説明

ターボ過給機及びターボ過給機用コンプレッサインペラ

本発明は、特にディーゼルエンジンのターボ過給機用のコンプレッサインペラ、及びこのようなコンプレッサインペラを含む排気ガスターボ過給機に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載の、特にディーゼルエンジン用の、ターボ過給機用コンプレッサインペラ、請求項7の前文に記載のコンプレッサインペラを有する排気ガスターボ過給機、および請求項12の前文に記載の本発明によるコンプレッサインペラを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
排気ガスターボ過給機は、ピストンエンジンの力を増大させるためのシステムである。排気ガスターボ過給機では、力を増大させるために排気ガスのエネルギが利用される。力の増大は、1動作ストローク当たりの混合気処理量の増大から得られる。
【0003】
ターボ過給機は、本質的に、シャフトとコンプレッサインペラとを有する排気ガスタービンから本質的に構成され、コンプレッサは、シャフトに接続されるエンジンの吸気トラクトに配置され、またブレードホイールは、排気ガスタービンのケーシング及び回転しているコンプレッサインペラに配置される。
【0004】
さらに多くの力を排気ガスから発生することができるように、多段、すなわち、少なくとも2段の過給を可能にする排気ガスターボ過給機が公知である。このような多段排気ガスターボ過給機は、高い動的繰返し応力のための調整部材を備える特別な設備を有し、前記調整部材は、例えばフラップディッシュ、レバー又はスピンドルを備える。
【0005】
排気ガスターボ過給機のコンプレッサインペラは、極めて厳しい材料要件を満たさなければならない。コンプレッサインペラが形成される材料は、耐熱性でなければならず、すなわち、少なくとも最高約280℃の高温においても、なお十分な強さを可能にしなければならない。さらに、材料は、酸媒体内の粒間腐食及び応力亀裂形成に対し抵抗性でなければならず、さらに、材料は、低い応力サイクル係数と共に高い材料抵抗性を有するべきである。さらに、材料の延性は、過負荷の場合に部品が塑性変形し、破壊しないように十分に高くあるべきである。過負荷の結果、突然のエネルギ解放及びこれに起因する損傷があり得る。
【0006】
ダブルフロー排気ガス入口管路を有する排気ガスターボ過給機が独国特許出願公開第102007018617A1号から公知である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、請求項1の前文に記載のターボ過給機用のコンプレッサインペラ、及び熱抵抗性及び温度抵抗性が改良され、酸媒体内の腐食及び応力亀裂形成に対する優れた抵抗性によって特徴づけられる請求項7の前文に記載のターボ過給機を提供することである。さらに、材料は、最適な延性及び改良された振動疲労強度性能を有するべきである。結果として、耐摩耗性及び永続的に安定したコンプレッサインペラを製造することができる。さらに、本発明の目的は、本発明によるコンプレッサインペラを製造するための方法を提供することであり、上述の有利な特性によって特徴づけられる材料が製造される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、請求項1、7と13の特徴によって達成される。
【0009】
ランタン元素及びジルコニウム元素の分散体を含有する樹枝状の析出相を有するアルミニウムベースの合金から成るターボ過給機用のコンプレッサインペラの本発明による設計により、達成されることは、排気ガスターボ過給機のコンプレッサインペラを最終的に提供する材料が、特に優れた熱抵抗性、温度抵抗性及び安定性によって特徴づけられることである。本発明による材料の安定性及び温度抵抗性は、特に、樹枝状の析出相が、金属間相の相互作用による材料内の高い分枝を形成することで達成される。材料の微細構造の金属間相の高い分枝は、微細構造の支持作用にとって、したがって、格子スリップに対する抵抗にとっても重大であり、その結果、材料は強固になり、静的及び循環的な機械的負荷の両方に対し抵抗性を有する。さらに、本発明によるコンプレッサインペラ用の特定の材料組み合わせのため、材料マトリックス内の付着力及び凝集力が増大される。アルミニウムベースの合金内のランタン元素とジルコニウム元素との組み合わせが、材料の安定性に重要であることが確認された。合金内のこれらの元素の組み合わせにより、材料の非常に高い安定性がもたらされるが、これは、特に優れた微細構造が樹枝状の分枝によって形成されるからである。
【0010】
さらに、アルミニウムベースの合金内のランタンは、室温及び最高280℃の構成要素温度の両方において、著しく強度を高める作用を生じさせることが確認された。熱的に安定したAlLa相が形成され、これが材料のクリープ抵抗性に関しプラス作用を及ぼすことが推測される。結果として、ランタンは、低い応力サイクル係数の場合の熱抵抗性及び材料疲労に対する抵抗性も高め、結果として、コンプレッサインペラ用の本発明による材料の安定性を高める。
【0011】
ジルコニウム元素はまた、合金内の相、正確にはAlZr相も形成し、その結果、鎖特性として知られる架橋構造が微細構造内に達成される。アルミニウムとジルコニウムとの組み合わせにより、析出相が合金材料内に形成されることが確認された。材料の機械的特性は、これによって相当改善される。このように形成された材料又はちょうどこのような材料から形成された構成要素は、最高280℃の非常に優れた温度抵抗性及び熱抵抗性によって特徴づけられ、腐食に対し安定しており、応力亀裂形成に対し非感受性である。
【0012】
しかし、本発明によるコンプレッサインペラ用材料を提供するために重要なのは、まさに、アルミニウムベースの合金内のジルコニウム元素とランタンとの組み合わせであり、金属間相の微細な強力な分枝の形成のため、低い応力サイクル係数の場合に非常に優れた材料抵抗性を有し、また最高280℃の熱抵抗性、さらに、このような材料に十分な延性を示す。理論にとらわれることなく、アルミニウムベースの合金内のランタン元素とジルコニウム元素との組み合わせにより、極めて安定した高耐熱性の材料、結果として部品が可能になることが推測されるが、この理由は、まさに、AlLa相又はAlZr相が、互いに侵入する構造を微細構造内に形成し、かつそれらの互いに類似した構造のため、材料内の結合の向上をもたらすからである。
【0013】
さらに、今説明した材料から製造された本発明によるコンプレッサインペラは、酸媒体内の腐食及び応力亀裂形成に対し抵抗性であることが示された。本発明に関連する酸媒体は、約3.5〜6、特に約4〜5.5のpH価を有する媒体を意味すると理解すべきである。エンジン空間の環境からの凝縮水及び塩化物のため、排気ガスターボ過給機内においても、「酸」状態が支配する。本発明による材料は、これに対し抵抗性であり、したがって粒間腐食に対しても抵抗性である。引張応力下の応力亀裂形成の傾向は、これによって著しく低減される。
【0014】
これらの傑出した材料特性のため、排気ガスターボ過給機用の本発明によるコンプレッサインペラは、同様に、特に2段ターボ過給機に適しており、特に貨物自動車に使用される2段ターボ過給機に最も適しており、この場合、特に、その分野で最高160万走行キロメートルの高い走行性能を有する循環性の高いバス用途に適している。
【0015】
従属請求項は、本発明の有利な発展形態を含む。
【0016】
好ましい実施形態では、アルミニウムベースの合金は、ランタンについて合金の総重量に対し0.08〜1.0重量%、より好ましくは0.2〜0.5重量%、及びジルコニウムについて0.35〜8重量%、より好ましくは1〜5重量%の含量のランタン元素及びジルコニウム元素を含有する。ジルコニウムは、アルミニウムベースの合金内の析出相の発生及び分布にとって重要である。既述したように、アルミニウムは、この場合、ジルコニウムと共にAlZr相を形成し、AlZr相は、別個に析出され、合金の熱抵抗性及び振動疲労強度についても、材料の、結果として、本発明によるコンプレッサインペラの追加の安定化をもたらす。これらの重要な材料特性は、ジルコニウムの量的画分が合金の総重量に対し1〜5重量%の範囲にある場合、特に明らかに注目される。高い接触のジルコニウム、言い換えれば、合金に対し8重量%超の含量は、次に、より低い長時間の破断強度と共に、材料の熱抵抗性の低下をもたらす。
【0017】
アルミニウムベースの合金へのランタンの添加は、材料、結果として構成要素の強度を高める。既述したように、ランタンもアルミニウムと共にAlLa相を形成し、AlLa相は、別個に析出され、さらに、材料のクリープ抵抗性に対しプラスの影響を有する。同時に、これらの相の導入により、材料の熱抵抗性が高まり、応力サイクル係数が低い場合に材料疲労に対する抵抗性が改良される。このことは、特に、アルミニウムベースの合金の総重量に対し0.08〜1.0重量%の量的画分で、特に好ましくは0.2〜0.5重量%の量的画分でランタンが使用される場合に当てはまる。既述したように、上述した材料の安定性パラメータを達成するために重要なのは、アルミニウムベースの合金内のランタンとジルコニウムとの組み合わせである。1重量%超のランタンの合金内の含量は、熱抵抗性の低下をもたらし、さらに、長時間の破断強度を低下させる。
【0018】
材料、結果としてコンプレッサインペラの物理的及び機械的特性をさらに最適化することもできる。好ましい実施形態では、本発明によるコンプレッサインペラは、アルミニウムベースの合金が、鉄及び/又はマンガン及び/又はバナジウム及び/又はニッケル及び/又はニオブ及び/又はスカンジウムなどの別の元素を含有する点で特徴づけられる。各々の元素の特性プロフィールは、基本的に当業者に公知である。
【0019】
例えば、マンガン元素及び鉄元素の合金への混合は、それらの鎖特性による分散質相の形成のため材料の熱抵抗性の向上に寄与する。このため、合金の総重量に対し鉄の含量が1〜15重量%、好ましくは3〜11重量%の範囲にあり、マンガンの含量が合金の総重量に対し1〜12重量%、好ましくは3〜9.5重量%である場合、特に有利である。
【0020】
合金へのバナジウムの添加は、通常、金属間組成物の粒子分布の向上をもたらす。同時に、バナジウムは、この全体的な複合合金構造の分散質析出物に対し固結作用を有する。バナジウムは、材料の微細構造内の付着力及び凝集力を増大させ、したがって、製造された構造を安定させる。好ましくは、合金の総重量に対し0.5〜8重量%の含量で、特に好ましくは合金の総重量に対し1.5〜6重量%の含量で、バナジウムが使用される。この濃度範囲で、バナジウムは、合金構造内の付着及び凝集の特に顕著な改善をもたらし、したがって、本発明によるコンプレッサインペラの安定性の最適化に著しく寄与する。
【0021】
ニッケル元素は、本発明によるコンプレッサインペラの熱抵抗性に対し同様に相当の影響を及ぼす元素である。まさに、この場合、特に酸媒体においても、すなわち、3.5〜6、好ましくは4〜5.5のpH範囲で、材料の付着力及び凝集力を決定的に増大させるのは、アルミニウムとニッケルとの組み合わせである。好ましくは、ニッケルは、合金の総重量に対し1〜14重量%の含量で、特に好ましくは合金の総重量に対し3〜10重量%の含量で使用される。酸pH範囲の安定性を高める特性は、この場合特に注目される。
【0022】
ニオブは、アルミニウムベースの合金内で普通使用しない元素である。ニオブは、ジルコニウムと同様に、合金内の析出相の発生及び分布を最適化することが確認された。この結果、室温及び最高280℃の温度範囲の両方における機械的特性は、プラスに影響を受ける。本発明によるコンプレッサインペラ用の材料は、したがって、最高280℃の熱抵抗性によって特徴づけられる。さらに、クリープ抵抗性及び合金の振動疲労強度も数倍高められる。好ましくは、ニオブは、合金の総重量に対し0.5〜8重量%の含量で、特に好ましくは1.5〜6重量%の含量で使用される。この濃度範囲で、ニオブは、本発明によるコンプレッサインペラの熱抵抗性及び振動疲労強度の向上に特に著しく寄与する。
【0023】
スカンジウムは、ランタンと同様の合金材料に対する作用を有する。スカンジウムは、材料の強度の向上に寄与する。スカンジウムも、アルミニウムと共に特別な相、正確にはAlSc析出硬化相を形成し、この相は、同様に材料のクリープ抵抗性又はクリープ強度に対しプラスの影響を有することが確認された。さらに、熱抵抗性も増大され、さらに、低い応力サイクル係数の場合の材料疲労に対する抵抗も増大される。アルミニウムベースの合金の総重量に対し0.05〜1.0重量%の量的画分で、好ましくは0.1〜0.4重量%の量的画分で、スカンジウムが使用される場合、好ましい作用が特に注目される。
【0024】
特に有利な実施形態では、ランタン元素とスカンジウム元素との組み合わせは、アルミニウムベースの合金に使用され、アルミニウムベースの合金は、合金の総重量に対し0.13〜2.0重量%、好ましくは0.3〜0.9重量%の合計画分のランタン元素及びスカンジウム元素を含有する。この場合、正確には、材料は、低い応力サイクル係数の場合の特に高い熱抵抗性、及び材料疲労に対する抵抗性によって特徴づけられる。
【0025】
さらに有利な実施形態では、本発明によるコンプレッサインペラは、次の量的画分の次の元素又は成分をさらに含有するアルミニウムベースの合金によって特徴づけられ、量的画分は、いずれも合金の総重量に対して、1〜15重量%のFe、1〜12重量%のMn、0.5〜8重量%のNb、0.5〜8重量%のV、1〜14重量%のNi、0.35〜8重量%のZr、0.13〜2.0重量%のLaとScの和、及びAlである。排気ガスターボ過給機用のコンプレッサインペラに加工されるとき、腐食に対するこの特に高い安定性を付与し、さらに、低い応力サイクル係数の場合の非常に優れた熱抵抗性、及び材料疲労に対する抵抗性によって特徴づけられる材料をもたらすのは、まさに、所定の量的画分のこれらの元素の組み合わせである。コンプレッサインペラは、改善されたクリープ強度及び優れた振動疲労強度性能を示す。本発明によるコンプレッサインペラが所定の量的画分の次の元素:いずれも合金の総重量に対して、3〜11重量%のFe、3〜9.5重量%のMn、1.5〜6重量%のNb、1.5〜6重量%のV、3〜10重量%のNi、1〜5重量%のZr、0.3〜0.9重量%のLaとScの和、及びAlを含有する場合、上述の特性が特に明確になる。
【0026】
上述の元素を含有するアルミニウムベースの合金から成るコンプレッサインペラは、特に優れた特性によって特徴づけられる。
【0027】
このように、最後に言及した特定の組成物に従って製造された材料は、次の特性を有する。
【0028】
【表1】

【0029】
材料の安定性を決定するために、次の試験を実施した。
・屋外露光試験
・最高300℃の温度下の引張試験
・最高300℃のクリープ強度
・酸媒体内の気候変化:4〜5.5のpHで150時間
・LCF試験:220℃で2000000サイクル、振幅:170MPa
【0030】
力を調整して(R=0)による単一段の軸方向脈動負荷のみの下で振動疲労強度試験を実施した。周囲の媒体は空気であった。室温(すなわち、約20℃)から最高220℃の温度間隔で材料(材料温度)を調査した。
【0031】
特に最も好ましい合金が、以下に挙げる元素:いずれも合金の総重量に対して、3〜5.3重量%のFe、3.2〜5.3重量%のMn、1.8〜3.2重量%のNb、1.5〜3.3重量%のV、3.7〜5.8重量%のNi、1〜3.1重量%のZr、0.1〜0.4重量%のLaと0.05〜0.3重量%のSc、及びAlから得られる。
【0032】
本発明によるこのアルミニウムベースの合金は、上記の試験で最善の結果を示した。
【0033】
本発明によれば、ターボ過給機用の本発明によるコンプレッサインペラのベースとなるアルミニウムベースの合金は、適切な方法によって、特に、噴霧圧縮法をなお実施することによって製造することができる。それぞれの材料は、従来のWIGプラズマ法及びEB法によって溶接可能である。熱処理は、約640℃の2時間の溶液焼鈍によって、及び引き続く空気冷却により行われる。析出硬化は、箱形炉内の空気冷却により約250℃で2時間行われる。
【0034】
アルミニウムベースの合金の加工は、従来の工程に従って、基礎合金の溶融、RS噴霧、予圧縮(densalHIP処理)、押出、形成及びさらなる機械加工(例えば、フライス加工)によって行われる。
【0035】
請求項7は、独立して取り扱うことができる物品として、既述したように、樹枝状の析出相を有し、かつランタン元素及びジルコニウム元素の分散体を含有するアルミニウムベースの合金から成るコンプレッサインペラを備える排気ガスターボ過給機を定義している。
【0036】
本発明によるコンプレッサインペラは次のステップ:
−請求項1〜6のいずれか1項に記載のアルミニウムベースの合金から成る溶融材料を特別な坩堝に導入するステップと、
−後続の「アトマイザ」を有する給気容器内に溶融材料を移送するステップと、
−保護ガス雰囲気の下で溶融材料を回転円板上に微細噴霧するステップと、を含む特別な方法によって製造される。
【0037】
このようにしてのみ、合金材料が得られ、この合金材料は、さらなる機械加工の後に、腐食及び応力亀裂形成に対する極めて優れた抵抗性によって特徴づけられるコンプレッサインペラを提供し、最高280℃の熱抵抗性を有し、低い応力サイクル係数の場合の材料疲労周波数の著しい低減、及び非常に優れた振動疲労強度性能を示す。本発明による方法によって、非常に微粒子の、分散質でさえある粉末形成が準備段階で加工できることが確認された。この場合、個々の元素の様々な粒子サイズを規定することができ、これによりさらに、クリープ強度の著しい向上、及び優れた振動疲労強度性能をもたらすことができる。
【0038】
図1は、本発明によるターボ過給機1の実施形態の部分図を示しており、コンプレッサ、コンプレッサケーシング、コンプレッサシャフト、軸受ケーシングと軸受装置及び同様に他のすべての従来の部品に関しそれ以上詳細に記述する必要はない。排気ガス入口管路は、この図では見ることができない。排気ガス入口管路には、排気ガス入口管路から分岐して、タービンケーシング2の排気ガス出口5に至る複流バイパス管路4が設けられる。バイパス管路4は、開閉用の調整フラップ6を有する。
【符号の説明】
【0039】
1 ターボ過給機
2 タービンケーシング
4 バイパス管路
5 排気ガス出口
6 調整フラップ/ウェイストゲートフラップ

【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランタン元素及びジルコニウム元素の分散体を含有する樹枝状の析出相を有するアルミニウムベースの合金から成る、特にディーゼルエンジン用の、ターボ過給機用コンプレッサインペラ。
【請求項2】
前記アルミニウムベースの合金が、合金の総重量に対し、0.08〜1.0重量%、好ましくは0.2〜0.5重量%の量的画分のランタン元素、及び0.35〜8重量%、好ましくは1〜5重量%の量的画分のジルコニウム元素を含有する、請求項1に記載のコンプレッサインペラ。
【請求項3】
前記アルミニウムベースの合金が、鉄及び/又はマンガン及び/又はバナジウム及び/又はニッケル及び/又はニオブ及び/又はスカンジウムなどの別の元素を含有する、請求項1又は2に記載のコンプレッサインペラ。
【請求項4】
前記アルミニウムベースの合金が、ランタン元素及びスカンジウム元素を含有し、前記ランタン元素及びスカンジウム元素の合計画分が前記合金の総重量に対し0.13〜2.0重量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンプレッサインペラ。
【請求項5】
前記アルミニウムベースの合金が、次の成分:いずれも前記合金の総重量に対して、1〜15重量%のFe、1〜12重量%のMn、0.5〜8重量%のNb、0.5〜8重量%のV、1〜14重量%のNi、0.35〜8重量%のZr、0.13〜2.0重量%のLaとScの和、およびAlを含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンプレッサインペラ。
【請求項6】
前記アルミニウムベースの合金が、次の成分:いずれも前記合金の総重量に対して、3〜11重量%のFe、3〜9.5重量%のMn、1.5〜6重量%のNb、1.5〜6重量%のV、3〜10重量%のNi、1〜5重量%のZr、0.3〜0.9重量%のLaとScの和、およびAlを含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のコンプレッサインペラ。
【請求項7】
ランタン元素及びジルコニウム元素の分散体を含有する樹枝状の析出相を有するアルミニウムベースの合金から成るコンプレッサインペラを備える、特にディーゼルエンジン用の排気ガスターボ過給機。
【請求項8】
前記アルミニウムベースの合金が、前記合金の総重量に対して、0.08〜1.0重量%、好ましくは0.2〜0.5重量%の量的画分のランタン元素、及び0.35〜8重量%、好ましくは1〜5重量%の量的画分のジルコニウム元素を含有する、請求項7に記載の排気ガスターボ過給機。
【請求項9】
前記アルミニウムベースの合金が、鉄及び/又はマンガン及び/又はバナジウム及び/又はニッケル及び/又はニオブ及び/又はスカンジウムなどの別の元素を含有する、請求項7又は8に記載の排気ガスターボ過給機。
【請求項10】
前記アルミニウムベースの合金が、ランタン元素及びスカンジウム元素を含有し、前記ランタン元素及びスカンジウム元素の合計画分が前記合金の総重量に対し0.13〜2.0重量%である、請求項7〜9のいずれか1項に記載の排気ガスターボ過給機。
【請求項11】
前記アルミニウムベースの合金が、次の成分:1〜15重量%のFe、1〜12重量%のMn、0.5〜8重量%のNb、0.5〜8重量%のV、1〜14重量%のNi、0.35〜8重量%のZr、0.13〜2.0重量%のLaとScの和、及びAlを含有する、請求項7〜10のいずれか1項に記載の排気ガスターボ過給機。
【請求項12】
前記アルミニウムベースの合金が、次の成分:3〜11重量%のFe、3〜9.5重量%のMn、1.5〜6重量%のNb、1.5〜6重量%のV、3〜10重量%のNi、1〜5重量%のZr、0.3〜0.9重量%のLaとScの和、及びAlを含有する、請求項7〜11のいずれか1項に記載の排気ガスターボ過給機。
【請求項13】
コンプレッサインペラを製造するための方法であって、
−請求項1〜6のいずれか1項に記載のアルミニウムベースの合金から成る溶融材料を特別な坩堝に導入するステップと、
−後続の「アトマイザ」を有する給気容器内に前記溶融材料を移送するステップと、
−保護ガス雰囲気の下で前記溶融材料を回転円板上に微細噴霧するステップと、
を含む方法。


【公表番号】特表2012−510017(P2012−510017A)
【公表日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−529144(P2011−529144)
【出願日】平成21年9月21日(2009.9.21)
【国際出願番号】PCT/US2009/057641
【国際公開番号】WO2010/036598
【国際公開日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【出願人】(500124378)ボーグワーナー インコーポレーテッド (302)
【Fターム(参考)】