タンパク質汚れの除去／再付着防止方法
方法および組成物は、タンパク質汚れを除去しおよび表面上に汚れの再付着を防止するために提供される。本方法は、洗浄サイクルの洗浄ステップの間、タンパク質除去／抗再付着剤を導入すること、洗浄サイクルの洗浄ステップの間、洗浄組成物を導入すること、洗浄サイクルの間、タンパク質除去／抗再付着剤および洗浄組成物で基質の表面を洗浄すること、並びにその後、リンス助剤で基質の表面をリンスすることを含む。タンパク質除去／抗再付着剤は、ポリ糖を含み、および洗浄組成物は、アルカリ性ソースおよび界面活性成分を含む。本組成物は、実質的にリン含有化合物ではなく、および約０．０５重量％未満のアルカリ土類金属を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、洗浄組成物の分野に一般的に関する。特に、本発明は、タンパク質汚れの除去／再付着（ｒｅｄｅｐｏｓｉｔｉｏｎ）防止のための組成物、および方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
物品洗浄（ｗａｒｅｗａｓｈｉｎｇ）および洗濯産業で使用される従来の洗浄剤は、アルカリ洗浄剤を含む。アルカリ洗浄剤は、施設および消費者使用の両方を意図し、典型的にリン酸塩を含む。リン酸塩は、水の硬度を低減し、同様に洗浄力、抗再付着、および結晶修飾（ｃｒｙｓｔａｌ ｍｏｄｉｆｉｃａｔｉｎ）を増加するために洗浄剤について一般的に使用される多機能成分である。洗浄力は、湿性（ｗｅｔ）、乳化、懸濁、浸透、および汚れを分配する能力として定義される。
【０００３】
特に、トリポリリン酸ナトリウムおよびそれらの塩などのポリリン酸塩は、炭酸カルシウム沈殿を防止するそれらの能力および汚れを分散および懸濁するそれらの能力のため、洗浄剤において使用される。仮に炭酸カルシウムが、沈殿することが許容されるなら、当該結晶が、洗浄されている表面に付着するかもしれず、および所望しない影響を引き起こすであろう。例えば、物品の表面上への炭酸カルシウムの沈殿は、物品の美的外観にネガティブな影響を与えるであろうし、および物品に不潔な外見を与えるであろう。洗濯領域において、仮に炭酸カルシウム沈殿が沈殿しおよび生地の表面に付着すれば、当該結晶が、触れることにより硬くおよび粗い感覚を生地に残すかもしれない。炭酸カルシウムの沈殿を防止することに加えて、汚れを分散しおよび懸濁するトリポリリン酸ナトリウムの能力は、洗浄溶液または洗浄水内の再付着由来の汚れを防止することにより、溶液の洗浄力を促進する。
【０００４】
最近の規制により、作業は、近年、洗浄剤についてリンを置換することを指導されてきた。従って、リン酸塩、ホスホネート、亜リン酸塩、およびアクリルホスフィン酸ポリマーなどのリン含有化合物の特性を置換することができる環境にやさしい多機能成分について当該技術分野で必要がある。
【発明の概要】
【０００５】
一つの実施態様では、本発明は、基質の表面からタンパク質汚れを除去するためおよび基質の表面上にたんぱく質汚れの再付着を防止するための方法である。本方法は、洗浄サイクルの洗浄ステップの間、タンパク質除去／抗再付着剤を導入すること、洗浄サイクルの洗浄ステップの間、洗浄組成物を導入すること、洗浄サイクルの間、タンパク質除去／抗再付着剤および洗浄組成物で基質の表面を洗浄すること、並びに続いてリンス助剤（ａｉｄ）で基質の表面をリンスすることを含む。タンパク質除去／抗再付着剤は、ポリ糖（ｐｏｌｙ ｓｕｇａｒ）を含み、および洗浄組成物は、アルカリ性ソースおよび場合により界面活性成分を含む。界面活性剤は、洗浄組成物の約１５重量％までを構成してもよい。
【０００６】
他の実施態様では、本発明は、タンパク質汚れを除去するための、および表面上の汚れの再付着を防止するための方法である。本方法は、洗浄サイクルの洗浄ステップの間、洗浄組成物を導入すること、および洗浄サイクルのリンスステップの間、リンス助剤を導入することを含む。本組成物は、ポリ糖を約１重量％‐約９０重量％の間、アルカリ性ソースを約１重量％‐約８０重量％の間、界面活性成分を約１重量％‐約１０重量％の間、およびアルカリ土類金属を約０．０５％未満含む。
【０００７】
さらに実施態様では、本発明は、洗浄剤およびリンス助剤を含む洗浄組成物である。洗浄剤は、ポリ糖、アルカリ性ソースおよび場合により界面活性成分を含む。洗浄組成物の０．０５％‐０．２５％溶液は、約１０‐約１２．５の間のｐＨを有する。
【０００８】
複数の実施態様が開示されている一方、まだ、本発明の他の実施態様は、以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう、そしてそれは、本発明の例示的な実施態様を示しおよび記載する。従って、図面および詳細な説明は、実質的に例示および限定的でないとみなされる。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
発明の詳細な説明
本発明は、洗浄組成物および表面からタンパク質汚れを除去するための洗浄組成物を使用するための、および表面上の汚れの再付着を防止するための方法に関する。洗浄組成物は、ポリ糖を含むタンパク質汚れを除去するためのおよび再付着を防止するための剤を含む。一つの実施態様では、洗浄組成物は、実質的にはリン酸塩を含まない。現在当該技術分野で知られているほとんどの洗浄組成物と異なり、洗浄組成物は、効果があるためにリン酸塩を含む必要がない。従って、本発明の洗浄組成物は、従来の洗浄組成物とグリーンな置換を提供する。洗浄組成物は、物品洗浄（施設および消費者）、食品および飲料、健康および織物ケアを含むさまざまな産業で使用できるが、限定されない。特に、洗浄組成物は、ガラス、セラミック、プラスチックおよび金属表面について安全に使用できる。
【００１０】
洗浄組成物は、タンパク質汚れを除去することおよび洗浄されている表面上に汚れの再付着を防止することを補助するためにポリ糖を含む。ポリ糖は、タンパク質汚れを除去するためおよび抗再付着剤として機能するために伝統的に利用される組成物に対して安価な代替品を提供する。さらに、ポリ糖は、生分解性であり、およびしばしば一般的に安全と認められる（ＧＲＡＳ）として分類される。代表的なポリ糖は、アミロース、アミロペクチン、ペクチン、イヌリン、修飾イヌリン、ポテトスターチ、修飾ポテトスターチ、コーンスターチ、修飾コーンスターチ、小麦スターチ、修飾小麦スターチ、ライススターチ、修飾ライススターチ、セルロース、修飾セルロース、デキストリン、デキストラン、マルトデキストリン、シクロデキストリン、グリコーゲンおよびオリゴフルクトースを含むが、限定されない。特に、適当なポリ糖は、イヌリン、カルボキシメチルイヌリン、ポテトスターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、直鎖スルホン酸塩α‐（１，４）結合Ｄ‐グルコースポリマー、γ‐シクロデキストリンなどを含むが、限定されない。ポリ糖の組み合わせがまた使用されてもよい。
【００１１】
洗浄組成物はまた、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、またはアルカリ金属ケイ酸塩などのアルカリ性ソースを含む。適当なアルカリ性ソースの例は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムまたはアルカリ金属水酸化物およびアルカリ金属炭酸塩の混合物を含むが、限定されない。特に適当なアルカリ性ソースの例は、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、または炭酸ナトリウムおよび水酸化ナトリウムの混合物であるが、限定されない。アルカリ性ソースは、水が、使用溶液形態にするために洗浄組成物に添加されたとき、結果として生じる溶液のｐＨを制御する。洗浄組成物のｐＨは、十分な洗浄力特性を提供するために、アルカリ性の範囲で維持されなければならない。典型的な実施態様では、約０．０５％‐約０．２５％の間の溶液で、洗浄組成物のｐＨは、約１０‐約１２．５の間である。仮に、洗浄組成物のｐＨが低すぎると、例えば、約１０未満であれば、洗浄組成物は、十分な洗浄力特性を提供しないであろう。仮に、洗浄組成物のｐＨが高すぎると、例えば、約１２．５超であれば、洗浄組成物は、アルカリ性になりすぎ、および洗浄するための表面を攻撃し始めるであろう。
【００１２】
洗浄組成物はまた、消泡剤としておよび湿潤剤として主に機能する界面活性成分を含んでもよい。アニオン性、非イオン性、カチオン性および両イオン性界面活性剤を含む多様な界面活性剤が使用されてもよい。界面活性剤の議論のために、Ｋｉｒｋ‐Ｏｔｈｍｅｒ，Ｅｎｃｙｃｌｏｐｅｄｉａ ｏｆ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ，Ｔｈｉｒｄ Ｅｄｉｔｉｏｎ，ｖｏｌｕｍｅ８，ｐａｇｅｓ ９００‐９１２を参照し、そしてそれは、本明細書中に参照により取り込まれる。
【００１３】
洗浄組成物について有用な適当なアニオン性界面活性剤の例は、アルキルカルボキシレート（カルボン酸塩）およびポリアルコキシカルボキシレート、アルコールエトキシレートカルボキシレート、ノニルフェノールエトキシレートカルボキシレートなどのカルボキシレート；アルキルスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルアリールスルホネート、スルホン化脂肪酸エステルなどのスルホネート；硫酸化アルコール、硫酸化アルコールエトキシレート、硫酸化アルキルフェノール、アルキルサルフェート、スルホスクシネート、アルキルエーテルサルフェートなどのサルフェートを含むが、限定されない。いくつかの特に適当なアニオン性界面活性剤は、アルキルアリールスルホネートナトリウム、α‐オレフィンスルホネートおよび脂肪族アルコールサルフェートを含むが、限定されない。
【００１４】
非イオン性界面活性剤は、消泡のためおよび湿潤剤として使用できる。洗浄組成物について有用な典型的な非イオン性界面活性剤は、界面活性剤分子の部分としてポリアルキレンオキシドポリマーを有するそれらを含む。適当な非イオン性界面活性剤の例は、塩素、ベンジル、メチル、エチル、プロピル、ブチル、および脂肪族アルコールのアルキルキャップポリエチレングリコールエーテル；アルキルポリグルコシドなどの非イオン性を含まないポリアルキレンオキシド（ｐｏｌｙａｌｋｙｌｅｎｅ ｏｘｉｄｅ ｆｒｅｅ ｎｏｎｉｏｎｉｃ）；ソルビタンおよびスクロース並びにそれらのエトキシレート；アルコキシル化エチレンジアミン；アルコールエトキシレートプロポキシレート、アルコールプロポキシレート、アルコールプロポキシレートエトキシレートプロポキシレート、アルコールエトキシレートブトキシレートなどのアルコールアルコキシレート；ノニルフェノールエトキシレート、ポリオキシエチレングリコールエーテルなど；グリセロールエステル、ポリオキシエチレンエステル、エトキシ化および脂肪酸のグリコールエステルなどのカルボン酸エステル；ジエタノールアミン縮合物、モノアルカノールアミン縮合物、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドなどのカルボン酸アミド；およびエチレンオキシド／プロピレンオキシドブロックコポリマーを含むポリアルキレンオキシドブロックコポリマーを含むが、限定されない。特に適当な非イオン性界面活性剤の例は、３モルのエチレンオキシド（ＥＯ）および６モルのプロピレンオキシド（ＰＯ）を伴うＣ12‐Ｃ14脂肪族アルコールおよびＰＯ‐ＥＯ‐ＰＯブロックコポリマー界面活性剤を含むが、限定されない。適当な市販の非イオン性界面活性剤は、ニュージャージー州、フローラムパーク（Ｆｌｏｒｈａｍ Ｐａｒｋ）のＢＡＳＦ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎから入手できるプルロニック（ＰＬＵＲＯＮＩＣ）２５Ｒ２；バージニア州、ホープウェルのＧｏｌｄｓｃｈｍｉｄｔ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎから入手できるアビル（ＡＢＩＬ） Ｂ８８５２；およびドイツ、モンハイムに本社を置くＣｏｇｎｉｓから入手できるデヒポン（Ｄｅｈｙｐｏｎ） ＬＳ‐３６を含むが、限定されない。
【００１５】
洗浄組成物中に含むための有用なカチオン性の界面活性剤は、Ｃ18アルキルまたはアルケニル鎖を伴う第１級、第２級および第３級アミン、エトキシル化アルキルアミン、エチレンジアミンのアルコキシレートなどのアミン、１‐（２‐ヒドロキシエチル）‐２‐イミダゾリン、２‐アルキル‐１‐（２‐ヒドロキシエチル）‐２‐イミダゾリンなどのイミダゾール；および例えば、ｎ‐アルキル（Ｃ12‐Ｃ18）ジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ｎ‐テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド一水和物、およびジメチル‐１‐ナフチルメチルアンモニウムクロリドなどのナフタレン置換第４級アンモニウムクロリドなどのアルキル第４級アンモニウムクロリド界面活性剤として第四級アンモニウム塩を含むが、限定されない。界面活性剤のより広範なリストについては、ＭｃＣｕｔｃｈｅｏｎ’ｓ Ｅｍｕｌｓｉｆｉｅｒｓ ａｎｄ Ｄｅｔｅｒｇｅｎｔｓを参照し、そしてそれは参照により本明細書中に取り込まれる。
【００１６】
濃縮形態では、洗浄組成物の成分濃度は、洗浄組成物が、固体または液体形態のいずれかにより変化するであろう。固形形態では、洗浄組成物は、約１重量％‐約９０重量％の間のポリ糖、約１重量％‐約８０重量％の間のアルカリ性ソースおよび約１５重量％までの界面活性成分を含む。特に、洗浄成分は、約１重量％‐約６０重量％の間のポリ糖、約１重量％‐約６５重量％の間のアルカリ性ソースおよび約１重量％‐約１０重量％の間の界面活性成分を含む。より特に、洗浄組成物は、約１重量％‐約３５重量％の間のポリ糖、約１重量％‐約５５重量％の間のアルカリ性ソースおよび約１重量％‐約５重量％の間の界面活性成分を含む。他の実施態様では、同様の濃度が、また本発明の洗浄組成物において存在してもよい。
【００１７】
液体形態では、洗浄組成物は、約１重量％‐約６０重量％の間のポリ糖、約１重量％‐約４０重量％の間のアルカリ性ソースおよび約１重量％‐約１５重量％の間の界面活性成分を含む。特に、洗浄組成物は、約１重量％‐約４０重量％の間のポリ糖、約１重量％‐約２５重量％の間のアルカリ性ソースおよび約１重量％‐約１０重量％の間の界面活性成分を含む。より特に、洗浄組成物は、約１重量％‐約２０重量％の間のポリ糖、約１重量％‐約１５重量％の間のアルカリ性ソースおよび約１重量％‐約３重量％の間の界面活性成分を含む。他の実施態様では、同様の濃度が、本発明の洗浄組成物において存在してもよい。
【００１８】
一つの実施態様では、タンパク質除去／抗再付着剤は、約０．１重量％‐約８５重量％の洗浄組成物を構成する。特に、タンパク質除去／抗再付着剤は、約１重量％‐約６０重量％の洗浄組成物を構成する。より特に、タンパク質除去／抗再付着剤は、約２重量％‐約２０重量％の間の洗浄組成物を構成する。
【００１９】
洗浄組成物はまた、実質的にリンを含まない化合物である。実質的にリン不含有は、リン含有化合物が添加されない組成物を指す。典型的な実施態様では、洗浄組成物は、リン酸塩、ホスホネート、および亜リン酸エステル、またはそれらの混合物を約２重量％未満含む。特に、洗浄組成物は、リン酸塩、ホスホネート、および亜リン酸エステルを約１重量％未満含む。より特に、洗浄組成物は、リン酸塩、ホスホネート、および亜リン酸エステルを約０．５重量％未満含む。もっとも特に、洗浄組成物は、リン酸塩、ホスホネート、および亜リン酸エステルを約０．１重量％未満含む。
【００２０】
一つの実施態様では、洗浄組成物は、また、実質的にアルカリ土類金属を含まない。実質的に、アルカリ土類金属不含有は、アルカリ土類金属が添加されない組成物を指す。典型的な実施態様では、洗浄組成物は、アルカリ土類金属、それらの重量混合物を約１重量％未満含む。特に、洗浄組成物は、アルカリ土類金属を約０．５重量％未満含む。より特に、洗浄組成物は、アルカリ土類金属を約０．１重量％未満含む。もっとも特に、洗浄組成物は、アルカリ土類金属を約０．０５％未満含む。
【００２１】
洗浄組成物は、場合により、リンス助剤組成物、例えば、結合剤を使用して作られた固形組成物について他の任意の成分と結合した湿潤またはシート剤を含むリンス助剤調合物を含み得る。リンス助剤成分は、例えば物品洗浄プロセスで、リンスが完了した後、玉状の水により、引き起こされるシートアクション（ｓｈｅｅｔｉｎｇ ａｃｔｉｏｎ）を促進しおよび／または斑形成（ｓｐｏｔｔｉｎｇ）またはストリーキングを防止するためにリンス水の表面張力を減少することができる。シート剤の例は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、またはホモポリマー若しくはブロック若しくはヘテロコポリマー構造についての混合物を含むが、限定されない。そのようなポリエーテル化合物は、ポリアルキレンオキシドポリマー、ポリオキシアルキレンポリマーまたはポリアルキレングリコールポリマーとして知られる。そのようなシート剤は、分子に界面活性特性を与えるために相対的に疎水性の領域および相対的に親水性の領域を必要とする。リンス助剤組成物が使用されるとき、それは、サイクルごとに約１‐５ミリリットル存在でき、ここで一サイクルは、約６．５リットルの水を含む。
【００２２】
追加的な機能性材料
洗浄組成物は、追加的な機能性材料などのさらなる成分または剤を含んでもよい。それ自体として、いくつかの実施態様では、洗浄組成物は、タンパク質除去／抗再付着剤、アルカリ性ソースおよび界面活性成分が、大量、または例えば、その中に配置される追加的な機能性材料をほとんどまたはまったく有しない実施態様では、洗浄組成物の全重量のすべてさえ提供してもよい。機能性材料は、洗浄組成物に所望する特性または機能性を提供する。この適用の目的のために、用語「機能性材料」は、使用および濃縮溶液、例えば水溶液中にて分散または溶解されるとき、特定の使用において有益な特性を提供する材料を含む。タンパク質除去／抗再付着剤、アルカリ性ソースおよび界面活性成分を含む洗浄組成物は、場合により、例えば、米国特許第７，３４１，９８３号に記載されたような他の汚れ分解成分、界面活性剤、消毒剤、殺菌剤、酸味料、錯化剤、腐食防止剤、発泡防止剤、色素、増粘剤またはゲル化剤、および香料を含んでもよく、参照により本明細書中に取り込まれる。機能性材料のいくつかの特定の例は、以下でさらに詳細に述べるが、議論される特定の材料が、例のみとして提供され、および他の機能性材料の広範な多様性が使用されてもよいことが当業者およびその他により理解されるべきである。例えば、以下で議論される機能性材料の多くは、洗浄および／または脱染適用において使用される材料と関連するが、他の実施態様が、他の適用で使用するための機能性材料を含んでもよいことを理解すべきである。
【００２３】
増粘剤
本発明において有用な増粘剤は、酸性システムと互換性のあるそれらを含む。洗浄組成物の粘度は、増粘剤の量で増加し、および粘稠な組成物は、洗浄組成物が表面にくっついて使用するために有用である。好適な増粘剤は、処理されるべき表面上の汚染残留物を残さないものを含み得る。一般的に、本発明で使用されてもよい増粘剤は、キサンタンガム、グアーガム、修飾グアー、または植物粘質物由来のガムなどの天然ゴム；アルギネート、スターチ、およびセルロースポリマー（例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなど）などの多糖に基づく増粘剤；ポリアクリレート増粘剤；およびペクチンなどのヒドロコロイド増粘剤を含む。一般的に、本組成物または方法で使用される増粘剤の濃度は、最終組成物内での所望する粘度により決定されるであろう。しかしながら、一般的なガイドラインによると、本組成物内での増粘剤の粘度は、約０．１重量％‐約３重量％、約０．１重量％‐約２重量％、または約０．１重量％‐約０．５重量％の範囲である。
【００２４】
色素および香料
さまざまな色素、香料を含むオドラント、および他の審美性向上剤（ａｅｓｔｈｅｔｉｃ ｅｎｈａｎｃｉｎｇ ａｇｅｎｔ）が、また洗浄組成物中に含まれてもよい。色素は、例えば任意の多様なＦＤ＆Ｃ色素、Ｄ＆Ｃ色素などのように、組成物の外観を変えるために含んでもよい。追加的な適当な色素は、ダイレクトブルー８６（Ｍｉｌｅｓ）、ファスツソルブルー（Ｆａｓｔｕｓｏｌ Ｂｌｕｅ）（Ｍｏｂａｙ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏｒｐ．）、アシッドオレンジ（Ａｍｅｒｉｃａｎ Ｃｙａｎａｍｉｄ）、ベーシックバイオレット（Ｓａｎｄｏｚ），アシッドイエロー２３（ＧＡＦ）、アシッドイエロー１７（Ｓｉｇｍａ Ｃｈｅｍｉｃａｌ）、サップグリーン（Ｋｅｙｓｔｏｎｅ Ａｎｉｌｉｎｅ ａｎｄ Ｃｈｅｍｉｃａｌ），メタニルイエロー（Ｋｅｙｓｔｏｎｅ Ａｎｉｌｉｎｅ ａｎｄ Ｃｈｅｍｉｃａｌ）、アシッドブルー９（Ｈｉｌｔｏｎ Ｄａｖｉｓ）、サンドランブルー／アシッドブルー１８２（Ｓａｎｄｏｚ）、ヒソルファストレッド（Ｈｉｓｏｌ Ｆａｓｔ Ｒｅｄ）（Ｃａｐｉｔｏｌ Ｃｏｌｏｒ ａｎｄ Ｃｈｅｍｉｃａｌ）、フルオレセイン（Ｃａｐｉｔｏｌ Ｃｏｌｏｒ ａｎｄ Ｃｈｅｍｉｃａｌ）、アシッドグリーン２５（Ｃｉｂａ‐Ｇｅｉｇｙ）、ピラカーアシッドブライトレッド（Ｐｙｌａｋｏｒ Ａｃｉｄ Ｂｒｉｇｈｔ Ｒｅｄ）（Ｐｙｌａｍ）などを含む。組成物中に含んでもよい芳香（ｆｒａｇｒａｎｃｅ）および香料は、例えば、シトロネロールなどのテルペノイド、アミルシンナムアルデヒドなどのアルデヒド、シス‐ジャスミンまたはジャスマル（ｊａｓｍａｌ）、バニリンなどのジャスミンなどを含む。
【００２５】
漂白剤
洗浄組成物は、場合により、基質を明るくしおよび白くするために漂白剤を含んでもよく、および洗浄プロセスの間、典型的に遭遇する条件の下、Ｃｌ2、Ｂｒ2、‐ＯＣｌ‐および‐ＯＢｒ‐などの活性ハロゲン種を遊離することができる漂白化合物を含んでもよい。適当な漂白剤の例は、塩素、次亜塩素酸塩またはクロラミンなどの塩素含有化合物を含むが、限定されない。適当なハロゲン放出化合物の例は、アルカリ金属ジクロロイソシアヌレート、アルカリ金属次亜塩素酸塩、モノクロラミン、およびジクロロアミンを含むが、限定されない。カプセル化された塩素源は、また、組成物中の塩素源の安定性を促進するために使用される（例えば、米国特許第４，６１８，９１４号および４，８３０，７７３号参照、その開示は、参照により本明細書中に取り込まれる）。漂白剤は、また、活性酸素の供給源として含みまたは作用する剤を含んでもよい。活性酸素化合物は、活性酸素の供給源を提供するために作用し、および水溶液中に活性酸素を放出してもよい。活性酸素化合物は、無機、有機またはそれらの混合物でもよい。適当な活性酸素化合物の例は、テトラアセチルエチレンジアミンなどの活性化剤を含むまたは含まない、過酸素化合物（ｐｅｒｏｘｙｇｅｎ ｃｏｍｐｏｕｎｄ）、過酸素化合物付加物（ｐｅｒｏｘｙｇｅｎ ｃｏｍｐｏｕｎｄ ａｄｄｕｃｔ）、過酸化水素、過ホウ酸塩、炭酸ナトリウム過酸化水素付加物（ｓｏｄｉｕｍ ｃａｒｂｏｎａｔｅ ｐｅｒｏｘｙｈｙｄｒａｔｅ）、過リン酸塩（ｐｈｏｓｐｈａｔｅ ｐｅｒｏｘｙｈｙｄｒａｔｅ）、モノ過硫酸カリウムおよび過ホウ酸ナトリウム一または四水和物を含むが、限定されない。
【００２６】
殺菌剤（Ｓａｎｉｔｉｚｅｒ）／抗菌剤
洗浄剤は、場合により、殺菌剤（または抗菌剤）を含んでもよい。殺菌剤は、また、抗菌剤として知られ、微生物汚染および材料システム、表面などの劣化を防止するために使用できる化学組成物である。一般的に、これらの材料は、フェノール類、ハロゲン化合物、第４級アンモニウム化合物、金属誘導体、アミン、アルカノールアミン、ニトロ誘導体、アニリド、有機硫黄および硫黄‐窒素化合物ならびに種々の化合物を含む特定のクラスに分類される。
【００２７】
与えられた抗菌剤は、化学組成物および濃度に依拠して、単純に微生物の数のさらなる増殖を制限してもよく、または微生物集団のすべてまたは一部を破壊してもよい。用語「微生物（ｍｉｃｒｏｂｅ）」および「微生物（ｍｉｃｒｏｏｒｇａｎｉｓｍ）」は、典型的に、主に、バクテリア、ウィルス、酵母、芽胞、および真菌を指す。使用について、抗菌剤は、希釈されおよび分配される（ｄｉｓｐｅｎｓｅ）とき固体機能性材料を典型的に形成し、場合により、例えば、水溶性ストリームを使用することにより、生育の防止または微生物集団の一部の殺傷を生じるさまざまな表面と接触できる水溶性の消毒剤および殺菌剤組成物を形成する。微生物集団の３ｌｏｇ減少は、殺菌剤組成物となる。抗菌剤は、例えばその安定性を改善するためにカプセル化できる。
【００２８】
適当な抗微生物剤の例は、ペンタクロロフェノールなどのフェノール系抗菌剤；オルトフェニルフェノール；クロロ‐ｐ‐ベンジルフェノール；ｐ‐クロロ‐ｍ‐キシレノール；アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリドなどの第４級アンモニウム化合物；アルキルジメチルエチルベンジルアンモニウムクロリド；オクチルデシルジメチルアンモニウムクロリド；ジオクチルジメチルアンモニウムクロリド；およびジデシルジメチルアンモニウムクロリドを含むが、限定されない。適当なハロゲン含有抗菌剤の例は、トリクロロイソシアヌレートナトリウム、ジクロロイソシアネートナトリウム（無水または二水和物）、イオジン‐ポリ（ビニルピロリジノン）複合体、２‐ブロモ‐２‐ニトロプロパン‐１，３‐ジオールなどの臭素化合物、およびベンザルコニウムクロリド、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、二ヨウ化塩化コリン（ｃｈｏｌｉｎｅ ｄｉｉｏｄｏｃｈｌｏｒｉｄｅ）、およびテトラメチルホスホニウムトリブロミドなどの第４級抗菌剤を含むが、限定されない。ヘキサヒドロ‐１，３，５‐トリス（２‐ヒドロキシエチル）‐ｓ‐トリアジンなどの他の抗菌組成物、ジメチルジチオカルバメートなどのジチオカルバメート、およびさまざまな他の材料が、それらの抗菌特性により当該技術分野で知られている。
【００２９】
漂白剤の段落で上述したそれらなどの活性酸素化合物はまた、抗菌剤として働き、およびさらに殺菌活性を提供できることを理解すべきである。事実、いくつかの実施態様では、抗菌剤として働く活性酸素化合物の能力は、組成物内で追加の抗菌剤の必要性を低減する。例えば、過炭酸組成物は、優れた抗菌作用を提供することが実証されている。
【００３０】
活性剤
いくつかの実施態様では、この組成物の抗菌活性または漂白活性は、この組成物が使用状態に置かれた場合に、活性酸素と反応して活性化成分を形成する物質の添加によって促進することができる。例えば、いくつかの実施態様では、過酸または過酸の塩が形成される。例えば、いくつかの実施態様では、テトラアセチルエチレンジアミンは、洗浄剤組成物内に含まれてもよく、活性酸素と反応し、および抗菌剤として作用する過酸または過酸の塩を形成する。活性酸素活性剤の他の例は、遷移金属およびそれらの化合物、カルボキシル基部分、ニトリル部分もしくはエステル部分を含む化合物、または当該技術分野で知られている他のそのような化合物を含む。ある実施態様では、活性剤は、テトラアセチルエチレンジアミン；遷移金属；カルボキシル基部分、ニトリル部分、アミン部分もしくはエステル部分を含む化合物；またはそれらの混合物を含む。いくつかの実施態様では、活性酸素化合物のための活性剤は、活性酸素と結合し、抗菌剤を形成する。
【００３１】
いくつかの実施態様では、洗浄組成物は、固体ブロックの形態であり、および活性酸素のための活性剤材料は、固体ブロックと結合している。活性剤は、固体洗浄剤組成物どうしを結合する任意のさまざまな方法により、固体ブロックに結合できる。例えば、活性剤は、この活性剤は、固体ブロックに結合され、貼り付けられ、接着され、または他の方法で付着された固体形態であってもよい。代替的に、固形活性剤は、ブロックの周りに、および包み込むように形成することができる。さらなる例として、固体活性剤は、洗浄剤組成物のためのコンテナまたは包装によって、例えばプラスチックもしくは収縮ラップまたはフィルムによって、固体ブロックに結合されてもよい。
【００３２】
ビルダーまたは充填剤
洗浄組成物は、場合により、それ自体、必ずしも洗浄剤として働かないが、組成物の全体的な洗浄能力を増強するために洗浄剤と協同する一またはそれ以上の充填剤の微量であるが効果的な量を含んでもよい。適当な充填剤は、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、スターチ、糖、およびプロピレングリコールなどのＣ１‐Ｃ１０アルキレングリコールを含むが、限定されない。
【００３３】
ｐＨ緩衝剤
さらに、洗浄組成物は、水性操作、例えば、水性洗浄操作で使用の間、洗浄水が所望するｐＨを有するように調合してもよい。例えば、酸性化剤（ｓｏｕｒｉｎｇ ａｇｅｎｔ）は、布地のｐＨが、およそ適当な処理ｐＨに適合するように洗浄組成物に添加してもよい。酸性化剤は、残留するアルカリを中和しおよび衣服がヒトの皮膚と接触するとき、布地が皮膚を刺激しないように布地のｐＨを下げるために使用される穏やかな酸である。適当な酸性化剤の例は、リン酸、ギ酸、酢酸、ヒドロフルオロケイ酸、飽和脂肪酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸、およびそれらの任意の組み合わせを含むが、限定されない。飽和脂肪酸の例は、パルミチン酸、ステアリン酸、およびアラキドン酸（Ｃ20）などの１０またはそれ以上の炭素原子を有するそれらを含むが、限定されない。ジカルボン酸の例は、シュウ酸、酒石酸、グルタル酸、コハク酸、アジピン酸、およびスルファミン酸を含むが、限定されない。トリカルボン酸の例は、クエン酸およびトリカルバリル酸を含むが、限定されない。適当な市販の酸性化剤の例は、すべてミネソタ州セントポールのＥｃｏｌａｂ Ｉｎｃから入手できる、ターボプレックス（ＴｕｒｂｏＰｌｅｘ）、アドバケア（ＡｄｖａＣａｒｅ）１２０ サワー（Ｓｏｕｒ）、アドバケア（ＡｄｖａＣａｒｅ）１２０ サニタイジング（Ｓａｎｉｔｉｚｉｎｇ） サワー（Ｓｏｕｒ）、カルボブライト（ＣａｒｂｏＢｒｉｔｅ），およびエコノ（Ｅｃｏｎｏ） サワー（Ｓｏｕｒ）を含むが、限定されない。
【００３４】
消泡剤
洗浄組成物は、場合により、泡の安定性を低減するために消泡剤の微量であるが効果的な量を含んでもよい。適当な消泡剤の例は、ポリジメチルシロキサン中に分散されたシリカなどのシリコーン化合物、脂肪族アミド、炭化水素ワックス、脂肪酸、脂肪族エステル、脂肪族アルコール、脂肪酸せっけん、エトキシレート、ミネラルオイル、ポリエチレングリコールエステル、およびモノステアリルリン酸などのアルキルリン酸エステルを含むが、限定されない。消泡剤の議論は、例えば、Ｍａｒｔｉｎらの米国特許第３，０４８，５４８号、Ｂｒｕｎｅｌｌｅらの米国特許第３，３３４，１４７号、およびＲｕｅらの米国特許第３，４４２，２４２号に見出されてもよく、それらの開示を本明細書中に参照により取り込む。
【００３５】
抗再付着剤
洗浄組成物は、場合により、洗浄溶液中の汚れの懸濁の維持を促進し、また取り除かれた汚れが洗浄されている基質上に再付着するのを防止することを可能にする、抗再付着剤を含んでもよい。適当な抗再付着剤の例は、脂肪酸アミド、フッ化炭素界面活性剤、リン酸エステル複合体、ポリアクリレート、スチレン無水マレイン酸コポリマー、およびヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体を含むが、限定されない。
【００３６】
安定化剤
洗浄組成物はまた、安定化剤を含んでもよい。適当な安定化剤の例は、ホウ酸塩、カルシウム／マグネシウムイオン、プロピレングリコール、およびそれらの混合物を含むが、限定されない。
【００３７】
分散剤
洗浄組成物はまた、分散剤を含んでもよい。固体洗浄剤組成物中で使用できる適当な分散剤の例は、マレイン酸／オレフィンコポリマー、ポリアクリル酸、およびそれらの混合物を含むが、限定されない。
【００３８】
硬化剤／溶解性修飾剤
洗浄組成物は、微量であるが効果的な量の硬化剤を含んでもよい。適当な硬化剤の例は、ステアリン酸モノエタノールアミドまたはラウリン酸ジエタノールアミドのようなアミド、アルキルアミド、固体ポリエチレングリコール、固体ＥＯ／ＰＯブロックコポリマー、酸またはアルカリ処理プロセスを経て水溶性にされたデンプン、冷却によって固化する性質を加熱された組成物に与える種々の無機物を含むが、限定されない。そのような化合物はまた、洗浄剤および／または他の活性成分が、長期間にわたって固体組成物から分配されることが可能となるように、使用の間の水溶性媒体中の組成物の溶解度を変える。
【００３９】
アジュバント
本組成物はまた、任意の数のアジュバントを含んでもよい。特異的に、洗浄組成物は、組成物に添加できる他の成分の任意の数の中で、安定化剤、湿潤剤、発泡剤、腐食防止剤、殺生物剤および過酸化水素を含んでもよい。そのようなアジュバントは、本組成物と事前に調合してもよく、またシステムに同時に添加してもよく、また本組成物の添加後でさえよい。洗浄組成物はまた、適用により必要とされるような他の成分の任意の数を含んでよく、そしてそれは知られおよび本組成物の活性を促進できる。
【００４０】
本組成物の実施態様
典型的な濃縮組成物は、以下の表において示される。
【００４１】
【表１】
【００４２】
【表２】
【００４３】
本発明の濃縮組成物は、固体、液体、またはゲル、またはそれらの組み合わせとして提供してもよい。一つの実施態様では、洗浄組成物は、洗浄組成物が、実質的に任意の添加された水を含まないまたは濃縮物が、通常の量の水を含んでもよいような濃縮物として提供されてもよい。濃縮物は、水なしで調合されてもよく、また濃縮物の輸送費用を低減するために相対的に少量の水で提供されてもよい。例えば、組成物の濃度は、圧縮粉末、固体、またはルースパウダーのカプセルまたはペレットとして、水溶性材料によって含まれるか含まれないかのいずれでも、提供され得る。材料中に組成物のカプセルまたはペレットを提供する場合において、カプセルまたはペレットは、大量の水に導入することができ、仮に存在するなら、水溶性材料は、水で組成物濃縮物の接触を許容するために可溶化でき、分解でき、または分散できる。本開示の目的では、用語「カプセル」および「ペレット」は、典型的な目的のために使用され、および特定の形状に対して本発明の送達形態を限定しないことを意図する。
【００４４】
液体濃縮組成物として提供される場合、濃縮物は、アスピレーター、ぜん動ポンプ、ギヤポンプ、質量流量計などのディスペンシング装置を介して希釈できる。本液体濃縮物の実施態様はまた、ボトル、ジャー、投薬ボトル、投薬キャップを有するボトルなどで送達できる。液体濃縮物組成物は、その後スプレーボトル中に配置されるマルチチャンバーカートリッジインサート内に充填でき、または他の事前に測定された量の水を充填された他の送達装置内に充填できる。
【００４５】
さらに他の実施態様では、濃縮物組成物は、コンテナ内に配置するまで、崩壊または他の分解に耐える固形形態で提供されてもよい。そのようなコンテナは、コンテナ内に組成物濃縮物を配置するまえに水を充填してもよく、または組成物濃縮物がコンテナ内に配置されたあとで水を充填してもどちらでもよい。どちらの場合でも、固体濃縮物組成物は、水と接触すると溶解し、可溶化し、またはそのほかでは分解する。特定の実施態様では、固体濃縮物組成物は、急速に溶解し、それによって濃縮物組成物が使用組成物になることを可能にし、およびさらにクリーニングを必要とする表面に使用組成物をエンドユーザーが適用することを可能にする。
【００４６】
他の実施態様では、固形濃縮物組成物は、ディスペンシング装置を介して希釈でき、それによって水は、使用溶液を形成する固体ブロックに噴霧される。水流は、機械的、電気的、または油圧式制御などを使用して比較的一定の速度で送達される。固体濃縮物組成物はまた、ディスペンシング装置を介して希釈でき、それによって水が固体ブロックの周りを流れ、固形濃縮物溶解物として使用溶液を生成する。固形濃縮物組成物は、また、ペレット、錠剤、粉末およびペーストディスペンサーなどを介して希釈できる。
【００４７】
クリーニング組成物が、濃縮物中水を含む場合、水は、脱イオン水としてまたは軟水として提供してもよいことが認識されるべきである。濃縮物の一部として提供される水は、比較的硬度のないものであってもよい。水は、溶解した固形物の一部を除去するために脱イオン化できることが期待される。脱イオン水は、濃縮物を調合するために好ましいが、濃縮物は、脱イオン化されていない水で調合できる。すなわち、濃縮物は、溶解した固体を含む水で調合でき、および硬水として特徴付けられる水で調合できる。
【００４８】
濃縮物を希釈するために使用される水（希釈水）は、希釈の場所または現場で入手できる。希釈水は、場所に依拠した硬度のさまざまなレベルを含んでもよい。さまざまな自治体から入手できる上水は、硬度のさまざまなレベルを有する。さまざまな自治体の上水について見出される硬度レベルを取り扱える濃縮物を提供することが望ましい。濃縮物を希釈するために使用される希釈水は、少なくとも１グレイン硬度を含む場合、硬水として特徴付けることができる。希釈水が、少なくとも５グレイン硬度、少なくとも１０グレイン硬度、または少なくとも２０グレイン硬度を含むことができることが期待される。
【００４９】
濃縮物が、所望するレベルの洗浄性特性を有する使用溶液を提供するために、希釈水で希釈されることが期待される。仮に使用溶液が、頑固またはしつこい汚れを除去することを必要とするなら、濃縮物は、重量比で少なくとも１：１から１：８まで希釈水で希釈できることが期待される。仮に軽い汚れ洗浄使用溶液が所望されるなら、濃縮物は、濃縮物と希釈水の重量比で、約１：２５６まで希釈できることが期待される。
【００５０】
代替的な実施態様では、洗浄組成物は、すぐに使用できる（ＲＴＵ）組成物として提供されてもよい。仮に洗浄組成物が、ＲＴＵ組成物として提供されるなら、より有効な量の水が、希釈剤として洗浄組成物に添加される。濃縮物が、液体として提供される場合、ポンプまたは吸引できるように、流動性を有する形態でそれを提供することが望ましいであろう。一般的に、少量の液体を正確にポンプすることは困難であることが理解される。一般的に、大量の液体をポンプすることがより効果的である。従って、輸送費用を削減するためにできるだけ少ない濃縮物を提供することが望ましいが、また正確に分配できる濃縮物を提供することが望まれる。液体濃縮物の場合、水が、約９０重量％まで、好ましくは、約２０重量％‐約８５重量％の間、より好ましくは、約３０重量％‐約８０重量％の間、もっとも好ましくは、約５０重量％‐約８０重量％の間の量で存在することが期待される。
【００５１】
ＲＴＵ組成物の場合、上で開示した洗浄組成物は、仮に所望すれば、洗浄組成物の重量基準で、約９６重量％まで水でさらに希釈してもよい。
【００５２】
使用について、タンパク質除去／抗再付着剤を含む洗浄組成物は、洗浄サイクルの洗浄ステップの間、洗浄される表面に適用される。洗浄サイクルは、少なくとも洗浄ステップおよびリンスステップを含んでもよく、および場合によりまたプレ（事前）リンスステップを含んでもよい。洗浄サイクルは、洗浄組成物を溶解することに関与し、そしてそれは、例えば、アルカリ性ソース、ビルダー、界面活性剤、腐食防止剤などの成分を含んでもよい。リンスステップの間、一般的に、温または熱水が、洗浄するために表面上を流れる。リンス水は、例えば、界面活性剤またはリンス助剤などの成分を含んでもよい。本発明のタンパク質除去／抗再付着剤を含む洗浄組成物は、洗浄サイクルの洗浄ステップの間のみ使用され、およびリンスステップの間は使用されない。
【００５３】
洗浄ステップの間、タンパク質除去／抗再付着剤を含む洗浄組成物は、表面で接触し、並びに表面からタンパク質および他の残留物を浄化するために働く。さらに、タンパク質除去／抗再付着剤は、表面上に汚れが沈着することを防止することを助ける。ポリ糖に基づくタンパク質除去／抗再付着剤は、洗浄組成物の一部として議論されるが、ポリ糖は、場合により、分離組成物として、洗浄サイクルの洗浄ステップに添加される。従って、一つの実施態様では、ポリ糖は、洗浄組成物から独立して、洗浄サイクルの洗浄ステップに導入される。分離組成物として提供する場合、ポリ糖は、液体または固体形態で、約１００％まで、比較的高いレベルのポリ糖で、提供されてもよく、および手動または自動で導入されてもよい。
【００５４】
残留水の量を低減するための洗浄組成物の能力は、洗浄サイクルのリンスステップの間、物品とリンス助剤組成物を接触することにより増強することができる。リンス助剤組成物は、洗浄組成物で洗浄した物品に残った残留水の量を減少する。リンス助剤組成物は、リンスステップの間、リンスサイクルごとに約１‐約５ｍｌの間で存在する（一のリンスサイクルは、水約６．５Ｌである）。
【００５５】
本発明の組成物は、さまざまな表面を洗浄するために有用であってもよい。発明組成物は、セラミック、セラミックタイル、グラウト、花崗岩、コンクリート、ミラー、エナメル表面、アルミニウム、真鍮、ステンレススチール、を含む金属、ガラス、プラスチックなどを含む硬い表面上の汚れを洗浄するために使用されてもよいが、限定されない。本発明の組成物はまた、タオル、シーツ、および不織布ウェブなどの汚れたリネンを洗浄するために使用されてもよい。そのように、本発明の組成物は、手動または自動に関わらず、硬い表面の洗浄剤、洗濯洗浄剤、オーブン洗浄剤、ハンドソープ、自動車用洗浄剤、および物品洗浄洗浄剤を調合するために有用である。
【実施例】
【００５６】
本発明は、本発明の範囲内の多数の修正および変化が、当業者に明白であろうから、例示のみとして意図される以下の例についてより特に説明する。特に断りのない限り、以下の例で報告されたすべての部分、パーセンテージ、および比率は、重量基準であり、例において使用されたすべての剤は、以下に記載された化学薬品供給業者から入手または利用でき、または従来技術により合成してもよい。
【００５７】
使用される材料
デヒポン（Ｄｅｈｙｐｏｎ）ＬＳ‐３６：３モルのエチレンオキシド（ＥＯ）および６モルのプロピレンオキシド（ＰＯ）を伴うＣ12‐Ｃ14脂肪族アルコールは、ドイツ、モンハイムに本社を置くＣｏｇｎｉｓから入手した。
【００５８】
プルロニック（Ｐｌｕｒｏｎｉｃ）２５Ｒ２：ＰＯ‐ＥＯ‐ＰＯブロックコポリマー界面活性剤は、ニュージャージー州、フローラムパーク（Ｆｌｏｒｈａｍ Ｐａｒｋ）のＢＡＳＦ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎから入手した。
【００５９】
デクエスト（Ｄｅｑｕｅｓｔ）ｐｂ１１６１５（２５％）：カルボキシメチルイヌリン、ナトリウム塩溶液は、ドイツ、ウィッテンベルグ（Ｗｉｔｔｅｎｂｕｒｇ）のＴｈｅｒｍｐｈｏｓから入手した。
【００６０】
シクロデキストリン：８グルコピラノシド単位を有するγ‐シクロデキストリンは、ドイツ、ミュンヘンのＷａｃｋｅｒ Ｆｉｎｅ Ｃｈｅｍｉｃａｌｓから入手した。
【００６１】
アキュソル（Ａｃｕｓｏｌ）４４５ＮＤ：ポリアクリレートナトリウムポリマー（分子量４，５００ｇ／ｍｏｌ）は、ペンシルベニア州、フィラデルフィアのＲｏｈｍ＆Ｈａａｓ Ｃｏｍｐａｎｙから入手した。
【００６２】
デキストリン硫酸：直鎖スルホン化α‐（１，４）結合Ｄ‐グルコースポリマー。デキストリン硫酸を、１００ｍｌ乾燥三角フラスコに氷酢酸約３４ｇを最初に量ることで合成した。フラスコを、キャップし、および氷酢酸が結晶化するまでアイスバス中で冷却した。クリーンベンチで、約２０ｇのクロロスルホン酸を取り、およびアイスバス中の氷酢酸を含むフラスコに滴下した。フラスコを、その後キャップし、およびアイスバス上に保持した。別に、約１６ｇのデキストリンを、約４０ｇの氷冷氷酢酸に溶解した。氷冷クロロスルホン酸溶液を、氷冷デキストリン‐酢酸に添加した。溶液を持続的に混合し、および終夜室温で温めた。約１６０ｍｌの氷冷脱イオン水を、余剰のクロロスルホン酸の制御できない加水分解を避けるために約１時間にわたって滴下した。冷却および低速攪拌を、この時間の間、維持した。アルコールを、柔らかい褐色デキストリン硫酸を沈殿するために混合物に添加した。沈殿した塊を、ろ過し、水に溶解した小さなサンプルが、ｐＨ約３になるまで、アルコールで、数回洗浄した。取得した白色粉末製品を、その後、約１８ｇの８５％イソプロパノールでスラリー化し、およびｐＨが約６．５の値になるまで、１０％ＮａＯＨを添加した。１５０ｍｌのｉ‐プロパノールを、淡褐色、柔らかい、粘着性のデキストリン硫酸ナトリウムを沈殿するために添加した。アルコールを、デカントし、およびデキストリン硫酸を、約４０ｍｌのｉ‐プロパノールでリンスした。ｉ‐プロパノールを、その後、デカントし、およびデキストリン硫酸を、約４０ｍｌのアセトンで２回リンスした。アセトンをデカント後、製品を、塊の形成を避けるためにスパチュラで混合すると同時に、空気乾燥した。最終収率は、約１３ｇの明るいクリーム色の粉末であった。
【００６３】
マルチサイクルスポット、フィルムおよび汚れ除去試験
ガラスおよびプラスチックを洗浄するための組成物の能力を試験するために、１２の１０オンスリビー（Ｌｉｂｂｅｙ）耐熱ガラスタンブラーおよび４のニューポートプラスチックタンブラーを、使用した。ガラスタンブラーは、使用する前に洗浄した。新しいプラスチックタンブラーを、それぞれ７サイクルの試験に使用した。
【００６４】
食品汚れ溶液を、ビーフシチューおよびホットポイント汚れ（ｈｏｔ ｐｏｉｎｔ ｓｏｉｌ）の５０／５０の組み合わせを使用することにより調製した。溶液の濃度は、約２０００ｐｐｍであった。汚れは、ディンティムーア（Ｄｉｎｔｙ Ｍｏｏｒｅ）ビーフシチュー（１３６０ｇ）２缶、トマトソース大缶一つ（８２２ｇ）、１５．５スティックのブルーボンネット（Ｂｌｕｅ Ｂｏｎｎｅｔ）マーガリン（１７４６ｇ）および粉ミルク（４３６．４ｇ）を含む。
【００６５】
５グレイン水で食器洗い機を充填した後、ヒーターをつけた。最終リンス温度を約１８０°Ｆに調節した。ガラスおよびプラスチックタンブラーを、１：１のキャンベルのチキンクリームスープ：ケンプのホールミルクの混合物（容積）で３回ガラスを回転することにより汚した。ガラスをその後、１６０°Ｆで約８分間、オーブン中に置いた。ガラスを乾燥する間、約１２０ｇの食品汚れ溶液で下塗り（ｐｒｉｍｅ）し、そしてそれは、排水だめ中の約２０００ｐｐｍの食品汚れに相当する。
【００６６】
汚れたガラスおよびプラスチックタンブラーを、ラバーン（Ｒａｂｕｒｎ）ラック中に配置し（配置として以下の図を参照；Ｐ＝プラスチックタンブラー；Ｇ＝ガラスタンブラー）およびラックを、食器洗い機の内部に配置した。タンブラーを伴う最初の２つの列を、汚れ除去のために試験し、一方で、タンブラーを伴う次の２列を、再付着のために試験した。
【００６７】
【表３】
【００６８】
食器洗い機をその後、自動サイクルを介してスタートしおよび運転した。サイクルが終了したとき、ガラスおよびプラスチックタンブラーの上部を乾燥タオルで拭いた。汚れ除去のための試験を行ったガラスおよびプラスチックタンブラーを、移動しおよびスープ／ミルク汚し手順を繰り返した。再付着ガラスおよびプラスチックタンブラーは、移動しなかった。
【００６９】
それぞれのサイクルの開始時に、リンス希釈を補うために、適当な量の洗浄剤および食品汚れを添加した。汚しおよび洗浄ステップを、７回繰り返した。
【００７０】
ガラスおよびプラスチックタンブラーを、その後、クマシーブリリアントブルーＲ染色を使用し、続いて水性の酢酸／メタノール溶液で脱色することによりタンパク質の蓄積を評価した。クマシーブリリアントブルーＲ染色を、４５ｍｌの酢酸および５０％にしたメタノール４５５ｍｌと１．２５ｇのクマシーブリリアントブルーＲ色素を組み合わせることで調製した。脱色溶液は、滅菌水で４５％にしたメタノールおよび１０％にした酢酸を含む。脱色後ガラスおよびプラスチックタンブラー上に残っているタンパク質の量を、１‐５の等級で、視覚的に評価した。１の評価は、脱色後タンパク質が存在しないことを示す。２の評価は、脱色後ランダムな領域（かろうじて知覚できる）がタンパク質で覆われていることを示す。３の評価は、脱色後、表面の約１／４‐１／２がタンパク質で覆われていることを示す。４の評価は、脱色後、ガラス／プラスチック表面の約１／２‐３／４が、タンパク質で覆われていることを示す。５の評価は、脱色後、表面すべてがタンパク質で覆われていることを示す。
【００７１】
汚れ除去のため試験されたガラスタンブラーの評価を、ガラス表面から平均汚れ除去評価を決定するために平均化し、および汚れ除去のため試験されたプラスチックタンブラーの評価を、プラスチック表面から平均汚れ除去評価を決定するために平均化した。同様に、再付着のため試験されたガラスタンブラーの評価を、ガラス表面のための平均再付着評価を決定するために平均化し、再付着のために試験されたプラスチックタンブラーの評価を、プラスチック表面のための平均再付着評価を決定するために平均化した。
【００７２】
実施例１、２、３、４、５および６および比較例Ａ
実施例１，２，３，４，５および６は、表３で示したような、炭酸ナトリウム（ソーダ灰または重灰）、炭酸水素ナトリウム、モノ灰（ｍｏｎｏ ａｓｈ）、メタケイ酸ナトリウム、界面活性剤プレミックス、水酸化カリウム（４５％）、水、クエン酸ナトリウム脱水物およびさまざまなポリ糖の成分濃度（重量％）を伴う本発明の組成物である。デヒポンＬＳ‐３６およびプルロニック２５Ｒ２を含む界面活性剤プレミックスを、組成物の残りと結合する前に、最初に一緒に混合した。
【００７３】
実施例１，２，３，４，５および６の組成物は、約３０ｐｐｍのポリ糖を含む。特に、実施例１の組成物は、イヌリンを含み、実施例２の組成物は、デクエストｐｂ１１６１５を含み、実施例３の組成物は、可溶性ポテトスターチを含み、実施例４の組成物は、カルボキシメチルセルロースナトリウム（ＣＭＣ）、またカルメロースとして知られているを含み、実施例５の組成物は、デキストリン硫酸を含み、および実施例６の組成物は、シクロデキストリンを含む。
【００７４】
比較例Ａの組成物を、比較例Ａが、ポリ糖を含まないことを除き、実施例１，２，３，４，５および６と同様に調製した。
【００７５】
表３は、実施例１，２，３，４，５および６並びに比較例Ａの組成物のための成分濃度を示す。
【００７６】
【表４】
【００７７】
実施例１，２，３，４，５および６の組成物並びに比較例Ａを、上述した方法に従って汚れ除去および抗再付着特性について試験した。表４は、実施例１，２，３，４，５および６並びに比較例Ａの組成物で処理したガラスおよびプラスチックタンブラーのための平均視覚的評価を示す。一般的に、３または未満の平均評価、および特に２または未満の平均評価を、許容できるとみなす。
【００７８】
【表５】
【００７９】
表４で見られるように、ガラスから汚れを除去することについて、約３０ｐｐｍのポリ糖を含む実施例１‐６の組成物のすべてが、比較例Ａの組成物よりも優れていた。実施例１‐６の組成物をまた、実質的に同様に行い、プラスチックからの汚れの除去について、比較例Ａの組成物よりも優れていた。汚れの再付着に関して、実施例１‐６の組成物は、ガラス上の汚れの再付着を防止することについて、比較例Ａの組成物よりも優れていた。実施例１‐６の組成物のすべてはまた、プラスチック上の汚れの再付着を防止するための許容できる評価を有した。
【００８０】
特に、実施例１，２，３、および６の組成物、そしてそれらは、約３０ｐｐｍのイヌリン、カルボキシメチルイヌリン、ポテトスターチおよびシクロデキストリンをそれぞれ含み、ガラスおよびプラスチックから汚れを除去すること並びにガラスおよびプラスチック上の汚れの再付着を防止することについて、比較例Ａの組成物より優れていた。実施例１，２，３および６の組成物のすべては、ガラスから汚れを除去しおよびガラス上の再付着を防止するための許容できるレベルで行った。実施例１，２，３および６の組成物はまた、プラスチック上の汚れの再付着を防止するための許容できるレベルで行った。
【００８１】
実施例４および５の組成物は、そしてそれらは、約３０ｐｐｍのＣＭＣナトリウムおよびデキストリン硫酸をそれぞれ含み、ガラスから汚れを除去することおよびガラス上の再付着を防止することについて、比較例Ａの組成物よりも優れていた。同様の試験をプラスチック表面を使用して行った場合、実施例４および５の組成物は、汚れを除去することについて、比較例Ａの組成物と同様に行ったが、汚れの再付着を防止することについて、比較例Ａの組成物と同じように行わなかった。しかしながら、実施例４および５の組成物は、約３未満の評価を有し、許容できるレベルで今まで通り行った。
【００８２】
実施例７，８，９および１０並びに比較例Ａ
実施例７，８，９および１０は、表５で示したような、炭酸ナトリウム（ソーダ灰または重灰）、炭酸水素ナトリウム、モノ灰、メタケイ酸ナトリウム、界面活性剤プレミックス、水酸化カリウム（４５％）、水、クエン酸ナトリウム脱水物およびさまざまなポリ糖の成分濃度（重量％）を伴う本発明の組成物である。デヒポンＬＳ‐３６およびプルロニック２５Ｒ２を含む界面活性剤プレミックスを、組成物の残りと結合する前に、最初に一緒に混合した。
【００８３】
実施例７，８，９および１０の組成物は、約６０ｐｐｍのポリ糖を含む。特に、実施例７の組成物は、イヌリンを含み、実施例８の組成物は、ポテトスターチを含み、実施例９の組成物は、ＣＭＣナトリウムを含み、および実施例１０の組成物は、シクロデキストリンを含む。
【００８４】
比較例１０の組成物が、ポリ糖を含まないことを除き、比較例Ａの組成物を、実施例７、８，９および１０の組成物と同様に調製した。
【００８５】
表５は、実施例７，８，９および１０並びに比較例Ａの組成物のための成分濃度を示す。
【００８６】
【表６】
【００８７】
実施例７，８，９および１０並びに比較例Ａの組成物を、上記の方法に従って、汚れ除去および抗再付着特性のために試験した。表６は、実施例７，８，９および１０並びに比較例Ａの組成物で処理したガラスおよびプラスチックタンブラーのための平均視覚的評価を示す。一般的に、３または未満の平均評価、および特に２または未満の平均評価を、許容できるとみなす。
【００８８】
【表７】
【００８９】
表６で見られるように、約６０ｐｐｍで、イヌリン（実施例７）、ポテトスターチ（実施例８）およびシクロデキストリン（実施例１０）を含む組成物は、汚れを除去することおよびガラスおよびプラスチック表面上の汚れの再付着を防止することの両方について効果的であった。実施例７，８および１０の組成物はまた、すべての試験条件で、比較例Ａの組成物よりも優れていた。
【００９０】
実施例９の組成物、そしてそれは、ＣＭＣナトリウムを含むが、プラスチック表面から汚れを除去することおよびガラスおよびプラスチック表面から汚れの再付着を防止することについて、比較例Ａの組成物よりも優れていた。理論に縛られることなく、アルコール基以外の置換基で官能化されたポリ糖が、アルコール基で官能化されたポリ糖と同じようには働かないことが考えられる。
【００９１】
実施例１１および１２並びに比較例Ａ
実施例１１および１２は、表５で示したような、炭酸ナトリウム（ソーダ灰または重灰）、炭酸水素ナトリウム、モノ灰、メタケイ酸ナトリウム、界面活性剤プレミックス、水酸化カリウム（４５％）、水、クエン酸ナトリウム脱水物およびさまざまなポリ糖の成分濃度（重量％）を伴う本発明の組成物である。デヒポンＬＳ‐３６およびプルロニック２５Ｒ２を含む界面活性剤プレミックスを、組成物の残りと結合する前に、最初に一緒に混合した。
【００９２】
実施例１１および１２の組成物は、約９０ｐｐｍのポリ糖を含む。特に、実施例１１の組成物は、ポテトスターチを含み、および実施例１２の組成物は、シクロデキストリンを含む。
【００９３】
比較例Ａの組成物を、比較例Ａの組成物が、ポリ糖を含まないことを除き、実施例１１および実施例１２の組成物と同様に調製した。
【００９４】
表７は、実施例１１および１２並びに比較例Ａの組成物のための成分濃度を示す。
【００９５】
【表８】
【００９６】
上記方法に従って、実施例１１および１２並びに比較例Ａの組成物を、汚れ除去および抗再付着特性について試験した。表８は、実施例１１および１２並びに比較例Ａの組成物で処理したガラスおよびプラスチックタンブラーのための平均視覚化評価を示す。一般的に、３または未満の平均評価、および特に２または未満の平均評価を、許容できるとみなす。
【００９７】
【表９】
【００９８】
表８で見られるように、約９０ｐｐｍで、ポテトスターチ（実施例１１）およびシクロデキストリン（実施例１２）を含む組成物は、汚れを除去することおよびガラスおよびプラスチック表面上の汚れの再付着を防止することの両方において、効果的であった。実施例１１および実施例１２の組成物はまた、すべての試験条件において、比較例Ａの組成物よりも優れていた。
【００９９】
実施例１３，１４，１５および１６
一旦、ポリ糖の濃度の増加が、タンパク質汚れを除去しおよび再付着を防止するための洗浄組成物の能力を増加することを決定したので、ポリマーを含むさまざまな洗浄組成物を形成した。ポリマーは、一般的に水の硬度を制御するために使用されるため、試験を、ポリマーが、ポリ糖の能力に影響するかどうかを決定するために設計した。
【０１００】
実施例１３，１４，１５および１６は、表９で示したような、炭酸ナトリウム（ソーダ灰または重灰）、炭酸水素ナトリウム、モノ灰、メタケイ酸ナトリウム、界面活性剤プレミックス、水酸化カリウム（４５％）、水、クエン酸ナトリウム脱水物、アクソル（Ａｃｕｓｏｌ）４４５ＮＤおよびさまざまなポリ糖の成分濃度（重量％）を伴う本発明の組成物である。デヒポンＬＳ‐３６およびプルロニック２５Ｒ２を含む界面活性剤プレミックスを、組成物の残りと結合する前に、最初に一緒に混合した。
【０１０１】
実施例１３，１４，１５および１６の組成物は、ポリ糖を含む。特に、実施例１３および１４の組成物は、シクロデキストリンを含み、および実施例１５および１６の組成物は、ポテトスターチを含む。実施例１３および１４の組成物の間の主な相違は、実施例１３の組成物が、約３０ｐｐｍのシクロデキストリンを含み、および実施例１４の組成物が、約６０ｐｐｍのシクロデキストリンを含むことであった。同様に、実施例１５および１６の組成物の間の主な相違は、実施例１５の組成物が、約３０ｐｐｍのポテトスターチを含み、および実施例１６の組成物が、約６０ｐｐｍのポテトスターチを含むことであった。それぞれの組成物中の炭酸水素ナトリウムの量を、ポリ糖の量に適応するために変動した。
【０１０２】
表９は、実施例１３，１４，１５および１６の組成物のための成分濃度を示す。
【０１０３】
【表１０】
【０１０４】
実施例１３，１４，１５および１６の組成物を、上記方法に従って、汚れ除去および抗再付着特性について試験した。表１０は、実施例１３，１４，１５および１６の組成物で処理したガラスおよびプラスチックタンブラーのための平均視覚化評価を示す。一般的に、３または未満の平均評価、および特に２または未満の平均評価を、許容できるとみなす。
【０１０５】
【表１１】
【０１０６】
表１０で見られるように、約３０ｐｐｍおよび約６０ｐｐｍのシクロデキストリンを含む組成物（実施例１３および１４）は、ガラスからタンパク質汚れを除去するための許容できる視覚的評価を有した。
【０１０７】
３０ｐｐｍで、ポテトスターチ（実施例１５）はまた、ガラスからタンパク質汚れを除去するための許容できる視覚的評価となった。表１０で見られるように、ポテトスターチは、６０ｐｐｍで、ガラスおよびプラスチックの両方から、同程度の汚れを除去しなかった（実施例１５および１６それぞれ）。
【０１０８】
実施例１３，１４，１５および１６の組成物すべてが、ガラスおよびプラスチック表面の両方上の汚れの再付着を防止するための許容できる視覚的評価を有した。
【０１０９】
実施例１７，１８，１９、２０，２１および２２
ポリマーの添加が、タンパク質汚れを除去しおよび再付着を防止するためのポリ糖の能力に影響するかどうかの影響をさらに試験するために、さまざまな組成物を形成した。
【０１１０】
実施例１７、１８，１９、２０，２１および２２は、表９で示したような、炭酸ナトリウム（ソーダ灰または重灰）、炭酸水素ナトリウム、モノ灰、メタケイ酸ナトリウム、界面活性剤プレミックス、水酸化カリウム（４５％）、水、クエン酸ナトリウム脱水物、アクソル（Ａｃｕｓｏｌ）４４５ＮＤおよびさまざまなポリ糖の成分濃度（重量％）を伴う本発明の組成物である。デヒポンＬＳ‐３６およびプルロニック２５Ｒ２を含む界面活性剤プレミックスを、組成物の残りと結合する前に、最初に一緒に混合した。
【０１１１】
実施例１７、１８，１９，２０，２１および２２の組成物は、ポリ糖を含む。特に、実施例１７，１８および１９の組成物は、シクロデキストリンを含み、および実施例２０、２１および２２は、ポテトスターチを含む。実施例１７，１８および１９の組成物の間の主な相違は、実施例１７の組成物が、約３０ｐｐｍのシクロデキストリンを含み、実施例１８の組成物が、約６０ｐｐｍのシクロデキストリンを含み、および実施例１９の組成物が、約９０ｐｐｍのシクロデキストリンを含むことであった。同様に、実施例２０，２１および２２の組成物の間の主な相違は、実施例２０の組成物が、約３０ｐｐｍのポテトスターチを含み、実施例２１の組成物が、約６０ｐｐｍのポテトスターチを含み、実施例２２の組成物が、約６０ｐｐｍのポテトスターチを含むことであった。それぞれの組成物中の、炭酸水素ナトリウム、モノ灰およびアクソル４４５ＮＤの量を、ポリ糖の量に適応するために変動した。
【０１１２】
表１１は、実施例１７，１８，１９，２０，２１および２２の組成物のための成分濃度を示す。
【０１１３】
【表１２】
【０１１４】
上記方法に従って、実施例１７、１８、１９，２０，２１および２２の組成物を、汚れ除去および抗再付着特性について試験した。表１２は、実施例１７，１８、１９、２０、２１および２２の組成物で処理したガラスおよびプラスチックタンブラーのための平均視覚化評価を示す。一般的に、３または未満の平均評価、および特に２または未満の平均評価を、許容できるとみなす。
【０１１５】
【表１３】
【０１１６】
表１２は、実施例１７，１８，１９，２０、２１および２２のすべての組成物が、ガラスおよびプラスチック表面上の汚れの再付着を防止するための許容できる視覚化評価を有したことを示す。
【０１１７】
約３０ｐｐｍ、約６０ｐｐおよび約９０ｐｐｍのシクロデキストリン（実施例１７，１８および１９、それぞれ）と組み合わせたポリマーを含む組成物は、プラスチックからタンパク質汚れを除去しまたはガラスおよびプラスチックからタンパク質汚れの再付着を防止するためのポリ糖の能力に影響を与えなかった。特に、実施例１７、１８および１９の組成物は、ガラスおよびプラスチックからタンパク質汚れを除去するための許容できる視覚化評価を有した。
【０１１８】
ガラスから汚れを除去する能力は、ポテトスターチの量が、実施例２０の組成物から実施例２２の組成物まで増加したのにつれて、減少した一方で、プラスチックから汚れを除去するための能力は、許容できるレベルまで増加した。
【０１１９】
残留水
ポリ糖が、ガラスおよびプラスチックなどの硬い表面上のタンパク質の除去／再付着の防止に効果的であることを決定した後、一連の実行を、本発明の洗浄組成物で洗浄した物品上に残っていた残留水の量を決定するために行った。本発明の洗浄組成物で洗浄した後、物品を、リンス水中にリンス助剤を含んだまたは排除したいずれかのリンス水でリンスした。本試験は、リンス助剤の存在が、物品上に残った残留水の量について顕著な相違を生じるかどうかを見るために行った。それぞれの試験は、再現性を保証するために、２連で行った。ＲＯフリーおよびウルトラドライリンスエイドは、ミネソタ州セントポールのＥｃｏｌａｂ，Ｉｎｃから入手できるリンスである。
【０１２０】
次の仕様：洗浄槽容量６０リットル、リンス容量４．５リットル、洗浄時間４０秒およびリンス時間９秒で、ホバート（Ｈｏｂａｒｔ）ＡＭ‐１４物品洗浄機械を使用した。
【０１２１】
物品洗浄機械を、最初に５ＧＰＧ水で充填した。タンクヒーターを点け、および洗浄／リンスサイクルを、約１５０‐１６０°Ｆの間の洗浄温度および約１７５‐１９０°Ｆの間のリンス温度に達するまで、物品洗浄機械を運転した。物品洗浄機械を、１０００ｐｐｍ洗浄組成物で充填し、およびサイクルを、洗浄組成物が完全に溶解するように運転した。適用可能な実験のため、リンス助剤が、物品洗浄機械に対して相互作用（ｉｎｔｅｒｆａｃｅ）することを確認した。
【０１２２】
それぞれの試験で使用したリンス助剤の濃度は、２ｍｌであった。それぞれのコンテナを、秤量しおよび物品洗浄機械の内部のラック中に設置した（配列についての以下の図を参照）。Ｇ＝ガラスタンブラー、Ｐ＝プラスチックタンブラー、Ｍ＝金属ビーカー。
【０１２３】
【表１４】
【０１２４】
一の洗浄／リンスサイクルを、その後行った。ガラスを、物品洗浄機械から移動し、および物品洗浄機械から移動した後、約３０秒再秤量した。残留水の量を、以下の方程式：
一のサイクル後のコンテナ重量−一のサイクル前のコンテナ重量＝一のサイクル後の残留水の質量
から計算した。
【０１２５】
実施例２３，２４および２５
実施例２３、２４および２５の組成物は、本発明の組成物であり、およびポリ糖を含む。特に、実施例２３、２４および２５の組成物は、３％シクロデキストリンを含む。
【０１２６】
実施例２３の組成物で洗浄した物品を、リンス水のみでリンスした。実施例２４および２５の組成物で洗浄した物品を、リンス助剤を含むリンス水でリンスした。特に、実施例２４の組成物で洗浄した物品を、ＲＯフリーリンスエイドでリンスし、および実施例２５の組成物で洗浄した物品を、ウルトラドライリンスエイドでリンスした。
【０１２７】
上記方法に従って、実施例２３，２４および２５の組成物を、洗浄後残っている残留水の量を決定するために試験した。表１３は、実施例２３、２４および２５の組成物について、それぞれの残っている全および平均残留水および標準偏差を示す。それぞれの組成物およびリンス助剤の組み合わせを、２回行った。
【０１２８】
【表１５】
【０１２９】
上の表１３で示した結果は、残留水の量が、リンスステップの間に、リンス助剤を使用した場合、顕著に減少することを示す。特に、残留水の量は、ＲＯフリーリンスエイドを添加した場合（実施例２４）、平均約２０％減少し、ウルトラドライリンスエイドを添加した場合（実施例２５）、平均約２５％減少した。
【０１３０】
実施例２６、２７および２８
実施例２６、２７および２８の組成物は、本発明の組成物であり、およびポリ糖を含む。特に、実施例２６、２７および２８の組成物は、３％イヌリンを含む。
【０１３１】
実施例２６の組成物で洗浄した物品を、リンス水のみでリンスした。実施例２７および２８の組成物で洗浄した物品を、リンス助剤を含むリンス水でリンスした。特に、実施例２７の組成物で洗浄した物品を、ＲＯフリーリンスエイドでリンスし、および実施例２８の組成物で洗浄した物品を、ウルトラドライリンスエイドでリンスした。
【０１３２】
実施例２６、２７および２８の組成物を、上記方法に従って洗浄した後、残っている残留水の量を決定するために試験した。表１４は、実施例２６、２７および２８について乾燥時間および残っている残留水を示す。それぞれの組成物およびリンス助剤の組み合わせを、２回行った。
【０１３３】
【表１６】
【０１３４】
表１４は、物品上に残っている残留水の量が、リンスステップの間、リンス助剤を使用した場合、顕著に減少することを示す。特に、ＲＯフリーリンスエイドを添加した場合（実施例２７）、残留水の量が、平均２７％超減少し、およびウルトラドライリンスエイドを添加した場合（実施例２８）、平均約３８％減少した。
【０１３５】
さまざまな変更および追加が、本発明の範囲から逸脱することなく議論された典型的な実施例に対して行うことができる。例えば、上記実施態様は、特定の特徴を指す一方で、本発明の範囲は、また、特徴の異なる組み合わせを有する実施態様および上記特徴のすべてを含まない実施態様を含む。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、洗浄組成物の分野に一般的に関する。特に、本発明は、タンパク質汚れの除去／再付着（ｒｅｄｅｐｏｓｉｔｉｏｎ）防止のための組成物、および方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
物品洗浄（ｗａｒｅｗａｓｈｉｎｇ）および洗濯産業で使用される従来の洗浄剤は、アルカリ洗浄剤を含む。アルカリ洗浄剤は、施設および消費者使用の両方を意図し、典型的にリン酸塩を含む。リン酸塩は、水の硬度を低減し、同様に洗浄力、抗再付着、および結晶修飾（ｃｒｙｓｔａｌ ｍｏｄｉｆｉｃａｔｉｎ）を増加するために洗浄剤について一般的に使用される多機能成分である。洗浄力は、湿性（ｗｅｔ）、乳化、懸濁、浸透、および汚れを分配する能力として定義される。
【０００３】
特に、トリポリリン酸ナトリウムおよびそれらの塩などのポリリン酸塩は、炭酸カルシウム沈殿を防止するそれらの能力および汚れを分散および懸濁するそれらの能力のため、洗浄剤において使用される。仮に炭酸カルシウムが、沈殿することが許容されるなら、当該結晶が、洗浄されている表面に付着するかもしれず、および所望しない影響を引き起こすであろう。例えば、物品の表面上への炭酸カルシウムの沈殿は、物品の美的外観にネガティブな影響を与えるであろうし、および物品に不潔な外見を与えるであろう。洗濯領域において、仮に炭酸カルシウム沈殿が沈殿しおよび生地の表面に付着すれば、当該結晶が、触れることにより硬くおよび粗い感覚を生地に残すかもしれない。炭酸カルシウムの沈殿を防止することに加えて、汚れを分散しおよび懸濁するトリポリリン酸ナトリウムの能力は、洗浄溶液または洗浄水内の再付着由来の汚れを防止することにより、溶液の洗浄力を促進する。
【０００４】
最近の規制により、作業は、近年、洗浄剤についてリンを置換することを指導されてきた。従って、リン酸塩、ホスホネート、亜リン酸塩、およびアクリルホスフィン酸ポリマーなどのリン含有化合物の特性を置換することができる環境にやさしい多機能成分について当該技術分野で必要がある。
【発明の概要】
【０００５】
一つの実施態様では、本発明は、基質の表面からタンパク質汚れを除去するためおよび基質の表面上にたんぱく質汚れの再付着を防止するための方法である。本方法は、洗浄サイクルの洗浄ステップの間、タンパク質除去／抗再付着剤を導入すること、洗浄サイクルの洗浄ステップの間、洗浄組成物を導入すること、洗浄サイクルの間、タンパク質除去／抗再付着剤および洗浄組成物で基質の表面を洗浄すること、並びに続いてリンス助剤（ａｉｄ）で基質の表面をリンスすることを含む。タンパク質除去／抗再付着剤は、ポリ糖（ｐｏｌｙ ｓｕｇａｒ）を含み、および洗浄組成物は、アルカリ性ソースおよび場合により界面活性成分を含む。界面活性剤は、洗浄組成物の約１５重量％までを構成してもよい。
【０００６】
他の実施態様では、本発明は、タンパク質汚れを除去するための、および表面上の汚れの再付着を防止するための方法である。本方法は、洗浄サイクルの洗浄ステップの間、洗浄組成物を導入すること、および洗浄サイクルのリンスステップの間、リンス助剤を導入することを含む。本組成物は、ポリ糖を約１重量％‐約９０重量％の間、アルカリ性ソースを約１重量％‐約８０重量％の間、界面活性成分を約１重量％‐約１０重量％の間、およびアルカリ土類金属を約０．０５％未満含む。
【０００７】
さらに実施態様では、本発明は、洗浄剤およびリンス助剤を含む洗浄組成物である。洗浄剤は、ポリ糖、アルカリ性ソースおよび場合により界面活性成分を含む。洗浄組成物の０．０５％‐０．２５％溶液は、約１０‐約１２．５の間のｐＨを有する。
【０００８】
複数の実施態様が開示されている一方、まだ、本発明の他の実施態様は、以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう、そしてそれは、本発明の例示的な実施態様を示しおよび記載する。従って、図面および詳細な説明は、実質的に例示および限定的でないとみなされる。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
発明の詳細な説明
本発明は、洗浄組成物および表面からタンパク質汚れを除去するための洗浄組成物を使用するための、および表面上の汚れの再付着を防止するための方法に関する。洗浄組成物は、ポリ糖を含むタンパク質汚れを除去するためのおよび再付着を防止するための剤を含む。一つの実施態様では、洗浄組成物は、実質的にはリン酸塩を含まない。現在当該技術分野で知られているほとんどの洗浄組成物と異なり、洗浄組成物は、効果があるためにリン酸塩を含む必要がない。従って、本発明の洗浄組成物は、従来の洗浄組成物とグリーンな置換を提供する。洗浄組成物は、物品洗浄（施設および消費者）、食品および飲料、健康および織物ケアを含むさまざまな産業で使用できるが、限定されない。特に、洗浄組成物は、ガラス、セラミック、プラスチックおよび金属表面について安全に使用できる。
【００１０】
洗浄組成物は、タンパク質汚れを除去することおよび洗浄されている表面上に汚れの再付着を防止することを補助するためにポリ糖を含む。ポリ糖は、タンパク質汚れを除去するためおよび抗再付着剤として機能するために伝統的に利用される組成物に対して安価な代替品を提供する。さらに、ポリ糖は、生分解性であり、およびしばしば一般的に安全と認められる（ＧＲＡＳ）として分類される。代表的なポリ糖は、アミロース、アミロペクチン、ペクチン、イヌリン、修飾イヌリン、ポテトスターチ、修飾ポテトスターチ、コーンスターチ、修飾コーンスターチ、小麦スターチ、修飾小麦スターチ、ライススターチ、修飾ライススターチ、セルロース、修飾セルロース、デキストリン、デキストラン、マルトデキストリン、シクロデキストリン、グリコーゲンおよびオリゴフルクトースを含むが、限定されない。特に、適当なポリ糖は、イヌリン、カルボキシメチルイヌリン、ポテトスターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、直鎖スルホン酸塩α‐（１，４）結合Ｄ‐グルコースポリマー、γ‐シクロデキストリンなどを含むが、限定されない。ポリ糖の組み合わせがまた使用されてもよい。
【００１１】
洗浄組成物はまた、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、またはアルカリ金属ケイ酸塩などのアルカリ性ソースを含む。適当なアルカリ性ソースの例は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムまたはアルカリ金属水酸化物およびアルカリ金属炭酸塩の混合物を含むが、限定されない。特に適当なアルカリ性ソースの例は、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、または炭酸ナトリウムおよび水酸化ナトリウムの混合物であるが、限定されない。アルカリ性ソースは、水が、使用溶液形態にするために洗浄組成物に添加されたとき、結果として生じる溶液のｐＨを制御する。洗浄組成物のｐＨは、十分な洗浄力特性を提供するために、アルカリ性の範囲で維持されなければならない。典型的な実施態様では、約０．０５％‐約０．２５％の間の溶液で、洗浄組成物のｐＨは、約１０‐約１２．５の間である。仮に、洗浄組成物のｐＨが低すぎると、例えば、約１０未満であれば、洗浄組成物は、十分な洗浄力特性を提供しないであろう。仮に、洗浄組成物のｐＨが高すぎると、例えば、約１２．５超であれば、洗浄組成物は、アルカリ性になりすぎ、および洗浄するための表面を攻撃し始めるであろう。
【００１２】
洗浄組成物はまた、消泡剤としておよび湿潤剤として主に機能する界面活性成分を含んでもよい。アニオン性、非イオン性、カチオン性および両イオン性界面活性剤を含む多様な界面活性剤が使用されてもよい。界面活性剤の議論のために、Ｋｉｒｋ‐Ｏｔｈｍｅｒ，Ｅｎｃｙｃｌｏｐｅｄｉａ ｏｆ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ，Ｔｈｉｒｄ Ｅｄｉｔｉｏｎ，ｖｏｌｕｍｅ８，ｐａｇｅｓ ９００‐９１２を参照し、そしてそれは、本明細書中に参照により取り込まれる。
【００１３】
洗浄組成物について有用な適当なアニオン性界面活性剤の例は、アルキルカルボキシレート（カルボン酸塩）およびポリアルコキシカルボキシレート、アルコールエトキシレートカルボキシレート、ノニルフェノールエトキシレートカルボキシレートなどのカルボキシレート；アルキルスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルアリールスルホネート、スルホン化脂肪酸エステルなどのスルホネート；硫酸化アルコール、硫酸化アルコールエトキシレート、硫酸化アルキルフェノール、アルキルサルフェート、スルホスクシネート、アルキルエーテルサルフェートなどのサルフェートを含むが、限定されない。いくつかの特に適当なアニオン性界面活性剤は、アルキルアリールスルホネートナトリウム、α‐オレフィンスルホネートおよび脂肪族アルコールサルフェートを含むが、限定されない。
【００１４】
非イオン性界面活性剤は、消泡のためおよび湿潤剤として使用できる。洗浄組成物について有用な典型的な非イオン性界面活性剤は、界面活性剤分子の部分としてポリアルキレンオキシドポリマーを有するそれらを含む。適当な非イオン性界面活性剤の例は、塩素、ベンジル、メチル、エチル、プロピル、ブチル、および脂肪族アルコールのアルキルキャップポリエチレングリコールエーテル；アルキルポリグルコシドなどの非イオン性を含まないポリアルキレンオキシド（ｐｏｌｙａｌｋｙｌｅｎｅ ｏｘｉｄｅ ｆｒｅｅ ｎｏｎｉｏｎｉｃ）；ソルビタンおよびスクロース並びにそれらのエトキシレート；アルコキシル化エチレンジアミン；アルコールエトキシレートプロポキシレート、アルコールプロポキシレート、アルコールプロポキシレートエトキシレートプロポキシレート、アルコールエトキシレートブトキシレートなどのアルコールアルコキシレート；ノニルフェノールエトキシレート、ポリオキシエチレングリコールエーテルなど；グリセロールエステル、ポリオキシエチレンエステル、エトキシ化および脂肪酸のグリコールエステルなどのカルボン酸エステル；ジエタノールアミン縮合物、モノアルカノールアミン縮合物、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドなどのカルボン酸アミド；およびエチレンオキシド／プロピレンオキシドブロックコポリマーを含むポリアルキレンオキシドブロックコポリマーを含むが、限定されない。特に適当な非イオン性界面活性剤の例は、３モルのエチレンオキシド（ＥＯ）および６モルのプロピレンオキシド（ＰＯ）を伴うＣ12‐Ｃ14脂肪族アルコールおよびＰＯ‐ＥＯ‐ＰＯブロックコポリマー界面活性剤を含むが、限定されない。適当な市販の非イオン性界面活性剤は、ニュージャージー州、フローラムパーク（Ｆｌｏｒｈａｍ Ｐａｒｋ）のＢＡＳＦ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎから入手できるプルロニック（ＰＬＵＲＯＮＩＣ）２５Ｒ２；バージニア州、ホープウェルのＧｏｌｄｓｃｈｍｉｄｔ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎから入手できるアビル（ＡＢＩＬ） Ｂ８８５２；およびドイツ、モンハイムに本社を置くＣｏｇｎｉｓから入手できるデヒポン（Ｄｅｈｙｐｏｎ） ＬＳ‐３６を含むが、限定されない。
【００１５】
洗浄組成物中に含むための有用なカチオン性の界面活性剤は、Ｃ18アルキルまたはアルケニル鎖を伴う第１級、第２級および第３級アミン、エトキシル化アルキルアミン、エチレンジアミンのアルコキシレートなどのアミン、１‐（２‐ヒドロキシエチル）‐２‐イミダゾリン、２‐アルキル‐１‐（２‐ヒドロキシエチル）‐２‐イミダゾリンなどのイミダゾール；および例えば、ｎ‐アルキル（Ｃ12‐Ｃ18）ジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ｎ‐テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド一水和物、およびジメチル‐１‐ナフチルメチルアンモニウムクロリドなどのナフタレン置換第４級アンモニウムクロリドなどのアルキル第４級アンモニウムクロリド界面活性剤として第四級アンモニウム塩を含むが、限定されない。界面活性剤のより広範なリストについては、ＭｃＣｕｔｃｈｅｏｎ’ｓ Ｅｍｕｌｓｉｆｉｅｒｓ ａｎｄ Ｄｅｔｅｒｇｅｎｔｓを参照し、そしてそれは参照により本明細書中に取り込まれる。
【００１６】
濃縮形態では、洗浄組成物の成分濃度は、洗浄組成物が、固体または液体形態のいずれかにより変化するであろう。固形形態では、洗浄組成物は、約１重量％‐約９０重量％の間のポリ糖、約１重量％‐約８０重量％の間のアルカリ性ソースおよび約１５重量％までの界面活性成分を含む。特に、洗浄成分は、約１重量％‐約６０重量％の間のポリ糖、約１重量％‐約６５重量％の間のアルカリ性ソースおよび約１重量％‐約１０重量％の間の界面活性成分を含む。より特に、洗浄組成物は、約１重量％‐約３５重量％の間のポリ糖、約１重量％‐約５５重量％の間のアルカリ性ソースおよび約１重量％‐約５重量％の間の界面活性成分を含む。他の実施態様では、同様の濃度が、また本発明の洗浄組成物において存在してもよい。
【００１７】
液体形態では、洗浄組成物は、約１重量％‐約６０重量％の間のポリ糖、約１重量％‐約４０重量％の間のアルカリ性ソースおよび約１重量％‐約１５重量％の間の界面活性成分を含む。特に、洗浄組成物は、約１重量％‐約４０重量％の間のポリ糖、約１重量％‐約２５重量％の間のアルカリ性ソースおよび約１重量％‐約１０重量％の間の界面活性成分を含む。より特に、洗浄組成物は、約１重量％‐約２０重量％の間のポリ糖、約１重量％‐約１５重量％の間のアルカリ性ソースおよび約１重量％‐約３重量％の間の界面活性成分を含む。他の実施態様では、同様の濃度が、本発明の洗浄組成物において存在してもよい。
【００１８】
一つの実施態様では、タンパク質除去／抗再付着剤は、約０．１重量％‐約８５重量％の洗浄組成物を構成する。特に、タンパク質除去／抗再付着剤は、約１重量％‐約６０重量％の洗浄組成物を構成する。より特に、タンパク質除去／抗再付着剤は、約２重量％‐約２０重量％の間の洗浄組成物を構成する。
【００１９】
洗浄組成物はまた、実質的にリンを含まない化合物である。実質的にリン不含有は、リン含有化合物が添加されない組成物を指す。典型的な実施態様では、洗浄組成物は、リン酸塩、ホスホネート、および亜リン酸エステル、またはそれらの混合物を約２重量％未満含む。特に、洗浄組成物は、リン酸塩、ホスホネート、および亜リン酸エステルを約１重量％未満含む。より特に、洗浄組成物は、リン酸塩、ホスホネート、および亜リン酸エステルを約０．５重量％未満含む。もっとも特に、洗浄組成物は、リン酸塩、ホスホネート、および亜リン酸エステルを約０．１重量％未満含む。
【００２０】
一つの実施態様では、洗浄組成物は、また、実質的にアルカリ土類金属を含まない。実質的に、アルカリ土類金属不含有は、アルカリ土類金属が添加されない組成物を指す。典型的な実施態様では、洗浄組成物は、アルカリ土類金属、それらの重量混合物を約１重量％未満含む。特に、洗浄組成物は、アルカリ土類金属を約０．５重量％未満含む。より特に、洗浄組成物は、アルカリ土類金属を約０．１重量％未満含む。もっとも特に、洗浄組成物は、アルカリ土類金属を約０．０５％未満含む。
【００２１】
洗浄組成物は、場合により、リンス助剤組成物、例えば、結合剤を使用して作られた固形組成物について他の任意の成分と結合した湿潤またはシート剤を含むリンス助剤調合物を含み得る。リンス助剤成分は、例えば物品洗浄プロセスで、リンスが完了した後、玉状の水により、引き起こされるシートアクション（ｓｈｅｅｔｉｎｇ ａｃｔｉｏｎ）を促進しおよび／または斑形成（ｓｐｏｔｔｉｎｇ）またはストリーキングを防止するためにリンス水の表面張力を減少することができる。シート剤の例は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、またはホモポリマー若しくはブロック若しくはヘテロコポリマー構造についての混合物を含むが、限定されない。そのようなポリエーテル化合物は、ポリアルキレンオキシドポリマー、ポリオキシアルキレンポリマーまたはポリアルキレングリコールポリマーとして知られる。そのようなシート剤は、分子に界面活性特性を与えるために相対的に疎水性の領域および相対的に親水性の領域を必要とする。リンス助剤組成物が使用されるとき、それは、サイクルごとに約１‐５ミリリットル存在でき、ここで一サイクルは、約６．５リットルの水を含む。
【００２２】
追加的な機能性材料
洗浄組成物は、追加的な機能性材料などのさらなる成分または剤を含んでもよい。それ自体として、いくつかの実施態様では、洗浄組成物は、タンパク質除去／抗再付着剤、アルカリ性ソースおよび界面活性成分が、大量、または例えば、その中に配置される追加的な機能性材料をほとんどまたはまったく有しない実施態様では、洗浄組成物の全重量のすべてさえ提供してもよい。機能性材料は、洗浄組成物に所望する特性または機能性を提供する。この適用の目的のために、用語「機能性材料」は、使用および濃縮溶液、例えば水溶液中にて分散または溶解されるとき、特定の使用において有益な特性を提供する材料を含む。タンパク質除去／抗再付着剤、アルカリ性ソースおよび界面活性成分を含む洗浄組成物は、場合により、例えば、米国特許第７，３４１，９８３号に記載されたような他の汚れ分解成分、界面活性剤、消毒剤、殺菌剤、酸味料、錯化剤、腐食防止剤、発泡防止剤、色素、増粘剤またはゲル化剤、および香料を含んでもよく、参照により本明細書中に取り込まれる。機能性材料のいくつかの特定の例は、以下でさらに詳細に述べるが、議論される特定の材料が、例のみとして提供され、および他の機能性材料の広範な多様性が使用されてもよいことが当業者およびその他により理解されるべきである。例えば、以下で議論される機能性材料の多くは、洗浄および／または脱染適用において使用される材料と関連するが、他の実施態様が、他の適用で使用するための機能性材料を含んでもよいことを理解すべきである。
【００２３】
増粘剤
本発明において有用な増粘剤は、酸性システムと互換性のあるそれらを含む。洗浄組成物の粘度は、増粘剤の量で増加し、および粘稠な組成物は、洗浄組成物が表面にくっついて使用するために有用である。好適な増粘剤は、処理されるべき表面上の汚染残留物を残さないものを含み得る。一般的に、本発明で使用されてもよい増粘剤は、キサンタンガム、グアーガム、修飾グアー、または植物粘質物由来のガムなどの天然ゴム；アルギネート、スターチ、およびセルロースポリマー（例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなど）などの多糖に基づく増粘剤；ポリアクリレート増粘剤；およびペクチンなどのヒドロコロイド増粘剤を含む。一般的に、本組成物または方法で使用される増粘剤の濃度は、最終組成物内での所望する粘度により決定されるであろう。しかしながら、一般的なガイドラインによると、本組成物内での増粘剤の粘度は、約０．１重量％‐約３重量％、約０．１重量％‐約２重量％、または約０．１重量％‐約０．５重量％の範囲である。
【００２４】
色素および香料
さまざまな色素、香料を含むオドラント、および他の審美性向上剤（ａｅｓｔｈｅｔｉｃ ｅｎｈａｎｃｉｎｇ ａｇｅｎｔ）が、また洗浄組成物中に含まれてもよい。色素は、例えば任意の多様なＦＤ＆Ｃ色素、Ｄ＆Ｃ色素などのように、組成物の外観を変えるために含んでもよい。追加的な適当な色素は、ダイレクトブルー８６（Ｍｉｌｅｓ）、ファスツソルブルー（Ｆａｓｔｕｓｏｌ Ｂｌｕｅ）（Ｍｏｂａｙ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏｒｐ．）、アシッドオレンジ（Ａｍｅｒｉｃａｎ Ｃｙａｎａｍｉｄ）、ベーシックバイオレット（Ｓａｎｄｏｚ），アシッドイエロー２３（ＧＡＦ）、アシッドイエロー１７（Ｓｉｇｍａ Ｃｈｅｍｉｃａｌ）、サップグリーン（Ｋｅｙｓｔｏｎｅ Ａｎｉｌｉｎｅ ａｎｄ Ｃｈｅｍｉｃａｌ），メタニルイエロー（Ｋｅｙｓｔｏｎｅ Ａｎｉｌｉｎｅ ａｎｄ Ｃｈｅｍｉｃａｌ）、アシッドブルー９（Ｈｉｌｔｏｎ Ｄａｖｉｓ）、サンドランブルー／アシッドブルー１８２（Ｓａｎｄｏｚ）、ヒソルファストレッド（Ｈｉｓｏｌ Ｆａｓｔ Ｒｅｄ）（Ｃａｐｉｔｏｌ Ｃｏｌｏｒ ａｎｄ Ｃｈｅｍｉｃａｌ）、フルオレセイン（Ｃａｐｉｔｏｌ Ｃｏｌｏｒ ａｎｄ Ｃｈｅｍｉｃａｌ）、アシッドグリーン２５（Ｃｉｂａ‐Ｇｅｉｇｙ）、ピラカーアシッドブライトレッド（Ｐｙｌａｋｏｒ Ａｃｉｄ Ｂｒｉｇｈｔ Ｒｅｄ）（Ｐｙｌａｍ）などを含む。組成物中に含んでもよい芳香（ｆｒａｇｒａｎｃｅ）および香料は、例えば、シトロネロールなどのテルペノイド、アミルシンナムアルデヒドなどのアルデヒド、シス‐ジャスミンまたはジャスマル（ｊａｓｍａｌ）、バニリンなどのジャスミンなどを含む。
【００２５】
漂白剤
洗浄組成物は、場合により、基質を明るくしおよび白くするために漂白剤を含んでもよく、および洗浄プロセスの間、典型的に遭遇する条件の下、Ｃｌ2、Ｂｒ2、‐ＯＣｌ‐および‐ＯＢｒ‐などの活性ハロゲン種を遊離することができる漂白化合物を含んでもよい。適当な漂白剤の例は、塩素、次亜塩素酸塩またはクロラミンなどの塩素含有化合物を含むが、限定されない。適当なハロゲン放出化合物の例は、アルカリ金属ジクロロイソシアヌレート、アルカリ金属次亜塩素酸塩、モノクロラミン、およびジクロロアミンを含むが、限定されない。カプセル化された塩素源は、また、組成物中の塩素源の安定性を促進するために使用される（例えば、米国特許第４，６１８，９１４号および４，８３０，７７３号参照、その開示は、参照により本明細書中に取り込まれる）。漂白剤は、また、活性酸素の供給源として含みまたは作用する剤を含んでもよい。活性酸素化合物は、活性酸素の供給源を提供するために作用し、および水溶液中に活性酸素を放出してもよい。活性酸素化合物は、無機、有機またはそれらの混合物でもよい。適当な活性酸素化合物の例は、テトラアセチルエチレンジアミンなどの活性化剤を含むまたは含まない、過酸素化合物（ｐｅｒｏｘｙｇｅｎ ｃｏｍｐｏｕｎｄ）、過酸素化合物付加物（ｐｅｒｏｘｙｇｅｎ ｃｏｍｐｏｕｎｄ ａｄｄｕｃｔ）、過酸化水素、過ホウ酸塩、炭酸ナトリウム過酸化水素付加物（ｓｏｄｉｕｍ ｃａｒｂｏｎａｔｅ ｐｅｒｏｘｙｈｙｄｒａｔｅ）、過リン酸塩（ｐｈｏｓｐｈａｔｅ ｐｅｒｏｘｙｈｙｄｒａｔｅ）、モノ過硫酸カリウムおよび過ホウ酸ナトリウム一または四水和物を含むが、限定されない。
【００２６】
殺菌剤（Ｓａｎｉｔｉｚｅｒ）／抗菌剤
洗浄剤は、場合により、殺菌剤（または抗菌剤）を含んでもよい。殺菌剤は、また、抗菌剤として知られ、微生物汚染および材料システム、表面などの劣化を防止するために使用できる化学組成物である。一般的に、これらの材料は、フェノール類、ハロゲン化合物、第４級アンモニウム化合物、金属誘導体、アミン、アルカノールアミン、ニトロ誘導体、アニリド、有機硫黄および硫黄‐窒素化合物ならびに種々の化合物を含む特定のクラスに分類される。
【００２７】
与えられた抗菌剤は、化学組成物および濃度に依拠して、単純に微生物の数のさらなる増殖を制限してもよく、または微生物集団のすべてまたは一部を破壊してもよい。用語「微生物（ｍｉｃｒｏｂｅ）」および「微生物（ｍｉｃｒｏｏｒｇａｎｉｓｍ）」は、典型的に、主に、バクテリア、ウィルス、酵母、芽胞、および真菌を指す。使用について、抗菌剤は、希釈されおよび分配される（ｄｉｓｐｅｎｓｅ）とき固体機能性材料を典型的に形成し、場合により、例えば、水溶性ストリームを使用することにより、生育の防止または微生物集団の一部の殺傷を生じるさまざまな表面と接触できる水溶性の消毒剤および殺菌剤組成物を形成する。微生物集団の３ｌｏｇ減少は、殺菌剤組成物となる。抗菌剤は、例えばその安定性を改善するためにカプセル化できる。
【００２８】
適当な抗微生物剤の例は、ペンタクロロフェノールなどのフェノール系抗菌剤；オルトフェニルフェノール；クロロ‐ｐ‐ベンジルフェノール；ｐ‐クロロ‐ｍ‐キシレノール；アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリドなどの第４級アンモニウム化合物；アルキルジメチルエチルベンジルアンモニウムクロリド；オクチルデシルジメチルアンモニウムクロリド；ジオクチルジメチルアンモニウムクロリド；およびジデシルジメチルアンモニウムクロリドを含むが、限定されない。適当なハロゲン含有抗菌剤の例は、トリクロロイソシアヌレートナトリウム、ジクロロイソシアネートナトリウム（無水または二水和物）、イオジン‐ポリ（ビニルピロリジノン）複合体、２‐ブロモ‐２‐ニトロプロパン‐１，３‐ジオールなどの臭素化合物、およびベンザルコニウムクロリド、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、二ヨウ化塩化コリン（ｃｈｏｌｉｎｅ ｄｉｉｏｄｏｃｈｌｏｒｉｄｅ）、およびテトラメチルホスホニウムトリブロミドなどの第４級抗菌剤を含むが、限定されない。ヘキサヒドロ‐１，３，５‐トリス（２‐ヒドロキシエチル）‐ｓ‐トリアジンなどの他の抗菌組成物、ジメチルジチオカルバメートなどのジチオカルバメート、およびさまざまな他の材料が、それらの抗菌特性により当該技術分野で知られている。
【００２９】
漂白剤の段落で上述したそれらなどの活性酸素化合物はまた、抗菌剤として働き、およびさらに殺菌活性を提供できることを理解すべきである。事実、いくつかの実施態様では、抗菌剤として働く活性酸素化合物の能力は、組成物内で追加の抗菌剤の必要性を低減する。例えば、過炭酸組成物は、優れた抗菌作用を提供することが実証されている。
【００３０】
活性剤
いくつかの実施態様では、この組成物の抗菌活性または漂白活性は、この組成物が使用状態に置かれた場合に、活性酸素と反応して活性化成分を形成する物質の添加によって促進することができる。例えば、いくつかの実施態様では、過酸または過酸の塩が形成される。例えば、いくつかの実施態様では、テトラアセチルエチレンジアミンは、洗浄剤組成物内に含まれてもよく、活性酸素と反応し、および抗菌剤として作用する過酸または過酸の塩を形成する。活性酸素活性剤の他の例は、遷移金属およびそれらの化合物、カルボキシル基部分、ニトリル部分もしくはエステル部分を含む化合物、または当該技術分野で知られている他のそのような化合物を含む。ある実施態様では、活性剤は、テトラアセチルエチレンジアミン；遷移金属；カルボキシル基部分、ニトリル部分、アミン部分もしくはエステル部分を含む化合物；またはそれらの混合物を含む。いくつかの実施態様では、活性酸素化合物のための活性剤は、活性酸素と結合し、抗菌剤を形成する。
【００３１】
いくつかの実施態様では、洗浄組成物は、固体ブロックの形態であり、および活性酸素のための活性剤材料は、固体ブロックと結合している。活性剤は、固体洗浄剤組成物どうしを結合する任意のさまざまな方法により、固体ブロックに結合できる。例えば、活性剤は、この活性剤は、固体ブロックに結合され、貼り付けられ、接着され、または他の方法で付着された固体形態であってもよい。代替的に、固形活性剤は、ブロックの周りに、および包み込むように形成することができる。さらなる例として、固体活性剤は、洗浄剤組成物のためのコンテナまたは包装によって、例えばプラスチックもしくは収縮ラップまたはフィルムによって、固体ブロックに結合されてもよい。
【００３２】
ビルダーまたは充填剤
洗浄組成物は、場合により、それ自体、必ずしも洗浄剤として働かないが、組成物の全体的な洗浄能力を増強するために洗浄剤と協同する一またはそれ以上の充填剤の微量であるが効果的な量を含んでもよい。適当な充填剤は、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、スターチ、糖、およびプロピレングリコールなどのＣ１‐Ｃ１０アルキレングリコールを含むが、限定されない。
【００３３】
ｐＨ緩衝剤
さらに、洗浄組成物は、水性操作、例えば、水性洗浄操作で使用の間、洗浄水が所望するｐＨを有するように調合してもよい。例えば、酸性化剤（ｓｏｕｒｉｎｇ ａｇｅｎｔ）は、布地のｐＨが、およそ適当な処理ｐＨに適合するように洗浄組成物に添加してもよい。酸性化剤は、残留するアルカリを中和しおよび衣服がヒトの皮膚と接触するとき、布地が皮膚を刺激しないように布地のｐＨを下げるために使用される穏やかな酸である。適当な酸性化剤の例は、リン酸、ギ酸、酢酸、ヒドロフルオロケイ酸、飽和脂肪酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸、およびそれらの任意の組み合わせを含むが、限定されない。飽和脂肪酸の例は、パルミチン酸、ステアリン酸、およびアラキドン酸（Ｃ20）などの１０またはそれ以上の炭素原子を有するそれらを含むが、限定されない。ジカルボン酸の例は、シュウ酸、酒石酸、グルタル酸、コハク酸、アジピン酸、およびスルファミン酸を含むが、限定されない。トリカルボン酸の例は、クエン酸およびトリカルバリル酸を含むが、限定されない。適当な市販の酸性化剤の例は、すべてミネソタ州セントポールのＥｃｏｌａｂ Ｉｎｃから入手できる、ターボプレックス（ＴｕｒｂｏＰｌｅｘ）、アドバケア（ＡｄｖａＣａｒｅ）１２０ サワー（Ｓｏｕｒ）、アドバケア（ＡｄｖａＣａｒｅ）１２０ サニタイジング（Ｓａｎｉｔｉｚｉｎｇ） サワー（Ｓｏｕｒ）、カルボブライト（ＣａｒｂｏＢｒｉｔｅ），およびエコノ（Ｅｃｏｎｏ） サワー（Ｓｏｕｒ）を含むが、限定されない。
【００３４】
消泡剤
洗浄組成物は、場合により、泡の安定性を低減するために消泡剤の微量であるが効果的な量を含んでもよい。適当な消泡剤の例は、ポリジメチルシロキサン中に分散されたシリカなどのシリコーン化合物、脂肪族アミド、炭化水素ワックス、脂肪酸、脂肪族エステル、脂肪族アルコール、脂肪酸せっけん、エトキシレート、ミネラルオイル、ポリエチレングリコールエステル、およびモノステアリルリン酸などのアルキルリン酸エステルを含むが、限定されない。消泡剤の議論は、例えば、Ｍａｒｔｉｎらの米国特許第３，０４８，５４８号、Ｂｒｕｎｅｌｌｅらの米国特許第３，３３４，１４７号、およびＲｕｅらの米国特許第３，４４２，２４２号に見出されてもよく、それらの開示を本明細書中に参照により取り込む。
【００３５】
抗再付着剤
洗浄組成物は、場合により、洗浄溶液中の汚れの懸濁の維持を促進し、また取り除かれた汚れが洗浄されている基質上に再付着するのを防止することを可能にする、抗再付着剤を含んでもよい。適当な抗再付着剤の例は、脂肪酸アミド、フッ化炭素界面活性剤、リン酸エステル複合体、ポリアクリレート、スチレン無水マレイン酸コポリマー、およびヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体を含むが、限定されない。
【００３６】
安定化剤
洗浄組成物はまた、安定化剤を含んでもよい。適当な安定化剤の例は、ホウ酸塩、カルシウム／マグネシウムイオン、プロピレングリコール、およびそれらの混合物を含むが、限定されない。
【００３７】
分散剤
洗浄組成物はまた、分散剤を含んでもよい。固体洗浄剤組成物中で使用できる適当な分散剤の例は、マレイン酸／オレフィンコポリマー、ポリアクリル酸、およびそれらの混合物を含むが、限定されない。
【００３８】
硬化剤／溶解性修飾剤
洗浄組成物は、微量であるが効果的な量の硬化剤を含んでもよい。適当な硬化剤の例は、ステアリン酸モノエタノールアミドまたはラウリン酸ジエタノールアミドのようなアミド、アルキルアミド、固体ポリエチレングリコール、固体ＥＯ／ＰＯブロックコポリマー、酸またはアルカリ処理プロセスを経て水溶性にされたデンプン、冷却によって固化する性質を加熱された組成物に与える種々の無機物を含むが、限定されない。そのような化合物はまた、洗浄剤および／または他の活性成分が、長期間にわたって固体組成物から分配されることが可能となるように、使用の間の水溶性媒体中の組成物の溶解度を変える。
【００３９】
アジュバント
本組成物はまた、任意の数のアジュバントを含んでもよい。特異的に、洗浄組成物は、組成物に添加できる他の成分の任意の数の中で、安定化剤、湿潤剤、発泡剤、腐食防止剤、殺生物剤および過酸化水素を含んでもよい。そのようなアジュバントは、本組成物と事前に調合してもよく、またシステムに同時に添加してもよく、また本組成物の添加後でさえよい。洗浄組成物はまた、適用により必要とされるような他の成分の任意の数を含んでよく、そしてそれは知られおよび本組成物の活性を促進できる。
【００４０】
本組成物の実施態様
典型的な濃縮組成物は、以下の表において示される。
【００４１】
【表１】
【００４２】
【表２】
【００４３】
本発明の濃縮組成物は、固体、液体、またはゲル、またはそれらの組み合わせとして提供してもよい。一つの実施態様では、洗浄組成物は、洗浄組成物が、実質的に任意の添加された水を含まないまたは濃縮物が、通常の量の水を含んでもよいような濃縮物として提供されてもよい。濃縮物は、水なしで調合されてもよく、また濃縮物の輸送費用を低減するために相対的に少量の水で提供されてもよい。例えば、組成物の濃度は、圧縮粉末、固体、またはルースパウダーのカプセルまたはペレットとして、水溶性材料によって含まれるか含まれないかのいずれでも、提供され得る。材料中に組成物のカプセルまたはペレットを提供する場合において、カプセルまたはペレットは、大量の水に導入することができ、仮に存在するなら、水溶性材料は、水で組成物濃縮物の接触を許容するために可溶化でき、分解でき、または分散できる。本開示の目的では、用語「カプセル」および「ペレット」は、典型的な目的のために使用され、および特定の形状に対して本発明の送達形態を限定しないことを意図する。
【００４４】
液体濃縮組成物として提供される場合、濃縮物は、アスピレーター、ぜん動ポンプ、ギヤポンプ、質量流量計などのディスペンシング装置を介して希釈できる。本液体濃縮物の実施態様はまた、ボトル、ジャー、投薬ボトル、投薬キャップを有するボトルなどで送達できる。液体濃縮物組成物は、その後スプレーボトル中に配置されるマルチチャンバーカートリッジインサート内に充填でき、または他の事前に測定された量の水を充填された他の送達装置内に充填できる。
【００４５】
さらに他の実施態様では、濃縮物組成物は、コンテナ内に配置するまで、崩壊または他の分解に耐える固形形態で提供されてもよい。そのようなコンテナは、コンテナ内に組成物濃縮物を配置するまえに水を充填してもよく、または組成物濃縮物がコンテナ内に配置されたあとで水を充填してもどちらでもよい。どちらの場合でも、固体濃縮物組成物は、水と接触すると溶解し、可溶化し、またはそのほかでは分解する。特定の実施態様では、固体濃縮物組成物は、急速に溶解し、それによって濃縮物組成物が使用組成物になることを可能にし、およびさらにクリーニングを必要とする表面に使用組成物をエンドユーザーが適用することを可能にする。
【００４６】
他の実施態様では、固形濃縮物組成物は、ディスペンシング装置を介して希釈でき、それによって水は、使用溶液を形成する固体ブロックに噴霧される。水流は、機械的、電気的、または油圧式制御などを使用して比較的一定の速度で送達される。固体濃縮物組成物はまた、ディスペンシング装置を介して希釈でき、それによって水が固体ブロックの周りを流れ、固形濃縮物溶解物として使用溶液を生成する。固形濃縮物組成物は、また、ペレット、錠剤、粉末およびペーストディスペンサーなどを介して希釈できる。
【００４７】
クリーニング組成物が、濃縮物中水を含む場合、水は、脱イオン水としてまたは軟水として提供してもよいことが認識されるべきである。濃縮物の一部として提供される水は、比較的硬度のないものであってもよい。水は、溶解した固形物の一部を除去するために脱イオン化できることが期待される。脱イオン水は、濃縮物を調合するために好ましいが、濃縮物は、脱イオン化されていない水で調合できる。すなわち、濃縮物は、溶解した固体を含む水で調合でき、および硬水として特徴付けられる水で調合できる。
【００４８】
濃縮物を希釈するために使用される水（希釈水）は、希釈の場所または現場で入手できる。希釈水は、場所に依拠した硬度のさまざまなレベルを含んでもよい。さまざまな自治体から入手できる上水は、硬度のさまざまなレベルを有する。さまざまな自治体の上水について見出される硬度レベルを取り扱える濃縮物を提供することが望ましい。濃縮物を希釈するために使用される希釈水は、少なくとも１グレイン硬度を含む場合、硬水として特徴付けることができる。希釈水が、少なくとも５グレイン硬度、少なくとも１０グレイン硬度、または少なくとも２０グレイン硬度を含むことができることが期待される。
【００４９】
濃縮物が、所望するレベルの洗浄性特性を有する使用溶液を提供するために、希釈水で希釈されることが期待される。仮に使用溶液が、頑固またはしつこい汚れを除去することを必要とするなら、濃縮物は、重量比で少なくとも１：１から１：８まで希釈水で希釈できることが期待される。仮に軽い汚れ洗浄使用溶液が所望されるなら、濃縮物は、濃縮物と希釈水の重量比で、約１：２５６まで希釈できることが期待される。
【００５０】
代替的な実施態様では、洗浄組成物は、すぐに使用できる（ＲＴＵ）組成物として提供されてもよい。仮に洗浄組成物が、ＲＴＵ組成物として提供されるなら、より有効な量の水が、希釈剤として洗浄組成物に添加される。濃縮物が、液体として提供される場合、ポンプまたは吸引できるように、流動性を有する形態でそれを提供することが望ましいであろう。一般的に、少量の液体を正確にポンプすることは困難であることが理解される。一般的に、大量の液体をポンプすることがより効果的である。従って、輸送費用を削減するためにできるだけ少ない濃縮物を提供することが望ましいが、また正確に分配できる濃縮物を提供することが望まれる。液体濃縮物の場合、水が、約９０重量％まで、好ましくは、約２０重量％‐約８５重量％の間、より好ましくは、約３０重量％‐約８０重量％の間、もっとも好ましくは、約５０重量％‐約８０重量％の間の量で存在することが期待される。
【００５１】
ＲＴＵ組成物の場合、上で開示した洗浄組成物は、仮に所望すれば、洗浄組成物の重量基準で、約９６重量％まで水でさらに希釈してもよい。
【００５２】
使用について、タンパク質除去／抗再付着剤を含む洗浄組成物は、洗浄サイクルの洗浄ステップの間、洗浄される表面に適用される。洗浄サイクルは、少なくとも洗浄ステップおよびリンスステップを含んでもよく、および場合によりまたプレ（事前）リンスステップを含んでもよい。洗浄サイクルは、洗浄組成物を溶解することに関与し、そしてそれは、例えば、アルカリ性ソース、ビルダー、界面活性剤、腐食防止剤などの成分を含んでもよい。リンスステップの間、一般的に、温または熱水が、洗浄するために表面上を流れる。リンス水は、例えば、界面活性剤またはリンス助剤などの成分を含んでもよい。本発明のタンパク質除去／抗再付着剤を含む洗浄組成物は、洗浄サイクルの洗浄ステップの間のみ使用され、およびリンスステップの間は使用されない。
【００５３】
洗浄ステップの間、タンパク質除去／抗再付着剤を含む洗浄組成物は、表面で接触し、並びに表面からタンパク質および他の残留物を浄化するために働く。さらに、タンパク質除去／抗再付着剤は、表面上に汚れが沈着することを防止することを助ける。ポリ糖に基づくタンパク質除去／抗再付着剤は、洗浄組成物の一部として議論されるが、ポリ糖は、場合により、分離組成物として、洗浄サイクルの洗浄ステップに添加される。従って、一つの実施態様では、ポリ糖は、洗浄組成物から独立して、洗浄サイクルの洗浄ステップに導入される。分離組成物として提供する場合、ポリ糖は、液体または固体形態で、約１００％まで、比較的高いレベルのポリ糖で、提供されてもよく、および手動または自動で導入されてもよい。
【００５４】
残留水の量を低減するための洗浄組成物の能力は、洗浄サイクルのリンスステップの間、物品とリンス助剤組成物を接触することにより増強することができる。リンス助剤組成物は、洗浄組成物で洗浄した物品に残った残留水の量を減少する。リンス助剤組成物は、リンスステップの間、リンスサイクルごとに約１‐約５ｍｌの間で存在する（一のリンスサイクルは、水約６．５Ｌである）。
【００５５】
本発明の組成物は、さまざまな表面を洗浄するために有用であってもよい。発明組成物は、セラミック、セラミックタイル、グラウト、花崗岩、コンクリート、ミラー、エナメル表面、アルミニウム、真鍮、ステンレススチール、を含む金属、ガラス、プラスチックなどを含む硬い表面上の汚れを洗浄するために使用されてもよいが、限定されない。本発明の組成物はまた、タオル、シーツ、および不織布ウェブなどの汚れたリネンを洗浄するために使用されてもよい。そのように、本発明の組成物は、手動または自動に関わらず、硬い表面の洗浄剤、洗濯洗浄剤、オーブン洗浄剤、ハンドソープ、自動車用洗浄剤、および物品洗浄洗浄剤を調合するために有用である。
【実施例】
【００５６】
本発明は、本発明の範囲内の多数の修正および変化が、当業者に明白であろうから、例示のみとして意図される以下の例についてより特に説明する。特に断りのない限り、以下の例で報告されたすべての部分、パーセンテージ、および比率は、重量基準であり、例において使用されたすべての剤は、以下に記載された化学薬品供給業者から入手または利用でき、または従来技術により合成してもよい。
【００５７】
使用される材料
デヒポン（Ｄｅｈｙｐｏｎ）ＬＳ‐３６：３モルのエチレンオキシド（ＥＯ）および６モルのプロピレンオキシド（ＰＯ）を伴うＣ12‐Ｃ14脂肪族アルコールは、ドイツ、モンハイムに本社を置くＣｏｇｎｉｓから入手した。
【００５８】
プルロニック（Ｐｌｕｒｏｎｉｃ）２５Ｒ２：ＰＯ‐ＥＯ‐ＰＯブロックコポリマー界面活性剤は、ニュージャージー州、フローラムパーク（Ｆｌｏｒｈａｍ Ｐａｒｋ）のＢＡＳＦ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎから入手した。
【００５９】
デクエスト（Ｄｅｑｕｅｓｔ）ｐｂ１１６１５（２５％）：カルボキシメチルイヌリン、ナトリウム塩溶液は、ドイツ、ウィッテンベルグ（Ｗｉｔｔｅｎｂｕｒｇ）のＴｈｅｒｍｐｈｏｓから入手した。
【００６０】
シクロデキストリン：８グルコピラノシド単位を有するγ‐シクロデキストリンは、ドイツ、ミュンヘンのＷａｃｋｅｒ Ｆｉｎｅ Ｃｈｅｍｉｃａｌｓから入手した。
【００６１】
アキュソル（Ａｃｕｓｏｌ）４４５ＮＤ：ポリアクリレートナトリウムポリマー（分子量４，５００ｇ／ｍｏｌ）は、ペンシルベニア州、フィラデルフィアのＲｏｈｍ＆Ｈａａｓ Ｃｏｍｐａｎｙから入手した。
【００６２】
デキストリン硫酸：直鎖スルホン化α‐（１，４）結合Ｄ‐グルコースポリマー。デキストリン硫酸を、１００ｍｌ乾燥三角フラスコに氷酢酸約３４ｇを最初に量ることで合成した。フラスコを、キャップし、および氷酢酸が結晶化するまでアイスバス中で冷却した。クリーンベンチで、約２０ｇのクロロスルホン酸を取り、およびアイスバス中の氷酢酸を含むフラスコに滴下した。フラスコを、その後キャップし、およびアイスバス上に保持した。別に、約１６ｇのデキストリンを、約４０ｇの氷冷氷酢酸に溶解した。氷冷クロロスルホン酸溶液を、氷冷デキストリン‐酢酸に添加した。溶液を持続的に混合し、および終夜室温で温めた。約１６０ｍｌの氷冷脱イオン水を、余剰のクロロスルホン酸の制御できない加水分解を避けるために約１時間にわたって滴下した。冷却および低速攪拌を、この時間の間、維持した。アルコールを、柔らかい褐色デキストリン硫酸を沈殿するために混合物に添加した。沈殿した塊を、ろ過し、水に溶解した小さなサンプルが、ｐＨ約３になるまで、アルコールで、数回洗浄した。取得した白色粉末製品を、その後、約１８ｇの８５％イソプロパノールでスラリー化し、およびｐＨが約６．５の値になるまで、１０％ＮａＯＨを添加した。１５０ｍｌのｉ‐プロパノールを、淡褐色、柔らかい、粘着性のデキストリン硫酸ナトリウムを沈殿するために添加した。アルコールを、デカントし、およびデキストリン硫酸を、約４０ｍｌのｉ‐プロパノールでリンスした。ｉ‐プロパノールを、その後、デカントし、およびデキストリン硫酸を、約４０ｍｌのアセトンで２回リンスした。アセトンをデカント後、製品を、塊の形成を避けるためにスパチュラで混合すると同時に、空気乾燥した。最終収率は、約１３ｇの明るいクリーム色の粉末であった。
【００６３】
マルチサイクルスポット、フィルムおよび汚れ除去試験
ガラスおよびプラスチックを洗浄するための組成物の能力を試験するために、１２の１０オンスリビー（Ｌｉｂｂｅｙ）耐熱ガラスタンブラーおよび４のニューポートプラスチックタンブラーを、使用した。ガラスタンブラーは、使用する前に洗浄した。新しいプラスチックタンブラーを、それぞれ７サイクルの試験に使用した。
【００６４】
食品汚れ溶液を、ビーフシチューおよびホットポイント汚れ（ｈｏｔ ｐｏｉｎｔ ｓｏｉｌ）の５０／５０の組み合わせを使用することにより調製した。溶液の濃度は、約２０００ｐｐｍであった。汚れは、ディンティムーア（Ｄｉｎｔｙ Ｍｏｏｒｅ）ビーフシチュー（１３６０ｇ）２缶、トマトソース大缶一つ（８２２ｇ）、１５．５スティックのブルーボンネット（Ｂｌｕｅ Ｂｏｎｎｅｔ）マーガリン（１７４６ｇ）および粉ミルク（４３６．４ｇ）を含む。
【００６５】
５グレイン水で食器洗い機を充填した後、ヒーターをつけた。最終リンス温度を約１８０°Ｆに調節した。ガラスおよびプラスチックタンブラーを、１：１のキャンベルのチキンクリームスープ：ケンプのホールミルクの混合物（容積）で３回ガラスを回転することにより汚した。ガラスをその後、１６０°Ｆで約８分間、オーブン中に置いた。ガラスを乾燥する間、約１２０ｇの食品汚れ溶液で下塗り（ｐｒｉｍｅ）し、そしてそれは、排水だめ中の約２０００ｐｐｍの食品汚れに相当する。
【００６６】
汚れたガラスおよびプラスチックタンブラーを、ラバーン（Ｒａｂｕｒｎ）ラック中に配置し（配置として以下の図を参照；Ｐ＝プラスチックタンブラー；Ｇ＝ガラスタンブラー）およびラックを、食器洗い機の内部に配置した。タンブラーを伴う最初の２つの列を、汚れ除去のために試験し、一方で、タンブラーを伴う次の２列を、再付着のために試験した。
【００６７】
【表３】
【００６８】
食器洗い機をその後、自動サイクルを介してスタートしおよび運転した。サイクルが終了したとき、ガラスおよびプラスチックタンブラーの上部を乾燥タオルで拭いた。汚れ除去のための試験を行ったガラスおよびプラスチックタンブラーを、移動しおよびスープ／ミルク汚し手順を繰り返した。再付着ガラスおよびプラスチックタンブラーは、移動しなかった。
【００６９】
それぞれのサイクルの開始時に、リンス希釈を補うために、適当な量の洗浄剤および食品汚れを添加した。汚しおよび洗浄ステップを、７回繰り返した。
【００７０】
ガラスおよびプラスチックタンブラーを、その後、クマシーブリリアントブルーＲ染色を使用し、続いて水性の酢酸／メタノール溶液で脱色することによりタンパク質の蓄積を評価した。クマシーブリリアントブルーＲ染色を、４５ｍｌの酢酸および５０％にしたメタノール４５５ｍｌと１．２５ｇのクマシーブリリアントブルーＲ色素を組み合わせることで調製した。脱色溶液は、滅菌水で４５％にしたメタノールおよび１０％にした酢酸を含む。脱色後ガラスおよびプラスチックタンブラー上に残っているタンパク質の量を、１‐５の等級で、視覚的に評価した。１の評価は、脱色後タンパク質が存在しないことを示す。２の評価は、脱色後ランダムな領域（かろうじて知覚できる）がタンパク質で覆われていることを示す。３の評価は、脱色後、表面の約１／４‐１／２がタンパク質で覆われていることを示す。４の評価は、脱色後、ガラス／プラスチック表面の約１／２‐３／４が、タンパク質で覆われていることを示す。５の評価は、脱色後、表面すべてがタンパク質で覆われていることを示す。
【００７１】
汚れ除去のため試験されたガラスタンブラーの評価を、ガラス表面から平均汚れ除去評価を決定するために平均化し、および汚れ除去のため試験されたプラスチックタンブラーの評価を、プラスチック表面から平均汚れ除去評価を決定するために平均化した。同様に、再付着のため試験されたガラスタンブラーの評価を、ガラス表面のための平均再付着評価を決定するために平均化し、再付着のために試験されたプラスチックタンブラーの評価を、プラスチック表面のための平均再付着評価を決定するために平均化した。
【００７２】
実施例１、２、３、４、５および６および比較例Ａ
実施例１，２，３，４，５および６は、表３で示したような、炭酸ナトリウム（ソーダ灰または重灰）、炭酸水素ナトリウム、モノ灰（ｍｏｎｏ ａｓｈ）、メタケイ酸ナトリウム、界面活性剤プレミックス、水酸化カリウム（４５％）、水、クエン酸ナトリウム脱水物およびさまざまなポリ糖の成分濃度（重量％）を伴う本発明の組成物である。デヒポンＬＳ‐３６およびプルロニック２５Ｒ２を含む界面活性剤プレミックスを、組成物の残りと結合する前に、最初に一緒に混合した。
【００７３】
実施例１，２，３，４，５および６の組成物は、約３０ｐｐｍのポリ糖を含む。特に、実施例１の組成物は、イヌリンを含み、実施例２の組成物は、デクエストｐｂ１１６１５を含み、実施例３の組成物は、可溶性ポテトスターチを含み、実施例４の組成物は、カルボキシメチルセルロースナトリウム（ＣＭＣ）、またカルメロースとして知られているを含み、実施例５の組成物は、デキストリン硫酸を含み、および実施例６の組成物は、シクロデキストリンを含む。
【００７４】
比較例Ａの組成物を、比較例Ａが、ポリ糖を含まないことを除き、実施例１，２，３，４，５および６と同様に調製した。
【００７５】
表３は、実施例１，２，３，４，５および６並びに比較例Ａの組成物のための成分濃度を示す。
【００７６】
【表４】
【００７７】
実施例１，２，３，４，５および６の組成物並びに比較例Ａを、上述した方法に従って汚れ除去および抗再付着特性について試験した。表４は、実施例１，２，３，４，５および６並びに比較例Ａの組成物で処理したガラスおよびプラスチックタンブラーのための平均視覚的評価を示す。一般的に、３または未満の平均評価、および特に２または未満の平均評価を、許容できるとみなす。
【００７８】
【表５】
【００７９】
表４で見られるように、ガラスから汚れを除去することについて、約３０ｐｐｍのポリ糖を含む実施例１‐６の組成物のすべてが、比較例Ａの組成物よりも優れていた。実施例１‐６の組成物をまた、実質的に同様に行い、プラスチックからの汚れの除去について、比較例Ａの組成物よりも優れていた。汚れの再付着に関して、実施例１‐６の組成物は、ガラス上の汚れの再付着を防止することについて、比較例Ａの組成物よりも優れていた。実施例１‐６の組成物のすべてはまた、プラスチック上の汚れの再付着を防止するための許容できる評価を有した。
【００８０】
特に、実施例１，２，３、および６の組成物、そしてそれらは、約３０ｐｐｍのイヌリン、カルボキシメチルイヌリン、ポテトスターチおよびシクロデキストリンをそれぞれ含み、ガラスおよびプラスチックから汚れを除去すること並びにガラスおよびプラスチック上の汚れの再付着を防止することについて、比較例Ａの組成物より優れていた。実施例１，２，３および６の組成物のすべては、ガラスから汚れを除去しおよびガラス上の再付着を防止するための許容できるレベルで行った。実施例１，２，３および６の組成物はまた、プラスチック上の汚れの再付着を防止するための許容できるレベルで行った。
【００８１】
実施例４および５の組成物は、そしてそれらは、約３０ｐｐｍのＣＭＣナトリウムおよびデキストリン硫酸をそれぞれ含み、ガラスから汚れを除去することおよびガラス上の再付着を防止することについて、比較例Ａの組成物よりも優れていた。同様の試験をプラスチック表面を使用して行った場合、実施例４および５の組成物は、汚れを除去することについて、比較例Ａの組成物と同様に行ったが、汚れの再付着を防止することについて、比較例Ａの組成物と同じように行わなかった。しかしながら、実施例４および５の組成物は、約３未満の評価を有し、許容できるレベルで今まで通り行った。
【００８２】
実施例７，８，９および１０並びに比較例Ａ
実施例７，８，９および１０は、表５で示したような、炭酸ナトリウム（ソーダ灰または重灰）、炭酸水素ナトリウム、モノ灰、メタケイ酸ナトリウム、界面活性剤プレミックス、水酸化カリウム（４５％）、水、クエン酸ナトリウム脱水物およびさまざまなポリ糖の成分濃度（重量％）を伴う本発明の組成物である。デヒポンＬＳ‐３６およびプルロニック２５Ｒ２を含む界面活性剤プレミックスを、組成物の残りと結合する前に、最初に一緒に混合した。
【００８３】
実施例７，８，９および１０の組成物は、約６０ｐｐｍのポリ糖を含む。特に、実施例７の組成物は、イヌリンを含み、実施例８の組成物は、ポテトスターチを含み、実施例９の組成物は、ＣＭＣナトリウムを含み、および実施例１０の組成物は、シクロデキストリンを含む。
【００８４】
比較例１０の組成物が、ポリ糖を含まないことを除き、比較例Ａの組成物を、実施例７、８，９および１０の組成物と同様に調製した。
【００８５】
表５は、実施例７，８，９および１０並びに比較例Ａの組成物のための成分濃度を示す。
【００８６】
【表６】
【００８７】
実施例７，８，９および１０並びに比較例Ａの組成物を、上記の方法に従って、汚れ除去および抗再付着特性のために試験した。表６は、実施例７，８，９および１０並びに比較例Ａの組成物で処理したガラスおよびプラスチックタンブラーのための平均視覚的評価を示す。一般的に、３または未満の平均評価、および特に２または未満の平均評価を、許容できるとみなす。
【００８８】
【表７】
【００８９】
表６で見られるように、約６０ｐｐｍで、イヌリン（実施例７）、ポテトスターチ（実施例８）およびシクロデキストリン（実施例１０）を含む組成物は、汚れを除去することおよびガラスおよびプラスチック表面上の汚れの再付着を防止することの両方について効果的であった。実施例７，８および１０の組成物はまた、すべての試験条件で、比較例Ａの組成物よりも優れていた。
【００９０】
実施例９の組成物、そしてそれは、ＣＭＣナトリウムを含むが、プラスチック表面から汚れを除去することおよびガラスおよびプラスチック表面から汚れの再付着を防止することについて、比較例Ａの組成物よりも優れていた。理論に縛られることなく、アルコール基以外の置換基で官能化されたポリ糖が、アルコール基で官能化されたポリ糖と同じようには働かないことが考えられる。
【００９１】
実施例１１および１２並びに比較例Ａ
実施例１１および１２は、表５で示したような、炭酸ナトリウム（ソーダ灰または重灰）、炭酸水素ナトリウム、モノ灰、メタケイ酸ナトリウム、界面活性剤プレミックス、水酸化カリウム（４５％）、水、クエン酸ナトリウム脱水物およびさまざまなポリ糖の成分濃度（重量％）を伴う本発明の組成物である。デヒポンＬＳ‐３６およびプルロニック２５Ｒ２を含む界面活性剤プレミックスを、組成物の残りと結合する前に、最初に一緒に混合した。
【００９２】
実施例１１および１２の組成物は、約９０ｐｐｍのポリ糖を含む。特に、実施例１１の組成物は、ポテトスターチを含み、および実施例１２の組成物は、シクロデキストリンを含む。
【００９３】
比較例Ａの組成物を、比較例Ａの組成物が、ポリ糖を含まないことを除き、実施例１１および実施例１２の組成物と同様に調製した。
【００９４】
表７は、実施例１１および１２並びに比較例Ａの組成物のための成分濃度を示す。
【００９５】
【表８】
【００９６】
上記方法に従って、実施例１１および１２並びに比較例Ａの組成物を、汚れ除去および抗再付着特性について試験した。表８は、実施例１１および１２並びに比較例Ａの組成物で処理したガラスおよびプラスチックタンブラーのための平均視覚化評価を示す。一般的に、３または未満の平均評価、および特に２または未満の平均評価を、許容できるとみなす。
【００９７】
【表９】
【００９８】
表８で見られるように、約９０ｐｐｍで、ポテトスターチ（実施例１１）およびシクロデキストリン（実施例１２）を含む組成物は、汚れを除去することおよびガラスおよびプラスチック表面上の汚れの再付着を防止することの両方において、効果的であった。実施例１１および実施例１２の組成物はまた、すべての試験条件において、比較例Ａの組成物よりも優れていた。
【００９９】
実施例１３，１４，１５および１６
一旦、ポリ糖の濃度の増加が、タンパク質汚れを除去しおよび再付着を防止するための洗浄組成物の能力を増加することを決定したので、ポリマーを含むさまざまな洗浄組成物を形成した。ポリマーは、一般的に水の硬度を制御するために使用されるため、試験を、ポリマーが、ポリ糖の能力に影響するかどうかを決定するために設計した。
【０１００】
実施例１３，１４，１５および１６は、表９で示したような、炭酸ナトリウム（ソーダ灰または重灰）、炭酸水素ナトリウム、モノ灰、メタケイ酸ナトリウム、界面活性剤プレミックス、水酸化カリウム（４５％）、水、クエン酸ナトリウム脱水物、アクソル（Ａｃｕｓｏｌ）４４５ＮＤおよびさまざまなポリ糖の成分濃度（重量％）を伴う本発明の組成物である。デヒポンＬＳ‐３６およびプルロニック２５Ｒ２を含む界面活性剤プレミックスを、組成物の残りと結合する前に、最初に一緒に混合した。
【０１０１】
実施例１３，１４，１５および１６の組成物は、ポリ糖を含む。特に、実施例１３および１４の組成物は、シクロデキストリンを含み、および実施例１５および１６の組成物は、ポテトスターチを含む。実施例１３および１４の組成物の間の主な相違は、実施例１３の組成物が、約３０ｐｐｍのシクロデキストリンを含み、および実施例１４の組成物が、約６０ｐｐｍのシクロデキストリンを含むことであった。同様に、実施例１５および１６の組成物の間の主な相違は、実施例１５の組成物が、約３０ｐｐｍのポテトスターチを含み、および実施例１６の組成物が、約６０ｐｐｍのポテトスターチを含むことであった。それぞれの組成物中の炭酸水素ナトリウムの量を、ポリ糖の量に適応するために変動した。
【０１０２】
表９は、実施例１３，１４，１５および１６の組成物のための成分濃度を示す。
【０１０３】
【表１０】
【０１０４】
実施例１３，１４，１５および１６の組成物を、上記方法に従って、汚れ除去および抗再付着特性について試験した。表１０は、実施例１３，１４，１５および１６の組成物で処理したガラスおよびプラスチックタンブラーのための平均視覚化評価を示す。一般的に、３または未満の平均評価、および特に２または未満の平均評価を、許容できるとみなす。
【０１０５】
【表１１】
【０１０６】
表１０で見られるように、約３０ｐｐｍおよび約６０ｐｐｍのシクロデキストリンを含む組成物（実施例１３および１４）は、ガラスからタンパク質汚れを除去するための許容できる視覚的評価を有した。
【０１０７】
３０ｐｐｍで、ポテトスターチ（実施例１５）はまた、ガラスからタンパク質汚れを除去するための許容できる視覚的評価となった。表１０で見られるように、ポテトスターチは、６０ｐｐｍで、ガラスおよびプラスチックの両方から、同程度の汚れを除去しなかった（実施例１５および１６それぞれ）。
【０１０８】
実施例１３，１４，１５および１６の組成物すべてが、ガラスおよびプラスチック表面の両方上の汚れの再付着を防止するための許容できる視覚的評価を有した。
【０１０９】
実施例１７，１８，１９、２０，２１および２２
ポリマーの添加が、タンパク質汚れを除去しおよび再付着を防止するためのポリ糖の能力に影響するかどうかの影響をさらに試験するために、さまざまな組成物を形成した。
【０１１０】
実施例１７、１８，１９、２０，２１および２２は、表９で示したような、炭酸ナトリウム（ソーダ灰または重灰）、炭酸水素ナトリウム、モノ灰、メタケイ酸ナトリウム、界面活性剤プレミックス、水酸化カリウム（４５％）、水、クエン酸ナトリウム脱水物、アクソル（Ａｃｕｓｏｌ）４４５ＮＤおよびさまざまなポリ糖の成分濃度（重量％）を伴う本発明の組成物である。デヒポンＬＳ‐３６およびプルロニック２５Ｒ２を含む界面活性剤プレミックスを、組成物の残りと結合する前に、最初に一緒に混合した。
【０１１１】
実施例１７、１８，１９，２０，２１および２２の組成物は、ポリ糖を含む。特に、実施例１７，１８および１９の組成物は、シクロデキストリンを含み、および実施例２０、２１および２２は、ポテトスターチを含む。実施例１７，１８および１９の組成物の間の主な相違は、実施例１７の組成物が、約３０ｐｐｍのシクロデキストリンを含み、実施例１８の組成物が、約６０ｐｐｍのシクロデキストリンを含み、および実施例１９の組成物が、約９０ｐｐｍのシクロデキストリンを含むことであった。同様に、実施例２０，２１および２２の組成物の間の主な相違は、実施例２０の組成物が、約３０ｐｐｍのポテトスターチを含み、実施例２１の組成物が、約６０ｐｐｍのポテトスターチを含み、実施例２２の組成物が、約６０ｐｐｍのポテトスターチを含むことであった。それぞれの組成物中の、炭酸水素ナトリウム、モノ灰およびアクソル４４５ＮＤの量を、ポリ糖の量に適応するために変動した。
【０１１２】
表１１は、実施例１７，１８，１９，２０，２１および２２の組成物のための成分濃度を示す。
【０１１３】
【表１２】
【０１１４】
上記方法に従って、実施例１７、１８、１９，２０，２１および２２の組成物を、汚れ除去および抗再付着特性について試験した。表１２は、実施例１７，１８、１９、２０、２１および２２の組成物で処理したガラスおよびプラスチックタンブラーのための平均視覚化評価を示す。一般的に、３または未満の平均評価、および特に２または未満の平均評価を、許容できるとみなす。
【０１１５】
【表１３】
【０１１６】
表１２は、実施例１７，１８，１９，２０、２１および２２のすべての組成物が、ガラスおよびプラスチック表面上の汚れの再付着を防止するための許容できる視覚化評価を有したことを示す。
【０１１７】
約３０ｐｐｍ、約６０ｐｐおよび約９０ｐｐｍのシクロデキストリン（実施例１７，１８および１９、それぞれ）と組み合わせたポリマーを含む組成物は、プラスチックからタンパク質汚れを除去しまたはガラスおよびプラスチックからタンパク質汚れの再付着を防止するためのポリ糖の能力に影響を与えなかった。特に、実施例１７、１８および１９の組成物は、ガラスおよびプラスチックからタンパク質汚れを除去するための許容できる視覚化評価を有した。
【０１１８】
ガラスから汚れを除去する能力は、ポテトスターチの量が、実施例２０の組成物から実施例２２の組成物まで増加したのにつれて、減少した一方で、プラスチックから汚れを除去するための能力は、許容できるレベルまで増加した。
【０１１９】
残留水
ポリ糖が、ガラスおよびプラスチックなどの硬い表面上のタンパク質の除去／再付着の防止に効果的であることを決定した後、一連の実行を、本発明の洗浄組成物で洗浄した物品上に残っていた残留水の量を決定するために行った。本発明の洗浄組成物で洗浄した後、物品を、リンス水中にリンス助剤を含んだまたは排除したいずれかのリンス水でリンスした。本試験は、リンス助剤の存在が、物品上に残った残留水の量について顕著な相違を生じるかどうかを見るために行った。それぞれの試験は、再現性を保証するために、２連で行った。ＲＯフリーおよびウルトラドライリンスエイドは、ミネソタ州セントポールのＥｃｏｌａｂ，Ｉｎｃから入手できるリンスである。
【０１２０】
次の仕様：洗浄槽容量６０リットル、リンス容量４．５リットル、洗浄時間４０秒およびリンス時間９秒で、ホバート（Ｈｏｂａｒｔ）ＡＭ‐１４物品洗浄機械を使用した。
【０１２１】
物品洗浄機械を、最初に５ＧＰＧ水で充填した。タンクヒーターを点け、および洗浄／リンスサイクルを、約１５０‐１６０°Ｆの間の洗浄温度および約１７５‐１９０°Ｆの間のリンス温度に達するまで、物品洗浄機械を運転した。物品洗浄機械を、１０００ｐｐｍ洗浄組成物で充填し、およびサイクルを、洗浄組成物が完全に溶解するように運転した。適用可能な実験のため、リンス助剤が、物品洗浄機械に対して相互作用（ｉｎｔｅｒｆａｃｅ）することを確認した。
【０１２２】
それぞれの試験で使用したリンス助剤の濃度は、２ｍｌであった。それぞれのコンテナを、秤量しおよび物品洗浄機械の内部のラック中に設置した（配列についての以下の図を参照）。Ｇ＝ガラスタンブラー、Ｐ＝プラスチックタンブラー、Ｍ＝金属ビーカー。
【０１２３】
【表１４】
【０１２４】
一の洗浄／リンスサイクルを、その後行った。ガラスを、物品洗浄機械から移動し、および物品洗浄機械から移動した後、約３０秒再秤量した。残留水の量を、以下の方程式：
一のサイクル後のコンテナ重量−一のサイクル前のコンテナ重量＝一のサイクル後の残留水の質量
から計算した。
【０１２５】
実施例２３，２４および２５
実施例２３、２４および２５の組成物は、本発明の組成物であり、およびポリ糖を含む。特に、実施例２３、２４および２５の組成物は、３％シクロデキストリンを含む。
【０１２６】
実施例２３の組成物で洗浄した物品を、リンス水のみでリンスした。実施例２４および２５の組成物で洗浄した物品を、リンス助剤を含むリンス水でリンスした。特に、実施例２４の組成物で洗浄した物品を、ＲＯフリーリンスエイドでリンスし、および実施例２５の組成物で洗浄した物品を、ウルトラドライリンスエイドでリンスした。
【０１２７】
上記方法に従って、実施例２３，２４および２５の組成物を、洗浄後残っている残留水の量を決定するために試験した。表１３は、実施例２３、２４および２５の組成物について、それぞれの残っている全および平均残留水および標準偏差を示す。それぞれの組成物およびリンス助剤の組み合わせを、２回行った。
【０１２８】
【表１５】
【０１２９】
上の表１３で示した結果は、残留水の量が、リンスステップの間に、リンス助剤を使用した場合、顕著に減少することを示す。特に、残留水の量は、ＲＯフリーリンスエイドを添加した場合（実施例２４）、平均約２０％減少し、ウルトラドライリンスエイドを添加した場合（実施例２５）、平均約２５％減少した。
【０１３０】
実施例２６、２７および２８
実施例２６、２７および２８の組成物は、本発明の組成物であり、およびポリ糖を含む。特に、実施例２６、２７および２８の組成物は、３％イヌリンを含む。
【０１３１】
実施例２６の組成物で洗浄した物品を、リンス水のみでリンスした。実施例２７および２８の組成物で洗浄した物品を、リンス助剤を含むリンス水でリンスした。特に、実施例２７の組成物で洗浄した物品を、ＲＯフリーリンスエイドでリンスし、および実施例２８の組成物で洗浄した物品を、ウルトラドライリンスエイドでリンスした。
【０１３２】
実施例２６、２７および２８の組成物を、上記方法に従って洗浄した後、残っている残留水の量を決定するために試験した。表１４は、実施例２６、２７および２８について乾燥時間および残っている残留水を示す。それぞれの組成物およびリンス助剤の組み合わせを、２回行った。
【０１３３】
【表１６】
【０１３４】
表１４は、物品上に残っている残留水の量が、リンスステップの間、リンス助剤を使用した場合、顕著に減少することを示す。特に、ＲＯフリーリンスエイドを添加した場合（実施例２７）、残留水の量が、平均２７％超減少し、およびウルトラドライリンスエイドを添加した場合（実施例２８）、平均約３８％減少した。
【０１３５】
さまざまな変更および追加が、本発明の範囲から逸脱することなく議論された典型的な実施例に対して行うことができる。例えば、上記実施態様は、特定の特徴を指す一方で、本発明の範囲は、また、特徴の異なる組み合わせを有する実施態様および上記特徴のすべてを含まない実施態様を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
（ａ）洗浄サイクルの洗浄ステップの間、タンパク質除去／抗再付着剤を導入し、ここでタンパク質除去／抗再付着剤が、ポリ糖を含み；
（ｂ）洗浄サイクルの洗浄ステップの間、洗浄組成物を導入し、ここで洗浄組成物が、アルカリ性ソースを含み；
（ｃ）洗浄サイクルの間、タンパク質除去／抗再付着剤および洗浄組成物で基質の表面を洗浄し；
（ｄ）その後に、リンス助剤で基質の表面をリンスすること
を含む、基質の表面からタンパク質汚れを除去しおよび基質の表面上のタンパク質汚れの再付着を防止するための方法。
【請求項２】
前記表面が、ガラス、セラミック、金属およびプラスチックの一つである、請求項１に記載の方法。
【請求項３】
前記ポリ糖が、少なくとも一の：イヌリン、カルボキシメチルイヌリン、ポテトスターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、直鎖スルホン酸塩α‐（１，４）結合Ｄ‐グルコースポリマーおよびγ‐シクロデキストリンを含む、請求項１に記載の方法。
【請求項４】
前記洗浄組成物が、さらに前記洗浄組成物の約１５重量％までを構成する界面活性成分を含む、請求項１に記載の方法。
【請求項５】
前記タンパク質除去／抗再付着剤および洗浄組成物の導入が、同時に起こる、請求項１に記載の方法。
【請求項６】
前記タンパク質除去／抗再付着剤および洗浄組成物の導入が、分離したステップとして起こる、請求項１に記載の方法。
【請求項７】
前記洗浄組成物が、実質的にアルカリ土類金属を含まない、請求項１に記載の方法。
【請求項８】
前記洗浄組成物が、実質的にリン含有化合物でない、請求項１に記載の方法。
【請求項９】
前記タンパク質除去／抗再付着剤が、前記洗浄組成物の約０．１重量％‐約８５重量％の間で構成する、請求項１に記載の方法。
【請求項１０】
（ａ）前記洗浄サイクルの洗浄ステップの間、洗浄組成物を導入し、ここで、前記洗浄組成物が、ポリ糖を約１重量％‐約９０重量％の間、アルカリ性ソースを約１重量％‐約８０重量％の間、界面活性成分を約１重量％‐約１０重量％の間、およびアルカリ土類金属を約０．０５重量％未満含み；および
（ｂ）前記洗浄サイクルのリンスステップの間、リンス助剤を導入すること
を含む、タンパク質汚れを除去しおよび汚れの再付着を防止するための方法。
【請求項１１】
前記ポリ糖が、少なくとも一の：アミロース、アミロペクチン、ペクチン、イヌリン、修飾イヌリン、ポテトスターチ、加工ポテトスターチ、コーンスターチ、加工コーンスターチ、小麦スターチ、加工小麦スターチ、ライススターチ、加工ライススターチ、セルロース、加工セルロース、デキストリン、デキストラン、マルトデキストリン、シクロデキストリン、グリコーゲンおよびオリゴフルクトースである、請求項１０に記載の方法。
【請求項１２】
前記ポリ糖が、少なくとも一の：イヌリン、カルボキシルメチルイヌリン、ポテトスターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、直鎖スルホン酸塩α‐（１，４）結合Ｄ‐グルコースポリマーおよびγ‐シクロデキストリンである、請求項１１に記載の方法。
【請求項１３】
前記洗浄組成物が、約１重量％‐約６０重量％の間のポリ糖を含む、請求項１０に記載の方法。
【請求項１４】
前記洗浄組成物が、約１重量％‐約４０重量％の間のポリ糖を含む、請求項１０に記載の方法。
【請求項１５】
前記洗浄組成物が、実質的にリン含有化合物でない、請求項１０に記載の方法。
【請求項１６】
（ａ）洗浄剤が、ポリ糖、アルカリ性ソース、界面活性成分および水を含み、ここで前記洗浄剤の０．０５‐０．２５％溶液が、約１０‐約１２．５の間のｐＨを有し；および
（ｂ）リンス助剤
を含む、洗浄システム。
【請求項１７】
さらにビルダーを含む、請求項１６に記載の洗浄剤。
【請求項１８】
さらに充填剤を含む、請求項１６に記載の洗浄剤。
【請求項１９】
前記ポリ糖が少なくとも一の：アミロース、アミロペクチン、ペクチン、イヌリン、修飾イヌリン、ポテトスターチ、加工ポテトスターチ、コーンスターチ、加工コーンスターチ、小麦スターチ、加工小麦スターチ、ライススターチ、加工ライススターチ、セルロース、加工セルロース、デキストリン、デキストラン、マルトデキストリン、シクロデキストリン、グリコーゲンおよびオリゴフルクトース、カルボキシメチルイヌリンおよび直鎖スルホン酸塩α‐（１，４）結合Ｄ‐グルコースポリマーを含む、請求項１６に記載の洗浄剤。
【請求項２０】
前記洗浄剤が、実質的にリン含有化合物でない、請求項１６に記載の洗浄剤。
【請求項１】
（ａ）洗浄サイクルの洗浄ステップの間、タンパク質除去／抗再付着剤を導入し、ここでタンパク質除去／抗再付着剤が、ポリ糖を含み；
（ｂ）洗浄サイクルの洗浄ステップの間、洗浄組成物を導入し、ここで洗浄組成物が、アルカリ性ソースを含み；
（ｃ）洗浄サイクルの間、タンパク質除去／抗再付着剤および洗浄組成物で基質の表面を洗浄し；
（ｄ）その後に、リンス助剤で基質の表面をリンスすること
を含む、基質の表面からタンパク質汚れを除去しおよび基質の表面上のタンパク質汚れの再付着を防止するための方法。
【請求項２】
前記表面が、ガラス、セラミック、金属およびプラスチックの一つである、請求項１に記載の方法。
【請求項３】
前記ポリ糖が、少なくとも一の：イヌリン、カルボキシメチルイヌリン、ポテトスターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、直鎖スルホン酸塩α‐（１，４）結合Ｄ‐グルコースポリマーおよびγ‐シクロデキストリンを含む、請求項１に記載の方法。
【請求項４】
前記洗浄組成物が、さらに前記洗浄組成物の約１５重量％までを構成する界面活性成分を含む、請求項１に記載の方法。
【請求項５】
前記タンパク質除去／抗再付着剤および洗浄組成物の導入が、同時に起こる、請求項１に記載の方法。
【請求項６】
前記タンパク質除去／抗再付着剤および洗浄組成物の導入が、分離したステップとして起こる、請求項１に記載の方法。
【請求項７】
前記洗浄組成物が、実質的にアルカリ土類金属を含まない、請求項１に記載の方法。
【請求項８】
前記洗浄組成物が、実質的にリン含有化合物でない、請求項１に記載の方法。
【請求項９】
前記タンパク質除去／抗再付着剤が、前記洗浄組成物の約０．１重量％‐約８５重量％の間で構成する、請求項１に記載の方法。
【請求項１０】
（ａ）前記洗浄サイクルの洗浄ステップの間、洗浄組成物を導入し、ここで、前記洗浄組成物が、ポリ糖を約１重量％‐約９０重量％の間、アルカリ性ソースを約１重量％‐約８０重量％の間、界面活性成分を約１重量％‐約１０重量％の間、およびアルカリ土類金属を約０．０５重量％未満含み；および
（ｂ）前記洗浄サイクルのリンスステップの間、リンス助剤を導入すること
を含む、タンパク質汚れを除去しおよび汚れの再付着を防止するための方法。
【請求項１１】
前記ポリ糖が、少なくとも一の：アミロース、アミロペクチン、ペクチン、イヌリン、修飾イヌリン、ポテトスターチ、加工ポテトスターチ、コーンスターチ、加工コーンスターチ、小麦スターチ、加工小麦スターチ、ライススターチ、加工ライススターチ、セルロース、加工セルロース、デキストリン、デキストラン、マルトデキストリン、シクロデキストリン、グリコーゲンおよびオリゴフルクトースである、請求項１０に記載の方法。
【請求項１２】
前記ポリ糖が、少なくとも一の：イヌリン、カルボキシルメチルイヌリン、ポテトスターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、直鎖スルホン酸塩α‐（１，４）結合Ｄ‐グルコースポリマーおよびγ‐シクロデキストリンである、請求項１１に記載の方法。
【請求項１３】
前記洗浄組成物が、約１重量％‐約６０重量％の間のポリ糖を含む、請求項１０に記載の方法。
【請求項１４】
前記洗浄組成物が、約１重量％‐約４０重量％の間のポリ糖を含む、請求項１０に記載の方法。
【請求項１５】
前記洗浄組成物が、実質的にリン含有化合物でない、請求項１０に記載の方法。
【請求項１６】
（ａ）洗浄剤が、ポリ糖、アルカリ性ソース、界面活性成分および水を含み、ここで前記洗浄剤の０．０５‐０．２５％溶液が、約１０‐約１２．５の間のｐＨを有し；および
（ｂ）リンス助剤
を含む、洗浄システム。
【請求項１７】
さらにビルダーを含む、請求項１６に記載の洗浄剤。
【請求項１８】
さらに充填剤を含む、請求項１６に記載の洗浄剤。
【請求項１９】
前記ポリ糖が少なくとも一の：アミロース、アミロペクチン、ペクチン、イヌリン、修飾イヌリン、ポテトスターチ、加工ポテトスターチ、コーンスターチ、加工コーンスターチ、小麦スターチ、加工小麦スターチ、ライススターチ、加工ライススターチ、セルロース、加工セルロース、デキストリン、デキストラン、マルトデキストリン、シクロデキストリン、グリコーゲンおよびオリゴフルクトース、カルボキシメチルイヌリンおよび直鎖スルホン酸塩α‐（１，４）結合Ｄ‐グルコースポリマーを含む、請求項１６に記載の洗浄剤。
【請求項２０】
前記洗浄剤が、実質的にリン含有化合物でない、請求項１６に記載の洗浄剤。
【公表番号】特表２０１３−５１７９２４（Ｐ２０１３−５１７９２４Ａ）
【公表日】平成２５年５月２０日（２０１３．５．２０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１２−５４９４３１（Ｐ２０１２−５４９４３１）
【出願日】平成２２年１２月２２日（２０１０．１２．２２）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＩＢ２０１０／０５６０３６
【国際公開番号】ＷＯ２０１１／０８９４９３
【国際公開日】平成２３年７月２８日（２０１１．７．２８）
【出願人】（５１０２５０４６７）イーコラブ ユーエスエー インコーポレイティド (16)
【Ｆターム（参考）】
【公表日】平成２５年５月２０日（２０１３．５．２０）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年１２月２２日（２０１０．１２．２２）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＩＢ２０１０／０５６０３６
【国際公開番号】ＷＯ２０１１／０８９４９３
【国際公開日】平成２３年７月２８日（２０１１．７．２８）
【出願人】（５１０２５０４６７）イーコラブ ユーエスエー インコーポレイティド (16)
【Ｆターム（参考）】
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