接触固定される箇所には平坦部1bが形成される。
【0023】
このほか、図5に断面図で示すように、外方部材1の外径面における前記歪み発生部材21の2つの接触固定部21aが固定される2箇所の中間部に溝1cを設けることで、前記スペーサ23を省略し、歪み発生部材21における切欠き部21bが位置する2つの接触固定部21bの中間部位を外方部材1の外径面から離すようにしても良い。
また、歪み発生部材21は、図6に示すように、平面概形が単調な帯状とし、図3の例のような切欠き部21bを形成しないものであっても良い。
【0024】
歪みセンサ22としては、種々のものを使用することができる。例えば、歪みセンサ22を金属箔ストレインゲージで構成することができる。その場合、通常、歪み発生部材21に対しては接着による固定が行なわれる。また、歪みセンサ22を歪み発生部材21上に厚膜抵抗体にて形成することもできる。
【0025】
固定側部材である前記外方部材1の外周には、前記各センサユニット20を覆う保護カバー35が設けられている。この保護カバー35は、図1のように軸方向に延びる円筒部35aと、この円筒部35aのアウトボード側端から内径側に延びる立板部35bとを有する断面L字状で、外方部材1と同心のリング状部材からなる。保護カバー35の立片部35bの内径側端を外方部材1の外径面に、また保護カバー35の円筒部35aのインボード側端を外方部材1の車体取付用フランジ1aのアウトボード側を向く側面にそれぞれ固定することで、外方部材1の外径面に設けられる全てのセンサユニット20を覆うように、保護カバー35が外方部材1に取付けられる。保護カバー35の円筒部35aのインボード側端は、外方部材1の外周面との間には隙間が設けられている。保護カバー35の材質は、プラスチックやゴムであっても良く、また金属製であっても良い。
【0026】
また、図1のように、保護カバー35で覆われる全てのセンサユニット20における歪みセンサ21の配線36は、保護カバー35の一箇所から保護カバーの外側に引き出される。例えば図1の例では、全ての歪みセンサ21の配線36を、保護カバー35の円筒部35aの内周面における周方向の一箇所からインボード側に延ばして、外方部材1の車体取付用フランジ1aにおける谷部、つまり周方向に隣り合う2つの突片1aa(図2)の中間位置から外部に引き出すようにしている。
【0027】
センサユニット20の歪みセンサ22は推定手段30に接続される。推定手段30は、歪みセンサ22の出力信号により、車輪用軸受や車輪と路面間(タイヤ接地面)に作用する力(垂直方向荷重Fz ,駆動力や制動力となる荷重Fx ,軸方向荷重Fy )を推定する手段であり、信号処理回路や補正回路などが含まれる。この推定手段30は、前記作用力と歪みセンサ22の出力信号との関係を演算式またはテーブル等により設定した関係設定手段(図示せず)を有し、入力された出力信号から前記関係設定手段を用いて作用力の値を出力する。前記関係設定手段の設定内容は、予め試験やシミュレーションで求めておいて設定する。
【0028】
車輪のタイヤと路面間に荷重が作用すると、車輪用軸受の固定側部材である外方部材1にも荷重が印加されて変形が生じる。センサユニット20における歪み発生部材21の2つの接触固定部21aが外方部材1に接触固定されているので、外方部材1の歪みが歪み発生部材21に拡大して伝達され、その歪みが歪みセンサ22で感度良く検出され、その出力信号に生じるヒステリシスも小さくなり、荷重を精度良く推定できる。とくに、センサユニット20を覆う保護カバー35が固定側部材である外方部材1に設けられているので、外部環境によりセンサユニット20が故障するのを防止でき、長期にわたって荷重を正確に検出することができる。
【0029】
上記説明では車輪のタイヤと路面間の作用力を検出する場合を示したが、車輪のタイヤと路面間の作用力だけでなく、車輪用軸受に作用する力(例えば予圧量)を検出するものても良い。
このセンサ付車輪用軸受から得られた検出荷重を車両制御に使用することにより、自動車の安定走行に寄与できる。また、このセンサ付車輪用軸受を用いると、車両にコンパクトに荷重センサを設置でき、量産性に優れたものとでき、コスト低減を図ることができる。
【0030】
また、この実施形態では、保護カバー35が、固定側部材である外方部材1と同心のリング状部材からなり、この1つの保護カバー35で全てのセンサユニット20を覆うようにしているので、組立性が向上する。
【0031】
また、この実施形態では、全てのセンサユニット20の歪みセンサ22の配線36を、保護カバー35の一箇所から引き出すようにしているので、組立後の配線処理が容易になる。
【0032】
固定側部材である外方部材1の外径面に固定されるセンサユニット20の各接触固定部21aの軸方向寸法が異なると、外方部材1の外径面から接触固定部21aを介して歪み発生部材21に伝達される歪みも異なる。この実施形態では、センサユニット20の各接触固定部21aを、外方部材1の外径面に対して軸方向に同寸法となるように設けているので、歪み発生部材21に歪みが集中しやすくなり、それだけ検出感度が向上する。また、全てのセンサユニット20が外方部材1の外径面において、同一軸方向位置に並ぶことになるので、その軸方向位置に保護カバー35を設けるだけで全てのセンサユニット20を覆うことができ、保護カバー35をコンパクトに構成できる。
【0033】
また、この実施形態では、センサユニット20の歪み発生部材21が、図6のように平面概形が均一幅の帯状や、図3のように平面概形が帯状で側辺部に切欠き部21bを有する薄板材からなるものとしているので、外方部材1の歪みが歪み発生部材21に拡大して伝達されやすく、その歪みが歪みセンサ22で感度良く検出され、その出力信号に生じるヒステリシスも小さくなり、荷重を精度良く推定できる。また、歪み発生部材21の形状も簡単なものとなり、コンパクトで低コストなものとできる。また、外方部材1の同一軸方向位置に保護カバー35を設けて全てのセンサユニット20を覆うことが容易となり、保護カバー35をコンパクトに構成できる。
【0034】
また、この実施形態では、固定側部材である外方部材1の外径面の上面部と下面部、および右面部と左面部にセンサユニット20を設けているので、どのような荷重条件においても、荷重を精度良く推定することができる。すなわち,ある方向への荷重が大きくなると、転動体5と転走面3が接触している部分と接触していない部分が180度位相差で現れるため、その方向に合わせてセンサユニット20を180度位相差で設置すれば、どちかのセンサユニット20には必ず転動体5を介して外方部材1に印加される荷重が伝達され、その荷重を歪みセンサ22により検出可能となる。また、外方部材1の外径面の上面部、下面部、右面部、および左面部に配置することにより、全てのセンサユニット20を1つの保護カバー35で覆い易く、保護カバー35をコンパクトに構成できる。
【0035】
図7および図8は、この発明の他の実施形態を示す。なお、図7は、図8におけるVII − VII矢視断面図を示す。この実施形態では、図1〜図6に示す実施形態において、例えば温度センサや振動センサなどセンサユニット20の歪みセンサ22以外のセンサ37が、固定側部材である外方部材1の外径面に設けられており、このセンサ37も上記した保護カバー35で覆っている。その他の構成は、図1〜図6の実施形態の場合と同様である。
【0036】
この実施形態の場合、1つの保護カバー35で、センサユニット20と、これ以外のセンサ37を覆うことができるので、組立性が向上する。
【0037】
なお、上記した各実施形態において、図9に断面図で示すように、保護カバー35の内面にフレキシブル基板38を設け、このフレキシブル基板38に、歪みセンサ22やそれ以外のセンサ37の配線36をプリント配線しても良い。なお、図9では、保護カバー35の断面形状を、その円筒部35aの両端から内径側に延びる2つの立板部35b,35cを有するコ字状としており、その円筒部35aの内周面に前記フレキシブル基板38が設けられている。この場合、2つの立板部35b,35cは、いずれも外方部材1の外周面に接している。保護カバー35は、内部を密封空間としたものであっても、また内部空間を大気中に開通させる通気経路(図示せず)を設けものとしても良い。
【0038】
このように、保護カバー35内での歪みセンサ22やその他のセンサ37の配線36の処理を、保護カバー35に設けたフレキシブル基板38を利用して行うと、配線処理が容易で、構成がンパクトになり、断線などの発生も解消できる。
【0039】
また、前記各実施形態では、センサユニット20を、外方部材1における複列の転走面3のうちのアウトボード側の転走面3の周辺となる軸方向位置、つまり比較的設置スペースが広く、タイヤ作用力が転動体5を介して外方部材1に伝達されて比較的変形量の大きい部位に配置しているので、検出感度が向上し、荷重をより精度良く推定できる。
【0040】
また、車輪用軸受の回転中には、転走面3におけるセンサユニット20の近傍部位を通過する転動体5の有無によって、センサユニット20の歪みセンサ22の出力信号の振幅に、図10に示す波形図のように周期的な変化が生じる場合がある。その理由は、転動体5の通過時とそうでない場合とで変形量が異なり、転動体5の通過周期ごとに歪みセンサ22の出力信号の振幅がピーク値を持つためである。そこで、検出信号におけるこのピーク値の周期を,例えば推定手段30で測定することにより、転動体5の通過速度つまり車輪の回転数を検出することも可能となる。このように、出力信号に変動が見られる場合、推定手段30は、センサユニット20の歪みセンサ22の出力信号の平均値や振幅から荷重を推定することができる。変動が見られない場合は、絶対値より荷重を算出することができる。
【0041】
上記各実施形態では、外方部材1が固定側部材である場合につき説明したが、この発明は、内方部材が固定側部材である車輪用軸受にも適用することができ、その場合、センサユニット20および保護カバー35は内方部材の内周となる周面に設ける。
【0042】
また、この実施形態では第3世代型の車輪用軸受に適用した場合につき説明したが、この発明は、軸受部分とハブとが互いに独立した部品となる第1または第2世代型の車輪用軸受や、内方部材の一部が等速ジョイントの外輪で構成される第4世代型の車輪用軸受にも適用することができる。また、このセンサ付車輪用軸受は、従動輪用の車輪用軸受にも適用でき、さらに各世代形式のテーパころタイプの車輪用軸受にも適用することができる。また、外方部材が回転側部材となる車輪用軸受に適用することもできる。その場合、内方部材の外周に前記保護カバーを設ける。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】この発明の一実施形態にかかるセンサ付車輪用軸受の断面図とその検出系の概念構成のブロック図とを組み合わせて示す図である。
【図2】同センサ付車輪用軸受の外方部材をアウトボード側から見た正面図である。
【図3】同センサ付車輪用軸受におけるセンサユニットの拡大平面図である。
【図4】図3におけるIV−IV矢視断面図である。
【図5】センサユニットの他の設置例を示す断面図である。
【図6】センサユニットの他の例の拡大平面図である。
【図7】この発明の他の実施形態にかかるセンサ付車輪用軸受の断面図である。
【図8】同センサ付車輪用軸受の外方部材をアウトボード側から見た正面図である。
【図9】保護カバーの他の構成例を示す拡大断面図である。
【図10】センサ付車輪用軸受におけるセンサユニットの出力信号の波形図である。
【図11】従来例での出力信号におけるヒステリシスの説明図である。
【符号の説明】
【0044】
1…外方部材
2…内方部材
3,4…転走面
5…転動体
20…センサユニット
21…歪み発生部材
21a…接触固定部
21b…切欠き部
22…歪みセンサ
35…保護カバー
36…配線
37…他のセンサ
38…フレキシブル基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複列の転走面が内周に形成された外方部材と、前記転走面と対向する転走面が外周に形成された内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、
上記外方部材および内方部材のうちの固定側部材に接触して固定される2つ以上の接触固定部を有する歪み発生部材、およびこの歪み発生部材に取付けられてこの歪み発生部材の歪みを検出するセンサからなる1つ以上のセンサユニットを設け、前記固定側部材に前記センサユニットを覆う保護カバーを設けたことを特徴とするセンサ付車輪用軸受。
【請求項2】
請求項1において、前記固定側部材が前記外方部材であるセンサ付車輪用軸受。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記保護カバーは、前記固定側部材と同心のリング状部材であり、前記1つ以上のセンサユニットの全てを覆うものとしたセンサ付車輪用軸受。
【請求項4】
請求項3において、前記全てのセンサユニットのセンサの配線を前記保護カバーの一箇所から引き出したセンサ付車輪用軸受。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記センサユニットのセンサの配線を、前記保護カバーに設けたフレキシブル基板に配線したセンサ付車輪用軸受。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記固定側部材には前記センサユニットのセンサ以外のセンサが取付けられ、このセンサも前記保護カバーで覆うものとしたセンサ付車輪用軸受。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、前記センサユニットの2つ以上の接触固定部を、前記固定側部材の軸方向に対して同寸法となる位置に設けたセンサ付車輪用軸受。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、前記歪み発生部材は、平面概形が均一幅の帯状、または平面概形が帯状で側辺部に切欠き部を有する薄板材からなるセンサ付車輪用軸受。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれか1項において、前記センサユニットを、タイヤ接地面に対して上下位置および左右位置となる前記固定側部材の外径面の上面部、下面部、右面部、および左面部に配置したセンサ付車輪用軸受。
【請求項1】
複列の転走面が内周に形成された外方部材と、前記転走面と対向する転走面が外周に形成された内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、
上記外方部材および内方部材のうちの固定側部材に接触して固定される2つ以上の接触固定部を有する歪み発生部材、およびこの歪み発生部材に取付けられてこの歪み発生部材の歪みを検出するセンサからなる1つ以上のセンサユニットを設け、前記固定側部材に前記センサユニットを覆う保護カバーを設けたことを特徴とするセンサ付車輪用軸受。
【請求項2】
請求項1において、前記固定側部材が前記外方部材であるセンサ付車輪用軸受。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記保護カバーは、前記固定側部材と同心のリング状部材であり、前記1つ以上のセンサユニットの全てを覆うものとしたセンサ付車輪用軸受。
【請求項4】
請求項3において、前記全てのセンサユニットのセンサの配線を前記保護カバーの一箇所から引き出したセンサ付車輪用軸受。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記センサユニットのセンサの配線を、前記保護カバーに設けたフレキシブル基板に配線したセンサ付車輪用軸受。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記固定側部材には前記センサユニットのセンサ以外のセンサが取付けられ、このセンサも前記保護カバーで覆うものとしたセンサ付車輪用軸受。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、前記センサユニットの2つ以上の接触固定部を、前記固定側部材の軸方向に対して同寸法となる位置に設けたセンサ付車輪用軸受。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、前記歪み発生部材は、平面概形が均一幅の帯状、または平面概形が帯状で側辺部に切欠き部を有する薄板材からなるセンサ付車輪用軸受。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれか1項において、前記センサユニットを、タイヤ接地面に対して上下位置および左右位置となる前記固定側部材の外径面の上面部、下面部、右面部、および左面部に配置したセンサ付車輪用軸受。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−192389(P2009−192389A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−33920(P2008−33920)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】
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