説明

タイヤ監視測定装置及びその使用方法

【課題】操作が簡単で効果が明確であるだけでなくエンコードプログラムを繰り返すことができるタイヤ監視測定装置及びタイヤ監視測定装置の使用方法を提供する。
【解決手段】タイヤ監視測定装置は、ハウジング10、接続ポート、バッテリー30および電源スイッチ31を備える。ハウジング10は、一端に空気口11を有し、頂面に一列の接続用スロット12およびスイッチ孔13を有する。ハウジング10は、内部に回路板20、温度センサー、加速度センサー、電圧測定器、LF伝送インターフェースおよびRF伝送インターフェースを有する。接続ポートは、ハウジング10上の接続用スロット12の位置に対応し、回路板20と外部のコネクター3との接続に用いられる。バッテリー30は、タイヤ監視測定装置に必要な電力を供給する。電源スイッチ31は、バッテリー回路の開閉を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ圧力の測定に関し、詳しくはエンコードプログラムを繰り返すことができるタイヤ監視測定装置およびその使用方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、多くの車両のタイヤには、タイヤ監視測定装置が内蔵されている。タイヤ監視測定装置の機能は、タイヤの温度および圧力などの数値を測定し、測定結果を運転者に提供することによって走行安全性を高める。このような製品の欠点は、車メーカーによってエンコード方式が特定されるため、これらの製品は単一性を呈する。つまり1つの型番の製品は、1つの車メーカーまたは1つか2つの車種にしか適用できない。従ってメンテナンスおよび在庫管理上の大きな問題が生じる。
【0003】
市販の製品の一部は、汎用型無線伝送またはエンコードプラグラムができるタイヤ監視測定装置によって監視測定装置のメモリーに多種のプログラムを予め書き込むものであるが、プロセッサーおよびメモリーの容量は限られるため、単一のタイヤ監視測定装置があらゆる車種に適用できるという求められた通用性を達成することができない。このような製品がオンラインエンコードを行う際、無線オンライン方式を使用する。無線伝送は方向性がないだけでなく、特定された単一のタイヤ監視測定装置に信号を確実に伝送することができないため、作業場で対象外のタイヤ監視測定装置がエンコードされてしまうという問題が発生する。つまり、作業場で対象外のタイヤ監視測定装置もエンコーダの近くにある場合、これらのタイヤ監視測定装置は、エンコーダの信号を受けてエンコードされてしまう。それに対し、有線によってエンコードプログラムを伝送する方式を採用する場合、信頼性および安定性が比較的高い。かつエンコードプログラムを繰り返し焼くことができればメモリー容量が制限されるという問題がなくなる。これらのタイヤ監視測定装置は、給電に用いるバッテリーを備える。バッテリーは開閉動作できないため、タイヤ監視測定装置が使用されるか否かに拘わらず、バッテリーの電力が常に消費される。そのため、損耗、バッテリー液漏出、腐食などの在庫管理問題が発生する。またプログラムの書き込みを行う際、プログラムの書き込み作業の安定性および成功率を確保するには、電力を遮断したうえで作業を進めることが最も好ましいが、従来の製品はこのような需要に対応できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主な目的は、操作が簡単で効果が明確であるだけでなくエンコードプログラムを繰り返すことができるタイヤ監視測定装置及びその使用方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するために、本発明によるエンコードプログラムを繰り返すことができるタイヤ監視測定装置は、ハウジング、接続ポート、バッテリーおよび電源スイッチを備える。ハウジングは、一端に空気口を有し、頂面に一列の接続用スロットおよびスイッチ孔を有する。ハウジングは、内部に回路板、温度センサー、加速度センサー、電圧測定器、LF伝送インターフェースおよびRF伝送インターフェースを有する。回路板は、プロセッサーおよびメモリーを有する。メモリーは、書き込みおよび読み取りを繰り返すことが可能である。プロセッサーは、タイヤ内の圧力値の測定に用いる圧力センサーに接続される。温度センサーは、タイヤ内の温度の測定に用いられる。加速度センサーは、タイヤの加速度値の測定に用いられる。電圧測定器は、バッテリー電圧の測定に用いられる。LF伝送インターフェースおよびRFインターフェースは、獲得した数値を車上の受信装置に伝送する。接続ポートは、ハウジング上の接続用スロットの位置に対応し、回路板と外部のコネクターとの接続に用いられる。バッテリーは、エンコードプラグラムを繰り返すことができるタイヤ監視測定装置に必要な電力を供給する。電源スイッチは、バッテリー回路の開閉を制御する。
【0006】
上述の目的を達成するために、本発明によるエンコードプログラムを繰り返すことができるタイヤ監視測定装置の使用方法は次の通りである。まずエンコードプログラムを繰り返すことができるタイヤ監視測定装置およびコントローラーを用意する。タイヤ監視測定装置は、回路板および回路板に給電するバッテリーを有し、回路板はプロセッサーおよびメモリーを有する。続いてタイヤ監視測定装置上のバッテリーから回路板に供給される電源を遮断し、タイヤ監視測定装置のハウジング上の接続用スロットとコントローラーのコネクターとを電気的に接続させれば、タイヤ監視測定装置およびコントローラーは、コネクターおよびケーブルによって接続することが可能である。続いて、コントローラーによって必要なエンコードプログラムおよび伝送協定をタイヤ監視測定装置に書き込み、書き込みが完了すると、タイヤ監視測定装置の接続用スロットからコネクターを取り外す。続いて、タイヤ監視測定装置上のバッテリーから回路板に供給される電源を導通し、そののちタイヤ監視測定装置をタイヤ内に装着する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態によるエンコードプログラムを繰り返すことができるタイヤ監視測定装置を示す模式図である。
【図2】本発明によるエンコードプログラムを繰り返すことができるタイヤ監視測定装置の回路機能を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明によるエンコードプログラムを繰り返すことができるタイヤ監視測定装置及びタイヤ監視測定装置の使用方法を図面に基づいて説明する。
(一実施形態)
図1および図2に示すように、本発明の一実施形態によるエンコードプログラムを繰り返すことができるタイヤ監視測定装置及びタイヤ監視測定装置の使用方法において、タイヤ監視測定装置は、ハウジング10、接続ポート29、バッテリー30および電源スイッチ31を備える。
【0009】
ハウジング10は、一端に空気口11を有し、頂面に一列の接続用スロット12およびスイッチ孔13を有する。
【0010】
ハウジング10は、内部に回路板20、温度センサー24、加速度センサー25、電圧測定器26、LF伝送インターフェース27およびRF伝送インターフェース28を有する。回路板20は、プロセッサー21およびメモリー22を有する。メモリー22は、書き込みおよび読み取りを繰り返し行うことが可能である。プロセッサー21は、タイヤ内の圧力値の測定に用いる圧力センサー23に接続される。温度センサー24は、タイヤ内の温度の測定に用いられる。加速度センサー25は、タイヤの加速度値の測定に用いられる。電圧測定器26は、バッテリー電圧の測定に用いられる。LF(Low Frequency)伝送インターフェース27は、LF伝送方式によって獲得した数値を車上の図示しない受信装置に伝送する。RF(Radio Frequency)伝送インターフェース28は、RF伝送方式によって獲得した数値を車上の受信装置に伝送する。接続ポート29は、ハウジング10上の接続用スロット12の位置に対応し、回路板20と外部のコネクター3の接続に用いられる。バッテリー30は、エンコードプラグラムを繰り返すことができるタイヤ監視測定装置に必要な電力を供給する。電源スイッチ31は、バッテリー回路の開閉を制御する。
【0011】
図1に示すように、本実施形態によるタイヤ監視測定装置を使用する際、外部のコンピューター1とコントローラー2とを接続し、続いてコントローラー2とコネクター3とを接続する必要がある。使用方法は次の通りである。作業者が一つのエンコードプログラムを繰り返すことができるタイヤ監視測定装置および使用方法によって、ハウジング10上の接続用スロット12と外部のコネクター3とを接続すれば、エンコードプログラムを繰り返すことができるタイヤ監視測定装置とコントローラー2とは、コネクター3およびケーブルによって接続することが可能である。このとき作業者は、コントローラー2によって、エンコードプログラムを繰り返すことができるタイヤ監視測定装置に必要なエンコードプログラムおよび伝送協定を書き込み、書き込みが完了するとコネクター3を取り外す。続いてハウジング10上の電源スイッチ31を入れ、エンコードプログラムを繰り返すことができるタイヤ監視測定装置をタイヤ内に装着すれば、使用を開始できる。
【0012】
エンコードプログラムを繰り返すことができるタイヤ監視測定装置に変更作業を行う際、操作方法は次の通りである。まずエンコードプログラムを繰り返すことができるタイヤ監視測定装置をタイヤから取り外し、電源スイッチを切る。続いて、ハウジング10上の接続用スロット12と外部のコネクター3とを接続させれば、エンコードプログラムを繰り返すことができるタイヤ監視測定装置とコントローラー2とは、コネクター3およびケーブルによって接続することが可能である。このとき作業者は、コントローラー2によって、エンコードプログラムを繰り返すことができるタイヤ監視測定装置に必要なエンコードプログラムおよび伝送協定を書き込むことが可能となる。書き込み作業を行う際、エンコードプログラムを繰り返すことができるタイヤ監視測定装置に記録されたエンコードプログラムおよび伝送協定を予め削除し、続いて新しい必要なエンコードプログラムおよび伝送協定を書き込むか、或いは、新しい必要なエンコードプログラムおよび伝送協定を古いエンコードプログラムおよび伝送協定に上書き保存することが可能である。上述した通り、エンコードプログラムを繰り返すことができるタイヤ監視測定装置は、新しい車種に再使用することが可能であるだけでなく、エンコードプログラムを繰り返すことができるタイヤ監視測定装置にプログラムの書き込みを繰り返し、使用を繰り返す目的を達成することが可能である。
【0013】
本実施形態において、タイヤ監視測定装置の電源の遮断および導通は、電源スイッチ31によって制御される。タイヤ監視測定装置の電源を遮断するステップは、作業者が手動で進める。別の実施形態において、タイヤ監視測定装置の電源を遮断するステップは、コントローラーのコネクターとタイヤ監視測定装置の接続用スロットとが電気的に接続されることによって進める。
【0014】
本実施形態による構造により、単一性および指定性を有することが可能である。かつエンコードプログラムを繰り返すことができるタイヤ監視測定装置にプログラムの書き込みまたは削除を行うには、コネクターとの接続によって進められるため、プログラムのダウンロードまたは削除を行う際、周辺の別のエンコードプログラムを繰り返すことができるタイヤ監視測定装置に影響を与えないようにすることができる。かつエンコードプログラムを繰り返すことができるタイヤ監視測定装置にプログラムの書き込みおよび削除を行う際、電源を切ることが可能であり、プログラムを書き込む際の安定性および成功率を高めることが可能となる。かつ在庫管理の際、電源を切ることが可能であるため、電力消費、使用されない際の損耗、バッテリー液漏出、腐食などの問題を避けることが可能となる。
【符号の説明】
【0015】
1・・・コンピューター
2・・・コントローラー
3・・・コネクター
10・・・ハウジング
11・・・空気口
12・・・スロット
13・・・スイッチ孔
20・・・回路板
21・・・プロセッサー
22・・・メモリー
23・・・圧力センサー
24・・・温度センサー
25・・・加速度センサー
26・・・圧力測定器
27・・・LF伝送インターフェース(伝送インターフェース)
28・・・RF伝送インターフェース(伝送インターフェース)
29・・・接続ポート
30・・・バッテリー
31・・・電源スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンコードプログラムを繰り返すことができるタイヤ監視測定装置であって、
一端に空気口を有し、頂面に一列の接続用スロットおよびスイッチ孔を有し、内部に回路板、温度センサー、加速度センサー、電圧測定器、および伝送インターフェースを有するハウジングと、
前記ハウジング上の前記接続用スロットの位置に対応し、前記回路板と外部のコネクターとの接続に用いられる接続ポートと、
必要な電力を供給するバッテリーと、
バッテリー回路の開閉を制御する電源スイッチと、
を備え、
前記回路板は、プロセッサーおよびメモリーを有し、
前記メモリーは、書き込みおよび読み取りを繰り返すことが可能であり、
前記プロセッサーは、タイヤ内の圧力値の測定に用いる圧力センサーに接続され、
前記温度センサーは、前記タイヤ内の温度の測定に用いられ、
前記加速度センサーは、前記タイヤの加速度値の測定に用いられ、
前記電圧測定器は、前記バッテリー電圧の測定に用いられ、
前記伝送インターフェースは、獲得した数値を車上の受信装置に伝送することを特徴とするタイヤ監視測定装置。
【請求項2】
前記伝送インターフェースは、LF伝送インターフェースであることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ監視測定装置。
【請求項3】
前記伝送インターフェースは、RF伝送インターフェースであることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ監視測定装置。
【請求項4】
前記伝送インターフェースは、LF伝送インターフェースおよびRF伝送インターフェースを含むことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ監視測定装置。
【請求項5】
エンコードプログラムを繰り返すことができるタイヤ監視測定装置の使用方法であって、
プロセッサーおよびメモリーを有する回路板および前記回路板に給電するバッテリーを備えるタイヤ監視測定装置およびコントローラーを用意し、
前記タイヤ監視測定装置の前記バッテリーから前記回路板に供給される電源を遮断し、前記タイヤ監視測定装置の前記ハウジング上の接続用スロットと前記コントローラーのコネクターとを電気的に接続することにより、前記タイヤ監視測定装置と前記コントローラーとを前記コネクターおよびケーブルによって接続するステップと、
前記コントローラーによって必要なエンコードプログラムおよび伝送協定を前記タイヤ監視測定装置に書き込み、書き込みが完了すると、前記タイヤ監視測定装置の前記接続用スロットから前記コネクターを取り外し、続いて、前記タイヤ監視測定装置の前記バッテリーから前記回路板に供給される前記電源を導通し、そののち前記タイヤ監視測定装置をタイヤ内に装着するステップと、
を含むことを特徴とするタイヤ監視測定装置の使用方法。
【請求項6】
前記タイヤ監視測定装置に記録されたエンコードプログラムおよび伝送協定を削除し、続いて新しい必要なエンコードプログラムおよび伝送協定を書き込むことを特徴とする請求項5に記載のタイヤ監視測定装置の使用方法。
【請求項7】
前記タイヤ監視測定装置に記録されたエンコードプログラムおよび伝送協定に、新しい必要なエンコードプログラムおよび伝送協定を上書き保存することを特徴とする請求項5に記載のタイヤ監視測定装置の使用方法。
【請求項8】
前記タイヤ監視測定装置は、電源スイッチを備え、
前記タイヤ監視測定装置の前記電源の遮断および導通は、前記電源スイッチによって制御されることを特徴とする請求項5に記載のタイヤ監視測定装置の使用方法。
【請求項9】
前記タイヤ監視測定装置の前記電源を遮断するステップは、前記コントローラーの前記コネクターと前記タイヤ監視測定装置の前記接続用スロットとが電気的に接続されることによって進めることを特徴とする請求項5または請求項8に記載のタイヤ監視測定装置の使用方法。
【請求項10】
前記タイヤ監視測定装置の前記電源を遮断するステップは、作業者が手動で進めることを特徴とする請求項5または請求項8に記載のタイヤ監視測定装置の使用方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−40918(P2012−40918A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−182834(P2010−182834)
【出願日】平成22年8月18日(2010.8.18)
【出願人】(506404681)為升電装工業股▲分▼有限公司 (2)
【Fターム(参考)】