説明

ダウンロード基板を装着可能なコンピュータ装置

【課題】 迅速しかも簡単に制御プログラムをダウンロードすることができるダウンロード基板を装着可能なコンピュー装置を提供すること。
【解決手段】 ダウンロード基板12がソケット23に接続されたときに特定論理レベルの接続信号を出力する接続信号発生部と、前記接続信号発生部から出力される接続信号に応じて前記CPUから出力されるブートするセクタCS0領域を指定する信号と、セクタCS1領域を指定する信号を前記接続信号の状態に応じて切換える切換え回路61と、前記CPUは前記接続信号発生部から出力される接続信号を検知して前記ソケットにダウンロード基板が接続されていることを検出すると、前記切換え回路から切換えられて出力されるセクタ領域CS0を指定する信号により指定された第2フラッシュROM24に記憶されている制御プログラムをCPU21のメインメモリのCS0領域に読み出して実行し、第2フラッシュROM24に記憶されている制御プログラムを第1フラッシュROM22のCS1領域にダウンロードする制御手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダウンロード基板を装着可能なコンピュータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、画像形成装置には制御プログラムが格納されているフラッシュROMがターゲットボード上に実装されている。そして、フラッシュROMに格納されている制御プログラムはCPUメモリに呼び出されて実行される。
【0003】
フラッシュROMに格納されている制御プログラムはバージョンアップする必要が発生する場合がある。
【0004】
このような場合には、一般的にシリアル通信によりCPUメモリにダウンロードされる。
【0005】
しかし、シリアル通信によりダウンロードでは、通信速度が遅く、転送エラーが発生してダウンロードが失敗するという問題点がある。
【0006】
ここで、変更する制御プログラムをICカードに記憶されているプログラムからダウンロードしている画像形成装置が知られている(特許文献1参照)。
【0007】
この画像形成装置においては、特定スイッチがオンで、ICカードの接続が検知された場合に、ICカード上に格納されている格納されているプログラムをダウンロードしている。
【特許文献1】特開2000−105703
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、迅速しかも簡単に制御プログラムをダウンロードすることができるダウンロード基板を装着可能なコンピュータ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、制御プログラムを記憶する第1フラッシュROMと、制御プログラムを実行するCPUと、制御プログラムを記憶する第2フラッシュROMを実装したダウンロード基板を脱着可能なソケットがシステムボード上に実装されているコンピュータ装置において、前記ダウンロード基板が前記ソケットに接続されたときに特定論理レベルの接続信号を出力する接続信号発生部と、前記接続信号発生部から出力される接続信号に応じて前記CPUから出力されるブートするセクタCS0領域を指定する信号と、セクタCS1領域を指定する信号を前記接続信号の状態に応じて切換える切換え回路と、
前記CPUは前記接続信号発生部から出力される接続信号を検知して前記ソケットにダウンロード基板が接続されていることを検出すると、前記切換え回路から切換えられて出力されるセクタ領域CS0を指定する信号により指定された第2フラッシュROMに記憶されている制御プログラムをCPUのメインメモリのCS0領域に読み出して実行し、前記第2フラッシュROMに記憶されている制御プログラムを前記第1フラッシュROMのCS1領域にダウンロードする制御手段とを具備したことを特徴とする
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ダウンロード基板が接続されたことが検出されると、ダウンロード基板に実装されているフラッシュROMに記憶されているIPLも含めた制御プログラムをダウンロードするようにしたので、迅速しかも簡単に制御プログラムをダウンロードすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。図1は11はターゲットシステム基板、12はこのターゲットシステム基板11に装着可能なダウンロード基板である。
【0012】
ターゲットシステム基板11上にはCPU(中央処理装置)21、各種制御プログラムが格納されている第1フラッシュROM(リード・オンリ・メモリ)22が実装されている。
【0013】
このCPU21には図4のフローチャートの制御を行う制御プログラムが搭載されている。
【0014】
さらに、このターゲットシステム基板11上には、ダウンロード基板12を脱着可能とされるソケット23が実装されている。このダウンロード基板12上には例えば、改訂版の制御プログラム(IPLも含む)が格納されている第2フラッシュROM24が実装されている。
【0015】
このCPU21には電源スイッチ25の操作信号が入力されている。
【0016】
CPU21からライン31を介してフラッシュROM22にリセット信号(−RESET)が出力されると共に、ライン32を介してソケット23のリセット端子33に接続される。
【0017】
さらに、CPU21からアドレスバス34を介して第1フラッシュROM22にアドレス信号が出力されると共に、アドレスバス35を介してソケット23のアドレス端子36に接続される。
【0018】
さらに、CPU21からデータライン37を介して第1フラッシュROM22にデータ信号が出力されると共に、データライン38を介してソケット23のデータ端子39に接続される。
【0019】
さらに、CPU21からライン40を介して第1フラッシュROM22にライト信号(−WR)が出力されると共に、ライン41を介してソケット23のライト端子42に接続される。
【0020】
さらに、CPU21からライン43を介して第1フラッシュROM22にリード信号(−RD)が出力されると共に、ライン44を介してソケット23のリード端子45に接続される。
【0021】
さらに、CPU21のチップセレクト端子(−CS0)はゲートG1を介して第1フラッシュROM22に接続されると共に、ゲートG2を介してソケット23のチップセレクト端子46に接続される。
【0022】
さらに、CPU21のチップセレクト端子(−CS1)はゲートG3を介して第1フラッシュROM22に接続されると共に、ゲートG4を介してソケット23のチップセレクト端子46に接続される。
【0023】
ここで、ダウンロード基板12のCONNECT端子(特定信号発生部)は、ダウンロード基板12がソケット23に装着されると接地される。このとき、接地レベルとしてLレベル信号が出力される。ダウンロード基板12がソケット23に装着されていないとCONNECT信号としてHレベル信号を出力する。
【0024】
このCONNECT端子はCPU21のコネクト端子CTに接続されると共に、インバータ51を介してゲートG1にゲート信号として出力さると共に、ゲートG3にゲート信号として出力されると共に、ゲートG2にゲート信号として出力される。
【0025】
さらに、インバータ51の出力はゲートG4にゲート信号として出力される。
【0026】
各ゲートG1〜G4はゲート信号としてLレベル信号が入力されるとゲートを開ける。
【0027】
なお、インバータ51に入力側、ゲートG2及びG3のゲートはプルアップ抵抗rを介して電源Vccに接続される。
【0028】
ここで、電源Vcc、プルアップ抵抗r、ゲートG1〜G4、インバータ51により切換え回路61が構成される。
【0029】
ダウンロード基板12がソケット23に装着されるとCONNECT端子(CONNECT信号)がLレベルとなる。従って、ゲートG2及びG3が開けられる。
【0030】
一方、ダウンロード基板12が装着されていないと、CONNECT端子(CONNECT信号)はHレベルとなる。従って、ゲートG1及びG4が開かれる。
【0031】
次に、図2を参照してCPU21のメインメモリのメモリマップについて説明する。図2に示すように、CPU21のメインメモリはアドレス番地000000から1FFFFFまではブート領域(-CS0)、アドレス番地200000から3FFFFFまでは2番目のセクタ(-CS1)、アドレス番地400000からFFFFFFまでは他の領域で構成されている。
【0032】
次に、上記のように構成された本発明の一実施の形態の動作について説明する。まず、電源スイッチ25がオンされると図4に示したフローチャートの処理がCPU21で実行される。
【0033】
まず、ポートの初期化が行われる(ステップS1)。次に、CONNECT信号がO(Lレベル)であるかが判定される(ステップS2)。前述したように、ダウンロード基板12がソケット23に装着されている場合には、CONNECT信号はO(Lレベル)、ダウンロード基板12がソケット23に装着されていない場合には、CONNECT信号は1(Hレベル)となる。
【0034】
最初にダウンロード基板12がソケット23に装着されていない場合について説明する。この場合には、ステップS2の判定で「NO」と判定されて通常動作が行われる(ステップS3)。ダウンロード基板12がソケット23に装着されていない場合には、ゲートG1及びG4が開いているため、CPU21から出力されるチップセレクト信号(-CS0)はゲートG1を介して第1フラッシュROM22に出力される。このため、フラッシュROM22に記憶されている制御プログラムがCPU21のメインメモリのCS0領域に読み込まれて実行される(図3(A))。
【0035】
一方、ダウンロード基板12がソケット23に装着された場合には、ステップS2の判定で「NO」と判定される。ダウンロード基板12がソケット23に装着されている場合には、ゲートG2及びG3が開いている。CPU21から出力されるチップセレクト信号(-CS0)はゲートG2を介してターゲットシステム基板12に装着された第2フラッシュROM24に出力される。
【0036】
この場合には、まず、第2フラッシュROM24に格納されている制御プログラムがCPU21のメインメモリのCS0領域に読み出されて実行される。この制御プログラムの実行により、第2フラッシュROM24に記憶されている制御プログラムはCPU21を経由して第1フラッシュROM22に書き込むダウンロード処理が行われる(ステップS4)。
【0037】
このようにして、ダウンロード基板12に実装されている第2フラッシュROM24に記憶されている制御プログラムと第1フラッシュROM22に記憶されている制御プログラムを同一のものとすることができる。
【0038】
次に、電源スイッチ21がオフするまで待機される。そして、電源スイッチ21がオフしてからダウンロード基板12をソケット23から外す。
【0039】
その後、再度電源スイッチ21をオンすると、CPU21はターゲットシステム基板11に実装されている第1フラッシュROM22に記憶されている制御プログラムがCPU21に読み出されて実行される。
【0040】
なお、本実施の形態は、図5にシステムに適用することができる。つまり、MFP本体71や、このMFP(Multi Function Peripheral)本体71に接続されるフィニッシャ72に搭載されるCPUに図4のフローチャートの処理を行うプログラムを搭載しておいても良い。
【0041】
さらに、CPU21にダウンロード基板12に搭載されている第2フラッシュROM24から制御プログラムがダウンロードされたことを表示する表示部を接続するようにしてもよい。
【0042】
さらに、上記実施の形態では、ダウンロード基板12がソケット23に装着されるとCONNECT端子を接地(Lレベル)とするようにしたが、基板がソケット23に装着されてもCONNECT端子を接地(Lレベル)しないように構成すれば、基板として拡張ボードをソケット23に装着することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一実施の形態に係るダウンロード基板を装着可能なコンピュータ装置のブロック図。
【図2】同実施の形態に係るフラッシュROMのメモリマップを示す図。
【図3】図3(A)はダアンロード基板が接続されていないときのメインメモリのメモリマップを示す図、図3(B)はダアンロード基板が接続されているときのメインメモリのメモリマップを示す図。
【図4】同実施の形態に係るCPUの制御を示すフローチャート。
【図5】フィニッシャを有する画像形成装置の側面図。
【符号の説明】
【0044】
11…ターゲットシステム基板、12…ダウンロード基板、21…CPU、22…第1フラッシュROM、24…第2フラッシュROM、61…切換え回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御プログラムを記憶する第1フラッシュROMと、制御プログラムを実行するCPUと、制御プログラムを記憶する第2フラッシュROMを実装したダウンロード基板を脱着可能なソケットがシステムボード上に実装されているコンピュータ装置において、
前記ダウンロード基板が前記ソケットに接続されたときに特定論理レベルの接続信号を出力する接続信号発生部と、
前記接続信号発生部から出力される接続信号に応じて前記CPUから出力されるブートするセクタCS0領域を指定する信号と、セクタCS1領域を指定する信号を前記接続信号の状態に応じて切換える切換え回路と、
前記CPUは前記接続信号発生部から出力される接続信号を検知して前記ソケットにダウンロード基板が接続されていることを検出すると、前記切換え回路から切換えられて出力されるセクタ領域CS0を指定する信号により指定された第2フラッシュROMに記憶されている制御プログラムをCPUのメインメモリのCS0領域に読み出して実行し、前記第2フラッシュROMに記憶されている制御プログラムを前記第1フラッシュROMのCS1領域にダウンロードする制御手段とを具備したことを特徴とするダウンロード基板を装着可能なコンピュータ装置。
【請求項2】
前記ダウンロードが終了すると、その旨は表示部に表示されることを特徴とする請求項1記載のダウンロード基板を装着可能なコンピュータ装置。
【請求項3】
前記システムボードは画像形成装置に実装されるボードであることを特徴とする請求項1記載のダウンロード基板を装着可能なコンピュータ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−99215(P2006−99215A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−281783(P2004−281783)
【出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】