説明

ターボチャージャ

【課題】構成部品の数及び組立作業工数を減らせる軸受機構部を備えたターボチャージャを提供する。
【解決手段】エンジンからの排気ガスのエネルギーを利用して該エンジンに供給する空気を過給するターボチャージャにおいて、一対のベアリング18、19とそれらベアリング18、19間に設けられる間座20を、オイルフィルムダンパー21に組み込んでユニット化して軸受機構部22を構成する。ユニット化した軸受機構部22とすることで、ターボチャージャの組立工数を減らす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンからの排気ガスのエネルギーを利用して該エンジンに供給する空気を過給するターボチャージャに関し、特に、回転軸の回転を支持するベアリング回りのユニット化技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ターボチャージャの回転軸(タービン軸)を回転可能に支持するための手段としては、例えばボールベアリング等を使用した軸受機構部が採用されている(特許文献1に記載)。ターボチャージャでは、回転軸が毎分数万回転から数十万回転という高速で回転するため、一対のボールベアリングの外輪間にスプリングを設けてこれらボールベアリングの回転軸に対する位置ずれを防止している。
【0003】
例えば、軸受機構部は、回転軸を回転可能に支持する一対のボールベアリングと、スプリングと、スプリングの付勢力を各ボールベアリングへ伝達させるスプリング受けとから構成されている。かかる軸受機構部は、一部品ずつ回転軸に組み込むことにより構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−298284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記軸受機構部は、構成部品が多いため、組立作業が面倒で工数がかかり過ぎる。
【0006】
そこで、本発明は、構成部品の数及び組立作業工数を減らせる軸受機構部を備えたターボチャージャを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のターボチャージャは、タービンハウジング内に設けられ、該タービンハウジング内に導入される排ガスにより回転するタービンインペラと、コンプレッサハウジング内に設けられ、前記タービンインペラに一体化された回転軸に連結されて該タービンインペラと共に回転して空気を圧縮するコンプレッサインペラと、前記タービンハウジングと前記コンプレッサハウジング間に設けられたベアリングハウジング内に設けられ、前記回転軸を回転自在に支持する一対のベアリングと、前記回転軸を挿入させてその周囲に装着されることにより、一対の前記ベアリング間距離を決定する間座と、前記ベアリングと前記ベアリングハウジング間に油膜を形成して油の粘性により軸振動を減衰させるオイルフィルムダンパーと、を備え、一対の前記ベアリングとそれらベアリング間に設けられる前記間座を、前記オイルフィルムダンパーに組み込んでユニット化して軸受機構部を構成したことを特徴している。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、一対のベアリングとそれらベアリング間に設けられる間座を、オイルフィルムダンパーに組み込んでユニット化して軸受機構部を構成したので、ユニット化された軸受機構部全体を一括して回転軸へ組み込むだけで組み立て作業が完了し、組立作業工数を減らすことができる。また、本発明によれば、軸受機構部はオイルフィルムダンパーに組み込むベアリングと間座とから構成されるので、取り扱い難いスプリングやスプリング受け等の軸受構成部品が必要無くなり、部品点数を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は本実施形態のターボチャージャの全体を示す断面図である。
【図2】図2は図1に示すターボチャージャの軸受機構部の拡大断面図である。
【図3】図3はベアリング及び間座をオイルフィルムダンパーに組み込んでユニット化した軸受機構部の断面図である。
【図4】図4の軸受機構部の分解状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
[ターボチャージャの構成説明]
本実施形態のターボチャージャは、エンジンからの排気ガスのエネルギーを利用して該エンジンに供給する空気を圧縮して過給する過給装置である。このターボチャージャの具体的構成は、以下の通りである。
【0012】
ターボチャージャ1は、図1に示すように、タービンハウジング2と、コンプレッサハウジング3と、これらタービンハウジング2とコンプレッサハウジング3間に設けられたベアリングハウジング4とを有し、それらハウジングを結合一体化して構成されている。
【0013】
タービンハウジング2には、このタービンハウジング2内に導入される排ガスにより回転するタービンインペラ5が設けられている。タービンインペラ5は、回転軸(タービン軸)6の一端に一体的に形成されたタービンハブ7と、このタービンハブ7の外周面に等間隔に設けられた複数枚のタービンブレード8とからなる。
【0014】
また、タービンハウジング2には、排気ガスGをハウジング内に取り入れるためのガス取入口(図示は省略してある)が設けられている。このガス取入口には、図示を省略するエンジンから排気される排気ガスGが導入される。また、タービンハウジング2には、タービンインペラ5の回転に利用した排気ガスGをハウジング外へ排出するためのガス排出口9が設けられている。このガス排出口9には、排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置が接続される。
【0015】
また、タービンハウジング2の内部には、タービンスクロール流路10がタービンインペラ5を囲むように設けられている。このタービンスクロール流路10は、ガス取入口とガス排出口9にそれぞれ連通されている。
【0016】
コンプレッサハウジング3には、回転軸6に連結されてタービンインペラ5と共に回転して空気を圧縮するコンプレッサインペラ10が設けられている。コンプレッサインペラ10は、回転軸6の他端に形成された締結手段であるネジ部11に、同じく締結手段であるナット12を締め付けることによって該回転軸6に固定されるコンプレッサハブ13と、このコンプレッサハブ13の外周面に等間隔に設けられた複数枚のコンプレッサブレード14とからなる。
【0017】
また、コンプレッサハウジング3には、空気Aをハウジング内に取り入れる空気取入口15が設けられている。また、コンプレッサハウジング3には、コンプレッサインペラ10で圧縮した空気Aを排出する空気排出口(図示は省略する)が設けられている。空気排出口から排出される圧縮空気は、例えばエンジンのシリンダへ供給される。
【0018】
また、コンプレッサハウジング3の内部には、コンプレッサインペラ10で圧縮した空気Aを昇圧させる環状のディフューザ流路16が設けられている。さらに、コンプレッサハウジング3の内部には、コンプレッサインペラ10を囲むようにしてコンプレッサスクロール流路17が設けられている。このコンプレッサスクロール流路17は、先のディフューザ流路16に接続されている。
【0019】
ベアリングハウジング4には、図2に示すように、回転軸6を回転自在に支持する一対のベアリング18、19とそれらベアリング18、19間距離を決定する間座20をオイルフィルムダンパー21に組み込んでユニット化したベアリングアッシーである軸受機構部(軸受ユニット)22が設けられている。図3には、軸受機構部22単体を示し、図4には分解した軸受機構部22を示している。
【0020】
ベアリング18、19は、図3及び図4に示すように、外輪23と内輪24とボール25とリテーナ26とから構成されたボールベアリングからなる。かかるベアリング18、19は、円筒形状をなすオイルフィルムダンパー21の両端内面に嵌合凹部として形成されたベアリング装着部27、28に圧入されて取り付けられている。
【0021】
外輪23は、オイルフィルムダンパー21の内面21aから中心に向かって突出する円環状突部29、30の開口側端面となる段差面31、32に接触するようになっている。この段差面31、32に外輪23が接触することで、前記オイルフィルムダンパー21に対する前記ベアリング18、19の装着位置が決まる。内輪24は、オイルフィルムダンパー21の内部に挿入される間座20の両端部である軸方向端面20a、20bにそれぞれ接するようになっている。
【0022】
間座20は、例えばS45等の鋼材からなり、一対のベアリング18、19間距離を決定する機能をする。かかる間座20は、回転軸6のジャーナル部6Aを中心孔33に若干の隙間を持たせて挿入させて、該ジャーナル部6Aの周囲に装着される円筒体として形成されている。また、間座20の内面34には、その軸方向両端部を除いて該内面34よりも一段低い段差となる円環溝35が形成されている。この円環溝35は、ジャーナル部6Aに対して非接触となるようにされており、該ジャーナル部6Aの間座20への挿入作業を容易ならしめる機能をする。
【0023】
なお、ここで定義する回転軸6のジャーナル部6Aは、タービンハウジング側のベアリング18とコンプレッサハウジング側のベアリング19と間座20との対応部位を指すものとする。タービンハウジング側及びコンプレッサハウジング側の両ベアリング18、19とそれらの間に設けられた間座20とが全体として、回転軸6の軸受として機能することから、両ベアリング18、19及び間座20との対応部位が、前記回転軸6のジャーナル部6Aとなる。
【0024】
オイルフィルムダンパー21は、内部中央に間座20を収納配置させると共にその内部両端にベアリング18、19を装着させる円筒体として形成されている。このオイルフィルムダンパー21には、ベアリングハウジング4に形成されたオイル供給通路36から各ベアリング18、19へオイルを供給するためのオイル供給用環状溝37と、このオイル供給用環状溝37からベアリング18、19に向かってオイルを供給するためのオイル吐出用通路38が形成されている。
【0025】
オイル供給用環状溝37は、外周面21bから突出する2つの環状突起39、39の間に形成されている。このオイル供給用環状溝37は、それぞれのベアリング18、19にオイルを供給するために2箇所に設けられている。オイル吐出用通路38は、入口をオイル供給用環状溝37に開口すると共に出口をベアリング18、19の外輪23と内輪24の間に向くように前記円環状突部29、30に形成されている。
【0026】
また、オイルフィルムダンパー21には、ベアリング18、19に供給して余ったオイルをベアリングハウジング4に形成した排出孔50から外部へと排出するためのオイル排出孔40が形成されている。
【0027】
前記間座20は、ジャーナル部6Aに取り付けられる前の状態では、オイルフィルムダンパー21の両端にそれぞれ圧入された2つのベアリング18、19で挟まれるが、径方向で位置決めされていないため径方向へ位置ずれが生じる可能性がある。そこで、間座20の中心孔33に仮組棒41(図3では二点鎖線で示している)を挿入して、回転軸6へ装着させるまでの間における前記間座20の径方向への位置ずれを防止する。なお、仮組棒41は、回転軸6のジャーナル部6Aを間座20に挿入する時に取り外す。
【0028】
また、ベアリングハウジング4には、高速回転する回転軸6を支えるベアリング18、19から発せられる熱及びタービンハウジング2に導入される排気ガスの熱を吸熱して冷却するための冷却水路42が設けられている。冷却水路42は、円周方向に沿って形成されており、冷却水供給源から供給される冷却水を循環させている。かかる冷却水路42は、タービンインペラ5寄りの位置に形成されていると共に、コンプレッサインペラ10寄りの位置にも形成されている。図1及び図2では、コンプレッサインペラ10寄りの位置に形成される冷却水路42は図示を省略してある。
【0029】
前記したように一対のベアリング18、19と間座20をオイルフィルムダンパー21に組み付けてユニット化した軸受機構部22は、ベアリングハウジング4に組み付けられる。ベアリングハウジング4に組み付けられた軸受機構部22には、タービンインペラ5に一体化された回転軸6が組み付けられる。その後、回転軸6の先端に形成されたネジ部11にナット12を締結することにより、該回転軸6にコンプレッサインペラ10が組み付けられる。軸受機構部22に回転軸6を組み付けるには、回転軸6のジャーナル部6Aを一方のベアリング18の内輪24へ挿入した後、さらに間座20を通して他方のベアリング19の内輪24へと挿入させる。実際には、回転軸6を鉛直に起立させてタービンインペラ5を下に向けて固定した状態で、ベアリングハウジング4に組み込んだ軸受機構部22のベアリング18、19と間座20に前記回転軸6を挿入させる。この時、仮組棒41は、回転軸6に押し出されて外される。
【0030】
前記回転軸6に組み付けられた軸受機構部22の他方のベアリング19から突き出た部分には、図2で示す油切り部材43を介在させてコンプレッサインペラ10が取り付けられている。ベアリングハウジング4の一端側には、タービンインペラ5をその内部に収容するようしてタービンハウジング2が取り付けられる。また、ベアリングハウジング4の他端側には、コンプレッサインペラ10をその内部に収容するようにしてコンプレッサハウジング3が取り付けられる。
【0031】
以上のようにして組み立てられたターボチャージャ1では、前記ベアリング18、19及び間座20には、前記ナット12を前記回転軸6のネジ部11に締結することにより生じる締結力Fが作用する。前記締結力Fは、ナット12を締め付けることにより、コンプレッサインペラ10を介して油切り部材43に伝達されると共に、この油切り部材43と接触するコンプレッサインペラ側のベアリング19(直接的には内輪24)に伝達され、更に間座20を介してタービンインペラ側のベアリング18(直接的には内輪24)に伝達される。この回転軸6の軸方向に沿って加わる締結力Fにより、これらベアリング18、19及び間座20は、回転軸方向にがたつきなく位置決めされることになる。なお、間座20は、ジャーナル部6Aに挿入して取り付けられているため、回転軸6と共に回転するようになっている。
【0032】
[ターボチャージャの動作説明]
以上のようにして構成されたターボチャージャ1においては、ガス取入口からタービンハウジング2内に取り入れた排気ガスGがタービンスクロール流路10を経由してタービンインペラ5側へ供給されると、排ガスGのエネルギーによってタービンインペラ5が回転する。また、タービンインペラ5の回転軸6と連結されたコンプレッサインペラ10は、該タービンインペラ5が回転することによって回転駆動される。コンプレッサインペラ10が回転すると、空気取入口15から取り入れられた空気Aが圧縮され、ディフューザ流路16及びコンプレッサスクロール流路17を経由して空気排出口からエンジンのシリンダ内へ過給される。
【0033】
[実施形態の効果]
本実施形態のターボチャージャ1によれば、一対のベアリング18、19とそれらベアリング18、19間に設けられる間座20を、オイルフィルムダンパー21に組み込んでユニット化して軸受機構部22を構成したので、ユニット化された軸受機構部全体を一括して回転軸6へ組み込むだけで組み立て作業が完了し、組立作業工数を減らすことができる。ユニット化しない場合は、タービンインペラ5に一体化された回転軸6に一方のベアリング18を取り付けた後、間座20を取り付け、更に他方のベアリング19を取り付け、最後に油切り部材43を介してコンプレッサインペラ10を取り付ける作業が必要となる。しかし、本実施形態によれば、回転軸6に軸受機構部22を組み付けた後、油切り部材43を介してコンプレッサインペラ10を取り付ける作業だけで組み付け作業を完了させることができる。
【0034】
また、本実施形態のターボチャージャ1によれば、軸受機構部22としてベアリング18、19、間座20をオイルフィルムダンパー21に予め組み込んでいるため、各部品毎ではなくユニット化された軸受機構部22として搬送することができる等、それら部品の取り扱い性を向上させることができる。また、本実施形態では、ベアリング18、19及び間座20をオイルフィルムダンパー21に予め組み込んでいるので、回転軸6の回転に伴うこれらベアリング18、19及び間座20の振動を抑制することができる。
【0035】
また、本実施形態のターボチャージャ1によれば、軸受機構部22はオイルフィルムダンパー21に組み込むベアリング18、19と間座20とから構成されるので、取り扱い難いスプリングやスプリング受け等の軸受構成部品が必要無くなり、部品点数を減らすことができる。
【0036】
また、本実施形態のターボチャージャ1によれば、オイルフィルムダンパー21に組み込んだ各ベアリング18、19に給油するためのオイル吐出用通路38をオイルフィルムダンパー21に直接設けたので、従来構造のようにスプリング受けに給油路を形成した場合に比べてベアリング18、19への給油をスムーズに行うことができる。その結果、本実施形態によれば、軸受部周辺の安定した潤滑を確保でき、軸受のみならず過給機の長寿命化を図ることができる。
【0037】
また、本実施形態のターボチャージャ1によれば、オイルフィルムダンパー21に組み込んだ間座20を、回転軸6へ装着するまでの間、両ベアリング18、19に嵌入される仮組棒41で仮保持しているので、オイルフィルムダンパー21内における間座20の径方向での位置決めをすることができる。これにより、間座20がオイルフィルムダンパー21内でがたつくことが無くなるため、軸受機構部22のハンドリング性を高めることができる。
【0038】
また、本実施形態のターボチャージャ1によれば、ベアリング18、19をオイルフィルムダンパー21に形成したベアリング装着部27、28に圧入して予め取り付けた構造としているので、これまで行って来たオイルフィルムダンパー内面への硬化処理を無くすことができる。
【0039】
また、本実施形態のターボチャージャ1によれば、回転軸6のジャーナル部6Aを間座20に挿入して一体化させているので、これまで行って来た回転軸6の高周波焼き入れ処理を無くすることができる。前記ジャーナル部6Aの表面が間座20で覆われるため、剛性が高くなることから焼き入れをする必要が無くなる。
【0040】
また、本実施形態のターボチャージャ1によれば、間座20の内周面34の一部にジャーナル部6Aとの間に隙間を形成する円環溝35を形成しているので、回転軸6のジャーナル部6Aを間座20に挿入する際の作業を容易にすることができる。
【0041】
また、本実施形態のターボチャージャ1によれば、間座20を一対のベアリング18、19の内輪24にそれぞれ接触させたので、回転軸6のジャーナル部6Aとの間で滑りが生じ易い内輪24の位置を固定させることができる。
【0042】
また、本実施形態のターボチャージャ1によれば、回転軸6のジャーナル部6Aを間座20に挿入して該回転軸6と共に回転させているので、ジャーナル部6Aの直径がこの間座20によって実質的に太くなり、回転軸6自体の剛性を高めることができる。
【0043】
以上、本発明を適用した具体的な実施形態について説明したが、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではない。
【0044】
上述した実施形態では、回転軸6のジャーナル部6Aを間座20の中心孔33に対して若干の隙間を持たせて挿入させたが、前記ジャーナル部6Aを前記中心孔33に低荷重で圧入してもよい。この場合、前記間座20に円環溝35が形成されていることで、ジャーナル部6Aの前記間座20への圧入作業が容易になる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、エンジンからの排気ガスのエネルギーを利用して該エンジンに供給する空気を過給するターボチャージャに利用することができる。
【符号の説明】
【0046】
1…ターボチャージャ
2…タービンハウジング
3…コンプレッサハウジング
4…ベアリングハウジング
5…タービンインペラ
6…回転軸(タービン軸)
6A…ジャーナル部
7…タービンハブ
8…タービンブレード
10…コンプレッサインペラ
12…ナット
13…コンプレッサハブ
14…コンプレッサブレード
18、19…ベアリング
20…間座
21…オイルフィルムダンパー
22…軸受機構部
23…外輪
24…内輪
43…油切り部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンハウジング内に設けられ、該タービンハウジング内に導入される排ガスにより回転するタービンインペラと、
コンプレッサハウジング内に設けられ、前記タービンインペラに一体化された回転軸に連結されて該タービンインペラと共に回転して空気を圧縮するコンプレッサインペラと、
前記タービンハウジングと前記コンプレッサハウジング間に設けられたベアリングハウジング内に設けられ、前記回転軸を回転自在に支持する一対のベアリングと、
前記回転軸を挿入させてその周囲に装着されることにより、一対の前記ベアリング間距離を決定する間座と、
前記ベアリングと前記ベアリングハウジング間に油膜を形成して油の粘性により軸振動を減衰させるオイルフィルムダンパーと、を備え、
一対の前記ベアリングとそれらベアリング間に設けられる前記間座を、前記オイルフィルムダンパーに組み込んでユニット化して軸受機構部を構成した
ことを特徴とするターボチャージャ。
【請求項2】
請求項1に記載のターボチャージャであって、
前記オイルフィルムダンパーには、該オイルフィルムダンパーに組み込んだ各ベアリングに給油するためのオイル吐出用通路を設けた
ことを特徴とするターボチャージャ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のターボチャージャであって、
前記間座は、前記オイルフィルムダンパーの両端にそれぞれ圧入させた前記ベアリングの内輪にその両端部をそれぞれ接触させ、前記回転軸へ装着されるまでの間、両ベアリングに嵌入される仮組棒で仮保持される
ことを特徴とするターボチャージャ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−220240(P2011−220240A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−90623(P2010−90623)
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】