ダイナミックダンパ及びプロペラシャフト
【課題】 ゴム層を外周に設けたダイナミックダンパにおいて、ゴム層の形成を単純にしながら、ダイナミックダンパの中空シャフトに対する圧入性、耐抜け荷重特性を向上すること。
【解決手段】 ダイナミックダンパ10において、アウタパイプ20が円筒の周方向に間隔を介する複数か所に外方への張出し部22を設け、該アウタパイプ20の外周面に被着されたゴム層50の外径を円形状にし、該ダイナミックダンパ10が中空シャフト2の円形孔内に圧入されて用いられるもの。
【解決手段】 ダイナミックダンパ10において、アウタパイプ20が円筒の周方向に間隔を介する複数か所に外方への張出し部22を設け、該アウタパイプ20の外周面に被着されたゴム層50の外径を円形状にし、該ダイナミックダンパ10が中空シャフト2の円形孔内に圧入されて用いられるもの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はダイナミックダンパ及びプロペラシャフトに関する。
【背景技術】
【0002】
中空プロペラシャフトの軸方向のストレートな円形孔内に圧入されて該プロペラシャフトの振動を低減し、車体振動や騒音を低減するダイナミックダンパとして、特許文献1、2に記載の如く、アウタパイプと、アウタパイプの内部に配置されるウエイトと、アウタパイプとウエイトの間に介装される弾性体と、アウタパイプの外周面に被着されるゴム層とを有してなるものがある。
【0003】
このダイナミックダンパは、ゴム層の弾性変形によってダイナミックダンパを中空シャフトの孔内に容易に挿嵌することができるとともに、ゴム層の弾性力によって該孔内に圧接させて固定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平3-288041
【特許文献2】特開平9-11762
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のダイナミックダンパは、円筒状のアウタパイプの外周面の全周に一定厚みのゴム層を連続形成している。このとき、中空プロペラシャフトに対するゴム層の圧接力を高くするように、ダイナミックダンパが中空プロペラシャフトに圧入されるときのゴム層の圧縮率を高くすると、ゴム層の圧縮率がアウタパイプまわりの全周に渡って高くなり、中空プロペラシャフトの内径公差のバラツキ等と相まってダイナミックダンパの圧入が困難になる。逆に、ゴム層の圧縮率を低くすると、中空プロペラシャフトに対するゴム層の圧接力が低くなり、中空プロペラシャフトの回転数、トルクの急激な変動等による大きな加速度、振動、ねじれに対する、ゴム層の中空プロペラシャフトに対する耐抜け荷重特性が低下する。
【0006】
特許文献2に記載のダイナミックダンパは、円筒状のアウタパイプの外周面の複数か所にゴム層を部分形成したから、ゴム層の圧縮率をアウタパイプの全周に渡って高くせず、ダイナミックダンパの圧入を容易にしながら、中空プロペラシャフトに対するゴム層の圧接力をその高い圧縮率の部分で確保してその耐抜け性を向上できるものの、ゴム層の部分形成に困難がある。
【0007】
特許文献2に記載のダイナミックダンパは、弾性体がアウタパイプとウエイトの間の環状空間内に配置され、アウタパイプの内面に接着される外周層と、ウエイトの外面に接着される内周層と、外周層と内周層の間の周方向複数位置に設けられる弾性介装部とからなり、相隣る弾性介装部の間に貫通状空洞部を設けてなるものとされている。弾性体の各弾性介装部が、アウタパイプとウエイトの間で、アウタパイプの円筒内面に対向配置されている。従って、中空プロペラシャフトの内径等との関係でアウタパイプ及びウエイトの径を定めたとき、各弾性介装部の両端部を弾性体の外周層と内周層を介して支持するアウタパイプとウエイトの間隔(各弾性介装部の実質的な両端支持長さL)が一義的に定まり、弾性介装部が提供するダンパ機能であるところの、アウタパイプに対するウエイトの振動特性、ひいてはダイナミックダンパの共振周波数をチューニングすることに困難がある。
【0008】
また、各弾性介装部がアウタパイプの一定曲率の円筒内面に対向配置されて支持されているに過ぎず、各弾性介装部のアウタパイプによる支持構造に格別の安定性がなく、アウタパイプに対してウエイトを担持している各弾性介装部の耐久性の向上に困難がある。
【0009】
本発明の課題は、ゴム層を外周に設けたダイナミックダンパにおいて、ゴム層の形成を単純にしながら、ダイナミックダンパの中空シャフトに対する圧入性、耐抜け荷重特性を向上することにある。
【0010】
本発明の他の課題は、ダイナミックダンパの共振周波数のチューニングのための調整巾を拡大するとともに、アウタパイプに対してウエイトを担持している各弾性介装部の耐久性をも向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明は、アウタパイプと、アウタパイプの内部に配置されるウエイトと、アウタパイプとウエイトの間に介装される弾性体と、アウタパイプの外周面に被着されるゴム層とを有してなるダイナミックダンパにおいて、アウタパイプが円筒の周方向に間隔を介する複数か所に外方への張出し部を設け、該アウタパイプの外周面に被着されたゴム層の外径を円形状にし、該ダイナミックダンパが中空シャフトの円形孔内に圧入されて用いられるようにしたものである。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記弾性体がアウタパイプとウエイトの間の環状空間内に配置され、アウタパイプの内面に接着される外周層と、ウエイトの外面に接着される内周層と、外周層と内周層の間の周方向複数位置に設けられる弾性介装部とからなり、相隣る弾性介装部の間に貫通状空洞部を設けてなるようにしたものである。
【0013】
請求項3の発明は、請求項2の発明において更に、前記弾性体の弾性介装部がアウタパイプの張出し部の内面凹部に対向配置されるようにしたものである。
【0014】
請求項4の発明は、請求項2の発明において更に、前記弾性体の弾性介装部とアウタパイプの張出し部とが周方向に交互に配置されるようにしたものである。
【0015】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載のダイナミックダンパを中空シャフト内に圧入して固定配置したプロペラシャフトである。
【発明の効果】
【0016】
(請求項1、2)
(a)アウタパイプの外周面の全周にゴム層を被着したとき、アウタパイプの張出し部の外面凸部に対応するゴム層が、その厚みを他の部分の厚みよりも薄肉にし、ダイナミックダンパが中空シャフトに圧入されたときの、その圧縮率を他の部分の圧縮率よりも高くするものになる。従って、アウタパイプの全周にゴム層を被着することによってゴム層の形成を単純にしながら、ゴム層の圧縮率をアウタパイプの全周に渡って高くせず、ダイナミックダンパの圧入を容易にしながら、中空シャフトに対するゴム層の圧接力をその高い圧縮率の部分で確保し、ダイナミックダンパの中空シャフトに対する圧入性、耐抜け性を向上できる。
【0017】
(請求項3)
(b)アウタパイプに対してウエイトを担持している弾性体の弾性介装部がアウタパイプの張出し部の内面凹部に対向配置される。従って、中空シャフトの内径等との関係でアウタパイプ及びウエイトの径を定めたとき、各弾性介装部の両端部を弾性体の外周層と内周層を介して支持するアウタパイプとウエイトの間隔(各弾性介装部の実質的な両端支持長さL)を、アウタパイプの張出し部の内面凹部の深さhの設定により調整でき、アウタパイプに対するウエイトの振動特性、ひいてはダイナミックダンパの共振周波数を広範にチューニングできる。
【0018】
(c)各弾性介装部がアウタパイプの張出し部の内面凹部に外周層を介してはまり込む如くに対向配置されて支持され、更に円筒の内面の周方向長さをへこみによって長くした該内面凹部に大きな接着長さ(支持長さ)に渡って接着支持される。従って、各弾性介装部のアウタパイプによる周方向、径方向でのウエイト支持構造の安定性を向上し、アウタパイプに対してウエイトを担持している各弾性介装部の耐久信頼性を向上できる。
【0019】
(請求項4)
(d)アウタパイプに対してウエイトを担持している弾性体の弾性介装部とアウタパイプの張出し部とが周方向に交互に配置される。ダイナミックダンパが中空シャフトに圧入されたときに、アウタパイプの張出し部に対応するゴム層が高い圧縮率で圧縮された大きな圧接力が、直接弾性体の弾性介装部に作用することがなく、弾性介装部が提供する本来のダンパ機能(アウタパイプに対するウエイトの振動特性)を十分発揮することができる。
【0020】
(請求項5)
(e)プロペラシャフトにおいて、上述(a)〜(d)を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1はダイナミックダンパを示し、(A)は正面図、(B)はB−B線に沿う断面図である。
【図2】図2はダイナミックダンパを示す拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1のダイナミックダンパ10は、自動車用プロペラシャフト1の中空シャフト2の軸方向にストレートな円形孔内の軸方向所定位置に圧入して嵌挿され、固定配置されたものである。ダイナミックダンパ10は、プロペラシャフト1の振動を低減し、車体振動や騒音を低減する。
【0023】
ダイナミックダンパ10は、アウタパイプ20と、ウエイト30と、弾性体40と、ゴム層50とを有して構成される。
【0024】
アウタパイプ20は、後述する如くの筒状をなし、ばね鋼板等の金属板からなる巻きパイプ又は鋼管等の金属管の中空パイプからなる。
【0025】
ウエイト30は、円柱等の短柱状をなし、棒鋼等の金属棒からなる。ウエイト30は、アウタパイプ20の内部に該アウタパイプ20と同芯配置される。ウエイト30はアウタパイプ20より広巾とされる。
【0026】
弾性体40は、アウタパイプ20とウエイト30の間の環状空間11内に配置され、アウタパイプ20の内面に接着される外周層41と、ウエイト30の外面に接着される内周層42と、外周層41と内周層42の間の周方向複数位置(本実施形態では5位置)に設けた弾性介装部43とからなる。外周層41と内周層42はアウタパイプ20と概ね同一巾とされる。弾性介装部43は外周層41と内周層42より狭巾とされ、外周層41と内周層42の巾方向中央部に立設される。そして、弾性体40は、相隣る弾性介装部43、43の間に貫通状空洞部44を設けている。弾性体40は、合成ゴム等からなり、アウタパイプ20とウエイト30とともに一体に加硫形成される。
【0027】
ゴム層50は、アウタパイプ20の外周面に被着される。ゴム層50は、軸方向にストレートな外径であって、中空シャフト2の孔径よりも大きな外径を有する円筒状をなし、中空シャフト2の孔内に圧入されて挿嵌されたダイナミックダンパ10は、中空シャフト2の孔に対するゴム層50の弾性力及び摩擦によって軸方向の所定位置に固定される。
【0028】
しかるに、ダイナミックダンパ10は、図2に示す如く、アウタパイプ20が概ね真円をなす真円部21を有してなる円筒の周方向に間隔を介する複数か所(本実施形態では5か所)に外方への張出し部22を設け、該アウタパイプ20の外周面に被着されたゴム層50の外径を円形状にしている。本実施例において、アウタパイプ20は円筒の真円部21を周方向で等間隔をなすように5分割し、分割された各真円部21の間で外方へ緩やかな山形の凸状曲線をなして突条をなす5個の張出し部22を設けた。各張出し部22は、ダイナミックダンパ10の中心(アウタパイプ20、ウエイト30、弾性体40、ゴム層50の中心)を通る直径上に位置する当該張出し部22の中心線に対して線対称の突条をなす。
【0029】
また、ダイナミックダンパ10は、弾性体40の各弾性介装部43がアウタパイプ20の各張出し部22の内面凹部22Aに対向配置される。即ち、各弾性介装部43のダイナミックダンパ10の中心線を通る直径上に位置する当該弾性介装部43の中心線がアウタパイプ20の各張出し部22の中心線に合致し、各弾性介装部43がアウタパイプ20の各張出し部22の内面凹部22Aの周方向の中央部に対向配置される。各弾性介装部43の外方端部が弾性体40の外周層41を介して各張出し部22の内面凹部22Aに支持され、弾性体40の外周層41は各張出し部22の内面凹部22Aに接着される部分を他の部分よりも外方に張り出る山形状(凸状)にしている。尚、弾性体40の外周層41は、アウタパイプ20の各張出し部22の内面凹部22Aに沿ってアウタパイプ20の内周面に対し一定厚みで、配設しても良い。この場合、各弾性介装部43は外周層41との当接(外方端部)位置をより長く形成できるので、各弾性介装部43のチューニング幅が広がる。各弾性介装部43の内方端部は弾性体40の内周層42を介してウエイト30を支持する。
【0030】
ダイナミックダンパ10は、成形型内にアウタパイプ20とウエイト30を配置した状態で、ゴムを注入して弾性体40とゴム層50を一体成形することにて加硫形成される。
【0031】
従って、本実施例のダイナミックダンパ10によれば、以下の作用効果がある。
(a)アウタパイプ20の外周面の全周にゴム層50を被着したとき、アウタパイプ20の張出し部22の外面凸部22Bに対応するゴム層50が、その厚みを他の部分の厚みよりも薄肉にし、ダイナミックダンパ10が中空シャフト2に圧入されたときの、その圧縮率を他の部分の圧縮率よりも高くするものになる。従って、アウタパイプ20の全周にゴム層50を被着することによってゴム層50の形成を単純にしながら、ゴム層50の圧縮率をアウタパイプ20の全周に渡って高くせず、ダイナミックダンパ10の圧入を容易にしながら、中空シャフト2に対するゴム層50の圧接力をその高い圧縮率の部分で確保でき、ダイナミックダンパ10の中空シャフト2に対する圧入性、耐抜け荷重特性を向上できる。
【0032】
(b)アウタパイプ20に対してウエイト30を担持している弾性体40の弾性介装部43がアウタパイプ20の張出し部22の内面凹部22Aに対向配置される。従って、中空シャフト2の内径等との関係でアウタパイプ20及びウエイト30の径を定めたとき、各弾性介装部43の両端部を弾性体40の外周層41と内周層42を介して支持するアウタパイプ20とウエイト30の間隔(各弾性介装部43の実質的な両端支持長さL)を、アウタパイプ20の張出し部22の内面凹部22Aの深さhの設定により調整でき、アウタパイプ20に対するウエイト30の振動特性、ひいてはダイナミックダンパ10の共振周波数を広範囲にチューニングできる。
【0033】
(c)各弾性介装部43がアウタパイプ20の張出し部22の内面凹部22Aに外周層41を介してはまり込む如くに対向配置されて支持され、更に円筒の内面の周方向長さをへこみによって長くした該内面凹部22Aに大きな接着長さ(支持長さ)に渡って接着支持されるとともに、内面凹部22Aに係合されて、接着される。従って、各弾性介装部43のアウタパイプ20による支持構造の安定性を向上し、アウタパイプ20に対してウエイト30を担持している各弾性介装部43の耐久性を向上できる。
【0034】
(d)プロペラシャフト1において、上述(a)〜(c)を実現できる。
【0035】
尚、ダイナミックダンパ10の変形例にあっては、弾性体40の各弾性介装部43とアウタパイプ20の各張出し部22とが周方向に交互に配置されても良い。即ち、各弾性介装部43の中心線がアウタパイプ20の相隣る張出し部22に挟まれる真円部21の周方向の中央部を通り、各弾性介装部43がアウタパイプ20の相隣る張出し部22に挟まれる真円部21の周方向の中央部に対向配置されるものである。
【0036】
本変形例によれば、アウタパイプ20に対してウエイト30を担持している弾性体40の弾性介装部43とアウタパイプ20の張出し部22とが周方向に交互に配置される。ダイナミックダンパ10が中空シャフト2に圧入されたときに、アウタパイプ20の張出し部22に対応するゴム層50が高い圧縮率で圧縮された大きな圧接力によりアウタパイプ20が内側に変形したとしても、直接弾性体40の弾性介装部43に作用することがなく、弾性介装部43が提供する本来のダンパ機能(アウタパイプ20に対するウエイト30の振動特性)を十分発揮することができる。
【0037】
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、アウタパイプ20及び/又はウエイト30を弾性体40またはゴム層50により完全に一体に覆うこともできる。これにより、防錆処理を廃止することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、アウタパイプが円筒の周方向に間隔を介する複数か所に外方への張出し部を設け、該アウタパイプの外周面に被着されたゴム層の外径を円形状にし、該ダイナミックダンパが中空シャフトの円形孔内に圧入されて用いられる。従って、ゴム層を外周に設けたダイナミックダンパにおいて、ゴム層の形成を単純にしながら、ダイナミックダンパの中空シャフトに対する圧入性、耐抜け荷重特性を向上することができる。また、ダイナミックダンパの共振周波数のチューニング巾を拡げるとともに、アウタパイプに対してウエイトを担持している各弾性介装部の耐久信頼性を向上することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 プロペラシャフト
2 中空シャフト
10 ダイナミックダンパ
20 アウタパイプ
22 張出し部
22A 内面凹部
22B 外面凸部
30 ウエイト
40 弾性体
41 外周層
42 内周層
43 弾性介装部
44 貫通状空洞部
50 ゴム層
【技術分野】
【0001】
本発明はダイナミックダンパ及びプロペラシャフトに関する。
【背景技術】
【0002】
中空プロペラシャフトの軸方向のストレートな円形孔内に圧入されて該プロペラシャフトの振動を低減し、車体振動や騒音を低減するダイナミックダンパとして、特許文献1、2に記載の如く、アウタパイプと、アウタパイプの内部に配置されるウエイトと、アウタパイプとウエイトの間に介装される弾性体と、アウタパイプの外周面に被着されるゴム層とを有してなるものがある。
【0003】
このダイナミックダンパは、ゴム層の弾性変形によってダイナミックダンパを中空シャフトの孔内に容易に挿嵌することができるとともに、ゴム層の弾性力によって該孔内に圧接させて固定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平3-288041
【特許文献2】特開平9-11762
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のダイナミックダンパは、円筒状のアウタパイプの外周面の全周に一定厚みのゴム層を連続形成している。このとき、中空プロペラシャフトに対するゴム層の圧接力を高くするように、ダイナミックダンパが中空プロペラシャフトに圧入されるときのゴム層の圧縮率を高くすると、ゴム層の圧縮率がアウタパイプまわりの全周に渡って高くなり、中空プロペラシャフトの内径公差のバラツキ等と相まってダイナミックダンパの圧入が困難になる。逆に、ゴム層の圧縮率を低くすると、中空プロペラシャフトに対するゴム層の圧接力が低くなり、中空プロペラシャフトの回転数、トルクの急激な変動等による大きな加速度、振動、ねじれに対する、ゴム層の中空プロペラシャフトに対する耐抜け荷重特性が低下する。
【0006】
特許文献2に記載のダイナミックダンパは、円筒状のアウタパイプの外周面の複数か所にゴム層を部分形成したから、ゴム層の圧縮率をアウタパイプの全周に渡って高くせず、ダイナミックダンパの圧入を容易にしながら、中空プロペラシャフトに対するゴム層の圧接力をその高い圧縮率の部分で確保してその耐抜け性を向上できるものの、ゴム層の部分形成に困難がある。
【0007】
特許文献2に記載のダイナミックダンパは、弾性体がアウタパイプとウエイトの間の環状空間内に配置され、アウタパイプの内面に接着される外周層と、ウエイトの外面に接着される内周層と、外周層と内周層の間の周方向複数位置に設けられる弾性介装部とからなり、相隣る弾性介装部の間に貫通状空洞部を設けてなるものとされている。弾性体の各弾性介装部が、アウタパイプとウエイトの間で、アウタパイプの円筒内面に対向配置されている。従って、中空プロペラシャフトの内径等との関係でアウタパイプ及びウエイトの径を定めたとき、各弾性介装部の両端部を弾性体の外周層と内周層を介して支持するアウタパイプとウエイトの間隔(各弾性介装部の実質的な両端支持長さL)が一義的に定まり、弾性介装部が提供するダンパ機能であるところの、アウタパイプに対するウエイトの振動特性、ひいてはダイナミックダンパの共振周波数をチューニングすることに困難がある。
【0008】
また、各弾性介装部がアウタパイプの一定曲率の円筒内面に対向配置されて支持されているに過ぎず、各弾性介装部のアウタパイプによる支持構造に格別の安定性がなく、アウタパイプに対してウエイトを担持している各弾性介装部の耐久性の向上に困難がある。
【0009】
本発明の課題は、ゴム層を外周に設けたダイナミックダンパにおいて、ゴム層の形成を単純にしながら、ダイナミックダンパの中空シャフトに対する圧入性、耐抜け荷重特性を向上することにある。
【0010】
本発明の他の課題は、ダイナミックダンパの共振周波数のチューニングのための調整巾を拡大するとともに、アウタパイプに対してウエイトを担持している各弾性介装部の耐久性をも向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明は、アウタパイプと、アウタパイプの内部に配置されるウエイトと、アウタパイプとウエイトの間に介装される弾性体と、アウタパイプの外周面に被着されるゴム層とを有してなるダイナミックダンパにおいて、アウタパイプが円筒の周方向に間隔を介する複数か所に外方への張出し部を設け、該アウタパイプの外周面に被着されたゴム層の外径を円形状にし、該ダイナミックダンパが中空シャフトの円形孔内に圧入されて用いられるようにしたものである。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記弾性体がアウタパイプとウエイトの間の環状空間内に配置され、アウタパイプの内面に接着される外周層と、ウエイトの外面に接着される内周層と、外周層と内周層の間の周方向複数位置に設けられる弾性介装部とからなり、相隣る弾性介装部の間に貫通状空洞部を設けてなるようにしたものである。
【0013】
請求項3の発明は、請求項2の発明において更に、前記弾性体の弾性介装部がアウタパイプの張出し部の内面凹部に対向配置されるようにしたものである。
【0014】
請求項4の発明は、請求項2の発明において更に、前記弾性体の弾性介装部とアウタパイプの張出し部とが周方向に交互に配置されるようにしたものである。
【0015】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載のダイナミックダンパを中空シャフト内に圧入して固定配置したプロペラシャフトである。
【発明の効果】
【0016】
(請求項1、2)
(a)アウタパイプの外周面の全周にゴム層を被着したとき、アウタパイプの張出し部の外面凸部に対応するゴム層が、その厚みを他の部分の厚みよりも薄肉にし、ダイナミックダンパが中空シャフトに圧入されたときの、その圧縮率を他の部分の圧縮率よりも高くするものになる。従って、アウタパイプの全周にゴム層を被着することによってゴム層の形成を単純にしながら、ゴム層の圧縮率をアウタパイプの全周に渡って高くせず、ダイナミックダンパの圧入を容易にしながら、中空シャフトに対するゴム層の圧接力をその高い圧縮率の部分で確保し、ダイナミックダンパの中空シャフトに対する圧入性、耐抜け性を向上できる。
【0017】
(請求項3)
(b)アウタパイプに対してウエイトを担持している弾性体の弾性介装部がアウタパイプの張出し部の内面凹部に対向配置される。従って、中空シャフトの内径等との関係でアウタパイプ及びウエイトの径を定めたとき、各弾性介装部の両端部を弾性体の外周層と内周層を介して支持するアウタパイプとウエイトの間隔(各弾性介装部の実質的な両端支持長さL)を、アウタパイプの張出し部の内面凹部の深さhの設定により調整でき、アウタパイプに対するウエイトの振動特性、ひいてはダイナミックダンパの共振周波数を広範にチューニングできる。
【0018】
(c)各弾性介装部がアウタパイプの張出し部の内面凹部に外周層を介してはまり込む如くに対向配置されて支持され、更に円筒の内面の周方向長さをへこみによって長くした該内面凹部に大きな接着長さ(支持長さ)に渡って接着支持される。従って、各弾性介装部のアウタパイプによる周方向、径方向でのウエイト支持構造の安定性を向上し、アウタパイプに対してウエイトを担持している各弾性介装部の耐久信頼性を向上できる。
【0019】
(請求項4)
(d)アウタパイプに対してウエイトを担持している弾性体の弾性介装部とアウタパイプの張出し部とが周方向に交互に配置される。ダイナミックダンパが中空シャフトに圧入されたときに、アウタパイプの張出し部に対応するゴム層が高い圧縮率で圧縮された大きな圧接力が、直接弾性体の弾性介装部に作用することがなく、弾性介装部が提供する本来のダンパ機能(アウタパイプに対するウエイトの振動特性)を十分発揮することができる。
【0020】
(請求項5)
(e)プロペラシャフトにおいて、上述(a)〜(d)を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1はダイナミックダンパを示し、(A)は正面図、(B)はB−B線に沿う断面図である。
【図2】図2はダイナミックダンパを示す拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1のダイナミックダンパ10は、自動車用プロペラシャフト1の中空シャフト2の軸方向にストレートな円形孔内の軸方向所定位置に圧入して嵌挿され、固定配置されたものである。ダイナミックダンパ10は、プロペラシャフト1の振動を低減し、車体振動や騒音を低減する。
【0023】
ダイナミックダンパ10は、アウタパイプ20と、ウエイト30と、弾性体40と、ゴム層50とを有して構成される。
【0024】
アウタパイプ20は、後述する如くの筒状をなし、ばね鋼板等の金属板からなる巻きパイプ又は鋼管等の金属管の中空パイプからなる。
【0025】
ウエイト30は、円柱等の短柱状をなし、棒鋼等の金属棒からなる。ウエイト30は、アウタパイプ20の内部に該アウタパイプ20と同芯配置される。ウエイト30はアウタパイプ20より広巾とされる。
【0026】
弾性体40は、アウタパイプ20とウエイト30の間の環状空間11内に配置され、アウタパイプ20の内面に接着される外周層41と、ウエイト30の外面に接着される内周層42と、外周層41と内周層42の間の周方向複数位置(本実施形態では5位置)に設けた弾性介装部43とからなる。外周層41と内周層42はアウタパイプ20と概ね同一巾とされる。弾性介装部43は外周層41と内周層42より狭巾とされ、外周層41と内周層42の巾方向中央部に立設される。そして、弾性体40は、相隣る弾性介装部43、43の間に貫通状空洞部44を設けている。弾性体40は、合成ゴム等からなり、アウタパイプ20とウエイト30とともに一体に加硫形成される。
【0027】
ゴム層50は、アウタパイプ20の外周面に被着される。ゴム層50は、軸方向にストレートな外径であって、中空シャフト2の孔径よりも大きな外径を有する円筒状をなし、中空シャフト2の孔内に圧入されて挿嵌されたダイナミックダンパ10は、中空シャフト2の孔に対するゴム層50の弾性力及び摩擦によって軸方向の所定位置に固定される。
【0028】
しかるに、ダイナミックダンパ10は、図2に示す如く、アウタパイプ20が概ね真円をなす真円部21を有してなる円筒の周方向に間隔を介する複数か所(本実施形態では5か所)に外方への張出し部22を設け、該アウタパイプ20の外周面に被着されたゴム層50の外径を円形状にしている。本実施例において、アウタパイプ20は円筒の真円部21を周方向で等間隔をなすように5分割し、分割された各真円部21の間で外方へ緩やかな山形の凸状曲線をなして突条をなす5個の張出し部22を設けた。各張出し部22は、ダイナミックダンパ10の中心(アウタパイプ20、ウエイト30、弾性体40、ゴム層50の中心)を通る直径上に位置する当該張出し部22の中心線に対して線対称の突条をなす。
【0029】
また、ダイナミックダンパ10は、弾性体40の各弾性介装部43がアウタパイプ20の各張出し部22の内面凹部22Aに対向配置される。即ち、各弾性介装部43のダイナミックダンパ10の中心線を通る直径上に位置する当該弾性介装部43の中心線がアウタパイプ20の各張出し部22の中心線に合致し、各弾性介装部43がアウタパイプ20の各張出し部22の内面凹部22Aの周方向の中央部に対向配置される。各弾性介装部43の外方端部が弾性体40の外周層41を介して各張出し部22の内面凹部22Aに支持され、弾性体40の外周層41は各張出し部22の内面凹部22Aに接着される部分を他の部分よりも外方に張り出る山形状(凸状)にしている。尚、弾性体40の外周層41は、アウタパイプ20の各張出し部22の内面凹部22Aに沿ってアウタパイプ20の内周面に対し一定厚みで、配設しても良い。この場合、各弾性介装部43は外周層41との当接(外方端部)位置をより長く形成できるので、各弾性介装部43のチューニング幅が広がる。各弾性介装部43の内方端部は弾性体40の内周層42を介してウエイト30を支持する。
【0030】
ダイナミックダンパ10は、成形型内にアウタパイプ20とウエイト30を配置した状態で、ゴムを注入して弾性体40とゴム層50を一体成形することにて加硫形成される。
【0031】
従って、本実施例のダイナミックダンパ10によれば、以下の作用効果がある。
(a)アウタパイプ20の外周面の全周にゴム層50を被着したとき、アウタパイプ20の張出し部22の外面凸部22Bに対応するゴム層50が、その厚みを他の部分の厚みよりも薄肉にし、ダイナミックダンパ10が中空シャフト2に圧入されたときの、その圧縮率を他の部分の圧縮率よりも高くするものになる。従って、アウタパイプ20の全周にゴム層50を被着することによってゴム層50の形成を単純にしながら、ゴム層50の圧縮率をアウタパイプ20の全周に渡って高くせず、ダイナミックダンパ10の圧入を容易にしながら、中空シャフト2に対するゴム層50の圧接力をその高い圧縮率の部分で確保でき、ダイナミックダンパ10の中空シャフト2に対する圧入性、耐抜け荷重特性を向上できる。
【0032】
(b)アウタパイプ20に対してウエイト30を担持している弾性体40の弾性介装部43がアウタパイプ20の張出し部22の内面凹部22Aに対向配置される。従って、中空シャフト2の内径等との関係でアウタパイプ20及びウエイト30の径を定めたとき、各弾性介装部43の両端部を弾性体40の外周層41と内周層42を介して支持するアウタパイプ20とウエイト30の間隔(各弾性介装部43の実質的な両端支持長さL)を、アウタパイプ20の張出し部22の内面凹部22Aの深さhの設定により調整でき、アウタパイプ20に対するウエイト30の振動特性、ひいてはダイナミックダンパ10の共振周波数を広範囲にチューニングできる。
【0033】
(c)各弾性介装部43がアウタパイプ20の張出し部22の内面凹部22Aに外周層41を介してはまり込む如くに対向配置されて支持され、更に円筒の内面の周方向長さをへこみによって長くした該内面凹部22Aに大きな接着長さ(支持長さ)に渡って接着支持されるとともに、内面凹部22Aに係合されて、接着される。従って、各弾性介装部43のアウタパイプ20による支持構造の安定性を向上し、アウタパイプ20に対してウエイト30を担持している各弾性介装部43の耐久性を向上できる。
【0034】
(d)プロペラシャフト1において、上述(a)〜(c)を実現できる。
【0035】
尚、ダイナミックダンパ10の変形例にあっては、弾性体40の各弾性介装部43とアウタパイプ20の各張出し部22とが周方向に交互に配置されても良い。即ち、各弾性介装部43の中心線がアウタパイプ20の相隣る張出し部22に挟まれる真円部21の周方向の中央部を通り、各弾性介装部43がアウタパイプ20の相隣る張出し部22に挟まれる真円部21の周方向の中央部に対向配置されるものである。
【0036】
本変形例によれば、アウタパイプ20に対してウエイト30を担持している弾性体40の弾性介装部43とアウタパイプ20の張出し部22とが周方向に交互に配置される。ダイナミックダンパ10が中空シャフト2に圧入されたときに、アウタパイプ20の張出し部22に対応するゴム層50が高い圧縮率で圧縮された大きな圧接力によりアウタパイプ20が内側に変形したとしても、直接弾性体40の弾性介装部43に作用することがなく、弾性介装部43が提供する本来のダンパ機能(アウタパイプ20に対するウエイト30の振動特性)を十分発揮することができる。
【0037】
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、アウタパイプ20及び/又はウエイト30を弾性体40またはゴム層50により完全に一体に覆うこともできる。これにより、防錆処理を廃止することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、アウタパイプが円筒の周方向に間隔を介する複数か所に外方への張出し部を設け、該アウタパイプの外周面に被着されたゴム層の外径を円形状にし、該ダイナミックダンパが中空シャフトの円形孔内に圧入されて用いられる。従って、ゴム層を外周に設けたダイナミックダンパにおいて、ゴム層の形成を単純にしながら、ダイナミックダンパの中空シャフトに対する圧入性、耐抜け荷重特性を向上することができる。また、ダイナミックダンパの共振周波数のチューニング巾を拡げるとともに、アウタパイプに対してウエイトを担持している各弾性介装部の耐久信頼性を向上することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 プロペラシャフト
2 中空シャフト
10 ダイナミックダンパ
20 アウタパイプ
22 張出し部
22A 内面凹部
22B 外面凸部
30 ウエイト
40 弾性体
41 外周層
42 内周層
43 弾性介装部
44 貫通状空洞部
50 ゴム層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アウタパイプと、アウタパイプの内部に配置されるウエイトと、アウタパイプとウエイトの間に介装される弾性体と、アウタパイプの外周面に被着されるゴム層とを有してなるダイナミックダンパにおいて、
アウタパイプが円筒の周方向に間隔を介する複数か所に外方への張出し部を設け、該アウタパイプの外周面に被着されたゴム層の外径を円形状にし、該ダイナミックダンパが中空シャフトの円形孔内に圧入されて用いられることを特徴とするダイナミックダンパ。
【請求項2】
前記弾性体がアウタパイプとウエイトの間の環状空間内に配置され、アウタパイプの内面に接着される外周層と、ウエイトの外面に接着される内周層と、外周層と内周層の間の周方向複数位置に設けられる弾性介装部とからなり、相隣る弾性介装部の間に貫通状空洞部を設けてなる請求項1に記載のダイナミックダンパ。
【請求項3】
前記弾性体の弾性介装部がアウタパイプの張出し部の内面凹部に対向配置される請求項2に記載のダイナミックダンパ。
【請求項4】
前記弾性体の弾性介装部とアウタパイプの張出し部とが周方向に交互に配置される請求項2に記載のダイナミックダンパ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のダイナミックダンパを中空シャフト内に圧入して固定配置したプロペラシャフト。
【請求項1】
アウタパイプと、アウタパイプの内部に配置されるウエイトと、アウタパイプとウエイトの間に介装される弾性体と、アウタパイプの外周面に被着されるゴム層とを有してなるダイナミックダンパにおいて、
アウタパイプが円筒の周方向に間隔を介する複数か所に外方への張出し部を設け、該アウタパイプの外周面に被着されたゴム層の外径を円形状にし、該ダイナミックダンパが中空シャフトの円形孔内に圧入されて用いられることを特徴とするダイナミックダンパ。
【請求項2】
前記弾性体がアウタパイプとウエイトの間の環状空間内に配置され、アウタパイプの内面に接着される外周層と、ウエイトの外面に接着される内周層と、外周層と内周層の間の周方向複数位置に設けられる弾性介装部とからなり、相隣る弾性介装部の間に貫通状空洞部を設けてなる請求項1に記載のダイナミックダンパ。
【請求項3】
前記弾性体の弾性介装部がアウタパイプの張出し部の内面凹部に対向配置される請求項2に記載のダイナミックダンパ。
【請求項4】
前記弾性体の弾性介装部とアウタパイプの張出し部とが周方向に交互に配置される請求項2に記載のダイナミックダンパ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のダイナミックダンパを中空シャフト内に圧入して固定配置したプロペラシャフト。
【図1】
【図2】
【図2】
【公開番号】特開2010−216579(P2010−216579A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−64584(P2009−64584)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(000146010)株式会社ショーワ (715)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(000146010)株式会社ショーワ (715)
【Fターム(参考)】
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