説明

センサ装置、センサ素子の駆動方法、入力機能付き表示装置および電子機器

【課題】温度変化に伴う暗電流の影響を軽減して、安定した検出動作を行うことができるようにする。
【解決手段】センサ素子33は、行列状に複数、マトリクス配置されている。センサ素子33において、受光量に応じた電荷が光電変換素子PD1で発生する。光電変換素子PD1によって変換された電荷は蓄積ノードP1(容量素子C1)に蓄積され、蓄積ノードP1(容量素子C1)の蓄積電荷に応じた電圧値がセンサ検出信号として出力される。蓄積ノードP1の電圧値は、リセット用トランジスタTr1によって所定のリセット電圧Vrst1にリセットされる。この際、センサ素子33が複数行に亘って同時にリセットされるようにリセット用トランジスタTr1を制御する。その後、所定の露光期間経過後に、各行に配置されたセンサ素子33から順次、センサ検出信号が出力されるような読み出し制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近接する物体の位置などをセンサ素子によって検出するセンサ装置、そのようなセンサ装置に適用されるセンサ素子の駆動方法、センサ機能(入力機能)と表示機能とを有する入力機能付き表示装置、ならびに、そのような表示装置を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、表示装置の表示面に接触あるいは近接する物体の位置などを検出する技術が知られている。例えば、表示パネル上に透明なフィルム状のタッチパネルを重ねて設置した構造のものが知られている。このようなタッチパネルの方式としては、感圧式や静電容量式のものが従来より知られている。
【0003】
また、表示パネル内に表示画素と共に受光素子をマトリクス状に配置することで、表示パネルそのものに光学式のセンサ機能を持たせた表示装置が開発されている(特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−276223号公報
【特許文献2】特開2008−233257号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような光学式のセンサ機能を持つ表示装置では、受光素子として例えばPIN型のフォトダイオードなどの光電変換素子を用いている。そして、受光量に応じて発生した光電変換素子からの電荷を蓄積ノードに蓄積し、その蓄積ノードの蓄積電荷に応じた電圧値を読み出してセンサ検出信号として出力する。パネル表面に近接した物体の位置、距離、および大きさ等に応じて光電変換素子に入射する光量が変化し、センサ検出信号も変化するので、マトリクス状に配置された複数の受光素子からの各センサ検出信号を適切に信号処理することで、パネル上に近接した物体の位置等を検出することができる。このような装置では、光電変換素子による所定の受光(露光)期間後に、読み出し動作をし、その後、蓄積ノードの電圧値を所定のリセット電圧にリセットした後、再び受光、読み出しをするといった動作を繰り返す。
【0006】
ところで、光電変換素子は、入射光がない状態であっても暗電流(熱励起電流)が流れることが知られている。この暗電流は、温度によって変化し、高温になるほど多くの電流が流れる特性がある。このため、入射光量が同じであっても、温度が違うと蓄積ノードの電圧に変化が生じ、検出結果に悪影響を及ぼしてしまうことがある。特に高温になった場合には、暗電流の影響が大きくなり、蓄積ノードの電圧が上昇して蓄積ノードが飽和状態になってしまうおそれがある。従って、この温度変化に伴う暗電流の影響を軽減する何らかの対策が必要であるが、従来ではその対策が不十分であった。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、温度変化に伴う暗電流の影響を軽減して、安定した検出動作を行うことができるようにしたセンサ装置、センサ素子の駆動方法、入力機能付き表示装置および電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるセンサ装置は、行列状にマトリクス配置された複数のセンサ素子と、複数のセンサ素子を駆動するセンサ駆動手段とを備え、複数のセンサ素子がそれぞれ、受光量に応じた電荷を発生する光電変換素子と、光電変換素子によって変換された電荷が蓄積され、その蓄積電荷に応じて電圧変動する蓄積ノードと、一端が光電変換素子の一端に接続され、蓄積ノードの電圧値を所定のリセット電圧にリセットするリセット用トランジスタと、蓄積ノードの蓄積電荷に応じた電圧値を読み出してセンサ検出信号として出力する読み出し手段とを有するものである。そして、センサ駆動手段が、センサ素子の蓄積ノードが複数行に亘って同時に所定のリセット電圧にリセットされるようにリセット用トランジスタを制御し、その後、所定の露光期間経過後に、各行に配置されたセンサ素子から順次、センサ検出信号が出力されるような読み出し制御を行うようにしたものである。
ここで、センサ駆動手段が、所定の露光期間経過後に、複数行に亘るセンサ素子について同時に、蓄積ノードの電圧値が光電変換素子における電荷の発生によって変動しないように蓄積ノードの電圧値を保持する状態に制御すると共に、その電圧値を保持している状態で、各行に配置されたセンサ素子から順次、センサ検出信号が出力されるような読み出し制御を行うようにしても良い。
【0009】
本発明によるセンサ素子の駆動方法は、受光量に応じた電荷を発生する光電変換素子と、光電変換素子によって変換された電荷が蓄積され、その蓄積電荷に応じて電圧変動する蓄積ノードと、一端が光電変換素子の一端に接続され、蓄積ノードの電圧値を所定のリセット電圧にリセットするリセット用トランジスタと、蓄積ノードの蓄積電荷に応じた電圧値を読み出してセンサ検出信号として出力する読み出し手段とを有する、行列状にマトリクス配置された複数のセンサ素子を駆動する際に、センサ素子の蓄積ノードが複数行に亘って同時に所定のリセット電圧にリセットされるようにリセット用トランジスタを制御し、その後、所定の露光期間経過後に、各行に配置されたセンサ素子から順次、センサ検出信号が出力されるような読み出し制御を行うようにしたものである。
ここで、所定の露光期間経過後に、複数行に亘るセンサ素子について同時に、蓄積ノードの電圧値が光電変換素子における電荷の発生によって変動しないように蓄積ノードの電圧値を保持する状態に制御すると共に、その電圧値を保持している状態で、各行に配置されたセンサ素子から順次、センサ検出信号が出力されるような読み出し制御を行うようにしても良い。
【0010】
本発明による入力機能付き表示装置は、複数の表示画素と複数のセンサ素子とがそれぞれ、行列状にマトリクス配置された表示パネルと、複数の表示画素を駆動する表示駆動手段と、複数のセンサ素子を駆動するセンサ駆動手段とを備えたものである。そして、複数のセンサ素子のそれぞれに対して、上記本発明によるセンサ装置のセンサ駆動手段と同様の制御を行うようにしたものである。
【0011】
本発明による電子機器は、本発明による入力機能付き表示装置を備えたものである。
【0012】
本発明によるセンサ装置、センサ素子の駆動方法、入力機能付き表示装置または電子機器では、センサ素子において、受光量に応じた電荷が光電変換素子で発生する。そして、光電変換素子によって変換された電荷が蓄積ノードに蓄積され、蓄積ノードの蓄積電荷に応じた電圧値がセンサ検出信号として出力される。蓄積ノードの電圧値は、リセット用トランジスタによって所定のリセット電圧にリセットされる。この際、センサ素子が複数行に亘って同時にリセットされるようにリセット用トランジスタが制御される。その後、所定の露光期間経過後に、各行に配置されたセンサ素子から順次、センサ検出信号が出力されるような読み出し制御が行われる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のセンサ装置、センサ素子の駆動方法、入力機能付き表示装置または電子機器によれば、センサ素子の蓄積ノードを複数行に亘って同時に所定のリセット電圧にリセットする制御を行い、その後、所定の露光期間経過後に、各行に配置されたセンサ素子から順次、センサ検出信号が出力されるような読み出し制御を行うようにしたので、温度変化に伴う暗電流の影響を軽減して、安定した検出動作を行うことができる。
【0014】
また、所定の露光期間経過後に、複数行に亘るセンサ素子について同時に、蓄積ノードの電圧値が光電変換素子における電荷の発生によって変動しないように蓄積ノードの電圧値を保持する状態に制御すると共に、その電圧値を保持している状態で、各行に配置されたセンサ素子から順次、センサ検出信号が出力されるような読み出し制御を行うようにすることで、より安定した検出動作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施の形態に係る入力機能付き表示装置の構成例を表すブロック図である。
【図2】図1に示したI/Oディスプレイパネルの構成例を表すブロック図である。
【図3】図2に示した表示エリア(センサエリア)内の画素配置例を表す平面図である。
【図4】図3に示した画素配置におけるセンサ素子(撮像画素)と信号線との接続関係の一例を表す平面模式図である。
【図5】図1に示した表示装置におけるセンサ素子の構成例を表す回路図である。
【図6】センサ素子の配線レイアウトの構成例を表す回路図である。
【図7】図6の配線レイアウトに対応する配線構造を表す平面図である。
【図8】図7の配線構造における容量素子C1の部分の構造を示す断面図である。
【図9】図1に示した表示装置におけるセンサ動作(撮像動作)の一例を表すタイミングチャートである。
【図10】比較例におけるセンサ動作(撮像動作)の一例を表すタイミングチャートである。
【図11】(A)は図1に示した表示装置において、強い外光がある場合にセンサエリアに近接物体がある状態を示し、(B)はその状態におけるセンサ出力電圧の例を示す説明図である。
【図12】(A)は図1に示した表示装置において、外光が弱い場合にセンサエリアに近接物体がある状態を示し、(B)はその状態におけるセンサ出力電圧の例を示す説明図である。
【図13】差分画像を用いた近接物体の検出方法について説明するための写真図である。
【図14】センサ素子における温度上昇による蓄積ノードの電圧変化を示す特性図である。
【図15】光電変換素子単独での温度特性を示す特性図である。
【図16】図9に示した駆動方法によるセンサ駆動を行った場合の露光時間を示す説明図である。
【図17】図10に示した比較例に係る駆動方法を行った場合による露光時間を示す説明図である。
【図18】比較例に係るセンサ素子の構成例を表す回路図である。
【図19】センサ素子の制御用バッファの電源線の構成例を示す説明図である。
【図20】(A)はホールド制御用バッファおよびリセット制御用バッファの比較例の構成例を示す回路図である。(B)は図20(A)の回路への入力信号を示す波形図である。
【図21】(A)はホールド制御用バッファおよびリセット制御用バッファの第1の構成例を示す回路図である。(B)は図21(A)の回路への入力信号を示す波形図である。
【図22】(A)はホールド制御用バッファおよびリセット制御用バッファの第2の構成例を示す回路図である。(B)は図22(A)の回路への入力信号を示す波形図である。
【図23】センサ動作(撮像動作)の第1の変形例を表すタイミング波形図である。
【図24】第2の変形例に係るセンサ素子の構成例を表す回路図である。
【図25】第2の変形例に係るセンサ素子における読み出し側のトランジスタTr2,Tr3の特性ばらつきを考慮したセンサ検出信号の出力電圧特性を示す特性図である。
【図26】センサ検出信号の読み出し線に接続される定電流源のI−V特性図である。
【図27】センサ動作の第2の変形例を表すタイミングチャートである。
【図28】オフセット電圧の有無によるセンサ検出信号の出力電圧特性を示した特性図である。
【図29】(A)は蓄積ノードP1の電圧特性を示す特性図であり、(B)は光電変換素子とホールド用スイッチングトランジスタTr4との間のノードP2の電圧特性を示す特性図である。
【図30】第3の変形例に係るセンサ素子の構成例を表す回路図である。
【図31】(A)は比較例のセンサ動作を表すタイミングチャートであり、(B)は第3の変形例のセンサ動作を表すタイミングチャートである。
【図32】(A)は図1に示した表示装置において近接物体の検出処理の結果を利用したアプリケーションプログラムの第1の実行例を示し、(B)は第2の実行例を示す説明図である。
【図33】近接物体の検出処理の結果を利用したアプリケーションプログラムの第3の実行例を示す説明図である。
【図34】近接物体の検出処理の結果を利用したアプリケーションプログラムの第4の実行例を示す説明図である。
【図35】近接物体の検出処理の結果を利用したアプリケーションプログラムの第5の実行例を示す説明図である。
【図36】図1に示した表示装置の第1の適用例の外観を表す斜視図である。
【図37】(A)は第2の適用例の表側から見た外観を表す斜視図であり、(B)は裏側から見た外観を表す斜視図である。
【図38】第3の適用例の外観を表す斜視図である。
【図39】第4の適用例の外観を表す斜視図である。
【図40】(A)は第5の適用例の開いた状態の正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態の正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、単に実施の形態という)について、図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
[入力機能付き表示装置の全体構成]
図1は、本発明の一実施の形態に係る入力機能付き表示装置(表示撮像装置)の全体構成の一例を表すものである。この表示装置は、I/Oディスプレイパネル20と、バックライト15と、表示ドライブ回路12と、受光ドライブ回路13と、画像処理部14と、アプリケーションプログラム実行部11とを備えている。
【0018】
I/Oディスプレイパネル20は、例えば液晶パネル(LCD(Liquid Crystal Display))からなる。I/Oディスプレイパネル20は、後述する図3に示すように複数の表示画素31RGBが行列状にマトリクス配置され、線順次動作をしながら表示データに基づく所定の図形や文字などの画像を表示する表示パネルとしての機能(表示機能)を有している。I/Oディスプレイパネル20にはまた、後述する図3に示すように複数のセンサ素子33が撮像画素として行列状にマトリクス配置され、パネル表面に接触または近接する物体(近接物体)を検出、撮像するセンサパネルとしての機能(検出機能、撮像機能)を有している。
【0019】
バックライト15は、I/Oディスプレイパネル20の表示および検出用の光源であり、例えば複数の発光ダイオードが配置されたものである。バックライト15は、表示ドライブ回路12によって駆動制御され、後述するようにI/Oディスプレイパネル20の動作タイミングに同期した所定のタイミングで、高速にオン・オフ(点灯・消灯)動作が可能となっている。バックライト15は、I/Oディスプレイパネル20の背面側からパネル表面に向けて周期的に照明光Lonを照射するようになっている。
【0020】
表示ドライブ回路12は、I/Oディスプレイパネル20において表示データに基づく画像が表示されるように(表示動作を行うように)、このI/Oディスプレイパネル20の表示画素31RGBの駆動を行う(線順次表示動作の駆動を行う)回路である。表示ドライブ回路12はまた、バックライト15のオン・オフ(点灯・消灯)制御を行うようになっている。
【0021】
受光ドライブ回路13は、I/Oディスプレイパネル20の各センサ素子(撮像画素)33からセンサ検出信号(撮像信号)が得られるように(物体を検出、撮像するように)、このI/Oディスプレイパネル20の駆動を行う(線順次撮像動作の駆動を行う)回路である。なお、各センサ素子33からのセンサ検出信号(撮像信号)は、例えばフレーム単位でフレームメモリ13Aに蓄積され、検出画像(撮像画像)として画像処理部14へ出力されるようになっている。
【0022】
画像処理部14は、受光ドライブ回路13から出力される撮像画像に基づいて所定の画像処理(演算処理)を行うものである。画像処理部14は、画像処理を行った結果として、例えばI/Oディスプレイパネル20に近接等する物体に関する物体情報(位置座標データ、物体の形状や大きさに関するデータなど)を検出し、取得するようになっている。
【0023】
アプリケーションプログラム実行部11は、画像処理部14による検知結果に基づいて所定のアプリケーションソフトに応じた処理を実行するものである。この処理としては例えば、検知した物体の位置座標を表示データに含むようにし、I/Oディスプレイパネル20上に表示させるものなどが挙げられる。なお、このアプリケーションプログラム実行部11で生成される表示データは、表示ドライブ回路12へ供給されるようになっている。
【0024】
[I/Oディスプレイパネル20の構成例]
図2は、I/Oディスプレイパネル20の構成例を示している。I/Oディスプレイパネル20は、表示エリア(センサエリア)21と、表示用Hドライバ22と、表示用Vドライバ23と、センサ読み出し用Hドライバ25と、センサ用Vドライバ24とを有している。
【0025】
図1および図2において、受光ドライブ回路13、センサ用Vドライバ24およびセンサ読み出し用Hドライバ25は、本発明における「センサ駆動手段」の一具体例に対応している。表示ドライブ回路12、表示用Hドライバ22および表示用Vドライバ23は、「表示駆動手段」の一具体例に対応している。I/Oディスプレイパネル20は、「表示パネル」および「センサパネル」の一具体例に対応している。受光ドライブ回路13および画像処理部14は、「信号処理手段」の一具体例に対応している。
【0026】
表示エリア(センサエリア)21は、バックライト15からの光を変調して照射光(表示光と、例えば赤外光源等(図示せず)による検出用の照射光とを含むもの。以下同様。)を出射すると共にこのエリアに接触または近接する物体を検出(撮像)する領域である。表示エリア(センサエリア)21には、表示画素31RGB(例えば液晶素子)と、後述するセンサ素子33とが、それぞれマトリクス状に配置されている。
【0027】
表示用Hドライバ22は、表示ドライブ回路12から供給される表示駆動用の表示信号および制御クロックに基づいて、表示用Vドライバ23と共に表示エリア21内の表示画素31RGBを線順次駆動するものである。
【0028】
センサ読み出し用Hドライバ25は、受光ドライブ回路13による駆動制御に従って、センサ用Vドライバ24と共にセンサエリア21内の撮像画素としてのセンサ素子33を線順次駆動し、検出信号(撮像信号)を取得するものである。受光ドライブ回路13は、近接物体に対してバックライト15からの照射光が照射されているときに、照射光による反射光と環境光(外光)との合算光量に応じてセンサ素子33に充電電荷が蓄積されるような駆動制御を行うようになっている。また、バックライト15からの照射光が照射されていないときに、環境光の光量に応じてセンサ素子33に充電電荷が蓄積されるような駆動制御を行うようになっている。センサ読み出し用Hドライバ25は、これらの駆動制御によりセンサ素子33から取得された、バックライト15がオン時とオフ時とにおける各センサ検出信号(撮像信号)を受光ドライブ回路13に出力するようになっている。
【0029】
図3は、表示エリア(センサエリア)21における各画素の詳細構成例を示している。例えば図3に示したように、表示エリア21の画素31は、表示画素31RGBと、撮像画素としてのセンサ素子33と、センサ素子33用の配線が形成された配線部32とから構成されている。表示画素31RGBは、赤(R)用の表示画素31Rと、緑(G)用の表示画素31Gと、青(B)用の表示画素31Bとから構成されている。これら表示画素31RGB、センサ素子33および配線部32はそれぞれ、表示エリア(センサエリア)21上でマトリクス状に並んで配置されている。また、センサ素子33と、このセンサ素子33を駆動するための配線部32とが、一定周期で互いに分離配置されている。このような配置により、センサ素子33および配線部32からなるセンサリアを表示画素31RGBに対して極めて認識しづらくなると共に、表示画素31RGBにおける開口率低減が最小限に抑えられるようになっている。また、配線部32を、表示画素31RGBの開口に寄与しない領域(例えば、ブラックマトリクスで遮光された領域や反射領域など)に配置するようにすれば、表示品位を落とすことなく受光回路を配置することが可能となる。
【0030】
なお、各センサ素子33には、例えば図4に示したように、リセット制御信号線Reset_1〜Reset_nおよびリード制御信号線Read_1〜Read_nが、水平ライン方向に沿って接続されるようになっている。また、ホールド用制御信号線Hold_1〜Hold_nが、水平ライン方向に沿って接続されるようになっている。
【0031】
[センサ素子33の構成例]
センサ素子33は、例えば図5に示したように、光電変換素子PD1と、リセット用トランジスタTr1と、蓄積ノードP1と、増幅用トランジスタTr2と、選択・読み出し用トランジスタTr3とを有している。センサ素子33はさらに、ホールド用スイッチングトランジスタTr4と容量素子C1とを有している。
【0032】
光電変換素子PD1は、入射光量に応じた電荷を発生させるものであり、例えばPIN型のフォトダイオードにより構成されている。PIN型のフォトダイオードは、p型半導体領域と、n型半導体領域と、p型半導体領域とn型半導体領域との間に形成された真性半導体領域(i領域)とを有するものである。光電変換素子PD1は、アノード電極、カソード電極およびゲート電極を有している。光電変換素子PD1をPIN型のフォトダイオードで構成する場合、p型半導体領域にアノード電極を接続し、n型半導体領域にカソード電極を接続する。光電変換素子PD1のカソード電極は、電源電圧VDDを供給する電源線に接続されている。光電変換素子PD1のアノード電極は、リセット用トランジスタTr1の一端(ドレイン)に接続されている。
【0033】
蓄積ノードP1は、ホールド用スイッチングトランジスタTr4がオン状態となったときに、ホールド用スイッチングトランジスタTr4を介して、光電変換素子PD1のアノード電極とリセット用トランジスタTr1のドレインとに電気的に接続されるようになっている。蓄積ノードP1は、光電変換素子PD1によって変換された電荷が蓄積され、その蓄積電荷に応じて電圧変動するようになっている。蓄積ノードP1には、配線による寄生容量などにより等価的に蓄積容量が形成され、その蓄積容量により電荷を蓄積することができるが、本実施の形態では積極的に電荷蓄積用の容量素子C1を設け、その一端を蓄積ノードP1に接続している。容量素子C1の他端は接地されている。
【0034】
リセット用トランジスタTr1、増幅用トランジスタTr2および選択・読み出し用トランジスタTr3、ならびにホールド用スイッチングトランジスタTr4はそれぞれ、例えば薄膜トランジスタ(TFT;ThinFilm Transistor)などにより構成されている。
【0035】
リセット用トランジスタTr1のゲートはリセット制御信号線Reset(図4、図5参照)に接続され、ソースはリセット電圧Vrst1の供給線に接続されている。リセット用トランジスタTr1のドレインおよび増幅用トランジスタTr2のゲートは、蓄積ノードP1に接続されている。増幅用トランジスタTr2のドレインは、電源電圧VDDを供給する電源線に接続されている。増幅用トランジスタTr2のソースは、選択・読み出し用トランジスタTr3のドレインに接続されている。選択・読み出し用トランジスタTr3のゲートは、リード制御信号を供給するリード制御信号線Readに接続され、ソースは読み出し線41に接続されている。
【0036】
リセット用トランジスタTr1は、蓄積ノードP1の電圧値をリセット電圧Vrst1にリセットする(蓄積ノードP1(容量素子C1)の蓄積電荷を放出させる)ためのものである。リセット用トランジスタTr1に供給されるリセット電圧Vrst1は、例えば0(V)に設定されている。
【0037】
増幅用トランジスタTr2と選択・読み出し用トランジスタTr3は、ソースフォロワを形成し、蓄積ノードP1(容量素子C1)の蓄積電荷に応じた電圧値を読み出してセンサ検出信号として出力するようになっている。センサ検出信号は、選択・読み出し用トランジスタTr3がゲートに印加されたリード制御信号に応じてオンされたタイミングで、読み出し線41に出力されるようになっている。
増幅用トランジスタTr2と選択・読み出し用トランジスタTr3は、本発明における「読み出し手段」の一具体例に対応している。
【0038】
ホールド用スイッチングトランジスタTr4は、光電変換素子PD1およびリセット用トランジスタTr1の接続点と蓄積ノードP1との間に介挿されている。ホールド用スイッチングトランジスタTr4は、光電変換素子PD1と蓄積ノードP1との間を選択的に、電気的にハイ・インピーダンスにするためのスイッチングトランジスタである。ホールド用スイッチングトランジスタTr4のソースは、光電変換素子PD1およびリセット用トランジスタTr1の接続点に接続されている。ホールド用スイッチングトランジスタTr4のゲートは、ホールド用制御信号線Holdに接続され、受光ドライブ回路13からのホールド制御信号によってオン・オフ制御されるようになっている。
【0039】
受光ドライブ回路13は、ホールド用スイッチングトランジスタTr4をスイッチング制御することにより、光電変換素子PD1と蓄積ノードP1との間のインピーダンスを制御するようになっている。また、受光ドライブ回路13は、センサ素子33が複数行に亘って同時にリセットされるようにリセット用トランジスタTr1を制御するようになっている。その後、所定の露光期間経過後に、複数行に亘るセンサ素子33について同時に光電変換素子PD1と蓄積ノードP1との間が電気的にハイ・インピーダンスとなるように制御すると共に、そのハイ・インピーダンスとなっている状態で、各行に配置されたセンサ素子33から順次、センサ検出信号が出力されるような読み出し制御を行うようになっている。
【0040】
[センサ素子33の配線レイアウト]
図6は、センサ素子33の配線レイアウトの構成例を表している。図7は、図6の配線レイアウトに対応する配線構造を表している。図6および図7において、SVDDは、電源電圧VDDを供給する電源線である。SVSSは、リセット電圧Vrst1の供給線である。Ssigは、センサ検出信号が出力される読み出し線41である。
【0041】
図8は、図7の配線構造における容量素子C1の形成部分の断面構造(図7のAA線断面)を示している。容量素子C1は、蓄積ノードP1によって形成された第1の電極42と、所定間隔を空けて蓄積ノードP1を上下に挟み込むように形成された第2の電極とを含む構造とされている。図8において、第1の電極42に対して上側に所定間隔を空けて配置された上部電極43と、下側に所定間隔を空けて配置された下部電極44と、上部電極43と下部電極44とを導通するコンタクト電極45とで第2の電極が形成されている。上部電極43およびコンタクト電極45は例えばAl(アルミニウム)、下部電極44は例えばMo(モリブデン)となっている。第1の電極42は例えばpoly(ポリシリコン)となっている。
【0042】
容量素子C1の第2の電極を図8に示したような構造とすることにより、蓄積ノードP1がシールドされるような状態となるので、蓄積ノードP1への飛び込みノイズを軽減することができる。
【0043】
[制御用バッファの構成例]
図19は、センサ素子33の制御用バッファの電源線の構成例を示している。受光ドライブ回路13は、各行ごとに、読み出し制御用バッファ26と、ホールド制御用バッファ(スイッチング制御用バッファ)27と、リセット制御用バッファ28とを有している。読み出し制御用バッファ26は、センサ素子33の選択・読み出し用トランジスタTr3を制御するための読み出し制御信号を各行ごとに出力するものである。ホールド制御用バッファ27は、ホールド用スイッチングトランジスタTr4を制御するためのスイッチング制御信号を各行ごとに出力するものである。リセット制御用バッファ28は、リセット用トランジスタTr1を制御するためのリセット制御信号を各行ごとに出力するものである。
【0044】
図19において、SVDD2はバッファ用正電源線、SVSS2はバッファ用負電源線である。読み出し制御用バッファ26は、ホールド制御用バッファ27とリセット制御用バッファ28とは独立した負電源線に接続されていることが好ましい。図19では、バッファ用負電源線SVSS2を、バッファ用第1の負電源線SVSS2−1と、バッファ用第2の負電源線SVSS2−2とに分けている。そして、バッファ用第1の負電源線SVSS2−1を読み出し制御用バッファ26専用の負電源線にしている。このようにすることにより、後述するReset期間の処理とHold期間の処理時に発生する電源ノイズが蓄積ノードP1に及ぶことを軽減できる。
【0045】
図21(A)は、ホールド制御用バッファ27およびリセット制御用バッファ28の第1の構成例を示している。図20(A)は、ホールド制御用バッファ27およびリセット制御用バッファ28の比較例の構成例を示している。
【0046】
図20(A)の比較例の回路は、出力信号をハイレベルにするための第1のトランジスタTr11と、出力信号をローレベルにするための第2のトランジスタTr12で構成されている。図20(B)は、この回路への入力信号の波形を示している。図20(A)において、第1および第2のトランジスタTr11,Tr12の横に付した数値(160,180)はトランジスタ素子としてのW長を示している。
【0047】
図21(A)の第1の構成例の回路は、出力信号をハイレベルにするための第1のトランジスタTr21と、出力信号をローレベルにするための第2のトランジスタTr22と、第2のトランジスタTr22よりも電流駆動能力が高く、出力信号をローレベルにするための第3のトランジスタTr23とで構成されている。図21(B)は、この回路への入力信号の波形を示している。図21(A)において、第1ないし第3のトランジスタTr21,Tr22,Tr23の横に付した数値(160,20,160)はトランジスタ素子としてのW長を示している。第3のトランジスタTr23は、第2のトランジスタTr22よりもW長が大きく構成されていることで、電流駆動能力が高くなっている。
【0048】
図22(A)は、ホールド制御用バッファ27およびリセット制御用バッファ28の第2の構成例を示している。この第2の構成例の回路も図21(A)の第1の構成例と同様に、出力信号をハイレベルにするための第1のトランジスタTr31と、出力信号をローレベルにするための第2のトランジスタTr32と、第2のトランジスタTr32よりも電流駆動能力が高く、出力信号をローレベルにするための第3のトランジスタTr33とで構成されている。この第2の構成例の回路には、2つの正電源線SVDD2,SVDD3と、1つの負電源線SVSS2とが接続されている。第1のトランジスタTr31、第2のトランジスタTr32、および第3のトランジスタTr33はそれぞれ、電源電圧の異なる電源線に接続されている。図22(B)は、この回路への入力信号の波形を示している。図22(A)において、第1ないし第3のトランジスタTr31,Tr32,Tr33の横に付した数値(160,20,180)はトランジスタ素子としてのW長を示している。第3のトランジスタTr33は、第2のトランジスタTr32よりもW長が大きく構成されていることで、電流駆動能力が高くなっている。
【0049】
図21(A)の第1の構成例では、出力信号をハイレベルからローレベルへと反転させる際に、第2のトランジスタTr22を最初にオン状態にした後、次に、第3のトランジスタTr23をオン状態にして段階的に信号反転を行わせるようになっている。図22(A)の第2の構成例でも同様である。このようにすることで、信号電圧が変化するときに流れる電流を小さくし、電源ノイズを軽減することができる。
【0050】
[表示装置の動作]
まず、この表示装置による画像の表示動作および物体の検出動作(撮像動作)の概要について説明する。
【0051】
この表示装置では、アプリケーションプログラム実行部11から供給される表示データに基づいて、表示用ドライブ回路12において表示用の駆動信号が生成される。この駆動信号により、I/Oディスプレイパネル20に対して線順次表示駆動がなされ、画像が表示される。また、このときバックライト15も表示ドライブ回路12によって駆動され、I/Oディスプレイパネル20と同期した周期的な点灯・消灯動作がなされる。
【0052】
I/Oディスプレイパネル20に接触または近接する物体(指先等の近接物体)がある場合、受光ドライブ回路13による線順次撮像駆動により、I/Oディスプレイパネル20における各センサ素子(撮像画素)33においてその物体が検出(撮像)される。各センサ素子33からの検出信号(撮像信号)は、I/Oディスプレイパネル20から受光ドライブ回路13へ供給される。受光ドライブ回路13では、センサ素子33の検出信号を1フレーム分、蓄積し、撮像画像として画像処理部14へ出力する。ここで、画像処理部14へ出力されるのは、バックライト15をオン状態にして得られたセンサ素子33からのセンサ検出信号に基づく画像と、バックライト15をオフ状態にして得られたセンサ素子33からのセンサ検出信号に基づく画像との2フレームの画像である。
【0053】
画像処理部14では、この撮像画像に基づいて、所定の画像処理(演算処理)を行うことにより、I/Oディスプレイパネル20に接触または近接する物体に関する物体情報(位置座標データ、物体の形状や大きさに関するデータなど)を取得する。例えば受光ドライブ回路13において生成された差分画像の重心を判定する演算処理がなされ、接触(近接)中心の特定が行われる。そして、近接物体の検出結果が画像処理部14からアプリケーションプログラム実行部11へ出力される。アプリケーションプログラム実行部11では、後述するようなアプリケーションプログラムを実行する。
【0054】
[センサ動作の詳細]
図9は、この表示装置におけるセンサ動作(撮像動作)の一例を示している。図9の上部に示した上方から下方に延びる矢印は、I/Oディスプレイパネル20におけるセンサ素子33の駆動タイミングを模式的に示している。横方向は時間、縦方向はI/Oディスプレイパネル20の走査ラインに相当する。この駆動タイミングチャートの下部には、バックライト15のオン・オフ状態を模式的に示している。バックライト15のオン・オフ状態を示す部分において、黒くなっている部分はバックライト15がオフしていることを示す。なお、図9において、「H」は、1水平ラインの撮像(検出)期間に相当する。この例では、センサ素子33を垂直方向に60ライン設けている場合の例を示している。従って、例えば60Hは、線順次で1画面分の撮像(検出)を行っている期間に相当する。
【0055】
まず、初期状態として、受光ドライブ回路13(図1)は、上ラインから下ラインに向かって順次、センサ素子33における蓄積ノードP1の電圧値を所定のリセット電圧Vrst1でリセットする処理を行う(Reset期間)。ただし、この初期の(Reset期間)は省略しても良い。また、この初期のReset期間での動作は、次のReset期間での動作と同様に、複数のラインを同時に一括してリセットするような動作であっても良い。
【0056】
次に、上ラインから下ラインまで、各行のセンサ素子33の蓄積ノードP1の電圧値を所定のリセット電圧Vrst1で同時に一括してリセットする処理を行う(Reset期間)。次に、バックライト15がオンしている状態で露光(光電変換素子PD1によって変換された電荷を蓄積ノードP1(容量素子C1)に蓄積)を行う(露光期間(明))。なお、各行のセンサ素子33において、(Reset期間)および(露光期間(明))では、ホールド用スイッチングトランジスタTr4はオン状態となるように制御する。
【0057】
次に、上ラインから下ラインまで、ホールド用スイッチングトランジスタTr4をオフ状態となるように制御する。これにより、各行のセンサ素子33について同時に一括して光電変換素子PD1と蓄積ノードP1との間のインピーダンスが、露光期間内におけるインピーダンスよりも電気的にハイ・インピーダンスとなるように制御する。ハイ・インピーダンスの状態にすることで、暗電流等の影響により光電変換素子PD1において電荷が発生したとしても蓄積ノードP1の電圧値が変動しないように、蓄積ノードP1の電圧値が保持される状態に制御される。このハイ・インピーダンスとなっている状態(電圧値を保持している状態)で、上ラインから下ラインに向かって順次、センサ素子33における蓄積ノードP1の電圧値をセンサ検出信号として読み出す処理を行う(Hold期間&Read期間)。
【0058】
次に、再び、上ラインから下ラインまで、各行のセンサ素子33の蓄積ノードP1の電圧値を所定のリセット電圧Vrst1で同時に一括してリセットする処理を行う(Reset期間)。次に、バックライト15がオフしている状態で露光(光電変換素子PD1によって変換された電荷を蓄積ノードP1(容量素子C1)に蓄積)を行う(露光期間(滅))。なお、各行のセンサ素子33において、(Reset期間)および(露光期間(滅))では、ホールド用スイッチングトランジスタTr4はオン状態となるように制御する。
【0059】
次に、再び、上ラインから下ラインまで、ホールド用スイッチングトランジスタTr4をオフ状態となるように制御する。これにより、各行のセンサ素子33について同時に一括して光電変換素子PD1と蓄積ノードP1との間のインピーダンスが、露光期間内におけるインピーダンスよりも電気的にハイ・インピーダンスとなるように制御する。ハイ・インピーダンスの状態にすることで、暗電流等の影響により光電変換素子PD1において電荷が発生したとしても蓄積ノードP1の電圧値が変動しないように、蓄積ノードP1の電圧値が保持される状態に制御される。このハイ・インピーダンスとなっている状態(電圧値を保持している状態)で、上ラインから下ラインに向かって順次、センサ素子33における蓄積ノードP1の電圧値をセンサ検出信号として読み出す処理を行う(Hold期間&Read期間)。
【0060】
以上のように、一括してリセットするReset期間を挟みつつ、バックライト15がオンしている状態での露光とオフしている状態での露光を行う。また、光電変換素子PD1と蓄積ノードP1との間が電気的にハイ・インピーダンスとなるように(蓄積ノードP1の電圧値が光電変換素子PD1における電荷の発生によって変動しないように、その電圧値を保持している状態に)制御しつつ、各状態でのセンサ検出信号を読み出す処理を行う。以降、この一連の処理を順次繰り返す。
【0061】
図10は、図9のセンサ動作(撮像動作)に対する比較例を示している。この比較例は、センサ素子33が図18に示したような構造である場合の動作を示している。図18に示したセンサ素子33Aは、図5のセンサ素子33の構造に対してホールド用スイッチングトランジスタTr4と容量素子C1とを省いたものである。この比較例に係るセンサ素子33Aでは、蓄積ノードP1には、配線による寄生容量などにより等価的に蓄積容量C0が形成されている。この蓄積容量C0により電荷が蓄積されるようになっている。
【0062】
図9のセンサ動作では、各行のセンサ素子33の蓄積ノードP1の電圧値を同時に一括してリセットする処理を行っていた。これに対し、図10の比較例では、上ラインから下ラインに向かって線順次で、センサ素子33Aにおける蓄積ノードP1の電圧値を所定のリセット電圧Vrst1でリセットする処理を行う(Reset期間)。次に、バックライト15がオンしている状態で露光(光電変換素子PD1によって変換された電荷を蓄積ノードP1に蓄積)を行う(露光期間(明))。次に、上ラインから下ラインに向かって順次、センサ素子33Aにおける蓄積ノードP1の電圧値をセンサ検出信号として読み出す処理を行う(Read期間)。なお、この比較例に係るセンサ素子33Aでは、ホールド用スイッチングトランジスタTr4を設けていないので、Read期間において、図9のセンサ動作におけるHold期間の処理は行われない。
【0063】
次に、再び、上ラインから下ラインに向かって順次、センサ素子33Aにおける蓄積ノードP1の電圧値を所定のリセット電圧Vrst1でリセットする処理を行う(Reset期間)。次に、バックライト15がオフしている状態で露光(光電変換素子PD1によって変換された電荷を蓄積ノードP1に蓄積)を行う(露光期間(滅))。次に、上ラインから下ラインに向かって順次、センサ素子33Aにおける蓄積ノードP1の電圧値をセンサ検出信号として読み出す処理を行う(Read期間)。
【0064】
以上のように、図10の比較例では、Reset期間を挟みつつ、バックライト15がオンしている状態での露光とオフしている状態での露光を行い、各状態でのセンサ検出信号を読み出す処理を行う。以降、この一連の処理を順次繰り返す。
【0065】
[近接物体の検出の具体例]
図11(A)は、この表示装置において、強い外光L0がある場合にI/Oディスプレイパネル20のセンサエリア21に近接物体(指f)がある状態を示し、図11(B)はその状態におけるセンサ出力電圧(受光出力電圧)の例を示している。例えば図11(A)に示したように、入射する外光(環境光)L0が強い場合には、バックライト15を点灯させた状態での受光出力電圧Von101は、図11(B)に示したようになる。すなわち、パネル上のセンサエリア21内において指fが近接する個所以外では、ほとんど外光L0の明るさのみに対応した電圧値Vaとなる。また、指fが近接する個所では、指fの表面で反射したバックライト15からの照明光Lonの明るさに対応した電圧値Vbに低下する。これに対して、バックライト15を消灯させた状態での受光出力電圧Voff101は、指fが近接する個所以外では、外光L0の明るさに対応した電圧値Vaとなる点は同じであるが、指fが近接する個所では、ほとんど外光L0が遮断された状態であり、非常にレベルの低い電圧値Vcとなる。
【0066】
図12(A)は、この表示装置において、外光L0が弱い場合にI/Oディスプレイパネル20のセンサエリア21に近接物体(指f)がある状態を示し、図12(B)はその状態におけるセンサ出力電圧(受光出力電圧)の例を示している。例えば図12(A)に示したように、入射する外光L0が弱い(ほとんどない)状態では、バックライト105を点灯させた状態での受光出力電圧Von201は、図12(B)に示したようになる。すなわち、センサエリア21内において指fが近接する個所以外では、外光L0が少ないために非常にレベルの低い電圧値Vcとなる。また、センサエリア21内において指fが近接する個所では、指fの表面で反射したバックライト15からの照明光Lonの明るさに対応した電圧値Vbに上昇する。これに対して、バックライト15を消灯させた状態での受光出力電圧Voff2は、指fが近接する個所とそれ以外の個所のいずれでも、非常にレベルの低い電圧値Vcのままで変化がない。
【0067】
このようにして、センサエリア21のうちの指fが近接していない個所では、外光L0がある場合とない場合とで、受光出力電圧が大きく異なっている。一方、表示エリア21のうちの指fが近接している個所では、外光L0の有無に関係なく、バックライト15の点灯時の電圧値Vbと、バックライト15の消灯時の電圧値Vcとが、ほぼ同じような状態となっている。よって、バックライト10の点灯時の電圧と消灯時の電圧との差分を検出することにより、電圧値Vbと電圧値Vcとの差のように、一定以上の差がある個所が、物体が近接等した個所であると判断することができる。
【0068】
画像処理部14(図1)では、例えば図13に示したような差分画像Cを求める。画像Bは、バックライト15による照明光Lonが照射されている状態で得られたセンサ素子33からのセンサ検出信号に基づく画像の例を示している。画像Aは、バックライト15による照明光Lonが照射されていない状態で得られたセンサ素子33からのセンサ検出信号に基づく画像の例を示している。これら画像Aと画像Bとの差分画像Cから、物体の位置などを検出することができる。
【0069】
[温度による特性変化]
図14は、センサ素子33における温度上昇による蓄積ノードP1の電圧変化を示している。なお、図14は、センサ素子33に入射光がない状態(暗状態)での特性である。横軸は温度、縦軸は蓄積ノードP1の電圧を示している。図14には、光電変換素子PD1が温度上昇した場合の蓄積ノードP1の電圧変化と、リセット用トランジスタTr1が温度上昇した場合の蓄積ノードP1の電圧変化とを示している。図14から分かるように、光電変換素子PD1の温度変化が、蓄積ノードP1の電圧に影響を与えている。一方、リセット用トランジスタTr1の温度変化は、蓄積ノードP1の電圧にほとんど影響を与えない、
【0070】
図15は、光電変換素子PD1の単独での温度特性を示している。なお、図15は、光電変換素子PD1に入射光がない状態(暗状態)での特性である。すなわち、光電変換素子PD1の暗電流の温度特性を示している。図15に示したように、光電変換素子PD1は、入射光がない状態であっても暗電流(熱励起電流)が流れるが、この暗電流は、温度によって変化し、高温になるほど多くの電流が流れる特性がある。この暗電流があることにより、図14に示したような、温度による蓄積ノードP1の電圧変化を生じさせる。特に高温になった場合には、暗電流の影響が大きくなり、蓄積ノードP1の電圧が上昇して蓄積ノードP1が飽和状態になってしまい、センサとしての検出動作に悪影響を与えるおそれがある。
【0071】
本実施の形態では、この温度変化に伴う暗電流の影響が、図9に示した駆動方法によるセンサ駆動を行うことにより軽減される。
【0072】
図16は、図9に示した駆動方法によるセンサ駆動を行った場合の露光時間を示している。図17は、図10に示した比較例に係る駆動方法を行った場合による露光時間を示している。比較例に係る駆動方法では、Hold期間を含んでいないので、Read期間の間も外光L0と暗電流による電荷の蓄積が蓄積ノードP1に生じている。これに対して、図9の駆動方法では、Read期間の間はHold期間でもあり、光電変換素子PD1と蓄積ノードP1との間が電気的にハイ・インピーダンスとなるように制御されている。これにより、暗電流等による電荷の蓄積が抑制される。
【0073】
このように本実施の形態に係る入力機能付き表示装置によれば、センサ素子33を複数行に亘って同時にリセットする制御を行い、その後、所定の露光期間経過後に、複数行に亘るセンサ素子33について同時に光電変換素子PD1と蓄積ノードP1との間が電気的にハイ・インピーダンスとなるように(蓄積ノードP1の電圧値が光電変換素子PD1における電荷の発生によって変動しないように、その電圧値を保持している状態に)制御すると共に、そのハイ・インピーダンスとなっている状態で、各行に配置されたセンサ素子33から順次、センサ検出信号が出力されるような読み出し制御を行うようにしたので、温度変化に伴う暗電流の影響を軽減して、安定した検出動作を行うことができる。
なお、光電変換素子PD1と蓄積ノードP1との間を電気的にハイ・インピーダンスにする制御を行わず、センサ素子33を複数行に亘って同時にリセットする制御のみを行うような制御を行うだけでも良い。この場合であっても、図10の比較例に比べて、特に上側のライン上に配置されたセンサ素子33については、Reset期間が短縮される。これにより、特に上側のライン上に配置されたセンサ素子33については、図10の比較例に比べて、無駄な露光期間が無くなり、温度変化に伴う暗電流の影響を軽減することができる。
【0074】
ところで、センサ素子33において、所定のリセット電圧Vrst1を与えた場合に、素子や配線間の容量カップリングによって、蓄積ノードP1に電圧降下が生じる問題がある。本実施の形態では、蓄積ノードP1に積極的に容量素子C1を設けていることにより、この電圧降下による充電電圧の影響も軽減することができる。
【0075】
<変形例>
[第1の変形例(駆動タイミングの変形例)]
図23は、センサ動作(撮像動作)の第1の変形例を表すタイミング波形である。上述の図9の駆動説明では、Reset期間の処理とHold期間の処理とを、上ラインから下ラインまで全行について同時に一括して行うものとして説明したが、複数に分けて行うようにしても良い。図23の変形例は、リセット用トランジスタTr1の制御(Reset期間の処理)と、光電変換素子PD1と蓄積ノードP1との間を電気的にハイ・インピーダンスにする制御(Hold期間の処理)とを、奇数行に配置されたセンサ素子33と偶数行に配置されたセンサ素子33とに分けて行うようにしたものである。
【0076】
図23(A)のV(Reset)(Odd)は、奇数行に配置されたセンサ素子33に対するリセット制御信号電圧のタイミングを示している。図23(B)のV(Reset)(Even)は、偶数行に配置されたセンサ素子33に対するリセット制御信号電圧のタイミングを示している。図23(C)のV(Hold)(Odd)は、奇数行に配置されたセンサ素子33に対するホールド制御信号電圧のタイミングを示している。図23(D)のV(Hold)(Even)は、偶数行に配置されたセンサ素子33に対するホールド制御信号電圧のタイミングを示している。図23(E),(F),…(F)のV(Read1),V(Read2),…V(Read60)は、各行のリード制御信号電圧のタイミングを示している。
【0077】
図23(A),(B)に示したように、奇数行のリセット処理を開始してから、1水平ラインの撮像(検出)期間1Hに相当する期間だけ遅延させたタイミングで偶数行のリセット処理を開始するようにしても良い。同様に、図23(C),(D)に示したように、奇数行のHold処理を開始してから、1H期間だけ遅延させたタイミングで偶数行のHold処理を開始するようにしても良い。
【0078】
[第2の変形例]
図24は、第2の変形例に係るセンサ素子33Bの構成例を示している。このセンサ素子33Bの基本構成は、実質的に図5のセンサ素子33と同様であるが、容量素子C1の他端が、リセット用トランジスタTr1のソースと共に、リセット電圧Vrst1の供給線に接続されている。このセンサ素子33Bにおいて、読み出し線41には定電流源81が接続されている。読み出し線41にはまた、センサ素子33からのセンサ検出信号(読み出し信号)を増幅する増幅器82が接続されている。リセット用トランジスタTr1には素子配線間にカップリング容量C30が生じている。ホールド用スイッチングトランジスタTr4には素子配線間にカップリング容量C20が生じている。増幅用トランジスタTr2には素子配線間にカップリング容量C40が生じている。
【0079】
図25は、センサ素子33Bにおける読み出し側のトランジスタTr2,Tr3の特性ばらつきを考慮したセンサ検出信号の出力電圧特性を示している。縦軸がセンサ検出信号電圧(読み出し信号電圧)Ssig、横軸は露光期間前のReset期間に印加されるリセット電圧Vrst1を示している。なお、図25では、光電変換素子PD1に光が入射していない状態(図9の露光期間(滅)に相当する。)での出力電圧特性を示している。図25では、トランジスタ素子としての特性が良い場合(TFT Best)と、特性が標準の場合(TFT Typ)と、特性が悪い場合(TFT Worst)とを比較して示している。
【0080】
図26は、定電流源81のI(電流)−V(電圧)特性を示している。図26の横軸は入力電圧であるが、この入力電圧はセンサ検出信号電圧Ssigである。図26では複数の定電流値についての特性を示しているが、複数の定電流値についてそれぞれ、安定した一定の定電流特性を得るためには、所定電圧以上(図26の例では−4V以上)の入力電圧が必要である。ここで、図25の出力電圧特性を考慮すると、−4V以上の安定した入力電圧(センサ検出信号電圧Ssig)を得るためには、標準特性(TFT Typ)であれば、Reset期間に印加されるリセット電圧Vrst1として0V以上であれば良い。しかしながら、トランジスタ素子としての特性が悪い場合(TFT Worst)には、リセット電圧Vrst1として0V付近の電圧を与えた場合、図26の定電流源81のI−V特性を考慮した安定した入力電圧を得ることができない。
【0081】
そこで、本変形例ではこのような問題を改善するために、以下のような駆動制御を行う。図27(A)〜(C)は、センサ動作の第2の変形例を表すタイミングチャートである。図27(A)〜(C)では、複数のセンサ素子33Bのうち任意の1つについてのタイミングチャートを示している。複数のセンサ素子33Bの全体の動作は図9と同様である。図27(A)は、リセット用トランジスタTr1のゲートに印加されるリセット制御信号電圧V(Reset)のタイミング波形を示している。図27(B)は、ホールド用スイッチングトランジスタTr4のゲートに印加されるホールド制御信号電圧V(Hold)のタイミング波形を示している。図27(C)は、選択・読み出し用トランジスタTr3のゲートに印加されるリード制御信号電圧V(Read)のタイミング波形を示している。図27(F)は、リセット電圧Vrst1のタイミング波形を示している。図27(G)は、蓄積ノードP1の電圧V(P1)のタイミング波形を示している。図27(D),(E)は、図27(F),(G)に対する比較例となるタイミング波形を示している。
【0082】
まず、受光ドライブ回路13(図1)は、リセット用トランジスタTr1をオン状態にすることにより、蓄積ノードP1の電圧値を所定のリセット電圧Vrst1(0V)でリセットする処理を行う(図27(A))。また、リセット用トランジスタTr1がオン状態となるタイミングでホールド用スイッチングトランジスタTr4をオン状態にして(図27(B))、露光(光電変換素子PD1によって変換された電荷を蓄積ノードP1(容量素子C1)に蓄積)を行う(図27(C)、露光期間)。その後、ホールド用スイッチングトランジスタTr4をオフ状態にして、光電変換素子PD1と蓄積ノードP1との間のインピーダンスをハイ・インピーダンスとなるように制御(図27(B))した後、選択・読み出し用トランジスタTr3をオン状態(図27(C))にして、蓄積ノードP1(容量素子C1)の電圧値をセンサ検出信号として読み出す処理を行う。
【0083】
ここで、図27(A)〜(C)のような駆動制御を行う場合、センサ素子33B内の各トランジスタのオン・オフ動作に伴い、各トランジスタの容量カップリングによって蓄積ノードP1の電圧V(P1)が影響を受け、電圧値が変動する。この蓄積ノードP1の電圧変動について考察する。
【0084】
まず、図27(D)の比較例のようにリセット電圧Vrst1が一定電圧(0V)である場合における、蓄積ノードP1の電圧変動(図27(E))について説明する。まず、リセット用トランジスタTr1がオン状態からオフ状態になったタイミングで(図27(A))、カップリング容量C30を介して蓄積ノードP1の電圧V(P1)が電圧降下する。その後、露光期間では光電変換素子PD1によって生じた電荷に応じて蓄積ノードP1の電圧V(P1)は上昇するが、ホールド用スイッチングトランジスタTr4がオン状態からオフ状態になったタイミングで(図27(B))、カップリング容量C20を介して蓄積ノードP1の電圧V(P1)が電圧降下する。さらに、選択・読み出し用トランジスタTr3がオン状態からオフ状態になったタイミング(図27(C))では、選択・読み出し用トランジスタTr3が抵抗成分となって増幅用トランジスタTr2と選択・読み出し用トランジスタTr3との間の接続ノードP3が電圧降下する。接続ノードP3が電圧降下することにより、結果的に、増幅用トランジスタTr2におけるカップリング容量C40を介して蓄積ノードP1の電圧V(P1)が電圧降下する。最終的に読み出されるセンサ検出信号電圧Ssigは、これらの電圧降下後における蓄積ノードP1の電圧V(P1)となる。
【0085】
そこで、本変形例では、これらの電圧降下の影響を軽減するために、受光ドライブ回路13(図1)が、図27(F)に示したように、リセット電圧Vrst1を一時的に上昇(例えば1V上昇)させ、容量素子C1の他端を介して、蓄積ノードP1の電圧値に所定のオフセット電圧を印加する制御を行う。リセット電圧Vrst1を上昇させる開始のタイミングは、露光期間経過後(ホールド用スイッチングトランジスタTr4をオフ状態にした後)、センサ検出信号の読み出しを行う前(選択・読み出し用トランジスタTr3をオン状態にする前)である。これにより、露光期間経過後、蓄積ノードP1の電圧値に所定のオフセット電圧が印加された後、その所定のオフセット電圧が印加された後の電圧値がセンサ検出信号として読み出されることになる。なお、このタイミングではリセット用トランジスタTr1とホールド用スイッチングトランジスタTr4とがオフ状態になっているので、リセット用トランジスタTr1およびホールド用スイッチングトランジスタTr4側から蓄積ノードP1にリセット電圧Vrst1が印加されることはない。例えば0Vから1Vに上昇させたリセット電圧Vrst1を容量素子C1の他端を介して印加することで、光電変換素子PD1による蓄積電荷をリセットすることなく、蓄積ノードP1の電圧値を例えば0.8V程度、オフセットすることができる(図27(G))。これにより、上述した電圧降下の影響が軽減される。なお、上昇させたリセット電圧Vrst1は、全ての行についてセンサ検出信号の読み出しを終えた後に、元の所定電圧値(0V)に戻す。
【0086】
図28は、オフセット電圧を印加する制御を行った場合(図27(F),(G))とオフセット電圧を印加しない場合(図27(D),(E))とにおけるセンサ検出信号の出力電圧特性を示している。なお、図28では、図25におけるトランジスタ素子としての特性が悪い場合(TFT Worst)に相当する特性を示している。図28から分かるように、トランジスタ素子としての特性が悪い場合であっても、オフセット電圧を印加する制御を行うことで、標準特性に近い特性を得ることができる。
【0087】
[第3の変形例]
図30は、第3の変形例に係るセンサ素子33Bの構成例を示している。この第3の変形例は、センサ素子33Bの構成要素と回路素子間の接続関係は図24の第2の変形例と同様であるが、駆動制御の仕方が部分的に異なっている。
【0088】
図31(A)は比較例のセンサ動作を表すタイミングチャートであり、図31(B)は第3の変形例のセンサ動作を表すタイミングチャートである。図31(A),(B)では、複数のセンサ素子33Bのうち任意の1つについてのタイミングチャートを示している。図31(A)は、図9に示した複数のセンサ素子33Bについての全体動作に対応している。
【0089】
図29(A)は図31(A)に示したセンサ動作を行った場合における、蓄積ノードP1の電圧特性を示している。図29(B)は31(A)に示したセンサ動作を行った場合における、光電変換素子PD1とホールド用スイッチングトランジスタTr4との間の接続ノードP2の電圧特性を示している。図31(A)に示したセンサ動作では、露光期間後に、ホールド用スイッチングトランジスタTr4をオフ状態にする。これにより、光電変換素子PD1と蓄積ノードP1との間を電気的にハイ・インピーダンスとなるように(蓄積ノードP1の電圧値が光電変換素子PD1における電荷の発生によって変動しないように、その電圧値を保持している状態に)制御しつつ、センサ検出信号の読み出しを行う(Hold期間&Read期間)。この場合、蓄積ノードP1の電圧値は、図29(A)に示したように露光期間では光電変換素子PD1で発生する電荷に応じて上昇し、Hold期間&Read期間では一定となる。一方、光電変換素子PD1側の接続ノードP2では、露光期間後、Hold期間&Read期間においても光電変換素子PD1で発生する電荷に応じて上昇し続け、入射光量が多い場合にはいずれ飽和状態となる。このように接続ノードP2が飽和状態となると、次回の露光期間後の読み出し動作に影響を与えるおそれがある。また、例えば異なるライン間に配置されたセンサ素子33B間で、センサ検出信号に差が生じてしまうおそれがある。この場合、Reset期間を長くすることで、蓄積ノードP1と共に接続ノードP2を所定のリセット電圧Vrst1(0V)にリセットすることが可能である。一方で、この表示装置では、バックライト15がオンしている状態(露光期間(明))で得られたセンサ検出信号とバックライト15がオフしている状態(露光期間(暗))で得られたセンサ検出信号との差分を用いて物体の検出を行う。このため、露光期間(明)と露光期間(暗)との間の時間間隔は短い方が好ましい。
【0090】
そこで、本変形例では接続ノードP2が飽和状態となる問題を改善するために、図31(B)のような駆動制御を行う。すなわち、本変形例では受光ドライブ回路13(図1)が、露光期間(明)後におけるHold期間&Read期間において、リセット用トランジスタTr1をオン状態にすることにより、接続ノードP2の電圧値を所定のリセット電圧Vrst1(0V)を印加してリセットする処理を行う。なお、Hold期間では、ホールド用スイッチングトランジスタTr4はオフ状態であり、光電変換素子PD1およびリセット用トランジスタTr1と蓄積ノードP1との間は電気的にハイ・インピーダンスとなっている。従って、Hold期間では、リセット用トランジスタTr1がオン状態になったとしても、リセット用トランジスタTr1側から蓄積ノードP1にリセット電圧Vrst1が印加されることはない。すなわち、蓄積ノードP1がリセットされることはない。その後、Hold期間&Read期間の経過後に、通常のReset期間によって蓄積ノードP1のリセット動作を行う。これにより、露光期間(明)と露光期間(暗)との間の時間間隔が図31(A)のセンサ動作と同じであるにも関わらず、接続ノードP2の飽和状態を改善することができる。
【0091】
[アプリケーションプログラムの実行例]
次に、図32〜図35を参照して、上述した近接物体の検出処理によって検出された物体の位置情報等を利用した、アプリケーションプログラム実行部11によるアプリケーションプログラム実行例について、いくつか説明する。
【0092】
図32(A)に示した第1の例は、I/Oディスプレイパネル20の表面を指先61で触れて、その触れた個所の軌跡を描画ライン611として画面に表示させるようにした例である。
【0093】
図32(B)に示した第2の例は、手の形を用いたジェスチャ認識のものである。具体的には、I/Oディスプレイパネル20に触れた(または近接した)手62の形状を認識して、その認識した手の形を画像として表示させ、その表示オブジェクトの移動621で、何らかの処理を行うようにしたものである。
【0094】
図33に示した第3の例は、閉じた状態の手63Aから、開いた状態の手63Bに変化させて、それぞれの状態の手の接触または近接をI/Oディスプレイパネル20で画像認識させて、その画像認識に基づいた処理を実行させるようにしたものである。これらの認識に基づいて処理を行うことで、例えばズームインなどの指示を行うことができる。また、このような指示ができることで、例えばI/Oディスプレイパネル20をパーソナルコンピュータ装置に接続して、そのコンピュータ装置上でコマンドを切り替えている操作などを、これらの画像認識で、より自然な形で入力することができる。
【0095】
図34に示した第4の例は、I/Oディスプレイパネル20を2台用意して、2台のI/Oディスプレイパネル20を何らかの伝送手段で接続するようにしたものである。このような構成で、一方のI/Oディスプレイパネル20において接触または近接を検出した画像を、他方のI/Oディスプレイパネル20に伝送して表示させて、両ディスプレイパネルを操作するユーザ間でコミュニケーションをとるようにしてもよい。例えば図34に示したように、一方のI/Oディスプレイパネル20で画像認識した手65の手形の画像を送信して、他方のI/Oディスプレイパネル20に同一の手形642を表示させる処理が可能になる。また例えば、他方のI/Oディスプレイパネル20を手64で触れて表示された軌跡641を、一方のI/Oディスプレイパネル20に送って表示させる等の処理が可能になる。このようにして、描画している状態を動画で伝達し、手書きの文字や図形などを相手に送ることで、新しいコミュニケーションツールとなる可能性がある。このような例としては、例えば、I/Oディスプレイパネル20を携帯電話端末の表示パネルに適用すること等が想定される。なお、図34ではI/Oディスプレイパネル20を2台用意した例を示したが、3台以上のI/Oディスプレイパネル20を伝送手段で接続して同様の処理を行うことも可能である。
【0096】
また、図35の第5の例に示したように、筆66を使用してI/Oディスプレイパネル20の表面で文字を書くように触れさせて、その筆66が触れた個所をI/Oディスプレイパネル20に画像661として表示させることで、毛筆による手書きの入力が可能になる。この場合には、毛筆の細かいタッチまで認識して実現することが可能である。従来の手書き認識の場合には、例えば一部のデジタイザにおいて、特殊なペンの傾きを電界検出で実現していたが、本例では、本物の毛筆の接触面そのものを検知することにより、より現実的な感覚で情報入力を行える。
【0097】
<モジュールおよび適用例>
次に、図36〜図40を参照して、以上で説明した入力機能付き表示装置の適用例について説明する。この表示装置は、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。例えば以下で説明するようなテレビジョン装置,デジタルカメラ,ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなどの電子機器に適用することが可能である。
【0098】
(適用例1)
図36は、電子機器の第1の例としてのテレビジョン装置の外観を表したものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル511およびフィルターガラス512を含む映像表示画面部510を有している。このようなテレビジョン装置における映像表示画面部510に、上述の入力機能付き表示装置を適用することが可能である。
【0099】
(適用例2)
図37(A),(B)は、電子機器の第2の例としてのデジタルカメラの外観を表したものである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部521、表示部522、メニュースイッチ523およびシャッターボタン524を有している。このようなデジタルカメラにおける表示部522に、上述の入力機能付き表示装置を適用することが可能である。
【0100】
(適用例3)
図38は、電子機器の第3の例としてのノート型パーソナルコンピュータの外観を表したものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体531,文字等の入力操作のためのキーボード532および画像を表示する表示部533を有している。このようなノート型パーソナルコンピュータにおける表示部533に、上述の入力機能付き表示装置を適用することが可能である。
【0101】
(適用例4)
図39は、電子機器の第4の例としてのビデオカメラの外観を表したものである。このビデオカメラは、例えば、本体部541,この本体部541の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ542,撮影時のスタート/ストップスイッチ543および表示部544を有している。このようなビデオカメラにおける表示部544に、上述の入力機能付き表示装置を適用することが可能である。
【0102】
(適用例5)
図40(A)〜(G)は、電子機器の第5の例としての携帯電話機の外観を表したものである。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740,サブディスプレイ750,ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。このような携帯電話機におけるディスプレイ740またはサブディスプレイ750に、上述の入力機能付き表示装置を適用することが可能である。
【0103】
<他の実施の形態>
本発明は、上記実施の形態、およびその適用例に限定されず種々の変形実施が可能である。
例えば、上記実施の形態等では、バックライト15を備えた液晶パネルからなるI/Oディスプレイパネル20の場合で説明したが、表示用のバックライトが検出用照明を兼ねてもよいし、検出専用の照明を設けてもよい。また、検出用照明を設ける場合には、可視光領域以外の波長領域の光(例えば、赤外光)を用いるのがより好ましい。
【0104】
さらに、上記実施の形態等では、複数の表示画素31RGBと複数のセンサ素子33とを含む表示パネル(I/Oディスプレイパネル20)を有する入力機能付き表示装置について説明したが、本発明は表示装置以外にも適用可能である。例えば表示機能のない単なるセンサ装置としても適用可能である。この場合、例えばI/Oディスプレイパネル20に代えて、表示画素31RGBを設けずに複数のセンサ素子33のみを1つの面内にマトリクス状に配置することにより構成されたセンサパネルを備えるようにすれば良い。
【符号の説明】
【0105】
11…アプリケーションプログラム実行部、12…表示ドライブ回路、13…受光ドライブ回路、13A…フレームメモリ、14…画像処理部、15…バックライト、20…I/Oディスプレイパネル、21…表示エリア(センサエリア)、22…表示用Hドライバ、23…表示用Vドライバ、24…センサ用Vドライバ、25…センサ読み出し用Hドライバ、26…読み出し制御用バッファ、27…ホールド制御用バッファ、28…リセット制御用バッファ、31…画素、31R,31G,31B,31RGB…表示画素、32…配線部、33,33B…センサ素子(撮像画素)、41…読み出し線、42…第1の電極、43…第2の電極(上部電極)、44…第2の電極(下部電極)、45…第2の電極(コンタクト電極)、510…映像表示画面部、511…フロントパネル、512…フィルターガラス、521…発光部、522…表示部、523…メニュースイッチ、524…シャッターボタン、531…本体、532…キーボード、533…表示部、541…本体部、542…レンズ、543…スタート/ストップスイッチ、544…表示部、710…上部筐体、720…下部筐体、730…連結部、740…ディスプレイ、750…サブディスプレイ、760…ピクチャーライト、770…カメラ、61…指先、611…描画ライン、62…手、621…オブジェクトの移動(手のひらツール)、63A,63B,64,65…手、641…軌跡、642…手形、66…筆、661…画像、81…定電流源、82…増幅器、Reset…リセット制御信号線、Read…リード制御信号線、Hold…ホールド用制御信号線、PD1…光電変換素子、Tr1…リセット用トランジスタ、Tr2…増幅用トランジスタ、Tr3…選択・読み出し用トランジスタ、Tr4…ホールド用スイッチングトランジスタ、Tr11,Tr21,Tr31…第1のトランジスタ、Tr12,Tr22,Tr32…第2のトランジスタ、Tr23,Tr33…第3のトランジスタ、C1…容量素子、C0…蓄積容量、C20,C30,C40…カップリング容量、P1…蓄積ノード、P2,P3…接続ノード、SVDD2…バッファ用正電源線、SVSS2…バッファ用負電源線、SVSS2−1…バッファ用第1の負電源線、SVSS2−2…バッファ用第2の負電源線、Ssig…センサ検出信号電圧(読み出し信号電圧)、VDD…電源電圧、Vrst1…リセット電圧、V(Reset)…リセット制御信号電圧、V(Read)…リード制御信号電圧、V(Hold)…ホールド制御信号電圧、V(P1)…蓄積ノードP1の電圧、L0…外光(環境光)、Lon…バックライトによる照明光、f…物体(指)、ob1…物体(ペン)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
行列状にマトリクス配置された複数のセンサ素子と、
複数の前記センサ素子を駆動するセンサ駆動手段と
を備え、
前記複数のセンサ素子はそれぞれ、
受光量に応じた電荷を発生する光電変換素子と、
前記光電変換素子によって変換された電荷が蓄積され、その蓄積電荷に応じて電圧変動する蓄積ノードと、
一端が前記光電変換素子の一端に接続され、前記蓄積ノードの電圧値を所定のリセット電圧にリセットするリセット用トランジスタと、
前記蓄積ノードの蓄積電荷に応じた電圧値を読み出してセンサ検出信号として出力する読み出し手段と
を有し、
前記センサ駆動手段は、前記センサ素子の蓄積ノードが複数行に亘って同時に前記所定のリセット電圧にリセットされるように前記リセット用トランジスタを制御し、その後、所定の露光期間経過後に、各行に配置された前記センサ素子から順次、前記センサ検出信号が出力されるような読み出し制御を行う
センサ装置。
【請求項2】
前記センサ駆動手段は、前記所定の露光期間経過後、前記蓄積ノードの電圧値に所定のオフセット電圧を印加した後、その所定のオフセット電圧が印加された後の電圧値を読み出して前記センサ検出信号として出力するような読み出し制御を行う
請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
前記センサ駆動手段は、前記所定の露光期間経過後に、前記複数行に亘る前記センサ素子について同時に、前記蓄積ノードの電圧値が前記光電変換素子における電荷の発生によって変動しないように前記蓄積ノードの電圧値を保持する状態に制御すると共に、その電圧値を保持している状態で、各行に配置された前記センサ素子から順次、前記センサ検出信号が出力されるような読み出し制御を行う
請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項4】
前記センサ駆動手段は、前記蓄積ノードの電圧値を保持する状態に制御した後、前記蓄積ノードの電圧値に所定のオフセット電圧を印加し、その所定のオフセット電圧が印加された後の電圧値を読み出して前記センサ検出信号として出力するような読み出し制御を行う
請求項3に記載のセンサ装置。
【請求項5】
前記センサ駆動手段は、前記所定の露光期間経過後に、前記光電変換素子と前記蓄積ノードとの間のインピーダンスが、前記所定の露光期間内におけるインピーダンスよりもハイ・インピーダンスとなるように電気的に制御することで、前記蓄積ノードの電圧値を保持する状態にする
請求項3に記載のセンサ装置。
【請求項6】
前記複数のセンサ素子はそれぞれ、前記光電変換素子および前記リセット用トランジスタの接続点と前記蓄積ノードとの間に介挿され、前記光電変換素子と前記蓄積ノードとの間を電気的にハイ・インピーダンスにするためのスイッチングトランジスタをさらに有し、
前記センサ駆動手段は、前記スイッチングトランジスタをスイッチング制御することにより、前記光電変換素子と前記蓄積ノードとの間のインピーダンスを制御する
請求項5に記載のセンサ装置。
【請求項7】
前記センサ駆動手段は、前記複数行に亘る前記センサ素子について同時に、前記所定の露光期間経過後に、前記蓄積ノードの電圧値を保持する状態に制御すると共に、前記リセット用トランジスタを制御することにより前記光電変換素子と前記スイッチングトランジスタとの間の接続ノードに所定のリセット電圧が印加されるような制御を行う
請求項6に記載のセンサ装置。
【請求項8】
前記センサ駆動手段は、前記リセット用トランジスタの制御と、前記光電変換素子と前記蓄積ノードとの間を電気的にハイ・インピーダンスにする制御とを、奇数行に配置された前記センサ素子と偶数行に配置された前記センサ素子とに分けて行う
請求項5に記載のセンサ装置。
【請求項9】
前記複数のセンサ素子はそれぞれ、一端が前記蓄積ノードに接続された容量素子をさらに有する
請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項10】
前記容量素子は、前記蓄積ノードによって形成された第1の電極と、所定間隔を空けて前記蓄積ノードを上下に挟み込むように形成された第2の電極とを含む構造とされている
請求項9に記載のセンサ装置。
【請求項11】
前記センサ駆動手段は、
前記読み出し手段を制御するための読み出し制御信号を各行ごとに出力する読み出し制御用バッファと、
前記リセット用トランジスタを制御するためのリセット制御信号を各行ごとに出力するリセット制御用バッファと、
前記スイッチングトランジスタを制御するためのスイッチング制御信号を各行ごとに出力するスイッチング制御用バッファとを有し、
前記読み出し制御用バッファは、前記リセット制御用バッファおよび前記スイッチング制御用バッファとは独立した負電源線に接続されている
請求項6に記載のセンサ装置。
【請求項12】
前記リセット制御用バッファおよび前記スイッチング制御用バッファはそれぞれ、
出力信号をハイレベルにするための第1のトランジスタと、
出力信号をローレベルにするための第2のトランジスタと、
前記第2のトランジスタよりも電流駆動能力が高く、出力信号をローレベルにするための第3のトランジスタとを有し、
出力信号をハイレベルからローレベルへと反転させる際に、前記第2のトランジスタを最初にオン状態にした後、次に、前記第3のトランジスタをオン状態にして段階的に信号反転を行わせる
請求項11に記載のセンサ装置。
【請求項13】
前記第1のトランジスタ、前記第2のトランジスタ、前記第3のトランジスタはそれぞれ、電源電圧の異なる電源線に接続されている
請求項12に記載のセンサ装置。
【請求項14】
複数の前記センサ素子が所定のセンサエリアにマトリクス状に配置されたセンサパネルと、
前記センサパネルの背面側から前記センサパネル表面に向けて周期的に照明光を照射するバックライトと、
前記バックライトによる照明光が照射されている状態で得られた前記センサ素子からのセンサ検出信号と、前記バックライトによる照明光が照射されていない状態で得られた前記センサ素子からのセンサ検出信号との差分に基づいて前記センサパネル表面に近接する物体の検出を行う信号処理手段とをさらに備えた
請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項15】
前記光電変換素子は、アノード電極に接続されたp型半導体領域と、カソード電極に接続されたn型半導体領域と、前記p型半導体領域と前記n型半導体領域との間に形成された真性半導体領域とを有するPIN型のフォトダイオードである
請求項1ないし14のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項16】
受光量に応じた電荷を発生する光電変換素子と、
前記光電変換素子によって変換された電荷が蓄積され、その蓄積電荷に応じて電圧変動する蓄積ノードと、
一端が前記光電変換素子の一端に接続され、前記蓄積ノードの電圧値を所定のリセット電圧にリセットするリセット用トランジスタと、
前記蓄積ノードの蓄積電荷に応じた電圧値を読み出してセンサ検出信号として出力する読み出し手段と
を有する、行列状にマトリクス配置された複数のセンサ素子を駆動する際に、
前記センサ素子の蓄積ノードが複数行に亘って同時に前記所定のリセット電圧にリセットされるように前記リセット用トランジスタを制御し、その後、所定の露光期間経過後に、各行に配置された前記センサ素子から順次、前記センサ検出信号が出力されるような読み出し制御を行う
センサ素子の駆動方法。
【請求項17】
前記所定の露光期間経過後に、前記複数行に亘る前記センサ素子について同時に、前記蓄積ノードの電圧値が前記光電変換素子における電荷の発生によって変動しないように前記蓄積ノードの電圧値を保持する状態に制御すると共に、その電圧値を保持している状態で、各行に配置された前記センサ素子から順次、前記センサ検出信号が出力されるような読み出し制御を行う
請求項16に記載のセンサ素子の駆動方法。
【請求項18】
複数の表示画素と複数のセンサ素子とがそれぞれ、行列状にマトリクス配置された表示パネルと、
複数の前記表示画素を駆動する表示駆動手段と、
複数の前記センサ素子を駆動するセンサ駆動手段と
を備え、
前記複数のセンサ素子はそれぞれ、
受光量に応じた電荷を発生する光電変換素子と、
前記光電変換素子によって変換された電荷が蓄積され、その蓄積電荷に応じて電圧変動する蓄積ノードと、
一端が前記光電変換素子の一端に接続され、前記蓄積ノードの電圧値を所定のリセット電圧にリセットするリセット用トランジスタと、
前記蓄積ノードの蓄積電荷に応じた電圧値を読み出してセンサ検出信号として出力する読み出し手段と
を有し、
前記センサ駆動手段は、前記センサ素子の蓄積ノードが複数行に亘って同時に前記所定のリセット電圧にリセットされるように前記リセット用トランジスタを制御し、その後、所定の露光期間経過後に、各行に配置された前記センサ素子から順次、前記センサ検出信号が出力されるような読み出し制御を行う
入力機能付き表示装置。
【請求項19】
前記センサ駆動手段は、前記所定の露光期間経過後に、前記複数行に亘る前記センサ素子について同時に、前記蓄積ノードの電圧値が前記光電変換素子における電荷の発生によって変動しないように前記蓄積ノードの電圧値を保持する状態に制御すると共に、その電圧値を保持している状態で、各行に配置された前記センサ素子から順次、前記センサ検出信号が出力されるような読み出し制御を行う
請求項18に記載の入力機能付き表示装置。
【請求項20】
請求項18または19に記載の入力機能付き表示装置を備えた電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【公開番号】特開2011−113384(P2011−113384A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−270423(P2009−270423)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】