説明

タッチ検出機能付き表示装置

【課題】複数の駆動電極を用いつつ、回路規模や配線数を抑え、かつ、表示品位の劣化を抑えることができるタッチ検出機能付き表示装置を提供する。
【解決手段】第1の方向(例えば水平方向)に延在すると共に第2の方向(例えば垂直方向)に並列配置され、それぞれに駆動信号が印加される複数の駆動電極33を備える。第2の方向において、駆動電極33の幅W1は、2つ以上の画素電極に対応する大きさを有する。複数の駆動電極33はそれぞれが、第1の方向に設けられた電極内スリット33Aを有する。隣接する2つの駆動電極33の間には、電極内スリット33Aに対応する電極間スリット33Bを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが指などで接触または近接することにより情報入力が可能なタッチパネルに係わり、特に、静電容量の変化に基づいてタッチを検出する方式のタッチ検出機能付き表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、いわゆるタッチパネルと呼ばれる接触検出装置を液晶表示装置などの表示装置上に装着し、その表示装置に各種のボタン画像を表示させることにより、通常の機械式ボタンの代わりとして情報入力を可能とした表示装置が注目されている。タッチパネルの方式としては、光学式や抵抗式などいくつかの方式が存在するが、特に携帯端末などでは、比較的単純な構造をもち、かつ低消費電力が実現できる、静電容量型のタッチパネルが期待されている。
【0003】
特許文献1には、静電容量型のタッチパネルを液晶表示装置に内蔵したタッチ検出機能付き表示装置に関する発明が開示されている。このタッチ検出機能付き表示装置は、画像表示用の画素電極と、タッチ検出用のタッチ検出電極と、それら画素電極とタッチ検出電極とに兼用される駆動電極(共通電極)とを備えたものである。特許文献1には、駆動電極の1つの構成例として、水平方向に延在し、垂直方向に分割された複数の駆動電極を用いる例が開示されている(特許文献1の図5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−244958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したような複数の駆動電極を用いる構成の場合、電極の分割数が多すぎると、電極を形成する基板内において、特に有効表示領域外の額縁領域に配置する駆動電極用の回路の規模や配線の数が多くなってしまう。そこで、回路規模や配線数を抑えるために、分割した駆動電極を複数本、束ねて(まとめて)駆動することが考えられる。また、その場合、1つの駆動電極の垂直方向の幅を複数の画素に対応する大きさで形成することが考えられる。一方で、複数の駆動電極を用いる構成の場合、隣接する駆動電極間で水平方向にスリット状の隙間が空くことになる。このため、そのスリット状の隙間が形成された部分と駆動電極が形成されている部分との構造上の違いにより、液晶分子の配向状態に乱れが生ずる。その結果として、スリット状の隙間に対応する部分が、筋状の表示欠陥となって見えてしまう問題が発生する。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、複数の駆動電極を用いつつ、回路規模や配線数を抑え、かつ、表示品位の劣化を抑えることができるタッチ検出機能付き表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるタッチ検出機能付き表示装置は、第1の方向に延在すると共に第2の方向に並列配置され、それぞれに駆動信号が印加される複数の駆動電極と、第1の方向および第2の方向にマトリクス状に配置されると共に複数の駆動電極に対向配置された複数の画素電極を有し、駆動電極に駆動信号を印加すると共に画素電極に画像信号を印加することで画像を表示する表示部と、駆動電極との間で静電容量を形成し、駆動電極に印加された駆動信号に応じて検出信号を出力するタッチ検出電極とを備えたものである。そして、第2の方向において、駆動電極の幅が2つ以上の画素電極に対応する大きさを有し、複数の駆動電極はそれぞれが、第1の方向に設けられた電極内スリットを有し、隣接する2つの駆動電極の間に、電極内スリットに対応する電極間スリットが形成されているものである。
【0008】
本発明のタッチ検出機能付き表示装置では、複数の駆動電極のそれぞれの幅が2つ以上の画素電極に対応する大きさを有していることで、駆動電極用の回路規模や配線数が抑えられる。また、複数の駆動電極のそれぞれに電極内スリットが設けられると共に、隣接する2つの駆動電極の間に電極内スリットに対応する電極間スリットが形成されていることで、駆動電極が形成されている部分と、隣接する2つの駆動電極の間の部分との構造上の違いが少なくなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明のタッチ検出機能付き表示装置によれば、複数の駆動電極のそれぞれに電極内スリットを設けると共に、隣接する2つの駆動電極の間に、電極内スリットに対応する電極間スリットを形成するようにしたので、駆動電極が形成されている部分と、隣接する2つの駆動電極の間の部分との構造上の違いを少なくすることができる。結果として、液晶デバイスに適用した場合における液晶分子の配向状態を表示領域全域に亘って均一にすることができる。また、駆動電極の幅が2つ以上の画素電極に対応する大きさを有するようにしたので、駆動電極用の回路規模や配線数を抑えることができる。これにより、複数の駆動電極を用いつつ、回路規模や配線数を抑え、かつ、表示品位の劣化を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係るタッチ検出機能付き表示装置におけるタッチ検出方式の基本原理を説明するための図であり、指が接触または近接した状態を表す図である。
【図2】本発明に係るタッチ検出機能付き表示装置におけるタッチ検出方式の基本原理を説明するための図であり、指が接触または近接していない状態を表す図である。
【図3】本発明に係るタッチ検出機能付き表示装置におけるタッチ検出方式の基本原理を説明するための図であり、駆動信号および検出信号の波形の一例を表す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置の一構成例を表すブロック図である。
【図5】図4に示したタッチ検出機能付き表示装置におけるタッチ検出機能付き表示デバイスの一構成例を示す断面図である。
【図6】図5に示したタッチ検出機能付き表示デバイスにおける画素配列を表す回路図である。
【図7】図5に示したタッチ検出機能付き表示デバイスにおける駆動電極およびタッチ検出電極の一構成例を表す斜視図である。
【図8】図5に示したタッチ検出機能付き表示デバイスにおける駆動電極の走査方法を示す説明図である。
【図9】図5に示したタッチ検出機能付き表示デバイスにおける駆動電極の詳細な構成例を示す平面図である。
【図10】(A)は図5に示したタッチ検出機能付き表示デバイスにおける駆動電極と画素基板との接続構造を示す平面図であり、(B)は駆動電極と画素基板との接続部分の要部断面図である。
【図11】図5に示したタッチ検出機能付き表示デバイスにおける駆動電極と画素電極との対応関係を示す平面図である。
【図12】人間の視感度を示す特性図である。
【図13】図5に示したタッチ検出機能付き表示デバイスにおける駆動電極の具体的な設計例を説明するための平面図である。
【図14】具体例の測定環境を示す説明図である。
【図15】図5に示したタッチ検出機能付き表示デバイスにおいて、駆動電極のスリットピッチを変えた場合のスリットの認識状態を測定した結果を示す説明図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置の概略断面構造を表す断面図である。
【図17】図16に示したタッチ検出機能付き表示装置の要部の拡大斜視図である。
【図18】図16に示したタッチ検出機能付き表示装置の動作を説明するための断面図である。
【図19】本発明の第3の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置における駆動電極の構造を示す平面図である。
【図20】本発明の第3の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置における画素基板の要部の断面構造を表す断面図である。
【図21】図20に示したタッチ検出機能付き表示装置における画素基板の要部の平面構造を表す平面図である。
【図22】図20に示したタッチ検出機能付き表示装置における駆動電極の作用を示す説明図である。
【図23】図21に示した画素基板の平面構造に対する比較例を示す平面図である。
【図24】図23に示した比較例の構造の場合に生ずるノイズの問題点を示す説明図である。
【図25】各実施の形態を適用したタッチ検出機能付き表示装置のうち、適用例1の概観構成を表すものであり、(A)は表側から見た外観図であり、(B)は裏側から見た外観を表す斜視図である。
【図26】適用例2の概観構成を表すものであり、(A)は表側から見た外観を表す斜視図であり、(B)は裏側から見た外観を表す斜視図である。
【図27】適用例3の外観構成を表す斜視図である。
【図28】適用例4の外観構成を表す斜視図である。
【図29】適用例5の外観構成を表すものであり、(A)は開いた状態の正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態の正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
<静電容量型タッチ検出の基本原理>
まず最初に、図1〜図3を参照して、本発明のタッチ検出機能付き表示装置におけるタッチ検出方式の基本原理について説明する。このタッチ検出方式は、静電容量型のタッチセンサとして具現化されるものであり、例えば図1(A)に示したように、誘電体Dを挟んで互いに対向配置された一対の電極(駆動電極E1および検出電極E2)を用い、容量素子を構成する。この構造は、図1(B)に示した等価回路として表される。駆動電極E1、検出電極E2および誘電体Dによって、容量素子C1が構成される。容量素子C1は、その一端が交流信号源(駆動信号源)Sに接続され、他端Pは抵抗器Rを介して接地されると共に、電圧検出器(検出回路)DETに接続される。交流信号源Sから駆動電極E1(容量素子C1の一端)に所定の周波数(例えば数kHz〜十数kHz程度)の交流矩形波Sg(図3(B))を印加すると、検出電極E2(容量素子C1の他端P)に、図3(A)に示したような出力波形(検出信号Vdet)が現れる。なお、この交流矩形波Sgは、後述する駆動信号Vcomに相当するものである。
【0013】
指が接触(または近接)していない状態では、図1(B)に示したように、容量素子C1に対する充放電に伴って、容量素子C1の容量値に応じた電流I0が流れる。このときの容量素子C1の他端Pの電位波形は、例えば図3(A)の波形V0のようになり、これが電圧検出器DETによって検出される。
【0014】
一方、指が接触(または近接)した状態では、図2(A),(B)に示したように、指によって形成される容量素子C2が容量素子C1に直列に追加された形となる。この状態では、容量素子C1、C2に対する充放電に伴って、それぞれ電流I1、I2が流れる。このときの容量素子C1の他端Pの電位波形は、例えば図3(A)の波形V1のようになり、これが電圧検出器DETによって検出される。このとき、点Pの電位は、容量素子C1、C2を流れる電流I1、I2の値によって定まる分圧電位となる。このため、波形V1は、非接触状態での波形V0よりも小さい値となる。電圧検出器DETは、検出した電圧を所定のしきい値電圧Vthと比較し、このしきい値電圧以上であれば非接触状態と判断する一方、しきい値電圧未満であれば接触状態と判断する。このようにして、タッチ検出が可能となる。
【0015】
<第1の実施の形態>
[構成例]
(全体構成例)
図4は、本発明の第1の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置の一構成例を表すものである。この表示装置は、表示素子として液晶表示素子を用いており、更にその液晶表示素子により構成される液晶表示デバイスと静電容量型のタッチセンサとを一体化した、いわゆるインセルタイプの装置である。
【0016】
このタッチ検出機能付き表示装置40は、Vcom発生部41と、駆動制御回路42と、駆動電極ドライバ43と、タッチ検出機能付き表示デバイス44と、ゲートドライバ45と、ソースドライバ46と、マルチプレクサ47と、検出回路48と、抵抗Rとを備えている。
【0017】
Vcom発生部41は、タッチ検出機能付き表示デバイス44で使用される、例えば矩形波状の駆動信号Vcomを発生する回路である。
【0018】
駆動電極制御回路42は、Vcom発生部41から供給された駆動信号Vcomを後述するタッチ検出機能付き表示デバイス44の複数の駆動電極に供給する際、その電極を選択し制御する回路である。その際、この駆動制御回路42は、駆動信号Vcomを印加する駆動電極の走査移動などを制御することができるようになっている。
【0019】
駆動電極ドライバ43は、駆動制御回路42からの制御信号に基づいて、Vcom発生部41から供給された駆動信号Vcomを、後述するタッチ検出機能付き表示デバイス44の複数の駆動電極に供給する回路である。
【0020】
タッチ検出機能付き表示デバイス44は、タッチセンサ441と液晶表示デバイス442(表示部)とを有する。このタッチセンサ441は、上述した静電容量型タッチ検出の基本原理に基づいて、検出信号Vdetを出力するようになっている。この検出信号Vdetは、タッチ動作に起因する信号成分を含むものである。
【0021】
ゲートドライバ45は、表示する水平画素ラインを選択するための信号を液晶表示デバイス442に供給する回路である。ソースドライバ46は、画像信号を液晶表示デバイス442に供給する回路である。マルチプレクサ47は、検出信号Vdetを、タッチセンサ441の複数のタッチ検出電極(後述)から順番に取り出す際、その取り出し元を切り替える回路である。
【0022】
検出回路48は、マルチプレクサ47で切り替えられた検出信号Vdetを基に、タッチセンサ441へのタッチの有無を検出し、さらに、タッチパネル上におけるその座標などを求める回路である。この検出回路48は、アナログLPF(Low Pass Filter)51と、A/D変換部52と、信号処理部53と、座標抽出部54とを有している。アナログLPF51は、検出信号Vdetの高い周波数成分を除去して出力する低域通過アナログフィルタである。このアナログLPF51は、例えばA/D変換部52において発生する折り返しノイズを除去するものである。A/D変換部52は、アナログLPF51から出力されるアナログ信号をディジダル信号に変換する回路である。信号処理部53は、A/D変換部52の出力信号を基に、タッチセンサ441へのタッチの有無を検出する論理回路である。座標抽出部54は、信号処理部53においてタッチ検出がなされたタッチパネル座標を求める論理回路である。
【0023】
なお、これらの回路は、図示しないタイミング制御部により制御されている。
【0024】
(タッチ検出機能付き表示デバイス44の構成例)
図5は、タッチ検出機能付き表示デバイス44の要部断面構造の例を表すものである。このタッチ検出機能付き表示デバイス44は、画素基板2と、この画素基板2に対向して配置された対向基板3と、画素基板2と対向基板3との間に挿設された液晶層6とを備えている。
【0025】
画素基板2は、回路基板としてのTFT基板21と、このTFT基板21上において第1の方向(水平方向)および第2の方向(垂直方向)にマトリクス状に配設された複数の画素電極22とを有する。TFT基板21には、後述の図6に示すような、各画素のTFT(薄膜トランジスタ)や、各画素電極22に画像信号を供給するソース線(画像信号配線)、各TFTを駆動するゲート線等の配線が形成されている。また、後述する駆動電極33に駆動信号を供給する駆動信号配線が形成されている。その他、図4に示した回路の一部もしくは全てを含めて形成されていてもよい。
【0026】
対向基板3は、ガラス基板31と、このガラス基板31の一方の面に形成されたカラーフィルタ32と、このカラーフィルタ32の上に形成された駆動電極33とを有する。カラーフィルタ32は、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)の3色のカラーフィルタ層を周期的に配列して構成したもので、各表示画素にR、G、Bの3色が1組として対応付けられている。駆動電極33は、液晶表示デバイス442の共通駆動電極として機能し、更にタッチセンサ441の駆動電極としても共用される。駆動電極33は、コンタクト導電柱7によってTFT基板21と連結されている。このコンタクト導電柱7を介して、TFT基板21から駆動電極33に交流矩形波形の駆動信号Vcomが印加されるようになっている。この駆動信号Vcomは、画素電極22に印加される画素電圧とともに各画素の表示電圧を規定するものであり共通駆動信号とも呼ばれる。この駆動信号Vcomは、更にタッチセンサの駆動信号としても共用される。
【0027】
ガラス基板31の他方の面には、タッチセンサ441の検出電極であるタッチ検出電極34が形成され、さらに、このタッチ検出電極34の上には、偏光板35が配設されている。
【0028】
液晶層6は、電界の状態に応じてそこを通過する光を変調するものであり、例えば、TN(ツイステッドネマティック)、ECB(電界制御複屈折)等の各種モードの液晶が用いられる。
【0029】
なお、液晶層6と画素基板2との間、および液晶層6と対向基板3との間には、それぞれ配向膜が配設され、また、画素基板2の下面側には入射側偏光板が配置されるが、ここでは図示を省略している。
【0030】
図6は、液晶表示デバイス442における画素構造の構成例を表すものである。液晶表示デバイス442には、TFT素子Trと液晶素子LCとを有する複数の表示画素20がマトリクス状に配置されている。
【0031】
表示画素20には、ソース線25と、ゲート線26と、駆動電極33とが接続されている。ソース線25は、各表示画素20に画像信号を供給するための信号線であり、ソースドライバ46(図4)に接続されている。ゲート線26は、表示を行う表示画素20を選択する信号を供給するための信号線(走査線)であり、ゲートドライバ45(図4)に接続されている。この例では、各ゲート線26は、水平に配置された全ての表示画素20と接続されている。つまり、この液晶表示デバイス442は、各ゲート線26の制御信号により、水平画素ラインごとに表示するようになっている。
【0032】
駆動電極33は、液晶を駆動するための駆動信号を印加する電極であり、駆動電極ドライバ43(図4)に接続されている。なお、駆動電極33は、後述するように第1の方向(水平方向)に延在するストライプ状の電極であり、第2の方向(垂直方向)に複数、並列配置されている。そして、個々の駆動電極33は、複数の水平画素ラインに対応している(図6の例では4水平画素ライン)。つまり、この液晶表示デバイス442では、各駆動電極33の駆動信号により、複数の水平画素ラインがまとめて駆動されるようになっている。
【0033】
図7は、タッチセンサ441について、対向基板3における駆動電極33およびタッチ検出電極34の一構成例を斜視状態にて表すものである。駆動電極33は、第1の方向(水平方向)に延在するストライプ状の電極であり、第2の方向(垂直方向)に複数、並列配置されている。各駆動電極33には、駆動電極ドライバ43(図4)によって駆動信号Vcomが順次供給され、例えば図8(A)〜(C)に示したように、時分割的に順次走査駆動が行われるようになっている。一方、タッチ検出電極34は、駆動電極33の電極パターンの延在方向と直交する方向に延びる複数のストライプ状の電極パターンから構成されている。タッチ検出電極34の各電極パターンからは、それぞれ、検出信号Vdetが出力され、マルチプレクサ47(図4)を経て検出回路48に入力されるようになっている。
【0034】
駆動電極33とタッチ検出電極34とにより互いに交差した電極パターンは、その交差部分に静電容量を形成する。駆動電極33は、静電容量型タッチ検出の基本原理として図1及び図2に示した駆動電極E1に対応するものである。一方、タッチ検出電極34は、図1及び図2に示した検出電極E2に対応するものである。これにより、このタッチセンサは、上述した静電容量型タッチ検出の基本原理に従ってタッチを検出することができる。更に、上述したように互いに交差した電極パターンは、タッチセンサをマトリクス状に構成する。よって、物体の接触または近接が生じた位置の検出も可能となる。
【0035】
(駆動電極33の詳細な構成例)
図9および図11は、複数の駆動電極33の詳細な構成例を示している。なお、図11は図9を部分的に拡大した図に相当するが、電極構造を分かりやすくするために、水平、垂直方向の長さの比率は図9とは変えてある。また、図9において、画素電極22の大きさは1画素または1サブピクセルの大きさに相当する。第2の方向(垂直方向)において、1つの駆動電極33の幅W1は2つ以上(図11の例では4つ)の画素電極22に対応する大きさを有している。複数の駆動電極33はそれぞれが、第1の方向(水平方向)に延在するように設けられた電極内スリット33Aを有している。隣接する2つの駆動電極33の間には、電極内スリット33Aに対応する電極間スリット33Bが形成されている。複数の駆動電極33はそれぞれ、第1の方向において表示部(液晶表示デバイス442(図4))における有効表示領域よりも大きい長さを有している。電極内スリット33Aは、図9に示したように、少なくとも有効表示領域内に設けられている。
【0036】
複数の駆動電極33はそれぞれ、コンタクト導電柱7(図5)を介して、TFT基板21(図5)に形成された駆動信号配線に接続されている。図10(A),(B)は、コンタクト導電柱7(コンタクト部)による接続構造の例を示している。コンタクト導電柱7は、有効表示領域の外側に設けられている。図10(A)の例では、有効表示領域内に設けられた電極内スリット33Aのさらに外側で、各駆動電極33の両端部に設けられている。コンタクト導電柱7は、図10(B)に示したように、柱状部分7Aと、その柱状部分7Aを覆う導電膜7Bとを有している。なお、図10(B)に示したコンタクト導電柱7の構造に代えて、異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film:ACF)を用いた導通を行うようにしても良い。異方性導電フィルムは、熱硬化性樹脂に導電性を持つ微細な金属粒子を混ぜ合わせたものを、膜状に成型したフィルムであり、2つの部品間に異方性導電フィルムを挟んで熱を与えながら加圧すると、フィルム内に分散している金属粒子が接触し導電する経路を形成する。
【0037】
複数の駆動電極33はそれぞれ、電極内スリット33Aを1以上有している(図9および図11の例では3つ)。第2の方向において、隣接する電極内スリット33A同士の間隔(電極内スリット33Aを2以上有している場合)、および隣接する電極内スリット33Aと電極間スリット33Bとの間隔は、1つの画素電極22に対応する大きさとされている。これにより、図11に示したように、電極内スリット33Aと電極間スリット33Bとがそれぞれ、隣接する2つの画素電極22の間に位置している。
【0038】
図12および図13を参照して、駆動電極33の具体的な設計例を説明する。図12は、人間の視感度特性(空間周波数特性)を示している。電極内スリット33Aおよび電極間スリット33Bの幅等を大きくしすぎると、画素間の横電界の影響で液晶分子の配向状態が画素間と画素の内部とで大きく異なってしまい欠陥が生ずる。これが顕著になると黒表示時にこの欠陥部から光漏れが発生してコントラストが大幅に減少する。電極内スリット33Aの幅W2および電極間スリット33Bの幅W3は、一般的な画素間の幅に基づいて例えば10μm以下に設定されるが、画素間の幅よりもさらに小さい方が好ましい。また、画素のソース線(信号線)25およびゲート線(走査線)26(図6参照)よりも小さいことが好ましい。さらに、人間の視感度特性を考慮すると、各部は例えば以下のような設計例が好ましい。なお、スリット間隔(スリットピッチ)W4とは、隣接する電極内スリット33A同士の間隔、または隣接する電極内スリット33Aと電極間スリット33Bとの間隔である。
駆動電極33の幅W1=約2mm〜10mm(好ましくは5mm〜10mm)
電極内スリット33Aの幅W2=10μm以下
電極間スリット33Bの幅W3=10μm以下
スリット間隔(スリットピッチ)W4=500μm以下(画素ピッチの整数倍)
【0039】
図15は、タッチ検出機能付き表示デバイス44において、駆動電極33のスリットピッチを変えた場合の筋状(スリット状)の表示欠陥の認識状態を測定した結果を示している。図14は、その測定環境を示している。図14に示したように、タッチ検出機能付き表示デバイス44において、一般的な視認環境、例えば表面輝度を300cd/m2とし、略20cm離れた距離において測定を行った。図15に示したように、スリットピッチW4が600μm以上では筋状の表示欠陥が観測された。スリットピッチW4が500μmおよび400μmの場合には、ほとんど筋状には観測されなかったが、20cm以下の距離では観測された。300μm以下では筋状の表示欠陥は全く観測されなかった。
【0040】
以上の結果から、スリットピッチW4は、500μm以下、好ましくは300μm以下とすると良い。
【0041】
[動作および作用]
本実施の形態のタッチ検出機能付き表示装置40(図4、図5)の全体動作を説明する。
【0042】
Vcom発生部41は、駆動信号Vcomを発生し、駆動電極ドライバ43に供給する。駆動電極ドライバ43は、駆動制御回路42からの制御信号に基づいて、駆動信号Vcomをタッチ検出機能付き表示デバイス44の複数の駆動電極33に順次切り替えながら供給する。
【0043】
タッチセンサ441の各タッチ検出電極34からは、上述した静電容量型タッチ検出の基本原理に基づいて、駆動信号Vcomの電圧変化タイミングに同期した立ち上がりおよび立ち下がりをもつ波形の検出信号Vdetが出力される。マルチプレクサ47は、タッチセンサ441の各タッチ検出電極34から出力された検出信号Vdetを、その取り出し元を順次切り替えることにより、順番に取り出し、検出回路48に送出する。検出回路48では、アナログLPF51が、検出信号Vdetから高周波数成分を除去し、検出信号Vdet2として出力する。A/D変換部52は、アナログLPF51からの検出信号Vdet2をデジタル信号に変換する。信号処理部53は、A/D変換部52の出力信号を基に、論理演算により、タッチセンサ441に対するタッチの有無を判定する。座標抽出部54は、信号処理部53によるタッチ検出結果を基に、タッチセンサ上のタッチ座標を検出する。このようにして、ユーザがタッチパネルにタッチした場合には、そのタッチ位置が検出される。
【0044】
ソースドライバ46は、画像信号を液晶表示デバイス442に供給する。また、ゲートドライバ45は、表示する水平画素ラインを選択するための選択信号(ゲート信号)を液晶表示デバイス442に供給する。液晶表示デバイス442は、これらの信号と駆動信号とを基に全画面にわたって走査を行うことにより、画面に画像を表示する。より詳細には、図6において、ソース線25を介して供給された画素信号が、ゲート線26によって線順次に選択された表示画素20のTFT素子Trを介して液晶素子LCの画素電極22に印加されると共に、駆動信号Vcomが共通電極(駆動電極33)に印加される。これにより、液晶素子LCに画素データが書き込まれ、画像表示が行われる。
【0045】
[効果]
本実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置によれば、複数の駆動電極33のそれぞれに電極内スリット33Aを設けると共に、隣接する2つの駆動電極33の間に、電極内スリット33Aに対応する電極間スリット33Bを形成するようにしたので、駆動電極33が形成されている部分と、隣接する2つの駆動電極33の間の部分との構造上の違いを少なくすることができる。結果として、液晶表示デバイス442における液晶分子の配向状態を表示領域全域に亘って均一にすることができる。また、駆動電極33の幅が2つ以上の画素電極22に対応する大きさを有するようにしたので、駆動電極33用の回路規模や配線数を抑えることができる。これにより、複数の駆動電極33を用いつつ、回路規模や配線数を抑え、かつ、表示品位の劣化を抑えることができる。
【0046】
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置について説明する。なお、上記第1の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0047】
上記第1の実施の形態では、TN(ツイステッドネマティック)やECB(電界制御複屈折)等の液晶モードによる液晶表示デバイス442とタッチセンサ441とを一体化してタッチ検出機能付き表示デバイス44を構成した。本実施の形態は、そのような液晶モードに代えて、FFS(フリンジフィールドスイッチング)やIPS(インプレーンスイッチング)等の横電界モードの液晶を用いた液晶表示デバイスとタッチセンサとを一体化したものである。
【0048】
横電界モードの液晶を用いた場合には、図16に示したようなタッチ検出機能付き表示デバイス44Bの構成が可能である。図16は、タッチ検出機能付き表示デバイス44Bの要部断面構造の一例を表すものであり、画素基板2Bと対向基板3Bとの間に液晶層6Bを挟持された状態を示している。その他の各部の名称や機能等は図5の場合と同様なので、説明を省略する。この例では、図5の場合とは異なり、表示用とタッチ検出用の双方に兼用される駆動電極33は、TFT基板21の直ぐ上に形成され、画素基板2Bの一部を構成する。駆動電極33の上方には、絶縁層23を介して画素電極22が配置される。この場合、駆動電極33とタッチ検出電極34との間の、液晶層6Bをも含むすべての誘電体が容量C1の形成に寄与する。
【0049】
図17(A),(B)を参照して、より詳細に説明する。ここに示したような横電界モードの液晶素子においては、画素基板2B上に形成された駆動電極(共通電極)33の上に、絶縁層23を介して、櫛歯状にパターニングされた画素電極22が配置され、これを覆うように配向膜27が形成される。この配向膜27と、対向基板3B側の配向膜36との間に、液晶層6Bが挟持される。2枚の偏光板24,35は、クロスニコルの状態で配置される。2枚の配向膜27,36のラビング方向は、2枚の偏光板24,35の一方の透過軸と一致している。図17では、ラビング方向が出射側の偏光板35の透過軸と一致している場合を図示してある。さらに、2枚の配向膜27,36のラビング方向および偏光板35の透過軸の方向は、液晶分子が回転する方向が規定される範囲で、画素電極22の延設方向(櫛歯の長手方向)とほぼ平行に設定されている。
【0050】
次に、以上のような構成のタッチ検出機能付き表示デバイス44Bの動作を説明する。
【0051】
ここでは、図17および図18を参照して、横電界モードの液晶素子の表示動作原理について簡単に説明する。ここで、図18は液晶素子の要部断面を拡大して表したものである。これらの図で、(A)は電界非印加時、(B)は電界印加時における液晶素子の状態を示す。
【0052】
駆動電極33と画素電極22との間に電圧を印加していない状態では(図17(A)、図18(A))、液晶層6Bを構成する液晶分子61の軸が入射側の偏光板24の透過軸と直交し、かつ、出射側の偏光板35の透過軸と平行な状態となる。このため、入射側の偏光板24を透過した入射光hは、液晶層6B内において位相差を生じることなく出射側の偏光板35に達し、ここで吸収されるため、黒表示となる。一方、駆動電極33と画素電極22との間に電圧を印加した状態では(図17(B)、図18(B))、液晶分子61の配向方向が、画素電極間に生じる電界(横電界)Eにより、画素電極22の延設方向に対して斜め方向に回転する。この際、液晶層6Bの厚み方向の中央に位置する液晶分子61が約45度回転するように白表示時の電界強度を最適化する。これにより、入射側の偏光板24を透過した入射光hには、液晶層6B内を透過する間に位相差が生じ、90度回転した直線偏光となり、出射側の偏光板35を通過するため、白表示となる。
【0053】
このような横電界モードの液晶を用いたタッチ検出機能付き表示装置であっても、複数の駆動電極33を、上記第1の実施の形態と同様に電極内スリット33Aおよび電極間スリット33Bを有する構成にすることで、上記第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0054】
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置について説明する。なお、上記第1または第2の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0055】
本実施の形態は、上記第2の実施の形態と同様に横電界モードの液晶を用いたタッチ検出機能付き表示装置に関し、基本構造は、図16に示したタッチ検出機能付き表示デバイス44Bと同様である。ただし、上記第2の実施の形態では、駆動電極33を上記第1の実施の形態と同様の構造であるものとして説明したが、本実施の形態では駆動電極33内の電極内スリット33Aの構造が部分的に異なっている。
【0056】
図19は、本実施の形態における駆動電極33の構造を示している。上記第1および第2の実施の形態では電極内スリット33Aが第1の方向(水平方向)に延在するように連続的に設けられていた(図11参照)。これに対して本実施の形態では、図19に示したように、電極内スリット33Aが第1の方向に連続しておらず、部分的に不連続領域33Cが形成され、間欠的にスリットが設けられている。
【0057】
この不連続領域33Cを設けたことによる効果を説明するために、まず、図20および図21を参照して、本実施の形態における画素基板2Bのより詳しい構成、特にTFT基板21の配線層のより詳しい構造を説明する。
【0058】
画素基板2Bは、ガラス基板71を有し、そのガラス基板71上に、TFT素子Trおよびその配線層と、駆動電極33と、画素電極22とが順に積層されている。TFT素子Trおよびその配線層の構造は、より詳しくは、ゲート線(走査線)26の上側にゲート絶縁膜72を介してソース線(画像信号線)25が形成され、さらにその上に絶縁層73を介して駆動電極33が形成されている。画素電極22とTFT素子Trとは、コンタクトホール74を介して導通されている。
【0059】
ソース線25は、図21に示したように、第2の方向(垂直方向)に延在している。なお、図21では画素電極22が、屈曲部28と画素電極スリット29とを有した構造の例を示している。また、図21に示した画素電極22はそれぞれ、サブピクセルに相当する。
【0060】
すなわち、画素基板2Bにおいて、複数の駆動電極33は画像信号配線(ソース線25)に対して対向基板3B側に配置されている。本実施の形態では、対向基板3B側から見て、電極内スリット33Aは、電極内スリット33Aと画像信号配線とが交差する部分に対応する位置では不連続となるようにしている。そして、対向基板3B側から見て、画像信号配線と駆動電極33の電極部分とが重なる状態となるように形成されている。すなわち、本実施の形態では、電極内スリット33Aと画像信号配線とが交差する部分を、電極内スリット33Aを設けない不連続領域33Cとしている。これにより、対向基板3B側から見て、画像信号配線が駆動電極33の電極部分によって覆われる状態となるようにしている。これにより、図22に示したように、画像信号配線(ソース線25)からの信号ノイズ成分が駆動電極33によって遮蔽されるようにしている。
【0061】
図23は、本実施の形態に対する比較例の電極構造を示している。この比較例では、電極内スリット33Aが水平方向に延在するように連続的に設けられている。すなわち、本実施の形態における駆動電極33の不連続領域33Cに対応する位置にも電極内スリット33Aが設けられている例を示している。この比較例の構造では、図24に示したように、電極内スリット33Aを介して、画像信号配線(ソース線25)からの信号ノイズ成分が対向基板3B側に漏洩するおそれがある。対向基板3B側のタッチ検出電極34に信号ノイズ成分が到達すると、検出性能に悪影響を与えてしまう。本実施の形態によれば、駆動電極33において電極内スリット33Aに不連続領域33Cを設けていることで、そのような検出性能への悪影響を防止することができる。また、不連続領域33Cを設けることで連続的な電極内スリット33Aを設けた場合より、駆動電極33の抵抗を下げることができる。
【0062】
<適用例>
次に、図25〜図29を参照して、上記各実施の形態で説明したタッチ検出機能付き表示装置の適用例について説明する。上記各実施の形態のタッチ検出機能付き表示装置は、テレビジョン装置、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなどのあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。言い換えると、上記各実施の形態の表示装置は、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
【0063】
(適用例1)
図25は、上記各実施の形態のタッチ検出機能付き表示装置が適用されるテレビジョン装置の外観を表すものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル511およびフィルターガラス512を含む映像表示画面部510を有しており、この映像表示画面部510は、上記各実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置により構成されている。
【0064】
(適用例2)
図26(A),(B)は、上記各実施の形態のタッチ検出機能付き表示装置が適用されるデジタルカメラの外観を表すものである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部521、表示部522、メニュースイッチ523およびシャッターボタン524を有しており、その表示部522は、上記各実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置により構成されている。
【0065】
(適用例3)
図27は、上記各実施の形態のタッチ検出機能付き表示装置が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を表すものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体531、文字等の入力操作のためのキーボード532および画像を表示する表示部533を有しており、その表示部533は、上記各実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置により構成されている。
【0066】
(適用例4)
図28は、上記各実施の形態のタッチ検出機能付き表示装置が適用されるビデオカメラの外観を表すものである。このビデオカメラは、例えば、本体部541、この本体部541の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ542、撮影時のスタート/ストップスイッチ543および表示部544を有している。そして、その表示部544は、上記各実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置により構成されている。
【0067】
(適用例5)
図29(A)〜(G)は、上記各実施の形態のタッチ検出機能付き表示装置が適用される携帯電話機の外観を表すものである。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740、サブディスプレイ750、ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。そのディスプレイ740またはサブディスプレイ750は、上記各実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置により構成されている。
【符号の説明】
【0068】
2,2B…画素基板、3,3B…対向基板、6,6B…液晶層、7…コンタクト導電柱(コンタクト部)、7A…柱状部分、7B…導電膜、20…表示画素、21…TFT基板、22…画素電極、23…絶縁層、25…ソース線(信号線)、26…ゲート線(走査線)、27…配向膜、28…屈曲部、29…画素電極スリット、31…ガラス基板、32…カラーフィルタ、33…駆動電極(共通電極)、33A…電極内スリット、33B…電極間スリット、33C…不連続領域、34…タッチ検出電極、35…偏光板、36…配向膜、40…タッチ検出機能付き表示装置、40C…タッチパネル、41…Vcom発生部、42…駆動制御回路、43…駆動電極ドライバ、44,44B…タッチ検出機能付きデバイス、45…ゲートドライバ、46…ソースドライバ、47…マルチプレクサ、48、148…検出回路、51…アナログLPF、52…A/D変換部、53…信号処理部、54…座標抽出部、61…液晶分子、71…ガラス基板、72…ゲート絶縁膜、73…絶縁層、74…コンタクトホール、441…タッチセンサ、442…液晶表示デバイス(表示部)、E…電界(電気力線)、LC…液晶素子、R…抵抗器、Tr…TFT素子、Vcom…駆動信号、Vdet、Vdet2…検出信号、W1…駆動電極の幅、W2…電極内スリットの幅、W3…電極間スリットの幅、W4…スリット間隔(スリットピッチ)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に延在すると共に第2の方向に並列配置され、それぞれに駆動信号が印加される複数の駆動電極と、
前記第1の方向および前記第2の方向にマトリクス状に配置されると共に前記複数の駆動電極に対向配置された複数の画素電極を有し、前記駆動電極に前記駆動信号を印加すると共に前記画素電極に画像信号を印加することで画像を表示する表示部と、
前記駆動電極との間で静電容量を形成し、前記駆動電極に印加された前記駆動信号に応じて検出信号を出力するタッチ検出電極と
を備え、
前記第2の方向において、前記駆動電極の幅が2つ以上の前記画素電極に対応する大きさを有し、
前記複数の駆動電極はそれぞれが、前記第1の方向に設けられた電極内スリットを有し、
隣接する2つの前記駆動電極の間に、前記電極内スリットに対応する電極間スリットが形成されている
タッチ検出機能付き表示装置。
【請求項2】
前記複数の駆動電極はそれぞれ、前記第1の方向において前記表示部における有効表示領域よりも大きい長さを有し、
前記電極内スリットは、少なくとも前記有効表示領域内に設けられている
請求項1に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
【請求項3】
前記複数の駆動電極はそれぞれ、前記電極内スリットを1以上有し、
前記第2の方向において、隣接する前記電極内スリット同士の間隔、または隣接する前記電極内スリットと前記電極間スリットとの間隔が、1つの前記画素電極に対応する大きさとされている
請求項1または2に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
【請求項4】
前記電極内スリットと前記電極間スリットとがそれぞれ、隣接する2つの前記画素電極の間に位置している
請求項3に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
【請求項5】
前記表示部は、TN方式、ECB方式、FFS方式、またはIPS方式による液晶層を有する
請求項4に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
【請求項6】
前記複数の画素電極および前記複数の画素電極に前記画像信号を供給する画像信号配線、ならびに前記複数の駆動電極に前記駆動信号を供給する駆動信号配線が形成された画素基板と、
前記画素基板に対向配置され、前記複数の駆動電極が形成された対向基板と、
前記対向基板と前記画素基板との間で、前記表示部における有効表示領域の外側に設けられ、前記複数の駆動電極と前記駆動信号配線とを導通するコンタクト部と
をさらに備えた請求項1または2に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
【請求項7】
画素基板と、
前記画素基板に対向配置された対向基板とをさらに備え、
前記画素基板に、前記複数の画素電極および前記複数の画素電極に前記画像信号を供給する画像信号配線と、前記複数の駆動電極および前記複数の駆動電極に前記駆動信号を供給する駆動信号配線とが形成されている
請求項1または2に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
【請求項8】
前記画素基板において、前記画像信号配線は前記第2の方向に延在し、前記複数の駆動電極は前記画像信号配線に対して前記対向基板側に配置され、
前記対向基板側から見て、前記電極内スリットは、前記電極内スリットと前記画像信号配線とが交差する部分に対応する位置では不連続となり、前記画像信号配線と前記駆動電極とが重なる状態となるように形成されている
請求項7に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
【請求項9】
前記複数の駆動電極はそれぞれ、前記電極内スリットを1以上有し、
前記第2の方向において、隣接する前記電極内スリット同士の間隔、または隣接する前記電極内スリットと前記電極間スリットとの間隔が、500μm以下である
請求項1または2に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
【請求項10】
前記第2の方向において、隣接する前記電極内スリット同士の間隔、または隣接する前記電極内スリットと前記電極間スリットとの間隔が、300μm以下である
請求項9に記載のタッチ検出機能付き表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2012−47801(P2012−47801A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−187175(P2010−187175)
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】