説明

センサ装置及び電子機器

【課題】外光である太陽光等の周囲光による誤動作が生じないセンサ装置及び電子機器を提供する。
【解決手段】センサ装置1において、ADC2は、電流Iinと電流I1との差の電流を求める減算による電流Iin−I1に応じたデジタル値ADCOUTであって、閾値Data_thよりも大きい第2データを、比較回路3の一方の入力に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検出対象が近接しているか否かの判定を行うことが出来るセンサ装置及び電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やデジカメ等の液晶パネルでは、低消費電力のために、顔が近づいた時はOFFさせるように、近接センサを搭載する要望が増えている。また、近接センサの出力値は検出距離(検知距離)に反比例するため、測距センサとして利用する要望も有る。さらに、携帯電話やデジカメ等の液晶パネルでは、外乱の照度に応じて液晶のバックライトの発光量を制御するため、照度センサを搭載する要望が有る。
【0003】
一方、積分型のアナログ−デジタル変換回路は、簡単な構成で高精度な分解能を実現できるという特徴を有している。この特徴は、近接センサや照度センサのように、低速であるが高い分解能(12〜16bit程度)を要求されるデバイスに適している。照度センサと近接センサとの両方を搭載すると、サイズが大きくなる等の問題が有る。よって、単一のデバイスで、照度と近接/非近接との両方を検出する(検知する)方式への要求が高まってきている。
【0004】
図15に、第1の従来例として、アナログ−デジタル変換回路を用いたセンサ回路101の一般的な構成を示す。センサ回路101において、アナログ−デジタル変換部ADCは、フォトダイオードPDから出力される電流Iinの電流量をデジタル変換してデジタル値ADCOUTを出力するアナログ−デジタル変換回路である。センサ回路101は、測定結果であるデジタル値ADCOUTと閾値Data_thとを比較する比較回路102(比較部)を備える。比較結果は、デジタル出力信号Doutとして外部に出力される。
【0005】
図16に、第2の従来例として、特許文献1に記載の内容を適用した光電センサの構成を示す。光電センサ103は、ADC(Analog to Digital Converter:アナログ−デジタル変換回路)に電流Iinを出力するフォトダイオードPDと、周期的に取得される測定値の移動平均値を生成する平均回路104(演算部)と、移動平均値に対して加算または乗算するオフセット値設定部105とを備え、移動平均値にオフセットを加算(乗算)して得られる閾値Data_thと、デジタル値ADCOUTとを比較する部(比較回路106)をさらに備える。外部環境条件の変動やセンサ内部における温度変化等の影響による変動に対して、正確な検出動作を可能とする。
【0006】
図17に、第3の従来例として、特許文献2に記載の内容を適用したアナログ−デジタル変換回路107の構成を示す。ボルテージフォロワを構成する差動アンプ108の非反転入力端子(+)に入力される入力電圧Vinに応じた電荷を蓄える容量Cと、蓄えた電荷を放電させる定電流回路109と、放電開始時から容量Cの両端電圧が一定値になるまで、発振器110が出力するクロックパルスをカウントするカウンタ111と、発振器110及びカウンタ111の動作を制御する制御回路112とを備えている。簡単な構成で入力電圧Vinのアナログ−デジタル変換が可能である。
【0007】
ここで、近接センサは、積分型のアナログ−デジタル変換回路、発光ダイオードの駆動回路を備える方式が、近年、採用されている。図18は、特許文献3に記載の内容を適用した一般的な近接センサ113の構成を示している。近接センサ113は、フォトダイオードPD、発光ダイオードLED、及び制御回路114を備えている。制御回路114により発光ダイオードLEDを駆動し、受光用のフォトダイオードPDで電流に変換し、制御回路114で、被検出対象115の近接/非近接を判定する。
【0008】
なお、図15のセンサ回路101を用いて図18の近接センサ113を構成し、当該近接センサ113を用いたセンサは、測定された照度が、所定の閾値Data_thを越えているか否かを判定することが出来る照度センサである。
【0009】
図19(a)は、図18の一般的な近接センサ113に被検出対象115が近接している時の波形図である。図19(b)は、図18の一般的な近接センサ113に被検出対象115が近接していない時の波形図である。発光ダイオードLEDを駆動している期間のデータData1と、発光ダイオードLEDを駆動していない期間のデータData2との差分を、差分データData1−Data2とする。また、図19(a)及び図19(b)において破線で示されているのは、デジタル値ADCOUTのフルスケールである。以下の図面において、デジタル値ADCOUTがフルスケールに達している場合は、図15のADCにおいて、デジタル値ADCOUTの飽和が生じている。
【0010】
被検出対象115が有る場合、発光ダイオードLEDから照射された光を被検出対象115が反射した光である反射光116が強い。このため、フォトダイオードPDの電流は大きくなり、差分データData1−Data2が制御回路114の閾値Data_thを越える。よって、Hiレベルであるデジタル出力信号Doutが出力されて、近接であると正常に判定される(判断される)(図19(a))。
【0011】
被検出対象115が無い場合、反射光116が弱いため、フォトダイオードPDの電流は小さく、差分データData1−Data2が制御回路114の閾値Data_thを越えない。よって、Lowレベルであるデジタル出力信号Doutが出力されて、非近接であると正常に判定される(図19(b))。
【0012】
また、近接センサの測定値は、検出距離の2乗に反比例するため、測定値から検出距離を算出することで、近接センサを測距センサとして機能させることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2003−87107号公報(2003年3月20日公開)
【特許文献2】特開2001−160756号公報(2001年6月12日公開)
【特許文献3】特開2010−127635号公報(2010年6月10日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
携帯電話やデジカメは、屋外で使用されることも多い。このため、外光である太陽光等の周囲光が携帯電話やデジカメに搭載されたセンサ装置に照射されることになる。このとき、太陽光の光量が大きいと、センサ装置における近接センサや測距センサが誤動作する場合が有る。
【0015】
図20(a)は、外光である太陽光等の周囲光が照射されている図18の一般的な近接センサ113に対して、被検出対象115が近接している時の波形図である。図20(b)は、外光である太陽光等の周囲光が照射されている図18の一般的な近接センサ113に対して、被検出対象115が近接していない時の波形図である。
【0016】
被検出対象115が有る場合、反射光116が強いため、フォトダイオードPDの電流は大きくなる。ここで、フォトダイオードPDは、反射光116とともに太陽光も受光する。このため、発光ダイオードLEDを駆動している期間のデータData1において、太陽光による増加分(斜線部)が加えられる。このため、データData1がフルスケールに達する、即ち、図15のADCにおいて、デジタル値ADCOUTの飽和が生じる。また、太陽光による増加分(斜線部)は、発光ダイオードLEDを駆動していない期間のデータData2に対しても加えられる。
【0017】
被検出対象115が有る場合は、図19(a)に示すように、差分データData1−Data2が制御回路114の閾値Data_thを越えるべきであるのに対して、図20(a)では、太陽光による増加分(斜線部)による飽和のため、被検出対象115が有るにもかかわらず、差分データData1−Data2が制御回路114の閾値Data_thを越えない。よって、Hiレベルであるべきデジタル出力信号DoutがLowレベルとなり、被検出対象115が無いと誤って判定されてしまう。即ち、近接センサ113において誤動作が生じてしまう。
【0018】
なお、図20(a)に示される事例では、斜線部が加えられる。これにより、データData1がフルスケールに達しているが、太陽光の照度が極めて高い場合は、斜線部のみで、データData1がフルスケールに達する。
【0019】
この場合、データData2も、斜線部のみでフルスケールに達する。従って、差分データData1−Data2は、フルスケールである斜線部からフルスケールである斜線部を減算する結果、0となる。
【0020】
よって、太陽光の照度が極めて高く、斜線部のみで、データData1,Data2がフルスケールに達する場合も、制御回路114の閾値Data_thを越えるべきである差分データData1−Data2が0であるために、差分データData1−Data2は、閾値Data_thを越えない。従って、被検出対象115が有るにもかかわらず、被検出対象115が無いと誤って判定されてしまう。即ち、近接センサ113において誤動作が生じてしまう。
【0021】
被検出対象115が無い場合、反射光116が弱いため、フォトダイオードPDの電流は小さく、差分データData1−Data2が制御回路114の閾値Data_th(Data_th>0)を越えない。よって、Lowレベルであるデジタル出力信号Doutが出力されて、非近接であると正常に判定される(図20(b))。但し、データData1及びデータData2に太陽光による増加分(斜線部)が加えられている。
【0022】
上述した、外光である太陽光等の周囲光が照射されるときの誤動作を含む、第1〜第3の従来例における問題点を以下に示す。
【0023】
第1の従来例における構成では、図19に示すように、発光ダイオードLEDを駆動している期間のデータData1と、発光ダイオードLEDを駆動していない期間のデータData2の差分を、差分データData1−Data2とすることで、近接/非近接の判定を行うことができる。
【0024】
しかしながら、外光である太陽光等の周囲光がセンサ装置に照射された場合、アナログ−デジタル変換回路が出力するデジタル値ADCOUTは、外光である太陽光等の周囲光の分、増加することになる。アナログ−デジタル変換回路のAD変換結果が飽和する程(16bitでは、フルスケール65535カウント)の太陽光が照射されると、図20に示すような誤動作が生じ、近接/非近接の判定を正確に行うことが出来ない。
【0025】
第2の従来例における構成では、外部環境条件の変動やセンサ内部における温度変化等の影響による変動に対して、正確な検出動作を可能とする。この場合、移動平均値にオフセット値を設定した値を閾値とすることで、測定値の変化分に対しては正確な検出を可能にすることになる。
【0026】
しかしながら、測定値自体の精度が必要な場合の判定は、行うことが出来ない。測定値自体の精度が必要な場合に関して、例えば、センサ装置を測距センサとして機能させる場合、検出距離の2乗に反比例した値を求める必要がある。測定値の変化分では、検出距離の2乗に反比例した値そのものを求めることは出来ないので、検出距離を判定することが出来ない。
【0027】
また、第1の従来例における構成と同様に、外光である太陽光等の周囲光がセンサ装置に照射された場合、アナログ−デジタル変換回路が出力するデジタル値ADCOUTは、外光である太陽光等の周囲光の分、増加する。よって、この増加により、検出動作における誤動作が引き起される。
【0028】
第3の従来例における構成では、簡単な構成で入力電圧Vinのアナログ−デジタル変換が可能である。
【0029】
しかしながら、第3の従来例における構成においても、第1及び第2の従来例における構成と同様に、外光である太陽光等の周囲光がセンサ装置に照射された場合、アナログ−デジタル変換回路が出力するデジタル値ADCOUTは、外光である太陽光等の周囲光の分、増加する。よって、この増加により、アナログ−デジタル変換における誤動作が引き起される。
【0030】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、外光である太陽光等の周囲光による誤動作が生じないセンサ装置及び電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0031】
本発明のセンサ装置は、上記課題を解決するために、被検出対象が近接しているか否かを判定する近接センサとして機能することが出来るセンサ装置であって、近接している上記被検出対象により反射される光である投射光を、所定の空間へ投射する発光素子と、アナログ入力電流をアナログ−デジタル変換するアナログ−デジタル変換部と、フォトダイオードであって、カソードが、上記アナログ−デジタル変換部の入力に接続され、アノードが、電気的に接地されている受光素子と、一方の入力に入力される、上記アナログ−デジタル変換部のAD変換結果と、他方の入力に入力される所定の閾値とを比較して、上記AD変換結果が上記閾値を超えていれば、上記被検出対象が近接していることを示す信号を出力し、上記AD変換結果が上記閾値以下であれば、上記被検出対象が近接していないことを示す信号を出力する比較部と、上記AD変換結果を記憶する記憶部と、第1端子が、上記一方の入力に接続されており、第2端子が、上記記憶部の入力とに接続されており、第3端子が、電気的に接地されているとともに、上記第1端子と上記第2端子とを接続するか、上記第1端子と上記第3端子とを接続して上記一方の入力を電気的に接地する切り替えスイッチと、上記受光素子のカソードと上記アナログ−デジタル変換部の入力とに一端が接続されているスイッチである開閉スイッチと、入力に電源電圧が印加され、出力が、上記受光素子のカソードと上記開閉スイッチの他端に接続されている可変電流源と、上記開閉スイッチの開閉を制御する制御信号である第2制御信号を、上記開閉スイッチの制御入力に出力するとともに、上記切り替えスイッチの切り替えを制御する制御信号である第3制御信号を、上記切り替えスイッチの制御入力に出力するスイッチ制御部とを備えることを特徴とする。
【0032】
上記発明によれば、上記発光素子を消灯させ、上記開閉スイッチを開き、かつ、上記切り替えスイッチによって上記第1端子と上記第3端子とを接続して上記一方の入力を電気的に接地する。これにより、上記可変電流源の出力電流を設定することが出来る。
【0033】
また、上記可変電流源の出力電流を設定した後に、上記発光素子を点灯させ、上記開閉スイッチを閉じ、かつ、上記切り替えスイッチによって、上記第1端子に接続された上記比較部の上記一方の入力と、上記第2端子に接続された上記AD変換結果とを接続する。これにより、上記可変電流源の出力電流と、上記発光素子を点灯させた時の上記受光素子の出力電流との差分の電流を、上記アナログ−デジタル変換部に入力することが出来る。
【0034】
上記差分の電流は、上記発光素子を消灯させるとともに、上記開閉スイッチを開いた時に上記外光を受光する上記受光素子の出力電流に等しい、上記可変電流源の出力電流を減算された電流である。
【0035】
よって、上記被検出対象が近接しているか否かの判定において、上記外光の影響を除くことが出来るので、上記判定を正確に行うことが出来る。
【0036】
従って、上記外光である太陽光等の周囲光による誤動作が生じないセンサ装置を提供することが出来る。
【0037】
上記センサ装置では、上記被検出対象が近接しているか否かを判定するときに、第1工程として、上記発光素子を消灯させるとともに、上記開閉スイッチを開き、上記切り替えスイッチは、上記一方の入力を電気的に接地し、上記アナログ−デジタル変換部は、上記受光素子が出力する電流をアナログ−デジタル変換して得られた上記AD変換結果である第1データを、上記記憶部に出力し、上記記憶部は、上記第1データに対応した上記受光素子が出力する電流の大きさを示す第1制御信号を、上記可変電流源の制御入力に出力し、上記可変電流源は、上記第1制御信号が入力されると、上記可変電流源が出力する電流を、上記第1データに対応した上記受光素子が出力する電流に設定し、上記第1工程の後に続けて行われる工程である第2工程として、上記発光素子が点灯させるとともに、上記開閉スイッチを閉じ、上記切り替えスイッチは、上記一方の入力と、上記AD変換結果とを接続してもよい。
【0038】
上記第1工程において、上記第1データを上記記憶部に出力する。これにより、上記可変電流源の出力電流を設定することが出来る。
【0039】
また、上記第2工程において、上記可変電流源の出力電流と、上記発光素子が点灯させるとともに、上記開閉スイッチを閉じた時の上記受光素子の出力電流との差分の電流を、上記アナログ−デジタル変換部の入力に入力させることが出来る。
【0040】
上記差分の電流は、上記発光素子の消灯時に上記外光を受光する上記受光素子の出力電流に等しい、上記可変電流源の出力電流を減算された電流である。
【0041】
よって、上記被検出対象が近接しているか否かの判定において、上記外光の影響を除くことが出来るので、上記判定を正確に行うことが出来る。
【0042】
従って、上記外光である太陽光等の周囲光による誤動作が生じないセンサ装置を提供することが出来る。
【0043】
本発明のセンサ装置は、上記課題を解決するために、被検出対象が近接しているか否かを判定する近接センサとして機能することが出来るセンサ装置であって、近接している上記被検出対象により反射される光である投射光を、所定の空間へ投射する発光素子と、アナログ入力電流をアナログ−デジタル変換するアナログ−デジタル変換部と、フォトダイオードであって、カソードが、上記アナログ−デジタル変換部の入力に接続され、アノードが、電気的に接地されている受光素子と、1回目に入力された、上記アナログ−デジタル変換部のAD変換結果を記憶し、2回目の上記AD変換結果が入力されると、1回目に入力された上記AD変換結果を出力するとともに、3回目の上記AD変換結果が入力されると、2回目に入力された上記AD変換結果から3回目に入力された上記AD変換結果を減算した値である減算値を出力する記憶・減算部と、一方の入力に入力される上記記憶・減算部の出力値と、他方の入力に入力される所定の閾値とを比較して、上記AD変換結果が上記閾値を超えていれば、上記被検出対象が近接していることを示す信号を出力し、上記AD変換結果が上記閾値以下であれば、上記被検出対象が近接していないことを示す信号を出力する比較部と、上記AD変換結果を記憶する記憶部と、第1端子が、上記記憶・減算部の入力に接続されており、第2端子が、上記記憶部の入力とに接続されており、第3端子が、電気的に接地されているとともに、上記第1端子と上記第2端子とを接続するか、上記第1端子と上記第3端子とを接続して上記記憶・減算部の入力を電気的に接地する切り替えスイッチと、上記受光素子のカソードと上記アナログ−デジタル変換部の入力とに一端が接続されているスイッチである開閉スイッチと、入力に電源電圧が印加され、出力が、上記受光素子のカソードと上記開閉スイッチの他端に接続されている可変電流源と、上記開閉スイッチの開閉を制御する制御信号である第2制御信号を、上記開閉スイッチの制御入力に出力するとともに、上記切り替えスイッチの切り替えを制御する制御信号である第3制御信号を、上記切り替えスイッチの制御入力に出力するスイッチ制御部とを備えることを特徴とする。
【0044】
上記発明によれば、上記発光素子を消灯させ、上記開閉スイッチを開き、かつ、上記切り替えスイッチによって上記第1端子と上記第3端子とを接続して上記一方の入力を電気的に接地する。これにより、上記可変電流源の出力電流を設定することが出来る。
【0045】
また、上記可変電流源の出力電流を設定した後に、上記発光素子を点灯させ、上記開閉スイッチを閉じ、かつ、上記切り替えスイッチによって、上記第1端子に接続された上記記憶・減算部の入力と、上記第2端子に接続された上記AD変換結果とを接続する。これにより、上記可変電流源の出力電流と、上記発光素子を点灯させた時の上記受光素子の出力電流との差分の電流である第1の差分の電流を、上記アナログ−デジタル変換部に入力することが出来る。
【0046】
さらに、上記第1の差分の電流が、上記アナログ−デジタル変換部に入力された後に、上記発光素子を消灯させ、上記開閉スイッチを閉じ、かつ、上記切り替えスイッチによって、上記第1端子に接続された上記記憶・減算部の入力と、上記第2端子に接続された上記AD変換結果とを接続する。これにより、上記可変電流源の出力電流と、上記発光素子を消灯させた時の上記受光素子の出力電流との差分の電流である第2の差分の電流を、上記アナログ−デジタル変換部に入力することが出来る。
【0047】
上記第1及び第2の差分の電流は、上記発光素子を消灯させるとともに、上記開閉スイッチを開いた時に上記外光を受光する上記受光素子の出力電流に等しい、上記可変電流源の出力電流を減算された電流である。
【0048】
よって、上記被検出対象が近接しているか否かの判定において、上記外光の影響を除くことが出来るので、上記判定を正確に行うことが出来る。
【0049】
従って、上記外光である太陽光等の周囲光による誤動作が生じないセンサ装置を提供することが出来る。
【0050】
上記センサ装置では、上記被検出対象が近接しているか否かを判定するときに、第1工程として、上記発光素子を消灯させるとともに、上記開閉スイッチを開き、上記切り替えスイッチは、上記記憶・減算部の入力を電気的に接地し、上記アナログ−デジタル変換部は、上記受光素子が出力する電流をアナログ−デジタル変換して得られた上記AD変換結果である第1データを、上記記憶部に出力し、上記記憶部は、上記第1データに対応した上記受光素子が出力する電流の大きさを示す第1制御信号を、上記可変電流源の制御入力に出力し、上記可変電流源は、上記第1制御信号が入力されると、上記可変電流源が出力する電流を、上記第1データに対応した上記受光素子が出力する電流に設定し、上記第1工程の後に続けて行われる工程である第2工程として、上記発光素子を点灯させるとともに、上記開閉スイッチを閉じ、上記切り替えスイッチは、上記記憶・減算部の入力と、上記AD変換結果とを接続し、上記第2工程の後に続けて行われる工程である第3工程として、上記発光素子を消灯させるとともに、上記開閉スイッチを閉じてもよい。
【0051】
上記第1工程において、上記第1データを上記記憶部に出力する。これにより、上記可変電流源の出力電流を設定することが出来る。
【0052】
また、上記第2工程において、上記可変電流源の出力電流と、上記発光素子を点灯させるとともに、上記開閉スイッチを閉じた時の上記受光素子の出力電流との差分の電流である上記第1の差分の電流を、上記アナログ−デジタル変換部の入力に入力させることが出来る。
【0053】
さらに、上記第3工程において、上記可変電流源の出力電流と、上記発光素子を消灯させるとともに、上記開閉スイッチを閉じた時の上記受光素子の出力電流との差分の電流である上記第2の差分の電流を、上記アナログ−デジタル変換部の入力に入力させることが出来る。
【0054】
上記第1の差分の電流、及び、上記第2の差分の電流は、上記発光素子の消灯時に上記外光を受光する上記受光素子の出力電流に等しい、上記可変電流源の出力電流を減算された電流である。
【0055】
よって、上記被検出対象が近接しているか否かの判定において、上記外光の影響を除くことが出来るので、上記判定を正確に行うことが出来る。
【0056】
従って、上記外光である太陽光等の周囲光による誤動作が生じないセンサ装置を提供することが出来る。
【0057】
上記センサ装置では、上記第1工程では、上記アナログ−デジタル変換部のAD変換結果の上限が、所定の第1上限に設定され、上記第2工程では、上記アナログ−デジタル変換部のAD変換結果の上限が、所定の第2上限に設定され、上記第1上限は、上記第2上限よりも高くてもよい。
【0058】
よって、上記第1工程が行われる際に、上記第2のフルスケールを超えるような、極めて照度が高い上記外光が上記センサ装置に照射された場合でも、上記第1工程の際に、上記第1データが上記第1のフルスケールに達して、上記アナログ−デジタル変換部のAD変換結果が飽和することはない。
【0059】
さらに、上記第2工程が行われる際に、上記アナログ−デジタル変換部へ入力される電流は、上記可変電流源の出力電流と、上記発光素子が点灯させるとともに、上記開閉スイッチを閉じた時の上記受光素子の出力電流との差分の電流である。
【0060】
従って、上記差分の電流において、極めて照度が高い上記外光による上記可変電流源の出力電流が含まれなくなる。従って、極めて照度が高い上記外光である太陽光等の周囲光による誤動作が生じないセンサ装置を提供することが出来る。
【0061】
上記センサ装置では、上記第1工程では、上記アナログ−デジタル変換部のAD変換結果の上限が、所定の第1上限に設定され、上記第2工程及び上記第3工程では、上記アナログ−デジタル変換部のAD変換結果の上限が、所定の第2上限に設定され、上記第1上限は、上記第2上限よりも高くてもよい。
【0062】
よって、上記第1工程が行われる際に、上記第2のフルスケールを超えるような、極めて照度が高い太陽光等の周囲光が上記センサ装置に照射された場合でも、上記第1工程が行われる際に、上記第1データが上記第1のフルスケールに達して、アナログ−デジタル変換部のAD変換結果が飽和することはない。
【0063】
また、上記第2工程が行われる際に、上記アナログ−デジタル変換部へ入力される電流は、上記可変電流源の出力電流と、上記発光素子を点灯させるとともに、上記開閉スイッチを閉じた時の上記受光素子の出力電流との差分の電流である上記第1の差分の電流である。
【0064】
さらに、上記第3工程が行われる際に、上記アナログ−デジタル変換部へ入力される電流は、上記可変電流源の出力電流と、上記発光素子を消灯させるとともに、上記開閉スイッチを閉じた時の上記受光素子の出力電流との差分の電流である上記第2の差分の電流である。
【0065】
従って、上記第1の差分の電流及び上記第2の差分の電流において、極めて照度が高い上記外光による上記可変電流源の出力電流が含まれなくなる。従って、極めて照度が高い上記外光である太陽光等の周囲光による誤動作が生じないセンサ装置を提供することが出来る。
【0066】
上記いずれかのセンサ装置では、上記アナログ−デジタル変換部のAD変換結果と、上記いずれかのセンサ装置と上記被検出対象との距離とが、反比例していてもよい。
【0067】
これにより、近接センサとして機能することが出来る上記いずれかのセンサ装置において、上記AD変換結果から上記距離を算出することで、近接センサとして機能することが出来る上記いずれかのセンサ装置を、測距センサとして機能させることが可能となる。
【0068】
上記いずれかのセンサ装置では、上記アナログ−デジタル変換部のAD変換結果と、上記被検出対象により反射された反射光の照度とが、比例していてもよい。
【0069】
これにより、近接センサとして機能することが出来る上記いずれかのセンサ装置において、上記AD変換結果から上記照度を算出することで、近接センサ機能することが出来る上記いずれかのセンサ装置を、照度センサとして機能させることが可能となる。
【0070】
上記いずれかのセンサ装置では、上記アナログ−デジタル変換部は、アナログ入力電流をデジタル変換する積分型アナログ−デジタル変換部であって、上記アナログ入力電流に応じた電荷を蓄える容量と、当該容量の一端が接続される反転入力端子に上記アナログ入力電流が入力され、非反転入力端子が電気的に接地され、上記容量の他端が接続される出力端子から出力電圧を出力する差動増幅器とを有する充電部と、上記容量に蓄えた上記電荷を放電する放電部と、基準電圧を出力する電圧源、及び、上記電圧源の出力と上記充電部の出力との間を開閉するスイッチを有し、上記充電部の差動増幅器の出力電圧と、上記基準電圧とを比較する出力電圧比較部とを備えてもよい。
【0071】
上記アナログ−デジタル変換部として、上記積分型アナログ−デジタル変換部を適用する。これにより、上記積分型アナログ−デジタル変換部が備えている、広いダイナミックレンジと高い分解能のアナログ−デジタル変換が可能である。
【0072】
上記センサ装置では、上記容量の充電に要する期間を含む、上記積分型アナログ−デジタル変換部の測定期間を、周波数50ヘルツの逆数である周期20ミリ秒の倍数、または、周波数60ヘルツの逆数である周期16.66ミリ秒の倍数としてもよい。
【0073】
また、上記センサ装置では、上記測定期間を、周波数50ヘルツの逆数である周期20ミリ秒、または、周波数60ヘルツの逆数である周期16.66ミリ秒としてもよい。
【0074】
上記いずれかのセンサ装置を照度センサとして機能させる場合、以下の理由から、上記測定期間を、20ミリ秒の倍数(20ミリ秒も含まれる)、または16.66ミリ秒の倍数(16.66ミリ秒も含まれる)にすることが好ましい。
【0075】
上記外光の一例として、蛍光灯から発せられる光が挙げられる。蛍光灯から発せられる光は、蛍光灯を動作させるために蛍光灯に入力される商用電源からの電圧の周波数である、50Hzまたは60Hzに対応した周期で揺らいでいる。よって、蛍光灯から発せられる光には、50Hzの周波数成分または60Hzの周波数成分が含まれることとなる。
【0076】
ここで、上記照度センサを用いて、蛍光灯から発せられる光の照度を測定する場合を考える。この場合、上記照度センサにおける上記測定期間、即ち、上記照度の測定に要する時間(上記積分型アナログ−デジタル変換回路における積分に依存する)が、周波数50Hzの逆数である周期20ミリ秒、または、周波数60Hzの逆数である周期16.66ミリ秒よりも短いと、上記照度の測定を正確に行うことが出来ない。
【0077】
このため、従来の照度センサでは、積分型のアナログ−デジタル変換回路を用いた場合に、長時間の積分を行っている。これにより、上記測定期間に相当する、照度の測定に要する時間を十分長くして、照度の測定を正確に行うような構成としている。
【0078】
また、上記いずれかのセンサ装置において、上記被検出対象が近接しているか否かの判定を行う際に、上述した蛍光灯から発せられる光は、上記判定を正確に行うことを妨げる外乱ノイズとなる。従って、上記いずれかのセンサ装置では、上述した蛍光灯から発せられる光の影響は、除去されていることが望ましい。
【0079】
そこで、上記いずれかのセンサ装置では、上記測定期間を、周波数50ヘルツの逆数である周期20ミリ秒の倍数(20ミリ秒も含まれる)、または、周波数60ヘルツの逆数である周期16.66ミリ秒の倍数(16.66ミリ秒も含まれる)とする。
【0080】
これにより、蛍光灯を動作させるために蛍光灯に入力される商用電源からの電圧の周波数である、50ヘルツまたは60ヘルツの逆数の周期で変動する、上述した蛍光灯から発せられる光の影響を除去して、上記照度の測定、及び、上記被検出対象が近接しているか否かの判定を、正確に行うことが出来る。
【0081】
本発明の電子機器は、画面を表示する液晶パネルと、上記液晶パネルを照射するバックライトと、上記バックライトの輝度を制御するバックライト制御部と、上記いずれかのセンサ装置とを備える電子機器であって、上記バックライト制御部は、上記いずれかのセンサ装置が備える上記アナログ−デジタル変換部のデジタル出力信号がハイレベルとなる場合、上記バックライトの輝度を第1所定値高くし、上記デジタル出力信号がローレベルとなる場合、上記バックライトの輝度を第2所定値低くし、上記デジタル出力信号のレベルが変化しない場合、上記バックライトの輝度を維持する。
【0082】
また、上記電子機器は、携帯電話またはデジタルカメラであってもよい。
【0083】
本発明の電子機器は、近接センサとして機能することが出来る、上記いずれかのセンサ装置を備える。上記近接センサは、上記外光が照射されても、誤動作が生じることなく、上記被検出対象が近接しているか否かを正確に判定することが出来る。よって、上記電子機器も、誤動作が生じることなく正常に動作することが出来る。
【発明の効果】
【0084】
本発明のセンサ装置は、以上のように、近接している被検出対象により反射される光である投射光を、所定の空間へ投射する発光素子と、アナログ入力電流をアナログ−デジタル変換するアナログ−デジタル変換部と、フォトダイオードであって、カソードが、上記アナログ−デジタル変換部の入力に接続され、アノードが、電気的に接地されている受光素子と、一方の入力に入力される、上記アナログ−デジタル変換部のAD変換結果と、他方の入力に入力される所定の閾値とを比較して、上記AD変換結果が上記閾値を超えていれば、上記被検出対象が近接していることを示す信号を出力し、上記AD変換結果が上記閾値以下であれば、上記被検出対象が近接していないことを示す信号を出力する比較部と、上記AD変換結果を記憶する記憶部と、第1端子が、上記一方の入力に接続されており、第2端子が、上記記憶部の入力とに接続されており、第3端子が、電気的に接地されているとともに、上記第1端子と上記第2端子とを接続するか、上記第1端子と上記第3端子とを接続して上記一方の入力を電気的に接地する切り替えスイッチと、上記受光素子のカソードと上記アナログ−デジタル変換部の入力とに一端が接続されているスイッチである開閉スイッチと、入力に電源電圧が印加され、出力が、上記受光素子のカソードと上記開閉スイッチの他端に接続されている可変電流源と、上記開閉スイッチの開閉を制御する制御信号である第2制御信号を、上記開閉スイッチの制御入力に出力するとともに、上記切り替えスイッチの切り替えを制御する制御信号である第3制御信号を、上記切り替えスイッチの制御入力に出力するスイッチ制御部とを備えるものである。
【0085】
また、本発明のセンサ装置は、以上のように、近接している被検出対象により反射される光である投射光を、所定の空間へ投射する発光素子と、アナログ入力電流をアナログ−デジタル変換するアナログ−デジタル変換部と、フォトダイオードであって、カソードが、上記アナログ−デジタル変換部の入力に接続され、アノードが、電気的に接地されている受光素子と、1回目に入力された、上記アナログ−デジタル変換部のAD変換結果を記憶し、2回目の上記AD変換結果が入力されると、1回目に入力された上記AD変換結果を出力するとともに、3回目の上記AD変換結果が入力されると、2回目に入力された上記AD変換結果から3回目に入力された上記AD変換結果を減算した値である減算値を出力する記憶・減算部と、一方の入力に入力される上記記憶・減算部の出力値と、他方の入力に入力される所定の閾値とを比較して、上記AD変換結果が上記閾値を超えていれば、上記被検出対象が近接していることを示す信号を出力し、上記AD変換結果が上記閾値以下であれば、上記被検出対象が近接していないことを示す信号を出力する比較部と、上記AD変換結果を記憶する記憶部と、第1端子が、上記記憶・減算部の入力に接続されており、第2端子が、上記記憶部の入力とに接続されており、第3端子が、電気的に接地されているとともに、上記第1端子と上記第2端子とを接続するか、上記第1端子と上記第3端子とを接続して上記記憶・減算部の入力を電気的に接地する切り替えスイッチと、上記受光素子のカソードと上記アナログ−デジタル変換部の入力とに一端が接続されているスイッチである開閉スイッチと、入力に電源電圧が印加され、出力が、上記受光素子のカソードと上記開閉スイッチの他端に接続されている可変電流源と、上記開閉スイッチの開閉を制御する制御信号である第2制御信号を、上記開閉スイッチの制御入力に出力するとともに、上記切り替えスイッチの切り替えを制御する制御信号である第3制御信号を、上記切り替えスイッチの制御入力に出力するスイッチ制御部とを備えるものである。
【0086】
それゆえ、外光である太陽光等の周囲光による誤動作が生じないセンサ装置及び電子機器を提供するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の実施形態に係るセンサ装置のブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係るセンサ装置の、本発明の実施例における動作波形の説明図であり、(a)は、本発明の実施例において、外光である太陽光等の周囲光が照射されておらず、かつ、被検出対象が有る場合の動作波形の波形図であり、(b)は、本発明の実施例において、外光である太陽光等の周囲光が照射されておらず、かつ、被検出対象が無い場合の動作波形の波形図である。
【図3】本発明の実施形態に係るセンサ装置の、本発明の実施例における動作波形の説明図であり、(a)は、本発明の実施例において、外光である太陽光等の周囲光が照射されており、かつ、被検出対象が有る場合の動作波形の波形図であり、(b)は、本発明の実施例において、外光である太陽光等の周囲光が照射されており、かつ、被検出対象が無い場合の動作波形の波形図である。
【図4】本発明の実施形態に係る他のセンサ装置のブロック図である。
【図5】本発明の実施形態に係る他のセンサ装置の、本発明の他の実施例における動作波形の説明図であり、(a)は、本発明の他の実施例において、外光である太陽光等の周囲光が照射されておらず、かつ、被検出対象が有る場合の動作波形の波形図であり、(b)は、本発明の他の実施例において、外光である太陽光等の周囲光が照射されておらず、かつ、被検出対象が無い場合の動作波形の波形図である。
【図6】本発明の実施形態に係る他のセンサ装置の、本発明の他の実施例における動作波形の説明図であり、(a)は、本発明の他の実施例において、外光である太陽光等の周囲光が照射されており、かつ、被検出対象が有る場合の動作波形の波形図であり、(b)は、本発明の他の実施例において、外光である太陽光等の周囲光が照射されており、かつ、被検出対象が無い場合の動作波形の波形図である。
【図7】本発明の実施形態に係る他のセンサ装置の、本発明のさらに別の実施例における動作波形の説明図であり、(a)は、本発明のさらに別の実施例において、外光である太陽光等の周囲光が照射されておらず、かつ、被検出対象が有る場合の動作波形の波形図であり、(b)は、本発明のさらに別の実施例において、外光である太陽光等の周囲光が照射されておらず、かつ、被検出対象が無い場合の動作波形の波形図である。
【図8】本発明の実施形態に係る他のセンサ装置の、本発明のさらに別の実施例における動作波形の説明図であり、(a)は、本発明のさらに別の実施例において、極めて照度が高い外光である太陽光等の周囲光が照射されており、かつ、被検出対象が有る場合の動作波形の波形図であり、(b)は、本発明のさらに別の実施例において、極めて照度が高い外光である太陽光等の周囲光が照射されており、かつ、被検出対象が無い場合の動作波形の波形図である。
【図9】本発明の実施形態に係る積分型のアナログ−デジタル変換回路のブロック図である。
【図10】本発明の実施形態に係る積分型のアナログ−デジタル変換回路の動作を示す波形図である。
【図11】本発明の実施形態に係る液晶パネルのバックライト制御回路のブロック図である。
【図12】本発明の実施形態に係るセンサ装置の構成を示す正面図である。
【図13】本発明の実施形態に係る電子機器としての携帯電話の斜視図である。
【図14】本発明の実施形態に係る電子機器としてのデジタルカメラの正面図である。
【図15】アナログ−デジタル変換回路を用いたセンサ回路の一般的な構成を示すブロック図である。
【図16】特許文献1に記載の内容を適用した光電センサの構成を示すブロック図である。
【図17】特許文献2に記載の内容を適用したアナログ−デジタル変換回路の構成を示す回路図である。
【図18】特許文献3に記載の内容を適用した一般的な近接センサの構成を示す正面図である。
【図19】(a)は、図18の一般的な近接センサに被検出対象が近接している時の波形図であり、(b)は、図18の一般的な近接センサに被検出対象が近接していない時の波形図である。
【図20】(a)は、外光である太陽光等の周囲光が照射されている図18の一般的な近接センサに対して、被検出対象が近接している時の波形図であり、(b)は、太陽光外光であるの周囲光が照射されている図18の一般的な近接センサに対して、被検出対象が近接していない時の波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0088】
本発明の一実施形態について図1〜図14に基づいて説明すれば、以下の通りである。まずは、本発明の一実施例について、以下に説明する。
【0089】
〔実施例1〕
本発明の実施例1について、図1〜図3及び図12に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0090】
本実施例1では、発光ダイオードLEDを駆動していない期間のデータをData0(第1データ)とする。また、発光ダイオードLEDを駆動している期間のデータをData1(第2データ)とする。さらに、図2(a)及び図2(b)において破線で示されているのは、図1のデジタル値ADCOUT(AD変換結果)のフルスケール(AD変換結果の上限(所定))である。以下の図面において、デジタル値ADCOUTがフルスケールに達している場合は、図1のADC2(Analog to Digital Converter:アナログ−デジタル変換部)において、デジタル値ADCOUTの飽和が生じている。
【0091】
なお、太陽光により飽和が生じるのは、あくまでADC2が出力するデジタル値ADCOUTである。これに対して、図1のフォトダイオードPDからADC2へ入力される電流は、太陽光、及び、後述する極めて照度が高い太陽光のいずれが存在したとしても、飽和することは無い。
【0092】
(センサ装置1)
図1は、本実施形態に係るセンサ装置1のブロック図である。図12は、本実施形態に係るセンサ装置1の構成を示す正面図である。まず、センサ装置1の構成を、図12に基づき説明する。
【0093】
図12に示すように、本実施形態に係るセンサ装置1は、フォトダイオードPD、発光ダイオードLED(発光素子)、及び制御回路20を備えている。制御回路20により発光ダイオードLEDを駆動し、受光用のフォトダイオードPD(受光素子)で電流に変換し、制御回路20で被検出対象21の近接/非近接を判定する(被検出対象21が近接しているか否かを判定する)。被検出対象21が有る場合、発光ダイオードLEDから照射された光を被検出対象21が反射する。これにより、反射光22がフォトダイオードPDに入射する。
【0094】
次に、センサ装置1のブロック図である図1について説明する。図1のセンサ装置1は、フォトダイオードPD、ADC2(アナログ−デジタル変換部)、比較回路3(比較部)、記憶回路4(記憶部)、電流源回路5、切り替えスイッチSW0’及びスイッチ制御回路50(スイッチ制御部)を備えている。また、電流源回路5は、可変電流源6と開閉スイッチSW0とを有している。
【0095】
図1のセンサ装置1において、可変電流源6の入力には、電源電圧Vddが印加されている。可変電流源6の出力は、開閉スイッチSW0の一端に接続されている。
【0096】
開閉スイッチSW0の他端は、フォトダイオードPDのカソードと、ADC2の入力とに接続されている。ADC2の出力は、切り替えスイッチSW0’の一端と、記憶回路4の入力とに接続されている。記憶回路4の出力から、可変電流源6の制御入力へ、電流制御信号Sc(第1制御信号)が出力される。
【0097】
切り替えスイッチSW0’の他端は、比較回路3の一方の入力に接続されている。比較回路3の他方の入力には、所定の閾値Data_thが入力される。比較回路3の出力から外部へ、デジタル出力信号Doutが出力される。
【0098】
スイッチ制御回路50は、開閉スイッチSW0及び切り替えスイッチSW0’に、それぞれのスイッチに対応した、それぞれのスイッチの動作を制御する信号を出力する。
【0099】
そして、フォトダイオードPDのアノードは、電気的に接地されている。
【0100】
なお、記憶回路4は、レジスタ回路やメモリ回路等で構成することが出来る。
【0101】
(本実施例1のセンサ装置1の動作)
図2及び図3は、本実施形態に係るセンサ装置1の、本実施例1における動作波形の説明図である。まず、図2を用いて、外光である太陽光等の周囲光が照射されていない場合におけるセンサ装置1の動作を説明する。
【0102】
図2(a)は、本実施例1において、外光である太陽光等の周囲光が照射されておらず、かつ、被検出対象21が有る場合の動作波形の波形図である。図2(b)は、本実施例1において、外光である太陽光等の周囲光が照射されておらず、かつ、被検出対象21が無い場合の動作波形の波形図である。図2(a)を用いて第1事例を説明し、図2(b)を用いて第2事例を説明する。
【0103】
なお、図2において、t_convは測定期間(データ変換時間)を示す。測定期間t_convについては、〔積分型のアナログ−デジタル変換回路8〕の項目において後述する。
【0104】
(第1事例)
第1事例として、図2(a)に示される、外光である太陽光等の周囲光が照射されておらず、かつ、被検出対象21が有る場合について説明する。
【0105】
第1工程(第1行程)において、発光ダイオードLEDを駆動していない期間のデータData0を測定する時は、図1のセンサ装置1において、開閉スイッチSW0を開く。また、図1のセンサ装置1は、ADC2の出力と、比較回路3の一方の入力との間を開閉可能なスイッチである切り替えスイッチSW0’を備えている。切り替えスイッチSW0’は、外光である太陽光等の周囲光が照射されていない場合は、常に導通している(比較回路3の一方の入力に接続されている切り替えスイッチSW0’の第1端子と、ADC2の出力及び記憶回路4の入力に接続されている切り替えスイッチSW0’の第2端子とが接続されている)。また、外光である太陽光等の周囲光が照射される場合は、上記導通が行われるか、上記第1端子と、電気的に接地された切り替えスイッチSW0’の第3端子とが接続されて、比較回路3の一方の入力が電気的に接地されるかを切り替えられる。そして、センサ装置1が備えるスイッチ制御回路50は、スイッチSW0に対して、当該スイッチの開閉を制御する信号(第2制御信号)を送信するとともに、スイッチSW0’に対して、当該スイッチの開閉を制御する信号(第3制御信号)を送信する。
【0106】
開閉スイッチSW0が開いている状態のセンサ装置1において、フォトダイオードPDから出力される電流Iin(フォトダイオードの出力電流)は、
Iin≒0 (1)
である。(1)式の電流Iinは、ADC2によりアナログ−デジタル変換され、デジタル値ADCOUTとしてのデータData0が得られる。
【0107】
ここで、データData0の測定時は、切り替えスイッチSW0’の他端を電気的に接地する。これにより、比較回路3の一方の入力における値を0とする。これにより、データData0の測定時に、比較回路3の一方の入力における値0が、比較回路3の他方の入力に入力される閾値Data_th(Data_th>0)を超えない(閾値Data_th以下である)。よって、Lowレベルであるデジタル出力信号Doutが、外部に出力される。
【0108】
データData0は、記憶回路4に記憶される。記憶回路4は、データData0に応じた信号である電流制御信号Scを、可変電流源6の制御入力へ出力する。可変電流源6は、電流制御信号Scが制御入力へ入力される。これにより、データData0に応じた電流I1≒0(可変電流源の出力電流)を出力することが出来るようになる。
【0109】
第1工程の後に続けて行われる工程である第2工程において、発光ダイオードLEDを駆動している期間のデータData1を測定する場合を考える。この場合、図1のセンサ装置1において、開閉スイッチSW0を閉じる。これにより、データData0に応じた電流I1≒0と、フォトダイオードPDから出力される電流Iinとの差の電流を求める減算が行われる。これにより、減算された電流である
Iin−I1=Iin_data1=Iin_ledon−I1≒Iin_ledon (2)
がADC2に入力されて、アナログ−デジタル変換が行われ、デジタル値ADCOUTとしてのデータData1が得られる。なお、(2)式における電流Iin_ledonは、発光ダイオードLEDが発光している時(即ちデータData1の測定時)に、フォトダイオードPDが受光する電流である。
【0110】
比較回路3の一方の入力に入力されるデータData1は、比較回路3の他方の入力に入力される閾値Data_thを超えるような値に設定するものとする。よって、デジタル出力信号Doutのレベルが、LowレベルからHiレベルへ変化することにより生じる、被検出対象21が近接したことを示すパルスが、デジタル出力信号Doutとして外部に出力される。
【0111】
(第2事例)
第2事例として、図2(b)に示される、外光である太陽光等の周囲光が照射されておらず、かつ、被検出対象21が無い場合について説明する。
【0112】
第1工程であるデータData0の測定時であるが、図2(a)と同様に、(1)式の電流Iin≒0が得られる。また、可変電流源6が、データData0に応じた電流I1≒0を出力することが出来るようになる点も、図2(a)と同様である。
【0113】
第1工程の後に続けて行われる工程である第2工程において、発光ダイオードLEDを駆動している期間のデータData1を測定する場合を考える。この場合、図1のセンサ装置1において開閉スイッチSW0を閉じる。これにより、(2)式に示される電流が得られる。しかし、図2(b)で示される事例では被検出対象21が無いため、(2)式における電流Iin_ledonが電流I1に等しくなる。この結果、
Iin−I1=Iin_data1=Iin_ledon−I1=I1−I1=0 (3)
がADC2に入力されて、アナログ−デジタル変換が行われる結果、デジタル値ADCOUTとしてのデータData1は、
Data1=0 (4)
となる。データData1が0であるので、データData1は、比較回路3の他方の入力に入力される閾値Data_thを超えず、デジタル出力信号Doutのレベルは、Lowレベルで維持される。従って、被検出対象21が近接していないことを示すLowレベルの信号が、デジタル出力信号Doutとして外部に出力される。
【0114】
さて、図3(a)は、本実施例1において、外光である太陽光等の周囲光が照射されており、かつ、被検出対象21が有る場合の動作波形の波形図である。図3(b)は、本実施例1において、外光である太陽光等の周囲光が照射されており、かつ、被検出対象21が無い場合の動作波形の波形図である。図3(a)を用いて第3事例を説明し、図3(b)を用いて第4事例を説明する。
【0115】
(第3事例)
第3事例として、図3(a)に示される、外光である太陽光等の周囲光が照射されており、かつ、被検出対象21が有る場合について説明する。
【0116】
第1工程において、発光ダイオードLEDを駆動していない期間のデータData0を測定する時は、図1のセンサ装置1において、開閉スイッチSW0を開く。開閉スイッチSW0が開いている状態のセンサ装置1において、フォトダイオードPDから出力される電流Iinは、
Iin=Iin_data0=Iin_sun (5)
である。電流Iin_sunに対応するデータは、図3(a)において斜線部で示される。外光である太陽光等の周囲光の測定結果を示す電流である、(5)式の電流Iin_sunは、ADC2によりアナログ−デジタル変換され、デジタル値ADCOUTとしてのデータData0が得られる。
【0117】
(5)式の電流Iinから得られるデータData0は、外光である太陽光等の周囲光の測定結果としてのみ用いるデータであり、被検出対象21が近接しているか否かの判定には用いない。このためには、データData0の測定時に、切り替えスイッチSW0’を開いておく。これにより、比較回路3の一方の入力にデータData0を入力せずに、記憶回路4にのみ入力するようにする。
【0118】
上述したように切り替えスイッチSW0’を開いているので、比較回路3の一方の入力の値は、比較回路3の他方の入力に入力される閾値Data_thを超えない。よって、Lowレベルであるデジタル出力信号Doutが、外部に出力される。
【0119】
データData0は、記憶回路4に記憶される。記憶回路4は、データData0に応じた信号である電流制御信号Scを、可変電流源6の制御入力へ出力する。可変電流源6は、電流制御信号Scが制御入力へ入力される。これにより、データData0に応じた電流I1=Iin_sunを出力することが出来るようになる。
【0120】
第1工程の後に続けて行われる工程である第2工程において、発光ダイオードLEDを駆動している期間のデータData1を測定する場合を考える。この場合、図1のセンサ装置1において、開閉スイッチSW0を閉じる。これにより、外光である太陽光等の周囲光の測定結果を反映したデータData0に応じた電流I1=Iin_sunと、フォトダイオードPDから出力される電流Iinとの差の電流を求める減算が行われる。これにより、減算された電流である
Iin−I1=Iin_data1=Iin_ledon−I1=Iin_ledon−Iin_sun (6)
がADC2に入力されて、アナログ−デジタル変換が行われ、デジタル値ADCOUTとしてのデータData1が得られる。
【0121】
データData1の測定時は、開閉スイッチSW0に加えて、切り替えスイッチSW0’も閉じる。これにより、比較回路3の一方の入力に入力されるデータData1は、比較回路3の他方の入力に入力される閾値Data_thを超えるが、ADC2のフルスケールに達することは無い。(6)式に示される電流の算出時に、減算が行われているためである。
【0122】
従って、データData1は、外光である太陽光等の周囲光による影響が除去されたデータであると言える。外光である太陽光等の周囲光による影響が除去されたデータData1が、閾値Data_thを超えることに伴って、デジタル出力信号Doutのレベルが、LowレベルからHiレベルへ変化することにより生じる、被検出対象21が近接したことを示すパルスが、デジタル出力信号Doutとして外部に出力される。
【0123】
以上のように、本実施例1のセンサ装置1は、従来の近接センサ113において生じていた、照度が極めて高い外光である太陽光等の周囲光による影響による誤動作が生じることは無い。
【0124】
なお、照度が極めて高い外光である太陽光等の周囲光が存在する場合、後述する本実施形態の実施例3に係るセンサ装置1,31において、上記フルスケールを、測定するデータに対応させて変化させる構成とする。
【0125】
これにより、ADC2におけるデジタル値ADCOUTの飽和(16bit(ビット)のADC2であれば、デジタル値ADCOUTが、フルスケールである65535カウントとなること)が無いので、照度が極めて高い外光である太陽光等の周囲光が存在しても誤動作が生じないことを実現することが出来る。詳細については、〔実施例3〕において説明する。
【0126】
(第4事例)
第4事例として、図3(b)に示される、外光である太陽光等の周囲光が照射されており、かつ、被検出対象21が無い場合について説明する。
【0127】
第1工程におけるデータData0の測定時であるが、図3(a)と同様に、(5)式の電流Iin=Iin_sunが得られる。また、可変電流源6が、データData0に応じた電流I1=Iin_sunを出力することが出来るようになる点も、図3(a)と同様である。
【0128】
第1工程の後に続けて行われる工程である第2工程において、発光ダイオードLEDを駆動している期間のデータData1を測定する場合、図1のセンサ装置1において開閉スイッチSW0及び切り替えスイッチSW0’を閉じる。これにより、(6)式に示される電流が得られる。しかし、図3(b)で示される事例では被検出対象21が無いため、(6)式における電流Iin_ledonが電流Iin_sunに等しくなる。この結果、
Iin−I1=Iin_data1=Iin_ledon−I1=Iin_sun−Iin_sun=0 (7)
がADC2に入力されて、アナログ−デジタル変換が行われる結果、デジタル値ADCOUTとしてのデータData1は、
Data1=0 (8)
となる。データData1が0であるので、データData1は、比較回路3の他方の入力に入力される閾値Data_thを超えず、デジタル出力信号Doutのレベルは、Lowレベルで維持される。従って、被検出対象21が近接していないことを示すLowレベルの信号が、デジタル出力信号Doutとして外部に出力される。
【0129】
なお、〔発明が解決しようとする課題〕において、太陽光の照度が極めて高く、太陽光による増加分である斜線部のみで測定されたデータがフルスケールに達する。これにより、従来の近接センサ113において、被検出対象115が有るにもかかわらず、被検出対象115が無いと誤って判定されてしまう現象である誤動作が生じてしまうことを述べた。
【0130】
(測距センサとして機能するセンサ装置1,31)
本実施例1に係るセンサ装置1は、被検出対象21が近接しているか否かを判定するセンサである近接センサとして機能させることが出来る。なお、センサ装置31は、後述する実施例2,3に係るセンサ装置である。
【0131】
ここで、近接センサの出力値は、距離の2乗に反比例する。このため、近接センサとして機能させることが出来るセンサ装置1において、ADC2として積分型のアナログ−デジタル変換回路8(積分型アナログ−デジタル変換回路)を用いた場合の出力値であるカウント数countから距離L[cm]を算出することで、近接センサであるセンサ装置1を、測距センサとして機能させることが可能となる。以下に詳細を説明する。
【0132】
まず、発光ダイオードLEDの放射強度をE[μW/sr]、被検出対象21の反射率をηとする。この場合、センサ装置1から距離L[cm]を隔てた箇所に置かれた被検出対象21からの反射光22の放射照度Eeは、
Ee=E/{(2×L)}×η[μW/cm] (9)
で求めることが出来る。放射強度Eの単位中のsrは、ステラジアン(立体角)を示す。また、発光ダイオードLEDから照射された光が、距離L[cm]を伝播するとともに、被検出対象21が反射する反射光22も距離L[cm]を伝播する。これに伴い、(9)式には、(2×L)が含まれている。
【0133】
次に、フォトダイオードPDの受光面の面積をS[cm]、フォトダイオードPDの受光感度をA[nA/μW]とすると、フォトダイオードPDから出力される電流Iinは、
Iin=A×Ee×S[nA] (10)
となる。
【0134】
さらに、アナログ−デジタル変換回路8が出力するカウント数countは、
count=(Iin/Iref)×2 (11)
で求められる。(11)式において、Irefは基準電流であり、nは分解能である。
【0135】
従って、(9)式〜(11)式より、カウント数countは、
count=(A×Ee×S/Iref)×2
count=(A×[E/{(2×L)}×η]×S/Iref)×2
count={A×E×η×S×2(n−2)/Iref}/(L) (12)
となる。(12)式により、距離の2乗である(L)に対して反比例するカウント数countが算出される。この時、上記反比例における比例定数をa1とすると、以下に示す(13)式〜(15)式が成立することとなる。
count∝1/(L) (13)
count=a1/(L) (14)
a1=A×E×η×S×2/Iref (15)
なお、測距センサに関する上記説明は、本実施例1に係るセンサ装置1についての説明であるが、以下の実施例2,3におけるセンサ装置31についても同様に、近接センサであるセンサ装置31を、測距センサとして機能させることが可能である。
【0136】
(照度センサとして機能するセンサ装置1,31)
上述したように、本実施例1に係るセンサ装置1は、被検出対象21が近接しているか否かを判定するセンサである近接センサとして機能させることが出来る。
【0137】
ここで、近接センサとして機能することが出来るセンサ装置1において、ADC2として積分型のアナログ−デジタル変換回路8を用いた場合の出力値であるカウント数countと、反射光22の放射照度Ee[μW/cm](照度)とは、比例の関係にある。このため、近接センサとして機能することが出来るセンサ装置1において、出力値であるカウント数countから放射照度Ee[μW/cm]を算出することで、近接センサであるセンサ装置1を、照度センサとして機能させることが可能となる。以下に詳細を説明する。
【0138】
まず、反射光22の放射照度をEe[μW/cm]、フォトダイオードPDの受光面の面積をS[cm]、フォトダイオードPDの受光感度をA[nA/μW]とすると、フォトダイオードPDから出力される電流Iinは、
Iin=A×Ee×S[nA] (16)
となる。
【0139】
さらに、ADC2として、後述する積分型のアナログ−デジタル変換回路8を用いた場合、アナログ−デジタル変換回路8が出力するカウント数countは、
count=(Iin/Iref)×2 (17)
で求められる。(17)式において、Irefは基準電流であり、nは分解能である。
【0140】
従って、(16)式及び(17)式より、カウント数countは、
count=(A×Ee×S/Iref)×2
count=(A×S×2/Iref)×Ee (18)
となる。(18)式により、放射照度であるEeに比例するカウント数countが算出される。この時、上記比例における比例定数をa2とすると、以下に示す(19)式〜(21)式が成立することとなる。
count∝Ee (19)
count=a2×Ee (20)
a2=A×S×2/Iref (21)
(実施例1に係るセンサ装置1の総括)
本実施例1に係るセンサ装置1は、被検出対象21が近接しているか否かを判定する近接センサとして機能することが出来るセンサ装置である。近接している被検出対象21により反射される光である投射光を、所定の空間へ投射する発光ダイオードLEDと、アナログ入力電流をアナログ−デジタル変換するADC2を備える。フォトダイオードであって、カソードが、ADC2の入力に接続され、アノードが、電気的に接地されているフォトダイオードPDを備える。一方の入力に入力される、ADC2のデジタル値ADCOUTと、他方の入力に入力される所定の閾値Data_thとを比較して、デジタル値ADCOUTが閾値Data_thを超えていれば、被検出対象21が近接していることを示す信号を出力し、デジタル値ADCOUTが閾値Data_th以下であれば、被検出対象21が近接していないことを示す信号を出力する比較回路3を備える。デジタル値ADCOUTを記憶する記憶回路4を備える。第1端子が、上記一方の入力に接続されており、第2端子が、ADC2の出力と、記憶回路4の入力とに接続されており、第3端子が、電気的に接地されているとともに、上記第1端子と上記第2端子とを接続するか、上記第1端子と上記第3端子とを接続して上記一方の入力を電気的に接地する切り替えスイッチSW0’を備える。フォトダイオードPDのカソードとADC2の入力とに一端が接続されているスイッチである開閉スイッチSW0を備える。入力に電源電圧Vddが印加され、出力が、開閉スイッチSW0の他端に接続されている可変電流源6を備える。開閉スイッチSW0の開閉を制御する制御信号である第2制御信号を、開閉スイッチSW0の制御入力に出力するとともに、切り替えスイッチSW0’の切り替えを制御する制御信号である第3制御信号を、切り替えスイッチSW0’の制御入力に出力するスイッチ制御回路50を備える。
【0141】
上記構成によれば、発光ダイオードLEDを消灯させ、開閉スイッチSW0を開き、かつ、切り替えスイッチSW0’によって上記第1端子と上記第3端子とを接続して上記一方の入力を電気的に接地する。これにより、可変電流源6の電流I1を設定することが出来る。
【0142】
また、可変電流源6の電流I1を設定した後に、発光ダイオードLEDを点灯させ、開閉スイッチSW0を閉じ、かつ、切り替えスイッチSW0’によって、上記第1端子に接続された比較回路3の上記一方の入力と、上記第2端子に接続されたADC2の出力とを接続する。これにより、可変電流源6の電流I1と、発光ダイオードLEDを点灯させた時のフォトダイオードPDの電流Iinとの差分の電流Iin−I1を、ADC2に入力することが出来る。
【0143】
差分の電流Iin−I1は、発光ダイオードLEDを消灯させるとともに、開閉スイッチSW0を開いた時に上記外光を受光するフォトダイオードPDの電流Iinに等しい、可変電流源6の電流I1を減算された電流である。
【0144】
よって、被検出対象21が近接しているか否かの判定において、上記外光の影響を除くことが出来るので、上記判定を正確に行うことが出来る。
【0145】
従って、上記外光である太陽光等の周囲光による誤動作が生じないセンサ装置1を提供することが出来る。
【0146】
センサ装置1では、被検出対象21が近接しているか否かを判定するときに、第1工程として、発光ダイオードLEDを消灯させるとともに、開閉スイッチSW0を開き、切り替えスイッチSW0’は、上記一方の入力を電気的に接地する。ADC2は、フォトダイオードPDが出力する電流をアナログ−デジタル変換して得られたデジタル値ADCOUTであるデータData0を、記憶回路4に出力する。記憶回路4は、データData0に対応したフォトダイオードPDが出力する電流の大きさを示す電流制御信号Scを、可変電流源6の制御入力に出力する。可変電流源6は、電流制御信号Scが入力されると、可変電流源6が出力する電流I1を、データData0に対応したフォトダイオードPDが出力する電流Iinに設定する。上記第1工程の後に続けて行われる工程である第2工程として、発光ダイオードLEDが点灯させるとともに、開閉スイッチSW0を閉じ、切り替えスイッチSW0’は、上記一方の入力と、ADC2の出力とを接続する。
【0147】
上記第1工程において、データData0を記憶回路4に出力する。これにより、可変電流源6の電流I1を設定することが出来る。
【0148】
また、上記第2工程において、可変電流源6の電流I1と、発光ダイオードLEDが点灯させるとともに、開閉スイッチSW0を閉じた時のフォトダイオードPDの電流Iinとの差分の電流Iin−I1を、ADC2の入力に入力させることが出来る。
【0149】
差分の電流Iin−I1は、発光ダイオードLEDの消灯時に上記外光を受光するフォトダイオードPDの電流Iinに等しい、可変電流源6の電流I1を減算された電流である。
【0150】
よって、被検出対象21が近接しているか否かの判定において、上記外光の影響を除くことが出来るので、上記判定を正確に行うことが出来る。
【0151】
従って、上記外光である太陽光等の周囲光による誤動作が生じないセンサ装置1を提供することが出来る。
【0152】
〔実施例2〕
本発明の実施例2について、図4〜図6に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施例2において説明すること以外の構成は、前記実施例1と同じである。また、説明の便宜上、前記実施例1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0153】
本実施例2では、外光である太陽光等の周囲光を測定する期間のデータをData0とする。また、データData0に応じた電流I1(外光である太陽光等の周囲光に応じた電流)がADC2へ流れている状態で、発光ダイオードLEDを駆動している期間のデータをData1とする。さらに、データData0に応じた電流I1がADC2へ流れている状態で、発光ダイオードLEDを駆動していない期間のデータをData2(第3データ)とする。
【0154】
(センサ装置31)
図4は、本実施形態に係るセンサ装置31のブロック図である。センサ装置31は、センサ装置1に対して、以下に示す2つの相違点が有る。
【0155】
第1相違点として、センサ装置31の切り替えスイッチSW0’では、外光である太陽光等の周囲光が照射されていない場合と、外光である太陽光等の周囲光が照射される場合との両方で、以下に示す開閉が行われる。即ち、切り替えスイッチSW0’は、データData0の測定時は、他端を電気的に接地する。これにより、後述する記憶・減算回路32(記憶・減算部)の入力を電気的に接地する。また、切り替えスイッチSW0’は、データData1及びデータData2の測定時は閉じる。これにより、ADC2の出力を、記憶・減算回路32の入力に接続する。但し、切り替えスイッチSW0’の動作がスイッチ制御回路50からの信号により制御される点は、センサ装置1が備える切り替えスイッチSW0’と同じである。
【0156】
第2相違点として、センサ装置31は、切り替えスイッチSW0’の他端と、比較回路の一方の入力との間に、記憶・減算回路32を備えている。記憶・減算回路32については、図5及び図6を用いた説明において詳述する。
【0157】
なお、センサ装置31とセンサ装置1とは、図12に示す正面図で示される同一の構造を有している。即ち、センサ装置31は、フォトダイオードPD、発光ダイオードLED、及び制御回路20を備えている。
【0158】
(本実施例2のセンサ装置31の動作)
図5及び図6は、本実施形態に係るセンサ装置31の、本実施例2における動作波形の説明図である。まず、図5を用いて、外光である太陽光等の周囲光が照射されていない場合におけるセンサ装置31の動作を説明する。
【0159】
図5(a)は、本実施例2において、外光である太陽光等の周囲光が照射されておらず、かつ、被検出対象21が有る場合の動作波形の波形図である。図5(b)は、本実施例2において、外光である太陽光等の周囲光が照射されておらず、かつ、被検出対象21が無い場合の動作波形の波形図である。図5(a)を用いて第5事例を説明し、図5(b)を用いて第6事例を説明する。
【0160】
(第5事例)
第5事例として、図5(a)に示される、外光である太陽光等の周囲光が照射されておらず、かつ、被検出対象21が有る場合について説明する。
【0161】
第1工程において、外光である太陽光等の周囲光を測定する期間のデータData0を測定する時は、図4のセンサ装置31において、開閉スイッチSW0を開く。
【0162】
開閉スイッチSW0が開いている状態のセンサ装置31において、フォトダイオードPDから出力される電流Iinは、
Iin≒0 (22)
である。(22)式の電流Iinは、ADC2によりアナログ−デジタル変換され、デジタル値ADCOUTとしてのデータData0が得られる。
【0163】
ここで、データData0の測定時は、切り替えスイッチSW0’の他端を電気的に接地する。これにより、記憶・減算回路32の入力を電気的に接地する。これにより、比較回路3の一方の入力における値を0とする(即ち、記憶・減算回路32は、0が入力されると、比較回路3の一方の入力に0を出力する)。よって、データData0の測定時に、比較回路3の一方の入力における値0が、比較回路3の他方の入力に入力される閾値Data_thを超えず、Lowレベルであるデジタル出力信号Doutが、外部に出力される。
【0164】
データData0は、記憶回路4に記憶される。記憶回路4は、データData0に応じた信号である電流制御信号Scを、可変電流源6の制御入力へ出力する。可変電流源6は、電流制御信号Scが制御入力へ入力される。これにより、データData0に応じた電流I1≒0を出力することが出来るようになる。
【0165】
第1工程の後に続けて行われる工程である第2工程において、データData0に応じた電流I1がADC2へ流れている状態で、発光ダイオードLEDを駆動している期間のデータData1を測定する場合を考える。この場合、図4のセンサ装置31において、開閉スイッチSW0を閉じる。これにより、データData0に応じた電流I1≒0と、フォトダイオードPDから出力される電流Iinとの差の電流を求める減算が行われる。これにより、減算された電流である
Iin−I1=Iin_data1=Iin_ledon−I1≒Iin_ledon (23)
がADC2に入力されて、アナログ−デジタル変換が行われ、デジタル値ADCOUTとしてのデータData1が得られる。
【0166】
ここで、データData1の測定時は、切り替えスイッチSW0’を導通させる、即ち、切り替えスイッチSW0’の一端と切り替えスイッチSW0’の他端とを接続する。これにより、ADC2の出力が、記憶・減算回路32の入力に接続されるので、データData1は、記憶・減算回路32に入力されて、記憶・減算回路32の内部で保持される。
【0167】
但し、記憶・減算回路32の出力は、記憶・減算回路32にデータData1が入力されても、データData0の測定時の値である0を維持するものとする。これにより、記憶・減算回路32の出力は、データData1の測定時においても、比較回路3の他方の入力に入力される閾値Data_thを超えない。よって、デジタル出力信号Doutのレベルは、Lowレベルで維持される。
【0168】
第2工程の後に続けて行われる工程である第3工程において、データData0に応じた電流I1がADC2へ流れている状態で、発光ダイオードLEDを駆動していない期間のデータData2を測定する場合を考える。この場合、データData1の測定時と同様に開閉スイッチSW0を閉じる。これにより、データData0に応じた電流I1≒0と、フォトダイオードPDから出力される電流Iinとの差の電流を求める減算が行われる。これにより、減算された電流である
Iin−I1=Iin_data2=Iin_ledoff−I1 (24)
がADC2に入力されて、アナログ−デジタル変換が行われ、デジタル値ADCOUTとしてのデータData2が得られる。
【0169】
なお、(24)式における電流Iin_ledoffは、データData0に応じた電流I1がADC2へ流れている状態で、発光ダイオードLEDが発光していない時(即ち、データData2の測定時)に、フォトダイオードPDが受光する電流であり、
Iin_ledoff≒0 (25)
である。
【0170】
切り替えスイッチSW0’は、データData1の測定時と同様に導通している。よって、ADC2の出力は、記憶・減算回路32の入力に接続されており、データData2は、記憶・減算回路32に入力されて、内部で保持されているデータData1を減算される。そして、減算の結果である差分データData1−Data2が、比較回路3の一方の入力に入力される。そして、電流Iin_ledonと電流Iin_ledoffとについて
Iin_ledon>>Iin_ledoff (26)
が成立するとともに、電流Iin_ledonに対応したデータData1が、比較回路3の他方の入力に入力される閾値Data_thを超えるデータとなるように設定する。これにより、差分データData1−Data2も、比較回路3の他方の入力に入力される閾値Data_thを超える。よって、デジタル出力信号Doutのレベルが、LowレベルからHiレベルへ変化することにより生じる、被検出対象21が近接したことを示すパルスが、デジタル出力信号Doutとして外部に出力される。
【0171】
なお、差分データData1−Data2の期間は、測定期間t_convである。データData1の期間、及び、データData1の期間がともに、測定期間t_convであるためである。
【0172】
従って、被検出対象21が近接したことを示すパルスの幅は、測定期間t_convであり、測定期間t_convが終了すると、HiレベルからLowレベルへ変化して、上記パルスは消失する。
【0173】
以上に示した、差分データData1−Data2の期間、及び、上記パルスの期間については、以下の事例においても同様である。
【0174】
(第6事例)
第6事例として、図5(b)に示される、外光である太陽光等の周囲光が照射されておらず、かつ、被検出対象21が無い場合について説明する。
【0175】
第1工程におけるデータData0の測定時であるが、図5(a)と同様に、(22)式の電流Iin≒0が得られる。また、可変電流源6が、データData0に応じた電流I1≒0を出力することが出来るようになる点も、図5(a)と同様である。
【0176】
第1工程の後に続けて行われる工程である第2工程において、データData0に応じた電流I1がADC2へ流れている状態で、発光ダイオードLEDを駆動している期間のデータData1を測定する場合、図4のセンサ装置31において開閉スイッチSW0を閉じる。これにより、(23)式に示される電流が得られる。しかし、図5(b)で示される事例では被検出対象21が無いため、(23)式における電流Iin_ledonが電流I1に等しくなる。この結果、
Iin−I1=Iin_data1=Iin_ledon−I1=I1−I1=0 (27)
がADC2に入力されて、アナログ−デジタル変換が行われる結果、デジタル値ADCOUTとしてのデータData1は、
Data1=0 (28)
となる。データData1が0であるので、記憶・減算回路32の入力は、データData0の測定時と同様に0である。よって、記憶・減算回路32の出力は、データData1の測定時においても、比較回路3の他方の入力に入力される閾値Data_thを超えない。よって、デジタル出力信号Doutのレベルは、Lowレベルで維持される。
【0177】
第2工程の後に続けて行われる工程である第3工程において、データData0に応じた電流I1がADC2へ流れている状態で、発光ダイオードLEDを駆動していない期間のデータData2を測定する場合、図4のセンサ装置31において開閉スイッチSW0を閉じる。これにより、(24)式に示される電流が得られる。しかし、図5(b)で示される事例では被検出対象21が無いため、(24)式における電流Iin_ledoffが電流I1に等しくなる。この結果、
Iin−I1=Iin_data2=Iin_ledoff−I1=I1−I1=0 (29)
がADC2に入力されて、アナログ−デジタル変換が行われる結果、デジタル値ADCOUTとしてのデータData2は、
Data2=0 (30)
となる。データData2が0であるので、記憶・減算回路32の入力は、データData0,Data1の測定時と同様に0である。よって、記憶・減算回路32の出力は、データData2の測定時においても、比較回路3の他方の入力に入力される閾値Data_thを超えない。よって、デジタル出力信号Doutのレベルは、Lowレベルで維持される。
【0178】
データData1もデータData2も0であるので、記憶・減算回路32が出力するデータであって、比較回路3の一方の入力に入力されるデータである差分データData1−Data2も、当然に0となる。比較回路3の一方の入力に入力され、0である差分データData1−Data2は、比較回路3の他方の入力に入力される閾値Data_thを超えない。よって、デジタル出力信号Doutのレベルは、Lowレベルで維持される。
【0179】
さて、図6(a)は、本実施例2において、外光である太陽光等の周囲光が照射されており、かつ、被検出対象21が有る場合の動作波形の波形図である。図6(b)は、本実施例2において、外光である太陽光等の周囲光が照射されており、かつ、被検出対象21が無い場合の動作波形の波形図である。図6(a)を用いて第7事例を説明し、図7(b)を用いて第8事例を説明する。
【0180】
(第7事例)
第7事例として、図6(a)に示される、外光である太陽光等の周囲光が照射されており、かつ、被検出対象21が有る場合について説明する。
【0181】
第1工程において、外光である太陽光等の周囲光を測定する期間のデータData0を測定する時は、図4のセンサ装置31において、開閉スイッチSW0を開く。
【0182】
開閉スイッチSW0が開いている状態のセンサ装置31において、フォトダイオードPDから出力される電流Iinは、
Iin=Iin_sun (31)
である。電流Iin_sunに対応するデータは、図6(a)において斜線部で示される。外光である太陽光等の周囲光の測定結果を示す電流である、(31)式の電流Iin_sunは、ADC2によりアナログ−デジタル変換され、デジタル値ADCOUTとしてのデータData0が得られる。
【0183】
ここで、データData0の測定時は、切り替えスイッチSW0’の他端を電気的に接地する。これにより、記憶・減算回路32の入力を電気的に接地する。これにより、比較回路3の一方の入力における値を0とする(即ち、記憶・減算回路32は、0が入力されると、比較回路3の一方の入力に0を出力する)。よって、データData0の測定時に、比較回路3の一方の入力における値0が、比較回路3の他方の入力に入力される閾値Data_thを超えず、Lowレベルであるデジタル出力信号Doutが、外部に出力される。
【0184】
データData0は、記憶回路4に記憶される。記憶回路4は、データData0に応じた信号である電流制御信号Scを、可変電流源6の制御入力へ出力する。可変電流源6は、電流制御信号Scが制御入力へ入力される。これにより、データData0に応じた電流I1=Iin_sunを出力することが出来るようになる。
【0185】
第1工程の後に続けて行われる工程である第2工程において、データData0に応じた電流I1がADC2へ流れている状態で、発光ダイオードLEDを駆動している期間のデータData1を測定する場合を考える。この場合、図4のセンサ装置31において、開閉スイッチSW0を閉じる。これにより、データData0に応じた電流I1=Iin_sunと、フォトダイオードPDから出力される電流Iinとの差の電流を求める減算が行われる。これにより、減算された電流である
Iin−I1=Iin_data1=Iin_ledonIin_sun (32)
がADC2に入力されて、アナログ−デジタル変換が行われ、デジタル値ADCOUTとしてのデータData1が得られる。
【0186】
ここで、データData1の測定時は、切り替えスイッチSW0’を導通させる、即ち、切り替えスイッチSW0’の一端と切り替えスイッチSW0’の他端とを接続する。これにより、ADC2の出力が、記憶・減算回路32の入力に接続されるので、データData1は、記憶・減算回路32に入力されて、記憶・減算回路32の内部で保持される。
【0187】
但し、記憶・減算回路32の出力は、記憶・減算回路32にデータData1が入力されても、データData0の測定時の値である0を維持するものとする。これにより、記憶・減算回路32の出力は、データData1の測定時においても、比較回路3の他方の入力に入力される閾値Data_thを超えない。よって、デジタル出力信号Doutのレベルは、Lowレベルで維持される。
【0188】
第2工程の後に続けて行われる工程である第3工程において、データData0に応じた電流I1がADC2へ流れている状態で、発光ダイオードLEDを駆動していない期間のデータData2を測定する場合を考える。この場合、データData1の測定時と同様に開閉スイッチSW0を閉じる。これにより、データData0に応じた電流I1=Iin_sunと、フォトダイオードPDから出力される電流Iinとの差の電流を求める減算が行われる。これにより、減算された電流である
Iin−I1=Iin_data2=Iin_ledoffIin_sun (33)
がADC2に入力されて、アナログ−デジタル変換が行われ、デジタル値ADCOUTとしてのデータData2が得られる。
【0189】
切り替えスイッチSW0’は、データData1の測定時と同様に導通している。よって、ADC2の出力は、記憶・減算回路32の入力に接続されており、データData2は、記憶・減算回路32に入力されて、内部で保持されているデータData1を減算される。そして、減算の結果である差分データData1−Data2が、比較回路3の一方の入力に入力される。
【0190】
ここで、(32)式と(33)式とから、差分データData1−Data2が生成される場合は、以下の(34)式に示される電流がADC2へ入力された場合に相当する。
Iin_data2Iin_data1=(Iin_ledonIin_sun)−(Iin_ledoffIin_sun)=Iin_ledonIin_ledoff (34)
(34)式の結果を見ると、データData0に応じた電流I1=Iin_sun(外光である太陽光等の周囲光に応じた電流)の項が含まれておらず、差分データData1−Data2は、外光である太陽光等の周囲光による影響が除去されたデータであると言える。
【0191】
そして、電流Iin_ledonと電流Iin_ledoffとについて
Iin_ledon>>Iin_ledoff (35)
が成立するとともに、(25)式に示されるようにIin_ledoff≒0であり、さらに、電流Iin_ledonに対応したデータData1が、比較回路3の他方の入力に入力される閾値Data_thを超えるデータとなるように設定する。これにより、差分データData1−Data2も、比較回路3の他方の入力に入力される閾値Data_thを超える。よって、デジタル出力信号Doutのレベルが、LowレベルからHiレベルへ変化することにより生じる、被検出対象21が近接したことを示すパルスが、デジタル出力信号Doutとして外部に出力される。
【0192】
(第8事例)
第8事例として、図6(b)に示される、外光である太陽光等の周囲光が照射されており、かつ、被検出対象21が無い場合について説明する。
【0193】
第1工程におけるデータData0の測定時であるが、図6(a)と同様に、(31)式の電流Iin=Iin_sunが得られる。また、可変電流源6が、データData0に応じた電流I1=Iin_sunを出力することが出来るようになる点も、図6(a)と同様である。
【0194】
第1工程の後に続けて行われる工程である第2工程において、データData0に応じた電流I1がADC2へ流れている状態で、発光ダイオードLEDを駆動している期間のデータData1を測定する場合を考える。この場合、図4のセンサ装置31において開閉スイッチSW0を閉じる。これにより、(32)式に示される電流が得られる。しかし、図6(b)で示される事例では被検出対象21が無いため、(32)式における電流Iin_ledonが電流Iin_sunに等しくなる。この結果、
Iin−I1=Iin_data1=Iin_ledon−I1=Iin_sun−Iin_sun=0 (36)
がADC2に入力されて、アナログ−デジタル変換が行われる結果、デジタル値ADCOUTとしてのデータData1は、
Data1=0 (37)
となる。データData1が0であるので、記憶・減算回路32の入力は、データData0の測定時と同様に0である。よって、記憶・減算回路32の出力は、データData1の測定時においても、比較回路3の他方の入力に入力される閾値Data_thを超えない。よって、デジタル出力信号Doutのレベルは、Lowレベルで維持される。
【0195】
第2工程の後に続けて行われる工程である第3工程において、データData0に応じた電流I1がADC2へ流れている状態で、発光ダイオードLEDを駆動していない期間のデータData2を測定する場合を考える。この場合、図4のセンサ装置31において開閉スイッチSW0を閉じる。これにより、(33)式に示される電流が得られる。しかし、図6(b)で示される事例では被検出対象21が無いため、(33)式における電流Iin_ledoffが電流Iin_sunに等しくなる。この結果、
Iin−I1=Iin_data2=Iin_ledoff−I1=Iin_sun−Iin_sun=0 (38)
がADC2に入力されて、アナログ−デジタル変換が行われる結果、デジタル値ADCOUTとしてのデータData2は、
Data2=0 (39)
となる。データData2が0であるので、記憶・減算回路32の入力は、データData0,Data1の測定時と同様に0である。よって、記憶・減算回路32の出力は、データData2の測定時においても、比較回路3の他方の入力に入力される閾値Data_thを超えない。よって、デジタル出力信号Doutのレベルは、Lowレベルで維持される。
【0196】
データData1もデータData2も0であるので、記憶・減算回路32が出力して比較回路3の一方の入力に入力される差分データData1−Data2も、当然に0となる。比較回路3の一方の入力に入力され、0である差分データData1−Data2は、比較回路3の他方の入力に入力される閾値Data_thを超えない。よって、デジタル出力信号Doutのレベルは、Lowレベルで維持される。
【0197】
(実施例2に係るセンサ装置31の総括)
本実施例2に係るセンサ装置31は、被検出対象21が近接しているか否かを判定する近接センサとして機能することが出来るセンサ装置である。近接している被検出対象21により反射される光である投射光を、所定の空間へ投射する発光ダイオードLEDと、アナログ入力電流をアナログ−デジタル変換するADC2を備える。フォトダイオードであって、カソードが、ADC2の入力に接続され、アノードが、電気的に接地されているフォトダイオードPDを備える。1回目に入力された、ADC2のデジタル値ADCOUTを記憶し、2回目のデジタル値ADCOUTが入力されると、1回目に入力されたデジタル値ADCOUTを出力するとともに、3回目のデジタル値ADCOUTが入力されると、2回目に入力されたデジタル値ADCOUTから3回目に入力されたデジタル値ADCOUTを減算した値である減算値を出力する記憶・減算回路32を備える。一方の入力に入力される記憶・減算回路32の出力値と、他方の入力に入力される所定の閾値Data_thとを比較して、デジタル値ADCOUTが閾値Data_thを超えていれば、被検出対象21が近接していることを示す信号を出力し、デジタル値ADCOUTが閾値Data_th以下であれば、被検出対象21が近接していないことを示す信号を出力する比較回路3を備える。デジタル値ADCOUTを記憶する記憶回路4を備える。第1端子が、記憶・減算回路32の入力に接続されており、第2端子が、ADC2の出力と、記憶回路4の入力とに接続されており、第3端子が、電気的に接地されているとともに、上記第1端子と上記第2端子とを接続するか、上記第1端子と上記第3端子とを接続して記憶・減算回路32の入力を電気的に接地する切り替えスイッチSW0’を備える。フォトダイオードPDのカソードとADC2の入力とに一端が接続されているスイッチである開閉スイッチSW0を備える。入力に電源電圧Vddが印加され、出力が、開閉スイッチSW0の他端に接続されている可変電流源6を備える。開閉スイッチSW0の開閉を制御する制御信号である第2制御信号を、開閉スイッチSW0の制御入力に出力するとともに、切り替えスイッチSW0’の切り替えを制御する制御信号である第3制御信号を、切り替えスイッチSW0’の制御入力に出力するスイッチ制御回路50を備える。
【0198】
上記構成によれば、発光ダイオードLEDを消灯させ、開閉スイッチSW0を開き、かつ、切り替えスイッチSW0’によって上記第1端子と上記第3端子とを接続して上記一方の入力を電気的に接地する。これにより、可変電流源6の電流I1を設定することが出来る。
【0199】
また、可変電流源6の電流I1を設定した後に、発光ダイオードLEDを点灯させ、開閉スイッチSW0を閉じ、かつ、切り替えスイッチSW0’によって、上記第1端子に接続された記憶・減算回路32の入力と、上記第2端子に接続されたADC2の出力とを接続する。これにより、可変電流源6の電流I1と、発光ダイオードLEDを点灯させた時のフォトダイオードPDの電流Iinとの差分の電流である差分の電流Iin−I1(第1の差分の電流)を、ADC2に入力することが出来る。
【0200】
さらに、差分の電流Iin−I1(第1の差分の電流)が、ADC2に入力された後に、発光ダイオードLEDを消灯させ、開閉スイッチSW0を閉じ、かつ、切り替えスイッチSW0’によって、上記第1端子に接続された記憶・減算回路32の入力と、上記第2端子に接続されたADC2の出力とを接続する。これにより、可変電流源6の電流I1と、発光ダイオードLEDを消灯させた時のフォトダイオードPDの電流Iinとの差分の電流である差分の電流Iin−I1(第1の差分の電流)を、ADC2に入力することが出来る。
【0201】
差分の電流Iin−I1(第1の差分の電流、第2の差分の電流)は、発光ダイオードLEDを消灯させるとともに、開閉スイッチSW0を開いた時に上記外光を受光するフォトダイオードPDの電流Iinに等しい、可変電流源6の電流I1を減算された電流である。
【0202】
よって、被検出対象21が近接しているか否かの判定において、上記外光の影響を除くことが出来るので、上記判定を正確に行うことが出来る。
【0203】
従って、上記外光である太陽光等の周囲光による誤動作が生じないセンサ装置31を提供することが出来る。
【0204】
センサ装置31では、被検出対象21が近接しているか否かを判定するときに、第1工程として、発光ダイオードLEDを消灯させるとともに、開閉スイッチSW0を開く。切り替えスイッチSW0’は、記憶・減算回路32の入力を電気的に接地する。ADC2は、フォトダイオードPDが出力する電流をアナログ−デジタル変換して得られたデジタル値ADCOUTであるデータData0を、記憶回路4に出力する。記憶回路4は、データData0に対応したフォトダイオードPDが出力する電流Iinの大きさを示す電流制御信号Scを、可変電流源6の制御入力に出力する。可変電流源6は、電流制御信号Scが入力されると、可変電流源6が出力する電流I1を、データData0に対応したフォトダイオードPDが出力する電流Iinに設定する。上記第1工程の後に続けて行われる工程である第2工程として、発光ダイオードLEDを点灯させるとともに、開閉スイッチSW0を閉じる。切り替えスイッチSW0’は、記憶・減算回路32の入力と、ADC2の出力とを接続する。上記第2工程の後に続けて行われる工程である第3工程として、発光ダイオードLEDを消灯させるとともに、開閉スイッチSW0を閉じる。
【0205】
上記第1工程において、データData0を記憶回路4に出力する。これにより、可変電流源6の電流I1を設定することが出来る。
【0206】
また、上記第2工程において、可変電流源6の電流I1と、発光ダイオードLEDを点灯させるとともに、開閉スイッチSW0を閉じた時のフォトダイオードPDの電流Iinとの差分の電流である差分の電流Iin−I1(第1の差分の電流)を、ADC2の入力に入力させることが出来る。
【0207】
さらに、上記第3工程において、可変電流源6の電流I1と、発光ダイオードLEDを消灯させるとともに、開閉スイッチSW0を閉じた時のフォトダイオードPDの電流Iinとの差分の電流である差分の電流Iin−I1(第2の差分の電流)を、ADC2の入力に入力させることが出来る。
【0208】
差分の電流Iin−I1(第1の差分の電流、第2の差分の電流)は、発光ダイオードLEDの消灯時に上記外光を受光するフォトダイオードPDの電流Iinに等しい、可変電流源6の電流I1を減算された電流である。
【0209】
よって、被検出対象21が近接しているか否かの判定において、上記外光の影響を除くことが出来るので、上記判定を正確に行うことが出来る。
【0210】
従って、上記外光である太陽光等の周囲光による誤動作が生じないセンサ装置31を提供することが出来る。
【0211】
〔実施例3〕
本発明の実施例3について、図4、図7及び図8に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施例3において説明すること以外の構成は、前記実施例1,2と同じである。また、説明の便宜上、前記実施例1,2の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0212】
本実施例3では、実施例2のセンサ装置31において、〔発明が解決しようとする課題〕において述べた現象(太陽光の照度が極めて高く、太陽光による増加分である斜線部のみで測定されたデータがフルスケールに達する事例)が起こった事例について、以下に説明する。
【0213】
まず、本実施例3のデータData0〜Data2の定義は、実施例2のデータData0〜Data2の定義と同一である。
【0214】
ここで、本実施例3では、実施例2と同様にセンサ装置31を用いるが、実施例2のセンサ装置31と、本実施例3のセンサ装置31とは、以下の点で異なっている。即ち、実施例2のセンサ装置31におけるADC2のフルスケールは、図5及び図6に示すように固定されていたのに対し、本実施例3のセンサ装置31におけるADC2のフルスケールは、データData0の測定時は、より広い第1のフルスケール(AD変換結果の所定の第1上限)とし、データData1,Data2の測定時は、より狭い第2のフルスケール(AD変換結果の所定の第2上限)とする(上記第1上限は、上記第2上限よりも高い)。
【0215】
これにより、実施例2におけるデータData0における斜線部が、実施例2のフルスケールを超えるような、極めて照度が高い外光である太陽光等の周囲光がセンサ装置31に照射された場合でも、上記極めて照度が高い太陽光の影響が除去された差分データData1−Data2を得ることが出来る。従って、被検出対象21が近接しているか否かの判定を、正確に行うことが出来る。
【0216】
(本実施例3のセンサ装置31の動作)
図7及び図8は、本実施形態に係るセンサ装置31の、本実施例3における動作波形の説明図である。まず、図7を用いて、外光である太陽光等の周囲光が照射されていない場合におけるセンサ装置31の動作を説明する。
【0217】
図7(a)は、本実施例3において、外光である太陽光等の周囲光が照射されておらず、かつ、被検出対象21が有る場合の動作波形の波形図である。図7(b)は、本実施例3において、外光である太陽光等の周囲光が照射されておらず、かつ、被検出対象21が無い場合の動作波形の波形図である。図7(a)を用いて第9事例を説明し、図7(b)を用いて第10事例を説明する。
【0218】
(第9事例)
第9事例として、図7(a)に示される、外光である太陽光等の周囲光が照射されておらず、かつ、被検出対象21が有る場合について説明する。
【0219】
第1工程において、外光である太陽光等の周囲光を測定する期間のデータData0を測定する時は、図4のセンサ装置31において、開閉スイッチSW0を開く。データData0を測定する時のADC2のフルスケールは、上記第1のフルスケールに設定する。
【0220】
開閉スイッチSW0が開いている状態のセンサ装置31において、フォトダイオードPDから出力される電流Iinは、
Iin≒0 (40)
である。(40)式の電流Iinは、ADC2によりアナログ−デジタル変換され、デジタル値ADCOUTとしてのデータData0が得られる。
【0221】
ここで、データData0の測定時は、切り替えスイッチSW0’の他端を電気的に接地する。これにより、記憶・減算回路32の入力を電気的に接地する。これにより、比較回路3の一方の入力における値を0とする(即ち、記憶・減算回路32は、0が入力されると、比較回路3の一方の入力に0を出力する)。よって、データData0の測定時に、比較回路3の一方の入力における値0が、比較回路3の他方の入力に入力される閾値Data_thを超えず、Lowレベルであるデジタル出力信号Doutが、外部に出力される。
【0222】
データData0は、記憶回路4に記憶される。記憶回路4は、データData0に応じた信号である電流制御信号Scを、可変電流源6の制御入力へ出力する。可変電流源6は、電流制御信号Scが制御入力へ入力される。これにより、データData0に応じた電流I1≒0を出力することが出来るようになる。
【0223】
第1工程の後に続けて行われる工程である第2工程において、データData0に応じた電流I1がADC2へ流れている状態で、発光ダイオードLEDを駆動している期間のデータData1を測定する場合を考える。この場合、図4のセンサ装置31において、開閉スイッチSW0を閉じる。これにより、データData0に応じた電流I1≒0と、フォトダイオードPDから出力される電流Iinとの差の電流を求める減算が行われる。これにより、減算された電流である
Iin−I1=Iin_data1=Iin_ledon−I1≒Iin_ledon (41)
がADC2に入力されて、アナログ−デジタル変換が行われ、デジタル値ADCOUTとしてのデータData1が得られる。
【0224】
ここで、データData1の測定時は、切り替えスイッチSW0’を導通させる、即ち、切り替えスイッチSW0’の一端と切り替えスイッチSW0’の他端とを接続する。これにより、ADC2の出力が、記憶・減算回路32の入力に接続されるので、データData1は、記憶・減算回路32に入力されて、記憶・減算回路32の内部で保持される。
【0225】
但し、記憶・減算回路32の出力は、記憶・減算回路32にデータData1が入力されても、データData0の測定時の値である0を維持するものとする。これにより、記憶・減算回路32の出力は、データData1の測定時においても、比較回路3の他方の入力に入力される閾値Data_thを超えない。よって、デジタル出力信号Doutのレベルは、Lowレベルで維持される。
【0226】
第2工程の後に続けて行われる工程である第3工程において、データData0に応じた電流I1がADC2へ流れている状態で、発光ダイオードLEDを駆動していない期間のデータData2を測定する場合を考える。この場合、データData1の測定時と同様に開閉スイッチSW0を閉じる。これにより、データData0に応じた電流I1≒0と、フォトダイオードPDから出力される電流Iinとの差の電流を求める減算が行われる。これにより、減算された電流である
Iin−I1=Iin_data2=Iin_ledoff−I1 (42)
がADC2に入力されて、アナログ−デジタル変換が行われ、デジタル値ADCOUTとしてのデータData2が得られる。
【0227】
切り替えスイッチSW0’は、データData1の測定時と同様に導通している。よって、ADC2の出力は、記憶・減算回路32の入力に接続されており、データData2は、記憶・減算回路32に入力されて、内部で保持されているデータData1を減算される。そして、減算の結果である差分データData1−Data2が、比較回路3の一方の入力に入力される。そして、電流Iin_ledonと電流Iin_ledoffとについて
Iin_ledon>>Iin_ledoff (43)
が成立するとともに、電流Iin_ledonに対応したデータData1が、比較回路3の他方の入力に入力される閾値Data_thを超えるデータとなるように設定する。これにより、差分データData1−Data2も、比較回路3の他方の入力に入力される閾値Data_thを超える。よって、デジタル出力信号Doutのレベルが、LowレベルからHiレベルへ変化することにより生じる、被検出対象21が近接したことを示すパルスが、デジタル出力信号Doutとして外部に出力される。
【0228】
(第10事例)
第10事例として、図7(b)に示される、外光である太陽光等の周囲光が照射されておらず、かつ、被検出対象21が無い場合について説明する。
【0229】
第1工程におけるデータData0の測定時であるが、図7(a)と同様に、(40)式の電流Iin≒0が得られる。また、可変電流源6が、データData0に応じた電流I1≒0を出力することが出来るようになる点も、図7(a)と同様である。
【0230】
第1工程の後に続けて行われる工程である第2工程において、データData0に応じた電流I1がADC2へ流れている状態で、発光ダイオードLEDを駆動している期間のデータData1を測定する場合、図4のセンサ装置31において開閉スイッチSW0を閉じる。これにより、(41)式に示される電流が得られる。しかし、図7(b)で示される事例では被検出対象21が無いため、(41)式における電流Iin_ledonが電流I1に等しくなる。この結果、
Iin−I1=Iin_data1=Iin_ledon−I1=I1−I1=0 (44)
がADC2に入力されて、アナログ−デジタル変換が行われる結果、デジタル値ADCOUTとしてのデータData1は、
Data1=0 (45)
となる。データData1が0であるので、記憶・減算回路32の入力は、データData0の測定時と同様に0である。よって、記憶・減算回路32の出力は、データData1の測定時においても、比較回路3の他方の入力に入力される閾値Data_thを超えない。よって、デジタル出力信号Doutのレベルは、Lowレベルで維持される。
【0231】
第2工程の後に続けて行われる工程である第3工程において、データData0に応じた電流I1がADC2へ流れている状態で、発光ダイオードLEDを駆動していない期間のデータData2を測定する場合、図4のセンサ装置31において開閉スイッチSW0を閉じる。これにより、(42)式に示される電流が得られる。しかし、図7(b)で示される事例では被検出対象21が無いため、(42)式における電流Iin_ledoffが電流I1に等しくなる。この結果、
Iin−I1=Iin_data2=Iin_ledoff−I1=I1−I1=0 (46)
がADC2に入力されて、アナログ−デジタル変換が行われる結果、デジタル値ADCOUTとしてのデータData2は、
Data2=0 (47)
となる。データData2が0であるので、記憶・減算回路32の入力は、データData0,Data1の測定時と同様に0である。よって、記憶・減算回路32の出力は、データData2の測定時においても、比較回路3の他方の入力に入力される閾値Data_thを超えない。よって、デジタル出力信号Doutのレベルは、Lowレベルで維持される。
【0232】
データData1もデータData2も0であるので、記憶・減算回路32が出力するデータであって、比較回路3の一方の入力に入力されるデータである差分データData1−Data2も、当然に0となる。比較回路3の一方の入力に入力され、0である差分データData1−Data2は、比較回路3の他方の入力に入力される閾値Data_thを超えない。よって、デジタル出力信号Doutのレベルは、Lowレベルで維持される。
【0233】
さて、図8(a)は、本実施例3において、外光である太陽光等の周囲光が照射されており、かつ、被検出対象21が有る場合の動作波形の波形図である。図8(b)は、本実施例3において、外光である太陽光等の周囲光が照射されており、かつ、被検出対象21が無い場合の動作波形の波形図である。図8(a)を用いて第11事例を説明し、図8(b)を用いて第12事例を説明する。
【0234】
(第11事例)
第11事例として、図8(a)に示される、極めて照度が高い外光である太陽光等の周囲光が照射されており、かつ、被検出対象21が有る場合について説明する。
【0235】
第1工程において、外光である太陽光等の周囲光を測定する期間のデータData0を測定する時は、図4のセンサ装置31において、開閉スイッチSW0を開く。データData0を測定する時のADC2のフルスケールは、上記第1のフルスケールに設定する。
【0236】
開閉スイッチSW0が開いている状態のセンサ装置31において、フォトダイオードPDから出力される電流Iinは、
Iin=Iin_sun’ (48)
である。電流Iin_sun’に対応するデータは、図8(a)において斜線部で示され、上記第2のフルスケールを越えるデータである。極めて照度が高い外光である太陽光等の周囲光の測定結果を示す電流である、(48)式の電流Iin_sun’は、ADC2によりアナログ−デジタル変換され、デジタル値ADCOUTとしてのデータData0が得られる。
【0237】
ここで、データData0の測定時は、切り替えスイッチSW0’の他端を電気的に接地する。これにより、記憶・減算回路32の入力を電気的に接地する。これにより、比較回路3の一方の入力における値を0とする(即ち、記憶・減算回路32は、0が入力されると、比較回路3の一方の入力に0を出力する)。よって、データData0の測定時に、比較回路3の一方の入力における値0が、比較回路3の他方の入力に入力される閾値Data_thを超えず、Lowレベルであるデジタル出力信号Doutが、外部に出力される。
【0238】
データData0は、記憶回路4に記憶される。記憶回路4は、データData0に応じた信号である電流制御信号Scを、可変電流源6の制御入力へ出力する。可変電流源6は、電流制御信号Scが制御入力へ入力される。これにより、データData0に応じた電流I1=Iin_sun’を出力することが出来るようになる。
【0239】
第1工程の後に続けて行われる工程である第2工程において、データData0に応じた電流I1がADC2へ流れている状態で、発光ダイオードLEDを駆動している期間のデータData1を測定する場合を考える。この場合、図4のセンサ装置31において、開閉スイッチSW0を閉じるとともに、ADC2のフルスケールを、上記第2のフルスケールに設定する。これにより、データData0に応じた電流I1=Iin_sun’と、フォトダイオードPDから出力される電流Iinとの差の電流を求める減算が行われる。これにより、減算された電流である
Iin−I1=Iin_data1=Iin_ledon−Iin_sun’ (49)
がADC2に入力されて、アナログ−デジタル変換が行われ、デジタル値ADCOUTとしてのデータData1が得られる。
【0240】
ここで、データData1の測定時は、切り替えスイッチSW0’を導通させる、即ち、切り替えスイッチSW0’の一端と切り替えスイッチSW0’の他端とを接続する。これにより、ADC2の出力が、記憶・減算回路32の入力に接続されるので、データData1は、記憶・減算回路32に入力されて、記憶・減算回路32の内部で保持される。
【0241】
但し、記憶・減算回路32の出力は、記憶・減算回路32にデータData1が入力されても、データData0の測定時の値である0を維持するものとする。これにより、記憶・減算回路32の出力は、データData1の測定時においても、比較回路3の他方の入力に入力される閾値Data_thを超えない。よって、デジタル出力信号Doutのレベルは、Lowレベルで維持される。
【0242】
第2工程の後に続けて行われる工程である第3工程において、データData0に応じた電流I1がADC2へ流れている状態で、発光ダイオードLEDを駆動していない期間のデータData2を測定する場合を考える。この場合、データData1の測定時と同様に開閉スイッチSW0を閉じる。これにより、データData0に応じた電流I1=Iin_sun’と、フォトダイオードPDから出力される電流Iinとの差の電流を求める減算が行われる。これにより、減算された電流である
Iin−I1=Iin_data2=Iin_ledoff−Iin_sun’ (50)
がADC2に入力されて、アナログ−デジタル変換が行われ、デジタル値ADCOUTとしてのデータData2が得られる。
【0243】
切り替えスイッチSW0’は、データData1の測定時と同様に導通している。よって、ADC2の出力は、記憶・減算回路32の入力に接続されており、データData2は、記憶・減算回路32に入力されて、内部で保持されているデータData1を減算される。そして、減算の結果である差分データData1−Data2が、比較回路3の一方の入力に入力される。
【0244】
ここで、(49)式と(50)式とから、差分データData1−Data2が生成される場合は、以下の(51)式に示される電流がADC2へ入力された場合に相当する。
Iin_data2−Iin_data1=(Iin_ledon−Iin_sun’)−(Iin_ledoff−Iin_sun’)=Iin_ledo−nIin_ledoff (51)
(51)式の結果を見ると、データData0に応じた電流I1=Iin_sun’(極めて照度が高い外光である太陽光等の周囲光に応じた電流)の項が含まれておらず、差分データData1−Data2は、極めて照度が高い外光である太陽光等の周囲光による影響が除去されたデータであると言える。
【0245】
そして、電流Iin_ledonと電流Iin_ledoffとについて
Iin_ledon>>Iin_ledoff (52)
が成立するとともに、(25)式に示されるようにIin_ledoff≒0であり、さらに、電流Iin_ledonに対応したデータData1が、比較回路3の他方の入力に入力される閾値Data_thを超えるデータとなるように設定する。これにより、差分データData1−Data2も、比較回路3の他方の入力に入力される閾値Data_thを超える。よって、デジタル出力信号Doutのレベルが、LowレベルからHiレベルへ変化することにより生じる、被検出対象21が近接したことを示すパルスが、デジタル出力信号Doutとして外部に出力される。
【0246】
(第12事例)
第12事例として、図8(b)に示される、極めて照度が高い外光である太陽光等の周囲光が照射されており、かつ、被検出対象21が無い場合について説明する。
【0247】
第1工程におけるデータData0の測定時であるが、図8(a)と同様に、(48)式の電流Iin=Iin_sun’が得られる。また、可変電流源6が、データData0に応じた電流I1=Iin_sun’を出力することが出来るようになる点も、図8(a)と同様である。
【0248】
第1工程の後に続けて行われる工程である第2工程において、データData0に応じた電流I1がADC2へ流れている状態で、発光ダイオードLEDを駆動している期間のデータData1を測定する場合を考える。この場合、図4のセンサ装置31において開閉スイッチSW0を閉じる。これにより、(49)式に示される電流が得られる。しかし、図8(b)で示される事例では被検出対象21が無いため、(49)式における電流Iin_ledonが電流Iin_sun’に等しくなる。この結果、
Iin−I1=Iin_data1=Iin_ledon−I1=Iin_sun’Iin_sun’=0 (53)
がADC2に入力されて、アナログ−デジタル変換が行われる結果、デジタル値ADCOUTとしてのデータData1は、
Data1=0 (54)
となる。データData1が0であるので、記憶・減算回路32の入力は、データData0の測定時と同様に0である。よって、記憶・減算回路32の出力は、データData1の測定時においても、比較回路3の他方の入力に入力される閾値Data_thを超えない。よって、デジタル出力信号Doutのレベルは、Lowレベルで維持される。
【0249】
第2工程の後に続けて行われる工程である第3工程において、データData0に応じた電流I1がADC2へ流れている状態で、発光ダイオードLEDを駆動していない期間のデータData2を測定する場合を考える。この場合、図4のセンサ装置31において開閉スイッチSW0を閉じる。これにより、(50)式に示される電流が得られる。しかし、図8(b)で示される事例では被検出対象21が無いため、(50)式における電流Iin_ledoffが電流Iin_sun’に等しくなる。この結果、
Iin−I1=Iin_data2=Iin_ledoff−I1=Iin_sun’−Iin_sun’=0 (55)
がADC2に入力されて、アナログ−デジタル変換が行われる結果、デジタル値ADCOUTとしてのデータData2は、
Data2=0 (56)
となる。データData2が0であるので、記憶・減算回路32の入力は、データData0,Data1の測定時と同様に0である。よって、記憶・減算回路32の出力は、データData2の測定時においても、比較回路3の他方の入力に入力される閾値Data_thを超えない。よって、デジタル出力信号Doutのレベルは、Lowレベルで維持される。
【0250】
データData1もデータData2も0であるので、記憶・減算回路32が出力して比較回路3の一方の入力に入力される差分データData1−Data2も、当然に0となる。比較回路3の一方の入力に入力され、0である差分データData1−Data2は、比較回路3の他方の入力に入力される閾値Data_thを超えない。よって、デジタル出力信号Doutのレベルは、Lowレベルで維持される。
【0251】
以上のように、本実施例3では、データData0の測定時に、第1のフルスケールとする。よって、データData0の測定時に、第2のフルスケールを超えるような、極めて照度が高い外光である太陽光等の周囲光がセンサ装置31に照射された場合でも、データData0の測定時に、データData0が第1のフルスケールに達して、ADC2が飽和することはない。
【0252】
さらに、データData1,Data2の測定時にADC2へ入力される電流では、データData0に応じた電流に基づく減算が行われている。
【0253】
従って、データData1とデータData2との差分データData1−Data2に対応する電流において、極めて照度が高い外光である太陽光等の周囲光に応じた電流の項が含まれなくなる。よって、ADC2におけるデジタル値ADCOUTの飽和(16bit(ビット)のADC2であれば、デジタル値ADCOUTが、フルスケールである65535カウントとなること)が無いので、極めて照度が高い外光である太陽光等の周囲光による影響を除去して、センサ装置31における誤動作を防止することが出来る。
【0254】
なお、本実施例3では、実施例2と同様にセンサ装置31を用いて、第9事例〜第12事例を説明した。
【0255】
しかし、本実施例3の上記説明から、実施例1と同様にセンサ装置1を用いて、当該センサ装置1において、データData0の測定時は、より広い第1のフルスケールとし、データData1の測定時は、より狭い第2のフルスケールとしてもよい。
【0256】
よって、データData0の測定時に、第2のフルスケールを超えるような、極めて照度が高い外光である太陽光等の周囲光がセンサ装置1に照射された場合でも、データData0の測定時に、データData0が第1のフルスケールに達して、ADC2が飽和することはない。
【0257】
さらに、データData1の測定時にADC2へ入力される電流では、データData0に応じた電流に基づく減算が行われている。
【0258】
従って、データData1に対応する電流において、極めて照度が高い外光である太陽光等の周囲光に応じた電流の項が含まれなくなる。よって、極めて照度が高い外光である太陽光等の周囲光による影響を除去して、センサ装置1における誤動作を防止することが出来る。
【0259】
このように、実施例1のセンサ装置1も、本実施例3のセンサ装置31と同様に、極めて照度が高い外光である太陽光等の周囲光が照射されても誤動作が生じない構成とすることが出来るのは、自明である。
【0260】
なお、本実施例における第1及び第2のフルスケールについて、フルスケールが第1のフルスケールである場合よりも、フルスケールが第2のフルスケールである場合の方が、分解能nが微細になる。
【0261】
〔積分型のアナログ−デジタル変換回路8〕
図9に示される積分型のアナログ−デジタル変換回路8を、図1のADC2に適用する。これにより、積分型のアナログ−デジタル変換回路8が備えている、広いダイナミックレンジと高い分解能のアナログ−デジタル変換が可能である。
【0262】
積分型のアナログ−デジタル変換回路8は、アナログ入力電流をデジタル変換する積分型のアナログ−デジタル変換回路である。上記アナログ入力電流である電流Iinに応じた電荷を蓄える容量C1を備える。容量C1の一端が接続される反転入力端子(−)に電流Iinが入力され、非反転入力端子(+)が電気的に接地され、容量C1の他端が接続される出力端子から出力電圧を出力する差動増幅器AMP1とを有する充電回路9(充電部)を備える。容量C1に蓄えた上記電荷を放電する放電回路14(放電部)を備える。基準電圧vrefを出力する電圧源V1、及び、電圧源V1の出力と充電回路9の出力との間を開閉する開閉スイッチSW1を有し、充電回路9の差動増幅器AMP1の出力電圧vsigと、基準電圧vrefとを比較する比較回路10(出力電圧比較部)を備える。
【0263】
また、積分型のアナログ−デジタル変換回路8は、開閉スイッチSW1の開閉を制御するスイッチ制御信号を開閉スイッチSW1に出力するスイッチ制御回路11を備える。比較回路10から出力される比較信号compから放電回数に応じたデジタル値を出力するデジタル値制御回路12を備える。
【0264】
積分型のアナログ−デジタル変換回路8の動作開始時は、スイッチ制御回路11からのスイッチ制御信号により開閉スイッチSW1が閉じている。このため、積分回路である充電回路9の出力電圧vsigは、基準電圧vrefに充電されている。測定期間(データ変換時間)t_convの間、スイッチ制御回路11からのスイッチ制御信号により開閉スイッチSW1が開くことで、電流Iinにより容量C1に電荷が充電され、アナログ−デジタル変換される。アナログ−デジタル変換回路8の詳細な動作を以下に示す。
【0265】
まず、放電回路14により、一定の電荷Iref×t_clkを放電させる(プリチャージ動作)。ここで、Irefは電流源15から出力される基準電流であり、t_clkはクロック信号clkの周期である。電流源15の入力には、電源電圧Vddが印加される。
【0266】
この後、積分回路である充電回路9(積分器)は電流Iinにより充電され、充電回路9の出力電圧vsigが基準電圧vrefを超えると、比較回路10から出力される比較信号compがHi電圧になる。
【0267】
比較信号compは、DフリップフロップD−FFにより遅延され、電荷信号chargeとなる。電荷信号chargeが放電回路14の開閉スイッチSW2に入力されて開閉スイッチSW2が閉じると、放電回路14において一定の電荷(Iref×t_clk)が放電される。カウンタ13により所定の時間の放電回数を数えることで、入力された電荷量に応じた値がデジタル出力(デジタル値ADCOUT)される。
【0268】
図10は、本発明の実施形態に係る積分型のアナログ−デジタル変換回路8の動作を示す波形図である。電流Iinによる総充電電荷量と、Iref×t_clkによる総放電電荷量とが、等しくなるように動作するので、以下に示す(57)式及び(58)式が成立する。
総充電電荷量=Iin×t_conv (57)
総放電電荷量=Iref×t_clk×count (58)
総充電電荷量=総放電電荷量より、以下に示す(59)式が成立する。
count=(Iin×t_conv)/(Iref×t_clk) (59)
(57)式〜(59)式において、t_clkはクロック信号clkの周期、t_convは測定期間(データ変換時間)、countは放電回数をカウントした値(カウント数)、Irefは基準電流である。
【0269】
(57)式より、アナログ−デジタル変換回路8の最小分解能は、(Iref×t_clk)で決定されることになる。
【0270】
ここで、
測定期間t_conv=t_clk×2(nは分解能) (60)
として、t_clk×2の期間充電するように設定すると、(57)式から以下に示す(61)式が導出される。
count=Iin/Iref×2 (61)
例えば、分解能n=16ビットの場合、カウント数countは、電流Iinに応じた値を、0〜65535の範囲で出力することになる。ADC2を含むアナログ−デジタル変換回路として、積分型のアナログ−デジタル変換回路8を適用する。これにより、積分型アナログ−デジタル変換回路が備えている、広いダイナミックレンジと高い分解能のアナログ−デジタル変換が可能である。
【0271】
〔液晶パネル16のバックライト制御回路〕
図11は、本実施形態に係る液晶パネル16のバックライト制御回路のブロック図である。画面を表示する液晶パネル16を備える。液晶パネル16を照射するバックライト17を備える。バックライト17の輝度を制御するバックライト制御部18を備える。センサ装置1,31で構成された照度センサ19(または近接センサ19、または測距センサ19)を備える。バックライト制御部18は、照度センサ19(または近接センサ19、または測距センサ19)が備え、ADC2を含むアナログ−デジタル変換回路のデジタル出力信号Doutに基づき、バックライト17の輝度を制御する。具体的には、バックライト制御部は、上記照度センサ、上記近接センサ、または上記測距センサが備えるアナログ−デジタル変換回路のデジタル出力信号DoutがHiレベルとなる場合、バックライト17の輝度を第1所定値高くする。デジタル出力信号DoutがLowとなるである場合、バックライト17の輝度を第2所定値低くする。デジタル出力信号Doutのレベルが変化しない場合、バックライト17の輝度を維持する。
【0272】
このように、ADC2を含むアナログ−デジタル変換回路は、携帯電話の液晶パネルにおけるバックライトの制御や、デジタルカメラ(デジタルスチルカメラ)の液晶パネルにおけるバックライトの制御に適用できる。
【0273】
〔測定期間t_conv〕
本実施形態に係る近接センサ1,31を照度センサとして機能させる場合、以下の理由から、充電回路9が有する容量C1の充電に要する期間を含む、積分型のアナログ−デジタル変換回路8の測定期間t_convを、20msecの倍数(20msecも含まれる)、または、16.66msecの倍数(16.66msecも含まれる)にすることが好ましい。
【0274】
上述した、外光である太陽光等の周囲光の一例として、蛍光灯から発せられる光が挙げられる。蛍光灯から発せられる光は、蛍光灯を動作させるために蛍光灯に入力される商用電源からの電圧の周波数である、50Hzまたは60Hzに対応した周期で揺らいでいる。よって、蛍光灯から発せられる光には、50Hzの周波数成分または60Hzの周波数成分が含まれることとなる。
【0275】
ここで、上記照度センサを用いて、蛍光灯から発せられる光の照度を測定する場合を考える。この場合、上記照度センサにおける積分型のアナログ−デジタル変換回路8の測定期間t_conv、即ち、上記照度の測定に要する時間(積分型のアナログ−デジタル変換回路8における積分に依存する)が、周波数50Hzの逆数である周期20msec、または、周波数60Hzの逆数である周期16.66msecよりも短いと、上記照度の測定を正確に行うことが出来ない。
【0276】
このため、従来の照度センサでは、積分型のアナログ−デジタル変換回路を用いた場合に、長時間の積分を行っている。これにより、本実施形態に係る測定期間t_convに相当する、照度の測定に要する時間を十分長くして、照度の測定を正確に行うような構成としている。
【0277】
また、本実施形態に係る近接センサ1,31において、被検出対象21が近接しているか否かの判定を行う際に、上述した蛍光灯から発せられる光は、上記判定を正確に行うことを妨げる外乱ノイズとなる。従って、近接センサ1,31では、上述した蛍光灯から発せられる光の影響は、除去されていることが望ましい。
【0278】
そこで、本実施形態に係る近接センサ1,31では、測定期間t_convを、周波数50Hz(ヘルツ)の逆数である周期20msec(ミリ秒)の倍数(20msecも含まれる)、または、周波数60Hz(ヘルツ)の逆数である周期16.66msec(ミリ秒)の倍数(16.66msecも含まれる)とする。
【0279】
これにより、蛍光灯を動作させるために蛍光灯に入力される商用電源からの電圧の周波数である、50Hzまたは60Hzの逆数の周期で変動する、上述した蛍光灯から発せられる光の影響を除去して、上記照度の測定、及び、被検出対象21が近接しているか否かの判定を、正確に行うことが出来る。
【0280】
〔適用例〕
図13及び図14は、それぞれ、本実施形態に係る電子機器の一実施形態を示している。図13は、本実施形態に係る電子機器としての携帯電話900の斜視図である。図14は、本実施形態に係る電子機器としてのデジタルカメラ905の正面図である。
【0281】
第1工程において図13に示すように、携帯電話900は、近接センサ901として機能することが出来る、上述したセンサ装置1,31のいずれか1つを備える。よって、近接センサ901は、外光である太陽光等の周囲光が照射されても、誤動作が生じることなく、被検出対象21が近接しているか否かを正確に判定することが出来る。従って、携帯電話900も、誤動作が生じることなく正常に動作することが出来る。
【0282】
また、携帯電話900は、液晶パネル16を用いた液晶モニタ902を備える。被検出対象21の近接状態・非近接状態に応じて、液晶モニタ902の表示のオン・オフの切り替えを行うことが出来る。液晶モニタ902を液晶モニタ902の背面側から照らす(液晶モニタ902を液晶モニタ902の背面側から照射する)LEDバックライト(バックライト17)の点灯・非点灯の切り替えを行うことが出来る。
【0283】
なお、上記LEDバックライトの輝度は、携帯電話900が備えるバックライト制御回路(バックライト制御部18、例えば携帯電話900に内蔵されている)により行われる。上記バックライト制御回路は、センサ装置1,31が備えるアナログ−デジタル変換回路(例えば積分型のアナログ−デジタル変換回路8)のデジタル出力信号がハイレベルとなる場合、上記バックライトの輝度を第1所定値高くする。上記デジタル出力信号がローレベルとなる場合、上記バックライトの輝度を第2所定値低くする。上記デジタル出力信号のレベルが変化しない場合、上記バックライトの輝度を維持する。
【0284】
第1工程の後に続けて行われる工程である第2工程において、図14に示すように、デジタルカメラ905は、近接センサ903として機能することが出来る、上述したセンサ装置1,31のいずれか1つを備える。よって、近接センサ903は、外光である太陽光等の周囲光が照射されても、誤動作が生じることなく、被検出対象21が近接しているか否かを正確に判定することが出来る。従って、デジタルカメラ905も、誤動作が生じることなく正常に動作することが出来る。
【0285】
また、デジタルカメラ905は、液晶パネル16を用いた液晶モニタ904を備える。被検出対象21の近接状態・非近接状態に応じて、液晶モニタ904の表示のオン・オフの切り替えを行うことが出来る。液晶モニタ904を液晶モニタ904の背面側から照らす(液晶モニタ904を液晶モニタ904の背面側から照射する)LEDバックライト(バックライト17)の点灯・非点灯の切り替えを行うことが出来る。
【0286】
なお、上記LEDバックライトの輝度は、デジタルカメラ905が備えるバックライト制御回路(バックライト制御部18、例えばデジタルカメラ905に内蔵されている)により行われる。上記バックライト制御回路は、センサ装置1,31が備えるアナログ−デジタル変換回路(例えば積分型のアナログ−デジタル変換回路8)のデジタル出力信号がハイレベルとなる場合、上記バックライトの輝度を第1所定値高くする。上記デジタル出力信号がローレベルとなる場合、上記バックライトの輝度を第2所定値低くする。上記デジタル出力信号のレベルが変化しない場合、上記バックライトの輝度を維持する。
【0287】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0288】
本発明のセンサ装置は、電子機器に搭載される近接センサ、測距センサ、照度センサに適用することが出来る。特に、携帯電話やデジタルカメラに好適に用いることが出来る。
【符号の説明】
【0289】
1,31 センサ装置
2 ADC(アナログ−デジタル変換部)
3 比較回路(比較部)
4 記憶回路(記憶部)
6 可変電流源
8 アナログ−デジタル変換回路(積分型アナログ−デジタル変換回路)
9 充電回路(充電部)
10 比較回路(出力電圧比較)
11 スイッチ制御回路
12 デジタル値制御回路
13 カウンタ
14 放電回路(放電部)
15 電流源
16 液晶パネル
17 バックライト
18 バックライト制御部
19 照度センサ
20 制御回路
21 被検出対象
22 反射光
32 記憶・減算回路(記憶・減算部)
50 スイッチ制御回路(スイッチ制御部)
900 携帯電話
901,903 近接センサ
902,904 液晶モニタ
905 デジタルカメラ
A 受光感度
ADCOUT デジタル値(AD変換結果)
AMP1 差動増幅器
C,C1 容量
D−FF Dフリップフロップ
Dout デジタル出力信号
Data_th 閾値
Data0 データ(第1データ)
Data1 データ(第2データ)
Data2 データ(第3データ)
Data1−Data2 差分データ
E 放射強度
Ee 放射照度
I1 電流(可変電流源の出力電流)
Iin 電流(フォトダイオードの出力電流)
Iin−I1 差分の電流(差分の電流、第1の差分の電流、第2の差分の電流)
Iref 基準電流
L 距離
LED 発光ダイオード(発光素子)
PD フォトダイオード(受光素子)
S 受光面の面積
SW0〜SW2 開閉スイッチ
SW0’ 切り替えスイッチ
Sc 電流制御信号(第1制御信号)
V1 電圧源
Vdd 電源電圧
a1,a2 比例定数
charge 電荷信号
clk クロック信号
comp 比較信号
count カウント数
n 分解能
t_clk クロック信号の周期
t_conv 測定期間
vref 基準電圧
vsig 出力電圧
η 反射率

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検出対象が近接しているか否かを判定する近接センサとして機能することが出来るセンサ装置であって、
近接している上記被検出対象により反射される光である投射光を、所定の空間へ投射する発光素子と、
アナログ入力電流をアナログ−デジタル変換するアナログ−デジタル変換部と、
フォトダイオードであって、カソードが、上記アナログ−デジタル変換部の入力に接続され、アノードが、電気的に接地されている受光素子と、
一方の入力に入力される、上記アナログ−デジタル変換部のAD変換結果と、他方の入力に入力される所定の閾値とを比較して、上記AD変換結果が上記閾値を超えていれば、上記被検出対象が近接していることを示す信号を出力し、上記AD変換結果が上記閾値以下であれば、上記被検出対象が近接していないことを示す信号を出力する比較部と、
上記AD変換結果を記憶する記憶部と、
第1端子が、上記一方の入力に接続されており、第2端子が、上記記憶部の入力とに接続されており、第3端子が、電気的に接地されているとともに、上記第1端子と上記第2端子とを接続するか、上記第1端子と上記第3端子とを接続して上記一方の入力を電気的に接地する切り替えスイッチと、
上記受光素子のカソードと上記アナログ−デジタル変換部の入力とに一端が接続されているスイッチである開閉スイッチと、
入力に電源電圧が印加され、出力が、上記受光素子のカソードと上記開閉スイッチの他端に接続されている可変電流源と、
上記開閉スイッチの開閉を制御する制御信号である第2制御信号を、上記開閉スイッチの制御入力に出力するとともに、上記切り替えスイッチの切り替えを制御する制御信号である第3制御信号を、上記切り替えスイッチの制御入力に出力するスイッチ制御部とを備えることを特徴とするセンサ装置。
【請求項2】
上記被検出対象が近接しているか否かを判定するときに、第1工程として、上記発光素子を消灯させるとともに、上記開閉スイッチを開き、
上記切り替えスイッチは、上記一方の入力を電気的に接地し、
上記アナログ−デジタル変換部は、上記受光素子が出力する電流をアナログ−デジタル変換して得られた上記AD変換結果である第1データを、上記記憶部に出力し、
上記記憶部は、上記第1データに対応した上記受光素子が出力する電流の大きさを示す第1制御信号を、上記可変電流源の制御入力に出力し、
上記可変電流源は、上記第1制御信号が入力されると、上記可変電流源が出力する電流を、上記第1データに対応した上記受光素子が出力する電流に設定し、
上記第1工程の後に続けて行われる工程である第2工程として、上記発光素子を点灯させるとともに、上記開閉スイッチを閉じ、
上記切り替えスイッチは、上記一方の入力と、上記AD変換結果とを接続することを特徴とする請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
被検出対象が近接しているか否かを判定する近接センサとして機能することが出来るセンサ装置であって、
近接している上記被検出対象により反射される光である投射光を、所定の空間へ投射する発光素子と、
アナログ入力電流をアナログ−デジタル変換するアナログ−デジタル変換部と、
フォトダイオードであって、カソードが、上記アナログ−デジタル変換部の入力に接続され、アノードが、電気的に接地されている受光素子と、
1回目に入力された、上記アナログ−デジタル変換部のAD変換結果を記憶し、2回目の上記AD変換結果が入力されると、1回目に入力された上記AD変換結果を出力するとともに、3回目の上記AD変換結果が入力されると、2回目に入力された上記AD変換結果から3回目に入力された上記AD変換結果を減算した値である減算値を出力する記憶・減算部と、
一方の入力に入力される上記記憶・減算部の出力値と、他方の入力に入力される所定の閾値とを比較して、上記AD変換結果が上記閾値を超えていれば、上記被検出対象が近接していることを示す信号を出力し、上記AD変換結果が上記閾値以下であれば、上記被検出対象が近接していないことを示す信号を出力する比較部と、
上記AD変換結果を記憶する記憶部と、
第1端子が、上記記憶・減算部の入力に接続されており、第2端子が、上記記憶部の入力とに接続されており、第3端子が、電気的に接地されているとともに、上記第1端子と上記第2端子とを接続するか、上記第1端子と上記第3端子とを接続して上記記憶・減算部の入力を電気的に接地する切り替えスイッチと、
上記受光素子のカソードと上記アナログ−デジタル変換部の入力とに一端が接続されているスイッチである開閉スイッチと、
入力に電源電圧が印加され、出力が、上記受光素子のカソードと上記開閉スイッチの他端に接続されている可変電流源と、
上記開閉スイッチの開閉を制御する制御信号である第2制御信号を、上記開閉スイッチの制御入力に出力するとともに、上記切り替えスイッチの切り替えを制御する制御信号である第3制御信号を、上記切り替えスイッチの制御入力に出力するスイッチ制御部とを備えることを特徴とするセンサ装置。
【請求項4】
上記被検出対象が近接しているか否かを判定するときに、第1工程として、上記発光素子を消灯させるとともに、上記開閉スイッチを開き、
上記切り替えスイッチは、上記記憶・減算部の入力を電気的に接地し、
上記アナログ−デジタル変換部は、上記受光素子が出力する電流をアナログ−デジタル変換して得られた上記AD変換結果である第1データを、上記記憶部に出力し、
上記記憶部は、上記第1データに対応した上記受光素子が出力する電流の大きさを示す第1制御信号を、上記可変電流源の制御入力に出力し、
上記可変電流源は、上記第1制御信号が入力されると、上記可変電流源が出力する電流を、上記第1データに対応した上記受光素子が出力する電流に設定し、
上記第1工程の後に続けて行われる工程である第2工程として、上記発光素子を点灯させるとともに、上記開閉スイッチを閉じ、
上記切り替えスイッチは、上記記憶・減算部の入力と、上記AD変換結果とを接続し、
上記第2工程の後に続けて行われる工程である第3工程として、上記発光素子を消灯させるとともに、上記開閉スイッチを閉じることを特徴とする請求項3に記載のセンサ装置。
【請求項5】
上記第1工程では、上記アナログ−デジタル変換部のAD変換結果の上限が、所定の第1上限に設定され、
上記第2工程では、上記アナログ−デジタル変換部のAD変換結果の上限が、所定の第2上限に設定され、
上記第1上限は、上記第2上限よりも高いことを特徴とする請求項2に記載のセンサ装置。
【請求項6】
上記第1工程では、上記アナログ−デジタル変換部のAD変換結果の上限が、所定の第1上限に設定され、
上記第2工程及び上記第3工程では、上記アナログ−デジタル変換部のAD変換結果の上限が、所定の第2上限に設定され、
上記第1上限は、上記第2上限よりも高いことを特徴とする請求項4に記載のセンサ装置。
【請求項7】
上記アナログ−デジタル変換部のAD変換結果と、
上記いずれかのセンサ装置と上記被検出対象との距離とが、反比例していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項8】
上記アナログ−デジタル変換部のAD変換結果と、
上記被検出対象により反射された反射光の照度とが、比例していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項9】
上記アナログ−デジタル変換部は、アナログ入力電流をデジタル変換する積分型アナログ−デジタル変換部であって、
上記アナログ入力電流に応じた電荷を蓄える容量と、当該容量の一端が接続される反転入力端子に上記アナログ入力電流が入力され、非反転入力端子が電気的に接地され、上記容量の他端が接続される出力端子から出力電圧を出力する差動増幅器とを有する充電部と、
上記容量に蓄えた上記電荷を放電する放電部と、
基準電圧を出力する電圧源、及び、上記電圧源の出力と上記充電部の出力との間を開閉するスイッチを有し、上記充電部の差動増幅器の出力電圧と、上記基準電圧とを比較する出力電圧比較部とを備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項10】
上記容量の充電に要する期間を含む、上記積分型アナログ−デジタル変換部の測定期間を、周波数50ヘルツの逆数である周期20ミリ秒の倍数、または、周波数60ヘルツの逆数である周期16.66ミリ秒の倍数とすることを特徴とする請求項9に記載のセンサ装置。
【請求項11】
上記測定期間を、周波数50ヘルツの逆数である周期20ミリ秒、または、周波数60ヘルツの逆数である周期16.66ミリ秒とすることを特徴とする請求項10に記載のセンサ装置。
【請求項12】
画面を表示する液晶パネルと、
上記液晶パネルを照射するバックライトと、
上記バックライトの輝度を制御するバックライト制御部と、
請求項1〜11のいずれか1項に記載のセンサ装置とを備える電子機器であって、
上記バックライト制御部は、
請求項1〜11のいずれか1項に記載のセンサ装置が備える上記アナログ−デジタル変換部のデジタル出力信号がハイレベルとなる場合、上記バックライトの輝度を第1所定値高くし、上記デジタル出力信号がローレベルとなる場合、上記バックライトの輝度を第2所定値低くし、上記デジタル出力信号のレベルが変化しない場合、上記バックライトの輝度を維持することを特徴とする電子機器。
【請求項13】
携帯電話またはデジタルカメラであることを特徴とする請求項12に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−147255(P2012−147255A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−4169(P2011−4169)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】