説明

ゼオライト含有炭化水素変換触媒、その製造方法、および該触媒で炭化水素油を変換する方法

当該触媒の重量に基づき、1−60重量%のゼオライト、0.1−10重量%の助触媒成分、5−98重量%の耐熱性無機酸化物、および酸化物換算で0−70重量%の粘土を含有する炭化水素を変換するための触媒。該ゼオライトはリンおよび遷移金属を含有するMFI−構造ゼオライト、または当該混合物の重量に基づき、75−100重量%のリンおよび遷移金属を含有する該MFI−構造ゼオライト、および0−25重量%のマクロポーラスゼオライトを含む、該ゼオライトおよびマクロポーラスゼオライトの混合物である。酸化物の質量換算で、リンおよび遷移金属を含有する該MFI−構造ゼオライトは以下の無水状態での化学式:
(0−0.3)Na2O・(0.3−5.5)Al23・(1.0−10)P25・(0.7−15)M1xy・(0.01−5)M2mn・(0−10)RE23・(70−97)SiO2 I、または、
(0−0.3)Na2O・(0.3−5)Al23・(1.0−10)P25・(0.7−15)Mpq・(0−10)RE23・(70−98)SiO2 II
を有する。該助触媒成分は元素の周期表のアルカリ土類金属、IVB族金属、VIII族の非−貴金属、および希土類金属よりなる群から選択される1以上である。この触媒は石油炭化水素を変換するより高い能力、およびプロピレン、エチレン、および軽質芳香族についてのより高い収率を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゼオライトを含有する炭化水素変換触媒、その製造方法、および該触媒で炭化水素油を変換する方法に関し、さらに詳しくは、それはゼオライト含有炭化水素変換触媒、その製造方法、および該触媒で炭化水素油を変換する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エチレンおよびプロピレンのような軽質オレフィンならびに軽質芳香族は、石油化学産業にとって、重要な原料であり、それらに対する需要は日に日に増えている。先行技術において、エチレンおよびプロピレンを製造するための成熟されたプロセスは、軽質炭化水素の管状炉蒸気熱クラッキングプロセスのような炭化水素の熱変換プロセスを含む。重質炭化水素の接触クラッキングまたは接触熱分解プロセスでは、ある程度のエチレンおよびプロプレンを製造することができる。それ以外に、ゼオライト含有触媒による接触変換を介して、オレフィン含有炭化水素原料からエチレンおよびプロピレンを製造する方法もある。芳香族の製造は、主として、蒸留ガソリンの接触改質によって実現される。
【0003】
原料として石油炭化水素を用い、接触クラッキングまたは熱分解により、軽質オレフィンを製造するのに使用される触媒は大まかに3つのクラスに分けられる。1つは酸化物に担持された金属触媒であり、ここで、担体はSiO2、Al23、または他の酸化物であってよく、金属成分はIIB、VB、VIIB、およびVIII族の元素群から選択される(US3541179、US3647682、DD225135、およびSU1214726)。クラッキングの反応プロセスの間に、縮合およびコークス化反応が、担持された金属の脱水素化能力に応じて加速される。従って、このタイプの触媒は、220℃よりも低い沸点範囲を持つ軽質原料を処理するために用いることができるに過ぎない。
【0004】
第二の触媒のクラスは、主としてZrO2および/またはHfO2および、また、Al23、Cr23、MnO、および/またはFe23ならびにアルカリまたはアルカリ土類金属の酸化物を含む複合体のような複合酸化物である(US3725495およびUS3839485)。もう1つの例はバナジン酸カリウム、スズ酸カリウムまたはニオブ酸カリウムであり、これは、ガソリンをクラッキングさせるのに用いた場合に56重量%の軽質オレフィンを生じ、ここで、エチレンの収率は36.5重量%に達することができ、プロプレンのそれは12.5重量%に達することができる(SU523133、SU487927、およびSU410037)。さらなる例は、種々の炭化水素留分のクラッキングでも用いられる少量のFe23、TiO2、CaO、MgO、Na2O、および/またはK2Oを含有するSiO2・Al23触媒である(SU550173、SU559946)。より通常に用いられる複合酸化物は無定形SiO2・Al23である(DD152356)。
【0005】
石油化学および石油精製産業の分野におけるゼオライトのより広範囲な適用に伴い、第三の触媒のクラス、すなわち、ゼオライトを含有する触媒、特に、MFI構造を持つゼオライト(5員環高シリカゼオライト)を含有する触媒が出現する。
【0006】
US3758403では、炭化水素原料を接触クラッキングさせる方法を開示し、その方法は、該炭化水素原料をクラッキング条件下で触媒と接触させることよりなる。該触媒はZSM−5ゼオライト、および0.7nmよりも大きなポアサイズを持つゼオライトの混合物を含有する。このプロセスは、C3=+C4=オレフィンの収率を増大させつつ、ガソリンのオクタン価を高める。
【0007】
CN1042201Cでは、C3−C5オレフィンの収率を増加させるためのクラッキング触媒を開示し、その触媒は、2.450nm以下の単位セルサイズを持つ10−50%のゼオライト−Y、2−40%のZSM−5ゼオライト、およびP、RE、Ca、Mg、H、Al等およびその混合物から選択される1つで修飾(modified)されたゼオライト−β、ならびにカオリンおよびアルミナバインダーよりなる20−80%の半合成担体よりなる。この触媒はエチレンおよびプロピレンの収率を増加させ、ガソリンの収率を高レベルに維持することができる。
【0008】
CN1055301Cでは、イソオレフィンおよびガソリンの収率を増加させるためのクラッキング触媒を開示し、それは、5−70%のアルミナをベースとするバインダー合成物、5−65%の粘土、および25−50%ゼオライトよりなる。該ゼオライトは15−82%のゼオライト−Y、およびその残量の希土類含有5員環高シリカゼオライトおよび/または(P25換算で)0−10重量%のリンを含有するHZSM−5ゼオライトの混合物である。希土類含有5員環高シリカゼオライトおよびHZSM−5ゼオライトが同時に存在する場合、希土類含有5員環高シリカゼオライトの含有量は65%を超えない。この触媒は、主として、イソオレフィンおよびガソリンの収率を増加させるために用いられる。
【0009】
CN1102634Cでは、接触熱分解による軽質オレフィンを製造するための触媒を開示し、その触媒は10−70%の粘土、5−85%の耐熱性無機酸化物、および1−50%ゼオライトよりなり、ここで、該ゼオライトは0−25%のゼオライト−Y、および75−100%の、リンおよびアルミニウムまたはマグネシウムまたはカルシウムを含有する5員環構造の高シリカゼオライトである。この高シリカゼオライトは、2−8%のリンおよび0.3−3%のアルミニウムまたはマグネシウムまたはカルシウム(酸化物換算)を含有し、かつ15−60のシリカ/アルミナ比率を有するZSM−5、−8または−11タイプのゼオライトである。この触媒は、主として、接触熱分解によってエチレンを製造するのに用いられる。
【0010】
CN1317543Aでは、石油炭化水素の接触熱分解によってエチレンおよびプロピレンを製造する方法を開示し、その製法は予熱された重質石油炭化水素を、650−750℃の反応温度、1.5−4×105Paの反応圧力、0.2−5秒の反応時間、15−40:1の触媒/油重量比、および0.3−1:1の蒸気/供給油重量比下で、高温蒸気の存在下で、リアクター中でZSM−5ゼオライトを含有する触媒と接触させて、接触熱分解を行うことを含む。該ZSM−5ゼオライトは0.1−8重量%のAgまたはCuを含有する。
【0011】
US5006497では、(1)少なくとも1つの大きなポアの分子ふるい、(2)水素化/脱水素化成分を実質的に含まない1−12の拘束指標(constraint index)を有し、かつパラフィンクラッキング/異性化活性を有する形状選択性ゼオライト、(3)1−12の拘束指標およびパラフィン芳香族化活性を有する形状選択的ゼオライト、および(4)基材を含むマルチ−ゼオライト(multi-zeolite)触媒を開示する。該大きなポアの分子ふるいはゼオライト−L、ゼオライト−X、ゼオライト−Yのような一般的なマクロポーラスゼオライトから選択される。1−12の拘束指標を持つ該形状選択的ゼオライトは、ZSM−5、ZSM−11、ZSM−12、ZSM−23、ZSM−35、ZSM−48、ZSM−57、ならびにバリウム、ガリウム、ジルコニウム、およびチタンを含有するZSM−5から選択される。この触媒はオクタン価およびガソリンの収率を増加させることができる。
【0012】
US5236880では、5よりも大きなSiO2/Al23比率を有する結晶性アルミノシリケートおよび、好ましくは、MFIまたはMELゼオライトを含む改良された炭化水素変換機能を持つゼオライト触媒を開示する。該ゼオライトはVIIIB族金属、好ましくはニッケルを含有する。該触媒は、パラフィンクラッキング活性を改良し、C5からC12ガソリンの範囲の製品における芳香族留分を増加させ、C5からC12ガソリンの範囲の製品の計算されたオクタン価を改良し、および/またはC5からC12ガソリンの範囲の製品の収率を改良するための、パラフィン原料の変換方法で用いることができる。
【0013】
CN1048428Cでは、軽質オレフィンを生産するためのマルチ−ゼオライト触媒を開示し、その触媒は0−70重量%の粘土、5−90重量%の耐熱性無機酸化物、および10−35%のゼオライトよりなり、ここで、該ゼオライトはリンおよび希土類を含有する20−75重量%の5員環高シリカゼオライト、20−75重量%の高シリカゼオライト−Yおよび1−15重量%の希土類含有ゼオライト−Yを含む。この触媒は、主として、イソブテンおよびイソペンテンの収率を増加させるのに用いられる。
【0014】
CN1053918Cでは、軽質オレフィンを製造するために2−ゼオライト(bi-zeolite)触媒を開示し、その触媒は0−70重量%の粘土、5−90重量%の耐熱性無機酸化物、および10−40%のゼオライトよりなり、ここで、該ゼオライトはリンおよび希土類を含有する25−75重量%の5員環高シリカゼオライト、25−75重量%の高シリカゼオライト−Y、または希土類含有ゼオライト−Yよりなる。この触媒は、主として、プロピレン、イソブテン、およびイソペンテンの収率を増加させるために用いられる。
【0015】
CN1043502Cでは、クラッキング触媒を開示し、その担体は0−70重量%の粘土および5−99重量%の耐熱性無機酸化物であり、活性成分は1−50重量%のZSM−5およびY−タイプのゼオライトの混合物である。活性成分において、ZSM−5は75−100重量%からなり、Y−タイプのゼオライトは0−25重量%からなる。この触媒は、軽質オレフィン、特にプロピレンおよびブテンを製造するのに、ならびにガソリンおよびディーゼル油を同時に製造するのに適する。
【0016】
CN1034223Cでは、クラッキング触媒を開示し、それは0−70%の粘土、5−99%の耐熱性無機酸化物、および1−50%のゼオライトよりなり、ここで、該ゼオライトは0−25重量%のREYまたは高シリカゼオライト−Y、および75−100重量%の、リンおよび希土類を含有する5員環高シリカゼオライトの混合物である。この触媒は、エチレン、プロピレンおよびブテン、主としてプロピレンおよびブタンを製造するために、ならびにガソリンおよびディーゼル油を同時に製造するのに適している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、石油炭化水素を変換する高い能力、ならびにプロピレン、エチレン、および軽質芳香族についての高い収率を有する触媒、該触媒の製造方法を提供することにある。本発明のもう1つの目的は、触媒を用いて、炭化水素油を変換する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明によって提供される触媒はゼオライト、耐熱性無機酸化物および、所望により、粘土を含有し、ここで、該ゼオライトは、リンおよび遷移金属を含有するMFI−構造ゼオライト、または、マクロポーラスゼオライトと、リンおよび遷移金属を含有する該MFI−構造ゼオライトとの混合物であって、混合物の重量に基づき75−100重量%のリンおよび遷移金属を含有する該MFI−構造ゼオライトおよび0−25重量%のマクロポーラスゼオライトを含むものである。酸化物の質量換算で、リンおよび遷移金属を含有する該MFI−構造ゼオライトは以下の無水状態での化学式を有する:
(0−0.3)Na2O・(0.3−5.5)Al23・(1.0−10)P25・(0.7−15)M1xy・(0.01−5)M2mn・(0−10)RE23・(70−97)SiO2
または
(0−0.3)Na2O・(0.3−5)Al23・(1.0−10)P25・(0.7−15)Mpq・(0−10)RE23・(70−98)SiO2 II
式中、M1はFe、Co、およびNiから選択される遷移金属であり、M2はZn、Mn、GaおよびSnから選択される遷移金属であり、ならびにMはFe、Co、Ni、Cu、Zn、MoまたはMnから選択される遷移金属であり、およびREは土類金属を表し、xは1または2であり、xが1である場合、yの値は遷移金属M1の原子価の半分であり、xが2である場合、yの値は遷移金属M1の原子価であり、mは1または2であり、mが1である場合、nの値は遷移金属M2の原子価の半分であり、mが2である場合、nの値は遷移金属M2の原子価であり、pは1または2であり、pが1である場合、qの値は遷移金属Mの原子価の半分であり、pが2である場合、qの値は遷移金属Mの原子価である。該触媒は助触媒成分も含有し、これは、元素の周期表のアルカリ土類金属、IVB族金属、VIII族中の非−貴金属、および希土類金属よりなる群から選択される1以上である。該触媒は、触媒の重量に基づき、1−60重量%のゼオライト、0.1−10重量%の助触媒成分、5−98重量%の耐熱性無機酸化物、および酸化物換算で0−70重量%の粘土を含有する。
【0019】
炭化水素油を変換するための本発明によって提供される方法は、炭化水素油を触媒と接触させる処理を含み、ここで、該接触は蒸気含有雰囲気下で行われ、該接触のための条件は450−750℃の接触温度、4−40の触媒/油重量比、および1−100重量%の炭化水素油の蒸気量を含む。該触媒は本発明によって提供される前記触媒である。
【0020】
該触媒を製造するための本発明によって提供される方法は、耐熱性無機酸化物および/またはその前駆体、水および、所望により、粘土の全てまたは一部を混合及びスラリー化し、ゼオライトを加え、得られたスラリーを乾燥し、次いで、か焼し、ここで、ゼオライトを加える前に、および粘土を加える前または後に助触媒が加えられ、酸を加えてスラリーのpH値を1−5とし、30−90℃の温度にて0.1−10時間熟成し、次いで、熟成後に残りの耐熱性無機酸化物および/またはその前駆体を加える処理を含む。該ゼオライトはリンおよび遷移金属を含有するMFI−構造ゼオライト、または、マクロポーラスゼオライトと、リンおよび遷移金属を含有する該MFI−構造ゼオライトとの混合物であって、混合物の重量に基づいて、75−100重量%のリンおよび遷移金属を含有する該MFI−構造ゼオライトおよび0−25重量%のマクロポーラスゼオライトを含むものである。酸化物の質量換算で、リンおよび遷移金属を含有する該MFI−構造ゼオライトは以下の無水状態での状態での化学式を有する:
(0−0.3)Na2O・(0.3−5.5)Al23・(1.0−10)P25・(0.7−15)M1xy・(0.01−5)M2mn・(0−10)RE23・(70−97)SiO2
または
(0−0.3)Na2O・(0.3−5)Al23・(1.0−10)P25・(0.7−15)Mpq・(0−10)RE23・(70−98)SiO2 II
式中、M1はFe、Co、およびNiから選択される遷移金属であり、M2はZn、Mn、GaおよびSnから選択される遷移金属であり、MはFe、Co、Ni、Cu、Zn、MoまたはMnから選択される遷移金属であり、およびREは希土類金属を表し、xは1または2であり、xが1である場合、yの値は遷移金属M1の原子価の半分であり、xが2である場合、yの値は遷移金属M1の原子価であり、mは1または2であり、mが1である場合、nの値は遷移金属M2の原子価の半分であり、mが2である場合、nの値は遷移金属M2の原子価であり、pは1または2であり、pが1である場合、qの値は遷移金属Mの原子価の半分であり、pが2である場合、qの値は遷移金属Mの原子価である。成分の量は、触媒の重量に基づいて、1−60重量%のゼオライト、0.1−10重量%の助触媒成分、5−98重量%の耐熱性無機酸化物、および酸化物換算で0−70重量%の粘土を含有するようにさせる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によって提供される触媒は優れた活性および安定性を有し、石油炭化水素を変換する高い能力、ならびにプロピレン、エチレンおよび軽質芳香族について高い収率を呈する。なぜならば、本発明によって提供される触媒は、リンおよび遷移金属を含有する修飾されたMFI−構造ゼオライト、またはMFI−構造ゼオライトおよびマクロポーラスゼオライトの混合物を活性成分として用い、同時に、修飾能力を持つ助触媒成分を含有するからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明によって提供される触媒は、触媒の重量に基づいて、1−60重量%のゼオライト、0.1−10重量%の助触媒成分、5−98重量%の耐熱性無機酸化物、および0−70重量%の粘土を含有する。好ましくは、該触媒は10−50重量%のゼオライト、0.5−8重量%の助触媒成分、10−70重量%の耐熱性無機酸化物、および0−60重量%の粘土を含有する。
【0023】
好ましくは、酸化物の重量の点で、リンおよび遷移触媒を含有する該MFI−構造ゼオライトは以下の無水状態での状態での化学式を有する:
(0−0.2)Na2O・(0.9−5)Al23・(1.5−7)P25・(0.9−10)M1xy・(0.5−2)M2mn・(0.5−10)RE23・(82−92)SiO2
または
(0−0.2)Na2O・(0.9−5)Al23・(1.5−7)P25・(0.9−10)Mpq・(0.5−10)RE23・(82−92)SiO2 II
好ましくは、M1はFeであり、M2はZnであり、より好ましくは、M1はFeでり、M2は同時にZnである。好ましくは、MはFe、CoまたはNiから選択される。
【0024】
該希土類金属(RE)は好ましくはランタン、セリウム、またはランタンおよび/またはセリウムを含有する混合希土類金属である。
【0025】
該助触媒成分は、好ましくは、バリウム、カルシウム、マグネシウム、ジルコニウム、チタン、ランタン、セリウム、鉄、コバルトおよびニッケルよりなる群から選択される1以上である。該助触媒成分は、前記金属の酸化物または塩として、または耐熱性無機酸化物および/もしくは粘土との反応で形成された複雑な化合物として存在することができる。該助触媒成分は、耐熱性無機酸化物に、または粘土に、または酸化物および粘土の混合物に分散させることができる。
【0026】
該マクロポーラスゼオライトは、フォージャサイト(faujasite)、ゼオライト−L、ゼオライト−β、ゼオライト−Ω、モルデナイト(mordenite)、およびZSM−18ゼオライトのような、0.7nmより大きなポアサイズを持つ1以上の多孔性ゼオライト、特に、ゼオライト−Y、リンおよび/または希土類を含有するゼオライト−Y、超安定性ゼオライト−Y、ならびにリンおよび/または希土類を含有する超安定性ゼオライト−Y、ならびにゼオライト−βの1以上である。
【0027】
該耐熱性無機酸化物はアルミナ、シリカおよび無定形シリカアルミナのような、クラッキング触媒の基材およびバインダー成分として用いられる耐熱性無機酸化物の1以上から選択される。これらの耐熱性無機酸化物は当業者に知られている。
【0028】
該粘土はカオリン(kaolin)、ハロサイト(halloysite)、モンモリロナイト(montmorillonite)、キーゼルグール(kieselguhr)、エンデライト(endellite)、サポナイト(saponite)、レクトライト(rectorite)、セピオライト(sepiolite)、アタパルジャイト(attapulgite)、ハイドロタルサイト(hydrotalcite)、およびベントナイト(bentonite)のような、クラッキング触媒の担体として用いられる粘土の1以上から選択される。より好ましい粘土はカオリン、ハロサイト、およびモンモリロナイトの1以上である。これらの粘土は当業者に知られている。
【0029】
本発明の触媒を製造する方法に従って、熟成(aging)の前に、全てのまたは部分的耐熱性無機酸化物および/またはその前駆体を加えることができる。触媒に良好な摩耗(attrition)耐性能力を付与するためには、耐熱性無機酸化物および/またはその前駆体の一部を加え、熟成の後に、残りの耐熱性無機酸化物および/またはその前駆体を加えるのが好ましい。前もって加える部分、および後で加える部分は、後で加える耐熱性無機酸化物に対する前もって加える耐熱性無機酸化物の重量比率は触媒中で1:0.1−10、より好ましくは、1:0.1−5となるようにする。
【0030】
該粘土は熟成の前または後に加えることができ、該粘土を加える順序は触媒の性能に影響はない。
【0031】
該酸は水溶性無機または有機酸から選択される1以上であって、好ましい酸は塩酸、硝酸、リン酸、および1−10の炭素原子を有するカルボン酸の1以上である。該酸の量はスラリーのpH値を1−5、好ましくは1.5−4とする。
【0032】
該熟成温度は30−90℃、好ましくは40−80℃であり、熟成時間は0.1−10時間、好ましくは0.5−8時間である。
【0033】
耐熱性無機酸化物の該前駆体は、該触媒の製造工程の間に該耐熱性無機酸化物を形成することができる物質の1以上である。例えば、アルミナの前駆体は水和アルミナおよび/またはアルミナゾルから選択することができ、ここで、該水和アルミナはベーマイト(boehmite)、擬ベーマイト(pseudo-boehmite)、三水和アルミナ(trihydrated alumina)、および無定形水酸化アルミニウムから選択される1以上である。シリカの前駆体はシリカゾル、シリカゲルおよび水ガラスから選択される1以上であり得る。無定形シリカアルミナの前駆体はシリカ−アルミナゾル、およびシリカゾルとアルミナゾルの混合物、およびシリカ−アルミナゲルから選択される1以上であり得る。耐熱性無機酸化物のこれらの前駆体は当業者に知られている。
【0034】
該補助化合物は水溶性または水不溶性アルカリ土類金属、IVB族金属、VIII族における非貴金属、および希土類金属の化合物の1以上、特に、バリウム、カルシウム、マグネシウム、ジルコニウム、チタン、ランタン、セリウム、鉄、コバルトおよびニッケルのハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩およびリン酸塩のような、バリウム、カルシウム、マグネシウム、ジルコニウム、チタン、ランタン、セリウム、鉄、コバルトおよびニッケルの水溶性および水不溶性化合物の1以上から選択される。バリウム、カルシウム、マグネシウム、ジルコニウム、チタン、ランタン、セリウム、鉄、コバルトおよびニッケルの塩化物は、バリウム、カルシウム、マグネシウム、ジルコニウム、チタン、ランタン、セリウム、鉄、コバルトおよびニッケルの前記ハロゲン化物の中で好ましい。
【0035】
種々の成分の量は最終触媒が、触媒の重量に基づいて、1−60重量%のゼオライト、0.1−10重量%の助触媒成分、5−98重量%の耐熱性無機酸化物、および0−70重量%の粘土を含有するようにする。種々の成分の量は、触媒の重量に基づいて、最終触媒は、10−50重量%のゼオライト、0.5−8重量%の助触媒成分、10−70重量%の耐熱性無機酸化物、および0−60重量%の粘土を含有するようにするのが好ましい。
【0036】
スラリーを乾燥するためのプロセスおよび条件は、当業者に知られている。例えば、乾燥のためのプロセスは風乾、ベイキング、強制風乾、または噴霧乾燥、好ましくは、噴霧乾燥であって良く、乾燥のための温度は室温ないし400℃、好ましくは100−350℃とすることができる。噴霧乾燥を容易とするためには、乾燥前のスラリーの固形物含有量は好ましくは10−50重量%、より好ましくは20−50重量%である。
【0037】
該スラリーの乾燥後にか焼(calcination)するための条件もまた当業者に知られている。一般的にいえば、乾燥後、該スラリーのか焼温度は全て400−700℃、好ましくは450−650℃であり、か焼時間は少なくとも0.5時間、好ましくは0.5−100時間、より好ましくは0.5−10時間である。
【0038】
リンおよび遷移金属を含有する該MFI−構造ゼオライトを製造する方法は、リンおよび前記した遷移金属を、希土類を含有するまたは含有しないMFI−構造ゼオライトに一体化させることを含む。
【0039】
リンおよび遷移金属を、希土類を含有する、または含有しないMFI−構造ゼオライトに一体化させる方法は多様であり得、例えば、該一体化は、希土類を含有するまたは含有しないMFI−構造ゼオライトを合成する間に行う、あるいは含浸、混合、および/またはイオン交換によって行うことができる。リンおよび遷移金属を、希土類を含有するまたは含有しないMFI−構造ゼオライトに一体化させる前記方法は当業者に知られている。
【0040】
例えば、式(I)のリンおよび遷移金属を含有する該MFI−構造ゼオライトは以下のプロセスによって製造することができる:周知の結晶化によって得られた希土類を含有するまたは含有しないナトリウム型ゼオライトは、室温および100℃の間の温度にて、0.3−1時間、1:(0.1−1):(5−10)のゼオライト/アンモニウム塩/H2O重量比で交換され,次いで、濾過して、アンモニウム交換ゼオライトフィルターケーキを得る。引き続いて、リン化合物、Fe、CoおよびNiの化合物から選択される化合物、およびZn、Mn、GaおよびSnの化合物から選択される化合物を含浸またはイオン交換によって一体化させ、次いで、乾燥し、400−800℃で0.5−8時間、空気または蒸気雰囲気下でか焼する。
【0041】
該MFI−構造ナトリウム型ゼオライトが、有機鋳型を含有する場合、前記した操作は鋳型を除去した後に行うべきであり、ここで、該アンモニウム塩は塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、および硝酸アンモニウムまたはその混合物のような通常用いられる無機アンモニウム塩から選択されるものであり得る。
【0042】
ここで、該含浸またはイオン交換が以下の態様のいずれかであってよい:
態様1:アンモニウム交換ゼオライトフィルターケーキおよびリン化合物の水溶液を室温および95℃の間の温度で均一に混合し、次いで、乾燥し、所望により、400−800℃でか焼する。得られた固体を室温および95℃の間で金属Fe、CoおよびNi化合物の1つおよび金属Zn、Mn、GaおよびSn化合物の1つの混合水溶液と均一に混合し、次いで乾燥し、所望によりか焼する。2つの混合工程の順序は逆にすることができる。
【0043】
態様2:アンモニウム交換ゼオライトフィルターケーキリン化合物の水溶液は室温および95℃の間の温度で均一に混合し、次いで、乾燥し、所望により、400−800℃でか焼する。得られた固体は室温および95℃の間の温度にて金属Fe、CoおよびNi化合物の1つの水溶液と均一に混合し、次いで、乾燥し、所望により、400−800℃でか焼する。得られた固体は室温および95℃の間の温度にて金属Zn、Mn、GaおよびSn化合物の1つの水溶液と均一に混合し、次いで、乾燥し、所望によりか焼する。前記3つの混合工程の順序は任意とすることができる。
【0044】
態様3:アンモニウム交換ゼオライトフィルターケーキをリン化合物と、金属Fe、CoおよびNi化合物の1つ、および金属Zn、Mn、GaおよびSn化合物の1つの混合水溶液と室温および95℃の間の温度で均一に混合し、次いで、乾燥し、所望によりか焼する。
【0045】
態様4:アンモニウム交換ゼオライトフィルターケーキおよびリン化合物の水溶液を室温および95℃の間の温度で均一に混合し、次いで、乾燥し、所望により、400−800℃の温度でか焼する。得られた固体を金属Fe、CoおよびNi化合物の1つの水溶液、または金属Zn、Mn、GaおよびSn化合物の1つの水溶液、または金属Fe、CoおよびNi化合物の1つ、および金属Zn、Mn、GaおよびSn化合物の1つの混合水溶液と1:5−20の固体/液体比率で均一に混合し、次いで、80−95℃の温度、4−7のpH値にて、攪拌しつつ2−3時間交換し、濾過し、乾燥し、所望により、か焼する。該イオン交換は数時間反復することができる。
【0046】
式(II)のリンおよび遷移金属を含有する該MFI−構造ゼオライトに関して、それは、以下のプロセスによって製造することができる:希土類を含有するまたは含有しないMFI−構造ゼオライト、およびリン化合物の水溶液を室温および95℃の間の温度で均一に混合し、次いで、乾燥し、400−800℃でか焼する。得られた固体を遷移金属Mの化合物の水溶液と室温95℃の間の温度で均一に混合し、次いで、乾燥する。別法として、希土類を含有するまたは含有しないMFI−構造ゼオライト、および遷移金属Mの化合物の水溶液を室温および95℃の間の温度で均一に混合し、次いで、乾燥する。得られた固体をリン化合物の水溶液と室温および95℃の間の温度で均一に混合し、次いで、乾燥する。別法として、希土類を含有するまたは含有しないMFI−構造ゼオライト、および遷移金属Mの化合物およびリン化合物の混合水溶液を室温および95℃の間の温度にて均一に混合し、次いで、乾燥する。別法として、希土類を含有するまたは含有しないMFI−構造ゼオライトおよびリン化合物の水溶液を室温および95℃の間の温度にて均一に混合し、次いで、乾燥し、400−800℃の温度でか焼する。得られた固体を遷移金属Mの化合物の水溶液と1:5−20の固体/液体比率にて均一に混合し、次いで、80−95℃の温度、4−7のpH値にて、攪拌しつつ2−3時間少なくとも1回交換し、次いで、濾過し、乾燥する。
【0047】
該リン化合物は水溶性リン化合物、好ましくはリン酸、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウムおよびリン酸アンモニウムから選択される1以上である。
【0048】
該Fe、CoおよびNi化合物およびZn、Mn、GaおよびSn化合物は、それらの硫酸塩、硝酸塩および塩化物のようなそれらの水溶性塩から選択される1つである。遷移金属Mの該化合物は、遷移金属Mの塩化物、硝酸塩、硫酸塩または炭酸塩の1以上などのその水溶性の塩から選択される。好ましくは、遷移金属Mの該化合物は硫酸第二鉄、硫酸第一鉄、硝酸第二鉄、塩化第二鉄、塩化第一鉄、硫酸コバルト、硝酸コバルト、塩化コバルト、硫酸ニッケル、硝酸ニッケルおよび塩化ニッケルよりなる群から選択される1以上である。
【0049】
含浸またはイオン交換後の該乾燥の方法は風乾、ベイキングなどのようないずれの乾燥方法であっても良い。乾燥温度は室温および400℃の間の温度、好ましくは100−200℃の温度であり得る。乾燥後におけるか焼温度は一般的なか焼温度、通常は、400−800℃、好ましくは450−700℃である。
【0050】
種々の化合物の量は、リンおよび遷移金属を含有する得られたMFI−構造ゼオライトの組成がゼオライトの無水状態での化学式に適合することを確認すべきである。もしその中のナトリウムの含有量が要件を満たさなければ、洗浄、またはアンモニウム交換を行うことによってアトリウムを除去することができる。洗浄、またはアンモニウム交換を行うことによってナトリウムを除去する方法は当業者に知られている。
【0051】
炭化水素油を変換するための本発明によって提供される方法は、ライザーリアクター(riser reactor)、流動床リアクター、固定床リアクター、または移動床リアクターのような種々のリアクター中で行うことができる。
【0052】
該接触条件は450−750℃の一定温度、4−40の触媒/油重量比率、および供給油の1−100重量%の蒸気量を含む。好ましくは、該接触条件は500−700℃の接触温度、5−30の触媒/油重量比、および供給油の10−90重量%の蒸気量を含む。
【0053】
流動床リアクター、固定床リアクター、または移動床リアクターでは、該接触条件は5−30時間-1(h-1)、好ましくは5−25時間-1(h-1)の重量時間空間速度(weight hourly space velocity)も含む。ライザーリアクターでは、該接触条件は0.1−5.0秒、好ましくは0.2−3.5秒の反応時間も含む。
【0054】
本発明によって提供される触媒は、軽質オレフィンを製造し、軽質オレフィンの収率を増加させ、特に、プロピレンおよびエチレンの収率を増大させ、同時にガソリン中の軽質芳香族の含有量を増加させるための従前の接触クラッキングまたは接触熱分解技術で用いることができる。この触媒は、重質油留分を軽質オレフィン、特にプロピレンおよびエチレン、および軽質芳香族に変換するための新しいタイプの炭化水素変換技術で用いることもできる。
【0055】
炭化水素油を変換するための本発明によって提供される製法は種々の炭化水素油を接触変換して、軽質オレフィン、特にプロピレンおよびエチレンを生じさせ、同時にガソリン中の軽質芳香族の含有量を増加させ、あるいは軽質オレフィン、特にプロピレンおよびエチレン、および軽質芳香族を製造することができる。そのような炭化水素油は石油およびその種々の留分、特に、石油、および大気圧残渣、真空残渣、真空ガス油、大気圧ガス油、ストレート−ラン(straight-run)ガス油、脱アスファルト化油、およびコーカー(coker)ガス油のような、330℃よりも高い沸点を持つ留分から選択される1以上である。
【実施例】
【0056】
以下の実施例は本発明をさらに記載するが、それにより、本発明を限定するものではない。
【0057】
実施例1ないし8は、式(I)のリンおよび遷移金属を含有するMFI−構造ゼオライトおよびそれらの製造プロセスを示す。
【0058】
実施例1’ないし8’は式(II)のリンおよび遷移金属を含有するMFI−構造ゼオライト、およびそれらの製造プロセスを示す。
【0059】
実施例1
2kgのNH4Clを100kgの水に溶解させ、10kg(乾燥ベース)のZRP−1ゼオライト(The Zhoucun Catalyst Plant, Qilu Petrochemical Co.で生産された、希土類を含有するMFI−構造ゼオライトであり、30のSiO2/Al23モル比、4.0重量%の希土類酸化物RE23の含有量を持ち、ここで、酸化ランタンの含有量が2.12重量%、セリウム酸化物の含有量が0.52重量%、他の希土類酸化物含有量が1.36重量%、およびNa2Oの含有量が1.7重量%である)をこの溶液に加え、90℃で0.5時間のイオン交換に付し、次いで、濾過してフィルターケーキを得た。0.34kgのH3PO4、0.29kgのFe(NO33および1.5kgのZn(NO32を含有する9.8kg混合溶液を該ケーキと均一に混合し、120℃で乾燥し、550℃で2時間か焼して、リンならびに金属の鉄および亜鉛を含有するMFI−構造ゼオライト、Z1を得た。Z1の無水状態での化学式は0.1Na2O・4.9Al23・2.4P25・0.9Fe23・0.6ZnO・3.8RE23・87.3SiO2であった。リンおよび鉄および亜鉛の金属を含有するMFI−構造ゼオライトの無水状態での化学式は、まず、X線蛍光分光測定によってゼオライトの元素組成を決定し、次いで、計算することによって得られた。
【0060】
実施例2
5kgのNH4Clを100kgの水に溶解させ、10kg(乾燥ベース)のZRP−1ゼオライト(実施例1と同一)をこの溶液に加え、85℃で0.5時間のイオン交換に付し、次いで、濾過して、フィルターケーキを得た。得られたフィルターケーキを、0.8kgのNH42PO4を含有する6.8kgの溶液と均一に混合し、120℃で乾燥し、550℃で2時間か焼した。か焼した試料を、5:1の液体/固体比率で、6.5重量%のFeCl3および4.7重量%のZnCl2の混合溶液での80−90℃で2時間のイオン交換に付し、次いで、濾過し、目標の量が達成されるまで同一条件下でイオン交換に付し、120℃で乾燥し、550℃で2時間再度か焼して、リンならびに鉄および亜鉛の金属を含有するMFI−構造ゼオライト、Z2を得た。Z2の無水状態での化学式は0.03Na2O・4.7Al23・4.5P25・1.6Fe23・1.4ZnO・3.7RE23・84.1SiO2であった。
【0061】
実施例3
2kgのNH4Clを100kgの水に溶解させ、10kgの(乾燥ベースの)ZRP−5ゼオライト(The Zhoucun Catalyst Plant, Qilu Petrochemical Co.で生産された、MFI−構造ゼオライトであり、そのSiO2/Al23モル比は60である)をこの溶液に加え、90℃で0.5時間のイオン交換に付し、次いで、濾過して、フィルターケーキを得た。得られたフィルターケーキを、0.69kgのNH42PO4を含有する6.7kgの溶液と均一に混合し、120℃で乾燥した。乾燥した試料、2.26kgのFeSO4を含有する11.3kgの溶液と均一に混合し120℃で乾燥し、550℃で2時間か焼した。か焼した試料、0.47kgのZnSO4を含有する9.5kgの溶液と均一に混合し、120℃で乾燥し、550℃で2時間か焼して、リンならびに鉄および亜鉛の金属を含有するMFI−構造ゼオライト、Z3を得た。Z3の無水状態での化学式は0.1Na2O・2.3Al23・3.6P25・10.0Fe23・2.0ZnO・82.0SiO2であった。
【0062】
実施例4
8kgのNH4Clを100kgの水に溶解させ、10kg(乾燥ベース)のZRP−5ゼオライト(実施例3と同一)をこの溶液に加え、85℃で0.5時間のイオン交換に付し、次いで、濾過して、フィルターケーキを得た。得られたフィルターケーキを、0.69kgのNH42PO4を含有する6.7kgの溶液と均一に混合し、120℃で乾燥した。乾燥した試料、0.49kgのFe(NO33および0.24kgのMn(NO32を含有する9.7kgの混合溶液と均一に混合し、120℃で乾燥し、600℃で2時間か焼して、リンならびに鉄およびマンガンの金属を含有するMFI−構造ゼオライト、Z4を得た。Z4の無水状態での化学式は0.1Na2O・2.6Al23・4.0P25・1.5Fe23・1.1Mn23・90.7SiO2であった。
【0063】
実施例5
8kgのNH4Clを100kgの水に溶解させ、10kgの(乾燥ベースの)ZRP−5ゼオライト(The Zhoucun Catalyst Plant, Qilu Petrochemical Co.で生産されたMFI−構造ゼオライトであり、そのSiO2/Al23モル比は70である)をこの溶液に加え、85℃で0.5時間のイオン交換に付し、次いで、濾過して、フィルターケーキを得た。得られたフィルターケーキを、0.26kgのNH42PO4を含有する6.3kgの溶液と均一に混合し、120℃で乾燥した。乾燥した試料を、0.82kgのCo(NO32および0.24kgのMn(NO32を含有する10.1kgの溶液と均一に混合し120℃で乾燥し、600℃で2時間か焼してリンならびにコバルトおよびマンガンの金属を含有するMFI−構造ゼオライト、Z5を得た。Z5の無水状態での化学式は0.1Na2O・2.2Al23・1.5P25・3.5Co23・1.1Mn23・91.6SiO2であった。
【0064】
実施例6
8kgのNH4Clを100kgの水に溶解させ、10kg(乾燥ベース)のZRP−5ゼオライト(実施例3と同一)をこの溶液に加え、85℃で0.5時間のイオン交換に付し、次いで、濾過して、フィルターケーキを得た。得られたフィルターケーキを、0.70kgの(NH42HPO4を含有する6.7kgの溶液と均一に混合し、120℃で乾燥した。乾燥した試料を、0.52kgのNi(NO32および0.22kgのMn(NO32を含有する9.7kgの混合溶液と均一に混合し、120℃で乾燥し、600℃で2時間か焼して、リンならびにニッケルおよびマンガンの金属を含有するMFI−構造ゼオライト、Z6を得た。Z6の無水状態での化学式は0.1Na2O・2.6Al23・3.5P25・2.0NiO・1.0Mn23・90.8SiO2であった。
【0065】
実施例7
8kgのNH4Clを100kgの水に溶解させ、10kg(乾燥ベース)のZRP−1ゼオライト(実施例1と同一)をこの溶液に加え、85℃で0.5時間のイオン交換に付し、次いで、濾過して、フィルターケーキを得た。得られたフィルターケーキを、0.47kgの(NH42HPO4を含有する6.5kgの溶液と均一に混合し、120℃で乾燥した。乾燥した試料を、0.51kgのFe(NO33および0.32kgのGa(NO33を含有する9.8kgの混合溶液と均一に混合し、120℃で乾燥し、600℃で2時間か焼して、リンならびに鉄およびガリウムの金属を含有するMFI−構造ゼオライト、Z7を得た。Z7の無水状態での化学式は0.1Na2O・4.9Al23・2.4P25・1.6Fe23・1.1Ga23・3.8RE23・86.1SiO2であった。
【0066】
実施例8
8kgのNH4Clを100kgの水に溶解させ、10kg(乾燥ベース)のZRP−5ゼオライト(実施例3と同一)をこの溶液に加え、85℃で0.5時間のイオン交換に付し、次いで、濾過して、フィルターケーキを得た。得られたフィルターケーキを、0.95kgのNH42PO4を含有する7.0kgの溶液と均一に混合し、120℃で乾燥した。乾燥した試料、0.35kgのFeCl3および0.14kgのSnCl2を含有する9.5kgの混合溶液と均一に混合し、120℃で乾燥し、600℃で2時間か焼して、リンならびに鉄およびスズの金属を含有するMFI−構造ゼオライト、Z8を得た。Z8の無水状態での化学式は0.07Na2O・2.5Al23・5.4P25・1.6Fe23・1.0SnO2・89.4SiO2であった。
【0067】
実施例1’
2kgのNH4Clを100kgの水に溶解させ、10kg(乾燥ベース)のZRP−1ゼオライト(実施例1と同様)をこの溶液に加え、90℃で0.5時間のイオン交換に付し、次いで、濾過して、フィルターケーキを得た。0.34kgのH3PO4、0.48kgのFe(NO33を含有する9.88kgの混合溶液を該ケーキと均一に混合し、120℃で乾燥し、550℃で2時間か焼して、リンならびに金属鉄を含有するMFI−構造ゼオライト、Z1’を得た。Z1’の無水状態での化学式は0.1Na2O・4.9Al23・2.4P25・1.5Fe23・3.8RE23・87.3SiO2であった。
【0068】
実施例2’
5kgのNH4Clを100kgの水に溶解させ、10kg(乾燥ベース)のZRP−1ゼオライト(実施例1と同一)をこの溶液に加え、85℃で0.5時間のイオン交換に付し、次いで、濾過して、フィルターケーキを得た。得られたフィルターケーキを、0.8kgのNH42PO4を含有する6.8kgの溶液と均一に混合し、120℃で乾燥し、550℃で2時間か焼した。か焼した試料を、5:1の液体/固体比率で5重量%のFe(NO33の溶液で80−90℃で2時間のイオン交換に付し、次いで、濾過し、目標量の鉄が得られるまで、同一条件下でイオン交換に付し、120℃で乾燥し、550℃で2時間再度か焼して、リンおよび金属鉄を含有するMFI−構造ゼオライト、Z2’を得た。Z2’の無水状態での化学式は0.03Na2O・4.7Al23・4.5P25・3.0Fe23・3.7RE23・84.1SiO2であった。
【0069】
実施例3’
2kgのNH4Clを100kgの水に溶解させ、10kg(乾燥ベース)のZRP−5ゼオライト(実施例3と同一)をこの溶液に加え、90℃で0.5時間のイオン交換に付し、次いで、濾過して、フィルターケーキを得た。得られたフィルターケーキを、0.32kgのH3PO4および3.42kgのFe(NO33を含有する12.8kgの溶液と均一に混合し、120℃で乾燥し、550℃で2時間か焼して、リンおよび金属鉄を含有するMFI−構造ゼオライト、Z3’を得た。Z3’の無水状態での化学式は0.1Na2O・2.4Al23・2.0P25・10Fe23・85.5SiO2であった。
【0070】
実施例4’
8kgのNH4Clを100kgの水に溶解させ、10kg(乾燥ベース)のZRP−5ゼオライト(実施例3と同一)をこの溶液に加え、85℃で0.5時間のイオン交換に付し、次いで、濾過して、フィルターケーキを得た。得られたフィルターケーキを、0.89kgのNH42PO4を含有する6.89kgの溶液と均一に混合し、120℃で乾燥した。乾燥した試料を、0.52kgのFeSO4・6H2Oを含有する9.52kgの溶液と均一に混合し、120℃で乾燥し、600℃で2時間か焼して、リンおよび金属鉄を含有するMFI−構造ゼオライト、Z4’を得た。Z4’の無水状態での化学式は0.1Na2O・2.6Al23・5.1P25・1.5Fe23・90.7SiO2であった。
【0071】
実施例5’
8kgのNH4Clを100kgの水に溶解させ、10kg(乾燥ベース)のZRP−5ゼオライト(実施例5と同一)をこの溶液に加え、85℃で0.5時間のイオン交換に付し、次いで、濾過して、フィルターケーキを得た。得られたフィルターケーキを、0.89kgのNH42PO4を含有する6.89kgの溶液と均一に混合し、120℃で乾燥した。乾燥した試料、0.35kgのFeSO4・6H2Oを含有する9.35kgの溶液と均一に混合し、120℃で乾燥し、600℃で2時間か焼して、リンおよび金属鉄を含有するMFI−構造ゼオライト、Z5’を得た。Z5’の無水状態での化学式は0.1Na2O・2.2Al23・5.1P25・1.0Fe23・91.6SiO2であった。
【0072】
実施例6’
8kgのNH4Clを100kgの水に溶解させ、10kg(乾燥ベース)のZRP−5ゼオライト(実施例3と同一)をこの溶液に加え、85℃で0.5時間のイオン交換に付し、次いで、濾過して、フィルターケーキを得た。得られたフィルターケーキを、0.9kgの(NH42HPO4を含有する6.9kgの溶液と均一に混合し、120℃で乾燥した。乾燥した試料、0.83kgのNi(NO32・6H2Oを含有する9.83kgの溶液と均一に混合し、120℃で乾燥し、600℃で2時間か焼して、リンおよび金属ニッケルを含有するMFI−構造ゼオライト、Z6’を得た。Z6’の無水状態での化学式は0.1Na2O・2.6Al23・4.5P25・2.0NiO・90.8SiO2であった。
【0073】
実施例7’
8kgのNH4Clを100kgの水に溶解させ、10kg(乾燥ベース)のZRP−1ゼオライト(実施例1と同一)をこの溶液に加え、85℃で0.5時間のイオン交換に付し、次いで、濾過して、フィルターケーキを得た。得られたフィルターケーキを、0.84kgの(NH)2HPO4を含有する6.84kgの溶液と均一に混合し、120℃で乾燥した。乾燥した試料、0.39kgのNi(NO32・6H2Oを含有する9.39kgの溶液と均一に混合し、120℃で乾燥し、600℃で2時間か焼して、リンおよび金属ニッケルを含有するMFI−構造ゼオライト、Z7’を得た。Z7’の無水状態での化学式は0.1Na2O・4.9Al23・4.1P25・1.0NiO3・3.8RE23・86.1SiO2であった。
【0074】
実施例8’
8kgのNH4Clを100kgの水に溶解させ、10kg(乾燥ベース)のZRP−5ゼオライト(実施例3と同一)をこの溶液に加え、85℃で0.5時間のイオン交換に付し、次いで、濾過して、フィルターケーキを得た。得られたフィルターケーキを、0.89kgのNH42PO4を含有する6.89kgの溶液と均一に混合し、120℃で乾燥した。乾燥した試料、1.06kgのFeSO4・6H2Oを含有する10.06kgの溶液と均一に混合し、120℃で乾燥し、600℃で2時間か焼して、リンおよび金属鉄を含有するMFI−構造ゼオライト、Z8’を得た。Z8’の無水状態での化学式は0.07Na2O・2.5Al23・5.0P25・3.0Fe23・89.4SiO2であった。
【0075】
実施例9
本実施例は、本発明によって提供される触媒およびその製造方法を説明する。
【0076】
0.34kgのBa(NO32を18kgの脱カチオン水に溶解させ、それに、4.2kgのハロサイト(Suzhou Kaolin Co.の産業製品であり、71.6重量%の固形物含有量を持つもの)を加え、スラリー化した。得られたスラリーに、3.2kgの擬ベーマイトを加えた(Shandong Alumina Plantの産業製品で、62.0重量%の固形物含有量を持つもの)、pH値を塩酸で2に調整した。スラリーを均一に攪拌し、熟成のために70℃に1時間保ち、次いで、3.7kgのアルミナゾル(Zhoucun Catalyst Plant, Qilu Petrochemical Co.の製品で、21.5重量%のAl23含有量を持つものであり、熟成の前および後に加えた耐熱性無機酸化物の前駆体の量は、熟成の前および後に加えた耐熱性無機酸化物の比率を1:0.4となるようにした)を加えた。均一に攪拌した後、実施例1で調製したリンならびに金属鉄および亜鉛を含有する3.5kg(乾燥ベース)のMFI−構造ゼオライト、Z1、および0.5kg(乾燥ベース)超安定性ゼオライト−Y(Zhoucun Catalyst Plant, Qilu Petrtochemical Co.の産業型番DASY2.0の製品で、2.446nmの単位セルサイズ、および2.0重量%の希土類酸化物RE23の含有量を持つ、ここで、酸化ランタンの含有量は1.06重量%であり、酸化セリウムの含有量は0.26重量%であり、他の希土類酸化物の含有量は0.68重量%である)の混合物を水でスラリー化することによって得られた11.4kgのスラリーを加え、均一に混合して、24.5重量%の固形物含有量を持つスラリーを得た。得られたスラリーを噴霧乾燥し、250℃で20−150μmの直径を持つ粒子に成型し、これを、550℃で2時間か焼して、本発明によって提供される触媒C1を得た。C1の組成は表1に示される。
【0077】
実施例10
本実施例は、本発明によって提供される触媒およびその製法を説明する。
【0078】
0.34kgのBa(NO32を0.46kgのLaCl3・7H2Oによって置き換えること、および、Z1を、実施例2で製造した、リンならびに金属鉄および亜鉛を含有する等量のMFI−構造ゼオライトZ2によって置き換えること以外は実施例9の方法に従って触媒C2を製造した。C2の組成は表1に示される。
【0079】
実施例11
本実施例は本発明によって提供される触媒およびその製法を説明する。
【0080】
0.34kgのBa(NO32を0.17kgのBa(NO32および0.34kgのFeCl3・6H2Oによって置き換えること、および、かつZ1を、実施例7で製造した、リンならびに金属鉄およびガリウムを含有する等量のMFI−構造ゼオライトZ7によって置き換える以外は実施例9の方法に従って触媒C3を製造した。C3の組成は表1に示される。
【0081】
実施例9’
本実施例は、本発明によって提供される触媒および製法を説明する。
【0082】
Z1を、実施例1’で製造したリンおよび金属鉄を含有する等量のMFI−構造ゼオライトZ1’で置き換える以外は実施例9の方法に従って触媒C1’を製造した。C1’の組成は表1に示される。
【0083】
実施例10’
本実施例は、本発明によって提供される触媒およびその製法を説明する。
【0084】
Z2を、実施例2’で調製した、リンおよび金属鉄を含有する等量のMFI−構造ゼオライトZ2’によって置き換える以外は実施例10の方法に従って触媒C2’を製造した。C2’の組成は表1に示される。
【0085】
実施例11
本実施例は、本発明によって提供される触媒およびその製法を説明する。
【0086】
Z7を、実施例7’で調製された、リンおよび金属ニッケルを含有する等量のMFI−構造ゼオライトZ7’によって置き換える以外は実施例11の方法に従って触媒C3’を製造した。C3’の組成は表1に示される。
【0087】
比較例1
本比較例は、リンおよび遷移金属を含有しないMFI−構造ゼオライトを含有する比較触媒、およびその製法を説明する。
【0088】
実施例1で調製した、リンならびに金属鉄および亜鉛を含有するMFI−構造ゼオライトZ1を、ZRP−1ゼオライト(実施例1と同一)によって置き換える以外は実施例9の方法に従って比較触媒CB1を製造した。CB1の組成は表1に示される。
【0089】
比較例2
本比較例は、助触媒成分を含有しない比較触媒、およびその製法を説明する。
【0090】
Ba(NO32を加えず、アルミナゾルの量を4.7kgとした以外は実施例9の方法に従って比較触媒CB2を製造した。CB2の組成は表1に示される。
【0091】
比較例3
本比較例は、リンおよび遷移金属を含有しないMFI−構造ゼオライトを含有する、および助触媒成分を含有しない比較触媒、ならびにその製法を説明する。
【0092】
Ba(NO32を加えず、アルミナゾルの量を4.7kgとし、および実施例1で調製したリンおよび金属鉄および亜鉛を含有するMFI−構造ゼオライトZ1をZRP−1ゼオライト(実施例1と同一)によって置き換える以外は実施例9の方法に従って比較触媒CB3を製造した。CB3の組成は表1に示される。
【0093】
【表1】

【0094】
実施例12
本実施例は、本発明によって提供される触媒およびその製法を説明する。
【0095】
0.17kgのBa(NO32を12.5kgの脱カチオン水に溶解させ、これに、4.0kgの擬ベーマイト(実施例9と同一)を加え、pH値を硝酸で2に調整した。得られたスラリーを均一に混合し、熟成のために50℃で5時間保って、熟成された生成物を得た。
【0096】
1.9kgのアルミナゾル(実施例9と同一、熟成の前および後に加えられた耐熱性無機酸化物の前駆体は、熟成の前および後に加えた耐熱性無機酸化物の重量比を1:0.16となるようにした)を2.5kgの脱カチオン水に加え、これに、4.0kgのカオリン(Suzhou Kaolin Co.によって製造された、76重量%の固形物含有量を持つ)を加え、スラリー化し、均一に攪拌した。前記した熟成された生成物、次いで、3kg(乾燥ベース)の実施例3で調製されたリンならびに金属鉄および亜鉛を含有するMFI−構造ゼオライトZ3、および1kg(乾燥ベース)の超安定性ゼオライト−Y(Zhoucun Catalyst Plant, Qilu Petrochemical Co.の産業型番USYの製品で2.445nmの単位セルサイズ、0.36重量%の酸化ナトリウムの含有量を持つもの)を水でスラリー化することによって得られた11.0kgのスラリーを加え、均一に混合して、27.4重量%の固形物含有量を持つスラリーを得た。得られたスラリーを噴霧乾燥し、220℃で20−150μmの直径を持つ粒子に成型し、これを、520℃で4時間か焼して、本発明によって提供される触媒C4を得た。C4の組成は表2に示される。
【0097】
実施例13
本実施例は、本発明によって提供される触媒およびその製法を説明する。
【0098】
0.17kgのBa(NO32を18kgの脱カチオン水に溶解させ、これに、3.0kgのハロサイト(実施例9と同一)および0.9kgのモンモリロナイト(Zhejiang Fenghong Chemical Clay Ltd.によって製造された、95重量%の固形物含有量を持つ)を加え、スラリー化した。次いで、4.0kgの擬ベーマイト(実施例9と同一)を加え、pH値を塩酸で3.5に調整した。得られたスラリーを均一に攪拌し、Ba(NO32のそれと等しいモル量の硫酸を加え、バリウムが完全に硫酸バリウム沈殿を形成するようにした。スラリーを熟成のために75℃で5時間保ち、これに1.8kgのアルミナゾル(実施例9と同一、熟成の前および後に加えた耐熱性無機酸化物の前駆体は、熟成の前および後に加えた耐熱性無機酸化物の重量比が1:0.16となるようにした)を加え、均一に攪拌した。次いで、3.0kg(乾燥ベース)の実施例4で調製されたリンならびに金属鉄およびマンガンを含有するMFI−構造ゼオライトZ4、および1.0kg(乾燥ベース)の希土類含有ゼオライト−HY(Zhoucun Catalyst Plant, Qilu Petrochemical Co.の産業型番REHYの製品で、2.465nmの単位セルサイズ、3.2重量%のナトリウム酸化物の含有量、7.0重量%の希土類酸化物の含有量を持つ、ここで、ランタン酸化物の量は3.71重量%であり、酸化セリウムの含有量は0.91重量%であり、他の希土類酸化物の量は2.38重量%である)を水でスラリー化することによって得られた11.4kgのスラリーを加え、均一に攪拌して、25.5重量%の固形物含有量のスラリーを得た。得られたスラリーを噴霧乾燥し、280℃で20−150μmの直径を持つ粒子に成型し、これを580℃で2.5時間か焼して、本発明によって提供される触媒C5を得た。C5の組成は表2に示される。
【0099】
実施例14
本実施例は、本発明によって提供される触媒およびその製法を説明する。
【0100】
0.22kgのCeCl3・7H2Oを5.0kgの脱カチオン水に溶解させ、7.0kgのハロサイト(実施例9と同一)に得られた溶液を含浸させ、次いで、120℃で乾燥して、2.0重量%のCeO2を含有するハロサイトを得た。
【0101】
前記で製造したCeO2含有ハロサイトを21.8kgの脱カチオン水に加え、スラリー化し、これに、3.9kgの擬ベーマイト(実施例9と同一、耐熱性無機酸化物の前駆体は全て熟成の前に加えた)をさらに加え、pH値を塩酸で3に調整した。得られたスラリーを均一に攪拌し、熟成のために60℃で2時間保ち、2.0kg(乾燥ベース)の実施例5で調製したリンならびに金属コバルトおよびマンガンを含有するMFI−構造ゼオライトZ5、および0.5kg(乾燥ベース)の超安定性ゼオライト−Y(実施例9と同一)を水でスラリー化することによって得られた7.2kgのスラリーを加え、均一に攪拌して、25.2重量%の固形物含有量を持つスラリーを得た。得られたスラリーを噴霧乾燥し、250℃で20−150μmの直径を持つ粒子に成型し、これを、600℃で1時間か焼して、本発明によって提供される触媒C6を得た。C6の組成は表2に示される。
【0102】
実施例15
本実施例は、本発明によって提供される触媒およびその製法を説明する。
【0103】
1.44kgのZr(SO42・4H2Oを18kgの脱カチオン水に溶解させ、これに、5.6kgのハロサイト(実施例9と同一)を加え、スラリー化し、3.2kgの擬ベーマイト(実施例9と同一)をさらに加え、pH値を塩酸で4に調整した。得られたスラリーを均一に攪拌し、熟成のために60℃で1時間保ち、2.3kgのアルミナゾル(実施例9と同一、熟成の前および後に加えた耐熱性無機酸化物の前駆体は、熟成の前および後に加えた耐熱性無機酸化物の重量比率は1:0.25となるようにした)を加え、均一にスラリー化した。次いで、2.5kg(乾燥ベース)の実施例6で調製されたリンならびに金属ニッケルおよびマンガンを含有するMFI−構造ゼオライトZ6、および0.5kg(乾燥ベース)の超安定ゼオライト−Y(実施例9と同一)を水でスラリー化することによって得られた8.6kgスラリーを加え、均一に攪拌して、25.6重量%の固形物含有量を持つスラリーを得た。得られたスラリーを噴霧乾燥し、220℃において20−150μmの直径を持つ粒子に成型し、これを、550℃で2時間か焼して、本発明によって提供される触媒C7を得た。C7の組成は表2に示される。
【0104】
実施例16
本実施例は、本発明によって提供される触媒およびその製法を説明する。
【0105】
0.43kgのBa(NO32および0.57kgのLaCl3・7H2Oを12kgの脱カチオン水に溶解させ、これに、3.2kgの擬ベーマイト(実施例9と同一)に加え、スラリー化し、pH値を塩酸で3に調整した。得られたスラリーを均一化し、熟成のために55℃で6時間保ち、25.0kgのシリカゾル(Beijing Chemical Plantによって製造された16.6重量%のシリカ含有量を持つ)および2.5kgアルミナゾル(実施例9と同一、熟成の前および後に加えた耐熱性無機酸化物の前駆体は、熟成の前および後に加えた耐熱性無機酸化物の重量比率が1:2.25となるようにした)を加え、均一に混合し、次いで、3.0kg(乾燥ベース)の実施例8で調製されたリンならびに金属鉄およびスズを含有するMFI−構造ゼオライトZ8を水でスラリー化することによって得られた8.6kgスラリーを加え、均一にスラリー化して、19.2重量%の固形物含有量を持つスラリーを得た。スラリーを噴霧乾燥し、250℃で20−150μmの直径を持つ粒子に成型し、これを、550℃で2時間か焼して、本発明によって提供される触媒C8を得た。C8の組成は表2に示される。
【0106】
実施例12’
本実施例は、本発明によって提供される触媒およびその製法を説明する。
【0107】
Z3を、実施例3’で調製したリンおよび金属鉄を含有する等量のMFI−構造ゼオライトZ3’によって置き換える以外は実施例12の方法に従って触媒C4’を調製した。C4’組成は表2に示される。
【0108】
実施例13’
本実施例は、本発明によって提供される触媒およびその製法を説明する。
【0109】
Z4を、実施例4’で調製したリンおよび金属鉄を含有する等量のNFI−構造ゼオライトZ4’で置き換える以外は実施例13の方法に従って触媒C5’を調製した。C5’の組成は表2に示される。
【0110】
実施例14’
本実施例は、本発明によって提供される触媒およびその製法を説明する。
【0111】
Z5を、実施例5’で調製したリンおよび金属鉄を含有する等量のMFI−構造ゼオライトZ5’によって置き換える以外は実施例14の方法に従って触媒C6’を調製した。C6’の組成は表2に示される。
【0112】
実施例15’
本実施例は、本発明によって提供される触媒およびその製法を説明する。
【0113】
Z6を、実施例6’で調製したリンおよび金属鉄を含有する等量のMFI−構造ゼオライトZ6’によって置き換える以外は実施例15の方法に従って触媒C7’を調製した。C7’の組成は表2に示される。
【0114】
実施例16’
本実施例は、本発明によって提供される触媒およびその製法を説明する。
【0115】
Z8を、実施例8’で調製したリンおよび金属鉄を含有する等量のMFI−構造ゼオライトZ8’によって置き換える以外は実施例16の方法に従って触媒C8’を調製した。C8’の組成は表2に示される。
【0116】
【表2】

【0117】
実施例17ないし19
以下の実施例は、本発明によって提供された触媒の性能を示す。
【0118】
触媒C1ないしC3を800℃にて17時間100%蒸気で事前処理し、180gの量にて小さな流動床リアクターに詰め、次いで、表3に示した真空ガス油および蒸気の混合物を580℃の反応温度、10の触媒/油重量比率、10時間-1(h-1)の重量時間空間速度にて導入し、ここで、スチームの量は真空ガス油の25重量%である。結果を表4に示す。
【0119】
実施例17’ないし19’
以下の実施例は、本発明によって提供された触媒の性能を示す。
【0120】
用いた触媒が触媒C1’、C2’およびC3’である以外は、同一の供給油にて実施例17の方法に従って接触変換を行った。結果を表4に示す。
【0121】
比較例4ないし6
以下の比較例は、参照触媒の性能を示す。
【0122】
用いた触媒が比較触媒CB1、CB2およびCB3であった以外は、同一供給油にて実施例17の方法に従って触媒変換を行った。結果を表4に示す。
【0123】
【表3】

【0124】
【表4】

【0125】
表4中の結果は、同一条件において予備処理され、同一量のゼオライトを含有する、リンおよび遷移金属を含有しないMFI−構造ゼオライト触媒と比較して、本発明によって提供された触媒は重油を変換する実質的により高い能力、クラッキングされたガス、特に、プロピレン、エチレンおよびBTXのより高い収率を有したことを示す。同一含有量および同一タイプのゼオライトを含有するが、助触媒成分を含有しない触媒と比較して、本発明によって提供された触媒はプロピレン、エチレンおよびBTXのより高い収率、およびコークスのより低い収率を有した。これは、本発明によって提供される触媒が優れた活性安定性および選択性を有したことを示す。
【0126】
実施例20ないし24
以下の実施例は、本発明によって提供される触媒の性能を示す。
【0127】
触媒C1を、各々、触媒C4ないしC8によって置き換え、かつ用いた供給油が表3に示される大気圧残渣(atmospheric residuum)であった以外は実施例17の方法に従って接触変換を行った。反応条件および結果を表5に示す。
【0128】
実施例20’ないし24’
以下の実施例は、本発明によって提供される触媒の性能を示す。
【0129】
触媒C1を、各々、触媒C4’ないしC8’によって置き換え、かつ用いた供給油が表3に示される大気圧残渣であった以外は実施例17の方法に従って接触変換を行った。反応条件および結果を表5に示す。
【0130】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化水素を変換するためのゼオライト含有触媒であり、その触媒はゼオライト、耐熱性無機酸化物および、所望により、粘土を含有するものであって、
前記ゼオライトは、リンおよび遷移金属を含有するMFI−構造ゼオライト、または、リンおよび遷移金属を含有する前記MFI−構造ゼオライトとマクロポーラスゼオライトとの混合物であって、前記混合物の重量に基づいて、リンおよび遷移金属を含有する前記MFI−構造ゼオライトを75−100重量%、マクロポーラスゼオライトを0−25重量%含むものであり、ここで、酸化物の質量換算で、リンおよび遷移金属を含有する前記MFI−構造ゼオライトは以下の無水状態での化学式を有し、
(0−0.3)Na2O・(0.3−5.5)Al23・(1.0−10)P25・(0.7−15)M1xy・(0.01−5)M2mn・(0−10)RE23・(70−97)SiO2
または
(0−0.3)Na2O・(0.3−5)Al23・(1.0−10)P25・(0.7−15)Mpq・(0−10)RE23・(70−98)SiO2 II
ここで、M1はFe、Co、およびNiから選択される遷移金属であり、M2はZn、Mn、GaおよびSnから選択される遷移金属であり、MはFe、Co、Ni、Cu、Zn、MoまたはMnから選択される遷移金属であり、およびREは土類金属を表し、xは1または2であり、xが1である場合、yの値は遷移金属M1の原子価の半分であり、xが2である場合、yの値は遷移金属M1の原子価であり、mは1または2であり、mが1である場合、nの値は遷移金属M2の原子価の半分であり、mが2である場合、nの値は遷移金属M2の原子価であり、pは1または2であり、pが1である場合、qの値は遷移金属Mの原子価の半分であり、pが2である場合、qの値は遷移金属Mの原子価であり、
また、前記触媒は、元素の周期表のアルカリ土類金属、IVB族金属、VIII族中の非貴金属、および希土類金属よりなる群から選択される1以上のものである助触媒成分を含有し、
前記触媒の重量に基づき、前記触媒が、1−60重量%のゼオライト、0.1−10重量%の助触媒成分、5−98重量%の耐熱性無機酸化物、および酸化物換算で0−70重量%の粘土を含有することを特徴とする触媒。
【請求項2】
請求項1記載の触媒であって、
前記触媒の重量に基づいて、前記触媒が10−50重量%のゼオライト、0.5−8重量%の助触媒成分、10−70重量%の耐熱性無機酸化物、および0−60重量%の粘土を含有することを特徴とする触媒。
【請求項3】
請求項1記載の触媒であって、
酸化物の質量換算で、前記リンおよび遷移金属を含有するMFI―構造ゼオライトは以下の無水状態での化学式:
(0−0.2)Na2O・(0.9−5)Al23・(1.5−7)P25・(0.9−10)M1xy・(0.5−2)M2mn・(0.5−10)RE23・(82−92)SiO2
または
(0−0.2)Na2O・(0.9−5)Al23・(1.5−7)P25・(0.9−10)Mpq・(0.5−10)RE23・(82−92)SiO2 II
を有することを特徴とする触媒。
【請求項4】
請求項1記載の触媒であって、
M1がFeであることを特徴とする触媒。
【請求項5】
請求項1記載の触媒であって、
M2がZnであることを特徴とする触媒。
【請求項6】
請求項1記載の触媒であって、
M1がFeであって、M2がZnであることを特徴とする触媒。
【請求項7】
請求項1記載の触媒であって、
MがFe、CoまたはNiから選択されることを特徴とする触媒。
【請求項8】
請求項1記載の触媒であって、
前記助触媒成分がバリウム、カルシウム、マグネシウム、ジルコニウム、チタン、ランタン、セリウム、鉄、コバルトおよびニッケルよりなる群から選択される1以上のものであることを特徴とする触媒。
【請求項9】
請求項1記載の触媒であって、
前記マクロポーラスゼオライトはフォージャサイト、ゼオライト−L、ゼオライト−β、ゼオライト−Ω、モルデナイト、およびZSN−18ゼオライトよりなる群から選択される1以上のものであることを特徴とする触媒。
【請求項10】
請求項9記載の触媒であって、
前記マクロポーラスゼオライトがゼオライト−Y、リンおよび/または希土類を含有するゼオライト−Y、超安定性ゼオライト−Y、リンおよび/または希土類を含有する超安定性ゼオライト−Y、およびゼオライト−βよりなる群から選択される1以上のものであることを特徴とする触媒。
【請求項11】
請求項1記載の触媒であって、
前記耐熱性無機酸化物がアルミナ、シリカ、および無定形シリカ−アルミナよりなる群から選択される1以上のものであることを特徴とする触媒。
【請求項12】
請求項1記載の触媒であって、
前記粘土がカオリン、ハロサイト、モンモリロナイト、キーゼルグール、エンデライト、サポナイト、レクトライト、セピオライト、アタパルジャイト、ハイドロタルサイト、およびベントナイトよりなる群から選択される1以上のものであることを特徴とする触媒。
【請求項13】
請求項1記載の触媒の製造方法であって、
その方法は、全てまたは一部の耐熱性無機酸化物および/またはその前駆体、水および、所望により、粘土を混合及びスラリー化し、ゼオライトを加え、得られたスラリーを乾燥する処理を含み、
ここで、ゼオライトを添加する前であって粘土を加える前または後に補助化合物を加え、酸を加えそのスラリーのpH値を1−5とし、30−90℃で0.1時間−10時間熟成し、次いで、熟成の後に残りの耐熱性酸化物および/またはその前駆体を加え、
前記ゼオライトは、リンおよび遷移金属を含有するMFI−構造ゼオライト、または、リンおよび遷移金属を含有する前記MFI−構造ゼオライトとマクロポーラスゼオライトとの混合物であって、前記混合物の重量に基づいて、75−100%のリンおよび遷移金属を含有する前記MFI−構造ゼオライトおよび0−25重量%のマクロポーラスゼオライトを含むものであり、
酸化物の質量換算で、リンおよび遷移金属を含有する前記MFI−構造ゼオライトは以下の無水状態での化学式を有し、
(0−0.3)Na2O・(0.3−5.5)Al23・(1.0−10)P25・(0.7−15)M1xy・(0.01−5)M2mn・(0−10)RE23・(70−97)SiO2
または
(0−0.3)Na2O・(0.3−5)Al23・(1.0−10)P25・(0.7−15)Mpq・(0−10)RE23・(70−98)SiO2 II
ここで、M1はFe、Co、およびNiから選択される遷移金属であり、M2はZn、Mn、GaおよびSnから選択される遷移金属であり、MはFe、Co、Ni、Cu、Zn、MoまたはMnから選択される遷移金属であり、およびREは土類金属を表し、xは1または2であり、xが1である場合、yの値は遷移金属M1の原子価の半分であり、xが2である場合、yの値は遷移金属M1の原子価であり、mは1または2であり、mが1である場合、nの値は遷移金属M2の原子価の半分であり、mが2である場合、nの値は遷移金属M2の原子価であり、pは1または2であり、pが1である場合、qの値は遷移金属Mの原子価の半分であり、pが2である場合、qの値は遷移金属Mの原子価であり、
成分の量は、最終触媒が、前記触媒の重量に基づき、1−60重量%のゼオライト、0.1−10重量%の助触媒成分、5−98重量%の耐熱性無機酸化物、および酸化物換算で0−70重量%の粘土を有するようなものであることを特徴とする、方法。
【請求項14】
請求項13記載の方法であって、
熟成の前に、耐熱性無機酸化物および/またはその前駆体の一部をまず加え、熟成の後に、残りの耐熱性無機酸化物および/またはその前駆体を加え、
最初に加えた部分および引き続いて加えた部分は、引き続いて加えた耐熱性無機酸化物に対する最初に加えた耐熱性無機酸化物の重量比が触媒において1:0.1−10となるようにすることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項14記載の方法であって、
前記重量比が1:0.1−5であることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項13記載の方法であって、
前記酸が塩酸、硝酸、リン酸、および1−10の炭素原子を持つカルボン酸よりなる群から選択される1以上のものであって、前記酸の量は前記スラリーのpH値を1.5−4とするものであることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項13記載の方法であって、
前記熟成のための温度が40−80℃であって、前記熟成時間が0.5−8時間であることを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項13記載の方法であって、
前記補助化合物がバリウム、カルシウム、マグネシウム、ジルコニウム、チタン、ランタン、セリウム、鉄、コバルトおよびニッケルのハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、およびリン酸塩よりなる群から選択される1以上のものである方法。
【請求項19】
炭化水素油を触媒と接触させる処理を含む、炭化水素油を変換する方法であって、
前記接触は蒸気雰囲気下で行われ、前記接触の条件は450−750℃の接触温度、4−40の触媒/油重量比率、および炭化水素油の1−100重量%の蒸気量を含み、
前記触媒が請求項1ないし12いずれか記載の触媒であることを特徴とする炭化水素油を変換する方法。
【請求項20】
請求項19記載の方法であって、
前記接触条件が500−700℃の接触温度、5−30の触媒/油重量比、および炭化水素油の10−90重量%の蒸気量を含むことを特徴とする請求項19記載の方法。

【公表番号】特表2007−530266(P2007−530266A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−505361(P2007−505361)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【国際出願番号】PCT/CN2005/000427
【国際公開番号】WO2005/094992
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(502355370)中国石油化工股▲分▼有限公司 (8)
【出願人】(504427813)中国石油化工股▲分▼有限公司石油化工科学研究院 (10)
【Fターム(参考)】